JP2016537326A - Plk4阻害剤の塩および結晶形態 - Google Patents

Plk4阻害剤の塩および結晶形態 Download PDF

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Abstract

下記構造式によって表される化合物(I)のフマル酸塩およびマレイン酸塩ならびにこれらの対応する薬学的組成物を開示する。1:1化合物(I)フマル酸塩および1:1化合物(I)マレイン酸塩の特定の単結晶性形態は、種々の特性および物理的測定値を特徴とする。1:1化合物(I)フマル酸塩および1:1化合物(I)マレイン酸塩の具体的な結晶性形態を調製する方法も開示する。本発明は、がんを有する対象を治療する方法も提供する。

Description

関連出願
本願は、その教示全体が参照により本明細書に組み入れられる、2013年10月18日に出願された米国仮特許出願第61/892,564号の恩典を主張する。
背景
セリン/スレオニンキナーゼのうちのポロ様キナーゼ(PLK)ファミリーは、少なくとも4つの公知のメンバーを含む:PLK1、PLK2(Snkとしても知られている)、PLK3(FnkまたはPrkとしても知られている)およびPLK4(Sakとしても知られている)。PLK4を阻害する薬剤は、がんを治療する可能性がある。米国特許第8,263,596号(特許文献1)、第8,481,525号(特許文献2)、および第8,481,533号(特許文献3)には多数の強力なPLK4阻害剤が開示されている(これらの教示全体が参照により本明細書に組み込まれる)。これらの特許に開示された一阻害剤の構造を下に化合物(I)として示す。
Figure 2016537326
結晶性であるか、そうでなければ大規模生産に適した物性を有するこの化合物の塩形態が必要とされている。この薬剤候補が安定しておりかつ患者に効果的に送達される薬学的製剤も必要とされている。
米国特許第8,263,596号 米国特許第8,481,525号 米国特許第8,481,533号
明確に規定した条件下で化合物(I)の1:1フマル酸塩および1:1マレイン酸塩を結晶化して非吸湿性の結晶性形態を提供できることが分かった。「1:1」との指定は、酸(フマル酸またはマレイン酸) 対 化合物(I)のモル比である。フマル酸およびマレイン酸にはカルボン酸基が2個あるため、酸(フマル酸またはマレイン酸) 対 化合物(I)のモル比が1:2である化合物(I)の1:2フマル酸塩および1:2マレイン酸塩を形成することも可能である。化合物(I)の1:1フマル酸塩は、本明細書においては「1:1化合物(I)フマル酸塩」と呼び;1:1マレイン酸塩は、本明細書においては「1:1化合物(I)マレイン酸塩」と呼ぶ。
1:1化合物(I)フマル酸塩および1:1化合物(I)マレイン酸塩は、化合物(I)の他の塩と比べた場合にいくつかの有利な特性を有する。実施例1および2に示すように、塩酸塩、リン酸塩、硫酸塩、およびクエン酸塩を含む化合物(I)の多くの塩は結晶形態で得ることができなかった。特筆すべきことに、1:2化合物(I)フマル酸塩および1:2化合物(I)マレイン酸塩も結晶性形態で得ることができなかった。1:1化合物(I)フマル酸塩および1:1化合物(I)マレイン酸塩は、非吸湿性でもあり遊離塩基および他の塩よりも製剤化が容易でもある。よって、これらの良好な特性により、1:1化合物(I)フマル酸塩および1:1化合物(I)マレイン酸塩は大規模生産および薬物候補としての製剤化に適する。
1つの局面では、本発明は、化合物(I) 対 フマル酸のモル比が1:1である、化合物(I)のフマル酸塩を提供する。上述のように、この塩は本明細書において「1:1化合物(I)フマル酸塩」とも呼ぶ。
別の局面では、本発明は、化合物(I) 対 マレイン酸のモル比が1:1である、化合物(I)のマレイン酸塩を提供する。上述のように、この塩は本明細書において「1:1化合物(I)マレイン酸塩」とも呼ぶ。
別の局面では、本発明は、1:1化合物(I)フマル酸塩(または1:1化合物(I)マレイン酸塩)と薬学的に許容される担体または希釈剤とを含む薬学的組成物を提供する。
また別の局面では、本発明は、がんを有する対象を治療する方法であって、有効量の1:1化合物(I)フマル酸塩または1:1化合物(I)マレイン酸塩を該対象に投与する工程を含む方法を提供する。
本発明は、PLK4活性の阻害を必要とする対象におけるPLK4活性を阻害する方法であって、有効量の1:1化合物(I)フマル酸塩または1:1化合物(I)マレイン酸塩を該対象に投与する工程を含む方法を提供する。
本発明は、薬物療法に使用するための1:1化合物(I)フマル酸塩または1:1化合物(I)マレイン酸塩も提供する。1つの態様では、薬物療法は、がんを有する対象を治療するためのものである。あるいは、該療法はPLK4活性の阻害を必要とする対象におけるPLK4活性を阻害するためのものである。
本発明の別の局面は、がんを有する対象を治療するための医薬を製造するための、1:1化合物(I)フマル酸塩または1:1化合物(I)マレイン酸塩の使用である。
本発明の別の局面は、がんを有する対象を治療するための1:1化合物(I)フマル酸塩または1:1化合物(I)マレイン酸塩である。
本発明の別の局面は、PLK4活性の阻害を必要とする対象におけるPLK4活性を阻害するための医薬を製造するための、1:1化合物(I)フマル酸塩または1:1化合物(I)マレイン酸塩の使用である。
本発明の別の局面は、PLK4活性の阻害を必要とする対象におけるPLK4活性を阻害するための1:1化合物(I)フマル酸塩または1:1化合物(I)マレイン酸塩である。
1:1化合物(I)フマル酸塩の形態Aに関する示差走査熱量分析(DSC)サーモグラムを示す。 1:1化合物(I)フマル酸塩の形態Bに関するDSCサーモグラムを示す。 1:1化合物(I)フマル酸塩の形態Cに関するDSCサーモグラムを示す。 1:1化合物(I)フマル酸塩の形態Dに関するDSCサーモグラムを示す。 1:1化合物(I)マレイン酸塩の形態Aに関するDSCサーモグラムを示す。 化合物(I)のリン酸塩に関するDSCサーモグラムを示す。 1:1化合物(I)フマル酸塩の形態Aに関するX線粉末回折(XRPD)パターンを示す。 1:1化合物(I)フマル酸塩の形態Bに関するXRPDパターンを示す。 1:1化合物(I)フマル酸塩の形態Cに関するXRPDパターンを示す。 1:1化合物(I)フマル酸塩の形態Dに関するXRPDパターンを示す。 1:1化合物(I)マレイン酸塩の形態Aに関するXRPDパターンを示す。
発明の詳細な説明
本発明は、1:1化合物(I)フマル酸塩、1:1化合物(I)マレイン酸塩、これらの特有の結晶性形態、およびこれらの対応する薬学的組成物を提供する。本発明は、がんを有する対象を治療する方法も提供する。さらに、本発明は、1:1化合物(I)フマル酸塩および1:1化合物(I)マレイン酸塩の具体的な結晶性形態を調製するための方法を提供する。
1:1化合物(I)フマル酸塩および1:1化合物(I)マレイン酸塩の結晶性形態
特定の態様では、1:1化合物(I)フマル酸塩または1:1化合物(I)マレイン酸塩の少なくとも特定の重量パーセンテージは結晶性である。特定の重量パーセンテージには、70%、72%、75%、77%、80%、82%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%、99.9%が、または70%〜75%、75%〜80%、80%〜85%、85%〜90%、90%〜95%、95%〜100%、70〜80%、80〜90%、90〜100%の重量パーセンテージが含まれる。例えば、1つの態様では、1:1化合物(I)フマル酸塩または1:1化合物(I)マレイン酸塩の少なくとも80重量%(例えば、少なくとも90重量%または99重量%)が結晶性である。これらの値および範囲の間にあるすべての値および範囲が本発明に包含されることを意味していると理解されたい。
別の特定の態様では、1:1化合物(I)フマル酸塩および1:1化合物(I)マレイン酸塩の少なくとも特定の重量パーセンテージが単結晶性形態である。特定の重量パーセンテージには、70%、72%、75%、77%、80%、82%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%、99.9%が、または70%〜75%、75%〜80%、80%〜85%、85%〜90%、90%〜95%、95%〜100%、70〜80%、80〜90%、90〜100%の重量パーセンテージが含まれる。例えば、1つの態様では、1:1化合物(I)フマル酸塩および1:1化合物(I)マレイン酸塩の少なくとも80重量%(例えば、少なくとも90重量%または99重量%)が単結晶性形態である。これらの値および範囲の間にあるすべての値および範囲が本発明に包含されることを意味していると理解されたい。
本明細書において用いる「結晶性」とは、個々の分子が均質性が高く規則的で閉じ込められた(locked-in)化学構成をした結晶構造を有する固形物を指す。結晶性の1:1化合物(I)フマル酸塩および結晶性の1:1化合物(I)マレイン酸塩は、1:1化合物(I)フマル酸塩および1:1化合物(I)マレイン酸塩の1つの単結晶性形態の結晶、または異なる単結晶性形態の結晶の混合物でありうる。単結晶性形態とは、単結晶としての、または各結晶が同一の結晶形態を有する複数の結晶としての1:1化合物(I)フマル酸塩または1:1化合物(I)マレイン酸塩を意味する。
1:1化合物(I)フマル酸塩(または1:1化合物(I)マレイン酸塩)の特定の重量パーセンテージが単結晶性形態である場合、フマル酸塩(または1:1化合物(I)マレイン酸塩)の残部は、非晶質のフマル酸塩(または1:1化合物(I)マレイン酸塩)、および/または1:1化合物(I)フマル酸塩(または1:1化合物(I)マレイン酸塩)の前記単結晶性形態を除いた1つもしくは複数の他の結晶性形態が組み合わさったものである。結晶性の1:1化合物(I)フマル酸塩(または結晶性の1:1化合物(I)マレイン酸塩)が、1:1化合物(I)フマル酸塩(または1:1化合物(I)マレイン酸塩)の明記したパーセンテージの1つの特定の結晶性形態として規定される場合、残部は、非晶質形態および/または明記した1つまたは複数の特定の形態以外の結晶性形態からなる。単結晶性形態の例には、本明細書において検討するような1つまたは複数の特性を特徴とする1:1化合物(I)フマル酸塩(または1:1化合物(I)マレイン酸塩)の形態Aが含まれる。
1:1化合物(I)フマル酸塩(または1:1化合物(I)マレイン酸塩)は、他の立体異性体に対して純度、すなわち、すべての立体異性体の重量に対するある立体異性体の重量の比が、重量基準で少なくとも60%、70%、80%、90%、99%または99.9%である。
1:1化合物(I)フマル酸塩および1:1化合物(I)マレイン酸塩の結晶性形態の調製
1:1化合物(I)フマル酸塩または1:1化合物(I)マレイン酸塩の特定の固形物形態は、例えば、緩やかな蒸発、緩やかな冷却、および貧溶媒からの析出によって調製することができる。
本明細書において用いる「貧溶媒」とは、1:1化合物(I)フマル酸塩または1:1化合物(I)マレイン酸塩の溶解性が低く、フマル酸塩またはマレイン酸塩を微粉または結晶の形態で溶液から析出させる溶媒を指す。
または、1:1化合物(I)フマル酸塩または1:1化合物(I)マレイン酸塩は、種晶を添加するかどうかにかかわらず好適な溶媒から再結晶化することができる。
1:1化合物(I)フマル酸塩または1:1化合物(I)マレイン酸塩のそれぞれの具体的な固形物形態の調製は、下の実験例の部分に記載している。
1:1化合物(I)フマル酸塩および1:1化合物(I)マレイン酸塩の結晶性形態の特性決定
40kV/30mAで操作するX線管を用いて試料に銅K-アルファX線を照射する。1つの態様では、1:1化合物(I)フマル酸塩は単結晶性形態である形態Aである。具体的な態様では、1:1化合物(I)フマル酸塩の形態Aは、図7に示すX線粉末回折パターンを特徴とする。さらに特定の態様では、1:1化合物(I)フマル酸塩形態Aは、下記のところにピーク(2θ角度)を含むX線粉末回折パターンを特徴とする:
a)2θで9.7°、16.7°、および20.1°±0.2(主ピーク);または
b)2θで8.2°、9.7°、16.7°、および20.1°±0.2;または
c)2θで8.2°、9.7°、10.7°、11.5°、14.9°、16.7°、20.1°、および23.5°±0.2;または
d)2θで8.2°、9.7°、10.7°、11.5°、13.6°、14.9°、16.7°、18.1°、18.8°、20.1°、23.5°、および24.5°±0.2。
本明細書において記載する主ピークは、形態Aにおいて50%を超える相対強度を有する。明記した2θ角度は指定した値の±0.2°を意味すると理解されたい。
別の具体的な態様では、1:1化合物(I)フマル酸塩形態Aは、112℃および158℃の示差走査熱量計(DSC)ピーク相転移温度を特徴とする。
別の態様では、1:1化合物(I)フマル酸塩は単結晶性形態である形態Bである。具体的な態様では、1:1化合物(I)フマル酸塩の形態Bは、図8に示すX線粉末回折パターンを特徴とする。さらに特定の態様では、1:1化合物(I)フマル酸塩形態Bは、下記のところにピークを含むX線粉末回折パターンを特徴とする:
a)2θで11.9°および14.9°±0.2(主ピーク);または
b)2θで11.9°、14.9°、18.7°、および21.5°±0.2;または
c)2θで5.5°、5.9°、11.9°、14.9°、16.7°、17.4°、18.7°、21.5°、および23.4°±0.2。
本明細書において記載する主ピークは、形態Bにおいて75%を超える相対強度を有する。
別の具体的な態様では、1:1化合物(I)フマル酸塩形態Bは、58℃および162℃の示差走査熱量計(DSC)ピーク相転移温度を特徴とする。
別の態様では、1:1化合物(I)フマル酸塩は単結晶性形態である形態Cである。具体的な態様では、1:1化合物(I)フマル酸塩形態Cは、図9に示す単結晶のX線粉末回折パターンを特徴とする。さらに特定の態様では、1:1化合物(I)フマル酸塩形態Cは、下記のところにピークを含むX線粉末回折パターンを特徴とする:
a)2θで16.8°、16.9°、および19.9°±0.2(主ピーク);または
b)2θで9.8°、16.8°、16.9°、19.9°、および23.5°±0.2;または
c)2θで9.7°、9.8°、11.7°、15.1°、16.8°、16.9°、19.9°、23.5°、および23.7°±0.2。
本明細書において記載する主ピークは、形態Cにおいて75%を超える相対強度を有する。
別の具体的な態様では、1:1化合物(I)フマル酸塩形態Cは、62℃および156℃の示差走査熱量計(DSC)ピーク相転移温度を特徴とする。
別の態様では、1:1化合物(I)フマル酸塩は単結晶性形態である形態Dである。具体的な態様では、1:1化合物(I)フマル酸塩の形態Dは、図10におけるX線粉末回折パターンを特徴とする。より具体的な態様では、形態DのX線粉末回折パターンは、下記のところにピークを含む:
a)2θで9.6°、12.8°、16.0°、および22.0°±0.2(主ピーク);または
b)2θで9.6°、12.8°、16.0°、16.9°、21.2°、および22.0°±0.2;または
c)2θで9.6°、12.8°、16.0°、16.9°、20.8°、21.2°、21.5°、および22.0°±0.2。
d)2θで9.6°、11.7°、12.0°、12.8°、16.0°、16.6°、16.9°、18.1°、19.2°、19.8°、20.7°、20.8°、21.2°、21.5°、22.0°、22.5°、24.0°、26.0°、および29.8°±0.2。
本明細書において記載する主ピークは、形態Dにおいて85%を超える相対強度を有する。
別の具体的な態様では、1:1化合物(I)フマル酸塩形態Dの少なくとも90重量%は、219℃の示差走査熱量計(DSC)ピーク相転移温度を特徴とする。
別の態様では、1:1化合物(I)マレイン酸塩は単結晶性形態である形態Aである。具体的な態様では、1:1化合物(I)マレイン酸塩の形態Aは、図11におけるX線粉末回折パターンを特徴とする。より具体的な態様では、1:1化合物(I)マレイン酸塩の形態Aは、以下のところにピークを含むX線粉末回折パターンを特徴とする:
a)2θで11.5°、12.6°、14.9°、および15.1°±0.2;または
b)2θで10.8°、11.5°、12.4°、12.6°、14.9°、15.1°、および17.1°±0.2;または
c)2θで5.8°、10.8°、11.5°、12.4°、12.6°、14.9°、15.1°、17.1°、18.6°、23.5°、および26.1°±0.2;または
d)2θで5.5°、5.8°、10.8°、11.5°、12.4°、12.6°、14.1°、14.9°、15.1°、16.7°、17.1°、17.8°、18.6°、19.5°、19.9°、21.9°、22.2°、23.0°、23.3°、23.5°、23.9°、および26.1°±0.2。
本明細書において記載する主ピークは、形態Aにおいて90%を超える相対強度を有する。
別の具体的な態様では、1:1化合物(I)マレイン酸塩形態Aは、219℃の示差走査熱量計(DSC)ピーク相転移温度を特徴とする。
本明細書において記載する化合物(I)のフマル酸塩または化合物(I)のマレイン酸塩は、非晶質形態または結晶性形態のいずれかである。本発明において記載する化合物(I)のフマル酸塩または化合物(I)のマレイン酸塩には、非溶媒和形態および溶媒和物形態の両方が含まれる。
「溶媒和物形態」とは、溶媒が固形物または結晶の一部として化合物(I)のフマル酸塩または化合物(I)のマレイン酸塩と明確な比率(例えば、1:1または1:2のモル比)で組み合わさった、化合物(I)のフマル酸塩または化合物(I)のマレイン酸塩の固形物または結晶性形態を指す。
「非溶媒和形態」とは、溶媒分子と化合物(I)のフマル酸塩または化合物(I)のマレイン酸塩との明確な比率を指すものではなく、化合物(I)のフマル酸塩または化合物(I)のマレイン酸塩中に溶媒分子が実質的に存在しない(例えば、10重量%未満)。周知の溶媒分子には、水、メタノール、エタノール、n-プロパノール、およびイソプロパノールが含まれる。
本発明では、1:1化合物(I)フマル酸塩の形態Aは、化合物(I)フマル酸塩 対 イソプロパノールのモル比が2:1であるイソプロパノール溶媒和物である。本明細書において記載の1:1化合物(I)フマル酸塩の形態B〜Dおよび1:1化合物(I)マレイン酸塩の形態Aは溶媒和物ではない、すなわち、それぞれ非溶媒和形態である。
化合物(I)フマル酸塩および化合物(I)マレイン酸塩を用いた治療の方法
1:1化合物(I)フマル酸塩および1:1化合物(I)マレイン酸塩は、PLK4を含む様々なキナーゼを阻害することができる。よって、本発明の1:1化合物(I)フマル酸塩および1:1化合物(I)マレイン酸塩は、そのようなキナーゼに関連する疾患または症状の治療に有用である。例えば、PLK4は、細胞の有糸分裂の進行に関与すると考えられている。よって、この酵素の低分子阻害剤は、有望な抗腫瘍剤となりうる。
具体的な態様では、1:1化合物(I)フマル酸塩および1:1化合物(I)マレイン酸塩はPLK4阻害剤であり、そのようなキナーゼに関連したがんなどの疾患を治療するために有用である。
本発明の別の局面は、がんを有する対象を治療する方法であって、有効量の1:1化合物(I)フマル酸塩および1:1化合物(I)マレイン酸塩を該対象に投与する工程を含む方法に関する。1つの態様では、1:1化合物(I)フマル酸塩および1:1化合物(I)マレイン酸塩は、腫瘍の増殖を阻害する。具体的には、1:1化合物(I)フマル酸塩および1:1化合物(I)マレイン酸塩は、PLK4を過剰発現する腫瘍の増殖を阻害する。別の態様では、1:1化合物(I)フマル酸塩および1:1化合物(I)マレイン酸塩は、腫瘍細胞のアポトーシスを誘導することによるかまたは腫瘍細胞の増加を阻害することによって腫瘍の増殖を阻害する。
本発明の方法によって治療または予防することができるがんには、肺がん、乳がん、結腸がん、脳腫瘍、神経芽腫、前立腺がん、メラノーマ、多形神経膠芽腫、卵巣がん、リンパ腫、白血病、メラノーマ、肉腫、腫瘍随伴病変、骨肉腫、胚細胞腫、神経膠腫および中皮腫が含まれる。1つの具体的な態様では、がんは、肺がん、乳がん、結腸がん、神経芽腫、前立腺がん、メラノーマ、多形神経膠芽腫、卵巣がん、リンパ腫、白血病、骨肉腫、胚細胞腫、神経膠腫、線維肉腫、消化管肉腫、線維性組織球腫、円形細胞肉腫、滑膜肉腫、子宮頸がん、肛門性器がん、頭頸部がん、および口腔咽頭がんである。1つの具体的な態様では、がんは、肺がん、結腸がん、脳腫瘍、神経芽腫、前立腺がん、メラノーマ、多形神経膠芽腫または卵巣がんである。別の具体的な態様では、がんは、肺がん、乳がん、結腸がん、脳腫瘍、神経芽腫、前立腺がん、メラノーマ、多形神経膠芽腫または卵巣がんである。別の具体的な態様では、がんは、肺がん、乳がん、および結腸がんである。さらに別の具体的な態様では、がんは乳がんである。さらに別の具体的な態様では、がんは、基底細胞型乳がん(basal sub-type breast cancer)またはルミナルB型乳がん(luminal B sub-type breast cancer)である。1つの態様では、基底細胞型乳がんは、ER(エストロゲン受容体)、HER2およびPR(プロゲステロン受容体)陰性の乳がんである。さらに別の具体的な態様では、がんは軟部組織がんである。「軟部組織がん」とは、身体の任意の軟部組織に由来する腫瘍を包含する当技術分野で認知されている用語である。そのような軟部組織は、平滑筋、骨格筋、腱、線維組織、脂肪組織、血管およびリンパ管、血管周囲組織、神経、間葉系細胞ならびに滑膜組織を非限定的に含む身体の様々な構造体および臓器をつなぐ、支持する、または包囲する。よって、軟部組織がんは、脂肪組織、筋肉組織、神経組織、関節組織、血管、リンパ管、および線維組織のがんでありうる。軟部組織がんは、良性または悪性でありうる。一般に、悪性軟部組織がんは肉腫、すなわち軟部組織肉腫と呼ばれる。軟部組織腫瘍には、脂肪腫、脂肪芽細胞腫、冬眠腺腫、脂肪肉腫、平滑筋腫、平滑筋肉腫、横紋筋腫、横紋筋肉腫、神経線維腫、シュワン腫(神経鞘腫)、神経腫、悪性シュワン腫、神経線維肉腫、神経原性肉腫、結節性腱滑膜炎、滑膜肉腫、血管腫、グロムス腫瘍、血管外皮細胞腫、血管内皮腫、血管肉腫、カポジ肉腫、リンパ管腫、線維腫、弾性線維腫、表在性線維腫症、線維性組織球腫、線維肉腫、線維腫症、隆起性皮膚線維肉腫(DFSP)、悪性線維性組織球腫(MFH)、粘液腫、顆粒細胞腫、悪性間葉腫、胞状軟部肉腫、類上皮肉腫、明細胞肉腫、および結合組織形成性小細胞腫瘍を含む多くのタイプがある。特定の態様では、軟部組織がんは、線維肉腫、消化管肉腫、平滑筋肉腫、脱分化型脂肪肉腫、多形性脂肪肉腫、悪性線維性組織球腫、円形細胞肉腫、および滑膜肉腫からなる群より選択される肉腫である。
本発明は、腫瘍細胞を有する対象を治療する方法であって、該対象におけるPLK4活性を効果的に低減するのに有効な量の本明細書において開示する化合物を該対象に投与する工程を含む方法にさらに関する。
「有効量」という用語は、対象に投与した場合に、有益なまたは所望の臨床結果を含む結果をもたらす、例えば、対照と比べて対象においてがんを阻害する、抑制するまたは低減する(例えば、臨床症状またはがん細胞の量によって判定される)、量を意味する。
本明細書において用いる「がんを有する対象を治療する」とは、次の1つまたは複数を部分的にまたは実質的に達成することを含む:がんの増殖を停止すること、がんの程度を低減すること(例えば、腫瘍の大きさを低減すること)、がんの増殖速度を抑えること、がんに関連する臨床症状または指標(組織または血清の成分など)を改善するかもしくは好転させること、または対象の寿命を延ばすこと;およびがんの再発の可能性を低減すること。
本明細書において用いる「がんの再発の可能性を低減する」という用語は、寛解期間後に原発部位もしくはその近くおよび/または続発性部位でのがんの再発を阻害することあるいは遅延させることを意味する。これは、本明細書において記載する治療を行うと、治療を行わない場合よりもがんが再発する可能性が低いことも意味する。
本明細書において用いる「寛解」という用語は、典型的には対象が抗がん療法で首尾よく治療された後に、がんに関連する臨床症状または指標が消失したかまたは検出することができなくなったがんの状態を指す。
一般に、本発明の化合物の有効量は、所与の薬剤または化合物、薬学的製剤、投与の経路、疾患または障害のタイプ、治療を受ける対象または宿主の独自性(identity)など様々な要素に応じて異なるが、それでもなお当業者によって慣例的に決定することができる。本発明の化合物の有効量は、当技術分野で公知の慣例的な方法により当業者によって容易に決定することができる。
ある態様では、1:1化合物(I)フマル酸塩および1:1化合物(I)マレイン酸塩の有効量は、約0.01〜約1000mg/kg体重、あるいは約0.05〜約500mg/kg体重、あるいは約0.1〜約100mg/kg体重、あるいは約0.1〜約15mg/kg体重、あるいは約1〜約5mg/kg体重、別の選択肢では約2〜約3mg/kg体重の範囲である。当業者であれば、がんを患う対象を効果的に治療するために必要とされる投与量にはいくつかの要素が影響することがあり、これらの要素には、疾患または障害の重症度、過去の治療、対象の健康状態および/または年齢、ならびに他の疾患の存在が非限定的に含まれることを認識しているであろう。
また、本発明の化合物の有効量を用いた対象の「治療」レジメンは単回投与からなるか、あるいは一連の適用を含んでもよい。例えば、1:1化合物(I)フマル酸塩および1:1化合物(I)マレイン酸塩を少なくとも週に1回投与してもよい。しかしながら、別の態様では、所与の治療のために、化合物を1週間に約1回〜1日に1回対象に投与してもよい。治療期間の長さは、疾患の重症度、患者の年齢、本発明の化合物の濃度および活性、またはこれらの組み合わせなどの種々の要素によって異なる。治療または予防のために用いられる化合物の効果的な投与量は、特定の治療または予防レジメンの過程で増減してもよいことも認識されているであろう。当技術分野において公知の標準的な診断アッセイによって投与量の変更が生じ、かつ明らかになることがある。いくつかの症例では、長期間の投与が必要になることがある。
「対象」は、哺乳動物、好ましくはヒトであるが、また獣医学的治療を必要とする動物、例えば、ペット(例えば、犬、猫など)、家畜(例えば、雌牛、羊、豚、馬など)および実験動物(例えば、ラット、マウス、モルモットなど)でありうる。
本発明の化合物は、当業者によって理解されるように、選択された投与経路に応じて種々の形態で患者に投与することができる。本発明の化合物は、例えば、経口投与、非経口投与、口腔内投与、舌下投与、経鼻投与、直腸投与、貼付剤投与、ポンプ投与、または経皮投与により投与されてもよく、相応に薬学的組成物が製剤化されてもよい。非経口投与には、静脈内投与、腹腔内投与、皮下投与、筋肉内投与、経上皮投与、経鼻投与、肺内投与、くも膜下腔内投与、直腸投与、および局所投与様式が含まれる。非経口投与は、選択された期間にわたる持続注入によって行うことができる。
1:1化合物(I)フマル酸塩および1:1化合物(I)マレイン酸塩を含む薬学的組成物
本明細書において開示する1:1化合物(I)フマル酸塩、または1:1化合物(I)マレイン酸塩、または結晶性形態のいずれか1つもしくは複数は、対象への投与のための薬学的組成物に適宜製剤化することができる。
1つの態様では、本発明は、上に記載の1:1化合物(I)フマル酸塩または1:1化合物(I)マレイン酸塩と、薬学的に許容される担体または希釈剤とを含み、塩の少なくとも80重量%(好ましくは90%、より好ましくは99%)が結晶性である薬学的組成物を提供する。
本教示の薬学的組成物は、ラクトース、デンプン、セルロースおよびデキストロースなどの1つまたは複数の薬学的に許容される担体および/または希釈剤を含んでもよい。香味料;甘味料;ならびにメチルパラベン、エチルパラベン、プロピルパラベン、およびブチルパラベンといった保存料などの他の賦形剤を含むこともできる。好適な賦形剤のより詳細なリストは、Handbook of Pharmaceutical Excipients (5th Ed., Pharmaceutical Press (2005))に見出すことができる。当業者であれば、様々なタイプの投与経路に好適な製剤を調製する方法を心得ているであろう。好適な製剤の選択および調製のための従来の手法および成分は、例えば、Remington's Pharmaceutical Sciences (2003-20th edition)および1999年に出版のThe United States Pharmacopeia: The National Formulary (USP 24 NF19)に記載されている。担体、希釈剤および/または賦形剤は、薬学的組成物の他の成分と適合可能であり、そのレシピエントに有害でないという意味において「許容され」る。
典型的には、経口的な治療投与向けには、本教示の化合物は、賦形剤と共に組み込まれ、摂取可能な錠剤、バッカル錠、トローチ剤、カプセル剤、エリキシル剤、懸濁剤、シロップ剤、オブラート剤(wafer)などの形態で使用されてもよい。
非経口投与向けに典型的には、本教示の化合物の溶液は、ヒドロキシプロピルセルロースなどの界面活性剤と適宜混合した水中で通常は調製することができる。分散液も、アルコールを含むまたは含まない、グリセロール、液体ポリエチレングリコール、DMSO、およびそれらの混合物中で、ならびに油中で調製することができる。通常の保存および使用の条件下では、これらの調製物は、微生物の増殖を防止するための保存料を含有する。
典型的には、注射用途向けには、無菌注射溶液または分散液の即時調製のための本明細書において記載の化合物の無菌水溶液または分散液、および粉末剤が適切である。
経鼻投与向けには、本教示の化合物は、エアロゾル、点鼻剤、ゲル剤および粉末剤として製剤化することができる。エアロゾル製剤は、生理学的に許容される水性または非水性の溶媒に溶かした活性物質の溶液または微細懸濁液を典型的に含み、噴霧装置と共に使用するためのカートリッジまたは詰め替え形態をとりうる密封容器中で無菌形態の単回または複数回投与量で大抵は提示される。あるいは、密封容器は、単回投与用鼻吸入器などの単位量分配装置、または使用後の廃棄を意図した調量弁を装着したエアロゾルディスペンサーであってもよい。剤形がエアロゾルディスペンサーを含む場合は、圧縮空気などの圧縮ガスまたはフルオロクロロ炭化水素などの有機噴射剤でありうる噴射剤を含有するであろう。エアロゾル剤形は、ポンプ式アトマイザーの形態もとりうる。
口腔内投与または舌下投与向けには、本教示の化合物は、糖、アラビアゴム、トラガカントゴム、またはゼラチンおよびグリセリンなどの担体と共に、錠剤、ロゼンジまたはトローチ剤として製剤化することができる。
直腸投与向けには、本明細書において記載の化合物は、カカオバターなどの従来の坐剤基剤を含有する坐剤の形態で製剤化することができる。
何ら限定することを意図するものではない次の実施例によって本発明を説明する。
実験
略語:
BSA ベンゼンスルホン酸
d 日
EtOAc 酢酸エチル
EtOH エタノール
h 時間
HPLC 高速液体クロマトグラフィー
IPA イソプロパノール
IBAc 酢酸イソブチル
MeOH メタノール
MIBK メチルイソブチルケトン
min 分
MTBE メチルtert-ブチルエーテル
NMR 核磁気共鳴
pTSA パラトルエンスルホン酸
RBF 丸底フラスコ
RH 相対湿度
Rel. Int. 相対強度
rt 室温
temp 温度
TGA 熱重量分析
THF テトラヒドロフラン
wt% 重量パーセント
XRPD X線粉末回折
分析条件
示差走査熱量分析(DSC)
DSC分析は、Mettler 822e示差走査熱量計またはTA instruments Q2000上で実施した。試料をアルミニウム皿に秤量し、穴を開けた蓋で覆い、次いで加締めた。分析条件は、10℃/minの傾斜で30〜120、30〜200、30〜300℃および40〜300℃であった。
熱重量分析(TGA)
TGA分析は、Mettler 851e SDTA熱重量分析計上で実施した。試料をアルミナ坩堝に秤量し、10℃/minの傾斜速度で30〜230、30〜300および30〜350℃にて分析した。
X線粉末回折(XRPD)
試料をPanalytical CubiX-ProX線粉末回折計またはBruker AXS/Siemens D5000回折計上で分析した。
Panalytical条件:試料をシリコンゼロリターンウルトラマイクロサンプルホルダー(silicon zero-return ultra-micro sample holder)に載置した。X線管を40kV/30mAで操作して試料に銅K-アルファX線を照射した。3〜45°の範囲で試料を連続モードで走査した。
Bruker AXS/Siemens D5000条件:50kV/35mAで操作した高出力Cuターゲットを使用した。二次ビームは半導体Kevex検出器によって単色化した。ほとんどの有機結晶性化合物の代表的なピークが生じる2〜35°(2σ)の範囲で試料を走査した。
吸湿重量法(Gravimetric Moisture Sorption)
吸湿重量法実験は、まず平衡重量に到達するまでまたは最大で4時間試料を40%RHおよび25℃で保持することによってHiden動的蒸気吸着分析器上で実施した。試料を次いで10%ずつ段階的に40〜90%RHまでの等温(25℃)吸着走査に供した。各ポイントで最大4時間漸近重量まで試料を平衡化させた。吸着に続いて、-10%ずつ段階的に85〜5%RH(25℃で)までの脱着走査をし、再び最大で4時間かけて漸近重量まで平衡化させた。次いで、+10%RHずつ段階的に0%RH〜40%RHまでの吸着走査を行った。
ラマン分光法
ラマン分析用の試料は、PhAT Probeを備えたKaiser RXN1 Macroscope上で分析した。96ウェルプレート結晶化から得られた固形物を下記の条件を用いて分析した:
ラマン光源:785nmレーザー
顕微鏡対物レンズ1.2mm
単回曝露時間:12秒
共添加(co-addition):12回
有効にした露光設定:宇宙線除去、ノイズ除去(Dark Subtraction)、強度較正
光学顕微鏡法
試料は、デジタルカメラ(1600×1200解像度)と組み合わせたLeica DMRB偏光顕微鏡を用いて観察した。カバーガラスを備えたスライドガラス上の鉱油に少量の試料を分散させ、1OO倍以上の倍率で観察した。
複屈折
複屈折分析用の試料は、Coleman Technologies複屈折撮像装置上で分析した。96ウェルプレート結晶化から得られた固形物を下記の条件を用いて分析した:
明るさ:37
露光:57.9
偏光:0.0
ウェルマスク直径:6.2
標的強度:80
標的百分位数:90.0
最大平均強度:100
核磁気共鳴
プロトンNMR用の試料は、Bruker 400MHz分光計を用いて分析した。
実施例1 コンビナトリアル塩スクリーニング
塩のスクリーニングは、6種類の溶媒(IPA、THF、アセトン、アセトニトリル、EtOHおよびEtOAc)ならびに28種類の薬学的に許容される酸(HCL、HBr、H3PO4、H2SO4、CH3SO3H、pTSA、BSA、ナフタレンスルホン酸、エタンスルホン酸、メタンスルホン酸、アジピン酸、エタンジスルホン酸、マレイン酸、安息香酸、L-リンゴ酸、クエン酸、L-乳酸、馬尿酸、L-ピログルタミン酸、コハク酸、L-酒石酸、ギ酸、フマル酸、グルタル酸、L-アスコルビン酸、ソルビン酸、安息香酸、およびマロン酸)を用いて行った。96ウェルプレートは、各ウェルに化合物(I)の20mg/mL MeOH溶液を200μL入れた。溶媒を次いで窒素気流下で蒸発させると、各ウェルに出発物質がおよそ4mg残った。対象の一次溶媒を次いで各ウェルに加えた(500μL)。確実にAを完全溶解させるために、プレートを50℃まで加熱し、10分間磁気的に撹拌した。次いで、各ウェルにそれぞれの酸の1.05当量に相当する容量の指定の対イオン溶液を入れ、その温度で10分間平衡化させた。プレートを次いで20℃/hで25℃まで冷却し、この時点でマスタープレートは200μLを各ウェルから蒸発プレートへ移すことよって分割(daughtered)した。プレートを次いで大気温度まで冷却し、5℃で一晩保存し、固形物の存在をチェックした。マスタープレートからの溶媒を次いで吸収紙に吸わせて除去した。マスタープレートおよび蒸発プレートを次いで窒素下で一晩乾燥させた。固形物を含むウェルを次いで、複屈折、特有のラマンスペクトルおよび限界溶解性(threshold solubility)についてスコアリングおよびランク付けした。次いで、規模を大きくして、溶媒と対イオンとの好適な組み合わせを、Aとの塩形成について再評価した。
実施例2 中間規模の塩形成
磁気撹拌棒が入った8mLバイアルに化合物(I)をおよそ40mg秤量した。バイアルに一次溶媒を加え、高温で確実に溶解させた。溶解に続いて、酸を1.05当量滴下して、0.125、0.25または0.5M溶液とした。混合物をすべて高温で15分間撹拌し、その後10℃/hの速度で室温まで冷却し、一晩撹拌した。冷却後に析出が見られなかった試料をへらで擦って核形成を促し、-10から-20℃にて冷凍庫で保管した。1時間後、結晶成長がないかバイアルを調べた。固形物が生じた条件に由来する試料を遠心分離、ろ過、または窒素下で蒸発させた。他の試料はすべて-20℃で72時間平衡化させた。析出が見られなかったバイアルを次いで窒素下で乾燥させた。得られた固形物を次いで5日間IPAでスラリー化した。これらの実験から、フマル酸塩を除いて、すべての対イオンについて非晶質固形物のみ確認された。化合物(I)フマル酸塩の特有の多形を下に記載する。
化合物(I)の結晶性塩の調製
実施例3 1:1化合物(I)フマル酸塩の形態Aの調製
化合物(I)(42mg、0.078 mmol)をアセトニトリル(0.5mL)に溶解し、50℃まで加熱した。フマル酸(0.25M IPA溶液を0.33mL)を加え、混合物を15分間撹拌した。析出物をろ過し、観察可能な複屈折が無いため非晶質であると判定した。非晶質固形物を次いで5日間IPA(0.5 mL)でスラリー化した。スラリーから得られた固形物は複屈折を示し、さらにXRPD、DSC、1H NMRおよびTGAによってIPA溶媒和物であると特性決定され、フマル酸塩形態Aと表記した。
(表1)フマル酸塩形態AのXRPD
Figure 2016537326
実施例4 1:1化合物(I)フマル酸塩の形態Bの調製
60℃で2日間の真空乾燥によってフマル酸塩形態Aを脱溶媒和すると、形態Bと表記するDSCサーモグラムおよびXRPDを有する結晶性物質が生じた。形態Bは、非晶質モノフマル酸塩をEtOAcに溶解し、形態Bの結晶をシーディングすることによって直接調製することもできる。吸湿重量法は、当該塩形態が吸湿性であり、90%RHで四水和物を形成することを示す。
(表2)フマル酸塩形態BのXRPD
Figure 2016537326
実施例5 1:1化合物(I)フマル酸塩の形態Cの調製
3つ目のフマル酸塩多形は、非晶質フマル酸塩をTHFに溶解し、フマル酸塩形態Bの結晶をシーディングすることによって得ることができる。溶媒を緩やかに蒸発させて白色固形物にし、これは形態Bとは異なるXRPDパターンおよびラマンスペクトルを示し、フマル酸塩形態Cと表記した。
(表3)フマル酸塩形態CのXRPD
Figure 2016537326
実施例6 1:1化合物(I)フマル酸塩の形態Dの調製
フマル酸塩形態Cを10日間室温でアセトニトリルでスラリー化すると、形態Dと表記する新たな結晶性形態へ転移し、これは特徴的なラマンスペクトルおよびXRPDパターンを示した。DSCによる相転移は他の形態よりはるかに高く、確認した4種類の多形で最も高い安定性を示す。形態Dは次のようにして直接調製することができる:撹拌棒を備えた250mLの三つ口RBFに、化合物(I)(6.01g、11mmol)およびフマル酸(1.41g、12mmol)を入れた。アセトン(50mL)を加え、溶液が透明になるまでスラリーを50℃まで加熱した。10分後に析出が観察され、撹拌をさらに30分間継続した。MTBE(25mL)を加え、溶液を室温まで冷却し一晩撹拌した。固形物をろ過し、60℃にて2日間真空下で乾燥させて、表題化合物(I)を白色固形物として得た(6.65g、91%)。
Figure 2016537326
(表4)形態DのXRPD
Figure 2016537326
フマル酸塩は、様々な条件下で形態Dとして生成することができる。結晶性形態は、表5に示すように形態BまたはDの結晶をシーディングすることを通じて生成することができる。塩は、表6に示すように、親化合物(I)を酢酸エチル、アセトンまたはエタノールなどの極性溶媒に溶解し、メタノール、エタノール、THFおよびイソプロパノールなどの極性溶媒中のフマル酸を送達することによって直接結晶化することができる。MTBEなどの貧溶媒を加えると収率は通常向上する。形態Dが得られない条件には、アセトニトリル、2-メチルテトラヒドロフランおよびメチルイソブチルケトンなどの極性がより低い溶媒に化合物(I)を溶解させた場合が含まれる。また、貧溶媒としてのヘキサンの添加は、結晶性形態Dの生成を促進しない。
表7に見られるように、好ましい形態Dは、メタノール、エタノール、THFまたはアセトンなどの適切な溶媒に化合物(I)を溶解し、固形物として直接フマル酸を送達することによって生成することができる。MTBEまたはIBAcなどの貧溶媒を加えると収率は向上する。酢酸エチルおよびMTBEの場合のように、一次溶媒の極性がより低いと、形態Dはこの方法によっては形成されない。
2:1化合物(I)/フマル酸結晶塩を生成することはできなかった。EtOAc、EtOH、THF、IPAなどの一次溶媒に化合物(I)を2当量溶解し、固形物としてまたはIPAもしくはEtOHとの溶液でフマル酸を1当量加えた。得られた溶液を50℃まで30分間加熱し、室温まで冷却した。MTBEを加え、混合物を24時間スラリー化した。1H NMRによる固形物およびろ液両方の特性決定では、1:1化合物(I)/フマル酸塩のみ得られたことが示された。
(表5)シーディングによるフマル酸塩の結晶化
Figure 2016537326
(表6)フマル酸塩の結晶化
Figure 2016537326
(表7)固形物として加えたフマル酸との結晶化
Figure 2016537326
コンビナトリアル塩スクリーニング結果の再スコアリング
最初のコンビナトリアル手法からは、フマル酸塩のみが結晶性であると確認された。ハイスループットスクリーニングからの結果を再評価して、各対イオンのための溶媒に依存しない新たなスコアを生成した。この再スコアリングは、すべての溶媒に対して過去のスコア(固形物形成の目視検査、複屈折、特有のラマンスペクトルおよび限界溶解性)を組み合わせ、マスタープレートおよび蒸発プレート両方について合計することによって様々な塩について行った。マレイン酸およびメタンスルホン酸の2種類は再スコアが最も高く、さらなる溶媒および貧溶媒条件下でさらに評価した。メタンスルホン酸から得られた塩は吸湿性を示した。一方、マレイン酸との結晶塩が確認された。化合物Aのマレイン酸塩の調製および特性決定を下に記載する。
実施例7 1:1化合物(I)マレイン酸塩の形態Aの調製
撹拌棒を備えた250mL三つ口丸底フラスコに化合物(I)(4.96g、9.3mmol)を入れた。アセトン(55mL)を加え、50℃まで加熱した。マレイン酸(0.5Mアセトン溶液を20mL)を加えると透明な溶液が生じ、1分後に不透明になった。溶液を室温まで冷却し、24時間撹拌して粘性のスラリーとした。固形物をろ過し、MTBEで洗浄し、30時間60℃にて真空下で乾燥させて白色固形物を得た(5.52g、91%)。塩は、XRPDによって結晶性であると特徴付けられ、形態Aと表記した。
Figure 2016537326
(表8)マレイン酸塩形態AのXRPD
Figure 2016537326
マレイン酸塩形態Aは、MTBEなどの無極性貧溶媒を添加するかどうかにかかわらず、EtOH、アセトン、酢酸イソプロピル、酢酸エチル、イソプロパノールまたはTHFなどの極性溶媒から生成することができる。2:1化合物(I)/マレイン酸結晶性塩を生成することはできなかった。
化合物(I)の非晶質塩の調製
実施例8 化合物(I)のHCl塩の調製
化合物(I)(6.7g、12.5mmol)をTHF(25mL)に溶解し、エーテル中の1M HCl(13.8mL、13.8mmol)を加え、溶液をエーテル(200mL)で希釈した。混合物を室温で1時間保存し、得られた固形物をろ過した。固形物を放置するとゲルが形成され、水(100mL)に溶解させ、凍結乾燥して黄色の粉末にした(5.8g、81%)。
Figure 2016537326
実施例9 化合物(I)のリン酸塩の調製
化合物(I)(148mg、0.27mmol)をEtOAc(0.5mL)に溶解し、EtOAc中の0.5Mリン酸(0.58mL、0.28mmol)を50℃で加え、溶液を15分間撹拌し、室温まで冷却した。固形物をろ過し4日間60℃で乾燥させて、表題化合物(I)を白色固形物(149mg、85%)として得た。
Figure 2016537326
溶解性試験および薬物動態解析
方法:
(I)のHCl塩、フマル酸塩形態Dおよびマレイン酸塩形態Aの液剤およびカプセル中の散剤の単回経口用量を雌のSprague-Dawleyラットに5mg/kgで投与した。リチウムヘパリンの存在下で血液試料を採取し、遠心分離して血漿を得た。次いで血漿に対してLC/MSを行い化合物(I)の血漿レベルを分析した。
ラットにおけるカプセル投薬のための試験品の調製:
投薬スケジュールに関わる動物をすべて秤量し、番号を付けた。投薬する各動物に対応するカプセル(9号の豚由来硬ゼラチンカプセル、Torpac)すべてに先の細いSharpieペンで慎重に番号を書いた。カプセルの蓋を1つ載せた小さなプラスチック秤量皿を秤に載せ、カプセルの他方の部分を有するカプセル充填器の基部を貯留部にロードした。天秤を風袋引きした。漏斗をカプセル充填装置の上に載せ、全質量を慎重に書き留めた。4"×4"の蝋紙を半分に折りたたみ、中央部に谷折りを作った。少量の細かく挽いた化合物(必要であれば乳鉢および乳棒を用いて化合物を挽く)を蝋紙の折り目に溜め、再び折りたたんだ。折りたたんだ蝋紙をカプセル充填器漏斗装置の上方で少し傾けた。細いへらを用いて軽く叩いて一定量の化合物粉末を折り目から漏斗まで落とし、充填室そして最終的にカプセルまで伝わせた。全質量との質量差を書き留めた。カプセル充填漏斗を取り外し、天秤のドアを閉じてカプセル内の化合物の絶対重量を確認した。漏斗をカプセル充填装置に戻し、所望量の薬剤がカプセルに入るまで充填を続けた。注:僅かな量をカプセルに加える場合には、漏斗に付着している微粉状の薬剤を単に払い落として充填カラムに入れた。漏斗を取り外し、重量を記録した。秤量した物質に生物学的当量比を掛けることにより実際の薬剤の量を計算した。実際の薬剤の量を記録した。秤量皿上のカプセル蓋を用いて、所定の位置に達して音がするまでカプセルをかたく閉じた。
すべての動物(n=3/群)に5mL/kgの容量で経口的に投薬した。投薬に続いて、各ラットをそれぞれ指定した時点で出血させた。対照動物について、同じ手法で採血した。外側伏在静脈から採血した。採血の1時間以内に、血液のアリコート(約50μL)をリチウムヘパリンでコーティングしたチューブに集め、穏やかに混合し、次いで氷上で保持し、2,500xgにて15分間室温で遠心分離した。血漿の層を集め、氷上で保持し、最終的に、さらなる処理を行うまで-80℃にて凍結を維持した。
生物学的分析法
HPLC/四重極型質量分析(HPLC-MS)を用いた生物学的分析定量を行った。血漿濃度およびT1/2を算出し報告した。
血漿アッセイ:
DMSO中の5mg/mL標準溶液を50%DMSOで100倍に希釈し、続いて段階希釈した。標準曲線として用いるために段階希釈液のアリコート(2μL)を対照血漿18μLと混合した(全量20μL)。血漿試料(20μL)および標準試料を次いで、内部標準としてベラパミルを100ng/mL含有する氷冷アセトニトリル(80%(v/v)アセトニトリル)で5倍に希釈した。アセトニトリル析出試料および標準物を96ウェル構成で0.22μm膜を通してろ過した。ろ液を次いで水で希釈して30%アセトニトリルにした。
投薬アッセイ:
確実に試料を均質にするために投薬溶液(100μL)をDMSO(900μL)で希釈した。次いで、30%アセトニトリル(内部標準を含有)への得られた溶液の希釈を3連で行い、設定濃度をLC-MS分析に適した500ng/mL未満にした。5mg/mL DMSO原液から30%アセトニトリル(内部標準を含有)への段階希釈により、好適な標準曲線が得られた。下に記載のように試料および標準物(10μL)をLC-MSシステムに注入した。投薬溶液の濃度はmg/mLで報告した。
LC-MS分析:
LC:Acquity UPLCによって0.6 mL/minでWaters Acquity CSH 1.7μm 2.1x100mmカラムに試料および標準物をそれぞれ10μL注入した。C18カラムは10%アセトニトリルで平衡化した。99%アセトニトリルまで勾配をつけて化合物を溶離した。移動相はすべてギ酸を0.1%(v/v)含有した。
クロマトグラフィーによる溶離:
Figure 2016537326
MS:カラム溶出液を、四重極型質量分析システム(Waters Xevo TQ)へのエレクトロスプレーイオン化によって分析した。内部標準に固有の3つのイオン対および分析物に固有の3つのイオン対について溶出液の組成を分析した。
薬物動態分析
実験試料を標準曲線試料と比較して化合物濃度を決定した。各時点の平均化合物濃度(μg/mL +/-標準偏差での)を報告した。検出限界(LLOQ)は、設定濃度の20%未満の偏差を示す最低標準曲線試料として報告した。PK分析はExcelプラグインPKfitによって行い;Cmaxは所与の時点で観察された最大平均濃度として決定し;t0からtlast時間についての曲線下面積(AUC)を報告した。最低3つの最終時点がr2>0.8の一次消失(first order elimination)を示した時を血漿中の半減期として報告した。
表9に示すように、化合物(I)の結晶性塩は、非晶質リン酸塩およびHCl塩と比較して脱イオン水における溶解性が低いことが示された。多数の報告事例では、非晶質塩の高い溶解性は、安定性がより高い結晶性形態に比べて高い血漿中濃度をもたらす(Hancock and Parks (2000) Pharm. Res. 17: 397-404; Pudipeddi and Serajuddin (2005) J. Pharm. Sci. 94: 929-39)。しかしながら、非晶質塩および結晶性塩の血漿濃度対時間プロファイルおよび薬物動態パラメータを、カプセル中の散剤(PIC)として雌Sprague-Dawleyラットへの経口投薬後に比較した場合、薬物動態パラメータの違いは最小限であった(表10)。
(表9)化合物(I)塩の特性決定のまとめ
Figure 2016537326
(表10)Sprague-Dawleyラットへと化合物(I)の塩をカプセル中の散剤としてPO投与した後の薬物動態パラメータ
Figure 2016537326

Claims (30)

  1. 下記構造式によって表される化合物(I)
    Figure 2016537326
    のフマル酸塩であって、化合物(I) 対 フマル酸のモル比が1:1である、フマル酸塩。
  2. その少なくとも80重量%が結晶性である、請求項1に記載のフマル酸塩。
  3. その少なくとも80重量%が単結晶性形態である、請求項1または2に記載のフマル酸塩。
  4. その少なくとも99重量%が結晶性である、請求項1〜3のいずれか一項に記載のフマル酸塩。
  5. その少なくとも99重量%が単結晶性形態である、請求項1〜4のいずれか一項に記載のフマル酸塩。
  6. その少なくとも90重量%が、図7にX線粉末回折パターンが示されている単結晶性形態Aである、請求項1〜5のいずれか一項に記載のフマル酸塩。
  7. その少なくとも90重量%が、
    a)2θで9.7°、16.7°、および20.1°±0.2;または
    b)2θで8.2°、9.7°、16.7°、および20.1°±0.2;または
    c)2θで8.2°、9.7°、10.7°、11.5°、14.9°、16.7°、20.1°、および23.5°±0.2;または
    d)2θで8.2°、9.7°、10.7°、11.5°、13.6°、14.9°、16.7°、18.1°、18.8°、20.1°、23.5°、および24.5°±0.2
    にピークを含むX線粉末回折パターンを特徴とする単結晶性形態Aである、請求項1〜6のいずれか一項に記載のフマル酸塩。
  8. その少なくとも90重量%が、図8にX線粉末回折パターンが示されている単結晶性形態Bである、請求項1〜5のいずれか一項に記載のフマル酸塩。
  9. その少なくとも90重量%が、
    a)2θで11.9°および14.9°±0.2;または
    b)2θで11.9°、14.9°、18.7°、および21.5°±0.2;または
    c)2θで5.5°、5.9°、11.9°、14.9°、16.7°、17.4°、18.7°、21.5°、および23.4°±0.2
    にピークを含むX線粉末回折パターンを特徴とする単結晶性形態Bである、請求項1〜5および8のいずれか一項に記載のフマル酸塩。
  10. その少なくとも75〜80重量%が、図9にX線粉末回折パターンが示されている単結晶性形態Cである、請求項1〜5のいずれか一項に記載のフマル酸塩。
  11. その少なくとも75〜80重量%が、
    a)2θで16.8°、16.9°、および19.9°±0.2;または
    b)2θで9.8°、16.8°、16.9°、19.9°、および23.5°±0.2;または
    c)2θで9.7°、9.8°、11.7°、15.1°、16.8°、16.9°、19.9°、23.5°、および23.7°±0.2
    にピークを含むX線粉末回折パターンを特徴とする単結晶性形態Cである、請求項1〜5および10のいずれか一項に記載のフマル酸塩。
  12. その少なくとも90重量%が、図10にX線粉末回折パターンが示されている単結晶性形態Dである、請求項1〜5のいずれか一項に記載のフマル酸塩。
  13. その少なくとも90重量%が、
    a)2θで9.6°、12.8°、16.0°および22.0°±0.2;または
    b)2θで9.6°、12.8°、16.0°、16.9°、21.2°、および22.0°±0.2;または
    c)2θで9.6°、12.8°、16.0°、16.9°、20.8°、21.2°、21.5°、および22.0°±0.2
    d)2θで9.6°、11.7°、12.0°、12.8°、16.0°、16.6°、16.9°、18.1°、19.2°、19.8°、20.7°、20.8°、21.2°、21.5°、22.0°、22.5°、24.0°、26.0°、および29.8°±0.2
    にピークを含むX線粉末回折パターンを特徴とする単結晶性形態Dである、請求項1〜5および12のいずれか一項に記載のフマル酸塩。
  14. その少なくとも90重量%が、112℃および158℃の示差走査熱量計(DSC)ピーク相転移温度を特徴とする単結晶性形態Aである、請求項1〜7のいずれか一項に記載のフマル酸塩。
  15. その少なくとも90重量%が、58℃および162℃の示差走査熱量計(DSC)ピーク相転移温度を特徴とする単結晶性形態Bである、請求項1〜5、8、および9のいずれか一項に記載のフマル酸塩。
  16. その少なくとも90重量%が、62℃および156℃の示差走査熱量計(DSC)ピーク相転移温度を特徴とする単結晶性形態Cである、請求項1〜5、10、および11のいずれか一項に記載のフマル酸塩。
  17. その少なくとも90重量%が、219℃の示差走査熱量計(DSC)ピーク相転移温度を特徴とする単結晶性形態Dである、請求項1〜5、12、および13のいずれか一項に記載のフマル酸塩。
  18. 下記構造式によって表される化合物(I)
    Figure 2016537326
    のマレイン酸塩であって、化合物(I) 対 マレイン酸のモル比が1:1である、マレイン酸塩。
  19. その少なくとも90重量%が結晶性である、請求項18に記載のマレイン酸塩。
  20. その少なくとも90重量%が単結晶性形態である、請求項18または19に記載のマレイン酸塩。
  21. その少なくとも99重量%が結晶性である、請求項18〜20のいずれか一項に記載のマレイン酸塩。
  22. その少なくとも99重量%が単結晶性形態である、請求項18〜21のいずれか一項に記載のマレイン酸塩。
  23. その少なくとも90重量%が、図11にX線粉末回折パターンが示されている単結晶性形態Aである、請求項18〜22のいずれか一項に記載のマレイン酸塩。
  24. その少なくとも90重量%が、
    a)2θで11.5°、12.6°、14.9°、および15.1°±0.2;または
    b)2θで10.8°、11.5°、12.4°、12.6°、14.9°、15.1°、および17.1°±0.2;または
    c)2θで5.8°、10.8°、11.5°、12.4°、12.6°、14.9°、15.1°、17.1°、18.6°、23.5°、および26.1°±0.2;または
    d)2θで5.5°、5.8°、10.8°、11.5°、12.4°、12.6°、14.1°、14.9°、15.1°、16.7°、17.1°、17.8°、18.6°、19.5°、19.9°、21.9°、22.2°、23.0°、23.3°、23.5°、23.9°、および26.1°±0.2
    にピークを含むX線粉末回折パターンを特徴とする単結晶性形態Aである、請求項18〜23のいずれか一項に記載のマレイン酸塩。
  25. その少なくとも90重量%が、219℃の示差走査熱量計(DSC)ピーク相転移温度を特徴とする単結晶性形態Aである、請求項18〜24のいずれか一項に記載のマレイン酸塩。
  26. 請求項1〜17のいずれか一項に記載のフマル酸塩または請求項18〜25のいずれか一項に記載のマレイン酸塩と、薬学的に許容される担体または希釈剤とを含む薬学的組成物であって、該塩の少なくとも80重量%が結晶性である、薬学的組成物。
  27. がんを有する対象を治療する方法であって、有効量の請求項1〜25のいずれか一項に記載の塩またはその薬学的組成物を該対象に投与する工程を含む方法。
  28. がんが、肺がん、乳がん、結腸がん、神経芽腫、前立腺がん、メラノーマ、多形神経膠芽腫、卵巣がん、リンパ腫、白血病、骨肉腫、胚細胞腫、神経膠腫、線維肉腫、消化管肉腫、線維性組織球腫、円形細胞肉腫、滑膜肉腫、子宮頸がん、肛門性器がん、頭頸部がん、および口腔咽頭がんからなる群より選択される、請求項27に記載の方法。
  29. がんが、肺がん、乳がん、および結腸がんからなる群より選択される、請求項28に記載の方法。
  30. がんが乳がんである、請求項29に記載の方法。
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