JP2016516087A - 潰瘍性大腸炎の治療のためのホスファチジルコリンを含む医薬製剤 - Google Patents

潰瘍性大腸炎の治療のためのホスファチジルコリンを含む医薬製剤 Download PDF

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Abstract

医薬製剤であって、式(I)(式中、R1は、12〜24個の炭素原子を有する飽和または不飽和脂肪酸の残基であり、そしてR2は、12〜24個の炭素原子を有する飽和または不飽和脂肪酸の残基である)のホスファチジルコリン生成物(PC)を含み、そして該ホスファチジルコリン生成物(PC)が、以下の量の脂肪酸(PC中の脂肪酸の総量の質量パーセントで):55〜72リノール酸;10〜18パルミチン酸;07〜15オレイン酸;02〜08リノレン酸;02〜08ステアリン酸および該ホスファチジルコリン生成物(PC)の遅延放出のための少なくとも1つの薬学的に許容しうる賦形剤を含有する医薬製剤は、潰瘍性大腸炎の改善された治療に用いることができる。【化1】

Description

本発明は、慢性炎症性疾患、例えば潰瘍性大腸炎、そして特にASA難治性の個体における潰瘍性大腸炎の治療のための、ホスファチジルコリンを含有する医薬製剤に関する。
ホスファチジルコリン(PC)は、知られている種類の天然生成物である。それは、動物および植物組織中のレシチンの一成分として他の脂質化合物と共に見いだすことができる。典型的なホスファチジルコリンは、以下の構成要素:リン酸、コリン、脂肪酸およびグリセロールで構成される。PCの脂肪酸残基の組成は、ホスファチジルコリンの性質に重要な影響を有する。ホスファチジルコリンは、天然源から、例えば大豆、他の植物または卵から化学的または機械的に合成または抽出のいずれかをすることができる。ホスファチジルコリンは、通常、水への溶解度が低いが、しかし、水中で分散することができる。それは、特に酸性条件下で安定でない。
さまざまな慢性炎症性疾患、例えば潰瘍性大腸炎は、小児および成人に厳しい結果で影響を及ぼす。これらの疾患、例えば潰瘍性大腸炎は、血液および/または粘液を伴う水様下痢の頻繁な発作を特徴とする。他の症状としては、筋けいれん、腹痛、腸に穴があくときの痛み、緊急および頻繁に腸を開く必要性、残便感、悪心、食欲不振、体重減少、疲労、皮膚発疹、口腔内潰瘍、関節痛および貧血
が含まれる。慢性炎症性疾患および潰瘍性大腸炎は、直腸単独よりも結腸により多くの影響を及ぼす。症状は、腸内の炎症の程度、および腸の内層が潰瘍化しているか、または否かにより変化する。また、慢性潰瘍性大腸炎は、肝臓における変化、硬化性胆管炎を生じることもあり、そして腸がんを発症するリスクを高めることもありうる。
慢性炎症性疾患の治療のためのいくつかの方法は、文献に記載されているが、しかし、多くの方法は、長期間にわたって適用すべきではなく、かつ/または重篤な副作用を有する。
特許文献1は、結腸疾患の治療のための化学保護物質として2−ヒドロキシ−5−フェニル−アゾ安息香酸の使用を記載している。特許文献2には、腸疾患の治療のためのホスファチジルコリンの使用が記載されている。
特許文献3は、大腸炎の治療のためのレシチン組成物を含有するホスファチジルコリンの使用を開示しているが、しかし、使用されるホスファチジルコリン生成物は、高含量のホスファチジルエタノールアミン(PE)およびホスファチジルイノシトール(PI)を有する。典型的に知られているレシチン生成物は、30〜70質量%のPCを含有することができるが、しかし、また18〜21%(PE)および6〜8%(PI)も含有し、それらは、薬学的または臨床的活性にしばしば寄与しないか、または著しく寄与することはない。さらにまた、使用されるホスファチジルコリン生成物の安定性は、満足のいくものでない。
特許文献4および特許文献5は、レシチン生成物を用いることによる、ステロイド依存性潰瘍性大腸炎を有する患者の治療を記載しているが、しかし、それは、高含量のホスファチジルエタノールアミン(PE)およびホスファチジルイノシトール(PI)を有する。ホスファチジルコリンに富んだリン脂質混合物(セントロプレックスEP(Centroplex FP))は、典型的に30%以上のPC、18〜21%ホスファチジルエタノールアミン、および6〜8%ホスファチジルイノシトールを含有する。43.10%セントロプレックス(Centrolex)、微結晶性セルロース、ステアリン酸マグネシウムおよび水和シリカを含有するベルム(Verum)は、そしてオイドラギット(Eudragit)(登録商標)で包埋されていた。
慢性活性潰瘍性大腸炎の患者のための遅延放出性ホスファチジルコリン製剤は、W. Stremmelによって非特許文献1に記載されている。これらのPC製剤は、かなりの量の他のリン脂質を含有し、その遅延放出製剤は、鼓腸のようないくつかの副作用につながる。これらの副作用は高頻度で認めることができるので、患者のコンプライアンスを改善するには、新たな製剤が必要である。W. Stremmelが用いたPCに富んだリン脂質混合物(Sterpur P-30 Granulat; Stern-Lecithin and Soja GmbH, ハンブルグ, ドイツ)は、30%ホスファチジルコリン、21%ホスファチジルエタノールアミンおよび8%ホスファチジルイノシトールを含有した。遅延放出性ホスファチジルコリン顆粒剤は、オイドラギット(Eudragit)(登録商標)、アビセル(Avicel)(登録商標)PH102(FMC Company、米国)およびシロイド(Syloid)(登録商標)244(シリカ)で包埋されたレシチン(供給元スターン(Stern)の)からなった。
市販ホスファチジルコリン/レシチン製品、例えばシグマ(Sigma)P5638は、しばしば50質量%未満しかPCを含有せず、多量の、例えばホスファチジルエタノールアミン(PE)およびホスファチジルイノシトール(PI)を含有する。他の市販ホスファチジルコリン/レシチン製品は、かなりの量の無極性脂質および/またはホスファチジルエタノールアミン誘導体を含有する。本発明によるホスファチジルコリン生成物(PC)は、「ホスファチジルイノシトール(PI)およびホスファチジルエタノールアミン(PE)を実質的に含まない」と記載することができ、それぞれ、生成物の全脂質含量の0.1%w/w未満に相当する。
C. Vetterは、炎症性腸疾患のさまざまな治療選択肢および確立された療法の新たな態様を、非特許文献2に記載しているが、しかし、その文献は、レシチン生成物を用いる臨床研究を一般的に記載しているだけで、使用する医薬製剤を記載していない。
さらに、W. Stremmelは、非特許文献3に、ステロイド難治性の慢性潰瘍性大腸炎のためのホスファチジルコリンを開示しているが、しかし、開示されたホスファチジルコリン生成物は、多量のホスファチジルエタノールアミンおよび他のリン脂質を含む。
潰瘍性大腸炎は、成人および小児における腸の一般的な慢性炎症性疾患である。それは、結腸粘膜のびらんを生じる、直腸から盲腸にまで及ぶであろう結腸粘膜のびまん性炎症性状態として定義される。その疾患の臨床経過中、最初に直腸S状結腸炎と診断された多くの患者では、近位拡張(proximal extension)を認めることができる。主な症状は、全結腸炎、右側結腸炎、左側結腸炎、直腸S状結腸炎および直腸炎である。場合によっては、直腸またはS状結腸の炎症の他に孤立盲腸病変(isolated caecal involvement)を認めることができる。典型的な症状は、血性下痢、排便時の痛み、痙縮、発熱、貧血および体重減少である。
潰瘍性大腸炎の病因は知られていない。疫学的検査に基づいて、遺伝的素質の他に、環境の影響のようなさらなる因子が疾患を誘発と議論されている。粘膜関門の妨害が疾患の開始因子のようであり、その後、結腸共生細菌叢からの攻撃により粘膜の炎症を生じる。通常、粘膜細胞は、連続的な疎水性かつ粘着性の粘液層によってこのような攻撃から保護されている。この層はリン脂質を含有し、それはホスファチジルコリンおよびリゾホスファチジルコリンでできている。
潰瘍性大腸炎の典型的治療は、再発を抑制すること、およびさらなる再発または合併症の可能性を低減することに重点を置いている。長年にわたって、薬物化合物メサラジン(Mesalazine)(5−アミノ−2−ヒドロキシ−安息香酸)は、軽度および中等度の潰瘍性大腸炎に対する標準療法であった。メサラジンおよび薬物化合物スルファサラジン(Sulfasalazin)、オルサラジン(Olsalazine)、バルサラジン(Balsalazine)は、あわせて5−ASA化合物と呼ばれている。しかし、ASA難治性の個体数が増加している。多くの個体が5−ASA難治性になるか、または5−ASA化合物、特に化合物メサラジンに耐容性を示さない。
潰瘍性大腸炎および再発のための他の治療には、ステロイド療法、免疫抑制剤の使用、TNF−アンタゴニストおよび/または手術の使用が含まれる。ステロイドは、しばしば炎症の発作の軽減に有効であるにもかかわらず、長期ステロイド使用は有害な副作用を伴う。本発明の文脈においてASA難治性とは、疾患潰瘍性大腸炎の症状が、上記の5−ASA化合物、そして特に5−アミノ−2−ヒドロキシ安息香酸を用いることにより著しく改善されないことを意味する。
WO1995/18622 WO2000/07577 US6,677,319 WO2009/015891 EP−A2185158
W. Stremmel, GUT, 英国医師会, 第54巻、第7号、2005年7月01日、第966〜971頁 C. Vetter, European Gastroenterology and Hepatology Review 2011, 第7巻, 第2号, 2011年5月, 第104〜107頁 W. Stremmel, Annals of Internal Medicine, New York, 第147(9)巻, 2007年11月06日
本発明は、特定のホスファチジルコリン生成物の特定の製剤を用いることによる潰瘍性大腸炎の治療に関する。また、本発明は、特許請求の範囲に記載された新たな製剤に関する。
ホスファチジルコリンは、疎水性保護表面の確立に関与しており、粘膜防御過程において重要な役割を担っている。潰瘍性大腸炎の患者は、クローン病患者および健康な対照と比較して、その腸粘液中のホスファチジルコリンがかなり少ない。損傷したホスファチジルコリン層は、炎症および潰瘍を引き起こすことがある。文献では、ホスファチジルコリンおよび他の脂質が炎症誘発シグナル過程を阻害し、潰瘍性大腸炎によって生じる炎症活動を緩和することが示された。マウスおよびラットにおけるin vitroおよびin vivo実験から、ホスファチジルコリンは回腸に活発に分泌されることを認めることができる。ホスファチジルコリンは結腸の活動により盲腸から直腸に連続的に移動し、直腸はホスファチジルコリンが供給される最後の領域である。
本発明の1つの目的は、潰瘍性大腸炎治療、特に古典的治療(例えば5−ASA、ステロイドまたは免疫抑制剤)に難治性である患者の潰瘍性大腸炎治療のための新たな医薬製剤を提供することである。これらの製剤は、知られている古典的製剤が利用できる限られた治療選択肢よりも改善された有効性および/またはあまり厳しくない結果または副作用を有する。さらにまた、副作用(例えば鼓腸)は、より低い頻度で認められた。
さらにまた、多くの場合、PCの日用量を低く保つことができ、それにより患者のコンプライアンスが改善される。これらの製剤は、しばしば、一投与時点のための正確な量の製剤を含有する単回投与容器(single dose container)で提示される多単位剤形(multiple unit dosage form)であり、これにより、多回投与容器(multi-dose containers)中に提供され、患者自身が計量カップで服用する既存の製剤と対照的に高度の投薬均一性が可能となる。
個体によっては、古典的長期ステロイドおよび/または5−ASA治療でさえ重度の疾患進行を有するため、より良好な療法を提供するためにも新たな製剤が必要である。他の個体は、ステロイドおよび/または5−ASA治療に都合よく反応しない、または実質的に反応しなくなる。5−ASA難治性の疾患を有する個体は、結腸の除去が必要となることがある。
本発明は、特に、潰瘍性大腸炎の少なくとも1つの症状を改善するための特定のホスファチジルコリン生成物(PC)を含む医薬製剤に関する。この特定のホスファチジルコリン生成物(PC)は、しばしば、単回投与容器で提示される多単位剤形として、遅延放出製剤のための特定の賦形剤と組み合わせられる。
一実施態様において、本発明の医薬製剤は、
a)式(I)、
Figure 2016516087
(式中、
1は、12〜24個の炭素原子を有する飽和または不飽和脂肪酸の残基であり、そして
2は、12〜24個の炭素原子を有する飽和または不飽和脂肪酸の残基である。
1およびR2は、しばしば14〜22個の炭素原子を有する飽和または不飽和脂肪酸の残基である)の少なくとも1つのホスファチジルコリン生成物(PC)を含む。
式(I)の2つの脂肪酸鎖R1およびR2は、しばしば同一ではない。本発明の一実施態様におけるR1に関する不飽和脂肪酸残基のパーセンテージは、R2に関するよりも低く、例えば、R1は、70%(質量による)未満の不飽和脂肪酸を有するのに対して、R2は90%を超える不飽和脂肪酸を有する。
一般にホスファチジルコリン生成物(PC)は、以下の量の脂肪酸(PC中の脂肪酸の総量の質量パーセントで):
55〜72 リノール酸
10〜18 パルミチン酸
07〜15 オレイン酸
02〜08 リノレン酸
02〜08 ステアリン酸
を含有する。
ホスファチジルコリン生成物(PC)は、さらに12〜24個の炭素原子を有する他の脂肪酸残基を少量(例えば、1.5質量%まで)含有することができる。
ホスファチジルコリン生成物(PC)は、好ましくは、製剤のすべての脂質/リン脂質成分の少なくとも94質量%となる。
本発明によるホスファチジルコリン生成物(PC)は、「実質的にホスファチジルイノシトール(PI)およびホスファチジルエタノールアミン(PE)を含まない」と記載することもでき、それぞれ、製剤の全脂質/リン脂質成分の0.1%w/w未満のホスファチジルイノシトール(PI)およびホスファチジルエタノールアミン(PE)に相当する。
本発明の一実施態様において、使用するホスファチジルコリン生成物(PC)は、以下の量の脂肪酸を含有するか、または本質的にこれらの脂肪酸(PC中の脂肪酸の総量の質量パーセントで):
59〜70 リノール酸
12〜17 パルミチン酸
07〜15 オレイン酸
03〜07 リノレン酸
02〜05 ステアリン酸
からなる。
しばしば、使用するホスファチジルコリン生成物(PC)は、10〜15%のオレイン酸残基、好ましくは10〜12%を超えるオレイン酸残基を含有する。
さらにまた、本発明の医薬製剤は、以下:
b)少なくとも1つの薬学的に許容しうる賦形剤(それは、リン脂質でない)
を含む。
しばしば、本発明の医薬製剤は、いくつかの(2つまたはそれ以上の)異なる賦形剤を含む。
使用するホスファチジルコリン生成物(PC)は、例えば、知られている処理方法のステップを用いてダイズレシチンから調製することができる。当業者は、さまざまな賦形剤を購入または調製することができる。
PC含有製剤は、しばしば、リン脂質成分として主に(≧90%)ホスファチジルコリン(PC)を含有する。しばしば、脂質/リン脂質成分は、≧94質量%、しばしば≧95質量%のホスファチジルコリンで構成される。それらは、通常、他の脂質/リン脂質成分を少量しか含有しない。脂質成分(PC含有製剤中の)は、好ましくは、他のリン脂質成分を0,1未満%の量(例えば(PE)および(PI))の量で含有する。医薬活性成分PCは、PC含有生成物中の活性PCの富化度(enrichment degree)がより高いことに加えて、ジグリセリドホスファチジルコリン中の脂肪酸組成のモニタリングを含めて、知られているレシチン生成物よりも非常に良好に特徴づけられている。
特に、本発明は、胃酸耐性を示し、かつ腸への高PC放出を保証するpH制御放出を伴うPC製剤に関する。
製剤中の含有される脂質成分が≧94質量%のPCで構成され、そして≦3質量%の無極性脂質を含有することは、液体クロマトグラフィー/質量分析(LC/MS)分析によって示すことができる。製剤中の総脂質成分は、≦2質量%の(遊離)トリグリセリドおよび≦3質量%のリゾホスファチジルコリンの含量を有することが好ましい。また、製剤中の総脂質成分は、≦0.1質量%のホスファチジルエタノールアミン(PE)および≦0.1質量%のホスファチジルイノシトール(PI)を有することが好ましい。
本発明の一実施態様における医薬製剤は、少なくとも50質量%、特に少なくとも70%、好ましくは少なくとも80%のホスファチジルコリン生成物(PC)を腸内へ放出する。これは、標準インビトロモデルにより測定することができる(欧州薬局方7.6、方法2.9.3(European Pharmacopoeia 7.6, Method 2.9.3)または類似の方法を参照のこと)。
医薬製剤の賦形剤は、好ましい実施態様において、標準インビトロモデルによって評価したときに、少なくとも50%、好ましくは少なくとも70%、より好ましくは少なくとも80質量%のホスファチジルコリン生成物(PC)が個体の腸内に放出されるように選択される。好ましくは、医薬製剤の賦形剤は、高いパーセンテージ(少なくとも50%、好ましくは少なくとも70%)のホスファチジルコリン生成物(PC)が結腸に達するように選択される。
記載された本発明の医薬製剤は、好ましくは経口製剤であるが、しかし、他の適用経路も、原則として可能である。本発明の医薬製剤は、しばしば、サシェ(sachet)(例えば、一投与時点に適した数のPCペレット剤を含有する)のような単回投与容器で提供される。
また、本発明は、式(I)の少なくとも1つのホスファチジルコリン生成物(PC)を含む医薬製剤に関し、式中、R1は14〜22個、特に14〜20個の炭素原子を有する飽和または不飽和脂肪酸の残基であり、そしてR2は14〜22個、特に14〜20個の炭素原子を有する飽和または不飽和脂肪酸の残基であり、そして、ホスファチジルコリン生成物(PC)は、以下の量の脂肪酸(PC中の脂肪酸の総量の質量パーセントで):
59〜70 リノール酸
12〜17 パルミチン酸
07〜15 オレイン酸(しばしば>10〜12)
03〜07 リノレン酸
02〜05 ステアリン酸
を含有する。
記載された脂肪酸の典型的な量(PC中の脂肪酸の総量の質量パーセントで)は、以下:
62〜68 リノール酸
12〜15 パルミチン酸
07〜12 オレイン酸(しばしば>10〜12)
05〜07 リノレン酸
02〜04 ステアリン酸
の通りである。
しばしば、78質量%を超える、特に80質量%を超える、PCの脂肪酸残基R1およびR2は、18個の炭素原子を有する不飽和脂肪酸である。
ホスファチジルコリン生成物(PC)は、好ましくは特定の天然源から得られる。これらの供給源は、例えば植物、例えばダイズであることができる。これらの供給源は、例えば動物、例えば卵黄であることもできる。しかし、ホスファチジルコリン生成物(PC)は、化学合成によって得ることもできる。特定の脂肪酸残基を有するホスファチジルコリン生成物の化学的な製造方法は、化学者に知られている。
PCは、少量の他の脂肪酸残基、例えば、総量0.1%から1.5%(質量で)まで、特に0.1%から1.0%まで、好ましくは1%未満の、特に14〜22個の炭素原子を有する他の飽和または不飽和脂肪酸を含有することができる。
特定のPC生成物の一製造方法を以下に記載することができ、ここでは、出発物質がダイズである:
Figure 2016516087
また、本発明は、式(I)の少なくとも1つのホスファチジルコリン生成物(PC)を含む医薬製剤であって、少なくとも75質量%、特に少なくとも80質量%、しばしば80質量%を超える、脂肪酸残基R1およびR2が、18個の炭素原子を有する不飽和脂肪酸である医薬製剤に関する。
また、本発明は、医薬製剤であって、該医薬製剤がホスファチジルコリン生成物(PC)、および胃酸に耐性のある、少なくとも1つの腸溶性ポリマーコーティングの少なくとも1つの層を含む、腸溶コーティングペレット剤、腸溶コーティング錠剤、腸溶コーティングカプセル剤または腸溶コーティング顆粒剤からなる、または含む医薬製剤に関する。胃酸に耐性のあるとは、pH値1で2時間後、コーティングされたPC製剤から放出されるPCが10パーセント未満であることを意味する。
特に、本発明は、単回投与容器(例えばサシェ)で提示され、かつ一投与時点の正確なペレット量を含有する、多単位剤形(いくつかの腸溶コーティングペレット剤を含む)として医薬製剤)に関する。
また、本発明は、医薬製剤であって、腸溶性ポリマーコーティングとホスファチジルコリン生成物(PC)との質量比が、10:1から1:10まで、しばしば5:1から1:5までである医薬製剤に関する。いくつかの実施態様において、この比率は、3:1から1:3まで、特に2:1から1:2までである。
医薬製剤は、しばしば腸溶性ポリマーコーティングとホスファチジルコリン生成物(PC)質量比3:1から1:3までを有し、そして多単位剤形中にPC生成物を有する。腸溶性ポリマーコーティングおよびホスファチジルコリン生成物(PC)のこの質量比は、鼓腸のようないくつかの副作用を予防することが見いだされた。
いくつかの実施態様では、腸溶性ポリマーコーティングに加えて、活性成分を保護するPCと共にコアを形成するために、さらなる賦形剤を用いる(例えばヒプロメロースまたはアミロース)。
また、本発明は、厚さ10〜800マイクロメートル、特に10〜500マイクロメートルの腸溶性ポリマーコーティングを有する、腸溶コーティングペレット剤または腸溶コーティングカプセル剤または腸溶コーティング顆粒剤または腸溶コーティング錠剤を含む、1つの(または、いくつかの)腸溶コーティングペレット剤を含む医薬製剤に関する。ペレット剤のコーティングの厚さは、しばしば、10マイクロメートルから300マイクロメートルまでであり、カプセル剤のコーティングの厚さは、しばしば、50マイクロメートルから800マイクロメートルまでである。特定のペレットコーティング厚とPC生成物の硬度(consistence)との組合せにより安定性が増加することになる。
また、本発明は、少なくとも1つの腸溶性ポリマーコーティングによって保護されたホスファチジルコリン生成物(PC)を含む医薬製剤であって、少なくとも120分間、胃酸(pH1)に耐性(PCの放出10%未満)であるが、しかし、pH5.5またはそれ以上で120分以内にホスファチジルコリン生成物(PC)の少なくとも80%を製剤から放出することができる医薬製剤に関する。
また、本発明は、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸エステルおよびメタクリル酸エステルのホモポリマーおよびコポリマーの群からの少なくとも1つの腸溶性ポリマーを含む医薬製剤に関する。また、ホモポリマーとコポリマーとの混合物を用いることができる。腸溶性賦形剤としての使用に好ましいポリマー(例えばオイドラギット(Eudragit)(登録商標)L30−D55またはL100−55)を後述する。
また、本発明は、20〜30質量%の式(I)のホスファチジルコリン生成物(PC)および70〜80質量%の賦形剤(合計)を含む医薬製剤に関する。賦形剤の質量は、乾燥形態で測定する。コーティングカプセル剤のような、いくつかのタイプ製剤では、ホスファチジルコリン生成物(PC)の量は、例えば、最大70質量%といったように、より高くすることができる。しばしば、これらのコーティングされたPCカプセル剤では、35〜70質量%のPCを55〜30質量%の賦形剤と合わせる。
また、本発明は、長期安定性を有する医薬製剤であって、36ヵ月の冷却貯蔵(5℃プラス/マイナス3℃)後、少なくとも95質量%のアッセイPC(Assay PC)(公称値との比較)および5質量%未満のリゾPC(Lyso-PC)(PCとの比較)の量を特徴とする医薬製剤に関する。
本発明の1つのさらなる態様は、上記のような医薬製剤を製造する方法であって、式(I)、
Figure 2016516087
(式中、R1およびR2は、上に定義されたとおりである)の少なくとも1つのホスファチジルコリン(PC)を含有し、該ホスファチジルコリン生成物(PC)が、以下の量の脂肪酸(PCの脂肪酸の総量の質量パーセントで):
55〜72 リノール酸
10〜18 パルミチン酸
07〜15 オレイン酸
02〜08 リノレン酸
02〜08 ステアリン酸
を含有する、ペレット剤または錠剤またはカプセル剤または顆粒剤を調製するステップと、
次いで、腸溶性ポリマーコーティングの少なくとも1つの層を有するペレット剤またはカプセル剤または顆粒剤または錠剤を提供するステップと
を含む方法である。好ましいPC生成物(より多くの正確に定められた脂肪酸残基を有する)は、上に記載されたこの方法によって調製することになっている。
本発明のさらなる一態様は、以下:潰瘍性大腸炎、クローン病、空置性大腸炎(diversion colitis)、感染性腸炎、感染性大腸炎、放射線照射による炎症および化学療法または化学物質による炎症からの状態または疾患の治療または予防、特に5−ASA難治性患者の潰瘍性大腸炎の治療のための上記の製剤に関する。
特に、製剤は、潰瘍性大腸炎、クローン病または5−ASA難治性もしくはステロイド難治性の患者における潰瘍性大腸炎の治療(ステータスの維持を含む)または予防に用いられる。
また、それらは、5−ASA難治性患者の潰瘍性大腸炎の治療または予防に用いることもでき、ここでは、1日当たり式(I)のホスファチジルコリン生成物(PC)0.5〜8g、特に2〜6gの用量が適用される。この投与量は、しばしば、1投与時点のための妥当な量の多単位剤形(例えばPCペレット剤)を含有する単回投与容器(例えばサシェ)で適用される。5−ASA難治性患者の潰瘍性大腸炎の治療または予防では、式(I)のホスファチジルコリン生成物(PC)の日用量を、(分けて、しばしば等しく分けて)1日当たり2回または3回または4回、しばしば1日当たり3回または4回適用することができる。
一実施態様では、式(I)のホスファチジルコリン生成物(PC)を含む製剤(例えば腸溶性製剤)を、潰瘍性大腸炎を有する個体に適用し、それによって治療有効量のホスファチジルコリン(PC)を用いて潰瘍性大腸炎の少なくとも1つの症状を改善する。
別の実施態様において、本発明は、5−ASA難治性またはステロイド難治性の潰瘍性大腸炎を有する個体において潰瘍性大腸炎の少なくとも1つの症状を改善するために製剤に関する。
標準経口製剤を用いることによって、ホスファチジルコリン生成物、またはPCの少なくともかなりの部分が胃表面と接触し、そして分解することになる。動物またはヒトの胃とPCの相互作用を最小限にするために、特定のPCの放出を小腸または大腸、特に結腸に向けることができる。本発明の標的設定された放出では、いくつかの製剤技術を適用することができる。遅延放出のための1つの特定の製剤技術は、腸溶製剤、例えばコーティング錠剤、コーティングカプセル剤、コーティングペレット剤またはコーティング顆粒剤の製造である。特に、腸溶コーティングPCペレット剤は、胃および上部消化管でのPCの分解および全身性の取り込みを低減する。
この文脈における腸溶製剤とは、特に、PCを含む組成物(例えば顆粒剤またはペレット剤またはカプセル剤)を、胃中でのPCの放出がわずかであるか、または放出なしに、酸性の胃にPCを通過させることができる物質と組み合わせる、例えばコーティングすることを意味する。PCは、腸または腸の特定部分に輸送された後、pH5.5またはそれ以上でPCが放出される。「腸溶性」という用語は、特に、PCの放出が小腸もしくは大腸のいずれか、または両方の区画において引き起こされることを意味する。最適な放出部位の選択は、PCの標的作用部位(例えば結腸)での意図する局所濃度、意図する時間/濃度プロファイルによって決まる。
「賦形剤」という用語は、活性物質および/または薬物生成物の製剤のデザインのための担体として用いられる薬理学的に不活性な物質を意味するものとする。「賦形剤」という用語は、結合剤、賦形剤、コーティング形成化合物、コーティング用の可塑剤およびにおいを消す化合物といったような薬学的に許容しうる薬理学的不活性成分を含むものとする。任意選択の賦形剤のいくつかの例は、顔料、崩壊剤、抗酸化剤、矯味矯臭剤、甘味剤、着色剤、乳白剤、抗粘着剤、保存剤、滑剤、滑沢剤、吸収剤および絶縁層形成剤(isolating-layer forming agents)である。適した物質は、当分野で知られている。また、本発明の医薬製剤に適用される「賦形剤」という用語は、それを用いて活性物質が投与される希釈剤またはビヒクルのことをいう。このような薬学的賦形剤は、動物、植物または合成由来であることができ、また、A. R. Gennaro(Remington: The Science and Practice of Pharmacy"の第20版、2001)を参照のこと。
「カプセル」という用語は、1つの活性物質の用量または活性物質と1つの賦形剤との組合せまたは賦形剤の組合せを封入している薬学的に許容しうるケースを意味するものとし、それはポリマーシェルによって被覆されており、それは、例えば、基本的にゼラチン、デンプンまたはセルロースまたは化学誘導体およびこれらのポリマーの組合せからなる。カプセル剤は、軟または硬カプセル剤であることができる。それらの内容物は、固体、半固体、または液体であることができる。
「顆粒」という用語は、多粒子単位を形成するための、粒子、例えば粉末粒子の凝集物を意味する。薬学的用語において、顆粒は、その中で最初の粒子がなお確認されうる、より大きな永続的な凝集物中に集められた小さな粒子を包含する。顆粒剤は、粉末粒子を異なる物理的機構によって互いに付着させる造粒法で得てもよい。医薬組成物の分野では、熱可塑性造粒、水性または有機溶媒に基づくポット造粒、回転筒ミキサー中の造粒、流動床造粒装置の造粒、噴霧乾燥による造粒または圧縮による乾燥造粒といったような方法が知られている。
「速放性」という用語は、製剤の経口適用した後、30分後に活性物質の少なくとも80%が放出される放出速度を意味するものとする。放出を測定する実験条件は、米国薬局方、例えばUSP35、Method711(2012)に定義された条件であり、また、対応する欧州薬局方、例えばEP7.6を参照のこと。
この定義とは逆に、「遅延放出製剤」という用語は、適時の遅延および/または制御されたやり方で、かつ/または急速にもしくはゆっくり、そして詳細に定められた期間にわたって胃腸管の所定の部分において組み込まれた活性物質を放出する剤形を包含する。この用語は、治療有効量の活性物質(またはその薬学的に許容しうる塩、溶媒和物、多形形態もしくは異性体)および少なくとも1つの放出遅延賦形剤を含む医薬製剤を包含する。この用語は、腸溶コーティング製剤を包含する。
「多単位剤形(multiple unit dosage form)」という用語は、有効量のPCを含有する、少なくとも2単位からなる剤形を包含する。「単一の単位剤形」という用語は、有効量のホスファチジルコリンを含有する、1単位のみからなる製剤を包含する。しかし、しばしば多単位剤形は、1投与時点のためのPCペレット剤の量を含有するサシェのような、単回投与容器で提示される。本発明の一実施態様において、製剤は、特に潰瘍性大腸炎の毎日の治療のために、ペレット剤の形態のPC0.5〜8.0g、特にペレット剤約3.2gまたは6.4gを含む、(単一)サシェの形態である。
「ペレット」という用語は、典型的に特別な造粒技術によって生成される球状粒子を意味するものとする。ペレットは、スターター粒子状に活性物質を層化することによって、または押出および球体化によって、または流動床中のペレット化によって、または熱的融解、形成、冷却過程によって製造してもよい。また、ペレットは、活性物質の水性分散液と共に賦形剤を造粒し、続いて押出、乾燥、コーティングなどによって製造してもよい。ペレット剤を製造するためのこのような方法は、医薬製剤開発の分野で知られている。
物質に関連した「薬学的に許容しうる」という用語は、ヒトの安全性に影響を及ぼさない、かつ/または投与後、ヒトによって忍容性が高い成分または物質を意味するものとする。「多形形態」という用語は、活性物質、薬学的に許容しうる塩、溶媒和物または異なる結晶構造もしくは格子を形成するそれらの異性体を包含する。
「錠剤」という用語は、活性物質を含む任意の固形医薬組成物を意味するものとする。その用語は、圧縮製剤および非圧縮製剤を包含する。非圧縮製剤は、例えば、熱または融解過程によって製造することができる。錠剤は、任意の形状を有してもよく、それは、円形の形状、長方形の形状もしくは卵形の形状、または凸形の形状、またはディスクの形状、またはビーズの形状のように錠剤の分野で一般的である。また、形状は、ふぞろいであってもよい。また、その用語は、「ミニ錠剤」および「マイクロ錠剤」という用語を含む。このような用語は、医薬組成物の分野で知られている。錠剤は、顆粒剤および/またはペレット剤から作ってもよい。顆粒剤およびまたはペレット剤から錠剤への加工は、当業者に知られている。
また、本発明は、ホスファチジルコリンに関して遅延放出するための、上記のような式(I)の少なくとも1つのPC生成物および少なくとも1つの賦形剤を含む医薬製剤に関する。これらのPC製剤は、PCの望ましくない全身性取り込みを著しく低減し、PCの分解を低減し、そして経口投与された高投与量のホスファチジルコリンを結腸に到達させることを可能にする。また、これらの医薬製剤は、高い安定度(貯蔵中の時間の経過に伴う)を有する。
上記の式(I)のホスファチジルコリン(PC)は、1日1回の遅延放出製剤、好ましくは1日1回の経口遅延放出製剤で投与することができるが、しかし、1日2回、1日4回および他の製剤も、また可能である。
一実施態様において、ホスファチジルコリン(PC)の遅延放出は、pH依存性である。pH依存性遅延放出製剤は、数時間、例えば2時間またはそれ以上、胃酸(例えばpH1.0)に耐性である、好ましくはPCまたはPCを含有するコアを取り囲む層の形態で、1つまたはそれ以上の賦形剤を含むことができる。
本発明によるPC含有ペレット剤は、上記のPCおよび結合剤(例えばセルロース)および崩壊剤(例えばシリカ)およびこのような製剤の製造のために知られている他の賦形剤を含むことができる。
一実施態様において、pH依存性コーティングは、アミロースベースの成分も含有し、それは特に結腸領域で微生物によって分解されうる。コーティング中のこれらのアミロースベースの成分の能力は、Ibekwe(Alimentary Pharmacology & Therapeutics 28, 2008)によるシンチグラフィ研究において示されている。オイドラギット(Eudragit)(登録商標)(例えばL30−D55)とアミロースコーティングとの組合せによるPCコアまたはPCペレットを有するカプセル剤は、所望の結腸部位で崩壊する。一実施態様において、PCのpH依存性遅延放出製剤は、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸エステルおよびメタクリル酸エステルのホモポリマーおよびコポリマーの群から選択されるポリマーである少なくとも1つの放出制御賦形剤を含有する。一実施態様において、少量(10%まで)の他のモノマーをコポリマー組成物に用いることもできる。また、ホモポリマーおよびコポリマーの混合物を、遅延放出層に用いることもできる。腸溶性賦形剤として好ましいポリマーは、オイドラギット(Eudragit)(登録商標)L−30−D55のようなタイプの市販製品である。
一実施態様において、PCの製剤は、第2の賦形剤、例えばヒドロキシプロピルメチルセルロース(ヒプロメロース)またはポリビニルアルコールまたはポリ酢酸ビニルまたはポリエチレングリコールでグラフト化されたポリビニルアルコールを含む。
腸溶製剤に関するさらなる適した成分およびポリマーは、放出−制御性および改良性の脂質およびロウ、例えば、蜜ろう、中鎖および長鎖脂肪酸の天然または合成のモノ−、ジ−およびトリグリセリドである。
さらなる一実施態様において、PCの製剤は、賦形剤としてセラックを含む。
ポリメタクリレートおよび/またはポリメタクリレートコポリマーに基づくいくつかの放出制御性賦形剤は、例えば商標オイドラギット(Eudragit)(登録商標)(Evonik Industries、ドイツの)の下で商業的に入手可能である。以下のポリマー:オイドラギット(登録商標)Lおよび/またはオイドラギット(登録商標)Sは、例えばPCを含有する腸溶性ペレット剤または顆粒剤を調製するために用いることができる。典型的なグレードは、例えば、オイドラギット(登録商標)L30、オイドラギット(登録商標)L30−D55である。他のグレードは、オイドラギット(登録商標)S100、オイドラギット(登録商標)FS、オイドラギット(登録商標)RS30D、オイドラギット(登録商標)RL30D、オイドラギット(登録商標)NE40D、オイドラギット(登録商標)RSPOおよびオイドラギット(登録商標)NE30D、オイドラギット(登録商標)SS、オイドラギット(登録商標)L100−55またはそれらの2つもしくはそれ以上の組合せである。
オイドラギット(登録商標)L30−D55は、メタクリル酸およびアクリル酸エチルに基づくアニオンコポリマーを含有する。オイドラギット(登録商標)L30−D55は、30質量%のコポリマーを含有する水性分散液である。このコーティング物質は好ましい。
オイドラギット(登録商標)S100は、メタクリル酸およびメタクリル酸メチルに基づくアニオンコポリマーを含有する。
オイドラギット(登録商標)RL30は、欧州薬局方2.2.20により確定された乾燥物質に基づいて10.18%から13.73%までのメタクリル酸アンモニアメタクリレート部分を含有する。
所望の放出特性を達成するためにPC製剤に必要な腸溶コーティングの相対量は、とりわけ、選択されたポリマータイプおよびグレード、活性物質の放出に影響を及ぼす他の賦形剤のありまたはなし、および所望の薬物の装填に左右される。
この腸溶性ポリマー対活性物質(PC)の質量比(乾燥質量に計算する)は、典型的に100:1から1:100まで、または50:1から1:100まで、または10:1から1:100までの範囲で選択される。特定の一実施態様において、ポリマー賦形剤対活性物質の比率は、5:1から約1:5まで、しばしば3:1から約1:3(質量/質量)までである。
例えば、胃酸(pH1)耐性物質は、オイドラギット(Eudragit)(登録商標)として販売されたポリマー/コポリマーのようなコーティングおよび担体物質を含むことができる。市販製品オイドラギット(登録商標)Lおよび/またはオイドラギット(登録商標)Sおよび/またはオイドラギット(登録商標)FS、ならびに特にポリマーオイドラギット(登録商標)L30は、賦形剤として用いることができる。例示的な好ましいpH依存性遅延放出製剤は、オイドラギット(登録商標)L30−D55(またはオイドラギット(登録商標)S100、オイドラギット(FS)FSもしくはこれらのポリマーの混合物)のようなポリマーでコーティングされた、ホスファチジルコリン(PC)を含有する、1サシェ当たり0.5〜10.0gのペレット剤を含む。
上記の製剤の実施態様において、個体に投与されるホスファチジルコリン生成物(PC)の治療有効量は、1日当たり0.5gから8gまでの範囲である。別の好ましい実施態様において、個体に投与されるホスファチジルコリンの治療有効量は、1日当たりの約3〜4gである。
一実施態様によれば、ホスファチジルコリンを含む製剤は、食事の時間の直前、特に食事の少なくとも60分(例えば60〜90分)前に投与される。ホスファチジルコリンの製剤の投与頻度は、1日当たり1回から8回までであることができ、好ましい投与頻度は1日当たり2〜4回である。製剤の投与は、少なくとも1週間、少なくとも2週間、少なくとも2ヵ月、少なくとも3ヵ月、または個体の生活を通じて必要な限り継続してもよい。本発明のいくつかの実施態様において、上記のPC製剤の投与により、少なくとも25%のクオリティオブライフ指数スコア改善、少なくとも25%の組織学的指数低下、少なくとも25%の内視鏡的活動指数改善、少なくとも25%の臨床的活動指数改善、またはいくつかの場合、臨床的に活動性の潰瘍性大腸炎の停止を生じることができる。
本発明の他の実施態様は、5−ASA難治性またはステロイド難治性の潰瘍性大腸炎を有すると確認された個体において潰瘍性大腸炎の少なくとも1つの症状を改善するための特定のホスファチジルコリン(PC)の製剤に関する。
上記の製剤の特定の実施態様において、ホスファチジルコリン生成物(PC)は、経口投与のための遅延放出製剤として製剤化してもよく、ここでは、遅延放出はpH依存性でないが、しかし、時間依存性であり、例えば経口投与後の3〜4時間後にしかPCを放出しない。G. Fiorino(Current Medicinal Chemistry, 2010, 17, 1851-1857)は、メサラジン(Mesalazine)のためのこのようなタイプのコーティングを記載している。また、L.F.A. Asgharは、結腸を対象とする薬物のための多粒子製剤を記載している(J. Pharm Pharmaceut. Sci, 9 (3), 327-338; 2006)。
遅延放出による経口製剤は、ペレット(または核)を含有するホスファチジルコリンを、胃耐酸性であり、かつpH依存性のやり方でホスファチジルコリンを腸、例えば下部回腸または結腸に放出する、1つまたはいくつかのポリマー層でコーティングすることによって製造することができる。好ましい実施態様において、オイドラギット(Eudragit)(登録商標)のようなpH依存性遅延放出ポリマーを含む、またはからなる1つまたは2つの層を、PC含有コア上に適用する。特に、オイドラギット(登録商標)L30−55および/またはオイドラギット(登録商標)Sを用いてホスファチジルコリン−ペレット(またはコア)をコーティングする。いくつかの実施態様において、外側のコーティングは、オイドラギット(登録商標)L30−55および/またはオイドラギット(登録商標)L30Dを含む。
経口pH依存性遅延放出製剤は、例えば、ペレット剤、顆粒剤、カプセル剤または錠剤として製造することができる。結腸を標的とするいくつかの薬物製剤は、M.K. Chourasia(J. Pharm. Pharmaceut. Sci 6(1); 33-66; 2003)によって記載された。本発明による製剤は、結合剤、希釈剤、担体物質、流動化剤、顔料、崩壊剤、抗酸化剤、矯味矯臭剤、甘味剤、着色剤、乳白剤、抗接着剤、保存剤、滑剤、滑沢剤、吸収剤および絶縁層形成剤(isolating-layer forming agents)を含む通常の薬学的賦形剤をさらに含有することができる。
本発明の好ましい実施態様において、ホスファチジルコリン(PC)を含むpH依存性遅延放出ペレット剤(または顆粒剤)を保持する、例えば2〜10gのPCペレット剤を含有する、サシェ(または他の容器)が提供される。
別の実施態様では、式(I)のホスファチジルコリンをゼラチンカプセル中に高体積で詰め込む。次いで、ゼラチンカプセルを、pH依存性遅延放出のためのオイドラギット(登録商標)または別のアクリレートもしくはメタクリレートポリマーの少なくとも1つの層でコーティングする。これらのカプセル剤は、しばしば、賦形剤に関して、例えば記載されたペレット剤よりもより多量のPCを包含する(例えば65%〜35質量%)。
上記の製剤の有効性は、当分野で知られている潰瘍性大腸炎の重症度の評価に関する指数を用いて、治療した個体をモニタリングすることによって評価することができる。これらの指数には、臨床的活動指数(CAI)、内視鏡的活動指数(EAI)、組織学的指数(HI)、単純臨床的大腸炎活動指数(Simple Clinical Colitis Activity Index)(SCCAI)、メイヨースコア(Mayo Score)およびライフクオリティ指数(LQIまたはIBDQ−D)が含まれるが、それらに限定されるわけではない。当業者は、潰瘍性大腸炎の進行および/または治療の有効性を評価するために用いられる一般的な診断法としてこのような指数を知っている。
単純臨床的大腸炎活性指数(SCCAI)では、日中および夜間の排便の回数、便意切迫、大便中の目に見える血液の存在、全般的な健康問題、腹痛、および腸管外の症状を検討することによって臨床活動を記録する。このスコアでは、主に内視鏡的活動と関連づけることが示された潰瘍性大腸炎の臨床活動を検討する。それは、研究者が患者と面談する、または患者が疾患についての質問を含むアンケートに記入することによって実施することができる。
メイヨースコア(Mayo Score)は、メイヨークリニックスコア(Mayo Clinic Score)または疾患活動性指数としても知られており、潰瘍性大腸炎の評価のための知られている手段である。それは、4つの項目:大便回数、直腸出血、粘膜外観、および医師の総合的な評価(PGA)からなる。スコアは、0点から12点の範囲である。何年もの使用にわたって、この知られているスコアは、最新の医学知識に合わせて修正されてきた。この「改変メイヨースコア(modified Mayo Score)」は、他の臨床研究ですでに用いられており、そして潰瘍性大腸炎の変化に関する信頼できる手段であることが示された。潰瘍性大腸炎を患っている患者のクオリティオブライフ(QOL)は、炎症性腸疾患アンケート(IBDQ)によって評価することができる。
潰瘍性大腸炎治療のために記載された製剤の性能は、生化学的方法によって評価することもできる。カルシウム結合S100タンパク質ファミリーに属する、2つの特異的バイオマーカー、カルプロテクチンおよびS100A12は、細胞ストレスの条件下で活性化された、または損傷した細胞によって組織特異的に放出され、したがって、炎症活動の信頼できる非侵襲性マーカーとなる。2つの食細胞特異タンパク質S100A8およびS100A9の複合体であるカルプロテクチンは、炎症活動および治療反応を評価するために臨床試験で用いることができる。カルプロテクチンは、炎症性腸疾患の臨床的および内視鏡的活動性とかなり関連があるということを見いだすことができた。それは、粘膜治癒の信頼できる代用マーカーおよび臨床的に鎮静期潰瘍性大腸炎の再発の予測因子でもある。第2のバイオマーカー、S100A12は、カルプロテクチンよりも診断精度が一層良好であり、そして粘膜炎症に対する相関性が高い。
記載された製剤のいくつかの実施態様において、5−ASA難治性の潰瘍性大腸炎を有する個体へのホスファチジルコリン生成物(PC)の投与は、少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%または100%の内視鏡的活動指数(EAI)の改善を生じる。
本明細書に記載された製剤のいくつかの実施態様において、5−ASA難治性の潰瘍性大腸炎を有する個体への式(I)のホスファチジルコリン生成物の投与は、少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%または100%の組織学的指数の低下を生じる。
本明細書に記載された製剤のいくつかの実施態様において、5−ASA難治性の潰瘍性大腸炎を有する個体へのホスファチジルコリン生成物の投与は、少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%または100%の臨床的活動指数の改善を生じる。
本明細書に記載された製剤のいくつかの実施態様において、5−ASA難治性の潰瘍性大腸炎を有する個体へのホスファチジルコリンの投与は、少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%または100%のクオリティオブライフ指数の改善を生じる。
式(I)のホスファチジルコリン生成物(PC)、例えば、以下の量の脂肪酸(PC中の脂肪酸の総量の質量パーセントで):
62〜66 リノール酸
12〜15 パルミチン酸
>10〜12 オレイン酸
05〜07 リノレン酸
02〜04 ステアリン酸
を含有する(または本質的に、それらからなる)ものは、高純度で大量(例えば100キログラム)に、容易に製造することができる。発明を特許請求の範囲および以下の実施例によってさらに説明する。
〔実施例1a〕(ペレット剤としてのPCの製剤)
27質量%の式(I)の特定のホスファチジルコリン生成物(PC)を含有し、以下の量の脂肪酸(PC中の脂肪酸の総量の質量パーセントで):
64 リノール酸
14 パルミチン酸
11 オレイン酸
06 リノレン酸
04 ステアリン酸
01 他のC14〜C22脂肪酸
を含有する、ペレット剤(直径0.5〜1.8mm)の形態で医薬製剤を製造する。
このホスファチジルコリン生成物(PC)は、高純度を有し、そして0.1%未満の(PE)および(PI)を含有する。このPC生成物は、化学的製造によって、または前に記載された方法によってダイズレシチンから得ることができ、そして以下の賦形剤を、以下の割合(質量パーセント)で用いて製剤化され、ここで、第1に記載された成分をPCペレット(コア)の調製に用い、そして第2に記載された賦形剤を遅延放出層に用いた:
A)PCコアに関して:
26.96 PC(少量のα−トコフェロールを含む)
0.03 パルミチン酸アスコルビル(抗酸化剤)および/またはα−トコフェロール
34.09 微結晶性セルロース(アビセル(Avicel)(登録商標)PH102;結合剤)
4.88 コロイド状水和シリカ(シロイド(Syloid)(登録商標)244FP;結合剤)
1,39 コロイド状無水シリカ(Carb−O−Sil M5P;崩壊剤)
2.08 クロスカルメロースナトリウム(Ac−di−Sol;崩壊剤)。
B)コーティングに関して:
1.21 ヒドロキシプロピル−メチル−セルロース(ヒプロメロース、ファーマコート606)
0.05 ポリエチレングリコール(マクロゴール6000;可塑剤)
2.68 タルク(抗粘着剤)
24.16 オイドラギット(登録商標)L 30 D−55(被膜形成剤)
2.47 トリエチルシトレート(可塑剤)。
コアのホスファチジルコリン生成物(PC)は、少なくとも97%のアセトン不溶性物質を含有する。ペレット剤のコアは、高度に精製された形態で上記のホスファチジルコリンを含有する(0.1質量%未満のホスファチジルエタノールアミンおよび0.1質量%未満のホスファチジルイノシトールを有する)。経口的に適用されるべきホスファチジルコリン製剤を製造するには、ペレット剤を、アクリレート−コポリマー、オイドラギット(登録商標)L30−55の層で被覆し、それにより小腸内のpH>5.5で遅延放出が保証される。0.5〜1.4mm(直径)のサイズを有するペレット剤をヒプロメロース含有層で予め絶縁し、続いて、メタクリル酸およびエチル−アクリレートポリマーをベースとするアニオンコポリマー(オイドラギット(登録商標)L30−55)でコーティングする。最終的なコーティングペレット剤は、最大1.8mmの直径を有する。
〔実施例1b〕(ベルムペレット剤(C103)およびプラセボペレット剤(C104)のバッチ製造)
製剤は、例えば、以下のような技術範囲で製造することができる:
Figure 2016516087
〔実施例2〕(PCの放出および安定性)
実施例1による特定のホスファチジルコリン生成物(PC)を含有するペレット剤をさまざまな条件下で安定性に関して試験した。酸性条件下(pH1.0;0.1N HCl)でのPCの放出は、120分後に10質量%未満であった。ph6.0でさらに60分後、およびpH7.2でさらに60分後、全3つの試験媒体上での放出は、75質量%を超えた。
実施例1の腸溶コーティングペレット剤をサシェに詰め込み、そして古典的な安定性研究で試験した。合格基準は、アッセイPC(公称値との比較)の90〜110%および最大5%リゾ(Lyso)PC(PCとの比較)として定義された。
得られた製剤の第1のバッチを、36ヵ月の冷却貯蔵(5℃、プラス/マイナス3℃)後に試験し、ペレット剤は安定であることが見いだされた。以下の試験結果が見いだされた:(アッセイPC(公称値と比べて)=96%およびリゾ−PC(PCと比べて)=3.35%。
別のバッチでは、室温(25℃プラス/マイナス2℃)で12ヵ月の貯蔵を通して、ペレット剤が安定であることが見いだされた。12ヵ月後、重要なパラメータPC含量およびその主要分解産物としてリゾPCに関して、以下の試験結果が見いだされた:アッセイPC(公称値との比較)=97%およびリゾPC(PCとの比較)=4.97%
知られている遅延放出ホスファチジルコリン製剤(Stremmelら)は、著しく安定性が劣ることが見いだされた。冷却貯蔵(5℃、プラス/マイナス3℃)で4ヵ月後、顆粒剤は、リゾPC(PCと比べて)=13%の含量を示した。室温(25℃プラス/マイナス2℃)で3および6ヵ月の貯蔵後、以下の範囲の試験結果:アッセイPC(初期値との比較)97.8〜85.9%の間およびリゾPC(PCとの比較)9.6〜14.0%の間が見いだされた。
〔実施例3〕(薬理学的試験)
メサラジン難治性の潰瘍性大腸炎における調節放出PCの有効性および安全性を示すため、実施例1の特定のホスファチジルコリン生成物(PC)を含有するペレット剤を潰瘍性大腸炎の患者において試験した。多施設第IIb相試験において、156名の患者を含む、プラセボ対照平行群4群デザインを用いた。4つの独立した無作為化された群において、プラセボならびにPC0.8g、1.6gおよび3.2gの日用量を適用した。
1つのサシェ中に含有されたペレット剤を、水と共に、または投与直前に水、ジュース、ミルク、もしくはヨーグルトと混合した後、1日4回経口的に摂取することにした。遅延放出コーティングペレット剤として、すべての用量濃度に関して実施例1の製剤を用いた。1用量単位(サシェ)のペレット剤の量は、ペレット剤約3.2gであった。
最も高いPC用量濃度では、サシェはベルムペレット剤のみを含有し、より低い用量は、サシェに充填する前にベルムペレット剤とプラセボペレット剤(PC生成物の代わりに充填賦形剤としてクロスポビドンおよびジャガイモデンプンを含有する)とを混合することによって得られるが、PCプラセボサシェは、単にプラセボペレット剤のみを含有する。充填質量は、すべてのPC製剤に関して同一であった。
特定のホスファチジルコリン生成物(PC)またはプラセボで治療されたすべての患者は、試験開始前に本研究に関する書面によるインフォームドコンセントを提出した。本研究は、全般的な適格性に関するスクリーニング来院により開始し、そして潰瘍性大腸炎のベースライン活動性(SCCAIによる)およびすべての他の組み入れ/除外基準によるコンプライアンスを決定するのに適した1週間後に無作為化を行った。すべての基準を満たした患者は、同じ日に治療を開始し、そして二重盲検方式で12週間すべて一緒にPC投薬を受けた。
12週の治療期間には、2回の中間的な研究来院および治療終了時の来院が含まれる。12週の治療を完全に終了し、治療終了時の来院で部分または完全寛解に進んだ患者を、次いで、さらに8週間、または再発が起こるまで追跡調査した。少なくとも1回のPC研究投薬を受けたすべての患者について治療終了4週間後に、電話による安全性の問診(Safety Telephone Visit)を実施した。
実施例1に記載されたPCの有効性および安全性を示すため、第IIB相臨床研究を実施した。本研究中、本研究に入る少なくとも4週間前に安定用量として定義されたベースライン値が続く場合、特定の大腸炎関連の併用薬投与が可能であった。したがって、患者の一部は、本研究中、メサラジンまたはスルファサラジン(5−ASA)を受けた。さらに、患者は、ステロイドおよびアザチオプリンのような免疫抑制剤による併用薬投与も可能であった。臨床データは、PCの毎日の経口投与が、潰瘍性大腸炎患者において忍容性が高く、かつ臨床的に有効であることを示す。本特定の製剤は、潰瘍性大腸炎において以前の研究で用いられた以前のホスファチジルコリン製剤よりも有効であることが見いだされた。
本研究の1つの重要な結果は、すべての研究群における全体的に大きな治療効果であった。驚くべきことに、予め指定された生物測定分析手法による3.2g/日のPC用量群における治療効果は、プラセボよりもかなり高い治療効果が導かれた。
3.2g/日のPC群における疾患活動性は、プラセボ群による3.0点と比較して、4.3点低下しており、プラセボよりも統計的に有意な治療効果と解釈される(0.0298のp値で)。PC治療群では、プラセボと比較して寛解率がより高かった。患者の15%しか寛解に進行しなかったプラセボ群と比較して、3.2gのPC/日の用量で完全または部分寛解(それは、患者の臨床状態が正常または正常に近かったことを意味する)に進行している患者の数は、30%であった。
さらなる分析は、本研究中に可能であった潰瘍性大腸炎の併用薬投与は、臨床結果に影響を及ぼすたようであることを示した。
特に、5ASA(例えばメサラジン)による併用治療をしない患者群は、反応に関する臨床的エンドポイント(臨床的スコア、内視鏡検査、組織学)において実質的に有益であった。また、プラセボを受けている患者の10%の奏効率と比較して、3.2g/日のPCの最高用量で60%に達した寛解率に関しても同様である。C反応性タンパク質(CRP)と呼ばれる炎症活動性の標準マーカーは高く、ベースライン時のすべての患者において病理学的範囲にあったことは注目に値する。治療終了後、PC治療を受けているすべての患者では、プラセボを受けている患者と比較したとき、この実験室パラメータにおける著しい改善があり、PC治療によって生じる炎症活動性の減少を示している。
PC治療を受けている潰瘍性大腸炎患者の臨床状態の改善におけるこれらの優れた結果の他に、この製剤の副作用プロファイルが非常に良好であったことは非常に印象的である。なんら用量に関連した安全性上の知見(バイタルサイン、身体検査、安全性検査)は、なかった。臨床データは、実施例1に記載されたPCの毎日の経口投与が、潰瘍性大腸炎の患者において忍容性が高く、かつ臨床的に有効であることを示している。本特定の製剤は、潰瘍性大腸炎の治療において非常に有効であることが見いだされた。記載された製剤は、以前の研究に用いられた以前のホスファチジルコリン製剤よりも少ない副作用およびより良好な安定性プロファイルを示した。
〔実施例4〕(カプセル剤としてPCの製剤)
標準の商業的に入手可能な硬ゼラチンカプセル剤(標準サイズ0〜4)を用いることによって、活性成分として実施例1の特定のPCを含有する第2の放出制御製剤として、カプセル剤を製剤化する。
これらに、実施例1のホスファチジルコリン生成物と油性賦形剤(65%PC/35%賦形剤の質量比のミグリオール812)との混合物、または実施例1のホスファチジルコリン生成物(65質量%)とツウィーン80(17.5質量%)とミグリオール(17.5質量%)との混合物のいずれかを充填する。潰瘍性大腸炎治療の遅延放出製剤を提供するため、これらのゼラチンカプセルを、メタクリル酸およびエチル−アクリレートをベースとするアニオンポリマーの層(例えば、上記の生成物オイドラギット(登録商標))でコーティングする。
〔実施例5〕(技術的製造方法)
Figure 2016516087
ステップ3aで出発して、ベルムバルクペレット剤(C103)、本発明による製剤、
およびプラセボバルクペレット剤(C104)の製造方法は、同一である。以下の製造装置を適用した:
Figure 2016516087
製造操作は、GMP規則に従って実施される。製造方法は、以下の従来のステップ:造粒溶媒の調製、造粒、押出および球体化、乾燥、分級およびフィルムコーティングからなる。続いて、2.5%タルクを添加した後、ベルムバルクペレット剤(C103)またはプラセボバルクペレット剤(C104)とタルクとの配合を実施してサシェ充填に適した最終的なペレット混合物を得る。
PC生成物を、温水(40℃〜50℃)中のステンレス鋼容器中で分散させ、所定の時間撹拌した。その後、パルミチン酸アスコルビルを加え、そして撹拌を継続する。生成した分散液を造粒溶液として用いる。
微結晶性セルロース、コロイド状水和シリカ、コロイド状二酸化ケイ素およびクロスカルメロース−ナトリウムの混合物をジオスナ(Diosna)中に入れ、そして混合する。その後、造粒溶液を加え、そして混合を継続する。この製造ステップでの溶液の放置時間は、12時間に制限される。造粒後、顆粒をステンレス鋼容器に移す。
顆粒を押出機に移し、ここで、第1のステップで、押出およびその後の球体化を行う。生成したペレットを流動床乾燥機で乾燥して残留湿分を低減する。直径1.40mmより大きなペレットおよび0.50mmより小さなペレットを除去するために乾燥ペレットをふるいにかける。0.50と1.40mmの間のペレットサイズを有する生成画分の収量を決定する。ふるい分けの後、ペレットはさらなる処理まで2〜8℃の間に保存する。ペレットのサイズ分布は、ふるい分析を介して決定され、結果が報告される。
ペレット用のフィルムコーティング溶液を調製するため、ヒプロメロースおよびポリエチレングリコール6000を精製水中に入れ、撹拌する。その後、タルクは加え、そして撹拌を継続する。ペレットを、流動床フィルムコーティングによって絶縁ラッカーでコーティングする。
ふるいを介して、オイドラギット(登録商標)L30D−55をブレード撹拌機容器中に入れる。常に撹拌しながら、クエン酸トリエチルを加え、続いて精製水を加え、そして撹拌を適当に継続する。最後に、タルクを加え、そして生成したコーティング溶液の撹拌をさらに継続する。次いで、予め絶縁されたペレットを、流動床フィルムコーティングによって胃液耐性ラッカーでコーティングする。
ベルムまたはプラセボペレットに、バルクペレット質量に関して2.5%のタルクを加え、そしてバルクペレットの静電帯電を克服するために配合を実施する。
放出に対する最終的な混合物の試験を描画しているサンプルの後に、バルクペレット混合物を、ポリエチレンバッグ、乾燥バッグ、遮光バッグおよび13Lクルテクス(curtecs)中に詰め込む。容器当たりの量を決定する。ペレットバルク混合物を2℃と8℃の間に保存する。
バルクペレット混合物をサシェ充填の開始前の1時間、室温であらかじめ調整する。続いて、窒素フラッシングしながらベルム製剤のサシェ当たり800mgのPCの理論量に相当する、本発明の製剤およびプラセボサシェに関する同一の目標充填質量で混合物をサシェに充填する。
ここで、サシェの目標充填質量は、製造に用いられるAPIバッチPC生成物のPC含量および水分含量を考慮して、ペレット混合物の理論的なPC含量に基づいて算出される。
これらの実験によってわかるように、本発明は、特定のホスファチジルコリン生成物を用いることによる、そしてまた、改善された賦形剤を有する新たな製剤を用いることによる潰瘍性大腸炎の治療のための製剤に関する。予想外なことに、94%を超えるPCのより高い純度および例えば、PC対オイドラギット(登録商標)の高い比率(例えば3:1)を有することによって製剤の安定性を高めることができ、かつその投薬では、知られているPF製剤の鼓腸のような副作用がより少なかった。

Claims (16)

  1. 医薬製剤であって、式(I)、
    Figure 2016516087
    (式中、
    1は、12〜24個の炭素原子を有する飽和または不飽和脂肪酸の残基であり、そしてR2は、12〜24個の炭素原子を有する飽和または不飽和脂肪酸の残基である)の少なくとも1つのホスファチジルコリン生成物(PC)を含み、そして該ホスファチジルコリン生成物(PC)が、以下の量の脂肪酸(PC中の脂肪酸の総量の質量パーセントで):
    55〜72 リノール酸
    10〜18 パルミチン酸
    07〜15 オレイン酸
    02〜08 リノレン酸
    02〜08 ステアリン酸
    および該ホスファチジルコリン生成物(PC)の遅延放出のための少なくとも1つの薬学的に許容しうる賦形剤を含有し、
    該ホスファチジルコリン生成物(PC)が、製剤のすべての脂質/リン脂質成分の少なくとも94質量%となる医薬製剤。
  2. 請求項1に記載の医薬製剤であって、式(I)(式中、R1は、14〜20個の炭素原子を有する飽和または不飽和脂肪酸の残基であり、そしてR2は、14〜20個の炭素原子を有する飽和または不飽和脂肪酸の残基である)の少なくとも1つのホスファチジルコリン生成物(PC)を含み、そして該ホスファチジルコリン生成物(PC)が、以下の量の脂肪酸(PC中の脂肪酸の総量の質量パーセントで):
    59〜70 リノール酸
    12〜17 パルミチン酸
    07〜15 オレイン酸
    03〜07 リノレン酸
    02〜05 ステアリン酸
    および少なくとも1つの薬学的に許容しうる賦形剤を含有し、該医薬製剤が、腸内に少なくとも50質量%、特に少なくとも70質量%の該ホスファチジルコリン生成物(PC)を放出する医薬製剤。
  3. 前記医薬製剤が式(I)の少なくとも1つのホスファチジルコリン生成物(PC)を含み、78質量%を超える、特に80質量%を超える脂肪酸残基R1およびR2が、18個の炭素原子を有する不飽和脂肪酸である、請求項1または請求項2に記載の医薬製剤。
  4. 前記医薬製剤が、ホスファチジルコリン生成物(PC)および胃酸耐性のある腸溶性ポリマーコーティングの少なくとも1つの層を含む、腸溶コーティングペレット、腸溶コーティングカプセル、腸溶コーティング顆粒または腸溶コーティング錠を含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載の医薬製剤。
  5. 腸溶性ポリマーコーティングとホスファチジルコリン生成物(PC)との質量比が、3:1から1:3までであり、そしてPCが多単位剤形である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の医薬製剤。
  6. 厚さ10〜500マイクロメートルの腸溶性ポリマーコーティングを有する、腸溶コーティングペレット、腸溶コーティングカプセル、腸溶コーティング顆粒または腸溶コーティング錠を含む、請求項1〜5のいずれか1項に記載の医薬製剤。
  7. 少なくとも120分間、胃酸(pH1)に耐性であるが、pH5.5またはそれ以上で120分以内にホスファチジルコリン生成物(PC)の少なくとも80%が製剤から放出可能である、腸溶性ポリマーコーティングによって保護されたホスファチジルコリン生成物(PC)を含む、請求項1〜6のいずれか1項に記載の医薬製剤。
  8. アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸エステルおよびメタクリル酸エステルのホモポリマーおよびコポリマーの群からの少なくとも1つの腸溶性ポリマーによる少なくとも1つのコーティングを含む、請求項1〜7のいずれか1項に記載の医薬製剤。
  9. 20〜30質量%の式(I)のホスファチジルコリン生成物(PC)および70〜80質量%の賦形剤を含む、請求項1〜8のいずれか1項に記載の医薬製剤。
  10. 冷却貯蔵(5℃プラス/マイナス3℃)で36ヵ月後、少なくとも95質量%のアッセイPC(公称値との比較)および5質量%未満のリゾPC(PCとの比較)の量を特徴とする、長期安定性を有する、請求項1〜9のいずれか1項に記載の医薬製剤。
  11. 式(I)の少なくとも1つのホスファチジルコリン生成物(PC)を含有する、ペレットまたはカプセルまたは顆粒または錠を調製するステップと、次いでペレットまたはカプセルまたは顆粒または錠に少なくとも1つの腸溶性ポリマーコーティングの少なくとも1つの層を設けるステップとを含む、請求項1〜10のいずれか1項に記載の医薬製剤を製造する方法。
  12. 以下からの状態または疾患:潰瘍性大腸炎、クローン病、空置性大腸炎、感染性腸炎、感染性大腸炎、放射線照射による炎症および化学療法または化学物質による炎症の治療または予防のための、特に5−ASA難治性の患者における潰瘍性大腸炎の治療のための請求項1〜10のいずれか1項に記載の製剤。
  13. 潰瘍性大腸炎、クローン病または5−ASA難治性もしくはステロイド難治性の患者における潰瘍性大腸炎の治療または予防のための請求項12に記載の製剤。
  14. 5−ASA難治性の患者における潰瘍性大腸炎の治療または予防のための請求項12または13に記載の製剤であって、1日当たり式(I)のホスファチジルコリン生成物(PC)0.5〜8g、特に2〜6gの用量が適用される製剤。
  15. 5−ASA難治性の患者における潰瘍性大腸炎の治療または予防のための請求項12〜14のいずれか1項に記載の製剤であって、式(I)のホスファチジルコリン生成物(PC)の日用量が1日当たり2もしくは3回または4回適用される製剤。
  16. 5−ASA難治性の患者における潰瘍性大腸炎の治療のための請求項12〜15のいずれか1項に記載の製剤であって、式(I)のホスファチジルコリン生成物(PC)0.5〜8gの日用量が、単回投与容器中のPC含有ペレット剤の形態で適用される製剤。
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