JP2017002853A - エンジンシステム - Google Patents

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彬人 ▲辻▼村
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  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)
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Abstract

【課題】吸気弁に付着するデポジットを除去する。
【解決手段】エンジンシステムは、複数の気筒のうち少なくとも1つの気筒を、燃焼室内に設けられた燃料噴射口から燃料が噴射され燃焼する稼働状態と、燃料の噴射が停止される休止状態に切り換え可能なエンジンを有し、複数の気筒それぞれに設けられた吸気弁のうち、稼働状態と休止状態との切り換えが可能な気筒に設けられた吸気弁を、気筒が休止状態のときに加熱する加熱処理を遂行する加熱制御部を備える。
【選択図】図4

Description

本発明は、エンジンの稼働中、複数の気筒のいずれかを稼働状態および休止状態に切り換え可能なエンジンシステムに関する。
従来、エンジンが低負荷のとき、複数の気筒のうち、いずれかの気筒の吸気弁および排気弁の開閉や燃料噴射を停止して休止状態とし、残りの気筒を稼働状態とする部分気筒運転に関する技術が開発されている。例えば、特許文献1では、休止状態となる気筒と稼働状態となる気筒を交互に切り換えることで、気筒の温度低下を抑制する構成が記載されている。
特許第4104518号公報
ところで、燃焼室内に設けられた燃料噴射口から燃料を噴射するエンジンでは、燃焼室に噴射された燃料のうちの未燃分が、吸気弁の弁体における燃焼室との対向面の裏側に付着して、デポジットとして吸気弁に堆積してしまう課題があった。
そこで、本発明は、吸気弁に付着するデポジットを除去することが可能なエンジンシステムを提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、複数の気筒のうち少なくとも1つの気筒を、燃焼室内に設けられた燃料噴射口から燃料が噴射され燃焼する稼働状態と、燃料の噴射が停止される休止状態に切り換え可能なエンジンを有する、本発明のエンジンシステムは、複数の気筒それぞれに設けられた吸気弁のうち、稼働状態と休止状態との切り換えが可能な気筒に設けられた吸気弁を、気筒が休止状態のときに加熱する加熱処理を遂行する加熱制御部を備えることを特徴とする。
加熱処理後、休止状態の気筒を稼働状態へ切り換える切換処理を遂行したときに、切り換えられた気筒に設けられた吸気弁の温度によって生じるノッキングを抑制するノッキング抑制処理を遂行する抑制制御部をさらに備えてもよい。
ノッキング抑制処理は、切換処理を、ノッキング抑制処理を遂行しないときよりも遅延させる制御を含んでもよい。
吸気弁を閉弁するバルブタイミングを可変とする可変バルブ機構をさらに備え、ノッキング抑制処理は、切換処理された気筒の有効圧縮比を、ノッキング抑制処理を遂行しないときよりも小さくする可変バルブ機構の制御を含んでもよい。
ノッキング抑制処理は、スロットル弁の開度を、ノッキング抑制処理を遂行しないときよりも小さくする制御を含んでもよい。
ノッキング抑制処理は、エンジン回転数を、ノッキング抑制処理を遂行しないときよりも高くする制御を含んでもよい。
本発明によれば、吸気弁に付着するデポジットを除去することが可能となる。
エンジンシステムの構成を示す概略図である。 気筒における燃焼室近傍の概略断面図である。 2気筒運転および加熱処理を説明するための説明図である。 加熱処理開始時の処理の流れを示すフローチャートである。 加熱処理後の処理の流れを示すフローチャートである。
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。かかる実施形態に示す寸法、材料、その他具体的な数値等は、発明の理解を容易にするための例示に過ぎず、特に断る場合を除き、本発明を限定するものではない。なお、本明細書および図面において、実質的に同一の機能、構成を有する要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略し、また本発明に直接関係のない要素は図示を省略する。
図1は、エンジンシステム100の構成を示す概略図である。なお、図1中、信号の流れを破線の矢印で示す。図1に示すように、エンジンシステム100には、中央処理装置(CPU)、プログラム等が格納されたROM、ワークエリアとしてのRAM等を含むマイクロコンピュータでなるECU(Engine Control Unit)110が設けられ、ECU110によりエンジン120全体が統括制御される。ただし、以下では、本実施形態に関係する構成や処理について詳細に説明し、本実施形態と無関係の構成や処理については説明を省略する。
エンジン120は、複数(ここでは、4つ)の気筒122a、122b、122cおよび122dを有する多気筒エンジンであり、シリンダブロック122に形成された各気筒122a、122b、122cおよび122dの吸気ポート124に、吸気マニホールド126が連通される。吸気マニホールド126の集合部には、エアチャンバ128を介して吸気路130が連通される。吸気路130には、上流側にエアクリーナ132が設けられ、エアクリーナ132の下流側にスロットル弁134が設けられる。
また、エンジン120のシリンダブロック122に形成された各気筒122a、122b、122cおよび122dの排気ポート136には、排気マニホールド138が連通される。排気マニホールド138の集合部には、排気路140が連通されており、排気路140には、排気ガスを浄化する触媒装置142が設けられている。
図2は、気筒122aにおける燃焼室144近傍の概略断面図である。気筒122a、122b、122cおよび122dの構成は実質的に等しいので、ここでは、重複を避けるため気筒122b〜122dについては詳細な説明を省略する。
シリンダブロック122には、シリンダヘッド146が連結されて構成されており、シリンダブロック122内のシリンダライナ148の内周面と、ピストン150の端面とで囲繞された空間が燃焼室144となっている。
シリンダヘッド146には、インジェクタ152および点火プラグ154が設けられている。インジェクタ152は、先端に形成された燃料噴射口152aが燃焼室144内に開口しており、不図示の燃料ギャラリに貯留された燃料を燃料噴射口152aから燃焼室144に噴射する。燃焼室144に噴射された燃料は、燃焼室144に供給された空気と混合されて混合気を生成する。こうして生成された混合気は、点火プラグ154によって点火されることで燃焼し、燃焼室144において爆発圧力が生じる。爆発圧力が生じることで、ピストン150がシリンダライナ148内を往復動することとなる。
ピストン150には、コンロッド156の一端が連結されており、また、コンロッド156の他端にはクランクシャフト158が連結されている。これにより、ピストン150の直進運動がクランクシャフト158の回転運動に変換されることとなる。
また、シリンダヘッド146には、吸気ポート124を開閉する吸気弁160と、排気ポート136を開閉する排気弁162とが設けられている。吸気弁160は、先端にバルブヘッド160aが形成され、基端にバルブステムエンドを有するバルブステム160bと、このバルブステム160bをバルブステムエンド側に押圧する弾性力を常時作用させるバルブスプリング160cと、を備えている。
同様に、排気弁162は、先端にバルブヘッド162aが形成され、基端にバルブステムエンドを有するバルブステム162bと、このバルブステム162bをバルブステムエンド側に押圧する弾性力を常時作用させるバルブスプリング162cと、を備えている。
バルブスプリング160c、162cの弾性力により、バルブステム160b、162bは、常時バルブステムエンド側に付勢され、バルブヘッド160a、162aがシート面に着座(当接)して吸気ポート124または排気ポート136を閉弁することとなる。
そして、バルブスプリング160cの弾性力に抗してバルブステム160bのバルブステムエンドがカム(図示せず)に押圧されると、バルブヘッド160aがシート面から離隔して吸気弁160が開弁し、吸気マニホールド126と燃焼室144とが連通する。このとき、吸気ポート124は、吸気マニホールド126から燃焼室144に吸気を流入させる。
同様に、バルブスプリング162cの弾性力に抗してバルブステム162bのバルブステムエンドがカムに押圧されると、バルブヘッド162aがシート面から離隔して排気弁162が開弁し、排気マニホールド138と燃焼室144とが連通する。このとき、排気ポート136は、燃焼室144から排気させる。
また、吸気弁160のうち、バルブステム160bのバルブステムエンド側には、加熱装置164が設けられている。加熱装置164は、例えば、電熱抵抗型のヒータであって、後述する加熱制御部の制御に応じ、吸気弁160のバルブステム160bを加熱する。バルブステム160bに加えられた熱は、熱伝導により吸気弁160全体に伝熱する。
図1に戻って、エンジンシステム100には、吸気弁160、および、排気弁162を停止させるバルブ停止機構166と、吸気弁160、および、排気弁162を開閉させるカムと、クランクシャフト158との位相差を可変させる可変バルブ機構168が設けられている。
また、エンジンシステム100には、当該カムの回転角度を検出するカムセンサ170、クランクシャフト158のクランク角を検出するクランク角センサ172、アクセル(図示せず)の開度を検出するアクセル開度センサ174が設けられる。これら各センサ170〜174は、ECU110に接続されており、検出値を示す信号をECU110に出力する。
ECU110は、各センサ170〜174から出力された信号を取得してエンジン120を制御する。ECU110は、エンジン120を制御する際、信号取得部180、目標値導出部182、空気量決定部184、噴射量決定部186、スロットル開度決定部188、点火時期決定部190、駆動制御部192(抑制制御部)、加熱制御部194として機能する。
信号取得部180は、各センサ170〜174が検出した値を示す信号を取得する。目標値導出部182は、クランク角センサ172から取得したクランク角を示す信号に基づいて現時点のエンジン回転数を導出する。また、目標値導出部182は、導出したエンジン回転数、および、アクセル開度センサ174から取得したアクセル開度を示す信号に基づいて、予め記憶されたマップを参照して目標トルクおよび目標エンジン回転数を導出する。
空気量決定部184は、目標値導出部182により導出された目標エンジン回転数および目標トルクに基づいて、各気筒122a、122b、122cおよび122dに供給する目標空気量を決定する。噴射量決定部186は、空気量決定部184により決定された各気筒122a、122b、122cおよび122dの目標空気量に基づいて、各気筒122a、122b、122cおよび122dに供給する燃料の目標噴射量を決定する。スロットル開度決定部188は、空気量決定部184により決定された各気筒122a、122b、122cおよび122dの目標空気量の合計量を導出し、合計量の空気を外部から吸気するための目標スロットル開度を決定する。点火時期決定部190は、目標値導出部182により導出された目標エンジン回転数、および、クランク角センサ172により検出されるクランク角を示す信号に基づいて、各気筒122a、122b、122cおよび122dでの点火プラグ154の目標点火時期を決定する。
駆動制御部192は、スロットル開度決定部188により決定された目標スロットル開度でスロットル弁134が開口するように、スロットル用アクチュエータ(図示せず)を駆動する。また、駆動制御部192は、噴射量決定部186により決定された目標噴射時期および目標噴射期間でインジェクタ152を駆動することで、インジェクタ152から目標噴射量の燃料を噴射させる。加熱制御部194は、後述する加熱装置164を駆動させる。
また、エンジンシステム100では、低出力時(低負荷時)、燃費改善のため、複数の気筒122a、122b、122cおよび122dのうちのいずれかを休止状態とする部分気筒運転を遂行する。本実施形態では、部分気筒運転として、2つの気筒122a、122b、または、2つの気筒122c、122dを休止状態とする2気筒運転を遂行する。
ここで、休止状態は、吸気弁160および排気弁162がいずれも閉じた状態で停止し、インジェクタ152の駆動が停止して、燃料噴射口152aから燃焼室144への燃料噴射が停止された状態である。また、吸気弁160および排気弁162が開閉するとともに、燃料噴射口152aから燃料が噴射され燃焼する状態を稼働状態と称す。
エンジンシステム100では、4つの気筒122a、122b、122cおよび122dのいずれも休止状態と稼働状態とに切り換えが可能であって、2気筒ずつ休止状態と稼働状態とを切り換える場合を例に挙げる。
休止状態では、バルブ停止機構166は、駆動制御部192の制御に応じ、カムシャフトによって駆動される各気筒のバルブステム160b、162bのうち、休止状態とする2気筒に設けられたバルブステム160b、162bの駆動を停止させる。これにより、休止状態とする2気筒の吸気弁160および排気弁162が閉弁される。
また、駆動制御部192は、休止状態とする2気筒に設けられたインジェクタ152の駆動を停止する。
ところで、燃料噴射口152aから燃焼室144内に直接燃料が噴射されると、吸気ポート124側に逆流した燃料の未燃分が、吸気弁160のバルブヘッド160aにおける燃焼室144との対向面の裏側(吸気ポート124側)に付着し、付着した燃料によるデポジット(炭化水素)が堆積することがある。そこで、加熱制御部194は、吸気弁160に堆積したデポジットを除去するため、加熱装置164を駆動させる(加熱処理)。
図3は、2気筒運転および加熱処理を説明するための説明図である。図3では、図1におけるシリンダブロック122、吸気マニホールド126、排気マニホールド138、各気筒122a、122b、122cおよび122d、および、インジェクタ152を抽出して示す。
図3(a)に示すように、エンジン120の負荷が高いとき、4つの気筒122a、122b、122cおよび122dは、いずれも稼働状態となっている。そして、エンジン120の負荷が低くなると、図3(b)に示すように、気筒122a、122bを稼働状態としたまま、気筒122c、122dを休止状態とする。
そして、予め設定された稼働時間が経過すると、図3(c)に示すように、休止状態の気筒122c、122dを稼働状態に切り換えるとともに、稼働状態の気筒122a、122bを休止状態に切り換える。
さらに、稼働時間が経過すると、休止状態の気筒122a、122bを稼働状態に切り換えるとともに、稼働状態の気筒122c、122dを休止状態に切り換え、図3(b)に示す状態に戻す。
このように、気筒122a、122bと、気筒122c、122dとで、休止状態と稼働状態とが交互に切り換えられる。このとき、加熱制御部194は、休止状態となっている2気筒が、予め設定されたデポジットの除去条件を満たすと、加熱装置164に吸気弁160を加熱させて加熱処理を遂行する。ここで、除去条件は、例えば、気筒122aが稼働状態となっている時間が、前回加熱処理を遂行してから、予め設定された駆動時間以上経過していることである。
加熱制御部194は、例えば、予め設定された加熱時間、加熱装置164による加熱処理を継続させる。ここで、加熱時間は、デポジットを除去可能な温度まで吸気弁160を昇温するために要する時間であって、予め計測によって特定されているものとする。また、例えば、吸気弁160の温度を計測する温度センサを設け、加熱制御部194は、温度センサの出力に基づいて、加熱処理の継続および終了を判断してもよい。
こうして、吸気弁160に付着したデポジットが熱分解(ガス化)されて除去され、デポジットによる吸気弁160の固着が回避されるとともに、吸気量や吸気の流れが適正化される。
また、例えば、気筒122a、122b、122cおよび122dが稼働状態において加熱処理を遂行すると、吸気弁160の温度によってノッキングが発生してしまう可能性が高まる。加熱制御部194は、気筒122a、122b、122cおよび122dが休止状態のときに加熱することから、吸気弁160の温度に起因するノッキングの発生を抑制可能となる。
また、駆動制御部192は、気筒122a、122bと、気筒122c、122dとで、休止状態と稼働状態とを交互に切り換えることから、すべての気筒122a、122b、122cおよび122dに対し、大凡均等に加熱処理を施してデポジットを除去することができ、気筒122a、122b、122cおよび122d間の性能のバラつきを抑制可能となる。
また、すべての気筒122a、122b、122cおよび122dを稼働状態とする(以下、4気筒運転と称す)ときであっても、予め設定された強制除去条件を満たすと、強制除去条件を満たす気筒122a、122b、122cまたは122dを含む2気筒を休止状態として2気筒運転に切り換えて、強制除去条件を満たす気筒122a、122b、122cまたは122dを対象として加熱処理が遂行される。ここで、強制除去条件は、上記の除去条件よりもデポジットの堆積が多いと推定される条件であって、例えば、気筒122aが稼働状態となっている時間が、前回加熱処理を遂行してから、上記の駆動時間よりも長く予め設定された強制時間以上経過していることである。
ところで、図3(b)に示すように、気筒122c、122dが休止状態となっているとき、気筒122c、122dに加熱処理が遂行された直後に、図3(c)に示すように、気筒122c、122dが稼働状態となったとする。このとき、気筒122c、122dに設けられた吸気弁160は、加熱処理の余熱で高温となっている場合がある。そのため、気筒122c、122dの吸気弁160が加熱処理の余熱で高温となっている場合に、気筒122c、122dを稼働状態とすると、不適切な位置およびタイミングで燃料(エンドガス)が自着火することでノッキングが生じるおそれがある。
そこで、駆動制御部192は、加熱処理後、気筒122a、122b、122cおよび122dのうち休止状態の2気筒を稼働状態へ切り換える切換処理を遂行したときに、予め設定されたノッキング条件を満たすと、ノッキング抑制処理を遂行する。以下、休止状態から稼働状態へ気筒122a、122b、122cおよび122dのいずれかを切り換える処理を、単に切換処理と称す。
ノッキング条件は、例えば、エンジン負荷、エンジン温度(冷却水温度)など、ノッキングの要因となる対象に関して設定される条件である。ノッキング条件を満たす場合、エンジンシステム100では、ノッキングが発生し易い状態となっていることを示す。
ノッキング抑制処理は、切り換えられた気筒122a、122b、122cまたは122dに設けられた吸気弁160の温度によって生じるノッキングを抑制するためのものであって、例えば、以下の処理が挙げられる。
(待機処理)
ノッキング抑制処理として遂行される待機処理は、例えば、ノッキング条件を満たし、かつ、駆動制御部192が、稼働時間の経過に伴い、気筒122a、122bと、気筒122c、122dとで、休止状態と稼働状態とを入れ換える前に遂行される。
駆動制御部192は、切換処理の対象となる気筒122a、122b、122cまたは122dの温度に基づいて、切換処理を遂行せずに待機する待機処理を遂行する。例えば、加熱処理の終了後、加熱処理の対象となった気筒122a、122b、122cまたは122dに設けられた吸気弁160が、ノッキングを誘発しない所定温度以下になるまでの時間を予め計測しておく。この計測された時間が待機時間として設定されており、駆動制御部192は、加熱処理後、待機時間が経過するまで切換処理を遂行しない。すなわち、ノッキング抑制処理は、ノッキング抑制処理を遂行しないときよりも、切換処理を遅延させる制御を含む。
ここでは、駆動制御部192は、待機時間が経過するまで待機処理を遂行する場合について説明したが、例えば、吸気弁160の温度を計測する温度センサを設け、温度センサの出力に基づいて、待機処理の継続および終了を判断してもよい。いずれにしても、吸気弁160が、ノッキングを誘発しない所定温度以下になってから切換処理を行うことから、ノッキングの発生を抑制できる。
(バルブタイミング変更処理)
ノッキング抑制処理として遂行されるバルブタイミング変更処理は、例えば、ノッキング条件を満たし、かつ、駆動制御部192が、エンジン負荷が高まるなどして2気筒運転から4気筒運転への切り換えが必要と判定したときに遂行される。
可変バルブ機構168は、上記のように、カムとクランクシャフト158との位相差を可変とするものである。すなわち、可変バルブ機構168は、吸気弁160を閉弁するバルブタイミングを可変とする。
そして、駆動制御部192は、可変バルブ機構168を制御し、吸気弁160を閉弁するバルブタイミングを、当該バルブタイミング変更処理が遂行されていないときよりも遅らせる(遅角させる)。吸気弁160を閉弁するバルブタイミングが遅くなると、それだけ圧縮される気体の質量が減少することから有効圧縮比が小さくなる。すなわち、ノッキング抑制処理は、切換処理された気筒122a、122b、122cまたは122dの有効圧縮比を、ノッキング抑制処理を遂行しないときよりも小さくする可変バルブ機構168の制御を含む。
吸気弁160を閉弁するバルブタイミングを遅らせて有効圧縮比を小さくすることで、加熱処理の対象となった気筒122a、122b、122cまたは122dに設けられた吸気弁160の温度が高くとも、ノッキングを抑制することが可能となる。
(スロットル開度縮小処理)
ノッキング抑制処理として遂行されるスロットル開度縮小処理は、バルブタイミング変更処理と同様、例えば、ノッキング条件を満たし、かつ、駆動制御部192が、エンジン負荷が高まるなどして2気筒運転から4気筒運転への切り換えが必要と判定したときに遂行される。
駆動制御部192は、スロットル用アクチュエータ(図示せず)を駆動して、スロットル弁134の開度を、当該スロットル開度縮小処理が遂行されていないときよりも小さくする。すなわち、ノッキング抑制処理は、スロットル弁134の開度を、ノッキング抑制処理を遂行しないときよりも小さくする制御を含む。
スロットル弁134の開度が縮小することで、燃焼室144に吸入される吸気量が減少し圧縮比が小さくなることから、加熱処理の対象となった気筒122a、122b、122cまたは122dに設けられた吸気弁160の温度が高くとも、ノッキングを抑制することが可能となる。
(回転数高速化処理)
ノッキング抑制処理として遂行される回転数高速化処理は、バルブタイミング変更処理と同様、例えば、ノッキング条件を満たし、かつ、駆動制御部192が、エンジン負荷が高まるなどして2気筒運転から4気筒運転への切り換えが必要と判定したときに遂行される。
駆動制御部192は、噴射量決定部186により決定された目標噴射量よりも多量の燃料を噴射させることで、エンジン回転数を高速化させる。すなわち、ノッキング抑制処理は、ノッキング抑制処理を遂行しないときよりも、エンジン回転数を高くする制御を含む。
燃焼室144において、燃料の自着火はエンジン回転数によらず大凡一定であるのに対し、火炎伝播速度は、燃焼室144内の気体の流れの乱れが大きいほど速くなり、火炎伝播速度が速くなることで、エンドガスで燃料が着火するよりも前に、エンドガスまで火炎が伝播し易くなる。そのため、エンジン回転数を高速化することで、火炎伝播速度を早くしてノッキングの抑制が可能となる。
また、バルブタイミング変更処理およびスロットル開度縮小処理では、エンジン出力(馬力)が低下してしまうが、エンジン回転数を高速化することで、エンジン出力の低下を補うことが可能となる。
また、上記の待機処理中であっても、駆動制御部192は、緊急時でエンジン120に高負荷が掛けられたと判断すると、待機処理を中断するとともに2気筒運転を停止し、4気筒運転に切り換える。このとき、ノッキング条件を満たす気筒122a、122b、122cまたは122dでのノッキングを回避するため、バルブタイミング変更処理、スロットル開度縮小処理、回転数高速化処理の少なくともいずれかが遂行される。
図4は、加熱処理開始時の処理の流れを示すフローチャートである。図4に示す処理は、エンジン120の駆動中、加熱処理が遂行されていないとき、所定の間隔(インターバル)を空けて繰り返し実行される。
(2気筒運転判定処理S200)
加熱制御部194は、2気筒運転が遂行されているか否かを判定する。その結果、2気筒運転が遂行されている場合、除去条件判定処理S202に処理を移し、2気筒運転が遂行されていない場合、強制除去条件判定処理S206に処理を移す。
(除去条件判定処理S202)
加熱制御部194は、休止状態となっている2気筒が、デポジットの除去条件を満たすか否かを判定する。その結果、除去条件を満たすと判定された場合、加熱処理S204に処理を移し、除去条件を満たさないと判定された場合、当該処理を終了する。
(加熱処理S204)
加熱制御部194は、除去条件判定処理S202において除去条件を満たすと判定された気筒122a、122b、122cまたは122dを対象として、加熱処理を遂行する。
(強制除去条件判定処理S206)
加熱制御部194は、稼働状態となっているいずれかの気筒122a、122b、122cまたは122dが、デポジットの強制除去条件を満たすか否かを判定する。その結果、強制除去条件を満たすと判定された場合、2気筒運転切換処理S208に処理を移し、強制除去条件を満たさないと判定された場合、当該処理を終了する。
(2気筒運転切換処理S208)
駆動制御部192は、強制除去条件判定処理S206において強制除去条件を満たすと判定された気筒122a、122b、122cまたは122dを含む2気筒を休止状態に切り換え、加熱処理S204に処理を移す。
図5は、加熱処理S204後の処理の流れを示すフローチャートである。図5に示す処理は、加熱処理S204後、加熱処理S204の対象となった気筒122a、122b、122cまたは122dが稼働状態に切り換えられる(切換処理の対象となる)ときに実行される。加熱処理S204後、加熱処理S204の対象となった気筒122a、122b、122cまたは122dが切換処理の対象となる場合とは、具体的に、2気筒運転が停止して4気筒運転を開始するとき、および、休止状態の2気筒と稼働状態の2気筒を切り換えるときである。
(ノッキング条件判定処理S220)
駆動制御部192は、加熱処理S204後に切換処理の対象となった気筒122a、122b、122cまたは122dが、ノッキング条件を満たすか否かを判定する。その結果、ノッキング条件を満たすと判定された場合、4気筒運転判定処理S222に処理を移し、ノッキング条件を満たさないと判定された場合、気筒運転処理S236に処理を移す。
(4気筒運転判定処理S222)
駆動制御部192は、2気筒運転から4気筒運転への切り換えが必要か否かを判定する。2気筒運転から4気筒運転への切り換えが必要でないと判定した場合、すなわち、休止状態の2気筒と稼働状態の2気筒を切り換える場合、待機処理S224に処理を移す。2気筒運転から4気筒運転への切り換えが必要と判定した場合、4気筒運転処理S228に処理を移す。
(待機処理S224)
駆動制御部192は、待機時間が経過するまで待機処理を遂行する。
(休止気筒切換処理S226)
駆動制御部192は、休止状態となっている2気筒を稼働状態に、稼働状態となっている2気筒を休止状態に切り換え、処理を終了する。
(4気筒運転処理S228)
駆動制御部192は、休止状態の2気筒を稼働状態に切り換える。
(バルブタイミング変更処理S230)
駆動制御部192は、可変バルブ機構168を制御し、吸気弁160を閉弁するバルブタイミングを、当該バルブタイミング変更処理S230が遂行されていないときよりも遅らせる。
(スロットル開度縮小処理S232)
駆動制御部192は、スロットル用アクチュエータ(図示せず)を駆動して、スロットル弁134の開度を、当該スロットル開度縮小処理が遂行されていないときよりも小さくする。
(回転数高速化処理S234)
駆動制御部192は、噴射量決定部186により決定された目標噴射量よりも多量の燃料を噴射させることで、エンジン回転数を高速化させ、エンジン回転数を、当該回転数高速化処理S234が遂行されていないときよりも高くする。こうして、当該処理を終了する。これにより、ノッキングが抑制されるとともに、バルブタイミング変更処理S230やスロットル開度縮小処理S232によって低下する出力を補うことができる。
(気筒運転処理S236)
駆動制御部192は、4気筒運転の切り換えが必要な場合、休止状態の2気筒を稼働状態に切り換える。また、駆動制御部192は、休止状態の2気筒と稼働状態の2気筒を切り換える場合、休止状態となっている2気筒を稼働状態に、稼働状態となっている2気筒を休止状態に切り換える。こうして、当該処理を終了する。
上述したように、加熱処理によって、休止状態の2気筒に設けられた吸気弁160のデポジットを除去することが可能となる。
上述した実施形態では、加熱装置164としてヒータを設け、加熱処理として加熱装置164を駆動させる場合について説明したが、吸気弁160を加熱可能であれば、加熱装置164は必須の構成ではない。
また、上述した実施形態では、4つの気筒122a、122b、122cおよび122dを有し、そのいずれも休止状態と稼働状態とで切換可能な場合について説明したが、2つ以上の気筒を有し、その少なくとも1つ以上の気筒が休止状態と稼働状態とで切換可能であればよい。
また、上述した実施形態では、駆動制御部192がノッキング抑制処理を遂行する場合について説明したが、駆動制御部192がノッキング抑制処理を遂行せずともよい。
また、上述した実施形態では、休止気筒切換処理S226の前に、待機処理S224を遂行する場合について説明したが、待機処理S224は必須の処理ではない。
また、上述した実施形態では、駆動制御部192は、バルブタイミング変更処理S230、スロットル開度縮小処理S232、回転数高速化処理S234をすべて遂行する場合について説明したが、これらのいずれも必須の処理ではないし、いずれか1つまたは2つを遂行するとしてもよい。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
本発明は、エンジンの稼働中、複数の気筒のいずれかを稼働状態および休止状態に切り換え可能なエンジンシステムに利用できる。
100 エンジンシステム
120 エンジン
122a〜122d 気筒
134 スロットル弁
144 燃焼室
152a 燃料噴射口
160 吸気弁
168 可変バルブ機構
192 駆動制御部(抑制制御部)
194 加熱制御部

Claims (6)

  1. 複数の気筒のうち少なくとも1つの気筒を、燃焼室内に設けられた燃料噴射口から燃料が噴射され燃焼する稼働状態と、燃料の噴射が停止される休止状態に切り換え可能なエンジンを有するエンジンシステムであって、
    前記複数の気筒それぞれに設けられた吸気弁のうち、前記稼働状態と前記休止状態との切り換えが可能な気筒に設けられた該吸気弁を、該気筒が休止状態のときに加熱する加熱処理を遂行する加熱制御部を備えることを特徴とするエンジンシステム。
  2. 前記加熱処理後、前記休止状態の気筒を前記稼働状態へ切り換える切換処理を遂行したときに、切り換えられた該気筒に設けられた吸気弁の温度によって生じるノッキングを抑制するノッキング抑制処理を遂行する抑制制御部をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載のエンジンシステム。
  3. 前記ノッキング抑制処理は、前記切換処理を、該ノッキング抑制処理を遂行しないときよりも遅延させる制御を含むことを特徴とする請求項2に記載のエンジンシステム。
  4. 前記吸気弁を閉弁するバルブタイミングを可変とする可変バルブ機構をさらに備え、
    前記ノッキング抑制処理は、前記切換処理された前記気筒の有効圧縮比を、該ノッキング抑制処理を遂行しないときよりも小さくする前記可変バルブ機構の制御を含むことを特徴とする請求項2または3に記載のエンジンシステム。
  5. 前記ノッキング抑制処理は、スロットル弁の開度を、該ノッキング抑制処理を遂行しないときよりも小さくする制御を含むことを特徴とする請求項2から4のいずれか1項に記載のエンジンシステム。
  6. 前記ノッキング抑制処理は、エンジン回転数を、該ノッキング抑制処理を遂行しないときよりも高くする制御を含むことを特徴とする請求項2から5のいずれか1項に記載のエンジンシステム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2018184081A (ja) * 2017-04-26 2018-11-22 マツダ株式会社 エンジンの制御方法及びエンジンの制御装置

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