JP2016531985A - パイプ用途のためのポリエチレン組成物 - Google Patents

パイプ用途のためのポリエチレン組成物 Download PDF

Info

Publication number
JP2016531985A
JP2016531985A JP2016537165A JP2016537165A JP2016531985A JP 2016531985 A JP2016531985 A JP 2016531985A JP 2016537165 A JP2016537165 A JP 2016537165A JP 2016537165 A JP2016537165 A JP 2016537165A JP 2016531985 A JP2016531985 A JP 2016531985A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
polyethylene composition
reactor
mfr
flow rate
base resin
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2016537165A
Other languages
English (en)
Inventor
マルック・ヴァーテリ
ウド・ヴァーナー
トーマス・イェルトバリ
リウ・イー
ターニャ・ピール
アレクサンドラ・ロミナ・アルブニア
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Borealis AG
Original Assignee
Borealis AG
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Borealis AG filed Critical Borealis AG
Publication of JP2016531985A publication Critical patent/JP2016531985A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08LCOMPOSITIONS OF MACROMOLECULAR COMPOUNDS
    • C08L23/00Compositions of homopolymers or copolymers of unsaturated aliphatic hydrocarbons having only one carbon-to-carbon double bond; Compositions of derivatives of such polymers
    • C08L23/02Compositions of homopolymers or copolymers of unsaturated aliphatic hydrocarbons having only one carbon-to-carbon double bond; Compositions of derivatives of such polymers not modified by chemical after-treatment
    • C08L23/04Homopolymers or copolymers of ethene
    • C08L23/06Polyethene
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08FMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED BY REACTIONS ONLY INVOLVING CARBON-TO-CARBON UNSATURATED BONDS
    • C08F2410/00Features related to the catalyst preparation, the catalyst use or to the deactivation of the catalyst
    • C08F2410/06Catalyst characterized by its size
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08LCOMPOSITIONS OF MACROMOLECULAR COMPOUNDS
    • C08L2203/00Applications
    • C08L2203/18Applications used for pipes
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16LPIPES; JOINTS OR FITTINGS FOR PIPES; SUPPORTS FOR PIPES, CABLES OR PROTECTIVE TUBING; MEANS FOR THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16L9/00Rigid pipes
    • F16L9/12Rigid pipes of plastics with or without reinforcement
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P20/00Technologies relating to chemical industry
    • Y02P20/50Improvements relating to the production of bulk chemicals
    • Y02P20/582Recycling of unreacted starting or intermediate materials

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Polymers & Plastics (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Extrusion Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)
  • Transition And Organic Metals Composition Catalysts For Addition Polymerization (AREA)
  • Rigid Pipes And Flexible Pipes (AREA)

Abstract

本発明は、946.0kg/m3を超え955.0 kg/m3以下の密度を有するベース樹脂を含むパイプ用途のための、1.7〜7.0g/10分のMFR21及び10を超え40以下のFRR21/5を有するポリエチレン組成物、並びにシリカ担持チーグラーナッタ触媒の存在下、第1ループ反応器中でエチレンを重合させること、第1中間物質を第2ループ反応器に移送すること、さらに前記第1中間物質を重合させて第2中間物質を得、及び前記第2中間物質を気相反応器に移送すること、エチレン及びコモノマーを気相反応器に移送してベース樹脂を得ること、並びに最後に安定剤及びカーボンブラックとともに、ベース樹脂をポリエチレン組成物中に押し出すこと、を含む多段階法によって製造されるポリエチレン組成物に関する。さらに本発明は、ポリエチレン組成物を製造する多段階法、及び本発明のポリエチレン組成物から作られる物品、好ましくはパイプに関する。

Description

本発明は、ポリエチレン組成物、特に高密度ポリエチレンベース樹脂を含むパイプ用途のためのポリエチレン組成物に関する。さらに本発明は、前記ポリエチレン組成物の製造方法及び本発明のポリエチレン組成物から作られる物品、好ましくはパイプに関する。
パイプ製造のための、多くのポリエチレン組成物が知られている。パイプ材料は、PE80又はPE100などに分類される。PE100の使用温度は20℃である。ISO9080分類は、PE100材料が10MPaの内部応力の使用で、20℃で少なくとも50年の耐用年数を有することを保証する。
名称Chevron Phillips 化学会社によるEP1987097には、947kg/m〜954kg/mのペレット密度及び1〜30g/10分のMFR21(ASTM D1238,21.6kg荷重)を有するパイプに適するポリエチレンが開示されている。例示の樹脂は、30.5〜35.1のMw/Mnで、重量平均分子量278〜346kg/モルを示した。
名称UNIVATION TECH LLC[US]によるEP1781712には、限定されないが、0.940g/cc以上の密度を有する高強度バイモーダルポリエチレン組成物を含む様々な組成物が開示されている。当該高強度バイモーダルポリエチレン組成物は、より大きい重量平均分子量(HwHMW)を有する高分子量ポリエチレン成分、及びより小さい重量平均分子量(HwLMW)を有する低分子量ポリエチレン成分を含み、ここで、より大きい重量平均分子量とより小さい重量平均分子量との比(MwHMW:MwLMW)は30以上である;及び前記高強度バイモーダルポリエチレン組成物は、内部のパイプ抵抗曲線がISO9080:2003に従って50又は100年に推定される場合、内部のパイプ抵抗を受ける、前記組成物から形成されるパイプが、ISO1167に従って10MPa以上の推定応力を有するようなPE100材料として適する。
イネオスグループによるEP1922342には、0.15〜0.5g/10分のメルトフローレート(5kg荷重)で、935〜956kg/mの自然密度、1−ヘキセンであるコモノマー、及び100rad/s、190℃で、2500Pa・s以下の動粘度を有する組成物が開示されている。
名称Borealis Technology OyによるEP1146079には、少なくとも953kg/mの粉末密度、955〜965kg/mの範囲の組成物の最終粘度、及び0.15〜0.40g/分のMFRを有する組成物が開示されている。当該組成物から作られたパイプは、少なくとも9.0MPaの設計応力(PE112)を満たす。当該組成物は2つの成分から構成され、これに関して、低分子量成分は350〜1500g/10分のMFRを有するエチレンホモポリマーであり、42〜55重量%の量で存在する。
ISO9080によれば、ポリエチレンパイプは、最小要求強度、すなわち、破砕することなく、20℃で50年間、種々のフープ応力に耐える能力によって分類される。それに関して、8.0MPa(MRS8.0)のフープ応力に耐えるパイプは、PE80パイプに分類され、10.0MPa(MRS10.0)のフープ応力に耐えるパイプは、PE100パイプに分類される。ポリエチレンパイプ開発の次の進化段階は、12.5MPa(MRS12.5)のフープ応力に耐えるPE125パイプである。従来のチーグラーナッタ触媒により製造されるマルチモーダル樹脂を用いてPE80の要件を満たすためには、少なくとも940kg/mの密度が必要であり、PE100の要件を満たすためには、945kg/mを超える密度が必要である。
高密度に加え、パイプ製造のためのマルチモーダルポリエチレン樹脂は、優れた機械的特性及び衝撃特性を示しつつ、良好な加工性を維持すべきである。一般に、これらの特性は、ポリエチレン組成物の分子量に依存する。分子量が大きくなれば、例えば衝撃強さ、たるみ性及び高速亀裂伝播に対する耐性が大きくなる。従って、改良された衝撃特性及び機械的特性は、ポリエチレン組成物における少なくとも1つのポリエチレン画分の分子量を増加させることにより達成できる。
しかしながら、これは、通常、より大きい分子量画分及びより小さい分子量画分間の粘度差を大きくするため、均質性の低下をもたらす。これらの適合性の問題は、衝撃機械特性をさらに改良するために、超高分子量画分(UHMW)をポリエチレン組成物に含む場合に、ポリマーマトリックス中に超高分子量粒子を均質化することがより困難になるので、特に当てはまる。
それから、これらの超高分子量粒子は、複合材料におけるいわゆる“白点”として生じ、物品(例えば、ポリエチレン組成物から製造されるパイプなど)において粗さ又は表面欠陥を起こし得る。すなわち、低均質性は、ポリマー組成物の表面特性に不利な影響を及ぼす。
UHMWポリエチレン画分を、押し出しにより、HDPEに含ませる有利な効果が、Hung及びBrownにより、同方向二軸押出機を用いて検討され、実施された(ポリマー, 1992, 33, 2989-2997)。しかしながら、マトリックス中によく結合されることを見出されたUHMWポリエチレン粒子は、亀裂伝播の減速を促すものの、UHMWポリエチレンが、HDPEマトリックスに「溶融」した証拠がなく、分離領域へ残存していることが分かった。
欧州特許出願公開第1987097号明細書 欧州特許出願公開第1781712号明細書 欧州特許出願公開第1922342号明細書 欧州特許出願公開第1146079号明細書
ポリマー, 1992, 33, 2989-2997
従って、加工性、衝撃特性、機械的特性(例えば、引張り特性及びたるみ性、並びに良好な均質性とともに高速衝撃伝播に対する耐性など)に関する特性について改良されたバランスを示すパイプ製造のための、高密度ベース樹脂を有するポリエチレン組成物に対する要求が今なお存在する。
本発明は、パイプが、ISO1183−1:2004に従って測定される946.0kg/mを超え955.0 kg/m以下の密度を有するベース樹脂を含むポリエチレン組成物であって、ISO1133に従って測定される1.7〜7.0g/10分のメルトフローレートMFR21(190℃、21.6kg)、及びISO1133に従って測定される10を超え40以下の、MFR21(190℃、21.6kg)とMFR(190℃、5kg)との比であるフローレート比FRR21/5を有する組成物から製造された場合に、上記に述べた特性のバランスが達成できるという驚くべき知見に基づく。
本発明は、ISO1183−1:2004に従って測定される946.0kg/mを超え955.0 kg/m以下の密度を有するベース樹脂を含むポリエチレン組成物であって、ISO1133に従って測定される1.7〜7.0g/10分のメルトフローレートMFR21(190℃、21.6kg)、及びISO1133に従って測定される10を超え40以下の、MFR21(190℃、21.6kg)とMFR(190℃、5kg)との比であるフローレート比FRR21/5を有する、組成物を提供する。
本発明は、多段階法により製造されるポリエチレン組成物であって、前記多段階法は、
a)(i)Al 1.30〜1.65モル/kgシリカ、
Mg 1.25〜1.61モル/kgシリカ、
Ti 0.70〜0.90モル/kgシリカ、
を含む触媒モル組成を有する、
及び7〜15μm、好ましくは8〜12μmの平均粒度(D50)を有するシリカ担持チーグラーナッタ触媒の存在下、
(ii)アルキルアルミニウム化合物及び連鎖移動剤の存在下、第1ループ反応器中で、
エチレンを重合させ、
0.01〜1.5g/10分のメルトフローレートMFR21(190℃、21.6kg)を有する第1中間物質を得ること、及び
b)前記第1中間物質を第2ループ反応器に移送し、
(i)エチレンを第2ループ反応器に供給し、
(ii)前記第1中間物質をさらに重合させ、
15〜50g/10分のメルトフローレートMFR(190℃、2.16kg)を有する第2中間物質を得ること;及び
c)前記第2中間物質を気相反応器に移送し、
(i)エチレン及びコモノマーを前記気相反応器に供給し、
(ii)前記第2中間物質をさらに重合させ、
ISO1183−1:2004に従って測定される946kg/mを超え955kg/m以下の密度を有するベース樹脂を得ること、及び
d)ISO1133に従って測定される1.7〜7.0g/10分のメルトフローレートMFR21(190℃、21.6kg)、及びISO1133に従って測定される10を超え40以下の、MFR21(190℃、21.6kg)とMFR(190℃、5kg)との比であるフローレート比FRR21/5を有するポリエチレン組成物中に、安定剤及びカーボンブラックの存在下で、前記ベース樹脂を押し出すこと
を含む、ポリエチレン組成物をさらに提供する。
さらなる態様において、本発明は、本発明のポリエチレン組成物を製造する方法であって、前記ベース樹脂は、重量平均分子量Mwの異なる少なくとも3つのエチレンホモ−又はコポリマー画分(A)、(B)及び(C)を含み、画分(A)、(B)及び(C)のうち、画分(A)は、最も大きい重量平均分子量を有し、画分(B)は最も小さい重量平均分子量を有し、並びに画分(A)、(B)及び(C)を、多段階法において、任意順序の少なくとも3つの連動反応器中で重合させる、方法に関する。
別の態様において本発明は、本発明のポリエチレン組成物を含む、物品、特にパイプ又はパイプ継手を提供する。
その上さらなる態様において、本発明は、物品、特にパイプ製造のための、本発明のポリエチレン組成物の使用に関する。
本発明で使用される触媒は、好ましくは以下の方法:
(i)式Mg(R)(式中、Rはそれぞれ同一又は異なる、1〜10のC原子、好ましくは2〜10のC原子、さらに好ましくはブチルオクチルマグネシウムである)で表されるジアルキルマグネシウム化合物と、式R’OH(式中、R’は2〜16のC原子、好ましくは4〜10のC原子、最も好ましくは2ーエチルーヘキサノールである)で表されるアルコールとを、芳香族溶媒中で、1:1.70〜1:1.95、好ましくは1:1.75〜1:1.90のモル比で反応させることにより、マグネシウム錯体を調製すること、
(ii)7〜15μm、好ましくは8〜12μmの範囲の平均粒度(D50)を有する焼成シリカ及び脂肪族炭化水素溶媒、好ましくはペンタンを、触媒調製反応器中に充填させること、
(iii)式AlR3ーn(式中、RはC-C10アルキル基、より好ましくはC-Cアルキル基、さらに好ましくはC-Cアルキル基;Xはハロゲン、好ましくはクロリド及びnは1又は2、好ましくは1である)で表されるアルキルアルミニウムクロリド化合物を加え、及び10〜70℃、好ましくは20〜60℃、さらに好ましくは40〜50℃の温度で混合すること、前記アルミニウム化合物は、好ましくはエチルアルミニウムジクロリドであること、
(iv)20〜50℃、好ましくは30〜50℃、さらに好ましくは40〜50℃で、2.40〜2.70モルMg/kgシリカの割合、好ましくは2.45〜2.65モルMg/kgシリカの割合で、工程(i)で調製されるマグネシウム錯体を添加すること、
(v)さらなる脂肪族炭化水素溶媒、好ましくはペンタンを前記反応器に添加し、40℃を超える温度に維持すること、
(vi)45〜55℃の温度で3〜5時間、混合物を攪拌すること、
(vii)1.40〜1.65モル/kgシリカの量のTiClを、少なくとも1時間、45〜55℃で反応器に添加すること、
(viii)少なくとも5時間、50〜60℃で、触媒混合物を混合すること、及び
(ix)真空及び/又は窒素フローにより、触媒混合物を乾燥させること、
により調製される。
Al、Mg及びTi化合物の添加は、好ましくは1〜3時間以内、さらに好ましくは各添加工程後になされ、前記混合物はさらに1〜6時間攪拌される。
図1は本発明の多段階法の概略を示す。
定義
本発明のポリエチレン組成物は、少なくとも50モル%のエチレンモノマー単位及びさらなるコモノマー単位由来のポリマーを示す。
それに関して、用語「ホモポリマー」は、エチレンモノマー単位から本質的になるポリマーを示す。大規模な重合要件においては、エチレンホモポリマーは、さらなるコモノマー単位を少量、通常エチレンホモポリマーの0.05モル%未満、好ましくは0.01モル%未満含み得る。従って、用語「コポリマー」は、エチレンモノマー単位及び0.05モル%を超える量のさらなるコモノマー単位に由来するポリマーを示す。
画分ごとに異なる(重量平均)分子量をもたらす異なる重合条件下で、製造されている少なくとも2つのポリエチレン画分を含むポリエチレン組成物は、通常、「マルチモーダル」と称される。接頭辞「マルチ」は、組成物を構成する異なるポリマー画分の数に関する。従って、例えば、2つの画分のみからなる組成物は「バイモーダル」と呼ばれるが、3つの画分のみからなる組成物は「トリモーダル」と呼ばれる。
用語「ベース樹脂」は、カーボンブラックなどの充填剤を含めない組成物のポリマー部分を示す。当業者は、ベース樹脂の測定に安定剤の存在が必要であることを理解するであろう。
ベース樹脂に加えて、ポリオレフィンとともに利用するための通常の添加剤、例えば、顔料(例えばカーボンブラック)、安定剤(例えば酸化防止剤)、制酸剤及び/又は抗UV剤、帯電防止剤並びに利用剤(例えば加工助剤)が、ポリエチレン組成物中に存在してよい。これらの添加剤の量は、好ましくは組成物の10重量%以下、より好ましくは8重量%以下、最も好ましくは5重量%以下である。
組成物は、好ましくは全組成物の8重量%以下の量、より好ましくは1〜4重量%の量のカーボンブラックを含む。
さらに好ましくは、カーボンブラックとは異なる添加剤の量は、1重量%以下、より好ましくは0.5重量%以下である。
「多分散指数」PIは、分子量分布曲線の広さのレオロジー的測定値である。
全てのレオロジー的測定は、ベース樹脂と組成物とで行うことができる。定義事項として、全てのレオロジー的特性は、好ましくはベース樹脂にも当てはまるものとする。
用語「触媒系」は、触媒及び共触媒により形成される組成物を示すものとする。
概要
ポリエチレン組成物
ポリエチレン組成物は以下の特性により特徴づけられる:
MFR
本発明の組成物は、ISO1133に従って測定される0.12〜0.21g/10分、より好ましくは0.13〜0.20g/10分、さらに好ましくは0.14〜0.18g/10分、とりわけ0.15〜0.17g/10分のメルトフローレートMFR(190℃、5kg)を有する。
MFR21
本発明の組成物は、ISO1133に従って測定される1.7〜7.0g/10分、好ましくは3.0〜6.0g/10分、より好ましくは3.5〜5.5g/10分、さらに好ましくは4.0〜5.0g/10分のメルトフローレートMFR21(190℃、21.6kg)を有する。
FRR21/5
本発明の組成物は、ISO1133に従って測定される10を超え40以下、好ましくは14〜34、より好ましくは20〜30、さらに好ましくは24〜28の、MFR21(190℃、21.6kg)とMFR(190℃、5kg)との比であるフローレート比FRR21/5を有する。
密度
本発明の組成物は好ましくは、ISO1183−1:2004に従って測定される960.0kg/mを超え968.0kg/m以下、より好ましくは961.0kg/m〜966.0kg/m、さらに好ましくは961.5kg/m〜964.9kg/m、とりわけ962.0kg/m〜964.0kg/mの密度を有する。
組成物の密度は、ベース樹脂の密度による影響を受け、さらに組成物における充填剤(通常カーボングラック)の量により調整できる。
ベース樹脂の密度は、コモノマーの量及び種類により、主に影響を受ける。それに加え、使用される触媒に主に由来するポリマーの性質及びメルトフローレートが役割を担う。それに加え、コモノマーが、コモノマー単独である必要はないことを強調すべきである。コモノマーの混合も可能である。
組成物は、特定のレオロジー的特性により、さらに特徴づけられる。
PI
組成物は、好ましくは1.0Pa−1以上3.5Pa−1未満の範囲、より好ましくは1.5Pa−1以上3.0Pa−1未満の範囲、最も好ましくは1.7Pa−1以上2.5Pa−1未満の範囲の多分散指数PIを有する。
SHI2.7/210
組成物は、好ましくは10〜90の剪断減粘指数SHI2.7/210、より好ましくは20〜60の剪断減粘指数SHI2.7/210、さらに好ましくは25〜49の剪断減粘指数SHI2.7/210、とりわけ30〜40の剪断減粘指数SHI2.7/210を有する。
剪断減粘指数SHI2.7/210は、所定の触媒系において、(反応器のスプリットを介して)低分子量物質及び高分子量物質の相対的な量を変えることにより、並びに低分子量物質及び高分子量物質それぞれの分子量を変えることにより、例えば、連鎖移動剤供給物の種類により、変更できる。
SHI5/300
本発明の組成物は、好ましくは25〜150、より好ましくは35〜100、さらに好ましくは45〜65の外挿剪断減粘指数SHI5/300を有する。
剪断減粘指数SHI5/300は、上記に説明されるようにSHI2.7/210剪断減粘指数のために、変更してよい。さらに、剪断減粘指数SHI5/300は、触媒系により本質的に与えられる分子量分布に、特に影響を受けやすい。
G’(2kPa)
本発明の組成物は、好ましくは850Pa〜1000Pa、より好ましくは900Pa〜990Pa、さらに好ましくは925Pa〜980Pa、とりわけ950Pa〜975Paの貯蔵弾性率G’(2kPa)を有する。
貯蔵弾性率は、極めて高分子量の物質の量により顕著に影響を受ける。より低い値の貯蔵弾性率G’(2kPa)は、定性的及び一般的な観点から、狭い分子量分布を示す。
G’(5kPa)
本発明の組成物は、好ましくは2400Pa〜2900Pa、より好ましくは2450Pa〜2800Pa、さらに好ましくは2500Pa〜2750Pa、とりわけ2550Pa〜2700Paの貯蔵弾性率G’(5kPa)を有する。
複素粘度eta0.05rad/s
本発明の組成物は、好ましくは150000Pa・s〜220000Pa・s、より好ましくは160000Pa・s〜210000Pa・s、さらに好ましくは170000Pa・s〜200000Pa・s、とりわけ180000Pa・s〜190000Pa・sの0.05rad/sにおける複素粘度eta 0.05rad/sを有する。
複素粘度eta300rad/s
本発明の組成物は、1200Pa・s〜1700Pa・s、より好ましくは1275Pa・s〜1600Pa・s、さらに好ましくは1375Pa・s〜1500Pa・sの300rad/sにおける複素粘度eta 300rad/sを有する。
eta747Pa
本発明の組成物は、好ましくは4,500,000Pa・s〜10,000,000Pa・s、より好ましくは6,000,000Pa・s〜8,000,000Pa・s、さらに好ましくは6,500,000Pa・s〜7,300,000Pa・sの、747Paの一定応力における粘度eta747Paを有する。
eta747Paは、たるみ性のための測定値であり、極めて高分子量の物質の量により、顕著に影響を受ける。eta747Paが高くなるほど、ポリエチレン組成物を含む厚手パイプのたるみが低くなる。
上述のレオロジー的特性は、カーボンブラックなどのさらなる成分を含み得るポリエチレン組成物により測定された。しかしながら、これらの特性は、ベース樹脂に対しても測定できる。ベース樹脂に対して測定されたレオロジー的特性は、好ましくは、ポリエチレン組成物に対して測定された場合と同様の範囲である。
白点評価(WSR)
本発明のポリエチレン組成物は、ISO18553/2002−03−01に従って測定される6未満、より好ましくは4未満、さらに好ましくは3未満、とりわけ2未満の白点評価を有する。
白点評価試験は、ポリエチレン組成物の均質性のための測定であり、ISO18553/2002−03−01に基づく。ポリエチレン組成物を、例えば、パイプを製造するために配合する場合、いわゆる「白点」が配合材料に生じる。これらの白点は、通常、10マイクロメートル未満〜約50マイクロメートルのサイズであり、組成物中に十分に分散されなかった高分子量のポリマー凝集体/粒子から構成される。ポリマー組成物のこれらの不均質性は、それにより製造される物品の表面粗さを増大させ得る。
マルチモーダルポリマー組成物の均質性は、多数の配合工程及び/又は特に配合条件を、反応器由来の樹脂に適用することにより、改善され得ることが知られている。しかしながら、これらの方法には、組成物の製造コストを顕著に増大させる不都合がある。
従って、本発明の組成物の白点評価は、各配合工程後に測定される。
ノッチ付シャルピー衝撃強さ(0℃)
本発明のポリエチレン組成物は、好ましくは、ISO179/1eA:2000に従って測定される少なくとも15.0kJ/m、より好ましくは少なくとも20kJ/m、さらに好ましくは少なくとも25.0kJ/m、とりわけ少なくとも30.0kJ/mの、温度0℃におけるノッチ付シャルピー衝撃強さ(NIS)を有する。ノッチ付シャルピー衝撃強さの上限値は、通常、100kJ/m以下、好ましくは80kJ/m以下である。
引張弾性率(23℃)
本発明のポリエチレン組成物は、好ましくは、ISO527−2:1993に従って測定される少なくとも1050MPa、より好ましくは少なくとも1100MPa、さらに好ましくは少なくとも1125MPa、とりわけ少なくとも1180MPaの、温度23℃における引張弾性率を有する。23℃における引張弾性率の上限値は通常、1300MPa以下である。
引張破壊応力
本発明のポリエチレン組成物は、好ましくは、ISO527−1に従って測定される、少なくとも350%、より好ましくは少なくとも400%、さらに好ましくは少なくとも450%、とりわけ少なくとも480%の、温度23℃における引張破壊応力を有する。23℃における引張破壊応力の上限値は、通常、700%以下、より好ましくは600%以下である。
ベース樹脂
密度
本発明のベース樹脂は、ISO1183−1:2004に従って測定される946.0kg/mを超え955.0 kg/m以下、好ましくは948.0kg/m〜953.0kg/m、より好ましくは949.0kg/m〜952.5kg/m、さらに好ましくは950.0kg/m〜952.0kg/mの密度を有する。
コモノマー含有量
一実施態様において、ベース樹脂は、エチレンと少なくとも1つのα−オレフィンコモノマー単位とのコポリマーを示す。α−オレフィンコモノマー単位は、好ましくは炭素数3〜12、より好ましくは炭素数4〜8を有するα−オレフィンコモノマー単位から選択される。適当なα−オレフィンコモノマー単位は、1−ブテン、1−ヘキセン及び1−オクテンである。中でも、1−ブテン及び1−ヘキセンがより好ましい。
本発明のベース樹脂は、好ましくは0.05モル%〜1モル%、より好ましくは0.1モル%〜0.6モル%、さらに好ましくは0.15モル%〜0.4モル%のコモノマー含有量を有する。
さらに、ベース樹脂は、重量平均分子量Mwの異なる、好ましくは少なくとも3つのエチレンホモ−又はコポリマー画分(A)、(B)及び(C)を含む。
好ましくは、画分(A)及び(B)は、ともにエチレンホモポリマーであり、画分(C)は、エチレンと少なくとも1つの炭素数3〜12を有するα−オレフィンコモノマー単位とのコポリマーであり、
これに関して、画分(A)は、好ましくは0.01〜1.5g/10分、より好ましくは0.1〜1.0g/10分、さらに好ましくは0.2〜0.5g/10分のメルトフローレートMFR21(190℃、21.6kg)を有する。
組み合わされた画分(A)及び(B)は、15〜50g/10分、より好ましくは20〜45g/10分、さらに好ましくは25〜40g/10分のメルトフローレートMFR(190℃、2.16kg)を有する。
これに関して、画分(A)は、ベース樹脂に対して、好ましくは2.5〜15重量%の量、より好ましくは4.5〜12重量%の量、さらに好ましくは5.5〜10重量%の量、とりわけ6.5〜8.5重量%の量で存在する。
組み合わされた画分(A)及び(B)は、ベース樹脂に対して、50〜55重量%の量、より好ましくは51〜54重量%の量、さらに好ましくは52〜53重量%の量で存在する。
本発明によるベース樹脂の画分(A)は、好ましくは0.01〜1.5g/10分、好ましくは0.1〜1.0g/10分、さらに好ましくは0.2〜0.5g/10分のフローレートMFR21(190℃、21.6kg)によって、特徴づけられるエチレンホモポリマーを示す。さらに、画分(A)は、好ましくは970kg/m以上の密度を有する。画分(A)は、ベース樹脂に対して、好ましくは2.5〜15重量%の量、より好ましくは4.5〜12重量%の量、さらに好ましくは5.5〜10重量%の量、とりわけ6.5〜8.5重量%の量で存在する。
好ましくはともにエチレンホモポリマーである組み合わされた画分(A)及び(B)は、好ましくは15〜50g/10分、より好ましくは20〜45g/10分、さらに好ましくは25〜40g/10分のメルトフローレートMFR(190℃、2.16kg)を有する。組み合わされた画分(A)及び(B)は、好ましくは970kg/m以上の密度を有する。さらに、組み合わされた画分(A)及び(B)は、ベース樹脂に対して、50〜55重量%の量、より好ましくは51〜54重量%の量、さらに好ましくは52〜53重量%の量で存在する。
画分(C)は、エチレンと少なくとも1つの炭素数3〜12を有するα−オレフィンコモノマー単位とのコポリマーを示す。α−オレフィンコモノマー単位は、好ましくは炭素数3〜12、より好ましくは炭素数4〜8を有するα−オレフィンコモノマー単位から選択される。適当なα−オレフィンコモノマー単位は、1−ブテン、1−ヘキセン及び1−オクテンである。中でも、1−ブテン及び1−ヘキセンがさらに好ましい。画分(C)は、好ましくは0.1モル%〜2モル%、より好ましくは0.2モル%〜1.2モル%、さらに好ましくは0.3モル%〜0.8モル%のコモノマー含有量を有する。
さらに本発明のベース樹脂は、任意に、本発明によるベース樹脂の少なくとも2つの種々の好ましい実施態様をもたらすプレポリマーを含み得る。
第1の好ましい実施態様では、ベース樹脂は画分(A)、(B)及び(C)を含み、好ましくはこれらのみからなる。
第2の好ましい実施態様では、ベース樹脂はプレポリマー並びに画分(A)、(B)及び(C)を含み、好ましくはこれらからなる。
本発明のより好ましい実施態様において、ベース樹脂はプレポリマーを含まず、すなわち、第1実施態様が好ましい。
さらなる態様において、本発明は、多段階法により得ることができるポリエチレン組成物であって、前記多段階法は、
a)(i)Al 1.30〜1.65モル/kgシリカ、好ましくは1.33〜1.63モル/kgシリカ、より好ましくは1.35〜1.60モル/kgシリカ、
Mg 1.25〜1.61モル/kgシリカ、好ましくは1.26〜1.60モル/kgシリカ、より好ましくは1.30〜1.55モル/kgシリカ、
Ti 0.70〜0.90モル/kgシリカ、好ましくは0.71〜0.88モル/kgシリカ、より好ましくは0.72〜0.85モル/kgシリカ
を含むモル組成の触媒を有する、
及び7〜15μm、好ましくは8〜12μmの平均粒度(D50)を有するシリカ担持チーグラーナッタ触媒の存在下、
(ii)アルキルアルミニウム化合物及び連鎖移動剤の存在下、第1ループ反応器中で、
エチレンを重合させ、0.01〜1.5g/10分、好ましくは0.1〜1.0g/10分、さらに好ましくは0.2〜0.5g/10分のメルトフローレートMFR21(190℃、21.6kg)を有する第1中間物質を製造すること、及び
b)前記第1中間物質を第2ループ反応器に移送し、
(i)エチレンを第2ループ反応器に供給し、
(ii)前記第1中間物質をさらに重合させ、
15〜50g/10分、好ましくは20〜45g/10分、さらに好ましくは25〜40g/10分のメルトフローレートMFR(190℃、2.16kg)を有する第2中間物質を製造すること、及び
c)前記第2中間物質を気相反応器に移送し、
(i)エチレン及びコモノマーを前記気相反応器に供給し、
(ii)前記第2中間物質をさらに重合させ、
ISO 1183−1:2004に従って測定される946kg/mを超え955kg/m以下の密度を有するベース樹脂を製造すること、及び
d)ISO1133に従って測定される1.7〜7.0g/10分のメルトフローレートMFR21(190℃、21.6kg)、及びISO1133に従って測定される10を超え40以下の、MFR21(190℃、21.6kg)とMFR(190℃、5kg)との比であるフローレート比FRR21/5を有するポリエチレン組成物中に、安定剤及びカーボンブラックの存在下で、前記ベース樹脂を押し出すことを含む、
組成物に関する。
好ましい実施態様において、多段階法により製造される第1中間物質は、より好ましくは、上記に定義されるようなベース樹脂の画分(A)及び任意にプレ−ポリマー画分からなる。
さらに、多段階法により製造される第2中間物質は、上記に定義されるようなベース樹脂の組み合わされた画分(A)及び(B)、並びに任意にプレ−ポリマー画分からなる。
従って、ベース樹脂及び多段階法により製造されるポリエチレン組成物は、好ましくはベース樹脂及び上記に定義されるようなポリエチレン組成物に相当する。
別の態様において、本発明は、本発明のポリエチレン組成物の製造方法において、前記ベース樹脂は、重量平均分子量Mwの異なる少なくとも3つのエチレンホモ−又はコポリマー画分(A)、(B)及び(C)であって、画分(A)、(B)及び(C)のうち、最も大きい重量平均分子量を有する画分(A)及び最も小さい重量平均分子量を有する画分(B)を有するものを含み、並びに画分(A)、(B)及び(C)を、多段階法において、任意順序の少なくとも3つの連動反応器中で重合させる、
方法に関する。
好ましくは、本発明のポリエチレン組成物を製造する多段階法は、以下の工程:
a)(i)Al 1.30〜1.65モル/kgシリカ、好ましくは1.33〜1.63モル/kgシリカ、より好ましくは1.35〜1.60モル/kgシリカ、
Mg 1.25〜1.61モル/kgシリカ、好ましくは1.26〜1.60モル/kgシリカ、より好ましくは1.30〜1.55モル/kgシリカ、
Ti 0.70〜0.90モル/kgシリカ、好ましくは0.71〜0.88モル/kgシリカ、より好ましくは0.72〜0.85モル/kgシリカ
を含むモル組成の触媒を有する、
及び7〜15μm、好ましくは8〜12μmの平均粒度(D50)を有するシリカ担持チーグラーナッタ触媒の存在下、
(ii)アルキルアルミニウム化合物及び連鎖移動剤の存在下、第1ループ反応器中で、
エチレンを重合させ、0.01〜1.5g/10分、好ましくは0.1〜1.0g/10分、さらに好ましくは0.2〜0.5g/10分のメルトフローレートMFR21(190℃、21.6kg)を有する第1中間物質を製造すること、及び
b)前記第1中間物質を第2ループ反応器に移送し、
(i)エチレンを第2ループ反応器に供給し、
(ii)前記第1中間物質をさらに重合させ、
15〜50g/10分、好ましくは20〜45g/10分、さらに好ましくは25〜40g/10分のメルトフローレートMFR(190℃、2.16kg)を有する第2中間物質を製造すること、及び
c)前記第2中間物質を気相反応器に移送し、
(i)エチレン及びコモノマーを前記気相反応器に供給し、
(ii)前記第2中間物質をさらに重合させ、
ISO1183−1:2004に従って測定される946kg/mを超え955kg/m以下の密度を有するベース樹脂を製造すること、及び
d)ISO1133に従って測定される1.7〜7.0g/10分のメルトフローレートMFR21(190℃、21.6kg)、及びISO1133に従って測定される10を超え40以下の、MFR21(190℃、21.6kg)とMFR(190℃、5kg)との比であるフローレート比FRR21/5を有するポリエチレン組成物中に、安定剤及びカーボンブラックの存在下で、前記ベース樹脂を押し出すこと、
を含む。
本発明のポリエチレン組成物を製造する多段階法の好ましい実施態様において、第1中間物質は、好ましくは上記に定義されるようなベース樹脂の画分(A)及び任意にプレ−ポリマー画分からなる。
さらに、第2中間物質は、上記に定義されるようなベース樹脂の組み合わされた画分(A)及び(B)、並びに任意にプレ−ポリマー画分からなる。
従って、ベース樹脂及び多段階法により得ることができるポリエチレン組成物は、上記に定義されるようなベース樹脂及びポリエチレン組成物に相当する。
その上さらなる態様において、本発明は、上記に記述されるようなポリエチレン組成物を含む物品を提供する。
前記物品は、好ましくはパイプ又はパイプ継手である。
本発明のパイプは、好ましくは−21.0℃未満、より好ましくは−23.5℃未満のS4臨界温度、さらに好ましくは−28.0℃未満のS4臨界温度、とりわけ−32.0℃以下のS4温度を有する。
上記に記述された態様に加え、本発明は、物品、好ましくはパイプ又はパイプ継手の製造のための本発明によるポリエチレン組成物の使用に関する。
方法
ポリエチレン圧力パイプを製造するための本発明の組成物は、少なくとも第1反応器、第2反応器及び第3反応器により形成される反応器カスケードで、エチレンを重合させることにより、それぞれ共重合させることにより製造され、ここで、好ましくは第1及び第2反応器は、ループ反応器であり、さらに好ましくは第3反応器は気相反応器である。
重合は、Al:1.30〜1.65モル/kgシリカ、Mg:1.25〜1.61モル/kgシリカ、及びTi:0.70〜0.90モル/kgシリカを含むモル組成の触媒を有するシリカ担持触媒を使用する。
当該分野で使用される触媒の平均粒度は、一般に10〜100μmである。しかし、本発明によれば、特定の利点は、触媒が7〜15μm、好ましくは8〜12μmの平均粒度(D50)を有する場合に得られ得ることが判明した。
触媒の粒度は主に、担持材料、本発明の場合にはシリカ担持材料の粒度による影響を受ける。従って、本発明で使用される触媒の適当な担持材料は、適度に小さい粒度を有するシリカ、すなわち、15μm未満、好ましくは7〜15μm、約8〜12μmの平均粒度(D50)を有するシリカ担持材料である。適当なシリカ担持の一例は、グレイスにより製造販売されているSylopol2100である。
マグネシウム化合物は、マグネシウムジアルキル及びアルコールの反応生成物である。アルコールは、直鎖又は分岐脂肪族モノアルコールである。好ましくはアルコールは炭素数6〜16を有する。分岐アルコールは特に好ましく、2−エチル−1−ヘキサノールが、最も好ましいアルコールである。
マグネシウムジアルキルは、同一又は異なってよい、2つのアルキル基に結合するマグネシウムの任意の化合物であり得る。ブチル−オクチルマグネシウムは、好ましいマグネシウムジアルキルの一例である。
アルミニウム化合物は、アルミニウムアルキルを含む塩素である。特に好ましくは化合物は、アルミニウムアルキルジクロリド及びアルミニウムアルキルセスキクロリドである。
チタン化合物は、チタン化合物を含むハロゲン、好ましくはチタン化合物を含む塩素である。特に好ましくはチタン化合物は、チタンテトラクロリドである。
触媒は、EP−A−688794に記載されるような、上述の化合物を有する担体を、順次接触させることにより調製できる。若しくは、触媒は、WO−A−01155230に記載されるように、まず構成成分から溶液を調製し、次いで担体を有する溶液を接触させることにより調製できる。好ましくは、触媒は、EP−A−688794に開示される、及び本願に詳細に記載されるような、通常の調製概念に従って調製される。
上述の触媒は、活性化剤とも呼ばれる共触媒とともに使用される。適当な共触媒は、金属アルキル化合物、特にアルミニウムアルキル化合物である。これらの化合物は、エチルアルミニウムジクロリド、ジエチルアルミニウムクロリド、エチルアルミニウムセスキクロリド、ジメチルアルミニウムクロリドなどのアルキルアルミニウムハライドを含む。これらは、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリ−イソブチルアルミニウム、トリヘキシルアルミニウム及びトリ−n−オクチルアルミニウムなどのトリアルキルアルミニウム化合物を含む。特に好ましくは、共触媒は、トリアルキルアルミニウムであり、トリエチルアルミニウム、トリメチルアルミニウム及びトリ−イソブチルアルミニウムが特に使用され、より好ましくはトリエチルアルミニウム(TEA)である。
上述の触媒を、上述の共触媒と接触させる。触媒及び共触媒の接触は、重合反応器に触媒を導入する前に行うか、又は重合反応器にそれぞれ2つの成分を導入することにより行うことができる。
本発明の触媒系、すなわち、本発明の触媒及び共触媒の組み合わせにおいて、前記共触媒のアルミニウムと前記触媒のチタンとのモル比は、好ましくは20:1〜5:1、より好ましくは15:1〜7:1、さらに好ましくは12:1〜8:1である。
方法の詳細
本発明の多段階法を、以下に詳細に記述する。これに関して、図1は特に方法工程をさらに説明するために役立つ。
第1重合工程において、第1反応器、好ましくは第1スラリー相反応器、より好ましくは、第1ループ反応器内の温度は、典型的に35〜75℃、好ましくは45〜60℃である。圧力は典型的に、1〜150バール、好ましくは1〜100バールである。
第2重合工程において、第2反応器、好ましくは第2スラリー相反応器、より好ましくは、第2ループ反応器内の温度は、典型的に50〜115℃、好ましくは60〜110℃、特に70〜100℃である。圧力は典型的に、1〜150バール、好ましくは1〜100バールである。
第1反応器及び第2反応器内での重合は主に、任意の反応器により行われる。好ましくは、第1及び第2反応器ともにスラリー反応器である。このような反応器は、連続撹拌タンク反応器及びループ反応器を含む。それぞれループ反応器中で重合を行うことが特に好ましい。このような反応器において、スラリーは循環ポンプを用いることによって閉管に沿って高速で循環される。ループ反応器は、一般に当技術分野で知られ、例としては、例えば、US-A-4,582,816, US-A-3,405,109, US-A-3,324,093, EP-A-479 186及びUS-A-5,391,654が挙げられる。
流体混合物の臨界温度及び圧力を超えるスラリー相重合を行うことが、有利な場合もある。このような操作はUS-A-5,391,654に記載されている。このような操作において、温度は、典型的には少なくとも85℃、好ましくは少なくとも90℃である。さらに、温度は、典型的には110℃以下、好ましくは105℃以下である。これらの条件下での圧力は、典型的には少なくとも40バール、好ましくは少なくとも50バールである。さらに、圧力は、典型的には150バール以下、好ましくは100バール以下である。好ましい実施形態では、少なくとも1つのスラリー相重合工程を、超臨界条件下で行い、反応温度及び反応圧力は炭化水素媒体、モノマー、水素及び任意にコモノマーによって形成される混合物の対応する臨界点を超え、重合温度は形成されるポリマーの融解温度よりも低い。
スラリーは、連続的又は断続的に第1及び第2反応器から排出してよい。断続的な排出の好ましい方法は、反応器から濃縮スラリーのバッチを排出する前にスラリーを濃縮することを可能にする沈殿レグを使用することである。沈殿レグの使用は、とりわけ、US-A-3,374,211, US-A-3,242,150及びEP-A-1310295に開示されている。連続的な排出は、とりわけ、EP-A-891990, EP-A-1 415999, EP-A-1591460及びWO-A-2007/025640に開示されている。連続的な排出は、有利には、EP-A-1415999及びEP-A-1591460に開示されているような適当な濃縮方法と組み合わされる。
沈殿ラグは、反応器から排出されるスラリーを濃縮するために使用される。従って、排出流は、体積当たりのポリマーを反応器中のスラリーよりも平均して多く含んでいる。これは、反応器に戻して再循環される必要がある液体がより少なく、これにより装置のコストがより低いという利点を有する。商業規模のプラントでは、ポリマーとともに排出される流体はフラッシュタンク内で蒸発し、そこからそれは圧縮機で圧縮され、スラリー相反応器に再循環される。
しかしながら、沈殿レグは断続的にポリマーを排出する。これにより、反応器中の圧力及び他の変数もまた、排出時間による変動を生じる。また、排出能力は制限され、沈殿レグのサイズ及び数に依存する。これらの欠点を克服するために、多くの場合、連続的な排出が好ましい。
連続的な排出は、他方では、典型的に反応器中に存在するのと同じ濃度のポリマーを排出するという問題がある。圧縮される炭化水素の量を減少させるために、EP-A-1415999及びEP-A-1591460に開示されているように、連続的な排出口は、有利には、適当な濃縮装置、例えば液体サイクロン又はふるいと組み合わされる。ポリマーに富んだ流れは、次いでフラッシュに向けられ、ポリマーが少ない流れは反応器に直接返される。
第1反応器、好ましくは第1ループ反応器では、0.01〜1.5g/10分、好ましくは0.1〜1.0g/10分、さらに好ましくは0.2〜0.5g/10分のMFR21を有する第1中間物質は、35〜75℃、好ましくは45〜60℃の温度、及び1〜150バール、好ましくは1〜100バールの圧力で、製造される。これに関して、第1中間物質は、画分(A)及び任意にプレ−ポリマー画分を含む、好ましくはこれらの画分からなる。
第1反応器(本質的には、画分(A))で重合される第1中間物質のMFR21を調整するために、好ましくは水素が反応器に導入される。水素供給物は、1〜50モル/kモル、より好ましくは2〜25モル/kモルの、第1反応器(第1ループ反応器)における水素とエチレンとの比を満たすために、好ましくはエチレン供給物により調整される。画分(A)が最終ベース樹脂中で、最も高い平均分子量を有することが意図される。
第1反応器(本質的には画分(A))で製造される第1中間物質は、エチレンホモポリマー画分である。
コポリマーを重合する場合、コモノマーは、好ましくは、1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテン又はそれらの混合物を含む群から選択され、特に好ましいのは1−ヘキセンである。好ましい実施形態では、第1反応器において、エチレンホモポリマーは、コモノマーが第1重合工程に供給されないように重合される。
第1反応器中の滞留時間及び重合温度は、典型的にはベース樹脂に対して、2.5〜15重量%の量、より好ましくは4.5〜12重量%の量、さらに好ましくは5.5〜10重量%の量、とりわけ6.5〜8.5重量%の量の第1中間物質を重合するように調整される。
好ましくは画分(A)及び任意にプレ−ポリマー画分を含む、好ましくはこれらの画分からなる第1反応器で製造される第1中間物質は、好ましくは第2反応器、好ましくは、図1に示されるような第2ループ反応器に移送される。
ポリマースラリーを第2ループ反応器に移送する前に、ポリマースラリーから実質的に炭化水素を除去するための洗浄工程に、ポリマースラリーを供することができる。
第2反応器、好ましくは第2ループ反応器では、15〜50g/10分、好ましくは20〜45g/10分、さらに好ましくは25〜40g/10分のMFR21を有する第2中間物質は、50〜115℃、好ましくは60〜110℃、より好ましくは70〜100℃の温度、及び1〜150バール、好ましくは1〜100バールの圧力で、製造される。これによって、第2中間物質は、画分(A)及び(B)、並びに任意のプレ−ポリマー画分を含む、好ましくはこれらの画分からなる。
第2反応器(本質的には、画分(A)及び任意にプレ−ポリマー画分の存在下の画分(B)、図1参照)で重合されるポリエチレン画分のMFRを調整するために、好ましくは水素が反応器に導入される。水素供給物は、好ましくは250〜1000モル/kモル、より好ましくは450〜700モル/kモルの、第2反応器における水素とエチレンとの比を満たすために、エチレン供給物により調整される。画分(B)が最終ベース樹脂中で、最も低い平均分子量を有することが意図される。
第2反応器(本質的には画分(B))で製造されるポリエチレン画分は、好ましくはエチレンホモポリマー画分である。
コポリマーを重合する場合、コモノマーは、好ましくは、1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテン又はそれらの混合物を含む群から選択され、特に好ましいのは1−ヘキセンである。好ましい実施形態では、第1スラリー相反応器において、エチレンホモポリマーは、コモノマーがこの反応工程に供給されないように重合される。
滞留時間及び第2反応器中の重合温度は、典型的にはベース樹脂に対して、40〜50重量%、好ましくは42.5〜47.5重量%の量の、エチレンポリマー画分(本質的には、画分(A)及び任意にプレ−ポリマー画分の存在下での画分(B))を重合するように調整される。
従って、組み合わされた画分(A)及び(B)、並びに任意にプレ−ポリマー画分を含む、好ましくはこれらの画分からなる第2中間物質は、ベース樹脂に対して、50〜55重量%の量、好ましくは51〜54重量%の量、さらに好ましくは52〜53重量%の量で存在する。
第2反応器で製造される第2中間物質は、図1に示されるような第3重合工程のため、第3反応器、好ましくは気相反応器に移送される。
ポリマースラリーを第3反応器に移送する前に、ポリマースラリーから炭化水素を実質的に除去するために洗浄工程へ、ポリマースラリーを供することができる。洗浄工程は、好ましくは、2〜10バールの圧力及び50〜100℃の温度で操作されるフラッシュ容器で行われる。洗浄工程を適用した後、第2反応器中で製造される第2中間物質は、第3反応器に移送される。
第3反応器、好ましくは第3重合工程における流動床気相反応器の温度は、典型的には50〜100℃、好ましくは65〜90℃である。圧力は、典型的には10〜40バール、好ましくは15〜30バールである。
流動床気相反応器において、オレフィンは重合触媒の存在下、上方に移動するガス流中で重合される。反応器は、典型的には、流動化グリッドの上方に位置する活性触媒を含む成長するポリマー粒子を含有する流動床を含む。
ポリマー床は、オレフィンモノマー、最終的にはコモノマー、最終的には連鎖成長制御剤又は連鎖移動剤、例えば水素及び最終的には不活性ガスを含む流動化ガスを用いて流動化される。それに関して、不活性ガスは、スラリー相反応器において使用される不活性ガスと同一又は異なってよい。流動化ガスは、反応器の底部で入口チャンバ内に導入される。ガス流が入口チャンバの断面表面積にわたって均一に分布していることを確かめるために、入口パイプは、当技術分野(例えばUS-A-4,933,149及びEP-A-684871)で知られているような分流要素を備えてよい。
入口チャンバからのガス流は、流動化グリッドを通って流動床へと上向きに通過する。流動化グリッドの目的は、床の断面積を通って均等にガス流を分割することである。時には流動化グリッドは、WO-A-2005/087261に開示されているように、反応器壁に沿って掃引するガス流を確立するように構成されてよい。他の種類の流動化グリッドは、とりわけ、US-A-4,578,879、EP600414及びEP-A-721798に開示されている。概要はGeldart及びBayens:The Design of Distributors for Gas-fluidised Beds、Powder Technology、Vol.42、1985で説明されている。
流動化ガスは、流動床を通過する。流動化ガスの空塔速度は、流動床に含まれる粒子の最小流動化速度よりも大きくなければならない。そうでなければ流動化が起こらないからである。一方、ガスの速度は、空気輸送の開始速度よりも小さくすべきである。そうでなければ床全体が流動化ガスに同伴されるからである。一般的な技術的手法を使用することによって粒子特性が知られている場合、最小流動化速度及び空気輸送の開始速度を計算することができる。概要は、とりわけ、Geldart:Gas Fluidisation Technology、J.Wiley & Sons、1996で説明されている。
流動化ガスを活性触媒を含有する床と接触させた場合、ガスの反応性成分、例えばモノマー及び連鎖移動剤は、触媒の存在下で反応して、ポリマー生成物を製造する。同時に、ガスは反応熱によって加熱される。
次いで、未反応の流動化ガスは反応器の頂部から取り出され、圧縮され、反応器の入口チャンバ内に再循環される。反応器内に入る前に、新鮮な反応物は、反応及び生成物排出によって生じる損失を補うために、流動化ガス流に導入される。流動化ガスの組成を分析し、組成を一定に保つためにガス成分を導入することは、一般に知られている。実際の組成は、生成物の所望の特性及び重合に使用する触媒によって決定される。
その後、ガスは反応熱を除去するために熱交換器中で冷却される。ガスは、床が反応のために加熱されるのを防止するために床よりも低い温度に冷却される。ガスをその一部が凝縮する温度に冷却することが可能である。液滴が反応ゾーンに入る際にそれらは気化する。気化熱はその時反応熱の除去に寄与する。この種の動作は凝縮モードと呼ばれ、その変形は、とりわけ、WO-A-2007/025640、US-A-4,543,399、EP-A-699213及びWO-A-94/25495に開示されている。また、EP-A-696293に開示されているように、再循環ガス流に縮合剤を添加することも可能である。縮合剤は、非重合性成分、例えばプロパン、n-ペンタン、イソペンタン、n-ブタン又はイソブタンであり、それらは冷却器中で少なくとも部分的に凝縮されている。
ポリマー生成物は、連続的又は断続的に気相反応器から排出することができる。これらの方法の組合せを用いてもよい。連続的な排出は、とりわけ、WO-A-00/29452において開示されている。断続的な排出は、とりわけ、US-A-4,621,952、EP-A-188125、EP-A-250169及びEP-A-579426に開示されている。
少なくとも1つの気相反応器の頂部には、いわゆる離脱領域が含まれてよい。そのような領域では、ガス速度を低減し、流動化ガスとともに床から運ばれた粒子が床に戻って落ち着くことができるように、反応器の直径は増大される。
床レベルは、当該技術分野で既知の異なる技術によって観察することができる。例えば、反応器の底部と床の特定の高さとの間の圧力差は、反応器の全長にわたって記録されてもよく、床レベルは、圧力差の値に基づいて計算されてよい。このような計算によって時間平均レベルが得られる。また、超音波センサー又は放射性センサーを使用することも可能である。これらの方法で、瞬間的なレベルを得ることができ、当然、次にそれを時間で平均化して時間平均床レベルを得ることができる。
また、必要に応じて、帯電防止剤(複数可)を少なくとも1つの気相反応器中に導入することができる。適当な帯電防止剤及びそれらを使用する方法は、とりわけ、US-A-5,026,795、US-A-4,803,251、US-A-4,532,311、US-A-4,855,370及びEP-A-560035に開示されている。それらは、通常、極性化合物であり、とりわけ、水、ケトン、アルデヒド及びアルコールを含む。
反応器は、流動床内の混合をさらに促進するために、機械的撹拌機を含んでよい。適当な撹拌機の設計の一例は、EP-A-707513に記載されている。
気相反応器(本質的には、組み合わされた画分(A)及び(B)並びに任意にプレ−ポリマー画分の存在下の画分(C)、図1参照)で重合されるポリエチレン画分のメルトフローレートを調整するために、水素が反応器に導入される。水素供給は、気相反応器における水素とエチレンとの比が、好ましくは1〜30モル/kモル、より好ましくは3〜20モル/kモル、さらに好ましくは5〜15モル/kモルを満たすために、エチレン供給により調整される。
気相反応器(本質的には画分(C))で製造されるポリエチレン画分は、エチレンコポリマー画分である。このため、流動化ガス流は、好ましくは炭素数3〜12、より好ましくは炭素数4〜8のα−オレフィンコモノマー単位からなる群から選択されるコモノマーを含む。適当なα−オレフィンコモノマー単位は、1−ブテン、1−ヘキセン及び1−オクテンである。さらに好ましくは、1−ヘキセンがコモノマーとして使用される。気相反応器で使用されるコモノマーは、第1ループ反応器及び/又は第2ループ反応器で使用されるものと同一又は異なってよい。
気相反応器における滞留時間及び重合温度は、典型的には、ベース樹脂に対して、45〜50重量%の量、好ましくは46〜49重量%、より好ましくは47〜48重量%の量で、エチレンコポリマー画分(本質的には、組み合わされた画分(A)及び(B)、並びに任意にプレ−ポリマー画分の存在下の画分(C))を重合するように調整される。
さらに、第1の好ましい実施態様(図1に示される1)における画分(A)、(B)及び(C)、又は第2の好ましい実施態様(図1に示される2)におけるプレ−ポリマー画分とともに画分(A)、(B)及び(C)を含む、好ましくはこれらの画分からなる、気相反応器から現れる最終ポリエチレンベース樹脂は、好ましくはISO1183−1:2004に従って測定される946.0kg/mを超え955.0kg/m以下、好ましくは948.0kg/m〜953.0kg/m、より好ましくは949.0kg/m〜952.5kg/m、さらに好ましくは950.0kg/m〜952.0kg/mの密度を有する。
本発明のより好ましい実施態様において、気相反応器から現れる最終ポリエチレンベース樹脂は、プレ−ポリマー画分を含まない、すなわち、第1実施態様(図1に示される1)が好ましい。
本発明の触媒系、すなわち、本発明の触媒及び共触媒は、好ましくは第1重合反応器に供給される。予備重合工程が使用される場合、触媒は予備重合工程に供給される(図1参照)。
最も好ましくは、予備重合工程は使用されない。
触媒は、当技術分野で知られる任意の手段により重合領域に移送してよい。従って、希釈剤中で触媒を懸濁し、均質なスラリーとしてそれを維持することが可能である。特に好ましいのは、WO-A-2006/063771に開示されているように、20〜1500mPa・sの粘度を有する油を希釈剤として使用することである。また、触媒をグリースと油との粘性混合物と混合し、得られたペーストを重合領域に供給することも可能である。なおさらに、例えばEP-A-428054に開示されるような方法で、触媒を沈降させて、これにより得られる触媒泥の部分を重合領域に導入することが可能である。
本発明の一実施形態では、当該方法は重合工程に先だって予備重合工程をさらに含んでよい。予備重合の目的は、低温及び/又は低モノマー濃度で、触媒上に少量のポリマーを重合することである。予備重合により、スラリー中の触媒の性能を改善する及び/又は最終ポリマーの特性を改良することが可能である。予備重合工程は、スラリー又は気相中で行ってよい。好ましくは、予備重合はスラリー、好ましくはループ反応器中で行ってよい。従って、予備重合工程は、ループ反応器中で行うことができる。予備重合は、好ましくは、不活性希釈剤、典型的には炭化水素希釈剤、例えばメタン、エタン、プロパン、n-ブタン、イソブテン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタンなど又はそれらの混合物中で行われる。好ましくは、希釈剤は、炭素数1〜4の低沸点炭化水素又はこのような炭化水素の混合物である。最も好ましい希釈剤はプロパンである。
予備重合工程における温度は、典型的には0〜90℃、好ましくは20〜80℃、より好ましくは40〜70℃である。
圧力は重要ではなく、典型的には1バール〜150バール、好ましくは10バール〜100バールである。プレ−ポリマーの分子量は、当該分野で知られるような水素により制御してよい。さらに、WO-A-96/19503及びWO-A-96/32420に開示されるように、帯電防止添加剤を使用して、粒子が、互いに又は反応器の壁に付着するのを防止してよい。
触媒成分は、好ましくは、全て予備重合工程に導入される。しかしながら、固体触媒成分及び共触媒が別々に供給される場合には、共触媒の一部のみを予備重合工程に、残りの部分を後続の重合工程に導入することが可能である。また、このような場合、十分な重合反応(図1参照)を得るために必要な量の共触媒を予備重合工程に導入することが必要である。
予備重合工程を含む実施態様は推奨されない。従って、本発明の好ましい実施形態では、方法は予備重合工程を含まない。
本発明のポリエチレン組成物は、好ましくは、典型的には反応器からベース樹脂粉末として得られるベース樹脂を押出機で押出し、次いで当技術分野で既知の方法でポリマーペレットにペレット化して本発明のポリエチレン組成物を形成する配合工程をさらに含む多段階法で製造される。
任意に、配合工程の間に上記に記述される量の添加剤又は他のポリマー成分を、ベース樹脂に添加することができる。
さらなるポリマー成分の添加は、本発明の全ポリエチレン組成物に対して、3重量%未満、好ましくは2重量%未満の量に制限されることが好ましい。
好ましくは、反応器から得られる本発明のベース樹脂は、当技術分野において既知の方法で添加剤とともに押出機中で配合される。
押出機は、例えば、通常用いられる任意の押出機であってよい。本配合工程のための押出機の一例として、Japan Steel works、Kobe Steel又はFarrel-Pominiにより供給されるもの、例えばJSW 460P又はJSW CIM90Pが挙げられる。
一実施形態では、押出工程は、パイロット製造規模で、200kg/h〜600kg/h、より好ましくは250kg/h〜400kg/hの供給速度を用いて行われる。好ましくは処理能力は、典型的には工業生産において、10〜50トン/時間である。
以下の条件は、パイロット生産規模及び工業生産の両方に当てはまる。押出機のスクリュー速度は、好ましくは300rpm〜500rpm、より好ましくは350rpm〜450rpmである。
好ましくは、前記押出工程において、押出機のSEI(比エネルギー投入)は、200kWh/トン〜300kWh/トン、より好ましくは220kWh/トン〜280kWh/トンであり、前記SEIは、本質的に限られた有効性を無視する押出機の電気入力から直接的に計算される。
該押出工程における溶融温度は、好ましくは220℃〜320℃、より好ましくは250℃〜290℃である。
好ましくは4領域を有する押出機の領域温度は、以下のように設定される。領域1は、好ましくは80〜120℃に設定される。領域2は、好ましくは180〜220℃に設定される。領域3は、好ましくは230〜270℃に設定される。領域4は、好ましくは160〜200℃に設定される。より好ましくは領域4は、以下:
90〜110℃の領域1、190〜210℃の領域2、240〜260℃の領域3、及び170〜190℃の領域4
のように設定される。
さらに、本発明は、上述のポリエチレン組成物を含む、又は上述の方法により製造される物品、好ましくはパイプ又はパイプ綱手、及び物品、好ましくはパイプ製造のための、そのようなポリエチレン組成物の使用に関する。
パイプ製造
ポリマーパイプは一般に、押出成形によって、又は少ない程度で射出成形によって製造される。ポリマーパイプの押出成形のための従来のプラントは、押出機、ダイヘッド、較正装置、冷却装置、引抜き装置並びにパイプを切断及び/又は巻き取るための装置を備えている。
圧力パイプで使用するためのポリエチレン材料の製造は、Scheirsら(Scheirs、Boehm, Boot及びLeevers:PE100 Resins for Pipe Applications、 TRIP Vol. 4、No.12(1996)pp.408−415)による論文で論じられている。著者らは、生産技術及びPE100パイプ材料の特性について議論している。著者らは、低速亀裂成長及び高速伝播を最適化するために、適切なコモノマー分布及び分子量分布の重要性を指摘している。
1.定義
a)メルトフローレート
メルトフローレート(MFR)は、ISO1133に従って測定され、g/10分で示される。MFRは、ポリマーの流動性、及びそれゆえ加工性の指標である。メルトフローレートが高いほど、ポリマーの粘度が低い。ポリマーのMFRは、温度190℃及び加重5kgで測定され、ポリマーのMFRは、温度190℃及び加重2.16kgで測定され、及びポリマーのMFR21は、温度190℃及び加重21.6kgで測定される。量FRR(フローレート比)は、異なる加重におけるフローレートの比を示す。従って、FRR21/5は、MFR21/MFRの値を示す。
b)密度
ENISO1872−2(Feb2007)に従って調製した圧縮成形試料のポリマーの密度をISO1183−1:2004方法Aに従って測定し、kg/mを示す。
c)コモノマー含有量
定量的核磁気共鳴(NMR)分光法を用いて、ポリマーのコモノマー含有量を定量化した。
H及び13Cのためにそれぞれ500.13及び125.76MHzで動作するBruker Advance III 500 NMR分光計を用いて、定量的13C{H}NMRスペクトルを溶融状態で記録した。13Cに最適化された7mmのマジック角回転(MAS)プローブヘッドを使用し、全ての空気圧のために窒素ガスを用いて150℃で、全てのスペクトルを記録した。約200mgの材料を外径7mmのジルコニア製のMASローターに充填し、4kHzで回転させた。このセットアップは主に、迅速な同定及び正確な定量のために必要な高い感度により選択した。{[1]、[2]、[6]}。3秒の短い待ち時間での過渡的NOE{[1]、[3]}及びRSHEPTデカップリングスキーム{[4]、[5]}を利用して、標準単一パルス励起を用いた。1024(1K)過渡状態の合計をスペクトルごとに取得した。このセットアップは、低コモノマー含有量に対するその高い感度により選択した。
定量的13C{1H}NMRスペクトルを処理、集積し、カスタムスペクトル分析自動化プログラムを用いて定量的特性を決定した。全ての化学シフトは、30.00ppmでのバルクメチレンシグナル(δ+)を内部的に基準にしている{[9]}。
1−ヘキセンの組み込みに対応する特徴的なシグナルを観察し{[9]}、全ての含有量をポリマー中に存在する全ての他のモノマーに対して計算した。
Figure 2016531985
他のコモノマー配列を示す他のシグナル、すなわち連続したコモノマーの組み込みなしで、観察された全1−ヘキセンコモノマー含有量を単離された1−ヘキセン配列の量のみに基づいて計算した:
Figure 2016531985
飽和末端基から得られた特徴的なシグナルを観察した。そのような飽和末端基の含有量を、2秒及び3秒の部位にそれぞれ割り当てられた22.84及び32.23ppmでのシグナルの積分の平均値を用いて定量化した:
Figure 2016531985
エチレンの相対的含有量は、30.00ppmのバルクメチレン(δ+)シグナルの積分を用いて定量した。:
Figure 2016531985
全エチレンコモノマー含有量は、バルクメチレンシグナル及び他の観察されたコモノマー配列又は末端基に存在するエチレン単位の算定を基に計算した:
Figure 2016531985
ポリマー中の1−ヘキセンの全モル分率を次のように計算した:
Figure 2016531985
モルパーセントでの1−ヘキセンの全コモノマー組み込みを通常の方法でモル分率から計算した:
Figure 2016531985
重量パーセントでの1−ヘキセンの全コモノマー組み込みは、標準的な方法でモル分率から計算した:
Figure 2016531985
参照:
[1] Klimke, K., Parkinson, M., Piel, C., Kaminsky, W., Spiess, H.W., Wilhelm, M., Macromol. Chem. Phys. 2006; 207:382.
[2] Parkinson, M., Klimke, K., Spiess, H.W., Wilhelm, M., Macromol. Chem. Phys. 2007; 208:2128.
[3] Pollard, M., Klimke, K., Graf, R., Spiess, H.W., Wilhelm, M., Sperber, O., Piel, C., Kaminsky, W., Macromolecules 2004; 37:813.
[4] Filip, X., Tripon, C., Filip, C., J. Mag. Reson. 2005, 176, 239.
[5] Griffin, J.M., Tripon, C., Samoson, A., Filip, C., and Brown, S.P., Mag. Res. in Chem. 2007, 45, S1, S198.
[6] Castignolles, P., Graf, R., Parkinson, M., Wilhelm, M., Gaborieau, M., Polymer 50 (2009) 2373.
[7] Zhou, Z., Muemmerle, R., Qiu, X., Redwine, D., Cong, R., Taha, A., Baugh, D. Winniford, B., J. Mag. Reson. 2007, 187, 225.
[8] Busico, V., Carbonniere, P., Cipullo, R., Pellecchia, R., Severn, J., Talarico, G., Macromol. Rapid Commun. 2007, 28, 1128.
[9] J. Randall, Macromol. Sci., Rev. Macromol. Chem. Phys. 1989, C29, 201.
d)レオロジーパラメータ
動的剪断測定によるポリマーメルトの特性評価は、ISO規格の6721−1及び6721−10に従う。25mmの平行板体を備えたAnton Paar MCR501応力制御回転式レオメーターで測定を行った。窒素雰囲気において、ひずみが線形粘弾性状態となるように設定して、圧縮成形板で測定を行った。190℃で、0.01〜600rad/sの範囲の周波数を加え、1.3mmの隙間を設けて、振動剪断試験を行った。
動的剪断実験では、正弦波的に変動する剪断ひずみ又は剪断応力(それぞれ、ひずみ及び応力制御モード)でプローブを均質変形に供する。制御されたひずみ実験では、プローブは、以下の式で表すことができる正弦波ひずみに供される。
Figure 2016531985
加えられるひずみが線形粘弾性領域内であれば、結果として生ずる正弦波応力反応は、以下の式で得ることができる。
Figure 2016531985
(式中、σ及びγはそれぞれ応力及びひずみ振幅であり;ωは角周波数であり;δは位相シフト(加えられるひずみと応力応答との間の損失角)であり;tは時間である)
動的試験結果は、典型的には、いくつかの異なるレオロジー関数、すなわち、剪断貯蔵弾性率G’、剪断損失弾性率G”、複素剪断弾性率G、複素剪断粘度η、動的剪断粘度η’、複素剪断粘度の同相ではない成分η”及び損失正接によって表され、正接ηは次のように表すことができる。
Figure 2016531985
MWDと相関し、Mwに依存しない、いわゆる剪断減粘指数は、式9に記述されたようにして求められる。
Figure 2016531985
例えば、SHI(2.7/210)は、2.7kPaに等しいGの値に関して求められる複素粘度の値(Pa・s)を、210kPaに等しいGの値に関して求められる複素粘度の値(Pa・s)で割ったもので定義される。
貯蔵弾性率(G’)、損失弾性率(G”)、複素弾性率(G)及び複素粘度(η)の値を周波数(ω)の関数として得た。
これに関して、例えば、η 300rad/s(eta 300rad/s)は、300rad/sの周波数での複素粘度の略語として使用され、η 0.05rad/s(eta 0.05rad/s)は、0.05rad/sの周波数での複素粘度の略語として使用される。
損失正接tan(デルタ)は、得られる周波数での損失弾性率(G”)と貯蔵弾性率(G’)との比と定義される。これに関して、例えば、tan0.05は、0.05rad/sにおける損失弾性率(G”)と貯蔵弾性率(G’)との比の略語として使用され、tan300は、300rad/sにおける損失弾性率(G”)と貯蔵弾性率(G’)との比の略語として使用される。
弾性バランスtan0.05/tan300は、損失正接tan0.05と損失正接tan300との比と定義される。
上記の述べたレオロジー関数に加えて、いわゆる弾力性指数EI(x)などの他のレオロジーパラメータも決定することができる。弾力性指数EI(x)は、x kPaの損失弾性率(G”)の値に対して決定される貯蔵弾性率G’の値であり、式10によって記載することができる。
Figure 2016531985
例えば、EI(5kPa)は、5kPaに等しいG”の値に対して決定される貯蔵弾性率G’の値によって定義される。
粘度eta747Paは、非常に低い747Paという一定の剪断応力で測定され、ポリエチレン組成物の重力流に反比例する、すなわち、eta747Paが大きいほど、ポリエチレン組成物のたるみは小さくなる。
多分散度、PIは式11によって定義される。
Figure 2016531985
(式中、ωcopは、貯蔵弾性率G’が損失弾性率G”に等しい角周波数として決定される、クロスオーバー角周波数である)
値は、Rheoplusソフトウェアによって定義される一点補間手順によって決定される。実験的に所与のG値に達していない状況において、値は前と同じ手順を用いて外挿によって決定される。いずれの場合も(補間又は外挿)、Rheoplusからのオプションの「Interpolate y-values to x-values from parameter」及び「logarithmic interpolation type」を適用した。
参照:
[1]「Rheological characterization of polyethylene fractions」, Heino, E.L., Lehtinen, A., Tanner J., Seppaelae, J., Neste Oy, Porvoo, Finland, Theor. Appl. Rheol., Proc. Int. Congr. Rheol, 11th (1992), 1, 360-362.
[2]「The influence of molecular structure on some rheological properties of polyethylene」, Heino, E.L., Borealis Polymers Oy, Porvoo, Finland, Annual Transactions of the Nordic Rheology Society, 1995.
[3]「Definition of terms relating to the non-ultimate mechanical properties of polymers」, Pure & Appl. Chem., Vol. 70, No. 3, pp. 701-754, 1998.
e)均質性の測定/白点評価(WSR)
配合した組成物の白点評価は、ISO18553/2002−03−01に従って以下のように測定する。
1回の配合工程の後に得られる組成物のペレットは、各ペレットから1切片(厚さ切片20±2μm)を用いた6つの異なるペレットを集めて分析する。白点評価の測定用切片は、回転式ミクロトーム型ライカRM2265を用いてペレット(試料)の中央近傍を採取すべきである。好ましくはペレタイザー全体に通して溶融の流れ方向にカットする。
切片は、100倍に拡大して評価し、各切片の全表面にある着色されていない含有物(「白点」=顔料でない、ポリマーの高分子量凝集体/粒子)の大きさ及び数を測定する。5μmより大きな直径を有する全ての白点をカウントする。Maerzhaeuser製のXYZ自動ステージを有する透過光顕微鏡オリンパスBX41、及びオリンパス製の粒子インスペクタソフトウェアを使用した。
白点評価試験「均質性」は、ISO18553/2002−03−01に基づく。この試験では、上記に記述されたような1回の配合工程の後に存在する組成物の、白点として現れる不均質部分を、ISO18553/2002−03−01に示される評価スキームに従って測定し評価する。この試験で組成物が低く評価されるほど(高分子量粒子の量が少ないほど)、組成物の均質性は良好である。
f)引張弾性率及び引張特性
剛性の測定と同様、組成物の引張弾性率(E−弾性率)を、圧縮成形標本に関して23℃で、ISO527−2:1993により測定した。標本(1B型)は、ISO1872−2:2007の第3.3章中に規定された条件を用いて、ISO293:2004による圧縮成形によって調製された厚さ4mmの小板から切り出した。弾性率は、1mm/分の速度で測定した。
引張破壊応力(%による)は、ISO527−1に従って、同じ試料により測定した。伸長速度50mm/分(クロスヘッド速度)、23℃で測定を行った。
g)シャルピ−衝撃強さ
シャルピー衝撃強さは、80104のVノッチ付試料に関して0℃(シャルピ−衝撃強度(0℃))でISO179/1eA:2000に従って測定した。試料は、ISO1872−2:2007の第3.3章中に規定された条件を使用し、ISO293:2004に従う圧縮成形によって調製された厚さ4mmの小板から切り出した。
h)パイプ小規模定常状態試験(S4試験)−高速亀裂伝播(RCP)
パイプの高速亀裂伝播(RCP)抵抗は、ロンドンのImperial Collegeで開発され、ISO13477:2008に記載されている、S4試験(小規模定常状態)と呼ばれる方法に従って測定できる。パイプの外径は、約110mm以上であり、その壁厚は、約10mm以上である。本発明との関連において、パイプのRCP特性を求める場合、外径及び壁厚はそれぞれ110mm及び10mmとなるように選択した。パイプの長さは785mmである。パイプの外部は周囲気圧(大気圧)であるが、パイプには内側から圧力を加え、パイプの内圧を4.0バールの正圧に保って一定にする。規格の長さは590mmである。パイプとその周囲の装置は、所定の温度に制御する。いくつものディスクがパイプ内のシャフトに装着され、試験の間中、減圧を防ぐ。高速に走る軸方向の亀裂を開始させるために、いわゆる開始領域の、パイプの一端に近い部分に向けて、明確な形及び1500gの質量を有するナイフ発射体を発射する。ナイフの速度は、16 +/− 1m/sである。パイプが不必要に変形するのを避けるため、橋台によって開始領域を設ける。関係する物質において、亀裂が開始するように試験装置を調整し、様々な温度でいくつもの試験を実施する。直径の4.7倍の全長を有する測定領域における軸方向の亀裂の長さを、各試験で測定し、設定試験温度に対してプロットする。亀裂の長さが直径の4.7倍を超えた場合、亀裂が伝播すると評価される。パイプが所与の温度で試験に合格した場合、パイプが試験にもはや合格しないが亀裂伝播が管径の4.7倍を超える温度に達するまで、温度を連続的に下げる。臨界温度(Tcrit)、すなわち、ISO13477:2008に従って測定される延性脆性遷移温度は、パイプが試験に合格する最低温度である。臨界温度が低いほど、パイプの適用範囲が広がることになる。
i)Mg、Al及びTi含有量/ICP分析
触媒の元素分析は、質量、Mの固体試料を採取することにより行われた。試料を、硝酸(HNO、65%、Vの5%)及び新鮮な脱イオン(DI)水(Vの5%)に溶解することにより、公知の体積、Vまで希釈した。溶液は、さらにフッ化水素酸(HF、40%、Vの3%)で処理し、DI水で最終体積、Vまで希釈し、2時間安定化させた。
分析は、ブランク(5%HNO及び3%HFの溶液)、及び0.5ppm、1ppm、10ppm、50ppm、100ppm及び300ppmの5%HNO及び3%HF溶液中のAl、Mg及びTiの標準試料を使用して較正したThermo Elemental iCAP 6300 Inductively Coupled Plasma - Optical Emission Spectrometer (ICP-OES)を使用して室温で実施した。
分析の直前に、ブランク及び100ppmの標準試料を使用して較正を、「傾斜補正」し、精度管理試料(DI水中、5%HNO、3%HF溶液中の20ppmのAl、Mg及びTi)を流して傾斜補正を確認する。QC試料はまた、5試料毎に、及び予定の分析セットの終了時にも流した。
Mgの含量は285.213nmラインを使用して、Tiの含量は336.121nmラインを使用して監視した。アルミニウムの含量は、ICP試料中のAl濃度が0〜10ppmの間である場合、167.079nmラインにより(100ppmに対してのみ較正)、10ppmを超えるAl濃度では396.152nmラインにより監視した。
報告値は、同じ試料から採取した3つの連続するアリコートの平均であり、試料の元の質量及び希釈体積をソフトウェアに入力することにより、元の触媒に関連づける。
j)触媒の粒度
粒度は、媒体としてn−ヘプタンを用いて、室温で、Coulter Counter LS 200によって測定される。
2.物質
a)触媒の調製
錯体の調製:
トルエン87kgを反応器に加えた。次いで、ヘプタン中、Bomag A(ブチルオクチルマグネシウム)45.5kgをまた反応器中に添加した。次いで、161kg、99.8%の2−エチル−1−ヘキサノールを24〜40kg/hの流量で反応器に導入した。BOMAG−Aと2−エチル−1−ヘキサノールとのモル比は1:1.83であった。
固体触媒成分の調製:
330kgのシリカ(焼成シリカ、Sylopol(商標登録)2100)及びペンタン(0.12kg/kgの担体)を、触媒調製反応器に充填した。次いで、EADC(エチルアルミニウムジクロリド)(2.66モル/kgシリカ)を、2時間、40℃未満の温度で反応器に添加し、1時間混合を続けた。混合の間、温度は40〜50℃であった。次いで、上述したように調製されたMg錯体を50℃で2時間添加し(2.56モルMg/kgシリカ)、40〜50℃で1時間混合を続けた。0.84kgペンタン/kgシリカを反応器に添加し、温度40〜50℃で4時間、スラリーを撹拌した。最後に、55℃で少なくとも1時間、反応器にTiCl(1.47モル/kgシリカ)を添加した。スラリーを50〜60℃で5時間撹拌した。次いで、窒素でパージすることにより、触媒を乾燥させた。
調製した触媒成分のモル組成は:
Al/Mg/Ti=1.5/1.4/0.8(モル/kgシリカ)
である。
b)本発明の実施例lE1の多段階重合
容積50dmの第1ループ反応器を、50℃及び圧力60バールに動作させた。
第1ループリアクター中に、表1に示される供給速度の窒素中、40kg/hのプロパン希釈剤、エチレン及び25体積%の水素を含有する気体混合物を導入した。さらに、上述に従って調製された重合触媒を、表1に示される速度で、反応器に導入した。共触媒として使用されるTEAも、ループ反応器に供給した。共触媒は反応器に導入しなかった。第1ループ反応器の条件を表1に示す。
ポリマースラリーを第1ループ反応器から排出し、容積500dmの第2ループ反応器に移送した。第2ループ反応器は、温度95℃及び圧力54バールで動作された。第2ループ反応器中へ、表1に示されるような供給速度の窒素中、100kg/hのプロパン希釈剤、エチレン及び25体積%の水素を含有する気体混合物を導入した。共触媒として使用されるさらなるTEA及びさらなるコモノマーは、反応器に導入しなかった。第2ループ反応器の条件を表1に示す。
次いで、ポリマースラリーを第2ループ反応器から排出し、圧力3バール及び温度70℃で動作するフラッシュ容器に移送し、ここで炭化水素を実質的にポリマーから除去した。
その後、温度85℃及び圧力20バールで動作された気相反応器にポリマーを導入した。表1に示される条件で重合を継続して行った。
得られたポリマーを、最終組成物に基づき、2200ppmのIrganox B225、1500ppmのCa−ステアレート及び2.3%のカーボンブラックにより安定化させた。カーボンブラックの添加のために、39.5重量%のカーボンブラック(Cabot製のElftex TP)、0.1重量%のIrganox 1010(チバ製、現在BASFの一部)、並びに5.7重量%の量において、1.7重量%のコモノマー含有量、30g/10分のMFR(2.16kg、190℃、ISO1133)及び959kg/mの密度を有する60重量%のエチレン−ブチレンコポリマーを使用した。その後、得られたポリマーを、異方向回転二軸スクリュー押出機CIM90P(日本製鋼所製)により押出してペレットにした。条件を表1に示す。
c)比較例CE1〜CE3
比較例CE1
体積500dmを有するループ反応器を、温度95℃及び圧力58バースで動作させた。反応器中に、表1に示される供給速度の窒素中、117kg/hのプロパン希釈剤、エチレン及び25体積%の水素を含有する気体混合物を導入した。さらに上述に従って調製された重合触媒を、表1に示される速度で、反応器に導入した。共触媒として使用されるTEAも、ループ反応器に供給した。共触媒は反応器に導入しなかった。反応器の条件を表1に示す。
ポリマースラリーをループ反応器から排出し、圧力3バール及び温度70℃で動作するフラッシュ容器に移送し、ここで炭化水素を実質的にポリマーから除去した。その後、温度85℃及び圧力20バールで動作された気相反応器中にポリマーを導入した。
表1に示される条件で重合を継続して行った。
得られたポリマーを、最終組成物に基づき、2200ppmのIrganox B225、1500ppmのCa−ステアレート及び2.3%のカーボンブラックにより安定化させた。カーボンブラックの添加のために、39.5重量%のカーボンブラック(Cabot製のElftex TP)、0.1重量%のIrganox 1010(チバ製、現在BASFの一部)、並びに5.7重量%の量において、1.7重量%のコモノマー含有量、30g/10分のMFR(2.16kg、190℃、ISO1133)及び959kg/mの密度を有する60.4重量%のエチレン−ブチレンコポリマーを使用した。その後、得られたポリマーを、異方向回転二軸スクリュー押出機CIM90P(日本製鋼所製)により押出してペレットにした。条件を表1に示す。
比較例CE2
予備重合工程を加えた以外は、上述の反応手順を繰り返した。触媒及び共触媒TEAを予備重合容器に供給した。
比較例CE3
ボレアリス製の市販のバイモーダルHDPE HE3490−LS−Hと、Jingchem社から購入したUHMW PEホモポリマー(MFR210.03g/10分、密度934kg/m、Mv1,150,000g/モル)10重量%とのブレンドを、同方向回転二軸スクリュー押出機を用いて、従来の押出し条件で調製した。押出しは、230〜240℃及び120rpmで行った。対応するブレンドの特性を表1に示す。
Figure 2016531985
Figure 2016531985
Figure 2016531985
Figure 2016531985
Figure 2016531985

Claims (15)

  1. ISO1183−1:2004に従って測定される946.0kg/mを超え955.0 kg/m以下の密度を有するベース樹脂を含むポリエチレン組成物であって、ISO1133に従って測定される1.7〜7.0g/10分のメルトフローレートMFR21(190℃、21.6kg)、及びISO1133に従って測定される10を超え40以下の、MFR21(190℃、21.6kg)とMFR(190℃、5kg)との比であるフローレート比FRR21/5を有する、ポリエチレン組成物。
  2. 前記組成物は、10〜90の剪断減粘指数SHI2.7/210を有する、請求項1に記載のポリエチレン組成物。
  3. 前記組成物は、4,500,000Pa・s〜10,000,000Pa・sの、747Paの一定応力における粘度eta747Paを有する、請求項1又は2に記載のポリエチレン組成物。
  4. 前記組成物は、1.0Pa−1以上3.5Pa−1未満の範囲の多分散指数PIを有する、請求項1〜3のいずれかに記載のポリエチレン組成物。
  5. 前記ベース樹脂は、0.05モル%以上1モル%以下の、炭素数3〜12を有するα−オレフィン由来の単位含量を有する、請求項1〜4のいずれかに記載のポリエチレン組成物。
  6. ISO1133に従って測定される0.12〜0.21g/10分のメルトフローレートMFR(190℃、5kg)を有する、請求項1〜5のいずれかに記載のポリエチレン組成物。
  7. 前記組成物は、ISO18553/200−03−01に従って測定される6未満の白点評価を有する、請求項1〜6のいずれかに記載のポリエチレン組成物。
  8. ベース樹脂は、重量平均分子量Mwの異なる少なくとも3つのエチレンホモ−又はコポリマー画分(A)、(B)及び(C)を含み、
    ここで、前記画分(A)及び(B)は、ともにエチレンホモポリマーであり、画分(C)は、エチレンと炭素数3〜12を有する少なくとも1つのα−オレフィンコモノマー単位とのコポリマーであり、
    画分(A)は、0.01〜1.5g/10分のメルトフローレートMFR21(190℃、21.6kg)を有し、
    組み合わされた画分(A)及び(B)は、15〜50g/10分のメルトフローレートMFR(190℃、2.16kg)を有し、及び
    ここで、画分(A)は、ベース樹脂に対して、2.5〜15重量%の量で存在し、
    及び組み合わされた画分(A)及び(B)は、ベース樹脂に対して、50〜55重量%の量で存在する、ポリエチレン組成物。
  9. 多段階法により製造されるポリエチレン組成物であって、前記多段階法は、
    a)(i)Al 1.30〜1.65モル/kgシリカ、
    Mg 1.25〜1.61モル/kgシリカ、
    Ti 0.70〜0.90モル/kgシリカ、
    を含む触媒モル組成を有する、
    及び7〜15μm、好ましくは8〜12μmの平均粒度(D50)を有するシリカ担持チーグラーナッタ触媒の存在下、
    (ii)アルキルアルミニウム化合物及び連鎖移動剤の存在下、第1ループ反応器中で、
    エチレンを重合させ、
    0.01〜1.5g/10分のメルトフローレートMFR21(190℃、21.6kg)を有する第1中間物質を得ること、及び
    b)前記第1中間物質を第2ループ反応器に移送し、
    (i)エチレンを第2ループ反応器に供給し、
    (ii)前記第1中間物質をさらに重合させ、
    15〜50g/10分のメルトフローレートMFR(190℃、2.16kg)を有する第2中間物質を得ること、及び
    c)前記第2中間物質を気相反応器に移送し、
    (i)エチレン及びコモノマーを前記気相反応器に供給し、
    (ii)前記第2中間物質をさらに重合させ、
    ISO1183-1:2004に従って測定される946kg/mを超え955kg/m以下の密度を有するベース樹脂を得ること、及び
    d)ISO1133に従って測定される1.7〜7.0g/10分のメルトフローレートMFR21(190℃、21.6kg)、及びISO1133に従って測定される10を超え40以下の、MFR21(190℃、21.6kg)とMFR(190℃、5kg)との比であるフローレート比FRR21/5を有するポリエチレン組成物中に、安定剤及びカーボンブラックの存在下で、前記ベース樹脂を押し出すこと
    を含む、ポリエチレン組成物。
  10. 前記ベース樹脂は、重量平均分子量Mwの異なる少なくとも3つのエチレンホモ−又はコポリマー画分(A)、(B)及び(C)を含み、ここで、画分(A)、(B)及び(C)のうち、画分(A)は最も大きい重量平均分子量を有し、画分(B)は最も小さい重量平均分子量を有し、並びに画分(A)、(B)及び(C)を、多段階法において、任意順序の少なくとも3つの連続する反応器中で、重合させる、請求項1〜9のいずれかに記載のポリエチレン組成物を製造する方法。
  11. 多段階法は、以下の工程:
    a)(i)Al 1.30〜1.65モル/kgシリカ、
    Mg 1.25〜1.61モル/kgシリカ、
    Ti 0.70〜0.90モル/kgシリカ、
    を含む触媒モル組成を有する、
    及び7〜15μm、好ましくは8〜12μmの平均粒度(D50)を有するシリカ担持チーグラーナッタ触媒の存在下、
    (ii)アルキルアルミニウム化合物及び連鎖移動剤の存在下、第1ループ反応器中で、
    エチレンを重合させ、
    0.01〜1.5g/10分のメルトフローレートMFR21(190℃、21.6kg)を有する第1中間物質を得ること、及び
    c)前記第1中間物質を第2ループ反応器に移送し、
    (iii)エチレンを第2ループ反応器に供給し、
    (iv)前記第1中間物質をさらに重合させ、
    15〜50g/10分のメルトフローレートMFR(190℃、2.16kg)を有する第2中間物質を得ること、及び
    c)前記第2中間物質を気相反応器に移送し、
    (i)エチレン及びコモノマーを前記気相反応器に供給し、
    (ii)前記第2中間物質をさらに重合させ、
    ISO1183-1:2004に従って測定される946kg/mを超え955kg/m以下の密度を有するベース樹脂を得ること、及び
    d)ISO1133に従って測定される1.7〜7.0g/10分のメルトフローレートMFR21(190℃、21.6kg)、及びISO1133に従って測定される10を超え40以下の、MFR21(190℃、21.6kg)とMFR(190℃、5kg)との比であるフローレート比FRR21/5を有するポリエチレン組成物中に、安定剤及びカーボンブラックの存在下で、前記ベース樹脂を押し出すこと
    を含む、請求項10に記載の方法。
  12. 請求項1〜9のいずれかに記載のポリエチレン組成物を含む、物品。
  13. パイプ又はパイプ継手である、請求項12に記載の物品。
  14. −21.0℃以下のS4臨界温度を有する、請求項12又は13に記載のパイプ。
  15. 請求項1〜19のいずれかに記載のポリエチレン組成物の物品製造のための使用。
JP2016537165A 2013-10-10 2014-09-24 パイプ用途のためのポリエチレン組成物 Pending JP2016531985A (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
EP13004880.4A EP2860204B1 (en) 2013-10-10 2013-10-10 Polyethylene composition for pipe applications
EP13004880.4 2013-10-10
PCT/EP2014/002588 WO2015051879A1 (en) 2013-10-10 2014-09-24 Polyethylene composition for pipe applications

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2016531985A true JP2016531985A (ja) 2016-10-13

Family

ID=49328308

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016537165A Pending JP2016531985A (ja) 2013-10-10 2014-09-24 パイプ用途のためのポリエチレン組成物

Country Status (7)

Country Link
EP (1) EP2860204B1 (ja)
JP (1) JP2016531985A (ja)
KR (1) KR101711324B1 (ja)
CN (1) CN105899546B (ja)
AU (1) AU2014334200B2 (ja)
SA (1) SA516370681B1 (ja)
WO (1) WO2015051879A1 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016533415A (ja) * 2014-02-13 2016-10-27 ボレアリス・アクチェンゲゼルシャフトBorealis Ag 改善された機械的特性を有する、二峰性ポリエチレンと単峰性超高分子量ポリエチレンとのブレンド
JP2017066332A (ja) * 2015-10-02 2017-04-06 旭化成株式会社 エチレン−α−オレフィン共重合体及び樹脂組成物
JP2022528164A (ja) * 2019-10-07 2022-06-08 エルジー・ケム・リミテッド ポリエチレンおよびその塩素化ポリエチレン

Families Citing this family (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP3109275B1 (en) 2015-06-22 2017-08-09 Abu Dhabi Polymers Company Limited (Borouge) L.L.C. Polyethylene composition for pipe applications with improved sagging and extrusion properties
WO2016206959A1 (en) * 2015-06-26 2016-12-29 Basell Polyolefine Gmbh Polyethylene composition having high mechanical properties and processability
US20190256695A1 (en) * 2016-06-22 2019-08-22 Borealis Ag Polymer composition and a process for production of the polymer composition
CA3036991C (en) * 2016-11-25 2021-01-12 Borealis Ag Polymer composition comprising very high molecular weight, low molecularweight, and high molecular weight polyethylene fractions
EP3774929B1 (en) 2018-04-12 2022-02-02 SABIC Global Technologies B.V. Polyethylene composition
EP3647645A1 (en) 2018-10-31 2020-05-06 Borealis AG Polyethylene composition for high pressure resistant pipes
US20210317290A1 (en) 2018-10-31 2021-10-14 Borealis Ag Polyethylene composition for high pressure resistant pipes with improved homogeneity
CN113272339A (zh) * 2018-11-29 2021-08-17 博里利斯股份公司 聚合物生产工艺和聚合物
WO2021197769A1 (en) * 2020-03-30 2021-10-07 Sabic Global Technologies B.V. Thermoplastic materials for use in slurry transportation pipes
KR102395346B1 (ko) * 2020-10-20 2022-05-09 한화토탈에너지스 주식회사 폴리에틸렌 수지 조성물, 이의 제조방법 및 이로부터 제조된 성형품
KR102395347B1 (ko) * 2020-10-20 2022-05-09 한화토탈에너지스 주식회사 폴리에틸렌 수지 조성물 및 이의 제조방법
US11845814B2 (en) 2022-02-01 2023-12-19 Chevron Phillips Chemical Company Lp Ethylene polymerization processes and reactor systems for the production of multimodal polymers using combinations of a loop reactor and a fluidized bed reactor

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2000022040A1 (en) * 1998-10-14 2000-04-20 Borealis Technology Oy Polymer composition for pipes
EP1460105A1 (en) * 2003-03-20 2004-09-22 Borealis Technology Oy Polymer composition
US20090203848A1 (en) * 2004-11-03 2009-08-13 Borealis Technology Oy Multimodal polyethylene composition for pipes
EP2583998A1 (en) * 2011-10-21 2013-04-24 Borealis AG Polyethylene composition with high rapid crack propagation resistance and pressure resistance
EP2620472A1 (en) * 2012-01-24 2013-07-31 Borealis AG Poyethylene composition with improved low temperature perssure resistance

Family Cites Families (50)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US3242150A (en) 1960-03-31 1966-03-22 Phillips Petroleum Co Method and apparatus for the recovery of solid olefin polymer from a continuous path reaction zone
US3405109A (en) 1960-10-03 1968-10-08 Phillips Petroleum Co Polymerization process
US3324093A (en) 1963-10-21 1967-06-06 Phillips Petroleum Co Loop reactor
US3374211A (en) 1964-07-27 1968-03-19 Phillips Petroleum Co Solids recovery from a flowing stream
US4532311A (en) 1981-03-26 1985-07-30 Union Carbide Corporation Process for reducing sheeting during polymerization of alpha-olefins
US4621952A (en) 1981-07-28 1986-11-11 Union Carbide Corporation Fluidized bed discharge process
US4543399A (en) 1982-03-24 1985-09-24 Union Carbide Corporation Fluidized bed reaction systems
JPS6079540U (ja) 1983-11-08 1985-06-03 三井造船株式会社 気相流動層反応器のガス分散板支持装置
US4933149A (en) 1984-08-24 1990-06-12 Union Carbide Chemicals And Plastics Company Inc. Fluidized bed polymerization reactors
AU576409B2 (en) 1984-12-31 1988-08-25 Mobil Oil Corporation Fluidized bed olefin polymerization process
US4582816A (en) 1985-02-21 1986-04-15 Phillips Petroleum Company Catalysts, method of preparation and polymerization processes therewith
FR2599991B1 (fr) 1986-06-16 1993-04-02 Bp Chimie Sa Evacuation de produits presents dans un reacteur de polymerisation d'alpha-olefines en lit fluidise
US4855370A (en) 1986-10-01 1989-08-08 Union Carbide Corporation Method for reducing sheeting during polymerization of alpha-olefins
US5026795A (en) 1987-02-24 1991-06-25 Phillips Petroleum Co Process for preventing fouling in a gas phase polymerization reactor
US4803251A (en) 1987-11-04 1989-02-07 Union Carbide Corporation Method for reducing sheeting during polymerization of alpha-olefins
FI84319C (fi) 1989-11-14 1991-11-25 Neste Oy Anordning foer matning av en slammig katalytblandning till en polymerisationsreaktor.
US5565175A (en) 1990-10-01 1996-10-15 Phillips Petroleum Company Apparatus and method for producing ethylene polymer
FI89929C (fi) 1990-12-28 1993-12-10 Neste Oy Foerfarande foer homo- eller sampolymerisering av eten
IT1262933B (it) 1992-01-31 1996-07-22 Montecatini Tecnologie Srl Processo per la polimerizzazione in fase gas di alfa-olefine
DE69317485T2 (de) 1992-07-16 1998-07-09 Bp Chem Int Ltd Polymerisationsverfahren
US5381827A (en) 1992-11-30 1995-01-17 Sumitomo Chemical Company, Limited Gas distributor for use in gas phase polymerization apparatus
DE69433579T3 (de) 1993-04-26 2009-11-05 Univation Technologies, LLC, Houston Verfahren zur Polymerisation von Monomeren in Wirbelschichtbetten
KR100190268B1 (ko) 1993-04-26 1999-06-01 에인혼 해롤드 유동상에서 단량체를 중합시키는 방법
ZA943399B (en) 1993-05-20 1995-11-17 Bp Chem Int Ltd Polymerisation process
FI96745C (fi) 1993-07-05 1996-08-26 Borealis Polymers Oy Menetelmä olefiinien polymeroimiseksi leijupetipolymerointireaktorissa
FI96867C (fi) 1993-12-27 1996-09-10 Borealis Polymers Oy Leijupetireaktori
FI942949A0 (fi) 1994-06-20 1994-06-20 Borealis Polymers Oy Prokatalysator foer producering av etenpolymerer och foerfarande foer framstaellning daerav
FI101479B (fi) 1994-12-22 1998-06-30 Borealis Polymers Oy Menetelmä likaantumisen estämiseksi polymerointireaktoreissa
JP3497029B2 (ja) 1994-12-28 2004-02-16 三井化学株式会社 気相重合装置用ガス分散板
FI104827B (fi) 1995-04-12 2000-04-14 Borealis Polymers Oy Menetelmä likaantumisen ja kerrostumisen estämiseksi kaasufaasireaktoreissa
US6239235B1 (en) 1997-07-15 2001-05-29 Phillips Petroleum Company High solids slurry polymerization
FI111953B (fi) 1998-11-12 2003-10-15 Borealis Tech Oy Menetelmä ja laite polymerointireaktoreiden tyhjentämiseksi
GB0001914D0 (en) 2000-01-27 2000-03-22 Borealis Polymers Oy Catalyst
ES2255910T3 (es) 2000-04-13 2006-07-16 Borealis Technology Oy Composicion de polimero para tuberias.
DE60129444T2 (de) 2001-10-30 2007-10-31 Borealis Technology Oy Polymerisationsreaktor
ATE380200T1 (de) 2002-10-30 2007-12-15 Borealis Tech Oy Verfahren und vorrichtung zur herstellung von olefinpolymeren
US7084247B2 (en) 2004-03-11 2006-08-01 Peptimmune, Inc. Identification of self and non-self antigens implicated in autoimmune diseases
CA2560435C (en) * 2004-03-26 2011-05-24 Borealis Technology Oy A multimodal polyethylene polymer composition and its use in the production of pipes
ATE329941T1 (de) 2004-04-29 2006-07-15 Borealis Tech Oy Verfahren zur herstellung von polyethylen
US7193017B2 (en) 2004-08-13 2007-03-20 Univation Technologies, Llc High strength biomodal polyethylene compositions
ATE383400T1 (de) * 2004-11-03 2008-01-15 Borealis Tech Oy Multimodale polyethylenzusammensetzung mit verbesserter homogenität
PT1655334E (pt) * 2004-11-03 2007-03-30 Borealis Tech Oy Composição de polietileno multimodal com homogeneidade melhorada
DE602004015128D1 (de) 2004-12-17 2008-08-28 Borealis Tech Oy Verfahren zur Polymerisation von Olefinen in Gegenwart eines Olefin Polymerisationskatalysators
CN1923861B (zh) 2005-09-02 2012-01-18 北方技术股份有限公司 在烯烃聚合催化剂存在下的烯烃聚合方法
EP1760096A1 (en) 2005-09-05 2007-03-07 INEOS Manufacturing Belgium NV Polymer composition
US7589162B2 (en) 2006-02-22 2009-09-15 Chevron Philips Chemical Company Lp Polyethylene compositions and pipe made from same
ATE452937T1 (de) * 2007-04-25 2010-01-15 Borealis Tech Oy Rohr mit gegen extrem langsames risswachstum beständigem polyethylen
JP5374919B2 (ja) * 2007-05-18 2013-12-25 住友化学株式会社 エチレン系重合体組成物およびフィルム
ES2381849T3 (es) * 2008-11-17 2012-06-01 Borealis Ag Procedimiento multietapa para producir polietileno con formación de gel reducida
EP2570455A1 (en) * 2011-09-16 2013-03-20 Borealis AG Polyethylene composition with broad molecular weight distribution and improved homogeneity

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2000022040A1 (en) * 1998-10-14 2000-04-20 Borealis Technology Oy Polymer composition for pipes
EP1460105A1 (en) * 2003-03-20 2004-09-22 Borealis Technology Oy Polymer composition
US20090203848A1 (en) * 2004-11-03 2009-08-13 Borealis Technology Oy Multimodal polyethylene composition for pipes
EP2583998A1 (en) * 2011-10-21 2013-04-24 Borealis AG Polyethylene composition with high rapid crack propagation resistance and pressure resistance
EP2620472A1 (en) * 2012-01-24 2013-07-31 Borealis AG Poyethylene composition with improved low temperature perssure resistance

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016533415A (ja) * 2014-02-13 2016-10-27 ボレアリス・アクチェンゲゼルシャフトBorealis Ag 改善された機械的特性を有する、二峰性ポリエチレンと単峰性超高分子量ポリエチレンとのブレンド
JP2017066332A (ja) * 2015-10-02 2017-04-06 旭化成株式会社 エチレン−α−オレフィン共重合体及び樹脂組成物
JP2022528164A (ja) * 2019-10-07 2022-06-08 エルジー・ケム・リミテッド ポリエチレンおよびその塩素化ポリエチレン
JP7278654B2 (ja) 2019-10-07 2023-05-22 エルジー・ケム・リミテッド ポリエチレンおよびその塩素化ポリエチレン

Also Published As

Publication number Publication date
WO2015051879A1 (en) 2015-04-16
KR20160016911A (ko) 2016-02-15
EP2860204A1 (en) 2015-04-15
CN105899546A (zh) 2016-08-24
KR101711324B1 (ko) 2017-02-28
AU2014334200A1 (en) 2016-01-21
SA516370681B1 (ar) 2019-02-20
CN105899546B (zh) 2018-01-05
AU2014334200B2 (en) 2017-03-09
EP2860204B1 (en) 2018-08-01
WO2015051879A8 (en) 2015-11-26

Similar Documents

Publication Publication Date Title
AU2014334200B2 (en) Polyethylene composition for pipe applications
AU2012307751B2 (en) Polyethylene composition with broad molecular weight distribution and improved homogeneity
JP6212633B2 (ja) 耐高温性ポリエチレン及びその製造方法
KR101785881B1 (ko) 고온 저항성 폴리에틸렌 및 그 제조를 위한 방법
US9527934B2 (en) Polyethylene composition for pipe and pipe coating applications
JP5879444B2 (ja) 耐低速亀裂成長性が改善されたパイプを製造するためのマルチモーダルポリエチレン組成物
US20210317290A1 (en) Polyethylene composition for high pressure resistant pipes with improved homogeneity
US20220010046A1 (en) Polyethylene composition for high pressure resistant pipes

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20170119

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20170207

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20170502

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20171024

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20180731