JP2016515615A - プロポリス抽出物を含む治療組成物およびその使用 - Google Patents

プロポリス抽出物を含む治療組成物およびその使用 Download PDF

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Abstract

本発明は、5−フェニルペンタ−2,4−ジエン酸、3−メチル−3−ブテニルカフェ酸、1,1−ジメチルアリルカフェ酸、ピノバンクシン−3−アセテート、テクトクリシン、ピノストロビンカルコン、フェルラ酸ベンジルおよびイソフェルラ酸ベンジルを含む化合物を含む医薬組成物を提供する。特に、胃腸癌の治療または予防、および療法に対する胃腸癌の再感作における、このような組成物の使用法も提供する。

Description

発明の分野
本発明は、胃腸癌の治療および予防のための組成物に関する。特に、本発明は、これらの化合物の1種類もしくは複数種類が濃縮された1つまたは複数のプロポリス抽出物を含む抗胃腸癌組成物を含む、プロポリスから誘導される化合物を含有する抗胃腸癌組成物に関する。特に、結腸直腸、喉および胃の癌の治療または予防におけるそのような組成物の使用が企図される。
発明の背景
結腸直腸癌は、先進国からの報告によると、女性および男性において、それぞれ2番目、3番目に多い癌である。結腸直腸癌は先進国でより多く見られ、米国、オーストラリア、ヨーロッパ、およびニュージーランドで割合が最も高く、発生率は発展途上国よりも10倍も高い。手術は有効であり得るが、早期発見が有益な手術結果に非常に重要である。原発腫瘍、またはリンパ節外の転移を治療する際の現在の化学療法および放射線療法の有効性が議論されているので、他の治療法は、寿命延長および緩和ケアに主に向けられている。
食道癌、咽頭癌、または喉頭癌とも呼ばれる咽喉癌は、咽頭、鼻咽頭、中咽頭、下咽頭、喉頭(ボイスボックス)または扁桃の組織で発症する腫瘍を包含する。咽喉癌の治療法には、手術、放射線療法または化学療法が含まれる。咽喉癌の治療は喉を損傷させ得、患者が食べ、呼吸し、眠る方法を変更させる可能性がある。
胃癌(Gastric cancer)または胃癌(stomach cancer)は、世界の癌関連死で2番目に多い原因である。症状が病気の初期段階で発生していない可能性があるため、診断が遅れる場合が多い。胃を除去するための手術(胃切除)が、胃癌を治すことができる唯一の治療である。手術後の化学療法および放射線療法は、治癒の可能性を改善し得る。
したがって、結腸直腸癌、胃癌もしくは咽喉癌の治療または予防に使用するのに適するもの、および抗胃腸癌活性の維持を支援するか、または結腸直腸癌、胃癌もしくは咽喉癌に対する抗胃腸癌活性を増強することができるものを含む抗胃腸癌組成物に対するニーズがある。
結腸直腸癌、胃癌および咽喉癌を含む胃腸癌の治療または予防における使用のための、安定した抗胃腸癌組成物を含む抗胃腸癌組成物を提供すること、または少なくとも有用な選択を公共に提供することが本発明の目的である。
第1の態様では、本発明は、式(I)
Figure 2016515615
(式中、
ZはOまたはヒドロキシルであり;
Xは、水素、C1−6アルキルC(O)O、またはC1−6アルキルであり;
------は、ZがOである場合は単結合であり、Zがヒドロキシルである場合は存在せず、
Figure 2016515615
は、単結合または二重結合であり;
1およびRは、それぞれ独立して、ヒドロキシルまたはC1−6アルコキシルであり;
ただし、R1およびRの少なくとも一方はヒドロキシルであり;
ただし、R1およびRは、XがHであり、かつ
Figure 2016515615
が二重結合である場合は、共にヒドロキシルではない)
または式(II)
Figure 2016515615
(式中、
は、水素、C2−6アルケニル、アリールC1−6アルキル、またはアリールC2−6アルケニルであり;
mは1または2であり;
10およびR20は、それぞれ独立して、水素、ヒドロキシルまたはC1−6アルコキシであり;
ただし、R10およびR20が共にヒドロキシルである場合は、Rは、アリールC1−6アルキルまたはアリールC2−6アルケニルではない)
の治療有効量の化合物を含む医薬組成物に関する。
一実施形態では、式(I)の化合物は、式(IA)
Figure 2016515615
の化合物である。
一実施形態では、Xは、水素、C1−6アルキルC(O)O、またはC2−5アルキルである。
一実施形態では、Xは、水素またはC1−6アルキルC(O)Oである。
一実施形態では、C1−6アルキルC(O)OはMeC(O)Oである。
一実施形態では、R1およびRは、それぞれ独立して、ヒドロキシルまたはC1−6アルコキシである。
一実施形態では、R1がヒドロキシルであり、かつRがC1−6アルコキシであるか、R1がC1−6アルコキシであり、かつRがヒドロキシルであるか、またはR1およびRは、それぞれヒドロキシルである。
一実施形態では、C1−6アルコキシはOMeである。
一実施形態では、ZはOであり、------は単結合であり、
Figure 2016515615
は単結合であり、
XはC1−6アルキルC(O)Oであり、かつR1およびRは、それぞれヒドロキシルである。
一実施形態では、ZがOであり、かつ------が単結合であるか、またはZがヒドロキシルであり、かつ------は存在せず;
Figure 2016515615
は二重結合であり;Xは水素であり;Rがヒドロキシルであり、かつRがC1−6アルコキシであるか、またはR1がC1−6アルコキシであり、かつRがヒドロキシルである。
一実施形態では、RがC1−6アルコキシであり、かつRがヒドロキシルである。
一実施形態では、ZはOであり;------が単結合である。
一実施形態では、Zはヒドロキシルであり;------は存在しない。
一実施形態では、式(II)の化合物は、式(IIA)
Figure 2016515615
の化合物である。
一実施形態では、R10およびR20はそれぞれ水素であるか、R10およびR20はそれぞれヒドロキシルであるか、R10がヒドロキシルであり、かつR20がC1−6アルコキシであるか、またはR10がC1−6アルコキシであり、かつR20がヒドロキシルである。
一実施形態では、C1−6アルコキシはOMeである。
一実施形態では、Rは水素、C2−6アルケニル、アリールC1−6アルキルである。
一実施形態では、C2−6アルケニルはプレニルまたはイソプレニルである。
一実施形態では、アリールC1−6アルキルはベンジルである。
一実施形態では、アリールC1−6アルケニルはシンナミルである。
一実施形態では、mは2である。
一実施形態では、Rは水素であり、R10およびR20はそれぞれ水素である。
一実施形態では、mは1である。
一実施形態では、RはC2−6アルケニルまたはアリールC1−6アルキルであり;R10およびR20はそれぞれヒドロキシルであるか、R10がヒドロキシルであり、かつR20がC1−6アルコキシであるか、またはR10がC1−6アルコキシであり、かつR20がヒドロキシルである。
一実施形態では、RはC2−6アルケニルであり;R10およびR20はそれぞれヒドロキシルである。
一実施形態では、RはアリールC1−6アルキルであり;R10がヒドロキシルであり、かつR20がC1−6アルコキシであるか、またはR10がC1−6アルコキシであり、かつR20がヒドロキシルである。
したがって、第2の態様では、本発明は、式(I)もしくは(II)の化合物、または
a)5−フェニルペンタ−2,4−ジエン酸、
b)3−メチル−3−ブテニルカフェ酸、
c)1,1−ジメチルアリルカフェ酸、
d)ピノバンクシン−3−アセテート、
e)テクトクリシン、
f)ピノストロビンカルコン、
g)フェルラ酸ベンジル、および
h)イソフェルラ酸ベンジル
のうちの任意の1つもしくは複数から選択される化合物を含む、本明細書で定義される少なくとも1種類の化合物を含む抗胃腸癌組成物に関する。
誤解を避けるために、5−フェニルペンタ−2,4−ジエン酸は以下に示す式(A)を有し、3−メチル−3−ブテニルカフェ酸は以下に示す式(B)を有し、1,1−ジメチルアリルカフェ酸は以下に示す式(C)を有し、ピノバンクシン−3−アセテートは以下に示す式(D)を有し、テクトクリシンは以下に示す式(E)を有し、ピノストロビンカルコンは式(F)を有し、フェルラ酸ベンジルは以下に示す式(G)を有し、イソフェルラ酸ベンジルは以下に示す式(H)を有する。
Figure 2016515615
一実施形態では、抗胃腸癌組成物は抗結腸直腸癌組成物である。別の実施形態では、抗胃腸癌組成物は抗胃癌組成物である。さらなる実施形態では、抗胃腸癌組成物は抗咽喉癌組成物である。
別の態様では、本発明は、式(I)もしくは(II)の化合物、または
a)5−フェニルペンタ−2,4−ジエン酸、
b)3−メチル−3−ブテニルカフェ酸、
c)1,1−ジメチルアリルカフェ酸、
d)ピノバンクシン−3−アセテート、
e)テクトクリシン、
f)ピノストロビンカルコン、
g)フェルラ酸ベンジル、および
h)イソフェルラ酸ベンジル
のうちの任意の1つもしくは複数から選択される化合物を含む、本明細書で定義される少なくとも1種類の化合物を含むか、本質的にそれらからなるか、またはそれらからなる医薬組成物に関する。
一実施形態では、本組成物は、腸の健康状態を維持または改善するためのものである。したがって、一実施形態では、本発明は、腸の健康状態を改善するための組成物であって、式(I)もしくは(II)の化合物、または
a)5−フェニルペンタ−2,4−ジエン酸、
b)3−メチル−3−ブテニルカフェ酸、
c)1,1−ジメチルアリルカフェ酸、
d)ピノバンクシン−3−アセテート、
e)テクトクリシン、
f)ピノストロビンカルコン、
g)フェルラ酸ベンジル、および
h)イソフェルラ酸ベンジル
のうちの任意の1つもしくは複数から選択される化合物を含む、本明細書で定義される少なくとも1種類の化合物を含むか、本質的にそれらからなるか、またはそれらからなる組成物に関する。
別の態様では、本発明は、対象における胃腸癌を治療または予防する方法であって、式(I)もしくは(II)の化合物、または
a)5−フェニルペンタ−2,4−ジエン酸、
b)3−メチル−3−ブテニルカフェ酸、
c)1,1−ジメチルアリルカフェ酸、
d)ピノバンクシン−3−アセテート、
e)テクトクリシン、
f)ピノストロビンカルコン、
g)フェルラ酸ベンジル、および
h)イソフェルラ酸ベンジル
のうちの任意の1つもしくは複数から選択される化合物を含む、本明細書で定義される少なくとも1種類の化合物を含むか、本質的にそれらからなるか、またはそれらからなる有効量の組成物を、それを必要とする対象に投与することを含む方法に関する。
一実施形態では、胃腸癌は結腸直腸癌である。別の実施形態では、胃腸癌は胃癌である。さらなる実施形態では、胃腸癌は咽喉癌である。
別の態様では、本発明は、対象における胃腸の腫瘍形成を阻害するか、胃腸の腫瘍増殖を阻害するか、胃腸の腫瘍転移を阻害するか、または胃腸癌を治療または予防する方法であって、式(I)もしくは(II)の化合物、または
a)5−フェニルペンタ−2,4−ジエン酸、
b)3−メチル−3−ブテニルカフェ酸、
c)1,1−ジメチルアリルカフェ酸、
d)ピノバンクシン−3−アセテート、
e)テクトクリシン、
f)ピノストロビンカルコン、
g)フェルラ酸ベンジル、および
h)イソフェルラ酸ベンジル
のうちの任意の1つもしくは複数から選択される化合物を含む、本明細書で定義される少なくとも1種類の化合物を含むか、本質的にそれらからなるか、またはそれらからなる有効量の組成物を、それを必要とする対象に別々に、同時に、または連続して投与することを含む方法に関する。
一実施形態では、胃腸の腫瘍は結腸直腸腫瘍である。別の実施形態では、胃腸の腫瘍は胃の腫瘍である。さらなる実施形態では、胃腸の腫瘍は咽喉腫瘍である。
本発明の別の態様は、対象における1つまたは複数の腫瘍性胃腸細胞のアポトーシスを誘導する方法であって、式(I)もしくは(II)の化合物、または
a)5−フェニルペンタ−2,4−ジエン酸、
b)3−メチル−3−ブテニルカフェ酸、
c)1,1−ジメチルアリルカフェ酸、
d)ピノバンクシン−3−アセテート、
e)テクトクリシン、
f)ピノストロビンカルコン、
g)フェルラ酸ベンジル、および
h)イソフェルラ酸ベンジル
のうちの任意の1つもしくは複数から選択される化合物を含む、本明細書で定義される少なくとも1種類の化合物を含むか、本質的にそれらからなるか、またはそれらからなる有効量の組成物を、それを必要とする対象に投与することを含む方法に関する。
一実施形態では、アポトーシスは結腸直腸腫瘍細胞のアポトーシスである。別の実施形態では、アポトーシスは胃の腫瘍細胞のアポトーシスである。さらなる実施形態では、アポトーシスは咽喉腫瘍細胞のアポトーシスである。
本発明の別の態様は、対象において1つまたは複数の腫瘍性胃腸細胞の増殖を調節する方法であって、それを必要とする対象に有効量の本発明の組成物を投与することを含む方法に関する。
例えば、一実施形態では、調節は低減である。したがって、本発明は、対象において1つまたは複数の腫瘍性胃腸細胞の増殖を低減する方法であって、5−フェニルペンタ−2,4−ジエン酸、3−メチル−3−ブテニルカフェ酸、1,1−ジメチルアリルカフェ酸、ピノバンクシン−3−アセテート、テクトクリシン、ピノストロビンカルコン、フェルラ酸ベンジル、およびイソフェルラ酸ベンジルを含むか、本質的にそれらからなるか、またはそれらからなる有効量の組成物を投与することを含む方法に関する。
一実施形態では、増殖は結腸直腸腫瘍細胞の増殖である。別の実施形態では、増殖は胃の腫瘍細胞の増殖である。さらなる実施形態では、増殖は咽喉腫瘍細胞の増殖である。
本発明の別の態様は、本明細書に記載の本発明の組成物を対象に投与することを含む、胃腸癌療法に対する対象の応答性を増加させる方法に関する。
一実施形態では、胃腸癌療法は結腸直腸癌療法である。別の実施形態では、胃腸癌療法は胃癌療法である。さらなる実施形態では、胃腸癌療法は咽喉癌療法である。
本発明の別の態様は、本明細書に記載の本発明の組成物を対象に投与することを含む、癌療法に対する対象の胃腸腫瘍の感受性を増加させる方法に関する。
一実施形態では、胃腸腫瘍は結腸直腸腫瘍である。別の実施形態では、胃腸の腫瘍は胃の腫瘍である。さらなる実施形態では、胃腸腫瘍は咽喉腫瘍である。
さらなる態様では、本発明は、治療に耐性を示す1つまたは複数の胃腸癌細胞を再感作させる方法であって、1つまたは複数の胃腸癌細胞に有効量の本明細書に記載の本発明の組成物を投与することを含む方法に関する。
一実施形態では、胃腸癌細胞は、対象に存在する腫瘍を含む。
本発明はまた、胃腸癌に罹患している対象における腫瘍細胞の癌療法に対する耐性を少なくとも部分的に逆転させる方法であって、本明細書に記載の本発明の組成物を対象に投与することを含む方法にも関する。
さらに、本発明は、胃腸癌療法に対する胃腸癌患者の耐性を全体的にまたは部分的に逆転させる方法であって、本明細書に記載の本発明の組成物を前記患者に投与するステップを含む方法に関する。
別の態様では、本発明は、胃腸癌療法による治療に耐性を示すか、または耐性を示すこともしくは耐性になることが予想される胃腸癌患者の1つまたは複数の腫瘍を、胃腸癌療法による治療に対して再感作させる方法であって、本明細書に記載の本発明の組成物を前記患者に投与するステップを含む方法を提供する。
一実施形態では、腫瘍は化学療法による治療に耐性を示す。
一実施形態では、胃腸癌は結腸直腸癌である。別の実施形態では、胃腸癌は胃癌である。さらなる実施形態では、胃腸癌は咽喉癌である。
さらなる態様では、本発明は、腸の健康状態を改善する方法であって、本明細書に記載の本発明の組成物を、それを必要とする対象に投与することを含む方法に関する。
一実施形態では、本組成物は相乗的治療用組成物である。一実施形態では、本組成物は、相乗的治療効果を提供する。
一実施形態では、本組成物は、本明細書に記載の化合物と、いずれかの一方の単独の効果よりも大きいか、またはいずれかの一方の単独の相加効果よりも大きい相乗的治療効果を提供する少なくとも1種類の追加の治療剤と、を含む。例えば、アポトーシスの誘導に対して、胃腸癌細胞の生存もしくは増殖に対して、療法に対する再感作に対して、胃腸癌の治療もしくは予防に対して、または治療法に対する対象もしくは腫瘍の応答に対してより大きな効果がある。一実施形態では、本化合物および少なくとも1種類の追加の治療剤は、必要に応じて、同時投与または連続投与される胃腸癌療法の投与の投与量を減少させるかもしくは増加させること、または投与の期間を減少させるかもしくは増加させることを可能にする。
一実施形態では、相乗的治療用組成物は、プロポリスに由来する少なくとも1種類の追加の化合物または抽出物を含む。例えば、本組成物は、ピノセンブリン、CAPE、クリシン、ガランギン、カフェ酸ベンジルまたはカフェ酸を含む群から選択される少なくとも1種類の化合物をさらに含む。
本発明の別の態様は、本明細書に記載の目的のための組成物の製造における、式(I)もしくは(II)の化合物、または
a)5−フェニルペンタ−2,4−ジエン酸、
b)3−メチル−3−ブテニルカフェ酸、
c)1,1−ジメチルアリルカフェ酸、
d)ピノバンクシン−3−アセテート、
e)テクトクリシン、
f)ピノストロビンカルコン、
g)フェルラ酸ベンジル、および
h)イソフェルラ酸ベンジル
のうちの任意の1つもしくは複数から選択される化合物を含む、本明細書で定義される少なくとも1種類の化合物の使用に関する。
一実施形態では、使用は、本明細書に記載の目的のための組成物の製造における、少なくとも1種類の追加の治療薬との併用である。
本発明の別の態様は、本明細書に記載の目的のための組成物の製造において、少なくとも1種類の追加の治療剤と共に、式(I)もしくは(II)の化合物、または
a)5−フェニルペンタ−2,4−ジエン酸、
b)3−メチル−3−ブテニルカフェ酸、
c)1,1−ジメチルアリルカフェ酸、
d)ピノバンクシン−3−アセテート、
e)テクトクリシン、
f)ピノストロビンカルコン、
g)フェルラ酸ベンジル、および
h)イソフェルラ酸ベンジル
のうちの任意の1つもしくは複数から選択される化合物を含む、本明細書で定義される少なくとも1種類の化合物を含む組成物を使用することに関し、本組成物は、少なくとも1種類の化合物および少なくとも1種類の追加の治療剤の別々の投与、同時投与または連続投与を提供するように製剤化される。
一実施形態では、複合体はシクロデキストリンを含む。別の実施形態では、本化合物は、溶媒、例えば、エタノールまたはプロピレングリコールに溶解されて提供される。
本発明の別の態様は、
a)5−フェニルペンタ−2,4−ジエン酸、
b)3−メチル−3−ブテニルカフェ酸、
c)1,1−ジメチルアリルカフェ酸、
d)ピノバンクシン−3−アセテート、
e)テクトクリシン、
f)ピノストロビンカルコン、
g)フェルラ酸ベンジル、および
h)イソフェルラ酸ベンジル
のうちの任意の1つもしくは複数から選択される少なくとも1種類の化合物を含むか、本質的にそれらからなるか、またはそれらからなる組成物に関する。
一実施形態では、本化合物は、単離、精製または実質的に精製されている。
一実施形態では、本組成物は、
a)5−フェニルペンタ−2,4−ジエン酸、
b)3−メチル−3−ブテニルカフェ酸、
c)1,1−ジメチルアリルカフェ酸、
d)ピノバンクシン−3−アセテート、
e)テクトクリシン、
f)ピノストロビンカルコン、
g)フェルラ酸ベンジル、および
h)イソフェルラ酸ベンジル
のうちの任意の1つもしくは複数から選択される少なくとも1種類の化合物を添加されたものである。
一実施形態では、本組成物は、
a)5−フェニルペンタ−2,4−ジエン酸、
b)3−メチル−3−ブテニルカフェ酸、
c)1,1−ジメチルアリルカフェ酸、
d)ピノバンクシン−3−アセテート、
e)テクトクリシン、
f)ピノストロビンカルコン、
g)フェルラ酸ベンジル、および
h)イソフェルラ酸ベンジル
のうちの任意の1つもしくは複数から選択される少なくとも1種類の単離、精製または実質的に精製された化合物を添加されたものである。
本発明の別の態様は、ヒト対象における胃腸の腫瘍形成を阻害すること、胃腸の腫瘍増殖を阻害すること、胃腸の腫瘍転移を阻害すること、または胃腸癌を治療もしくは予防すること、ヒト対象における1つもしくは複数の腫瘍性胃腸細胞のアポトーシスを誘導すること、胃腸癌治療に対するヒト対象の応答性を高めること、胃腸癌治療に対するヒト対象における胃腸腫瘍の感受性を増加させること、治療に耐性のあるヒト対象における1つもしくは複数の胃腸癌細胞を再感作させること、胃腸癌に罹患しているヒト対象における腫瘍細胞の胃腸癌療法に対する耐性を少なくとも部分的に逆転させること、胃腸癌療法に対する胃腸癌ヒト患者の耐性を完全にまたは部分的に逆転させること、または胃腸癌療法による治療に耐性を示すか、耐性を示すこともしくは耐性を示すようになることが予想される胃腸癌ヒト患者の1つもしくは複数の腫瘍を、胃腸癌療法による治療に対して再感作させることに使用するための本発明の組成物に関する。
一実施形態では、本発明は、胃腸癌の治療または予防に使用するための本発明の組成物に関する。
以下の実施形態は、上記の態様のいずれかに関連し得る。
一実施形態では、本組成物は、約1、2、3、5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、60、70、75、80、90、100、125、150、175、200、250、300、350、400、450、500、600、700、800、900または999mg/gを上回る5−フェニルペンタ−2,4−ジエン酸濃度を有し、有用な範囲はこれらの値のいずれかの間(例えば、約1〜約5、約1〜約10、約2〜約20、約5〜約20、約5〜約25、約10〜約25、約10〜約40、約15〜約100、または約20〜約999mg/g)から選択され得る。
一実施形態では、本組成物は、約1、2、3、5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、60、70、75、80、90、100、125、150、175、200、250、300、350、400、450、500、600、700、800、900または999mg/gを上回る3−メチル−3−ブテニルカフェ酸濃度を有し、有用な範囲はこれらの値のいずれかの間(例えば、約1〜約5、約1〜約10、約2〜約20、約5〜約20、約5〜約25、約10〜約25、約10〜約40、約15〜約100、または約20〜約999mg/g)から選択され得る。
一実施形態では、本組成物は、約1、2、3、5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、60、70、75、80、90、100、125、150、175、200、250、300、350、400、450、500、600、700、800、900または999mg/gを上回る1,1−ジメチルアリルカフェ酸濃度を有し、有用な範囲はこれらの値のいずれかの間(例えば、約1〜約5、約1〜約10、約2〜約20、約5〜約20、約5〜約25、約10〜約25、約10〜約40、約15〜約100、または約20〜約999mg/g)から選択され得る。
一実施形態では、本組成物は、約1、2、3、5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、60、70、75、80、90、100、125、150、175、200、250、300、350、400、450、500、600、700、800、900または999mg/gを上回るピノバンクシン−3−アセテート濃度を有し、有用な範囲はこれらの値のいずれかの間(例えば、約1〜約5、約1〜約10、約2〜約20、約5〜約20、約5〜約25、約10〜約25、約10〜約40、約15〜約100、または約20〜約999mg/g)から選択され得る。
一実施形態では、本組成物は、約1、2、3、5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、60、70、75、80、90、100、125、150、175、200、250、300、350、400、450、500、600、700、800、900または999mg/gを上回るテクトクリシン濃度を有し、有用な範囲はこれらの値のいずれかの間(例えば、約1〜約5、約1〜約10、約2〜約20、約5〜約20、約5〜約25、約10〜約25、約10〜約40、約15〜約100、または約20〜約999mg/g)から選択され得る。
一実施形態では、本組成物は、約1、2、3、5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、60、70、75、80、90、100、125、150、175、200、250、300、350、400、450、500、600、700、800、900または999mg/gを上回るピノストロビンカルコン濃度を有し、有用な範囲はこれらの値のいずれかの間(例えば、約1〜約5、約1〜約10、約2〜約20、約5〜約20、約5〜約25、約10〜約25、約10〜約40、約15〜約100、または約20〜約999mg/g)から選択され得る。
一実施形態では、本組成物は、約1、2、3、5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、60、70、75、80、90、100、125、150、175、200、250、300、350、400、450、500、600、700、800、900または999mg/gを上回る濃度のフェルラ酸ベンジルを有し、有用な範囲はこれらの値のいずれかの間(例えば、約1〜約5、約1〜約10、約2〜約20、約5〜約20、約5〜約25、約10〜約25、約10〜約40、約15〜約100、または約20〜約999mg/g)から選択され得る。
一実施形態では、本組成物は、約1、2、3、5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、60、70、75、80、90、100、125、150、175、200、250、300、350、400、450、500、600、700、800、900または999mg/gを上回るイソフェルラ酸ベンジル濃度を有し、有用な範囲はこれらの値のいずれかの間(例えば、約1〜約5、約1〜約10、約2〜約20、約5〜約20、約5〜約25、約10〜約25、約10〜約40、約15〜約100、または約20〜約999mg/g)から選択され得る。
一実施形態では、本組成物は、約1、2、3、5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、60、70、75、80、90、100、125、150、175、200、250、300、350、400、450、500、600、700、800、900または999mg/gを上回るCAPE濃度を有し、有用な範囲はこれらの値のいずれかの間(例えば、約1〜約5、約1〜約10、約2〜約20、約5〜約20、約5〜約25、約10〜約25、約10〜約40、約15〜約100、または約20〜約999mg/g)から選択され得る。
一実施形態では、本組成物は、約1、2、3、5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、60、70、75、80、90、100、125、150、175、200、250、300、350、400、450、500、600、700、800、900または999mg/gを上回るピノセンブリン濃度を有し、有用な範囲はこれらの値のいずれかの間(例えば、約1〜約5、約1〜約10、約2〜約20、約5〜約20、約5〜約25、約10〜約25、約10〜約40、約15〜約100、または約20〜約999mg/g)から選択され得る。
一実施形態では、本組成物は、約1、2、3、5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、60、70、75、80、90、100、125、150、175、200、250、300、350、400、450、500、600、700、800、900または999mg/gを上回るガランギン濃度を有し、有用な範囲はこれらの値のいずれかの間(例えば、約1〜約5、約1〜約10、約2〜約20、約5〜約20、約5〜約25、約10〜約25、約10〜約40、約15〜約100、または約20〜約999mg/g)から選択され得る。
一実施形態では、本組成物は、約1、2、3、5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、60、70、75、80、90、100、125、150、175、200、250、300、350、400、450、500、600、700、800、900または999mg/gを上回るクリシン濃度を有し、有用な範囲はこれらの値のいずれかの間(例えば、約1〜約5、約1〜約10、約2〜約20、約5〜約20、約5〜約25、約10〜約25、約10〜約40、約15〜約100、または約20〜約999mg/g)から選択され得る。
一実施形態では、本組成物は、約1、2、3、5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、60、70、75、80、90、100、125、150、175、200、250、300、350、400、450、500、600、700、800、900または999mg/gを上回るピノバンクシン濃濃度を有し、有用な範囲はこれらの値のいずれかの間(例えば、約1〜約5、約1〜約10、約2〜約20、約5〜約20、約5〜約25、約10〜約25、約10〜約40、約15〜約100、または約20〜約999mg/g)から選択され得る。
一実施形態では、本組成物は、約1、2、3、5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、60、70、75、80、90、100、125、150、175、200、250、300、350、400、450、500、600、700、800、900または999mg/gを上回るカフェ酸濃度を有し、有用な範囲はこれらの値のいずれかの間(例えば、約1〜約5、約1〜約10、約2〜約20、約5〜約20、約5〜約25、約10〜約25、約10〜約40、約15〜約100、または約20〜約999mg/g)から選択され得る。
一実施形態では、本組成物は、約1、2、3、5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、60、70、75、80、90、100、125、150、175、200、250、300、350、400、450、500、600、700、800、900または999mg/gを上回るカフェ酸ベンジル濃度を有し、有用な範囲はこれらの値のいずれかの間(例えば、約1〜約5、約1〜約10、約2〜約20、約5〜約20、約5〜約25、約10〜約25、約10〜約40、約15〜約100、または約20〜約999mg/g)から選択され得る。
一実施形態では、1種類または複数種類の化合物は、5−フェニルペンタ−2,4−ジエン酸、3−メチル−3−ブテニルカフェ酸、1,1−ジメチルアリルカフェ酸、ピノバンクシン−3−アセテート、テクトクリシン、ピノストロビンカルコン、フェルラ酸ベンジルおよびイソフェルラ酸ベンジルから選択される1種類または複数種類の化合物が濃縮されたプロポリス抽出物またはプロポリス画分の形態の抗胃腸癌組成物中に存在する。一実施形態では、濃縮は、粗プロポリスに存在するレベルに対する濃縮である。この実施形態では、濃縮は、脱脂されたプロポリス中に存在する非脂質成分に対する濃縮である。したがって、一実施形態では、企図される濃縮は、粗プロポリスまたは未処理のプロポリス中に存在するものなどのワックスを除去するための粗プロポリスの脱脂もしくは他の処理後のプロポリス抽出物またはプロポリス画分中に存在する成分に対する濃縮である。別の実施形態では、濃縮は、本明細書の表1中の同定された化合物の1つまたは複数に対する濃縮である。
さらなる実施形態では、1種類または複数種類の化合物は、5−フェニルペンタ−2,4−ジエン酸、3−メチル−3−ブテニルカフェ酸、1,1−ジメチルアリルカフェ酸、ピノバンクシン−3−アセテート、テクトクリシン、ピノストロビンカルコン、フェルラ酸ベンジル、およびイソフェルラ酸ベンジルから選択される1種類もしくは複数種類の化合物が濃縮されたプロポリス抽出物またはプロポリス画分の形態の抗胃腸癌組成物中に存在し、濃縮は精製されたプロポリスに存在するレベルに対する濃縮である。したがって、企図される濃縮は、ワックスを除去するための粗プロポリスの脱脂もしくは他の処理、次いで、実施例1に記載され、当技術分野で公知のものなどのさらなる分画工程(複数可)、例えば、HPLC、カラムクロマトグラフィー、HP−20もしくはセファデックスなどのポリマー樹脂への吸着および脱着、溶媒分配を用いた画分への分離の後のプロポリス抽出物またはプロポリス画分中に存在する成分に対する濃縮である。
一実施形態では、プロポリス抽出物またはプロポリス画分は、5−フェニルペンタ−2,4−ジエン酸が濃縮されている。一実施形態では、プロポリス抽出物またはプロポリス画分は、3−メチル−3−ブテニルカフェ酸が濃縮されている。一実施形態では、プロポリス抽出物またはプロポリス画分は、1,1−ジメチルアリルカフェ酸が濃縮されている。一実施形態では、プロポリス抽出物またはプロポリス画分は、ピノバンクシン−3−アセテートが濃縮されている。一実施形態では、プロポリス抽出物またはプロポリス画分は、テクトクリシンが濃縮されている。一実施形態では、プロポリス抽出物またはプロポリス画分は、ピノストロビンカルコンが濃縮されている。一実施形態では、プロポリス抽出物またはプロポリス画分は、フェルラ酸ベンジルが濃縮されている。一実施形態では、プロポリス抽出物またはプロポリス画分は、イソフェルラ酸ベンジルが濃縮されている。
様々な実施形態では、プロポリス抽出物またはプロポリス画分は、5−フェニルペンタ−2,4−ジエン酸、3−メチル−3−ブテニルカフェ酸、1,1−ジメチルアリルカフェ酸、ピノバンクシン−3−アセテート、テクトクリシン、ピノストロビンカルコン、フェルラ酸ベンジル、およびイソフェルラ酸ベンジルのうちの2種類以上の任意の組み合わせが濃縮されている。
一実施形態では、プロポリス抽出物またはプロポリス画分は、約0.1、0.5、0.75、1、2、3、5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、60、70、75、80、90、100、125、150、175、200、250、300、350、400、450、500、600、700、800、900または999mg/gを上回る5−フェニルペンタ−2,4−ジエン酸濃度を有し、有用な範囲はこれらの値のいずれかの間(例えば、約0.1〜約1、約1〜約5、約1〜約10、約2〜約20、約5〜約20、約5〜約25、約10〜約25、約10〜約40、約15〜約100、または約20〜約999mg/g)から選択され得る。
一実施形態では、プロポリス抽出物またはプロポリス画分は、約0.1、0.5、0.75、1、2、3、5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、60、70、75、80、90、100、125、150、175、200、250、300、350、400、450、500、600、700、800、900または999mg/gを上回る3−メチル−3−ブテニルカフェ酸濃度を有し、有用な範囲はこれらの値のいずれかの間(例えば、約0.1〜約1、約1〜約5、約1〜約10、約2〜約20、約5〜約20、約5〜約25、約10〜約25、約10〜約40、約15〜約100、または約20〜約999mg/g)から選択され得る。
一実施形態では、プロポリス抽出物またはプロポリス画分は、約0.1、0.5、0.75、1、2、3、5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、60、70、75、80、90、100、125、150、175、200、250、300、350、400、450、500、600、700、800、900または999mg/gを上回る1,1−ジメチルアリルカフェ酸濃度を有し、有用な範囲はこれらの値のいずれかの間(例えば、約0.1〜約1、約1〜約5、約1〜約10、約2〜約20、約5〜約20、約5〜約25、約10〜約25、約10〜約40、約15〜約100、または約20〜約999mg/g)から選択され得る。
一実施形態では、プロポリス抽出物またはプロポリス画分は、約0.1、0.5、0.75、1、2、3、5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、60、70、75、80、90、100、125、150、175、200、250、300、350、400、450、500、600、700、800、900または999mg/gを上回るピノバンクシン−3−アセテート濃度を有し、有用な範囲はこれらの値のいずれかの間(例えば、約0.1〜約1、約1〜約5、約1〜約10、約2〜約20、約5〜約20、約5〜約25、約10〜約25、約10〜約40、約15〜約100、または約20〜約999mg/g)から選択され得る。
一実施形態では、プロポリス抽出物またはプロポリス画分は、約0.1、0.5、0.75、1、2、3、5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、60、70、75、80、90、100、125、150、175、200、250、300、350、400、450、500、600、700、800、900または999mg/gを上回るテクトクリシン濃度を有し、有用な範囲はこれらの値のいずれかの間(例えば、約0.1〜約1、約1〜約5、約1〜約10、約2〜約20、約5〜約20、約5〜約25、約10〜約25、約10〜約40、約15〜約100、または約20〜約999mg/g)から選択され得る。
一実施形態では、プロポリス抽出物またはプロポリス画分は、約0.1、0.5、0.75、1、2、3、5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、60、70、75、80、90、100、125、150、175、200、250、300、350、400、450、500、600、700、800、900または999mg/gを上回るピノストロビンカルコン濃度を有し、有用な範囲はこれらの値のいずれかの間(例えば、約0.1〜約1、約1〜約5、約1〜約10、約2〜約20、約5〜約20、約5〜約25、約10〜約25、約10〜約40、約15〜約100、または約20〜約999mg/g)から選択され得る。
一実施形態では、プロポリス抽出物またはプロポリス画分は、約0.1、0.5、0.75、1、2、3、5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、60、70、75、80、90、100、125、150、175、200、250、300、350、400、450、500、600、700、800、900または999mg/gを上回るフェルラ酸ベンジル濃度を有し、有用な範囲はこれらの値のいずれかの間(例えば、約0.1〜約1、約1〜約5、約1〜約10、約2〜約20、約5〜約20、約5〜約25、約10〜約25、約10〜約40、約15〜約100、または約20〜約999mg/g)から選択され得る。
一実施形態では、プロポリス抽出物またはプロポリス画分は、約0.1、0.5、0.75、1、2、3、5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、60、70、75、80、90、100、125、150、175、200、250、300、350、400、450、500、600、700、800、900または999mg/gを上回るイソフェルラ酸ベンジル濃度を有し、有用な範囲はこれらの値のいずれかの間(例えば、約0.1〜約1、約1〜約5、約1〜約10、約2〜約20、約5〜約20、約5〜約25、約10〜約25、約10〜約40、約15〜約100、または約20〜約999mg/g)から選択され得る。
一実施形態では、プロポリス抽出物またはプロポリス画分は、カフェ酸フェニルエーテルエステル(CAPE)、ピノセンブリン、カフェ酸、クリシン、ガランギン、またはカフェ酸ベンジルを含む群から選択される化合物のうちの少なくとも1種類が濃縮されている。
一実施形態では、プロポリスまたはプロポリス画分は、約1mg/g、約1.5mg/g、約2mg/g、約2.5mg/g、約3mg/g、約3.5mg/g、約4mg/g、約4.5mg/g、約5mg/g、約5.5mg/g、約6mg/g、約7.5mg/g、約10mg/g、約15mg/g、約20mg/g、約25mg/g、約30mg/g、約40mg/g、約50mg/g、約75mg/g、約100mg/g、約125mg/g、約150mg/g、約175mg/g、約200mg/g、250mg/g、約300mg/g、約350mg/g、約400mg/g、約450mg/g、約500mg/g、約550mg/g、約600mg/g、約650mg/g、約700mg/g、約750mg/g、約800mg/g、約850mg/g、約900mg/g、約950mg/gを上回り、約999mg/gまでのCAPE濃度を有する。
一実施形態では、プロポリスまたはプロポリス画分は、約1mg/g、約1.5mg/g、約2mg/g、約2.5mg/g、約3mg/g、約3.5mg/g、約4mg/g、約4.5mg/g、約5mg/g、約5.5mg/g、約6mg/g、約7.5mg/g、約10mg/g、約15mg/g、約20mg/g、約25mg/g、約30mg/g、約40mg/g、約50mg/g、約75mg/g、約100mg/g、約125mg/g、約150mg/g、約175mg/g、約200mg/g、250mg/g、約300mg/g、約350mg/g、約400mg/g、約450mg/g、約500mg/g、約550mg/g、約600mg/g、約650mg/g、約700mg/g、約750mg/g、約800mg/g、約850mg/g、約900mg/g、約950mg/gを上回り、約999mg/gまでのピノセンブリン濃度を有する。
一実施形態では、プロポリスまたはプロポリス画分は、約1mg/g、約1.5mg/g、約2mg/g、約2.5mg/g、約3mg/g、約3.5mg/g、約4mg/g、約4.5mg/g、約5mg/g、約5.5mg/g、約6mg/g、約7.5mg/g、約10mg/g、約15mg/g、約20mg/g、約25mg/g、約30mg/g、約40mg/g、約50mg/g、約75mg/g、約100mg/g、約125mg/g、約150mg/g、約175mg/g、約200mg/g、250mg/g、約300mg/g、約350mg/g、約400mg/g、約450mg/g、約500mg/g、約550mg/g、約600mg/g、約650mg/g、約700mg/g、約750mg/g、約800mg/g、約850mg/g、約900mg/g、約950mg/gを上回り、約999mg/gまでのガランギン濃度を有する。
一実施形態では、プロポリスまたはプロポリス画分は、約1mg/g、約1.5mg/g、約2mg/g、約2.5mg/g、約3mg/g、約3.5mg/g、約4mg/g、約4.5mg/g、約5mg/g、約5.5mg/g、約6mg/g、約7.5mg/g、約10mg/g、約15mg/g、約20mg/g、約25mg/g、約30mg/g、約40mg/g、約50mg/g、約75mg/g、約100mg/g、約125mg/g、約150mg/g、約175mg/g、約200mg/g、250mg/g、約300mg/g、約350mg/g、約400mg/g、約450mg/g、約500mg/g、約550mg/g、約600mg/g、約650mg/g、約700mg/g、約750mg/g、約800mg/g、約850mg/g、約900mg/g、約950mg/gを上回り、約999mg/gまでのクリシン濃度を有する。
一実施形態では、プロポリスまたはプロポリス画分は、約1mg/g、約1.5mg/g、約2mg/g、約2.5mg/g、約3mg/g、約3.5mg/g、約4mg/g、約4.5mg/g、約5mg/g、約5.5mg/g、約6mg/g、約7.5mg/g、約10mg/g、約15mg/g、約20mg/g、約25mg/g、約30mg/g、約40mg/g、約50mg/g、約75mg/g、約100mg/g、約125mg/g、約150mg/g、約175mg/g、約200mg/g、250mg/g、約300mg/g、約350mg/g、約400mg/g、約450mg/g、約500mg/g、約550mg/g、約600mg/g、約650mg/g、約700mg/g、約750mg/g、約800mg/g、約850mg/g、約900mg/g、約950mg/gを上回り、約999mg/gまでのカフェ酸ベンジル濃度を有する。
一実施形態では、プロポリスまたはプロポリス画分は、約1mg/g、約1.5mg/g、約2mg/g、約2.5mg/g、約3mg/g、約3.5mg/g、約4mg/g、約4.5mg/g、約5mg/g、約5.5mg/g、約6mg/g、約7.5mg/g、約10mg/g、約15mg/g、約20mg/g、約25mg/g、約30mg/g、約40mg/g、約50mg/g、約75mg/g、約100mg/g、約125mg/g、約150mg/g、約175mg/g、約200mg/g、250mg/g、約300mg/g、約350mg/g、約400mg/g、約450mg/g、約500mg/g、約550mg/g、約600mg/g、約650mg/g、約700mg/g、約750mg/g、約800mg/g、約850mg/g、約900mg/g、約950mg/gを上回り、約999mg/gまでのカフェ酸濃度を有する。
様々な実施形態では、本組成物は、少なくとも1種類の追加の治療剤を含むか、少なくとも1種類の追加の治療剤と別々にまたは同時にまたは連続的に投与され、好ましくは、少なくとも1種類の追加の治療剤は抗腫瘍剤であり、好ましくは、抗腫瘍剤は、抗腫瘍食品因子、化学療法剤、または免疫療法剤から選択される。
様々な実施形態では、胃腸癌療法、治療剤、または抗腫瘍剤は、アポトーシスの誘導、例えば、1つもしくは複数の胃腸癌細胞または1つもしくは複数の腫瘍細胞におけるアポトーシスの誘導に有効である。
一実施形態では、胃腸癌療法、治療剤、または抗腫瘍剤は、ブチラートまたはブチラート源である。
一実施形態では、本組成物は消費財である。
一実施形態では、本組成物は、食品、飲料、食品添加物、飲料用添加剤、栄養補助食品、栄養製品、医療食品、栄養補助食品、医薬品または医薬である。
様々な実施形態では、本組成物は、経口、局所、または非経口投与用に製剤化され得る。
一実施形態では、本組成物は、1つまたは複数の追加の抗胃腸癌剤を含む。
一実施形態では、本組成物は医薬組成物である。別の実施形態では、本組成物は、栄養補助食品組成物である。
様々な実施形態では、化学療法剤は、ビンクリスチン、ビンブラスチン、ビノレルビン、ビンデシン、ビンフルニン、ポドフィロトキシンを含むビンカアルカロイド類、ドセタキセル、ラロタキセル、オルタタキセル、パクリタキセル、およびテセタキセルを含むタキサン類、およびイクサベピロンなどのエポチロン類などの有糸分裂阻害剤;トポテカン、イリノテカン、カンプトテシン、ルビテカン、およびベロテカンなどのトポイソメラーゼI阻害剤、アムサクリン、エトポシド、リン酸エトポシド、およびテニポシドを含むトポイソメラーゼII型阻害剤、アクラルビシン、ダウノルビシン、ドキソルビシン、エピルビシン、イダルビシン、アムルビシン、ピラルビシン、バルルビシン、およびゾルビシンなどのアントラサイクリン類、ならびにミトキサントロンおよびピクサントロンなどのアントラセンジオン類;アミノプテリン、メトトレキサート、ペメトレキセドなどのジヒドロ葉酸還元酵素阻害剤、ラルチトレキセドおよびペメトレキセドなどのチミジル酸合成酵素阻害剤、ペントスタチンを含むアデノシンデアミナーゼ阻害剤、クラドリビン、クロファラビン、およびフルダラビンなどのハロゲン化またはリボヌクレオチド還元酵素阻害剤、チオグアニンおよびメルカプトプリンを含むチオプリン類、フルオロウラシル、カペシタビン、テガフール、カルモフール、およびフロクスウリジンを含むチミジル酸合成酵素阻害剤、シタラビンなどのDNAポリメラーゼ阻害剤、ゲムシタビンなどのリボヌクレオチド還元酵素阻害剤、アザシチジンおよびデシタビンを含む低メチル化剤、ヒドロキシウレアなどのリボヌクレオチドレダクターゼ阻害剤を含む代謝拮抗薬;メクロレタミン、シクロホスファミド、イホスファミド、トロホスファミド、クロラムブシル、メルファラン、プレドニムスチン、ベンダムスチン、ウラムスチン、エストラムスチンを含むナイトロジェンマスタードなどのアルキル化剤、カルムスチン、ロムスチン、セムスチン、フォテムスチン、ニムスチン、ラニムスチン、およびストレプトゾシンを含むニトロソ尿素類、ブスルファン、マンノスルファン、およびトレオスルファンを含むスルホン酸アルキル類、カルボコン、チオテパ、トリアジコン、およびトリエチレンメラミンを含むアジリジン類、シスプラチン、カルボプラチン、オキサリプラチン、ネダプラチン、四硝酸トリプラチン、サトラプラチンなどの白金剤を含むアルキル化様剤、プロカルバジンなどのヒドラジン類、ダカルバジン、テモゾロミド、アルトレタミン、およびミトブロニトールなどのトリアゼン類、アクチノマイシン、ブレオマイシン、ダウノマイシン、マイトマイシン、およびプリカマイシンなどのストレプトマイシン類を含む細胞周期非特異的な抗悪性腫瘍薬;アミノレブリン酸、アミノレブリン酸メチル、エファプロキシラル、ならびにポルフィマーナトリウム、タラポルフィン、テモポルフィン、およびベルテポルフィンなどのポルフィリン誘導体類を含む光増感剤;チピファルニブなどのファルネシルトランスフェラーゼ阻害剤、アルボシジブおよびセリシクリブなどのサイクリン依存性キナーゼ阻害剤、ボルテゾミブなどのプロテアソーム阻害剤、アナグレリドなどのホスホジエステラーゼ阻害剤、チアゾフリンなどのIMPデヒドロゲナーゼ阻害剤、マソプロコールなどのリポキシゲナーゼ阻害剤、ならびにオラパリブなどのPARP阻害剤を含む酵素阻害剤;アトラセンタンを含むエンドセリン受容体アンタゴニスト、ベキサロテンなどのレチノイドX受容体アンタゴニスト、およびテストラクトンなどの受容体アンタゴニスト類;アムサクリン、トラベクテジン、アリトレチノインおよびトレチノイン、三酸化ヒ素などのレチノイド類、アスパラギナーゼまたはペガスパルガーゼなどのアスパラギンデプレター(asparagine depleter)類、セレコキシブ、デメコルチン、エレスクロモール、エルサミトルシン、エトグルシド、およびロニダミンを含む他の化学療法剤を含む群から選択される。
本明細書に開示される数値の範囲(例えば、1〜10)への言及はまた、その範囲内の全ての有理数(例えば、1、1.1、2、3、3.9、4、5、6、6.5、7、8、9および10)ならびにその範囲内の有理数の任意の範囲(例えば、2〜8、1.5〜5.5、3.1〜4.7)への言及を包含し、したがって、本明細書に明示的に開示される全ての範囲の全てのサブ範囲は、本明細書に明示的に開示されることが意図される。これらは、具体的に意図されるものの単なる例であり、列挙される最低値と最高値の間の全ての可能な数値の組み合わせが、同様に、本出願に明示的に記載されると考えられるべきである。
特許明細書、他の外部文書、または他の情報源に対して言及している本明細書では、これは、一般的に、本発明の特徴を議論するための状況を提供する目的のものである。特に具体的に記載しない限り、そのような外部文書への言及は、そのような文書、またはそのような情報源が、任意の管轄区域で先行技術である、または当技術分野における共通の一般知識の一部を形成しているという承認として解釈されるべきではない。
本発明はまた、本出願の明細書で言及または示される部分、要素および特徴の中、前記部分、要素もしくは特徴のうちの2以上の任意のまたは全ての組み合わせの中に個々にまたは集合的に存在すると広く言うことができ、本明細書で言及される特定の整数が本発明に関連する技術分野で公知の均等物を有する場合、このような公知の等価物は、個別に記載されるように本明細書に組み込まれるとみなされる。
詳細な説明
本発明は、5−フェニルペンタ−2,4−ジエン酸、3−メチル−3−ブテニルカフェ酸、1,1−ジメチルアリルカフェ酸、ピノバンクシン−3−アセテート、テクトクリシン、ピノストロビンカルコン、フェルラ酸ベンジル、およびイソフェルラ酸ベンジルのうちの任意の1つまたは複数から選択される化合物を含む組成物の発見に基づく。本発明の薬学的組成物、例えば、本発明の抗癌組成物は、プロポリスまたはプロポリスが含まれる物質の活性および物理化学的特性を向上させる。
したがって、抗胃腸癌組成物が哺乳類対象への投与に適するように製剤化される、例えば、それらが人体に安全な物質からなるという条件で、抗胃腸癌組成物は、抗胃腸癌医薬組成物および医薬品だけでなく、飲料、および食品などの栄養補助食品組成物、消費財を製造するために使用できる。
さらに、本発明の組成物の実施形態の抗胃腸癌活性が持続期間維持されるので、組成物の投与の投薬量もしくは投与頻度を低減できるか、またはより高い活性が提供されるか、またはその両方が可能になる。
本発明の(本明細書において互換的に使用される)語句「抗胃腸癌組成物」または「抗胃腸癌活性を有する組成物」は、対象への投与に適する任意の種類の組成物を企図する。例としては、プロポリスから誘導される化合物を含有する抗結腸直腸癌組成物、抗胃癌組成物または抗咽喉癌組成物が挙げられる。
用語「および/または」は、「および」または「または」を意味し得る。
用語「癌」および「癌性」は、典型的には、異常なまたは無秩序な細胞増殖、細胞生存、細胞運動、腫瘍性、および/または発癌性を特徴とする、哺乳類における生理学的状態を指す。癌および癌の病理は、例えば、転移、隣接細胞の正常な機能の妨害、異常なレベルでのサイトカインまたは他の分泌産物の放出、炎症もしくは免疫応答の抑制または悪化、新生物、前悪性、悪性腫瘍、リンパ節などの周囲もしくは離れた組織または臓器の浸潤などと関連し得る。具体的には、上皮性腫瘍、非上皮性腫瘍、癌腫、例えば、上皮内癌、ならびに侵襲性結腸直腸癌を含み得る結腸直腸癌および前癌状態が含まれる。また、上皮腫瘍、腺癌、胃リンパ腫、カルチノイド腫瘍、間質腫瘍を含み得る胃癌および前癌状態も含まれる。また、上皮腫瘍、扁平上皮癌、腺癌を含み得る咽喉癌および前癌の症状も含まれる。癌は、例えば、上皮内癌、および浸潤癌であり得る。
本明細書で使用する用語「含む」は、「から少なくとも部分的になる」を意味する。その用語を含む本明細書中の文を解釈するとき、それぞれの文の中でその用語によって前置きされる特徴は全て存在する必要があるが、他の特徴も存在し得る。「含む」および「含まれる」などの関連用語も同様に解釈されるべきである。
「有効量」は、治療効果を与えるのに必要な量である。(体表面の平方メートル当たりのミリグラムに基づく)動物およびヒトに対する投与量の相互関係は、Freireichら(1966)に記載されている。体表面積は、対象の身長および体重からほぼ決定できる。例えば、科学テーブル、ガイギー医薬品(Scientific Tables,Geigy Pharmaceuticals)、ニューヨーク州アーズリー、1970年、537を参照されたい。有効な用量はまた、当業者よって認識されるように、投与経路、および賦形剤の使用などに依存して変化する。
本明細書で使用する、本発明での使用に適するプロポリスの「抽出物」または「画分」は、それらが抗胃腸癌活性を示すように、本明細書に記載の化合物のうちの1つまたは複数が濃縮されている。そのような機能性抽出または機能性画分は、天然プロポリスを上回るまたは下回る活性を有し得る。一例では、機能性抽出物または機能性画分が有する天然プロポリスの生物学的活性のうちの1つまたは複数は、天然プロポリスに見られるレベルを上回るまたは下回るレベルで機能性抽出物または機能性画分中に存在し得る。別の例では、機能性抽出物または機能性画分が有する天然プロポリスの生物学的活性のそれぞれは、天然プロポリスに見られるレベルを上回るまたは下回るレベルで機能性抽出物または機能性画分中に存在する。さらに別の例では、天然プロポリスの生物学的活性のうちの1つまたは複数は、天然プロポリスに見られるレベルを上回るレベルで維持されるかまたは存在するが、天然プロポリスの1つもしくは複数の他の生物学的活性は存在しないか、または天然プロポリスに見られるレベルを下回るレベルで存在する機能性抽出物または機能性画分を提供することが望ましい場合がある。そのような機能性抽出物の例としては、本明細書の実施例に記載の抗胃腸癌チンキ剤が挙げられる。
本明細書に記載の化合物によって誘発される1つまたは複数の生物学的効果を決定するための方法およびアッセイは、当該分野で周知であり、例が本明細書に記載されており、このような方法およびアッセイを用いて、プロポリスの1つもしくは複数の機能性抽出物または1つもしくは複数の機能性画分を同定または検証できる。例えば、本明細書の実施例に記載のものなどの、細胞内の1つまたは複数の発癌性形質を増大させるプロポリスの能力の測定は、プロポリスの1つもしくは複数の機能性抽出物または1つもしくは複数の機能性画分を同定するのに適する。
本明細書で使用する「プロポリス」は、本明細書で説明する化合物の1つまたは複数を提供することが可能な任意の植物源からハチにより産生されるプロポリスを企図する。一実施形態では、プロポリスは、「ヨーロッパ」プロポリスである。「ヨーロッパ」プロポリスは、「ポプラ」プロポリスなどの別の名前でも知られている。例えば、プロポリスは、ポプラ、白樺、カラマツもしくは柳の1種または複数種の芽および葉の滲出物から得られる。プロポリスは、植物源に基づいて、7つの主要クラスに分類されている(Sforcin and Bankova,2011.Propolis:is there a potential for the development of new drugs? J. Ethnopharmacology,133:253−260)。これらのクラスは、ヨーロッパ、北米、南米南部、ニュージーランド由来の「ポプラ」、アルテピリンCを含む「ブラジルグリーン」、ロシア由来の「バーチ」、キューバ、ブラジル、メキシコ由来の「赤プロポリス」、ギリシャ、シチリア島、クレタ島、マルタ由来、および針葉樹から供給される「地中海」、キューバおよびベネズエラ由来の「クルシア」、ならびに「プロポリン」を含む、沖縄、台湾、インドネシア由来の「太平洋」である。
様々な国から報告されたプロポリス中の化合物の代表的な化合物および濃度を以下の表1に示す。これらの化合物は、例えば、プロポリスの供給源の特定、または本発明での使用に適するプロポリスの特徴付けおよび識別に有用である。
(表1)様々な地域からのエタノール可溶性プロポリス抽出物の組成データ(Kumazawa et al., 2004. Antioxidant activity of propolis of various geographic regions, Food Chemistry 84:329−339より)
Figure 2016515615
全ての値はmg/gプロポリス樹脂である。
シンナミリデン酢酸(またはフェニルペンタジエン酸)。Arg=アルゼンチン、Aus=オーストラリア、Bra=ブラジルグリーン?プロポリス、Bul=ブルガリア、Chil=チリ、Chi=中国(a=河北省、b=湖北省、c=浙江省)、Hun=ハンガリー、NZ=ニュージーランド、SA=南アフリカ、Ukr=ウクライナ、Uru=ウルグアイ、Uzb=ウズベキスタン、MHNZ 1=ニュージーランドプロポリス(マヌカヘルス・ニュージーランド社)、MHNZ 2=ニュージーランドプロポリス(マヌカヘルス・ニュージーランド社)
本発明の組成物または本発明の組成物の成分などの抗胃腸癌活性を有する薬剤に関して使用される場合、語句「抗胃腸癌活性を保持する」ならびにその文法的等価物およびその派生体は、薬剤が依然として有用な抗胃腸癌活性を有することを意味すると意図される。好ましくは、保持される活性は、元の活性の少なくとも約35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、99または100%であり、有用な範囲は、これらの値のいずれかの間(例えば、約35〜約100%、約50〜約100%、約60〜約100%、約70〜約100%、約80〜約100%、および約90〜約100%)から選択され得る。本発明の典型的な組成物は、理想的には、本明細書で企図される方法において利用されるまで、これらが含む抗胃腸癌剤(複数可)の有用な抗胃腸癌活性の維持を支援することができ、抗胃腸癌活性を保持すると言うことができる。
本発明の組成物または本発明の組成物の成分に関して使用される場合、語句「抗胃腸癌活性を増強する」ならびにその文法的等価物およびその派生体は、組成物中に存在する場合に、抗胃腸癌剤の等しい量または濃度が、(単離された薬剤などの)本組成物を含まない薬剤と比べて抗胃腸癌活性を増加させたことを意味すると意図される。好ましくは、増強された活性は、元の活性の少なくとも約105、110、115、120、125、130、135、140、145、150、155、160、165、170、175、180、185、190、195、200%、またはそれ以上であり、有用な範囲はこれらの値のいずれかの間(例えば、約105〜約150%、約120〜約180%、約140〜約200%、約160〜約200%、約180〜約200%、および約190〜約200%)から選択され得る。特定の実施形態では、本発明の組成物は、増強された抗胃腸癌活性を示す、すなわち、プロポリス単独の抗胃腸癌活性の少なくとも約105、110、115、120、125、130、135、140、145、150、155、160、165、170、175、180、185、190、195、200%、またはそれ以上を示し得る。同様に、本発明の好ましい組成物は、増強された抗胃腸癌活性の維持を支援することが可能であり、理想的には本明細書で企図される方法を用いて利用されるまで、増強された抗胃腸癌活性を保持すると言うことができる。(増強された活性の維持を含む)増強された活性は、いかなる理論に束縛されることなく、本発明の組成物の様々な成分間の相乗作用に起因すると考えられている。
本発明の組成物に関連して使用される場合、本明細書で使用する用語「安定」は、好ましくは2時間を超える、3時間を超える、6時間を超える、9時間を超える、12時間を超える、15時間を超える、18時間を超える、20時間を超える、1日を超える、好ましくは約2日、約3日、約4日、好ましくは約5日、より好ましくは約6日、好ましく1週、2週、3週、一ヶ月、またはそれ以上の間、抗胃腸癌活性を支持することができる組成物を意味する。
用語「経口投与」には、経口、口腔内、腸内および胃内投与が含まれる。
用語「非経口投与」には、(任意の真皮、表皮または粘膜表面への投与を含む)局所、皮下、静脈内、腹腔内、筋肉内および(腫瘍への任意の直接投与を含む)腫瘍内投与が含まれるが、これらに限定されない。
用語「薬学的に許容される担体」は、本発明の組成物の成分として、対象に投与することができる賦形剤、希釈剤または補助剤を含むがこれらに限定されない担体を指すと意図される。好ましい担体は組成物の活性を低下させず、有効量の5−フェニルペンタ−2,4−ジエン酸、3−メチル−3−ブテニルカフェ酸、1,1−ジメチルアリルカフェ酸、ピノバンクシン−3−アセテート、テクトクリシン、ピノストロビンカルコン、フェルラ酸ベンジル、およびイソフェルラ酸ベンジルのうちの任意の1つまたは複数を送達するのに十分な用量で投与した場合に毒性がないか、または投与される場合、別の抗胃腸癌剤の活性を低下させない。
名詞の後にある用語「(複数可)」は、単数形もしくは複数形、またはその両方を企図する。
用語「対象」は、動物、好ましくは哺乳類、より好ましくは哺乳類のコンパニオン動物またはヒトを指すと意図される。好ましいコンパニオン動物には、猫、犬および馬が含まれる。他の哺乳類対象には、ウマ、ブタ、ヒツジ、ヤギ、ウシ、シカ、もしくはニワトリを含む農業用動物、またはサル、ラット、もしくはマウスを含む実験動物が含まれる。
用語「治療」およびその派生体は、それらの最も広い可能な状況で解釈されるべきである。この用語は、対象が完全に回復するまで治療されることを意味すると解釈されるべきではない。したがって、「治療」には、実質的に静的なレベルでの対象の疾患の進行もしくは症状の維持、対象の回復率の増加、特定の病状の徴候もしくは重症度の改善、および/または発症の予防、あるいは、患者の生活の質の延長が広く含まれる。用語「治療」には、敏感な個体のための健康状態の維持および病気予防のスタミナの構築も広く含まれる。
本発明の例示的な用途
本発明の方法および組成物は、結腸直腸癌、結腸直腸癌細胞と関連する腫瘍性疾患、および結腸直腸癌の症状の治療または予防、結腸直腸癌の治療、ならびに関連する障害に使用できる。
結腸直腸癌は、大腸、特に、結腸および直腸に影響を与える新生物の病状であり、したがって、一般的に、結腸癌または大腸癌とも呼ばれる。危険因子には、年齢、食事、特に、脂肪、アルコールまたは赤身の肉の大量摂取、男性であること、肥満、喫煙および運動不足が含まれる。
結腸直腸癌は、胃腸管の結腸または直腸の上皮細胞に由来し、Wnt−APC−β−カテニンシグナル伝達経路の欠陥と最も一般的に関連している。可能な場合には、好ましい治療は、根治的な完全な外科的切除である。転移が発生し、癌がリンパ節に入った場合に、化学療法剤のフルオロウラシルまたはカペシタビンは、平均余命を増加させることが報告されている。使用に考慮される他の化学療法薬には、フルオロウラシル、カペシタビン、UFT、ロイコボリン、イリノテカン、またはオキサリプラチン、およびこれらの薬剤の組合せが含まれる。しかし、癌がより蔓延している場合、または手術ができない場合には、治療は、一般的に緩和ケアおよび平均余命の延長に焦点が当てられる。放射線療法と化学療法の組み合わせが直腸癌に対して考慮され得るが、腸は放射線感受性であるため、一般的に大腸癌に放射線療法は使用しない。
本発明の方法および組成物は、胃癌、胃癌細胞と関連する腫瘍性疾患、および胃癌の症状の治療または予防、胃癌治療、ならびに関連する障害に使用できる。
胃癌は、胃の全ての部分から生じる新生物の病状である。ほとんどの患者が進行した疾患を呈するため、予後は不良である。危険因子には、年齢、食事、特に、薫製食品、塩魚、保存肉および漬物の大量摂取、喫煙、男性であること、自己免疫性萎縮性胃炎または腸上皮化生の病歴が含まれる。
癌の約90%が胃粘膜の腺上皮に由来する腺癌である。他の種類には、リンパ腫(マルトーマ(MALTomas)またはMALTリンパ腫)、およびカルチノイドならびに間質腫瘍が含まれる。可能な場合、好ましい治療は、胃の全部または一部および周囲リンパ節の完全な外科的切除である。胃癌は化学療法剤に特に敏感ではないが、フルオロウラシル、カペシタビン、BCNU(カルムスチン)、メチルCCNU(セムスチン)、およびドキソルビシン(アドリアマイシン)、マイトマイシンC、シスプラチンおよびタキソテールを含む化学療法剤が緩和ケア計画に使用されている。放射線療法および化学療法の組み合わせは、時々、胃癌の治療に使用される。
本発明の方法および組成物は、咽喉癌、咽喉癌細胞と関連する腫瘍性疾患、および咽喉癌の症状の治療または予防、咽喉癌治療、ならびに関連する障害に使用できる。
食道癌、咽頭癌、または喉頭癌とも呼ばれる咽喉癌は、咽頭、鼻咽頭、中咽頭、下咽頭、喉頭(ボイスボックス)または扁桃の組織で発症する腫瘍を包含する。咽喉癌の約90%は、これらの領域の粘膜内層(上皮)から生じる扁平上皮癌である。危険因子には、食事、特に、アルコールの大量摂取、喫煙、無煙たばこの使用、ビンロウ実咀嚼、ニッケル製錬、織物繊維および木工の職業被ばくを含む環境発癌物質への暴露が含まれる。
最も一般的な治療法は、腫瘍および放射線治療の外科的切除である。化学療法剤は、手術および/または放射線の組み合わせで使用できる。薬剤には、パクリタキセル、カルボプラチン、セツキシマブ、タキソテールおよびドセタキセルが含まれる。
堅牢な消化管の健康状態は、腸の快適さ、感染症に対する耐性および慢性胃腸疾患の予防と関連している。
これには、不良な腸の健康状態、低免疫および消化管の炎症に関連する病状の治療または予防が含まれる。例えば、本発明の方法および組成物は、炎症性腸疾患、過敏性腸症候群、周囲の腸疾患、感染性下痢の治療または予防、ならびに内臓痛の除去または軽減に有用である。
本発明の組成物
本発明の例示的な抗胃腸癌組成物には、医薬組成物が含まれる。腸の健康状態の維持に使用するための本発明の例示的な組成物には、消費者製品などと共に、医薬組成物および栄養補助食品組成物が含まれる。
一般に知られている他の抗胃腸癌物質は、組成物が置かれるべき用途に応じて、本発明の抗胃腸癌組成物と組み合わせることができる。
対象への投与に適する組成物は、食品、飲料、食品添加物、飲料添加物、栄養補助食品、栄養製品、医療用食品、栄養補助食品、医療補給品、医療機器、薬物または医薬品として製剤化され得る。適切な製剤は、当技術分野の当業者が本明細書の教示により調製できる。
一実施形態では、本発明は、食品、飲料、食品添加物、飲料添加物、栄養補助食品、栄養製品、医療用食品、栄養補助食品、医療補給品、医療機器、薬物または医薬品の製造における、必要に応じて、少なくとも1種類の抗胃腸癌剤と共に、本明細書に記載の化合物のうちの1種類もしくは複数種類の使用、または本明細書に記載の化合物のうちの1種類もしくは複数種類が濃縮された1つもしくは複数のプロポリス画分または1つもしくは複数のプロポリス抽出物の使用に関する。一実施形態では、本組成物は経口投与用に製剤化される。別の実施形態では、本組成物は、局所投与を含む非経口投与用に製剤化される。特定の実施形態では、本組成物は、アポトーシスを誘導するため、胃腸癌の治療もしくは予防、または上記のような1つもしくは複数の他の用途のためのものである。
一実施形態では、本組成物は、粉末、錠剤、カプレット、丸剤、硬カプセル剤もしくは軟カプセル剤またはトローチ剤の形態である。
一実施形態では、本組成物は、小袋、分注可能な粉末、顆粒、懸濁液、エリキシル剤、液体、飲料の形態、または例えば、水または果汁を含む食品または飲料に添加することができる任意の他の形態である。一実施形態では、本組成物は、経腸製品、固形経腸製品または液状経腸製品である。
一実施形態では、本組成物は、貯蔵中または投与後の組成物の劣化を予防または低減させる(抗酸化剤などの)1つまたは複数の成分をさらに含む。
一実施形態では、本明細書で有用な組成物は、1つまたは複数のシクロデキストリンを運ぶことができる任意の食用消費者製品を含む。本組成物がタンパク質性因子のような少なくとも1種類の追加の抗胃腸癌剤を含む場合、食用消費者製品は、タンパク質を運搬することができるものである。
様々な実施形態では、本組成物はシクロデキストリンを含む。一実施形態では、シクロデキストリンはγ−シクロデキストリンであるか、またはシクロデキストリンは、γ−シクロデキストリンを含むシクロデキストリンの組み合わせとして存在する。
一実施形態では、シクロデキストリンは、化学的に修飾されたシクロデキストリンである。
適切な食用消費者製品の例としては、焼き菓子、粉末、液体、菓子製品、再構成されたフルーツの製品、スナックバー、食品バードミューズリーバー、スプレッド、ソース、ディップ、アイスクリーム、ヨーグルトおよびチーズを含む酪農製品、酪農ベースおよび非酪農ベースの飲料を含む(ミルクセーキ、およびヨーグルトドリンクを含む乳飲料などの)飲料、ミルクパウダー、酪農ベースおよび非酪農ベースのスポーツ用補助食品もしくは栄養補助食品を含むスポーツ用補助食品または栄養補助食品、タンパク質スプリンクルなどの食品添加物および日常のサプリメント錠剤を含む栄養補助製品が挙げられる。この実施形態の範囲内で、本明細書で有用な組成物はまた、粉末または液体の形態の特殊調製粉乳であってもよい。本明細書で有用な好適な栄養補助食品組成物は、同様の形態で提供され得る。特に、乳製品または1種類もしくは複数種類の乳製品または乳タンパク質などの乳成分、乳漿タンパク質、初乳、乳脂肪、または乳製品または1種類もしくは複数種類の乳製品の画分または乳脂肪画分、乳タンパク質画分、乳漿タンパク質画分、もしくは初乳画分などの乳成分を追加的に含む組成物が企図される。
本明細書で有用な組成物は、カルシウム、亜鉛、マグネシウム、セレン、ビタミンC、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンK2、複合糖質、ヤシ、オリーブ、大豆、キャノーラ、トウモロコシ、ヒマワリ、ベニバナ、ピーナッツ、グレープシード、ゴマ、ナッツ、アーモンド、カシューナッツ、ヘーゼルナッツ、マカダミア、ペカン、ピスタチオ、およびクルミを含む食用または調理用油、ならびにアサイ、アマランス、アプリコット、アルガン、アーティチョーク、アボカド、ババス、ベン、ブラックカラントシード、ボリジシード、ボルネオタローナッツ、ヒョウタン、水牛ひょうたん、イナゴマメポッド(アルガロバ)、コフネヤシ、コリアンダーシード、月見草、偽亜麻、麻、カポックシード、ラレマンチア、メドウフォームシード、マスタード、オクラシード(ハイビスカスシード)、シソシード、ペキー、松の実、ポピーシード、プルーンカーネル、パンプキンシード、キノア、ラムティル、米ぬか、茶(ツバキ)、アザミ、ウォーターメロンシード、または小麦胚芽油を含む他の食料品、またはそれらの組み合わせなどの他の因子をさらに含み得る。
本明細書で有用な組成物は、経口投与または(局所、皮下、筋肉内および静脈内を含む)非経口投与を含むが、これらに限定されない任意の選択された経路によって対象への投与を可能にするように製剤化できる。例えば、本発明の医薬組成物が腸の健康状態を維持するために投与されている場合は、対象への投与経路は、典型的には組成物が投与されている目的について考慮され、投与経路は、典型的には、この障害の性質を考慮して選択されると当業者なら理解するであろう。
一般に、経口投与については、規定食(例えば、食品、食品添加物または食品サプリメント)、栄養補助食品または本明細書で有用な医薬組成物は、周知の製剤技術に従って、当業者が製剤化できる。
したがって、本発明に係る有用な医薬組成物は、意図された投与経路および標準的な薬務に関連して選択される(賦形剤、希釈剤、補助剤、およびそれらの組み合わせを含む)適切な薬学的に許容される担体と共に製剤化され得る。例えば、レミントンの製薬科学、第16版、Osol,A(編)、マック・パブリッシング社、1980を参照されたい。
好ましい投与経路は経口であるが、任意の投与様式は、本発明の任意の組成物に適切であり、異なる薬剤のための異なる経路を含む複数の経路による投与を含み得ることが理解されるべきである。したがって、本発明の任意の組成物の吸入(鼻または口腔吸入)、ならびに膣投与および直腸投与も企図される。本発明の任意の組成物の髄内、硬膜外、関節内、および胸膜内投与も企図される。第2の投与経路による1種類もしくは複数種類の他の抗胃腸癌剤を含む1種類または複数種類の他の薬剤の別々の投与、同時投与または連続投与を伴って、必要に応じて少なくとも1種類の追加の抗胃腸癌因子とともに、本発明の組成物を第1の投与経路により投与することも企図される。例えば、本発明の組成物の経口投与は、少なくとも1種類の追加の抗胃腸癌剤の局所投与を伴う。
本発明の組成物はまた、剤形として製剤化できる。本明細書で有用な剤形は、粉末、液体、錠剤またはカプセル剤として経口投与できる。適切な剤形は、必要に応じて、乳化剤、抗酸化剤、香味剤または着色剤を含む追加の薬剤を含むか、または腸溶性コーティングを有し得る。適切な腸溶性コーティングが知られている。有効成分を囲む腸溶性コーティングは、胃の中の有効成分の放出を防止するが、剤形が胃を出た後の放出を可能にする。本明細書で有用な剤形は、有効成分の即時放出、遅延放出、改変放出、持続放出、パルス放出または制御放出に適合させることができる。必要に応じて、適切な製剤は、乳化剤、酸化防止剤、香味剤または着色剤を含む追加の薬剤を含み得る。
カプセルは、ゼラチンまたはセルロースなどの任意の標準的な薬学的に許容される材料を含有できる。錠剤は、固体担体および潤滑剤と有効成分の混合物を圧縮することにより、従来の手順にしたがって製剤化できる。固体担体の例としては、デンプンおよび糖ベントナイトが挙げられる。有効成分はまた、ハードシェル錠剤または結合剤、例えば、ラクトースまたはマンニトールを含有するカプセル、従来の充填剤、および錠剤の形態で投与できる。医薬組成物はまた、非経口経路を介して投与できる。代表的な非経口剤形は、活性剤の水溶液、等張食塩水もしくは5%グルコース、または他の周知の薬学的に許容される賦形剤を含む。当業者に周知の可溶化剤は、抗胃腸癌剤の送達のための薬学的賦形剤として利用できる。
注射用剤形は、液体溶液または懸濁液として製剤化できる。注射前に液体中の溶液または懸濁液にするのに適する固体形態もまた調製され得る。剤形はまた乳化され得る。プロポリスに由来する1種類または複数種類の化合物、および存在する場合、少なくとも1種類の追加の抗胃腸癌因子は、例えば、水、生理食塩水、デキストロース、グリセロール、またはエタノールなどの担体、およびそれらの組み合わせと混合され得る。
徐放性製剤は、企図される化合物の1種類または複数種類を組み込んで調製され得る。徐放性調製物の適切な例は、化合物の1種類または複数種類と、存在する場合、少なくとも1種類の追加の抗胃腸癌剤を含む固体疎水性ポリマーの半透過性マトリックスを含む。マトリックスは、成形品、例えば、フィルム、またはマイクロカプセルの形態であり得る。徐放性マトリックスの非限定的な例としては、ポリエステル、ヒドロゲル(例えば、ポリ(2−ヒドロキシエチル−メタクリレート)、またはポリ(ビニルアルコール))、ポリラクチド(米国特許第3,773,919号参照)、L−グルタミン酸とエチル−L−グルタミン酸塩の共重合体、非分解性エチレン−酢酸ビニル、LUPRON DEPOT(商標)(乳酸−グリコール酸コポリマーおよび酢酸ロイプロリドで構成される注射可能なミクロスフェア)などの分解性乳酸−グリコール酸共重合体が挙げられる。
本発明はまた、必要に応じて、少なくとも1種類の追加の治療剤と共に、本明細書に具体的に記載される化合物の1種類または複数種類を含む非経口単位剤形にも関する。
様々な実施形態では、少なくとも1種類の追加の治療薬は、アミカシン、ゲンタマイシン、カナマイシン、ネオマイシン、ネチルマイシン、ストレプトマイシン、トブラマイシン、またはパロモマイシンなどのアミノグリコシド系;ゲルダナマイシンまたはハービマイシンなどのアンサマイシン系;ロラカルベフなどのカルバセフェム系;エルタペネム、ドリペネム、イミペネム/シラスタチン、またはメロペネムなどのカルバペネム系;セファドロキシル、セファゾリン、セファロチン(Cefalotin)もしくはセファロチン(Cefalothin)、またはセファレキシンなどのセファロスポリン系(第一世代);セファクロル、セファマンドール、セフォキシチン、セフプロジル、またはセフロキシムなどのセファロスポリン系(第二世代);セフィキシム、セフジニル、セフジトレン、セフォペラゾン、セフォタキシム、セフポドキシム、セフタジジム、セフチブテン、セフチゾキシム、またはセフトリアキソンなどのセファロスポリン系(第三世代);セフェピムなどのセファロスポリン系(第四世代);セフトビプロールなどのセファロスポリン系(第五世代);テイコプラニン、またはバンコマイシンなどのグリコペプチド系;アジスロマイシン、クラリスロマイシン、ジリスロマイシン、エリスロマイシン、ロキシスロマイシン、トロレアンドマイシン、テリスロマイシン、またはスペクチノマイシンなどのマクロライド系;アズトレオナムなどのモノバクタム系;アモキシシリン、アンピシリン、アズロシリン、カルベニシリン、クロキサシリン、ジクロキサシリン、フルクロキサシリン、メズロシリン、メチシリン、ナフシリン、オキサシリン、ペニシリン、ピペラシリン、またはチカルシリンなどのペニシリン系;バシトラシン、コリスチン、またはポリミキシンbなどのポリペプチド系;シプロフロキサシン、エノキサシン、ガチフロキサシン、レボフロキサシン、ロメフロキサシン、モキシフロキサシン、ノルフロキサシン、またはオフロキサシンなどのキノロン系;マフェニド、スルホンアミドクリソイジン(archaic)、スルファセタミド、スルファジアジン、スルファメチゾール、スルファニルアミド(archaic)、スルファサラジン、スルフィソキサゾール、トリメトプリム、またはトリメトプリム−スルファメトキサゾール(コトリモキサゾール)(tmp−smx)などのスルホンアミド系;デメクロサイクリン、ドキシサイクリン、ミノサイクリン、オキシテトラサイクリン、テトラサイクリンなどのテトラサイクリン系;アルスフェナミン、クロラムフェニコール、クリンダマイシン、リンコマイシン、エタンブトール、ホスホマイシン、フシジン酸、フラゾリドン、イソニアジド、リネゾリド、メトロニダゾール、ムピロシン、ニトロフラントイン、プラテンシマイシン、ピラジナミド、キヌプリスチン/ダルホプリスチン、リファンピシン(米国ではリファンピン)、チアンフェニコール、チニダゾール、ダプソン、クロファジミンなどの他のもの;または、ダプトマイシンなどの環状リポペプチド系、チゲサイクリンなどのグリシルサイクリン、またはリネゾリドなどのオキサゾリジノン系などの抗生物質である。
他の実施形態では、少なくとも1種類の追加の治療薬は、ナタマイシン、リモシジン、フィリピン、ナイスタチン、アンホテリシンB、カンジシジンなどのポリエン抗真菌剤;ミコナゾール、ケトコナゾール、クロトリマゾール、エコナゾール、ビホナゾール、ブトコナゾール、フェンチコナゾール、イソコナゾール、オキシコナゾール、セルタコナゾール、スルコナゾール、もしくはチオコナゾールなどのイミダゾール系;フルコナゾール、イトラコナゾール、イサブコナゾール、ラブコナゾール、ポサコナゾール、ボリコナゾール、またはテルコナゾールなどのトリアゾール系;アバフンギンなどのチアゾール系;テルビナフィン、アモロルフィン、ナフチフィン、またはブテナフィンなどのアリルアミン系;アニデュラファンギン、カスポファンギン、またはミカファンギンなどのエキノカンジン系;安息香酸、シクロピロックス、トルナフテート、ウンデシレン酸、フルシトシンまたは5−フルオロシトシン、グリセオフルビン、ハロプロジン、および重炭酸ナトリウムなどの他のもの;またはアリシン、ティーツリー油、シトロネラ油、ヨウ素、レモングラス、オリーブの葉、オレンジ油、パルマローザ油、パチョリ、レモンマートル、ニーム種子油、ヤシ油、亜鉛、セレンなどの代替物などの抗真菌剤である。
あるいは、薬剤は、本明細書に記載のもののいずれかから選択される。
本発明に係る有用な組成物の有効性は、インビトロおよびインビボの両方で評価できる。簡単に説明すると、一実施形態では、本組成物は、例えば、インビトロでの腫瘍細胞増殖を阻害するその能力について試験され得る。インビボ研究では、本組成物を動物(例えば、マウス)に摂食させるかまたは注入でき、次いで、癌細胞の生存、増殖、転移、または胃腸癌の1つもしくは複数の症状、または関連する疾患もしくは障害に対する影響が評価される。その結果に基づいて、適切な投与量範囲、頻度、および投与経路を決定できる。
本明細書で有用な組成物は、単独で、または1種類もしくは複数種類の他の抗胃腸癌剤、または1種類もしくは複数種類の追加の治療剤と組み合わせて使用できる。抗胃腸癌剤または追加の治療剤は、食品、飲料、食品添加物、飲料添加物、食品成分、飲料成分、栄養補助食品、栄養製品、医療食品、栄養補助食品、医療機器、医薬用供給品、薬剤または医薬品であるか、またはそれらを含み得る。抗胃腸癌剤または追加の治療剤は、好ましくは、1つもしくは複数の腫瘍性の疾患または障害、または1つもしくは複数の腫瘍性の疾患または障害の症状のうちの1つまたは複数を減衰するのに有効であるか、またはそうでなければ投与される対象に利益を与える。好ましい治療剤は、治療用食品因子、免疫剤または免疫刺激剤、および創傷治癒剤などが含まれる。
上記の追加の抗胃腸癌剤または治療剤(食品ベースの薬剤および医薬品の両方)はまた、それらが本明細書で有用な組成物と別々に、同時にまたは連続して投与される本発明に係る方法においても使用され得ることを理解されたい。
認識されるように、投与される組成物の用量、投与期間、および一般的な投与計画は、対象の症状の重症度、治療されるべき障害の種類、選択される投与様式、対象の年齢、性別および/または一般的な健康状態などの変数に依存して対象間で異なり得る。しかし、一般的な例として、1日あたりまたは1投与あたり、体重1kgあたり本明細書で有用な組成物の約1mg〜約5000mgが投与され、体重1kgあたり本明細書で有用な組成物の約1mg〜約4000mgが投与され、体重1kgあたり本明細書で有用な組成物の約1mg〜約3000mgが投与され、体重1kgあたり本明細書で有用な組成物の約1mg〜約2000mgが投与され、体重1kgあたり本明細書で有用な組成物の約1mg〜約1000mgが投与され、好ましくは1日あたり、好ましくは1kgあたり約50〜約1000mgである。一実施形態では、本明細書で有用な組成物の投与は、体重1kgあたり約0.05mg〜約250mgである。
様々な実施形態では、1投与あたりまたは1日あたり本明細書に記載の少なくとも1種類の化合物を体重1kgあたり約0.001mg〜約50mg、体重1kgあたりプロポリスを約0.001mg〜約40mg、体重1kgあたりプロポリスを約0.001mg〜約30mg、体重1kgあたりプロポリスを約0.001mg〜約20mg、体重1kgあたりプロポリスを約0.001mg〜約10mg、体重1kgあたりプロポリスを約0.001mg〜約5mg、体重1kgあたりプロポリスを約0.001mg〜約1mg、体重1kgあたりプロポリスを約0.001mg〜約0.5mg、体重1kgあたりプロポリスを約0.001mg〜約0.1mg、体重1kgあたりプロポリスを約0.001mg〜約0.05mgを送達するのに十分な組成物が投与される。
投与は、1日1回の投与などの単回用量または適切であり得るような個別の分割された用量のいくつかの投与を含み得ることを理解されたい。当業者は、過度の実験をすることなく、その技術および本開示を考慮して、所与の病状のための(用量および投与のタイミングを含む)有効な投与計画を決定することができることを理解されたい。
別の抗胃腸癌剤または治療薬と組み合わせて使用される場合、本明細書で有用な組成物および他の抗胃腸癌剤または治療薬の投与は、同時または連続的であってもよい。同時投与は、全ての成分を含む単一剤形の投与すること、または実質的に同時に別々の剤形の投与することを含む。好ましくは、本明細書で有用な組成物および他の治療薬が提供される間の期間に重複が存在するように、連続投与は異なるスケジュールに従う投与を含む。
さらに、本発明による組成物は、特定の場合において、対象に有益であり得る追加の有効成分と共に製剤化され得ることが企図される。例えば、疾患過程の同じまたは異なるファセットを標的とする治療薬が使用されてもよい。
したがって、本発明の「抗胃腸癌組成物を含む食品および飲料」を、一般的な食品および健康食品に使用できる。本発明の抗胃腸癌組成物は、本明細書に記載の化合物、すなわちプロポリスの味をマスクするので、そのままの状態または粉末形態で食べることができる。本発明の抗胃腸癌組成物は、液滴またはチューインガムを含む、ケーキ、ビスケット、クッキー、チョコレート、菓子および他の菓子用の成分または原料として使用できる。本発明の組成物は、飲料として水に添加されてもよく、ミルク、紅茶、コーヒー、ホットチョコレートなどの飲料用の甘味料、および果汁飲料、スポーツドリンクなどの成分または原料として使用できる。
本発明の典型的な組成物、およびそのような組成物を調製するための方法を、これから以下の実施例を参照して説明する。
実施例1
この実施例では、分取クロマトグラフィーによって生成されるプロポリス画分の抗胃腸癌活性の評価について説明する。この研究は、結腸腺癌細胞株DLD−1の増殖アッセイを用いて行った。
材料および方法
以下の表2に示す試験試料を、MTTアッセイによって評価されるように、ヒト結腸直腸腺癌細胞(DLD−1)の生存率および増殖を調節する能力について評価した。非補充細胞対照(陰性対照)に加えて、陽性対照の5−フルオロウラシル(5−FU)をこの試験に含めた。試験試料をプロポリスチンキの分画によって得た。
カラムクロマトグラフィーによるプロポリスチンキ画分の生成
メタノール(MeOH、200mL)で洗浄し、20%EtOH水溶液(500mL)で平衡化したメルクリクロプレップ(Merck Lichroprep)CI8を充填したガラスカラムの逆相固定相(16×4cm)を用いて分画を行った。エタノール(EtOH、5mL)に溶解したプロポリス(5.446g)を、ピストンポンプを用いてカラムの頂部に装填した。溶出を、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%EtOH水溶液からなる階段状勾配(250mL)、その後、100%EtOHステップを2回、次いで、2−プロパノール(IPA)、酢酸エチル(EtOAc)、アセトン、およびクロロホルム(CHCl)で行った。様々な画分の溶媒をロータリーエバポレーターで真空除去し、その後、一晩凍結乾燥した。2つの100%EtOH画分をプールし、比較的低い質量による残りの4つの非極性画分(IPA、EtOAc、アセトン、およびCHCl)も生物学的アッセイ作業のためにプールした。
カラムからの溶出工程で使用されるエタノールの割合、例えば、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%EtOH水溶液、および100%EtOHに応じて、画分を表2に示す。
DLD−1結腸癌抗増殖アッセイのための材料および方法
以下の表2に示す試験試料を、MTTアッセイによって評価されるように、ヒト結腸直腸腺癌細胞(DLD−1)の生存率および増殖を調節する能力について評価した。非補充細胞対照(陰性対照)に加えて、陽性対照の5−フルオロウラシル(5−FU)をこの試験に含めた。
(表2)試験試料
Figure 2016515615
試験材料および試験方法の説明
ヒト結腸直腸腺癌上皮細胞株を凍結保存から元に戻し、試験試料および参照試料の存在下で培養した。細胞の培養条件は、細胞の供給業者(ATCC)によって記載されたものであった。その後、MTTアッセイを培養物で行い、細胞増殖に対する試料の効果を決定した。
方法は、以下の報告された手順に基づいた。
Figure 2016515615
試料調製
作業溶液を、15%エタノール(ETOH)/HBSSに試験画分を2mg/mLの固形分濃度まで溶解することによって調製した。
実験手順
試験システムの特徴づけ
1.ヒト結腸直腸腺癌細胞(ATCC CCl−221、DLD−1)
2.ペニシリン−ストレプトマイシン溶液:0.9%のNaCl(Sigma社、カタログ番号P−0781)中10000ユニット/mLのペニシリン、10mg/mLのストレプトマイシン。−20℃で保存した。
3.DMEM培地(Invitrogen社、カタログ番号12100−046)。−20℃で保存した。
4.トリプシン−EDTA溶液:0.25%トリプシン/EDTA、Invitrogen社、カタログ番号15400054(ストックでは10倍)
5.リン酸緩衝生理食塩水(PBS)(TBLにより調製)
6.ハンクス平衡塩溶液(HBSS)(GIBCO社、カタログ番号14185−052)。4℃で保存した。
7.ウシ胎児血清(GIBCO社、カタログ番号10091−148)。−20℃で保存した。
8.MTT試薬:100mg/バイアル(SIGMA社、カタログ番号M−2128)を10mg/mLでPBSに溶解し、−20℃で保存した。5mg/mLのMTT溶液をPBSで調製し、作業溶液として4℃で保存した。
9.MTT溶解緩衝液:10%ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)/45%ジメチルホルムアミド(SDS20gを2回蒸留した水(DDW)100mLに溶解し、ジメチルホルムアミド90mLをSDS溶液に添加した)。pHを氷酢酸により4.7に調整し、DDWを200mLの最終容量まで添加した。
10.5−フルオロウラシル(5−FU)、(Sigma社、カタログ番号F−6627)。150ng/mLおよび75ng/mLの2つの作業溶液を調製し、15%エタノール/HBSSに溶解した。最終濃度は、7.50ng/mLおよび3.75ng/mLであった。
培地の調製
結腸直腸腺癌(DLD−1)細胞の増殖のための培地は、ペニシリン−ストレプトマイシン溶液(1リットルあたり10mL)を補充したDMEMであった。使用直前にFBSを添加し、10%w/vにした。
細胞の培養
1.米国のアメリカン・タイプ・カルチャー・コレクションから入手したヒト結腸直腸腺癌細胞(DLD−1)を、凍結保存から元に戻した。
2.前述の培地(培地の調製参照)を使用して初期増殖させた後、培養物を以下のようにトリプシン−EDTAを用いて継代培養した。培地を除去し、5mLのトリプシン−EDTA溶液を添加し、5分間、37℃でまたは全ての細胞が剥離するまでインキュベートした。等量のDMEM培地を添加することによりトリプシンを中和し、培地を300g(1200rpm)で、5分間、4℃で遠心分離した。
3.上清をデカントし、細胞ペレットをDMEM培地、FBS(10%)、ペニシリン(100ユニット/mL)、ストレプトマイシン(100μg/mL)中に再懸濁した。細胞を、5%CO/95%空気中37℃で培養した。
4.コンフルエンスに達した後、細胞をトリプシン−EDTAを用いて剥離し、上記2に記載したように遠心分離した。
5.上清を捨て、上記3に記載したように、1mLあたり1.0×10細胞でDMEMおよび補助剤中に細胞を再懸濁した。
6.3枚の96ウェルプレートの各ウェルに、180μlの細胞(1,800細胞/ウェル)または培地を添加した。これらのプレートを、細胞を付着させるのに十分な48時間、5%CO/95%空気中37℃でインキュベートした。
7.各ウェルに、試験試料または陽性対照それぞれを20μl加えた。「培地」または「細胞のみ」の対照については、20μlの15%ETOH/HBSSを各ウェルに加えた。各試料を6回の反復で評価し、3枚のプレートのそれぞれの対照は、9回の反復で(三つ組の組み合わせで)評価した。各ウェル中の試料の最終濃度は200μg/mLであった。
8.各ウェルの総容積は200μlであった。
9.これらのプレートを、5%CO/95%空気中37℃で19時間インキュベートした。
細胞増殖アッセイ
1.インキュベーション完了時に、20μlのMTT作業溶液(5mg/mL)を全てのウェルに加え、5%CO/95%空気中37℃で3〜4時間インキュベートした。
2.このインキュベーション期間中、細胞+試料のウェルと試料+培地ブランクウェルの両方の中の、いくつかの試料のいくつかのウェルに予期せぬ強い色が現れたことに留意されたい。この期間の終わりに、上清を各ウェルから除去し、各ウェルを穏やかにHBSSで2回洗浄し、紫の色を除去した後に、以下のステップ3に記載のMTT溶解緩衝液を添加した。
3.次いで、100μlのMTT溶解緩衝液を添加し、プレートを5%CO/95%空気中37℃で一晩インキュベートした。これらのプレートを10分間、1200rpmで遠心分離し、残りの不溶性物質をペレット化した。各ウェルから200μlのアリコートを新鮮な96ウェルプレートに移した。これらのプレートを570nmでVersaMaxマイクロプレートリーダーによって読み取った。
4.細胞のみの対照と比較した、試料の存在下で培養した細胞の増殖の割合として結果を表した。ブランクの読み取りを、バックグラウンドの読み取りとして全てのウェルから差し引いた。
結果
細胞の増殖に対する対照および試験試料の影響の概要を以下の表3に示す。
・200μg/mLで、結腸癌細胞の増殖の最高の阻害は、プロポリス画分1(68.1%)、プロポリス画分2(72.8%)、プロポリス画分5(41.0%)およびプロポリス画分8(72.0%)であった。
・200μg/mLで、プロポリスチンキが結腸癌細胞の増殖を32.6%阻害した。
(表3)DLD−1細胞の増殖に対する試験試料の影響
Figure 2016515615
さらなる研究を行い、最も活性のある画分に存在する化合物を決定した。これらの研究を実施例2に記載する。
実施例2
この実施例では、純粋な化合物の標準物質と比較した本発明の組成物の抗胃腸癌活性の評価について説明する。実施例1に記載したように、この研究を、結腸腺癌細胞株DLD−1の増殖アッセイを用いて行った。
分取HPLC
実施例1のために生成した20%、30%、60%、および90%EtOH水溶液の溶出画分を、分取HPLCによってさらに分画した。乾燥させた20%および30%EtOH画分をEtOH/HO(1:1)に溶解し、60%および90%EtOH画分を薄めていないEtOHに溶解した。各溶液を、Gilson 321分取ポンプおよびAgilent社製1100シリーズダイオードアレイ検出器を使用して、Phenomenex Synergi 4μm−RP Max 80A 250×30mm C−12カラム上で分取HPLCによりクロマトグラフィーを行った。0.5〜1.5mLの注入体積を用いた。20mL/分の流量を用いた。20%、30%、および60%エタノール画分については、(0.1%トリフルオロ酢酸[TFA]体積/体積を含む)70%の水および(0.1%TFA体積/体積を含む)30%のMeOHの初期溶媒組成を用いた。溶媒組成を初期条件で10分間一定に保持し、その後、8分かけてMeOH濃度を40%まで直線的に増加させ、この組成で5分間保持し、その後、32分かけて80%まで増加させ、次いで、5分かけて100%まで増加させた。
クロマトグラフィーを約18℃の室温で行った。画分を手動で収集し、オンライン検出を(フラボノイドについては)268nmおよび(カフェ酸誘導体については)327nmで行った。分析HPLCを回収した全画分にて行い、単一の化合物または高度に精製された化合物を示すものを、ロータリーエバポレーターにより真空下で溶媒除去し、秤量し、生物学的アッセイのために調製した。さらなるアッセイのために提示されていない20%および30%シリーズの画分を混合して生物学的アッセイのための「非ピーク」20%および30%画分を形成し、主要な活性が、選択した波長で観察されない任意の材料よりもむしろ観察されたピークに起因することを確認した。60%のEtOHのF8および60%EtOHのF9の60%画分の2つが、さらなるクロマトグラフィーに必要であった(以下のセファデックスLH20クロマトグラフィーを参照されたい)。90%エタノール画分をクロマトグラフィーにも供した。しかし、使用する溶媒および勾配プロファイルを、この画分のクロマトグラフィーのために改変した。ここで使用した溶媒は、(0.1%TFAを含む)80%MeOH水溶液およびEtOAc/MeOH(4:1体積/体積)であった。最初の溶離液組成物は80%メタノール水溶液からなっていた。溶媒組成物を5分間初期条件で保持し、EtOAc/MeOH溶媒濃度を35分かけて100%まで直線的に増加させた。分析HPLCによる90%EtOH画分の分析により、この画分の主要な成分が非常に非極性であり、クロマトグラムの後期に溶出することが示され、他のプロポリス画分での分析のために使用した波長、すなわち、268および327nmで最小のUV吸収が示された。しかし、蒸発光散乱検出(ELSD)は、成分の複雑な混合物を明らかにした。ELSDの破壊的な性質により、分取HPLC画分を手動で収集し、オンライン検出を210nmで行った。クロマトグラフィーは明確に分離したピークではなく、ベースラインの幅広い増減をもたらしたので、ラン中に4画分を収集し、全てを生物学的アッセイのために調製した。
セファデックスLH20クロマトグラフィー
上記の分取HPLC作業由来の60%EtOH F8およびF9画分のHPLC分析により、これらの画分が近くで溶出するいくつかの化合物を含有することが示された。これらの画分を、以下のようにさらなるクロマトグラフィーに供した。
これらの画分の各々を、予め(0.1%TFA体積/体積を含む)70%MeOH水溶液で平衡化したセファデックスLH20固定相(3×42cm)を含むガラスカラムの上部にアプライした。画分を、約7mLの個々の画分の容量で、フラクションコレクターを使用して時間ベースで収集した。画分を分析HPLCによって調べ、単一の化合物または高度に精製された化合物を含有するものを合わせて、生物学的アッセイのために調製した。各シリーズからの残りの画分を合わせ、「非ピーク」画分として生物学的アッセイのために調製した。
DLD−1結腸癌抗増殖アッセイのための材料および方法
以下の表4に示す試験試料を、MTTアッセイによって評価されるように、ヒト結腸直腸腺癌細胞(DLD−1)の生存率および増殖を調節する能力について評価した。非補充細胞対照(陰性対照)に加えて、陽性対照の5−フルオロウラシル(5−FU)をこの試験に含めた。DLD−1抗増殖アッセイを実施例1に記載したように行った。
(表4)試験試料
Figure 2016515615
試料は、15%EtOH/HBSS中1mg/mLであった試料#1を除いて、15%EtOHのHBSS溶液中2mg/mLで作業溶液として溶解させた。このアッセイでは、最終エタノール濃度が1.5%で、100μg/mLであった試料#1を除いて、試料の最終濃度は200μg/mLで、最終エタノール濃度が1.5%であった。
結果および考察
概要
・試験した試料の大部分は、DLD−1結腸癌細胞増殖の阻害剤であった。
・試料のいずれも、刺激効果を有していなかった。
・プロポリス画分のうち、最も強力な阻害剤(括弧内に抑制性レベルを示す)は、以下のとおりであった。
#3・・・20% F8(95.2%)
#8・・・30% F8(96.1%)
#14・・・60% F8(27−30) (95.0%)
#17・・・60% F8(44−50) (90.4%)
#18・・・60% F8(52−53) (90.4%)
・いくつかの試料は、結腸癌の増殖に対して全くまたはほとんど影響を及ぼさなかった。これらには以下のものが含まれていた。
#1・・・20% F1(0.4%阻害)
#9・・・30% F10(3.2%刺激)
#10・・・30% F11(7.5%阻害)
#38・・・ピノセンブリン7−メチルエーテル(2.7%阻害)
24時間のインキュベーション後の細胞増殖に対する陽性対照および試験試料の影響の概要を以下の表5に示す。
(表5)DLD−1細胞の増殖に対する試験試料の影響
Figure 2016515615
Figure 2016515615
化合物の同定
結腸癌細胞増殖の最も強力な阻害剤である画分をさらに分析して、これらの画分中に存在する化合物を同定した。活性画分で同定された化合物を表6に示す。各化合物を同定するために使用した方法を以下に詳述する。
5−フェニルペンタ−2,4−ジエン酸
HPLCオンラインUV−可視吸収スペクトルおよび低解像度LCMS m/zデータは、ニュージーランド起源のプロポリスに存在すると以前に報告された5−フェニルペンタ−2,4−ジエン酸の構造(Markham et al,1996.HPLC and GC−MS identification of the major organic constituents in New Zealand propolis.Phytochemistry,42(1):205−211)と一致した。構造を、真の標準物質を用いたHPLCでの共クロマトグラフィーにより確認した。
3−メチル−3−ブテニルカフェ酸
HPLCオンラインUV−可視吸収スペクトルおよび低解像度のLCMS m/zデータは、ニュージーランド起源のプロポリスに存在すると以前に報告された3−メチル−3−ブテニルカフェ酸の構造(Markhamら、1996)と一致した。さらに、HRMS、H−および13C−NMRデータは、3−メチル−3−ブテニルカフェ酸について公表されたデータと一致する。
1,1−ジメチルアリルカフェ酸
HPLCオンラインUV−可視吸収スペクトルおよび低解像度のLCMS m/zデータは、ニュージーランド起源のプロポリスに存在すると以前に報告された1,1−ジメチルアリルカフェ酸の構造(Markhamら、1996)と一致した。構造は、真の標準物質を用いたHPLCでの共クロマトグラフィーにより確認した。さらに、HRMS、H−および13C−NMRデータは、1,1−ジメチルアリルカフェ酸について公表されたデータと一致する。
ピノバンクシン−3−アセテート
HPLCオンラインUV−可視吸収スペクトルおよび低解像度のLCMS m/zデータは、ニュージーランド起源のプロポリスに存在すると以前に報告されたピノバンクシン−3−アセテートの構造(Markhamら、1996)と一致した。実験室での参照試料もまた比較のために利用可能であった。
ピノストロビンカルコン
ピノストロビンカルコンを粗プロポリスから単離した。単離は、いくつかのクロマトグラフィー工程を含んでおり、シリカゲル上で2回行い、最終的なクリーンアップ工程にはセファデックスLH−20を使用した。この最終ステップからの主な黄色の化合物を収集し、NMRおよびUV可視分光データと文献値(Malek,S.N.A.;Phang,C.W.;Ibrahim,H.;Abdul Wahab,N.;Sim,K.S.Phytochemical and Cytotoxic Investigations of Alpinia mutica Rhizomes.Molecules 2011,16,583−589.)の比較によって、純粋なピノストロビンカルコンであることが示された。
テクトクリシン
HPLCオンラインUV−可視吸収スペクトルおよび低解像度のLCMS m/zデータは、ニュージーランド起源のプロポリスに存在すると以前に報告されたテクトクリシンの構造(Markhamら、1996)と一致した。
フェルラ酸ベンジルとイソフェルラ酸ベンジル
S#23の60%F9画分に存在するエステルを、フェルラ酸ベンジルとイソフェルラ酸ベンジルの混合物として同定した。ベンジルアルコールおよびフェルラ酸とイソフェルラ酸の混合物が得られた画分の小規模な加水分解に基づいて同定した。加水分解生成物を、参照化合物からのデータとHPLCデータ(保持時間およびオンラインUV−VISスペクトル)との比較から同定した。
(表6)活性画分中で同定された化合物
Figure 2016515615
考察
これらのデータは、結腸直腸細胞増殖の増殖阻害における本発明の組成物の有効性を支持する。
この実施例から最も生物活性のある化合物を選択し、精製し、合成し、または以下の実施例で純粋な標準物質として使用した。ピノセンブリンおよびp−クマル酸をまた、それぞれそれらの強力な活性および弱い活性に基づいて追加的な陽性対照ならびに陰性対照として試験した。
実施例3
この実施例では、画分S#14 60%のF7(表6、実施例2)としてNZ起源ヨーロッパ型プロポリスから単離した化合物の5−フェニルペンタ−2,4−ジエン酸の抗胃腸癌活性の評価について説明する。この研究は、ヒト結腸腺癌細胞株のDLD−1、ヒト結腸癌細胞株のHCT−116、ヒト胃癌細胞株のNCI−N87、およびヒト食道扁平上皮癌細胞株のKYSE−30の増殖アッセイを用いて行った。
実施例3〜13に用いた一般的な方法を以下に示す。
胃腸癌抗増殖アッセイのための材料および方法
5−フェニルペンタ−2,4−ジエン酸を、MTTアッセイによって評価されるように、ヒト結腸直腸腺癌細胞(DLD−1)、ヒト結腸癌細胞株(HCT−116)、ヒト胃癌細胞株(NCI−N87)、およびヒト食道扁平上皮癌細胞株(KYSE−30)の生存率および増殖を調節するその能力について評価した。本研究の陰性対照として非補充細胞対照に加えて、陽性対照の5−フルオロウラシル(5−FU)を3種類の濃度で含めた。5−フェニルペンタ−2,4−ジエン酸は、NMRおよびMSにより確認した化学構造を有する純粋な標準物質であった。
試験材料および試験方法
4種類のヒト胃腸癌細胞株を凍結保存から元に戻し、試験試料および参照試料の存在下で培養した。次いで、MTTアッセイを培養物にて行い、細胞の生存率および増殖に対する試料の影響を決定した。
方法は、以下の参考文献に報告されている手順に基づく。
Figure 2016515615
細胞の培養条件は、細胞の供給者(ATCCおよびECACC)によって提供されたものである。
試料調製
試験試料5−フェニルペンタ−2,4−ジエン酸、および実施例4〜12の他の全ての試験試料(テクトクリシンを除く)を、最初に、約13.35mg/mlの濃度まで純エタノールに溶解した。テクトクリシンを、最初に、同じ濃度までトリエチレングリコールモノメチルエーテルに溶解した。次いで、作業溶液を2mg/mLの固形分濃度まで15%のエタノール/ハンクス平衡塩溶液(EtOH)/HBSSに希釈することによってストック溶液から調製した。このアッセイでは、試料の最終濃度は200μg/mlであり、最終EtOH濃度は1.5%であった。上記のように調製した試験化合物およびプロポリスの最終濃度は、実施例3に記載したとおりである。
実験手順
試験システムの特徴付け
1.ヒト結腸直腸腺癌細胞(ATCC CCl−221、DLD−1)(ATCC、米国メリーランド州ベセスダ)
2.ヒト胃癌細胞(ATCC CRL−5822、NCI−N87)(ATCC、米国メリーランド州ベセスダ)
3.ヒト食道扁平上皮癌(ECACC、KYSE−30)(Sigma社 Aldrich社、オークランド、ニュージーランド)
4.ヒト結腸癌細胞(ECACC HCT−116)(Sigma社 Aldrich社、オークランド、ニュージーランド)
5.ペニシリン−ストレプトマイシン溶液:0.9%NaCl中10000ユニット/mlのペニシリン、10mg/mlのストレプトマイシン(Sigma社カタログ番号P−0781)。−20℃で保存した。
6.DLD−1細胞については、DMEM培地(Invitrogen社カタログ番号12100−046)。4℃で保存した。
7.NCI−N87細胞については、2mMのL−グルタミン、10mMのHEPES、1mMのピルビン酸ナトリウム、4500mg/Lのグルコース、および1500mg/Lの重炭酸ナトリウム(Sigma社 R6504)を含むように改変したRPMI−1640培地。4℃で保存した。
8.KYSE−410細胞については、2mMのL−グルタミンを含むように改変したRPMI−1640培地(Sigma社 R6504)。4℃で保存した。
9.HCT−116細胞については、2mMのL−グルタミンを含むように改変したマッコイ5A培地(Sigma社 M48792)。4℃で保存した。
10.トリプシン−EDTA溶液:0.25%トリプシン/EDTA、Invitrogen社カタログ番号15400054(ストックでは10倍)
11.リン酸緩衝生理食塩水(PBS)(TBLにより調製)
12.ハンクス平衡塩溶液(HBSS)。(GIBCO社カタログ番号14185−052)。4℃で保存した。
13.ウシ胎児血清(GIBCO社カタログ番号10091−148)。−20℃で保存。
14.MTT試薬:100mg/バイアル(SIGMA社カタログ番号M−2128)を10mg/mlでPBSに溶解し、−20℃で保存した。5mg/mlのMTT溶液をPBSで調製し、作業溶液として4℃で保存した。
15.MTT溶解緩衝液:10%ナトリウムドデシル硫酸ナトリウム(SDS)/45%ジメチルホルムアミド(SDS20gを2回蒸留した水(DDW)100mlに溶解し、ジメチルホルムアミド90mlをSDS溶液に添加する)。pHを氷酢酸により4.7に調整し、DDWを200mLの最終体積まで添加した。
16.5−フルオロウラシル(5−FU)、(Sigma社カタログ番号F−6627)。3種類の作業溶液を、15%エタノール/HBSSに溶解した19.5μg/ml、6.5μg/mlおよび1.95μg/mlで調製する。最終濃度は、1.95μg/ml(15μΜ)、0.65μg/ml(5μΜ)および0.195μg/ml(1.5μΜ)である。
培地調製
細胞株のそれぞれの増殖のための培地は上記の通りである。各培地を、ATCC/ECACCの指示に従って調製し、ペニシリン−ストレプトマイシン溶液(1リットル当たり10ml)を補充した。FBS(10%)を使用直前に添加した。
細胞の培養
1.米国のアメリカン・タイプ・カルチャー・コレクションまたは細胞培養物欧州コレクション(the European Collection of Cell Cultures)のいずれかから入手した細胞株のそれぞれを凍結保存から元に戻した。
2.上記の培地(試験システムの特徴づけおよび培地調製を参照されたい)を使用した初期増殖後、培養物をトリプシン−EDTAを用いて継代培養した。培地を除去し、トリプシン−EDTA溶液5mlを添加し、37℃で5分間かまたは全ての細胞が剥離するまでインキュベートした。等量の関連培地を添加することによってトリプシンを中和し、4℃で5分間、300g(1200rpm)で懸濁液を遠心分離した。
3.上清をデカントし、細胞ペレットをFBS(10%)、ペニシリン(100ユニット/ml)、ストレプトマイシン(100μg/ml)を含む関連培地に再懸濁した。
4.コンフルエンスに達した後、上記2に記載したようにトリプシン−EDTAを用いて細胞を剥離し、遠心分離した。
5.上清を廃棄し、上記3に記載したように関連培地および補充剤中に1ml当たり1.0×10細胞で再懸濁した。各細胞懸濁液は総容量で約54ml必要であった。
6.6枚の96ウェルプレートの各ウェルに、細胞(1,800細胞/ウェル)または培地180μlを予め決定したプレートのレイアウトに従って添加した。プレートを5%CO/95%空気中37℃で約48時間インキュベートし、細胞を接着させた。
7.各ウェルに、試験化合物または5−FUのそれぞれ20μlをプレートレイアウトに示すように添加した。「培地」または「細胞のみ」と表示した陰性対照ウェルについては、15%ETOH/HBSS20μlを添加した。それぞれの試料または対照を3回または6回の反復で評価した。
8.各ウェルの総容積は200μlであった。
9.これらのプレートを24時間、5%CO/95%空気中37℃でインキュベートした。
細胞増殖アッセイ
1.インキュベーションの完了時に、MTT作業溶液20μl(5mg/ml)を全てのウェルに加え、5%CO/95%空気中37℃で3〜4時間インキュベートした。これらのプレートを、30〜60分毎に監視し、いくつかの細胞が結晶の存在を示した場合、溶解緩衝液を、以下のステップ2のように添加した。
2.次いで、MTT溶解緩衝液100μlを添加し、プレートを5%CO/95%空気中37℃で一晩インキュベートした。これらのプレートを10分間、1200rpmで遠心分離して、残りの不溶性物質をペレット化した。各ウェルから200μlを新鮮な96ウェルプレートに移した。次いで、これらのプレートを550nmでVersaMaxマイクロプレートリーダーにて読み取った。
3.ブランクの読み取りを、バックグラウンドの読み取りとして全てのウェルから差し引いた。結果を、細胞のみの対照に対する、試料の存在下で培養した細胞の増殖の割合として表した。
4.VersaMax96ウェルプレートリーダーを用いて、(550nmで)細胞の増殖を比色測定で評価した。
5.平均の標準誤差の割合を評価し、SEM%が15を超える場合、極端な異常値を除去する。予備的な統計的有意性を、(異常値の有無に関わらず)α≦0.05で独立したスチューデントt−検定を用いて評価する。
試験方法に関する観察
様々な試験調製物および5−FUの存在下でいくつかの癌細胞の培養を、24時間後のDLD−1およびNCI−N87の陰性対照の細胞密度の目視のように48時間行うと、増殖が予想されるほど急速ではなかったことが示唆された。一貫性のために、他の培養時間を同じように設定した。
平均の標準誤差(SEM)の割合が15%を上回る場合、研究計画は、反復間の異常値を計算から削除する必要があった。試料が強いアンタゴニストである場合には、吸光度の値は小さい。その結果、これらの間の小さな変化は、阻害が低い試料と比較した場合、パーセンテージとして表した平均からの分散が比較的大きいことを意味する。これは、実質的に完全な阻害が発生し、分析から除外されるいくつかの異常値をもたらした。
結果
5−フェニルペンタ−2,4−ジエン酸ための細胞増殖アッセイの結果を、3つの濃度の陽性対照5−フルオロウラシル(5−FU)および陰性対照(試験化合物または陽性対照を含まず、培地のみを有する細胞)の結果と共に表7に示す。表において、ODは570nmで測定した光学密度である。SEMは、測定された平均光学密度値に関する標準誤差である。pは、測定がスチューデントt検定を用いて統計的に有意である確率値であり、本明細書では<0.05とする。刺激(%)は、陰性対照(不活性な試験化合物)と比較した増殖刺激の割合である。阻害(%)は、陰性対照と比較した増殖の低下の割合であり、大きな数は、試験化合物が抗癌増殖能を有することを示す。
(表7)4種類の胃腸細胞株に対する5−フェニルペンタ−2,4−ジエン酸の抗増殖活性
Figure 2016515615
考察
5−フェニルペンタ−2,4−ジエン酸は4種類全ての癌細胞株に対して活性があり、ヒト結腸腺癌細胞株DLD−1の増殖を43.5%阻害し、ヒト結腸癌細胞株HCT−116の増殖を36.4%阻害し、ヒト胃癌細胞株NCI−N87の増殖を42.56%阻害し、ヒト食道扁平上皮癌細胞株KYSE−30の増殖を37.6%阻害した。阻害の程度は、既知の抗癌剤5−フルオロウラシル(5−FU)を使用して達成されるのと類似しており、実際、NCI−N87細胞については上回った。
実施例4
この実施例では、画分S#14 60% F8(27−30)中のNZ起源ヨーロッパ型プロポリスから単離した化合物である1,1−ジメチルアリルカフェ酸の抗胃腸癌活性の評価について説明する(表6、実施例2)。この研究は、ヒト結腸腺癌細胞株DLD−1、ヒト結腸癌細胞株HCT−116、ヒト胃癌細胞株NCI−N87、およびヒト食道扁平上皮癌細胞株KYSE−3についての増殖アッセイを用いて行った。
200μg/mlの濃度でアッセイに使用した1,1−ジメチルアリルカフェ酸は、純粋な標準物質であった。実施例3に詳細に示されるのと同じ試験手順を実施例4にも使用した。
結果
1,1−ジメチルアリルカフェ酸についての細胞増殖アッセイの結果を表8に示す。細胞のみ(陰性対照)の結果および5−FU陽性対照の結果は実施例3と同じであるので、表8には含めない。
(表8)4種類の胃腸細胞株に対する1,1−ジメチルアリルカフェ酸の抗増殖活性
Figure 2016515615
考察
1,1−ジメチルアリルカフェ酸は4種類全ての癌細胞株に対して非常に活性があり、ヒト結腸腺癌細胞株DLD−1の増殖を93.2%阻害し、ヒト結腸癌細胞株HCT−116の増殖を86.7%阻害し、ヒト胃癌細胞NCI−N87の増殖を86.7%阻害し、ヒト食道扁平上皮癌細胞株KYSE−30の増殖を97.8%阻害した。
阻害の程度は、既知の抗癌剤の5−フルオロウラシルを使用して達成した程度より実質的に優れており、外れ値の結果も含めた場合、NCI−N87を除く全ての細胞株はほぼ完全に死滅した。結果はまた、主として1,1−ジメチルアリルカフェ酸を含む画分S#14の60% F8(27−30)がDLD−1の増殖を実質的に阻害することが示された実施例2の結果を再確認する。
実施例5
この実施例では、画分S#15 60% F8(35−40)中のNZ起源ヨーロッパ型プロポリスから単離した化合物である3−メチル−3−ブテニルカフェ酸の抗胃腸癌活性の評価について説明する(表6、実施例2)。この研究は、ヒト結腸腺癌細胞株DLD−1、ヒト結腸癌細胞株HCT−116、ヒト胃癌細胞株NCI−N87、およびヒト食道扁平上皮癌細胞株KYSE−30についての増殖アッセイを用いて行った。
200μg/mlの濃度でアッセイに使用した3−メチル−3−ブテニルカフェ酸は、化学的に合成し、同一性をNMRおよびMSにより確認した。実施例3に詳細に示したのと同じ試験手順を実施例5にも使用した。
結果
3−メチル−3−ブテニルカフェ酸についての細胞増殖アッセイの結果を表9に示す。細胞のみ(陰性対照)の結果および5−FU陽性対照の結果は実施例3と同じであるので、表9には含めない。
(表9)4種類の胃腸細胞株に対する3−メチル−3−ブテニルカフェ酸の抗増殖活性
Figure 2016515615
考察
3−メチル−3−ブテニルカフェ酸は4種類全ての癌細胞株に対して非常に活性があり、ヒト結腸腺癌細胞株DLD−1の増殖を91.6%阻害し、ヒト結腸癌細胞株HCT−116の増殖を96.0%阻害し、ヒト胃癌細胞NCI−N87の増殖を84.5%阻害し、ヒト食道扁平上皮癌細胞株KYSE−30の増殖を96.3%阻害した。
阻害の程度は、既知の抗癌剤5−フルオロウラシルを使用して達成された程度よりも実質的に優れており、HCT−116およびKYSE−30細胞をほぼ完全に死滅したことが観察された。結果はまた、画分S#15の60%F8(35−40)中の不純な3−メチル−3−ブテニルカフェ酸がDLD−1の増殖を実質的に阻害することが示された実施例2の結果を再確認する。
実施例6
この実施例では、画分S#24 60% F9(54−57)中のNZ起源ヨーロッパ型プロポリスから単離した化合物であるピノストロビンカルコンの抗胃腸癌活性の評価について説明する(表6、実施例2)。この研究は、ヒト結腸腺癌細胞株DLD−1、ヒト結腸癌細胞株HCT−116、ヒト胃癌細胞株NCI−N87、およびヒト食道扁平上皮癌細胞株KYSE−30についての増殖アッセイを用いて行った。
200μg/mlの濃度でアッセイに使用したピノストロビンカルコンは、粗プロポリスから単離し、大規模に精製した。その同一性をNMRおよびMSにより確認した。実施例3に詳細に示したのと同じ試験手順を実施例6にも使用した。
結果
ピノストロビンカルコンについての抗増殖アッセイの結果を表10に示す。細胞のみの結果(陰性対照)、および5−FU陽性対照の結果は実施例3と同じであるので、表10には含めない。
(表10)4種類の胃腸細胞株に対するピノストロビンカルコンの抗増殖活性
Figure 2016515615
考察
ピノストロビンカルコンは4種類の癌細胞株のうちの3種類に対して高度から中程度の活性があり、ヒト結腸腺癌細胞株DLD−1の増殖を83.3%阻害し、ヒト結腸癌細胞株HCT−116の増殖を51.2%阻害し、およびヒト食道扁平上皮細胞癌細胞株KYSE−30の増殖を45.0%阻害した。
しかし、ピノストロビンカルコンは、ヒト胃癌細胞株NCI−N87に対して活性はなかった。驚くべきことに、ピノストロビンカルコンはこの細胞株の増殖についてわずかであるが、統計的に有意ではない刺激性があった。他の3種類の細胞株に対する阻害の程度は、既知の抗癌剤の5−フルオロウラシルを使用して達成した程度と同じであるか、またはそれよりも実質的に優れていた。結果はまた、画分S#24 60% F9(54−57)中の不純なピノストロビンカルコンがDLD−1の増殖を実質的に阻害することが示された実施例2の結果を再確認する。
実施例7
この実施例では、画分S#16 60%のF8(41−43)中のNZ起源ヨーロッパ型プロポリスから単離した化合物であるピノバンクシン3−O−アセテートの抗胃腸癌活性の評価について説明する(表6、実施例2)。この研究は、ヒト結腸腺癌細胞株DLD−1、ヒト結腸癌細胞株HCT−116、ヒト胃癌細胞株NCI−N87、およびヒト食道扁平上皮癌細胞株KYSE−30についての増殖アッセイを用いて行った。
200μg/mlの濃度でアッセイに使用したピノバンクシン3−O−アセテートは純粋な実験室の標準物質であり、同一性をNMRおよびMSにより確認した。実施例3に詳細に示したのと同じ試験手順を実施例7にも使用した。
結果
ピノバンクシン3−O−アセテートについての抗増殖アッセイの結果を表11に示す。細胞のみ(陰性対照)の結果および5−FU陽性対照の結果は実施例3と同じであるので、表11には含めない。
(表11)4種類の胃腸細胞株に対するピノバンクシン3−O−アセテートの抗増殖活性
Figure 2016515615
考察
ピノバンクシン3−O−アセテートは4種類全ての癌細胞株に対して高度から中程度の活性があり、ヒト結腸腺癌細胞株DLD−1の増殖を75.4%阻害し、ヒト結腸癌細胞株HCT−116の増殖を90.6%阻害し、ヒト胃癌細胞株NCI−N87の増殖を48.2%阻害し、ヒト食道扁平上皮癌細胞株KYSE−30の増殖を68.0%阻害した。
阻害の程度は、既知の抗癌剤の5−フルオロウラシルを使用して達成された程度よりも実質的に優れていた。結果はまた、画分S#16の60% F8(41−43)中の不純な3ピノバンクシン3−O−アセテートは、DLD−1の増殖を実質的に阻害することが示された実施例2の結果を再確認する。
実施例8
この実施例では、画分S#18 60% F8(52−53)中のNZ起源ヨーロッパ型プロポリスから単離した化合物であるピノセンブリンの抗胃腸癌活性の評価について説明し、標準物質としてS#37を使用した(表6、実施例2)。この研究は、ヒト結腸腺癌細胞株DLD−1、ヒト結腸癌細胞株HCT−116、ヒト胃癌細胞株NCI−N87、およびヒト食道扁平上皮癌細胞株KYSE−30についての増殖アッセイを用いて行った。
200μg/mlの濃度でアッセイに使用したピノセンブリンは、純粋な標準物質であった。実施例3に詳細に示されるのと同じ試験手順を実施例8にも使用した。
結果
ピノセンブリンについての抗増殖アッセイの結果を表12に示す。細胞のみ(陰性対照)の結果および5−FU陽性対照の結果は実施例3と同じであるので、表12には含めない。
(表12)4種類の胃腸細胞株に対するピノセンブリンの抗増殖活性
Figure 2016515615
考察
ピノセンブリンは4種類全ての癌細胞株に対して非常に活性があり、ヒト結腸腺癌細胞株DLD−1の増殖を91.7%阻害し、ヒト結腸癌細胞株HCT−116の増殖を99.1%阻害し、ヒト胃癌細胞株NCI−N87の増殖を72.5%阻害し、ヒト食道扁平上皮癌細胞株KYSE−30の増殖を96.3%阻害した。
阻害の程度は、既知の抗癌剤5−フルオロウラシルを使用して達成された程度よりも実質的に優れており、KYSE−30およびHCT−116については、ほとんど全ての細胞が死滅した。結果はまた、画分S#18 60% F8(52−53)中の不純なピノセンブリンおよびピノセンブリン標準物質S#37の両方がDLD−1の増殖をほぼ完全に阻害することが示された実施例2の結果を再確認する。
実施例9
この実施例では、画分S#23 60% F9(49−51)中のNZ起源ヨーロッパ型プロポリスから単離した化合物であるフェルラ酸ベンジルの抗胃腸癌活性の評価について説明する(表6、実施例2)。この研究は、ヒト結腸腺癌細胞株DLD−1、ヒト結腸癌細胞株HCT−116、ヒト胃癌細胞株NCI−N87およびヒト食道扁平上皮癌細胞株KYSE−30についての増殖アッセイを用いて行った。
200μg/mlの濃度でアッセイに使用したフェルラ酸ベンジルは、化学的に合成し、その同一性をNMR、MSにより確認し、次いで、NZプロポリスから単離したエステルを親酸およびアルコールに加水分解することにより、それらを真の標準化合物と比較して同定した。実施例3に詳細に示されるのと同じ試験手順を実施例9にも使用した。
結果
フェルラ酸ベンジル用抗増殖アッセイの結果を表13に示す。細胞のみ(陰性対照)の結果および5−FU陽性対照の結果は実施例3と同じであるので、表13には含めない。
(表13)4種類の胃腸細胞株に対するフェルラ酸ベンジルの抗増殖活性
Figure 2016515615
考察
フェルラ酸ベンジルは4種類全ての癌細胞株に対して非常に活性があり、ヒト結腸腺癌細胞株DLD−1の増殖を86.0%阻害し、ヒト結腸癌細胞株HCT−116の増殖を95.9%阻害し、ヒト胃癌細胞株NCI−N87の増殖を87.0%阻害し、ヒト食道扁平上皮癌細胞株KYSE−30の増殖を98.6%阻害した。
阻害の程度は、既知の抗癌剤5−フルオロウラシルを使用して達成された程度よりも実質的に優れており、KYSE−30およびHCT−116については、ほとんど全ての細胞が死滅した。結果はまた、画分S#23 60% F9(49−51)中のフェルラ酸ベンジルおよびイソフェルラ酸ベンジルの不純な混合物がDLD−1の増殖を実質的に阻害することが示された実施例2の結果を再確認する。
実施例10
この実施例では、画分S#23 60% F9(49−51)中のNZ起源ヨーロッパ型プロポリスから単離した化合物であるイソフェルラ酸ベンジルの抗胃腸癌活性の評価について説明する(表6、実施例2)。この研究は、ヒト結腸腺癌細胞株DLD−1、ヒト結腸癌細胞株HCT−116、ヒト胃癌細胞株NCI−N87、およびヒト食道扁平上皮癌細胞株KYSE−30の増殖アッセイを用いて行った。
200μg/mlの濃度でアッセイに使用したイソフェルラ酸ベンジルは、化学的に合成し、その同一性をNMR、MSにより確認し、次いで、NZプロポリスから単離したエステルを親の酸およびアルコールに加水分解することにより、それらを真の標準化合物と比較して同定した。実施例3に詳細に示されるのと同じ試験手順を実施例10にも使用した。
結果
イソフェルラ酸ベンジルについての抗増殖アッセイの結果を表14に示す。細胞のみ(陰性対照)および5−FU陽性対照の結果は、実施例3と同じであるので、表14には含めない。
(表14)4種類の胃腸細胞株に対するイソフェルラ酸ベンジルの抗増殖活性
Figure 2016515615
考察
イソフェルラ酸ベンジルは4種類全ての癌細胞株に対して非常に活性があり、ヒト結腸腺癌細胞株DLD−1の増殖を90.8%阻害し、ヒト結腸癌細胞株HCT−116の増殖を94.8%阻害し、ヒト胃癌細胞株NCI−N87の増殖を80.0%阻害し、ヒト食道扁平上皮癌細胞株KYSE−30の増殖を95.8%阻害した。
阻害の程度は、既知の抗癌剤5−フルオロウラシルを使用して達成された程度よりも実質的に優れており、構造異性体フェルラ酸ベンジルで達成された阻害の程度とほぼ同じであり、KYSE−30およびHCT−116については、ほとんど全ての細胞が死滅した。結果はまた、画分S#23 60% F9(49−51)中のフェルラ酸ベンジルおよびイソフェルラ酸ベンジルの不純な混合物がDLD−1の増殖を実質的に阻害することが示された実施例2の結果を再確認する。
実施例11
この実施例では、画分S#27 60% F10中のNZ起源ヨーロッパ型プロポリスから単離した化合物であるクリシン−7−メチルエーテルとしても知られているテクトクリシンの抗胃腸癌活性の評価について説明し、比較標準物質としてS#35を使用した(表6、実施例2)。この研究は、ヒト結腸腺癌細胞株DLD−1、ヒト結腸癌細胞株HCT−116、ヒト胃癌細胞株NCI−N87、およびヒト食道扁平上皮癌細胞株KYSE−30の増殖アッセイを用いて行った。
200μg/mlの濃度でアッセイに使用したテクトクリシンは真の標準物質であった。実施例2の試料S#35のように適切に溶解していなかったので、テクトクリシンをトリエチレングリコールモノメチルエーテルに溶解したことを除いて、実施例3に詳細に示したのと同じ試験手順を実施例11にも使用した。
結果
テクトクリシンについての抗増殖アッセイの結果を表15に示す。細胞のみ(陰性対照)の結果および5−FU陽性対照の結果は実施例3と同じであるので、表15には含めない。
(表15)4種類の胃腸細胞株に対するピノバンクシン3−O−アセテートの抗増殖活性
Figure 2016515615
考察
テクトクリシンは4種類全ての癌細胞株に対して、高度から中程度の活性があり、ヒト結腸腺癌細胞株DLD−1の増殖を92.8%阻害し、ヒト結腸癌細胞株HCT−116の増殖を90.1%阻害し、ヒト胃癌細胞株NCI−N87の増殖を54.0%阻害し、ヒト食道扁平上皮癌細胞株KYSE−30の増殖を87.6%阻害した。
阻害の程度は、既知の抗癌剤5−フルオロウラシルを使用して達成された程度よりも実質的に優れていた。結果はまた、不純なテクトクリシンがDLD−1の増殖を実質的に阻害することが示されたS#27 60% F10についての実施例2の結果を再確認するが、今回は試料が試験媒体中に完全に溶解したので、実施例2のS#35と異なる。
実施例12
この実施例では、ヨーロッパ型プロポリスと広く関連し、NZプロポリスから単離された場合にはDLD−1に対して不活性であることが示されている化合物で、p−クマル酸としても知られているパラ−クマル酸の抗胃腸癌活性の評価について説明する(実施例2にはデータ示さず)。この研究は、ヒト結腸腺癌細胞株DLD−1、ヒト結腸癌細胞株HCT−116、ヒト胃癌細胞株NCI−N87、およびヒト食道扁平上皮癌細胞株KYSE−30の増殖アッセイを用いて行った。
200μg/mlの濃度でアッセイに使用したp−クマル酸は、真の標準物質であった。
結果
p−クマル酸抗増殖アッセイの結果を表16に示す。細胞のみ(陰性対照)の結果および5−FU陽性対照の結果は、実施例3と同じであるので、表16には含めない。
(表16)4種類の胃腸細胞株に対するp−クマル酸の抗増殖活性
Figure 2016515615
考察
p−クマル酸は、ヒト食道扁平上皮癌細胞株KYSE−30に対して中程度の活性を示し、46.1%阻害する。しかし、増殖を14.3%阻害するヒト結腸腺癌細胞株DLD−1、および増殖を17.3%阻害するヒト胃癌細胞株NCI−N87に対しては、統計的に有意ではないがあまり活性はなかった。p−クマル酸は、ヒト結腸癌細胞株HCT−116に対して不活性であるが、統計的に有意ではないが、増殖をわずか2.6%刺激した。
したがって、この化合物は、扁平上皮癌細胞株KYSE−30に対して活性があるとみなすことができる。ピノセンブリンおよびp−クマル酸を、それぞれ、それらの強力な活性および弱い活性に基づいて正および負の対照として選択した。
実施例13
この実施例では、200μg/mlの濃度で実施例4、5、8および9で試験し、示されたNZ型およびポーランドポプラ型のプロポリスならびにプロポリスから単離された最も生物活性がある化合物の抗食道癌活性の詳細な評価を提供する。この研究は、実施例3に概説した一般的な方法を用いるヒト食道扁平上皮癌細胞株KYSE−30についての増殖アッセイを用いて行った。試験化合物は、100μg/mlのピノセンブリン、100μg/mlのジメチルアリルカフェ酸、10μg/mlの3−メチル−3−ブテニルカフェ酸、50μg/mlのフェルラ酸ベンジルであった。2種類のプロポリス試料は、ピノセンブリンおよびピノバンクシン3−O−アセテートが濃縮されたNZプロポリスチンキ、p−クマル酸が濃縮されたポーランドプロポリスチンキであった。両方の試料を蒸発乾固させた後、試験溶液に溶解し、最終濃度を50μg/mlにした。蒸発乾固させた後の2種類のプロポリスチンキ試料の組成を、乾燥固体1グラムあたりの化合物(mg)で表17および18に示す。
(表17)蒸発乾固させたプロポリスチンキのフラボノイド組成(mg/g乾燥固体)
Figure 2016515615
P−3−O−A=ピノバンクシン3−O−アセテート;ピノ−7−me=ピノセンブリン−7−メチルエーテル
(表18)蒸発乾固させたプロポリスチンキのフェノール酸およびエステル組成(mg/g乾燥固体)
Figure 2016515615
CAPE=カフェ酸フェネチルエステル、ベンジルf&iso−f=フェルラ酸ベンジルおよびイソフェルラ酸ベンジル、3M3Bカフェ酸=3−メチル−3−ブテニルカフェ酸、DMAカフェ酸=ジメチルアリルカフェ酸
NZプロポリスは、ポーランドプロポリスよりも実質的に高いレベルのフラボノイドのピノセンブリンおよびピノバンクシン3−O−アセテートを有する。ジメチルアリルカフェ酸および3−メチル−3−ブテニルカフェ酸の含有量はまた実質的に高く、一緒に定量したフェルラ酸ベンジルおよびイソフェルラ酸ベンジルの合計レベルも実質的に高かった。ポーランドプロポリスは、実質的に高いレベルのp−クマル酸、および中程度に高いレベルのCAPEを有する。
試験した化合物およびプロポリスチンキ試料についてのKYSE−30細胞増殖アッセイの結果を、3種類の濃度での陽性対照5−フルオロウラシル(5−FU)および陰性対照(試験化合物または陽性対照を含まず、培地のみを有する細胞)の結果と共に表19に示す。この表において、nは反復回数であり(n<6は、増殖の100%阻害を与えたいくつかの反復を示す)、ODは570nmで測定した光学密度であり、SEMは測定された平均光学密度値に付随する標準誤差であり、pは、測定がスチューデントt検定を用いて統計的に有意である確率の値であり、本明細書では<0.05とされ(NS=有意ではない)、%阻害は、陰性対照と比較した増殖の低下の割合であり、大きい数字は試験化合物が抗癌増殖能を有することを示す。
(表19)食道扁平上皮癌細胞株KYSE−30に対する試験化合物の抗増殖活性
Figure 2016515615
考察
この実施例は、プロポリスから単離した化合物がプロポリスよりKYSE−30の増殖阻害においてより効果的であり、医薬製剤に適する候補分子であることを示す。この実施例はまた、ピノセンブリン、ジメチルアリルカフェ酸、フェルラ酸ベンジル、3−メチル−3−ブテニルカフェ酸のための用量反応の指標も提供する。ジメチルアリルカフェ酸およびフェルラ酸ベンジルの両方は、それぞれ実施例4および9で使用した濃度の半分ならびに1/4であっても非常に高い活性があることが示されている。ジメチルアリルカフェ酸についての6回の反復のうち3回の反復のみが100%未満の増殖阻害を与えた。フェルラ酸ベンジルについての6回の反復のうち5回の反復のみが100%未満のKYSE−30の増殖阻害を与えた。3−メチル−3−ブテニルカフェ酸もまた、実施例5で使用した濃度のわずか5%である10μg/mlでまだ中程度の活性(39.3%阻害)を示したので、増殖の非常に強力な阻害剤である。ピノセンブリンは、100μg/mlでまだ高い活性(50.3%阻害)を示した。増殖を50.3%阻害するNZプロポリスは、29.6%阻害するポーランドプロポリスよりも効果的であり、高レベルで高活性のジヒドロフラボノイドのピノセンブリンおよびピノバンクシン−3−O−アセテートならびに低レベルで中程度の活性を示すp−クマル酸を有する利点を反映する。
産業上の利用可能性
プロポリスから誘導される化合物またはその画分を含む本発明の抗胃腸癌組成物は、食品および飲料、医療機器、医薬品、機能性食品および医薬品を含む消費財に使用できる。例えば、胃腸癌およびその症状の治療におけるそのような組成物を使用する方法は、医療分野に適用される。

Claims (43)

  1. 式(I)
    Figure 2016515615
    式中、
    ZはOまたはヒドロキシルであり;
    Xは、水素、C1−6アルキルC(O)O、またはC1−6アルキルであり;
    ------は、ZがOである場合は単結合であり、またはZがヒドロキシルである場合は存在せず、
    Figure 2016515615
    は、単結合または二重結合であり;かつ
    1およびRは、それぞれ独立して、ヒドロキシルまたはC1−6アルコキシルであり;
    ただし、R1およびRの少なくとも一方はヒドロキシルであり;
    ただし、R1およびRは、XがHであり、かつ
    Figure 2016515615
    が二重結合である場合は、共にヒドロキシルではない;
    または式(II)
    Figure 2016515615
    式中、
    は、水素、C2−6アルケニル、アリールC1−6アルキル、またはアリールC2−6アルケニルであり;
    mは1または2であり;かつ
    10およびR20は、それぞれ独立して、水素、ヒドロキシル、またはC1−6アルコキシであり;
    ただし、R10およびR20が共にヒドロキシルである場合は、Rは、アリールC1−6アルキルまたはアリールC2−6アルケニルではない、
    上記式(I)または(II)の化合物の治療有効量を含む医薬組成物。
  2. 前記式(I)の化合物が式(IA)
    Figure 2016515615
    の化合物である、請求項1に記載の組成物。
  3. Xが水素、C1−6アルキルC(O)O、またはC2−5アルキルである、請求項1または2に記載の組成物。
  4. Xが水素またはC1−6アルキルC(O)Oである、請求項1〜3のいずれか一項に記載の組成物。
  5. 前記C1−6アルキルC(O)OがMeC(O)Oである、請求項1〜4のいずれか一項に記載の組成物。
  6. およびRがそれぞれ独立してヒドロキシルまたはC1−6アルコキシである、請求項1〜5のいずれか一項に記載の組成物。
  7. 1がヒドロキシルであり、かつRがC1−6アルコキシであるか、R1がC1−6アルコキシであり、かつRがヒドロキシルであるか、またはR1およびRがそれぞれヒドロキシルである、請求項1〜6のいずれか一項に記載の組成物。
  8. 前記C1−6アルコキシがOMeである、請求項1〜7のいずれか一項に記載の組成物。
  9. ZがOであり、------が単結合であり、
    Figure 2016515615
    が単結合であり、XがC1−6アルキルC(O)Oであり、R1およびRがそれぞれヒドロキシルである、請求項1〜8のいずれか一項に記載の組成物。
  10. ZがOであり、かつ------が単結合であるか、またはZがヒドロキシルであり、かつ------が存在せず;
    Figure 2016515615
    が二重結合であり;Xが水素であり;Rがヒドロキシルであり、かつRがC1−6アルコキシであるか、またはR1がC1−6アルコキシであり、かつRがヒドロキシルである、請求項1〜8のいずれか一項に記載の組成物。
  11. がC1−6アルコキシであり、かつRがヒドロキシルである、請求項10に記載の組成物。
  12. ZがOであり、かつ------が単結合である、請求項10または請求項11に記載の組成物。
  13. Zがヒドロキシルであり、かつ------が存在しない、請求項10または請求項11に記載の組成物。
  14. 前記式(II)の化合物が、式(IIA)
    Figure 2016515615
    の化合物である、請求項1に記載の組成物。
  15. 10およびR20がそれぞれ水素であるか、R10およびR20がそれぞれヒドロキシルであるか、R10がヒドロキシルであり、かつR20がC1−6アルコキシであるか、またはR10がC1−6アルコキシであり、かつR20がヒドロキシルである、請求項1または14に記載の組成物。
  16. 前記C1−6アルコキシがOMeである、請求項1、14、および15のいずれか一項に記載の組成物。
  17. が水素、C2−6アルケニル、またはアリールC1−6アルキルである、請求項1および請求項14〜16のいずれか一項に記載の組成物。
  18. 前記C2−6アルケニルがプレニルまたはイソプレニルである、請求項1および請求項14〜17のいずれか一項に記載の組成物。
  19. 前記アリールC1−6アルキルがベンジルである、請求項1および請求項14〜17のいずれか一項に記載の組成物。
  20. 前記アリールC1−6アルケニルがシンナミルである、請求項1および請求項14〜16のいずれか一項に記載の組成物。
  21. mが2である、請求項1および請求項14〜20のいずれか一項に記載の組成物。
  22. が水素であり、R10およびR20がそれぞれ水素である、請求項21に記載の組成物。
  23. mが1である、請求項1および請求項14〜20のいずれか一項に記載の組成物。
  24. がC2−6アルケニルまたはアリールC1−6アルキルであり;R10およびR20がそれぞれヒドロキシルであるか、R10がヒドロキシルであり、かつR20がC1−6アルコキシであるか、またはR10がC1−6アルコキシであり、かつR20がヒドロキシルである、請求項1および請求項14〜19、および請求項23のいずれか一項に記載の組成物。
  25. がC2−6アルケニルであり;R10およびR20がそれぞれヒドロキシルである、請求項1および請求項14〜18、請求項23および24のいずれか一項に記載の組成物。
  26. がアリールC1−6アルキルであり;R10がヒドロキシルであり、かつR20がC1−6アルコキシであるか、またはR10がC1−6アルコキシであり、かつR20がヒドロキシルである、請求項1および請求項14〜17、請求項19、23、および24のいずれか一項に記載の組成物。
  27. a)1,1−ジメチルアリルカフェ酸、
    b)3−メチル−3−ブテニルカフェ酸、
    c)フェルラ酸ベンジル、
    d)イソフェルラ酸ベンジル、
    e)ピノバンクシン−3−アセテート、
    f)テクトクリシン、
    g)5−フェニルペンタ−2,4−ジエン酸、
    h)ピノストロビンカルコン
    のうちの任意の1つもしくは複数から選択される少なくとも1種類の化合物の治療有効量を含む、請求項1に記載の医薬組成物。
  28. 対象における胃腸癌を治療または予防する方法であって、請求項1〜27のいずれか一項に記載の組成物の有効量を、それを必要としている対象に投与することを含む、方法。
  29. 対象における胃腸の腫瘍形成を阻害するか、胃腸の腫瘍増殖を阻害するか、胃腸の腫瘍転移を阻害するか、または胃腸癌を治療または予防する方法であって、請求項1〜27のいずれか一項に記載の組成物の有効量を、それを必要としている対象に別々に、同時にまたは連続して投与することを含む、方法。
  30. 対象における1つまたは複数の腫瘍性胃腸細胞のアポトーシスを誘導する方法であって、請求項1〜27のいずれか一項に記載の組成物の有効量を、それを必要としている対象に投与することを含む、方法。
  31. 胃腸癌療法に対する対象の応答性を増加させる方法であって、請求項1〜27のいずれか一項に記載の組成物を対象に投与することを含む、方法。
  32. 胃腸癌療法に対する対象の胃腸腫瘍の感受性を増加させる方法であって、請求項1に記載の組成物を対象に投与することを含む、方法。
  33. 治療に耐性を示す1つまたは複数の胃腸癌細胞を再感作させる方法であって、1つまたは複数の胃腸癌細胞に、請求項1〜27のいずれか一項に記載の組成物の有効量を投与することを含む、方法。
  34. 胃腸癌に罹患している対象における腫瘍細胞の胃腸癌療法に対する耐性を少なくとも部分的に逆転させる方法であって、請求項1〜27のいずれか一項に記載の組成物を対象に投与することを含む、方法。
  35. 胃腸癌療法に対する胃腸癌患者の耐性を全体的にまたは部分的に逆転させる方法であって、請求項1〜27のいずれか一項に記載の組成物を前記患者に投与するステップを含む、方法。
  36. 胃腸癌療法による治療に耐性を示すか、または耐性を示すかもしくは耐性になることが予想される、胃腸癌患者の1つまたは複数の腫瘍を、胃腸癌療法による治療に対して再感作させる方法であって、請求項1〜27のいずれか一項に記載の組成物を前記患者に投与するステップを含む、方法。
  37. 前記対象がヒトである、請求項28〜36のいずれか一項に記載の方法。
  38. 対象における胃腸の腫瘍形成を阻害するか、胃腸の腫瘍増殖を阻害するか、胃腸の腫瘍転移を阻害するか、または胃腸癌を治療もしくは予防すること;対象における1つまたは複数の腫瘍性胃腸細胞のアポトーシスを誘導すること;胃腸癌療法に対する対象の応答性を増加させること;胃腸癌療法に対する対象における胃腸腫瘍の感受性を増加させること;治療に耐性を示す対象における1つまたは複数の胃腸癌細胞を再感作させること;胃腸癌に罹患している対象における腫瘍細胞の胃腸癌療法に対する耐性を少なくとも部分的に逆転させること;胃腸癌療法に対する胃腸癌患者の耐性を全体的にまたは部分的に逆転させること;あるいは、胃腸癌療法による治療に耐性を示すか、または耐性を示すかもしくは耐性になることが予想される胃腸癌患者の1つまたは複数の腫瘍を、胃腸癌療法による治療に対して再感作させること、に使用するための組成物の製造における、下記式(I)または(II)の化合物の使用:
    式(I)
    Figure 2016515615
    式中、
    ZはOまたはヒドロキシルであり;
    Xは、水素、C1−6アルキルC(O)O、またはC1−6アルキルであり;
    ------は、ZがOである場合は単結合であり、Zがヒドロキシルである場合は存在せず;
    Figure 2016515615
    は、単結合または二重結合であり;かつ
    1およびRは、それぞれ独立して、ヒドロキシルまたはC1−6アルコキシルであり;
    ただし、R1およびRの少なくとも一方はヒドロキシルであり;
    ただし、R1およびRは、XがHであり、かつ
    Figure 2016515615
    が二重結合である場合は、共にヒドロキシルではない;
    あるいは式(II)
    Figure 2016515615
    式中、
    は、水素、C2−6アルケニル、アリールC1−6アルキル、またはアリールC2−6アルケニルであり;
    mは1または2であり;かつ、
    10およびR20は、それぞれ独立して、水素、ヒドロキシル、またはC1−6アルコキシであり;
    ただし、R10およびR20が共にヒドロキシルである場合は、Rは、アリールC1−6アルキルまたはアリールC2−6アルケニルではない。
  39. ヒト対象における胃腸の腫瘍形成を阻害するか、胃腸の腫瘍増殖を阻害するか、胃腸の腫瘍転移を阻害するか、または胃腸癌を治療もしくは予防すること;ヒト対象における1つまたは複数の腫瘍性胃腸細胞のアポトーシスを誘導すること;胃腸癌療法に対するヒト対象の応答性を増加させること;胃腸癌療法に対するヒト対象の胃腸腫瘍の感受性を増加させること;治療に耐性を示すヒト対象における1つまたは複数の胃腸癌細胞を再感作させること;胃腸癌に罹患しているヒト対象における腫瘍細胞の胃腸癌療法に対する耐性を少なくとも部分的に逆転させること;胃腸癌療法に対する胃腸癌ヒト患者の耐性を全体的にまたは部分的に逆転させること;あるいは、胃腸癌療法による治療に耐性を示すか、または耐性を示すかもしくは耐性になることが予想される胃腸癌ヒト患者の1つまたは複数の腫瘍を、胃腸癌療法による治療に対して再感作させること、に使用するための組成物の製造における、下記式(I)または(II)の化合物の使用:
    式(I)
    Figure 2016515615
    式中、
    ZはOまたはヒドロキシルであり;
    Xは、水素、C1−6アルキルC(O)O、またはC1−6アルキルであり;
    ------は、ZがOである場合は単結合であり、Zがヒドロキシルである場合は存在せず;
    Figure 2016515615
    は、単結合または二重結合であり;かつ、
    1およびRは、それぞれ独立して、ヒドロキシルまたはC1−6アルコキシルであり;
    ただし、R1およびRの少なくとも一方はヒドロキシルであり;
    ただし、R1およびRは、XがHであり、かつ
    Figure 2016515615
    が二重結合である場合は、共にヒドロキシルではない;
    あるいは式(II)
    Figure 2016515615
    式中、
    は、水素、C2−6アルケニル、アリールC1−6アルキル、またはアリールC2−6アルケニルであり;
    mは1または2であり;かつ、
    10およびR20は、それぞれ独立して、水素、ヒドロキシル、またはC1−6アルコキシである。
  40. 前記化合物が、請求項2〜27のいずれか一項に定義されるとおりの化合物である、請求項38または請求項39の使用。
  41. 対象における胃腸の腫瘍形成を阻害するか、胃腸の腫瘍増殖を阻害するか、胃腸の腫瘍転移を阻害するか、または胃腸癌を治療もしくは予防すること;対象における1つまたは複数の腫瘍性胃腸細胞のアポトーシスを誘導すること;胃腸癌療法に対する対象の応答性を増加させること;胃腸癌療法に対する対象の胃腸腫瘍の感受性を増加させること;治療に耐性を示す対象における1つまたは複数の胃腸癌細胞を再感作させること;胃腸癌に罹患している対象における腫瘍細胞の胃腸癌療法に対する耐性を少なくとも部分的に逆転させること;胃腸癌療法に対する胃腸癌患者の耐性を全体的にまたは部分的に逆転させること;あるいは、胃腸癌療法による治療に耐性を示すか、または耐性を示すかもしくは耐性になることが予想される胃腸癌患者の1つまたは複数の腫瘍を、胃腸癌療法による治療に対して再感作させること、に使用するための組成物の製造における、必要に応じて少なくとも1つの追加の治療剤との、
    a)1,1−ジメチルアリルカフェ酸、
    b)3−メチル−3−ブテニルカフェ酸、
    c)フェルラ酸ベンジル、
    d)イソフェルラ酸ベンジル、
    e)ピノバンクシン−3−アセテート、
    f)テクトクリシン、
    g)5−フェニルペンタ−2,4−ジエン酸、および
    h)ピノストロビンカルコン
    からなる群から選択される任意の1つまたは複数から選択される少なくとも1種類の化合物の使用。
  42. ヒト対象における胃腸の腫瘍形成を阻害するか、胃腸の腫瘍増殖を阻害するか、胃腸の腫瘍転移を阻害するか、または胃腸癌を治療もしくは予防すること;ヒト対象における1つまたは複数の腫瘍性胃腸細胞のアポトーシスを誘導すること;胃腸癌療法に対するヒト対象の応答性を増加させること;胃腸癌療法に対するヒト対象の胃腸腫瘍の感受性を増加させること;治療に耐性を示すヒト対象における1つまたは複数の胃腸癌細胞を再感作させること;胃腸癌に罹患しているヒト対象における腫瘍細胞の胃腸癌療法に対する耐性を少なくとも部分的に逆転させること;胃腸癌療法に対する胃腸癌ヒト患者の耐性を全体的にまたは部分的に逆転させること;あるいは、胃腸癌療法による治療に耐性を示すか、または耐性を示すかもしくは耐性になることが予想される胃腸癌ヒト患者の1つまたは複数の腫瘍を、胃腸癌療法による治療に対して再感作させること、に使用するための、請求項1〜27のいずれか一項に記載の組成物。
  43. 胃腸癌の治療または予防において使用するための、請求項42に記載の組成物。
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