JP2016513674A - シルク系カプセル剤 - Google Patents

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Abstract

剤皮と充填物とを含む硬カプセル剤又は軟カプセル剤であって、その剤皮が、シルクポリマーと天然の皮膜形成ポリマーとを含む相互侵入網目を含む硬カプセル剤又は軟カプセル剤を開示する。硬カプセル剤又は軟カプセル剤を作製する方法であって、シルクプロテインを溶媒系に溶解させて、可溶化シルクプロテイン溶液を形成させることと、その可溶化シルクプロテイン溶液を天然の皮膜形成ポリマーと混合して、均質な剤皮材料を形成させることと、充填物を、その均質な剤皮材料で被覆することとを含む方法も開示する。

Description

関連出願の相互参照
本願は、2013年3月15日に提出された米国特許仮出願第61/790,890号に対する優先権を主張するものであり、この仮出願は、参照により、その全体が本明細書に援用される。
剤皮と充填物とを含む硬カプセル剤又は軟カプセル剤であって、その剤皮が、シルクポリマーと皮膜形成ポリマーとを含む硬カプセル剤又は軟カプセル剤を開示する。
患者は剤形として、硬カプセル剤及び軟カプセル剤を好むことが多い。硬カプセル剤及び軟カプセル剤では、充填薬が、カプセル剤皮内に収容されており、その結果、概ね無味無臭の送達システムが得られる。加えて、多くの患者において、カプセル剤の方が、錠剤のような他の経口剤形よりも嚥下しやすいことが分かっている。
製剤業者の観点からすると、硬カプセル剤及び軟カプセル剤は、剤形の設計及び調合のための機能と選択肢をもたらす。例えば、硬カプセル剤では、圧縮錠の作製に必要とされる処理に耐えることができるコンパクト設計が必要にならない。硬カプセル剤以外の剤形においては、錠剤化のために複雑な造粒手順を必要とする作用材を、場合によっては、カプセルに直接充填することが可能である。加えて、昨今のカプセル充填機により、硬カプセル剤には、ビーズ、顆粒、錠剤、粉末、及び圧送可能な液体を充填可能である。この機能は、製剤業者に、送達システムを設計したり、又は単に、単一のカプセル剤の中で非親和性物質を分離したりするための選択肢を数多くもたらす。
同様に、軟カプセル剤も魅力的な剤形である。具体的には、軟カプセル剤は、懸濁剤及びペーストを含む多くの液状製剤を送達するのに有用である。液状成分は、他のいずれの固形剤形にも(例えば錠剤として)含めるのが難しい。したがって、軟カプセル剤は、バルプロ酸、ベンゾナテート、及び油(魚油など)を含む多くの液状医薬品活性成分(API)を調合する唯一の手段である。軟カプセル剤は、多くの強力なAPIを調合するのにも特に適している(例えば、用量が<100μgの場合)。再現性の高い充填プロセスは、各軟カプセル剤が同じ用量のAPIを含むように補助する。加えて、軟カプセル剤は、穏和な条件下で調製できる。その結果、軟カプセル剤は、例えば温度感受性の活性剤を送達するのに魅力的である。
既存の硬カプセル剤及び軟カプセル剤は、多くの利点にも関わらず、全てのタイプの医薬製剤に適合しているわけではない。例えば、バイオアベイラビリティが低い多くの医薬品活性成分(API)(例えば、Biopharmaceutical Classification System(BCS)でクラスIVに分類されているAPI)は、自己乳化薬物送達システム(SEDDS)、又はポリエトキシル化界面活性剤を用いる自己微少乳化薬物送達システム(SMEDDS)を必要とする。多くの既存の軟カプセル剤皮は、HLB値の高い界面活性剤との親和性がない。具体的には、HLB値の高い界面活性剤は、軟カプセル剤のシームを弱めることがあり、その結果、時間の経過とともに、充填材が漏出する。
加えて、多くの放出制御型製剤には、APIを結合するとともに、所望の徐放プロファイルをもたらす高融点ろうが用いられている。既存の軟カプセル剤の構築では、狭い温度範囲で封入を行う必要があるので、既存の軟カプセル剤における、上記のような製剤の封入には問題がある。その温度範囲を超えると、ゲル塊の粘度が低くなりすぎて、好適な安定性を有する(例えば、適切に封止されたシームを有する)軟カプセル剤を確実に形成させることができない。
さらに、腸溶性の剤形は、剤形の内容物を胃内条件から保護し、及び/又は胃組織を、剤形に含まれる刺激性物質から保護するのに有用である。腸溶性被覆剤形は典型的には、フィルムコーティングプロセスによって作製し、このプロセスでは、予め製造した剤形の面に、酸不溶性(腸溶性)ポリマーの薄いフィルム層を塗布する。しかしながら、従来の硬カプセル剤及び軟カプセル剤の腸溶性コーティングには問題がある。硬カプセル剤及び軟カプセル剤のいずれにおいても、コーティング中に、カプセル剤皮の熱による凝集及び歪みが生じることがある。さらに、カプセル剤の面の平滑性及び弾性により、コーティングに備えてカプセル剤の面を改善させるためのサブコーティング工程なしには、無傷の粘着性腸溶性コーティングを形成させるのは難しい。そして、腸溶性コーティングにより、多くのカプセル剤皮において、通常は光沢のある透明な外観(この外観が、カプセル剤の人気と支持の主な理由である)が失われる。
シルク系硬カプセル剤及び軟カプセル剤送達ビヒクルを提供する。この硬カプセル剤及び軟カプセル剤は、カプセル剤皮と充填物とを含む。そのカプセル剤皮は、可溶化シルクポリマーと皮膜形成ポリマーから形成できる。この剤皮は、可塑剤、腸溶性ポリマー、ゲル化剤、湿潤剤、保存剤、着色剤、不透明化剤、矯味矯臭剤、糖、pH調整剤、又はこれらの組み合わせをさらに含むことができる。
いくつかの実施形態では、皮膜形成ポリマーは、天然の皮膜形成ポリマーを含む。いくつかの実施形態では、天然の皮膜形成ポリマーはゼラチンを含む。その皮膜形成ポリマーは、カプセル剤皮中に、乾燥後のカプセル剤皮の重量に対して20重量%〜70重量%の範囲の量で存在できる。
上記の可溶化シルクポリマーは、Bombyx moriシルク繊維のような天然のシルク繊維から得られるシルクフィブロイン(SF)を含むことができる。いくつかの実施形態では、可溶化シルクポリマーは、シルクフィブロイン粉末を含む。可溶化シルクポリマーの平均分子量は、50kDa〜450kDa(例えば50kDa〜200kDa)の範囲であることができる。特定の実施形態では、可溶化シルクポリマーは、分子量が6,000Da以下のペプチドを実質的に含まない(例えば、可溶化シルクポリマーは、分子量が3,000Da以下のペプチドを実質的に含まないことができる)。可溶化シルクプロテインは、カプセル剤皮中に、乾燥後のカプセル剤皮の重量に対して20重量%以下の量で存在できる。例えば、可溶化シルクプロテインは、カプセル剤皮中に、乾燥後のカプセル剤皮の重量に対して0重量%超〜10重量%の量で存在できる。
上記のように、本発明のカプセル剤皮は、可溶化シルクポリマーと皮膜形成ポリマーとから形成されている。可溶化シルクポリマーは、シルクフィブロイン(SF)のようなシルクポリマーであることができ、このポリマーは、溶液において主に非晶質(ランダムコイル)構造を取るように処理されている。可溶化シルクポリマーは、皮膜形成ポリマーと併せて固化して、軟カプセル剤皮又は硬カプセル剤皮を形成させる時に、ランダムコイル(溶解型)からβシート型(不溶型)へのコンフォメーション変化を起こして、シルクポリマーと皮膜形成ポリマーとを含む相互侵入網目(IPN)を作ることができる。いくつかの実施形態では、IPNの存在は、(例えば、走査電子顕微鏡(SEM)を用いて剤皮を撮像した場合、)シルクポリマーと皮膜形成ポリマーとの相分離が観察できないことによって確認できる。
シルク系硬カプセル剤及び軟カプセル剤は、可溶化シルクポリマーを含めずに調製した類似のカプセル剤と比べて、堅牢で、優れたシームを呈し、貯蔵下での安定性が高い。加えて、IPNが、カプセル剤皮を架橋する役目を果たすことができる。これにより、カプセル剤皮内に封入された充填物の放出を遅らせることができ、これは、徐放性製剤(例えば、結腸において活性成分を送達するための製剤)にとって非常に望ましいことのある特性である。
シルク系硬カプセル剤及び軟カプセル剤を作製する方法も提供する。シルク系硬カプセル剤及び軟カプセル剤は、シルクプロテインを溶媒系に溶解させて、可溶化シルクプロテイン溶液を形成させ、その可溶化シルクプロテイン溶液を皮膜形成ポリマーと混合して、均質な剤皮材料を形成させることと、充填物を、この均質な剤皮材料で被覆することによって調製できる。任意に応じて、均質な剤皮材料に、可塑剤のような1種以上の添加剤を加えてもよい。
図1は、ゼラチン軟カプセル剤(四角形のトレース)及びシルク系軟カプセル剤(菱形のトレース)から放出された充填物の割合(%)を時間(分)の関数としてプロットした図を示している。 図2は、30℃/65%RHで1カ月貯蔵したゼラチン軟カプセル剤(四角形のトレース)、30°C/65%RHで1カ月貯蔵したシルク系軟カプセル剤(菱形のトレース)、及び40℃/75%RHで1カ月貯蔵したシルク系軟カプセル剤(円形のトレース)から放出された充填物の割合(%)を時間(分)の関数としてプロットした図を示している。 図3は、3段階溶解実験の最中に、ゼラチン軟カプセル剤(四角形のトレース)及びシルク系軟カプセル剤(円形のトレース)から放出された充填物の割合(%)を時間の関数としてプロットした図である。pHは、1.2(最初の2時間)から4.5(次の4時間)、7.2(最後の18時間)に変化させた。
シルク系硬カプセル剤及び軟カプセル剤、並びにそれらの作製方法を開示する。本発明の硬カプセル剤及び軟カプセル剤は、可溶化シルクポリマーと皮膜形成ポリマーとから形成されたカプセル剤皮を含む。このカプセル剤皮は、充填物を収容できる所定容量の内包空間を画定する。この充填物は、1種以上の活性成分と、任意に応じて、1種以上の医薬的に許容される賦形剤とを含む液状、半固形、又は固形製剤であることができる。
上記のカプセル剤皮は、可溶化シルクポリマーと皮膜形成ポリマーとから形成されている。可溶化シルクポリマーを皮膜形成ポリマーに加えて、均質な塊を形成させる。可溶化シルクポリマーは、固化させて軟カプセル剤皮又は硬カプセル剤皮を形成させる時に、ランダムコイル(溶解型)からβシート型(不溶型)へのコンフォメーション変化を起こして、結晶化を誘発させるとともに、相互侵入網目(IPN)を作ることができる。得られた軟カプセル剤皮又は硬カプセル剤皮は、IPNを含むことができ、このIPNは、シルクポリマーと皮膜形成ポリマーを含む。
得られたカプセル剤皮は、可溶化シルクポリマーを含めずに調製した類似のカプセル剤と比べて、堅牢で、優れたシームを呈し、貯蔵下での安定性が高いことができる。加えて、IPNが、カプセル剤皮を架橋する役目を果たすことができる。これにより、カプセル剤皮内に封入された充填物の放出を遅らせることができ、これは、遅延放出製剤(例えば、結腸において活性成分を送達するための製剤)にとって非常に望ましいことのある特性である。
可溶化シルクポリマー
本発明の硬カプセル及び軟カプセル剤皮は、シルクポリマーから形成されている。シルクポリマーは、天然の生体材料であり、高強度、高可撓性、生体適合性、血液適合性、透水性、及び酸素透過性を含む多くの有益な特性を呈する。
生糸繊維(本明細書では、「シルク繊維」という)は、カイコ(クワを食餌とするカイコBombyx moriなど)の幼虫によって形成される繭のような天然の供給源から直接得られるシルク繊維である。
シルク繊維は、フィラメントコアタンパク質のシルクフィブロイン(SF)と、フィラメント状ではないタンパク質のセリシンの糊状コーティングとから構成されるほぼ純粋なタンパク質繊維である。SFは、疎水性ペプチドと親水性ペプチドの繰り返し配列によって特徴付けられる。シルク繊維の供給源(例えば繭系統)に応じて、シルク繊維のSF含有率は、シルク繊維の総重量に対して約66.5重量%〜73.5重量%の範囲であることができ、セリシン含有率は、シルク繊維の総重量に対して約26.5重量%〜33.5重量%の範囲であることができる。
SFは、約390kDaの重鎖ポリペプチドと約26kDaの軽鎖ポリペプチドが、ジスルフィド結合によって、それら2つのサブユニットのC末端で結合されたものからなる。Bombyx mori SFの一次構造は、3つのアミノ酸が概ね3:2:1の比率で存在する(グリシン(45%)、アラニン(30%)、及びセリン(12%))ことによって特徴付けられ、その配列では、[Gly−Ala−Gly−Ala−Gly−Ser]nという配列が大半を占めている。SFの鎖には、かさ高い極性の側鎖を有するアミノ酸、具体的にはチロシン、バリンと、酸性アミノ酸も含まれる。
疎水性残基の繰り返し配列が、βシート構造の大半を占め、SF繊維及びフィルムにおける結晶領域を形成する。これらのβシートの形成により、水への不溶性がもたらされる。水溶液中のシルクフィブロインの疎水性領域は、疎水性相互作用によって物理的に集まり、最後にはハイドロゲルを形成する。
いくつかの実施形態では、シルクポリマーはシルクフィブロインを含む。いくつかの実施形態では、シルクフィブロインは、精錬して、ろう分、炭水化物、無機物(例えばミネラル塩)、及び顔料を含む他の微量不純物とともに、セリシンを除去したシルク繊維(例えば、Bombyx moriの幼虫の繭から得たシルク繊維)に由来する。
シルク繊維は、当該技術分野において既知の方法を用いて精錬できる。例えば、Lockの米国特許第5,252,285号を参照されたい。セリシンは冷水に不溶であるが、加水分解されやすく、セリシンタンパク質鎖が低分子量セグメントに分断される。これらのセグメントは、湯に分散又は可溶化されやすく、精製シルクフィブロインが残る。例えば、シルク繊維は、酸水溶液、塩基水溶液(例えば、0.02M Na2CO3水溶液)、又はセリシンポリマー鎖を切断する1種以上の酵素(例えばプロテアーゼ)を含む溶液中で、シルク繊維を加熱することによって精錬できる。
いくつかの実施形態では、シルクポリマーは、精錬してセリシンを除去したシルク繊維から単離したシルクフィブロインを含む。例えば、いくつかの実施形態では、シルクポリマーは、可溶化シルクポリマーの総重量に対して5重量%未満のセリシン(例えば、4.5重量%未満のセリシン、4.0重量%未満のセリシン、3.5重量%未満のセリシン、3.0重量%未満のセリシン、2.5重量%未満のセリシン、2.0重量%未満のセリシン、1.5重量%未満のセリシン、又は1.0重量%未満のセリシン)を含む。
いくつかの実施形態では、シルクポリマーは、精錬してろう分、炭水化物、無機物、顔料、又はこれらの組み合わせを除去したシルク繊維を含む。いくつかの実施形態では、シルクポリマーは、ろう分、炭水化物、無機物、顔料、又はこれらの組み合わせを本質的に含まないことができる(すなわち、可溶化シルクポリマーは、0.01重量%未満のろう分、0.01重量%未満の炭水化物、0.01重量%未満の無機物、0.01重量%未満の顔料、又はこれらの組み合わせを含む)。
いくつかの実施形態では、シルクポリマーは、シルクフィブロイン粉末を含む。好適なシルクフィブロイン粉末は市販されており、例えば、Arch Chemicals,Inc(米国ジョージア州アトランタ)から入手可能で、FIBRO−SILK(登録商標)という商標で販売されているシルクフィブロイン粉末が挙げられる。
他の好適なシルクポリマーとしては、例えばNephila clavipesから得られるクモ糸と、細菌、酵母、哺乳動物細胞、トランスジェニック動物、又はトランスジェニック植物から得られるような遺伝子組み換えシルクとが挙げられる。例えば、国際公開第1997/08315号、及びLombariらの米国特許第5,245,012号を参照されたい。
別の実施形態では、シルクポリマーは、修飾シルクポリマーを含む。本明細書で使用する場合、「修飾シルクポリマー」という用語は、例えば、ジアゾニウムカップリング反応によって共有結合で修飾して、そのシルクポリマーにおける1つ以上のチロシン残基に結合した所望の化学構造部分を導入したシルクポリマーを指す。「化学構造部分」は、シルクポリマーの物理的特性(例えば、疎水性、親水性、又はゲル化挙動)を変化させる目的で利用できる化学的側基である。特定の実施形態では、修飾シルクポリマーは、例えば、親水性及び/又は帯電部分を導入することによって、共有結合で修飾して、水溶解性を向上できる。化学的部分の非限定的な例のいくつかとしては、スルホン酸基、カルボン酸基、アミン基、ケトン基、アルキル基、アルコキシ基、チオール基、ジスルフィド基、ニトロ基、芳香族基、エステル基、アミド基、及び/又はヒドロキシル基が挙げられる。修飾シルクポリマーは、当該技術分野において既知である。例えば、Kaplanの米国特許第8,206,774号(化学修飾シルクポリマーの教示について、参照により本明細書に援用される)を参照されたい。
いくつかの実施形態では、シルクポリマー(例えばシルクフィブロイン)の平均分子量は、50kDa〜450kDaの範囲である。いくつかの実施形態では、シルクポリマーの分子量は、少なくとも50kDa(例えば、少なくとも60kDa、少なくとも70kDa、少なくとも80kDa、少なくとも90kDa、少なくとも100kDa、少なくとも110kDa、少なくとも120kDa、少なくとも130kDa、少なくとも140kDa、少なくとも150kDa、少なくとも160kDa、少なくとも170kDa、少なくとも180kDa、少なくとも190kDa、少なくとも200kDa、少なくとも210kDa、少なくとも220kDa、少なくとも230kDa、少なくとも240kDa、少なくとも250kDa、少なくとも260kDa、少なくとも270kDa、少なくとも280kDa、少なくとも290kDa、少なくとも300kDa、少なくとも310kDa、少なくとも320kDa、少なくとも330kDa、少なくとも340kDa、少なくとも350kDa、少なくとも360kDa、少なくとも370kDa、少なくとも380kDa、少なくとも390kDa、少なくとも400kDa、少なくとも410kDa、少なくとも420kDa、少なくとも430kDa、又は少なくとも440kDa)である。いくつかの実施形態では、シルクポリマーの分子量は、450kDa以下(例えば、440kDa以下、430kDa以下、420kDa以下、410kDa以下、400kDa以下、390kDa以下、380kDa以下、370kDa以下、360kDa以下、350kDa以下、340kDa以下、330kDa以下、320kDa以下、310kDa以下、300kDa以下、290kDa以下、280kDa以下、270kDa以下、260kDa以下、250kDa以下、240kDa以下、230kDa以下、220kDa以下、210kDa以下、200kDa以下、190kDa以下、180kDa以下、170kDa以下、160kDa以下、150kDa以下、140kDa以下、130kDa以下、120kDa以下、110kDa以下、100kDa以下、90kDa以下、80kDa以下、70kDa以下、又は60kDa以下)である。
本発明のシルクポリマーの分子量は、上記の最小値のいずれかから最大値のいずれかまでの範囲であることができる。例えば、シルクポリマーの平均分子量は、50kDa〜450kDa(例えば、50kDa〜200kDa、50kDa〜150kDa、200kDa〜400kDa、又は250kDa〜400kDa)の範囲であることができる。
上記のように、SFのようなシルクポリマーは、疎水性残基の繰り返し配列を含む。その結果、シルクポリマーは、結晶性βシート構造を形成する傾向がある。主にβシートのこのコンフォメーションでは、シルクポリマーは、不溶性な傾向がある。本明細書で使用する場合、「不溶性」とは、遠心分離によってペレット化できるか、又は、37℃以下の水に浸漬するか、若しくは37℃以下の水ですすぐことによって溶解できないシルクポリマーを指す。
特定の実施形態では、カプセル剤皮を形成する目的で用いるシルクポリマーは、可溶化されている。可溶化シルクポリマーは、硬カプセル剤皮及び軟カプセル剤皮を形成する目的で用いるゲル塊に組み込む前に処理して、そのポリマーの水溶解性を向上させたシルクポリマーである。可溶化シルクポリマーは、主に非晶質(ランダムコイル)構造を取って、シルクポリマーが水溶液に溶解可能にするように(すなわち、得られた溶液が均質で、可溶化シルクポリマーが、遠心分離によってペレット化できないように)処理できる。
いくつかの実施形態では、可溶化シルクポリマーは、主に非晶質(ランダムコイル)なコンフォメーションのSFを含む。溶液中のSFのコンフォメーションは、分光法によって分析できる。例えば、溶液中のシルクフィブロインの構造は、シルクフィブロイン骨格におけるアミド部分と関連する特有のスペクトル信号(例えば、1H NMRシグナル、IR吸収バンド)を測定することによって評価できる。いくつかの実施形態では、可溶化シルクプロテインは、ランダムコイル構造が存在する場合に特有の1つ以上のスペクトル信号(例えば、1H NMRシグナル、IR吸収バンド)を示す。
例えば、いくつかの実施形態では、シルクポリマーを、イオン強度の高い塩水溶液に溶解させることによって、シルクポリマーを可溶化する。イオン強度の高い塩水溶液は、例えば、チオシアン酸リチウム(LiSCN)水溶液、チオシアン酸ナトリウム(NaSCN)水溶液、チオシアン酸カルシウム(Ca(SCN)2)水溶液、チオシアン酸マグネシウム(Mg(SCN)2)水溶液、塩化カルシウム(CaCl2)水溶液、塩化リチウム(LiCl)水溶液、臭化リチウム(LiBr)水溶液、塩化亜鉛(ZnCl2)水溶液、塩化マグネシウム(MgCl2)水溶液、硝酸銅(Cu(NO22)、銅エチレンジアミン(Cu(NH2CH2CH2NH22(OH)2)及びCu(NH34(OH)2のような銅塩の水溶液、硝酸カルシウム(Ca(NO)2)水溶液、又は味沢試薬(CaCl2/エタノール/水)であることができる。
続いて、透析膜を用いて、可溶化シルクポリマーを透析して、塩及び/又は低分子量ペプチド不純物を除去できる。例えば、可溶化シルクポリマーは、最大分画分子量(MWCO)が10kDa未満のセルロース膜に対して透析できる。例えば、可溶化シルクポリマーは、MWCOが6kDa〜8kDa又は3kDa〜5kDaの範囲の透析膜で透析できる。
いくつかの実施形態では、得られた可溶化シルクポリマーは、コロイド分散液に特有のチンダル現象を示さない。チンダル現象は、固体の粒子が水に分散しているが、溶解していない時に観察される。コロイドは、サイズが1〜1000nmの範囲の不溶性固体粒子であり、液相に懸濁される。チンダル現象は、レーザー光が非溶解粒子のコロイド分散液を通ることによって拡散されると生じる。このような分散液では、コロイド分散液を通る可視光の経路が光るのが観察できる。これに対して、いくつかの実施形態では、得られた可溶化シルクポリマーは、コロイド分散液に特有のチンダル現象を示さない。
いくつかの実施形態では、可溶化シルクポリマーは、分子量が10,000Da以下のペプチドを実質的に含まない(例えば、分子量が9,000Da以下のペプチドを実質的に含まないか、分子量が8,000Da以下のペプチドを実質的に含まないか、分子量が7,000Da以下のペプチドを実質的に含まないか、分子量が6,000Da以下のペプチドを実質的に含まないか、分子量が5,000Da以下のペプチドを実質的に含まないか、分子量が4,000Da以下のペプチドを実質的に含まないか、分子量が3,000Da以下のペプチドを実質的に含まないか、又は分子量が2,000Da以下のペプチドを実質的に含まない)。
いくつかの実施形態では、可溶化シルクポリマーは、セリシンを実質的に含まない。例えば、いくつかの実施形態では、可溶化シルクポリマーは、0.1重量%未満のセリシン(例えば、0.075重量%未満のセリシン、0.05重量%未満のセリシン、0.025重量%未満のセリシン、又は0.01重量%未満のセリシン)を含む。
本発明の可溶化シルクプロテインは、剤皮中に、乾燥後のカプセル剤皮の重量に対して0重量%超〜20重量%の範囲の量で存在することができる。例えば、本発明の可溶化シルクプロテインは、剤皮中に、乾燥後のカプセル剤皮の重量に対して0重量%超(例えば、0.1重量%超、0.25重量%超、0.50重量%超、0.75重量%超、1.0重量%超、1.5重量%超、2.0重量%超、2.5重量%超、3.0重量%超、3.5重量%超、4.0重量%超、4.5重量%超、5重量%超、6重量%超、7重量%超、8重量%超、9重量%超、10重量%超、11重量%超、12重量%超、13重量%超、14重量%超、15重量%超、16重量%超、17重量%超、18重量%超、又は19重量%超)の量で存在できる。
いくつかの実施形態では、可溶化シルクプロテインは、剤皮中に、カプセル剤皮の総重量に対して20重量%未満(例えば、19重量%未満、18重量%未満、17重量%未満、16重量%未満、15重量%未満、14重量%未満、13重量%未満、12重量%未満、11重量%未満、10重量%未満、9重量%未満、8重量%未満、7重量%未満、6重量%未満、5重量%未満、4.5重量%未満、4.0重量%未満、3.5重量%未満、3.0重量%未満、2.5重量%未満、2.0重量%未満、1.5重量%未満、1.0重量%未満、0.75重量%未満、0.50重量%未満、又は0.25重量%未満)の量で存在できる。
可溶化シルクプロテインは、剤皮中に、上記の最小値のいずれかから最大値のいずれかまでの範囲の量で存在できる。例えば、可溶化シルクプロテインは、剤皮中に、乾燥後のカプセル剤皮の重量に対して0重量%超〜20重量%(例えば、0重量%超〜15重量%、0重量%超〜10重量%、0重量%超〜5.0重量%、0重量%超〜3.0重量%、又は0.25重量%超〜5.0重量%、又は0.25重量%超〜3.0重量%)の範囲の量で存在できる。
皮膜形成ポリマー
本発明の硬カプセル剤皮及び軟カプセル剤皮は、皮膜形成ポリマーも含む。
この皮膜形成ポリマーは、天然の皮膜形成ポリマーであることができる。いくつかの実施形態では、天然の皮膜形成ポリマーは、ゼラチンを含む。ゼラチンは、ペプチドとタンパク質との混合物であり、例えば、家畜の牛、鶏、及びブタを含む動物の皮膚、煮沸した粉砕骨、結合組織、器官、及び一部の腸から抽出したコラーゲンを部分加水分解することによって作製する。多くの点で、ゼラチンの化学組成は、コラーゲンの化学組成と似ている。ゼラチン中の各部分加水分解コラーゲン鎖間の天然の分子結合は、再配列できる形態に分解される。ゼラチンは、加熱すると溶けて液体となることができ、冷却すると再凝固できる。ゼラチンは、湯中高粘度溶液を形成でき、この溶液は、冷却すると凝固して、半固体コロイドゲルを形成させる。
ゼラチン溶液は、粘弾性流と流動複屈折を示すことができる。上記のように、ゼラチンは、冷水の存在下で膨張して、半固体物を形成できる。しかしながら、ゼラチンは、湯に溶解しやすい。ゼラチンの溶解性は、製造方法によって決まる。ゼラチンは、比較的濃縮された酸に分散させることができる。このような分散液は、数日間(例えば最大で15日間)、化学変化がほとんどないか、又は全くない状態で、安定的であることができ、コーティング目的、又は析出槽に押し出すのに適している。
好適なゼラチンとしては、豚皮、豚骨、牛骨、又は牛の床皮に由来するゼラチンが挙げられる。ゼラチンは、タイプAゼラチン又はタイプBゼラチンのいずれかに分類できる。タイプAゼラチンは、コラーゲンの酸加水分解に由来し、タイプBゼラチンは、コラーゲンのアルカリ加水分解に由来する。従来から、牛骨及び牛皮が、タイプAゼラチン及びタイプBゼラチンを製造するための原料として用いられてきた一方で、豚皮は、タイプAゼラチンの製造のみに用いられてきた。概して、酸処理ゼラチンは、平均分子量が同じ石灰処理ゼラチンよりも強度の高いゲルを形成する。
ゼラチンは、様々なグレードで入手可能であり、そのため、ゼラチンの平均分子量は様々である。市販用では、ゼラチンは、標準試験条件下でのゲル強度(ブルーム値)でグレード分けされる傾向があるが、封入用途では、概して、粘度も重要なパラメーターである。ブルーム強度試験では、プローブがゲルを破壊することなく、ゲルの面を歪めるのに必要とする力(例えばグラム単位)を割り出す。この試験で用いる円柱状プローブの直径は、約0.5インチ(約1.27cm)であり、試験するゲルの歪みは、約4mmであることができる。その結果をブルーム(グラム)で表す。
いくつかの実施形態では、ゼラチンのブルーム強度(ブルーム(グラム)で表す)は30〜300ブルームである。いくつかの実施形態では、ゼラチンのブルーム強度は、少なくとも30ブルーム(例えば、少なくとも50ブルーム、少なくとも100ブルーム、少なくとも150ブルーム、少なくとも200ブルーム、又は少なくとも250ブルーム)である。場合によっては、ゼラチンのブルーム強度は、300ブルーム以下(例えば、250ブルーム以下、200ブルーム以下、150ブルーム以下、100ブルーム以下、又は50ブルーム以下)である。
ゼラチンのブルーム強度は、上記の最小値のいずれかから最大値のいずれかまでの範囲であることができる。例えば、ゼラチンのブルーム強度は、30〜300ブルーム(例えば、50〜250ブルーム、100〜250ブルーム、又は150〜200ブルーム)の範囲であることができる。
分子量値は通常、ゼラチンには用いない。ゼラチンに関しては、広く認められている試験手順がなく、平均分子量の値が、用いる試験法と試験手順によって変化し得るからである。しかしながら、サイズ排除HPLC法に基づく場合、好適なゼラチンの重量平均分子量は、80,000〜200,000ダルトンの範囲であることができる。低分子量ゼラチン(30kDa〜80kDa)も利用可能であり、ゼラチンを5,000〜30,000ダルトンほどの重量平均分子量まで意図的に加水分解することによって、非ゲル化ゼラチンを作製できる。
他の好適な天然の皮膜形成ポリマーとしては、カラギーナン(例えば、カッパカラギーナン、イオタカラギーナン、ラムダカラギーナン、及びこれらの組み合わせ)、グルコマンナン、デンプン(例えば、未変性デンプン、及び変性アルファ化デンプン)、並びにこれらの組み合わせなどの多糖類が挙げられる。例えば、いくつかの実施形態では、天然の皮膜形成ポリマーは、カラギーナンを含むことができる。カラギーナンは、海草に由来する天然の多糖ハイドロコロイドである。カラギーナンは、置換度又は分岐度があまり大きくない状態で、繰り返し糖単位からなる直鎖状の糖鎖ポリマーを含むことができる。カラギーナンは、硫酸化度に基づき分類できる。カラギーナン分子のガラクトース単位は、全てではないが、その大半が硫酸エステル基を有する。カッパカラギーナンは、二糖当たりに1つの硫酸塩を有する。イオタカラギーナンは、二糖当たりに2つの硫酸塩を有する。ラムダカラギーナンは、二糖当たりに3つの硫酸塩を有する。主流ではない形態のカラギーナン(例えば、ミューカラギーナン及びニューカラギーナン)も使用できる。
本発明の皮膜形成ポリマーは、合成又は半合成の皮膜形成ポリマーであることができる。好適な合成及び半合成皮膜形成ポリマーとしては例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートサクシネート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、セルロースアセテートフタレート、及びアクリレート(ポリ(メタ)アクリレートなど)が挙げられる。
本発明の皮膜形成ポリマーは、カプセル剤皮中に、乾燥後のカプセル剤皮の総重量に対して20重量%〜70重量%の範囲の量で存在できる。いくつかの実施形態では、皮膜形成ポリマーは、カプセル剤皮中に、乾燥後のカプセル剤皮の総重量に対して20重量%超(例えば、25重量%超、30重量%超、35重量%超、40重量%超、45重量%超、50重量%超、55重量%超、60重量%超、又は65重量%超)の量で存在できる。いくつかの実施形態では、皮膜形成ポリマーは、カプセル剤皮中に、乾燥後のカプセル剤皮の総重量に対して70重量%未満(例えば、65重量%未満、60重量%未満、55重量%未満、50重量%未満、45重量%未満、40重量%未満、35重量%未満、30重量%未満、又は25重量%未満)の量で存在できる。
本発明のカプセル剤皮に存在する皮膜形成ポリマーの量は、上記の最小値のいずれかから最大値のいずれかまでの範囲であることができる。例えば、本発明のカプセル剤皮に存在する皮膜形成ポリマーの量は、乾燥後のカプセル剤皮の重量に対して20重量%〜70重量%(例えば、30重量%〜70重量%又は35重量%〜65重量%)の範囲であることができる。
剤皮の追加成分
本発明の剤皮は、1種以上の追加成分をさらに含むことができる。例えば、本発明のカプセル剤皮は、可塑剤、腸溶性ポリマー、ゲル化剤、湿潤剤、保存剤、着色剤、不透明化剤、矯味矯臭剤、糖、pH調整剤、又はこれらの組み合わせをさらに含む。
いくつかの実施形態では、本発明の剤皮は、可塑剤をさらに含む。好適な可塑剤の例としては、3〜6個の炭素原子を有する多価アルコール(例えばグリセロール)、ソルビトール、ソルビタン、マルチトール、ポリエチレングリコール、クエン酸、クエン酸エステル、クエン酸トリエチル、及びこれらの組み合わせが挙げられる。特定の実施形態では、本発明の剤皮は、可溶化シルクポリマーのコンフォメーションに影響を及ぼすのに有効な(例えば、βシートの形成に影響を及ぼす有効な)可塑剤を含む。例えば、本発明の剤皮は、3〜6個の炭素原子を有する多価アルコール(グリセロールなど)を含むことができる。
特定の実施形態では、硬カプセル剤皮又は軟カプセル剤皮は、グリセロールを含む。グリセロール(すなわちグリセリン)は、医薬製剤で広く用いられている無色無臭の粘性液体である。グリセロールは、その水溶性と吸湿性を担う3つのヒドロキシル基を含むポリオールである。グリセロールは、甘味があり、毒性が低い。ヒトが飲食するためのものとして、グリセロールは、米国FDAによって、糖アルコールの中でも、主要熱量素の中に分類されている。
いくつかの実施形態では、可塑剤はソルビトールである。ソルビトールは、人体でゆっくり代謝される糖アルコールである。ソルビトールは、グルコースのアルデヒド基をヒドロキシル基に還元することによって得ることができる。ソルビトールは、天然において、リンゴ、西洋ナシ、モモ、及びプルーンに存在する。特殊なグレードのソルビトール水溶液を軟カプセル剤皮で可塑剤として用いて、軟カプセル剤が脆弱になるのを防ぐことができる。いくつかの実施形態では、ソルビトールは、充填物の成分としてポリエチレングリコールを含むことになるカプセル剤皮に含める。
いくつかの実施形態では、1種以上の可塑剤は、カプセル剤皮中に、乾燥後のカプセル剤皮の重量に対して8重量%〜40重量%の範囲の量で存在する。いくつかの実施形態では、1種以上の可塑剤は、カプセル剤皮中に、乾燥後のカプセル剤皮の重量に対して8重量%超(例えば、10重量%超、15重量%超、20重量%超、25重量%超、30重量%超、又は35重量%超)の量で存在する。いくつかの実施形態では、1種以上の可塑剤は、カプセル剤皮中に、乾燥後のカプセル剤皮の重量に対して40重量%未満(例えば、35重量%未満、30重量%未満、25重量%未満、20重量%未満、15重量%未満、又は10重量%未満)の量で存在する。特定の実施形態では、1種以上の可塑剤は、カプセル剤皮中に、乾燥後のカプセル剤皮の重量に対して10重量%〜40重量%の量で存在する。
本発明のカプセル剤皮に付与するために、本発明のカプセル剤皮は、1種以上の胃内抵抗性ポリマーをさらに含むことができる。胃内抵抗性ポリマーは、天然の胃内抵抗性ポリマー、合成の胃内抵抗性ポリマー、又はこれらの組み合わせであることができる。胃内抵抗性ポリマーは、剤皮作製時に、ゲル塊の中に含めることができる。カプセル剤皮は、胃内抵抗性ポリマーを含む組成物から形成された1つ以上の層を含むことも、又は胃内抵抗性ポリマーを含む少なくとも外側コーティング層を含む多層を含むこともできる。
いくつかの実施形態では、本発明のカプセル剤皮はさらに、ペクチン及び/又はアルギネートのような多糖を含む天然の胃内抵抗性ポリマーで形成することができる。他の好適な胃内抵抗性ポリマーとしては、アクリル−メタクリレート酸コポリマー、セルロースアセテートフタレート(CAP)、セルロースアセテートブチレート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート(HPMCP)、アルギン酸塩(アルギン酸ナトリウム若しくはアルギン酸カリウムなど)、又はセラックが挙げられる。メタクリル酸及びメチルメタクリレートに基づくポリ(メタクリル酸−コ−メチルメタクリレート)アニオン性コポリマーは、特に安定しており、いくつかの実施形態において好ましい。EUDRAGIT(登録商標)(ドイツ、エッセンのEvonik Industries AG)という商品名で入手可能なポリ(メタ)アクリレート(メタクリル酸コポリマー)が、粉末又は水性分散液として提供されている。いくつかの態様では、メタクリル酸コポリマーは、EUDRAGIT(登録商標)L30D−55、EUDRAGIT(登録商標)L100−55、EUDRAGIT(登録商標)L100、EUDRAGIT(登録商標)L12.5、EUDRAGIT(登録商標)S100、EUDRAGIT(登録商標)S12.5、EUDRAGIT(登録商標)FS30D、EUDRAGIT(登録商標)E100、EUDRAGIT(登録商標)E12.5、EUDRAGIT(登録商標)E PO、EUDRAGIT(登録商標)RL100、EUDRAGIT(登録商標)RL PO、EUDRAGIT(登録商標)RL30D、EUDRAGIT(登録商標)RL12.5、EUDRAGIT(登録商標)RS100、EUDRAGIT(登録商標)RS PO、EUDRAGIT(登録商標)RS30D、EUDRAGIT(登録商標)RS12.5、EUDRAGIT(登録商標)NE30D、EUDRAGIT(登録商標)NE40D、EUDRAGIT(登録商標)NM30D、又は他のポリ(メタ)アクリレートポリマーであることができる。1つの態様では、胃内抵抗性ポリマーは、タイプAのメタクリル酸コポリマーEUDRAGIT(登録商標)L100である。酸不溶性ポリマーの明細は、米国薬局方の記載及び各種モノグラフに詳述されている。本発明の胃内抵抗性ポリマーは、カプセル剤皮中に、乾燥後のカプセル剤皮の重量に対して0重量%超〜10重量%の範囲の量で含めることができる。
本発明の弾性軟カプセル剤のカプセル剤皮はさらに、1種以上のゲル化剤で形成できる。ゲル化剤としては、例えば、1つ以上の二価陽イオンを含むことができる。二価陽イオンは、二価陽イオン塩(例えば、カルシウム塩及びマグネシウム塩)として供給できる。ゲル化剤を含める場合、ゲル化剤の濃度は、乾燥後のカプセル剤皮の0重量%超、約2重量%未満(例えば、乾燥後のカプセル剤皮の約1.5重量%未満、約1.0重量%未満、又は約0.5重量%未満)であることができる。
任意に応じて、本発明のカプセル剤皮は、1種以上の粘度調整剤を含むことができる。好適な粘度調整剤の例としては、グアーガム、ローカストビーンガム、キサンタンガム、寒天、及びジェランガムが挙げられる。粘度調整剤は、カプセル剤皮中に、乾燥後のカプセル剤皮の0重量%、10重量%未満(例えば、乾燥後のカプセル剤皮の9重量%未満、8重量%未満、7重量%未満、6重量%未満、5重量%未満、4重量%未満、3重量%未満、2重量%未満、1重量%未満、又は0.5重量%未満)の量で含めることができる.
本発明のカプセル剤皮は、透明又は透光性カプセル剤皮として調製できる。いくつかの実施形態では、カプセル剤皮は、半透明、半不透明、又は不透明であることができる。任意に応じて、二酸化チタンを用いて、不透明カプセル剤皮を調製し、これにより、光感受性の活性成分の分解を防ぐことができる。本発明のカプセル剤皮は、カプセル剤を着色する目的で、着色剤をさらに含むことができる。好適な着色剤の例としては、FD&C及びD&C染料、酸化鉄、並びに天然の着色剤が挙げられる。任意に応じて、本発明のカプセル剤は、印刷体又は装飾コーティングを有することができる。本発明のカプセル剤皮は、1つの区画のみを有するように調製できる(すなわち、本発明のカプセル剤皮は、複数の区画を備えない)。
充填物
本発明の硬カプセル剤及び軟カプセル剤は、カプセル剤皮内に封入された充填物をさらに含むことができる。この充填物は、液状(例えば、溶液、懸濁液、若しくは分散液)、半固形(例えば、ペースト若しくはゲル)、又は固形製剤であることができる。この充填物は、1種以上の活性成分と、任意に応じて1種以上の医薬的に許容される賦形剤とを含むことができる。
好適な活性成分は、例えば、医薬剤(例えば、治療剤、予防剤、及び診断剤)、栄養剤、ビタミン、ミネラル、並びにこれらの組み合わせを含むことができる。
活性成分として含めることができる医薬剤の例としては、例えば、副腎皮質ステロイド、副腎皮質抑制剤、アルドステロンアンタゴニスト、アミノ酸、タンパク質同化ステロイド、アンドロゲン、アンタゴニスト、駆虫剤、抗ニキビ剤、抗アドレナリン剤、抗アレルギー剤、抗アメーバ剤、抗アンドロゲン剤、抗貧血剤、抗狭心症剤、抗関節炎剤、抗喘息剤、抗アテローム性動脈硬化剤、抗菌剤、抗胆石症剤、抗胆石形成剤、抗コリン剤、抗凝固剤、抗コクシジウム剤、抗糖尿病剤、止瀉剤、抗利尿剤、解毒剤、抗エストロゲン、抗線溶剤、抗真菌剤、抗緑内障剤、抗血友病剤、抗出血剤、抗ヒスタミン剤、抗高脂血症剤、抗高リポタンパク血症剤、抗高血圧剤、抗低血圧剤、抗感染症剤、抗感染症剤、抗炎症剤、抗角化剤、抗マラリア剤、抗微生物剤、抗有糸分裂剤、抗真菌剤、抗腫瘍剤、抗好中球減少剤、駆虫剤、抗ぜん動剤、抗ニューモシスチス剤、抗増殖剤、抗前立腺肥大症剤、抗原虫剤、止痒剤、抗乾癬剤、抗リウマチ剤、抗住血吸虫剤、抗脂漏剤、抗分泌剤、鎮痙剤、抗血栓剤、鎮咳剤、抗潰瘍剤、抗尿路結石剤、抗ウイルス剤、食欲抑制剤、前立腺肥大症治療剤、骨吸収抑制剤、気管支拡張剤、炭酸脱水酵素阻害剤、心抑制剤、心臓保護剤、強心剤、心臓脈管剤、胆汁分泌剤、コリン作用剤、コリン作動剤、コリンエステラーゼ不活性化剤、コクシジウム抑制剤、造影剤、診断補助剤、利尿剤、外部寄生生物撲滅薬、酵素阻害剤、エストロゲン、線維素溶解剤、フリー酸素ラジカル捕捉剤、グルココルチコイド、性腺刺激成分、育毛剤、止血剤、ホルモン、コレステロール低下剤、血糖降下薬、脂質低下剤、血圧降下剤、造影剤、免疫剤、免疫モジュレーター、免疫レギュレーター、免疫賦活剤、免疫抑制剤、インポテンス治療補助材、阻害剤、角質溶解剤、LHRHアゴニスト、肝障害治療剤、ルテオリジン、粘液溶解剤、散瞳剤、鼻詰まり用薬剤、神経筋遮断剤、ノンホルモナールステロール誘導体、分娩促進剤、プラスミノゲンアクチベーター、血小板活性化因子アンタゴニスト、血小板凝集阻害剤、増強剤、プロゲスチン、プロスタグランジン、前立腺成長阻害剤、プロチロトロピン、放射性剤、調節剤、弛緩剤、再分配剤、疥癬虫殺虫剤、硬化剤、選択的アデノシンA1アンタゴニスト、ステロイド、抑制剤、症候性多発性硬化症剤、作動剤、甲状腺ホルモン、甲状腺阻害剤、甲状腺ホルモン擬似剤、筋萎縮性側索硬化症剤、パジェット病剤、不安定狭心症剤、尿酸排泄剤、血管収縮剤、血管拡張剤、外傷治療剤、創傷治癒剤、及びキサンチンオキシダーゼ阻害剤として分類される薬剤が挙げられる。好適な医薬剤のさらなる例としては、Merck Index(13th Edition、Wiley、2001)、The United States Pharmacopeia−National Formulary(USP−NF)、及びFDA’s Orange bookに列挙されているものが挙げられ、これらの文献はそれぞれ、少なくとも製薬学的活性剤の教示に関して、参照により本明細書に援用される。
栄養剤の例としては、アミノ酸、テルペノイド(例えば、カロチノイドテルペノイド及びカロチノイドテルペノイド以外のテルペノイド)、ハーブサプリメント、ホメオパシーサプリメント、グランデュラーサプリメント、ポリフェノール、フラボノイドポリフェノール、フェノール酸、クルクミン、レスベラトロール、リグナン、グルコシノレート、イソチオシアネート、インドール、チオスルホネート、フィトステロール、アントラキノン、カプサイチン、ピペリン、クロロフィル、ベタイン、シュウ酸、アセチル−L−カルニチン、アラントイン、アンドロステロンジオール、アンドロステロンジオン、ベタイン(トリメチルグリシン)、カフェイン、ピルビン酸カルシウム(ピルビン酸)、カルニチン、カルノシン、カロチン、カロチノイド、コリン、クロロゲン酸、コール酸、コンドロイチン硫酸、コンドロイチン硫酸、コレスティン、クリシン、コエンザイムQ10、共役リノール酸、コロソリン酸、クレアチン、デヒドロエピアンドロステロン、ジクロロフェン、ジインドリメタン、ジメチルグリシン、ジメルカプトコハク酸、エブセレン、エラグ酸、酵素、フィセチン、ホルモネチン、グルカル酸(グルカレート)、グルコサミン(HCl又はサルフェート)、グルコサミン(N−アセチル)、グルタチオン、ヘスペリジン、ヒドロキシ−3−メチル酪酸、5−ヒドロキシトリプトファン、インドール−3−カルビノール、イノシトール、イソチオシアネート、リノレン酸−ガンマ、リポ酸(アルファ)、メラトニン、メチルスルホニルメタン、ミネラル、ナリンギン、パンクレアチン、パラ−アミノ安息香酸、パラベン(メチルパラベン又はプロピルパラベン)、フェノール剤、ホスファチジルコリン、ホスファチジルセリン、リン脂質、フィトステロール、プロゲステロン、プレグネノロン、ケルセチン、レスベラトロール、D−リボース、ルチン、S−アデノシルメチオニン、サリチル酸、スルフォラファン、酒石酸、タキシフォリン、テトラヒドロパルマチン、テオフィリン、テオブロミン、チゴゲニン、トロキセルチン、トリプトファン、トコトリエノール(アルファ、ベータ、及びガンマ)、ゼアキサンチン、イチョウ葉、ショウガ、キャッツクロー、オトギリソウ、アロエベラ、マツヨイグサ、ニンニク、トウガラシ、ドンクアイ、朝鮮人参、ナツシロギク、コロハ、エキナセア、緑茶、マシュマロ、ノコギリパルメット、ティーツリー油、魚油、アメリカオオバコ、カバカバ、カンゾウ根、ヒイラギメギ、サンザシ、ヨヒンベ、ウコン、ウィッチヘーゼル、カノコソウ、ヤドリギ、ビルベリー、ビーポレン、ハッカ油、ベータ−カロチン、ゲニステイン、ルテイン、リコピン、ポリフェノール、並びに同種のものが挙げられるが、これらに限らない。好適な栄養剤のさらなる例としては、Handbook of Nutraceuticals and Functional Foods、Robert E.C.Wildman編、CRC Press(2001))に列挙されているものが挙げられ、この文献は、少なくともその栄養剤の教示に関して、参照により、本明細書に援用される。
活性成分として含めることができる他の有用な医薬剤としては、魚油、卵油、イカ油、オキアミ油、ナッツ油、種子油、ダイズ油、アボカド油、シーバックソーン種子若しくはベリー油、クラリーセージ種子油、藻油、アマニ油、サチャインチ油、エキウム油、ヘンプ油、オメガ−3脂肪酸、多価不飽和オメガ−3脂肪酸、ヘキサデカトリエン酸(HTA)、アルファ−リノレン酸(ALA)、ステアリドン酸(SDA)、エイコサトリエン酸(ETE)、エイコサテトラエン酸(ETA)、エイコサペンタエン酸(EPA、ティムノドン酸)、ヘンエイコサペンタエン酸(HPA)、ドコサペンタエン酸(DPA)、クルパノドン酸)、ドコサヘキサエン酸(DHA、セルボン酸)、テトラコサペンタエン酸、テトラコサヘキサエン酸(ニシン酸)、及びこれらの遊離酸、これらのエチルエステル若しくは他のエステル、又はこれらの塩が挙げられる。いくつかの態様では、医薬剤は、高精製オメガ−3脂肪酸、そのエステル、又はその塩である。
ビタミンは、対象(例えば、当該組成物の投与対象であるヒト又はヒト以外の動物患者)の正常な成長及び活動に典型的に必須とみなされる有機物質を含むことができる。ビタミンの例としては、ビタミンA(レチノール)、ビタミンB1(チアミン)、ビタミンB2(リボフラビン)、ビタミンB複合体、ビタミンB6(ピリドキシン)、ビタミンB12(コバラミン)、ビタミンC(アスコルビン酸)、ビタミンD(コレカルシフェロール)、ビタミンE(トコフェロール)、ビタミンF(リノール酸)、ビタミンG、ビタミンH(ビオチン)、ビタミンK、コリン、葉酸、イノシトール、ナイアシン、パントテン酸、及びパラ−アミノ安息香酸が挙げられるが、これらに限らない。
ビタミンは、対象(例えば、当該組成物の投与対象であるヒト又はヒト以外の動物患者)の正常な成長及び活動に典型的に必須とみなされる天然の無機物質を含むことができる。ミネラルの例としては、ホウ素、カルシウム、クロム、銅、鉄、マグネシウム、マンガン、モリブデン、ニッケル、リン、セレン、ケイ素、スズ、バナジウム、及び亜鉛が挙げられるが、これらに限らない。
本発明の充填物は、任意に応じて、1種以上の医薬的に許容される賦形剤を含むことができる。医薬的に許容される賦形剤の例としては、緩衝剤(リン酸緩衝剤、クエン酸緩衝剤、及び他の有機酸による緩衝剤など)、抗酸化剤(アスコルビン酸を含む)、低分子量(約10残基未満)ポリペプチド、タンパク質(血清アルブミン、ゼラチン、若しくは免疫グロブリンなど)、親水性ポリマー(ポリビニルピロリドンなど)、アミノ酸(グリシン、グルタミン、アスパラギン、アルギニン、若しくはリシンなど)、単糖、二糖、及び他の炭水化物(グルコース、マンノース、若しくはデキストリンを含む)、キレート剤(EDTAなど)、糖アルコール(マンニトール若しくはソルビトールなど)、塩形成対イオン(ナトリウムなど)、並びに/又は非イオン性界面活性剤(TWEEN(登録商標)(ニュージャージー州ブリッジウォーターのICI,Inc.)、ポリエチレングリコール(PEG)、及びPLURONICS(商標)(ニュージャージー州フローラムパークのBASF)など)が挙げられる。水又は他の溶媒、可溶化剤、及び乳化剤(例えば、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、エチルカーボネート、エチルアセテート、ベンジルアルコール、ベンジルベンゾエート、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ジメチルホルムアミド、油、具体的には、綿実油、ラッカセイ油、トウモロコシ胚芽油、オリーブ油、ヒマシ油、ゴマ油、グリセロール、テトラヒドロフルフリルアルコール、ポリエチレングリコール、及びソルビタンの脂肪酸エステル、並びにこれらの物質の混合物など)を含め、当該技術分野で広く用いられている希釈剤も、剤皮内に封入できる。
特定の実施形態では、充填物は、液体(例えば、溶液、懸濁液、若しくは分散液)、又は半固形(例えば、ペースト若しくはゲル)である。場合によっては、活性成分は、本質的に液体又は半固形であることができる。特定のケースでは、例えば、担体(例えば、水、食塩水、水性デキストロース、グリセロール、グリコール(例えば、プロピレングリコール又はポリエチレングリコール)、エタノール、脂肪酸、グリセリド、油、ステロール、リン脂質、及び同種のものなど)に、活性成分と、任意に応じて1種以上の製薬学的アジュバントとを溶解させるか、又は別段の形で混合して、溶液を形成させることによって、活性成分を液体又は半固形として調製できる。
いくつかの実施形態では、活性成分は、液体担体に分散又は懸濁できる。いくつかの実施形態では、活性成分は、自己乳化/マイクロエマルション化薬物送達システム(SEDDS/SMEDDS)中で調製できる。任意に応じて、SEDDSシステムは、油、界面活性剤、補助界面活性剤又は可溶化剤、及び活性成分を含むことができる。
本発明の液体活性成分は、活性成分を0.005%〜100%の範囲で含むとともに、残部が無毒性担体からなるように調製できる。これらの組成物の調製方法は、当業者には既知である。例えば、Remington’s Pharmaceutical Sciences、Mack Publishing Company、Easton、Pa.、15th Edition、1975を参照されたい。本発明の液体充填物は、0.001重量%〜100重量%、0.1重量%〜95重量%、1重量%〜90重量%、5重量%〜70重量%、又は10重量%〜50重量%の活性成分を含むことができる。
製造方法
シルク系硬カプセル剤及び軟カプセル剤を作製する方法も提供する。
シルク系硬カプセル剤及び軟カプセル剤は、シルクプロテインを溶媒系に溶解させて、可溶化シルクプロテイン溶液を形成させ、その可溶化シルクプロテイン溶液を皮膜形成ポリマーと混合して、均質な剤皮材料を形成させ、充填物を、この均質な剤皮材料で被覆することによって調製できる。任意に応じて、1種以上の添加剤(可塑剤など)を均質な剤皮材料に加えてもよい。
いくつかの実施形態では、可溶化シルクプロテイン溶液中の可溶化シルクプロテイン(例えばシルクフィブロイン)の濃度は、可溶化シルクプロテイン溶液の総重量に対して10重量%以下である。例えば、可溶化シルクプロテイン溶液中の可溶化シルクプロテイン(例えばシルクフィブロイン)の濃度は、4重量%〜8重量%の範囲であることができる。いくつかの実施形態では、均質な剤皮材料は、0重量%超〜10重量%の可溶化シルクポリマーと、40〜50%の皮膜形成ポリマーと、20〜30%の可塑剤と、30〜40%の精製水(w/w)を含むことができる。軟カプセル剤と硬カプセル剤との主な違いは、カプセル剤皮に存在する可塑剤の量である。水の大半は、後に、カプセル乾燥中に喪失する。いくつかの実施形態では、乾燥後のカプセル剤皮は、乾燥後のカプセル剤皮の重量に対して10重量%未満の水を含むことができる。例えば、乾燥後のカプセル剤皮は、乾燥後のカプセル剤皮の重量に対して6重量%〜10重量%の水(例えば、6重量%〜8重量%の水、又は8重量%〜10重量%の水)を含むことができる。
可溶化シルクプロテイン溶液及び皮膜形成ポリマーを含む成分を組み合わせて、低温溶融又は高温溶融プロセスのいずれかを用いて、均質な剤皮材料(当該技術分野では、溶融ゲル塊と称することもある)を形成させる。続いて、調製した均質な剤皮材料を、予熱した温度制御式のジャケット付き保持タンクに移し、均質な剤皮材料を、封入のために用いるまで、そのタンク内で、(例えば50〜60℃の範囲の温度で)保持できる。いくつかの実施形態では、均質な剤皮材料の粘度は、60℃において5,000cP〜30,000cPであることができる。
低温溶融プロセスは、可溶化シルクプロテイン溶液と、皮膜形成ポリマーと、可塑剤と、冷水とを混合してから、ジャケットを加熱したタンクに、その混合物を移すことを伴うことができる。これらの成分は、周囲温度(18〜22℃)で混合できる。続いて、混合物を、真空下で短時間(例えば15〜30分)、(例えば57〜95℃の範囲の温度で)加熱して、均質な脱気剤皮材料を形成させることができる。ゲル作製プロセス中のいずれかの時点に、追加の剤皮添加剤を混合物に加えることができ、あるいは、高トルクミキサーを用いて、追加の剤皮添加剤を、完成した均質な剤皮材料に組み込んでもよい。
高温溶融プロセスは、穏やかに攪拌しながら可溶化シルクプロテイン溶液と皮膜形成ポリマーを、可塑剤と水との予熱(例えば60〜80℃)混合物に加え、そのブレンドを、完全に溶融するまで攪拌することを伴う。高温溶融プロセスは低温溶融プロセスよりも速いが、制御の精度が低く、泡立ち及び粒立ちを起こしやすい。
硬カプセル剤及び軟カプセル剤は、当該技術分野において既知の方法を用いて、均質な剤皮混合物から形成できる。例えば、軟カプセル剤は、ロータリーダイ封入プロセスを用いて、均質な剤皮混合物から作製できる。この方法では、均質な剤皮混合物は、重力又は容積式ポンプ作用のいずれかによって、2つの加熱した(例えば48〜65℃の)定量装置に送る。これらの定量装置は、冷却した(例えば10〜18℃の)回転キャスティングドラムへの均質な剤皮混合物の流量を制御する。ドラムの面と接するようにセットした均質な剤皮混合物から、キャスト体としてキャストリボンを形成する。
続いて、このリボンを、一連のガイドロールを通じて、射出楔とカプセル形成ダイとの間に送ることができる。食品グレードの潤滑油をリボン上に塗布して粘着性を軽減できるとともに、移動を促すことができる。好適な潤滑剤は、鉱油、中鎖トリグリセリド、及びダイズ油を含む。充填用製剤は、重力によって、封入機に送ることができる。充填物は、軟ゼラチンカプセルに封入する前に脱気できる。いくつかの実施形態では、軟カプセル剤は、任意に応じて封入剤及び/又は投与量を示すように、面上に印刷を備える。
下記の実施例は、本明細書に記載されている方法及び組成物の特定の態様をさらに例示するように意図されており、特許請求の範囲を限定するようには意図されていない。本明細書に記載されている組成物、方法、及び用途のいずれかの実施形態又は態様の範囲から逸脱しなければ、本明細書に記載されている組成物、方法、及び用途に、好適な修正及び調節を施せることは、当業者には容易に明らかになるであろう。本発明の様々な実施形態について詳細に説明してきたが、下記の実施例(例示目的のみで本明細書に記載されており、限定することを意図していない)を参照することにより、さらに理解が深まるであろう。本明細書に記載されている組成物及び方法の範囲には、本明細書に記載されている実施形態、態様、実施例、及び好ましい例のあらゆる顕在的又は潜在的組み合わせが含まれる。本明細書で引用されているあらゆる特許及び文献は、その特定の教示に関して、参照により、その全体が本明細書に援用される。
実施例1
シルクポリマーストック溶液の調製
生糸繊維(Bombyx moriから得たもの)を精錬溶液(0.25%炭酸ナトリウム、0.25%ドデシル硫酸ナトリウムの脱イオン水溶液)で精錬した。生糸繊維を精錬溶液中で80〜90°Cにて、1サイクル当たり1時間、2サイクル煮沸した。煮沸後、シルク繊維の精錬物を、温めた水道水及び脱イオン水で充分にすすいだ。シルク繊維の精錬物をDI水中で80〜90℃にて1時間煮沸した。セリシンの約20〜30重量%を初期のシルク繊維原料から除去した。精錬終了後、シルク繊維は、1重量%未満のセリシンを含むSF繊維となった。
このSF繊維をCaCl2:EtOH:H2O(モル比1:2:8)の溶媒系に溶解させた。セルロース膜(分画分子量(MWCO):3,000〜5,000Da)を用いて、溶解したSFを透析して、約5重量%の可溶化SF溶液を形成し、この溶液を、下記のように、ゼラチン塊とブレンドした。
15重量%のシルクフィブロイン粉末(MW=100kDa、ニュージャージー州サウスプレインフィールドのArch Personal Care Products,L.P.)をCaCl2:EtOH:H2O(モル比1:2:8)に溶解させた溶液を調製した。セルロース膜(MWCO:3,000〜5,000Da)を用いて、この溶解させたシルクフィブロイン粉末を透析して、約5%の可溶化シルクフィブロイン粉末溶液を形成させ、この溶液を、下記のように、ゼラチン塊とブレンドした。
ゼラチン塊の調製
ゼラチン塊は、下記のようにして調製した。ゲル塊(44重量%ゼラチン、10重量%グリセリン、34重量%水、及び12重量%ソルビトール)を、表1に詳述されているように、様々な量のシルク溶液とブレンドして、ゼラチン塊を得た。
Figure 2016513674
混合後、ゼラチン塊を、可塑剤のレベル及び用いられているゼラチンのタイプに応じて、12時間又は24時間エージングした。
ブルックフィールド型粘度計を用いて、ゼラチン塊の粘度を測定してから、PEG系充填物を用いてカプセル剤を作製するための適切な組成物を選択した。ゼラチン塊の粘度は、カプセル剤皮の形成に適する値(例えば6,000〜13,000cPの範囲)であった。
溶液中及びゼラチン塊と組み合わせるシルクポリマーの構造の分析
シルクフィブロインは、その濃度及び環境に応じて、βシート又はランダムコイル構造を取ることができる。シルクフィブロインの構造は、シルクフィブロイン骨格中のアミド結合と関連する特有のIR吸収バンドを測定することによって評価できる。
Figure 2016513674
可溶化シルクポリマーを用いた軟カプセル剤の調製
可溶化SF溶液を用いる軟カプセル剤の調製
上記の粘度測定値に基づき、封入プロセス中に用いるものとして、ゼラチン塊:可溶化SF溶液(比率90:10)を選択した。PEG系充填物を封入用モデル充填物として用いた。
ロータリーダイプロセスを用いて、軟カプセル剤を調製した。このプロセスでは、ゼラチン系包皮調合物の溶融塊を容器から冷却ドラム上に送って、半溶融状態のゼラチン系調合物からなる2つの隔置されたシート又はリボンを形成させた。軟ゼラチンカプセル剤用のリボンの厚みは0.035インチ(約0.89mm)であった。これらのリボンをローラーに送り、対向ダイキャビティを備える一対のローラーダイのニップに、ある収束角で、これらのリボンをまとめて侵入させた。封入する物質をリボンの楔状接合部の中に送った。ダイキャビティ内側のシート間に、充填物の一部を取り込みながら、ゼラチンリボンをダイの間に連続的に搬送した。続いて、これらのシートを併せて押圧し、各ダイの周囲で切断して、シートの対向辺を合わせて流して、取り込んだ充填物の周囲に連続的なゼラチン系包皮を形成させるようにした。カプセル形成部分から切断されたゼラチン系包皮部分は、回収して、破棄又は再利用した。続いて、軟カプセル剤を乾燥して、包皮の一体性を向上させた。カプセル剤は、まずタンブルドライヤーで30分乾燥してから、トレイの上に均一に広げた。そして、さらにBryant Drierで25℃、相対湿度18%で乾燥した。
可溶化シルクフィブロイン粉末溶液を用いる軟カプセル剤の調製
上記の粘度測定値に基づき、封入プロセス用に、ゲル塊:可溶化シルクフィブロイン粉末溶液(比率95:5)を選択した。ゼラチン塊に加える前の可溶化シルクフィブロイン粉末溶液の濃度は5.67%であった。可溶化SF溶液を用いる軟カプセル剤に関して上で説明した方法を用いて、軟カプセル剤を調製した。
軟カプセル剤の経時的安定性
可溶化SF溶液を用いて形成したカプセル剤(総数15)を60ccのボトルに入れ、貯蔵下での安定性について、室温、30℃/60%RH、及び40℃/75%RHという3種類の条件で評価した。軟ゼラチンカプセル剤(シルクを含まない)も、同じ条件で評価した。下記の安定性スキームを用いた。
室温:1カ月、3カ月、6カ月、12カ月、24カ月
30℃/65%RH:1カ月、3カ月、6カ月
40℃/75%RH:1カ月、2カ月、3カ月
上記の時点にサンプルを取り出し、カプセル剤の物理的安定性と溶解性能を評価した。結果は表4に詳述されている。
Figure 2016513674
貯蔵過程中、軟ゼラチンカプセル剤では、凝集塊が形成されたとともに、充填物の80%超がカプセル剤から漏出し、シームが非常に脆弱であったことが示された。可溶化シルクポリマーを用いて形成させたカプセル剤は、ストレス条件において、軟ゼラチンカプセル剤よりも持ちこたえ、凝集も最小限で、シームからの漏出もなかった。
3カ月(40℃/75%RHで貯蔵)までには、軟ゼラチンカプセル剤は凝集した。カプセルシームの脆弱化により、充填物の大半が剤皮から漏出した。これに対し、シルク系カプセル剤は、よく持ちこたえ、40℃/75%RHで、1カ月及び3カ月時点において、物理的特性の規格に適合した。
可溶化シルクポリマーを用いて形成したカプセル剤の溶解性能
充填物と、可溶化SF溶液を用いて形成させた剤皮とを含む軟カプセル剤の溶解性能を、シルクを含まない軟ゼラチンカプセル剤と、ゼロ時点で、pH7.4にて比較した。溶解パラメーターは以下のとおりであった。
装置:パドル
撹拌速度:50rpm
溶解体積:500mL
シルクを含まない軟ゼラチンカプセル剤は、60分後に完全に溶解した。全ての充填物が分散し、溶媒に溶解した(図1の四角形のトレースを参照)。可溶化SF溶液カプセル剤では、シームの破損の徴候が最小限であった。加えて、ゼラチンの溶解速度が劇的に低下した。可溶化SF溶液カプセル剤の剤皮は、全ての充填物が分散した後も、溶解容器内に浮いたままであった。このことから、0.3%の可溶化SF溶液をゼラチン塊に組み込むことにより、充填内容物の放出制御性を示す堅牢な剤皮が得られることが示されている。
1カ月、30°C/65%RH及び40°C/75%RHで貯蔵した可溶化SF溶液カプセル剤でも、シルクを含まない軟ゼラチンカプセル剤との比較における溶解性能を分析した。充填内容物の放出は、シルク系カプセル剤の方が有意に少なかったことから、シルクポリマーとゼラチンによって形成された相互侵入網目が、カプセル剤の放出制御特性の保持を補助することが示された(図2参照)。放出制御のレベルは、シルクプロテインの量を減らして(<0.3%)、ゼラチン塊を充填することによって調節できた。
また、3段階溶解を用いて、シルク及び噴霧乾燥シルク微粒子を含まない軟ゼラチンカプセル剤との比較におけるシルク系カプセル剤の性能を評価した。図3に示されているように、シルク系カプセル剤は、pH1.2及びpH4.5の条件で、シルク及び噴霧乾燥シルク微粒子を含まない軟ゼラチンカプセル剤と同様の性能を示した。pH7.2では、シルクを含まない軟ゼラチンカプセル剤からの急な放出が見られるが、シルクカプセル剤及び噴霧乾燥粒子からの溶解後は、18時間が経過するまでは、制御されたパターンで薬物が100%放出されている。ゼラチンカプセル剤に0.3%のシルクを組み込むことにより、シルクが高含有量で充填された微粒子で実現される放出に相応する放出プロファイルが得られる。
添付の特許請求の範囲のカプセル剤及び方法は、本明細書に記載されている具体的なカプセル剤及び方法によって範囲が限定されることはなく、これらの具体的なカプセル剤及び方法は、特許請求の範囲のいくつかの態様を例示するものとして意図されており、機能的に同等のいずれのカプセル剤及び方法も、特許請求の範囲内に含まれるように意図されている。本明細書に図示及び説明されているカプセル剤及び方法に加えて、本発明のカプセル剤及び方法の様々な修正形態も、添付の特許請求の範囲内に含まれるように意図されている。さらに、本明細書に開示されている特定の代表的なカプセル剤及び方法工程のみが具体的に説明されているが、他の組み合わせのカプセル剤及び方法工程も、具体的に記載されていなくても、添付の特許請求の範囲内に含まれるように意図されている。したがって、工程、要素、成分、又は構成要素の組み合わせについて、本明細書に明示的に言及されていることもあるが、工程、要素、成分、及び構成要素の他の組み合わせも、明示的に示されていなくても含まれる。

Claims (46)

  1. 剤皮及び充填物を含む硬カプセル剤又は軟カプセル剤であって、前記剤皮が、
    シルクポリマー、及び
    皮膜形成ポリマー
    を含む相互侵入網目を含む、硬カプセル剤又は軟カプセル剤。
  2. 前記シルクポリマーが、シルクフィブロインを含む、請求項1に記載のカプセル剤。
  3. 前記シルクポリマーが、可溶化シルクポリマーの総重量に対して0.1重量%未満のセリシンを含む、請求項1又は2に記載のカプセル剤。
  4. 前記シルクポリマーが、分子量が3,000Da以下のペプチドを実質的に含まない、請求項1〜3のいずれか一項に記載のカプセル剤。
  5. 前記シルクポリマーが、分子量が6,000Da以下のペプチドを実質的に含まない、請求項1〜4のいずれか一項に記載のカプセル剤。
  6. 前記シルクポリマーが、平均分子量が50kDa〜450kDaの範囲のシルクフィブロインを含む、請求項1〜5のいずれか一項に記載のカプセル剤。
  7. 前記シルクポリマーが、シルク繊維から得られる、請求項1〜6のいずれか一項に記載のカプセル剤。
  8. 前記シルク繊維が、Bombyx moriシルク繊維を含む、請求項7に記載のカプセル剤。
  9. 前記シルクポリマーが、シルクフィブロイン粉末から得られる、請求項1〜6のいずれか一項に記載のカプセル剤。
  10. 前記シルクフィブロイン粉末が、50kDa〜200kDaの分子量の範囲を有する、請求項9に記載のカプセル剤。
  11. シルクプロテインが、前記剤皮中に、乾燥後の前記カプセル剤皮の重量に対して40重量%以下の量で存在する、請求項1〜10のいずれか一項に記載のカプセル剤。
  12. 前記シルクプロテインが、前記剤皮中に、乾燥後の前記カプセル剤皮の重量に対して0重量%超〜10重量%の量で存在する、請求項1〜11のいずれか一項に記載のカプセル剤。
  13. 前記皮膜形成ポリマーが、ゼラチンを含む、請求項1〜12のいずれか一項に記載のカプセル剤。
  14. 前記皮膜形成ポリマーが、前記剤皮中に、乾燥後の前記カプセル剤皮の重量に対して20%〜70重量%の量で存在する、請求項1〜13のいずれか一項に記載のカプセル剤。
  15. 前記剤皮が、可塑剤をさらに含む、請求項1〜14のいずれか一項に記載のカプセル剤。
  16. 前記剤皮が、腸溶性ポリマー、ゲル化剤、湿潤剤、保存剤、着色剤、不透明化剤、矯味矯臭剤、糖、pH調整剤、又はこれらの組み合わせをさらに含む、請求項1〜15のいずれか一項に記載のカプセル剤。
  17. 前記剤皮が、透明又は透光性である、請求項1〜16のいずれか一項に記載のカプセル剤。
  18. 前記充填物が、1種以上の活性剤を含む、請求項1〜17のいずれか一項に記載のカプセル剤。
  19. 前記充填物が、1種以上の医薬的に許容される賦形剤を含む、請求項1〜18のいずれか一項に記載のカプセル剤。
  20. 硬カプセル剤又は軟カプセル剤を作製する方法であって、以下の工程:
    (a)シルクプロテインを溶媒系に溶解させて、可溶化シルクプロテイン溶液を形成させ、
    (b)前記可溶化シルクプロテイン溶液を皮膜形成ポリマーと混合して、均質な剤皮材料を形成させ、そして
    (c)充填物を前記均質な剤皮材料で被覆する
    ことを含む、方法。
  21. 前記シルクポリマーが、シルクフィブロインを含む、請求項20に記載の方法。
  22. 前記可溶化シルクプロテイン溶液中のシルクフィブロインの濃度が、前記可溶化シルクプロテイン溶液の総重量に対して10重量%以下である、請求項21に記載の方法。
  23. 前記可溶化シルクプロテイン溶液中のシルクフィブロインの濃度が、前記可溶化シルクプロテイン溶液の総重量に対して4重量%〜8重量%の範囲である、請求項21又は22に記載の方法。
  24. 前記シルクプロテインが、シルク繊維から得られる、請求項20〜23のいずれか一項に記載の方法。
  25. 前記シルク繊維が、Bombyx moriシルク繊維を含む、請求項24に記載の方法。
  26. 前記シルクプロテインが、シルクフィブロイン粉末から得られる、請求項20〜23のいずれか一項に記載の方法。
  27. 前記シルクフィブロイン粉末が、50kDa〜200kDaの分子量の範囲を有する、請求項26に記載の方法。
  28. 前記シルクフィブロイン粉末が、100kDaの分子量を有する、請求項26又は27に記載の方法。
  29. 前記可溶化シルクプロテインが、前記均質な剤皮材料中に、前記均質な剤皮材料の重量に対して20重量%以下の量で存在する、請求項20〜28のいずれか一項に記載の方法。
  30. 前記可溶化シルクプロテインが、前記均質な剤皮材料中に、前記皮膜形成ポリマーの約0.1重量%〜約10重量%の量で存在する、請求項20〜29のいずれか一項に記載の方法。
  31. 前記溶媒系が、エタノール、水、又はこれらの組み合わせを含む、請求項20〜30のいずれか一項に記載の方法。
  32. 前記皮膜形成ポリマーが、ゼラチンを含む、請求項20〜31のいずれか一項に記載の方法。
  33. 前記混合工程が、高温で行われる、請求項20〜32のいずれか一項に記載の方法。
  34. 前記高温が、約40℃以上である、請求項33に記載の方法。
  35. 前記高温が、約60℃である、請求項33又は34に記載の方法。
  36. 前記剤皮が、軟カプセル剤皮である、請求項20〜35のいずれか一項に記載の方法。
  37. 前記被覆工程の前に、前記均質な剤皮材料を流延して乾燥フィルムにする、請求項36に記載の方法。
  38. 前記剤皮が、可塑剤をさらに含む、請求項20〜37のいずれか一項に記載の方法。
  39. 前記剤皮が、腸溶性ポリマー、ゲル化剤、湿潤剤、保存剤、着色剤、不透明化剤、矯味矯臭剤、糖、pH調整剤、又はこれらの組み合わせをさらに含む、請求項20〜38のいずれか一項に記載の方法。
  40. 前記剤皮が、透明又は透光性である、請求項20〜39のいずれか一項に記載の方法。
  41. 前記充填物が、1種以上の活性剤を含む、請求項20〜40のいずれか一項に記載の方法。
  42. 前記充填物が、1種以上の医薬的に許容される賦形剤を含む、請求項20〜41のいずれか一項に記載の方法。
  43. 請求項20〜42のいずれか一項に記載の方法に従って調製された硬カプセル剤又は軟カプセル剤。
  44. 剤皮及び充填物を含む硬カプセル剤又は軟カプセル剤であって、前記剤皮が、可溶化シルクポリマー及び皮膜形成ポリマーから形成される、硬カプセル剤又は軟カプセル剤。
  45. 請求項20〜42のいずれか一項に記載の方法に従って調製された胃内抵抗性軟カプセル剤。
  46. 剤皮及び充填物を含む胃内抵抗性軟カプセル剤であって、前記剤皮が、可溶化シルクポリマー、皮膜形成ポリマー、及び胃内抵抗性ポリマーから形成される、胃内抵抗性軟カプセル剤。
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