JPH0889398A - 炊飯装置及び炊飯方法 - Google Patents

炊飯装置及び炊飯方法

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JPH0889398A
JPH0889398A JP6229617A JP22961794A JPH0889398A JP H0889398 A JPH0889398 A JP H0889398A JP 6229617 A JP6229617 A JP 6229617A JP 22961794 A JP22961794 A JP 22961794A JP H0889398 A JPH0889398 A JP H0889398A
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rice
water
heating
temperature
light
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JP6229617A
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English (en)
Inventor
Shigeki Takeuchi
繁樹 竹内
Tetsuya Nishimura
哲也 西村
Isamu Hirashiki
勇 平敷
Mitsuo Maeda
満雄 前田
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Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 炊飯時間の短かい炊飯装置及び炊飯方法を提
供する。 【構成】 米4及び水3を蓄える釜2、並びに釜2の周
辺部に配置され、近赤外光または赤外光6を発生する加
熱用光源1により炊飯装置を構成し、加熱用光源1から
の光6により米4を米粒の内部から加熱して炊飯する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、炊飯時間の短い炊飯装
置及び炊飯方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の炊飯装置の例としては、例えば特
開平3−85113号公報に示すようなものがある。図
14はこのような炊飯装置を模式的に示す断面構成図で
ある。図において、7は外ビツで、その中に釜2が配置
されている。5は釜の蓋、4は釜2内の米を示し、3は
釜2内の水である。また、加熱板23は釜2の底部外面
に密着しており、加熱体24はこの加熱板23に取り付
けられている。
【0003】上記炊飯装置において、炊飯は次のように
行われる。まず、加熱体24が発熱し、その熱が加熱板
23に伝えられ、加熱板23から釜2に伝えられる。暖
められた釜2によって、まず水3が熱せられる。そし
て、水3によって米4が加熱され、炊飯される。加熱体
24はこの例のほかにも、誘導電流を用いて釜2を直接
加熱する方法なども従来から用いられているが、釜2が
発熱し、次に水、米が加熱される点はかわらない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このような従来の炊飯
装置及び炊飯方法で米を炊飯するには約40分程度の時
間を必要とした。これは、デンプンをそのまま糊化する
のにくらべてたいへん長い時間を要している。では、な
ぜ炊飯にこのように時間がかかるのか。炊飯は、米の9
0%をしめるデンプンを糊化する過程である。でんぷん
の糊化について、温度と含水率を変えながら、糊化時の
転移にともなう吸熱量を示したのが図15である(フー
ドテクノロジー1992年6月号124ページ(Food Te
chnology June(1992)p124))。図15は横軸が温度、縦
軸が転移に関係する熱量、各曲線の横に付されているの
は、全重量にしめる水の割合である。これを見ると、含
水率が0.5を超えるまでは、水の沸騰温度である10
0゜C以下では糊化が起こらず、0.5をこえると、6
5℃付近で糊化が起こることがわかる。米粒は炊飯時に
デンプンの糊化をともない、浸漬時には0、3程度の含
水率が、炊きあがると0.6から0.7に増加する。つ
まり、米を早く炊くには、水の吸収が速やかに行われる
必要がある。
【0005】ところで、従来の炊飯装置を用いた炊飯に
おいては、水と熱が外側から供給されるため、米のデン
プンの糊化も外側から行われる。では、水の拡散の度合
いは、糊化する前とした後ではどちらの方が大きいのだ
ろうか。デンプンと糊化している場合と、していない場
合の水の拡散係数を表1に示す(S.L.UMBACH
等、シリアルケミストリー 第69巻 637ページ
(S.L.UMBACH et al. Cereal Chem. 69(6) 1992 p637-64
2))。
【0006】
【表1】
【0007】糊化したデンプンの拡散係数は、糊化して
いないものの約1/3〜1/2である。つまり、同一条
件で吸水が進行した場合、2〜3倍時間がかかる。この
ように、糊化したデンプン中では糊化していないものに
比べて水の拡散がおきにくいことがわかる。つまり、従
来の炊飯方法では、図16のように糊の層が米の外部か
ら形成され、その糊の層が米の内部への水の吸収をさま
たげ、それが炊飯が長時間を要する一因となっていると
考えられる。
【0008】本発明は、このような問題点を解決するた
めになされたもので、まったく新しい炊飯装置及び炊飯
方法により、炊飯時間を短くすることを目的にしてい
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1に係る
炊飯装置は、米及び水を蓄える容器、並びにこの容器の
周辺部に配置され、米に対する吸収率が水に対する吸収
率より大きい光を発生する加熱用光源を備えたものであ
る。
【0010】本発明の請求項2に係る炊飯装置は、加熱
用光源から発生する光が、波長が0.7マイクロメート
ルから1.8マイクロメートルの間の近赤外光であるも
のである。
【0011】本発明の請求項3に係る炊飯装置は、加熱
用光源から発生する光が、可視光であるものである。
【0012】本発明の請求項4に係る炊飯装置は、加熱
用光源からの光を反射して、反射光により米及び水を再
度加熱する反射体を備えたものである。
【0013】本発明の請求項5に係る炊飯装置は、上記
各炊飯装置に対して、容器を搬送する搬送手段を設けた
ものである。
【0014】本発明の請求項6に係る炊飯装置は、容器
が米及び水を蓄える複数のパレットからなり、上記パレ
ットを上記搬送手段を用いて順次加熱用光源で加熱する
ようにしたものである。
【0015】本発明の請求項7に係る炊飯装置は、米及
び水を蓄える容器、この容器の周辺部に配置された加熱
手段、並びに米または水に超音波を伝える超音波発生器
を備えたものである。
【0016】本発明の請求項8に係る炊飯装置は、米及
び水を蓄える容器、この容器の周辺部に配置されたマイ
クロ波発生部、並びに上記マイクロ波発生部を制御し
て、米の内部に含まれる酵素を活性化させる温度に一定
時間保持する温度制御部を備えたものである。
【0017】本発明の請求項9に係る炊飯装置は、米及
び水を蓄える容器、この容器の周辺部に配置された加熱
手段、並びに上記米または上記水に加えられた添加材に
応じたモードで上記加熱手段の温度コントロールを行な
う温度制御部を備えたものである。
【0018】本発明の請求項10に係る炊飯装置は、上
記炊飯装置に、添加材を蓄える添加材容器、上記添加材
を、米及び水を蓄える容器中に混入する拡散滴下部を備
えたものである。
【0019】本発明の請求項11に係る炊飯方法は、米
に水を吸収させる含水過程、米または水を加熱し、高温
に維持して、米の糊化を進行させる加熱高温過程、及び
米の糊化完了後、米をむらす蒸らし過程の少なくとも一
つの過程において、米内部の温度が水の温度より高い状
態で加熱するものである。
【0020】本発明の請求項12に係る炊飯方法は、近
赤外光または赤外光を用いて、米内部の温度が水の温度
より高い状態で加熱するものである。
【0021】本発明の請求項13に係る炊飯方法は、可
視光を用いて、米内部の温度が水の温度より高い状態で
加熱するものである。
【0022】本発明の請求項14に係る炊飯方法は、上
記含水過程または加熱高温過程において、米に割れ目を
いれる、または米の割れ目を拡大するものである。
【0023】
【作用】前述したように、炊飯を高速化するには、水の
吸収が速やかに行なわれる必要があるが、従来の炊飯方
法では米が外側から糊の層を形成しながら炊飯されるの
で、糊の層が水の吸収を妨げ、内部への水の拡散が少な
く炊飯時間が長くかかった。従って、炊飯を高速化する
には内部から炊飯を進行させれば良い。即ち、米澱分の
糊化はある一定の温度で起こるため、米の糊化が内部か
ら進行するように加熱してやれば、米による水の吸収が
外部の糊の層によって妨げられず、炊飯時間を短くする
ことができる。なお、たとえ完全に内部から糊化が進行
しなくとも、内部からの糊化を促進するような傾向を持
つ加熱方法を採用すれば、それに応じた効果が期待でき
る。また、その際、米を糊化するための加熱を開始する
時点での米の含水量がおおければ、米の内部からの加熱
に応じて糊化が進行しやすくなる。
【0024】本発明の請求項1においては、米及び水を
蓄える容器の周囲に配置された加熱用光源からの光が、
水より米に多く吸収されることによって、米粒の方を加
熱する。このため温度は、より低い温度の水と接してい
る米周辺部よりも米中心部のほうが高くなり、米の糊化
は内部から起こる。
【0025】本発明の請求項2においては、加熱用光源
からの光の主な波長が0.7マイクロメートルから1.
8マイクロメートルの近赤外光であり、米内部からの加
熱が有効に行なわれる。
【0026】本発明の請求項3においては、加熱用光源
からの光が可視光であり、米内部からの加熱が安全、か
つ有効に行なわれる。
【0027】本発明の請求項4においては、加熱用光源
の光を反射する反射体を備えているため、反射光により
米及び水を再度加熱でき、光を有効に使うことができ
る。
【0028】本発明の請求項5においては、搬送手段に
よって米および水が加熱用光源の配置された部分に運ば
れ、加熱用光源からの光によって米粒を加熱する。
【0029】本発明の請求項6においては、複数のパレ
ットに米及び水が蓄えられ、これらパレットを搬送手段
を用いて順次加熱用光源で加熱する。
【0030】本発明の請求項7においては、超音波発生
器によって発生した超音波を、米粒に伝えることによ
り、米に割れ目をいれ、もしくは割れ目を拡大して、水
の吸収を促進する。
【0031】本発明の請求項8においては、米及び水を
蓄える容器の周辺部にマイクロ波発生部を配置し、水と
米をほぼ同時に加熱する。またマイクロ波発生部を温度
制御して米の内部に含まれる酵素を活性化させるように
する。
【0032】本発明の請求項9においては、米または水
に加えられた添加材に応じたモードで温度コントロール
を行ないながら炊飯する。
【0033】本発明の請求項10においては、添加材を
蓄える添加材容器から添加材を、拡散滴下部を通して米
及び水を蓄える容器中に混入する。
【0034】本発明の請求項11においては、含水過
程、加熱高温過程、蒸らし過程の少なくとも一つの過程
において、米内部の温度が水の温度より高い状態で加熱
され、米粒内での内部からの糊化を促す。
【0035】本発明の請求項12においては、近赤外光
または赤外光を用いて米粒の内部からの加熱を行う。
【0036】本発明の請求項13においては、可視光を
用いて米粒の内部からの加熱を行う。
【0037】本発明の請求項14においては、含水過程
または加熱高温過程において米に割れ目をいれ、もしく
は割れ目を拡大することによって、米の含水を促進す
る。
【0038】
【実施例】
実施例1.本発明の実施例1を図1に示す。図におい
て、1は近赤外光または赤外光を発生する加熱用光源、
2は外ビツ7内に配置された釜、3は釜2内の水、4は
釜2内の米、5は釜2の蓋、6は加熱用光源1で発生し
た近赤外光または赤外光、7は外ビツであり、内面が光
6を反射する反射面で構成されている。上記加熱用光源
1は釜2の周囲に設けられ、米に光を等方的に照射す
る。また、加熱用光源1から発生する光6は、水3にあ
まり吸収されないものを用いる。また、光源1に必要と
される出力は、外ビツ7での光の反射の程度や、釜2か
ら外部への熱伝導や熱輻射の程度によって異なるが、米
4以外での吸収を十分小さくし、従来の炊飯器と同程度
の断熱を施した場合、600Wから1000W程度が必
要とされる。なお、光源1からの出力は大きい方が、米
粒内での熱の拡散に対して入力されるエネルギーが大き
くなり、米内部と周辺部および水との温度差をよりつけ
ることができ、有効である。釜2は、加熱用の光6の透
過をさまたげない材質を用い、水3は炊飯に適した量添
加する。
【0039】次に上記炊飯装置で炊飯を行なう場合の動
作について説明する。通常炊飯は、まず、米に水を吸収
させる含水過程、次に米または水を加熱し、高温に維持
して、米の糊化を進行させる加熱高温過程、さらに米の
糊化完了後、米をむらす蒸らし過程により行なわれる
が、本実施例ではこれらの過程の少なくとも一つの過程
において、米内部の温度が水の温度より高い状態で加熱
される。即ち、本実施例の炊飯方法で、米が炊飯される
過程を図2に示す。近赤外光または赤外光6は、米に対
する吸収率が水に対する吸収率より大きいので、水3で
あまり吸収されないため、水3自体が加熱される割合は
小さい。光6は、米4で吸収され、米4自体を加熱する
ことになる。水3は、米4により加熱される。このた
め、温度は、より低い温度の水と接している周辺部より
も、米4の中心部のほうが高くなる。
【0040】従って、加熱高温過程において、近赤外光
または赤外光6を照射して加熱すると、米の糊化は従来
の炊飯方法と異なり内部から起こる。米の糊化が中心か
ら起こることによる効果には、次のようなものがある。
まず、中心部の糊化に必要な水の吸収が外側の糊層で阻
害される割合も小さくなり、炊飯時間を短くすることが
できる。また、従来方法による炊飯においては、米の外
側からの糊化進行にともなって、米の外壁がふやけ、溶
出物もおおい。しかし、本発明によれば、米の内側から
の糊化進行が促進されるため、米の外壁の崩れも少な
く、溶出物も少なくなる。このため、米のうまみタンパ
ク質を逃がさないため、食味をよくする効果を有する。
特に米の表面にうまみが多く分布しているが、このうま
みの溶出がより少なくなる。また、溶出物が少ないた
め、保存性がよいという効果もある。また炊飯装置等へ
の米粒の付着を減らすことができ、装置の洗浄等を簡単
にする効果がある。
【0041】さらに、含水過程において、一般に吸水を
速やかに進行させるため、デンプンの糊化転移温度であ
る50゜Cより少し低い温度に昇温することが一般に行
われているが、この含水過程における昇温に光による加
熱を用いれば、含水量が高くなっている米の周辺部より
も含水量の少ない米中心部の方が温度が高く、また、デ
ンプンは温度が高いほど水の拡散が速やかに行われるた
め、内部への吸水が速やかに行なわれ、吸水過程の時間
を短縮することができる。なお、含水過程において、米
内部の温度が糊化転移温度程度になっても、周辺部は糊
化しないですむため、水の拡散も糊化により妨げられな
い。
【0042】また、蒸らし過程において、従来の加熱方
法では釜からの熱伝導により飯の温度を制御していた。
蒸らし過程では水はほぼ吸収されてしまっており、それ
以前の水の対流による熱伝達が起こらず、熱伝達は飯の
熱伝導による。このため、釜中心部と釜付近での温度の
不均一が大きくなり、釜と接触している部分の飯の焦げ
付きや、温度不均一による釜内の場所での炊飯状態の不
均一があった。このような釜を加熱する従来方法と比較
して、蒸らし過程で光による加熱を行なった場合では、
飯の光の吸収率に応じて熱の吸収は釜内部でより均一に
行われるため、焦げ付きや飯の状態の不均一を解消する
ことができる。
【0043】なお、本実施例における炊飯装置では、上
記蒸らし過程を短縮、または省くことが可能である。即
ち、従来の炊飯方法において蒸らし過程は、糊化が完了
した後の米の内部での含水率のむらを、時間をおくこと
で均一にする過程と考えられる。本実施例における炊飯
装置では米の内部からの加熱であるため、従来法と比べ
て糊化完了時点での、中央部と周辺部の含水率の差が小
さく、このような過程は必要がなくなるか、もしくは時
間を短縮できる。従って飯の焦げ付き等も起らず、炊飯
時間もより短縮できる。
【0044】実施例2.次に加熱用光源として、0.8
6マイクロメートルの半導体レーザを用いた実験例を図
3に示す。ここで、23は波長0.86マイクロメート
ルの半導体レーザ、24は光ファイバケーブル、25は
コリメータレンズ、26はガラス製の真空二重管、4は
米粒、3は水である。
【0045】光ファイバーケーブル24によって導か
れ、コリメータレンズ25によって米粒の幅と同程度の
ビーム径をもつレーザービームが周囲から米粒4に集中
する。そのとき、各レーザ光のもっとも重なりあう米粒
の中心部がもっとも発熱する。
【0046】つぎに、光の波長域と、米及び水による吸
収について説明する。図4に、近赤外領域での米(中村
道徳 et.al. 澱粉・関連糖質実験法 学会出版センター
p51)および水(ジャーナル・オブ・ジ・オプティカル
ソサエティ・オブ・アメリカ1974年164巻第8号
1107ページ(Journal of the optical society ofAm
erica vol64 No.8 (1974) p1107))の吸光度を示す。こ
こでは見やすくするために、上記のものをひとつにまと
めた。水の吸光度は、次式により定義され A=A0 exp(-αx) ここでA0 は入射された光の強度、Aは水中を距離x進
んだところでの光の強度、αは吸光度をしめす。0.8
6マイクロメートルの光をもちいた場合、真空二重管と
米粒の間隔1mmの厚さの水により吸収される光の割合
は、0.1%以下である。また、米の吸光度は相対値で
あるが、たとえば0.86マイクロメートルの光を用い
た場合、米一粒(厚さ2mm)により吸収される割合
は、我々の行った実験では約10%である。このため、
水はレーザ光によってほとんど加熱されないが、米は、
周囲の水による外部からの冷却作用と中心部への集光の
効果によって、内部から加熱される。
【0047】図3において、用いたレーザーのファイバ
先端における出力の合計は2.4Wである。米粒一粒を
炊飯するには、4calもあれば十分であるが、米およ
び水による吸収が10%程度であること、真空2重管の
内部管からの熱輻射が大きいことを考慮して出力されて
いる。
【0048】なお、加熱用光源の波長としては、0.7
マイクロメートルから1.2マイクロメートルの光を選
択すれば、ほとんど水に吸収されず、また米にも急激に
は吸収されないため、米や水の存在下でも光が透過する
ため、ある程度の量の米および水に対しても米の中から
の炊飯が効果的に行われる。また、1.2マイクロメー
トル以上の光は、図4からわかるように、米によく吸収
されるため、米を効率よく加熱することができる。な
お、1.8マイクロメートル以上の光は水にも吸収され
易くなるため、光が米に充分届きにくいので、望ましく
は1.8マイクロメートル以下の近赤外光がよい。
【0049】1.48マイクロメートルの光で加熱した
場合、0.86マイクロメートルの光を用いた上記実験
と同一の条件で必要な出力は、300mW程度であっ
た。しかし、米及び水の存在下では光が透過しにくいた
め、大量の炊飯を行う場合には米及び水の層を薄くする
などの工夫が必要になる。
【0050】実施例3.実施例1において、加熱用光源
1として可視光を用いた例を示す。外ビツ7は内面を光
をよく反射するようにしてある。また、十分に外ビツ7
等で光の外部への漏れや、米以外による光の吸収を防ぐ
ように各部は配置する。このような処置を十分に行え
ば、光源1の出力は、実施例1の近赤外光または赤外光
光源と同程度の、600Wから1000W程度となる。
【0051】加熱用光源1として可視光を用いることに
より、水に対する吸収がきわめて小さいので、効率よく
エネルギーを米に伝えることができ、水を直接光で加熱
する割合を小さくすることができる。また、可視光を使
うことにより、安全に米を内部から加熱することができ
る。
【0052】加熱用光源1に可視光を用いた炊飯装置の
他の実施例を図5に示す。図5において、7は外ビツ、
8は外ビツの蓋、9は表示部である。表示部9は、外ビ
ツ7の内側にある加熱用光源1からの光の一部を外部へ
少量もらすようになっている。加熱用光源1に可視光の
成分を含むものを使うことにより、表示部9が明るいか
否かで、加熱中か否かをすぐ判別できるようになる。ま
た、表示部に蛍光材料をもちいることで、より容易に判
別が可能になる。なお、本実施例では表示部9を外ビツ
7上にもうけたが、これは外ビツの蓋8上にもうけても
同様の効果がある。
【0053】実施例4.本発明の他の実施例として、図
6のようなものがある。ここで、1は加熱用光源、6は
加熱用光源1で発生した近赤外光または赤外光、10は
ベルトコンベアー、3はベルトコンベアー上に炊飯のた
めに適量添加された水、4はベルトコンベアー上の米で
ある。ベルトコンベアー10は、近赤外光または赤外光
6を反射するようにしてある。11は近赤外光または赤
外光を効率よく利用するための集光カバーである。
【0054】次に動作について説明する。適量の水3を
添加された米4は、ベルトコンベアー10によって、加
熱用光源1の下を通過する。加熱用光源1で発生した近
赤外光または赤外光6は、ベルトコンベアー10の上面
と、集光カバー11によって反射され、それらの間を往
復し、この間に米によって吸収される。このようにして
米が光を吸収することで、米がまず加熱され、次に水が
暖められるため、温度は米4の中心部のほうが周辺部よ
りも高くなり、米の糊化は従来の炊飯方法と異なり中心
から起こる。このため、中心部の糊化に必要な水の吸収
が外側の糊層で阻害される割合も小さくなり、炊飯時間
を短くすることができる。また、米と水の層が薄いた
め、米や水で光が多少吸収され、米を透過しにくい光で
あっても加熱され易く、連続的あるいは断続的に搬送す
ることにより、大量の炊飯も可能となる。
【0055】なお、本実施例ではベルトコンベアー10
上に直接米4及び水3を配置したが、米4及び水3を収
納し、近赤外光または赤外光を反射するようにした容器
をベルトコンベアー上に配置しても、同様の効果があ
る。
【0056】上記実施例4では、ベルトコンベアー10
の表面は、近赤外光または赤外光を反射するようにした
が、かわりに近赤外光または赤外光を透過するようなベ
ルトコンベアーを用いることもできる。この場合、近赤
外光または赤外光を反射するミラーをベルトコンベアー
の下方に設置するか、ベルトコンベアーの下方にも光源
および集光カバーを設置する。または光源をベルトコン
ベアーの下方に設置し、近赤外光または赤外光を反射す
るミラーをベルトコンベアーの上方に設置することもで
きる。また、米4及び水3を収納し、近赤外光または赤
外光を透過するようにした容器を、近赤外光または赤外
光を透過するようにしたベルトコンベアー上に配置して
も、同様の効果がある。
【0057】実施例5.本発明の他の実施例を図7に示
す。図7において、10a,10bはベルトコンベア
ー、12a,12bは米及び水を収納したパレット、1
3a,13bはパレットを交換する交換機である。交換
機13a,13bの下部には、加熱用光源が配置されて
いる。
【0058】本実施例の動作は次のようなものである。
まず、米及び水を収納したパレットが、ベルトコンベア
ー10aによって運ばれ、交換機13a上に移される。
交換機13aは、ゆっくりとベルトコンベアー10bに
むけてパレットを移動する。移動中、交換機上のパレッ
ト内の米は、一つ上の交換機の下部の加熱用光源によっ
て、加熱、炊飯される。たとえば、交換機13b上のパ
レット内の米は、交換機13aの下部にもうけられた加
熱用光源からの光で加熱される。炊飯の終わったパレッ
ト12bは、交換機13bからベルトコンベアー10b
へと移される。このように、大量で連続的な炊飯を、比
較的小型な装置で行うことができる。
【0059】実施例6.本発明のさらに他の実施例を図
8に示す。図8において、1は加熱用光源、2は釜、3
は釜2内の水、4は釜2内に配置された米、5は釜の
蓋、6は加熱用光源1からの光、7は外ビツ、11は加
熱用光源1の光を内釜へと反射する集光カバー、14は
釜2の底面に密着した超音波発生器である。釜2は光6
を効率よく反射するような材質を用いる。また、釜の蓋
5は、加熱用光源1からの光6を透過するような材質を
一部または全部に用いる。また、超音波発生器の出力
は、100Wから300W程度必要である。
【0060】この実施例の動作を説明する。まず、米に
水を吸水させる含水過程および加熱高温過程において、
超音波発生器14が作動する。作動時間は、米に適当な
割れが生じる程度の時間である。吸水時及び炊飯時に
は、この割れの部分から水が速やかに浸透することで、
炊飯時間を短縮する効果を有する。
【0061】米粒の中での水の拡散を考えるとき、細胞
壁の水の浸透を阻害する割合は大きい。たとえば、我々
の実験によると、通常の炊飯方法では芯の消失まで、加
熱開始から約20分かかるのに対し、セルラーゼ(細胞
壁分解酵素)処理を十分に行った米では、12分から1
5分で芯は消失する。これは、細胞壁が破壊されたため
水の拡散が促進され、そのために中心部まで速やかに糊
化が行われたことを示している。また、表面の細胞−細
胞間がへき開した場合、水はへき開した部分から内部へ
と浸透が可能である。従って、超音波発生器14の出力
は、少なくとも細胞壁程度の深さの傷をつけるか、もし
くは細胞間にへき開を発生させる程度が要求される。ま
た、表面が糊化した状態では、へき開した箇所が糊によ
りふさがれる等して、効果が減少する。このため、超音
波による処理は、米表面の糊化が起こる前であればよ
く、含水過程のみでも、加熱高温過程のみでも、その両
方であってもよい。なお、含水過程、および加熱高温過
程での効果はほぼ同じである。
【0062】また、光によるものをはじめとする内部か
らの加熱方法との組み合わせにより、まず内部からの糊
化が促進されるため、表面に形成される傷、へき開等が
炊飯過程でより長く存在し、水の浸透を促進する効果が
大きい。また、内部からの糊化を促進するためには、内
部に十分な水を供給する必要があり、超音波を用いて表
面に割れを発生させる方法はたいへん有効である。
【0063】なお、本実施例では加熱用光源1は光6を
透過する釜の蓋5上に設けられており、集光カバー11
により光6が釜2内に効率よく入射する構成となってお
り、さらに釜2の内面は光6を効率よく反射するような
材質で構成されているので、米によって吸収されなかっ
た光は釜2の内面で反射され、再び米4の加熱に用いら
れ、効率よく光エネルギーを利用できる。また、炊飯装
置上部に光源1を設置できるため、炊飯装置の幅を小さ
くする効果を持つ。
【0064】また、本実施例では加熱用光源1を備えた
炊飯装置に超音波発生器14を設けたが、従来の加熱方
式のものに対して、超音波発生器を設け、含水過程で米
に割れ目を入れるようにしてもよい。この場合、含水過
程における水の浸透が促進され、炊飯時間を短くできる
効果がある。
【0065】実施例7.本発明のさらに他の実施例を図
9に示す。図9において、19は例えば熱電対からなる
温度センサ、20はマイクロ波発生部、21はマイクロ
波がつたわる空洞、22は温度センサ19の出力にした
がってマイクロ波発生部20を制御する温度調整機構で
ある。2は釜であり、マイクロ波を吸収しない、セラミ
ックスやガラスなどを用いる。セラミックスは釜2の強
度を保つ点で有効であり、またガラスは補助熱源として
光を用いる場合や、容器内部の視認性において優れてい
る。
【0066】この実施例の動作を説明する。マイクロ波
発生部20で発生したマイクロ波によって、米および水
が加熱される。マイクロ波を用いた加熱の場合、水、及
び米中の水分子が直接加熱され、水3と米4の同時加熱
となる。通常の釜を発熱させて水を加熱する方式に比べ
て、米4の内部が均一に加熱される効果がある。
【0067】なお、マイクロ波を用いた加熱の場合、光
を用いた炊飯方法に比べて、大出力を得易い効果がある
が、その反面、米が急激に加熱され、米粒中に含まれる
酵素が充分に働かず、うま味が損なわれる欠点がある。
本実施例では、専用の釜2、温度センサー19、温度調
整機構22等を用い、吸水時間や加熱時間、及び火力の
調節を最適に行うと共に、米の内部に含まれる酵素を活
性化させるように温度コントロールをして、より良い食
味の飯を高速に得る。
【0068】次に温度コントロールの仕方について説明
する。米粒中には、デンプンを分解して糖へと分解する
酵素がもともとふくまれており、その例としては、アミ
ラーゼがある。炊飯過程においては、アミラーゼによる
でんぷんの糖への分解の程度が食味を左右する。では、
糖の生成量はどの程度違うのか。我々の実験の結果を図
10に示す。これは、各温度において粉末状の米を水と
混合し、一定温度で、30分保持した場合の糖生成量を
グラフにしたものである。アミラーゼ活性は温度に依存
し、60゜Cから70゜Cで最大となり、その生成量
は、100゜Cのものの1.5倍に達する。また、実験
から、米に内在するアミラーゼは100゜Cでは10分
程度で働かなくなることがわかった。
【0069】これらのことから、一実施例として図11
のような温度パターンが考えられる。含水過程、加熱高
温過程、蒸らし過程の内、加熱高温過程において一定時
間65゜Cで温度を保持し、その後100゜Cに加熱す
る。65゜Cの温度で保持する時間は、長ければ長いほ
ど還元糖量は大きくなる。また、一度100゜C失活し
たように見える酵素も、温度を下げれば再び活性が部分
的に回復する。このため、図12のように、蒸らし時に
おいて、65゜Cの温度で保持するような温度パターン
も食味の改善に効果がある。
【0070】なお、上記構成に加え、電気分解等により
生成されるイオン水などによりpHをコントロールする
ことも効果を増大する。たとえば、pHを5から6程度
にすることで、糖生成量は1.2倍程度になる。また、
カルシウムを添加することにより、アミラーゼの失活を
防ぐこともできる。なお、温度センサ19は赤外線を用
いた非接触型のものでもよい。また、釜の温度を計るこ
とによって温度制御してもよい。
【0071】このように、マイクロ波による加熱部をそ
なえることで速やかな温度上昇が可能になり、また、米
の内部に含まれる酵素の特性に応じた温度コントロール
を行うことで、食味のよい炊飯が可能になる。
【0072】なお、上記実施例ではマイクロ波により加
熱を行うものを示したが、従来の加熱方式や、実施例1
〜実施例6に示すような光による加熱方式のものに対し
ても、上述したと同様の温度コントロールを行ってもよ
く、食味のよい炊飯が可能となる。
【0073】実施例8.本発明のさらに他の実施例を図
13に示す。図13において、15は水タンク、16は
添加材容器、17は蒸気発生部、18は拡散滴下部、1
9は実施例7と同様の温度センサ、22は温度センサ1
9の出力にしたがって加熱用光源を制御し、温度コント
ロールする温度調整機構であり、添加材の種類によって
温度コントロールの方法を切り換えれるように構成され
ている。
【0074】この実施例の動作を説明する。まず、水タ
ンク15の水は、添加材容器16中の添加材が混入され
た後、蒸気発生部17で蒸気となり、拡散滴下部18で
凝縮し、釜内に滴下される。その後、加熱用光源1によ
って加熱され、炊飯が行われる。
【0075】添加材容器16中には、セルラーゼなどの
酵素などがいれられる。セルラーゼを添加材として用い
た場合、米粒の細胞壁が破壊され、吸水中及び炊飯中に
速やかに米粒内で水の拡散が起こる。このことにより、
炊飯を高速化するとともに、食味を改善する効果を有す
る。また、そのほかには、アミラーゼが添加材として用
いられる。光による炊飯では、炊飯時間が短縮されるた
め、米中のアミラーゼ等の、デンプンを糖に変える酵素
の働く時間が短く、炊飯後の飯の全糖値が小さくなる。
これを補うために、アミラーゼの添加することにより、
米の糖度が増し、食味が改善される。その他の添加材と
してはプロテアーゼ、グルコースイソメラーゼ等が用い
られる。また、吸光率を上げる添加材、例えば無害の着
色材を米に対して用いれば、より炊飯時間の短縮が可能
である。
【0076】なお、上記セルラーゼ、アミラーゼ等は、
その活性が温度によって異なり、また高温にある一定時
間さらされると働かなくなってしまう。本実施例では、
炊飯過程の含水、加熱高温、蒸らしの各過程において、
添加材に含まれる酵素に適した温度調整機構22を備え
ることにより、添加材の効果を最大限に引き出す炊飯を
行う。
【0077】以下、温度調整機構22における温度制御
について説明する。例えば、添加材にプロテアーゼ、グ
ルコースイソメラーゼ等を用いる場合、含水過程におい
て、プロテアーゼの活性のもっとも高い30〜40゜C
程度に温度を保持し、含水をおこなう。あるいは、耐熱
性でない酵素の場合、温度が100゜C程度まで上昇し
たために一度働かなくなったように見える場合でも、温
度を下げることによりふたたびある程度酵素に活性が戻
る場合がある。従って、一度加熱高温過程において高温
に温度を保持した後、蒸らし過程において30〜40゜
C前後に温度を保持する。また、添加材にセルラーゼを
用いる場合には、含水過程においてセルラーゼの活性の
もっとも高い30〜40゜C前後に温度を保持し、含水
をおこなう。または、蒸らし過程において、30〜40
゜C前後に温度を保持する。また、添加材に米由来のア
ミラーゼを用いる場合には、実施例7と同様、加熱高温
過程において、活性のもっとも高い65゜C前後に、目
的に応じて数分から数10分温度を保持する。または、
蒸らし過程において65゜C前後に温度を保持する。な
お、上記各添加材において、含水過程と蒸らし過程、加
熱高温過程と蒸らし過程の両方で所定の温度に保持する
ようにしてもよい。耐熱性の酵素を添加材として用いる
場合には、できるだけ、加熱高温過程および蒸らし過程
において、米を高温に維持すれば良い。
【0078】このように温度制御を行なうことにより、
上記各添加材の効果をより一層発揮させることができ
る。また、本構成の炊飯装置により添加材を拡散滴下す
ることにより、添加材の量や種類や添加時期等が自動的
にコンロトールできる。
【0079】なお、上記実施例においては、蒸気発生部
17の前に添加材を混入したが、拡散滴下部18におい
て添加材を混入することもできる。このばあい、添加材
が加熱されないため、熱に弱い添加材を用いる場合には
有効である。
【0080】また、上記実施例では、添加材を添加材容
器16、蒸気発生部17、拡散滴下部18等を通して添
加したが、このような機構を設けず、予め釜内に米とと
もに添加しておくものに対しても、温度調整機構22に
より添加材に応じたモードで温度コントロールを行なう
ようにしてもよい。
【0081】また、上記実施例では炊飯における加熱手
段は光によるものを示したが、従来と同様の加熱手段に
対しても、添加材を入れ、その添加材に応じた温度コン
トロールを行なうようにしてもよい。
【0082】また、実施例7にしめしたマイクロ波によ
る加熱手段を用いたものに、添加材を加える機構を組み
合わせてもよく、マイクロ波による急速な炊飯による食
味低下を抑える効果がある。
【0083】
【発明の効果】以上のように本発明の請求項1によれ
ば、米及び水を蓄える容器、並びにこの容器の周辺部に
配置され、米に対する吸収率が水に対する吸収率より大
きい光を発生する加熱用光源により炊飯装置を構成した
ので、米の糊化は内部から起こり、炊飯時間が短縮され
る効果がある。
【0084】本発明の請求項2によれば、上記加熱用光
源から発生する光を、波長が0.7マイクロメートルか
ら1.8マイクロメートルの間の近赤外光としたので、
米粒を効果的に加熱できる効果がある。
【0085】本発明の請求項3によれば、上記加熱用光
源から発生する光を可視光としたので、米内部からの加
熱が安全、かつ有効に行なわれる効果がある。
【0086】本発明の請求項4によれば、上記加熱用光
源からの光を反射して、反射光により米及び水を再度加
熱する反射体を備えたので、光を有効に使うことができ
る。
【0087】本発明の請求項5によれば、上記各炊飯装
置に対して、容器を搬送する搬送手段を設けたので、高
速に、大量の炊飯を行なえる効果がある。
【0088】本発明の請求項6によれば、容器が米及び
水を蓄える複数のパレットからなり、上記パレットを上
記搬送手段を用いて順次加熱用光源で加熱するようにし
たので、小型で、かつ大量の炊飯ができる装置が得られ
る効果がある。
【0089】本発明の請求項7によれば、米または水に
超音波を伝える超音波発生器を備えたので、炊飯中の米
粒内への水の浸透を促進して炊飯時間を短縮する効果が
ある。
【0090】本発明の請求項8によれば、米及び水を蓄
える容器、この容器の周辺部に配置されたマイクロ波発
生部、並びに上記マイクロ波発生部を制御し、米の内部
に含まれる酵素を活性化させる温度に一定時間保持する
温度制御部により炊飯装置を構成したので、高速に炊飯
でき、かつ米内部の酵素の働きを助ける効果がある。
【0091】本発明の請求項9によれば、米及び水を蓄
える容器、この容器の周辺部に配置された加熱手段、並
びに上記米または上記水に加えられた添加材に応じたモ
ードで上記加熱手段の温度コントロールを行なう温度制
御部により炊飯装置を構成したので、添加材の働きを助
ける効果がある。
【0092】本発明の請求項10によれば、上記炊飯装
置に、添加材を蓄える添加材容器、上記添加材を、米及
び水を蓄える容器中に混入する拡散滴下部を備えたの
で、添加材を米に自動的に入れることができる。
【0093】本発明の請求項11によれば、米に水を吸
収させる含水過程、米または水を加熱し、高温に維持し
て、米の糊化を進行させる加熱高温過程、及び米の糊化
完了後、米をむらす蒸らし過程の少なくとも一つの過程
において、米内部の温度が水の温度より高い状態で加熱
するようにしたので、米の糊化は内部から起こり、炊飯
時間が短縮される効果がある。
【0094】本発明の請求項12によれば、近赤外光ま
たは赤外光を用いて、米内部の温度が水の温度より高い
状態で加熱するので、容易に米内部から糊化が起る。
【0095】本発明の請求項13によれば、可視光を用
いて、米内部の温度が水の温度より高い状態で加熱する
ので、安全に加熱できる。
【0096】本発明の請求項14によれば、上記含水過
程または加熱高温過程において、米に割れ目をいれる、
または米の割れ目を拡大するので、炊飯中の米粒内への
水の浸透を促進する効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例1による炊飯装置を示す断面
構成図である。
【図2】 本発明の実施例1における加熱の様子を説明
する説明図である。
【図3】 本発明の実施例2に係わる炊飯実験装置を示
す構成図である。
【図4】 本発明の実施例2に係わる近赤外領域での水
と米の吸収度を示すグラフである。
【図5】 本発明の実施例3による炊飯装置を示す斜視
構成図である。
【図6】 本発明の実施例4による炊飯装置の主要部を
示す構成図である。
【図7】 本発明の実施例5による炊飯装置の主要部を
示す構成図である。
【図8】 本発明の実施例6による炊飯装置を示す断面
構成図である。
【図9】 本発明の実施例7による炊飯装置を示す断面
構成図である。
【図10】 本発明の実施例7による炊飯装置の動作を
説明する説明図である。
【図11】 本発明の実施例7による炊飯装置の動作を
説明する説明図である。
【図12】 本発明の実施例7による炊飯装置の動作を
説明する説明図である。
【図13】 本発明の実施例8による炊飯装置を示す断
面構成図である。
【図14】 従来の炊飯装置を示す断面構成図である。
【図15】 デンプンの糊化の条件を説明する説明図で
ある。
【図16】 従来の炊飯装置による米の内部での糊化の
様子を説明する説明図である。
【符号の説明】
1 加熱用光源、2 釜、3 水、4 米、6 光、1
0,10a,10bベルトコンベアー、11 集光カバ
ー、12a,12b パレット、14 超音波発生器、
15 水タンク、16 添加材容器、17 蒸気発生
部、18 拡散滴下部、19 温度センサ、20 マイ
クロ波発生部、22 温度調整機構。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 前田 満雄 尼崎市塚口本町8丁目1番1号 三菱電機 株式会社中央研究所内

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 米及び水を蓄える容器、並びにこの容器
    の周辺部に配置され、米に対する吸収率が水に対する吸
    収率より大きい光を発生する加熱用光源を備えた炊飯装
    置。
  2. 【請求項2】 加熱用光源から発生する光は、波長が
    0.7マイクロメートルから1.8マイクロメートルの
    間の近赤外光である請求項1記載の炊飯装置。
  3. 【請求項3】 加熱用光源から発生する光は、可視光で
    ある請求項1記載の炊飯装置。
  4. 【請求項4】 加熱用光源からの光を反射して、反射光
    により米及び水を再度加熱する反射体を備えた請求項1
    ないし3のいずれかに記載の炊飯装置。
  5. 【請求項5】 容器を搬送する搬送手段を備えた請求項
    1ないし4のいずれかに記載の炊飯装置。
  6. 【請求項6】 容器は米及び水を蓄える複数のパレット
    からなり、上記パレットを搬送手段を用いて順次加熱用
    光源で加熱するようにした請求項5記載の炊飯装置。
  7. 【請求項7】 米及び水を蓄える容器、この容器の周辺
    部に配置された加熱手段、並びに上記米または上記水に
    超音波を伝える超音波発生器を備えた炊飯装置。
  8. 【請求項8】 米及び水を蓄える容器、この容器の周辺
    部に配置されたマイクロ波発生部、並びに上記マイクロ
    波発生部を制御し、上記米の内部に含まれる酵素を活性
    化させる温度に一定時間保持する温度制御部を備えた炊
    飯装置。
  9. 【請求項9】 米及び水を蓄える容器、この容器の周辺
    部に配置された加熱手段、並びに上記米または上記水に
    加えられた添加材に応じたモードで上記加熱手段の温度
    コントロールを行なう温度制御部を備えた炊飯装置。
  10. 【請求項10】 添加材を蓄える添加材容器、上記添加
    材を、米及び水を蓄える容器中に混入する拡散滴下部を
    備えた請求項9記載の炊飯装置。
  11. 【請求項11】 米に水を吸収させる含水過程、米また
    は水を加熱し、高温に維持して、米の糊化を進行させる
    加熱高温過程、及び米の糊化完了後、米をむらす蒸らし
    過程の少なくとも一つの過程において、米内部の温度が
    水の温度より高い状態で加熱されることを特徴とする炊
    飯方法。
  12. 【請求項12】 近赤外光または赤外光を用いて、米内
    部の温度が水の温度より高い状態で加熱することを特徴
    とする請求項11記載の炊飯方法。
  13. 【請求項13】 可視光を用いて、米内部の温度が水の
    温度より高い状態で加熱することを特徴とする請求項1
    1記載の炊飯方法。
  14. 【請求項14】 含水過程または加熱高温過程におい
    て、米に割れ目をいれる、または米の割れ目を拡大する
    ことを特徴とする請求項11ないし13のいずれかに記
    載の炊飯方法。
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