JP2016534055A - オイゲノールを有効成分として含有するアトピー性皮膚炎の予防又は治療用組成物 - Google Patents

オイゲノールを有効成分として含有するアトピー性皮膚炎の予防又は治療用組成物 Download PDF

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Abstract

オイゲノールもしくはその誘導体、又はその薬学的に許容される塩を有効成分として含有する、アトピー性皮膚炎の予防、治療又は改善用薬学的組成物、機能性食品組成物、医薬部外品組成物及び化粧料組成物に関する。本発明のオイゲノール又はその誘導体は、アトピー性皮膚炎に対する抗掻痒効果に優れるので、現在用いられているアトピー性皮膚炎治療剤の副作用を克服することができ、毒性のない治療効果に優れた化合物であり、アトピー性皮膚炎の予防、治療及び改善用組成物として有用である。

Description

本発明は、オイゲノールもしくはその誘導体、又はその薬学的に許容される塩を有効成分として含有する、アトピー性皮膚炎の予防、治療又は改善用薬学的組成物、健康機能性食品組成物、医薬部外品組成物及び化粧料組成物に関する。
アトピー性皮膚炎(atopic dermatitis)は、慢性的に再発する掻痒性皮膚炎であり、乳幼児期に多く発生し、患者や家族に掻痒症、皮膚乾燥症又は特徴的な湿疹を伴う疾患である。アトピー性皮膚炎の典型的な症状は、手、頭皮、顔、首、肘、膝などに現れ、皮膚が非常に乾燥して掻痒症と炎症が生じ、鱗のように剥がれ、激しく掻くと皮膚が厚くなり、深くしわが寄る苔癬化現象である。
このようなアトピー性皮膚炎が発生する直接的な原因はいまだ明確にされていないので、それに関する研究が継続的に行われている。このようなアトピーを治療するために、従来はセラミド、リノール酸、植物油や鉱油などの成分、ヒドロコルチゾン(hydrocortisone)などのステロイド(steroid)製剤又はそれらに抗菌及び抗炎機能を強化した物質が提案されきた。しかし、前記ステロイド製剤は、表皮の成長抑制や副作用などの逆効果をもたらすことがあり、過酸化尿素などは皮膚の過剰刺激を引き起こすことがあり、菌の耐性(resistance)や光過敏などの副作用を引き起こす可能性が高いという問題がある。また、長期間にわたって皮膚に適用すると、毛細血管拡張症及び/又は角質層の厚さ増加もしくは拡張を引き起こすなどの深刻な副作用をもたらす恐れがあり、近年アトピー緩和に多く用いられているガンマリノール酸は、容易に酸化するため安定性が低いだけでなく、皮膚刺激性が比較的強いので、敏感な皮膚には用いることができないという問題がある。
オイゲノール(Eugenol)は、丁子油、ナツメグ、桂皮、バジル及びローリエから抽出される精油であり、透明な薄い黄色を帯びる。水に対しては可溶性が低く、有機溶媒に溶解しやすい。また、香料としてクローブの香りを有するが、高濃度で存在する場合は不快な臭いがする。名称もクローブの学名であるEugenia aromaticum又はEugenia caryophyllataに由来し、クローブから抽出した精油の約72〜90%を占める主な成分である。既に抗菌及び麻酔剤としての活性が公知であり、有害熱刺激により最も普遍的に起こる歯痛を緩和する能力を有するので、亜鉛酸化物と混合して復元剤及び補綴装置として歯科で広く用いられている(非特許文献1)。しかし、このようなオイゲノール又はその誘導体がアトピー性皮膚炎に対していかなる効果を示すかについてはいまだ開示されていない。
Markowitz, K. et al., OralSurg. OralMed. OralPathol., 1992, 73: 729-737
本発明者らは、天然由来又は新規化合物のアトピー性皮膚炎治療剤を開発すべく鋭意努力した結果、オイゲノール又はその誘導体がアトピー性皮膚炎の予防又は治療に有用であることを確認し、本発明を完成するに至った。
本発明は、下記化学式(1)又は(2)で表される化合物又はその薬学的に許容される塩を有効成分として含有する、アトピー性皮膚炎の予防、治療又は改善用薬学的組成物、機能性食品組成物、医薬部外品組成物及び化粧料組成物を提供することを目的とする。
上記式において、Rは水素(H)又はC1−4アルキルである。
また、本発明は、前記薬学的組成物を含むアトピー性皮膚炎治療用経皮投与製剤を提供することを目的とする。
さらに、本発明は、アトピー性皮膚炎の発症可能性があるか、アトピー性皮膚炎を発症している個体に前記薬学的組成物を投与する段階を含む、アトピー性皮膚炎の予防又は治療方法を提供することを目的とする。
本発明の化合物は、アトピー性皮膚炎に対する抗掻痒効果に優れるので、現在用いられているアトピー性皮膚炎治療剤の副作用を克服することができ、毒性のない治療効果に優れた化合物であり、アトピー性皮膚炎の予防、治療及び改善用組成物として有用である。
本発明に用いられるアトピー性皮膚炎動物モデルを作製し、オイゲノールで処理することによりアトピー性皮膚炎の治療活性を測定するための実験過程を示す図である。 本発明で作製されたアトピー性皮膚炎動物モデルとオイゲノール処理による皮膚回復効果を示す写真である。 オイゲノールのアトピー性皮膚炎予防又は治療用途を確認するための表皮層を示す図である。 オイゲノールのアトピー関連掻痒症に対する効果を示す図である。 オイゲノールのヒスタミン誘発性掻痒症に対する治療効果を示す図である。 オイゲノールのセロトニン誘発性掻痒症に対する治療効果を示す図である。 3重量%のオイゲノールが機械的疼痛治療効果とは無関係であることを示す図である。 オイゲノールの各濃度及び用量における運動能力低下効果を示す図である。具体的には、3重量%のオイゲノールは個体の運動能力低下をもたらすことなく、掻痒症の抑制に特異的に作用することを示す。 3重量%のオイゲノールがカプサイシン受容体を遮断することにより熱痛症に対する回避反応が増加することを示す図である。 3重量%のオイゲノールクリームをヒスタミン誘発掻痒症患部に塗布した場合に5時間まで鎮静効果が持続することを示す図である。 オイゲノール及びその誘導体のヒスタミン誘発性掻痒症に対する治療効果を示す図である。
本発明は、下記化学式(1)又は(2)で表される化合物又はその薬学的に許容される塩を有効成分として含有する、アトピー性皮膚炎の予防又は治療用薬学的組成物を提供する。
上記式において、Rは水素(H)又はC1−4アルキルである。
具体的には、本発明のアトピー性皮膚炎予防又は治療用薬学的組成物は、化学式(1)又は(2)で表される化合物又はその薬学的に許容される塩を含んでもよい。
前記化学式(1)においてRが水素である化合物はオイゲノール(eugenol)である。
本発明における用語「オイゲノール(eugenol)」とは、丁子油、ナツメグ、桂皮、バジル及びローリエから抽出される透明な薄い黄色の精油であり、クローブから抽出した精油の約72〜90%を占める主な成分である。オイゲノールは、前記化学式(1)の構造においてRが水素(H)である場合に相当し、下記化学式(3)の構造を有し、4−アリル−2−メトキシフェノール(4-allyl-2-methoxyphenol)とも呼ばれる。
抗菌及び麻酔剤としての活性が公知であり、復元剤及び補綴装置として歯科で広く用いられている。しかし、肝臓に対する毒性があるので、過量に用いると、血尿、痙攣、下痢、吐き気、意識喪失、めまい、頻脈などの様々な症状の副作用を伴うことがある。本発明においては、前記オイゲノールでアトピー性皮膚炎動物モデルを処理した結果、肥厚化した表皮層が回復するだけでなく、アトピー性皮膚炎による掻痒症も著しく緩和されることが確認された。
前記オイゲノールは、既に歯科用鎮痛剤として用いられているので、商用化されているものを購入して用いてもよく、当業界で公知の方法により丁子(クローブ)油、ナツメグ、桂皮、バジル、ローリエなどから抽出して精製したものや、化学的に合成したものを用いてもよい。
また、前記化学式(1)で表される化合物において、Rは炭素数1〜4(C1−4)のアルキル基であってもよい。具体的には、Rはメチル基(methyl, CH3-)、エチル基(ethyl, CH3CH2-)、プロピル基(propyl, CH3CH2CH2-)、イソプロピル基(isopropyl, CH3CHCH3)、n−ブチル基(n-butyl, CH3CH2CH2CH2-)、sec−ブチル基(sec-butyl, CH3CHCH2CH3)、tert−ブチル基(tert-butyl, (CH3)3C-)などであってもよいが、これらに限定されるものではない。前記化合物は、R基の種類によって、メチルオイゲノール(methyleugenol)、エチルオイゲノール(ethyleugenol)、プロピルオイゲノール(propyleugenol)、ブチルオイゲノール(butyleugenol)などと命名される。前記化合物を製造する方法としては、前記化学式(3)で表されるオイゲノールを(1)アルカリ処理し、その後(2)ハロゲン化アルキルで処理する方法などがあるが、これらに限定されるものではない。
前記化学式(2)においてRが水素である化合物は、下記化学式(4)で表されるイソオイゲノール(isoeugenol)である。
前記イソオイゲノール(isoeugenol)のIUPAC名は、(E)又は(Z)−2−methoxy−4−(prop−1−enyl)phenolである。前記化学式(3)で表されるオイゲノールとは二重結合の位置のみ異なる化合物であり、内側に二重結合が存在するので、(E)または(Z)形態の両方が含まれる。前記化合物を製造する方法は、オイゲノールを(1)熱条件下でアルカリ処理し、その後(2)酸処理する方法などがあるが、これらに限定されるものではない。
また、前記化学式(2)で表される化合物において、Rは炭素数1〜4(C1−4)のアルキル基であってもよい。具体的には、メチル基(methyl, CH3-)、エチル基(ethyl, CH3CH2-)、プロピル基(propyl, CH3CH2CH2-)、イソプロピル基(isopropyl, CH3CHCH3)、n−ブチル基(n-butyl, CH3CH2CH2CH2-)、sec−ブチル基(sec-butyl, CH3CHCH2CH3)、tert−ブチル基(tert-butyl, (CH3)3C-)などであってもよいが、これらに限定されるものではない。前記化合物は、R基の種類によって、メチルイソオイゲノール(methylisoeugenol)、エチルイソオイゲノール(ethylisoeugenol)、プロピルイソオイゲノール(propylisoeugenol)、ブチルイソオイゲノール(butylisoeugenol)などと命名される。前記化合物を製造する方法としては、前記化学式(4)で表されるイソオイゲノールに(1)アルカリ処理し、その後(2)ハロゲン化アルキルで処理する方法などがあるが、これらに限定されるものではない。
本発明の他の誘導体は、下記化学式(5)又は(6)で表される化合物であってもよい。
前記化合物は、サフロール(safrole)、又は5−allylbenzo[d][1,4]−dioxoleとも呼ばれ、IUPAC名は、5−(2−propenyl)−1,3−benzodioxoleである。主に香料のピペロナールやバニリンの合成原料として用いられ、リウマチ関節炎の鎮痛塗布剤として用いられている。前記サフロールは、オイゲノールの誘導体であり、下記の方法で合成することができるが、これに限定されるものではない。
前記化合物は、イソサフロール(isosafrole)と命名され、IUPAC名では、(E)又は(Z)−5−(prop−1−enyl)benzo[d][1,3]−dioxoleともいう。前記イソサフロールは、イソオイゲノールの誘導体であり、内側に二重結合が存在するので、(E)または(Z)形態の両方が含まれる。前記イソサフロールは、イソオイゲノールの誘導体であり、下記の方法で合成することができるが、これに限定されるものではない。
前記化合物の薬学的に許容される塩としては、薬学的に許容される遊離酸(free acid)により形成された酸付加塩が有用である。遊離酸としては有機酸と無機酸を用いることができ、無機酸としては塩酸、臭素酸、硫酸、亜硫酸、リン酸などを用いることができ、有機酸としてはクエン酸、酢酸、マレイン酸、フマル酸、グルコン酸、メタンスルホン酸、グリコール酸、コハク酸、酒石酸、4−トルエンスルホン酸、ガラクツロン酸、エンボン酸、グルタミン酸、アスパラギン酸などを用いることができる。
本発明による付加塩は、通常の方法、すなわち前記化合物を水混和性有機溶媒、例えばアセトン、メタノール、エタノール、又はアセトニトリルなどに溶解し、当量もしくは過剰量の有機酸を加えるか、無機酸の酸水溶液を加え、その後沈殿させるか、結晶化させることにより製造するか、又は溶媒や過剰量の酸を蒸発させ、その後乾燥させるか、析出した塩を吸引濾過することにより製造することができる。
本発明は前記化合物又はその薬学的に許容される塩だけでなく、それらから製造される同じ効能を示す溶媒和物、水和物及び立体異性体も全て本発明に含まれる。
本発明の一実施例においては、オイゲノール又はその代表的な誘導体であるメチルオイゲノール及びイソオイゲノールがアトピー性皮膚炎動物モデルにおいて肥厚化した表皮層を回復させるだけでなく、アトピー性皮膚炎による掻痒症も著しく緩和することが確認されたので、アトピー性皮膚炎の予防又は治療に効果的であることが確認された。よって、前記化学式(1)又は(2)の化合物がアトピー性皮膚炎の予防又は治療効果を有することは言うまでもない。
本発明における用語「予防」とは、本発明の組成物の投与によりアトピー性皮膚炎の発症を抑制又は遅延させるあらゆる行為を意味し、「治療」とは、本発明の組成物により、アトピー性皮膚炎による症状が好転又は有利に変化するあらゆる行為を意味する。
本発明における用語「アトピー性皮膚炎」とは、慢性的で再発性の炎症性皮膚疾患であり、掻痒症(かゆみ症)、皮膚乾燥症、特徴的な湿疹を伴う疾病を意味する。アトピー性皮膚炎の急性病巣においては、血清免疫グロブリンE(IgE)の有意な増加が特徴として現れるので、さらに病巣の組織病理学的な変化や皮膚炎の病変に対する官能評価などを行うことによりアトピー性皮膚炎の診断及び重症度を判定することもある。アトピー性皮膚炎の正確な原因はいまだ完全には解明されていないが、遺伝的素因と共に免疫学的、非免疫学的メカニズムが関与するものと考えられている。
好ましくは、本発明の化学式(1)又は(2)で表される化合物又はその薬学的に許容される塩は、カプサイシン受容体を遮断することによりアトピー性皮膚炎を予防又は治療することができる。前記カプサイシン受容体はTRPV1(transient receptor potential cation channel subfamily V member 1)であることが好ましく、前記チャネルは、主に痛みを伝達する末梢神経に発現し、痛覚に重要な役割を果たすことが知られている。オイゲノールは、電圧依存性Naイオンチャネルの遮断効果を有するだけでなく、1mM以上の高濃度では前記TRPV1に作用して活性化させることができる。よって、カプサイシン受容体を活性化させることにより、痛みやヒスタミン依存性掻痒症を緩和できることが知られている。しかし、本発明においては、3重量%の低濃度オイゲノールの場合は、これとは逆に、カプサイシン受容体を遮断することにより、アトピー性皮膚炎によるヒスタミン依存性掻痒症を治療できることが確認された。
本発明の化学式(1)又は(2)で表される化合物又はその薬学的に許容される塩を含む薬学的組成物は、薬学的組成物の製造に通常用いられる適当な担体、賦形剤又は希釈剤をさらに含んでもよい。ここで、前記組成物に含まれる化学式(1)又は(2)で表される化合物又はその薬学的に許容される塩の含有量は、特にこれらに限定されるものではないが、組成物の総重量に対して0.01重量%〜50.0重量%、好ましくは2重量%〜20重量%、最も好ましくは3重量%〜10重量%である。
前記薬学的組成物は、錠剤、丸剤、散剤、顆粒剤、カプセル剤、懸濁剤、内用液剤、乳剤、シロップ剤、滅菌水溶液剤、非水性溶剤、凍結乾燥剤及び坐剤からなる群から選択されるいずれかの剤形を有し、経口又は非経口の様々な剤形であってもよい。製剤化する場合は、通常用いる充填剤、増量剤、結合剤、湿潤剤、崩壊剤、界面活性剤などの希釈剤又は賦形剤を用いて調製される。経口投与のための固形製剤には、錠剤、丸剤、散剤、顆粒剤、カプセル剤などが含まれ、これらの固形製剤は、1つ以上の化合物に少なくとも1つ以上の賦形剤、例えばデンプン、炭酸カルシウム、スクロース(sucrose)又はラクトース(lactose)、ゼラチンなどを混合して調製される。また、通常の賦形剤以外に、ステアリン酸マグネシウム、タルクなどの潤滑剤も用いられる。経口用液状製剤としては、懸濁剤、内用液剤、乳剤、シロップ剤などが挙げられ、通常用いられる単純希釈剤である水、液体パラフィン以外にも種々の賦形剤、例えば湿潤剤、甘味剤、芳香剤、保存剤などが用いられる。非経口用製剤としては、滅菌水溶液、非水性溶剤、懸濁剤、乳剤、凍結乾燥剤、坐剤が挙げられる。非水性溶剤、懸濁溶剤としては、プロピレングリコール(propylene glycol)、ポリエチレングリコール、オリーブ油などの植物性油、オレイン酸エチルなどの注射可能なエステルなどが用いられる。坐剤の基剤としては、ウィテップゾール(witepsol)、マクロゴール、ツイーン(tween)61、カカオ脂、ラウリン脂、グリセロゼラチンなどが用いられる。
本発明の組成物は、薬学的に有効な量で投与することができる。
本発明における用語「薬学的に有効な量」とは、医学的治療に適用できる合理的な利益/リスク比で疾患を治療するのに十分な量を意味し、有効用量レベルは、個体の種類及び重症度、年齢、性別、疾病の種類、薬物の活性、薬物に対する感受性、投与時間、投与経路及び排出率、治療期間、同時に用いられる薬物が含まれる要素、並びにその他医学分野で公知の要素により決定される。本発明の組成物は、単独投与又は他の治療剤と併用して投与してもよく、従来の治療剤と順次又は同時に投与してもよい。また、単一投与又は多重投与してもよい。上記要素を全て考慮して副作用なく最小限の量で最大限の効果が得られる量を投与することが重要であり、これは当業者により容易に決定される。本発明の組成物の好ましい投与量は、患者の状態及び体重、疾病の程度、薬物の形態、投与経路及び期間によって異なり、好適な総1日使用量は正常な医学的判断の範囲内において担当医により決定されるが、一般に0.001〜1000mg/kg、好ましくは0.05〜200mg/kg、より好ましくは0.1〜100mg/kgの量を1日1回又は数回に分けて投与することができる。前記組成物は、アトピー性皮膚炎の予防又は治療を目的とする個体であれば特に限定されるものではなく、いかなる個体にも適用することができる。例えば、サル、イヌ、ネコ、ウサギ、モルモット、ラット、マウス、ウシ、ヒツジ、ブタ、ヤギなどの非ヒト動物及びヒトなど、いかなる個体にも用いることができ、投与方式は当業界の通常の方法であれば制限されるものではない。例えば、局所塗布などによる経皮投与方式を用いることができるが、これに限定されるものではない。
本発明の実施例において、オキサゾロン(oxazolone)化合物の塗布により誘導したアトピー性皮膚炎動物モデルのうち、3〜10重量%のオイゲノール又はその誘導体で処理した実験群では、肥厚化した表皮層が回復し、またアトピー性皮膚炎による掻痒症が緩和されることが確認された(実験例1〜3)。これは、前記3〜10重量%のオイゲノールがアトピー性皮膚炎の治療に有効であることを示すものである。
また、本発明は、前記薬学的組成物を含むアトピー性皮膚炎治療用経皮投与製剤を提供する。
具体的には、前記薬学的組成物を経皮投与製剤化することによりアトピー性皮膚炎の治療用途に用いることができる。
本発明における用語「経皮投与製剤」とは、皮膚から薬物を投与することにより効果を発揮する剤形であり、皮膚に塗る薬、皮膚に貼る薬などの形態に剤形化する。経皮投与における活性成分の皮膚透過は、化学ポテンシャル、すなわち濃度勾配による単純拡散により、細胞内、細胞間又は汗口、毛穴などの付属機関を通過して行われる。損傷していない皮膚を通過することは容易でないという欠点があるが、薬物の効率、投与速度を制御でき、患部に直接適用できるなどの使用の容易性があり、比較的一定の血中濃度の維持、胃腸毒性を示す物質の副作用の最小化、肝臓の負担減少などの利点がある。活性成分の皮膚透過を容易にするために、皮膚浸透促進剤をさらに含有させて剤形化してもよく、本発明の化合物は、脂溶性の特性により経皮投与に有利である。
本発明の経皮投与製剤は、皮膚の疾患部表面に有効成分を直接投与できる剤形であれば制限なく用いられる。例えば、軟膏剤、クリーム剤、ゲル剤、ローション剤、液剤、乳剤、懸濁剤、硬膏剤(スティック剤)、パスタ剤、リニメント剤、パップ剤、テープ剤、エアゾール剤または外用散剤などの製剤に調製して用いることができる。このために、通常の経皮投与製剤の製造に通常用いられる適当な担体、賦形剤及び希釈剤をさらに含んでもよい。
軟膏剤、クリーム剤、ゲル剤、ローション剤の場合は、白色ワセリン、黄色ワセリン、ラノリン、白蝋、セタノール、ステアリルアルコール、ステアリン酸、硬化油、ゲル化炭化水素、ポリエチレングリコール、流動パラフィン、スクアランなどの基剤や、オレイン酸、ミリスチン酸イソプロピル、トリイソオクタン酸グリセリン、クロタミトン、セバシン酸ジエチル、アジピン酸ジイソプロピル、ラウリン酸ヘキシル、脂肪酸、脂肪酸エステル、脂肪族アルコール、植物油などの溶剤及び溶解補助剤や、トコフェロール誘導体、L−アスコルビン酸、ジブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソールなどの酸化防止剤や、パラヒドロキシ安息香酸エステルなどの防腐剤や、グリセリン、プロピレングリコール、ヒアルロン酸ナトリウムなどの保湿剤や、ポリオキシエチレン誘導体、グリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、レシチンなどの界面活性剤や、カルボキシビニルポリマー、キサンタンガム、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム塩類、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースなどの増粘剤などが含まれる。また、所望により安定剤、保存剤、吸収促進剤、pH調整剤、その他の適当な添加剤を配合してもよい。
液剤又は乳剤においては、担体成分として、水、エタノール、イソプロパノール、炭酸ジエチル、酢酸エチル、ベンジルアルコール、ベンジルベンゾエート、プロピレングリコール、1,3−ブチルグリコールオイル、グリセリン脂肪族エステル、ポリエチレングリコール又はソルビタンの脂肪酸エステルなどの溶媒、溶媒和剤又は乳濁化剤が用いられる。
懸濁剤においては、担体成分として、水、エタノール、プロピレングリコールなどの液状の希釈剤;、エトキシ化ステアリルアルコール、ポリオキシエチレンソルビトールエステル及びポリオキシエチレンソルビタンエステルなどの懸濁剤;、微結晶性セルロース、メタ水酸化アルミニウム、ベントナイト、アガー又はトラガカントなどが用いられる。
硬膏剤の場合は一酸化鉛、オリーブ油及び豚脂(lard)を用い、パスタ剤の場合は亜鉛華細末、サリチル酸細末、デンプン及びワセリンを用い、リニメント剤の場合は樟脳油、オリーブ油、サリチル酸メチル、トラガカント、カルボキシメチルセルロースナトリウム、グリセリン及び酸化亜鉛を用いて製剤化することができる。
パップ剤には、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸共重合体などの粘着付与剤;、硫酸アルミニウム、硫酸アルミニウムカリウム、塩化アルミニウム、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、酢酸ジヒドロキシアルミニウムなどの架橋剤;、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ゼラチン、アルギン酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム塩類、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースなどの増粘剤;、グリセリン、ポリエチレングリコール(マクロゴール)、プロピレングリコール、1,3−ブタンジオールなどの多価アルコール類;、ポリオキシエチレン誘導体などの界面活性剤;、1−メントールなどの香料;、パラヒドロキシ安息香酸エステルなどの防腐剤;、精製水などが含まれる。また、所望により安定剤、保存剤、吸収促進剤、pH調整剤、その他の適当な添加剤を配合してもよい。
テープ剤には、スチレン・イソプレン・スチレンブロック共重合体(SISブロック共重合体)、アクリル樹脂などの粘着剤;、脂環族飽和炭化水素樹脂、ロジン樹脂、テルペン樹脂などの粘着付与樹脂;、液状ゴム、流動パラフィンなどの軟化剤;、ジブチルヒドロキシトルエンなどの酸化防止剤;、プロピレングリコールなどの多価アルコール;、オレイン酸などの吸収促進剤;、ポリオキシエチレン誘導体などの界面活性剤;、その他の適当な添加剤を配合してもよい。また、ポリアクリル酸ナトリウム;ポリビニルアルコールなどの含水可能な高分子と少量の精製水を添加して含水テープ剤にしてもよい。この場合も、所望により安定剤、保存剤、吸収促進剤、pH調整剤、その他の適当な添加剤をさらに配合してもよい。
エアゾール剤には、軟膏剤、クリーム剤、ゲル剤、懸濁剤、乳剤、液剤、ローション剤などの調製に用いられる白色ワセリン、黄色ワセリン、ラノリン、白蝋、セタノール、ステアリルアルコール、ステアリン酸、硬化油、ゲル化炭化水素、ポリエチレングリコール、流動パラフィン、スクアランなどの基剤;、オレイン酸、ミリスチン酸イソプロピル、アジピン酸ジイソプロピル、セバシン酸イソプロピル、トリイソオクタン酸グリセリン、クロタミトン、セバシン酸ジエチル、ラウリン酸ヘキシル、脂肪酸、脂肪酸エステル、脂肪族アルコール、植物油などの溶剤及び溶解補助剤;、トコフェロール誘導体、L−アスコルビン酸、ジブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソールなどの酸化防止剤;、パラヒドロキシ安息香酸エステルなどの防腐剤;、グリセリン、プロピレングリコール、ヒアルロン酸ナトリウムなどの保湿剤;、ポリオキシエチレン誘導体、グリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、レシチンなどの界面活性剤;、カルボキシビニルポリマー、キサンタンガム、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム塩類、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースなどの増粘剤を配合してもよく、各種安定剤、緩衝剤、矯味剤、懸濁剤、乳化剤、芳香剤、保存剤、溶解補助剤、その他の適当な添加剤をさらに配合してもよい。特に、ハイドロクロロフルオロカーボン、プロパン/ブタン又はジメチルエーテルなどの推進剤をさらに含んでもよい。
外用散剤には、ジャガイモデンプン、コメデンプン、トウモロコシデンプン、タルク、酸化亜鉛などの賦形剤、又はその他の適当な添加剤を配合してもよい。この場合にあっても、所望により各種安定剤、保存剤、吸収促進剤、その他の適当な添加剤をさらに配合してもよい。
本発明が提供する経皮投与製剤を調製する手段は、特に限定されるものではなく、所望の剤形に応じて各成分及び必要に応じて基剤成分を十分に混錬するなどの通常の経皮投与製剤の製造方法を用いて製造することができる。また、パップ剤及びテープ剤の調製においては、混錬した混合物を離型紙上に展延、乾燥し、さらに柔軟な支持体に貼り合わせ、所望の大きさに裁断することにより調製することができる。
本発明が提供する経皮投与製剤は、例えば軟膏剤、液剤(懸濁剤、乳剤、ローション剤など)、エアゾール剤及び外用散剤の場合は、皮膚の患部に塗布などにより直接適用するか、又は布などの支持体に塗布もしくは含浸させて適用するなどの通常の使用方法で用いられる。また、パップ剤又はテープ剤の場合は、これらの製剤を皮膚の患部に直接張り付ける方法で用いられる。
本発明の経皮投与製剤を用いる場合は、経皮透過速度、細胞吸収力などを考慮して適用量を設定することができる。皮膚単位面積当たり1mg/cm〜50mg/cm又は2mg/cm〜20mg/cmの量で適用することが推奨するが、これらに限定されるものではなく、 総重量に対する化学式(1)又は(2)で表される化合物又はその薬学的に許容される塩の含有量を考慮し、当業者により決定されることが好ましい。本発明の経皮投与製剤における化学式(1)又は(2)で表される化合物又はその薬学的に許容される塩の含有量は、総組成物の重量に対して3〜10重量%となるように製造することができるが、これらに限定されるものではなく、化学式(1)又は(2)で表される化合物又はその薬学的に許容される塩のアトピー性皮膚炎の予防又は治療効果が発揮される範囲で当業者により決定される。
本発明の一実施例においては、前記3重量%のオイゲノールを含む経皮投与製剤をヒスタミン誘発掻痒症患部に塗布すると、5時間まで鎮静効果が持続することが確認された(実験例8及び図10)。
また、本発明は、下記化学式(1)又は(2)で表される化合物又はその薬学的に許容される塩を有効成分として含有する掻痒症予防、治療又は改善用組成物を提供する。
上記式において、Rは水素(H)又はC1−4アルキルである。
具体的には、前記化合物又はその薬学的に許容される塩を掻痒症(かゆみ症)の予防、治療又は改善用途に用いることができ、前記組成物は、薬学的組成物、機能性食品組成物、医薬部外品組成物又は化粧料組成物を含んでもよい。
本発明における用語「掻痒症」とは、掻きたくなる不快感を誘発する皮膚の状態を総称する症状であり、一般に外部刺激に関係なく起こることもあるが、軽い接触、温度変化、ストレスなどの刺激;化学的、物理的、電気的な刺激で起こることもある。主に様々な皮膚疾患;全身疾患に伴う疾患であり、急性及び慢性掻痒症を全て含むものである。
治療対象となる具体的な掻痒症を伴う皮膚疾患としては、アトピー皮膚炎、神経性皮膚炎、接触皮膚炎、脂漏性皮膚炎、自家感作性皮膚炎、毛虫皮膚炎、皮脂欠乏性、老人性皮膚掻痒症、虫刺症、光線過敏症、蕁麻疹、痒疹、疱疹、膿痂疹、湿疹、白癬、苔癬、乾癬、疥癬、尋常性ざ瘡、疥癬、シラミ症、虫刺され、じんましんなどが挙げられる。また、掻痒症を伴う全身疾患としては、糖尿病、慢性腎不全、慢性血液透析患者、胆道閉鎖症、貧血、悪性血液疾患(白血病,真性赤血球増加症,ホジキンリンパ種)、腸内寄生虫症、甲状腺機能亢進症、甲状腺機能低下症、後天性免疫不全症候群などが挙げられる。
本発明の一実施例においては、オイゲノールをはじめ、その代表的な誘導体であるメチルオイゲノール及びイソオイゲノールをそれぞれ投与した結果、ヒスタミンにより誘導された掻痒症(かゆみ症)が大幅に減少することが確認されたので、前記化学式(1)又は(2)の化合物が掻痒症の予防、治療又は改善用組成物の有効成分として含有されることは言うまでもない(実験例3〜5、図4〜図6及び図11)。
また、本発明は、下記化学式(1)又は(2)で表される化合物又はその薬学的に許容される塩を有効成分として含有する抗掻痒剤を提供する。
上記式において、Rは水素(H)又はC1−4アルキルである。
具体的には、前記化合物又はその薬学的に許容される塩を掻痒症(かゆみ症)の治療用途に用いることができる。
前述したように、本発明のオイゲノール又はその代表的な誘導体であるメチルオイゲノール及びイソオイゲノールをそれぞれ投与した結果、抗掻痒効果があることが確認されたので、抗掻痒剤の有効成分として含有されることは言うまでもない。
また、本発明は、下記化学式(1)又は(2)で表される化合物又はその薬学的に許容される塩を有効成分として含有する、アトピー性皮膚炎の予防又は改善用機能性食品組成物を提供する。
上記式において、Rは水素(H)又はC1−4アルキルである。
具体的には、本発明の化学式(1)又は(2)で表される化合物又はその薬学的に許容される塩をアトピー性皮膚炎の予防又は改善を目的として機能性食品組成物に含有させることができる。
前記化合物、薬学的に許容される塩及びアトピー性皮膚炎については前述した通りである。
本発明における用語「改善」とは、前記組成物を用いてアトピー性皮膚炎の発症個体及びその疑いのある個体の症状を好転させたり、好適に変更させるあらゆる行為を意味する。
本発明の組成物を機能性食品に含有させて用いる場合は、前記組成物をそのまま添加してもよく、他の健康機能性食品又は健康機能性食品成分と共に用いてもよく、通常の方法で適宜用いてもよい。有効成分の混合量は使用目的により適宜決定することができる。一般に、食品又は飲料の製造時に、本発明の組成物は原料に対して好ましくは15重量部以下、より好ましくは10重量部以下の量で添加することができる。しかし、健康調節及び衛生を目的とする長期間の摂取においては、上記量は上記範囲以下であってもよく、安全性面で問題がないので、有効成分は上記範囲以上の量で用いてもよい。
本発明の組成物を含む健康機能性食品の種類に特に制限はなく、具体的な例としては、肉類、ソーセージ、パン、チョコレート、キャンディー類、スナック類、菓子類、ピザ、ラーメン、その他の麺類、ガム類、アイスクリーム類をはじめとする酪農製品、各種スープ、清涼飲料水、茶、ドリンク剤、アルコール飲料、ビタミン複合剤などが挙げられ、通常の意味での健康機能性食品が全て含まれ、動物用の飼料として用いられる食品が含まれる。
また、本発明の健康機能性食品組成物が飲料の形態で用いられる場合は、通常の飲料のように、様々な甘味剤、香味剤、天然炭水化物などを追加成分として含有してもよい。前記天然炭水化物は、ブドウ糖、果糖などの単糖類;、マルトース、スクロースなどの二糖類;、デキストリン、シクロデキストリンなどの多糖類;、キシリトール、ソルビトール、エリトリトールなどの糖アルコールであってもよい。前記天然炭水化物の割合は、これらに限定されるものではないが、本発明の組成物100ml当たり好ましくは約0.01〜0.04g、より好ましくは0.02〜0.03gであってもよい。前記甘味剤は、ソーマチン、ステビア抽出物などの天然甘味剤;、サッカリン、アスパルテームなどの合成甘味剤であってもよい。
前記以外に、本発明の健康機能性食品組成物は、様々な栄養剤、ビタミン、電解質、風味剤、着色剤、ペクチン酸及びその塩、アルギン酸及びその塩、有機酸、保護コロイド、増粘剤、pH調整剤、安定化剤、防腐剤、グリセリン、アルコール、炭酸飲料に用いられる炭酸化剤などを含有してもよい。その他に、天然フルーツジュース、フルーツジュース飲料及び野菜飲料の製造のための果肉を含有してもよい。
また、本発明は、下記化学式(1)又は(2)で表される化合物又はその薬学的に許容される塩を有効成分として含有する、アトピー性皮膚炎の予防又は改善用医薬部外品組成物を提供する。
上記式において、Rは水素(H)又はC1−4アルキルである。
具体的には、本発明の化合物又はその薬学的に許容される塩をアトピー性皮膚炎の予防又は改善を目的として医薬部外品組成物に含有させることができる。
前記化合物、薬学的に許容される塩及びアトピー性皮膚炎については前述した通りである。
本発明における「医薬部外品」とは、ヒト;動物の疾病を治療、軽減、処置又は予防する目的で用いられる繊維、ゴム製品又はそれに類似するもの、人体に対する作用が弱いか、人体に直接作用せず、器具、機械でないものとそれに類似するもの、感染予防のために殺菌、殺虫及びそれに類似する用途で用いられる製剤のいずれかに該当する物品であって、ヒトや動物の疾病を診断、治療、軽減、処置又は予防する目的で用いる物品のうち器具、機械、装置でないもの、及びヒトや動物の構造と機能に薬理学的影響を与える目的で用いる物品のうち器具、機械、装置でないものを除く物品を意味し、皮膚外用剤や個人衛生用品が含まれる。
本発明の組成物をアトピー性皮膚炎の予防又は改善を目的として医薬部外品に含有させる場合は、前記組成物をそのまま含有させて用いてもよく、他の医薬部外品成分と共に用いてもよく、通常の方法で適宜用いてもよい。有効成分の混合量は、使用目的に応じて適宜決定することができる。
前記皮膚外用剤は、特にこれらに限定されるものではないが、例えば軟膏剤、ローション剤、スプレー剤、パッチ剤、クリーム剤、散剤、懸濁剤又はゲル剤の形態に製造されて用いられる。
また、本発明は、下記化学式(1)又は(2)で表される化合物又はその薬学的に許容される塩を有効成分として含有する、アトピー性皮膚炎の予防又は改善用化粧料組成物を提供する。
上記式において、Rは水素(H)又はC1−4アルキルである。
具体的には、本発明の化合物又はその薬学的に許容される塩をアトピー性皮膚炎の予防又は改善を目的として化粧料組成物に含有させることができる。
前記化合物、薬学的に許容される塩及びアトピー性皮膚炎については前述した通りである。
本発明のアトピー性皮膚炎の予防又は改善用化粧料組成物は、全体組成物の重量に対して0.001重量%〜50重量%の化合物又はその薬学的に許容される塩を含んでのよく、より好ましくは0.01〜20重量%、最も好ましくは3重量%〜10重量%の化合物又はその薬学的に許容される塩を含むが、これらに限定されるものではない。
また、本発明の化粧料組成物には、前記有効成分以外にも通常許容される成分が制限なく含まれ、例えば抗酸化剤、安定化剤、溶解化剤、ビタミン、顔料、香料などの通常の補助剤、及び担体が含まれる。
本発明による化粧料組成物は、溶液、外用軟膏、クリーム、フォーム、栄養化粧水、柔軟化粧水、パック、柔軟水、乳液、メイクアップベース、エッセンス、石鹸、液体洗浄料、入浴剤、サンスクリーンクリーム、サンオイル、懸濁液、乳濁液、ペースト、ゲル、ローション、パウダー、界面活性剤含有クレンジング、オイル、粉末ファンデーション、乳濁液ファンデーション、ワックスファンデーション、パッチ、スプレーなどの剤形に製造することができるが、これらに限定されるものではない。
また、本発明の化粧料組成物は、一般皮膚化粧料に配合される化粧品学的に許容される担体を1種以上さらに含んでもよく、通常の成分として、例えば油分、水、界面活性剤、保湿剤、低級アルコール、増粘剤、キレート剤、色素、防腐剤、香料などを適宜配合することができるが、これらに限定されるものではない。本発明の化粧料組成物に含まれる化粧品学的に許容される担体は剤形によって様々である。
本発明の剤形が軟膏、ペースト、クリーム又はゲルの場合は、担体成分として、動物性油、植物性油、ワックス、パラフィン、デンプン、トラカント、セルロース誘導体、ポリエチレングリコール、シリコン、ベントナイト、シリカ、タルク、酸化亜鉛又はそれらの混合物が用いられる。
本発明の剤形がパウダー又はスプレーの場合は、担体成分として、ラクトース、タルク、シリカ、水酸化アルミニウム、ケイ酸カルシウム、ポリアミドパウダー又はそれらの混合物が用いられ、特にスプレーの場合は、さらにハイドロクロロフルオロカーボン、プロパン/ブタン又はジメチルエーテルなどの推進剤を含んでもよい。
本発明の剤形が溶液又は乳濁液の場合は、担体成分として、溶媒、溶解化剤又は乳濁化剤が用いられ、例えば水、エタノール、イソプロパノール、炭酸ジエチル、酢酸エチル、ベンジルアルコール、安息香酸ベンジル、プロピレングリコール、1,3−ブチルグリコールオイルが用いられ、特に綿実油、ピーナッツオイル、トウモロコシ胚種油、オリーブ油、ヒマシ油及びゴマ油、グリセリン脂肪族エステル、ポリエチレングリコール又はソルビタンの脂肪酸エステルが用いられる。
本発明の剤形が懸濁液の場合は、担体成分として、水、エタノール、プロピレングリコールなどの液状の希釈剤;、エトキシ化イソステアリルアルコール、ポリオキシエチレンソルビトールエステル及びポリオキシエチレンソルビタンエステルなどの懸濁剤、微結晶性セルロース、メタ水酸化アルミニウム、ベントナイト、アガー又はトラガカントなどが用いられる。
本発明の剤形が石鹸の場合は、担体成分として、脂肪酸のアルカリ金属塩、脂肪酸ヘミエステル塩、脂肪酸タンパク質加水分解物、イセチオン酸塩、ラノリン誘導体、脂肪族アルコール、植物性油、グリセリン、糖などが用いられる。
本発明の剤形が界面活性剤含有クレンジングの場合は、担体成分として、脂肪族アルコール硫酸塩、脂肪族アルコールエーテル硫酸塩、スルホコハク酸モノエステル、イセチオン酸塩、イミダゾリウム誘導体、メチルタウリン酸塩、サルコシン酸塩、脂肪酸アミドエーテル硫酸塩、アルキルアミドベタイン、脂肪族アルコール、脂肪酸グリセリド、脂肪酸ジエタノールアミド、植物性油、ラノリン誘導体又はエトキシ化グリセリン脂肪酸エステルなどが用いられる。
また、本発明は、前記薬学的組成物をアトピー性皮膚炎の疑いのある個体に投与する段階を含む、アトピー性皮膚炎の予防又は治療方法を提供する。
本発明における前記アトピー性皮膚炎の疑いのある個体とは、アトピー性皮膚炎が発症したか、或いは発症する可能性のあるヒトを含むあらゆる動物を意味し、本発明の化合物又はその薬学的に許容される塩を含む薬学的組成物をアトピー性皮膚炎の疑いのある個体に投与することにより、個体を効率的に治療することができる。アトピー性皮膚炎については前述した通りである。
本発明における用語「投与」とは、任意の適切な方法でアトピー性皮膚炎の疑いのある個体に本発明の薬学的組成物を導入することを意味し、投与経路は目的組織に到達できるものであれば経口又は非経口の様々な経路で投与することができる。具体的には、局所塗布などによる経皮投与方式で投与することができるが、これに限定されるものではない。
本発明の治療方法は、化学式(1)又は(2)で表される化合物又はその薬学的に許容される塩を含む薬学的組成物を薬学的有効量で投与することを含んでもよい。好適な総1日使用量は正常な医学的判断の範囲内において担当医により決定され、一般に0.001〜1000mg/kg、好ましくは0.05〜200mg/kg、より好ましくは0.1〜100mg/kgの量を1日1回又は数回に分けて投与することができる。しかし、発明の目的上、特定の患者に対する具体的な治療的有効量は、達成しようとする反応の種類と程度、場合によっては他の製剤が用いられるか否か、具体的な組成物、患者の年齢、体重、一般的な健康状態、性別、食餌、投与時間、投与経路及び組成物の分泌率、治療期間、具体的な組成物と共に又は同時に用いられる薬物をはじめとする様々な因子や、医薬分野で周知の類似の因子に応じて適用することが好ましい。
また、本発明は、化学式(1)又は(2)で表される化合物又はその薬学的に許容される塩を有効成分として含有する組成物又は経皮投与製剤のアトピー性皮膚炎の予防又は治療用途を提供する。
また、本発明は、化学式(1)又は(2)で表される化合物又はその薬学的に許容される塩を有効成分として含有する組成物又は経皮投与製剤の製造のための、アトピー性皮膚炎の予防又は治療用途を提供する。
以下、例を挙げて本発明をより詳細に説明する。しかし、これらの例は本発明の理解を容易にするためのものにすぎず、本発明がこれらに限定されるものではない。
作製例:オイゲノールクリームの作製
まず、油相作製のために、オイゲノール(Eugenol)、IPM、流動パラフィン、セトステアリルアルコール(Cetostearyl alcohol)、モノステアリン酸グリセリン(Glyceryl monostearate)、Brij 58、Span 60、BHA、メチルパラベン(Methyl paraben)を混合し、その後その混合物の温度が70〜80℃になるまで加温して均一に溶解させた。また、水相製造のために、PEG1500、PEG4000、SLS、キサンタンガム、精製水を混合し、その後70〜80℃で溶解させた。その後、これら油相製造物と水相製造物を混合させるために、70〜80℃で20分間攪拌した。次いで、冷却後に精製水で定容し、室温でクリーム製剤を製造した。
オイゲノールは、有効成分として3つの濃度(1,3,10重量%)で添加し、下記表1に示す成分と含有量で組成成分を十分に乳化し、脱気、濾過、冷却することによりクリーム状の組成物を製造した。クリーム剤形の対照実験のために、オイゲノールを添加しないことを除いて同様に皮膚クリーム製剤を製造した。前記剤形は、剤形安定性が良好であり、皮膚に対する副作用もないことが確認された。
オキサゾロン処理によるアトピー性皮膚炎の誘導
本実験においては7週齢の雄C57/BL6を用い、アトピー性皮膚炎(atopic dermatitis)モデル作製のために7週齢の雄balb/c nude miceを用いた。これらの個体はオリエントバイオ(韓国)から購入した。Kuraishiらの原稿に記載された方法は、本発明において開発されたマウスモデルの原型を提示するものである(Kuraishi et al., 1995)。20〜23g重量の雄BL6/C57マウスからなる群を試験に用いた。実験動物は、通常の飼育環境(conventional environment)において、温度23±2℃、湿度55±15%、午後8時から午前8時まで光を遮断し、食物及び水は自由に飲食できる環境で、3日間馴化させてから実験に用いた。
アトピー性皮膚炎動物モデルはHatanoらの論文(2011)を引用して作製し、その発生機序としてTRPV1が媒介して発生することが知られている。
具体的には、前記アトピー性皮膚炎動物モデルの作製にはbalb/c nude mouseを用いた。最初の2日間は5%オキサゾロン(oxazolone)50μlで処理して実験動物の首後部を鋭敏化させ、その後1週間の回復期間を設けた。次に、4週間にわたって0.5%オキサゾロン(oxazolone)60μlで計12回処理してアトピー性皮膚炎動物モデルを完成した(図1)。
実験例1:オイゲノールによるアトピー改善効果の目視検査
上記実施例で誘導したアトピー性皮膚炎動物モデルに、1週間にわたって毎日同じ時間に、無処理、オイゲノールを含まないベースクリーム(base cream)、3重量%オイゲノールクリームを各200μlずつ用いて処理し、3重量%オイゲノールクリームの処理によるアトピー性皮膚炎の皮膚回復効果を確認した。
その結果、図2に示すように、1週間にわたってオイゲノールで処理すると、皮膚が正常と同様に回復することが観察された。
実験例2:オイゲノールによるアトピー改善効果の皮膚組織検査
アトピー性皮膚炎の誘発による実験動物の皮膚(epidermsとdermis)の変化を確認するために、H&E(hematoxylin&Eosin)染色を行った。実験動物の皮膚組織を摘出して組織固定液である4%パラホルムアルデヒド(paraformaldehyde)溶液(pH7.4)で固定し、その後通常の組織標本作製法でパラフィン包埋し、次いで5〜6μmに切断した。組織標本は、キシレン(xylene)によりパラフィンを除去し、含水過程を経たH&Eで核と細胞質を染色して光学顕微鏡でその変化を観察した。
皮膚の組織学的変化を観察した結果、アトピー性皮膚炎動物モデルの皮膚は、対照群に比べて表皮層(epidermis)が肥厚化しており、正常に比べてその厚さが非常に増加していた。これは、アトピー性皮膚炎動物モデルが外形だけでなく、組織学的にも変化が誘発されたことを意味し、アトピーの基準を満たすものと判断される。これらのモデルにおいて、1週間自然放置した場合(無処理群)又はベースクリームで1週間処理した場合、全てある程度の回復を示したが、依然として表皮層の肥厚化が観察された(図3)。しかし、3重量%オイゲノールで1週間処理した場合、対照群と同等の組織学的所見を示した。これは、アトピー性皮膚炎動物モデルにおいて、オイゲノールには皮膚の迅速な再生をもたらす効果があることを示唆するものである。
実験例3:アトピー動物モデルにおけるオイゲノールによる抗掻痒効果
アトピー性皮膚炎動物モデルを作製し、その後オイゲノールによるアトピー関連掻痒症に対する効果を観察した。上記実施例で作製されたアトピー性皮膚炎動物モデルは3重量%オイゲノールクリーム200μlで処理し、対照群はベースクリーム製剤(base cream)で処理した。1時間かけて自発的な掻痒反応を観察し、オイゲノールで処理した場合その鎮静効果を比較した。
その結果、アトピー性皮膚炎動物モデルは掻く行為を1時間に約40回行ったが、これは正常の10回未満に比べると非常に増加したものである。しかし、これらのアトピー性皮膚炎動物モデルをオイゲノールで処理した結果、正常と同等の掻く行為を示した(図4)。
実験例4:掻く行動の検査(scratch test)によるオイゲノールの掻痒症に対する効果
本実験においては、ヒスタミンやセロトニンなどの掻痒症誘発物質による反応を確認するために行動実験を行った。掻く行為を誘発させるために、ヒトに掻痒感覚を引き起こすことが知られているヒスタミンとセロトニンを用いた。ここで、ヒスタミン又はセロトニンは滅菌生理食塩水に溶解させた。実験前日に実験動物にゾレチル(zoletil)とロムプン(rompun)を1:4で混合して1ml/kgの量で投薬して麻酔し、その後クリッパー(clipper)を用いて1.5cm×1.5cmの正方形に実験動物の首後部の毛を除去し、実験当日に10cm×20cm×15cmの箱を作製し、その中で30分間の馴化時間を経て、マウスの首後部に溶媒又は試験物質100μlを塗布して30分後に実験動物の首後部に皮内注射(intradermal injection)で掻痒症誘発物質(ヒスタミン500μg/site又はセロトニン10μg/site)50μlを注入した。その後、実験動物の反応をビデオで30分間録画し、掻痒に対する掻く行動の評価は、実験動物の後足が注射した首後部に上がってから降りるまでを1回とし、その掻く回数を測定した。次いで、オイゲノールを3つの濃度(1,3,10重量%)のクリームで塗布し、その後ヒスタミン又はセロトニン誘発性掻痒症に対する反応を評価した。ここで、塗布するクリーム製剤は、100μl、200μlの2つの用量で処理した。
その結果、オイゲノールを除外したクリームはヒスタミン(500μg)による掻痒症を有意に減少させることができなかったが、3重量%オイゲノールで処理した場合は40%以上の掻痒反応が減少した。また、10重量%オイゲノールにおいてはヒスタミン依存掻痒症に対する抑制効果が増加するなど、用量依存的な様相を示した。
一方、セロトニン(10μg)誘発掻痒症に対するオイゲノールの効果を判定した結果、前記ヒスタミン誘発掻痒症の場合とは異なり、3重量%オイゲノール100μl処理群においては抗掻痒効果が観察されず、10重量%オイゲノール100μl処理群においてはセロトニンによる掻痒症が遮断される結果が確認された。この結果は、オイゲノールはヒスタミン又はセロトニン誘発掻痒症の全てに対して効果があるが、特にヒスタミン誘発掻痒症に対してより効果的に作用することを示唆するものである。
実験例5:オイゲノール誘導体の掻痒症に対する効果
前記実験例4と同様に、掻く行為を誘発させるために、対照群として実験動物の首後部に皮内注射(intradermal injection)でヒスタミン500μg/siteを注入し、実験群として前記ヒスタミンと共に10μMのオイゲノール(82ng)をはじめとして、代表的なオイゲノール誘導体である10μMのイソオイゲノール(mixture of cis and trans, 82ng)及び10μMのメチルオイゲノール(89ng)をそれぞれ同時に投与した。その後、実験動物の反応をビデオで30分間録画し、掻痒に対する掻く行動の評価は、実験動物の後足が注射した首後部に上がってから降りるまでを1回とし、その掻く回数を測定した。
その結果、ヒスタミンのみ皮内注射した場合は掻く回数が平均して約152回であったのに対して、(i)オイゲノールを同時に投与した場合は平均45回、(ii)イソオイゲノールを投与した場合は平均80回、(iii)メチルオイゲノールを投与した場合は平均99回と観察され、オイゲノール及びその誘導体の同時投与によって掻く回数が大幅に減少することが確認された(図11)。これは、オイゲノールだけでなく、オイゲノール誘導体においてもヒスタミンによる掻痒症に対して抗掻痒効果があることを示唆するものである。
実験例6:オイゲノールの急性機械的疼痛反応に対する効果及びロータロッド運動効果
実験例6−1:オイゲノールの急性機械的疼痛反応に対する効果
オイゲノールは、歯科用麻酔剤として用いられ、感覚神経細胞に存在する電圧依存性Naイオンチャネルを遮断することによる疼痛の遮断効果を有する。しかし、Naイオンチャネル遮断による疼痛の遮断効果は、皮膚感覚情報を全て遮断することにより発生するものであり、非特異的現象である。よって、掻痒症に効果のある濃度においてオイゲノールが疼痛反応を遮断することが確認されたので、感覚神経の電圧依存性Naイオンチャネル遮断による興奮性減少による抗掻痒症効果であるか否かを確認するために、von−Frey testを行った。Chaplanら(1994)の論文を引用して、von−Frey filaments(0.02〜4g)で実験動物の後足を刺激して50%回避反応を測定した。その過程により機械的刺激に対する回避反応刺激を測定し、それを反応閾値として評価した。
その結果、von−Freyを用いた機械的疼痛においては、3重量%オイゲノールによる有意な差はなかった。これは、3重量%のオイゲノールは電圧依存性Naイオンチャネル遮断による麻酔効果と関連がないことを示唆するものである。
実験例6−2:オイゲノールのロータロッド運動効果
本実験においては、オイゲノールが個体の運動遂行能力に及ぼす影響を調べるためにロータロッド試験(rotarod test)を行った。ロータロッド試験は、30秒間かけて1〜40rpmまで徐々に速力を上げてドラム(drum)を回転させる方法を選択し、回転ドラムから落下するまでの時間を測定した。オイゲノールが運動能力に影響を与える場合は、時間が短縮される結果となる。また、オイゲノールによる運動能力低下により掻痒症反応が減少するか否かを確認するために、オイゲノールの濃度を変化させながら運動能力を評価した。
その結果、オイゲノール処理群の全て(3重量%200μl,10重量%200μl,10重量%400μl)において運動能力が対照群と同等の反応を示した。これは、掻痒症に効果のあるオイゲノール濃度は個体の運動能力低下を誘発させず、掻痒症の抑制に特異的に作用することを示唆するものである。
実験例7:オイゲノールの急性熱痛反応に対する効果
3重量%のオイゲノールがカプサイシン受容体に作用することにより、オイゲノールが熱刺激に対する行動反応に影響を及ぼすか否かを調べるために、Hargreves testを行った。Hargreavesら(1988)の論文を参考にして、光による熱刺激を個体の後足の裏に与えてそれによる回避反応時間を測定した。
その結果、3重量%オイゲノールは、クリーム製剤のベースクリーム(base cream)で処理した場合に比べて、熱痛による回避反応が有意に増加した。これは、オイゲノールクリームが熱痛を遮断することを意味するものである。よって、ヒスタミン依存性掻痒症がオイゲノールによるカプサイシン受容体遮断を経由することを示唆するものである。
実験例8:オイゲノールクリームの抗掻痒症効果の持続性評価
オイゲノールによる抗掻痒症効果の持続時間を評価するために、ヒスタミン誘発掻痒症を誘発し、その後オイゲノールによる効果の持続時間を観察した。ヒスタミン誘発掻痒症を誘発する1時間前、3時間前及び5時間前に、それぞれ3重量%オイゲノールクリーム200μlで前処理し、その後該当時間経過後に、実験例4と同様に、ヒスタミン誘発掻痒症を誘発した。一方、対照群は前記ベースクリーム製剤(base cream)で処理した。
その結果、ヒスタミン誘発掻痒症動物モデルは30分間に約152回、ベースクリーム製剤を塗布した場合は30分間に約141回掻く行為を行ったのに対して、ヒスタミン誘発掻痒症を誘発する1時間前にオイゲノールクリームで前処理した動物モデルにおいては約59回掻く行為を行い、短時間で鎮静効果が現れることが確認された。それだけでなく、3時間前に前処理した場合は約70回、5時間前に前処理した場合は約107回掻く行為を行ったので、5時間まで掻痒症鎮静効果が持続することが確認された(図10)。
以上の説明から、本発明の属する技術分野の当業者であれば、本発明がその技術的思想や必須の特徴を変更することなく、他の具体的な形態で実施できることを理解するであろう。なお、上記実施例はあくまで例示的なものであり、限定的なものでないことを理解すべきである。本発明の範囲は、前記明細書ではなく後術する特許請求の範囲の意味及び範囲と、その等価概念から導かれるあらゆる変更や変形された形態を含むものであると解釈すべきである。

Claims (13)

  1. 化学式(1)又は(2)で表される化合物又はその薬学的に許容される塩を有効成分として含有する、アトピー性皮膚炎の予防又は治療用薬学的組成物:
    [上記式において、Rは水素(H)又はC1−4アルキルである。]
  2. 前記化学式(1)のRが水素(H)又はメチル(CH−)であるか、又は化学式(2)のRが水素(H)である、請求項1に記載の組成物。
  3. 前記組成物が薬学的に許容される担体をさらに含む、請求項1に記載の組成物。
  4. 前記化合物又はその薬学的に許容される塩の濃度が3〜10重量%である、請求項1に記載の組成物。
  5. 前記化合物又はその薬学的に許容される塩はカプサイシン受容体を遮断することを特徴とする、請求項1に記載の組成物。
  6. 化学式(1)又は(2)で表される化合物又はその薬学的に許容される塩を有効成分として含有する、アトピー性皮膚炎の予防又は改善用機能性食品組成物:
    [上記式において、Rは水素(H)又はC1−4アルキルである。]
  7. 化学式(1)又は(2)で表される化合物又はその薬学的に許容される塩を有効成分として含有する、アトピー性皮膚炎の予防又は改善用医薬部外品組成物:
    [上記式において、Rは水素(H)又はC1−4アルキルである。]
  8. 化学式(1)又は(2)で表される化合物又はその薬学的に許容される塩を有効成分として含有する、アトピー性皮膚炎の予防又は改善用化粧料組成物:
    [上記式において、Rは水素(H)又はC1−4アルキルである。]
  9. 前記化学式(1)のRが水素(H)又はメチル(CH−)であるか、又は化学式(2)のRが水素(H)である、請求項6〜8のいずれかに記載の組成物。
  10. 前記化合物又はその薬学的に許容される塩の濃度が3〜10重量%である、請求項6〜8のいずれか1項に記載の組成物。
  11. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の組成物を含むアトピー性皮膚炎治療用経皮投与製剤。
  12. 前記経皮投与製剤が、軟膏剤、クリーム剤、ゲル剤、ローション剤、液剤、乳剤、懸濁剤、スティック剤、パスタ剤、リニメント剤、パップ剤、テープ剤、エアゾール剤又は外用散剤である、請求項11に記載の製剤。
  13. 請求項1〜5のいずれかの組成物をアトピー性皮膚炎の疑いのある個体に投与する段階を含む、アトピー性皮膚炎の予防又は治療方法。
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