JP2017000989A - し渣洗浄装置及びその運転方法 - Google Patents
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Abstract
Description
しかしながら、このし渣洗浄装置は、人糞を溶解、除去するための洗浄機構の構造が複雑となり、装置が大型化するという問題があった。
しかしながら、し渣には、石、缶等の硬質の異物が混入することがあるため、破砕機の刃部を損傷したり、刃部の寿命が短くなるという問題や、ジェットポンプを使用することからエネルギ消費量や清水の使用量が増大するという問題があった。
(1)矩形のし渣洗浄槽1の中央部を仕切り壁11により仕切り、仕切り壁11の位置の槽内に破砕機2を回転軸が鉛直方向になるように設置する。ここで、破砕機は1台とするが、合流式下水処理場の場合、晴天時のし渣発生量に比べ雨天時のし渣発生量が2倍程度に達するケースがある。また、し渣の搬出設備途中に一時貯留、バイパス設備がないケースがある。このようなケースでは2台設置とする。
(2)破砕機2を設置した仕切り壁11の上流側(し渣供給側)をし渣の受入部12、下流側(し渣排出側)をし渣の洗浄部13とする。受入部12及び洗浄部13は、各々必要な有効容量を確保するようにする。
(3)破砕機2の破砕部21の上下位置が、受入部12の設定水位よりも高く、具体的には、破砕部21の刃部上端が、受入部12の設定水位よりも少なくとも50mm以上高い位置になるように設定し、かつ、受入部12の底面よりも高く、具体的には、破砕部21の刃部下端が受入部12の底面よりも高い位置になるように仕切り壁11の上流側に、石、缶等の硬質の異物が破砕機2の破砕部21に供給されることを防止できる急峻な傾斜面(又は段差)を設けるようにする。
(4)し渣洗浄槽1の受入部12の底面の最も低い位置に、排水弁を介在させた排水管15を設ける。排水管15の口径は、150mm以上に設定することが望ましい。
(5)し渣洗浄槽1の受入部12の上流位置には、洗浄水の供給とし渣を破砕機側に移送するためのノズル16を設ける。このノズル16は、水面上、水中中間部及び水中底部に設ける。各ノズル16は、各々自動給水弁を介在させて給水管に接続し、自動給水弁により各々切り替えて給水、噴射可能な構造とする。
(6)し渣洗浄槽1の洗浄部13に機械撹拌式撹拌機の撹拌羽根14を設ける。撹拌羽根14は、し渣洗浄槽の両側壁に設けることが望ましいが、これに限定されるものではない。
(7)し渣洗浄槽1の洗浄部13の底面の最も低い位置に、排水弁を介在させた排水管17を設ける。排水管17の口径は、150mm以上に設定することが望ましい。
(8)し渣洗浄槽1の洗浄部13の下流位置の側壁の下部位置に、し渣移送ポンプ31を介在させたし渣移送管3の吸込口を設ける。
(9)し渣移送ポンプ31は、槽外無閉塞形ポンプを使用する。設置スペースが小さい立軸形を使用することが望ましいが、これに限定されるものではない。し渣移送ポンプ31は、予備を含め原則2台を設置する。
(10)し渣洗浄槽1の受入部12及び洗浄部13には閉塞、機器故障等による異常水位上昇に備え、し渣の流出防止用スクリーンを備えたオーバーフロー堰18a、18bを設ける。
(11)破砕機2の両側には、破砕機2の閉塞、故障等による異常水位上昇に備え、受入部12から洗浄部13へのオーバーフロー堰18cを設ける。
(12)し渣洗浄槽1の受入部12と洗浄部13には、各々水位計19を設ける。し渣洗浄槽1の受入部12と洗浄部13の水位差が設定値以上になった場合、故障警報あるいは停止させる電気的制御装置を設ける。水位計19は差圧式を使用することが望ましいが、これに限定されるものではない。
(13)し渣移送ポンプ31を介在させたし渣移送管3は、し渣分離脱水機4にし渣を移送、供給するが、洗浄効果を高めるとともに、節水する等の目的で、し渣移送管3の途中に処理水をし渣洗浄槽1の受入部12へ戻す循環配管32を設ける。この場合、し渣移送管3と循環配管32の分岐部に切替用自動弁を各々設ける。
(14)し渣洗浄装置の運転終了後、排水管15、17の排水弁を開放してし渣洗浄槽1の槽内の処理水を排水し、槽内に清水を給水して満水状態にし、次回運転時に循環配管32を使用して槽内を所定時間循環洗浄を行うようにする。これと相前後して、除塵機のし渣搬出コンベア6から、し渣を、し渣洗浄槽1の受入部12に導入しながら、し渣移送管3を介して、し渣分離脱水機4にし渣を移送、供給する。この場合、上水の使用量を少なくしたい場合は、汚水、例えば、ポンプ井7の上澄水や雨水貯留設備8に貯留しておいた雨水を取水して、槽内に給水する清水や移送水として使用することができる。ただし、し渣分離脱水機4において上水等の清水を必要最小量噴射して、最終洗浄を行うことが望ましい。
(15)節水運転を行う場合、排水管15、17の排水弁に自動弁を用いることが望ましい。
(16)し渣分離脱水機4において、最終洗浄、脱水されたし渣は、し渣ホッパ5に貯留され、搬出される。
(1)破砕機2をし渣洗浄槽1の槽内に設置し、水中でし渣を破砕することにより、気中で行うのに比べて、破砕部21の刃部摩耗が少なく、寿命も長くなり補修費を低減することができる。
(2)破砕機2の破砕部21の上端位置が、受入部12の設定水位よりも高く、具体的には、破砕部21の刃部上端が、受入部12の設定水位よりも少なくとも50mm以上高い位置になるように設定することにより、発泡スチロール等の浮遊性の異物を破砕機2の破砕部21に確実に供給するようにして破砕することができる。
(3)破砕機2の破砕部21の下端位置が、受入部12の底面よりも高く、具体的には、破砕部21の刃部下端が受入部12の底面よりも高い位置になるように仕切り壁11の上流側に、石、缶等の硬質の異物が破砕機2の破砕部21に供給されることを防止できる急峻な傾斜面(又は段差)を設けるようにすることにより、し渣に混入している、石、缶等の硬質の異物が破砕機2に供給されることを防止し、硬質の異物によって、破砕機2の破砕部21の刃部が損傷したり、刃部の寿命を短くすることを防止することができる。受入部12の底に沈んだ石、缶等の硬質の異物は、排水弁を定期的に開くことにより排水管15を介して槽外へ排出することができる。
(4)し渣洗浄槽1の受入部12の上流位置に、洗浄水の供給とし渣を破砕機側に移送するためのノズル16を、水面上、水中中間部及び水中底部に設け、順次切り替えて噴射することにより、し渣の停滞を防ぎ、し渣を破砕機2へ流入させることができる。ノズル16は、必要に応じて同時に噴射することも可能である。
(5)し渣移送ポンプ31として槽外無閉塞形ポンプを使用することにより、ジェットポンプに比べて少ないエネルギ消費量でし渣を配管移送することができるとともに、使用水量が少なく、微細目スクリーン等の加圧水に必要な設備が不要で、設備費、維持管理費を低減できる。また、水中ポンプのように、し渣が絡み付くことがなく、定期的な清掃が不要で、運転管理が容易である。また、立軸型を使用することにより、設置スペースを小さくすることができる。
(6)し渣洗浄槽1の受入部12及び洗浄部13に、各々1ヶ所以上、し渣の流出防止用スクリーンを備えたオーバーフロー堰18a、18bを、破砕機2の両側に、受入部12から洗浄部13へのオーバーフロー堰18cを設け、し渣洗浄槽1の受入部12及び洗浄部13に各々設けた水位計19により受入部12及び洗浄部13の水位差を検出することにより、破砕機2の閉塞、故障等で水位が異常に上昇してし渣洗浄槽1から処理水が溢れるトラブルを防止することができる。
(7)し渣洗浄装置の運転終了後、排水管15、17の排水弁を開放して槽内の処理水を排水し、槽内に清水を給水して満水状態にし、次回運転時に循環配管32を使用して槽内を所定時間循環洗浄を行うようにすることにより、節水しながら、し渣の洗浄効果を高めることができ、併せて、し渣洗浄装置にし渣が付着して乾燥してこびり付くことによりし渣洗浄装置が汚損することを防止することができる。また、使用する洗浄水の量を減らし、節水運転ができる。
(8)汚水、例えば、ポンプ井7の上澄水や雨水貯留設備8に貯留しておいた雨水を取水して、槽内に給水する清水や移送水として使用することにより、し渣の洗浄効果を確保しつつ、上水の使用量を少なくして、運転コストの低減を図ることができる。
(9)定期的に排水管15、17の排水弁を開放することにより、し渣洗浄槽1の受入部12及び洗浄部13の底部の堆積物を槽内から排出することができる。特に、受入部12においては、破砕機2の保護の面で有効である。
11 仕切り壁
12 受入部
13 洗浄部
14 撹拌羽根
15 排水管
16 ノズル
17 排水管
18a オーバーフロー堰
18b オーバーフロー堰
18c オーバーフロー堰
19 水位計
2 破砕機
21 破砕部
3 し渣移送管
31 し渣移送ポンプ
32 循環配管
4 し渣分離脱水機
5 し渣ホッパ
6 し渣搬出コンベア
(1)矩形のし渣洗浄槽1の中央部を仕切り壁11により仕切り、仕切り壁11の位置の槽内に破砕機2を回転軸が鉛直方向になるように設置する。ここで、破砕機は1台とするが、合流式下水処理場の場合、晴天時のし渣発生量に比べ雨天時のし渣発生量が2倍程度に達するケースがある。また、し渣の搬出設備途中に一時貯留、バイパス設備がないケースがある。このようなケースでは2台設置とする。
(2)破砕機2を設置した仕切り壁11の上流側(し渣供給側)をし渣の受入部12、下流側(し渣排出側)をし渣の洗浄部13とする。受入部12及び洗浄部13は、各々必要な有効容量を確保するようにする。
(3)破砕機2の破砕部21の上下位置が、受入部12の設定水位よりも高く、具体的には、破砕部21の刃部上端が、受入部12の設定水位よりも少なくとも50mm以上高い位置になるように設定し、かつ、受入部12の底面よりも高く、具体的には、破砕部21の刃部下端が受入部12の底面よりも高い位置になるように仕切り壁11の上流側に、石、缶等の硬質の異物が破砕機2の破砕部21に供給されることを防止できる急峻な傾斜面(又は段差)を設けるようにする。
(4)し渣洗浄槽1の受入部12の底面の最も低い位置に、排水弁を介在させた排水管15を設ける。排水管15の口径は、150mm以上に設定することが望ましい。
(5)し渣洗浄槽1の受入部12の上流位置には、洗浄水の供給とし渣を破砕機側に移送するためのノズル16を設ける。このノズル16は、水面上、水中中間部及び水中底部に設ける。各ノズル16は、各々自動給水弁を介在させて給水管に接続し、自動給水弁により各々切り替えて給水、噴射可能な構造とする。
(6)し渣洗浄槽1の洗浄部13に機械撹拌式撹拌機の撹拌羽根14を設ける。撹拌羽根14は、し渣洗浄槽の両側壁に設けることが望ましいが、これに限定されるものではない。
(7)し渣洗浄槽1の洗浄部13の底面の最も低い位置に、排水弁を介在させた排水管17を設ける。排水管17の口径は、150mm以上に設定することが望ましい。
(8)し渣洗浄槽1の洗浄部13の下流位置の側壁の下部位置に、し渣移送ポンプ31を介在させたし渣移送管3の吸込口を設ける。
(9)し渣移送ポンプ31は、槽外無閉塞形ポンプを使用する。設置スペースが小さい立軸形を使用することが望ましいが、これに限定されるものではない。し渣移送ポンプ31は、予備を含め原則2台を設置する。
(10)し渣洗浄槽1の受入部12及び洗浄部13には閉塞、機器故障等による異常水位上昇に備え、し渣の流出防止用スクリーンを備えたオーバーフロー堰18a、18bを設ける。
(11)破砕機2の両側には、破砕機2の閉塞、故障等による異常水位上昇に備え、受入部12から洗浄部13へのオーバーフロー堰18cを設ける。
(12)し渣洗浄槽1の受入部12と洗浄部13には、各々水位計19を設ける。し渣洗浄槽1の受入部12と洗浄部13の水位差が設定値以上になった場合、故障警報あるいは停止させる電気的制御装置を設ける。水位計19は差圧式を使用することが望ましいが、これに限定されるものではない。
(13)し渣移送ポンプ31を介在させたし渣移送管3は、し渣分離脱水機4にし渣を移送、供給するが、洗浄効果を高めるとともに、節水する等の目的で、し渣移送管3の途中に処理水(移送水)をし渣洗浄槽1の受入部12へ戻す循環配管32を設ける。この場合、し渣移送管3と循環配管32の分岐部に切替用自動弁、具体的には、分岐部より下流側のし渣移送管3にし渣移送弁33を、循環配管32にし渣循環弁34を各々設ける。
(14)し渣洗浄装置の運転終了後、排水管15、17の排水弁を開放してし渣洗浄槽1の槽内の処理水を排水し、槽内に清水を給水して満水状態にする(図5の給水工程(次回運転準備))。そして、次回運転時(図5の循環洗浄工程)に循環配管32を使用して槽内に処理水(移送水)を循環させながら、除塵機のし渣搬出コンベア6から、し渣を、し渣洗浄槽1の受入部12に導入することによって、所定時間循環洗浄を行うようにする。その後、し渣移送弁33を開くとともに、し渣循環弁34を閉じて、し渣移送管3を介して、し渣分離脱水機4にし渣を移送、供給する(図5のし渣移送工程)。この場合、上水の使用量を少なくしたい場合は、汚水、例えば、ポンプ井7の上澄水や雨水貯留設備8に貯留しておいた雨水を取水して、槽内に給水する清水や移送水として使用することができる。ただし、し渣分離脱水機4において上水等の清水を必要最小量噴射して、最終洗浄を行うことが望ましい。
(15)節水運転を行う場合、排水管15、17の排水弁に自動弁を用いることが望ましい。
(16)し渣分離脱水機4において、最終洗浄、脱水されたし渣は、し渣ホッパ5に貯留され、搬出される。
Claims (4)
- し渣洗浄槽の中央部の槽内に破砕機を回転軸が鉛直方向になるように設置し、破砕機の上流側をし渣の受入部、下流側をし渣の洗浄部とし、破砕機の破砕部の上下位置が、受入部の設定水位よりも高く、かつ、受入部の底面よりも高くなるように設定し、洗浄部に撹拌羽根及びし渣移送ポンプを介在させたし渣移送管の吸込口を設けたことを特徴とするし渣洗浄装置。
- 前記受入部の水面上、水中中間部及び水中底部に各々ノズルを設けたことを特徴とする請求項1に記載のし渣洗浄装置。
- 前記し渣移送ポンプに、槽外無閉塞形ポンプを使用し、かつ、し渣移送管の途中に処理水を受入部へ戻す循環配管を設けたことを特徴とする請求項1又は2に記載のし渣洗浄装置。
- し渣洗浄装置の運転終了後、排水弁を開放して槽内の処理水を排水し、槽内に清水を給水して満水状態にし、次回運転時に循環配管を使用して槽内を所定時間循環洗浄を行うようにすることを特徴とする請求項3に記載のし渣洗浄装置の運転方法。
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JP2006152599A (ja) * | 2004-11-26 | 2006-06-15 | Maezawa Ind Inc | 水路設置物に対する砂溜まりの防止構造 |
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JP2010051906A (ja) * | 2008-08-29 | 2010-03-11 | Asahi Tec Environmental Solutions Corp | 汚水処理用流体移送装置 |
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2015
- 2015-06-15 JP JP2015120019A patent/JP6424142B2/ja active Active
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