JP2016519584A - 狭帯域照射調理のための調理器具及び調理パック、並びにそのシステム及び方法 - Google Patents

狭帯域照射調理のための調理器具及び調理パック、並びにそのシステム及び方法 Download PDF

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Abstract

食物又は食品上への直接放射エネルギーの衝突を伴う調理用途で食物を直接照射可能にする方法及び製品又はシステム構成を提供する。適切な狭帯域調理又は加熱システムにおいて放射される照射の可視又は赤外の狭波長帯域で光透過性である調理容器又は調理パックを使用する。【選択図】 図1(c)

Description

本出願は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる2011年6月13日出願の米国出願第13/159,380号の一部継続出願であり、やはりその全体が参照により本明細書に組み込まれる2010年6月11日出願の米国仮出願第61/353,782号の優先権に基づき、その利益を主張する。
調理、焼くこと、再加温及び他の加熱関連食物調製の分野では、過去数十年、大幅な又は画期的な変化はほとんどなかった。したがって、それに応じて、加熱関連食物調製に使用する調理器具容器もほとんど変化していない。限定はしないが、深鍋、平鍋、フライパン、ソースパン、中華なべ、キャセロール皿、やかん、焼き板などの調理容器は、金属製又はセラミックス製である傾向があり、これらはどれもほとんどの照射波長に対し不透過性である。プレパック食品を入れて販売するパッケージ又は調理パックも、光不透過性であるか、ほぼ光不透過性の材料製であることが多い。したがって、食品に向けられるいずれの照射も、調理容器又はパッケージングによって直接衝撃から遮断されることになる。この構成では、放射エネルギーは調理容器に衝突し、食品に直接衝突しないので、照射による直接加熱を、少なくとも食品への直接的な光衝撃を遮断する角度から行うのは不可能である。照射エネルギーは、調理容器又はパッケージに衝突し、調理容器又はパッケージによって反射されるか又は吸収される。この結果、照射エネルギーは、食物を直接加熱せずに、フライパン、調理容器又はパッケージを加熱する。食物を加熱するためには、調理容器又はパッケージと食品ターゲットとの間に二次的な熱伝導が起こらなければならない。これは、たいていの場合、非効率な熱伝導プロセスであり、発生させた熱の多くは食品に到達しないので、大半のエネルギーが浪費される。
次に、熱が最終的に食品に到達したとき、熱は食品の外層から内層に伝導されなければならない。このことは、本質的に、食品の外面が、食品の最も内側の領域よりも高温に達することになる。また、これは、食品を焦がす、乾燥する又は過熱することなく、食品の外面から内部領域に熱を伝導的及び/又は対流的に伝達することができる速度に上限があるために、調理プロセスはゆっくりと進む。
従来の広帯域加熱を利用せず、食物に無線周波数エネルギーを衝突させるマイクロ波調理は、全く異なるやり方で調理を行う。たいていの非金属材料は、無線周波数電磁エネルギーに対し透過性である。フリーの極性分子を励起又は回転させることによって生じる食物内部の熱によって加熱される。放射光子又は熱風が食品に伝達されない。対照的に、あらゆる種類の直接照射調理方法は、それに関連しており、調理工程を促進するために照射源の直接経路内に食品を懸架又は維持する仕方には課題がある。
本発明で説明する実施形態の一態様では、容器は、アレイによる食品への照射を促進するために、アレイに対するオーブン庫内における当該容器の位置を特定する容器位置決め機能を備え、且つ該容器は、照射アレイから放射される可視又は赤外の狭波長帯域で光透過性である材料から構成される。
本発明で説明する実施形態の別の態様では、容器は、プラスチック材料で構成される。
本発明で説明する実施形態の別の態様では、プラスチック材料は、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリプロピレン(PP)、高密度ポリエチレン(HDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリスチレン(PS)、再生樹脂(PCR)又はナイロンのうちの少なくとも1つである。
本発明で説明する実施形態の別の態様では、容器は、食品の直接照射調理を可能にするために光透過性である選択されたセクションを有する。
本発明で説明する実施形態の別の態様では、容器は、6.0×10−6未満の熱膨張率を有するガラス材料の部分を少なくとも有する。
本発明で説明する実施形態の別の態様では、ガラス材料の選択領域が非常に薄い。
本発明で説明する実施形態の別の態様では、容器は、機能を果たす容器形状で十分な機械的強度を有することができる最も薄い断面を有する。
本発明で説明する実施形態の別の態様では、材料は応力緩和剤を含む。
本発明で説明する実施形態の別の態様では、材料は強化ガラス又は靭性を持つように設計されたガラスである。
本発明で説明する実施形態の別の態様では、材料はホウケイ酸ガラスである。
本発明で説明する実施形態の別の態様では、材料は、選択波長で光透過性であるように選択された着色剤を含む。
本発明で説明する実施形態の別の態様では、材料は、吸収係数を高めるための添加剤を含む。
本発明で説明する実施形態の別の態様では、容器は、反射防止コーティングを更に備える。
本発明で説明する実施形態の別の態様では、容器は、容器の物理的パラメータに対応する、調理パラメータ又はオーブン設定パラメータのうちの少なくとも1つを指定するコードを更に備える。
本発明で説明する実施形態の別の態様では、コードは、一次元又は二次元バーコードである。
本発明で説明する実施形態の別の態様では、コードは、無線周波数識別(RFID)タグである。
本発明で説明する実施形態の別の態様では、容器位置決め機能は、容器の外側に位置決めした肩部を備え、該肩部は容器をオーブン庫内に保持および位置決めするためにオーブン庫の一部分と対合するように構成される。
本発明で説明する実施形態の別の態様では、容器は、食品をアレイに対して向けるための食品案内機能を更に備える。
本発明で説明する実施形態の別の態様では、食品案内機能は、グラフィック標識又は幾何学的標識を備える。
本発明で説明する実施形態の別の態様では、図式又は形状的表示器は、容器の表面上に配置されるか又は容器の表面に形成される。
本発明で説明する実施形態の別の態様では、容器は、カバーを更に備え、該カバーは、照射アレイから放射される可視又は赤外の狭波長帯域のうちの少なくとも1つで光透過性である。
本発明で説明する実施形態の別の態様では、容器は、上部及び底部の方向から食品へ照射することを促進するように構成される。
本発明で説明する実施形態の別の態様では、容器は、メッシュ材料から構成される。
本発明で説明する実施形態の別の態様では、調理パックは、食品を中に置くプラスチック基体部及び該基体部のためのカバーを有し、該プラスチック基体部が照射アレイから放射される光線によって食品の加熱を促進するために、アレイから放射される可視又は赤外の狭波長帯域で光透過性である。
本発明で説明する実施形態の別の態様では、カバーは、照射アレイから放射される可視又は赤外の狭波長帯域のうちの少なくとも1つで光透過性である材料から構成される。
本発明で説明する実施形態の別の態様では、カバーは、蓋及びフィルムのうちの1つである。
本発明で説明する実施形態の別の態様では、調理パックは、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリプロピレン(PP)、高密度ポリエチレン(HDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリスチレン(PS)、再生樹脂(PCR)又はナイロンのうちの少なくとも1つから構成される。
本発明で説明する実施形態の別の態様では、プラスチック基体部及びカバーのうちの少なくとも1つは、少なくとも1つの着色剤を含み、少なくとも1つの着色剤は、照射される狭波長帯域のうちの少なくとも1つにおいて光透過性である。
本発明で説明する実施形態の別の態様では、プラスチック基体部及びカバーのうちの少なくとも1つは、吸収係数を変化させる添加剤を含む。
本発明で説明する実施形態の別の態様では、調理パックは、光学コーティングを更に備える。
本発明で説明する実施形態の別の態様では、調理パックは、調理パック内の食品に応じて特定される、調理パラメータ又はオーブン設定パラメータのうち少なくとも1つを指定するコードを更に備える。
本発明で説明する実施形態の別の態様では、コードは一次元又は二次元バーコードである。
本発明で説明する実施形態の別の態様では、コードは無線周波数識別(RFID)タグである。
本発明で説明する実施形態の別の態様では、調理パックは圧力若しくは蒸気逃し弁を更に備える。
本発明で説明する実施形態の別の態様では、調理パックは焼き付け又は焼き印を押す目的で様々な材料の幾何学的形状を更に備える。
本発明で説明する実施形態の別の態様では、調理パックは、アレイに対して容器をオーブン庫内の所定位置に位置決めする容器位置決め機能を更に備える。
本発明で説明する実施形態の別の態様では、容器位置決め機能は、容器の外側に位置決めした肩部を備え、該肩部は容器をオーブン庫内に保持および位置決めするためにオーブン庫の一部分と対合するように構成される。
本発明で説明する実施形態の別の態様では、調理パックは、上部及び底部の方向から食品へ照射することを促進するように構成される。
本発明で説明する実施形態の別の態様では、基体部は、ディスク、及び垂直壁を有するコンテナのうちの1つである。
本発明で説明する実施形態の別の態様では、基体部は、リブ及びアパーチャのうちの少なくとも1つを含む。
本発明で説明する実施形態の別の態様では、少なくとも1つの着色剤は、人間の目には容器を少なくとも部分的に不透明にする一方で、可視又は赤外線の狭波長帯域のうちの少なくとも1つにおいて高い透過性を維持する。
本発明で説明する実施形態の別の態様では、少なくとも1つの着色剤は、人間の目による判読を実現する一方で、可視又は赤外線の狭波長帯域のうちの少なくとも1つにおいて高い透過性を維持するラベル付け材料として使用されるインク又は着色剤を含む。
本発明で説明する実施形態の別の態様では、方法は、食品を容器内に位置決めすること、アレイに対して容器をオーブン庫内の所定位置に位置決めする容器位置決め機能を使用して容器をオーブン庫内に位置決めすること、及び照射アレイによる放射で容器内の食品を加熱することを含み、前記容器は照射アレイから放射される可視又は赤外の狭波長帯域のうちの少なくとも1つにおいて光透過性である材料から構成される、
本発明で説明する実施形態の別の態様では、容器内に食品を位置決めすることは、食品を方向付ける食品案内機能を使用することを含む。
本発明で説明する実施形態の別の態様では、食品案内機能は、容器の底部に図式又は形状的表示を備える。
本発明で説明する実施形態の別の態様では、容器位置決め機能は、容器の外側に位置決めした肩部を備え、該肩部は容器をオーブン庫内に保持および位置決めするためにオーブン庫の一部分と対合するように構成される。
本発明で説明する実施形態の別の態様では、アレイに対して容器をオーブン庫内の所定位置に位置決めする容器位置決め機能を使用して容器をオーブン庫内に位置決めすることは、オーブン庫の内部に構築するか又は取り付けた支持構造部と容器を対合することを含み、それにより、支持構造部は、食品を中に有する容器を正確な調理位置で支持する。
本発明で説明する実施形態の別の態様では、方法は、基体部として機能する少なくとも1つの領域を有するように構成したプラスチック容器又は調理パックを選択すること、基体部内に食品を置くこと、及び食品を基体部内に封じ込めることを含み、プラスチック基体部は、照射アレイから放射される可視又は赤外の狭波長帯域の照射のうちの少なくとも1つにおいて光透過性である。
本発明で説明する実施形態の別の態様では、前記の封じ込めには、カバーを基体部上に位置決めすること、基体部を覆うようにフィルムを施すこと、及び基体部をコンテナ内に置くことのうちの1つを含む。
本発明で説明する実施形態の別の態様では、前記方法は、調理パック又は食品に関連付けたパラメータを特定するコードを提供することを更に含む。
本発明で説明する実施形態の別の態様では、前記方法は、プラスチック容器又は調理パックのための材料を選択すること、及びプラスチック容器又は調理パックを形成することを更に含む。
本発明で説明する実施形態の別の態様では、前記の選択は、中に着色剤を有するプラスチック容器又は調理パックを選択することを含む。
本発明で説明する実施形態の別の態様では、前記の方法は、オーブン庫内で食品を加熱又は調理するユーザに容器又は調理パックを提供することを更に含む。
本発明で説明する実施形態の別の態様では、装置は、穿孔材料又はメッシュ材料から形成した第1の部分と、穿孔材料又はメッシュ材料から形成した第2の部分と、装置位置決め機能とを有し、第1の部分及び第2の部分は第1の部分と第2の部分との間に食品の設置を容易にするためにヒンジ留めされていて、装置位置決め機能は、アレイによる食品の照射を促進するために、アレイに対してオーブン庫内の所定向きに装置を位置決めする。
本発明で説明する実施形態の別の態様では、オーブン庫内の所定向きは、食品の最大面がほぼ垂直であるように垂直である。
本発明で説明する実施形態の別の態様では、装置位置決め機能は、オーブン庫内の装置の回転又は振動を促進する。
本発明で説明する実施形態の一態様では、システムは、所望の狭波長帯域でのみ可視又は赤外線を放射する照射アレイを有するオーブン庫、食品を支持する容器、およびアレイによる食品への照射を促進するためにアレイに対するオーブン庫内の容器の位置を特定する容器位置決め機能を備え、容器は、照射アレイから放射される可視又は赤外の狭波長帯域で光透過性である材料から構成される。
本発明で説明する実施形態の一態様では、容器は、アレイによる食品への照射を促進するためにアレイに対してオーブン庫内の容器の位置を特定する容器位置決め機能を備え、前記容器は、照射アレイから放射される可視又は赤外の狭波長帯域で光透過性である材料から構成され、且つ該容器は、調理用オーブン庫を起動するための電源オン・キーを備える。
本発明で説明する実施形態の別の態様では、調理パックは、食品を中に置くプラスチック基体部及び該基体部のためのカバーを備え、該プラスチック基体部は、照射アレイから放射され食品を照射することによる食品の加熱を促進するために、アレイによって放射される可視又は赤外の狭波長帯域で光透過性であり、前記基体部分又はカバーの少なくとも一部分は、少なくとも二重壁である。
本発明で説明する実施形態の別の態様では、調理パックは、食品を中に入れるプラスチック基体部及び基体部分のためのカバーを備え、プラスチック基体部は、照射アレイから放射され食品を照射することによる食品の加熱を促進するために、アレイによって放射される可視又は赤外の狭波長帯域で光透過性であり、前記基体部又はカバーの少なくとも一部分は、光学コーティングを備える。
本発明で説明する実施形態の別の態様では、光学コーティングは反射性である。
本発明で説明する実施形態の別の態様では、光学コーティングは反射防止性である。
本発明で説明する実施形態の別の態様では、調理パックは、食品及び風味若しくは調味ナゲット又はペレットを中に入れるプラスチック基体部及び該基体部のためのカバーを備え、前記プラスチック基体部はアレイから放射され食品に照射することによる食品の加熱を促進するために、照射アレイから放射される可視又は赤外の狭波長帯域で光透過性である。
本発明で説明する実施形態の別の態様では、方法は、基体部として機能する少なくとも1つの領域を有するように構成したプラスチック容器又は調理パックを選択すること、基体部内に食品及び風味若しくは調味ナゲット又はペレットを置くこと、及び前記食品を基体部内に封じ込めることを含み、前記プラスチック基体部は、照射アレイから放射される可視又は赤外の狭波長帯域のうちの少なくとも1つにおいて光透過性である。
本発明で説明する実施形態の別の態様では、方法は、容器又は調理パックの位置決め機構が連係されているかどうかを決定すること、調理パック又は容器に関連付けたコードを読み取ること、コードに基づき調理パラメータを設定すること、及び食品を加熱又は調理することを含む。
本発明で説明する実施形態の別の態様では、方法は、焼き印(blanded)位置決め機構が調理パック又は容器上に存在するかどうかを決定することを更に含む。
本発明で説明する実施形態の別の態様では、方法は、アップグレードが利用可能かどうかを決定することを更に含む。
本発明で説明する実施形態の別の態様では、方法は、コース又は精密調理パラメータの手入力を容易にすることを更に含む。
本発明で説明する実施形態は、デバイスの様々な部品の構成、配置及び組合せ、並びに方法のステップにあり、企図する目的は、以下でより完全に示されるように達成され、具体的には特許請求の範囲内で示され、添付の図面で示される。
図1(a)は、本発明で説明する実施形態に係る例示的容器を示す図である。 図1(b)は、本発明で説明する実施形態に係る例示的容器を示す図である。 図1(c)は、本発明で説明する実施形態に係る例示的容器を示す図である。 図2は、本発明で説明する実施形態に係る例示的容器を示す図である。 図3は、本発明で説明する実施形態に係る例示的容器を示す図である。 図4は、本発明で説明する実施形態に係る例示的容器を示す図である。 図5(a)および(b)は、本発明で説明する実施形態に係る例示的容器を示す図である。 図5(c)および(d)は、本発明で説明する実施形態に係る例示的容器を示す図である。 図6は、本発明で説明する実施形態に係る例示的方法を示す図である。 図7は、本発明で説明する実施形態に係る例示的方法を示す図である。 図8は、本発明で説明する実施形態に係る例示的方法を示す図である。 図9は、本発明で説明する実施形態に係る例示的方法を示す図である。
したがって、本発明で説明する実施形態は、調理用途で食物又は食品を直接照射可能にする方法及び製品又はシステム構成を教示、説明し、この直接照射には、食物又は食品に対する直接放射エネルギーの衝突を伴う。当然、あらゆる所与の加熱又は調理用途に関して、本発明書における食品への言及は、説明を簡単にするために、単一の物品又は複数の物品を示すか又は意味するか又は含む。直接放射調理適用例は、一般に、2つの広い分類に分けられる。
長年にわたって利用してきた最初の適用例は、様々な形態の広帯域照射源を特徴とする。薪及び石炭による火、ガス燃焼器、抵抗発熱体、石英ハロゲン電球等に及ぶ大部分の従来の調理技術は、食物標的を直接照射する様式を利用しない。これらは、典型的には、オーブン庫内又は調理領域内の空気を熱し、次に空気が食品を加熱調理する。典型的ではないが、時々、これらの様式は、直接放射熱源として使用され、直接放射熱源からの直接的な光子エネルギーを吸収することにより食物を調理する。こうした照射線源の全ては、10%減じた完全エネルギー点で、全体の帯域幅、即ち完全帯域幅が数百ナノメートルよりも広い放射出力を有することを特徴とする。実際は、これらの広帯域源は、通常数千ナノメートルの帯域幅を有する。したがって、これらを広帯域照射源及び広帯域調理システムと呼ぶ。
第2の広いカテゴリーは、調理界にとって新たなものである。一般に、これは、非常に狭い帯域幅の出力照射エネルギーの利用を特徴とし、その波長は、食物に対し所望の調理効果を与えるために、調理用途に周到に一致する。デジタル熱注入(DHI)技術としても公知である、狭帯域直接照射調理技術の完全な範囲を説明することは、本発明の範囲外である。しかし、狭帯域直接照射調理技術は、少なくとも米国特許第7,425,296号、及び米国出願第12/718,899号(当該出願は、2010年3月5日に出願され、2009年3月5日出願の米国仮出願第61/157,799号の優先権を主張し、当該出願は、米国出願第11/351,030号の一部継続出願であり、当該一部継続出願は、米国出願第11/003,679号の継続出願である。)、2006年6月7日出願の米国出願第11/448,630号、及び米国出願第12/718,919号(当該出願は、2010年3月5日に出願され、2009年7月10日出願の米国仮出願第61/224,765号及び2009年3月5日出願の米国仮出願第61/157,799号の優先権を主張する。)に詳細に記載され、これらの全てを参照により本明細書に組み込む。
本発明で説明する実施形態は、狭帯域直接照射調理に対して適切に機能するように設計された調理器具及び関連システムのための新規な技術及び方法を教示する。この新規な革新は、調理する食物標的(複数可)又は食品(複数可)に直接光子エネルギーを衝突可能にすることを促進する調理器具及び調理パックを設計、実装するための技法、システム及び方法を記載する。少なくとも1つの形態では、(例えば少なくとも1つのアレイを形成する)少なくとも1つの適切な狭帯域照射デバイスによって放射される照射の狭波長帯域(複数可)は、加熱又は調理される食品の所望の吸収特性と一致する。本発明に記載の実施形態は、様々な種類の調理及び食物加温に対する望ましい範囲を遮断しない又は伝達できるように適切に設計した調理器具及び調理パック(及び/又は関連システム)について詳述する。以下の段落は、主題の実施形態に関する広範囲の態様を記載し、それについて詳述する。
基本的に、本発明で説明する実施形態により作製された調理器具又は調理パック製品は、食物標的に対し、狭帯域調理システム内に組み込まれた照射源から到来する(例えば可視又は赤外範囲内における)光子エネルギーの適切で十分な透過を可能にしなければならない。やはり、少なくとも1つの形態では、アレイによって食品に向けて放射される照射の企図する狭波長帯域は、加熱又は調理される食品の所望の吸収特性と一致する。直接照射を食品に対し適切に直接接近可能にするいくつかの方法がある。
最初の方法は、照射が食物に直接衝撃を与えられるように食物を囲む十分な開口及び空間を有する調理容器を使用することである。従来のフライパン等、開放され覆われていない型の調理器具の使用により、上からの照射開口アクセスを提供することは容易である。しかし、多くの場合、重要な態様は、直接照射アクセスを底部又は側部から提供することと共にある。メッシュ材料、織布材料又は穿孔材料から調理器具を製造することによって、底部又は側部への照射から食物に実質的な直接アクセスを実現することが可能である。理想的には、直接アクセスを最大にするために、中実材料と比較して高い比率の開口とするべきである。多くの異なる材料を使用できるが、ワイヤ間に大量の空間を有する極細ゲージ銅網材料は、この網材料から調理格子又は調理バスケットを作製するのに特に有利な材料とすることができる。底部及び側部に高い割合の開口をもたらす、多くの種類の製造方法を想像することが可能であるが、この設計はいくつかの大きな欠点を有する。おそらく、最大の欠点は、この材料がジュース、血液、ソース又は食物調理に関連する他の液体を収容し得ないということである。しかし、これらが特定用途に対して重要でない場合、照射源に対する照射可能位置において十分に理想的な食品「懸架」方法とすることができる。更に、狭帯域調理は、しっとりとしておいしい食製品を維持するために、関連する液体又はソースの使用を必要としない。したがって、この種類の狭帯域調理器具を実装するには、照射源が重力による食品ドリップの経路内に直に存在しないように、照射源を移動することが望ましいと思われる。照射が、側部から又はドリップが照射源上に落ちることのない角度で達成されれば、照射源は、より優れた設計である。
図1(a)はオーブン庫100を示している。オーブン庫100内には、上記の例示的位置に位置決めした、(図2に関連して説明するものを含めて)本明細書で説明する調理又は加熱に適切な狭波長帯域の照射を(動作中に)放射する照射アレイ120を含み、例えば上記した極細ゲージ銅網材料から形成したバスケット又は容器102が懸架される。当然、あらゆる適切な材料(プラスチック、又は調理パック若しくは食品パッケージングの一部を形成できる他の材料を含む)を使用できる。ブラケット又は容器は、中で食品を分離する仕切りを有する形態を含む様々な形態を採り得る。仕切り又は分割器は、加工若しくは輸送中又は調理工程中に、食物の一方の種類と別の種類とが混合しないように働くことになる。仕切り又は分割器は、より特定の製品位置/向きを決めることを可能にもする。この点について、少なくとも1つの形態では、DHI調理アレイは、その正確な調理レシピに従って特定の食品を調理するようにプログラムできる。同様に図示するのは、オーブン庫の肩部分110と対合する容器位置決め機構104である。容器位置決め機構104は、様々な形態を採ることができ、アレイに対し容器を選択位置又は適切な位置に位置決めして食品への照射を促進するのに有用であり、オーブン庫100内で使用するのに適した様々な材料から形成できる。一形態では、容器位置決め機構は、オーブン庫の対応部分と対合する突起又は延在部であり、オーブン庫内の容器の適切な方向付け及び位置決めを容易にする。必須ではないが、食品を容器内に置くときにユーザへの案内を実現する食品案内機構106も本例に含める。案内機構106は、食品をアレイに対し位置決めして食品への照射を促進するのに同じく有用であり、容器102のメッシュ材料の上、中、又は内部に形成(又は設置、或いは配置)できる。
このメッシュ型調理器具を使用して、水平等の別方向における照射が可能であるように食物を両側から圧迫することも可能である。例えば、ステーキを2つの銅メッシュ・シートの間に挟み、垂直なステーキの大きな面に対して水平に照射できる。この構成によると、全てのドリップ及びジュースは食物の真下にあるドリップ樋内に落ち、直接照射源を妨害又は汚さないようにすることができる。
図1(b)はオーブン庫200を示している。オーブン庫200内には、本明細書に記載の作業のために上記の例示的位置に位置決めされた照射アレイ202を含み、例えば上記した極細ゲージ銅網材料から形成したメッシュ・デバイス203等の代替容器が懸架される。この点について、メッシュ・シート205及び206は、調理のために食品209(例えばステーキ)を挟む。シート205及び206は、様々な機構により一端で接続されていてもよい。一形態ではヒンジ機構201を使用する。シート205及び206は、それらの間にクリップ207によって食品209を維持するために、開放端で接続されるが、様々な機構又は技法を当該接続に使用してもよい。クリップ207は、ヒンジ211でヒンジ留めされ、クリップ、摩擦嵌合、ロック等を含む様々な機構のいずれかによって213でメッシュ・デバイスの反対側にクリップ留め又は係止される。同様に図示されるのは、デバイス203が懸架されるアタッチメント又は位置決め機構204である。アタッチメント204は、デバイス203を振動又は回転させる手動、モーター付き又は自動化されたデバイスの形態を含めた様々な形態を採ることができる。食品からのドリップを収集する樋210も示す。図示のように、食品の最大面は、オーブン庫の底部に対してほぼ垂直であり、アレイ又はそれぞれの側部を向いている。
本発明で説明する実施形態を実行する、より技術的に高度な方法は、調理作業に使用される狭帯域波長で光を伝達又は透過するように設計された材料を使用する。少なくとも1つの形態では、アレイによって食品に向けて放射される照射の企図する狭波長帯域は、加熱又は調理する食品の所望の吸収特性と一致する。この技術を完全に理解、実施するために、狭帯域調理、及び調理器具又は調理パックを構築できる様々な材料の伝達特性の両方についていくつかの原理を説明する必要がある。
上記で説明したように、従来の調理は、歴史の最初から広帯域源により行っていた。デジタル熱注入又はDHIとして公知でもある最近の革新の狭帯域調理は、完全に異なる種類の直接照射源を用いる。理論的に多くの様々な種類の狭帯域照射源があるが、これらの照射源の有利な群は、例えば可視及び/又は赤外範囲内の狭帯域エネルギーを直接にもたらすソリッドステート、即ち半導体デバイスを含む。どの技術を用いるかに応じて、照射の半値全幅帯域は、典型的には数百ナノメートル未満の幅である。他の普及している照射源は、50ナノメートル未満の全体帯域であることがあり、現在のベストな実施では、典型的には、10ナノメートル未満の幅、更には1ナノメートルの幅ほどの低い照射源を用いる。こうした現代の狭帯域直接照射調理源は、広帯域源とは非常に異なり様々な種類の透過性材料と相互作用する。
少なくとも1つの形態では、本発明で説明する実施形態により企図する容器及び調理パックは、照射アレイから放射される照射の可視又は赤外の狭波長帯域で光伝達性又は透過性である。この点について、一例として、これらの物品は、適切な波長帯域内で高い透過性(例えば、95%以上の透過性、更には98%より高い透過性)を有する。光子エネルギーに対し透過性である調理容器又は調理パックを製造できる全ての材料は、特徴的な吸収特性を有する。その特性は、関連し得る全ての波長で材料がいくらの吸収を呈するかを示す。そのような曲線は、紫外範囲から可視範囲を通り、続いて近赤外範囲を通って、中赤外範囲及び遠赤外範囲まで生成できる。多くの材料は、それらが高度に透過性である場合、近赤外領域及び短波長赤外領域内に高度に透過性のウインドウを有する。多くの材料は、典型的には、それらが高度に吸収性である場合、他のウインドウを有する。照射光子は、照射光子が高度に透過性である波長で材料を貫通しようとするので、基体材料への加熱は非常にわずかであり、実際、エネルギーのほとんどは、一直線に材料を貫通する。一方、光子照射エネルギーが材料の非常に吸収性である波長で向けられると、そのエネルギーの大部分は、吸収され、熱に変換されることになり、実際に材料を通り抜けて伝達され、材料の裏側から出るエネルギーは非常にわずかである。光子エネルギーが特定の波長で材料に入ると、そのエネルギーは、熱に変換され、その波長におけるその材料の吸収係数に応じた指数関数速度で消滅する。吸収量又は伝達量は、あらゆる所与の材料向けに計算でき、その厚さの関数として計算しなければならない。より厚い材料は、光子エネルギーを吸収するためにより長い経路長さを有し、あらゆる所与の波長に関して、その伝達通過の間、必然的に、光子エネルギーをより多く熱に変換することになる。したがって、少なくとも1つの形態では、容器又は調理パックは、薄い断面又は輪郭(profile)、例えば適切に機能する容器の形状のために十分な構造完全性若しくは強度を可能にするのに最も薄い断面又は輪郭(profile)を有する。場合によっては、例えば、材料の厚さは、1ミル(mil)ほどの薄さとすることができるが、より実用的には、(例えばプラスチック材料の)強度、完全性及び透過性の適切な配合を維持するために約5〜10ミル(mil)である。ガラス材料等の他の材料では、約3mmの厚さで十分とすることができる。
上記のように、調理パック又は調理器具は、調理のための波長で光透過性であるプラスチック材料から形成でき、及び/又は本明細書で企図するように構成若しくは動作するが、調理パック又は調理器具は、少なくとも1つの二重壁又は三重壁の更なる特徴を備えることもできる。調理パック又は調理器具の二重壁部分は、例えば開閉式(clam shelled)コンテナの底半部のみとすることにしてもよいし、又は調理パック若しくは調理器具全体、適用可能な場合は蓋を含めて、二重壁構成を有してもよい。二重壁構成の主要な利点の1つは、高温の食物が食物に最も近接するプラスチック表面と接触して歪みが生じたとしても、食物パックを載置又は保持しなければならない最も外側の層が変形しないことであろう。したがって、消費者が卓上で食物パックから製品を出して食べようとしたときに食物パックが揺れたり、傾いたりすることがない。多重壁フードパックの別の非常に重要な理由は、フードパックが断熱層をもたらすということであり、そのために、人が自分の手を火傷せずにフードパックを容易に手で持つことができる、及び/又は消費者が調理パックから食べている間、フードパックを容易に手で持つことができる。壁のそれぞれに使用する材料は、同一のものであっても、調理パックにおけるそれらの壁の機能のために特に指定したものであってもよい。調理パックは、二重壁又はそれ以上の多重壁とすることができるが、調理プロセスの間に製品から出てくることがあるジュースから食品を離して保持する、ある種のメッシュ材料を有することが非常に適切であることがある。また、三重壁等の他の種類の多重壁構成を実装してもよい。
容器又は調理パックは、容器又は調理パック内で食品の直接照射調理を可能にするのに適切な波長で光伝達性又は透過性である選択部分のみを備え得ることは理解されよう。少なくとも1つの形態では、これらの選択部分は、透過特性を向上させるために、輪郭(profile)又は断面(cross-section)を非常に薄く設計する。
したがって、狭帯域調理又は加温に使用する調理器具又は調理パックを製造する材料を選択するとき、材料特性を念頭に置いて選択すべきである。例えば調理パックで使用するプラスチック材料を評価する場合、使用する1つ又は複数の波長における伝達/吸収の特性は重要であるが、融解温度及び「軟化」又はガラス転移温度も重要となる。少なくとも1つの形態では、コンテナは、調理工程を完了するのに十分な構造完全性を維持する。当然、調理パックは、一般に食品を貯蔵するものであり、本出願に従って食品を中で加熱若しくは調理することになるコンテナ又は容器として働くことを理解されたい。この点について、PET材料等のいくつかの材料への二方向への延伸が、一般に構造完全性の改善又は強度をもたらす一方で、材料により薄い輪郭(profile)を実現させることは了解されよう。より薄い輪郭(profile)は、一般に光透過性を改善することも了解されよう。また、少なくとも1つの形態では、容器又は調理パックは、利用される温度及び照射強度では、有害な化合物を一切放出しない。
特定の例として、DHIで調理する冷凍食品をパッケージングするための強力な候補材料は、PET、即ちポリエチレンテレフタレートであろう。PETは、約800ナノメートルから約1,000ナノメートルの間の近赤外線において吸収係数がたった約0.027と極めて低い、有利な透過ウインドウを有する。また、1,415ナノメートル付近のわずかな吸収領域を除いては、約1,600ナノメートルまでのあらゆる波長で吸収がほとんどない。PETのガラス転移温度は、約185°Fで開始され、その融解温度は、十分に450°Fを上回る。PETは、現在、約200°Fのホット充填液の産業で使用されている。
他の種類のプラスチック材料を容器又は調理パックに使用できる。例えば、ポリプロピレン(PP)、高密度ポリエチレン(HDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリスチレン(PS)、再生樹脂(PCR)又はナイロンは、容器又は調理パックを形成できる。
ガラスも、可視領域から中赤外領域にまで及ぶ大きな透過ウインドウを有する材料である。今日、市場で容易に入手できるガラス製調理器具のほとんどは、狭帯域調理使用には厳密には適していない。レーザ及びLED等の狭帯域半導体照射デバイスは、小さな局所領域内に高度に集中したエネルギーを生成できるが、このエネルギーに、標準のソーダ石灰ガラス又は他の典型的なガラス製調理器具は耐えることができない。十分に設計された狭帯域調理器具は、低い熱膨張率を有さなければならない。ホウケイ酸ガラスは、DHI調理に十分に耐えるような低い熱膨張率を有する。本発明で説明する実施形態によれば、狭帯域ガラス製調理器具は、6.0×10−6未満の熱膨張率を有することが推奨される。本発明で説明する実施形態による理想的なガラス製調理器具も、より短い光子経路のためにガラス自体の加熱が少ないように、薄い断面を有するべきであり、このガラス製調理器具は、工程の一部として応力緩和及び強化できる。少なくとも1つの形態では、選択した材料(例えばガラス又は強化ガラス)は、適切な強度、構造完全性及び透過性の点で丈夫であるように設計する。
例示したようなガラス又はPET材料等のプラスチック材料を視覚的に透明にすべきかどうかに関して疑問が生じるかもしれない。本発明の別の特徴は、適切な狭帯域調理器具又は調理パック製品とするために、ガラス又はプラスチック材料が視覚的に透明な材料である必要がないということである。使用される多くの着色剤は、光の可視波長内のそれぞれの範囲内でのみ吸収性である。全可視波長範囲は、約400ナノメートルから約750ナノメートルに及ぶが、あらゆる所与の着色剤の影響は、典型的にはその全体範囲のうちの小さなサブセットである。しかし、二酸化チタン、カーボン等の広帯域吸収体を着色剤として使用することも多いが、これらは狭帯域調理で使用するには適していないと思われる。というのは、広帯域吸収体は、関連する近赤外及び短赤外範囲内に高度に透過性のウインドウを一切有していないからである。可視波長領域又はそれをわずかに上回る領域のサブセットへの吸収を制限する多くの着色剤が入手可能である。
本概念の長所は、パッケージング又は調理器具に適した魅力的で望ましい色を使用でき、直接照射調理に対する悪影響が絶対にないということである。したがって、非常に望ましい消費者製品を作製するために、着色剤をガラス、プラスチック及び一部のセラミックスで使用できる。着色剤は、単に、用途及び加熱の好みに従って適用する波長が通過可能である透過性ウインドウを有するように選択すべきである。即ち、少なくとも1つの形態では、着色剤は、食品を照射又は調理する選択波長で光伝達性又は透過性であるように選択する。また、少なくとも1つの形態では、着色剤は、人間の目には容器又は調理パックを少なくとも部分的に(実質的又は完全までを含み得る)不透明にする一方で、調理に使用する狭波長帯域の照射のうちの少なくとも1つでは高い透過性を維持する。更に、インク又は着色剤は、ラベル付け材料として容器又は調理パック上に使用でき、このラベル付け材料は、人間の観察者による判読を実現する一方で、調理に使用する狭波長帯域の照射のうちの少なくとも1つでは高い透過性を維持することを了解されたい。
また、そのようなラベル付け材料又は本明細書に記載する様々なコードは、一部の形態では、調理パック又は調理器具内に成形するか、調理パック又は調理器具の上に印刷するか、或いは様々な用途及び使用環境に合う適切な様式で調理パック又は調理器具に適用できることを了解されたい。
調理容器内の吸収レベルがわずかに高い場合に最適化される狭帯域調理器具及び調理パックの適用例がある。例えば、調理容器自体が昇温にある場合、調理をより良好に最適化できる。このことを達成するために、所望の波長で吸収係数を上昇させる吸収添加剤を材料に入れることができる。先に述べたように、調理容器自体の吸収を適切に増大させるためにカーボン・ブラックを少量添加できる。
本発明で説明する実施形態の別の態様は、伝達性一致の改良のために調理容器又は調理パック上に反射防止コーティング等の光学コーティングの使用を伴う。そのようなコーティングは、特定波長で空気中から調理容器材料内に入るときの屈折率をより接近して一致させる助けとなり得る。狭帯域調理は、典型的には、1つ、2つ又は3つの非常に狭い波長帯域を伴うだけであるので、広帯域波長の全範囲と一致させようとする広帯域コーティングよりも、関連波長のそれぞれに対する屈折率を一致させるコーティングを良好に設計できる。コーティングを施さない透過性材料では、照射エネルギーの約5パーセントは、フレネル反射として各表面で反射されるので、屈折率と一致するコーティングによって何らかの性能向上を達成できる。コーティング(使用する場合)は、安全で、有害物質を食物内に放出しないように配合し、FDA、UL並びに/又は食物及び食物調製安全に関する他の規制機関の規定に合格するように設計することを了解されたい。
少なくとも1つの形態では、調理パックの下側壁又は上側壁を反射性又は部分反射性表面仕上げ等の光学コーティングでコーティングすることも了解できる。反射コーティングにより、食物によって吸収されなかったエネルギー、及び食物を通過したか又は食物の内部熱の再放射として生成されたエネルギーを再利用する適切な方法をもたらす。様々な形態を採り得るコーティングは、調理をあまり必要としない食品が存在する場合、部分的に透過性の領域を実現でき、それにより、スマートDHIアレイ及び照射パターンを使用していない場合でさえ選択調理の影響を及ぼすことができる。より影響を受けやすい食品は、おそらく、食べ物の調理バランスと同じ程度に食品の半分だけの照射調理しか必要とせず、それにより調理工程をより穏やかに処理できる。処理部分は、部分反射のためにアルミニウム処理するか、又は反射に影響を与え得るあらゆる他の金属面とすることができるか、或いは処理部分は、プラスチック材料内の顔料又は添加剤により達成できるか、又は調理パックの表面上へのインクの印刷により達成できる。反射コーティングを調理パックの底部内面上に置くことにより、上部のみの調理を達成することが可能であり、このことは、調理する食品が薄く、その食品を調理する波長に著しい透過性を有する場合、特に効果的であろう。
狭帯域調理用途を対象とする調理パックは、特殊コードを組み込むか又は特殊コードと関連付けることができ、この特殊コードは、数字(又は他の英数字記号)、マーキング、グラフィック表示等を含む様々な形態を採ることができ、最適な調理のために狭帯域オーブン・システムを自動的に設定することを含む様々な理由で使用できる。そのようなコードは、一次元又は二次元コード、読取り可能コード又は視覚的に読取り可能なコードとすることができるか、或いはUV蛍光インク又はIR蛍光インクで印刷した、目には見えないコードとすることもできる。これらは、標準的なバーコード、一次元又は二次元バーコード、マトリックス・バーコード、又はRFIDコードとすることができ、それらコードは様々な目的で多くの情報をオーブンに伝達することができる。また、例えば、コードは、調理パック内の食物に対して特定の調理パラメータ又はオーブン設定パラメータを指定できる。これらのコードを使用することによって、オーブンが、例えば、店内の在庫量を維持するのに役立ち得るか又は食品庫の在庫、日付及び他の関連データを把握する家庭の自動システムと接続できる情報を自動的に読み取り、それを伝達することも可能である。当然、上記した調理容器は、例えば容器の物理的パラメータに対応する調理パラメータ又はオーブン設定パラメータを指定するコードを備えることもできる。また、本発明で説明する実施形態による調理器具又は調理パックの実装形態では、コードは、1)容器、調理器具用品、調理パック又は食品の上に配置すること、2)パッケージング等の上に提供すること、又は3)レシート等の文書上に提供又はそれと関連付けること、を含む様々な異なる様式で、特定の容器、調理器具用品、調理パック又は食品に関連付けて提供できる。
コードは、様々な様式でオーブンに提供できることを理解されたい。上述のように、例えば、オーブンは、適切なセンサ又はカメラにより適切な様式でコードを読み取り、オーブン用制御装置に送信できる(そのような物品は、例示を簡単にするために図1(a)〜(c)、図2及び図4では示さない)。また、コードは、オーブンのインターフェイス(やはり、例示を簡単にするために図示しない)によりユーザが入力できる。
例えば、調理パック又は調理器具内にコーティング又はコード化できる「電源オン」キーを設けることができる。この「電源オン」コード又はキーの精巧さは、非常に単純な構成(例えば隙間の有無を決定すること)から、かなりもっと複雑な構成(例えば2Dマトリックス・コード又はRF型コード)まで及びそれを含めて、変更できる。
図1(c)はオーブン庫300を示す。当然、オーブン庫300は、参照しやすいように代表的に示しているにすぎず、本明細書で説明するものを含めて様々な形態を採ることができる。少なくとも1つの例示的形態では、オーブン庫300は、スイッチ筐体302、及び食品又食物306を中に有する調理パック310の位置決め機構308を受け入れる領域304を含む。したがって、図示のように、キー又はコードは、位置決め機構308を領域304内に受け入れることにより実装される。次に、システム又はオーブン庫300は、この状況をシステム又はオーブン庫300の「電源オン」コードとして読み取ることができる。
例示的実装形態を図1(c)に示すが、そのようなキーは、調理パック内の特定の地点に位置でき、正確な電源オン・コード・パッケージがオーブン内にある場合にのみオーブンを開始するように設計した場合、不適切な物品が調理用DHIオーブン内に置かれるのを回避することになる。このことは、いたずらや意図的な破損及び他の問題を防止できる。というのは、こうした状況では、実行可能な「電源オン」DHIパッケージを含むことがないためである。調理パックは、読み取り、調理、オーブンの電源をオンにすることを一度にできるようなコード化もでき、それにより、DHI調理パックを詰め替えて意図される調理パックの食物以外のものを加熱又は調理することでシステムに不正を働くことを防止する。この特徴を設計する多くの方法があるが、本概念は、特定用途又は市場でDHI方法全体の有利な部分を提供できる。本概念は、例えば、コンビニエンス・ストアにおいて、レジがある製品を読み出したときに、レジはその製品を特定のシリアル番号と共に読み出し、そのシリアル番号がワイヤレスで又は何らかの他の方法でDHIオーブンに伝達されるように構築できる。この場合、DHIオーブンは、そのDHI調理パックの到着を待ち、その後、そのDHI調理パックが一回より多く調理されるのを防止することになる。
調理パックは、コンテナ内に(例えば基体部又はカバー又は蓋の中に)統合した圧力又は蒸気逃し弁も含むことができ、調理パックを狭帯域技術で調理した際にパッケージングが破裂又は中身が漏れるのを防止する。また、ストライプ状(又は他の幾何学的形状)の様々な材料をコンテナに追加して、例えばより多量の照射を吸収、加熱できる異なる材料との接触加熱により、名前のロゴを焼き付ける、焼き印を押す又は「彫刻」することができる。これらは、複数の材料調理に必要な特別な効果も促進できる。
図2は、本発明で説明する実施形態の一例を示す。図2は、空間10で表され、且つ一対のオーブン壁11による2つの側部に接するオーブン調理庫を含む、本発明で説明する実施形態に係るシステムを示す。図2は、下側狭帯域照射アレイ20a及び上側狭帯域照射アレイ20bを示す。照射アレイは、例えば、食品標的物32に対して典型的な光子ベクトル線22(例えば22a及び22b)によって示される照射パターンで照射する表面発光レーザ・ダイオード・デバイス21を実装する。少なくともいくつかの形態では、これらのレーザ・ダイオード・デバイス21は、可視及び/又は赤外領域の狭波長帯域内で照射し、その狭波長帯域は、調理/加熱される食品に対する所望の吸収特性と一致する。照射デバイス21のパターンは、線22(例えば22a及び22b)によって概念のために表すにすぎない。典型的なシステムは、1つのデバイスと隣接するデバイスとの照射出力の間に間隙がないようにデバイス21から生じる重複照射パターンを示すことになる。適切に設計した狭帯域オーブンは、食品標的32との衝撃点で適度に均一で重複する照射場をもたらすように、それぞれのデバイス21の照射場を配置することになる。
食品標的32は、特別設計した狭帯域調理容器41内にある。容器41は、本発明で説明する実施形態により形成し(且つ本明細書に記載するあらゆる単一の特徴、あらゆる組合せの特徴又は全ての特徴を含むことができる)、本発明で説明する実施形態によるシステムを示すオーブン庫内を示す。狭帯域調理容器41は、容器下側肩部43等の特定の位置決め機構を有するように設計でき、この容器下側肩部43は、適切な関係で容器を照射アレイ20a及び20bに位置決めする支持ブラケット又は肩部12と共に使用できる。容器41は、食品等の物品を分離する区画を設けた構成を含む、様々な構成を採り得ることを理解されたい。例示の容器41は、一例にすぎない。また、ブラケット又は肩部12は、様々な形態を採り得るか又はラック若しくは他の機構(メカニズム)と取り換えることができるが、少なくとも1つの形態では、異なる又は取替え構造は、位置決め及び方向決定を促進するものであり、食品を本発明で説明する実施形態に従って加熱又は調理できる適切な波長帯域で透過性である材料から形成することになる。
狭帯域調理容器41は、その上側面44上に、案内を与えるための同心円又は他の同心円状マーキング等の図式又は形状的表示を有することができ、それにより、調理人又は狭帯域オーブン・システムのオペレータが食品を照射調理の適切な位置に置くことになる。表面44上のそのようなマーキングは、表面上にあるか、又は調理器具41の厚さ部の内部に製造できる。形成に使用できる材料又は着色剤が何であれ、そのようなマーキング機構は、狭帯域調理に関連して使用される波長で適切に透過性であるべきである。マーキングは、食物標的を調理容器内に適切に設置するのに適切な列(queues)をもたらすどのような様式でも構成できる。ほとんどの用途に対して、食品を調理容器の中心に置くことが適切であるが、中心以外に食品を設置するのが適切である適用例又は理由があるだろう。一例は、多数の様々な種類の食品を同じ調理容器内で調理する場合と思われる。マーキングは、いくつかの異なる種類の調理標的のそれぞれに対して正確な場所を示すことができる。マーキングは、各調理物品のそれぞれに対して異なる量の照射を与える狭帯域オーブンと共に使用できる。場所は、20a、20b等の照射アレイの異なる区分又は小部分に対応でき、そのため、特定用途では、照射デバイス21の一部の電源をオンにし、他の照射デバイス21の電源をオフにできる。実際には、プログラムは、それぞれの異なる照射デバイス21、又は照射デバイス21のグループ又はサブセットに対するプログラム可能な制御部を有することができ、この制御部は、特定の調理作業の実施に必要な柔軟さのために、狭帯域照射システム設計者により決定できる。マーキング44は、実際は、(例えば上記した区画等の)マーキングにより画定した実際の物理的空間があるように、調理器具又は調理パック41の表面上で3次元の形態を採ることができ、このマーキングは、照射調理作業のために食物を適切な位置に置くのを容易にする。
調理容器が調理パックである又は適切な材料から形成される場合、分割器44は、薄い透過性材料から3次元に成形でき、食品を適所に保持する一方で、食品を適切に位置決めして狭帯域照射システムによって照射されるようにする。事前にパッケージングした特定種類の食物又は料理に関連付けたバーコード又はRFIDマーキングは、透過性パッケージ内に成形できるマーキング44又は分割器に対する必要な位置情報の全てを含むことができ、20a、20b等のアレイの出力を制御する制御システムを自動的に構築し、これに関して、調理工程の間、デバイス21をある強度及び任意の所与の時間で電源をオンにする。
個々のデバイス21のアレイ20aから到来する照射は、領域23を通る照射パターンを有し、この照射パターンは、照射パターンが下向き方向でアレイ20bによって形成された方法と同様に、食品標的に向かって垂直上向きに、通常、描写されるが、光子ベクトル線は、図面では明確にするために削除してある。やはり、少なくとも1つの形態では、アレイによって食品に向けて放射される放射の企図する狭波長帯域は、加熱又は調理する食品の所望の吸収特性と一致する。
調理容器41は、調理容器の一部又は全部を囲む突起42を備えることができるが、位置決め突起を設ける目的では、調理容器は、空間内でその位置を垂直に固定するブラケット12の上に載置できる。これは任意であり、想像可能な様々な異なる構成が、一部の用途では、適切であり、他の用途では不要であることがある。位置決め突起42は、適切に成形された1つ又は多くの方向付け突起42’も有することができ、方向付け突起42’は、図3の上面図に示すように、調理器具固定ブラケット12の特定の切り欠き領域と対合するように設計できる。図3は、食品位置決め列(queue)とするために利用できるマーキング44の上面図も示す。
図2は、光子照射ベクトル22が食品32に衝突したり、衝突しなかったりすることがあることも示す。食物標的物に衝突しなかったベクトル24により示すように、ベクトル24は、狭帯域調理器具41を通って真っ直ぐに通過でき、経路に沿って継続できる。本発明の範囲を超えているが、適切に設計した狭帯域調理システムは、適切に設計した反射器を利用し、この反射器は、最初の通過で食物標的に衝突しなかった光子を食品内に更に吸収できるように戻すか又は再利用することになる。
アレイ20a及びデバイス21からの上向き照射は、起動したデバイス21のそれぞれから生じることになる光子ベクトル22aにより表される。調理器具41は、食物標的32に対する経路上にあるが、狭帯域調理に使用する波長で透過性であるように設計する。本文書の他の場所で既に記載したように、反射防止コーティングは、22aにより表す光子エネルギーが食品32を通って向かう経路上にある表面で最小反射するように、調理器具41の屈折率を空間10に、より良好に一致させるために調理器具41の片面又は両面上で使用できる。
調理器具41は、統合された、比較的均一なユニットとして示され、適切な開閉式(クラムシェル式)コンテナの形態を採ることさえあるが、調理器具は様々な異なる形態を採り得ることを了解されたい。例えば、調理器具41は、(例えば、少なくとも1つの形態では、本発明で説明する実施形態に従って適切な光透過性材料から形成した)カバー又は蓋を有することができるか、又は側壁として働く金属材料から形成すると同時にその底部は光透過性材料を有することができる。また更なる代替形態では、オーブン庫と対合するために利用可能な肩部を有する金属ラックに、本明細書で裏付ける本発明で説明する実施形態に従って適切な容器を備えることができる。
図4は、薄壁プラスチック調理パック46が基体部49及びプラスチック・カバー45を有するのを示すことを除き、図2と同様の構成を示す。本発明で説明する実施形態によるシステムを例示するために、オーブン庫を示す。基体部49及びカバー45は、食品等の物品を分離するリブ又はアパーチャ又は区画を有するものを含め、様々な形態を採ることができる。また、図示のように、基体部及び/又はカバーの縁部は、位置決め機構として働き、オーブンの肩部12と対合できる(本実施形態及び他で説明する実施形態は、図5(a)、図5(b)、図5(c)、図5(d)、図6、図7、図8及び図9のものを含む)。突起又は延在部は、位置決め方法を強化するために、調理パック又は容器に設けることもできるが、必須ではない。更に、例えば図1(c)に関して説明した適切な「電源オン」キー又は機構も、本実施形態で実装できる。肩部又はブラケット12は、調理パックを支持するラック又は他の機構と置き換えることもできるが、そのような代替機構の光透過性は、本発明で説明する実施形態の達成の要素となり得る。説明する本ケースの場合、エネルギーは、上側アレイ20b及び下側アレイ20aから食品33に向かって照射され、光子エネルギー22a及び22bは、カバー45を含む調理パック46の透過性構造体を貫通して食物標的33を照射又は調理する。また、複数の食品又は区画を設けた場合、図2に関して説明した、複数の食品を加熱又は調理する技術を実装できる。カバー45を含む調理パック46が製造されるプラスチックは、本文書の他の場所でより詳細に説明したように、狭帯域調理の特徴である狭帯域照射によって透過性であるように特別に選択する。また、一形態では、任意選択として、39又は38で代表的に示すもの等の圧力逃し弁又は開口を蓋又は基体部に設けることができる。やはり、少なくとも1つの形態では、アレイによって食品に向けて放射される、照射の企図する狭波長帯域は、加熱又は調理する食品の所望の吸収特性と一致する。一部の形態では、カバー45は、調理/加熱工程の間使用しないこともあり、以下で詳述するものを含めた異なる形態を採り得る。
図5(a)を参照すると、食品506を貯蔵する代替調理パック500が示される。オーブン庫は、説明を簡単にするために示さないが、例示的調理パックは、本発明で説明する実施形態に従って説明する加熱又は調理システム内で使用できる。図5(a)では、調理パック500は、基体部502、及び蓋ではなくフィルムカバー504を有する。基体部502は、食品等の物品を分離するリブ又はアパーチャ又は区画を有するものを含めた様々な形態を採ることができ、任意選択として圧力逃し弁又は開口505を含むことができる。フィルムカバー504は、典型的には基体部502にシールされるが、フィルムは場合によっては調理又は加熱の間取り除かれてもよいことを了解されたい。調理パック基体分502及びフィルムカバー504を作製するプラスチックは、本文書の他の場所でより詳細に説明したように、狭帯域調理の特徴である狭帯域照射によって透過性であるように特別に選択する。
図5(b)を参照すると、食品556を貯蔵する更なる代替調理パック550が示される。やはり、オーブン庫は、説明を簡単にするために示さないが、例示的調理パックは、本発明で説明する実施形態に従って説明する加熱又は調理システム内で使用できる。調理パック550は、実質的に平坦である(例えば垂直壁がない)基体部552を含む。基体部552は、アパーチャ又は穴を有するディスク(例えばメッシュ又はメッシュ状ディスク)又は中にリブを有するディスクの基体部を含めた様々な形態を採ることができる。フィルムカバー554を設け、場合によっては調理又は加熱の間、それを取り除いてもよい。食物パック基体部552及びフィルムカバー554を作製するプラスチックは、少なくとも1つの形態では、本文書の他の場所でより詳細に説明したように、狭帯域調理の特徴である狭帯域照射によって透過性であるように特別に選択する。
図5(c)を参照すると、更なる代替調理パック560が示される。代表的な食物又は食品565は、調理パック560内に収容して示す。やはり、オーブン庫は、説明を簡単にするために示さないが、例示的調理パックは、本発明で説明する実施形態に従って説明する加熱又は調理システム内で使用できる。調理パック560は、基体部562を含み、基体部562は、外側壁部564及び内側壁部566を含む二重壁構成等の多重壁構成を含む。少なくとも1つの形態では、内側壁部及び外側壁部は、空隙568により分離される。上記のように、壁部は、プラスチックを含む様々な材料から形成できる。少なくとも1つの形態では、内側壁部は、メッシュ材料から形成する。また更なる実施形態では、空隙は、例えば図5(a)に示した通気口又は弁と同様の通気能力を備える。また更なる実施形態では、空隙には、他の材料、ガス、液体、或いは調理を促進する及び/又はユーザに利便性を与える他のものを充填できる。調理パック560は、フィルム又はカバー570も備える。図示のように、フィルム又はカバー570は、単一壁構造であるが、二重壁構造をカバーに備えることもできる。あらゆる数の壁部又は層、例えば3重壁部を調理パックに備え得ることを了解されたい。また、プラスチックを一例として示したが、非プラスチックの多重壁構成を、本発明で説明する実施形態による調理パック及び調理器具に実装できることを了解されたい。
図5(d)では、更なる代替調理パック580を示す。やはり、オーブン庫は、説明を簡単にするために示さないが、例示的調理パックは、本発明で説明する実施形態に従って説明する加熱又は調理システム内で使用できる。調理パック580は、食品585を支持する基体部582、及びフィルム若しくはカバー部584を含む。調理パック580は、光学コーティング586を備える。図示のように、入射エネルギーは、調理工程を向上させるために様々な様式の光学コーティングで反射できる。当然、上記のように、反射コーティングは、代替的に、吸収コーティング又は反射防止コーティング等他の光学コーティングと置き換えることもできる。
本明細書に記載する例示的調理パック(例えば、図4、図5(a)、図5(b)、図5(c)、図5(d)、図6、図7、図8及び図9の調理パック)は、様々な形態を採り、本明細書で示した特徴(例えば、コード、着色剤、電源オン・コード又はキー等)の様々な異なる組合せを含み得ることを了解されたい。これらの調理パックも、本明細書に記載の様々な様式で使用できる。
本発明で説明する実施形態による調理容器及び調理パックは、準備段階又は調理段階において特有の様式で操作できる。したがって、図6は、企図するデバイスのうち選択したデバイスを使用する調理方法の流れ図である。
図6を参照すると、方法600は、容器(又は場合によっては調理パック)内に食品を位置決めすることを含む(602)。このことは、上記した容器の食品案内機構の使用を含むことがある。例えば、上記した容器位置決め機構を使用してオーブン庫内に容器を位置決めする(604)。オーブン庫のアレイに対して容器を適切に位置決めした後、加熱又は調理工程を行う(606)。上記のように、少なくとも1つの形態では、加熱又は調理工程はコードの入力又は読取りを使用して達成してもよい。
図7は、後でオーブン庫において使用するための調理パックを準備する流れを示す。この点について、方法700は、適切な調理パックの選択を含む(702)。当然、調理パックは、本明細書に記載した形態を採る。したがって、方法は、適切な材料の選択、本明細書に記載の特性を有する調理パックの製造又は形成を含むことができ、該特性は、本発明で説明する実施形態に従ってアレイにより放射される照射の可視又は赤外の狭波長帯域で透過性であることを含む。上記のように、調理パックは、特殊コードを備える又はそれに関連付けることで、調理又は加熱工程を向上できる。一形態におけるコードは、例えば調理パック(又はそのパッケージング若しくは関連文書)に付され、次にオーブンによって読み取るか、又はオーブンに入力される。また、上記のように、調理パックは、中に着色剤を有することができる。食品は、調理パックの基体部内に置く(704)。以下で詳述するように、風味若しくは調味ナゲット又はペレットも食品と共に調理パック内に置くことができる。次に、食品を基体部内に封じ込める(706)。エンクロージャーは、蓋、フィルム又はボックスを含む様々な形態を採り得る。次に、調理パックは、本発明で説明する実施形態に従って記載した適切なオーブンを使用して食品を加熱又は調理する消費者又はユーザに提供されることを理解されたい。
選択した調理パックは、少なくとも1つの形態では、食品を貯蔵するだけの調理パックではなく、本発明で説明する実施形態に従って食品を加熱又は調理するのと同じコンテナ又は容器であることを了解されたい。
図8は、食物又は食品を調製する方法を示す流れを示す。この点について、方法800は、容器又は調理パック内への食品の位置決めを含む(802)。このことは、食物パッケージング工場又は消費者のキッチンを含む様々な場所及び様式で行われることを了解されたい。次に、容器又は調理パックをオーブン庫内に位置決めする(804)。少なくとも1つの形態では、オーブン庫は本明細書で説明したものと類似している。次に、位置決め機構を連係しているどうかの決定を行う(806)。このことは、上記で説明したものを含め、図1(c)に関連する様々な方法で達成できる。位置決め機構を連係していない場合、容器又は調理パックを庫内に再位置決めする。しかし、位置決め機構を連係している場合、システムは調理パック・コード等のコードを読み取る(808)。次に、例えばオーブン制御装置によって、コード及び可能性としては他の要素の読み取りに基づき調理パラメータを設定する(810)。最後に、例えば本発明で説明する実施形態に関して説明する技法に従って、食物の加熱又は調理を達成する(812)。
図9は、オーブン庫内の調理パック又は容器において食物を調製する流れを示す。この点について、方法900は、容器又は調理パック内への食品の位置決めを含む(902)。このことは、食物パッケージング工場又は消費者のキッチンを含む様々な場所及び様式で行われることを了解されたい。次に、容器又は調理パックをオーブン庫内に位置決めする(904)。少なくとも1つの形態では、オーブン庫は本明細書で説明したものと類似している。次に、焼き印位置決め機構が存在するかどうかの決定を行う(906)。この点について、システムは、指定した焼き印に特別な特徴及び機能をもたらすようにプログラムできる。焼き印位置決め機構が存在しない場合、制御アップグレードをインストールするかどうかに関しての決定を行う(908)。この点について、システムは、例えばユーザ又は消費者が決定した特別な特徴及び機能と共にプログラムできる。そのような制御アップグレードは、本質的に変更でき、少なくとも1つの形態では、ユーザ又は消費者が購入するか又は使用許諾を受けることができる。制御アップグレードをインストールしない場合、ユーザは、コース又はより一般的な調理パラメータを入力し(910)、調理又は加熱する(920)。しかし、制御アップグレードをインストールした場合、ユーザは、アップグレードの特別な特徴及び機能に従って、精密又は詳細な調理パラメータを入力し(912)、調理又は加熱する(920)。
焼き印位置決め機構が存在する場合、位置決め機構を連係しているかどうかに関して決定を行う(914)。このことは、上記で説明したものを含め、図1(c)に関連する様々な方法で達成できる。該位置決め機構を連係していない場合、容器又は調理パックを再位置決めする。しかし、前記位置決め機構を連係している場合、コード、例えば調理パック・コードが読み取られる(916)。次に、(例えばオーブン制御装置によって)コード及び可能性としては他の要素に基づき調理パラメータを設定する(918)。例えば、本発明で説明する実施形態に関して説明する技法に従って、食物の加熱又は調理工程を達成する(920)。
食品又は前菜又は料理は、加工工場で調理又は事前に焼くこともできる。食物製造/加工シーケンス全体を通じて光透過性コンテナを使用し、次に同じパックを使用して発送し、市場に出し、販売し、次に、消費者が製品を調理又は再加温し、次に製品を消費するという概念が望ましい。次に、調理パックを再生利用、再粉砕でき、プラスチックを再利用して次の調理パックを製造してもよいし、又は調理パックを、実際に、工場に返却し、洗浄し、次に、工場から消費者への別のトリップのために利用する再利用可能な調理パックとしてもよい。より高度なコード読取り能力が調理パック内に構築されると、調理パックは、再利用可能な調理パックがある市場で道理にかなうほどの、十分に高い価値を有することにもなる。
調理又は加熱工程の前、又は更には上記したパッケージング段階で、調理パック又は容器内に風味付き若しくは調味付き若しくは燻製風味の風味ナゲット又はペレットを含む又は追加することが望ましい場合がある。ナゲットは、そのような目的で設計した特定の隙間に置くことができ、次にDHI照射は、ナゲットに向けることができ、照射によって特定時間又は特定波長で風味又は香りを解放するように個別に制御可能である。ウッド・ペレットは、具体的には、煙を出し始めるが燃え出さないように照射できる。DHIの固有のプログラム可能性及びデジタル性のために、DHIは、確かに制御可能であるはずであり、不利益にならない大きな利点を加えるように行うことができる。
上記のように、少なくとも1つの形態では、オーブンは、例えばコード又はキーを読み取る及び/又は検出する適切なセンサ及び/又はカメラを備える。このデータ及びあらゆる他の関連データは、オーブン用制御装置に送信される。制御装置は、様々なハードウェア構成及び/又はソフトウェア技法を使用して様々な方法で実装できることは了解されよう。本明細書に記載する方法及び技法は、図6、図8及び図9の方法並びに本明細書に記載の他の方法(例えば「電源オン」コード/キー及びオーブン又は調理パラメータを設定する他のコード等の読取り/検出)の適切な部分を含め、制御装置が日常的に実行するように実装できる。
例示的実施形態を好ましい実施形態を参照しながら説明してきた。明らかに、上記で詳述した説明を読み、理解したときに、修正形態及び変形形態を他者が想起するであろう。例示的実施形態は、全てのそのような修正形態及び変形形態が添付の特許請求の範囲又はその等価物の範囲内にある限り、全てのそのような修正形態及び変形形態を含むものとして解釈することを意図する。

Claims (11)

  1. 所望の狭波長帯域で可視又は赤外の照射を放射する照射アレイを有するオーブン庫内に食品を支持する容器であって、
    該容器は、前記アレイに対するオーブン庫内における容器の位置決めをし、前記アレイによる食品への照射を促進するための容器位置決め機構を備え、
    前記容器は、照射アレイから放射される照射の可視又は赤外の狭波長帯域において光透過性である材料から成り、且つ前記容器は調理のために前記オーブン庫を起動させる電源オン・キーを備える、
    容器。
  2. 所望の狭波長帯域で可視又は赤外の照射を放射する照射アレイを有するオーブン庫内での食品の貯蔵および食品の調理をするための調理パックであって、
    前記調理パックは、食品を中に入れるためのプラスチック基体部と、該基体部用のカバーとを有し、
    前記プラスチック基体部は、前記照射アレイから放射される照射によって前記食品の加熱を促進するために、前記アレイから放射される照射の可視又は赤外の狭波長帯域で光透過性であり、且つ
    前記基体部又は前記カバーの少なくとも一部分は少なくとも二重壁である、
    調理パック。
  3. 所望の狭波長帯域のみで可視又は赤外の照射を放射する照射アレイを有するオーブン庫内での食品の貯蔵および食品の調理をするための調理パックであって、
    前記調理パックは、食品を中に入れるためのプラスチック基体部と、該基体部用のカバーとを有し、
    前記プラスチック基体部は、前記照射アレイから放射される照射によって前記食品の加熱を促進するために、前記アレイから放射される照射の可視又は赤外の狭波長帯域で光透過性であり、且つ
    前記基体部又は前記カバーの少なくとも一部分は光学コーティングを備える、
    調理パック。
  4. 前記光学コーティングは反射性である、請求項3に記載の調理パック。
  5. 前記光学コーティングは反射防止性である、請求項3に記載の調理パック。
  6. 所望の狭波長帯域で可視又は赤外の照射を放射する照射アレイを有するオーブン庫内での食品の貯蔵および食品の調理をするための調理パックであって、
    前記調理パックは、食品と、風味若しくは調味ナゲット又はペレットとを中に入れるためのプラスチック基体部と、該基体部用のカバーとを有し、
    前記プラスチック基体部は、前記照射アレイから放射される照射によって前記食品の加熱を促進するために、前記アレイから放射される照射の可視又は赤外の狭波長帯域で光透過性である、
    調理パック。
  7. 基体部として機能する少なくとも1つの領域を有するように構成されたプラスチック容器又は調理パックを選択すること;
    食品と、風味若しくは調味ナゲット又はペレットとを前記基体部内に置くこと;並びに
    前記食品を前記基体部内に封じ込めることを含み、
    前記プラスチック基体部が、照射アレイから放射される照射の可視又は赤外の狭波長帯域のうちの少なくとも1つの帯域において光透過性である、
    所望の狭波長帯域で可視又は赤外の照射を放射する前記照射アレイを有するオーブン庫内で使用される食品をパッケージングする方法。
  8. 容器又は調理パックの位置決め機構が連係されているかどうかを決定すること;
    前記調理パック又は前記容器に関連付けられたコードを読み取ること;
    前記コードに基づく調理パラメータを設定すること;及び
    前記食品を加熱又は調理すること
    を含むオーブン庫内において容器又は調理パックに収容された食品を調理又は加熱するための方法。
  9. 焼き印位置決め機構が前記調理パック又は前記容器上に存在するかどうかを決定することを更に含む、請求項8に記載の方法。
  10. アップグレードが利用可能かどうかを決定することを更に含む、請求項8に記載の方法。
  11. コース又は精密調理パラメータの手入力を容易にすることを更に含む、請求項8に記載の方法。
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