JP2016522674A5 - - Google Patents

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本明細書に開示される本発明の態様は、細胞における標的遺伝子の発現を上方制御するのに有用な方法及び組成物を提供する。ある実施形態において、目的のタンパク質をコードする標的遺伝子のPRC2関連領域を標的とする一本鎖オリゴヌクレオチドが提供される。ある実施形態において、標的遺伝子(例えばヒト遺伝子)のPRC2関連領域を標的とし、それによりその遺伝子の上方制御を生じさせる一本鎖オリゴヌクレオチドが提供される。ある実施形態において、このような一本鎖オリゴヌクレオチドは、PRC2の媒介による標的遺伝子の抑制を軽減又は防止することにより標的遺伝子の発現を活性化又は増強する。ある実施形態において、標的遺伝子は表4に掲載される。ある実施形態において、このような一本鎖オリゴヌクレオチドは標的遺伝子の発現を活性化又は増強し、標的遺伝子の発現低下に関連する疾患を治療する。ある実施形態において、標的遺伝子の発現低下に関連する疾患は表4に掲載される。ある実施形態において、疾患に関連する表現型は、表4においてOMIM識別番号により参照される。
例えば、本発明は、以下の項目を提供する:
(項目1)
配列5’X−Y−Zを有する一本鎖オリゴヌクレオチドであって、ここで、Xは、任意のヌクレオチドであり、Yは、ヒトミクロRNAのシード配列ではない、長さ6ヌクレオチドのヌクレオチド配列であり、Zは、長さ1〜23ヌクレオチドのヌクレオチド配列であり、上記一本鎖オリゴヌクレオチドが、表4に掲載される標的遺伝子のPRC2関連領域の少なくとも8個の連続したヌクレオチドと相補的である、一本鎖オリゴヌクレオチド。
(項目2)
上記オリゴヌクレオチドが、3個以上の連続したグアノシンヌクレオチドを含まない、項目1に記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
(項目3)
上記オリゴヌクレオチドが、4個以上の連続したグアノシンヌクレオチドを含まない、項目1又は2に記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
(項目4)
上記オリゴヌクレオチドが、長さ8〜30ヌクレオチドである、項目1〜3のいずれか1項に記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
(項目5)
上記オリゴヌクレオチドが、長さ8〜10ヌクレオチドであり、PRC2関連領域の相補的配列のヌクレオチドの1、2、又は3個を除く全てが、シトシン又はグアノシンヌクレオチドである、項目1〜3のいずれか1項に記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
(項目6)
上記オリゴヌクレオチドの少なくとも1個のヌクレオチドが、ヌクレオチド類似体である、項目1〜5のいずれか1項に記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
(項目7)
上記少なくとも1個のヌクレオチド類似体が、上記少なくとも1つのヌクレオチド類似体を含まないオリゴヌクレオチドと比較して、1〜5℃の範囲のオリゴヌクレオチドのTmの増加をもたらす、項目6に記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
(項目8)
上記オリゴヌクレオチドの少なくとも1個のヌクレオチドが、2’O−メチルを含む、項目1〜7のいずれか1項に記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
(項目9)
上記オリゴヌクレオチドの各ヌクレオチドが、2’O−メチルを含む、項目1〜8のいずれか1項に記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
(項目10)
上記オリゴヌクレオチドが、少なくとも1個のリボヌクレオチド、少なくとも1個のデオキシリボヌクレオチド、又は少なくとも1個の架橋ヌクレオチドを含む、項目1〜8のいずれか1項に記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
(項目11)
上記架橋ヌクレオチドが、LNAヌクレオチド、cEtヌクレオチド又はENA修飾ヌクレオチドである、項目10に記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
(項目12)
上記オリゴヌクレオチドの各ヌクレオチドが、LNAヌクレオチドである、項目1〜6のいずれか1項に記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
(項目13)
上記オリゴヌクレオチドの上記ヌクレオチドが、デオキシリボヌクレオチドと2’−フルオロ−デオキシリボヌクレオチドを交互に含む、項目1〜6のいずれか1項に記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
(項目14)
上記オリゴヌクレオチドの上記ヌクレオチドが、デオキシリボヌクレオチドと2’−O−メチルヌクレオチドを交互に含む、項目1〜6のいずれか1項に記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
(項目15)
上記オリゴヌクレオチドの上記ヌクレオチドが、デオキシリボヌクレオチドとENAヌクレオチド類似体を交互に含む、項目1〜6のいずれか1項に記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
(項目16)
上記オリゴヌクレオチドの上記ヌクレオチドが、デオキシリボヌクレオチドとLNAヌクレオチドを交互に含む、項目1〜6のいずれか1項に記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
(項目17)
上記オリゴヌクレオチドの上記5’ヌクレオチドが、デオキシリボヌクレオチドである、項目13〜16のいずれか1項に記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
(項目18)
上記オリゴヌクレオチドの上記ヌクレオチドが、LNAヌクレオチドと2’−O−メチルヌクレオチドを交互に含む、項目1〜5のいずれか1項に記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
(項目19)
上記オリゴヌクレオチドの上記5’ヌクレオチドが、LNAヌクレオチドである、項目18に記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
(項目20)
上記オリゴヌクレオチドの上記ヌクレオチドが、上記デオキシリボヌクレオチドの上記5’及び3’末端の各々で、少なくとも1個のLNAヌクレオチドによってフランキングされているデオキシリボヌクレオチドを含む、項目1〜8のいずれか1項に記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
(項目21)
少なくとも2個のヌクレオチドの間に、ホスホロチオエートヌクレオチド間結合をさらに含む、項目1〜20のいずれか1項に記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
(項目22)
全ヌクレオチドの間に、ホスホロチオエートヌクレオチド間結合を含む、項目21に記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
(項目23)
上記オリゴヌクレオチドの上記3’位のヌクレオチドが、3’ヒドロキシル基を有する、項目1〜22のいずれか1項に記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
(項目24)
上記オリゴヌクレオチドの上記3’位のヌクレオチドが、3’チオホスフェートを有する、項目1〜22のいずれか1項に記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
(項目25)
上記5’ヌクレオチドに結合したビオチン部分をさらに含む、項目1〜24のいずれか1項に記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
(項目26)
表4に掲載される標的遺伝子のPRC2関連領域の少なくとも8個の連続したヌクレオチドと相補的な相補性の領域を含む一本鎖オリゴヌクレオチドであって、上記オリゴヌクレオチドが、以下:
a)5’X−Y−Zの配列であって、ここで、Xは、任意のヌクレオチドであり、Xは、上記ヌクレオチドの5’末端に固定されており、Yは、ミクロRNAのヒトシード配列ではない、長さ6ヌクレオチドのヌクレオチド配列であり、Zは、長さ1〜23ヌクレオチドのヌクレオチド配列である、配列;
b)3個以上の連続したグアノシンヌクレオチドを含まない配列;
c)ヌクレオチドの全ての配列に対して閾値レベルに満たない配列同一性を有し、オフターゲット遺伝子の5’末端の上流50キロベースから上記オフターゲット遺伝子の3’末端の下流50キロベースの間にある、第2ヌクレオチド配列と同等長さの配列;
d)少なくとも2つの一本鎖ループを含む二次構造を形成するRNAをコードするPRC2関連領域と相補的な配列;及び/又は
e)60%を超えるG−C含有率を有する配列
の少なくとも1つを有する、一本鎖オリゴヌクレオチド。
(項目27)
上記オリゴヌクレオチドが、配列5’X−Y−Zを有し、上記オリゴヌクレオチドが、長さ8〜50ヌクレオチドである、項目26に記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
(項目28)
項目1〜27のいずれか1項に記載の一本鎖オリゴヌクレオチドと、担体とを含む組成物。
(項目29)
緩衝液中に項目1〜27のいずれか1項に記載の一本鎖オリゴヌクレオチドを含む組成物。
(項目30)
上記オリゴヌクレオチドが、上記担体に結合している、項目28に記載の組成物。
(項目31)
上記担体が、ペプチドである、項目30に記載の組成物。
(項目32)
上記担体が、ステロイドである、項目30に記載の組成物。
(項目33)
項目28〜32のいずれか1項に記載の組成物と、薬学的に許容される担体とを含む医薬組成物。
(項目34)
項目28〜33のいずれか1項に記載の組成物を収納する容器を含むキット。
(項目35)
1細胞における標的遺伝子の発現を増大する方法であって、項目1〜27のいずれか1項に記載の一本鎖オリゴヌクレオチドを上記細胞送達することを含む方法。
(項目36)
上記細胞への上記一本鎖オリゴヌクレオチドの送達が、上記一本鎖オリゴヌクレオチドを含まない対照細胞における標的遺伝子の発現のレベルより少なくとも50%高い、標的遺伝子の発現のレベルをもたらす、項目35に記載の方法。
(項目37)
1被験者における標的遺伝子のレベルを増大する方法であって、項目1〜27のいずれか1項に記載の一本鎖オリゴヌクレオチドを上記被験者に投与することを含む方法。
(項目38)
1被験者における標的遺伝子のレベル低下に関連する状態を治療する方法であって、項目1〜27のいずれか1項に記載の一本鎖オリゴヌクレオチドを上記被験者に投与することを含む方法。
(項目39)
上記標的遺伝子が、表4に掲載される、項目38に記載の方法。
(項目40)
上記状態が表4に掲載され、又は別様に本明細書に開示される、項目39に記載の方法。

Claims (15)

  1. 配列5’X−Y−Zを有する一本鎖オリゴヌクレオチドであって、ここで、Xは、任意のヌクレオチドであり、Yは、ヒトミクロRNAのシード配列ではない、長さ6ヌクレオチドのヌクレオチド配列であり、Zは、長さ1〜23ヌクレオチドのヌクレオチド配列であり、前記一本鎖オリゴヌクレオチドが、表4に掲載される標的遺伝子のPRC2関連領域の少なくとも8個の連続したヌクレオチドと相補的である、一本鎖オリゴヌクレオチド。
  2. (a)前記オリゴヌクレオチドが、個以上の連続したグアノシンヌクレオチドを含まない、任意選択で、前記オリゴヌクレオチドが、3個以上の連続したグアノシンヌクレオチドを含まず;及び/あるいは
    (b)前記オリゴヌクレオチドが、
    i.長さ8〜30ヌクレオチドであるか、又は
    ii.長さ8〜10ヌクレオチドであり、前記PRC2関連領域の相補的配列のヌクレオチドの1、2、又は3個を除く全てが、シトシン又はグアノシンヌクレオチドである、
    請求項1に記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
  3. 前記オリゴヌクレオチドの少なくとも1個のヌクレオチドが、ヌクレオチド類似体であ任意選択で、前記少なくとも1個のヌクレオチド類似体が、前記少なくとも1つのヌクレオチド類似体を含まないオリゴヌクレオチドと比較して、1〜5℃の範囲のオリゴヌクレオチドのTmの増加をもたらす、請求項1または2に記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
  4. (a)前記オリゴヌクレオチドの少なくとも1個のヌクレオチドが、2’O−メチルを含任意選択で、(b)前記オリゴヌクレオチドの各ヌクレオチドが、2’O−メチルを含む、請求項1〜のいずれか1項に記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
  5. (a)前記オリゴヌクレオチドが、少なくとも1個のリボヌクレオチド、少なくとも1個のデオキシリボヌクレオチド、又は少なくとも1個の架橋ヌクレオチドを含み、任意選択で、前記架橋ヌクレオチドが、LNAヌクレオチド、cEtヌクレオチド又はENA修飾ヌクレオチドであるか;あるいは
    (b)前記オリゴヌクレオチドの前記ヌクレオチドが、前記デオキシリボヌクレオチドの5’及び3’末端の各々で、少なくとも1個のLNAヌクレオチドによってフランキングされているデオキシリボヌクレオチドを含む、
    請求項1〜3または4の(a)のいずれか1項に記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
  6. (a)前記オリゴヌクレオチドの各ヌクレオチドが、LNAヌクレオチドであるか;あるいは
    (b)前記オリゴヌクレオチドの前記ヌクレオチドが、
    (i)デオキシリボヌクレオチドと2’−フルオロ−デオキシリボヌクレオチドを交互に含むか;
    (ii)デオキシリボヌクレオチドと2’−O−メチルヌクレオチドを交互に含むか;
    (iii)デオキシリボヌクレオチドとENAヌクレオチド類似体を交互に含むか;
    (iv)デオキシリボヌクレオチドとLNAヌクレオチドを交互に含むか;又は
    (v)LNAヌクレオチドと2’−O−メチルヌクレオチドを交互に含む
    請求項1〜のいずれか1項に記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
  7. 前記オリゴヌクレオチドの5’ヌクレオチドが、デオキシリボヌクレオチドまたはLNAヌクレオチドである、請求項6の(b)に記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
  8. 少なくとも2個のヌクレオチドの間に、ホスホロチオエートヌクレオチド間結合をさらに含み、任意選択で、全ヌクレオチドの間に、ホスホロチオエートヌクレオチド間結合をさらに含む、請求項1〜のいずれか1項に記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
  9. (a)前記オリゴヌクレオチドの3’位のヌクレオチドが、3’ヒドロキシル基を有する、
    (b)前記オリゴヌクレオチドの3’位のヌクレオチドが、3’チオホスフェートを有する、及び/又は
    (c)前記オリゴヌクレオチドが、5’ヌクレオチドに結合したビオチン部分をさらに含む、
    請求項1〜のいずれか1項に記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
  10. 表4に掲載される標的遺伝子のPRC2関連領域の少なくとも8個の連続したヌクレオチドと相補的な相補性の領域を含む一本鎖オリゴヌクレオチドであって、前記オリゴヌクレオチドが、以下:
    a)5’X−Y−Zの配列であって、ここで、Xは、任意のヌクレオチドであり、Xは、前記オリゴヌクレオチドの5’末端に固定されており、Yは、ミクロRNAのヒトシード配列ではない、長さ6ヌクレオチドのヌクレオチド配列であり、Zは、長さ1〜23ヌクレオチドのヌクレオチド配列である、配列;
    b)3個以上の連続したグアノシンヌクレオチドを含まない配列;
    c)ヌクレオチドの全ての配列に対して閾値レベルに満たない配列同一性を有し、オフターゲット遺伝子の5’末端の上流50キロベースから前記オフターゲット遺伝子の3’末端の下流50キロベースの間にある、第2ヌクレオチド配列と同等長さの配列;
    d)少なくとも2つの一本鎖ループを含む二次構造を形成するRNAをコードするPRC2関連領域と相補的な配列;及び/又は
    e)60%を超えるG−C含有率を有する配列
    の少なくとも1つを有し、任意選択で、(a)〜(e)のうちのいずれかにおいて、前記オリゴヌクレオチドが、配列5’X−Y−Zを有し、前記オリゴヌクレオチドが、長さ8〜50ヌクレオチドである、一本鎖オリゴヌクレオチド。
  11. 請求項1〜10のいずれか1項に記載の一本鎖オリゴヌクレオチドと、担体とを含む組成物であって、任意選択で、
    (a)前記組成物が、薬学的に許容される担体を含む医薬組成物である、
    (b)前記組成物が、緩衝液中に前記一本鎖オリゴヌクレオチドを含む、及び/又は
    (c)前記オリゴヌクレオチドが、前記担体に結合しており、任意選択で、前記担体が、ペプチド又はステロイドである、
    組成物
  12. 請求項11に記載の組成物を収納する容器を含むキット。
  13. 1細胞における標的遺伝子の発現を増大するための組成物であって、請求項1〜10のいずれか1項に記載の一本鎖オリゴヌクレオチドを含み任意選択で、前記細胞への前記組成物の送達が、前記一本鎖オリゴヌクレオチドを含まない対照細胞における前記標的遺伝子の発現のレベルより少なくとも50%高い、前記標的遺伝子の発現のレベルをもたらす、組成物
  14. 1被験者における標的遺伝子のレベルを増大するための組成物であって、請求項1〜10のいずれか1項に記載の一本鎖オリゴヌクレオチドを含、組成物
  15. 1被験者における標的遺伝子のレベル低下に関連する状態を治療するための組成物であって、請求項1〜10のいずれか1項に記載の一本鎖オリゴヌクレオチドを含み、任意選択で、前記標的遺伝子は、表4に掲載されるものであり、さらに任意選択で、前記状態は、表4に掲載されるか、又は別様に本明細書に開示されるものである、組成物

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