JP2016513729A - 抗菌化合物 - Google Patents
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Abstract
抗菌特性を有するイミノ糖、ならびにそのようなイミノ糖での細菌感染症の処置および/または予防方法を提供する。本開示は、抗菌化合物に関し、詳細には、抗菌活性を有するイミノ糖に関する。一実施形態は、細菌感染症を処置または予防する方法であって、それを必要とする対象に抗菌有効量の下記式の化合物またはその薬学的に許容される塩を投与するステップを含む方法である。
Description
優先権
本出願は、2013年3月15日出願の米国仮出願第61/790797号の優先権を主張するものである。
本出願は、2013年3月15日出願の米国仮出願第61/790797号の優先権を主張するものである。
分野
本開示は、抗菌化合物に関し、詳細には、抗菌活性を有するイミノ糖に関する。
本開示は、抗菌化合物に関し、詳細には、抗菌活性を有するイミノ糖に関する。
概要
一実施形態は、細菌感染症を処置または予防する方法であって、それを必要とする対象に抗菌有効量の下記式の化合物:
一実施形態は、細菌感染症を処置または予防する方法であって、それを必要とする対象に抗菌有効量の下記式の化合物:
Rは、a)置換もしくは非置換オキサアルキル基であるか、または
b)Rは、
Zは、結合またはNHから選択され;ただし、Zが結合である場合は、Yは存在せず、ZがNHである場合は、Yはカルボニル以外の置換または非置換C1−アルキル基であり;
W1〜4は、水素、置換または非置換アルキル基、置換または非置換ハロアルキルから独立して選択される)
またはその薬学的に許容される塩を投与するステップを含む方法である。
別の実施形態は、細菌増殖を阻害する方法であって、細菌集団を抗菌有効量の下記式の化合物:
Rは、a)置換もしくは非置換オキサアルキル基であるか、または
b)Rは、
X1〜5は、H、NO2、N3またはNH2から独立して選択され;Yは、存在しないか、またはカルボニル以外の置換もしくは非置換C1−アルキル基であり;
Zは、結合またはNHから選択され;ただし、Zが結合である場合は、Yは存在せず、ZがNHである場合は、Yはカルボニル以外の置換または非置換C1−アルキル基であり;
W1〜4は、水素、置換または非置換アルキル基、置換または非置換ハロアルキルから独立して選択される)
またはその薬学的に許容される塩と接触させるステップを含む方法である。
さらに別の実施形態は、細菌を死滅させる方法であって、細菌集団を殺菌有効量の下記式の化合物:
Rは、a)置換もしくは非置換オキサアルキル基であるか、または
b)Rは、
X1〜5は、H、NO2、N3またはNH2から独立して選択され;Yは、存在しないか、またはカルボニル以外の置換もしくは非置換C1−アルキル基であり;
Zは、結合またはNHから選択され;ただし、Zが結合である場合は、Yは存在せず、ZがNHである場合は、Yはカルボニル以外の置換または非置換C1−アルキル基であり;
W1〜4は、水素、置換または非置換アルキル基、置換または非置換ハロアルキルから独立して選択される)
またはその薬学的に許容される塩と接触させるステップを含み、
前記接触後に前記細菌集団の増殖は観察されない、方法である。
そしてさらに別の実施形態は、α毒素溶血を阻害する方法であって、細菌集団を有効量の下記式の化合物:
Rは、a)置換もしくは非置換オキサアルキル基であるか、または
b)Rは、
X1〜5は、H、NO2、N3またはNH2から独立して選択され;Yは、存在しないか、またはカルボニル以外の置換もしくは非置換C1−アルキル基であり;
Zは、結合またはNHから選択され;ただし、Zが結合である場合は、Yは存在せず、ZがNHである場合は、Yはカルボニル以外の置換または非置換C1−アルキル基であり;
W1〜4は、水素、置換または非置換アルキル基、置換または非置換ハロアルキルから独立して選択される)
またはその薬学的に許容される塩と接触させるステップを含む方法である。
詳細な記載
関連文献
以下の特許文献は、すべてそれら全体が参照により本明細書に援用されており、本開示の理解に有用であり得る:
1)米国特許第6,545,021号、同第6,809,803号、同第6,689,759号、同第6,465,487号、同第5,622,972号、同第8,450,345号、同第8,426,445号、同第7,256,005号、同第7,816,560号;
2)米国特許出願公開第2007/0275998号、同第2011/0184019号、同第2013/0237567号、同第2010/0222384号、同第2013/0150405号、同第2011/0065754号、同第2011/0065753号、同第2011/0065752号;
3)米国仮出願第61/878,286号(2013年9月16日出願)、同第61/929,704号(2014年1月21日出願)および同第61/943,918号(2014年2月24日出願)。
関連文献
以下の特許文献は、すべてそれら全体が参照により本明細書に援用されており、本開示の理解に有用であり得る:
1)米国特許第6,545,021号、同第6,809,803号、同第6,689,759号、同第6,465,487号、同第5,622,972号、同第8,450,345号、同第8,426,445号、同第7,256,005号、同第7,816,560号;
2)米国特許出願公開第2007/0275998号、同第2011/0184019号、同第2013/0237567号、同第2010/0222384号、同第2013/0150405号、同第2011/0065754号、同第2011/0065753号、同第2011/0065752号;
3)米国仮出願第61/878,286号(2013年9月16日出願)、同第61/929,704号(2014年1月21日出願)および同第61/943,918号(2014年2月24日出願)。
用語の定義
別段の指定がない限り、「a」または「an」は、「1つまたは複数」を意味する。
別段の指定がない限り、「a」または「an」は、「1つまたは複数」を意味する。
用語「抗菌化合物または抗菌剤」は、細菌を死滅させるおよび/または細菌の増殖を阻害する化合物または薬剤を意味する。
用語「殺菌化合物または殺菌剤」は、細菌を死滅させる化合物または薬剤を意味する。
用語「静菌化合物または静菌剤」は、細菌の増殖を阻害および/または予防する化合物または薬剤を意味する。
用語「細菌感染症」は、細菌によって引き起こされる任意の感染症を指す。
用語「細菌感染症の処置または予防」は、細菌感染症によって引き起こされる疾患の症状の改善または緩和を意味する。処置は、感染症を引き起こす細菌を死滅させること;感染症を引き起こす細菌の増殖を予防すること;疾患、すなわち細菌感染症によって引き起こされる疾患による死亡率および/または罹患率を減少させることのうちの少なくとも1つをもたらす場合、治療的とみなされる。
本発明者らは、特定のイミノ糖化合物が抗菌特性を有し得る、すなわち、細菌を死滅させるおよび/または細菌の増殖を阻害することができることを発見した。
一部の実施形態において、抗菌特性を有するイミノ糖は、N置換デオキシノジリマイシン、例えば、式:
を有する化合物またはその薬学的に許容される塩であってよい。
一部の実施形態において、Rは、1から5個または1から3個または1から2個の酸素原子を含有してよい、1から16個の炭素原子、4から12個の炭素原子または8から10個の炭素原子を含む置換もしくは非置換オキサアルキル基であってよい。用語「オキサアルキル」は、ヒドロキシを末端に持つおよびメトキシを末端に持つアルキル誘導体を含む。
一部の実施形態において、Rは、−(CH2)6OCH3、−(CH2)6OCH2CH3、−(CH2)6O(CH2)2CH3、−(CH2)6O(CH2)3CH3、−(CH2)2O(CH2)5CH3、−(CH2)2O(CH2)6CH3、−(CH2)2O(CH2)7CH3、−(CH2)9−OH、−(CH2)9OCH3から選択してよいが、これらに限定されない。
一部の実施形態において、Rは、分岐または非分岐、置換または非置換アルキル基であってよい。特定の実施形態において、アルキル基は、C6〜C20アルキル基、C8〜C16アルキル基、またはC8〜C10アルキル基であってよい、長鎖アルキル基であってよい。一部の実施形態において、Rは、長鎖オキサアルキル基、すなわち、1から5個または1から3個または1から2個の酸素原子を含有してよい長鎖アルキル基であってよい。
一部の実施形態において、Rは、下記式を有してよい:
R1は、置換もしくは非置換アルキル基であり;
X1〜5は、H、NO2、N3またはNH2から独立して選択され;
Yは、存在しないか、またはカルボニル以外の置換もしくは非置換C1−アルキル基であり;
Zは、結合またはNHから選択され;ただし、Zが結合である場合は、Yは存在せず、ZがNHである場合は、Yはカルボニル以外の置換または非置換C1−アルキル基である)。
一部の実施形態において、Zは、NHであり、R1−Yは、置換または非置換アルキル基、例えば、C2〜C20アルキル基またはC4〜C12アルキル基またはC4〜C10アルキル基である。
一部の実施形態において、X1はNO2であり、X3はN3である。一部の実施形態において、X2、X4およびX5の各々は水素である。
一部の実施形態において、イミノ糖は、例えば、参照により本明細書に援用されている、米国特許出願公開第2007/0275998号に開示されている、DNJ誘導体であってよい。
一部の実施形態において、イミノ糖は、N−(9−メトキシノニル)デオキシノジリマイシンまたはその薬学的に許容される塩であってよく、薬学的に許容される塩は、例えば、N−(9−メトキシノニル)デオキシノジリマイシンの塩酸塩であってもよい。そのような化合物の調製方法は、例えば、米国特許出願公開第2010/022383号に開示されている。
一部の実施形態において、イミノ糖は、N−(N−{4’−アジド−2’−ニトロフェニル}−6−アミノヘキシル)デオキシノジリマイシンまたはその薬学的に許容される塩であってよい。デオキシノジリマイシン誘導体の合成方法は、例えば、米国特許第5,622,972号、同第5,200,523号、同第5,043,273号、同第4,994,572号、同第4,246,345号、同第4,266,025号、同第4,405,714号、および同第4,806,650号ならびに米国特許出願公開第2007/0275998号に開示されており、これらはすべて参照により本明細書に援用されている。
一部の実施形態では、上に開示したものなどのイミノ糖を細菌感染症の処置および/または予防に使用してよい。
細菌感染症としては、セレウス菌(Bacillus cereus)、炭疽菌(Bacillus anthracis)、ボツリヌス菌(Clostridium botulinum)、クロストリジウム・ディフィシル(Clostridium difficile)、破傷風菌(Clostridium tetani)、ウェルシュ菌(Clostridium perfringens)、ジフテリア菌(Corynebacteria diphtheriae)、腸球菌(Enterococcus)(D群連鎖球菌(Streptococcus D))、リステリア菌(Listeria monocytogenes)、肺炎球菌(Pneumoccoccal)感染症(肺炎連鎖球菌(Streptococcus pneumoniae))、ブドウ球菌(Staphylococcal)感染症および連鎖球菌(Streptococcal)感染症;バクテロイデス属(Bacteroides)、百日咳菌(Bordetella pertussis)、ブルセラ属(Brucella)、カンピロバクター(Campylobacter)感染症、腸管出血性大腸菌(enterohaemorrhagic Escherichia coli)(EHEC/大腸菌(E. coli)0157:H7)腸管組織侵入性大腸菌(enteroinvasive Escherichia coli)(EIEC)、毒素原性大腸菌(enterotoxigenic Escherichia coli)(ETEC)、インフルエンザ菌(Haemophilus influenzae)、ピロリ菌(Helicobacter pylori)、肺炎桿菌(Klebsiella pneumoniae)、レジオネラ属種(Legionella spp.)、カタル球菌(Moraxella catarrhalis)、淋菌(Neisseria gonnorrhoeae)、髄膜炎菌(Neisseria meningitidis)、プロテウス属種(Proteus spp.)、緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa)、サルモネラ属種(Salmonella spp.)、赤痢菌属種(Shigella spp.)、コレラ菌(Vibrio cholera)およびエルシニア属(Yersinia)を含む、グラム陰性菌;結核菌(Mycobacterium tuberculosis)、マイコバクテリウム・アビウム・イントラセルラーレ(Mycobacterium avium-intracellulare)、ヨーネ菌(Myobacterium johnei)、ハンセン菌(Mycobacterium leprae)、を含む抗酸菌;非定型細菌、クラミジア属(Chlamydia)、マイコプラズマ属(Mycoplasma)、リケッチア属(Rickettsia)、スピロヘータ目(Spirochetes)、梅毒トレポネーマ(Treponema pallidum)、回帰熱ボレリア(Borrelia recurrentis)、ライム病ボレリア(Borrelia burgdorfii)および黄疸出血病レプトスピラ(Leptospira icterohemorrhagiae);ならびに放線菌属(Actinomyces)およびノカルジア属(Nocardia)を含む、他の多岐にわたる細菌によって引き起こされる感染症が挙げられるが、これらに限定されない。
一部の実施形態において、細菌感染症は、黄色ブドウ球菌(S. aureus)、大腸菌(E. coli)、緑膿菌(P. aeruginosa)緑膿菌(P. aeruginosa)、枯草菌(B. subtilis)、肺炎連鎖球菌(Streptococcus pneumoniae)またはこれらの任意の組合せによって引き起こされることがある。一部の実施形態において、細菌感染症は、次の菌株から選択される1つまたは複数の菌株によって引き起こされることがある:黄色ブドウ球菌(S. aureus)(USA300)、黄色ブドウ球菌(S. aureus)(Col)、黄色ブドウ球菌(S. aureus)(8324−5)、大腸菌(E. coli)(WT)、大腸菌(E. coli)(K12)、緑膿菌(P. aeruginosa)4858、緑膿菌(P. aeruginosa)4961、緑膿菌(P. aeruginosa)4990、枯草菌(B. subtilis)、および肺炎連鎖球菌(Streptococcus pneumoniae)。一部の実施形態において、イミノ糖は、黄色ブドウ球菌(S. aureus)(USA300)、黄色ブドウ球菌(S. aureus)(Col)、黄色ブドウ球菌(S. aureus)(8324−5)、大腸菌(E. coli)(WT)、大腸菌(E. coli)(K12)、緑膿菌(P. aeruginosa)4858、緑膿菌(P. aeruginosa)4961、緑膿菌(P. aeruginosa)4990、枯草菌(B. subtilis)、および肺炎連鎖球菌(Streptococcus pneumoniae)の各々によって引き起こされる細菌感染症の処置に有用であり得る。
一部の実施形態では、細菌集団の増殖を阻害するためにイミノ糖を使用してもよい。さらに一部の実施形態では、細菌を死滅させるためにイミノ糖を使用してもよい。一部の実施形態では、黄色ブドウ球菌α毒素の溶血などのα毒素溶血を阻害するためにイミノ糖を使用してもよい。
一部の実施形態では、イミノ糖を対象に投与してよく、対象は、ヒトなどの哺乳動物であってよい。
一部の実施形態では、イミノ糖を組成物の一部として使用してもよく、組成物は、薬学的に許容される担体および/または組成物の動物への送達に有用な成分をさらに含み、動物は、哺乳動物、例えばヒトであってよい。ヒトへの組成物の送達に有用な多数の薬学的に許容される担体およびウシなどの他の動物への組成物の送達に有用な成分が当該技術分野において公知である。本発明の組成物へのそのような担体および成分の添加は、十分に当業者のレベルの範囲内である。
一部の実施形態において、イミノ糖は、無機または有機酸から誘導される塩の形態であってよい。薬学的に許容される塩および塩形態の調製方法は、例えばBerge et al. (J. Pharm. Sci. 66:1-18, 1977) に開示されている。適切な塩の例としては、次の塩が挙げられるが、これらに限定されない:酢酸塩、アジピン酸塩、アルギン酸塩、クエン酸塩、アスパラギン酸塩、安息香酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、重硫酸塩、酪酸塩、樟脳酸塩、樟脳スルホン酸塩、二グルコン酸塩、シクロペンタンプロピオン酸塩、ドデシル硫酸塩、エタンスルホン酸塩、グルコヘプタン酸塩、グリセロリン酸塩、ヘミ硫酸塩、ヘプタン酸塩、ヘキサン酸塩、フマル酸塩、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、2−ヒドロキシエタンスルホン酸塩、乳酸塩、マレイン酸塩、メタンスルホン酸塩、ニコチン酸塩、2−ナフタレンスルホン酸塩、シュウ酸塩、パルモアート(palmoate)、ペクチン酸塩、過硫酸塩、3−フェニルプロピオン酸塩、ピクリン酸塩、ピバル酸塩、プロピオン酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩、チオシアン酸塩、トシル酸塩、メシル酸塩、およびウンデカン酸塩。
一部の実施形態において、医薬組成物はイミノ糖から本質的になってよく、これは、イミノ糖が組成物中の唯一の活性成分であることを意味し得る。
一部の実施形態では、N−置換デオキシノジリマイシンなどのイミノ糖をリポソーム組成物、例えば、米国特許出願公開第2008/0138351号、同第2009/0252785号および同第2010/0266678号明細書に開示されているものなどにおいて使用してもよい。
本発明の方法への動物に投与されるイミノ糖の量は、細菌を死滅させるおよび/または細菌の増殖を阻害するのに有効な量であり得る。本明細書において用いる用語「阻害する」は、イミノ糖が不在の状態で呈示される生物活性の検出可能な低減および/または排除を指し得る。用語「有効量」は、示されている効果を達成するために必要なイミノ糖の量を指し得る。本明細書において用いる用語「処置」は、対象の症状の軽減もしくは緩和、症状の悪化もしくは進行の防止、原因因子の阻害もしくは排除、または細菌によって引き起こされる感染症もしくは障害の、当該感染症もしくは障害がない対象における予防を指し得る。
医薬組成物中の活性成分の実際の投薬量レベルは、特定の患者について所望される治療応答を達成するのに有効である量の活性化合物(複数可)を投与するために、様々であってよい。一部の実施形態では、1日1、2または3回与える1mgから1000mgの投薬量。
選択される用量レベルは、イミノ糖の活性、投与経路、処置される状態の重症度、ならびに処置される患者の状態および以前の病歴に依存し得る。しかし、所望の治療効果を達成するために要するより低いレベルの化合物(複数可)用量で開始し、所望の効果が達成されるまでその投薬量を徐々に増加させることは、当業者の範囲内である。必要に応じて、有効1日用量を投与のために複数回分、例えば、1日当たり2から4回分に分割してもよい。しかし、任意の特定の患者についての具体的な用量レベルが、体重、全般的健康、食事、投与時間および経路、他の治療薬との組合せ、ならびに処置される状態または疾患の重症度をはじめとする、様々な因子に依存し得ることは、理解されるであろう。成人の1日の投薬量は、体重10kg当たりイミノ糖約1マイクログラムから約1グラムの間、または約10mgから100mgの間の範囲であってよい。一部の実施形態において、全1日用量は、0.1mg/kg体重から100mg/kg体重または1mg/kg体重から60mg/kg体重または2mg/kg体重から50mg/kg体重または3mg/kg体重から30mg/kg体重であってよい。1日用量を1日の間に1回または複数回の投与イベントを用いて投与してよい。例えば、一部の実施形態では、1日用量を1日当たり2回(BID)の投与イベント、1日当たり3回(TID)の投与イベントまたは4回(QID)の投与イベントを用いて投与してよい。特定の実施形態では、1mg/kg体重から10または20mg/kg体重の範囲の単回投与イベントを、2mg/kg体重から20mg/kg体重または3mg/kg体重から30mg/kg体重の全1日用量になるようにBIDまたはTIDでヒトに投与してもよい。もちろん、動物に投与すべきイミノ糖の量は、当業者によって十分に理解されている多数の因子、例えば、イミノ糖の分子量および投与経路などに依存し得る。
本発明の方法において有用である医薬組成物を経口固体製剤で全身投与してもよいし、眼科用、坐剤、エアロゾル、局所または他の同様の製剤で投与してもよい。例えば、医薬組成物は、粉末、錠剤、カプセル、ロゼンジ、ゲル、溶液、懸濁液、シロップなどの物理的形態であってもよい。イミノ糖に加えて、そのような医薬組成物は、薬学的に許容される担体ならびに薬の投与を増進および容易にすることが公知の他の成分を含有してもよい。他の可能な製剤、例えば、ナノ粒子、リポソーム再封入赤血球(liposomes resealed erythrocytes)、および免疫ベースの系も、前記イミノ糖の投与に使用してよい。そのような医薬組成物をいくつかの経路によって投与してよい。本明細書において用いる用語「非経口」は、限定ではないが、皮下、静脈内、動脈内、クモ膜下、ならびに注射および注入法を含む。例として、医薬組成物を経口投与、局所投与、非経口投与、全身投与、または肺経路により投与してよい。
一部の実施形態では、抗菌特性を有するイミノ糖を適切な液体担体に溶解もしくは分散させてもよく、またはそのような担体と混合してもよい。一部の実施形態では、抗菌特性を有するイミノ糖を適切な粉末担体に吸着させてもよい。場合によっては、乳化剤、分散剤、懸濁化剤、展着剤、浸透剤、湿潤剤または安定剤を添加してもよく、それによって、抗菌特性を有するイミノ糖をエマルション、水分散性粉末、粉末または錠剤などの製剤にする。抗菌特性を有するイミノ糖を食品、化粧品および抗菌製剤に使用してもよい。また、抗菌特性を有するイミノ糖を、他の公知の抗菌剤または抗菌活性を有すると考えられる公知の化合物と併用してもよい。
抗菌特性を有するイミノ糖を添加および配合してよい物質の例として、食品、芳香製品、基礎化粧品、毛髪用化粧品、トイレタリー製品、入浴剤、ボディーケア製品、洗剤/仕上げ剤、香りのよい消臭剤および薬物を与えることができるが、本発明はこれらの物質に限定されない。
上記食品の例としては、ドリンク、例えば非果汁ドリンク、果汁含有ドリンク、乳酸飲料および粉末ドリンク、冷凍菓子、例えばアイスクリーム、シャーベットおよび氷菓子、デザート、例えばプディング、ゼリー、ババロアおよびヨーグルト、菓子、例えばグミおよび飴、ならびに煮た魚のすり身で作られた海産物を挙げることができる。
芳香製品の例としては、香水、化粧水、コロンおよびシャワーコロンを挙げることができる。
上記基礎化粧品の例としては、スキンクリーム、クレンジングクリーム、スキンローション、アフターシェーブローション、ファンデーション、口紅およびタルカムパウダーを挙げることができる。
上記毛髪用化粧品の例としては、洗髪剤、例えばシャンプー、リンス、コンディショナー、リンス・イン・シャンプーおよびトリートメント、整髪剤、例えばポマード、ヘアトニック、ヘアリキッドおよびヘアジェル、育毛剤、ヘアドライ用剤およびコールドウェーブ用剤を挙げることができる。
上記トイレタリー製品の例としては、化粧せっけん、浴用せっけんおよび透明せっけんを挙げることができる。
上記入浴剤の例としては、粉末状浴用剤、固形浴用剤、固形発泡浴用剤、バスオイルおよび泡立て浴剤を挙げることができる。
上記洗剤の例としては、衣類用粉末洗剤、衣類用液体洗剤、柔軟および仕上げ剤、台所用洗剤、洗面所用洗剤、浴室用洗剤、ガラスクリーナーおよびカビ取り剤を挙げることができる。
上記エアケア消臭剤の例としては、ゲル状エアケア消臭剤、液体エアケア消臭剤、含浸型エアゾールエアケア消臭剤およびミストタイプのエアケア消臭剤を挙げることができる。
上記薬物の例としては、錠剤、液剤、カプセル型薬物および顆粒状薬物を挙げることができる。
本明細書に記載する実施形態を以下の作業実施例によってさらに例証するが、決してこれらの実施例に限定されない。
表1は、試験した細菌株の説明を提供するものである。
ディスク拡散
異なる濃度の抗菌ディスクを被定義量の化合物の組み込みにより作製し、冷蔵庫(4℃)で保管した。プレートに試験細菌を綿棒で3方向に塗って、0.5 McFarland接種材料とともに均一に増殖させた。接種後15分より短時間だができる限り速やかに、抗菌ディスクをプレートにあてがった。プレートを37℃で18時間インキュベートした。ディスク周囲の増殖阻害ゾーンを測定した。
異なる濃度の抗菌ディスクを被定義量の化合物の組み込みにより作製し、冷蔵庫(4℃)で保管した。プレートに試験細菌を綿棒で3方向に塗って、0.5 McFarland接種材料とともに均一に増殖させた。接種後15分より短時間だができる限り速やかに、抗菌ディスクをプレートにあてがった。プレートを37℃で18時間インキュベートした。ディスク周囲の増殖阻害ゾーンを測定した。
図1は、UV−4B化合物についてのディスク拡散結果を提示するものであり、その一方で図2および表2は、UV−5化合物についてのディスク拡散結果を要約したものである。
最小阻害濃度(MIC)
MICアッセイは、可視細菌増殖を阻害するために必要な特定の抗生物質の最低濃度を決定するために用いられる技法である。この方法で、2倍系列希釈の化合物をブロス培地で調製した。一晩細菌培養物の接種材料を同じブロス培地で調製することになる。系列希釈物チューブに0.025mLの未希釈一晩培養物(1:100)、1x10−2希釈(1:10,000)、または1x10−4希釈(1:1,000,000)の細菌懸濁液を接種することになる。振盪せずに35℃で24時間インキュベートした後にOD600を測定することにより結果を記録した。増殖が見られない最低化合物濃度によってMICを決定する。
MICアッセイは、可視細菌増殖を阻害するために必要な特定の抗生物質の最低濃度を決定するために用いられる技法である。この方法で、2倍系列希釈の化合物をブロス培地で調製した。一晩細菌培養物の接種材料を同じブロス培地で調製することになる。系列希釈物チューブに0.025mLの未希釈一晩培養物(1:100)、1x10−2希釈(1:10,000)、または1x10−4希釈(1:1,000,000)の細菌懸濁液を接種することになる。振盪せずに35℃で24時間インキュベートした後にOD600を測定することにより結果を記録した。増殖が見られない最低化合物濃度によってMICを決定する。
表3は、様々な菌株に対するUV4BのMICを提示するものである。USA300に対するエリスロマイシンMICを実験対照として使用した。
最小殺菌濃度(MBC)
MBCは、生物を死滅させるために要する化合物の最低濃度である。MBC決定のために、MICアッセイから可視増殖のない培養物をBHI寒天プレートに再接種し、35℃で24または48時間のインキュベーション後にコロニー形成単位(CFU)を定量した。小コロニー変異型の場合、48時間より早くには増殖が生じないこともあった。0.1%の原接種材料を有するコロニー数(99.9%低減)がMBSを表すと考えられる。
MBCは、生物を死滅させるために要する化合物の最低濃度である。MBC決定のために、MICアッセイから可視増殖のない培養物をBHI寒天プレートに再接種し、35℃で24または48時間のインキュベーション後にコロニー形成単位(CFU)を定量した。小コロニー変異型の場合、48時間より早くには増殖が生じないこともあった。0.1%の原接種材料を有するコロニー数(99.9%低減)がMBSを表すと考えられる。
表5は、様々な菌株に対するUV4BのMBCを提示するものである。
表6は、様々な菌株に対するUV5のMBCを表すものである。
結論
UV−4Bは、抗菌および殺菌特性を呈示する。UV−4Bは、外毒素生産を阻害することができ、これは、進行中の感染症が存在する場合でさえ疾患を制限することができる、病原性因子生産を抑制する、可能性のある作用機序を示唆している。UV−4Bは、抗生物質耐性の症例に有用であり得る。
UV−4Bは、抗菌および殺菌特性を呈示する。UV−4Bは、外毒素生産を阻害することができ、これは、進行中の感染症が存在する場合でさえ疾患を制限することができる、病原性因子生産を抑制する、可能性のある作用機序を示唆している。UV−4Bは、抗生物質耐性の症例に有用であり得る。
メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)(MRSA)負荷マウスモデルにおけるUV−4BおよびUV−5のインビボ効力
研究設計:この研究は、腹腔内(IP)経路による黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)USA300(USA300)感染中に(負荷の3日前から7日後まで)10日間マウスに経口送達したUV−4BおよびUV−5の防御効力を判定することを目的とした。負荷接種材料は、24〜72時間以内に菌血症/敗血症を引き起こす、6.13x104cfu USA300+3%ブタムチンを含んだ。処置計画は、細菌負荷の3日前に開始して200mg/kgのUV−4Bを1日3回(TID)送達し、100mg/kgのUV−5を1日2回(BID)送達する、以前の毒性および効力研究に基づいた。使用したマウスは、10匹の群での6〜8週齢メスBALB/cマウスであった。3%ブタムチンの潜在的毒性を検査するためにマウス5匹の1群も検査に含めた。エンドポイントは、感染後第10日、死亡、または安楽死であった。30%超の体重減少、極度の嗜眠、または麻痺によって判定して重度の疾病を示した動物は、安楽死させた。観察は、投与開始とともに始めて負荷の10日後までの毎日の体重、健康チェックおよび温度を含んだ。
研究設計:この研究は、腹腔内(IP)経路による黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)USA300(USA300)感染中に(負荷の3日前から7日後まで)10日間マウスに経口送達したUV−4BおよびUV−5の防御効力を判定することを目的とした。負荷接種材料は、24〜72時間以内に菌血症/敗血症を引き起こす、6.13x104cfu USA300+3%ブタムチンを含んだ。処置計画は、細菌負荷の3日前に開始して200mg/kgのUV−4Bを1日3回(TID)送達し、100mg/kgのUV−5を1日2回(BID)送達する、以前の毒性および効力研究に基づいた。使用したマウスは、10匹の群での6〜8週齢メスBALB/cマウスであった。3%ブタムチンの潜在的毒性を検査するためにマウス5匹の1群も検査に含めた。エンドポイントは、感染後第10日、死亡、または安楽死であった。30%超の体重減少、極度の嗜眠、または麻痺によって判定して重度の疾病を示した動物は、安楽死させた。観察は、投与開始とともに始めて負荷の10日後までの毎日の体重、健康チェックおよび温度を含んだ。
図3は、黄色ブドウ球菌(S. aureus)を負荷したマウスについての生存データを提示するものである。水の対照処置を受けなかったマウス(n=5)は、すべて、感染24時間以内に死亡し、平均の死亡までの時間(MTD)は4日であった。水TIDで処置したマウスは、30%生存および6日のMTDを示した。UV−4BまたはUV−5で処置したマウスは、13日超のMTDとそれぞれ80および70%生存を示した。水対照群とUV−4Bを投与した群との間で生存の有意性(p<0.05)が見てとれる。感染日に(細菌負荷なしで)ブタムチン(3%)を与えたマウスは、100%生存を示した(データを図4に示していない)。
結論
USA300で感染させたがビヒクル処置も化合物処置も一切受けなかったマウスは、すべて、IP感染1日以内に死亡した。ビヒクル処置として水を受けたマウスは、4日(無処置対照)から6日に延長された平均の死亡までの時間と、0%から30%への生存増加を有した。200mg/kgのUV−4B(UV−4遊離塩基濃度で算出)を受けた群は、80%の生存率増加を有し、その一方でUV−5を投与した群は、70%生存を有した。UV−4BおよびUV−5処置マウスにおける平均の死亡までの時間は、負荷後13日超に増加した。0.05未満のp値で水投与群とUV−4Bを投与した群との間で有意性が観察される。水処置マウスとUV−5処置マウスとの間で統計的に有意な生存増加は観察されなかった(それぞれ、30%および70%)が、UV−5の用量/投薬計画で多少の毒性が観察され、これは、この群で観察された一部の罹患率および死亡率の一因になった可能性がある。
USA300で感染させたがビヒクル処置も化合物処置も一切受けなかったマウスは、すべて、IP感染1日以内に死亡した。ビヒクル処置として水を受けたマウスは、4日(無処置対照)から6日に延長された平均の死亡までの時間と、0%から30%への生存増加を有した。200mg/kgのUV−4B(UV−4遊離塩基濃度で算出)を受けた群は、80%の生存率増加を有し、その一方でUV−5を投与した群は、70%生存を有した。UV−4BおよびUV−5処置マウスにおける平均の死亡までの時間は、負荷後13日超に増加した。0.05未満のp値で水投与群とUV−4Bを投与した群との間で有意性が観察される。水処置マウスとUV−5処置マウスとの間で統計的に有意な生存増加は観察されなかった(それぞれ、30%および70%)が、UV−5の用量/投薬計画で多少の毒性が観察され、これは、この群で観察された一部の罹患率および死亡率の一因になった可能性がある。
α毒素溶血の阻害
1.USA300をMHAプレートO/Nにおいて増殖させる
2.プレートから細菌培養物を綿棒で採取し、2mL PBSに再懸濁させる
3.回転させ、上清を廃棄する。
4.2mLのPBSで洗浄する。
5.2mL LBに再懸濁させる。
6.LBブロス中の異なる濃度のUV−4Bを作る。
7.接種材料を添加する(LB中2つの異なる接種材料サイズ:1および1:10にする)。α毒素の生産は個体数依存性の現象であるので、低接種材料はα毒素を一切生産しないことがあるため(結果図参照:低接種材料はα毒素を生産しない)、このステップは、非常に重要である。
8.培地対照およびUV−4bのみの対照以外のすべてのウェルに50uLの接種材料を添加する。
9.増殖OD600(T0)を読み取る(このデータについてはZ/:でDBファイルを参照されたい)。
10.37℃で3時間インキュベートする
11.増殖OD600(T3)を読み取る。
12.2%ウサギRBCを使用することによりα溶血アッセイを行う。OD416nm(T3溶血)を読み取る
1.USA300をMHAプレートO/Nにおいて増殖させる
2.プレートから細菌培養物を綿棒で採取し、2mL PBSに再懸濁させる
3.回転させ、上清を廃棄する。
4.2mLのPBSで洗浄する。
5.2mL LBに再懸濁させる。
6.LBブロス中の異なる濃度のUV−4Bを作る。
7.接種材料を添加する(LB中2つの異なる接種材料サイズ:1および1:10にする)。α毒素の生産は個体数依存性の現象であるので、低接種材料はα毒素を一切生産しないことがあるため(結果図参照:低接種材料はα毒素を生産しない)、このステップは、非常に重要である。
8.培地対照およびUV−4bのみの対照以外のすべてのウェルに50uLの接種材料を添加する。
9.増殖OD600(T0)を読み取る(このデータについてはZ/:でDBファイルを参照されたい)。
10.37℃で3時間インキュベートする
11.増殖OD600(T3)を読み取る。
12.2%ウサギRBCを使用することによりα溶血アッセイを行う。OD416nm(T3溶血)を読み取る
図4は、UV4Bについてのα毒素溶血の阻害のデータを提示するものである。高(青色)、低(赤色)は、異なる濃度のUV4Bとともに96ウェルELISAプレートに添加した黄色ブドウ球菌(S. aureus)USA300の接種材料サイズであった。細菌なしのUV−4(緑色)−対照。プレートを3時間インキュベートし(T3)、増殖OD600および溶血(2%ウサギ血液中)OD416nmを、図4に示すとおり分析した。
図4に提示するデータに基づき、UV−4Bは、2.5mg/mLより高い濃度でα毒素生産の阻害を可能にし得る、非常に重要な特性を有し得る。
上述の事項は特定の好ましい実施形態に関するが、本発明がそのように限定されないことは理解されるであろう。様々な修飾を本開示実施形態に施してよいこと、およびそのような修飾が本発明の範囲内であることが意図されることは、当業者には思い当たるであろう。
本明細書に引用したすべての出版物、特許出願および特許は、それら全体が参照により本明細書に援用されている。
Claims (16)
- 細菌感染症を処置または予防する方法であって、それを必要とする対象に抗菌有効量の下記式の化合物:
Rは、a)置換もしくは非置換オキサアルキル基であるか、または
b)Rは、
X1〜5は、H、NO2、N3またはNH2から独立して選択され;
Yは、存在しないか、またはカルボニル以外の置換もしくは非置換C1−アルキル基であり;
Zは、結合またはNHから選択され;ただし、Zが結合である場合は、Yは存在せず、ZがNHである場合は、Yはカルボニル以外の置換または非置換C1−アルキル基であり;
W1〜4は、水素、置換または非置換アルキル基、置換または非置換ハロアルキルから独立して選択される)
またはその薬学的に許容される塩を投与するステップを含む、方法。 - 細菌増殖を阻害する方法であって、細菌集団を抗菌有効量の下記式の化合物:
Rは、a)置換もしくは非置換オキサアルキル基であるか、または
b)Rは、
X1〜5は、H、NO2、N3またはNH2から独立して選択され;Yは、存在しないか、またはカルボニル以外の置換もしくは非置換C1−アルキル基であり;
Zは、結合またはNHから選択され;ただし、Zが結合である場合は、Yは存在せず、ZがNHである場合は、Yはカルボニル以外の置換または非置換C1−アルキル基であり;
W1〜4は、水素、置換または非置換アルキル基、置換または非置換ハロアルキルから独立して選択される)
またはその薬学的に許容される塩と接触させるステップを含む、方法。 - 細菌を死滅させる方法であって、細菌集団を殺菌有効量の下記式の化合物:
Rは、a)置換もしくは非置換オキサアルキル基であるか、または
b)Rは、
X1〜5は、H、NO2、N3またはNH2から独立して選択され;
Yは、存在しないか、またはカルボニル以外の置換もしくは非置換C1−アルキル基であり;
Zは、結合またはNHから選択され;ただし、Zが結合である場合は、Yは存在せず、ZがNHである場合は、Yはカルボニル以外の置換または非置換C1−アルキル基であり;
W1〜4は、水素、置換または非置換アルキル基、置換または非置換ハロアルキルから独立して選択される)
またはその薬学的に許容される塩と接触させるステップを含み、
前記接触後に前記細菌集団の増殖が観察されない、方法。 - α毒素溶血を阻害する方法であって、細菌集団を有効量の下記式の化合物:
Rは、a)置換もしくは非置換オキサアルキル基であるか、または
b)Rは、
Zは、結合またはNHから選択され;ただし、Zが結合である場合は、Yは存在せず、ZがNHである場合は、Yはカルボニル以外の置換または非置換C1−アルキル基であり;
W1〜4は、水素、置換または非置換アルキル基、置換または非置換ハロアルキルから独立して選択される)
またはその薬学的に許容される塩と接触させるステップを含む、方法。 - W1、W2、W3およびW4の各々が水素である、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
- Rが、1から3個の酸素原子を含有するC2〜C16オキサアルキル基である、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
- Rが、1から2個の酸素原子を含有するC6〜C12オキサアルキル基である、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
- 前記化合物が、N−(9−メトキシノニル)デオキシノジリマイシンまたはその薬学的に許容される塩である、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
- 前記化合物が、N−(9−メトキシノニル)デオキシノジリマイシンの薬学的に許容される塩である、請求項8に記載の方法。
- 前記細菌感染症が、黄色ブドウ球菌(S. aureus)、大腸菌(E. coli)、緑膿菌(P. aeruginosa)、枯草菌(B. subtilis)、および肺炎連鎖球菌(Streptococcus pneumonia)からなる群から選択される1つもしくは複数の菌株によって引き起こされる、または前記細菌集団が、黄色ブドウ球菌(S. aureus)、大腸菌(E. coli)、緑膿菌(P. aeruginosa)、枯草菌(B. subtilis)、および肺炎連鎖球菌(Streptococcus pneumonia)からなる群から選択される1つもしくは複数の菌株を含む、請求項8に記載の方法。
- Rが、
- X1がNO2であり、X3がN3である、請求項11に記載の方法。
- X2、X4およびX5の各々が水素である、請求項11に記載の方法。
- 前記化合物が、N−(N−{4’−アジド−2’−ニトロフェニル}−6−アミノヘキシル)デオキシノジリマイシンまたはその薬学的に許容される塩である、請求項13に記載の方法。
- 前記細菌感染症が、黄色ブドウ球菌(S. aureus)、大腸菌(E. coli)、緑膿菌(P. aeruginosa)、枯草菌(B. subtilis)、および肺炎連鎖球菌(Streptococcus pneumonia)からなる群から選択される1つもしくは複数の菌株によって引き起こされる、または前記細菌集団が、黄色ブドウ球菌(S. aureus)、大腸菌(E. coli)、緑膿菌(P. aeruginosa)、枯草菌(B. subtilis)、および肺炎連鎖球菌(Streptococcus pneumonia)からなる群から選択される1つもしくは複数の菌株を含む、請求項14に記載の方法。
- 前記対象がヒトである、請求項1に記載の方法。
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