JP2017001889A - 不焼成プレート耐火物 - Google Patents

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直秀 濱本
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Abstract

【課題】酸素の存在する酸化性雰囲気中、500〜700℃の中間温度域においても高い耐酸化性を持ち、有機樹脂由来結合の酸化劣化を抑え、安定して使用可能な不焼成プレート耐火物の提供。
【解決手段】A)アルミナを少なくとも30質量%以上含む1種又は2種以上の耐火性無機材料B)金属Al、Al含有量が35質量%以上で、融点が1000℃未満のAl合金、金属Si又はAl含有量が35質量%未満のAl合金から選択された1種又は2種以上の金属添加物2〜15質量%[但し、金属Si及びAl含有量が35質量%未満のAl合金の配合量は10質量%以下(ゼロを含む)]及びC)その他添加物0.1〜15質量%を含み、平均粒径が5μm以下の非酸化物系ホウ素化合物を、B換算量として外掛けで0.25〜5質量%で配合し、これらに有機結合剤を添加して混練、成形したものを100〜700℃で熱処理して得られる不焼成プレート耐火物。
【選択図】なし

Description

本発明は、製鋼用取鍋やタンディッシュに取り付けられて溶鋼の流量制御を行うためのスライディングノズル用不焼成プレート耐火物に関するものである。
スライディングノズル用プレート耐火物(以下、プレート耐火物と称す)は、溶融金属の流量制御装置として使用され、特に、鉄鋼業において、取鍋やタンディッシュなどの溶融金属用容器から溶鋼を排出するときに流量制御装置として2枚あるいは3枚のプレート耐火物が組み合わせて使用される。プレート耐火物の損傷形態としては、1500℃以上の溶鋼流による磨耗や溶損、熱衝撃による亀裂、酸化や地金の浸潤に伴う摺動部の面荒れなどがあり、それらの損傷をバランスよく抑える品質が求められる。
プレート耐火物としては一般的に有機樹脂を結合剤として使用した炭素含有材質が用いられる。更に、プレート耐火物には、700℃より高い温度の還元雰囲気で熱処理(焼成)を行った、いわゆる焼成プレート耐火物と、700℃以下の低温の熱処理だけを行った、いわゆる不焼成プレート耐火物がある。焼成プレート耐火物は、焼成後にピッチ、タールなどを耐火物の気孔に含浸し、更に熱処理を行うことで組織結合の強化や耐酸化性の向上を図り、有機樹脂に由来する炭素結合の酸化を防止するのが一般的である。
このような工程を経て製造された焼成プレート耐火物は、長時間の使用に耐える良好な特性を示す。しかしながら、700℃以上の高温条件下での焼成やピッチ等の含浸および含浸後の熱処理といった工程は、製造コストの上昇を招くほか、製造開始から完了までの期間が長期化するといった問題点がある。
これに対し、不焼成プレート耐火物では、700℃以上の温度での焼成工程を省き、また、ピッチ等の含浸といった工程を省略することもでき、短時間かつ省エネルギーでの製造を可能とするため、焼成プレート耐火物に対して優位な面を有する。
不焼成プレート耐火物は、有機樹脂結合剤に由来する結合によって強度を発現する。一方、プレート耐火物は使用中に大気中で加熱されるため、有機樹脂結合剤に由来する結合が大気中の酸素によって酸化劣化することを防ぐ必要がある。有機樹脂結合剤に由来する結合の酸化劣化を抑制する方法としては、主として融点が1000℃未満である低融点金属、主に、金属アルミニウムを添加することが行われている。これによって金属由来の反応生成物および溶融した金属自身を介して耐火物粒子間に結合を形成して耐火物組織に強度を付与するとともに、添加した金属および金属由来の反応生成物(完全酸化物を除く)が酸素と優先的に反応して炭素の酸化を抑制する酸化防止剤として働く。
これらの特徴により、不焼成プレート耐火物は高温下で高い耐酸化性と耐食性を有する。不焼成プレート耐火物には、例えば、以下のようなものがある。特許文献1には、耐火性無機材料の1種もしくは2種以上からなる骨材65〜97重量部、0.5mm以下の粒度をもつ融点1000℃以下の低融点金属粉1〜20重量部、および熱硬化性の合成樹脂2〜15重量部を混練、成形後、800℃以下で加熱硬化処理するか、更に、コロイダル・シリカ、エチルシリケート、珪素樹脂、珪酸ナトリウムおよび珪酸リチウムからなる群より選ばれた1種または2種以上を含浸もしくは塗布することを特徴とするスライディングノズル用プレートれんがの製造法が開示されている。特許文献1では、低融点金属粉として、アルミニウム粉末を使用する場合、市販のアルミニウム粉末には、鱗片状のフレーク粉と球状のアトマイズ粉があり、フレーク粉では600℃付近から、アトマイズ粉では800℃付近から補強効果が発現するとしている。また、中間温度域における酸化防止のためにコロイダルシリカ、エチルシリケート、珪素樹脂、珪酸ナトリウムおよび珪酸リチウムなどを含浸または塗布することにより高温下でシリカを形成し、シリカの保護膜によって結合組織の酸化を防ぐとしている。
次に、特許文献2には、アルミナ−カーボン質スライドゲートに、Si含有量が10〜50質量%のシリコン変性フェノール樹脂をバインダーとして、0.5〜10重量%添加し、混練、成形、乾燥することにより得られる、高い耐蝕性を有することを特徴とする不焼成アルミナ−カーボン質スライドゲート用プレートが開示されている。特許文献2は、アルミナ等の骨材にカーボンを添加し、バインダーとして、ピッチ、タール、フェノール樹脂に加えてシリコーン変性フェノール樹脂を添加することによって、中間温度域の強度低下を抑制し、酸化を防止しようとするものである。
また、特許文献3には、耐火性無機材料および炭素質原料と、アルミニウム−マグネシウム合金及びアルミニウムの内の少なくとも1種を0.5〜15重量%と、硼素化合物0.1〜5重量%からなることを特徴とする不焼成スライディングノズル用プレート耐火物が開示されている。また、特許文献3では、硼素化合物としてBC、ZrB、AlB、TiB、CaB等が例示されており、更に、硼素化合物の粒径は100μm以下が望ましいとしている。これらの硼素化合物を配合することにより、800℃以上で酸素と反応してBからなるガラス質皮膜を形成させて耐酸化性を高めようとするものである。
更に、特許文献4には、アルミナを耐火骨材とし、その他カーボン、金属微粉からなる配合物に直径0.2mm以下、長さ1〜5mmの炭素質ファイバーを0.5〜3重量部、炭化ほう素を0.5〜3重量部、炭化クロムを0.5〜10重量部、バインダーとしてフェノールレジンあるいはピッチを添加し、混練、成形、700℃以下で熱処理したことを特徴とする不焼成スライディングノズルプレートれんがが開示されている。また、特許文献4では、炭化ほう素は、0.044mm(44μm)以下の微粉で添加することが好ましいとしている。このような炭化ほう素を添加することで、炭化ほう素と酸素が反応する際に組織内に均一にBガラス層を生成して酸化層を被覆して内部のカーボンの酸化を抑制しようとするものである。
また、特許文献5には、アルミナ系原料を75〜97質量%、アルミニウム及び/またはアルミニウム合金を0.5〜20質量%、シリコン、粘土、炭化珪素、及び炭化硼素のうち1種以上を0.1〜15質量%含有する耐火原料配合物に有機バインダーを添加し、混練後、成形し、熱処理するプレートれんがの製造方法において、耐火原料配合物中のアルミニウム含有率に対する熱処理後のプレートれんが中のアルミニウム含有率の割合が20%以上60%以下となる条件で熱処理を行い、その後、タール、ピッチ等の炭素質含有液状物を含浸させないプレートれんがの製造方法が開示されている。また、特許文献5には、粘土、炭化珪素及び炭化硼素の1種以上を、アルミニウム及び/またはアルミニウム合金と併用することで、プレートれんがの耐酸化性及び耐消化性を向上させることができることも開示されている。また、400〜1000℃での熱処理で、アルミニウムの反応による緻密化と高強度化によってプレート耐火物組織の結合が強化されているとしている。
更に、特許文献6には、耐火性無機材料と、融点が1000℃以下であるアルミニウム含有金属のうち少なくとも1種または2種以上を3〜15質量%、カーボン質粉末原料0.3〜2質量%を含有する耐火原料配合物に有機結合剤を添加し、成形後、100〜1000℃の温度で熱処理し、かつ、アルミニウム質量に対するカーボン質量が0.2〜0.45倍の範囲であるスライディングノズル用プレートれんが;酸化防止剤としてホウ素化合物を0.1〜5質量%含有する前記スライディングノズル用プレートれんがが開示されている。特許文献6では、カーボン量とアルミニウム量の比を一定の範囲に収めることで中間温度域での強度を高めると共に、ホウ素化合物を添加することで耐酸化性を高めることができるとしている。
また、非特許文献1では、中間温度域となり、酸素と接触する可能性があるプレート耐火物の外周部のみに、Znを添加した材質を配することで、融点が420℃であるZnが中間温度域で酸化防止効果を発現するとともに、溶鋼と接する内孔部にZnを添加した材質を配さないことで、Znの沸点が907℃と低いことによって生じる溶鋼に対する耐食性の低下を防ぐことができるとしている。
特公昭60−29664号公報 特開平7−290232号公報 特開2004−82126号公報 特開平3−90271号公報 WO2009/119683 特開2012−200733号公報
しかしながら、大気中で加熱した場合、上述の文献に開示されている技術には効果を十分発揮できない温度域が存在し、その温度域に晒されたプレート耐火物が継続的に大気中の酸素と接触すると炭素結合の酸化が進行して組織が劣化してしまう問題が存在する。問題の温度域とは、有機樹脂由来の揮発ガスが完全に消失する500℃以上で、添加したアルミニウム(融点:660℃)が溶融拡散できず、その添加効果を十分に発揮することができない700℃以下の温度域を指す。以下、この温度域を「中間温度域」と呼称する。
有機樹脂由来結合が酸化によって消失すると、プレート耐火物の強度は著しく低下することになる。溶鋼の流量制御の際にはプレートの開閉が行われるため、プレート同士が摺り合わされる。そこで強度低下した酸化部分の磨耗が進行し、損傷が拡大していくという問題点があった。しかしながら、この問題点に対し、特許文献1〜6に開示されたているプレート耐火物では解決できなかった:
例えば、特許文献1では、中間温度域では強度劣化が著しいという問題点があった。また、中間温度域における酸化防止のために添加されているコロイダルシリカ、エチルシリケート、珪素樹脂、珪酸ナトリウムおよび珪酸リチウムなどは、低融点物質を生成しやすいため、溶鋼やスラグに対する耐食性が低下するという問題点があった。
また、特許文献2のシリコーン変性フェノール樹脂をバインダーとして配合したプレート耐火物では、中間温度域の強度低下は抑制できるものの、樹脂に由来するシリカが低融点物質を生成して耐食性が低下してしまうという問題点があった。
更に、特許文献3では、BCなどのホウ素化合物を添加しており、ホウ素化合物の粒径を100μm以下が好ましいとしているが、当時の技術水準を考慮すると、ホウ素化合物の粒径の下限は10μm程度、すなわち、粒径範囲は、10〜100μm程度、平均粒径は、20〜40μm程度と推測される。ここで、100〜10μmの程度の粒径を有するホウ素化合物粒子を大気雰囲気に曝した場合、プレート耐火物が使用中に到達する1000℃、1500℃といった高温域では、ホウ素化合物粒子は表面から内部まですべて酸素と反応するために、粒径は特に問題とならないが、中間温度域では、粒子表面から内部まで全体に速やかに酸化することはなく、粒子表面で酸化が停止するか、酸化が内部に向かって進行しても非常に遅いものとなってしまい、中間温度域での有機樹脂由来結合の酸化劣化を抑えることができなかった。
また、特許文献4もまた炭化ホウ素を0.5〜3重量部配合しており、炭化ホウ素の粒径は0.044mm(44μm)以下が好ましいとしているが、炭化ホウ素に44μm程度の比較的粒径の大きい粒子が混在すると、上記特許文献3と同様の理由により中間温度域での有機樹脂由来結合の酸化劣化を抑えることができなかった。なお、本発明者らが、商業的に入手可能な粒径44μm以下の炭化ホウ素の平均粒径を実際に測定したところ、15μm程度であった。
また、特許文献5もまた炭化ホウ素を配合したプレート耐火物に関するものであるが、炭化ホウ素の粒径などは何ら考慮されておらず、中間温度域での有機樹脂由来結合の酸化劣化を効果的に抑えることがでるとは言い難い。
更に、特許文献6もたまホウ素化合物を配合したプレート耐火物に関するものであるが、ホウ素化合物の粒径などは何ら考慮されておらず、中間温度域での有機樹脂由来結合の酸化劣化を抑えることができるとは言い難い。
なお、特許文献3および6の実施例においては、窒素雰囲気中600℃における熱間曲げ強度が示されているが、本発明が問題とする大気中での600℃のような中間温度域での加熱とは異なる。これは、窒素雰囲気中では、有機樹脂由来結合の酸化が起こらないため、大気雰囲気中で加熱した際に問題となる強度劣化が起こらないためである。
一方、非特許文献1に記載の複数の材質を配設したプレート耐火物は非常に有効であるが、製造手順を増やさないために一枚のプレート耐火物の中に異なる材質を配した上で一体成形するためには複雑なプレス構造と材質設計が必要となるという問題点がある。
従って、本発明の目的は、100〜700℃において熱処理を行う、いわゆる不焼成プレート耐火物において、酸素の存在する酸化性雰囲気中、500〜700℃の中間温度域においても高い耐酸化性を持ち、有機樹脂由来結合の酸化劣化を抑え、安定して使用可能な不焼成プレート耐火物を提供することにある。
本発明者らは、500〜700℃の中間温度域において、大気中で酸化劣化の起こる理由や、従来から酸化防止剤として用いられている金属アルミニウムやBCなどが有効に働かない理由を研究した。
金属アルミニウムは融点(660℃)以上の温度で溶融し、プレート耐火物組織内を拡散することで、炭素などの耐火物の構成物と反応することで強度が発現する。したがって、金属アルミニウムは融点以下の温度では強度発現効果はない。更に、金属アルミニウムは非常に活性な金属であり、通常、アルミニウム粒子表面は空気中の酸素との反応で生成した酸化皮膜に覆われている。そのため、融点である660℃以上の温度となっても、金属アルミニウム表面の酸化皮膜によって保護されるため、この酸化皮膜を破るような700℃より高い温度域にならなければ、その周囲にある有機樹脂由来結合の酸化劣化を抑えることができない。
また、BCなどのホウ素化合物は、高温では酸化してBを生成して体積膨張が起って気孔が埋まるため通気性が低下する。また、周囲にある耐火材料と化合物を形成して保護被膜を形成することで酸化を抑制する。Bの融点は約450℃であり、中間温度域ではホウ素化合物粒子の表面にB皮膜を形成するが、その生成量は多くなく、そのために中間温度域で十分な酸化防止効果を発揮できないことが解った。
そこで、本発明者らは、不焼成プレート耐火物に使用可能な酸化防止剤の、500〜700℃における酸化防止効果を鋭意研究した。その結果、非酸化物系ホウ素化合物を微細化して比表面積を増大させることで、同じ添加質量であっても500〜700℃における反応性を飛躍的に高め、酸化を抑制するとともにプレート耐火物の強度低下をも抑制できることを見出し、本発明に至った。
従って、本発明は、アルミナを少なくとも30質量%以上含む1種または2種以上の耐火性無機材料;金属Al、Al含有量が35質量%以上で、融点が1000℃未満のAl合金、金属SiおよびAl含有量が35質量%未満のAl合金からなる群から選択された1種または2種以上の金属添加物2〜15質量%[ただし、金属SiおよびAl含有量が35質量%未満のAl合金の配合量は10質量%以下(ゼロを含む)];およびその他添加物0.1〜15質量%を含み、これらに有機結合剤を添加して混練、成形したものを100〜700℃で熱処理することからなる不焼成プレート耐火物において、平均粒径が5μm以下の非酸化物系ホウ素化合物を、B換算量として外掛けで0.25〜5質量%で配合することを特徴とする不焼成プレート耐火物である。
本発明により、500〜700℃という中間温度域における酸化脱炭と強度低下を抑制するとともに、熱間での強度および溶鋼に対する耐食性の高い不焼成プレート耐火物を得ることができ、その結果、不焼成プレート耐火物が安定的に使用可能となるという効果を奏するものである。
本発明の不焼成プレート耐火物は、平均粒径が5μm以下の非酸化物系ホウ素化合物を配合したところに特徴がある。ここで、本明細書に記載する「平均粒径」は、JIS Z 8825に基づくレーザー回析・散乱式粒度分布測定によって得られたメディアン径である。
ここで、非酸化物系ホウ素化合物の平均粒径が5μmを超えると、前述のB生成量を考慮したホウ素化合物の配合量では、前記中間温度域での酸化防止効果および補強効果が不十分となる。なお、非酸化物系ホウ素化合物の平均粒径は、3μm以下が好ましい。なお、非酸化物系ホウ素化合物の粒径の下限は特に制限されるものではないが、非酸化物系ホウ素化合物粒子の表面酸化層厚みが粒子の半径と等しくなり、それ以上粒径を小さくしても酸化防止効果および補強効果が変化しなくなる最小粒径が存在することは明白である。しかしながら、各種の非酸化物系ホウ素化合物粒子の、前記中間温度域における表面酸化層厚みは大きくとも数十nmのオーダーであると考えられ、特定は困難である。しかし実用上は非酸化物系ホウ素化合物の価格、品質管理上の安定性、発火等の危険性を含めた耐火物製造時の原料としての取り扱いの容易さなどの観点から粒径0.1μm以上であることが好ましい。
上述のように、従来、プレート耐火物に酸化防止剤として使用される非酸化物系ホウ素化合物の粒径は10〜100μm程度(平均粒径20〜40μm程度)であった。非酸化物系ホウ素化合物粒子を大気雰囲気に曝した場合、プレート耐火物が使用中に到達する1000℃、1500℃といった高温域では非酸化物系ホウ素化合物粒子は表面から内部まですべて酸素と反応するため、10〜100μmという大型の粒子は特に問題とはならないが、配合する非酸化物系ホウ素化合物の粒径は酸化温度が低い条件で特に大きな影響を及ぼす。これは、酸化温度が高い場合、非酸化物系ホウ素化合物は粒子表面から内部まで全体が速やかに酸化するのに対し、酸化温度が低くなると粒子表面で酸化が停止するか、酸化の進行が非常に遅くなってしまうためである。この原因は、非酸化物系ホウ素化合物粒子表面に比較的粘度の高いB液相が保護層として形成されてしまい、非酸化物系ホウ素化合物粒子の内部に酸素が到達できなくなるためである。そのため、温度が1000℃以上の場合では、酸化反応量が非酸化物系ホウ素化合物の配合質量に比例する傾向にあるのに対して、温度が700℃以下の場合では、酸化反応量は非酸化物系ホウ素化合物粒子の表面積に比例する傾向にある。言い換えれば、非酸化物系ホウ素化合物粒子を微細化することで粒子表面積を増加させれば1000℃以上の温度域での酸化反応量に大きな変化を起こすことなく、前記中間温度域では酸素との反応性を飛躍的に高めることができる。なお、後述するが、1000℃以上の温度域で非酸化物系ホウ素化合物の酸化によるBの生成量が増えすぎると他の問題が生じる。
また、微細化した非酸化物系ホウ素化合物粒子の表面に生成するB液相は非酸化物系ホウ素化合物粒子と接触する他の耐火原料粒子との間に液相による架橋構造を形成する。架橋構造は表面張力によって粒子間に付着力を生じさせ、組織を補強する働きを示す。補強効果は非酸化物系ホウ素化合物粒子と他の粒子の接触頻度に比例するため、微細化によって非酸化物系ホウ素化合物粒子の表面積を増加させることで補強効果は著しく増大する。
非酸化物系ホウ素化合物としては、B、BC、BN、SiB、ZrB、MgB、AlB12、AlB、TiB等を単独または組み合わせて使用することができる。また、添加するホウ素化合物は乾燥粉末でも、液体と混ぜたペーストまたはゾルのような状態でもよい。中でもとりわけBCは酸素との反応性の高さ、非酸化雰囲気での安定性の高さなどにより好ましい。
非酸化物系ホウ素化合物の配合量は、B換算量として外掛けで0.25〜5質量%、好ましくは外掛けで0.5〜4質量%の範囲内である。ここで、本明細書に記載する「B換算量」とは、非酸化物系ホウ素化合物が全量酸化してBを生成した時の生成量を示すものである。非酸化物系ホウ素化合物の配合量が、B換算量として外掛けで0.25質量%未満では、十分な量の保護膜が形成できないため酸化防止効果を発揮できないために好ましくない。また、非酸化物系ホウ素化合物の配合量が、B換算量として外掛けで5質量%を超えると、不焼成プレート耐火物の耐食性が大幅に低下するために好ましくない。
非酸化物ホウ素化合物は、酸素との高い反応性によって炭素より先に自らが酸化するとともに、酸化によって生成するB(融点450℃)が450℃以上の温度域で液相を形成し、酸素の侵入を遮断する保護膜として機能することでプレート耐火物中の炭素の酸化を抑制することができるが、B液相は、溶鋼と接する部位では溶鋼に洗い流されてしまい耐食性の低下を招く原因ともなる。しかしながら、プレート耐火物中に骨材として配合されているAlとの間に、融点が1930℃である化合物、9Al・2Bを形成するため、非酸化物系ホウ素化合物の配合量が、B換算量として外掛けで5質量%以下であれば、耐食性の低下を抑制することができる。非酸化物系ホウ素化合物の配合量が、B換算量として外掛けで5質量%を超えると、Alと反応しきれずに非酸化物系ホウ素化合物が残留するか、すべて反応してもなおAl−B系の低融点物が残留して耐食性が大幅に低下する。
本発明の不焼成プレート耐火物において、耐火性無機材料としては、アルミナを少なくとも30質量%以上使用する。アルミナの配合量が30質量%未満の場合、非酸化物系ホウ素化合物が酸化した後に生成するBと結合して9Al・2B(質量比で、Al:B=100:15)を生成するためのアルミナ量が不足するために好ましくない。より好ましくは、40質量%以上である。ここで、「アルミナ」とは、化学組成としてAlを90質量%以上含有する耐火性無機材料を意味する。なお、アルミナとしては、例えば、白色アルミナ、褐色アルミナ等が挙げることができる。
その他の耐火性無機材料として、例えば、アルミナ・ジルコニア、ジルコニア・ムライト、マグネシア、スピネル、ジルコニアなどの耐火性無機材料として一般的に使用される原料を使用することができる。これらの耐火性無機材料は、アルミナと組み合わせて使用することができ、耐火性無機材料の粒径等はプレート耐火物に一般的に使用される範囲内であれば特に限定されるものではない。
本発明の不焼成プレート耐火物においては、金属Al、およびAlを35質量%以上含有し、融点が1000℃未満のAl合金とからなる群から選択された1種または2種以上の金属添加物を使用する。ここで、金属添加物は、主に各金属の融点以上の温度域で組織強度および耐酸化性を付与する。金属Alは融点が660℃と低く、酸素との反応性も高いため、およそ700℃より高い温度域で、組織強度および耐酸化性を付与する効果を発現する。また、Al合金の融点が1000℃以上であると、1000℃未満の温度域で不焼成プレート耐火物の強度が十分でなくなるために好ましくない。なお、Al合金は、温度上昇に伴い共晶点で液相が生成した後、完全に溶融するまでの間、固相と液相の2相共存域となるが、液相量が50質量%以上であれば、十分な拡散性が得られることから、本明細書では、液相量が50質量%となる温度を疑似的に「Al合金の融点」と見なすこととする。なお、Al合金としてはAl−Si合金、Al−Mg合金、Al−Mg−Si合金等があるが、これらの合金中のAlの含有量は35質量%以上、好ましくは45質量%以上とする。Alの含有量が35質量%未満であると、融点の上昇による強度発現効果の低下、他の合金成分の影響による耐食性の低下等の問題が発生するために好ましくない。
前記金属Al、およびAlを35質量%以上含有し、融点が1000℃未満のAl合金とからなる群から選択された1種または2種以上の合計配合量は、2〜15質量%、好ましくは3〜12質量%の範囲内である。ここで、金属添加物の合計配合量が2質量%未満であると、加熱後の組織強度および耐食性が不十分となるために好ましくない。また、金属添加物の合計配合量が15質量%より多い場合は耐熱衝撃性の低下、添加金属の反応による組織の異常膨張などが問題となるために好ましくない。
また、前記金属Al、およびAlを35質量%以上含有し、融点が1000℃未満のAl合金以外の金属添加物として、Siなどの金属やAlの含有量が35質量%未満である合金を目的に応じて、例えば、中間温度域より高温の領域での酸化抑制や強度発現を目的で適宜使用することもできる。なお、Siなどの金属やAlの含有量が35質量%未満であるAl合金を配合する場合、その配合量は、10質量%以下(ゼロを含む)、好ましくは5質量%以下(ゼロを含む)とする。
本発明の不焼成プレート耐火物には、その他添加物としては炭素粉末、炭化物、窒化物などを目的に応じて併用することもできる。その他添加物の配合量は、0.1〜15質量%、好ましくは0.5〜10質量%の範囲内である。ここで、その他添加物の配合量が0.1質量%未満であると、高温に加熱されたときに骨材粒子が過焼結を起こし、耐熱衝撃性が低下してしまうめに好ましくない。また、その他加物の配合量が15質量%より多い場合は、耐食性が低下するために好ましくない。
上述のような耐火性無機材料、金属添加物、その他添加物及び非酸化物系ホウ素化合物とからなる配合物に、有機結合剤を添加して混練、成形したものを100〜700℃で熱処理することにより、本発明の不焼成プレート耐火物を得ることができる。ここで、有機結合剤としては、例えばフェノール樹脂など高残炭の熱硬化性樹脂を配合することが望ましい。有機結合剤の配合量は2〜8質量%、好ましくは3〜6質量%の範囲内である。ここで、有機結合剤の配合量が2質量%未満であると、組織強度の低下や気孔率の増大が顕著になり、耐食性、耐酸化性などが低下するために好ましくない。また、有機結合剤の配合量が8質量%より多い場合は、有機結合剤の占める体積の増加らより、熱処理後の気孔率が増大し、また、熱処理中に有機結合剤からの揮発ガスの圧力によって組織中に亀裂が生じてしまうために好ましくない。
上述のような配合を有する原料配合物の混練には、容器固定型または容器駆動型のミキサーを用いることができる。次に、混練後の配合物をフリクションプレス、オイルプレス、静水圧プレスなどで成形したあと、100〜700℃の温度で熱処理を行う。熱処理温度が100℃未満では、有機結合剤が十分に硬化せずに強度が不足するために好ましくない。また、熱処理温度が700℃より高い場合には、処理時間の増加、処理エネルギーの増加が伴う上に、Alの反応によって炭化アルミニウムが生成し、この炭化アルミニウムは常温で水分と容易に反応し、水酸化アルミニウムを生成して体積膨張を生じてプレート耐火物の強度低下や亀裂破壊を生じるために好ましくない。熱処理の際の雰囲気は、有機樹脂結合の酸化を起こさない雰囲気であることが望ましい。熱処理温度が300℃以下では、大気雰囲気でも問題はないが、熱処理温度が300℃を超える場合には、必要に応じて低酸素雰囲気を作り、熱処理を行うことが好ましい。
また、熱処理後の不焼成プレート耐火物には、組織補強の目的で、ピッチ含浸処理並びに含浸後熱処理を行うこともできる。
表1に本発明品の不焼成プレート耐火物を示し、表2に比較品のプレート耐火物を示す。
なお、本発明品の不焼成プレート耐火物並びに比較品のプレート耐火物の製造方法は以下のとおりである:
まず、所定量の原料を配合した配合物を、万能ミキサーを用いて20分間混練した後、得られた混練物を一軸加圧タイプの真空油圧プレスを用いて実際のプレート形状に成形し、その後、表1および2に記載する所定の温度で熱処理を行った。なお、熱処理は300℃以下のものは大気雰囲気で、300℃より高い温度では窒素雰囲気でそれぞれ行った。
Figure 2017001889
Figure 2017001889
表中、
・フェノール樹脂は、残炭率40質量%のレゾール系フェノール樹脂である;
・Al−Mg合金(Al含有量45質量%)の融点は、460℃である;
・Al−Si合金(Al含有量35質量%)の融点は、820℃である;
・Al−Si合金(Al含有量20質量%)の融点は、1140℃である;
・ホウ素化合物の平均粒径(μm)は、JIS Z8825に基づくレーザー回折・散乱式の粒度分布測定によって得られたメディアン径である;
・耐酸化性(600℃)は、35×35×35mmの立方体形状の供試体を600℃の大気雰囲気下で3時間加熱し、加熱後供試体の切断面を観察して酸化層厚みおよび圧縮強度(MPa)とによって評価したものである。加熱温度を600℃としたのは、配合しているアルミニウムの酸化防止効果および強度付与効果が発現しないためである。なお、酸化層厚みは、供試体中央を切断し、比較品1の酸化層厚みを100とした指数で示し、値が低いほど耐酸化性が優れることを意味する。また、圧縮強度は、JIS R2206−Iに準じて測定したものである。酸化層厚み指数が90より大きく、圧縮強度が40MPa未満の場合に酸化部分の損耗が大きく、耐用が低下するため好ましくないと判定した;
・熱間強度(900℃)は、150×25×25mmの角柱状の供試体を900℃の窒素雰囲気下で、JIS R 2656に準じて3点曲げ強度を測定することにより評価したものである。なお、実機使用時にプレート耐火物が破壊されず安定して使用されるためには、溶鋼の通過によって1000℃以上に加熱されるプレート耐火物内孔周辺の耐火物組織が十分な強度を持つ必要があり、内孔周辺部は空気が遮断され非酸化的な雰囲気となっていることから、上記条件にて測定したものであり、熱間強度が18MPa未満であると、機械的応力や熱応力によってプレート耐火物が変形する恐れが顕著に増大するために好ましくないと判断した;
・耐熱衝撃性指数は、1550℃に加熱した溶銑に150×35×35mmの角柱状の供試体を60秒間浸漬したのち空冷し、供試体に発生した亀裂の量で評価した。比較品1の亀裂量を100とした指数で示し、値が低いほど耐熱衝撃性が優れることを意味する。耐熱衝撃性指数が130より大きいと、亀裂による損傷拡大が顕著となり、耐用が低下するために好ましくないと判断した;
・耐食性指数は、高周波炉で供試体をるつぼ状に内張りし、るつぼ内で溶鋼とFeOを1600℃、3時間加熱した際の供試体の溶損深さで評価した。比較品1の溶損深さを100とした指数で示し、値が低いほど耐食性が優れることを意味する。耐食性指数が130より大きいと、溶損による損傷拡大が顕著となり、耐用が低下するために好ましくないと判断した;
・実機使用回数は、電気炉工場用60トン溶鋼取鍋において使用し、溶鋼取鍋中の溶鋼を、プレート装置を通過してすべて排出するまでを1回として、再度溶鋼を補充した溶鋼取鍋から繰り返し溶鋼排出を行った回数である。なお、注入時間は1回当たり約60分であった。
本発明品1〜8は、非酸化物系ホウ素化合物として平均粒径0.1〜5μmのBCを0.1〜1.9質量%(B換算量で0.25〜4.79質量%)配合したものである。いずれも耐酸化性、耐食性を十分有しており、実機使用回数は7〜8回であった。
本発明品9および10は、非酸化物系ホウ素化合物として平均粒径2μmのBNまたはAlB12を1質量%(B換算量で1.40質量%または2.67質量%)配合したものである。いずれも耐酸化性、耐食性を十分有しており、実機使用回数は8回であった。
本発明品11〜14は、非酸化物系ホウ素化合物として平均粒径2μmのBCを1質量%(B換算量で2.52質量%)およびAlを2〜15質量%配合したものである。いずれも耐酸化性、耐食性を十分有しており、実機使用回数は7〜8回であった。
本発明品15は、非酸化物系ホウ素化合物として平均粒径2μmのBCを1質量%(B換算量で2.52質量%)、Al含有量45質量%のAl−Mg合金を6質量%配合したものである。本発明品16は、非酸化物系ホウ素化合物として平均粒径2μmのBCを1質量%(B換算量で2.52質量%)、Al含有量35質量%のAl−Si合金を6質量%配合したものである。いずれも耐酸化性、耐食性を十分有しており、実機使用回数は7〜8回であった。
本発明品17および18は、非酸化物系ホウ素化合物として平均粒径2μmのBCを1質量%(B換算量で2.52質量%)配合し、耐火性無機原料であるアルミナの配合量を40質量%、30質量%としたものである。いずれも耐酸化性、耐食性を十分有しており、実機使用回数は7〜8回であった。
本発明品19〜21は、非酸化物系ホウ素化合物として平均粒径2μmのBCを1質量%(B換算量で2.52質量%)配合し、成形後の熱処理温度を110℃、500℃、700℃としたものである。いずれも耐酸化性、耐食性を十分有しており、実機使用回数は7回であった。
比較品1は、非酸化性ホウ素化合物として0.044mm以下の粒度分布を持つ平均粒径15μmのBCを1質量%配合したものである。耐酸化性が不足しており、実機使用回数は5回であった。これは、実機使用時にプレート外周部が酸化によって磨耗したためである。
比較品2は、非酸化物系ホウ素化合物として平均粒径7μmのBCを2質量%(B換算量で5.04質量%)配合したものである。耐酸化性が不足し、耐食性も低く、実機使用回数は5回であった。
比較品3は、非酸化物系ホウ素化合物として平均粒径0.1μmのBCを0.05質量%(B換算量で0.13質量%)配合したものである。耐酸化性が不足しており、実機使用回数は4回であった。これは、実機使用時に、プレート外周部が酸化によって磨耗したためである。
比較品4は、非酸化物系ホウ素化合物として平均粒径2μmのBCを3質量%(B換算量で7.56質量%)配合したものである。耐酸化性は十分となるものの、耐食性が低くかった。実機使用回数は4回であった。これは、実機使用時に、溶損による損傷が拡大したためである。
比較品5は、非酸化物系ホウ素化合物として平均粒径2μmのBCを1質量%(B換算量で2.52質量%)、Alを1質量%配合したものである。耐酸化性は十分であるものの、熱間強度(900℃)および耐食性が不足している。実機使用回数は3回であった。これは、実機使用時に、溶損による損傷が拡大したためである。
比較品6は、非酸化物系ホウ素化合物として平均粒径2μmのBCを1質量%(B換算量で2.52質量%)、Alを18質量%添加したものである。熱間強度(900℃)および耐食性は非常に高いものの、耐熱衝撃性が低かった。実機使用回数は3回であった。これは、実機使用時に、熱衝撃によって発生した亀裂から損傷が拡大したためである。
比較品7は、非酸化物系ホウ素化合物として平均粒径2μmのBCを1質量%(B換算量で2.52質量%)、Al含有量が30質量%のAl−Si合金を6質量%配合したものである。耐酸化性は十分であるものの、熱間強度(900℃)および耐食性が不足していた。実機使用回数は4回であった。これは、実機使用時に、溶損による損傷が拡大したためである。
比較品8は、非酸化物系ホウ素化合物として平均粒径2μmのBCを1質量%(B換算量で2.52質量%)、耐火性無機原料としてスピネル、マグネシアを主に使用し、アルミナの配合量を15質量%としたものである。耐酸化性は十分であるものの、溶鋼と接触する部分ではAl−B系低融点物、MgO-B系低融点物が生成したために耐食性が低かった。実機使用回数は4回であった。これは、実機使用時に、溶損による損傷が拡大したためである。
比較品9は、ホウ素化合物として非酸化物系ホウ素化合物として平均粒径2μmのBCを1質量%(B換算量で2.52質量%)配合し、90℃で熱処理を行ったものである。フェノール樹脂の硬化が十分に進んでおらず、耐酸化性が低かった。実機使用回数は3回であった。これは、使用時にはプレート外周部が酸化によって磨耗したためである。
比較品10は、ホウ素化合物として非酸化物系ホウ素化合物として平均粒径2μmのBCを1質量%(B換算量で2.52質量%)配合し、900℃で熱処理を行ったものである。耐酸化性00℃酸化後強度、熱間強度および耐食性は十分であるものの、耐熱衝撃性が低かった。また、Alと炭素の反応によって炭化アルミニウムが生成しており、大気中の水分と容易に反応する状態となっていた。なお、製品化途中および保管中にAlの水和によってプレート耐火物に異常が生じたため実機使用試験を行うことができなかった。

Claims (2)

  1. アルミナを少なくとも30質量%以上含む1種または2種以上の耐火性無機材料;金属Al、Al含有量が35質量%以上で、融点が1000℃未満のAl合金、金属SiおよびAl含有量が35質量%未満のAl合金からなる群から選択された1種または2種以上の金属添加物2〜15質量%[ただし、金属SiおよびAl含有量が35質量%未満のAl合金の配合量は10質量%以下(ゼロを含む)];およびその他添加物0.1〜15質量%を含み、これらに有機結合剤を添加して混練、成形したものを100〜700℃で熱処理することからなる不焼成プレート耐火物において、平均粒径が5μm以下の非酸化物系ホウ素化合物を、B換算量として外掛けで0.25〜5質量%で配合することを特徴とする不焼成プレート耐火物。
  2. 非酸化物系ホウ素化合物は、B、BC、BN、SiB、ZrB、MgB、AlB12、AlBおよびTiB等からなる群から選択される1種または2種以上である、請求項1記載の不焼成プレート耐火物。
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