JP2016515926A - 水溶液からのクロラミン及び水銀の除去 - Google Patents

水溶液からのクロラミン及び水銀の除去 Download PDF

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Abstract

水溶液から水銀を除去する方法であって、クロラミン及び水銀を含む水溶液を準備する工程と、水溶液を、少なくとも1.5質量%のイオウを含む多孔質炭素基材を含む媒体と接触させる工程と、を含む方法が、本明細書において開示される。

Description

クロラミン及び水銀の両方を水溶液から除去するための能力を備える材料を含む濾過媒体が、除去の方法と共に記述される。
現在入手可能な濾過媒体よりも、クロラミン及び水銀の除去のために費用がかからず、より効率的な、及び/又は高い処理能力を有する濾過媒体を提供することが望まれている。いくつかの例では、水性流と濾過床との間の高い処理量及び短い接触時間を必要とする用途において有効に使用することができる濾過媒体を特定することが望ましい。
一態様では、水溶液からクロラミン及び水銀を除去する方法であって、クロラミン及び水銀を含む水溶液を準備する工程と、水溶液を、多孔質炭素基材を含む媒体と接触させる工程と、を含み、多孔質炭素基材が、少なくとも1.5質量%のイオウを含む、方法が提供される。
別の態様では、水溶液から水銀を除去する方法が提供され、該方法は、少なくとも0.5ppmのクロラミンと水銀とを含む水溶液を、少なくとも1.5質量%のイオウを有する多孔質炭素基材を含む媒体と接触させる工程と、溶出液を回収する工程とを、含み、溶出液が、0.1ppm未満のクロラミンを含む。
更に別の実施形態では、(i)炭素質の固体の表面と、(ii)イオウを含む反応物質化合物との熱処理によって作製された媒体を準備する工程と、この媒体をクロラミン及び水銀を含む水溶液に接触させる工程と、を含む方法が提供され、媒体との接触後に、水溶液は、減少した量のクロラミンと、減少した量の水銀とを有する。
上記の概要は、それぞれの実施形態を説明することを目的とするものではない。本発明の1つ以上の実施形態の詳細を、以下の説明文においても記載する。他の特徴、目的、及び利点は、説明文及び特許請求の範囲から明らかとなるであろう。
比較例A及び実施例1を使用して処理されたガロンに対する流出液中のクロラミンの量のチャートである。 二重に実施された実施例2を使用して処理されたガロンに対する流出液中の水銀の量のチャートである。 二重に実施された比較例Bを使用して処理されたガロンに対する流出液中の水銀の量のチャートである。
本明細書では以下の用語を使用する。
「a」、「an」、及び「the」は互換可能に使用され、1又はそれよりも多くを意味する。
「及び/又は」は、記載される事例の一方又は両方が起こり得ることを示すために使用され、例えば、A及び/又はBは、(A及びB)と(A又はB)とを含む。
本明細書においては更に、端点による範囲の記載には、その範囲内に含まれる全ての数値が含まれる(例えば、1〜10には、1.4、1.9、2.33、5.75、9.98等が含まれる)。
本明細書においては更に、「少なくとも1」の記載には、1以上の全ての数値が含まれる(例えば、少なくとも2、少なくとも4、少なくとも6、少なくとも8、少なくとも10、少なくとも25、少なくとも50、少なくとも100等)。
都市用水道水は、精製又は処理され、ヒトの消費に安全であると認められる水を生成する。物理的(例えば、濾過、蒸留)、生物学的(例えば、緩速濾過池)、及び化学的プロセス(例えば、塩素処理)は全て、一定基準を満たす水を提供するために使用され得る。クロラミンは、現在、遊離塩素による塩素消毒に代わる二次的な消毒剤として、都市用水配水システムにおいて、低濃度で一般的に使用されている。しかしながら、クロラミンにより処理された水の味と臭いに関する懸念に伴い、クロラミン除去能を有する濾水器の需要が増大した。
触媒活性を有する多くの活性炭粒子が、クロラミンを水溶液流から除去するために使用されてきた。例えば、米国特許第5,338,458号(Carrubbaら)は、ガス又は液体媒体と、触媒活性な炭素質チャーとを接触させることにより、その媒体からクロラミンを除去する、改良されたプロセスを開示している。米国特許第6,699,393号(Bakerら)は、触媒活性な炭素質チャーに対して改良された、窒素含有分子の存在下で熱分解された活性炭に流体流が接触した場合の、流体流からのクロラミン除去を記載している。国際公開第2011/125504号(Hitomiら)は、クロラミンを有効に分解するといわれる、1.40〜4.30質量%の酸素、0.90〜2.30質量%の窒素、0.05〜1.20質量%のイオウ、及び0.40〜0.65質量%の水素を含有する、高触媒活性を有する活性炭を開示している。Hitomiらは、これらの元素の量があまりに高い場合には、活性炭の触媒活性は減少することになることを開示している。
最近、本出願者は、現在入手可能な濾過媒体よりも費用がかからずに、及び/又はより効率的にクロラミンを除去する炭素系濾過媒体を発見した。更に、この濾過媒体は、濾過床において短い接触時間を有する、高処理量用途において有効に使用され得る。
これらの媒体は、現在、クロラミンの除去に加えて、水溶液流中の他の汚染物質(水銀など)を除去するように調整されて、単一濾過媒体で複数種類の不純物(この場合、クロラミン及び水銀)を除去できるようになることが見出されている。
特定の望ましくない金属化合物は、上水道中に見出される汚染物質であり得、これら(例えば、水銀)は除去されることが望ましい。典型的には、これらの望ましくない金属化合物は、微量で(例えば、数10億分率(ppb)から数百ppb)存在する。従来的には、Graver Technologies,LLC,Glasgow,DEより商品名「METSORB HMRP」で入手可能なもの、又はBASF Corp.,Florham Park,NJより商品名「ATS」で入手可能なものなどの金属除去剤を濾過媒体に添加することによって、望ましくない金属は、上水道中で低減されている。しかしながら、これらの除去剤は高価であり得、これらは、クロラミン、塩素、及び/又は有機化合物などの、水中に存在し得る他の汚染物質の除去に寄与しない。更に、使用されるこれらの金属除去剤の量は、典型的には、水銀に対しての処理能力に基づき、なぜなら、水銀は除去することがより困難な金属であり、これは大きな懸念となる汚染物質であるためである。
したがって、クロラミン及び水銀の両方を除去することができる媒体を有したいという要望がある。本開示の目的は、こうした媒体を提供することであり、好ましくは、クロラミン及び水銀の両方を除去する高処理能力を有する媒体を提供することである。
本開示において、イオウを含む反応物質化合物及び炭素基材を、熱処理に接触させかつ曝露させて、本開示の濾過媒体を形成する。
反応物質化合物
本開示の濾過媒体を調製するために使用される反応物質化合物は、イオウを含む。ある実施形態において、反応物質化合物は、イオウ含有反応物質化合物又はイオウ及び窒素含有反応物質化合物である。本明細書で使用するとき、イオウ含有反応物質化合物は、元素イオウを含み得る、イオウを含有する任意の反応物質を指す。一実施形態において、反応物質化合物は、金属塩を含まない。
一実施形態において、この反応物質化合物は、800、600、500、400、又は更には200グラム/モルを超える分子量を有する。一実施形態において、この反応物質化合物は、少なくとも32、50、又は更には100グラム/モルの分子量を有する。化合物の分子量は、使用される炭素基材の性質に対して適切である必要がある。
イオウ含有反応物質化合物
その全体が参照により本明細書に組み込まれる、国際特許出願第US2012/052502号は、炭素基材で熱処理される、元素イオウ、SO、SOCl、SOCl、CS、COS、HS、及び硫化エチレン並びにエポキシドのイオウ類似体などのイオウ含有化合物の使用を開示している。
イオウ及び窒素含有反応物質化合物
米国仮特許出願第61/699324号(2012年9月11日出願、その全体が参照により本明細書に組み込まれる)は、イオウ及び窒素含有塩の使用を開示している。一実施形態では、反応物質化合物は塩であり、これは式[C]+y [A]−x によって表され、式中、[C]はカチオンであり、[A]はアニオンであり、x及びyは、独立して少なくとも1である。これらの塩は、少なくとも1つのイオウ原子と少なくとも1つの窒素原子とを含む。
一実施形態において、カチオン[C]は、窒素含有塩基の共役酸であり、少なくとも1つの窒素原子を含有する。例示のカチオンとしては、アンモニウム及びそのアルキル化若しくはアリール化誘導体(例えば、(NH、(NHCH等)、グアニジニウム、イミダゾリウム、モルフォリニウム、アニリニウム、チオモルフォリニウム、ピリジニウム、並びにこれらの組み合わせが挙げられる。別の実施形態において、カチオン[C]は、少なくとも1つのイオウ原子を含有する。例示のカチオンとしては、トリメチルスルホニウム、トリメチルスルホキソニウム、及びこれらの組み合わせが挙げられる。更に別の実施形態において、カチオン[C]は、少なくとも1つのイオウ原子と少なくとも1つの窒素原子とを含有する。例示のカチオンは、フェノチアジニウムを含む。
一実施形態において、アニオン[A]は、少なくとも1つのイオウ原子を含有する。例示のアニオンとしては、スルフェート、ビスルフェート、サルファイト、ビスルフェート、ポリスルフィド、スルファメート、ポリチオネート[すなわち、Sx(SO 2−]、及びこれらの組み合わせが挙げられる。別の実施形態において、アニオン[A]は、少なくとも1つの窒素原子を含有する。例示のアニオンとしては、シアネート、グアニジン、イミダゾール、ピリジン、トリアゾール、及びこれらの組み合わせが挙げられる。更に別の実施形態において、アニオン[A]は、少なくとも1つのイオウ原子と少なくとも1つの窒素原子とを含有する。例示のアニオンとしては、チオスルフェート、チオシアネート、及びこれらの組み合わせが挙げられる。
一実施形態において、塩[C]+y [A]−x は、塩を含有する金属、例えば、チオシアン酸カリウム又はチオシアン酸ナトリウムであり得る。
別の実施形態において、イオウ及び窒素の両方を含有する反応物質化合物は、塩ではない。例示の反応物質化合物としては、チオモルフィリン、フェノチアジン、2−メルカプトピリジン、チオウレア、及びこれらの組み合わせが挙げられる。
追加化合物
炭素基材による熱処理において使用されるイオウ含有反応物質化合物並びに/又はイオウ及び窒素含有反応物質化合物に加えて、窒素含有反応物質化合物及び/又は酸素含有反応物質化合物などの追加の化合物が、本開示の媒体を得るために使用されてもよい。
一実施形態において、酸素もまた、イオウ含有反応物質化合物並びに/又はイオウ及び窒素含有反応物質化合物に加えて含まれてもよい。
一実施形態において、酸素もまた、イオウ含有反応物質化合物並びに/又はイオウ及び窒素含有反応物質化合物の一部であってもよい。
一実施形態において、炭素基材の表面は、酸素を含む。そのままの状態の炭素基材は、表面の炭素原子に付着した、化学的に有意な量の酸素を含んでいてもよい。例えば、X線光電子分光(XPS)分析によると、Mead Westvaco Corp,Richmond,VAより商品名「RGC」で入手可能な粒状の活性炭は、約2.9原子%の酸素を含有する。この酸素量は本開示にとっては十分な量としてもよいが、より多くの量の表面酸素が望ましい場合には、追加の酸素がその炭素基材に組み込まれてもよい。
一実施形態において、酸素は、イオウ及び/又は窒素含有反応物質化合物に曝される前に炭素基材に追加されてもよい。例えば、炭素基材は空気中で加熱することができ、又は硝酸水溶液、過硫酸アンモニウム水溶液、オゾン水溶液、過酸化水素水溶液、過マンガン酸カリウム水溶液、フェントン試薬、又はその他の公知の酸化剤で処理することができる。
別の実施形態において、追加の酸素は、空気又は水の存在下で、炭素基材とイオウ及び/又は窒素含有反応物質化合物との間で熱処理を行うことで、本開示の媒体に組み込むことができる。炭素の燃焼を防ぐために、使用される空気の量は制限されなければならない。追加の酸素は、水又は蒸気を加えることで供給されてもよく、この水又は蒸気は、加熱反応中に加えることができ、又は炭素基材の表面に存在していてもよい(例えば、水を化学吸着する高表面積の炭素質材料、特に親水性の酸化炭の場合)。酸素は、加熱反応中に、二原子酸素、二酸化イオウ、二酸化炭素、又はこれらの組み合わせの形態で追加されてもよい。
炭素基材とイオウ含有並びに/又はイオウ及び窒素含有反応物質化合物との熱処理中に酸素源を加える他に、一代替的実施形態において、熱処理は追加の酸素の非存在下で行われる。
炭素基材
炭素基材は、粒状の材料、粉末材料、繊維、チューブ、ウェブ又は発泡体であり得る。
炭素基材の形態は、特に限定されるものではないが、非粒子状、粒子状、又は凝集体状であってもよい。非粒子状炭素基材とは、識別可能な別々の粒子により構成されていない支持体である。粒子状炭素基材は、識別可能な粒子を有する支持体であり、この粒子は、球状又は不規則な形状(例えば、非球状、立方体、ファセット粒子、及び/又は他の幾何学的形状を含む)であってもよく、少なくとも0.1、1、5、10、20、又は更には40マイクロメートル(μm)から最大75μm、100μm、500μm、1ミリメートル(mm)、2mm、4mm、6.5mm、又は更には7mmの平均直径を有する。凝集体(又は複合体)は、より小さな粒子を互いに又はより大きな担体粒子若しくは表面と結合させる又は集塊させることによって、形成される。この凝集体は自立(重力に対し自己支持)していてもよい。
一般的に、炭素基材の形態は用途に基づき選択される。例えば、本開示の媒体が、低い圧力損失が要求される用途(例えば、気体又は液体を通過させる層)に使用される場合には、粒径の大きな粒子が望ましい。別の実施例では、炭素ブロックのモノリスで使用される場合は、20〜200μmの粒径が好ましい場合がある。
炭素基材の孔径は、その用途に応じて選択することができる。炭素基材は、ミクロ多孔質炭素(2ナノメートルよりも小さい孔幅を有する)、マクロ多孔質炭素(2〜50ナノメートルの孔幅を有する)、メソ多孔質炭素(50nmよりも大きい孔幅を有する)、又はこれらの混合物であり得る。
一実施形態において、炭素基材は活性炭、言い換えれば、高い表面積を持たせるように高多孔質(すなわち、単位体積あたり多数の孔を有すること)化処理を施された炭素により構成される。
一実施形態では、炭素基材は多孔質であることが好ましい。好ましくは、炭素基材は、高表面積を有する(BET(ブルナウアー−エメット−テラー法)窒素吸着に基づき、例えば少なくとも100、500、600、又は更には700m/g、及び最大で1000、1200、1400、1500、又は更には1800m/g)。高表面積は、活性炭基材などの高多孔質炭素基材を使用して利用可能となり得る。
活性炭は、種々の材料から生成され得るが、最も商業的に入手可能な活性炭は、泥炭、石炭、亜炭、木材、及びヤシガラから作られる。供給源に基づいて、炭素は異なる孔径、灰分、表面秩序、及び/又は不純物プロファイルを有し得る。例えば、ヤシガラ炭素は、主としてミクロ多孔質の孔径を有するが、一方木材系活性炭は、主としてメソ多孔質又はマクロ多孔質の孔径を有する。例えば、ヤシガラ系炭素及び木材系炭素は、典型的には、約3重量%未満の灰分を有するが、一方、石炭系炭素は、典型的には4〜10重量%又はそれ以上の灰分を有する。
一実施形態では、本開示で使用される多孔質炭素基材は、主としてミクロ多孔質であり、すなわち、炭素基材の孔の65、75、80、85、90、95、又は更には99%がミクロ多孔質であるが、孔の一部はミクロ多孔質よりも大きい場合がある。
市販の炭素基材としては、Mead Westvaco Corp,Richmond,VAにより商品名「NUCHAR RGC」で入手可能な活性化木材系炭素、Mead Westvaco Corpより商品名「AQUAGUARD」で入手可能な木材系炭素、Kuraray Chemical Co.,LTD,岡山、日本より商品名「KURARAY PGW」で入手可能な活性化ヤシガラ系炭素、並びにCalgon Carbon Corp.,Pittsburgh,PAより商品名「CARBSORB」及び「FILTRASORB」で入手可能な石炭系炭素が挙げられる。
熱処理
元素状炭素の反応は、一般的に、高い活性化エネルギーを示すため、高温で行われる。反応物質化合物を炭素基材表面に導入するために使用される反応は、イオウ化学種(及び存在する場合、追加の反応物質種)を熱分解するのに十分な温度、並びにこれらの炭素基材との反応を可能にするのに十分な温度で行われ得る。例示の温度として、少なくとも200、250、300、400、又は更には500℃、及び最大で650、700、800、900、1000、1200、又は更には1400℃を含む。本明細書で得られた生成物は、反応生成物又は媒体と呼ばれる。
一般的に、熱処理を実行する温度は、先ず初めに制御された条件下(雰囲気及び加熱速度)で行われる示差熱分析/熱重量分析(DTA/TGA)によって反応物質化合物を分析し、その熱分解挙動を決定することによって決定され得る。その後、今度は、炭素基材及び反応物質化合物の熱処理を種々の温度(分解の開始温度から始まる)で行なうことによって試験を実施して、どの時点及びどの条件(温度、時間、及び雰囲気)下で最も活性な物質が形成されるのかを決定してもよい。
熱処理は大気環境中で行われてもよい。しかしながら、燃焼を制御するために、空気又は水などの酸素源が排除されてもよく(例えば、真空状態にすることによって)、又は酸素濃度が2000ppm(百万分率)、200ppm未満、又は更には50ppm未満となるようにアルゴン又は窒素などの不活性気体で置き換えられてもよい。
反応物質化合物は、固体、液体、又は気体状で使用されてもよい。単一の反応物質化合物が使用されてもよく、又は複数の反応物質化合物が使用されてもよい(例えば、イオウ含有反応物質化合物及び窒素含有反応物質化合物)。反応物質化合物(複数可)の沸点よりも高い反応温度が使用され得る。
一実施形態では、反応物質化合物(複数可)は、乾燥混合し、次いで熱処理に曝す(加熱される)ことによって、炭素基材と化学結合され得る。炭素支持体に添加される反応物質化合物の量は、最終生成物中に存在する十分なイオウ(及び任意選択的に窒素及び/又は酸素)をもたらすように、実験を通して決定される。
別の実施形態において、反応物質化合物(複数可)は、溶媒(例えば、水若しくはメタノール又は溶媒の混合物)中に溶融若しくは溶解又は分散されてもよく、この液体は、炭素基材に反応物質化合物を含浸させて、炭素基材を濡れた状態にするために使用される。こうした含浸は、反応物質化合物含有溶液を炭素基材に噴霧すること、又は反応物質化合物を溶融し、これを炭素基材に接触させることなどの簡単な技術を使用して達成され得る。溶媒を使用して溶液を作製するとき、存在するイオウ及び/又は窒素の量を最大にするために、反応物質化合物は、その溶解度限界まで溶媒中で溶解されるが、活性除去材料を生成するのに十分なイオウ及び/又は窒素が最終生成物中に存在する限りにおいて、より少ない量が使用されてもよい。
次いで、含浸された炭素基材が加熱され、本発明の媒体を生成する。炭素基材の反応物質化合物表面上での反応物質化合物の分解は、活性イオウ種及び任意選択的に活性窒素種を生成すると考えられる。炭素基材による反応物質化合物の含浸は、炭素表面上のより均一に分散された反応性表面を可能にし、これがより均一かつ良好に機能する媒体をもたらすと考えられる。
金属塩による熱処理においては、金属塩の加熱を、金属塩が、金属に結合した水(もしあれば)を失い始める温度以上で、及び化合物の塩部分が分解し始める温度以上で行なうことを伴う、熱分解プロセスが使用され得る。本明細書で使用する場合、「熱分解生成物」は、熱による化合物の解離又は分解によってもたらされる生成物を指す。この熱分解プロセスによって、金属塩の性質は、異なる化学量論及び組成物並びに異なる化学的性質を有する材料に変化すると考えられ、塩の少なくとも一部は、熱的に分解されて、揮発によってガスとして取り除かれる。
以下に記載されるのは、本明細書に開示される反応生成物を生成するための熱処理の具体的実施形態である。
一実施形態では、炭素基材が、イオウ及び窒素の両方を含む反応物質化合物(例えば、硫酸アンモニウム、硫酸水素アンモニウム及びチオ硫酸アンモニウム)で含浸され、次いで窒素雰囲気下で、含浸された炭素を、化合物の分解点より高い温度まで、好ましくは約445℃、500℃、550℃、又は更には800℃よりも高い温度まで熱処理し、その後、窒素下で冷却する。
一実施形態では、炭素基材が、イオウ含有反応物質化合物(例えば、元素イオウ、HS、SO、及びアンモニウムイオウ含有化合物)で550℃以上の温度にて処理される。元素イオウはイオウ源として好ましく、なぜならば元素イオウは、溶媒の不存在下で、かつ高圧ガスを必要とせずに使用できるからである。
反応生成物
炭素基材と、イオウを含む反応物質化合物との反応生成物は、本明細書では互換的に反応生成物又は媒体と呼ばれる。
本開示の反応生成物は、固−気化学(すなわち、固−蒸気化学)により得ることができる。この種の特定の反応では、炭素基材の外側部分だけが反応性ガスに曝される。なぜなら、反応物質化合物の炭素基材の内部孔への拡散が処理時間に比べてゆっくりであり得るためである。更に、場合によっては、生成物の被覆層が、内側へのガスの拡散を抑制するため、そのような反応は自己制限的になることがある。こうした場合、生じる新しい化合物は、表面近くの領域に閉じ込められ、表面化合物(例えば、炭素基材上10ナノメートル(nm)以下)を含み得る。
固−蒸気熱処理プロセスを使用することによって、いくつかの利点が実現され得る。反応は、無溶媒であってもよく、又は少なくとも有機溶媒を用いなくともよいため、生成物を分離するために乾燥作業が必要とされない。更に、残留して固体の細孔に詰まる不揮発性の副生成物が、通常存在しない。溶媒が使用されない場合、本明細書に記載の処理は、費用の低減及び/又は処理量の増加を可能とする連続処理として行うことが想定できる。本開示の固−蒸気処理は、小分子反応物質のミクロ細孔への浸透を可能とし、また、非常に不規則な表面により窪みを形成する。これが結果として、イオウ及び/又は窒素種の有利かつ均一な分布を生じさせる。
別の実施形態において、反応物質化合物は溶融され、液体中に溶解され、又は溶液中に懸濁され、得られた液体は、炭素基材を含浸するために使用される。この実施形態では、反応物質種は、炭素基材全体に分散され、したがって、熱処理において炭素基材と反応することができ、均一に処理された基材をもたらす。好都合なことに、容易に蒸発され得ない又は微細粉末である反応物質種を使用することができる。更に、反応物質化合物が、ガス拡散の懸念なく液体として炭素基材に含浸されるため、より大きな炭素基材が均一に処理され得る。
炭素基材が大径粒子である場合、コアシェル構造が結果として生じ、ここで、コアは、反応物質化合物と炭素基材との熱処理から生じる反応生成物を含むシェル又は第2の層によって被覆された炭素基材である。
本明細書で開示される反応は表面反応であるため、炭素基材が高表面積の小径粒子状(例えば、名目−325メッシュ、名目表面積1400〜1800m/gを有するRGC Powder)である場合、粒子の表面と内部は、同延となり得る。一例において、粒子の外側表面と内部の間に明白な化学的差異がなくてもよい。別の一例において、容積中のイオウ及び/又は窒素含有量は、表面のイオウ及び/又は窒素含有量に近づく、又更には超えることができる。
本開示の一実施形態において、炭素基材の炭素、及びイオウ、並びに任意選択的に窒素及び/又は酸素(存在する場合)は、化学的に相互作用し合っている、つまり、これらの元素が化学的に互いに結合されてもよい(すなわち、隣接した元素間の共有化学結合)、あるいは、隣接していない元素間に、水素結合等の、より弱い相互作用が存在してもよいということである。
一実施形態において、反応生成物がイオウを含むとき、反応生成物中のイオウの少なくとも15%、20%、25%、30%、又は更には50%が、0よりも高い酸化状態にある。例えば、+1、+2、+4、又は更には+6の酸化状態にある。本開示の反応生成物は少なくとも1.5質量%のイオウを含むため、一実施形態において、媒体の少なくとも0.2質量%、0.5質量%、又は更には1質量%が、XPS表面分析に基づいて、0よりも高い酸化状態にあるイオウを含む。
反応物質化合物からのイオウ(及び/又は存在する場合、窒素)の全てが炭素基材表面内に組み込まれるわけではない(例えば、一部はCOS又はHSに転化される場合がある)ので、結果として生じる組成物を分析して、媒体の炭素基材表面上での炭素、酸素、イオウ、及び窒素の原子率を決定することが重要な場合がある。
炭素基材が高度に多孔質である場合、反応物質化合物と炭素基材との反応生成物は、燃焼分析によって分析され、どれ程多くの炭素、水素、窒素、及びイオウが存在しているかを決定することができる。
一実施形態において、本開示の媒体は、炭素、及びイオウを含み、この媒体のイオウ含有量は、反応生成物の総質量を基準として、少なくとも1.5、2.0、3.0、4.0、6.0、8.0、又は更には10.0質量%である。
一実施形態において、本開示の媒体は、炭素、及び窒素を含み、窒素含有量は、反応生成物の総質量を基準として、0.5、1.0、1.5、2.0、2.4、2.5、2.7、3.0、4.0、5.0、7.0、又は更には10.0質量%を超える窒素である。
一実施形態において、本開示の媒体は、反応生成物の全質量を基準として、4.0、4.5、5.0、7.0、9.0、10.0、12.0、15.0、又は更には22.0質量%を超える窒素とイオウを含む。
一実施形態において、本開示の媒体は、実質的に水素を含まず、反応生成物の総質量を基準として、0.40、0.30、0.20、0.10、0.05、又は更に0.01質量%未満の水素を含む。
一実施形態において、本開示の媒体には、実質的に金属を含まず、言い換えると、反応生成物の総質量を基準として、1、0.5、0.1、又は更には0.05質量%未満の金属を含む。
一実施形態において、金属(例えば、カルシウム、マグネシウム、鉄など)は、堅果の殻又は石炭から作られた炭素などの植物由来の材料に内在する金属が低レベルであるため、本開示の媒体中に低レベルで存在し得る。
一実施形態において、本開示の媒体は、CNを含み、式中p及びrは、独立して0よりも大きい。一実施形態において、pは0.004、0.008、0.013、0.020、0.025、0.035、0.045、0.065、又は更には0.10よりも大きいことが可能であり、rは0.004、0.006、0.008、0.015、0.025、0.035、又は更には0.42よりも大きいことが可能である。
一実施形態において、本開示の媒体は、COを含み、式中、一実施形態においては、xは0、又は少なくとも0.005、0.01、0.02、0.03、0.04、又更には0.05であり、最大で0.07、0.08、0.09、0.1、0.12、0.15、又更には0.2であり、yは少なくとも0.001、0.005、0.01、0.02、0.03、0.04、0.05、又更には0.06であり、最大で0.12、0.14、0.15、0.16、0.18、0.2、0.22、0.25、0.3、0.35、又更には0.4である。一実施形態において、炭素基材は、COを主成分とした表面を有し、つまり、この表面が炭素、酸素、及びイオウを必ず含み、他の原子が本発明の基本的な性質及び新規な性質に実質的に影響しない限り、他の原子も含んでいてもよいということである。言い換えれば、炭素、酸素、及びイオウの他にも、基材の表面は、合計で10%未満、又更には5%未満の他の原子を含む。これらの他の原子は、出発材料及び/又は熱処理中に使用される雰囲気に由来し得る。不純物は一般的に、組成物の重量を基準として、特定の不純物原子の5%、2%、1%、0.1%、0.05%、又は更に0.01%未満である。
一実施形態において、反応生成物の炭素、酸素、及びイオンは化学的に相互作用し合っている、つまり、これらの元素が化学的に互いに結合されてもよい(すなわち、隣接した元素間の共有化学結合)、あるいは、隣接していない元素間に、水素結合等の、より弱い相互作用が存在してもよいということである。
一実施形態において、本開示の組成物は高い熱安定性を有する。例えば、COを含む炭素基材では、イオウの沸点を十分に超える最大800℃の温度において窒素下で顕著な重量損失はなく、これはこれらの組成物が出発材料の単なる物理的混合物ではないことを示している。
本開示の組成物の分析によると、少なくとも一実施形態において、イオウ及び酸素は炭素基材の表面上で化学的に結合されている。酸素及び炭素は、炭素基材の表面の一体部分であり、400℃に加熱することでは容易には取り除かれない。この構造及び結合の性質は複雑である。COを含む炭素基材の、慎重にデコンボリューションを行ったXPS(X線光電子分光法)スペクトルにより、イオウが、約162.0、164.3、165.8、及び168.9eV[C(1s)≡285.0eV]のS2p3/2結合エネルギーを有する4つの異なる化学環境(chemical environments)にあることが明らかである。したがって、これらは4つの異なる化学環境にあり、3つの形式価数(S(VI)、S(IV)、及びS(II))にある、化学的に結合されたイオウを含む。これらの化学環境は、(1)SO 2−又は有機スルホン、C−SO−Cの場合と同様のS(VI)、(2)有機スルホキシド、C−SO−Cの場合と同様のS(IV)、(3)チオフェンの場合と同様のS(II)、及び(4)有機硫化物、C−S−C又は二硫化物、C−S−S−Cの場合と同様のS(II)である。
一実施形態において、反応生成物は0.50、0.57、0.60を超える、又は更には0.65g/ccを超える容積密度を有する。
一実施形態において、反応生成物は、4%未満の若しくは3%未満の又は更には2%未満の灰分を有する。
イオウは、腐敗した卵のような臭気に関連し、本発明は水溶液(例えば、飲料水)の処理における使用を目的とするため、飲料水の処理用の材料でイオウを含有するものを使用することを断念する場合がある。しかしながら、好都合なことに、本明細書に開示される反応生成物はイオウを含み、場合によっては大量の(例えば、10重量%)のイオウを含むが、この反応生成物は、際立った悪臭を有さない。
カーボンブラック
一実施形態において、反応生成物はマトリックスに配置され、フィルタを形成する。マトリックスは、チューブ又は水溶液が内部を通ることができるようにする他の構造体の表面上のウェブのポリマー含有複合体ブロックであり得る。一実施形態において、反応生成物は、結合剤材料、例えば、超高分子量ポリエチレン、又は高密度ポリエチレン(HDPE)などのポリエチレンと共に配合されかつ圧縮されてもよい。他の実施形態において、反応生成物は、その全体が本明細書に援用される米国特許出願公開第2009/0039028号(Eatonら)に記載されるように、ブローンマイクロファイバーなどのウェブに充填されてもよく、このウェブは圧密されても、圧密されていなくてもよい。
一実施形態において、反応生成物は、水銀の還元に対して感度が高い。一実施形態において、反応生成物は、水溶液中の銅の還元に対しては感度が低い。
一実施形態において、マトリックスは、本開示の反応生成物を含み、酸化物又はケイ酸塩の形態のチタンの粒子を更に含む。これらの粒子は、銅などの望ましくない金属の除去を改善するために、マトリックスに添加されてもよい。典型的には、これらの粒子は、20〜50マイクロメートルの大きさを有する。本明細書に開示される反応生成物と共に使用される場合、減少された量のチタン粒子が使用され得る。
一実施形態において、本明細書に開示される反応生成物を含む本開示の濾過媒体は、酸化物若しくはケイ酸塩の形態のチタンの粒子又は他の金属除去化合物を実質的に含まない。本明細書で使用するとき、金属除去手段を実質的に含まないとは、濾過媒体中に5、4、3、2、又は更には1重量%未満が存在することを意味する。
フィルタの総重量(反応生成物、マトリックス及び追加の添加剤を含む)に対する反応生成物の重量として表される負荷量は、使用されるマトリックスに応じて変化することができる。一実施形態において、反応生成物の量は、フィルタの少なくとも10、25、40、50、60、75、又は更に80質量%であり、最高90、92、95、97、若しくは99質量%、又は更に100質量%である。例えば、カーボンブラックが使用されるとき、フィルタは、約50〜85質量%の反応生成物を含むことができるが、一方炭素含有ウェブについては、フィルタは、約80〜95質量%の反応生成物を含むことができる。
一実施形態において、反応生成物を流体管内に配置し、流体管は、流体入口及び流体出口に流体的に接続されている。かかるシステムは、充填層を含む場合がある。
除去
本開示の媒体は、流体流から、具体的には液体の流体流から、より具体的には水性流体流からクロラミン及び水銀を除去するために使用されてもよい。
クロラミンは、アンモニアと塩素(次亜塩素酸塩)との水性反応により生成される。したがって、アンモニア(NH)が塩素消毒システムに加えられると、塩素はクロラミンに変換される。具体的には、低濃度のモノクロラミン(以下「クロラミン」と呼ぶ)は、飲用水源の消毒により発生する。一実施形態において、水溶液を本開示の媒体と接触させた後に、本明細書に開示されるように、得られた水溶液は、減少した量のクロラミンを含む。
上水道において見出される望ましくない金属には、水銀が含まれる。水銀は、水フィルタを使用するポイントで典型的に使用されるチタン系媒体を用いる銅の除去よりも除去が困難である。米国衛生基金NDF/ANSI標準53(「Drinking Water Treatment Units,Health Effect」)を、水銀の還元について試験するために使用することができる。除去についての濾過媒体の除去能力の尺度は、濾過媒体を水中6ppbの水銀で試験を行い、2ppbを超える漏出が観察されるまで、処理したガロンを測定することである。
上述された本出願人の以前の出願において、イオウ含有化合物並びに/又はイオウ及び窒素含有化合物などの種々の反応物質の存在下で炭素基材を熱処理することが、クロラミン除去に対して活性である材料をもたらすことを見出した。これらの材料は、水溶液からのクロラミンの除去に関して、クロラミン除去用に市販されているものを含む未処理の活性炭と同様の、又は更にはこれらよりも高い活性を有することが認められた。クロラミンの除去に加えて、この反応生成物は、水性サンプル中の特定の望ましくない金属、具体的には水銀のレベルも低減することができることが今では判明している。このことは、単一の構成成分が、多重の用途(数ある中でもクロラミン及び水銀の除去)に役立つことができ、フィルタに添加される従来の金属除去化合物が高価であり得ることから、有益である。更に、本明細書に開示されるような炭素の1回の処理を用いて、2つの非常に異種の金属、すなわち、クロラミン及び水銀を除去する炭素基材の能力を導入することができることは予想外である。
本開示の媒体は、溶液をこの媒体に接触させるときに、水溶液中のクロラミン及び水銀の量を減少させる。一実施形態では、水溶液は、3ppmから0.5ppm未満のクロラミンを含む。媒体との接触時に、水溶液は、0.1ppm以下まで低下したクロラミン含有量を有する。例えば、一実施形態において、3ppmのクロラミンを含む溶液で試験した場合、クロラミンの量は、少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、99%、又は更には100%減少する。一実施形態において、水溶液は約6ppbの水銀を含み、媒体と接触すると、水溶液は2ppb以下に低下した水銀含有量を有する。例えば、一実施形態において、15ppbのクロロホルムを含む溶液で試験した場合、水銀の量は、少なくとも50%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、99%、又は更には100%減少する。
一実施形態では、本開示の媒体は、クロラミンを除去するための高い能力を有する(例えば、反応生成物の容積当たりのクロラミン除去量を基準として、少なくとも0.1g/cc、又は更には0.2g/cc)。一実施形態では、本開示の媒体を使用して作製されるフィルタ媒体は、水銀含有金属化合物を除去するための高い処理能力を有する(例えば、反応生成物の容積当たりの水銀除去量を基準として、少なくとも0.00025g/cc、又は更には0.0005g/cc)。処理能力、すなわち水の処理容量は、許容し得る長い有効寿命を備えたフィルタを設計するために重要である。
本明細書に開示される反応生成物を含むカーボンブロックサンプルの処理能力(又は有効寿命)は、流出液中のクロラミン濃度が上昇して0.5mg/Lを超える前に達した処理量として報告する。一実施形態において、3ppmのクロラミンで試験した場合、媒体は、9.5秒の空床接触時間で、クロラミン3ppmに対して、媒体1グラム当たり少なくとも0.05、0.1、又は更には0.19gのクロラミンの処理能力を有するであろう。
濾過媒体を設計する際に、対象の汚染物質と迅速に反応することができる媒体を有することもまた有益である。本明細書に開示される反応生成物を使用して作製された濾過媒体は、高反応速度を提供することができ、したがって、3〜5秒の短い空床接触時間でクロラミン及び/又は特定の望ましくない金属化合物を除去する良好な性能をもたらす。空床接触時間は、秒当たりのガロンでの水の流速で除算したガロンでのフィルタの体積として定義される。クロラミン及び/又は望ましくない金属化合物を迅速かつ効率的に除去するための能力は、フィルタに必要とされる大きさを減少させるために重要である。多くの用途においては、スペースは制限されているため、フィルタ体積を「小型化する」ことは、顧客に受け入れられるために重要である。スペースが制限されている用途としては、冷媒フィルタ、蛇口フィルタの端部、カウンタートップフィルタ、携帯型及び家庭用透析システム用のフィルタ、重力流動装置(ピッチャー)及びポイントオブエントリー家庭用フィルタが挙げられる。したがって、本明細書に開示される媒体は、水からのクロラミン及び重金属化合物の除去が顧客にとって実行可能かつ望ましい用途の範囲を広げることができる。現在、上述の用途のためのこうしたフィルタは、あまりに大きすぎるか、又は処理能力があまりに低すぎるので、広範囲のユーザーにとって実用的でない。
本明細書に開示される反応生成物は、以下の用途、すなわち、水溶液流中の汚染物質(例えば、クロラミン、水銀等)の除去用の、家庭又は商業用のポイントオブユーズ又はポイントオブエントリーフィルタ、及び透析水用のフィルタに有用であり得る。
本明細書に開示される反応生成物は、クロラミン及び/又は有機化合物を除去するために使用され得るだけでなく、他の汚染物質も同様に除去するために使用されてもよい。米国仮特許出願第61/777017号及び同第61/875998号(本出願と同日に出願され、その全体が参照として本明細書に組み込まれる)に示すように、反応生成物は、有機化合物(クロロホルムのようなトリハロメタンなど)及び/又は塩素を除去するために使用することができる。いくつかの例では、水道水中の変動、処理供給源から使用時点に至る水溶液の汚染物質への曝露のために、末端のユーザーは、彼らの水溶液流中にどんな汚染物質が存在するかを知ることはできない。したがって、各々の汚染物質に特異的な複数のフィルタが必要であり得る。種々の汚染物質を除去することができる濾過媒体を有することにより、設置面積及び/又はコストを節約することができる。いくつかの例では、水道水の処理は、変動する場合があり、末端ユーザーには既知又は未知であり得るので、上流で生じた変動で変更される必要がない濾過媒体を有することが有益となる。
本開示の一実施形態において、水溶液から種々の汚染物質を除去する方法が提供され、方法は、クロラミン、塩素、有機化合物(トリハロメタン、例えば、クロロホルムなど)、及び水銀から選択される少なくとも2つの汚染物質を含む水溶液を準備する工程と、この水溶液を、多孔質炭素基材を含む媒体と接触させる工程とを含み、この多孔質炭素基材は、少なくとも1.5質量%のイオウを含み、これによって、媒体は、少なくとも2つの汚染物質の量を低減させる。
別の実施形態において、媒体が開示され、媒体は、炭素とイオウとを含み、この媒体は、クロラミン、遊離塩素、水銀、及びトリハロメタン(クロロホルムによって例示)のうちの少なくとも1つを除去する能力を有し、この媒体と結合剤とを含む複合カーボンブラックフィルタは、カーボンブラック容積1リットル当たり少なくとも5,000リットルの水の濾過能力を有し、濾過能力は、米国衛生基金基準53(水銀及びクロロホルムに関する)及び42(クロラミン及び塩素に関する)プロトコルに従って試験されるとき、約2.4秒(±5%)の空床接触時間で測定される。試験法の開示については、以下の実施例セクション、並びに米国仮特許出願第61/777017号及び同第61/875998号(本出願と同日に出願、これらの全体が参照として本明細書に組み込まれる)に開示される方法を参照されたい。
本開示の別の実施形態において、水溶液の濾過用の媒体が提供され、米国衛生基金基準53及び42プロトコルに従って約2.4秒(±5%)の空床接触時間で試験されるとき、媒体は、以下の処理能力を含む。すなわち、3ppmのクロラミンで試験されるとき、媒体1グラム当たり少なくとも0.05、0.06、0.07、0.08、又は更には0.1gのクロラミン、2ppmの塩素で試験されるとき、媒体1グラム当たり少なくとも0.5、0.7、0.8、又は更には1gの塩素、150ppbの有機化合物で試験されるとき、媒体1グラム当たり少なくとも0.002、0.003、0.004、又は更には0.0050gの有機化合物(クロロホルムによって測定)、及び水銀で試験されるとき、媒体1グラム当たり少なくとも0.002、0.003、0.004、0.005、又は更には0.007gの水銀。試験法の開示については、以下の実施例セクション、並びに米国特許出願第61/777017号及び同第61/875998号(本出願と同日に出願、これらの全体が参照として本明細書に組み込まれる)に開示される方法を参照されたい。
本開示の例示的な実施形態は、以下を含む。
実施形態1.水溶液からクロラミン及び水銀を除去するための方法であって、
クロラミン及び水銀を含む水溶液を準備する工程と、
水溶液を、多孔質炭素基材を含む媒体と接触させる工程と、を含み、多孔質炭素基材が、少なくとも1.5質量%のイオウを含む、方法。
実施形態2.多孔質炭素基材が、主として微小多孔質である、実施形態1に記載の方法。
実施形態3.多孔質炭素基材の表面が、COの種を含み、式中、xが0.1より大きく、yが0.005〜0.3である、実施形態1又は2に記載の方法。
実施形態4.多孔質炭素基材が、窒素を更に含み、イオウと窒素との和が、少なくとも4.0質量%である、実施形態1〜3のいずれか1つに記載の方法。
実施形態5.多孔質炭素基材が、活性炭である、実施形態1〜4のいずれか1つに記載の方法。
実施形態6.媒体の少なくとも0.2質量%が、XPS表面分析に基づいて、0より高い酸化状態のイオウを含む、実施形態1〜5のいずれか1つに記載の方法。
実施形態7.媒体が、0.6g/ccを超える容積密度を有する、実施形態1〜6のいずれか1つに記載の方法。
実施形態8.媒体が、3%未満の灰分を有する、実施形態1〜7のいずれか1つに記載の方法。
実施形態9.媒体が、マトリックス内に配置され、マトリックスがポリマーマトリックスである、実施形態1〜8のいずれか1つに記載の方法。
実施形態10.媒体が、チタンを含む粒子を更に含む、実施形態9に記載の方法。
実施形態11.水溶液から有機化合物を除去するための方法であって、
少なくとも0.5ppmのクロラミンと水銀とを含む水溶液を、少なくとも1.5質量%のイオウを有する多孔質炭素基材を含む媒体と接触させる工程と、溶出液を回収する工程とを、含み、溶出液が、0.1ppm未満のクロラミンを含む、方法。
実施形態12.方法であって、
(i)炭素支持体の表面と、(ii)イオウを含む反応物質化合物との熱処理によって作製された媒体を準備する工程と、
媒体をクロラミン及び水銀を含む水溶液に接触させる工程と、を含み、
媒体との接触後に、水溶液は、減少した量のクロラミンと、減少した量の水銀とを有する、方法。
実施形態13.熱反応生成物が、(iii)窒素を含む反応物質化合物を更に含む、実施形態12に記載の方法。
実施形態14.イオウを含む反応物質化合物が、元素イオウ、酸化イオウ、硫化水素、イオウのオキシアニオンを含有する塩、及びこれらの組み合わせのうちの少なくとも1つから選択される、実施形態12又は13に記載の方法。
実施形態15.熱処理が、不活性雰囲気中、445℃を超える温度で実施される、実施形態12〜14のいずれか1つに記載の方法。
実施形態16.3ppmのクロラミンを含む溶液で試験されるとき、クロラミンの量が、少なくとも80%減少する、実施形態12〜15のいずれか1つに記載の方法。
実施形態17.6ppbの水銀を含む溶液で試験されるとき、水銀の量が、少なくとも60%減少する、実施形態12〜16のいずれか1つに記載の方法。
本開示の利点及び実施形態を以降の実施例によって更に説明するが、これら実施例において列挙される特定の材料及びそれらの量、並びに他の条件及び詳細は、本発明を不当に制限するものと解釈されるべきではない。これらの実施例では、全ての百分率、割合及び比率は、特に指示しない限り重量による。
別途記載されるか又は明らかでない限り、全ての材料は市販(例えばSigma−Aldrich Chemical Company(Milwaukee,WI)より)であるか又は当業者に既知のものである。
以降の実施例において下記略称が使用される。g=グラム、hr=時間、in=インチ、kg=キログラム、min=分、mol=モル、M=モル濃度、cc=cm、cm=センチメートル、mm=ミリメートル、ml=ミリリットル、L=リットル、N=ノルマル、psi=圧力毎平方インチ、MPa=メガパスカル、及びwt=重量。
方法
クロラミン試験
水サンプル中の全塩素含有量から、水サンプル中のクロラミン含有量を求めた。全塩素(OCl及びクロラミン)濃度は、Hach Companyが米国環境保護庁公定法(USEPA Method)330.5に相当すると主張するHach Method 8167及び全塩素分析DPD法(DPD Total Chlorine Method)により測定した。遊離塩素(OCl−)濃度は、Hach Companyが米国環境保護庁公定法330.5に相当すると主張するHach Method 8021及び遊離クロラミン分析DPD法(DPD Free Chloramine Analysis)により定期的に測定した。遊離塩素は無視できる程の低濃度(<0.2ppm)に保たれたため、全塩素分析は、水中のクロラミン濃度の良い推量となると考えられた。全ての試薬及び器具は、Hach Company(Loveland,CO)より入手可能であり、standard Hach Methodに記載されたものであった。
クロラミン除去試験
フロースルーシステムにおけるクロラミン処理能力を、フロースルー試験法によって評価した。pHが7.6±0.25、総溶解固形物が200〜500mg/L、硬度がCaCO3換算で170mg/L未満、濁度が1比濁計濁度単位未満、温度が20±3℃である、クロラミン水溶液試験液を3mg/L、調製した。クロラミン濃度を、次亜塩素酸ナトリウム溶液の添加、次いで塩化アンモニウム溶液の添加によって、2.7〜3.3mg/Lで制御した。pHは、必要により、水酸化ナトリウムを加えることで調整した。
その後、端キャップ付きカーボンブラックサンプル(上記のとおり調製)を、フィルタ媒体の外側から内側に放射状に流れることが可能な、一般的な濾過容器の中に設置した。容器は入口と出口を備えていた。0.13ガロン/分(0.0082リットル/秒)の流量で、クロラミン水溶液試験液を濾過システムに通した。この試験では、水の流量を一定に保持した。
カーボンブロックサンプルを湿潤させるために、上記のクロラミン水溶液試験液を、濾過システムに5分間流し込んだ。その後、流出液のサンプル(カーボンブロックサンプルからの流出物)を定期的に採取し、ガロンで処理量を記録した。上記のクロラミン試験を用いて、流出液サンプルをクロラミンについて分析した。クロラミン流出液濃度を、その後、クロラミン水溶液試験液の処理量の関数としてプロットした。流出液の最大クロラミン濃度は0.5mg/Lである。
粒子減少試験
カーボンブラックの粒子を除去する能力を、フロースルーセットアップで試験した。水に、Burnsville,MNのPower Technologies Inc.から取得した、0〜5マイクロメートルの試験用塵埃をスパイクした。微粒子含有水を、0.57ガロン毎分(0.036リットル毎秒)の初期流量でカーボンブラックを通過させた。流入液及び流出液中の粒子の数を、IBR Inc.,Grass Lake,MIにより供給された粒子カウンタによって測定した。
水銀除去試験
望ましくない金属化合物を除去するための能力を、フロースルーセットアップにおいて6ppbの水銀をカーボンブラックに負荷することによって評価した。試験は、水銀の減少に関するNSF(米国衛生基金)標準53により、pH 8.5で行った。流量は0.5ガロン毎分(0.03リットル毎秒)であった。水流の負荷サイクルは、15分のオン/15分のオフ及び1日当たり16時間であった。試験は、2つのカーボンブラックについて2回行った。水銀減少に関する処理能力を、流出液の水銀濃度が2ppbの最大汚染物質濃度を超える前に処理された水の容積として報告した。
水素、窒素、及びイオウの分析
サンプル中の炭素、水素、窒素及びイオウの重量%を、LECO TruSpec Micro CHNS元素分析装置、Laboratory Equipment Co.St.Joseph,MIを使用して、燃焼によって測定した。手短に言えば、サンプルを装置に設置し、雰囲気ガスでパージした。その後、サンプルを酸素存在下で1000℃超まで加熱して、サンプルを燃焼した。その後、更なる酸化、還元、及び粒子除去のために、サンプルを第2炉に通した。その後、炭素、水素、窒素、及びイオウの含有量を測定するために、燃焼ガスを各種検知器に通した。
スルファメタジン標準物質(>99%、LECOより入手)を、スルファメタジン1mg〜2.6mgの範囲の検量線作成のために希釈した。装置は、CHNS検知器が安定するまで、周囲空気で基準を定められた。その後、3〜4個の空のるつぼを測定し、器具ブランクとして設定した。次に、スルファメタジン標準物質を分析し、検量線を作成した。元素についてのスルファメタジン標準物質(純粋な均一材料に対して許容し得る精度)の絶対標準偏差は、各々元素に対して0.10重量%の検出限界で、水素については<+/−0.3重量%、窒素については<+/−0.3重量%、及びイオウについては<+/−0.3重量%であった。
サンプルの表面分析
サンプルの化学状態及び元素組成を、10−9Torr(1.3kPa)以下の基底圧において、Kratos Axis Ultra(商標)XPSシステム(Shimazu Corp.,Columbia,MD)を使用して、X線光電子分光法によって分析した。単色AlKα(1486.6eV)のX線源を、140ワット(14KV、10mA)で作動させた。半球型電子エネルギー分析器を、調査スペクトルでは160eV及び高解像度スペクトルでは20eVの一定のパスエネルギーで動作させた。結合エネルギー(BE)尺度を、C 1sピークのBEに対して較正した。スペクトルは、サンプル表面に対して90度の射出角で取得された。データ処理は、PHI MultiPak V8.2B、2006及びCasa XPS,Version 2.3.16 Dev41ソフトウェアで行った。表面組成を、適切なScofieldイオン化断面積についての補正後に、調査スペクトル中の測定された光電子ピーク面積から計算した。報告された全体的原子濃度は、複数のランダムに選択されたサンプル領域において採集された調査スペクトルから導かれた平均値である。触媒官能基の表面含有量を、C 1s、O 1s、N 1s及びS 2pコア準位スペクトルのデコンボリューション/回帰分析によって決定した。回帰分析は、ガウス/ローレンツGL混合関数及びShirley型バックグラウンド除去法に基づいた。
炭素ブロックサンプルの作製
40cmの選択された炭素基材(80×325メッシュの名目粒径)を、混合機に添加した。最大の非圧縮密度における炭素材料の体積を測定した。40cmのTicona GUR 2126超高分子量ポリエチレン(UHMWPE)粉末(Ticona Engineering Polymers,Florence KYから入手)でその最大非圧縮密度のものを測定し、混合機内に配置した。炭素とUHMWPEを3分間混合した。その後、混合物を、外径1.35in(34.3mm)、内径0.375in(9.5mm)、長さ3.6in(91.4mm)の寸法を有する、コアが円筒状の中空である円筒状の型に定量的に移した。型は、米国特許第8,206,627号(Stoufferら)に記載されているインパルス充填を使用して、最大非圧縮密度まで充填した。型に蓋をし、その後、熱対流炉で50分間、180℃で加熱した。加熱後、型をすぐに、ピストンで、3.1インチ(78.7mm)の固定ブロック長まで圧縮した。型を室温まで冷まし、得られた炭素ブロックを、型から取り外した。ホットメルト接着材を使用して、端キャップをブロックに施した。
炭素基材A
炭素基材Aは、更なる処理無しにそのまま使用した木質活性炭(名目80×325メッシュ、MeadWestvaco Specialty Chemicals(North Charleston,SC)より、商品名「AQUAGUARD 325」で入手)であった。炭素基材Aは、水中のクロラミン、塩素、味、及び悪臭を制御するために特別に設計された物として現在市販されている。これは他に類のない高クロラミン処理能力を有するといわれ、クロラミン低減能力が重要である水フィルタを使用するポイントにおける一般的に好まれる触媒炭素である。2012年6月に改定された製品カタログ「AQUAGURD 200 and 325 Catalytic Activated Crbon」を参照されたい。
炭素基材B
炭素基材Bは、ヤシガラ活性炭(名目80×325メッシュ、クラレケミカル株式会社(日本、大阪)より、商品名「PGW−100MP」で入手)であった。ヤシガラ活性炭は名目100マクロメートルの中央値粒径を有していた。
炭素基材C
炭素基材Cは、ヤシガラ活性炭(名目80×325メッシュ、クラレケミカル株式会社(日本、大阪)より、商品名「PGW−120MP」で入手)であった。ヤシガラ活性炭は名目120マクロメートルの中央値粒径を有していた。
炭素基材1
炭素基材Bを、るつぼ内で180℃に加熱して、その後、元素イオウ(炭素1グラム当たり0.2gのイオウ、Alfa Aesar,Ward Hill,MAから入手、−325メッシュ、99.5%)を撹拌しながら加えた。イオウは溶融し、炭素基材B内に組み込まれた。
緩く嵌合する蓋を、炭素基材−イオン混合物を収容するるつぼ上に配置した。るつぼを、その後、窒素パージしたマッフル炉内に設置し、550℃に平衡させて、その温度で30分間保持した。るつぼを、炉から取り出し、窒素パージした容器の中に移して、室温近くまで冷ました。炭素基材1は、上記の「Combustion Analysis of Hydrogen、Nitrogen and Sulfur」手法に従って試験したとき、8.44重量%のイオウ、0.12重量%の窒素を有し、水素は検出限界以下であることが確認された。
炭素基材2
炭素基材2が、炭素基材1と同じ方法で調製された。炭素基材2は、上記の「Combustion Analysis of Hydrogen、Nitrogen and Sulfur」手法に従って試験したとき、14.79重量%のイオウを有し、窒素及び水素含有量は検出限界以下(0.10重量%)であることが確認された。
炭素基材3
炭素基材3が、炭素基材Bが炭素基材Cで置き換えられたことを除けば、炭素基材1のものと同じ方法で調製された。炭素基材3は、上記の「Combustion Analysis of Hydrogen、Nitrogen and Sulfur」手法に従って試験したとき、15.43重量%のイオウを有し、窒素及び水素含有量は検出限界以下(0.10重量%)であることが確認された。
炭素基材4
炭素基材4が、炭素基材2と同様に調製され、上記の「表面分析」法によって試験された。炭素基材4は、91.1原子%の炭素、0.6原子%の窒素、2.1原子%の酸素及び5.3原子%のイオウを含むことが確認された。サンプルの表面上の5.3原子パーセントのイオウのうち、7.4%は−2酸化状態にあり、65.9%は、0酸化状態にあり、13.4%は+2酸化状態にあり、9.5%は+4酸化状態にあり、及び3.8%は+6酸化状態にあった。
炭素基材5
炭素基材5が、炭素基材3と同様に調製され、上記の「表面分析」法によって試験された。炭素基材5は、92.1原子%の炭素、0.4原子%の窒素、2.3原子%の酸素及び5.1原子%のイオウを含むことが確認された。サンプルの表面上の5.1原子パーセントのイオウのうち、7.5%は−2酸化状態にあり、62.2%は、0酸化状態にあり、14.1%は+2酸化状態にあり、10.6%は+4酸化状態にあり、及び5.6%は+6酸化状態にあった。
(実施例1)
炭素基材1を、上述の「炭素ブロックサンプルの作製」手法に従って、炭素ブロックに作製した。
比較例A
炭素基材Aを、上述の「炭素ブロックサンプルの作製」手法に従って、炭素ブロックに作製した。
実施例1及び比較例Aを、クロラミン除去試験に従って、それぞれ独立して試験した。図1に示すものは、実施例1及び比較例Aについてのガロンでの処理量に対する検出されたクロラミンの量である。炭素ブロックサンプルの能力は、溶出液中のクロラミンの濃度が0.5mg/L以上に上昇する前に達成された処理量として報告されている。炭素基材1で作製された炭素ブロック(実施例1)については、処理能力量約440ガロン(1666リットル)であったが、一方炭素基材Aで作製された炭素ブロック(比較例A)は、約40ガロン(151リットル)であった。
(実施例2)
混合機に以下を充填した(50重量%の炭素基材2、20重量%の炭素基材3、3.7重量%のTicona GUR 2126超高分子量ポリエチレン(UHMWPE)粉末(Ticona Engineering Polymers,Florence KYから入手)及び18重量%のTicona GUR 4150−3超高分子量ポリエチレン(UHMWPE)粉末(Ticona Engineering Polymers,Florence KYから入手))。炭素基材とUHMWPEを3分間混合した。その後、混合物を、外径1.35in(34.3mm)、内径0.375in(9.5mm)、長さ3.6in(91.4mm)の寸法を有する、コアが円筒状の中空である円筒状の型に定量的に移した。型は、米国特許第8,206,627号(Stoufferら)に記載されているインパルス充填を使用して、最大非圧縮密度まで充填した。型に蓋をし、その後、熱対流炉で50分間、180℃で加熱した。加熱後、型をすぐに、ピストンで、4.5インチ(11cm)の固定ブロック長まで圧縮した。型を室温まで冷まし、得られた炭素ブロックを、型から取り外した。ホットメルト接着材を使用して、端キャップをブロックに施し、このブロックをフィルタハウジング内に配置した。
実施例2は、上述の粒子減少試験に従って試験した。この試験は、2マイクロメートルの粒子の99.98%超の減少を示した。
比較例B
炭素ブロックは、炭素基材2が炭素基材Bで置き換えられ、かつ炭素基材3が炭素基材Cで置き換えられたことを除けば、実施例2に記載されるものと同じ方法で作製された。
実施例2及び比較例Bを、水銀除去試験に従って、水銀の減少について試験した。結果を図2(実施例2−2回実施)及び図3(比較例3−2回実施)に示す。水銀を除去するための比較例Bの処理能力は100ガロン(379リットル)であったが、実施例2についての処理能力は、700ガロンを超えた。700ガロンで試験を終了する前に、水銀についての最大汚染物質レベルを超過しなかったことに留意されたい。
本発明の範囲及び趣旨から逸脱することなく、本発明の予測可能な修正及び変更が当業者には自明であろう。本発明は、説明を目的として本出願に記載される実施形態に限定されるべきものではない。本明細書と、参照により本明細書に援用したいずれかの文書における開示との間に不一致及び矛盾が存在する場合、本明細書が優先される。

Claims (10)

  1. 水溶液からクロラミン及び水銀を除去するための方法であって、
    クロラミン及び水銀を含む水溶液を準備する工程と、
    前記水溶液を、多孔質炭素基材を含む媒体と接触させる工程と、を含み、前記多孔質炭素基材が、少なくとも1.5質量%のイオウを含む、方法。
  2. 前記多孔質炭素基材が、主として微小多孔性である、請求項1に記載の方法。
  3. 前記多孔質炭素基材の表面が、COの種を含み、式中、xが0.1以下であり、yが0.005〜0.3である、請求項1に記載の方法。
  4. 前記多孔質炭素基材が、窒素を更に含み、前記イオウと窒素との和が、少なくとも4.0質量%である、請求項1に記載の方法。
  5. 前記多孔質炭素基材が、活性炭である、請求項1に記載の方法。
  6. 前記媒体の少なくとも0.2質量%が、XPS表面分析に基づいて、0より高い酸化状態のイオウを含む、請求項1に記載の方法。
  7. 前記媒体が、0.6g/cc超の容積密度を有する、請求項1に記載の方法。
  8. 前記媒体が、3%未満の灰分を有する、請求項1に記載の方法。
  9. 水溶液から有機化合物を除去するための方法であって、
    少なくとも0.5ppmのクロラミンと水銀とを含む水溶液を、少なくとも1.5質量%のイオウを有する多孔質炭素基材を含む媒体と接触させる工程と、溶出液を回収する工程とを、含み、前記溶出液が、0.1ppm未満のクロラミンを含む、方法。
  10. 方法であって、
    (i)炭素支持体の表面と、(ii)イオウを含む反応物質化合物との熱処理によって作製された媒体を準備する工程と、
    前記媒体をクロラミン及び水銀を含む水溶液に接触させる工程と、を含み、
    前記媒体との接触後に、前記水溶液が、減少した量のクロラミンと、減少した量の水銀とを有する、方法。
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