JP2016533020A - X線装置及び該x線装置を有するctデバイス - Google Patents

X線装置及び該x線装置を有するctデバイス Download PDF

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Abstract

二次元アレイ分散型X線装置であって、周りがシールされ、内部が高真空である真空ボックス(3)と、真空ボックス(3)のボックス壁において、二次元配列で1つの平面に配置された複数の電子放出ユニット(1)と、複数の電子放出ユニット(1)に対応するターゲット(202)を有し、真空ボックス(3)内に、複数の電子放出ユニット(1)が位置する平面と平行するように配置された陽極(2)と、陽極(2)と接続する高圧電源(702)、複数の電子放出ユニット(1)のそれぞれと接続するフィラメント電源(704)、複数の電子放出ユニット(1)のそれぞれと接続するグリッド制御装置(703)、各電源を制御するための制御システム(701)を有する電源及び制御システム(7)と、を備え、陽極は、金属材料から作られ、電子放出ユニット(1)の上表面と平行する陽極板(201)と、陽極板(201)に取り付けられ、それぞれが電子放出ユニット(1)の位置に対応するように配置された複数のターゲット(202)と、を含み、ターゲット(202)の底面が陽極板(201)と接続し、かつ頂面と陽極板(201)とは所定の角度を形成する。【選択図】 図1

Description

本発明は分散型X線を発生する装置に関し、特にX線光源デバイスにおいて、二次元で複数の独立の電子放出ユニットを配置して、陽極に複数の対応するターゲットを配置して、且つ陰極制御又はグリッド制御によって、所定の順番に従って焦点位置を変えるX線を発生する二次元アレイ分散型X線装置及び該X線装置を有するCTデバイスに関する。
一般的に、X線光源とは、X線を発生するデバイスであり、通常、X線管、電源及び制御システム、冷却及びシールドなどの補助装置などから構成され、その核心がX線管である。X線管は、通常、陰極、陽極、ガラス又はセラミックスパッケージから構成される。陰極は直熱型螺旋タングステンフィラメントであり、作動時に、電流によって、高温状態まで加熱し、熱放射の電子ビーム流を発生し、陰極は先端にノッチングされる金属カバーに取り囲まれ、金属カバーが電子を集束させる。陽極は銅ブロック端面に嵌め込まれるタングステンターゲットであり、作動時に、陽極と陰極との間に高電圧が印加され、陰極が発生する電子は電場の作用で加速運動して陽極へ飛び、かつターゲット表面に衝撃して、X線を発生する。
X線は工業非破壊検査、安全検査、医療診断及び治療などの分野に広く応用されている。特に、X線の高透過性を利用して製造されるX線透視イメージングデバイスは、人々の日常生活の各方面において重要な役割を発揮している。このようなデバイスは、初期にはフィルム式の平面透視イメージングデバイスであるが、現在の先進技術はデジタル化、マルチビュー、かつ高解像度の立体イメージングデバイスである。例えば、CT(computed tomography)は、高精細度の3次元立体図形又はスライス画像を得ることができ、先進のハイエンドアプリケーションである。
従来のCTデバイスにおいて、X線源及び検知器はスリップリングに運動する必要があり、検査速度を向上させるために、通常、X線源及び検知器の運動速度が非常に高いので、デバイス全体の信頼性及び安定性が低下し、また、運動速度に制限されるため、CTの検査速度も制限される。そのため、CTデバイスにおいて位置を移動せずに複数のビューを発生することができるX線源が必要である。
従来のCTデバイスにおけるスリップリングによる信頼性、安定性の問題、検査速度の問題及び陽極ターゲットスポットの耐熱問題を解決するために、従来の特許文献にはいくつかの方法が提供されている。例えば、回転ターゲットX線源は、ある程度で陽極ターゲットの過熱の問題を解決することができるが、その構造が複雑であり、かつX線を発生するターゲットスポットはX線源全体に対して依然として確定されるターゲットスポット位置である。例えば、固定されるX線源の複数のビューを実現するために、X線源の運動の代りに、1つの円周において緊密に複数の独立する従来のX線源を配列する技術があり、このようにマルチビューを実現することができるが、コストが高く、かつ異なるビューのターゲットスポット間隔が大きく、イメージング品質(立体解像度)が悪い。また、特許文献1(US4926452)には分散型X線を発生する光源及び方法が提供されており、陽極ターゲットは大きな面積を有し、ターゲット過熱の問題を緩和させると同時に、ターゲットスポット位置が円周に沿って変化し、複数のビューを発生することができる。特許文献1は加速される高エネルギー電子ビームに対して走査して偏向し、制御し難く、ターゲットスポット位置が離間しなく、並びに再現性が悪い問題があるが、依然として分散型光源を発生することができる効果的な方法である。また、例えば、特許文献2(US20110075802)及び特許文献3(WO2011/119629)には分散型X線を発生する光源及び方法が提供されており、陽極ターゲットは大きな面積を有し、ターゲット過熱の問題を緩和させると同時に、ターゲットスポット位置が分散して固定され、かつアレイ式に配列され、複数のビューを発生することができる。また、カーボンナノチューブを冷陰極として採用し、かつ冷陰極をアレイ配列し、陰極グリッドの間の電圧を利用して電界放出を制御することで、各陰極が順番に従って電子を放出することを制御し、陽極には相応する順番位置に応じてターゲットスポットに衝撃し、分散型X線源になっている。しかし、生産プロセスが複雑であり、カーボンナノチューブの放射能力と寿命が高くないという欠陥がある。
本発明は上記の課題を解決するために提出されるものであり、光源を移動する必要がなく、複数のビューを生成することができ、かつ構造を簡易化し、システムの安定性、信頼性を向上させ、検査効率を向上させることに有利である二次元アレイ分散型X線装置及び該装置を有するCTデバイスを提供することを目的とする。
本発明は、二次元アレイ分散型X線装置を提供し、周りがシールされ、内部が高真空である真空ボックスと、前記真空ボックスのボックス壁において、二次元配列で一つの平面に配置されている複数の電子放出ユニットと、前記真空ボックス内に、前記複数の電子放出ユニットが位置する平面と平行するように配置された陽極と、前記陽極と接続する高圧電源、前記複数の電子放出ユニットのそれぞれと接続するフィラメント電源、前記複数の電子放出ユニットのそれぞれと接続するグリッド制御装置、各電源を制御するための制御システムを有する電源及び制御システムと、を備え、前記陽極は、金属材料から作られ、前記電子放出ユニットの上表面と平行する陽極板と、前記陽極板に取り付けられ、それぞれが前記電子放出ユニットの位置に対応するように配置された複数のターゲットと、を含み、前記ターゲットの底面が前記陽極板と接続し、かつ頂面と前記陽極板とは所定の角度を形成することを特徴とする。
本発明の二次元アレイ分散型X線装置では、前記ターゲットが円錐台構造、四角錐台構造、多角錐台構造又は他の多角形の突起、或いは他の不規則な突起である。
本発明の二次元アレイ分散型X線装置では、前記ターゲットが円柱構造、四角柱構造、或いは他の多角柱構造である。
本発明の二次元アレイ分散型X線装置では、前記ターゲットが球面構造である。
本発明の二次元アレイ分散型X線装置では、前記ターゲットの頂面が平面、斜面、球面或いは他の不規則な表面である。
本発明の二次元アレイ分散型X線装置では、前記電子放出ユニットが、フィラメントと、前記フィラメントと接続している陰極と、開口を有し、前記フィラメントと前記陰極を囲んだ絶縁支持部材と、前記フィラメントの両端から引き出されたフィラメントリード線と、前記陰極に対向するように前記陰極の上方に配置されたグリッドと、前記絶縁支持部材と接続して、前記電子放出ユニットを前記真空ボックスの壁に取り付けて、真空なシール接続を形成する接続固定部材と、を有し、前記グリッドが、金属から作られ、中央に開孔が形成されたグリッドフレームと、金属から作られ、前記グリッドフレームの前記開孔の位置に固定されたグリッドメッシュと、前記グリッドフレームから引き出されたグリッドリード線とを有し、前記フィラメントリード線と前記グリッドリード線は前記絶縁支持部材を貫通して、電子放出ユニットの外部に引き出され、前記フィラメントリード線は前記フィラメント電源と接続し、前記グリッドリード線は前記グリッド制御装置と接続している。
本発明の二次元アレイ分散型X線装置では、前記接続固定部材が前記絶縁支持部材の下端の外縁に接続し、前記電子放出ユニットの陰極端が前記真空ボックスの内部に位置し、前記電子放出ユニットのリード線端が前記真空ボックスの外部に位置する。
本発明の二次元アレイ分散型X線装置では、前記接続固定部材が前記絶縁支持部材の上端に接続し、前記電子放出ユニット全体が前記真空ボックスの外部に位置する。
本発明の二次元アレイ分散型X線装置では、前記電子放出ユニットが、絶縁骨組み板、グリッド板、グリッドメッシュ、グリッドリード線から構成された平板グリッドと、それぞれがフィラメント、前記フィラメントと接続した陰極、前記フィラメントの両端から引き出されたフィラメントリード線、前記フィラメントと前記陰極を囲んだ絶縁支持部材から構成された複数の陰極構造が、緊密に配列されるように構成された陰極アレイと、を含み、前記グリッド板が前記絶縁骨組み板に設けられ、かつ前記グリッドメッシュが前記グリッド板に形成された開孔の位置に設けられ、前記グリッドリード線が前記グリッド板から引き出され、前記平板グリッドが前記陰極アレイの上方に位置し、垂直方向において、前記各グリッドメッシュの円中心がそれぞれ前記陰極アレイの各陰極の円中心と二つがひと組になって重なり合い、前記平板グリッドと前記陰極アレイが前記真空ボックス内に位置し、前記フィラメントリード線と前記グリッドリード線が、それぞれ前記真空ボックスのボックス壁に設けられたフィラメントリード線移行端子とグリッドリード線移行端子を介して、前記真空ボックスの外部に引き出される。
本発明の二次元アレイ分散型X線装置では、前記真空ボックスがガラス又はセラミックスから作られる。
本発明の二次元アレイ分散型X線装置では、前記真空ボックスが金属材料から作られる。
本発明の二次元アレイ分散型X線装置では、前記陽極と前記高圧電源のケーブルを接続して、前記真空ボックスの前記陽極に近い一端の側壁に取り付けられた高圧電源接続装置と、前記フィラメントと前記フィラメント電源を接続するためのフィラメント電源接続装置と、前記電子放出ユニットの前記グリッドと前記グリッド制御装置を接続するためのグリッド制御装置接続装置と、前記電源及び制御システム内に含まれた真空電源と、前記真空ボックスの側壁に取り付けられて、前記真空電源で作動して、前記真空ボックスにおける高真空を維持する真空装置と、をさらに有する。
本発明の二次元アレイ分散型X線装置では、前記複数の電子放出ユニットの二次元アレイ配列が二つの方向に何れも直線に延在する。
本発明の二次元アレイ分散型X線装置では、前記複数の電子放出ユニットの二次元アレイ配列が一方の方向に直線に延在し、他方の方向に弧線に延在する。
本発明の二次元アレイ分散型X線装置では、前記グリッド制御装置が制御器、負高圧モジュール、正高圧モジュール及び複数の高圧スイッチ素子を含み、前記複数の高圧スイッチ素子のそれぞれが少なくとも一つの制御端、二つの入力端、一つの出力端を含み、各端点の間の耐電圧が少なくとも前記負高圧モジュールと前記正高圧モジュールから構成された最大電圧より大きく、前記負高圧モジュールが前記複数の高圧スイッチ素子のそれぞれの一方の入力端に安定な負高圧を提供し、前記正高圧モジュールが複数の高圧スイッチ素子のそれぞれの他方の入力端に安定な正高圧を提供し、前記制御器が前記複数の高圧スイッチ素子を独立して制御し、前記グリッド制御装置が複数の制御信号出力チャンネルをさらに有し、一つの前記高圧スイッチ素子の出力端が前記制御信号出力チャンネルの一つに接続している。
本発明は、用いられるX線源が上記の二次元アレイ分散型X線装置であることを特徴とするCTデバイスを提供する。
本発明によれば、一つの光源デバイスにおいて、ある順番に従って周期的に焦点位置を変えるX線を発生する二次元アレイ分散型X線装置を提供する。本発明の電子放出ユニットは熱陰極を利用するので、放射電流が大きくて、寿命が長いという利点を有する。グリッド制御又は陰極制御によって各電子放出ユニットの作動状態を制御して、便利で柔軟である。大きい陽極板とターゲットの設計を利用して、陽極の過熱問題を緩和して、ターゲットスポット集束効果を形成して、コストが低減された。電子放出ユニットと対応するターゲットが二次元アレイ配列を使うので、X線がアレイの平面に平行して引き出され、線の出射方向から見ると、ターゲットスポットの分布間隔を縮小して、ターゲットスポットの密度を向上させた。電子放出ユニットは平面二次元で配列されてもよいし、弧面二次元で配列されてもよく、全体に直線形分散型X線装置又は環型分散型X線装置になり、応用が柔軟である。
本発明の分散型X線光源をCTデバイスに応用すると、光源を移動する必要がなく、複数のビューを生成することができるため、スリップリングの運動を省略することができ、構造を簡易化させ、システムの安定性、信頼性を向上させ、検査効率を向上させることに有利である。
本発明の二次元分散型X線装置内部の主な構造の概略図である。 本発明における二次元分散型X線装置の陽極構造の下面図である。 本発明における電子放出ユニットの構造の概略図である。 本発明における他の電子放出ユニットの構造の概略図である。 本発明における二次元分散型X線装置の構造図である。 本発明におけるグリッド制御装置の構造概略図である。 本発明におけるグリッドと陰極とが分離した電子放出ユニットアレイの概略図であって、(A)が側面図で、(B)が各グリッドを独立して制御するモードの平面図で、(C)が各グリッドが互いに接続され、かつ陰極制御するモードの平面図である。 本発明におけるフィラメントが直列接続した分散型X線装置である。 本発明における円弧型二次元分散型X線装置内部の電子放出ユニットと陽極の配置概略図である。
以下、図面を参照しながら本発明を詳しく説明する。
図1〜図6に示すように、本発明の二次元アレイ分散型X線装置は複数の電子放出ユニット1(少なくとも四つであり、以降、具体的に電子放出ユニット11a、12a、13a、14a、……、電子放出ユニット11b、12b、13b、14b、……とも称する)、陽極2、真空ボックス3、高圧電源接続装置4、フィラメント電源接続装置5、グリッド制御装置接続装置6、真空装置8、及び、電源及び制御システム7から構成されて、その中に、電子放出ユニット1がフィラメント101、陰極102、グリッド103などから構成されて、陽極2が陽極板201、及び陽極板201に取り付けられ、電子放出ユニット1に対応して配列された複数のターゲット202から構成される。複数の電子放出ユニット1は二次元の配列方式で1つの平面に配置され、陽極板201が位置する平面と互いに平行している。電子放出ユニット1、高圧電源接続装置4、真空装置8が真空ボックス3のボックス壁に取り付けられ、真空ボックス3と共に全体シール構造を構成して、陽極2が真空ボックス内に取り付けられる。
図1に二次元アレイ分散型X線装置内部の電子放出ユニット1と陽極2の空間配置の構造概略図を示した。電子放出ユニット1は二列に分かれて一つの平面に配置され、且つ、前後列の電子放出ユニット1がずれて配列された(図1を参照)が、ここに限定されず、前後列の電子放出ユニットが互いにずれなくてもよい。陽極2は電子放出ユニット1の上方に配置されて、陽極2のターゲット202が電子放出ユニット1に一つずつ対応し、ターゲット202の頂面が電子放出ユニット1を指し、電子放出ユニット1の中心とターゲット202の中心の接続線が陽極板201の平面に垂直して、この接続線が電子放出ユニット1から放射される電子ビーム流Eの運動経路でもある。電子がターゲットに衝撃してX線を発生して、有用なX線の出射方向が陽極板201の平面と平行して、各有用なX線が互いに平行する。
図2には陽極2の構造を示した。陽極2は、陽極板201と、二次元アレイで分布された複数のターゲット202とを含む。陽極板201は平板であり、金属材料から作られ、且つ耐高温金属材料であることが好ましく、電子放出ユニット1の上表面、即ちグリッド103の表面から構成された平面と完全に平行しており、陽極2に正高圧が印加された場合に、通常、数十kV〜数百kVであり、典型的に、例えば180kVであり、それによって、陽極板201と電子放出ユニット1の間に平行する高圧電場を形成する。ターゲット202は陽極板201に取り付けられて、その位置がそれぞれ電子放出ユニット1の位置に対応するように配置されて、ターゲット202の表面が通常、耐高温の重金属材料、例えばタングステン又はタングステン合金を用いる。ターゲット202は円錐台構造であり、高さが通常、数mmであり、例えば3mmであり、直径が大きい底面が陽極板201に接続し、頂面の直径が小さく、通常、数mmであり、例えば2mmであり、頂面が陽極板201と平行しなく、通常、数度〜十数度の小さい夾角を有し、それによって、電子がターゲットに衝撃することにより発生した有用なX線が放射されやすくなる。すべてのターゲット202は頂面の傾斜方向が一致するように配置されて、即ち、全ての有用なX線の出射方向が一致している。ターゲットのこのような構造設計は陽極板201に成長する小さい突起に相当して、陽極板201の表面の局部電場の分布を変えて、電子ビームがターゲットに衝撃する前に、自動集束の効果を有し、ターゲットスポットを小さくして、画像の品質を高めることに有利である。陽極の設計においては、陽極板201が普通の金属を用い、ターゲット202の表面だけタングステン又はタングステン合金であるので、コストが低減された。
図3には電子放出ユニット1の具体的な構造を示した。電子放出ユニット1がフィラメント101、陰極102、グリッド103、絶縁支持部材104、フィラメントリード線105、接続固定部材109を含み、グリッド103がグリッドフレーム106、グリッドメッシュ107とグリッドリード線108から構成される。図3には、フィラメント101、陰極102、グリッド103などの位置が電子放出ユニット1の陰極端に定義されて、接続固定部材109の位置が電子放出ユニット1のリード線端に定義される。陰極102はフィラメント101と接続して、フィラメント101は通常、タングステンフィラメントを用い、陰極102は通常、電子の熱放射能力が強い材料、例えば酸化バリウム、スカンデート、六ホウ化ランタンなどを使用する。絶縁支持部材104はフィラメント101と陰極102を囲み、電子放出ユニット1のケースに相当し、絶縁材を採用し、通常はセラミックスである。フィラメントリード線105とグリッドリード線108は絶縁支持部材104を貫通して、電子放出ユニット1のリード線端から引き出されて、フィラメントリード線105およびグリッドリード線108と絶縁支持部材104との間は真空シールの構造である。グリッド103は絶縁支持部材104の上端に取り付けられ(即ち、絶縁支持部材104の開口に配置され)、陰極102に対向して、グリッド103と陰極102の中心が上下に合わせられ、グリッド103がグリッドフレーム106、グリッドメッシュ107、グリッドリード線108を含み、グリッドフレーム106、グリッドメッシュ107、グリッドリード線108が何れも金属で作られ、通常、グリッドフレーム106がステンレス鋼材料であり、グリッドメッシュ107がモリブデン材料であり、グリッドリード線108がステンレス材料又はコバール材料である。
また、具体的に、グリッド103の構造に関しては、その本体が金属板(例えば、ステンレス鋼材料)、即ちグリッドフレーム106であり、グリッドフレーム106の中央に開孔が形成され、この開孔の形状が四角形又は円形などであってもよく、この開孔の位置には、金網(例えば、モリブデン材料)、即ちグリッドメッシュ107が固定されており、金属板のある位置から一本のリード線(例えば、ステンレス鋼材料)、即ちグリッドリード線108が引き出されて、グリッド103をある電位に接続することができる。また、グリッド103が陰極102の真上に位置して、グリッドの上記の開孔の中心と陰極102の中心とが合わせられて(即ち、上下は1本の鉛直線にある)、開孔の形状が陰極102の形状に対応するが、開孔の大きさが陰極102の面積より小さい。しかし、電子ビーム流がグリッド103を通ることができれば、グリッド103の構造は上記の構造に限らない。また、グリッド103と陰極102との間は、絶縁支持部材104を介して相対位置固定を行う。
また、具体的に、接続固定部材109の構造について、好ましくは、その本体が円形ナイフエッジフランジであり、中央に開孔が形成され、この開孔の形状が四角形又は円形などであってもよく、開孔の位置と絶縁支持部材104の下端の外縁がシール接続され、例えば溶接で接続され、ナイフエッジフランジの外縁にねじ穴が形成されて、ボルト接続で電子放出ユニット1を真空ボックス3のボックス壁に固定することができ、そのナイフエッジと真空ボックス3のボックス壁との間は真空シール接続を形成する。それは取り外しやすい柔軟な構造であり、複数の電子放出ユニット1のうちの1つが故障を発生する時に、柔軟に交換することができる。ただし、接続固定部材109の機能は絶縁支持部材104と真空ボックス3との間のシール接続を実現することであり、複数種の柔軟な方式を有し、例えば、金属フランジ移行による溶接、又はガラス高温溶融シール接続、又はセラミックス金属化後に金属と溶接するなどの方式を有する。
図4には他の電子放出ユニット1の具体的な構造を示した。電子放出ユニット1はフィラメント101、陰極102、グリッド103、絶縁支持部材104、フィラメントリード線105、グリッドリード線108及び接続固定部材109を含む。陰極102がフィラメント101に接続し、グリッド103が陰極102の直上に位置し、外形が陰極102と同じであり、陰極102の上表面に近く、絶縁支持部材104がフィラメント101と陰極102を囲み、フィラメント101の両端から引き出されたフィラメントリード線105とグリッド103から引き出されたグリッドリード線108が絶縁支持部材104を貫通して、電子放出ユニット1の外部に引き出され、フィラメントリード線105およびグリッドリード線108と絶縁支持部材104との間は真空シール構造である。
図5には二次元アレイ分散型X線装置の全体構造を示した。真空ボックス3は周りがシールされたキャビティケースであり、内部が高真空である。電子放出ユニット1は要求に応じて電子ビーム流を発生することに用いられ、真空ボックス3のボックス壁に取り付けられる。陽極2は平行高圧加速電場の形成とX線の発生に用いられ、真空ボックス3の内部に取り付けられる。高圧電源接続装置4は陽極2と高圧電源702のケーブルとを接続することに用いられ、真空ボックス3の陽極2に近い一端の側壁に取り付けられる。フィラメント電源接続装置5はフィラメントリード線105とフィラメント電源704とを接続することに用いられ、フィラメント電源接続装置5は通常、数本の両端にコネクタ付きのマルチコアケーブルである。グリッド制御装置接続装置6は電子放出ユニット1のグリッドリード線108とグリッド制御装置703とを接続することに用いられ、グリッド制御装置接続装置6は通常、数本の両端にコネクタ付きの同軸ケーブルである。また、本発明の二次元アレイ分散型X線装置は真空装置8をさらに含むことができ、真空装置8は真空電源705の作用で作動して、真空ボックス3内の高真空を維持することに用いられ、真空ボックス3の側壁に取り付けられる。
また、電源及び制御システム7は制御システム701、高圧電源702、グリッド制御装置703、フィラメント電源704、真空電源705などを含む。高圧電源702は真空ボックス3のボックス壁における高圧電源接続装置4を介して陽極2と接続している。グリッド制御装置703はグリッド制御装置接続装置6を介して、各グリッドリード線108にそれぞれ接続し、通常、電子放出ユニット1と同じ数の独立したグリッドリード線108を有し、グリッド制御装置703の出力経路数がグリッドリード線108の数量と同じである。フィラメント電源704はフィラメント電源接続装置5を介して、各フィラメントリード線105にそれぞれ接続し、通常、電子放出ユニット1の数量と同じ組数の独立したフィラメントリード線105を有し(即ち、上記のように、電子放出ユニットのそれぞれが一組で2本のフィラメントリード線を有し、それぞれフィラメントの両端に接続する)、フィラメント電源704はフィラメントリード線105と同じ数の出力回路を有する。真空電源705は真空装置8と接続している。制御システム701は高圧電源702、グリッド制御装置703、フィラメント電源704、真空電源705などの作動状態を制御して、総合管理する。
また、図6に示すように、グリッド制御装置703は制御器70301、負高圧モジュール70302、正高圧モジュール70303、複数の高圧スイッチ素子switch1、switch2、switch3、switch4、…を含む。複数の高圧スイッチ素子のそれぞれは少なくとも一つの制御端(C)、二つの入力端(In1とIn2)、一つの出力端(Out)を含み、各端点の間の耐電圧が少なくとも負高圧モジュール70302と正高圧モジュール70303から構成された最大の電圧より大きい(即ち、負高圧出力が−500Vであって、正高圧出力が+2000Vであると、各端点の間の耐電圧が少なくとも2500Vより大きいである必要がある)。制御器70301は複数の経路の独立する出力を有し、各経路が1つの高圧スイッチ素子の制御端に接続している。負高圧モジュール70302は安定な負高圧を提供して、通常、負の数百ボルトであり、範囲が0V〜−10kVであってもよく、−500Vが好ましい。該負高圧が各高圧スイッチ素子の一方の入力端に接続している。また、正高圧モジュール70303は安定な正高圧を提供し、通常、正の数キロボルトであり、範囲が0V〜+10kVであってよく、+2000Vが好ましい。該正高圧が各高圧スイッチ素子の他方の入力端に接続している。各高圧スイッチ素子の出力端はそれぞれ制御信号出力チャンネルchannel1a、channel1b、channel2a、channel2b、channel3a、channel3b、…に接続して、複数の経路の制御信号に合流して出力する。制御器70301は、各出力チャンネルの制御信号が負高圧又は正高圧になるように、各高圧スイッチ素子の作動状態を制御する。
また、電源及び制御システム7は異なる使用条件でフィラメント電源704の各出力回路の電流の大きさを調節することで、各加熱フィラメント101の陰極102に対する加熱温度を調節し、各電子放出ユニット1の発射電流の大きさを変更して、最終的に各回のX線放射の強度を調節することができる。また、グリッド制御装置703の各出力チャンネルの正高圧制御信号の強度を調節することで、各電子放出ユニット1の発射電流の大きさを変更して、最終的に各回のX線放射の強度を調節することもできる。また、各電子放出ユニット1の作動シーケンス及び組合せ作動モードに対してプログラミングして、柔軟に制御することもできる。
特に、本発明の二次元分散型X線装置において、電子放出ユニットはグリッドと陰極とが分離する構造でもよい。図7にはグリッドと陰極とが分離する電子放出ユニットアレイを示した。図7では、平板グリッド9は絶縁骨組み板901、グリッド板902、グリッドメッシュ903、グリッドリード線904から構成される。図に示すように、グリッド板902が絶縁骨組み板901に設けられ、且つ、グリッドメッシュ903がグリッド板902に形成された開孔の位置に設けられ、グリッドリード線904がグリッド板902から引き出された。陰極アレイ10は複数の陰極構造が緊密に配列されて構成され、各陰極構造はフィラメント1001、陰極1002、絶縁支持部材1004から構成される。平板グリッド9が陰極アレイ10の上方に位置し、この二者の距離がとても小さく、通常は数mmであり、例えば3mmである。グリッド板902、グリッドメッシュ903、グリッドリード線904から構成されたグリッド構造が陰極構造に一つずつ対応し、且つ、垂直方向から見ると、各グリッドメッシュ903の円中心と各陰極1002の円中心とは二つがひと組になって重なり合っている。平板グリッド9と陰極アレイ10が真空ボックス3内に位置し、フィラメントリード線1005とグリッドリード線904が真空ボックス3のボックス壁に設けられたフィラメントリード線移行端子1006とグリッドリード線移行端子1007を介して真空ボックスの外部に引き出された。
また、図7(B)に示すように、本発明において、グリッド構造は各グリッドリード線が独立して引き出され、かつグリッド制御装置によって独立して状態制御を行う構造であってもよい。陰極アレイ10の各陰極1002は同一電位、例えば、接地にあってもよい。各グリッドは負の数百ボルトと正の数キロボルトとの2つの状態の間に切り替わってもよく、例えば、−500Vと+2000Vとの間に切り替わり、それにより、各電子放出ユニットの作動状態を制御し、例えば、あるグリッドはある時刻に−500Vであると、該グリッドと対応する陰極との間の電場は負電場であり、陰極から放出する電子は陰極の表面に制限され、次の時刻にグリッド電圧は+2000Vに変わる時、該グリッドと対応する陰極との間の電場は正電場に変わり、陰極から放出する電子はグリッドへ運動して、かつグリッドメッシュを貫通し、グリッドと陽極との間の加速電場に放出され、加速されて、かつ最終的に陽極に衝撃し、対応するターゲット位置にX線を発生する。
また、図7(C)に示すように、グリッドは各グリッドリード線が並列接続され、同一電位にあり、フィラメント電源で各電子放出ユニットを制御する作動状態であってもよい。例えば、すべてのグリッドが−500Vにあり、各陰極フィラメントが独立して引き出され、各陰極フィラメントの2つの端点の間の電圧差が一定であり、各陰極の全体電圧は0Vと−2500Vとの2つの状態の間に切り替わる。ある時刻に、陰極が0V電位にあり、グリッドと陰極との間が負電場であり、陰極から放出する電子は陰極の表面に制限され、次の時刻に、陰極の電圧が−2500Vに変わり、グリッドと対応する陰極との間の電場は正電場に変わり、陰極から放出する電子はグリッドへ運動して、かつグリッドメッシュを貫通して、グリッドと陽極との間の加速電場に放出され、加速されて、かつ最終的にターゲットに衝撃し、対応するターゲット位置にX線を発生する。
特に、本発明の二次元分散型X線装置において、各電子放出ユニットのフィラメントリード線はそれぞれ独立してフィラメント電源の各出力端に接続してもよく、直列接続されてから、全体がフィラメント電源の1つの出力端に接続してもよい。図8には電子放出ユニットのフィラメントリード線がフィラメント電源に直列接続する模式図を示す。電子放出ユニットのフィラメントリード線が直列接続されるシステムにおいて、通常、陰極は同じ電位にあり、各グリッドリード線は独立して引き出される必要があり、グリッド制御装置によって電子放出ユニットの作動状態を制御する。
特に、異なる使用需要を満たすために、本発明の二次元分散型X線装置において、電子放出ユニットが直線形に配列されてもよく、円弧型に配列されてもよい。図9には円弧型二次元分散型X線装置の電子放出ユニットと陽極の配置効果図を示した。複数の電子放出ユニット1は一つの平面において円周の内外周に沿って配置され、配置された弧度(ラジアン)の大きさが円周の全部又は一部の弧の長さでもよく、要求に応じて柔軟に配置することができる。陽極2は電子放出ユニット1の上方に配置され、陽極2が位置する平面と電子放出ユニット1の配置平面とが互いに平行し、陽極2におけるターゲット202が電子放出ユニット1の位置に一つずつ対応し、ターゲット202の頂面の傾斜角が一致して円形アレイの円心に向かう。電子ビーム流が電子放出ユニット1の上表面から放射されて、陽極2と電子放出ユニット1との間の高圧電場を受けて加速されて、陽極2におけるターゲット202に衝撃して、陽極2で円弧形に配列されるアレイX線ターゲットスポットを形成して、有用なX線の出射方向がすべて円弧の円心に向かう。円弧型二次元分散型X線装置の真空ボックスについて、その内部の電子放出ユニット1の配置と陽極2の形状に対応して、環型構造であり、長さが一周又は一部でもよい。円弧型分散型X線装置からの出射X線はすべて円弧の円心に向かい、線源が円形配列である必要がある場合に用いられる。
特に、本発明の二次元分散型X線装置おいて、電子放出ユニットのアレイが二列でもよく、複数列でもよい。
また、特に、本発明の二次元分散型X線装置において、陽極のターゲットが円錐台構造でもよく、円柱構造でもよく、四角錐台構造でもよく、多角錐台構造でもよく、或いは他の多角形の突起でもよく、或いは他の不規則な突起などの構造でもよい。
また、特に、本発明の二次元分散型X線装置において、陽極のターゲットの頂面が平面でもよく、斜面でもよく、更に球面でもよく、或いは他の不規則な表面でもよい。
また、特に、本発明の二次元分散型X線装置において、電子放出ユニットの二次元アレイ配列は、2つの方向にいずれも直線に延在してもよく、1つの方向に直線に延在するが、もう1つの方向に弧線に延在してもよく、1つの方向に直線に延在するが、もう1つの方向に区分的直線に延在してもよく、1つの方向に直線に延在するが、もう1つの方向に区分的弧形に延在するなど、複数種の組合せ形式である。
また、特に、本発明の二次元分散型X線装置において、電子放出ユニットの二次元アレイ配列は、2つの方向に間隔が均一で一致してもよく、各方向に間隔が均一であるが、2つの方向に間隔が一致しなくてもよく、1つの方向に間隔が均一であるが、もう1つの方向に間隔が非均一であってもよく、2つの方向に間隔が共に非均一であってもよい。
(システム構成)
図1〜図6に示すように、二次元分散型X線装置は複数の電子放出ユニット1、陽極2、真空ボックス3、高圧電源接続装置4、フィラメント電源接続装置5、グリッド制御装置接続装置6、真空装置8および電源及び制御システム7から構成される。複数の電子放出ユニット1は二次元配列の方式で1つの平面に配置され、且つ、真空ボックス3のボックス壁に取り付けられ、各電子放出ユニット1は互いに独立して、長尺形の陽極2は電子放出ユニット1の上方に位置し、真空ボックス3内の上端に取り付けられ、電子放出ユニット1が位置する平面と互いに平行している。電子放出ユニット1はフィラメント101、陰極102、グリッド103、絶縁支持部材104、フィラメントリード線105及び接続固定部材109を含み、グリッド103がグリッドフレーム106、グリッドメッシュ107及びグリッドリード線108から構成される。また、陽極2は陽極板201とターゲット202から構成される。ターゲット202は陽極板201に取り付けられ、その位置が電子放出ユニット1の位置にそれぞれ対応するように配置され、すべてのターゲット202の頂面の傾斜方向が一致し、かつ有用なX線の出射方向である。高圧電源接続装置4は真空ボックス3の陽極2に近い一端に取り付けられ、内部が陽極2と接続し、外部が高圧電源702と接続し、フィラメント電源接続装置5は各電子放出ユニット1のフィラメントリード線105をフィラメント電源704に接続している。フィラメント電源接続装置5は数本の両端にコネクタ付き二芯ケーブルである。グリッド制御装置接続装置6は各電子放出ユニット1のグリッドリード線108をグリッド制御装置703に接続する。グリッド制御装置接続装置6は数本の両端にコネクタ付き高圧同軸ケーブルである。真空装置8は真空ボックス3の側壁に取り付けられている。電源及び制御システム7は、制御システム701、高圧電源702、グリッド制御装置703、フィラメント電源704、真空電源705などの複数のモジュールを含み、電力ケーブルと制御ケーブルを介してシステムの複数の電子放出ユニット1のフィラメント101、グリッド103、陽極2、及び真空装置8などの部材に接続している。
(作動原理)
本発明の二次元分散型X線装置において、電源及び制御システム7はフィラメント電源704、グリッド制御装置703および高圧電源702を制御する。フィラメント電源704の作用で、フィラメント101は陰極102を1000〜2000℃に加熱して、陰極102は表面に大量の電子を発生して、グリッド制御装置703は各グリッド103を負電圧、例えば−500Vにして、各電子放出ユニット1のグリッド103と陰極102との間に負電場を形成して、電子が陰極102の表面に制限されて、高圧電源702は陽極2を非常に高い正高圧、例えば+180kVにして、電子放出ユニット1と陽極2との間に正の加速電場を形成する。X線を発生する必要がある場合、電源及び制御システム7は指令又は所定のプログラムに従って、グリッド制御装置703のある経路の出力を負電圧から正電圧に切り替えて、且つ、シーケンスに従って各経路の出力信号を変えて、例えば、時刻1に、グリッド制御装置703の出力チャンネルchannel1aが−500Vから+2000Vに変わり、対応する電子放出ユニット11a内で、グリッド103と陰極102との間の電場が正電場に変わり、電子が陰極102の表面からグリッド103に向って運動して、グリッドメッシュ107を通して電子放出ユニット11aと陽極2との間の正方向電場に入って、加速されて、高エネルギーになって、最終的にターゲット21aに衝撃して、ターゲット21aの位置でX線を発生して放射する。時刻2に、グリッド制御装置703の出力チャンネルchannel1bが−500Vから+2000Vに変わり、対応する電子放出ユニット11bが電子を放射して、ターゲットの21bに衝撃して、そしてターゲット21bの位置でX線を発生して放射する。時刻3に、グリッド制御装置703の出力チャンネルchannel2aが−500Vから+2000Vに変わり、対応する電子放出ユニット12aが電子を放射して、ターゲットの22aに衝撃して、そしてターゲット22aの位置でX線を発生して放射する。時刻4に、グリッドの制御装置703の出力チャンネルchannel2bが−500Vから+2000Vに変わり、対応する電子放出ユニット12bが電子を放射して、ターゲット22bに衝撃して、そしてターゲット22bの位置でX線を発生して放射する。このように類推して、その後ターゲット23aでX線を発生して、そしてターゲット23bでX線を発生して……、循環して繰り返す。そのため、電源及び制御システム7はグリッド制御装置703を利用して各電子放出ユニット1を所定のシーケンスに従って交替で作動させて、電子ビームを放射して、且つ、異なるターゲットの位置において交替でX線を発生して、分散型X線源になる。
ターゲット202が電子ビーム流の衝撃を受けた時に放出した気体は真空装置8にリアルタイムで引き出されて、真空ボックス3の内部で高真空を維持して、長時間の安定な運行に有利である。電源及び制御システム7は、各電源を制御して所定のプログラムに従って各部材を駆動して作動を協調すると共に、通信インターフェイスとマンマシンインタフェースを介して外部の命令を受信して、システムの重要なパラメーターを修正・設定して、プログラムを更新して自動制御調整を行うことができる。
また、本発明の二次元アレイ分散型X線の光源をCTデバイスに応用することにより、システムの安定性と信頼度がよく、検査効率が高いCTデバイスを得ることができる。
(有益な効果)
本発明は、主に二次元アレイ分散型X線装置を提供し、一つの光源デバイスにおいて、ある順番に従って周期的に焦点位置を変えるX線を発生する。本発明における電子放出ユニットは熱陰極を利用するので、放射電流が大きく、寿命が長いという利点を有する。グリッド制御又は陰極制御によって各電子放出ユニットの作動状態を制御して、便利で柔軟である。大きい陽極板とターゲットの設計を利用して、陽極の過熱問題を緩和して、ターゲットスポット集束効果を形成して、且つコストが低減された。電子放出ユニットと対応ターゲットが二次元アレイ配列を採用するので、X線がアレイ平面に平行して引き出されて、X線の出射方向から見ると、ターゲットスポットの分布間隔を縮小して、ターゲットスポットの密度を向上させた。電子放出ユニットは平面二次元で配列されてもよく、弧面二次元で配列されてもよく、全体が直線型分散型X線装置又は環型分散型X線装置になり、応用が柔軟である。
また、本発明の二次元アレイ分散型X線光源をCTデバイスに応用すると、光源を移動する必要がなく、複数のビューを生成することができるので、スリップリング運動を省略することができ、構造を簡略化させ、システムの安定性、信頼度を向上させ、検査効率を向上させることに有利である。
上記のように、本願発明を説明したが、これに限られなく、本発明の主旨範囲内で各種の変更をすることができると理解するべきである。
101:フィラメント、 102:陰極、 103:グリッド、
104:絶縁支持部材、 105:フィラメントリード線、
106:グリッドフレーム、 107:グリッドメッシュ、
108:グリッドリード線、 109:接続固定部材、 201:陽極板、
202:ターゲット、 E:電子ビーム流、 X:X線、 1:電子放出ユニット、
2:陽極、 3:真空ボックス、 4:高圧電源接続装置、
5:フィラメント電源接続装置、 6:グリッド制御装置接続装置、
7:電源及び制御システム、 8:真空装置、 9:平板グリッド、
901:絶縁骨組み板、 902:グリッド板、 903:グリッドメッシュ、
904:グリッドリード線、 10:陰極アレイ、 1001:フィラメント、
1002:陰極、 1004:絶縁支持部材、 1005:フィラメントリード線、
1006:フィラメントリード線移行端子、 1007:グリッドリード線移行端子。

Claims (15)

  1. 周りがシールされ、内部が高真空である真空ボックスと、
    前記真空ボックスのボックス壁において、二次元配列で1つの平面に配置された複数の電子放出ユニットと、
    前記真空ボックス内に、前記複数の電子放出ユニットが位置する平面と平行するように配置された陽極と、
    を備えることを特徴とするX線装置。
  2. 前記X線装置は、前記陽極と接続する高圧電源と、前記複数の電子放出ユニットのそれぞれと接続するフィラメント電源と、前記複数の電子放出ユニットのそれぞれと接続するグリッド制御装置と、各電源を制御するための制御システムと、を有する電源及び制御システムをさらに有し、
    前記陽極は、金属材料から作られ、前記電子放出ユニットの上表面と平行する陽極板と、前記陽極板に取り付けられ、それぞれが前記電子放出ユニットの位置に対応するように配置された複数のターゲットと、を含み、
    前記ターゲットの底面が前記陽極板と接続し、かつ前記ターゲットの頂面と前記陽極板とは所定の角度を形成することを特徴とする請求項1に記載のX線装置。
  3. 前記ターゲットは円錐台構造、四角錐台構造、多角錐台構造又は他の多角形の突起、或いは他の不規則な突起であることを特徴とする請求項2に記載のX線装置。
  4. 前記ターゲットは円柱構造、四角柱構造、あるいは他の多角柱構造であることを特徴とする請求項2に記載のX線装置。
  5. 前記ターゲットは球面構造であることを特徴とする請求項2に記載のX線装置。
  6. 前記ターゲットの頂面は平面、斜面、球面或いは他の不規則な表面であることを特徴とする請求項2に記載のX線装置。
  7. 前記電子放出ユニットが、フィラメントと、前記フィラメントと接続した陰極と、開口を有し、前記フィラメントと前記陰極を囲んだ絶縁支持部材と、前記フィラメントの両端から引き出されたフィラメントリード線と、前記陰極に対向するように前記陰極の上方に配置されたグリッドと、前記絶縁支持部材と接続して、前記電子放出ユニットを前記真空ボックスの壁に取り付けて、真空なシール接続を形成する接続固定部材とを有し、
    前記グリッドが、金属から作られ、中央に開孔が形成されたグリッドフレームと、金属から作られ、前記グリッドフレームの前記開孔の位置に固定されたグリッドメッシュと、前記グリッドフレームから引き出されたグリッドリード線とを有し、
    前記フィラメントリード線と前記グリッドリード線は前記絶縁支持部材を貫通して、電子放出ユニットの外部に引き出され、前記フィラメントリード線が前記フィラメント電源と接続して、前記グリッドリード線が前記グリッド制御装置と接続していることを特徴とする請求項2に記載のX線装置。
  8. 前記接続固定部材が前記絶縁支持部材の下端の外縁に接続し、前記電子放出ユニットの陰極端が前記真空ボックスの内部に位置し、前記電子放出ユニットのリード線端が前記真空ボックスの外部に位置することを特徴とする請求項7に記載のX線装置。
  9. 前記接続固定部材が前記絶縁支持部材の上端に接続し、前記電子放出ユニット全体が前記真空ボックスの外部に位置することを特徴とする請求項7に記載のX線装置。
  10. 前記電子放出ユニットが、絶縁骨組み板、グリッド板、グリッドメッシュ、グリッドリード線から構成された平板グリッドと、それぞれがフィラメント、前記フィラメントと接続した陰極、前記フィラメントの両端から引き出されたフィラメントリード線、前記フィラメントと前記陰極を囲んだ絶縁支持部材から構成された複数の陰極構造が緊密に配列されるように構成された陰極アレイと、を含み、
    前記グリッド板が前記絶縁骨組み板に設けられ、かつ前記グリッドメッシュが前記グリッド板に形成された開孔の位置に設けられ、前記グリッドリード線が前記グリッド板から引き出され、
    前記平板グリッドが前記陰極アレイの上方に位置し、垂直方向において、前記グリッドメッシュの中心が前記陰極の中心と二つがひと組になって重なり合い、
    前記平板グリッドと前記陰極アレイとが前記真空ボックス内に位置し、前記フィラメントリード線と前記グリッドリード線が、それぞれ前記真空ボックスのボックス壁に設けられたフィラメントリード線移行端子とグリッドリード線移行端子を介して、前記真空ボックスの外部に引き出されることを特徴とする請求項1に記載のX線装置。
  11. 前記陽極と前記高圧電源のケーブルを接続して、前記真空ボックスの前記陽極に近い一端の側壁に取り付けられた高圧電源接続装置と、前記フィラメントと前記フィラメント電源を接続するためのフィラメント電源接続装置と、前記電子放出ユニットのグリッドと前記グリッド制御装置を接続するためのグリッド制御装置接続装置と、前記電源及び制御システム内に含まれた真空電源と、前記真空ボックスの側壁に取り付けられて、前記真空電源で作動して、前記真空ボックスにおける高真空を維持する真空装置と、をさらに有することを特徴とする請求項2から請求項10の何れか一項に記載のX線装置。
  12. 前記複数の電子放出ユニットが配列されたアレイは、二つの方向においていずれも直線であり、或いは一方の方向には直線であり、他方の方向には区分的直線であることを特徴とする請求項1から請求項10の何れか一項に記載のX線装置。
  13. 前記複数の電子放出ユニットが配列されたアレイは、一方の方向において直線であり、他方の方向において弧線又は区分的弧線であることを特徴とする請求項1から請求項10の何れか一項に記載のX線装置。
  14. 前記グリッド制御装置が制御器、負高圧モジュール、正高圧モジュール及び複数の高圧スイッチ素子を含み、
    前記複数の高圧スイッチ素子のそれぞれが少なくとも一つの制御端、二つの入力端、一つの出力端を含み、各端点の間の耐電圧が少なくとも前記負高圧モジュールと前記正高圧モジュールから構成された最大電圧より大きく、
    前記負高圧モジュールが前記複数の高圧スイッチ素子のそれぞれの一方の入力端に安定な負高圧を提供し、
    前記正高圧モジュールが前記複数の高圧スイッチ素子のそれぞれの他方の入力端に安定な正高圧を提供し、
    前記制御器が前記複数の高圧スイッチ素子を独立して制御し、
    前記グリッド制御装置が複数の制御信号出力チャンネルをさらに有し、
    一つの前記高圧スイッチ素子の出力端が前記制御信号出力チャンネルの一つに接続していることを特徴とする請求項2から請求項10の何れか一項に記載のX線装置。
  15. 用いられるX線源が請求項1から請求項14の何れか一項に記載のX線装置であることを特徴とするCTデバイス。
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