JP2016517912A - オレフィン重合用触媒成分 - Google Patents

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Abstract

本発明は、Mg、Ti及び式(I)の電子供与体を含む、オレフィン重合用触媒成分を提供する:【化1】上記式において、X及びYはR1、−OR1及び−NR2から選択され、Bは酸素又は硫黄であり、Sは硫黄であり、R1はC1−C15炭化水素基から選択され、任意にハロゲン、P、S、N、O及びSiから選択されるヘテロ原子を含み、共に融合されて1つ以上の環を形成することができ、Rは水素又はR1であり、Aは2つの架橋結合の間の鎖長が1個ないし10個の原子である2価架橋基である。【選択図】なし

Description

本発明は化学分野に関する。特に、本発明はMgジハライド系支持体を含む、オレフィン、特にプロピレン重合用触媒成分に関し、この支持体上にはTi原子、及び特定部類のメルカプトアルコール誘導体から選択される電子供与体が支持されている。本発明はさらに、上記成分から得られる触媒、及びオレフィン、特にプロピレン重合工程でのこれらの用途に関する。
オレフィンの立体特異性重合のための触媒成分は、当該技術分野に広範囲に知られている。プロピレン重合に関し、最も広く用いられる触媒ファミリーはチーグラ−ナッタ(Ziegler−Natta)範疇に属し、一般的な用語において、これはAl−アルキル化合物と組み合わせて用いられるマグネシウムジハライドにより構成された固体触媒成分を含み、マグネシウムジハライドの上にはチタン化合物及び内部電子供与体化合物が支持されている。しかし、通常、結晶度がさらに高いポリマーが必要な場合、より高いイソタクチシチー(isotacticity)を得るためには外部供与体(例えば、アルコキシシラン)がまた必要である。好ましい部類の内部供与体のうち1つはフタル酸のエステルにより構成され、ジイソブチルフタレートが最も多く用いられる。フタレートは外部供与体であるアルキルアルコキシシランと組み合わせて内部供与体として用いられる。この触媒システムは活性、イソタクチシチー及びキシレン不溶性の面で良好な性能を提供する。
この触媒システムの使用に関する問題点のうち1つは、フタレートがこれらの使用に関する医学的問題により最近懸念が大きくなっており、この部類内の一部化合物は深刻な健康問題の根源として分類されたということである。
結果的に、プロピレン重合用触媒成分の製造に用いるための他の部類の内部供与体を見出すための研究活動がなされた。
内部供与体はUSP7,388,061及びWO2010/078494に述べられており、両方とも脂肪族ジーオル又は芳香族ジオールのエステルに関する。両方の参照文献ともこれらの構造の可能な代案を述べていない。さらに、これらの基本構造がジオールの構造という事実に鑑み、ジーオル基本構造の2つの酸素が同様の反応性を有するため、異なる官能基(エステル/エーテル、エステル/カルバメート等)を有する多官能性誘導体を製造することは難しい。
驚くべきことに、出願人は、メルカプト誘導体に基づく特定の部類の供与体は、内部供与体として用いられる場合、活性及び立体特異性の優れたバランスを現わす触媒を生成する同様の官能基又は異なる官能基を有した広範囲な分子を生成するために適合化されることを見出した。
これに、本発明は、Mg、Ti及び式(I)の電子供与体化合物を含む、オレフィン重合用触媒成分を提供する:
Figure 2016517912
上記式において、X及びYはR、−OR及び−NRから選択され、Bは酸素又は硫黄であり、Sは硫黄であり、RはC−C15炭化水素基から選択され、任意にハロゲン、P、S、N、O及びSiから選択されるヘテロ原子を含み、共に融合されて1つ以上の環を形成することができ、Rは水素又はRであり、Aは2つの架橋結合の間の鎖長が1個ないし10個の原子である2価架橋基である。
架橋基として作用する環状構造において、用語「鎖長」は、式(I)の2つの硫黄又は酸素/硫黄原子を連結する原子の最短配列と称される。好ましい一般的な実施形態において、架橋基は式−(ZR −を有し、この式で、Zは独立してC、Si、Ge、O、N、S又はPから選択され、互いに同一であるか又は異なるR基は水素、又は任意にハロゲン、P、S、N、O及びSiから選択されるヘテロ原子を含む、C−C20炭化水素ラジカルであり、共に融合されて1つ以上の環を形成することができ、mはZの原子価を満たす数であり、nは1ないし10の範囲の整数である。好ましくは、式−(ZR −を有する架橋基で、原子O、S及びNは式(I)のS又はOに直接連結されないが、すなわち、これらは架橋基の末端原子ではない。好ましくは、ZはC及びSiから選択される。より好ましい実施形態において、Zは炭素である。
特定の実施形態において、前記2価架橋基は、任意にC−C15炭化水素基で置換され、及び/又はハロゲン、P、S、N、O及びSiから選択されるヘテロ原子に置換され、1個ないし6個の原子、特に1個ないし4個の原子範囲の架橋鎖長を有した、脂肪族、指環族及び芳香族の2価ラジカルからなる群より選択される。
特に好ましい実施形態において、架橋基は2個ないし3個の炭素原子の架橋鎖長を有した脂肪族又は指環族架橋基である。この部類の中で、特に好ましい架橋基は、式−(CR −のものであり、この式で、Rは独立して水素、又は任意にハロゲン、P、S、N、O及びSiから選択されるヘテロ原子で置換されるC−C20炭化水素ラジカルであり、共に融合されて1つ以上の環を形成することができ、pは炭素の利用可能な原子価を満たす数であり、sは1ないし6、好ましくは1ないし4の数である。架橋基の例はメチリデン、エタン−1,2−ジイル、ブタン−2,3−ジイル、ペンタン−2,4−ジイル、2,2−ジイソブチルプロパン−1,3−ジイル、シクロヘキサン−1,2−ジイル、シクロペンタン−1,2−ジイルである。
特に好ましい下位部類は下記の式(II)のものである:
Figure 2016517912
上記式において、Bは硫黄又は酸素であり、ここで、互いに同一であるか又は異なるR基ないしR基は水素、又は任意にハロゲン、P、S、N及びSiから選択されるヘテロ原子を含むC−C15炭化水素基であり、互いに同一であるか又は異なるRは任意に連結され環を形成することができるC−C15炭化水素基から選択され、nは0ないし5の整数である。
好ましくは、Bは硫黄であり、R及びRはC−C10アルキル基、より好ましくはC−Cアルキル基、特にメチルから選択され、R及びRは水素又はC−C10アルキル基、さらに好ましくは水素から選択される。R基は独立してC−C10アルキル基、より好ましくはC−Cアルキル基から選択される。この中で、メチル、エチル、n−プロピル及びn−ブチルが特に好ましい。指数nは0と5を含み、0ないし5で様々であり得て、好ましくは1ないし3であり、より好ましくは1である。nが1である場合、置換体Rは好ましくはベンゾエート環の4位に存在する。
さらに他の部類の好ましい架橋基は環状芳香族基に基づく架橋基であって、この芳香族基を介して炭素環原子が式(I)の2つの硫黄又は硫黄/酸素原子を連結することができる。この中で、1、2又は1、3又は1、4位で酸素原子を連結する、任意にハロゲン又はC−C20アルキルラジカルで置換されるフェニル基、及び1、2又は2、3又は1、8位で酸素基を連結する、任意に置換されるナフタレン基が特に好ましい。
この中で、下記の式(III)の構造が特に好ましい:
Figure 2016517912
上記式において、X、Y及びBは請求項1で定められたものと同様の意味を有し、RないしR12は独立して、水素、ハロゲン、又は任意にハロゲン、P、S、N、O及びSiから選択されるヘテロ原子で置換されるC−C15炭化水素基から選択される。
式(III)の好ましい構造は、R、R11及び/又はR12基がC−Cアルキル基である構造である。特に好ましい構造は、R及び/又はR12が第1級アルキル基、特にメチルであり、R11が第3級アルキル基、特にtert−ブチルである構造である。
具体的な例は、1,2−フェニレン、3−メチル−1,2−フェニレン、4−クロロ−1,2−フェニレン、4−(tert−ブチル)−1,2−フェニレン、3,6−ジメチル−1,2−フェニレン、3,5−ジメチル−1,2−フェニレン、5−(tert−ブチル)−3−メチル−1,2−フェニレン、3,5−ジイソプロピル−1,2−フェニレン、ナフタレン−1,8−ジイル、ナフタレン−1,2−ジイル、ナフタレン−2,3−ジイル基である。
好ましくは、式(I)及び(III)で、Bは酸素である。さらに、上記式において、R基は、好ましくはC−C10アルキル基及びC−C15アリール基又はC−C15アルキルアリール基から選択される。アルキル基のうち、線状C−Cアルキル基、例えばメチル、エチル及びプロピルが好ましい一方、好ましいアリール又はアルキルアリール基は好ましくはハロゲン及び/又はC−Cアルキル基で置換されるフェニル基である。
式(I)及び式(III)のX基とY基との間の組み合わせの好ましい可能例は、BがOであり、XはRであり、YはR、−OR及び−NRからなる群より選択され、R及びRは上述した意味を有するものである。好ましい実施形態において、X及びYは両方ともR、特にC−C15アリール基又はC−C15アルキルアリール基から選択される。さらに他の好ましい組み合わせは、BがOであり、Xは−ORであり、Yは−NR及び−ORから選択されるものである。さらに好ましい実施形態によると、BがOであり、XはC−C15アリール基又はC−C15アルキルアリール基から選択される−R基であり、YはRがC−C10アルキル基から選択される−ORである。
−NR基において、Rラジカルは好ましくはC−C10アルキル基、より好ましくは線状C−Cアルキル基、例えばメチル、エチル及びプロピルから選択される。
好ましくは、固体触媒成分内の電子供与体化合物の最終量は1重量%ないし25重量%、好ましくは3重量%ないし20重量%の範囲である。
式(I)及び式(II)の構造の非制限的な例は下記の通りである:2−(ベンゾイルチオ)−4−(tert−ブチル)−3,6−ジメチルフェニルベンゾエート、2−(ベンゾイルチオ)−4−(tert−ブチル)−6−メチルフェニルベンゾエート、4−(tert−ブチル)−2−((3−クロロベンゾイル)チオ)−3,6−ジメチルフェニル3−クロロベンゾエート、4−(tert−ブチル)−2−((3−クロロベンゾイル)チオ)−6−メチルフェニル3−クロロベンゾエート、4−(tert−ブチル)−2−((ジエチルカルバモイル)チオ)−3,6−ジメチルフェニルベンゾエート、4−(tert−ブチル)−2−((ジエチルカルバモイル)チオ)−6−メチルフェニルベンゾエート、4−(tert−ブチル)−2−((ジメチルカルバモイル)チオ)−3,6−ジメチルフェニルベンゾエート、4−(tert−ブチル)−2−((ジメチルカルバモイル)チオ)−6−メチルフェニルベンゾエート、4−(tert−ブチル)−2−メチル−6−((4−プロピルベンゾイル)チオ)フェニル4−プロピルベンゾエート、4−(tert−ブチル)−3,6−ジメチル−2−((4−プロピルベンゾイル)チオ)フェニル4−プロピルベンゾエート、S−(3−(tert−ブチル)−6−((ジエチルカルバモイル)オキシ)−2,5−ジメチルフェニル)ベンゾチオエート、S−(3−(tert−ブチル)−6−((ジメチルカルバモイル)オキシ)−2,5−ジメチルフェニル)ベンゾチオエート、S−(5−(tert−ブチル)−2−((ジエチルカルバモイル)オキシ)−3−メチルフェニル)ベンゾチオエート、S−(5−(tert−ブチル)−2−((ジメチルカルバモイル)オキシ)−3−メチルフェニル)ベンゾチオエート、4−(tert−ブチル)−2−((ジエチルカルバモイル)チオ)−3,6−ジメチルフェニルジエチルカルバメート、4−(tert−ブチル)−2−((ジエチルカルバモイル)チオ)−6−メチルフェニルジエチルカルバメート、4−(tert−ブチル)−2−((ジメチルカルバモイル)チオ)−3,6−ジメチルフェニルジメチルカルバメート、4−(tert−ブチル)−2−((ジメチルカルバモイル)チオ)−6−メチルフェニルジメチルカルバメート、4−(tert−ブチル)−2−((エトキシカルボニル)チオ)−3,6−ジメチルフェニルエチルカルボネート、4−(tert−ブチル)−2−((エトキシカルボニル)チオ)−6−メチルフェニルエチルカルボネート、S,S’−(4−(tert−ブチル)−3,6−ジメチル−1,2−フェニレン)ジベンゾチオエート、S,S’−(4−(tert−ブチル)−3−メチル−1,2−フェニレン)ジベンゾチオエート、S−(3−(tert−ブチル)−6−((ジエチルカルバモイル)チオ)−2,5−ジメチルフェニル)ベンゾチオエート、S−(3−(tert−ブチル)−6−((ジエチルカルバモイル)チオ)−2−メチルフェニル)ベンゾチオエート、S−(3−(tert−ブチル)−6−((エトキシカルボニル)チオ)−2,5−ジメチルフェニル)ベンゾチオエート、S−(3−(tert−ブチル)−6−((エトキシカルボニル)チオ)−2−メチルフェニル)ベンゾチオエート、S−(4−(tert−ブチル)−2−((ジエチルカルバモイル)チオ)−3,6−ジメチルフェニル)ベンゾチオエート、S−(4−(tert−ブチル)−2−((ジエチルカルバモイル)チオ)−3−メチルフェニル)ベンゾチオエート、S−(4−(tert−ブチル)−2−((エトキシカルボニル)チオ)−3,6−ジメチルフェニル)ベンゾチオエート、S−(4−(tert−ブチル)−2−((エトキシカルボニル)チオ)−3−メチルフェニル)ベンゾチオエート、S,S’−(4−(tert−ブチル)−3,6−ジメチル−1,2−フェニレン)O,O’−ジエチルジカルボノチオエート、S,S’−(4−(tert−ブチル)−3,6−ジメチル−1,2−フェニレン)ビス(ジエチルカルバモチオエート)、S,S’−(4−(tert−ブチル)−3−メチル−1,2−フェニレン)O,O’−ジエチルジカルボノチオエート、S,S’−(4−(tert−ブチル)−3−メチル−1,2−フェニレン)ビス(ジエチルカルバモチオエート)、S−(3−(tert−ブチル)−6−((エトキシカルボニル)チオ)−2,5−ジメチルフェニル)ジエチルカルバモチオエート、S−(3−(tert−ブチル)−6−((エトキシカルボニル)チオ)−2−メチルフェニル)ジエチルカルバモチオエート、S−(4−(tert−ブチル)−2−((エトキシカルボニル)チオ)−3,6−ジメチルフェニル)ジエチルカルバモチオエート、S−(4−(tert−ブチル)−2−((エトキシカルボニル)チオ)−3−メチルフェニル)ジエチルカルバモチオエート、S,S’−(4−(tert−ブチル)−3,6−ジメチル−1,2−フェニレン)ビス(4−プロピルベンゾチオエート)、S,S’−(4−(tert−ブチル)−3,6−ジメチル−1,2−フェニレン)ビス(3−クロロベンゾチオエート)、4−((ジエチルカルバモイル)チオ)ペンタン−2−イルベンゾエート、4−((エトキシカルボニル)チオ)ペンタン−2−イルベンゾエート、4−(ベンゾイルチオ)ペンタン−2−イルベンゾエート、S,S’−ペンタン−2,4−ジイルジベンゾチオエート、S−(4−((ジエチルカルバモイル)オキシ)ペンタン−2−イル)ベンゾチオエート、S−(4−((ジエチルカルバモイル)チオ)ペンタン−2−イル)ベンゾチオエート、S−(4−((エトキシカルボニル)オキシ)ペンタン−2−イル)ベンゾチオエート、S−(4−((エトキシカルボニル)チオ)ペンタン−2−イル)ベンゾチオエート、4−((ジエチルカルバモイル)チオ)ペンタン−2−イルジエチルカルバメート、4−((エトキシカルボニル)チオ)ペンタン−2−イルジエチルカルバメート、4−((エトキシカルボニル)チオ)ペンタン−2−イルエチルカルボネート、O,O’−ジエチルS,S’−ペンタン−2,4−ジイルジカルボノチオエート、S,S’−ペンタン−2,4−ジイルビス(ジエチルカルバモチオエート)、S−(4−((エトキシカルボニル)オキシ)ペンタン−2−イル)ジエチルカルバモチオエート、S−(4−((エトキシカルボニル)チオ)ペンタン−2−イル)ジエチルカルバモチオエート、4−((3−クロロベンゾイル)チオ)ペンタン−2−イル3−クロロベンゾエート、4−((ジエチルカルバモイル)チオ)ペンタン−2−イル3−クロロベンゾエート、4−((エトキシカルボニル)チオ)ペンタン−2−イル3−クロロベンゾエート、S,S’−ペンタン−2,4−ジイルビス(3−クロロベンゾチオエート)、S−(4−((ジエチルカルバモイル)オキシ)ペンタン−2−イル)3−クロロベンゾチオエート、S−(4−((ジエチルカルバモイル)チオ)ペンタン−2−イル)3−クロロベンゾチオエート、S−(4−((エトキシカルボニル)オキシ)ペンタン−2−イル)3−クロロベンゾチオエート、S−(4−((エトキシカルボニル)チオ)ペンタン−2−イル)3−クロロベンゾチオエート、4−((ジエチルカルバモイル)チオ)ペンタン−2−イルジエチルカルバメート、4−((エトキシカルボニル)チオ)ペンタン−2−イルジエチルカルバメート、4−((エトキシカルボニル)チオ)ペンタン−2−イルエチルカルボネート、O,O’−ジエチルS,S’−ペンタン−2,4−ジイルジカルボノチオエート、S,S’−ペンタン−2,4−ジイルビス(ジエチルカルバモチオエート)、S−(4−((エトキシカルボニル)オキシ)ペンタン−2−イル)ジエチルカルバモチオエート、S−(4−((エトキシカルボニル)チオ)ペンタン−2−イル)ジエチルカルバモチオエート、4−((4−プロピルベンゾイル)チオ)ペンタン−2−イル4−プロピルベンゾエート、4−((ジエチルカルバモイル)チオ)ペンタン−2−イル4−プロピルベンゾエート、4−((エトキシカルボニル)チオ)ペンタン−2−イル4−プロピルベンゾエート、S,S’−ペンタン−2,4−ジイルビス(4−プロピルベンゾチオエート)、S−(4−((ジエチルカルバモイル)オキシ)ペンタン−2−イル)4−プロピルベンゾチオエート、S−(4−((ジエチルカルバモイル)チオ)ペンタン−2−イル)4−プロピルベンゾチオエート、S−(4−((エトキシカルボニル)オキシ)ペンタン−2−イル)4−プロピルベンゾチオエート、S−(4−((エトキシカルボニル)チオ)ペンタン−2−イル)4−プロピルベンゾチオエート、4−((ジエチルカルバモイル)チオ)ペンタン−2−イルジエチルカルバメート、4−((エトキシカルボニル)チオ)ペンタン−2−イルジエチルカルバメート、4−((エトキシカルボニル)チオ)ペンタン−2−イルエチルカルボネート、O,O’−ジエチルS,S’−ペンタン−2,4−ジイルジカルボノチオエート、S,S’−ペンタン−2,4−ジイルビス(ジエチルカルバモチオエート)、S−(4−((エトキシカルボニル)オキシ)ペンタン−2−イル)ジエチルカルバモチオエート、S−(4−((エトキシカルボニル)チオ)ペンタン−2−イル)ジエチルカルバモチオエート、2−((ジエチルカルバモイル)チオ)シクロヘキシルベンゾエート、2−((エトキシカルボニル)チオ)シクロヘキシルベンゾエート、2−(ベンゾイルチオ)シクロヘキシルベンゾエート、S,S’−シクロヘキサン−1,2−ジイルジベンゾチオエート、S−(2−((ジエチルカルバモイル)オキシ)シクロヘキシル)ベンゾチオエート、S−(2−((ジエチルカルバモイル)チオ)シクロヘキシル)ベンゾチオエート、S−(2−((エトキシカルボニル)オキシ)シクロヘキシル)ベンゾチオエート、S−(2−((エトキシカルボニル)チオ)シクロヘキシル)ベンゾチオエート、2−((ジエチルカルバモイル)チオ)シクロヘキシルジエチルカルバメート、2−((エトキシカルボニル)チオ)シクロヘキシルジエチルカルバメート、2−((エトキシカルボニル)チオ)シクロヘキシルエチルカルボネート、S,S’−シクロヘキサン−1,2−ジイルO,O’−ジエチルジカルボノチオエート、S,S’−シクロヘキサン−1,2−ジイルビス(ジエチルカルバモチオエート)、S−(2−((エトキシカルボニル)オキシ)シクロヘキシル)ジエチルカルバモチオエート、S−(2−((エトキシカルボニル)チオ)シクロヘキシル)ジエチルカルバモチオエート、2−((3−クロロベンゾイル)チオ)シクロヘキシル3−クロロベンゾエート、2−((ジエチルカルバモイル)チオ)シクロヘキシル3−クロロベンゾエート、2−((エトキシカルボニル)チオ)シクロヘキシル3−クロロベンゾエート、S,S’−シクロヘキサン−1,2−ジイルビス(3−クロロベンゾチオエート)、S−(2−((ジエチルカルバモイル)オキシ)シクロヘキシル)3−クロロベンゾチオエート、S−(2−((ジエチルカルバモイル)チオ)シクロヘキシル)3−クロロベンゾチオエート、S−(2−((エトキシカルボニル)オキシ)シクロヘキシル)3−クロロベンゾチオエート、S−(2−((エトキシカルボニル)チオ)シクロヘキシル)3−クロロベンゾチオエート、2−((ジエチルカルバモイル)チオ)シクロヘキシルジエチルカルバメート、2−((エトキシカルボニル)チオ)シクロヘキシルジエチルカルバメート、2−((エトキシカルボニル)チオ)シクロヘキシルエチルカルボネート、S,S’−シクロヘキサン−1,2−ジイルO,O’−ジエチルジカルボノチオエート、S,S’−シクロヘキサン−1,2−ジイルビス(ジエチルカルバモチオエート)、S−(2−((エトキシカルボニル)オキシ)シクロヘキシル)ジエチルカルバモチオエート、S−(2−((エトキシカルボニル)チオ)シクロヘキシル)ジエチルカルバモチオエート、2−((4−プロピルベンゾイル)チオ)シクロヘキシル4−プロピルベンゾエート、2−
((ジエチルカルバモイル)チオ)シクロヘキシル4−プロピルベンゾエート、2−((エトキシカルボニル)チオ)シクロヘキシル4−プロピルベンゾエート、S,S’−シクロヘキサン−1,2−ジイルビス(4−プロピルベンゾチオエート)、S−(2−((ジエチルカルバモイル)オキシ)シクロヘキシル)4−プロピルベンゾチオエート、S−(2−((ジエチルカルバモイル)チオ)シクロヘキシル)4−プロピルベンゾチオエート、S−(2−((エトキシカルボニル)オキシ)シクロヘキシル)4−プロピルベンゾチオエート、S−(2−((エトキシカルボニル)チオ)シクロヘキシル)4−プロピルベンゾチオエート、2−((ジエチルカルバモイル)チオ)シクロヘキシルジエチルカルバメート、2−((エトキシカルボニル)チオ)シクロヘキシルジエチルカルバメート、2−((エトキシカルボニル)チオ)シクロヘキシルエチルカルボネート、S,S’−シクロヘキサン−1,2−ジイルO,O’−ジエチルジカルボノチオエート、S,S’−シクロヘキサン−1,2−ジイルビス(ジエチルカルバモチオエート)、S−(2−((エトキシカルボニル)オキシ)シクロヘキシル)ジエチルカルバモチオエート、S−(2−((エトキシカルボニル)チオ)シクロヘキシル)ジエチルカルバモチオエート、8−((ジエチルカルバモイル)チオ)ナフタレン−1−イルベンゾエート、8−((エトキシカルボニル)チオ)ナフタレン−1−イルベンゾエート、8−(ベンゾイルチオ)ナフタレン−1−イルベンゾエート、S,S’−ナフタレン−1,8−ジイルジベンゾチオエート、S−(8−((ジエチルカルバモイル)オキシ)ナフタレン−1−イル)ベンゾチオエート、S−(8−((ジエチルカルバモイル)チオ)ナフタレン−1−イル)ベンゾチオエート、S−(8−((エトキシカルボニル)オキシ)ナフタレン−1−イル)ベンゾチオエート、S−(8−((エトキシカルボニル)チオ)ナフタレン−1−イル)ベンゾチオエート、8−((ジエチルカルバモイル)チオ)ナフタレン−1−イルジエチルカルバメート、8−((エトキシカルボニル)チオ)ナフタレン−1−イルジエチルカルバメート、8−((エトキシカルボニル)チオ)ナフタレン−1−イルエチルカルボネート、O,O’−ジエチルS,S’−ナフタレン−1,8−ジイルジカルボノチオエート、S,S’−ナフタレン−1,8−ジイルビス(ジエチルカルバモチオエート)、S−(8−((エトキシカルボニル)オキシ)ナフタレン−1−イル)ジエチルカルバモチオエート、S−(8−((エトキシカルボニル)チオ)ナフタレン−1−イル)ジエチルカルバモチオエート、8−((3−クロロベンゾイル)チオ)ナフタレン−1−イル3−クロロベンゾエート、8−((ジエチルカルバモイル)チオ)ナフタレン−1−イル3−クロロベンゾエート、8−((エトキシカルボニル)チオ)ナフタレン−1−イル3−クロロベンゾエート、S,S’−ナフタレン−1,8−ジイルビス(3−クロロベンゾチオエート)、S−(8−((ジエチルカルバモイル)オキシ)ナフタレン−1−イル)3−クロロベンゾチオエート、S−(8−((ジエチルカルバモイル)チオ)ナフタレン−1−イル)3−クロロベンゾチオエート、S−(8−((エトキシカルボニル)オキシ)ナフタレン−1−イル)3−クロロベンゾチオエート、S−(8−((エトキシカルボニル)チオ)ナフタレン−1−イル)3−クロロベンゾチオエート、8−((ジエチルカルバモイル)チオ)ナフタレン−1−イルジエチルカルバメート、8−((エトキシカルボニル)チオ)ナフタレン−1−イルジエチルカルバメート、8−((エトキシカルボニル)チオ)ナフタレン−1−イルエチルカルボネート、O,O’−ジエチルS,S’−ナフタレン−1,8−ジイルジカルボノチオエート、S,S’−ナフタレン−1,8−ジイルビス(ジエチルカルバモチオエート)、S−(8−((エトキシカルボニル)オキシ)ナフタレン−1−イル)ジエチルカルバモチオエート、S−(8−((エトキシカルボニル)チオ)ナフタレン−1−イル)ジエチルカルバモチオエート、8−((4−プロピルベンゾイル)チオ)ナフタレン−1−イル4−プロピルベンゾエート、8−((ジエチルカルバモイル)チオ)ナフタレン−1−イル4−プロピルベンゾエート、8−((エトキシカルボニル)チオ)ナフタレン−1−イル4−プロピルベンゾエート、S,S’−ナフタレン−1,8−ジイルビス(4−プロピルベンゾチオエート)、S−(8−((ジエチルカルバモイル)オキシ)ナフタレン−1−イル)4−プロピルベンゾチオエート、S−(8−((ジエチルカルバモイル)チオ)ナフタレン−1−イル)4−プロピルベンゾチオエート、S−(8−((エトキシカルボニル)オキシ)ナフタレン−1−イル)4−プロピルベンゾチオエート、S−(8−((エトキシカルボニル)チオ)ナフタレン−1−イル)4−プロピルベンゾチオエート、8−((ジエチルカルバモイル)チオ)ナフタレン−1−イルジエチルカルバメート、8−((エトキシカルボニル)チオ)ナフタレン−1−イルジエチルカルバメート、8−((エトキシカルボニル)チオ)ナフタレン−1−イルエチルカルボネート、O,O’−ジエチルS,S’−ナフタレン−1,8−ジイルジカルボノチオエート、S,S’−ナフタレン−1,8−ジイルビス(ジエチルカルバモチオエート)、S−(8−((エトキシカルボニル)オキシ)ナフタレン−1−イル)ジエチルカルバモチオエート、S−(8−((エトキシカルボニル)チオ)ナフタレン−1−イル)ジエチルカルバモチオエート、(9−(((ジエチルカルバモイル)チオ)メチル)−9H−フルオレン−9−イル)メチルベンゾエート、(9−(((エトキシカルボニル)チオ)メチル)−9H−フルオレン−9−イル)メチルベンゾエート、(9−((ベンゾイルチオ)メチル)−9H−フルオレン−9−イル)メチルベンゾエート、S,S’−((9H−フルオレン−9,9−ジイル)ビス(メチレン))ジベンゾチオエート、S−((9−(((ジエチルカルバモイル)オキシ)メチル)−9H−フルオレン−9−イル)メチル)ベンゾチオエート、S−((9−(((ジエチルカルバモイル)チオ)メチル)−9H−フルオレン−9−イル)メチル)ベンゾチオエート、S−((9−(((エトキシカルボニル)オキシ)メチル)−9H−フルオレン−9−イル)メチル)ベンゾチオエート、S−((9−(((エトキシカルボニル)チオ)メチル)−9H−フルオレン−9−イル)メチル)ベンゾチオエート、(9−(((ジエチルカルバモイル)チオ)メチル)−9H−フルオレン−9−イル)メチルジエチルカルバメート、(9−(((エトキシカルボニル)チオ)メチル)−9H−フルオレン−9−イル)メチルジエチルカルバメート、(9−(((エトキシカルボニル)チオ)メチル)−9H−フルオレン−9−イル)メチルエチルカルボネート、S,S’−((9H−フルオレン−9,9−ジイル)ビス(メチレン))O,O’−ジエチルジカルボノチオエート、S,S’−((9H−フルオレン−9,9−ジイル)ビス(メチレン))ビス(ジエチルカルバモチオエート)、S−((9−(((エトキシカルボニル)オキシ)メチル)−9H−フルオレン−9−イル)メチル)ジエチルカルバモチオエート、S−((9−(((エトキシカルボニル)チオ)メチル)−9H−フルオレン−9−イル)メチル)ジエチルカルバモチオエート。
本発明の触媒成分に用いられる好ましいチタン化合物はTiCl及びTiClであり;さらに、式Ti(OR)m−yのTi−ハロアルコラートも用いられることができ、ここで、mはチタンの原子価であり、yは1ないしm−1の数であり、Xはハロゲンであり、Rは炭素数1ないし10の炭化水素ラジカルである。
特定の実施形態において、Ti原子の量は前記触媒成分の総重量に対し、2.5重量%超であり、より好ましくは3.0重量%超であり、特に3.0重量%ないし8重量%である。
固体触媒成分の製造はいくつかの方法により行うことができる。一つの方法は、約80℃ないし120℃の温度で電子供与体化合物の存在下でマグネシウムアルコラート又はクロロアルコラート(特に、USP4,220,554によって製造されるクロロアルコラート)と過剰のTiClとの間の反応を含む。
好ましい方法によると、固体触媒成分は式Ti(OR)m−yのチタン化合物、好ましくはTiClを式MgCl・pROHの付加物から由来されるマグネシウムクロリドと反応させることで製造することができ、ここで、mはチタンの原子価であり、yは1ないしmの数であり、pは0.1ないし6、好ましくは2ないし3.5の数であり、Rは炭素数1ないし18の炭化水素ラジカルである。付加物は好適には、付加物と非混和性である不活性炭化水素の存在下でアルコールをマグネシウムクロリドと混合し、付加物の溶融点(100℃ないし130℃)で攪拌条件下で作動させることで球状に製造されることができる。その後、エマルジョンは速かにクエンチされ、これにより、球状粒子形態の付加物の固体化を誘発する。この手順によって製造される球状の付加物の例はUSP4,399,054及びUSP4,469,648に記述されている。このようにして得られた付加物はTi化合物と直接反応することができるか、熱調節された脱アルコール化(80℃ないし130℃)の前に行われ、アルコールのモル数が一般的に3未満、好ましくは0.1ないし2.5である付加物を得ることができる。Ti化合物との反応は(脱アルコラートされた又はこのような)付加物を冷却されたTiCl(一般的に0℃)に懸濁させることで行うことができる;混合物は80℃ないし130℃で加熱された後、この温度で0.5時間ないし2時間維持される。TiClでの処理は1回以上行うことができる。メルカプト誘導体の電子供与体化合物は、好ましくはTiClでの処理中に添加される。球状の形態の触媒成分の製造は、例えば、欧州特許出願EP−A−395083、EP−A−553805、EP−A−553806、EPA601525及びWO98/44009に記述されている。
上記方法によって得られる固体触媒成分は、(B.E.T.方法により)一般的に20m/gないし500m/g、好ましくは50m/gないし400m/gの表面積、及び(B.E.T.方法により)0.2cm/g超、好ましくは0.2cm/gないし0.6cm/gの総多孔性を示す。半径10.000Å以下の気孔により多孔性(Hg方法)は一般的に0.3cm/gないし1.5cm/g、好ましくは0.45cm/gないし1cm/gの範囲である。固体触媒成分は平均粒子の大きさが5μmないし120μm、より好ましくは10μmないし100μmの範囲である。
これらの製造方法のうち任意の方法で、所望の電子供与体化合物はそれ自体で又は他の方式で添加することができ、これは例えば、公知の化学反応により、所望の電子供与体化合物から変換され得る適切な前駆体を用いることでインサイチューで得ることができる。
用いられる製造方法と無関係に、式(I)の電子供与体化合物の最終量は、Ti原子に対するそのモル比が0.01ないし2、好ましくは0.05ないし1.2となるようにする量である。
本発明による固体触媒成分は、これらを公知の方法によって有機アルミニウム化合物と反応させることでオレフィン重合用触媒に転換される。
特に、本発明の目的は、下記の(i)ないし(iii)を接触させることで得られる生成物を含む、オレフィンCH=CHRの重合用触媒であって、ここで、Rは水素又は炭素数1ないし12のヒドロカルビルラジカルである:
(i) 上記論議されたような固体触媒成分、及び
(ii) アルキルアルミニウム化合物、及び任意に、
(iii) 外部電子供与体化合物。
アルキル−Al化合物(ii)は、好ましくはトリアルキルアルミニウム化合物、例えばトリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリ−n−ブチルアルミニウム、トリ−n−ヘキシルアルミニウム、トリ−n−オクチルアルミニウムのうちで選択される。また、AlEtCl及びAlEtClのような、アルキルアルミニウムハライド、アルキルアルミニウムヒドリド又はアルキルアルミニウムセスキクロリドを前記言及されたトリアルキルアルミニウムと混合物として用いることが可能である。
好適な外部電子−供与体化合物はケイ素化合物、エーテル、エステル、アミン、ヘテロ環状化合物、特に2,2,6,6−テトラメチルピペリジン及びケトンを含む。
さらに他の部類の好ましい外部供与体化合物は、式(R(RSi(ORのケイ素化合物であり、ここで、a及びbは0ないし2の整数であり、cは1ないし4の整数であり、(a+b+c)の和は4であり;R、R及びRは任意にヘテロ原子を含む、炭素数1ないし18のラジカルである。aが1であり、bが1であり、cが2であり、R及びRのうち少なくとも1つが任意にヘテロ原子を含む炭素数3ないし10の分枝型アルキル基、シクロアルキル基又はアリール基から選択され、RがC−C10アルキル基、特にメチルであるケイ素化合物が特に好ましい。このような好ましいケイ素化合物の例は、メチルシクロヘキシルジメトキシシラン(C供与体)、ジフェニルジメトキシシラン、メチル−t−ブチルジメトキシシラン、ジシクロペンチルジメトキシシラン(D供与体)、ジイソプロピルジメトキシシラン、(2−エチルピペリジニル)t−ブチルジメトキシシラン、(2−エチルピペリジニル)t−ヘキシルジメトキシシラン、(3,3,3−トリフルオロ−n−プロピル)(2−エチルピペリジニル)ジメトキシシラン、メチル(3,3,3−トリフルオロ−n−プロピル)ジメトキシシラン、N,N−ジエチルアミノトリエトキシシランである。さらに、aが0であり、cが3であり、Rが任意にヘテロ原子を含む分枝型アルキル基又はシクロアルキル基であり、Rがメチルであるケイ素化合物がさらに好ましい。このような好ましいケイ素化合物の例は、シクロヘキシルトリメトキシシラン、t−ブチルトリメトキシシラン及びt−ヘキシルトリメトキシシランである。
電子供与体化合物(iii)は、有機アルミニウム化合物と前記電子供与体化合物(iii)との間のモル比を0.1ないし500、好ましくは1ないし300、より好ましくは3ないし100で提供する量で用いられる。
従って、下記の(i)ないし(iii)の間の反応生成物を含む触媒の存在下で行われる、オレフィンCH=CHRの(共)重合工程は本開示内容のさらなる実施形態を構成し、この式で、Rは水素、又は炭素数1ないし12のヒドロカルビルラジカルである:
(i) Mg、Ti及び前述したような式(I)の電子供与体化合物を含む固体触媒成分;
(ii) アルキルアルミニウム化合物;及び
(iii) 任意に電子−供与体化合物(外部供与体)。
重合工程は、不活性炭化水素溶媒を希釈剤として用いるスラリー重合、又は液体モノマー(例えば、プロピレン)を反応媒質として用いるバルク重合のような公知の技術に従い行うことができる。さらに、1つ以上の流動化された又は機械的に振盪された床反応器で作動する気体相で重合工程を行うことが可能である。
重合は一般的に20℃ないし120℃、好ましくは40℃ないし80℃の温度で行われる。重合が気体相で行われる場合、作動圧力は一般的に0.5MPaないし5MPa、好ましくは1MPaないし4MPaである。バルク重合で、作動圧力は一般的に1MPaないし8MPa、好ましくは1.5MPaないし5MPaである。
下記の実施例は本発明を制限せずに例示するために挙げられたものである。
特徴化
X.I.の確認
ポリマー2.5g及びo−キシレン250mlを、冷却器及び還流凝縮器を備えた丸底フラスコに入れ、窒素下で維持させた。得られた混合物を135℃で加熱し、攪拌下で約60分間維持させた。最終溶液を連続的な攪拌下で25℃に冷却されるようにし、その後、不溶性ポリマーをろ過した。その後、ろ過液を140℃で窒素流で蒸発させ、一定の重量に達するようにした。前記キシレン−可溶性分画の含量は本来の2.5gの百分率として表した後、差、X.I.%により表した。
供与体の確認
電子供与体の含量をガス−クロマトグラフィーを介して求めた。固体成分を酸性水に溶解させた。溶液をエチルアセテートを用いて抽出し、内部標準を添加した後、有機相サンプルをガスクロマトグラフで分析し、出発触媒化合物に存在する供与体の量を確認した。
溶融流速(MFR)
ポリマーの溶融流速MILをISO 1133(230℃、2.16Kg)に従い確認した。
実施例1.2−(ベンゾイルチオ)−4−(tert−ブチル)−3,6−ジメチルフェニルベンゾエートの合成
第1ステップ.4−(tert−ブチル)−2−メルカプト−3,6−ジメチルフェノールの合成
反応をアルゴン雰囲気下で行う。4−tert−ブチル−2,5−ジメチルフェノール(20g、0.11mol)を、硫黄0.37gを含むトルエン120mLで溶解させる。トルエン50mL中のSCl 4.9mL(0.062mol)の溶液を、反応温度が30℃を超えない速度で連続して効率よく攪拌しながら滴下ロートを介して徐々に添加する。これが完了するとき、溶液を75℃で1時間加熱し、室温に冷却されるようにする。反応混合物を低真空下で濃縮させ約60mLの残余量を有するようにした。得られた懸濁液をEtO 180mL中のLiAlH 5.38g(0.14mol)の懸濁液に徐々に添加する。
反応混合物を6時間還流し、一晩中攪拌した後、5%HClで注意深く処理する。有機溶液を分離し、水層をEtOで数回抽出する。組み合わされた有機相をMgSOで乾燥させ、蒸発させ、残余物をヘプタンから結晶化する。収率5.76g(49%)。
第2ステップ.2−(ベンゾイルチオ)−4−(tert−ブチル)−3,6−ジメチルフェニルベンゾエートの合成
トルエン(290mL)中の4−(tert−ブチル)−2−メルカプト−3,6−ジメチルフェノール(10g、0.048mol)の溶液を0℃でベンゾイルクロリド(11.8mL、0.10mol)及びEtN(20.0mL)で順次に処理する。室温で16時間攪拌した後、これを水性HClに注ぎ、トルエン(100mL)で希釈させる。有機層を水、2%水性NaOH、水で順次に洗浄し、MgSOで乾燥させた後、蒸発させ、得られたオイルを95%EtOH(50mL)から再結晶化する。収率15.5g(78%)。
実施例2.4−(tert−ブチル)−2−((エトキシカルボニル)チオ)−6−メチルフェニルエチルカルボネートの合成
第1ステップ.4−(tert−ブチル)−2−メルカプト−6−メチルフェノールの合成
反応をアルゴン雰囲気下で行う。4−tert−ブチル−2−メチルフェノール(90g、0.5mol)を、硫黄0.5gを含むトルエン250mLに溶解させる。トルエン100mL中のSCl 22mL(0.55mol)の溶液を、反応温度が30℃を超えない速度で連続して効率よく攪拌しながら滴下ロートを介して徐々に添加する。その後、溶液を75℃で1時間加熱し、室温に冷却されるようにする。トルエンを低真空下で除去し、残余物をEtO 200mLに溶解させる。得られた溶液をEtO 600mL中のLiAlH 24g(0.63mol)の懸濁液に徐々に添加する。
反応混合物を6時間還流し、一晩中攪拌した後、5%HClで注意深く処理する。有機層を分離し、水層をEtOで数回抽出する。組み合わされた有機相をMgSOで乾燥させ、蒸発させ、蒸留する。収率50.1g(47%)。
第2ステップ.4−(tert−ブチル)−2−((エトキシカルボニル)チオ)−6−メチルフェニルエチルカルボネートの合成
トルエン(150mL)中の4−(tert−ブチル)−2−メルカプト−6−メチルフェノール(7.88g、0.0342mol)の溶液を攪拌して冷却しながら(0℃)ピリジン(12mL)及びエチルクロロホルメート(7.19mL、0.0752mol)で順次に処理する。室温で16時間攪拌した後、反応混合物を水で処理し、トルエン(100mL)で希釈させる。有機層を水性HCl及び水で順次に洗浄し、MgSOで乾燥させた後、蒸発させ、真空(165℃/0.5mmHg)で蒸留させる。収率8.9g(73%)。
実施例3.4−(tert−ブチル)−2−((エトキシカルボニル)チオ)−3,6−ジメチルフェニルエチルカルボネートの合成
4−(tert−ブチル)−2−メルカプト−3,6−ジメチルフェノールを4−(tert−ブチル)−2−メルカプト−6−メチルフェノールの代りに用いる点を除いては、手順は実施例2で用いるものと同様である。蒸留後の収率73%。
実施例4.4−(tert−ブチル)−2−((ジエチルカルバモイル)チオ)−6−メチルフェニル3−クロロベンゾエートのワンポット(one−pot)合成
ピリジン(40mL)中の4−(tert−ブチル)−2−メルカプト−6−メチルフェノール(9.82g、0.05mol)の溶液を攪拌して冷却させながら(−30℃)ジエチルカルバモイルクロリド(7.0g、0.05mol)で30分以内に処理する。室温で16時間攪拌した後、反応混合物を同様に攪拌して冷却させながら(0℃)3−クロロベンゾイルクロリド(9.1g、0.05mol)で処理する。室温でさらに16時間攪拌した後、反応混合物を、濃HCl 80mLを含む水−氷混合物に注ぐ。その後、これをCHClで抽出し、有機相を水性HCl、水、5%NaOH溶液、水で順次に洗浄してから、MgSOで乾燥させた後、濃縮させる。生成物を、トルエン/ヘキサン混合物(1/2)を溶出剤として用いて中性Alでカラムクロマトグラフィーにより精製する。収率10.0g(46%)。
実施例5.4−(tert−ブチル)−2−((ジメチルカルバモイル)チオ)−6−メチルフェニル3−クロロベンゾエートのワンポット合成
ジメチルカルバモイルクロリドをジエチルカルバモイルクロリドの代りに用いる点を除いては、手順は実施例4で用いるものと同様である。収率72%。
実施例6.S−(5−(tert−ブチル)−2−((エトキシカルボニル)オキシ)−3−メチルフェニル)ジメチルカルバモチオエートのワンポット合成
エチルクロロホルメートを3−クロロベンゾイルクロリドの代りに用いる点を除いては、手順は実施例4で用いるものと同様である。収率59%。
実施例7.S−(5−(tert−ブチル)−2−((エトキシカルボニル)オキシ)−3−メチルフェニル)ジエチルカルバモチオエートのワンポット合成
ジエチルカルバモイルクロリドをジメチルカルバモイルクロリドの代りに用いる点を除いては、手順は実施例6で用いるものと同様である。収率57%。
実施例8.4−(tert−ブチル)−2−((エトキシカルボニル)チオ)−3,6−ジメチルフェニル3−クロロベンゾエートのワンポット合成
トルエン(160mL)中の4−(tert−ブチル)−2−メルカプト−6−メチルフェノール(9.0g、0.043mol)及びピリジン(16mL)の溶液を攪拌して冷却させながら(0℃)トルエン(30mL)中のエチルクロロホルメート(4.64g、0.043mol)の溶液で3時間以内に処理する。室温で16時間攪拌した後、反応混合物を同様に攪拌して冷却させながら(0℃)3−クロロベンゾイルクロリド(7.53g、0.043mol)で処理する。室温で16時間攪拌した後、これを水性HClに振り入れ、トルエン(100mL)により希釈させる。有機層を水、2%水性NaOH、水で順次に洗浄し、MgSOで乾燥させた後、蒸発させ、得られたオイルを石油エーテルから再結晶化する。収率11.6g(64%)。
実施例9.4−(tert−ブチル)−2−((エトキシカルボニル)チオ)−3,6−ジメチルフェニルベンゾエートのワンポット合成
ベンゾイルクロリドを3−クロロベンゾイルクロリドの代りに用いる点を除いては、手順は実施例8で用いるものと同様である。ヘプタンからの結晶化後の収率54%。
実施例10.4−(tert−ブチル)−2−((エトキシカルボニル)チオ)−3,6−ジメチルフェニル4−メチルベンゾエートのワンポット合成
4−メチルベンゾイルクロリドを3−クロロベンゾイルクロリドの代りに用いる点を除いては、手順は実施例8で用いるものと同様である。石油エーテルからの結晶化後の収率56%。
実施例11.4−(tert−ブチル)−2−((エトキシカルボニル)チオ)−6−メチルフェニル3−クロロベンゾエートのワンポット合成
4−(tert−ブチル)−2−メルカプト−6−メチルフェノールを4−(tert−ブチル)−2−メルカプト−3,6−ジメチルフェノールの代りに用いる点を除いては、手順は実施例8で用いるものと同様である。石油エーテルからの結晶化後の収率46%。
実施例12.4−(tert−ブチル)−2−((エトキシカルボニル)チオ)−6−メチルフェニルベンゾエートのワンポット合成
4−(tert−ブチル)−2−メルカプト−6−メチルフェノールを4−(tert−ブチル)−2−メルカプト−3,6−ジメチルフェノールの代りに用いる点を除いては、手順は実施例9で用いるものと同様である。石油エーテル/CHCl(約1/1)混合物からの結晶化後の収率34%。
実施例13.4−(tert−ブチル)−2−((エトキシカルボニル)チオ)−6−メチルフェニル4−メチルベンゾエートのワンポット合成
4−(tert−ブチル)−2−メルカプト−6−メチルフェノールを4−(tert−ブチル)−2−メルカプト−3,6−ジメチルフェノールの代りに用いる点を除いては、手順は実施例10で用いるものと同様である。石油エーテルからの結晶化後の収率38%。
実施例14.4−(tert−ブチル)−2−((エトキシカルボニル)チオ)−3,6−ジメチルフェニルフラン−2−カルボキシレートのワンポット合成
2−フロイルクロリドを3−クロロベンゾイルクロリドの代りに用いる点を除いては、手順は実施例11で用いるものと同様である。石油エーテル及びEtOHからの結晶化後の収率56%。
実施例15.4−(tert−ブチル)−2−((エトキシカルボニル)チオ)−6−メチルフェニルジエチルカルバメートのワンポット合成
トルエン(350mL)中の4−(tert−ブチル)−2−メルカプト−6−メチルフェノール(18.83g、0.096mol)及びピリジン(27mL)の溶液を攪拌して冷却させながら(0℃)トルエン(50mL)中のエチルクロロホルメート(9.15mL、0.097mol)の溶液で4時間以内に処理した。室温で16時間攪拌した後、反応混合物を同様に攪拌して冷却させながら(0℃)ジエチルカルバモイルクロリド(20mL、0.158mol)及びEtN(20mL)で処理した。室温で48時間攪拌した後、これを水性HClでクエンチし、トルエン(100mL)で希釈させた。有機層を水で洗浄し、MgSOで乾燥させた後、蒸発させ、得られた残余物を真空(180℃ないし182℃/0.3mmHg)で蒸留させた。収率8.4g(24%)。
実施例16.S−(5−シクロヘキシル−2−((エトキシカルボニル)オキシ)−3−メチルフェニル)ジメチルカルバモチオエートの合成
第1ステップ:4−シクロヘキシル−2−メルカプト−6−メチルフェノールの合成
トルエン(250mL)中のSCl(20mL、0.25mol)の溶液を攪拌下でトルエン(250mL)中の4−シクロヘキシル−2−メチルフェノール(47.6g、0.25mol)の溶液で処理した。添加後、溶液をさらに2時間攪拌した。溶媒を真空下で蒸発させ、残余物を95%EtOH(400mL)で溶解させた後、亜鉛粉末(50g、0.79mol)を添加し、次いで濃HCl(190mL)を0℃で攪拌しながら滴下した。添加後、混合物をさらに2時間攪拌した。反応混合物を水(900mL)に注ぎ、CHClで数回抽出した。組み合わされた有機相をMgSOで乾燥させ、蒸発させた後、残余物を真空下で(133℃ないし136℃/0.5mmHg)蒸留させた。収率26.7g(48%)。
第2ステップ.S−(5−シクロヘキシル−2−((エトキシカルボニル)オキシ)−3−メチルフェニル)ジメチルカルバモチオエートの合成
トルエン(180mL)中の4−シクロヘキシル−2−メルカプト−6−メチルフェノール(16.68、0.075mol)及びピリジン(19mL)の溶液を攪拌して冷却させながら(0℃)ジメチルカルバモイルクロリド(8.47g、0.082mol)で30分以内に処理した。室温で16時間攪拌した後、反応混合物を同様に攪拌して冷却させながら(0℃)エチルクロロホルメート(9.77mL、0.09mol)で処理した。室温で16時間さらに攪拌した後、反応混合物を濃HCl 30mLを含む水−氷混合物に注いだ。その後、これをCHClで抽出し、有機相を水性HCl及び水で順次に洗浄し、MgSOで乾燥させた後、蒸発させ、残余物を真空下で(212℃ないし215℃/0.4mmHg)蒸留させた。収率11.4g(42%)
実施例17.syn S,S’−ペンタン−2,4−ジイルジベンゾチオエートの合成
第1ステップ:syn−ペンタン−2,4−ジイルビス(4−メチルベンゼンスルホネート)の合成
250mL反応容器にsyn 2,4−ペンタンジーオル(10g、95.1mmol)及びピリジン(70g)を充填する。混合物を−10℃に冷却させ、p−トルエンスルホニルクロリド(40.3g、2.2eq)を徐々に添加する。混合物を周囲温度で15時間攪拌するようする。エチルアセテート(100mL)を反応混合物に添加し、生成される有機層を飽和NHCl水溶液と、飽和NaCl水溶液で洗浄した後、MgSOで乾燥させ、ろ過した後、回転蒸発器上で濃縮させ、粗生成物をヘルイエロー(hell yellow)固体として得た。
第2ステップ:syn S,S’−ペンタン−2,4−ジイルジベンゾチオエートの合成
100mL反応容器にsynペンタン−2,4−ジイルビス(4−メチルベンゼンスルホネート)(5.6g、13.4mmol)、ベンゼンカルボチオS−酸(4.13g、2eq)、NaHCO(2.28g、2eq)及びDMF(25mL)を充填する。混合物を80℃で2時間攪拌するようする。赤色溶液をエチルアセテート(50mL)で希釈させ、生成される溶液を飽和NaHCO水溶液と、飽和NaCl水溶液で洗浄する。有機層をMgSOで乾燥させ、ろ過した後、回転蒸発器上で濃縮させ、粗生成物を赤色オイルとして得た。これをクロマトグラフィー(SiO)−シクロヘキサン/エチルアセテート:40/1により精製する。収率:2g(43.3%)。
実施例18.S,S’−ペンタン−2,4−ジイルビス(4−プロピルベンゾチオエート)の合成
第1ステップ:S,S’−ペンタン−2,4−ジイルジエタンチオエートの合成
250mL反応容器にペンタン−2,4−ジイルビス(4−メチルベンゼンスルホネート)(19g、45.6mmol)ポタシウムチオアセテート(15.78g、3eq)及びDMF(70mL)を充填する。混合物を周囲温度で12時間攪拌するようする。赤色溶液をエチルアセテート(200mL)で希釈させ、生成される溶液を飽和NaHCO水溶液と、飽和NaCl水溶液で洗浄する。有機相をMgSOで乾燥させ、ろ過した後、回転蒸発器上で濃縮させ、粗生成物を赤色オイルとして得た。これを蒸留により精製する。収率:8.1g(80%)−黄色のオイル。
第2ステップ:S,S’−ペンタン−2,4−ジイルビス(4−プロピルベンゾチオエート)の合成
100mL反応容器にS,S’−ペンタン−2,4−ジイルジエタンチオエート(5g、22.5mmol)及びメタノール(50mL)を充填する。その後、ナトリウムメトキシド(2.57g、2.1eq)を周囲温度で徐々に添加する。混合物を2時間攪拌するようする。メタノールを蒸留により除去し、生成される橙色オイルをピリジン(50mL)で希釈させる。これを0℃に冷却させ、4−n−プロピル−ベンゾイルクロリド(11.08g、2.7eq)を徐々に添加した後、12時間攪拌する。ピリジンを蒸留により除去し、生成されるオイルをエチルアセテート(100mL)で希釈させる。生成される溶液を飽和NaHCO水溶液と、飽和NaCl水溶液で洗浄する。有機相をMgSOで乾燥させ、ろ過した後、回転蒸発器上で濃縮させ、粗生成物を黄色のオイルとして得た。これをクロマトグラフィー(SiO)−シクロヘキサン/エチルアセテート:60/1により精製する。収率:4.4g(45.6%)。
実施例1ないし17の供与体を用いる固体触媒成分の製造手順
機械的攪拌器、冷却器及び温度計が備えられた500mLの丸底フラスコに、TiCl 250mLを窒素雰囲気下で室温で導入した。0℃に冷却させた後、攪拌しながら、内部供与体及び球状の付加物(前述されたように製造される)10.0gをフラスコ内に順次に添加した。充填された内部供与体の量は、Mg/供与体のモル比を6に充填する量であった。温度を100℃に上昇させ、2時間維持させた。以後、攪拌を中断し、固体生成物が沈降するようにした後、上澄み液を100℃で吸い上げた。上澄み液を除去した後、さらに新たなTiClを添加し、再び初期液量にした。その後、混合物を120℃で加熱し、この温度で1時間維持させた。攪拌を再び中断し、固体が沈降するようにした後、上澄み液を吸い上げた。
固体が、無水ヘキサンで、60℃に下降する温度勾配で6回(6x100mL)洗浄され、室温で1回(100mL)洗浄された。その後、得られた固体を真空下で乾燥させ、分析した。
実施例18の供与体を用いる固体触媒成分の製造手順
機械的攪拌器、冷却器及び温度計が備えられた500mLの丸底フラスコに、TiCl 250mLを窒素雰囲気下で室温で導入した。0℃に冷却させた後、攪拌しながら、エチルベンゾエート及び球状の付加物(前述されたように製造される)10.0gをフラスコ内に順次に添加した。充填されたエチルベンゾエートの量は、Mg/EBのモル比を4に充填する量であった。温度を100℃に上昇させ、2時間維持させた。その後、攪拌を中断し、固体生成物が沈降するようにした後、上澄み液を100℃で吸い上げた。上澄み液を除去した後、さらに新たなTiClを添加し、再び初期液量にした後、内部供与体をMg/供与体の比を6にして添加した。その後、混合物を120℃で加熱し、この温度で1時間維持させた。攪拌を再び中断し、固体が沈降するようにした後、上澄み液を吸い上げた。120℃で1時間この最後の熱処理をもう一度繰り返す。攪拌を再び中断し、固体が沈降するようにした後、上澄み液を吸い上げた。
固体が、無水ヘキサンで、60℃に下降する温度勾配で6回(6x100mL)洗浄され、室温で1回(100mL)洗浄された。その後、得られた固体を真空下で乾燥させ、分析した。
一般的なプロピレン重合手順
攪拌器、圧力ゲージ、温度計、触媒供給システム、モノマー供給ライン及び温度調節ジャケットが備えられた4−リットル鋼鉄オートクレーブを70℃で窒素流で1時間パージした。その後、プロピレンの流れ下の30℃で、無水ヘキサン75ml、AlEt 0.76g、ジシクロペンチルジメトキシシラン(D供与体)0.076g及び固体触媒成分0.006÷0.010gを順次に充填した。オートクレーブを密閉させ;その後、水素2.0Nlを添加した。その後、攪拌下で、液体プロピレン1.2kgを供給した。温度を70℃に5分以内に上昇させ、重合をこの温度で2時間行った。重合終了時、未反応のプロピレンを除去し;ポリマーを回収した後、70℃の真空下で3時間乾燥した。その後、ポリマーを秤量して、o−キシレンを用いて分画し、キシレン不溶性(X.I.)分画の量を確認した。
例示された触媒の組成物及び性能
Figure 2016517912
Figure 2016517912
Figure 2016517912
Figure 2016517912
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ED:外部供与体。
D:ジシクロペンチルジメトキシシラン
本発明は化学分野に関する。特に、本発明はMgジハライド系支持体を含む、オレフィン、特にプロピレン重合用触媒成分に関し、この支持体上にはTi原子、及び特定部類のメルカプトアルコール誘導体から選択される電子供与体が支持されている。本発明はさらに、上記成分から得られる触媒、及びオレフィン、特にプロピレン重合工程でのこれらの用途に関する。
オレフィンの立体特異性重合のための触媒成分は、当該技術分野に広範囲に知られている。プロピレン重合に関し、最も広く用いられる触媒ファミリーはチーグラ−ナッタ(Ziegler−Natta)範疇に属し、一般的な用語において、これはAl−アルキル化合物と組み合わせて用いられるマグネシウムジハライドにより構成された固体触媒成分を含み、マグネシウムジハライドの上にはチタン化合物及び内部電子供与体化合物が支持されている。しかし、通常、結晶度がさらに高いポリマーが必要な場合、より高いイソタクチシチー(isotacticity)を得るためには外部供与体(例えば、アルコキシシラン)がまた必要である。好ましい部類の内部供与体のうち1つはフタル酸のエステルにより構成され、ジイソブチルフタレートが最も多く用いられる。フタレートは外部供与体であるアルキルアルコキシシランと組み合わせて内部供与体として用いられる。この触媒システムは活性、イソタクチシチー及びキシレン不溶性の面で良好な性能を提供する。
この触媒システムの使用に関する問題点のうち1つは、フタレートがこれらの使用に関する医学的問題により最近懸念が大きくなっており、この部類内の一部化合物は深刻な健康問題の根源として分類されたということである。
結果的に、プロピレン重合用触媒成分の製造に用いるための他の部類の内部供与体を見出すための研究活動がなされた。
内部供与体はUSP7,388,061及びWO2010/078494に述べられており、両方とも脂肪族ジーオル又は芳香族ジオールのエステルに関する。両方の参照文献ともこれらの構造の可能な代案を述べていない。さらに、これらの基本構造がジオールの構造という事実に鑑み、ジーオル基本構造の2つの酸素が同様の反応性を有するため、異なる官能基(エステル/エーテル、エステル/カルバメート等)を有する多官能性誘導体を製造することは難しい。
驚くべきことに、出願人は、メルカプト誘導体に基づく特定の部類の供与体は、内部供与体として用いられる場合、活性及び立体特異性の優れたバランスを現わす触媒を生成する同様の官能基又は異なる官能基を有した広範囲な分子を生成するために適合化されることを見出した。
これに、本発明は、Mg、Ti及び式(I)の電子供与体化合物を含む、オレフィン重合用触媒成分を提供する:
Figure 2016517912
上記式において、X及びYはR、−OR及び−NRから選択され、Bは酸素又は硫黄であり、Sは硫黄であり、RはC−C15炭化水素基から選択され、任意にハロゲン、P、S、N、O及びSiから選択されるヘテロ原子を含み、共に融合されて1つ以上の環を形成することができ、Rは水素又はRであり、Aは2つの架橋結合の間の鎖長が1個ないし10個の原子である2価架橋基である。
架橋基として作用する環状構造において、用語「鎖長」は、式(I)の2つの硫黄又は酸素/硫黄原子を連結する原子の最短配列と称される。好ましい一般的な実施形態において、架橋基は式−(ZR −を有し、この式で、Zは独立してC、Si、Ge、O、N、S又はPから選択され、互いに同一であるか又は異なるR基は水素、又は任意にハロゲン、P、S、N、O及びSiから選択されるヘテロ原子を含む、C−C20炭化水素ラジカルであり、共に融合されて1つ以上の環を形成することができ、mはZの原子価を満たす数であり、nは1ないし10の範囲の整数である。好ましくは、式−(ZR −を有する架橋基で、原子O、S及びNは式(I)のS又はOに直接連結されないが、すなわち、これらは架橋基の末端原子ではない。好ましくは、ZはC及びSiから選択される。より好ましい実施形態において、Zは炭素である。
特定の実施形態において、前記2価架橋基は、任意にC−C15炭化水素基で置換され、及び/又はハロゲン、P、S、N、O及びSiから選択されるヘテロ原子に置換され、1個ないし6個の原子、特に1個ないし4個の原子範囲の架橋鎖長を有した、脂肪族、指環族及び芳香族の2価ラジカルからなる群より選択される。
特に好ましい実施形態において、架橋基は2個ないし3個の炭素原子の架橋鎖長を有した脂肪族又は指環族架橋基である。この部類の中で、特に好ましい架橋基は、式−(CR −のものであり、この式で、Rは独立して水素、又は任意にハロゲン、P、S、N、O及びSiから選択されるヘテロ原子で置換されるC−C20炭化水素ラジカルであり、共に融合されて1つ以上の環を形成することができ、pは炭素の利用可能な原子価を満たす数であり、sは1ないし6、好ましくは1ないし4の数である。架橋基の例はメチリデン、エタン−1,2−ジイル、ブタン−2,3−ジイル、ペンタン−2,4−ジイル、2,2−ジイソブチルプロパン−1,3−ジイル、シクロヘキサン−1,2−ジイル、シクロペンタン−1,2−ジイルである。
特に好ましい下位部類は下記の式(II)のものである:
Figure 2016517912
上記式において、Bは硫黄又は酸素であり、ここで、互いに同一であるか又は異なるR基ないしR基は水素、又は任意にハロゲン、P、S、N及びSiから選択されるヘテロ原子を含むC−C15炭化水素基であり、互いに同一であるか又は異なるRは任意に連結され環を形成することができるC−C15炭化水素基から選択され、nは0ないし5の整数である。
好ましくは、Bは硫黄であり、R及びRはC−C10アルキル基、より好ましくはC−Cアルキル基、特にメチルから選択され、R及びRは水素又はC−C10アルキル基、さらに好ましくは水素から選択される。R基は独立してC−C10アルキル基、より好ましくはC−Cアルキル基から選択される。この中で、メチル、エチル、n−プロピル及びn−ブチルが特に好ましい。指数nは0と5を含み、0ないし5で様々であり得て、好ましくは1ないし3であり、より好ましくは1である。nが1である場合、置換体Rは好ましくはベンゾエート環の4位に存在する。
さらに他の部類の好ましい架橋基は環状芳香族基に基づく架橋基であって、この芳香族基を介して炭素環原子が式(I)の2つの硫黄又は硫黄/酸素原子を連結することができる。この中で、1、2又は1、3又は1、4位で酸素原子を連結する、任意にハロゲン又はC−C20アルキルラジカルで置換されるフェニル基、及び1、2又は2、3又は1、8位で酸素基を連結する、任意に置換されるナフタレン基が特に好ましい。
この中で、下記の式(III)の構造が特に好ましい:
Figure 2016517912
上記式において、X、Y及びBは請求項1で定められたものと同様の意味を有し、RないしR12は独立して、水素、ハロゲン、又は任意にハロゲン、P、S、N、O及びSiから選択されるヘテロ原子で置換されるC−C15炭化水素基から選択される。
式(III)の好ましい構造は、R、R11及び/又はR12基がC−Cアルキル基である構造である。特に好ましい構造は、R及び/又はR12が第1級アルキル基、特にメチルであり、R11が第3級アルキル基、特にtert−ブチルである構造である。
具体的な例は、1,2−フェニレン、3−メチル−1,2−フェニレン、4−クロロ−1,2−フェニレン、4−(tert−ブチル)−1,2−フェニレン、3,6−ジメチル−1,2−フェニレン、3,5−ジメチル−1,2−フェニレン、5−(tert−ブチル)−3−メチル−1,2−フェニレン、3,5−ジイソプロピル−1,2−フェニレン、ナフタレン−1,8−ジイル、ナフタレン−1,2−ジイル、ナフタレン−2,3−ジイル基である。
好ましくは、式(I)及び(III)で、Bは酸素である。さらに、上記式において、R基は、好ましくはC−C10アルキル基及びC−C15アリール基又はC−C15アルキルアリール基から選択される。アルキル基のうち、線状C−Cアルキル基、例えばメチル、エチル及びプロピルが好ましい一方、好ましいアリール又はアルキルアリール基は好ましくはハロゲン及び/又はC−Cアルキル基で置換されるフェニル基である。
式(I)及び式(III)のX基とY基との間の組み合わせの好ましい可能例は、BがOであり、XはRであり、YはR、−OR及び−NRからなる群より選択され、R及びRは上述した意味を有するものである。好ましい実施形態において、X及びYは両方ともR、特にC−C15アリール基又はC−C15アルキルアリール基から選択される。さらに他の好ましい組み合わせは、BがOであり、Xは−ORであり、Yは−NR及び−ORから選択されるものである。さらに好ましい実施形態によると、BがOであり、XはC−C15アリール基又はC−C15アルキルアリール基から選択される−R基であり、YはRがC−C10アルキル基から選択される−ORである。
−NR基において、Rラジカルは好ましくはC−C10アルキル基、より好ましくは線状C−Cアルキル基、例えばメチル、エチル及びプロピルから選択される。
好ましくは、固体触媒成分内の電子供与体化合物の最終量は1重量%ないし25重量%、好ましくは3重量%ないし20重量%の範囲である。
式(I)及び式(II)の構造の非制限的な例は下記の通りである:2−(ベンゾイルチオ)−4−(tert−ブチル)−3,6−ジメチルフェニルベンゾエート、2−(ベンゾイルチオ)−4−(tert−ブチル)−6−メチルフェニルベンゾエート、4−(tert−ブチル)−2−((3−クロロベンゾイル)チオ)−3,6−ジメチルフェニル3−クロロベンゾエート、4−(tert−ブチル)−2−((3−クロロベンゾイル)チオ)−6−メチルフェニル3−クロロベンゾエート、4−(tert−ブチル)−2−((ジエチルカルバモイル)チオ)−3,6−ジメチルフェニルベンゾエート、4−(tert−ブチル)−2−((ジエチルカルバモイル)チオ)−6−メチルフェニルベンゾエート、4−(tert−ブチル)−2−((ジメチルカルバモイル)チオ)−3,6−ジメチルフェニルベンゾエート、4−(tert−ブチル)−2−((ジメチルカルバモイル)チオ)−6−メチルフェニルベンゾエート、4−(tert−ブチル)−2−メチル−6−((4−プロピルベンゾイル)チオ)フェニル4−プロピルベンゾエート、4−(tert−ブチル)−3,6−ジメチル−2−((4−プロピルベンゾイル)チオ)フェニル4−プロピルベンゾエート、S−(3−(tert−ブチル)−6−((ジエチルカルバモイル)オキシ)−2,5−ジメチルフェニル)ベンゾチオエート、S−(3−(tert−ブチル)−6−((ジメチルカルバモイル)オキシ)−2,5−ジメチルフェニル)ベンゾチオエート、S−(5−(tert−ブチル)−2−((ジエチルカルバモイル)オキシ)−3−メチルフェニル)ベンゾチオエート、S−(5−(tert−ブチル)−2−((ジメチルカルバモイル)オキシ)−3−メチルフェニル)ベンゾチオエート、4−(tert−ブチル)−2−((ジエチルカルバモイル)チオ)−3,6−ジメチルフェニルジエチルカルバメート、4−(tert−ブチル)−2−((ジエチルカルバモイル)チオ)−6−メチルフェニルジエチルカルバメート、4−(tert−ブチル)−2−((ジメチルカルバモイル)チオ)−3,6−ジメチルフェニルジメチルカルバメート、4−(tert−ブチル)−2−((ジメチルカルバモイル)チオ)−6−メチルフェニルジメチルカルバメート、4−(tert−ブチル)−2−((エトキシカルボニル)チオ)−3,6−ジメチルフェニルエチルカルボネート、4−(tert−ブチル)−2−((エトキシカルボニル)チオ)−6−メチルフェニルエチルカルボネート、S,S’−(4−(tert−ブチル)−3,6−ジメチル−1,2−フェニレン)ジベンゾチオエート、S,S’−(4−(tert−ブチル)−3−メチル−1,2−フェニレン)ジベンゾチオエート、S−(3−(tert−ブチル)−6−((ジエチルカルバモイル)チオ)−2,5−ジメチルフェニル)ベンゾチオエート、S−(3−(tert−ブチル)−6−((ジエチルカルバモイル)チオ)−2−メチルフェニル)ベンゾチオエート、S−(3−(tert−ブチル)−6−((エトキシカルボニル)チオ)−2,5−ジメチルフェニル)ベンゾチオエート、S−(3−(tert−ブチル)−6−((エトキシカルボニル)チオ)−2−メチルフェニル)ベンゾチオエート、S−(4−(tert−ブチル)−2−((ジエチルカルバモイル)チオ)−3,6−ジメチルフェニル)ベンゾチオエート、S−(4−(tert−ブチル)−2−((ジエチルカルバモイル)チオ)−3−メチルフェニル)ベンゾチオエート、S−(4−(tert−ブチル)−2−((エトキシカルボニル)チオ)−3,6−ジメチルフェニル)ベンゾチオエート、S−(4−(tert−ブチル)−2−((エトキシカルボニル)チオ)−3−メチルフェニル)ベンゾチオエート、S,S’−(4−(tert−ブチル)−3,6−ジメチル−1,2−フェニレン)O,O’−ジエチルジカルボノチオエート、S,S’−(4−(tert−ブチル)−3,6−ジメチル−1,2−フェニレン)ビス(ジエチルカルバモチオエート)、S,S’−(4−(tert−ブチル)−3−メチル−1,2−フェニレン)O,O’−ジエチルジカルボノチオエート、S,S’−(4−(tert−ブチル)−3−メチル−1,2−フェニレン)ビス(ジエチルカルバモチオエート)、S−(3−(tert−ブチル)−6−((エトキシカルボニル)チオ)−2,5−ジメチルフェニル)ジエチルカルバモチオエート、S−(3−(tert−ブチル)−6−((エトキシカルボニル)チオ)−2−メチルフェニル)ジエチルカルバモチオエート、S−(4−(tert−ブチル)−2−((エトキシカルボニル)チオ)−3,6−ジメチルフェニル)ジエチルカルバモチオエート、S−(4−(tert−ブチル)−2−((エトキシカルボニル)チオ)−3−メチルフェニル)ジエチルカルバモチオエート、S,S’−(4−(tert−ブチル)−3,6−ジメチル−1,2−フェニレン)ビス(4−プロピルベンゾチオエート)、S,S’−(4−(tert−ブチル)−3,6−ジメチル−1,2−フェニレン)ビス(3−クロロベンゾチオエート)、4−((ジエチルカルバモイル)チオ)ペンタン−2−イルベンゾエート、4−((エトキシカルボニル)チオ)ペンタン−2−イルベンゾエート、4−(ベンゾイルチオ)ペンタン−2−イルベンゾエート、S,S’−ペンタン−2,4−ジイルジベンゾチオエート、S−(4−((ジエチルカルバモイル)オキシ)ペンタン−2−イル)ベンゾチオエート、S−(4−((ジエチルカルバモイル)チオ)ペンタン−2−イル)ベンゾチオエート、S−(4−((エトキシカルボニル)オキシ)ペンタン−2−イル)ベンゾチオエート、S−(4−((エトキシカルボニル)チオ)ペンタン−2−イル)ベンゾチオエート、4−((ジエチルカルバモイル)チオ)ペンタン−2−イルジエチルカルバメート、4−((エトキシカルボニル)チオ)ペンタン−2−イルジエチルカルバメート、4−((エトキシカルボニル)チオ)ペンタン−2−イルエチルカルボネート、O,O’−ジエチルS,S’−ペンタン−2,4−ジイルジカルボノチオエート、S,S’−ペンタン−2,4−ジイルビス(ジエチルカルバモチオエート)、S−(4−((エトキシカルボニル)オキシ)ペンタン−2−イル)ジエチルカルバモチオエート、S−(4−((エトキシカルボニル)チオ)ペンタン−2−イル)ジエチルカルバモチオエート、4−((3−クロロベンゾイル)チオ)ペンタン−2−イル3−クロロベンゾエート、4−((ジエチルカルバモイル)チオ)ペンタン−2−イル3−クロロベンゾエート、4−((エトキシカルボニル)チオ)ペンタン−2−イル3−クロロベンゾエート、S,S’−ペンタン−2,4−ジイルビス(3−クロロベンゾチオエート)、S−(4−((ジエチルカルバモイル)オキシ)ペンタン−2−イル)3−クロロベンゾチオエート、S−(4−((ジエチルカルバモイル)チオ)ペンタン−2−イル)3−クロロベンゾチオエート、S−(4−((エトキシカルボニル)オキシ)ペンタン−2−イル)3−クロロベンゾチオエート、S−(4−((エトキシカルボニル)チオ)ペンタン−2−イル)3−クロロベンゾチオエート、4−((ジエチルカルバモイル)チオ)ペンタン−2−イルジエチルカルバメート、4−((エトキシカルボニル)チオ)ペンタン−2−イルジエチルカルバメート、4−((エトキシカルボニル)チオ)ペンタン−2−イルエチルカルボネート、O,O’−ジエチルS,S’−ペンタン−2,4−ジイルジカルボノチオエート、S,S’−ペンタン−2,4−ジイルビス(ジエチルカルバモチオエート)、S−(4−((エトキシカルボニル)オキシ)ペンタン−2−イル)ジエチルカルバモチオエート、S−(4−((エトキシカルボニル)チオ)ペンタン−2−イル)ジエチルカルバモチオエート、4−((4−プロピルベンゾイル)チオ)ペンタン−2−イル4−プロピルベンゾエート、4−((ジエチルカルバモイル)チオ)ペンタン−2−イル4−プロピルベンゾエート、4−((エトキシカルボニル)チオ)ペンタン−2−イル4−プロピルベンゾエート、S,S’−ペンタン−2,4−ジイルビス(4−プロピルベンゾチオエート)、S−(4−((ジエチルカルバモイル)オキシ)ペンタン−2−イル)4−プロピルベンゾチオエート、S−(4−((ジエチルカルバモイル)チオ)ペンタン−2−イル)4−プロピルベンゾチオエート、S−(4−((エトキシカルボニル)オキシ)ペンタン−2−イル)4−プロピルベンゾチオエート、S−(4−((エトキシカルボニル)チオ)ペンタン−2−イル)4−プロピルベンゾチオエート、4−((ジエチルカルバモイル)チオ)ペンタン−2−イルジエチルカルバメート、4−((エトキシカルボニル)チオ)ペンタン−2−イルジエチルカルバメート、4−((エトキシカルボニル)チオ)ペンタン−2−イルエチルカルボネート、O,O’−ジエチルS,S’−ペンタン−2,4−ジイルジカルボノチオエート、S,S’−ペンタン−2,4−ジイルビス(ジエチルカルバモチオエート)、S−(4−((エトキシカルボニル)オキシ)ペンタン−2−イル)ジエチルカルバモチオエート、S−(4−((エトキシカルボニル)チオ)ペンタン−2−イル)ジエチルカルバモチオエート、2−((ジエチルカルバモイル)チオ)シクロヘキシルベンゾエート、2−((エトキシカルボニル)チオ)シクロヘキシルベンゾエート、2−(ベンゾイルチオ)シクロヘキシルベンゾエート、S,S’−シクロヘキサン−1,2−ジイルジベンゾチオエート、S−(2−((ジエチルカルバモイル)オキシ)シクロヘキシル)ベンゾチオエート、S−(2−((ジエチルカルバモイル)チオ)シクロヘキシル)ベンゾチオエート、S−(2−((エトキシカルボニル)オキシ)シクロヘキシル)ベンゾチオエート、S−(2−((エトキシカルボニル)チオ)シクロヘキシル)ベンゾチオエート、2−((ジエチルカルバモイル)チオ)シクロヘキシルジエチルカルバメート、2−((エトキシカルボニル)チオ)シクロヘキシルジエチルカルバメート、2−((エトキシカルボニル)チオ)シクロヘキシルエチルカルボネート、S,S’−シクロヘキサン−1,2−ジイルO,O’−ジエチルジカルボノチオエート、S,S’−シクロヘキサン−1,2−ジイルビス(ジエチルカルバモチオエート)、S−(2−((エトキシカルボニル)オキシ)シクロヘキシル)ジエチルカルバモチオエート、S−(2−((エトキシカルボニル)チオ)シクロヘキシル)ジエチルカルバモチオエート、2−((3−クロロベンゾイル)チオ)シクロヘキシル3−クロロベンゾエート、2−((ジエチルカルバモイル)チオ)シクロヘキシル3−クロロベンゾエート、2−((エトキシカルボニル)チオ)シクロヘキシル3−クロロベンゾエート、S,S’−シクロヘキサン−1,2−ジイルビス(3−クロロベンゾチオエート)、S−(2−((ジエチルカルバモイル)オキシ)シクロヘキシル)3−クロロベンゾチオエート、S−(2−((ジエチルカルバモイル)チオ)シクロヘキシル)3−クロロベンゾチオエート、S−(2−((エトキシカルボニル)オキシ)シクロヘキシル)3−クロロベンゾチオエート、S−(2−((エトキシカルボニル)チオ)シクロヘキシル)3−クロロベンゾチオエート、2−((ジエチルカルバモイル)チオ)シクロヘキシルジエチルカルバメート、2−((エトキシカルボニル)チオ)シクロヘキシルジエチルカルバメート、2−((エトキシカルボニル)チオ)シクロヘキシルエチルカルボネート、S,S’−シクロヘキサン−1,2−ジイルO,O’−ジエチルジカルボノチオエート、S,S’−シクロヘキサン−1,2−ジイルビス(ジエチルカルバモチオエート)、S−(2−((エトキシカルボニル)オキシ)シクロヘキシル)ジエチルカルバモチオエート、S−(2−((エトキシカルボニル)チオ)シクロヘキシル)ジエチルカルバモチオエート、2−((4−プロピルベンゾイル)チオ)シクロヘキシル4−プロピルベンゾエート、2−
((ジエチルカルバモイル)チオ)シクロヘキシル4−プロピルベンゾエート、2−((エトキシカルボニル)チオ)シクロヘキシル4−プロピルベンゾエート、S,S’−シクロヘキサン−1,2−ジイルビス(4−プロピルベンゾチオエート)、S−(2−((ジエチルカルバモイル)オキシ)シクロヘキシル)4−プロピルベンゾチオエート、S−(2−((ジエチルカルバモイル)チオ)シクロヘキシル)4−プロピルベンゾチオエート、S−(2−((エトキシカルボニル)オキシ)シクロヘキシル)4−プロピルベンゾチオエート、S−(2−((エトキシカルボニル)チオ)シクロヘキシル)4−プロピルベンゾチオエート、2−((ジエチルカルバモイル)チオ)シクロヘキシルジエチルカルバメート、2−((エトキシカルボニル)チオ)シクロヘキシルジエチルカルバメート、2−((エトキシカルボニル)チオ)シクロヘキシルエチルカルボネート、S,S’−シクロヘキサン−1,2−ジイルO,O’−ジエチルジカルボノチオエート、S,S’−シクロヘキサン−1,2−ジイルビス(ジエチルカルバモチオエート)、S−(2−((エトキシカルボニル)オキシ)シクロヘキシル)ジエチルカルバモチオエート、S−(2−((エトキシカルボニル)チオ)シクロヘキシル)ジエチルカルバモチオエート、8−((ジエチルカルバモイル)チオ)ナフタレン−1−イルベンゾエート、8−((エトキシカルボニル)チオ)ナフタレン−1−イルベンゾエート、8−(ベンゾイルチオ)ナフタレン−1−イルベンゾエート、S,S’−ナフタレン−1,8−ジイルジベンゾチオエート、S−(8−((ジエチルカルバモイル)オキシ)ナフタレン−1−イル)ベンゾチオエート、S−(8−((ジエチルカルバモイル)チオ)ナフタレン−1−イル)ベンゾチオエート、S−(8−((エトキシカルボニル)オキシ)ナフタレン−1−イル)ベンゾチオエート、S−(8−((エトキシカルボニル)チオ)ナフタレン−1−イル)ベンゾチオエート、8−((ジエチルカルバモイル)チオ)ナフタレン−1−イルジエチルカルバメート、8−((エトキシカルボニル)チオ)ナフタレン−1−イルジエチルカルバメート、8−((エトキシカルボニル)チオ)ナフタレン−1−イルエチルカルボネート、O,O’−ジエチルS,S’−ナフタレン−1,8−ジイルジカルボノチオエート、S,S’−ナフタレン−1,8−ジイルビス(ジエチルカルバモチオエート)、S−(8−((エトキシカルボニル)オキシ)ナフタレン−1−イル)ジエチルカルバモチオエート、S−(8−((エトキシカルボニル)チオ)ナフタレン−1−イル)ジエチルカルバモチオエート、8−((3−クロロベンゾイル)チオ)ナフタレン−1−イル3−クロロベンゾエート、8−((ジエチルカルバモイル)チオ)ナフタレン−1−イル3−クロロベンゾエート、8−((エトキシカルボニル)チオ)ナフタレン−1−イル3−クロロベンゾエート、S,S’−ナフタレン−1,8−ジイルビス(3−クロロベンゾチオエート)、S−(8−((ジエチルカルバモイル)オキシ)ナフタレン−1−イル)3−クロロベンゾチオエート、S−(8−((ジエチルカルバモイル)チオ)ナフタレン−1−イル)3−クロロベンゾチオエート、S−(8−((エトキシカルボニル)オキシ)ナフタレン−1−イル)3−クロロベンゾチオエート、S−(8−((エトキシカルボニル)チオ)ナフタレン−1−イル)3−クロロベンゾチオエート、8−((ジエチルカルバモイル)チオ)ナフタレン−1−イルジエチルカルバメート、8−((エトキシカルボニル)チオ)ナフタレン−1−イルジエチルカルバメート、8−((エトキシカルボニル)チオ)ナフタレン−1−イルエチルカルボネート、O,O’−ジエチルS,S’−ナフタレン−1,8−ジイルジカルボノチオエート、S,S’−ナフタレン−1,8−ジイルビス(ジエチルカルバモチオエート)、S−(8−((エトキシカルボニル)オキシ)ナフタレン−1−イル)ジエチルカルバモチオエート、S−(8−((エトキシカルボニル)チオ)ナフタレン−1−イル)ジエチルカルバモチオエート、8−((4−プロピルベンゾイル)チオ)ナフタレン−1−イル4−プロピルベンゾエート、8−((ジエチルカルバモイル)チオ)ナフタレン−1−イル4−プロピルベンゾエート、8−((エトキシカルボニル)チオ)ナフタレン−1−イル4−プロピルベンゾエート、S,S’−ナフタレン−1,8−ジイルビス(4−プロピルベンゾチオエート)、S−(8−((ジエチルカルバモイル)オキシ)ナフタレン−1−イル)4−プロピルベンゾチオエート、S−(8−((ジエチルカルバモイル)チオ)ナフタレン−1−イル)4−プロピルベンゾチオエート、S−(8−((エトキシカルボニル)オキシ)ナフタレン−1−イル)4−プロピルベンゾチオエート、S−(8−((エトキシカルボニル)チオ)ナフタレン−1−イル)4−プロピルベンゾチオエート、8−((ジエチルカルバモイル)チオ)ナフタレン−1−イルジエチルカルバメート、8−((エトキシカルボニル)チオ)ナフタレン−1−イルジエチルカルバメート、8−((エトキシカルボニル)チオ)ナフタレン−1−イルエチルカルボネート、O,O’−ジエチルS,S’−ナフタレン−1,8−ジイルジカルボノチオエート、S,S’−ナフタレン−1,8−ジイルビス(ジエチルカルバモチオエート)、S−(8−((エトキシカルボニル)オキシ)ナフタレン−1−イル)ジエチルカルバモチオエート、S−(8−((エトキシカルボニル)チオ)ナフタレン−1−イル)ジエチルカルバモチオエート、(9−(((ジエチルカルバモイル)チオ)メチル)−9H−フルオレン−9−イル)メチルベンゾエート、(9−(((エトキシカルボニル)チオ)メチル)−9H−フルオレン−9−イル)メチルベンゾエート、(9−((ベンゾイルチオ)メチル)−9H−フルオレン−9−イル)メチルベンゾエート、S,S’−((9H−フルオレン−9,9−ジイル)ビス(メチレン))ジベンゾチオエート、S−((9−(((ジエチルカルバモイル)オキシ)メチル)−9H−フルオレン−9−イル)メチル)ベンゾチオエート、S−((9−(((ジエチルカルバモイル)チオ)メチル)−9H−フルオレン−9−イル)メチル)ベンゾチオエート、S−((9−(((エトキシカルボニル)オキシ)メチル)−9H−フルオレン−9−イル)メチル)ベンゾチオエート、S−((9−(((エトキシカルボニル)チオ)メチル)−9H−フルオレン−9−イル)メチル)ベンゾチオエート、(9−(((ジエチルカルバモイル)チオ)メチル)−9H−フルオレン−9−イル)メチルジエチルカルバメート、(9−(((エトキシカルボニル)チオ)メチル)−9H−フルオレン−9−イル)メチルジエチルカルバメート、(9−(((エトキシカルボニル)チオ)メチル)−9H−フルオレン−9−イル)メチルエチルカルボネート、S,S’−((9H−フルオレン−9,9−ジイル)ビス(メチレン))O,O’−ジエチルジカルボノチオエート、S,S’−((9H−フルオレン−9,9−ジイル)ビス(メチレン))ビス(ジエチルカルバモチオエート)、S−((9−(((エトキシカルボニル)オキシ)メチル)−9H−フルオレン−9−イル)メチル)ジエチルカルバモチオエート、S−((9−(((エトキシカルボニル)チオ)メチル)−9H−フルオレン−9−イル)メチル)ジエチルカルバモチオエート。
上述したように、触媒成分は前記電子供与体以外にも、Ti、Mg及びハロゲンを含む。特に、触媒成分は少なくともTi−ハロゲン結合を有したチタン化合物、及びMgハライド上に支持された上記言及された電子供与体化合物を含む。マグネシウムハライドは好ましくは、本特許文献でチーグラ−ナッタ触媒用支持体として広範囲に知られている活性形態のMgClである。特許USP4,298,718及びUSP4,495,338はチーグラ−ナッタ触媒作用でこれら化合物の用途を初めて述べたものである。これらの特許から、オレフィン重合用触媒成分で支持体又は共同−支持体として用いられる活性形態のマグネシウムジハライドはX線スペクトルにより特徴づけられており、ここで、非活性ハライドのスペクトルに現われる最も強い回折線は強度の面で減少し、ハロにより取り替えられ、その最大強度はより強い線のものに対してさらに低い角度方向に変位されるということが知られている。
本発明の触媒成分に用いられる好ましいチタン化合物はTiCl及びTiClであり;さらに、式Ti(OR)m−yのTi−ハロアルコラートも用いられることができ、ここで、mはチタンの原子価であり、yは1ないしm−1の数であり、Xはハロゲンであり、Rは炭素数1ないし10の炭化水素ラジカルである。
特定の実施形態において、Ti原子の量は前記触媒成分の総重量に対し、2.5重量%超であり、より好ましくは3.0重量%超であり、特に3.0重量%ないし8重量%である。
固体触媒成分の製造はいくつかの方法により行うことができる。一つの方法は、約80℃ないし120℃の温度で電子供与体化合物の存在下でマグネシウムアルコラート又はクロロアルコラート(特に、USP4,220,554によって製造されるクロロアルコラート)と過剰のTiClとの間の反応を含む。
好ましい方法によると、固体触媒成分は式Ti(OR)m−yのチタン化合物、好ましくはTiClを式MgCl・pROHの付加物から由来されるマグネシウムクロリドと反応させることで製造することができ、ここで、mはチタンの原子価であり、yは1ないしmの数であり、pは0.1ないし6、好ましくは2ないし3.5の数であり、Rは炭素数1ないし18の炭化水素ラジカルである。付加物は好適には、付加物と非混和性である不活性炭化水素の存在下でアルコールをマグネシウムクロリドと混合し、付加物の溶融点(100℃ないし130℃)で攪拌条件下で作動させることで球状に製造されることができる。その後、エマルジョンは速かにクエンチされ、これにより、球状粒子形態の付加物の固体化を誘発する。この手順によって製造される球状の付加物の例はUSP4,399,054及びUSP4,469,648に記述されている。このようにして得られた付加物はTi化合物と直接反応することができるか、熱調節された脱アルコール化(80℃ないし130℃)の前に行われ、アルコールのモル数が一般的に3未満、好ましくは0.1ないし2.5である付加物を得ることができる。Ti化合物との反応は(脱アルコラートされた又はこのような)付加物を冷却されたTiCl(一般的に0℃)に懸濁させることで行うことができる;混合物は80℃ないし130℃で加熱された後、この温度で0.5時間ないし2時間維持される。TiClでの処理は1回以上行うことができる。メルカプト誘導体の電子供与体化合物は、好ましくはTiClでの処理中に添加される。球状の形態の触媒成分の製造は、例えば、欧州特許出願EP−A−395083、EP−A−553805、EP−A−553806、EPA601525及びWO98/44009に記述されている。
上記方法によって得られる固体触媒成分は、(B.E.T.方法により)一般的に20m/gないし500m/g、好ましくは50m/gないし400m/gの表面積、及び(B.E.T.方法により)0.2cm/g超、好ましくは0.2cm/gないし0.6cm/gの総多孔性を示す。半径10.000Å以下の気孔により多孔性(Hg方法)は一般的に0.3cm/gないし1.5cm/g、好ましくは0.45cm/gないし1cm/gの範囲である。固体触媒成分は平均粒子の大きさが5μmないし120μm、より好ましくは10μmないし100μmの範囲である。
これらの製造方法のうち任意の方法で、所望の電子供与体化合物はそれ自体で又は他の方式で添加することができ、これは例えば、公知の化学反応により、所望の電子供与体化合物から変換され得る適切な前駆体を用いることでインサイチューで得ることができる。
用いられる製造方法と無関係に、式(I)の電子供与体化合物の最終量は、Ti原子に対するそのモル比が0.01ないし2、好ましくは0.05ないし1.2となるようにする量である。
本発明による固体触媒成分は、これらを公知の方法によって有機アルミニウム化合物と反応させることでオレフィン重合用触媒に転換される。
特に、本発明の目的は、下記の(i)ないし(iii)を接触させることで得られる生成物を含む、オレフィンCH=CHRの重合用触媒であって、ここで、Rは水素又は炭素数1ないし12のヒドロカルビルラジカルである:
(i) 上記論議されたような固体触媒成分、及び
(ii) アルキルアルミニウム化合物、及び任意に、
(iii) 外部電子供与体化合物。
アルキル−Al化合物(ii)は、好ましくはトリアルキルアルミニウム化合物、例えばトリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリ−n−ブチルアルミニウム、トリ−n−ヘキシルアルミニウム、トリ−n−オクチルアルミニウムのうちで選択される。また、AlEtCl及びAlEtClのような、アルキルアルミニウムハライド、アルキルアルミニウムヒドリド又はアルキルアルミニウムセスキクロリドを前記言及されたトリアルキルアルミニウムと混合物として用いることが可能である。
好適な外部電子−供与体化合物はケイ素化合物、エーテル、エステル、アミン、ヘテロ環状化合物、特に2,2,6,6−テトラメチルピペリジン及びケトンを含む。
さらに他の部類の好ましい外部供与体化合物は、式(R(RSi(ORのケイ素化合物であり、ここで、a及びbは0ないし2の整数であり、cは1ないし4の整数であり、(a+b+c)の和は4であり;R、R及びRは任意にヘテロ原子を含む、炭素数1ないし18のラジカルである。aが1であり、bが1であり、cが2であり、R及びRのうち少なくとも1つが任意にヘテロ原子を含む炭素数3ないし10の分枝型アルキル基、シクロアルキル基又はアリール基から選択され、RがC−C10アルキル基、特にメチルであるケイ素化合物が特に好ましい。このような好ましいケイ素化合物の例は、メチルシクロヘキシルジメトキシシラン(C供与体)、ジフェニルジメトキシシラン、メチル−t−ブチルジメトキシシラン、ジシクロペンチルジメトキシシラン(D供与体)、ジイソプロピルジメトキシシラン、(2−エチルピペリジニル)t−ブチルジメトキシシラン、(2−エチルピペリジニル)t−ヘキシルジメトキシシラン、(3,3,3−トリフルオロ−n−プロピル)(2−エチルピペリジニル)ジメトキシシラン、メチル(3,3,3−トリフルオロ−n−プロピル)ジメトキシシラン、N,N−ジエチルアミノトリエトキシシランである。さらに、aが0であり、cが3であり、Rが任意にヘテロ原子を含む分枝型アルキル基又はシクロアルキル基であり、Rがメチルであるケイ素化合物がさらに好ましい。このような好ましいケイ素化合物の例は、シクロヘキシルトリメトキシシラン、t−ブチルトリメトキシシラン及びt−ヘキシルトリメトキシシランである。
電子供与体化合物(iii)は、有機アルミニウム化合物と前記電子供与体化合物(iii)との間のモル比を0.1ないし500、好ましくは1ないし300、より好ましくは3ないし100で提供する量で用いられる。
従って、下記の(i)ないし(iii)の間の反応生成物を含む触媒の存在下で行われる、オレフィンCH=CHRの(共)重合工程は本開示内容のさらなる実施形態を構成し、この式で、Rは水素、又は炭素数1ないし12のヒドロカルビルラジカルである:
(i) Mg、Ti及び前述したような式(I)の電子供与体化合物を含む固体触媒成分;
(ii) アルキルアルミニウム化合物;及び
(iii) 任意に電子−供与体化合物(外部供与体)。
重合工程は、不活性炭化水素溶媒を希釈剤として用いるスラリー重合、又は液体モノマー(例えば、プロピレン)を反応媒質として用いるバルク重合のような公知の技術に従い行うことができる。さらに、1つ以上の流動化された又は機械的に振盪された床反応器で作動する気体相で重合工程を行うことが可能である。
重合は一般的に20℃ないし120℃、好ましくは40℃ないし80℃の温度で行われる。重合が気体相で行われる場合、作動圧力は一般的に0.5MPaないし5MPa、好ましくは1MPaないし4MPaである。バルク重合で、作動圧力は一般的に1MPaないし8MPa、好ましくは1.5MPaないし5MPaである。
下記の実施例は本発明を制限せずに例示するために挙げられたものである。
特徴化
X.I.の確認
ポリマー2.5g及びo−キシレン250mlを、冷却器及び還流凝縮器を備えた丸底フラスコに入れ、窒素下で維持させた。得られた混合物を135℃で加熱し、攪拌下で約60分間維持させた。最終溶液を連続的な攪拌下で25℃に冷却されるようにし、その後、不溶性ポリマーをろ過した。その後、ろ過液を140℃で窒素流で蒸発させ、一定の重量に達するようにした。前記キシレン−可溶性分画の含量は本来の2.5gの百分率として表した後、差、X.I.%により表した。
供与体の確認
電子供与体の含量をガス−クロマトグラフィーを介して求めた。固体成分を酸性水に溶解させた。溶液をエチルアセテートを用いて抽出し、内部標準を添加した後、有機相サンプルをガスクロマトグラフで分析し、出発触媒化合物に存在する供与体の量を確認した。
溶融流速(MFR)
ポリマーの溶融流速MILをISO 1133(230℃、2.16Kg)に従い確認した。
実施例1.2−(ベンゾイルチオ)−4−(tert−ブチル)−3,6−ジメチルフェニルベンゾエートの合成
第1ステップ.4−(tert−ブチル)−2−メルカプト−3,6−ジメチルフェノールの合成
反応をアルゴン雰囲気下で行う。4−tert−ブチル−2,5−ジメチルフェノール(20g、0.11mol)を、硫黄0.37gを含むトルエン120mLで溶解させる。トルエン50mL中のSCl 4.9mL(0.062mol)の溶液を、反応温度が30℃を超えない速度で連続して効率よく攪拌しながら滴下ロートを介して徐々に添加する。これが完了するとき、溶液を75℃で1時間加熱し、室温に冷却されるようにする。反応混合物を低真空下で濃縮させ約60mLの残余量を有するようにした。得られた懸濁液をEtO 180mL中のLiAlH 5.38g(0.14mol)の懸濁液に徐々に添加する。
反応混合物を6時間還流し、一晩中攪拌した後、5%HClで注意深く処理する。有機溶液を分離し、水層をEtOで数回抽出する。組み合わされた有機相をMgSOで乾燥させ、蒸発させ、残余物をヘプタンから結晶化する。収率5.76g(49%)。
第2ステップ.2−(ベンゾイルチオ)−4−(tert−ブチル)−3,6−ジメチルフェニルベンゾエートの合成
トルエン(290mL)中の4−(tert−ブチル)−2−メルカプト−3,6−ジメチルフェノール(10g、0.048mol)の溶液を0℃でベンゾイルクロリド(11.8mL、0.10mol)及びEtN(20.0mL)で順次に処理する。室温で16時間攪拌した後、これを水性HClに注ぎ、トルエン(100mL)で希釈させる。有機層を水、2%水性NaOH、水で順次に洗浄し、MgSOで乾燥させた後、蒸発させ、得られたオイルを95%EtOH(50mL)から再結晶化する。収率15.5g(78%)。
実施例2.4−(tert−ブチル)−2−((エトキシカルボニル)チオ)−6−メチルフェニルエチルカルボネートの合成
第1ステップ.4−(tert−ブチル)−2−メルカプト−6−メチルフェノールの合成
反応をアルゴン雰囲気下で行う。4−tert−ブチル−2−メチルフェノール(90g、0.5mol)を、硫黄0.5gを含むトルエン250mLに溶解させる。トルエン100mL中のSCl 22mL(0.55mol)の溶液を、反応温度が30℃を超えない速度で連続して効率よく攪拌しながら滴下ロートを介して徐々に添加する。その後、溶液を75℃で1時間加熱し、室温に冷却されるようにする。トルエンを低真空下で除去し、残余物をEtO 200mLに溶解させる。得られた溶液をEtO 600mL中のLiAlH 24g(0.63mol)の懸濁液に徐々に添加する。
反応混合物を6時間還流し、一晩中攪拌した後、5%HClで注意深く処理する。有機層を分離し、水層をEtOで数回抽出する。組み合わされた有機相をMgSOで乾燥させ、蒸発させ、蒸留する。収率50.1g(47%)。
第2ステップ.4−(tert−ブチル)−2−((エトキシカルボニル)チオ)−6−メチルフェニルエチルカルボネートの合成
トルエン(150mL)中の4−(tert−ブチル)−2−メルカプト−6−メチルフェノール(7.88g、0.0342mol)の溶液を攪拌して冷却しながら(0℃)ピリジン(12mL)及びエチルクロロホルメート(7.19mL、0.0752mol)で順次に処理する。室温で16時間攪拌した後、反応混合物を水で処理し、トルエン(100mL)で希釈させる。有機層を水性HCl及び水で順次に洗浄し、MgSOで乾燥させた後、蒸発させ、真空(165℃/0.5mmHg)で蒸留させる。収率8.9g(73%)。
実施例3.4−(tert−ブチル)−2−((エトキシカルボニル)チオ)−3,6−ジメチルフェニルエチルカルボネートの合成
4−(tert−ブチル)−2−メルカプト−3,6−ジメチルフェノールを4−(tert−ブチル)−2−メルカプト−6−メチルフェノールの代りに用いる点を除いては、手順は実施例2で用いるものと同様である。蒸留後の収率73%。
実施例4.4−(tert−ブチル)−2−((ジエチルカルバモイル)チオ)−6−メチルフェニル3−クロロベンゾエートのワンポット(one−pot)合成
ピリジン(40mL)中の4−(tert−ブチル)−2−メルカプト−6−メチルフェノール(9.82g、0.05mol)の溶液を攪拌して冷却させながら(−30℃)ジエチルカルバモイルクロリド(7.0g、0.05mol)で30分以内に処理する。室温で16時間攪拌した後、反応混合物を同様に攪拌して冷却させながら(0℃)3−クロロベンゾイルクロリド(9.1g、0.05mol)で処理する。室温でさらに16時間攪拌した後、反応混合物を、濃HCl 80mLを含む水−氷混合物に注ぐ。その後、これをCHClで抽出し、有機相を水性HCl、水、5%NaOH溶液、水で順次に洗浄してから、MgSOで乾燥させた後、濃縮させる。生成物を、トルエン/ヘキサン混合物(1/2)を溶出剤として用いて中性Alでカラムクロマトグラフィーにより精製する。収率10.0g(46%)。
実施例5.4−(tert−ブチル)−2−((ジメチルカルバモイル)チオ)−6−メチルフェニル3−クロロベンゾエートのワンポット合成
ジメチルカルバモイルクロリドをジエチルカルバモイルクロリドの代りに用いる点を除いては、手順は実施例4で用いるものと同様である。収率72%。
実施例6.S−(5−(tert−ブチル)−2−((エトキシカルボニル)オキシ)−3−メチルフェニル)ジメチルカルバモチオエートのワンポット合成
エチルクロロホルメートを3−クロロベンゾイルクロリドの代りに用いる点を除いては、手順は実施例4で用いるものと同様である。収率59%。
実施例7.S−(5−(tert−ブチル)−2−((エトキシカルボニル)オキシ)−3−メチルフェニル)ジエチルカルバモチオエートのワンポット合成
ジエチルカルバモイルクロリドをジメチルカルバモイルクロリドの代りに用いる点を除いては、手順は実施例6で用いるものと同様である。収率57%。
実施例8.4−(tert−ブチル)−2−((エトキシカルボニル)チオ)−3,6−ジメチルフェニル3−クロロベンゾエートのワンポット合成
トルエン(160mL)中の4−(tert−ブチル)−2−メルカプト−6−メチルフェノール(9.0g、0.043mol)及びピリジン(16mL)の溶液を攪拌して冷却させながら(0℃)トルエン(30mL)中のエチルクロロホルメート(4.64g、0.043mol)の溶液で3時間以内に処理する。室温で16時間攪拌した後、反応混合物を同様に攪拌して冷却させながら(0℃)3−クロロベンゾイルクロリド(7.53g、0.043mol)で処理する。室温で16時間攪拌した後、これを水性HClに振り入れ、トルエン(100mL)により希釈させる。有機層を水、2%水性NaOH、水で順次に洗浄し、MgSOで乾燥させた後、蒸発させ、得られたオイルを石油エーテルから再結晶化する。収率11.6g(64%)。
実施例9.4−(tert−ブチル)−2−((エトキシカルボニル)チオ)−3,6−ジメチルフェニルベンゾエートのワンポット合成
ベンゾイルクロリドを3−クロロベンゾイルクロリドの代りに用いる点を除いては、手順は実施例8で用いるものと同様である。ヘプタンからの結晶化後の収率54%。
実施例10.4−(tert−ブチル)−2−((エトキシカルボニル)チオ)−3,6−ジメチルフェニル4−メチルベンゾエートのワンポット合成
4−メチルベンゾイルクロリドを3−クロロベンゾイルクロリドの代りに用いる点を除いては、手順は実施例8で用いるものと同様である。石油エーテルからの結晶化後の収率56%。
実施例11.4−(tert−ブチル)−2−((エトキシカルボニル)チオ)−6−メチルフェニル3−クロロベンゾエートのワンポット合成
4−(tert−ブチル)−2−メルカプト−6−メチルフェノールを4−(tert−ブチル)−2−メルカプト−3,6−ジメチルフェノールの代りに用いる点を除いては、手順は実施例8で用いるものと同様である。石油エーテルからの結晶化後の収率46%。
実施例12.4−(tert−ブチル)−2−((エトキシカルボニル)チオ)−6−メチルフェニルベンゾエートのワンポット合成
4−(tert−ブチル)−2−メルカプト−6−メチルフェノールを4−(tert−ブチル)−2−メルカプト−3,6−ジメチルフェノールの代りに用いる点を除いては、手順は実施例9で用いるものと同様である。石油エーテル/CHCl(約1/1)混合物からの結晶化後の収率34%。
実施例13.4−(tert−ブチル)−2−((エトキシカルボニル)チオ)−6−メチルフェニル4−メチルベンゾエートのワンポット合成
4−(tert−ブチル)−2−メルカプト−6−メチルフェノールを4−(tert−ブチル)−2−メルカプト−3,6−ジメチルフェノールの代りに用いる点を除いては、手順は実施例10で用いるものと同様である。石油エーテルからの結晶化後の収率38%。
実施例14.4−(tert−ブチル)−2−((エトキシカルボニル)チオ)−3,6−ジメチルフェニルフラン−2−カルボキシレートのワンポット合成
2−フロイルクロリドを3−クロロベンゾイルクロリドの代りに用いる点を除いては、手順は実施例11で用いるものと同様である。石油エーテル及びEtOHからの結晶化後の収率56%。
実施例15.4−(tert−ブチル)−2−((エトキシカルボニル)チオ)−6−メチルフェニルジエチルカルバメートのワンポット合成
トルエン(350mL)中の4−(tert−ブチル)−2−メルカプト−6−メチルフェノール(18.83g、0.096mol)及びピリジン(27mL)の溶液を攪拌して冷却させながら(0℃)トルエン(50mL)中のエチルクロロホルメート(9.15mL、0.097mol)の溶液で4時間以内に処理した。室温で16時間攪拌した後、反応混合物を同様に攪拌して冷却させながら(0℃)ジエチルカルバモイルクロリド(20mL、0.158mol)及びEtN(20mL)で処理した。室温で48時間攪拌した後、これを水性HClでクエンチし、トルエン(100mL)で希釈させた。有機層を水で洗浄し、MgSOで乾燥させた後、蒸発させ、得られた残余物を真空(180℃ないし182℃/0.3mmHg)で蒸留させた。収率8.4g(24%)。
実施例16.S−(5−シクロヘキシル−2−((エトキシカルボニル)オキシ)−3−メチルフェニル)ジメチルカルバモチオエートの合成
第1ステップ:4−シクロヘキシル−2−メルカプト−6−メチルフェノールの合成
トルエン(250mL)中のSCl(20mL、0.25mol)の溶液を攪拌下でトルエン(250mL)中の4−シクロヘキシル−2−メチルフェノール(47.6g、0.25mol)の溶液で処理した。添加後、溶液をさらに2時間攪拌した。溶媒を真空下で蒸発させ、残余物を95%EtOH(400mL)で溶解させた後、亜鉛粉末(50g、0.79mol)を添加し、次いで濃HCl(190mL)を0℃で攪拌しながら滴下した。添加後、混合物をさらに2時間攪拌した。反応混合物を水(900mL)に注ぎ、CHClで数回抽出した。組み合わされた有機相をMgSOで乾燥させ、蒸発させた後、残余物を真空下で(133℃ないし136℃/0.5mmHg)蒸留させた。収率26.7g(48%)。
第2ステップ.S−(5−シクロヘキシル−2−((エトキシカルボニル)オキシ)−3−メチルフェニル)ジメチルカルバモチオエートの合成
トルエン(180mL)中の4−シクロヘキシル−2−メルカプト−6−メチルフェノール(16.68、0.075mol)及びピリジン(19mL)の溶液を攪拌して冷却させながら(0℃)ジメチルカルバモイルクロリド(8.47g、0.082mol)で30分以内に処理した。室温で16時間攪拌した後、反応混合物を同様に攪拌して冷却させながら(0℃)エチルクロロホルメート(9.77mL、0.09mol)で処理した。室温で16時間さらに攪拌した後、反応混合物を濃HCl 30mLを含む水−氷混合物に注いだ。その後、これをCHClで抽出し、有機相を水性HCl及び水で順次に洗浄し、MgSOで乾燥させた後、蒸発させ、残余物を真空下で(212℃ないし215℃/0.4mmHg)蒸留させた。収率11.4g(42%)
実施例17.syn S,S’−ペンタン−2,4−ジイルジベンゾチオエートの合成
第1ステップ:syn−ペンタン−2,4−ジイルビス(4−メチルベンゼンスルホネート)の合成
250mL反応容器にsyn 2,4−ペンタンジーオル(10g、95.1mmol)及びピリジン(70g)を充填する。混合物を−10℃に冷却させ、p−トルエンスルホニルクロリド(40.3g、2.2eq)を徐々に添加する。混合物を周囲温度で15時間攪拌するようする。エチルアセテート(100mL)を反応混合物に添加し、生成される有機層を飽和NHCl水溶液と、飽和NaCl水溶液で洗浄した後、MgSOで乾燥させ、ろ過した後、回転蒸発器上で濃縮させ、粗生成物をヘルイエロー(hell yellow)固体として得た。
第2ステップ:syn S,S’−ペンタン−2,4−ジイルジベンゾチオエートの合成
100mL反応容器にsynペンタン−2,4−ジイルビス(4−メチルベンゼンスルホネート)(5.6g、13.4mmol)、ベンゼンカルボチオS−酸(4.13g、2eq)、NaHCO(2.28g、2eq)及びDMF(25mL)を充填する。混合物を80℃で2時間攪拌するようする。赤色溶液をエチルアセテート(50mL)で希釈させ、生成される溶液を飽和NaHCO水溶液と、飽和NaCl水溶液で洗浄する。有機層をMgSOで乾燥させ、ろ過した後、回転蒸発器上で濃縮させ、粗生成物を赤色オイルとして得た。これをクロマトグラフィー(SiO)−シクロヘキサン/エチルアセテート:40/1により精製する。収率:2g(43.3%)。
実施例18.S,S’−ペンタン−2,4−ジイルビス(4−プロピルベンゾチオエート)の合成
第1ステップ:S,S’−ペンタン−2,4−ジイルジエタンチオエートの合成
250mL反応容器にペンタン−2,4−ジイルビス(4−メチルベンゼンスルホネート)(19g、45.6mmol)ポタシウムチオアセテート(15.78g、3eq)及びDMF(70mL)を充填する。混合物を周囲温度で12時間攪拌するようする。赤色溶液をエチルアセテート(200mL)で希釈させ、生成される溶液を飽和NaHCO水溶液と、飽和NaCl水溶液で洗浄する。有機相をMgSOで乾燥させ、ろ過した後、回転蒸発器上で濃縮させ、粗生成物を赤色オイルとして得た。これを蒸留により精製する。収率:8.1g(80%)−黄色のオイル。
第2ステップ:S,S’−ペンタン−2,4−ジイルビス(4−プロピルベンゾチオエート)の合成
100mL反応容器にS,S’−ペンタン−2,4−ジイルジエタンチオエート(5g、22.5mmol)及びメタノール(50mL)を充填する。その後、ナトリウムメトキシド(2.57g、2.1eq)を周囲温度で徐々に添加する。混合物を2時間攪拌するようする。メタノールを蒸留により除去し、生成される橙色オイルをピリジン(50mL)で希釈させる。これを0℃に冷却させ、4−n−プロピル−ベンゾイルクロリド(11.08g、2.7eq)を徐々に添加した後、12時間攪拌する。ピリジンを蒸留により除去し、生成されるオイルをエチルアセテート(100mL)で希釈させる。生成される溶液を飽和NaHCO水溶液と、飽和NaCl水溶液で洗浄する。有機相をMgSOで乾燥させ、ろ過した後、回転蒸発器上で濃縮させ、粗生成物を黄色のオイルとして得た。これをクロマトグラフィー(SiO)−シクロヘキサン/エチルアセテート:60/1により精製する。収率:4.4g(45.6%)。
実施例1ないし17の供与体を用いる固体触媒成分の製造手順
機械的攪拌器、冷却器及び温度計が備えられた500mLの丸底フラスコに、TiCl 250mLを窒素雰囲気下で室温で導入した。0℃に冷却させた後、攪拌しながら、内部供与体及び球状の付加物(前述されたように製造される)10.0gをフラスコ内に順次に添加した。充填された内部供与体の量は、Mg/供与体のモル比を6に充填する量であった。温度を100℃に上昇させ、2時間維持させた。以後、攪拌を中断し、固体生成物が沈降するようにした後、上澄み液を100℃で吸い上げた。上澄み液を除去した後、さらに新たなTiClを添加し、再び初期液量にした。その後、混合物を120℃で加熱し、この温度で1時間維持させた。攪拌を再び中断し、固体が沈降するようにした後、上澄み液を吸い上げた。
固体が、無水ヘキサンで、60℃に下降する温度勾配で6回(6x100mL)洗浄され、室温で1回(100mL)洗浄された。その後、得られた固体を真空下で乾燥させ、分析した。
実施例18の供与体を用いる固体触媒成分の製造手順
機械的攪拌器、冷却器及び温度計が備えられた500mLの丸底フラスコに、TiCl 250mLを窒素雰囲気下で室温で導入した。0℃に冷却させた後、攪拌しながら、エチルベンゾエート及び球状の付加物(前述されたように製造される)10.0gをフラスコ内に順次に添加した。充填されたエチルベンゾエートの量は、Mg/EBのモル比を4に充填する量であった。温度を100℃に上昇させ、2時間維持させた。その後、攪拌を中断し、固体生成物が沈降するようにした後、上澄み液を100℃で吸い上げた。上澄み液を除去した後、さらに新たなTiClを添加し、再び初期液量にした後、内部供与体をMg/供与体の比を6にして添加した。その後、混合物を120℃で加熱し、この温度で1時間維持させた。攪拌を再び中断し、固体が沈降するようにした後、上澄み液を吸い上げた。120℃で1時間この最後の熱処理をもう一度繰り返す。攪拌を再び中断し、固体が沈降するようにした後、上澄み液を吸い上げた。
固体が、無水ヘキサンで、60℃に下降する温度勾配で6回(6x100mL)洗浄され、室温で1回(100mL)洗浄された。その後、得られた固体を真空下で乾燥させ、分析した。
一般的なプロピレン重合手順
攪拌器、圧力ゲージ、温度計、触媒供給システム、モノマー供給ライン及び温度調節ジャケットが備えられた4−リットル鋼鉄オートクレーブを70℃で窒素流で1時間パージした。その後、プロピレンの流れ下の30℃で、無水ヘキサン75ml、AlEt 0.76g、ジシクロペンチルジメトキシシラン(D供与体)0.076g及び固体触媒成分0.006÷0.010gを順次に充填した。オートクレーブを密閉させ;その後、水素2.0Nlを添加した。その後、攪拌下で、液体プロピレン1.2kgを供給した。温度を70℃に5分以内に上昇させ、重合をこの温度で2時間行った。重合終了時、未反応のプロピレンを除去し;ポリマーを回収した後、70℃の真空下で3時間乾燥した。その後、ポリマーを秤量して、o−キシレンを用いて分画し、キシレン不溶性(X.I.)分画の量を確認した。
例示された触媒の組成物及び性能
Figure 2016517912
Figure 2016517912
Figure 2016517912
Figure 2016517912
Figure 2016517912
ED:外部供与体。
D:ジシクロペンチルジメトキシシラン
本発明は化学分野に関する。特に、本発明はMgジハライド系支持体を含む、オレフィン、特にプロピレン重合用触媒成分に関し、この支持体上にはTi原子、及び特定部類のメルカプトアルコール誘導体から選択される電子供与体が支持されている。本発明はさらに、上記成分から得られる触媒、及びオレフィン、特にプロピレン重合工程でのこれらの用途に関する。
オレフィンの立体特異性重合のための触媒成分は、当該技術分野に広範囲に知られている。プロピレン重合に関し、最も広く用いられる触媒ファミリーはチーグラ−ナッタ(Ziegler−Natta)範疇に属し、一般的な用語において、これはAl−アルキル化合物と組み合わせて用いられるマグネシウムジハライドにより構成された固体触媒成分を含み、マグネシウムジハライドの上にはチタン化合物及び内部電子供与体化合物が支持されている。しかし、通常、結晶度がさらに高いポリマーが必要な場合、より高いイソタクチシチー(isotacticity)を得るためには外部供与体(例えば、アルコキシシラン)がまた必要である。好ましい部類の内部供与体のうち1つはフタル酸のエステルにより構成され、ジイソブチルフタレートが最も多く用いられる。フタレートは外部供与体であるアルキルアルコキシシランと組み合わせて内部供与体として用いられる。この触媒システムは活性、イソタクチシチー及びキシレン不溶性の面で良好な性能を提供する。
この触媒システムの使用に関する問題点のうち1つは、フタレートがこれらの使用に関する医学的問題により最近懸念が大きくなっており、この部類内の一部化合物は深刻な健康問題の根源として分類されたということである。
結果的に、プロピレン重合用触媒成分の製造に用いるための他の部類の内部供与体を見出すための研究活動がなされた。
内部供与体はUSP7,388,061及びWO2010/078494に述べられており、両方とも脂肪族ジーオル又は芳香族ジオールのエステルに関する。両方の参照文献ともこれらの構造の可能な代案を述べていない。さらに、これらの基本構造がジオールの構造という事実に鑑み、ジーオル基本構造の2つの酸素が同様の反応性を有するため、異なる官能基(エステル/エーテル、エステル/カルバメート等)を有する多官能性誘導体を製造することは難しい。
驚くべきことに、出願人は、メルカプト誘導体に基づく特定の部類の供与体は、内部供与体として用いられる場合、活性及び立体特異性の優れたバランスを現わす触媒を生成する同様の官能基又は異なる官能基を有した広範囲な分子を生成するために適合化されることを見出した。
これに、本発明は、Mg、Ti及び式(I)の電子供与体化合物を含む、オレフィン重合用触媒成分を提供する:
Figure 2016517912
上記式において、X及びYはR、−OR及び−NRから選択され、Bは酸素又は硫黄であり、Sは硫黄であり、RはC−C15炭化水素基から選択され、任意にハロゲン、P、S、N、O及びSiから選択されるヘテロ原子を含み、共に融合されて1つ以上の環を形成することができ、Rは水素又はRであり、Aは2つの架橋結合の間の鎖長が1個ないし10個の原子である2価架橋基である。
架橋基として作用する環状構造において、用語「鎖長」は、式(I)の2つの硫黄又は酸素/硫黄原子を連結する原子の最短配列と称される。好ましい一般的な実施形態において、架橋基は式−(ZR −を有し、この式で、Zは独立してC、Si、Ge、O、N、S又はPから選択され、互いに同一であるか又は異なるR基は水素、又は任意にハロゲン、P、S、N、O及びSiから選択されるヘテロ原子を含む、C−C20炭化水素ラジカルであり、共に融合されて1つ以上の環を形成することができ、mはZの原子価を満たす数であり、nは1ないし10の範囲の整数である。好ましくは、式−(ZR −を有する架橋基で、原子O、S及びNは式(I)のS又はOに直接連結されないが、すなわち、これらは架橋基の末端原子ではない。好ましくは、ZはC及びSiから選択される。より好ましい実施形態において、Zは炭素である。
特定の実施形態において、前記2価架橋基は、任意にC−C15炭化水素基で置換され、及び/又はハロゲン、P、S、N、O及びSiから選択されるヘテロ原子に置換され、1個ないし6個の原子、特に1個ないし4個の原子範囲の架橋鎖長を有した、脂肪族、指環族及び芳香族の2価ラジカルからなる群より選択される。
特に好ましい実施形態において、架橋基は2個ないし3個の炭素原子の架橋鎖長を有した脂肪族又は指環族架橋基である。この部類の中で、特に好ましい架橋基は、式−(CR −のものであり、この式で、Rは独立して水素、又は任意にハロゲン、P、S、N、O及びSiから選択されるヘテロ原子で置換されるC−C20炭化水素ラジカルであり、共に融合されて1つ以上の環を形成することができ、pは炭素の利用可能な原子価を満たす数であり、sは1ないし6、好ましくは1ないし4の数である。架橋基の例はメチリデン、エタン−1,2−ジイル、ブタン−2,3−ジイル、ペンタン−2,4−ジイル、2,2−ジイソブチルプロパン−1,3−ジイル、シクロヘキサン−1,2−ジイル、シクロペンタン−1,2−ジイルである。
特に好ましい下位部類は下記の式(II)のものである:
Figure 2016517912
上記式において、Bは硫黄又は酸素であり、ここで、互いに同一であるか又は異なるR基ないしR基は水素、又は任意にハロゲン、P、S、N及びSiから選択されるヘテロ原子を含むC−C15炭化水素基であり、互いに同一であるか又は異なるRは任意に連結され環を形成することができるC−C15炭化水素基から選択され、nは0ないし5の整数である。
好ましくは、Bは硫黄であり、R及びRはC−C10アルキル基、より好ましくはC−Cアルキル基、特にメチルから選択され、R及びRは水素又はC−C10アルキル基、さらに好ましくは水素から選択される。R基は独立してC−C10アルキル基、より好ましくはC−Cアルキル基から選択される。この中で、メチル、エチル、n−プロピル及びn−ブチルが特に好ましい。指数nは0と5を含み、0ないし5で様々であり得て、好ましくは1ないし3であり、より好ましくは1である。nが1である場合、置換体Rは好ましくはベンゾエート環の4位に存在する。
さらに他の部類の好ましい架橋基は環状芳香族基に基づく架橋基であって、この芳香族基を介して炭素環原子が式(I)の2つの硫黄又は硫黄/酸素原子を連結することができる。この中で、1、2又は1、3又は1、4位で酸素原子を連結する、任意にハロゲン又はC−C20アルキルラジカルで置換されるフェニル基、及び1、2又は2、3又は1、8位で酸素基を連結する、任意に置換されるナフタレン基が特に好ましい。
この中で、下記の式(III)の構造が特に好ましい:
Figure 2016517912
上記式において、X、Y及びBは請求項1で定められたものと同様の意味を有し、RないしR12は独立して、水素、ハロゲン、又は任意にハロゲン、P、S、N、O及びSiから選択されるヘテロ原子で置換されるC−C15炭化水素基から選択される。
式(III)の好ましい構造は、R、R11及び/又はR12基がC−Cアルキル基である構造である。特に好ましい構造は、R及び/又はR12が第1級アルキル基、特にメチルであり、R11が第3級アルキル基、特にtert−ブチルである構造である。
具体的な例は、1,2−フェニレン、3−メチル−1,2−フェニレン、4−クロロ−1,2−フェニレン、4−(tert−ブチル)−1,2−フェニレン、3,6−ジメチル−1,2−フェニレン、3,5−ジメチル−1,2−フェニレン、5−(tert−ブチル)−3−メチル−1,2−フェニレン、3,5−ジイソプロピル−1,2−フェニレン、ナフタレン−1,8−ジイル、ナフタレン−1,2−ジイル、ナフタレン−2,3−ジイル基である。
好ましくは、式(I)及び(III)で、Bは酸素である。さらに、上記式において、R基は、好ましくはC−C10アルキル基及びC−C15アリール基又はC−C15アルキルアリール基から選択される。アルキル基のうち、線状C−Cアルキル基、例えばメチル、エチル及びプロピルが好ましい一方、好ましいアリール又はアルキルアリール基は好ましくはハロゲン及び/又はC−Cアルキル基で置換されるフェニル基である。
式(I)及び式(III)のX基とY基との間の組み合わせの好ましい可能例は、BがOであり、XはRであり、YはR、−OR及び−NRからなる群より選択され、R及びRは上述した意味を有するものである。好ましい実施形態において、X及びYは両方ともR、特にC−C15アリール基又はC−C15アルキルアリール基から選択される。さらに他の好ましい組み合わせは、BがOであり、Xは−ORであり、Yは−NR及び−ORから選択されるものである。さらに好ましい実施形態によると、BがOであり、XはC−C15アリール基又はC−C15アルキルアリール基から選択される−R基であり、YはRがC−C10アルキル基から選択される−ORである。
−NR基において、Rラジカルは好ましくはC−C10アルキル基、より好ましくは線状C−Cアルキル基、例えばメチル、エチル及びプロピルから選択される。
好ましくは、固体触媒成分内の電子供与体化合物の最終量は1重量%ないし25重量%、好ましくは3重量%ないし20重量%の範囲である。
式(I)及び式(II)の構造の非制限的な例は下記の通りである:2−(ベンゾイルチオ)−4−(tert−ブチル)−3,6−ジメチルフェニルベンゾエート、2−(ベンゾイルチオ)−4−(tert−ブチル)−6−メチルフェニルベンゾエート、4−(tert−ブチル)−2−((3−クロロベンゾイル)チオ)−3,6−ジメチルフェニル3−クロロベンゾエート、4−(tert−ブチル)−2−((3−クロロベンゾイル)チオ)−6−メチルフェニル3−クロロベンゾエート、4−(tert−ブチル)−2−((ジエチルカルバモイル)チオ)−3,6−ジメチルフェニルベンゾエート、4−(tert−ブチル)−2−((ジエチルカルバモイル)チオ)−6−メチルフェニルベンゾエート、4−(tert−ブチル)−2−((ジメチルカルバモイル)チオ)−3,6−ジメチルフェニルベンゾエート、4−(tert−ブチル)−2−((ジメチルカルバモイル)チオ)−6−メチルフェニルベンゾエート、4−(tert−ブチル)−2−メチル−6−((4−プロピルベンゾイル)チオ)フェニル4−プロピルベンゾエート、4−(tert−ブチル)−3,6−ジメチル−2−((4−プロピルベンゾイル)チオ)フェニル4−プロピルベンゾエート、S−(3−(tert−ブチル)−6−((ジエチルカルバモイル)オキシ)−2,5−ジメチルフェニル)ベンゾチオエート、S−(3−(tert−ブチル)−6−((ジメチルカルバモイル)オキシ)−2,5−ジメチルフェニル)ベンゾチオエート、S−(5−(tert−ブチル)−2−((ジエチルカルバモイル)オキシ)−3−メチルフェニル)ベンゾチオエート、S−(5−(tert−ブチル)−2−((ジメチルカルバモイル)オキシ)−3−メチルフェニル)ベンゾチオエート、4−(tert−ブチル)−2−((ジエチルカルバモイル)チオ)−3,6−ジメチルフェニルジエチルカルバメート、4−(tert−ブチル)−2−((ジエチルカルバモイル)チオ)−6−メチルフェニルジエチルカルバメート、4−(tert−ブチル)−2−((ジメチルカルバモイル)チオ)−3,6−ジメチルフェニルジメチルカルバメート、4−(tert−ブチル)−2−((ジメチルカルバモイル)チオ)−6−メチルフェニルジメチルカルバメート、4−(tert−ブチル)−2−((エトキシカルボニル)チオ)−3,6−ジメチルフェニルエチルカルボネート、4−(tert−ブチル)−2−((エトキシカルボニル)チオ)−6−メチルフェニルエチルカルボネート、S,S’−(4−(tert−ブチル)−3,6−ジメチル−1,2−フェニレン)ジベンゾチオエート、S,S’−(4−(tert−ブチル)−3−メチル−1,2−フェニレン)ジベンゾチオエート、S−(3−(tert−ブチル)−6−((ジエチルカルバモイル)チオ)−2,5−ジメチルフェニル)ベンゾチオエート、S−(3−(tert−ブチル)−6−((ジエチルカルバモイル)チオ)−2−メチルフェニル)ベンゾチオエート、S−(3−(tert−ブチル)−6−((エトキシカルボニル)チオ)−2,5−ジメチルフェニル)ベンゾチオエート、S−(3−(tert−ブチル)−6−((エトキシカルボニル)チオ)−2−メチルフェニル)ベンゾチオエート、S−(4−(tert−ブチル)−2−((ジエチルカルバモイル)チオ)−3,6−ジメチルフェニル)ベンゾチオエート、S−(4−(tert−ブチル)−2−((ジエチルカルバモイル)チオ)−3−メチルフェニル)ベンゾチオエート、S−(4−(tert−ブチル)−2−((エトキシカルボニル)チオ)−3,6−ジメチルフェニル)ベンゾチオエート、S−(4−(tert−ブチル)−2−((エトキシカルボニル)チオ)−3−メチルフェニル)ベンゾチオエート、S,S’−(4−(tert−ブチル)−3,6−ジメチル−1,2−フェニレン)O,O’−ジエチルジカルボノチオエート、S,S’−(4−(tert−ブチル)−3,6−ジメチル−1,2−フェニレン)ビス(ジエチルカルバモチオエート)、S,S’−(4−(tert−ブチル)−3−メチル−1,2−フェニレン)O,O’−ジエチルジカルボノチオエート、S,S’−(4−(tert−ブチル)−3−メチル−1,2−フェニレン)ビス(ジエチルカルバモチオエート)、S−(3−(tert−ブチル)−6−((エトキシカルボニル)チオ)−2,5−ジメチルフェニル)ジエチルカルバモチオエート、S−(3−(tert−ブチル)−6−((エトキシカルボニル)チオ)−2−メチルフェニル)ジエチルカルバモチオエート、S−(4−(tert−ブチル)−2−((エトキシカルボニル)チオ)−3,6−ジメチルフェニル)ジエチルカルバモチオエート、S−(4−(tert−ブチル)−2−((エトキシカルボニル)チオ)−3−メチルフェニル)ジエチルカルバモチオエート、S,S’−(4−(tert−ブチル)−3,6−ジメチル−1,2−フェニレン)ビス(4−プロピルベンゾチオエート)、S,S’−(4−(tert−ブチル)−3,6−ジメチル−1,2−フェニレン)ビス(3−クロロベンゾチオエート)、4−((ジエチルカルバモイル)チオ)ペンタン−2−イルベンゾエート、4−((エトキシカルボニル)チオ)ペンタン−2−イルベンゾエート、4−(ベンゾイルチオ)ペンタン−2−イルベンゾエート、S,S’−ペンタン−2,4−ジイルジベンゾチオエート、S−(4−((ジエチルカルバモイル)オキシ)ペンタン−2−イル)ベンゾチオエート、S−(4−((ジエチルカルバモイル)チオ)ペンタン−2−イル)ベンゾチオエート、S−(4−((エトキシカルボニル)オキシ)ペンタン−2−イル)ベンゾチオエート、S−(4−((エトキシカルボニル)チオ)ペンタン−2−イル)ベンゾチオエート、4−((ジエチルカルバモイル)チオ)ペンタン−2−イルジエチルカルバメート、4−((エトキシカルボニル)チオ)ペンタン−2−イルジエチルカルバメート、4−((エトキシカルボニル)チオ)ペンタン−2−イルエチルカルボネート、O,O’−ジエチルS,S’−ペンタン−2,4−ジイルジカルボノチオエート、S,S’−ペンタン−2,4−ジイルビス(ジエチルカルバモチオエート)、S−(4−((エトキシカルボニル)オキシ)ペンタン−2−イル)ジエチルカルバモチオエート、S−(4−((エトキシカルボニル)チオ)ペンタン−2−イル)ジエチルカルバモチオエート、4−((3−クロロベンゾイル)チオ)ペンタン−2−イル3−クロロベンゾエート、4−((ジエチルカルバモイル)チオ)ペンタン−2−イル3−クロロベンゾエート、4−((エトキシカルボニル)チオ)ペンタン−2−イル3−クロロベンゾエート、S,S’−ペンタン−2,4−ジイルビス(3−クロロベンゾチオエート)、S−(4−((ジエチルカルバモイル)オキシ)ペンタン−2−イル)3−クロロベンゾチオエート、S−(4−((ジエチルカルバモイル)チオ)ペンタン−2−イル)3−クロロベンゾチオエート、S−(4−((エトキシカルボニル)オキシ)ペンタン−2−イル)3−クロロベンゾチオエート、S−(4−((エトキシカルボニル)チオ)ペンタン−2−イル)3−クロロベンゾチオエート、4−((ジエチルカルバモイル)チオ)ペンタン−2−イルジエチルカルバメート、4−((エトキシカルボニル)チオ)ペンタン−2−イルジエチルカルバメート、4−((エトキシカルボニル)チオ)ペンタン−2−イルエチルカルボネート、O,O’−ジエチルS,S’−ペンタン−2,4−ジイルジカルボノチオエート、S,S’−ペンタン−2,4−ジイルビス(ジエチルカルバモチオエート)、S−(4−((エトキシカルボニル)オキシ)ペンタン−2−イル)ジエチルカルバモチオエート、S−(4−((エトキシカルボニル)チオ)ペンタン−2−イル)ジエチルカルバモチオエート、4−((4−プロピルベンゾイル)チオ)ペンタン−2−イル4−プロピルベンゾエート、4−((ジエチルカルバモイル)チオ)ペンタン−2−イル4−プロピルベンゾエート、4−((エトキシカルボニル)チオ)ペンタン−2−イル4−プロピルベンゾエート、S,S’−ペンタン−2,4−ジイルビス(4−プロピルベンゾチオエート)、S−(4−((ジエチルカルバモイル)オキシ)ペンタン−2−イル)4−プロピルベンゾチオエート、S−(4−((ジエチルカルバモイル)チオ)ペンタン−2−イル)4−プロピルベンゾチオエート、S−(4−((エトキシカルボニル)オキシ)ペンタン−2−イル)4−プロピルベンゾチオエート、S−(4−((エトキシカルボニル)チオ)ペンタン−2−イル)4−プロピルベンゾチオエート、4−((ジエチルカルバモイル)チオ)ペンタン−2−イルジエチルカルバメート、4−((エトキシカルボニル)チオ)ペンタン−2−イルジエチルカルバメート、4−((エトキシカルボニル)チオ)ペンタン−2−イルエチルカルボネート、O,O’−ジエチルS,S’−ペンタン−2,4−ジイルジカルボノチオエート、S,S’−ペンタン−2,4−ジイルビス(ジエチルカルバモチオエート)、S−(4−((エトキシカルボニル)オキシ)ペンタン−2−イル)ジエチルカルバモチオエート、S−(4−((エトキシカルボニル)チオ)ペンタン−2−イル)ジエチルカルバモチオエート、2−((ジエチルカルバモイル)チオ)シクロヘキシルベンゾエート、2−((エトキシカルボニル)チオ)シクロヘキシルベンゾエート、2−(ベンゾイルチオ)シクロヘキシルベンゾエート、S,S’−シクロヘキサン−1,2−ジイルジベンゾチオエート、S−(2−((ジエチルカルバモイル)オキシ)シクロヘキシル)ベンゾチオエート、S−(2−((ジエチルカルバモイル)チオ)シクロヘキシル)ベンゾチオエート、S−(2−((エトキシカルボニル)オキシ)シクロヘキシル)ベンゾチオエート、S−(2−((エトキシカルボニル)チオ)シクロヘキシル)ベンゾチオエート、2−((ジエチルカルバモイル)チオ)シクロヘキシルジエチルカルバメート、2−((エトキシカルボニル)チオ)シクロヘキシルジエチルカルバメート、2−((エトキシカルボニル)チオ)シクロヘキシルエチルカルボネート、S,S’−シクロヘキサン−1,2−ジイルO,O’−ジエチルジカルボノチオエート、S,S’−シクロヘキサン−1,2−ジイルビス(ジエチルカルバモチオエート)、S−(2−((エトキシカルボニル)オキシ)シクロヘキシル)ジエチルカルバモチオエート、S−(2−((エトキシカルボニル)チオ)シクロヘキシル)ジエチルカルバモチオエート、2−((3−クロロベンゾイル)チオ)シクロヘキシル3−クロロベンゾエート、2−((ジエチルカルバモイル)チオ)シクロヘキシル3−クロロベンゾエート、2−((エトキシカルボニル)チオ)シクロヘキシル3−クロロベンゾエート、S,S’−シクロヘキサン−1,2−ジイルビス(3−クロロベンゾチオエート)、S−(2−((ジエチルカルバモイル)オキシ)シクロヘキシル)3−クロロベンゾチオエート、S−(2−((ジエチルカルバモイル)チオ)シクロヘキシル)3−クロロベンゾチオエート、S−(2−((エトキシカルボニル)オキシ)シクロヘキシル)3−クロロベンゾチオエート、S−(2−((エトキシカルボニル)チオ)シクロヘキシル)3−クロロベンゾチオエート、2−((ジエチルカルバモイル)チオ)シクロヘキシルジエチルカルバメート、2−((エトキシカルボニル)チオ)シクロヘキシルジエチルカルバメート、2−((エトキシカルボニル)チオ)シクロヘキシルエチルカルボネート、S,S’−シクロヘキサン−1,2−ジイルO,O’−ジエチルジカルボノチオエート、S,S’−シクロヘキサン−1,2−ジイルビス(ジエチルカルバモチオエート)、S−(2−((エトキシカルボニル)オキシ)シクロヘキシル)ジエチルカルバモチオエート、S−(2−((エトキシカルボニル)チオ)シクロヘキシル)ジエチルカルバモチオエート、2−((4−プロピルベンゾイル)チオ)シクロヘキシル4−プロピルベンゾエート、2−
((ジエチルカルバモイル)チオ)シクロヘキシル4−プロピルベンゾエート、2−((エトキシカルボニル)チオ)シクロヘキシル4−プロピルベンゾエート、S,S’−シクロヘキサン−1,2−ジイルビス(4−プロピルベンゾチオエート)、S−(2−((ジエチルカルバモイル)オキシ)シクロヘキシル)4−プロピルベンゾチオエート、S−(2−((ジエチルカルバモイル)チオ)シクロヘキシル)4−プロピルベンゾチオエート、S−(2−((エトキシカルボニル)オキシ)シクロヘキシル)4−プロピルベンゾチオエート、S−(2−((エトキシカルボニル)チオ)シクロヘキシル)4−プロピルベンゾチオエート、2−((ジエチルカルバモイル)チオ)シクロヘキシルジエチルカルバメート、2−((エトキシカルボニル)チオ)シクロヘキシルジエチルカルバメート、2−((エトキシカルボニル)チオ)シクロヘキシルエチルカルボネート、S,S’−シクロヘキサン−1,2−ジイルO,O’−ジエチルジカルボノチオエート、S,S’−シクロヘキサン−1,2−ジイルビス(ジエチルカルバモチオエート)、S−(2−((エトキシカルボニル)オキシ)シクロヘキシル)ジエチルカルバモチオエート、S−(2−((エトキシカルボニル)チオ)シクロヘキシル)ジエチルカルバモチオエート、8−((ジエチルカルバモイル)チオ)ナフタレン−1−イルベンゾエート、8−((エトキシカルボニル)チオ)ナフタレン−1−イルベンゾエート、8−(ベンゾイルチオ)ナフタレン−1−イルベンゾエート、S,S’−ナフタレン−1,8−ジイルジベンゾチオエート、S−(8−((ジエチルカルバモイル)オキシ)ナフタレン−1−イル)ベンゾチオエート、S−(8−((ジエチルカルバモイル)チオ)ナフタレン−1−イル)ベンゾチオエート、S−(8−((エトキシカルボニル)オキシ)ナフタレン−1−イル)ベンゾチオエート、S−(8−((エトキシカルボニル)チオ)ナフタレン−1−イル)ベンゾチオエート、8−((ジエチルカルバモイル)チオ)ナフタレン−1−イルジエチルカルバメート、8−((エトキシカルボニル)チオ)ナフタレン−1−イルジエチルカルバメート、8−((エトキシカルボニル)チオ)ナフタレン−1−イルエチルカルボネート、O,O’−ジエチルS,S’−ナフタレン−1,8−ジイルジカルボノチオエート、S,S’−ナフタレン−1,8−ジイルビス(ジエチルカルバモチオエート)、S−(8−((エトキシカルボニル)オキシ)ナフタレン−1−イル)ジエチルカルバモチオエート、S−(8−((エトキシカルボニル)チオ)ナフタレン−1−イル)ジエチルカルバモチオエート、8−((3−クロロベンゾイル)チオ)ナフタレン−1−イル3−クロロベンゾエート、8−((ジエチルカルバモイル)チオ)ナフタレン−1−イル3−クロロベンゾエート、8−((エトキシカルボニル)チオ)ナフタレン−1−イル3−クロロベンゾエート、S,S’−ナフタレン−1,8−ジイルビス(3−クロロベンゾチオエート)、S−(8−((ジエチルカルバモイル)オキシ)ナフタレン−1−イル)3−クロロベンゾチオエート、S−(8−((ジエチルカルバモイル)チオ)ナフタレン−1−イル)3−クロロベンゾチオエート、S−(8−((エトキシカルボニル)オキシ)ナフタレン−1−イル)3−クロロベンゾチオエート、S−(8−((エトキシカルボニル)チオ)ナフタレン−1−イル)3−クロロベンゾチオエート、8−((ジエチルカルバモイル)チオ)ナフタレン−1−イルジエチルカルバメート、8−((エトキシカルボニル)チオ)ナフタレン−1−イルジエチルカルバメート、8−((エトキシカルボニル)チオ)ナフタレン−1−イルエチルカルボネート、O,O’−ジエチルS,S’−ナフタレン−1,8−ジイルジカルボノチオエート、S,S’−ナフタレン−1,8−ジイルビス(ジエチルカルバモチオエート)、S−(8−((エトキシカルボニル)オキシ)ナフタレン−1−イル)ジエチルカルバモチオエート、S−(8−((エトキシカルボニル)チオ)ナフタレン−1−イル)ジエチルカルバモチオエート、8−((4−プロピルベンゾイル)チオ)ナフタレン−1−イル4−プロピルベンゾエート、8−((ジエチルカルバモイル)チオ)ナフタレン−1−イル4−プロピルベンゾエート、8−((エトキシカルボニル)チオ)ナフタレン−1−イル4−プロピルベンゾエート、S,S’−ナフタレン−1,8−ジイルビス(4−プロピルベンゾチオエート)、S−(8−((ジエチルカルバモイル)オキシ)ナフタレン−1−イル)4−プロピルベンゾチオエート、S−(8−((ジエチルカルバモイル)チオ)ナフタレン−1−イル)4−プロピルベンゾチオエート、S−(8−((エトキシカルボニル)オキシ)ナフタレン−1−イル)4−プロピルベンゾチオエート、S−(8−((エトキシカルボニル)チオ)ナフタレン−1−イル)4−プロピルベンゾチオエート、8−((ジエチルカルバモイル)チオ)ナフタレン−1−イルジエチルカルバメート、8−((エトキシカルボニル)チオ)ナフタレン−1−イルジエチルカルバメート、8−((エトキシカルボニル)チオ)ナフタレン−1−イルエチルカルボネート、O,O’−ジエチルS,S’−ナフタレン−1,8−ジイルジカルボノチオエート、S,S’−ナフタレン−1,8−ジイルビス(ジエチルカルバモチオエート)、S−(8−((エトキシカルボニル)オキシ)ナフタレン−1−イル)ジエチルカルバモチオエート、S−(8−((エトキシカルボニル)チオ)ナフタレン−1−イル)ジエチルカルバモチオエート、(9−(((ジエチルカルバモイル)チオ)メチル)−9H−フルオレン−9−イル)メチルベンゾエート、(9−(((エトキシカルボニル)チオ)メチル)−9H−フルオレン−9−イル)メチルベンゾエート、(9−((ベンゾイルチオ)メチル)−9H−フルオレン−9−イル)メチルベンゾエート、S,S’−((9H−フルオレン−9,9−ジイル)ビス(メチレン))ジベンゾチオエート、S−((9−(((ジエチルカルバモイル)オキシ)メチル)−9H−フルオレン−9−イル)メチル)ベンゾチオエート、S−((9−(((ジエチルカルバモイル)チオ)メチル)−9H−フルオレン−9−イル)メチル)ベンゾチオエート、S−((9−(((エトキシカルボニル)オキシ)メチル)−9H−フルオレン−9−イル)メチル)ベンゾチオエート、S−((9−(((エトキシカルボニル)チオ)メチル)−9H−フルオレン−9−イル)メチル)ベンゾチオエート、(9−(((ジエチルカルバモイル)チオ)メチル)−9H−フルオレン−9−イル)メチルジエチルカルバメート、(9−(((エトキシカルボニル)チオ)メチル)−9H−フルオレン−9−イル)メチルジエチルカルバメート、(9−(((エトキシカルボニル)チオ)メチル)−9H−フルオレン−9−イル)メチルエチルカルボネート、S,S’−((9H−フルオレン−9,9−ジイル)ビス(メチレン))O,O’−ジエチルジカルボノチオエート、S,S’−((9H−フルオレン−9,9−ジイル)ビス(メチレン))ビス(ジエチルカルバモチオエート)、S−((9−(((エトキシカルボニル)オキシ)メチル)−9H−フルオレン−9−イル)メチル)ジエチルカルバモチオエート、S−((9−(((エトキシカルボニル)チオ)メチル)−9H−フルオレン−9−イル)メチル)ジエチルカルバモチオエート。
上述したように、触媒成分は前記電子供与体以外にも、Ti、Mg及びハロゲンを含む。特に、触媒成分は少なくともTi−ハロゲン結合を有したチタン化合物、及びMgハライド上に支持された上記言及された電子供与体化合物を含む。マグネシウムハライドは好ましくは、本特許文献でチーグラ−ナッタ触媒用支持体として広範囲に知られている活性形態のMgClである。特許USP4,298,718及びUSP4,495,338はチーグラ−ナッタ触媒作用でこれら化合物の用途を初めて述べたものである。これらの特許から、オレフィン重合用触媒成分で支持体又は共同−支持体として用いられる活性形態のマグネシウムジハライドはX線スペクトルにより特徴づけられており、ここで、非活性ハライドのスペクトルに現われる最も強い回折線は強度の面で減少し、ハロにより取り替えられ、その最大強度はより強い線のものに対してさらに低い角度方向に変位されるということが知られている。
本発明の触媒成分に用いられる好ましいチタン化合物はTiCl及びTiClであり;さらに、式Ti(OR)m−yのTi−ハロアルコラートも用いられることができ、ここで、mはチタンの原子価であり、yは1ないしm−1の数であり、Xはハロゲンであり、Rは炭素数1ないし10の炭化水素ラジカルである。
特定の実施形態において、Ti原子の量は前記触媒成分の総重量に対し、2.5重量%超であり、より好ましくは3.0重量%超であり、特に3.0重量%ないし8重量%である。
固体触媒成分の製造はいくつかの方法により行うことができる。一つの方法は、約80℃ないし120℃の温度で電子供与体化合物の存在下でマグネシウムアルコラート又はクロロアルコラート(特に、USP4,220,554によって製造されるクロロアルコラート)と過剰のTiClとの間の反応を含む。
好ましい方法によると、固体触媒成分は式Ti(OR)m−yのチタン化合物、好ましくはTiClを式MgCl・pROHの付加物から由来されるマグネシウムクロリドと反応させることで製造することができ、ここで、mはチタンの原子価であり、yは1ないしmの数であり、pは0.1ないし6、好ましくは2ないし3.5の数であり、Rは炭素数1ないし18の炭化水素ラジカルである。付加物は好適には、付加物と非混和性である不活性炭化水素の存在下でアルコールをマグネシウムクロリドと混合し、付加物の溶融点(100℃ないし130℃)で攪拌条件下で作動させることで球状に製造されることができる。その後、エマルジョンは速かにクエンチされ、これにより、球状粒子形態の付加物の固体化を誘発する。この手順によって製造される球状の付加物の例はUSP4,399,054及びUSP4,469,648に記述されている。このようにして得られた付加物はTi化合物と直接反応することができるか、熱調節された脱アルコール化(80℃ないし130℃)の前に行われ、アルコールのモル数が一般的に3未満、好ましくは0.1ないし2.5である付加物を得ることができる。Ti化合物との反応は(脱アルコラートされた又はこのような)付加物を冷却されたTiCl(一般的に0℃)に懸濁させることで行うことができる;混合物は80℃ないし130℃で加熱された後、この温度で0.5時間ないし2時間維持される。TiClでの処理は1回以上行うことができる。メルカプト誘導体の電子供与体化合物は、好ましくはTiClでの処理中に添加される。球状の形態の触媒成分の製造は、例えば、欧州特許出願EP−A−395083、EP−A−553805、EP−A−553806、EPA601525及びWO98/44009に記述されている。
上記方法によって得られる固体触媒成分は、(B.E.T.方法により)一般的に20m/gないし500m/g、好ましくは50m/gないし400m/gの表面積、及び(B.E.T.方法により)0.2cm/g超、好ましくは0.2cm/gないし0.6cm/gの総多孔性を示す。半径10.000Å以下の気孔により多孔性(Hg方法)は一般的に0.3cm/gないし1.5cm/g、好ましくは0.45cm/gないし1cm/gの範囲である。固体触媒成分は平均粒子の大きさが5μmないし120μm、より好ましくは10μmないし100μmの範囲である。
これらの製造方法のうち任意の方法で、所望の電子供与体化合物はそれ自体で又は他の方式で添加することができ、これは例えば、公知の化学反応により、所望の電子供与体化合物から変換され得る適切な前駆体を用いることでインサイチューで得ることができる。
用いられる製造方法と無関係に、式(I)の電子供与体化合物の最終量は、Ti原子に対するそのモル比が0.01ないし2、好ましくは0.05ないし1.2となるようにする量である。
本発明による固体触媒成分は、これらを公知の方法によって有機アルミニウム化合物と反応させることでオレフィン重合用触媒に転換される。
特に、本発明の目的は、下記の(i)ないし(iii)を接触させることで得られる生成物を含む、オレフィンCH=CHRの重合用触媒であって、ここで、Rは水素又は炭素数1ないし12のヒドロカルビルラジカルである:
(i) 上記論議されたような固体触媒成分、及び
(ii) アルキルアルミニウム化合物、及び任意に、
(iii) 外部電子供与体化合物。
アルキル−Al化合物(ii)は、好ましくはトリアルキルアルミニウム化合物、例えばトリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリ−n−ブチルアルミニウム、トリ−n−ヘキシルアルミニウム、トリ−n−オクチルアルミニウムのうちで選択される。また、AlEtCl及びAlEtClのような、アルキルアルミニウムハライド、アルキルアルミニウムヒドリド又はアルキルアルミニウムセスキクロリドを前記言及されたトリアルキルアルミニウムと混合物として用いることが可能である。
好適な外部電子−供与体化合物はケイ素化合物、エーテル、エステル、アミン、ヘテロ環状化合物、特に2,2,6,6−テトラメチルピペリジン及びケトンを含む。
さらに他の部類の好ましい外部供与体化合物は、式(R(RSi(ORのケイ素化合物であり、ここで、a及びbは0ないし2の整数であり、cは1ないし4の整数であり、(a+b+c)の和は4であり;R、R及びRは任意にヘテロ原子を含む、炭素数1ないし18のラジカルである。aが1であり、bが1であり、cが2であり、R及びRのうち少なくとも1つが任意にヘテロ原子を含む炭素数3ないし10の分枝型アルキル基、シクロアルキル基又はアリール基から選択され、RがC−C10アルキル基、特にメチルであるケイ素化合物が特に好ましい。このような好ましいケイ素化合物の例は、メチルシクロヘキシルジメトキシシラン(C供与体)、ジフェニルジメトキシシラン、メチル−t−ブチルジメトキシシラン、ジシクロペンチルジメトキシシラン(D供与体)、ジイソプロピルジメトキシシラン、(2−エチルピペリジニル)t−ブチルジメトキシシラン、(2−エチルピペリジニル)t−ヘキシルジメトキシシラン、(3,3,3−トリフルオロ−n−プロピル)(2−エチルピペリジニル)ジメトキシシラン、メチル(3,3,3−トリフルオロ−n−プロピル)ジメトキシシラン、N,N−ジエチルアミノトリエトキシシランである。さらに、aが0であり、cが3であり、Rが任意にヘテロ原子を含む分枝型アルキル基又はシクロアルキル基であり、Rがメチルであるケイ素化合物がさらに好ましい。このような好ましいケイ素化合物の例は、シクロヘキシルトリメトキシシラン、t−ブチルトリメトキシシラン及びt−ヘキシルトリメトキシシランである。
電子供与体化合物(iii)は、有機アルミニウム化合物と前記電子供与体化合物(iii)との間のモル比を0.1ないし500、好ましくは1ないし300、より好ましくは3ないし100で提供する量で用いられる。
従って、下記の(i)ないし(iii)の間の反応生成物を含む触媒の存在下で行われる、オレフィンCH=CHRの(共)重合工程は本開示内容のさらなる実施形態を構成し、この式で、Rは水素、又は炭素数1ないし12のヒドロカルビルラジカルである:
(i) Mg、Ti及び前述したような式(I)の電子供与体化合物を含む固体触媒成分;
(ii) アルキルアルミニウム化合物;及び
(iii) 任意に電子−供与体化合物(外部供与体)。
重合工程は、不活性炭化水素溶媒を希釈剤として用いるスラリー重合、又は液体モノマー(例えば、プロピレン)を反応媒質として用いるバルク重合のような公知の技術に従い行うことができる。さらに、1つ以上の流動化された又は機械的に振盪された床反応器で作動する気体相で重合工程を行うことが可能である。
重合は一般的に20℃ないし120℃、好ましくは40℃ないし80℃の温度で行われる。重合が気体相で行われる場合、作動圧力は一般的に0.5MPaないし5MPa、好ましくは1MPaないし4MPaである。バルク重合で、作動圧力は一般的に1MPaないし8MPa、好ましくは1.5MPaないし5MPaである。
下記の実施例は本発明を制限せずに例示するために挙げられたものである。
特徴化
X.I.の確認
ポリマー2.5g及びo−キシレン250mlを、冷却器及び還流凝縮器を備えた丸底フラスコに入れ、窒素下で維持させた。得られた混合物を135℃で加熱し、攪拌下で約60分間維持させた。最終溶液を連続的な攪拌下で25℃に冷却されるようにし、その後、不溶性ポリマーをろ過した。その後、ろ過液を140℃で窒素流で蒸発させ、一定の重量に達するようにした。前記キシレン−可溶性分画の含量は本来の2.5gの百分率として表した後、差、X.I.%により表した。
供与体の確認
電子供与体の含量をガス−クロマトグラフィーを介して求めた。固体成分を酸性水に溶解させた。溶液をエチルアセテートを用いて抽出し、内部標準を添加した後、有機相サンプルをガスクロマトグラフで分析し、出発触媒化合物に存在する供与体の量を確認した。
溶融流速(MFR)
ポリマーの溶融流速MILをISO 1133(230℃、2.16Kg)に従い確認した。
実施例1.2−(ベンゾイルチオ)−4−(tert−ブチル)−3,6−ジメチルフェニルベンゾエートの合成
第1ステップ.4−(tert−ブチル)−2−メルカプト−3,6−ジメチルフェノールの合成
反応をアルゴン雰囲気下で行う。4−tert−ブチル−2,5−ジメチルフェノール(20g、0.11mol)を、硫黄0.37gを含むトルエン120mLで溶解させる。トルエン50mL中のSCl 4.9mL(0.062mol)の溶液を、反応温度が30℃を超えない速度で連続して効率よく攪拌しながら滴下ロートを介して徐々に添加する。これが完了するとき、溶液を75℃で1時間加熱し、室温に冷却されるようにする。反応混合物を低真空下で濃縮させ約60mLの残余量を有するようにした。得られた懸濁液をEtO 180mL中のLiAlH 5.38g(0.14mol)の懸濁液に徐々に添加する。
反応混合物を6時間還流し、一晩中攪拌した後、5%HClで注意深く処理する。有機溶液を分離し、水層をEtOで数回抽出する。組み合わされた有機相をMgSOで乾燥させ、蒸発させ、残余物をヘプタンから結晶化する。収率5.76g(49%)。
第2ステップ.2−(ベンゾイルチオ)−4−(tert−ブチル)−3,6−ジメチルフェニルベンゾエートの合成
トルエン(290mL)中の4−(tert−ブチル)−2−メルカプト−3,6−ジメチルフェノール(10g、0.048mol)の溶液を0℃でベンゾイルクロリド(11.8mL、0.10mol)及びEtN(20.0mL)で順次に処理する。室温で16時間攪拌した後、これを水性HClに注ぎ、トルエン(100mL)で希釈させる。有機層を水、2%水性NaOH、水で順次に洗浄し、MgSOで乾燥させた後、蒸発させ、得られたオイルを95%EtOH(50mL)から再結晶化する。収率15.5g(78%)。
実施例2.4−(tert−ブチル)−2−((エトキシカルボニル)チオ)−6−メチルフェニルエチルカルボネートの合成
第1ステップ.4−(tert−ブチル)−2−メルカプト−6−メチルフェノールの合成
反応をアルゴン雰囲気下で行う。4−tert−ブチル−2−メチルフェノール(90g、0.5mol)を、硫黄0.5gを含むトルエン250mLに溶解させる。トルエン100mL中のSCl 22mL(0.55mol)の溶液を、反応温度が30℃を超えない速度で連続して効率よく攪拌しながら滴下ロートを介して徐々に添加する。その後、溶液を75℃で1時間加熱し、室温に冷却されるようにする。トルエンを低真空下で除去し、残余物をEtO 200mLに溶解させる。得られた溶液をEtO 600mL中のLiAlH 24g(0.63mol)の懸濁液に徐々に添加する。
反応混合物を6時間還流し、一晩中攪拌した後、5%HClで注意深く処理する。有機層を分離し、水層をEtOで数回抽出する。組み合わされた有機相をMgSOで乾燥させ、蒸発させ、蒸留する。収率50.1g(47%)。
第2ステップ.4−(tert−ブチル)−2−((エトキシカルボニル)チオ)−6−メチルフェニルエチルカルボネートの合成
トルエン(150mL)中の4−(tert−ブチル)−2−メルカプト−6−メチルフェノール(7.88g、0.0342mol)の溶液を攪拌して冷却しながら(0℃)ピリジン(12mL)及びエチルクロロホルメート(7.19mL、0.0752mol)で順次に処理する。室温で16時間攪拌した後、反応混合物を水で処理し、トルエン(100mL)で希釈させる。有機層を水性HCl及び水で順次に洗浄し、MgSOで乾燥させた後、蒸発させ、真空(165℃/0.5mmHg)で蒸留させる。収率8.9g(73%)。
実施例3.4−(tert−ブチル)−2−((エトキシカルボニル)チオ)−3,6−ジメチルフェニルエチルカルボネートの合成
4−(tert−ブチル)−2−メルカプト−3,6−ジメチルフェノールを4−(tert−ブチル)−2−メルカプト−6−メチルフェノールの代りに用いる点を除いては、手順は実施例2で用いるものと同様である。蒸留後の収率73%。
実施例4.4−(tert−ブチル)−2−((ジエチルカルバモイル)チオ)−6−メチルフェニル3−クロロベンゾエートのワンポット(one−pot)合成
ピリジン(40mL)中の4−(tert−ブチル)−2−メルカプト−6−メチルフェノール(9.82g、0.05mol)の溶液を攪拌して冷却させながら(−30℃)ジエチルカルバモイルクロリド(7.0g、0.05mol)で30分以内に処理する。室温で16時間攪拌した後、反応混合物を同様に攪拌して冷却させながら(0℃)3−クロロベンゾイルクロリド(9.1g、0.05mol)で処理する。室温でさらに16時間攪拌した後、反応混合物を、濃HCl 80mLを含む水−氷混合物に注ぐ。その後、これをCHClで抽出し、有機相を水性HCl、水、5%NaOH溶液、水で順次に洗浄してから、MgSOで乾燥させた後、濃縮させる。生成物を、トルエン/ヘキサン混合物(1/2)を溶出剤として用いて中性Alでカラムクロマトグラフィーにより精製する。収率10.0g(46%)。
実施例5.4−(tert−ブチル)−2−((ジメチルカルバモイル)チオ)−6−メチルフェニル3−クロロベンゾエートのワンポット合成
ジメチルカルバモイルクロリドをジエチルカルバモイルクロリドの代りに用いる点を除いては、手順は実施例4で用いるものと同様である。収率72%。
実施例6.S−(5−(tert−ブチル)−2−((エトキシカルボニル)オキシ)−3−メチルフェニル)ジメチルカルバモチオエートのワンポット合成
エチルクロロホルメートを3−クロロベンゾイルクロリドの代りに用いる点を除いては、手順は実施例4で用いるものと同様である。収率59%。
実施例7.S−(5−(tert−ブチル)−2−((エトキシカルボニル)オキシ)−3−メチルフェニル)ジエチルカルバモチオエートのワンポット合成
ジエチルカルバモイルクロリドをジメチルカルバモイルクロリドの代りに用いる点を除いては、手順は実施例6で用いるものと同様である。収率57%。
実施例8.4−(tert−ブチル)−2−((エトキシカルボニル)チオ)−3,6−ジメチルフェニル3−クロロベンゾエートのワンポット合成
トルエン(160mL)中の4−(tert−ブチル)−2−メルカプト−6−メチルフェノール(9.0g、0.043mol)及びピリジン(16mL)の溶液を攪拌して冷却させながら(0℃)トルエン(30mL)中のエチルクロロホルメート(4.64g、0.043mol)の溶液で3時間以内に処理する。室温で16時間攪拌した後、反応混合物を同様に攪拌して冷却させながら(0℃)3−クロロベンゾイルクロリド(7.53g、0.043mol)で処理する。室温で16時間攪拌した後、これを水性HClに振り入れ、トルエン(100mL)により希釈させる。有機層を水、2%水性NaOH、水で順次に洗浄し、MgSOで乾燥させた後、蒸発させ、得られたオイルを石油エーテルから再結晶化する。収率11.6g(64%)。
実施例9.4−(tert−ブチル)−2−((エトキシカルボニル)チオ)−3,6−ジメチルフェニルベンゾエートのワンポット合成
ベンゾイルクロリドを3−クロロベンゾイルクロリドの代りに用いる点を除いては、手順は実施例8で用いるものと同様である。ヘプタンからの結晶化後の収率54%。
実施例10.4−(tert−ブチル)−2−((エトキシカルボニル)チオ)−3,6−ジメチルフェニル4−メチルベンゾエートのワンポット合成
4−メチルベンゾイルクロリドを3−クロロベンゾイルクロリドの代りに用いる点を除いては、手順は実施例8で用いるものと同様である。石油エーテルからの結晶化後の収率56%。
実施例11.4−(tert−ブチル)−2−((エトキシカルボニル)チオ)−6−メチルフェニル3−クロロベンゾエートのワンポット合成
4−(tert−ブチル)−2−メルカプト−6−メチルフェノールを4−(tert−ブチル)−2−メルカプト−3,6−ジメチルフェノールの代りに用いる点を除いては、手順は実施例8で用いるものと同様である。石油エーテルからの結晶化後の収率46%。
実施例12.4−(tert−ブチル)−2−((エトキシカルボニル)チオ)−6−メチルフェニルベンゾエートのワンポット合成
4−(tert−ブチル)−2−メルカプト−6−メチルフェノールを4−(tert−ブチル)−2−メルカプト−3,6−ジメチルフェノールの代りに用いる点を除いては、手順は実施例9で用いるものと同様である。石油エーテル/CHCl(約1/1)混合物からの結晶化後の収率34%。
実施例13.4−(tert−ブチル)−2−((エトキシカルボニル)チオ)−6−メチルフェニル4−メチルベンゾエートのワンポット合成
4−(tert−ブチル)−2−メルカプト−6−メチルフェノールを4−(tert−ブチル)−2−メルカプト−3,6−ジメチルフェノールの代りに用いる点を除いては、手順は実施例10で用いるものと同様である。石油エーテルからの結晶化後の収率38%。
実施例14.4−(tert−ブチル)−2−((エトキシカルボニル)チオ)−3,6−ジメチルフェニルフラン−2−カルボキシレートのワンポット合成
2−フロイルクロリドを3−クロロベンゾイルクロリドの代りに用いる点を除いては、手順は実施例11で用いるものと同様である。石油エーテル及びEtOHからの結晶化後の収率56%。
実施例15.4−(tert−ブチル)−2−((エトキシカルボニル)チオ)−6−メチルフェニルジエチルカルバメートのワンポット合成
トルエン(350mL)中の4−(tert−ブチル)−2−メルカプト−6−メチルフェノール(18.83g、0.096mol)及びピリジン(27mL)の溶液を攪拌して冷却させながら(0℃)トルエン(50mL)中のエチルクロロホルメート(9.15mL、0.097mol)の溶液で4時間以内に処理した。室温で16時間攪拌した後、反応混合物を同様に攪拌して冷却させながら(0℃)ジエチルカルバモイルクロリド(20mL、0.158mol)及びEtN(20mL)で処理した。室温で48時間攪拌した後、これを水性HClでクエンチし、トルエン(100mL)で希釈させた。有機層を水で洗浄し、MgSOで乾燥させた後、蒸発させ、得られた残余物を真空(180℃ないし182℃/0.3mmHg)で蒸留させた。収率8.4g(24%)。
実施例16.S−(5−シクロヘキシル−2−((エトキシカルボニル)オキシ)−3−メチルフェニル)ジメチルカルバモチオエートの合成
第1ステップ:4−シクロヘキシル−2−メルカプト−6−メチルフェノールの合成
トルエン(250mL)中のSCl(20mL、0.25mol)の溶液を攪拌下でトルエン(250mL)中の4−シクロヘキシル−2−メチルフェノール(47.6g、0.25mol)の溶液で処理した。添加後、溶液をさらに2時間攪拌した。溶媒を真空下で蒸発させ、残余物を95%EtOH(400mL)で溶解させた後、亜鉛粉末(50g、0.79mol)を添加し、次いで濃HCl(190mL)を0℃で攪拌しながら滴下した。添加後、混合物をさらに2時間攪拌した。反応混合物を水(900mL)に注ぎ、CHClで数回抽出した。組み合わされた有機相をMgSOで乾燥させ、蒸発させた後、残余物を真空下で(133℃ないし136℃/0.5mmHg)蒸留させた。収率26.7g(48%)。
第2ステップ.S−(5−シクロヘキシル−2−((エトキシカルボニル)オキシ)−3−メチルフェニル)ジメチルカルバモチオエートの合成
トルエン(180mL)中の4−シクロヘキシル−2−メルカプト−6−メチルフェノール(16.68、0.075mol)及びピリジン(19mL)の溶液を攪拌して冷却させながら(0℃)ジメチルカルバモイルクロリド(8.47g、0.082mol)で30分以内に処理した。室温で16時間攪拌した後、反応混合物を同様に攪拌して冷却させながら(0℃)エチルクロロホルメート(9.77mL、0.09mol)で処理した。室温で16時間さらに攪拌した後、反応混合物を濃HCl 30mLを含む水−氷混合物に注いだ。その後、これをCHClで抽出し、有機相を水性HCl及び水で順次に洗浄し、MgSOで乾燥させた後、蒸発させ、残余物を真空下で(212℃ないし215℃/0.4mmHg)蒸留させた。収率11.4g(42%)。
実施例17.syn S,S’−ペンタン−2,4−ジイルジベンゾチオエートの合成
第1ステップ:syn−ペンタン−2,4−ジイルビス(4−メチルベンゼンスルホネート)の合成
250mL反応容器にsyn 2,4−ペンタンジーオル(10g、95.1mmol)及びピリジン(70g)を充填する。混合物を−10℃に冷却させ、p−トルエンスルホニルクロリド(40.3g、2.2eq)を徐々に添加する。混合物を周囲温度で15時間攪拌するようする。エチルアセテート(100mL)を反応混合物に添加し、生成される有機層を飽和NHCl水溶液と、飽和NaCl水溶液で洗浄した後、MgSOで乾燥させ、ろ過した後、回転蒸発器上で濃縮させ、粗生成物をヘルイエロー(hell yellow)固体として得た。
第2ステップ:syn S,S’−ペンタン−2,4−ジイルジベンゾチオエートの合成
100mL反応容器にsynペンタン−2,4−ジイルビス(4−メチルベンゼンスルホネート)(5.6g、13.4mmol)、ベンゼンカルボチオS−酸(4.13g、2eq)、NaHCO(2.28g、2eq)及びDMF(25mL)を充填する。混合物を80℃で2時間攪拌するようする。赤色溶液をエチルアセテート(50mL)で希釈させ、生成される溶液を飽和NaHCO水溶液と、飽和NaCl水溶液で洗浄する。有機層をMgSOで乾燥させ、ろ過した後、回転蒸発器上で濃縮させ、粗生成物を赤色オイルとして得た。これをクロマトグラフィー(SiO)−シクロヘキサン/エチルアセテート:40/1により精製する。収率:2g(43.3%)。
実施例18.S,S’−ペンタン−2,4−ジイルビス(4−プロピルベンゾチオエート)の合成
第1ステップ:S,S’−ペンタン−2,4−ジイルジエタンチオエートの合成
250mL反応容器にペンタン−2,4−ジイルビス(4−メチルベンゼンスルホネート)(19g、45.6mmol)ポタシウムチオアセテート(15.78g、3eq)及びDMF(70mL)を充填する。混合物を周囲温度で12時間攪拌するようする。赤色溶液をエチルアセテート(200mL)で希釈させ、生成される溶液を飽和NaHCO水溶液と、飽和NaCl水溶液で洗浄する。有機相をMgSOで乾燥させ、ろ過した後、回転蒸発器上で濃縮させ、粗生成物を赤色オイルとして得た。これを蒸留により精製する。収率:8.1g(80%)−黄色のオイル。
第2ステップ:S,S’−ペンタン−2,4−ジイルビス(4−プロピルベンゾチオエート)の合成
100mL反応容器にS,S’−ペンタン−2,4−ジイルジエタンチオエート(5g、22.5mmol)及びメタノール(50mL)を充填する。その後、ナトリウムメトキシド(2.57g、2.1eq)を周囲温度で徐々に添加する。混合物を2時間攪拌するようする。メタノールを蒸留により除去し、生成される橙色オイルをピリジン(50mL)で希釈させる。これを0℃に冷却させ、4−n−プロピル−ベンゾイルクロリド(11.08g、2.7eq)を徐々に添加した後、12時間攪拌する。ピリジンを蒸留により除去し、生成されるオイルをエチルアセテート(100mL)で希釈させる。生成される溶液を飽和NaHCO水溶液と、飽和NaCl水溶液で洗浄する。有機相をMgSOで乾燥させ、ろ過した後、回転蒸発器上で濃縮させ、粗生成物を黄色のオイルとして得た。これをクロマトグラフィー(SiO)−シクロヘキサン/エチルアセテート:60/1により精製する。収率:4.4g(45.6%)。
実施例1ないし17の供与体を用いる固体触媒成分の製造手順
機械的攪拌器、冷却器及び温度計が備えられた500mLの丸底フラスコに、TiCl 250mLを窒素雰囲気下で室温で導入した。0℃に冷却させた後、攪拌しながら、内部供与体及び球状の付加物(前述されたように製造される)10.0gをフラスコ内に順次に添加した。充填された内部供与体の量は、Mg/供与体のモル比を6に充填する量であった。温度を100℃に上昇させ、2時間維持させた。以後、攪拌を中断し、固体生成物が沈降するようにした後、上澄み液を100℃で吸い上げた。上澄み液を除去した後、さらに新たなTiClを添加し、再び初期液量にした。その後、混合物を120℃で加熱し、この温度で1時間維持させた。攪拌を再び中断し、固体が沈降するようにした後、上澄み液を吸い上げた。
固体が、無水ヘキサンで、60℃に下降する温度勾配で6回(6x100mL)洗浄され、室温で1回(100mL)洗浄された。その後、得られた固体を真空下で乾燥させ、分析した。
実施例18の供与体を用いる固体触媒成分の製造手順
機械的攪拌器、冷却器及び温度計が備えられた500mLの丸底フラスコに、TiCl 250mLを窒素雰囲気下で室温で導入した。0℃に冷却させた後、攪拌しながら、エチルベンゾエート及び球状の付加物(前述されたように製造される)10.0gをフラスコ内に順次に添加した。充填されたエチルベンゾエートの量は、Mg/EBのモル比を4に充填する量であった。温度を100℃に上昇させ、2時間維持させた。その後、攪拌を中断し、固体生成物が沈降するようにした後、上澄み液を100℃で吸い上げた。上澄み液を除去した後、さらに新たなTiClを添加し、再び初期液量にした後、内部供与体をMg/供与体の比を6にして添加した。その後、混合物を120℃で加熱し、この温度で1時間維持させた。攪拌を再び中断し、固体が沈降するようにした後、上澄み液を吸い上げた。120℃で1時間この最後の熱処理をもう一度繰り返す。攪拌を再び中断し、固体が沈降するようにした後、上澄み液を吸い上げた。
固体が、無水ヘキサンで、60℃に下降する温度勾配で6回(6x100mL)洗浄され、室温で1回(100mL)洗浄された。その後、得られた固体を真空下で乾燥させ、分析した。
一般的なプロピレン重合手順
攪拌器、圧力ゲージ、温度計、触媒供給システム、モノマー供給ライン及び温度調節ジャケットが備えられた4−リットル鋼鉄オートクレーブを70℃で窒素流で1時間パージした。その後、プロピレンの流れ下の30℃で、無水ヘキサン75ml、AlEt 0.76g、ジシクロペンチルジメトキシシラン(D供与体)0.076g及び固体触媒成分0.006÷0.010gを順次に充填した。オートクレーブを密閉させ;その後、水素2.0Nlを添加した。その後、攪拌下で、液体プロピレン1.2kgを供給した。温度を70℃に5分以内に上昇させ、重合をこの温度で2時間行った。重合終了時、未反応のプロピレンを除去し;ポリマーを回収した後、70℃の真空下で3時間乾燥した。その後、ポリマーを秤量して、o−キシレンを用いて分画し、キシレン不溶性(X.I.)分画の量を確認した。
例示された触媒の組成物及び性能
Figure 2016517912
Figure 2016517912
Figure 2016517912
Figure 2016517912
Figure 2016517912
ED:外部供与体。
D:ジシクロペンチルジメトキシシラン

Claims (15)

  1. Mg、Ti、Cl及び式(I)の少なくとも1つの電子供与体化合物を含む、オレフィン重合用固体触媒成分:
    Figure 2016517912
    上記式において、X及びYはR、−OR及び−NRから選択され、Bは酸素又は硫黄であり、Sは硫黄であり、RはC−C15炭化水素基から選択され、任意にハロゲン、P、S、N、O及びSiから選択されるヘテロ原子を含み、共に融合されて1つ以上の環を形成することができ、Rは水素又はRであり、Aは2つの架橋結合の間の鎖長が1個ないし10個の原子である2価架橋基である。
  2. 架橋基が式−(ZR −を有し、この式で、Zは独立してC、Si、Ge、O、N、S又はPから選択され、互いに同一であるか又は異なるR基は水素、又は任意にハロゲン、P、S、N、O及びSiから選択されるヘテロ原子を含む、C−C20炭化水素ラジカルであり、共に融合されて1つ以上の環を形成することができ、mはZの原子価を満たす数であり、nは1ないし10の範囲の整数である、請求項1に記載の触媒成分。
  3. 電子供与体化合物が下記の式(II)を有する、請求項2に記載の触媒成分:
    Figure 2016517912
    上記式において、Bは硫黄又は酸素であり、ここで、互いに同一であるか又は異なるR基ないしR基は水素、又は任意にハロゲン、P、S、N及びSiから選択されるヘテロ原子を含むC−C15炭化水素基であり、互いに同一であるか又は異なるRは任意に連結され環を形成することができるC−C15炭化水素基から選択され、nは0ないし5の整数である、触媒成分。
  4. 電子供与体化合物が式(III)の化合物から選択される、請求項1又は請求項2に記載の触媒成分:
    Figure 2016517912
    上記式において、X、Y及びBは請求項1で明示されたものと同様の意味を有し、RないしR12は独立して、水素、ハロゲン、又は任意にハロゲン、P、S、N、O及びSiから選択されるヘテロ原子で置換されるC−C15炭化水素基から選択される。
  5. ないしR12のうち少なくとも1つが水素とは異なる、請求項4に記載の固体触媒成分。
  6. 式(III)の供与体において、R基、R11基及び/又はR12基がC−Cアルキル基である、請求項5に記載の固体触媒成分。
  7. 及び/又はR12が第1級アルキル基であり、R11が第3級アルキル基である、請求項6に記載の固体触媒成分。
  8. Bが酸素である、請求項1、請求項2又は請求項4ないし請求項7のいずれか一項に記載の触媒成分。
  9. X及びYがC−C15アリール基又はC−C15アルキルアリール基から選択されるR基である、請求項8に記載の触媒成分。
  10. BがOであり、Xが−Rであり、Yは−OR及び−NRからなる群より選択される、請求項4に記載の触媒成分。
  11. XがC−C15アリール基又はC−C15アルキルアリール基から選択される−R基であり、Yは−OR基であり、ここで、RがC−C10アルキル基から選択される、請求項10に記載の触媒成分。
  12. BがOであり、Xが−ORであり、Yは−OR又は−NRである、請求項8に記載の触媒成分。
  13. −NR基において、RラジカルがC−C10アルキル基から選択される、請求項1ないし請求項12のいずれか一項に記載の触媒成分。
  14. 下記の成分の間の反応生成物を含む、オレフィン重合用触媒:
    −請求項1ないし請求項13のいずれか一項に記載の固体触媒成分、及び
    −アルキルアルミニウム化合物、及び任意に、
    −外部電子供与体化合物。
  15. 請求項14に記載の触媒を含む触媒システムの存在下で行われる、オレフィンCH=CHR’の(共)重合方法であって、
    この式で、R’は水素、又は炭素数1ないし12のヒドロカルビルラジカルである、方法。
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