JP2016512698A - 尿中セルフリーdnaを用いて腎状態を評価するための方法および組成物 - Google Patents

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Abstract

本発明は、尿中セルフリーDNA(cell free DNA)を用いて腎状態および腎健康度を評価するための、非侵襲的なツールおよび方法に関する。【選択図】図6

Description

本発明は、尿中セルフリーDNA(cell free DNA)を用いて腎状態および腎健康度を評価するための、非侵襲的なツールおよび方法に関する。
関連出願の相互参照
本出願は、2013年3月15日出願の米国特許仮出願第61/793,427号に対する優先権の利益を主張し、該出願の内容全体が、参照により本明細書中に組み入れられる。
集合的に腎臓系として知られる腎臓は、血液から老廃物を除去し、水体液レベル(water fluid level)を調節するという必須の機能を発揮する。腎臓は、泌尿器系で必須であり、電解質の調節、酸塩基平衡の維持、および血圧の調節などの恒常性維持機能も果たす。腎臓は、血液の天然のフィルターとして身体で機能し、膀胱に回ってくる老廃物を除去する。尿の生成では、腎臓は、尿素およびアンモニアなどの老廃物を排出し、腎臓は、水、グルコース、およびアミノ酸の再吸収も担う。腎臓はまた、カルシトリオール、エリスロポエチンをはじめとするホルモン、および酵素であるレニンを産生する。
腎状態は、腎疾患または腎傷害(renal injury)(腎臓損傷(kidney injury)、腎症(nephropathy)とも称される)により影響を受け、急性症状および慢性症状の両方に起因し得る。変化した腎状態の別の形態は、移植腎の拒絶である。
古典的には、腎状態は、クレアチニンに関する血液検査を用いることにより評価されている。より高レベルのクレアチニンは、より低い糸球体ろ過率および結果として老廃物を排出する腎臓の能力の低下を示す。腎損傷の元になる原因を完全に調べるためには、様々な形態の医用画像、血液検査および腎生検(腎組織の小さな試料を取り出すこと)が、腎機能不全に対する可逆的な原因があるかどうかを解明するために、多くの場合に用いられる。
腎傷害および腎移植傷害の改良された非侵襲的診断に対する、および全般的な腎状態を評価することに対する、重要な満たされていない要求がある。腎移植傷害では、例えば、ドナー由来のセルフリーDNA(dd-cfDNA)は、血液中の移植傷害の代理物であることが示されているが、ドナーおよびレシピエントDNAの配列決定の労力を必要とする。
より最近、死滅した細胞由来のセルフリーDNA(cfDNA)が、ヒト尿中で発見されている。近年の努力は、同種移植片拒絶に対するマーカーとしてのcfDNAに関する尿の検査に集中しているが、しかしながら、男性の腎臓を移植された女性レシピエントでY染色体特異的配列を検出すること、またはドナーとレシピエントとの間での遺伝的構成/分子マーカーの差異を予め決定することによりそれらの差異を精査することに、技術が限定されていた。この通り、これらのタイプの試験は、特定の設定の型(例えば、男性ドナー腎臓を移植された女性移植レシピエント)に限定され、すべての移植設定に広範に適用することができない。
したがって、すべての腎移植条件に広範に適用可能である非侵襲的試験のための改良された組成物および方法が、尿中cfDNAを用いて腎状態、腎傷害または腎移植片拒絶を評価するために必要である。性別に関係なく、かつDNA配列決定の労力なしに、すべての腎傷害および腎移植患者での尿中セルフリーDNAを測定するための迅速なアプローチが、必要とされている。
ハイスループットアプローチなどのそのようなアプローチのための組成物および方法が、本明細書中で提供される。
本明細書中で引用されるすべての刊行物および特許出願は、それぞれ個々の刊行物または特許出願が参照により組み入れられることが具体的かつ個別に示されているかのように、参照により本明細書中に組み入れられる。
尿中セルフリーDNA(cfDNA)は、腎状態、腎健康度、腎傷害、腎移植傷害および高度急性腎拒絶の推定および評価のための強力なツールであり得る。尿中cfDNA保有量の連続分析は、ドナーおよびレシピエントDNAの配列決定の必要性なしに、デジタルまたは標準的qPCRにより行なうことができる。
本発明は、個体の腎状態および腎健康度を評価するために、尿中で見出されるcfDNAを用いることに関する。具体的には、本発明は、変化した腎状態に見舞われているか、または変化した腎状態を有すると疑われる被験体を、モニタリング、診断、予後診断するための、および被験体での治療レジメンの評価のための方法および組成物に関する。
本発明は、とりわけ、尿中での常染色体のcfDNAを測定することに基づく、腎状態、腎傷害または腎移植片拒絶を評価するための組成物および方法を提供する。
一態様では、本発明は、個体での腎状態を評価するための方法を提供し、該方法は、尿サンプル中の常染色体のコピー数を決定するステップ、および該染色体のコピー数を、正常集団由来の尿サンプル中での該染色体の標準的コピー数に対して比較するステップを含み、ここで、コピー数の変化は、変化した腎状態を示すものである。一実施形態では、常染色体は、1番染色体である。一実施形態では、1番染色体のコピー数は、EIF2C1遺伝子座を用いて測定される。一実施形態では、EIF2C1遺伝子座は、フォワードプライマー:5'-GTTCGGCTTTCACCAGTCTおよびリバースプライマー:5'-CTCCATAGCTCTCCCACTCを含むプライマーセットを用いて測定される。一実施形態では、プライマーセットはリアルタイムPCRのために用いられ、かつプローブをさらに含む。一実施形態では、プローブは、以下の通りの配列およびレポーターを含む:5'-HEX-CGCCCTGCCATGTGGAAGAT-BHQ1。
本明細書中の実施形態のいずれかでは、標準的コピー数よりも高いと決定されるコピー数は、悪化した腎状態を示す。本明細書中の実施形態のいずれかでは、標準的コピー数と同じかまたはそれよりも低いと決定されるコピー数は、良好な腎健康度を示す。本明細書中の実施形態のいずれかでは、コピー数は、リアルタイムPCR、定量的PCR、またはデジタルPCR(dPCR)を用いて決定される。本明細書中の実施形態のいずれかでは、コピー数は、BioMarkリアルタイムPCRシステムを用いて決定される。本明細書中の実施形態のいずれかでは、悪化した腎状態は、腎損傷、腎傷害、腎疾患、腎障害、腎移植片拒絶、または腎損傷、腎傷害、腎疾患、腎障害もしくは腎移植片拒絶に対する治療に不応性であることを含むことができる。本明細書中の実施形態のいずれかでは、腎状態の評価は、腎疾患、腎傷害、腎移植片傷害、または腎移植片拒絶の進行を測定するステップを含むことができる。本明細書中の実施形態のいずれかでは、腎状態の評価は、腎疾患、腎傷害、腎移植片傷害、または腎移植片拒絶に見舞われており、かつ現在治療を受けているかまたは治療を受けたことがある個体での治療応答を測定するステップを含むことができる。
本明細書中の実施形態のいずれかでは、cfDNAは、尿から抽出することができる。本明細書中の実施形態のいずれかでは、コピー数は、尿から抽出されたcfDNA中で決定される。本明細書中の実施形態のいずれか1つでは、本方法は、他の病理学的データおよび臨床データの測定をさらに含むことができる。本明細書中の実施形態のいずれか1つでは、本方法は、クレアチニン量を測定するステップをさらに含むことができる。本明細書中の実施形態のいずれか1つでは、本方法は、タンパク尿またはcGFRを測定するステップをさらに含むことができる。本明細書中の実施形態のいずれか1つでは、本方法は、腎生検を行なうステップをさらに含むことができる。
本明細書中の実施形態のいずれか1つでは、個体は、腎損傷、腎傷害、腎疾患、腎障害、腎移植片傷害、または腎移植片拒絶に対するリスクを有する個体である。本明細書中の実施形態のいずれか1つでは、個体は糖尿病である。本明細書中の実施形態のいずれか1つでは、個体は高血圧に罹患している。本明細書中の実施形態のいずれか1つでは、個体は同種腎移植のレシピエントである。本明細書中の実施形態のいずれか1つでは、個体は腎移植片傷害または腎移植片拒絶に対する治療中である。本明細書中の実施形態のいずれか1つでは、個体は、少なくとも1種の急性拒絶エピソードに見舞われたことがある。
別の態様では、本発明は、個体での腎状態を評価するための方法を提供し、該方法は、尿サンプル中のALUリピート数を測定するステップ、およびALUリピート数を、正常集団由来の尿サンプル中のALUリピートの標準的な数に対して比較するステップを含み、ここで、ALUリピート数の変化は、変化した腎状態を示すものである。一実施形態では、リピートの標準的な数よりも高いと決定されるALUリピート数は、悪化した腎状態を示すものである。一実施形態では、ALUリピートの標準的な数と同じかまたはそれよりも低いと決定されるALUリピート数は、良好な腎健康度を示す。別の実施形態では、ALUリピート数は、尿から抽出されたcfDNA中で決定される。別の実施形態では、ALUリピート数は、リアルタイムPCR、定量的PCR、またはデジタルPCRを用いて決定される。別の実施形態では、ALUリピート数は、BioMarkリアルタイムPCRシステムを用いて決定される。別の実施形態では、ALUリピート数は、リアルタイムPCRを用いて決定される。別の実施形態では、ALUリピート数は、ALU遺伝子座の115塩基アンプリコンを用いて測定される。本明細書中の実施形態のいずれかでは、本方法は、同じサンプル中で常染色体のコピー数を測定するステップをさらに含むことができる。別の実施形態では、1番染色体のコピー数が測定される。一実施形態では、1番染色体のコピー数は、EIF2C1遺伝子座を用いて測定される。別の実施形態では、EIF2C1遺伝子座は、フォワードプライマー:5'-GTTCGGCTTTCACCAGTCTおよびリバースプライマー:5'-CTCCATAGCTCTCCCACTCを含むプライマーセットを用いて測定される。別の実施形態では、プライマーセットはリアルタイムPCRのために用いられ、かつプローブをさらに含む。別の実施形態では、プローブは、以下の通りの配列およびレポーターを含む:5'-HEX-CGCCCTGCCATGTGGAAGAT-BHQ1。
本明細書中の実施形態のいずれかでは、悪化した腎状態は、腎損傷、腎傷害、腎疾患、腎障害、腎移植片拒絶、または腎損傷、腎傷害、腎疾患、腎障害、もしくは腎移植片拒絶に対する治療に不応性であることを含むことができる。本明細書中の実施形態のいずれかでは、腎状態の評価は、腎疾患、腎傷害、腎移植片傷害、または腎移植片拒絶の進行を測定するステップを含むことができる。本明細書中の実施形態のいずれかでは、腎状態の評価は、腎疾患、腎傷害、腎移植片傷害、または腎移植片拒絶に見舞われており、かつ現在治療を受けているかまたは治療を受けたことがある個体での治療応答を測定するステップを含むことができる。
本明細書中の実施形態のいずれかでは、cfDNAは、尿から抽出することができる。本明細書中の実施形態のいずれか1つでは、本方法は、他の病理学的データおよび臨床データの測定をさらに含むことができる。本明細書中の実施形態のいずれか1つでは、本方法は、クレアチニン量を測定するステップをさらに含むことができる。本明細書中の実施形態のいずれか1つでは、本方法は、タンパク尿またはcGFRを測定するステップをさらに含むことができる。本明細書中の実施形態のいずれか1つでは、本方法は、腎生検を行なうステップをさらに含むことができる。
本明細書中の実施形態のいずれか1つでは、個体は、腎損傷、腎傷害、腎疾患、腎障害、腎移植片傷害、または腎移植片拒絶に対するリスクを有する個体である。本明細書中の実施形態のいずれか1つでは、個体は糖尿病である。本明細書中の実施形態のいずれか1つでは、個体は高血圧に罹患している。本明細書中の実施形態のいずれか1つでは、個体は同種腎移植のレシピエントである。本明細書中の実施形態のいずれか1つでは、個体は腎移植片傷害または腎移植片拒絶に対する治療中である。本明細書中の実施形態のいずれか1つでは、個体は、少なくとも1種の急性拒絶エピソードに見舞われたことがある。
別の態様では、本発明は診断アッセイキットを提供し、該キットは、サンプルから少なくとも1種の常染色体のコピー数を決定するための試薬;該コピー数を決定するために用いられるプライマーセット;およびアッセイの使用のための説明書を含む。一実施形態では、常染色体は1番染色体である。別の実施形態では、プライマーセットは、遺伝子座EIF2C1のアンプリコンを増幅することが可能なセットである。別の実施形態では、プライマーセットは、フォワードプライマー:5'-GTTCGGCTTTCACCAGTCTおよびリバースプライマー:5'-CTCCATAGCTCTCCCACTCを含む。別の実施形態では、プライマーは、dPCRに有用なプローブをさらに含む。一実施形態では、プローブの配列は、以下の通りの配列およびレポーターを含む:5'-HEX-CGCCCTGCCATGTGGAAGAT-BHQ1。
本明細書中の実施形態のいずれかでは、キットは、サンプルからcfDNAを抽出するための試薬をさらに含む。本明細書中の実施形態のいずれかでは、サンプルは尿を含む。本明細書中の実施形態のいずれかでは、プライマーセットは、リアルタイムPCR、定量的PCR、またはデジタルPCRのために使用可能である。本明細書中の実施形態のいずれかでは、プライマーセットは、デジタルPCRに有用なプローブを追加で含む。
別の態様では、本発明は診断アッセイキットを提供し、該キットは、サンプル中のALUリピート数を決定するための試薬;該ALUリピート数を決定するために用いられるプライマーセット;およびアッセイの使用のための説明書を含む。一実施形態では、プライマーセットは、ALU遺伝子座のアンプリコンを増幅することが可能なセットである。別の実施形態では、プライマーセットは、フォワードプライマー:5'-GCCTGTAATCCCAGCTACTC-3'およびリバースプライマー:5'-ATCTCGGCTCACTGCAAC-3'を含む。別の実施形態では、プライマーは、デジタルPCRに有用なプローブをさらに含む。一実施形態では、プローブの配列は、以下の通りの配列およびレポーターを含む:5'-HEXTCAAGCGATTCTCCTGCCTCAGC-BHQ-3'。別の実施形態では、キットは、常染色体のコピー数を決定することが可能なプライマーセットを追加で含む。一実施形態では、常染色体は1番染色体である。別の実施形態では、プライマーセットは、遺伝子座EIF2C1のアンプリコンを増幅することが可能なセットである。別の実施形態では、プライマーセットは、フォワードプライマー:5'-GTTCGGCTTTCACCAGTCTおよびリバースプライマー:5'-CTCCATAGCTCTCCCACTCを含む。別の実施形態では、プライマーは、デジタルPCRに有用なプローブをさらに含む。一実施形態では、プローブの配列は、以下の通りの配列およびレポーターを含む:5'-HEX-CGCCCTGCCATGTGGAAGAT-BHQ1。
本明細書中の実施形態のいずれかでは、キットは、サンプルからcfDNAを抽出するための試薬をさらに含む。本明細書中の実施形態のいずれかでは、サンプルは尿を含む。本明細書中の実施形態のいずれかでは、プライマーセットは、リアルタイムPCR、定量的PCR、またはデジタルPCRのために使用可能である。本明細書中の実施形態のいずれかでは、プライマーセットは、デジタルPCRに有用なプローブを追加で含む。
急性拒絶(AR)エピソードを有するかまたは有しない、腎移植を受けた個体由来の血漿サンプル中の1番染色体のコピー数とY染色体のコピー数との間の相関を示す図である。 急性拒絶(AR)エピソードを有するかまたは有しない、腎移植を受けた個体由来の尿サンプル中の1番染色体のコピー数とY染色体のコピー数との間の相関を示す図である。 品質管理決定を示す図である。尿サンプルでの1番染色体コピー数アッセイの堅牢性を評価するために、1番染色体のコピー数を、反復実験での3名の患者由来の9サンプル中で測定した。重複実験間で、密接な相関が観察された。 尿中のタンパク質の量が1番染色体コピー数とよく相関したことを示す図である。 尿サンプル中でのALUリピートと1番染色体コピー数との相関を示す図である。 実施例4で用いられる試験サンプルおよび方法の模式図である。試験は、腎移植患者の尿および血漿中のセルフリーDNAの測定の有意性を評価した。試験は、3相で実施した。第1相では、尿および血漿中のdd-cfDNAの有意性が評価された。第2相では、常染色体(1番染色体)の遺伝子座の測定が評価された。第3相では、尿中の総cfDNA保有量の定量が、特異的移植片傷害検出について分析された。 男性移植片を有する19名の女性レシピエントのコホートでは、血漿中dd-cfDNAの量の増加が、安定的(STA)移植片機能の間に測定された血漿中dd-cfDNA値と比較した場合に、急性拒絶(AR)の時点で観察されたことを示す図である。 1番染色体遺伝子座EIF2C1のコピー数により決定した場合に、尿中cfDNA保有量が、尿中で検出された常染色体DNAでさえドナー由来であったことを実証したことを示す図である。Y染色体遺伝子座SRYについての尿中cfDNA保有量は、1番染色体遺伝子座EIF2Cについての尿中cfDNA保有量と強く相関した。 腎移植傷害の指標としての尿中セルフリー1番染色体コピー数を示す図である。(A)移植傷害を有する腎移植患者由来の尿中の1番染色体の遺伝子座EIF2C1のコピー数は、移植傷害を有しない腎移植患者由来の尿中の1番染色体の遺伝子座EIF2C1のコピー数と比較した場合に、有意であった。(B)データのROC解析から、0.777のAUC(p値<0.0001)が得られた。(C)移植傷害表現型の尿中のタンパク質対クレアチニン比は、移植傷害を有しない患者由来の尿のタンパク質対クレアチニン比と比較した場合に、有意に高かった。(D) ROC解析から、0.66のAUC(p値0.004)が得られた。 移植片傷害を示すためのセルフリーDNAを示す図である。(A)ゲノム当量をALUアッセイデータから算出した場合の代表的患者由来のデータを示し、軽度ARまたは他の慢性傷害と比較した場合に、重症ARの尿中のcfDNAの保有量が増加していた。(B)尿中総cfDNAの増加が、1つの代表的症例での他の慢性傷害と比較して、より重度のARおよび逆流性腎症の尿中で有意に高かった。(C) AR前およびAR後のサンプルと比較して、ARで、尿中cfDNAの増加が特に高かった場合のサンプルデータを示す。(D) cfDNA保有量の増加はBKVNでより高く、cfDNA保有量の上昇はBKVN前の尿で観察できた。 AR前およびAR後と比較した場合に、ARエピソードで尿中cfDNA保有量の上昇が増大することを示す図である。3名の患者(#1、#2、および#3)をAR前およびAR後の尿中総cfDNAについて評価し、これは、ARエピソード中の尿中cfDNA保有量の上昇を実証した。
本明細書中に記載される本発明は、とりわけ、腎健康度(腎臓健康度)、腎疾患、および腎臓移植を管理するために有用な組成物および方法を提供する。本発明は、個体(患者など)の腎健康度を評価し、腎健康度をモニタリングし、治療的介入のために個体および個体の部分集団を特定するための、診断的、予後診断的および/または治療的組成物を提供する。一般的に、本発明は、尿中のcfDNAを測定することに基づく。下記で詳述する通り、尿中cfDNA中での常染色体のコピー数を決定すること、および/または腎臓/腎移植を受けた被験体の尿由来のcfDNA中のALUリピート数を決定することは、腎移植片傷害または腎移植片拒絶の症状を発症するリスクを有する個体を正確に特定し、腎移植片傷害または腎移植片拒絶の進行をモニタリングし、腎移植片傷害または腎移植片拒絶の退行(regression)をモニタリングし、腎移植片傷害または腎移植片拒絶に関して治療されている個体での治療に対する応答をモニタリングし、腎移植片傷害または腎移植片拒絶の発症のリスクを特定および/または予測し、腎移植片傷害または腎移植片拒絶に対する治療を開始もしくは継続するベきである患者の部分集団を特定し、腎移植片傷害または腎移植片拒絶に対する治療の有効性を評価し、かつ/あるいは腎移植片傷害または腎移植片拒絶の症状を発症することに関してモニタリングすべきである患者の部分集団を特定するために用いることができる。これもまた下記で詳述する通り、尿中cfDNA中での常染色体のコピー数を決定すること、および/または尿中cfDNA中でのALUリピート数を決定することは、腎疾患または腎傷害を発症するリスクを有する個体を正確に特定し、腎疾患または腎傷害の進行をモニタリングし、腎疾患または腎傷害の退行をモニタリングし、腎疾患または腎傷害に関して治療されている個体での治療に対する応答をモニタリングし、腎疾患または腎傷害の発症のリスクを特定および/または予測し、腎疾患または腎傷害に対する治療を開始もしくは継続するベきである患者の部分集団を特定し、腎疾患または腎傷害に対する治療の有効性を評価し、かつ/あるいは腎疾患の症状または腎傷害の症状を発症することに関してモニタリングすべきである患者の部分集団を特定するために用いることができる。
定義
本明細書を解釈する目的のために、以下の定義が適用され、適切な場合はいつでも、単数形で用いられる用語は複数形を含むであろうし、逆もまた同じである。
本明細書中で用いる場合、「腎臓」(kidney)および「腎」(renal)との用語は相互に交換可能に用いられ、「腎健康度」、「腎臓健康度」、「腎状態」および「腎臓状態」との用語は相互に交換可能に用いられ、「腎損傷」、「腎臓損傷」、「腎傷害」および「腎臓傷害」との用語は相互に交換可能に用いられ、「腎障害」、「腎臓障害」、「腎疾患」および「腎臓疾患」との用語は相互に交換可能に用いられ、「腎移植片」および「腎臓移植片」との用語は相互に交換可能に用いられる。
「障害」または「疾患」および「傷害」または「損傷」との用語は、本明細書中では相互に交換可能に用いられ、臓器機能および/もしくは組織機能の性能を妨害または阻害し(例えば、臓器機能障害を引き起こす)、かつ/または疾患に悩まされる被験体での不快感、機能障害、苦痛などの症状、もしくは死さえも引き起こす、身体またはその臓器および/もしくは組織のうちの1つの状態でのいずれかの変化を指す。
腎傷害、腎疾患または腎移植片拒絶を発症する「リスクを有する」(at risk)個体は、検出可能な疾患または症状を有しても有しなくてもよく、また、本明細書中に記載される治療方法に先立って、検出可能な疾患もしくは疾患の症状を提示していても提示していなくてもよい。「リスクを有する」とは、本明細書中に記載され、かつ当技術分野で公知である通りの、腎傷害、腎疾患、または腎移植片拒絶の発症に相関する測定可能なパラメータである1種以上のリスク因子を、個体が有することを意味する。それらのリスク因子のうちの1種以上を有する被験体は、それらのリスク因子のうちの1種以上を有しない被験体よりも、腎傷害、腎疾患、または腎移植片拒絶を発症する可能性が高い。
「個体」は「患者」であり得る。「患者」とは、治療を行なう医師のケアの下にある「個体」を意味する。一実施形態では、患者は、腎損傷または腎傷害に罹患している。別の実施形態では、患者は、腎疾患または腎障害に罹患している。別の実施形態では、患者は、腎移植を受けたことがあり、かつ腎移植片拒絶を経験している最中である。また他の実施形態では、患者は、腎傷害、腎疾患、または腎移植片拒絶を有すると診断されたことがあるが、診断に対処するいずれの治療も受けたことがない。
「患者部分集団」および文法上のその変化形は、本明細書中で用いる場合、患者サブセットを、該サブセットが属するさらに広い疾患分類にある他のものと区別する、1種以上の際立った測定可能かつ/または特定可能な特性を有するとして特徴付けられる患者サブセットを意味する。そのような特性としては、任意により本明細書中に記載されかつ治療を行なう医師を含む当業者に公知である症状のうちのいずれかと組み合わせて、腎傷害、腎疾患、または腎移植片拒絶を有するかまたはそれらを発症するリスクを有することの特徴であるとして本明細書中に記載される、増大した量の尿中cfDNAを有することが挙げられる。
本明細書中で用いる場合、「生物学的サンプル」との用語は、例えば、物理的、生化学的、化学的および/もしくは生理学的特性に基づいて特徴付けられかつ/または特定される細胞物質および/または他の分子物質を含有する、個体から得られるかまたは個体に由来する組成物を意味する。一実施形態では、サンプルは尿である。他の実施形態では、サンプルは、体液(血液、血清、血漿、唾液、喀痰、胃液、精液、涙液、汗等)、皮膚、毛髪、細胞、生検、または組織標本である。
本明細書中で用いる場合、「予測すること」および「予測」とは、100%の確実性で起こるであろうイベントを意味しない。その代わりに、この用語は、どちらかといえば起こるであろうイベントを意味することが意図される。「予測する」または「予測を行なう」ために取られる行動は、イベントがどちらかといえば起こるであろう尤度の決定を含むことができる。本明細書中に記載される複数の因子の評価を、そのような決定または予測を行なうために用いることができる。
「関連付ける(相関させる)」または「関連付ける(相関させる)こと」とは、第1の分析もしくはプロトコールの性能および/または結果を、第2の分析もしくはプロトコールの性能および/または結果と、何らかの方法で比較することを意味する。例えば、第2のプロトコールを行なう際に第1の分析もしくはプロトコールの結果を用いることができ、かつ/または、第2の分析もしくはプロトコールを実施するべきか否かを決定するために、第1の分析もしくはプロトコールの結果を用いることができる。個体由来の尿サンプルに対して行なわれる常染色体コピー数決定またはALUコピー数評価の実施形態に関して、特異的治療レジメンをその個体に対して実施するべきか否かを決定するために、結果を用いることができる。
「診断」との用語は、医学的もしくは病理学的状態、疾患または症状の特定または分類を意味するために本明細書中で用いられる。例えば、「診断」は、腎傷害、腎疾患、または腎移植片拒絶の特定を意味する場合がある。「診断」はまた、腎傷害、腎疾患、または腎移植片拒絶の重症度の分類を意味する場合もある。腎傷害、腎疾患、または腎移植片拒絶の診断は、当業者(例えば、腎臓専門医)であれば用いるであろういずれかのプロトコールに従って行なうことができる。
「診断を補助すること」との用語は、腎傷害、腎疾患、もしくは腎移植片拒絶の徴候または症状の特定のタイプの存在、程度または他の性質に関する臨床的判断を行なうことを助ける方法を意味するために、本明細書中で用いられる。例えば、腎傷害、腎疾患、または腎移植片拒絶の診断を補助する方法は、個体由来の尿サンプル中のいずれかの常染色体、1番染色体、Y染色体、またはALUリピートの量を測定するステップを含むことができる。
「予後診断」との用語は、腎傷害、腎疾患、もしくは腎移植片拒絶の発症および/または再発の尤度の予測を意味するために本明細書中で用いられる。本発明の予測方法は、いずれかの特定の患者に対する最適な治療手順を選択することにより、治療上の決定を臨床的に行なうために用いることができる。本発明の予測方法は、患者が、腎傷害、腎疾患、もしくは腎移植片拒絶を発症しそうであるか、腎傷害、腎疾患、もしくは腎移植片拒絶の再発、および/または腎傷害、腎疾患、もしくは腎移植片拒絶症状の悪化を生じそうであるかを予測すること、および/またはそうであるか否かに関する診断を補助することでの有益なツールである。
「治療すること」および「治療」とは、個体の自然経過を変化させようとする臨床的介入を意味し、臨床的診断もしくは予後診断の経過の前、その最中、またはその後に行なうことができる。治療の望ましい効果としては、腎傷害、腎疾患、もしくは腎移植片拒絶またはその症状もしくは徴候の発生または再発を予防すること、腎傷害、腎疾患、もしくは腎移植片拒絶の症状または徴候を緩和すること、腎傷害、腎疾患、もしくは腎移植片拒絶のいずれかの直接的または間接的な病理学的帰結を軽減すること、腎傷害、腎疾患、もしくは腎移植片拒絶の進行の速度または重症度を減少させること、および/あるいは腎傷害、腎疾患、もしくは腎移植片拒絶を改善または軽減することが挙げられる。一部の実施形態では、本発明の方法および組成物は、腎傷害、腎疾患、または腎移植片拒絶を発症するリスクを有することが明らかになっている患者部分集団に対して用いられる。一部のケースでは、本発明の方法および組成物は、腎傷害、腎疾患、または腎移植片拒絶の発症を遅らせるための努力で有用である。有益な、または望ましい臨床結果は、公知であるか、または当業者が容易に取得することができる。例えば、有益な、または望ましい臨床結果としては、限定するものではないが、以下のもののうちの1種以上が挙げられる:腎傷害のモニタリング、腎傷害の検出、腎傷害のタイプを特定すること、腎移植専門医が、患者を生検に進ませるべきか否かを決断すること、ならびに臨床管理および治療的介入の目的のための決定を行なうことを助けること。
「予防」、「予防的治療」(prophylactic treatment)、または「予防的治療」(preventive treatment)とは、1種以上の症状の発生および/またはそれらの元になる原因の予防、例えば、疾患または症状を発症し易い(例えば、遺伝的素因、環境因子、素因疾患または障害などの結果として、高リスクを有する)患者での疾患または症状の予防を意味する。
本明細書中で用いる場合、腎傷害、腎疾患、もしくは腎移植片拒絶の進行または発症を「遅らせる」とは、それらの発症を引き延ばす、妨害する、遅延させる、遅滞させる、安定させる、および/または先送りにすることを意味する。この遅延は、障害および/または治療される個体の病歴に応じて、時間の長さを変化させることに関するものであり得る。本明細書中に記載される組成物および方法は、どの個体もしくは患者が腎傷害、腎疾患、または腎移植片拒絶の遅延を有し得るかを決定するのを助けることができる。
「有効量」との用語は、所望の治療転帰を提供するのに十分な量での、腎傷害、腎疾患、または腎移植片拒絶の治療のための医薬製剤の量を意味する。有効量は、1回以上の用量以内に含まれることができ、すなわち、単回用量または複数用量が、所望の治療エンドポイントを達成するために必要とされる場合がある。本明細書中に記載される組成物および方法は、どの個体または患者が有効量の医薬製剤を投与されることができるか、または投与されるべきかを決定するのを助けることができる。
「治療上有効量」とは、所望の治療転帰(例えば、疾患または症状の重症度の低減)をもたらすのに十分な、腎傷害、腎疾患、または腎移植片拒絶の治療のための医薬製剤の量を意味する。「予防上有効量」とは、疾患もしくは症状に罹り易いか、かつ/または疾患もしくは症状を発症し得る個体に投与される場合に、将来の疾患または症状を予防するかまたはその重症度を低減させるのに十分な、腎傷害、腎疾患、または腎移植片拒絶の治療のための医薬製剤の量を意味する。
「予測すること」または「予測」とは、個体が治療レジメンに対して好ましくまたは好ましくなくのいずれかで応答しそうである尤度を意味するために、本明細書中で用いられる。
本明細書中で用いる場合、「治療を開始する時点での」または「ベースライン」とは、治療に対する最初の曝露の時点またはそれに先立つ期間を意味する。
本明細書中で用いる場合、「に基づく」とは、本明細書中に記載される通りの個体の特性を評価し、決定し、または測定すること(および好ましくは、治療を受けるために好適な個体を選択すること)を含む。常染色体のコピー数または総ALUコピー数を、本明細書中に記載される治療および/または予防の方法を選択、評価、測定、または決定するための基礎として用いる場合、治療の前および/または最中にマーカーが測定され、得られた値が、以下の項目のうちのいずれかを評価する際に医師により用いられる:(a)個体が最初に治療を受けることに対する、可能性があるかまたはありそうな好適性;(b)個体が最初に治療を受けることに対する、可能性があるかまたはありそうな不適当性;(c)治療に対する応答性;(d)個体が治療を受け続けることに対する、可能性があるかまたはありそうな好適性;(e)個体が治療を受け続けることに対する、可能性があるかまたはありそうな不適当性;または(f)臨床的利益の尤度を予測すること。当業者にはよく理解されるであろう通り、臨床設定での個体健康度に関連する生活の質の評価は、このパラメータが、本明細書中に記載される治療の投与を開始、継続、および/または中止するための基礎として用いられた、明らかな適用である。
本明細書中に記載される本発明の態様および実施形態は、態様および実施形態「からなる」かつ/または「実質的にからなる」を含むことが理解される。
本明細書中で用いる場合、「検出する」との用語は、例えば、核酸、DNA、RNA、ゲノムDNA、dd-cfDNA、cfDNA、尿中DNAなどの1種以上のバイオマーカーの、検出不可能な、低い、正常な、または高い濃度の定量測定を意味する。
本明細書中で用いる場合、「定量化する」および「定量化」との用語は、相互に交換可能に用いることができ、サンプル中の物質(例えば、常染色体)の分量または存在量(相対量または絶対量にかかわらず)を測定するプロセスを意味する。
「約」ある値またはパラメータへの参照は、本明細書中では、その値またはパラメータそれ自体に向けられた実施形態を含む(および記載する)。例えば、「約X」を参照する記載は、「X」の記載を含む。「約」との用語は、所望の結果に影響することなく、所与の値がエンドポイントの「少し上」または「少し下」であり得るものとすることにより、数値範囲エンドポイントに柔軟性を与えるために用いられる。濃度、量、および他の数値データは、範囲の形式で本明細書中で表現または提示される場合がある。そのような範囲の形式は、便利さおよび簡潔さのためだけに用いられ、したがって、範囲の限界として明記された数値のみを含むのではなく、各数値および部分範囲が明記されているかのように、その範囲内に含まれるすべての個別の数値または部分範囲も含まれると柔軟に解釈されるべきであることが理解されるはずである。
本明細書および添付の特許請求の範囲で用いる場合、単数形「a」、「an」および「the」は、文脈がそうでないことを明らかに示してない限り、複数の指示対象を含む。
「任意の」または「任意により」とは、続けて記載されるイベントまたは状況が生じ得るかまたは生じ得ないこと、ならびに記載がイベントまたは状況が生じる場合の例および生じない場合の例を含むことを意味する。
当業者には明らかな通り、治療について評価され、選択され、かつ/または治療を受ける個体は、治療についての評価、選択および/または治療を受ける必要がある個体であり得る。
一般的技術
そうでないことが定義されない限り、本明細書中で用いられる技術および科学用語は、本発明が属する分野の当業者により通常理解されるのと同じ意味を有する。
本発明の実施は、特に示さない限り、当業者の技能の範囲内である、分子生物学(組み換え技術を含む)、微生物学、細胞生物学、生化学および免疫学の慣用技術を利用するであろう。そのような技術は、以下のものなどの文献中に完全に説明されている:Molecular Cloning: A Laboratory Manual, second edition (Sambrook et al., 1989);Oligonucleotide Synthesis (M.J. Gait, ed., 1984);Animal Cell Culture (R.I. Freshney, ed., 1987);Handbook of Experimental Immunology (D.M. Weir & C.C. Blackwell, eds.);Gene Transfer Vectors for Mammalian Cells (J.M. Miller & M.P. Calos, eds., 1987);Current Protocols in Molecular Biology (F.M. Ausubel et al., eds., 1987);PCR: The Polymerase Chain Reaction, (Mullis et al., eds., 1994);Current Protocols in Immunology (J.E. Coligan et al., eds., 1991);The Immunoassay Handbook (D. Wild, ed., Stockton Press NY, 1994);Bioconjugate Techniques (Greg T. Hermanson, ed., Academic Press, 1996);およびMethods of Immunological Analysis (R. Masseyeff, W.H. Albert, and N.A. Staines, eds., Weinheim: VCH Verlags gesellschaft mbH, 1993)。本発明の実施はまた、Aging Cell (2013 Feb 25, Characterization of the role of distinct plasma cfDNA (cfDNA) species in age-associated inflammation and frailty; Jylhava J, Nevalainen T, Marttila S, Jylha M, Hervonen A, Hurme M.)、およびClinical Biochemistry (44 (2011) 1074-1079)に記載されている通りの、ALUリピートの測定の複数のアプローチも利用することができる。
腎状態
本発明は、個体での腎状態を評価するために用いることができる組成物および方法を提供する。そのような評価は、医学的問題に対処するためにさらなる投薬が行われるか、またはもはや医学的に不要である場合に投薬が減少される(中止を含む)などの医学的介入を個体が必要とする際に、診断に有用である。本発明の組成物および方法は、個体が、変化した腎状態、悪化した腎状態、腎疾患、腎損傷、腎傷害、腎移植片拒絶を有するか、またはこれらの状態に対する治療に不応性である場合を決定するために用いることができる。
本明細書中で用いる場合、悪化した腎状態としては、限定するものではないが、腎損傷、腎傷害、腎疾患、腎障害、腎移植片拒絶、または腎損傷、腎傷害、腎疾患、腎障害もしくは腎移植片拒絶に対する治療に不応性であることが挙げられる。例えば、悪化した腎状態を有する個体は、腎疾患もしくは腎傷害の症状を発症するリスクを有する個体、腎疾患もしくは腎傷害が退行した個体、腎移植片傷害もしくは腎移植片拒絶の症状を発症するリスクを有する個体、または腎移植片傷害もしくは腎移植片拒絶が退行した個体であり得る。
本明細書で用いる場合、変化した腎状態としては、限定するものではないが、個体の腎損傷、腎傷害、腎疾患、腎障害、腎移植片拒絶、または腎損傷、腎傷害、腎疾患、腎障害もしくは腎移植片拒絶に対する治療への応答性の変化が挙げられる。
腎疾患または腎障害は多様であるが、腎疾患を有する個体は、特徴的な臨床上の特性を高頻度で示す。腎臓に関する一般的な臨床状態としては、限定するものではないが、腎炎症候群およびネフローゼ症候群、腎嚢胞、急性腎傷害、慢性腎疾患、糖尿病誘導性腎症、尿路感染、腎結石症、および尿路閉塞、糸球体腎炎(巣状分節状糸球体硬化症(FSGS)、IgA腎症、膜性増殖性糸球体腎炎、ループス腎症および膜性糸球体腎炎など)、高血圧性腎症、および薬剤性腎症が挙げられる。腎疾患はまた、存在する腎臓の様々な癌も含むことができる。例えば、そのような癌としては、限定するものではないが、腎細胞癌、腎盂の尿路上皮細胞癌、扁平上皮癌、傍糸球体細胞腫(腎腫(reninoma))、血管筋脂肪腫、腎好酸性顆粒細胞腫(renal oncocytoma)、ベリニ管癌、腎臓の明細胞肉腫、中胚葉性腎腫、ウィルムス腫瘍、混合型上皮間質性腫瘍(mixed epithelial stromal tumor)、明細胞腺癌、移行上皮癌、内反乳頭腫、腎リンパ腫、奇形腫、癌肉腫、および腎盂のカルチノイド腫瘍が挙げられる。腎疾患はまた、ウイルス誘導性でもあり得、限定するものではないが、BKV腎症ならびにEBVおよびCMVにより引き起こされる腎症を含む。腎疾患はまた、一部の医薬は腎毒性である(腎臓を傷つける高いリスクを有する)ので、薬物誘導性でもあり得る。最も悪いケースでは、薬物が腎不全を引き起こし、他のケースでは、腎臓が損傷されるが機能しなくなるわけではない。一般的な腎毒性薬物としては、限定するものではないが、非ステロイド系抗炎症薬(NSAID)、一部の抗生物質、一部の鎮痛剤、および一部の画像取得手順のために用いられる放射線造影剤が挙げられる。
いくつかの腎臓の症状は、腎臓の除去、または腎摘出術により対応することができる。糸球体ろ過率により測定される腎機能が永続的に損なわれている場合には、透析および腎臓移植が治療オプションであり得る。
腎移植の適応症は、主因によらず、末期腎疾患(ESRD)である。腎移植片傷害または腎移植片拒絶、腎同種移植片傷害または腎同種移植片拒絶は、腎移植を受けたことがある患者で発症し得る。これは、例えば、虚血再灌流傷害、サイズ相違、ドナー関連要因、細胞媒介拒絶、および抗体媒介拒絶などのいくつかの免疫因子および非免疫因子によって生じ得る。移植後の問題としては、以下のものが挙げられる:移植拒絶(超急性、急性または慢性)、拒絶のリスクを減少させるために必要とされる免疫抑制剤に起因する感染症および敗血症、移植後リンパ増殖性疾患(免疫抑制剤に起因するリンパ腫の一形態)、とりわけ骨の問題を引き起こし得るカルシウムおよびリン酸イオンをはじめとする電解質の不均衡、ならびに消化器炎および胃および食道の潰瘍、多毛症(男性型分布での過剰な毛髪増殖)、脱毛、肥満、座瘡、2型糖尿病、高コレステロール血症、および骨粗鬆症をはじめとする他の副作用。
個体および/または患者集団
本発明の組成物および方法は、いずれの個体にも適用可能である。一実施形態では、個体は患者である。他の実施形態では、本組成物および方法は、医学的介入を必要とする個体(例えば、患者)の部分集団を特定するために用いることができる。
一部の実施形態では、常染色体コピー数、1番染色体コピー数、またはALUリピート数を決定するために尿中cfDNAが調べられる個体は、腎疾患、腎傷害、腎移植片傷害、もしくは腎移植片拒絶を発症するリスクを有するか、腎疾患、腎傷害、腎移植片傷害もしくは腎移植片拒絶に罹患しているか、腎疾患、腎傷害、腎移植片傷害、もしくは腎移植片拒絶に対して治療されているか、腎疾患、腎傷害、腎移植片傷害、もしくは腎移植片拒絶が進行してきているか、または腎疾患、腎傷害、腎移植片傷害、もしくは腎移植片拒絶が退行した個体であり得る。他の実施形態では、常染色体コピー数、1番染色体コピー数、またはALUリピート数を決定するために尿中cfDNAが調べられる個体は、腎移植、同種腎移植を受けたことがあるか、または腎疾患の家族歴を有する個体である。一実施形態では、常染色体コピー数、1番染色体コピー数、またはALUリピート数を決定するために尿中cfDNAが調べられる個体は、腎臓移植後に急性拒絶(AR)エピソードに見舞われたことがある個体である。また他の実施形態では、常染色体コピー数、1番染色体コピー数、またはALUリピート数を決定するために尿中cfDNAが調べられる個体は、高い血圧(高血圧)に見舞われている個体、糖尿病に罹患している個体、全身性エリテマトーデスに罹患している個体、または心血管疾患に罹患している個体である。他の実施形態では、個体は50歳超であり、55歳超であり、60歳超であり、65歳超であり、70歳超であり、または75歳超である。
使用方法
尿中cfDNAを調べることにより、腎状態を評価し、かつ腎健康度を判断する方法が、本明細書中に提供される。腎臓移植患者での腎移植片傷害および腎移植片拒絶を評価する方法が、本明細書中でさらに提供される。
具体的には、腎移植片傷害もしくは腎移植片拒絶の症状を発症するリスクを有する個体を特定するために、腎移植片傷害もしくは腎移植片拒絶の進行をモニタリングするために、腎移植片傷害もしくは腎移植片拒絶の退行をモニタリングするために、腎移植片傷害もしくは腎移植片拒絶に対して治療されている個体での治療への応答をモニタリングするために、腎移植片傷害もしくは腎移植片拒絶の発症のリスクを特定および/または予測するために、腎移植片傷害もしくは腎移植片拒絶に対する治療を開始もしくは継続すべき患者の部分集団を特定するために、腎移植片傷害もしくは腎移植片拒絶に対する治療の有効性を評価するために、かつ/あるいは腎移植片傷害もしくは腎移植片拒絶の症状を発症することに関してモニタリングすべきである患者の部分集団を特定するために、個体のcfDNAを調べる方法が、本明細書中に提供される。また具体的には、腎疾患もしくは腎傷害を発症するリスクを有する個体を特定するために、腎疾患もしくは腎傷害の進行をモニタリングするために、腎疾患もしくは腎傷害の退行をモニタリングするために、腎疾患もしくは腎傷害に対して治療されている個体での治療への応答をモニタリングするために、腎疾患もしくは腎傷害の発症のリスクを特定および/または予測するために、腎疾患もしくは腎傷害に対する治療を開始もしくは継続すべき患者の部分集団を特定するために、腎疾患もしくは腎傷害に対する治療の有効性を評価するために、かつ/あるいは腎疾患の症状もしくは腎傷害の症状を発症することに関してモニタリングすべきである患者の部分集団を特定するために、個体のcfDNAを調べる方法もまた、本明細書中に提供される。
そのような腎状態評価方法は、個体由来の尿サンプルから抽出されたcfDNAを測定するステップを含む。
一実施形態では、個体の腎状態を評価するための方法は、尿サンプル中のALUリピート数を決定するステップ、および正常集団由来の尿サンプル中のALUリピートの標準的な数に対して、または別の方法で予め決定された標準レベルに対して、該ALUリピート数を比較するステップを含み、ここで、ALUリピート数の変化は、変化した腎状態を示すものである。1番染色体のコピー数が標準的コピー数よりも高いと決定される場合、個体での悪化した腎状態が示される。1番染色体のコピー数が標準的コピー数と同じかまたはそれよりも低いと決定される場合、良好な腎健康度が示される。
別の実施形態では、個体の腎状態を評価するための方法は、尿サンプル中のいずれかの染色体のコピー数を決定するステップ、および正常集団由来の尿サンプル中の該染色体の標準的コピー数に対して、または別の方法で予め決定された標準レベルに対して、該染色体のコピー数を比較するステップを含み、ここで、コピー数の変化は、変化した腎状態を示すものである。該染色体のコピー数が標準的コピー数よりも高いと決定される場合、個体での悪化した腎状態が示される。該染色体のコピー数が標準的コピー数と同じかまたはそれよりも低いと決定される場合、良好な腎健康度が示される。
別の実施形態では、個体の腎状態を評価するための方法は、尿サンプル中での1番染色体、2番染色体、3番染色体、4番染色体、5番染色体、6番染色体、7番染色体、8番染色体、9番染色体、10番染色体、11番染色体、12番染色体、13番染色体、14番染色体、15番染色体、16番染色体、17番染色体、18番染色体、19番染色体、20番染色体、21番染色体、22番染色体、X染色体、および/またはY染色体のコピー数を決定するステップ、および正常集団由来の尿サンプル中の該染色体の標準的コピー数に対して、または別の方法で予め決定された標準レベルに対して、該染色体のコピー数を比較するステップを含み、ここで、コピー数の変化は、変化した腎状態を示すものである。該染色体のコピー数が標準的コピー数よりも高いと決定される場合、個体での悪化した腎状態が示される。該染色体のコピー数が標準的コピー数と同じかまたはそれよりも低いと決定される場合、良好な腎健康度が示される。
別の実施形態では、個体の腎状態を評価するための方法は、尿サンプル中のいずれかの常染色体のコピー数を決定するステップ、および正常集団由来の尿サンプル中の該染色体の標準的コピー数に対して、または別の方法で予め決定された標準レベルに対して、該染色体のコピー数を比較するステップを含み、ここで、コピー数の変化は、変化した腎状態を示すものである。該常染色体のコピー数が標準的コピー数よりも高いと決定される場合、個体での悪化した腎状態が示される。該常染色体のコピー数が標準的コピー数と同じかまたはそれよりも低いと決定される場合、良好な腎健康度が示される。
別の実施形態では、個体の腎状態を評価するための方法は、尿サンプル中のいずれかの性染色体のコピー数を決定するステップ、および正常集団由来の尿サンプル中の該染色体の標準的コピー数に対して、または別の方法で予め決定された標準レベルに対して、該染色体のコピー数を比較するステップを含み、ここで、コピー数の変化は、変化した腎状態を示すものである。
別の実施形態では、個体の腎状態を評価するための方法は、尿サンプル中の1番染色体のコピー数を決定するステップ、および正常集団由来の尿サンプル中の1番染色体の標準的コピー数に対して、または別の方法で予め決定された標準レベルに対して、1番染色体のコピー数を比較するステップを含み、ここで、1番染色体のコピー数の変化は、変化した腎状態を示すものである。1番染色体のコピー数が標準的コピー数よりも高いと決定される場合、個体での悪化した腎状態が示される。1番染色体のコピー数が標準的コピー数と同じかまたはそれよりも低いと決定される場合、良好な腎健康度が示される。
セルフリーを定量するための方法、染色体コピー数を決定するための方法、およびALUリピート数を決定するための方法
一実施形態では、個体の尿からcfDNAを定量することができる。尿は、当業者により実施されるいずれかの標準的な方法により収集することができる。例えば、尿は、中間尿採取法(clean catch method)を用いて取得することができる。中間尿採取法は、尿収集の一方法であり、該方法では、患者は、トイレットペーパー(sanitation wipe)を用いて陰部を拭き取り、尿の最初の一部分を捨て、続いて、排尿の間、無菌コップに中間尿を回収する。この方法を用いると、50〜100mLの尿が収集され、次に20分間、2000×gにて遠心分離する。5mLの上清からの循環cfDNAを、製造業者の使用説明書に従って、QIAamp Circulating Nucleic Acid Kit(Qiagen社)を用いて、精製および濃縮する。
別の実施形態では、個体の血漿から循環cfDNAを定量することができる。血漿は、当業者により実施されるいずれかの標準的な方法により収集することができる。そのような実施形態では、cfDNAは、QIAamp Circulating Nucleic Acid Kit(Qiagen社)または類似の製品を用いて、精製および濃縮することができる。尿または血漿のいずれかから取得された総cfDNAは、次に定量することができる。総cfDNAを定量するための一方法は、製造業者の使用説明書およびClinica Chimica Acta (327 (2003) 95-101 by Chen et al, (2003))に提供されるプロトコールに従って、Quant-iTTM PicoGreen dsDNA Reagents and Kits(Invitrogen社)を用いることによる。一実施形態では、尿サンプル由来の総cfDNAが定量される。別の実施形態では、血漿由来の総cfDNAが定量される。
別の実施形態では、染色体のコピー数またはALUリピート数が決定される。特定の実施形態では、そのようなコピー数およびALUリピートを決定するために、リアルタイムPCR、定量的PCR、および/またはデジタルPCRが用いられる。他の実施形態では、蛍光in situハイブリダイゼーション、比較ゲノムハイブリダイゼーション、ならびにアレイ比較ゲノムハイブリダイゼーション(aCGH)およびSNPアレイ技術に基づく高解像度アレイベース試験が用いられる。
一実施形態では、デジタルPCRを、いずれかの染色体のコピー数、またはいずれかの常染色体のコピー数、またはいずれかの性染色体のコピー数を決定するために用いることができる。より具体的には、1番染色体、2番染色体、3番染色体、4番染色体、5番染色体、6番染色体、7番染色体、8番染色体、9番染色体、10番染色体、11番染色体、12番染色体、13番染色体、14番染色体、15番染色体、16番染色体、17番染色体、18番染色体、19番染色体、20番染色体、21番染色体、および/または22番染色体のコピー数を決定するために、デジタルPCRを用いることができる。同様に、Y染色体またはX染色体のコピー数を決定するために、デジタルPCRを用いることができる。1つの具体的な実施形態では、1番染色体のコピー数を決定するために、デジタルPCRを用いることができる。別の一般的な実施形態では、サンプル中のALUリピート数を決定するために、デジタルPCRを用いることができる。
一実施形態では、デジタルPCR、リアルタイムPCR、または定量的PCRを行なうことが可能なプライマーセットは、少なくとも20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、105、110、115、120、125、130、135、140、145、150、155、160、165、170、175、180、190、200、210、220、230、250、または300塩基対のアンプリコンを増幅する。別の実施形態では、デジタルPCR、リアルタイムPCR、または定量的PCRを行なうことが可能なプライマーセットは、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、105、110、115、120、125、130、135、140、145、150、155、160、165、170、175、180、190、200、210、220、230、250、または300塩基対以下のアンプリコンを増幅する。本明細書中の実施形態のいずれかでは、アンプリコンは、上述および本明細書中に記載される下限および上限のいずれかから選択される範囲であり得る。1つの具体的な実施形態では、アンプリコンは81塩基対の長さである。別の具体的な実施形態では、アンプリコンは84塩基対の長さである。別の具体的な実施形態では、アンプリコンは115塩基対の長さである。
一実施形態では、デジタルPCR、リアルタイムPCR、または定量的PCRを行なうことが可能なフォワードプライマー、リバースプライマー、またはプローブは、GCリッチである。一実施形態では、デジタルPCR、リアルタイムPCR、または定量的PCRを行なうことが可能なフォワードプライマー、リバースプライマー、またはプローブは、GCリッチでない。別の実施形態では、デジタルPCR、リアルタイムPCR、または定量的PCRを行なうことが可能なプライマーセットは、少なくとも10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、または80%GCリッチである。別の実施形態では、デジタルPCR、リアルタイムPCR、または定量的PCRを行なうことが可能なプライマーセットは、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、または80%以下のGCリッチである。
一実施形態では、デジタルPCR、リアルタイムPCR、または定量的PCRを行なうことが可能なフォワードプライマー、リバースプライマー、またはプローブは、少なくとも10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、40、45、50、55、または60塩基対長である。一実施形態では、デジタルPCR、リアルタイムPCR、または定量的PCRを行なうことが可能なフォワードプライマー、リバースプライマー、またはプローブは、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、40、45、50、55、または60以下の塩基対長である。
1つの具体的な実施形態では、デジタルPCRを、ALUリピート数を決定するために用いることができる。そのような実施形態を実施するために、FastStart TaqMan Probe Master Mix with Rox(Roche社)を、対象となる遺伝子座のアンプリコンを増幅するために適切なプライマーおよびプローブと共に準備する。一実施形態では、ALU遺伝子座を増幅するために、以下のプライマーセットを用いることができる:フォワードプライマー 5'-GGAGGCTGAGGCAGGAGAA-3';リバースプライマー 5'-ATCTCGGCTCACTGCAACCT-3'、およびプローブ 5'-(FAM)CGCCTCCCGGGTTCAAGCG-3'。別の実施形態では、115塩基対ALU遺伝子座を増幅するために、以下のプライマーセットを用いることができる:フォワードプライマー 5'-GCCTGTAATCCCAGCTACTC-3';リバースプライマー 5'-ATCTCGGCTCACTGCAAC-3';およびプローブ 5'-HEXTCAAGCGATTCTCCTGCCTCAGC-BHQ-3'。
別の具体的な実施形態では、デジタルPCRを、1番染色体のコピー数を決定するために用いることができる。そのような実施形態を実施するために、FastStart TaqMan Probe Master Mix with Rox(Roche社)を、対象となる遺伝子座のアンプリコンを増幅するために適切なプライマーおよびプローブと共に準備する。例えば、1番染色体上の遺伝子座EIF2C1の81塩基対アンプリコンを増幅するために、以下のものを用いることができる:フォワードプライマー 5'-GTTCGGCTTTCACCAGTCT;リバースプライマー 5'-CTCCATAGCTCTCCCACTC;プローブ HEX-CGCCCTGCCATGTGGAAGAT-BHQ1。
別の具体的な実施形態では、デジタルPCRを、Y染色体のコピー数を決定するために用いることができる。そのような実施形態を実施するために、FastStart TaqMan Probe Master Mix with Rox(Roche社)を、対象となる遺伝子座のアンプリコンを増幅するために適切なプライマーおよびプローブと共に準備する。例えば、Y染色体上の遺伝子座DYS 14(マルチコピー遺伝子座)の84塩基対アンプリコンを増幅するために、以下のプライマーセットを用いることができる:フォワードプライマー 5'-ATCGTCCATTTCCAGAATCA;リバースプライマー 5'-GTTGACAGCCGTGGAATC;プローブ:5'-FAM-TGCCACAGACTGAACTGAATGATTTTC-BHQ1。
別の具体的な実施形態では、デジタルPCRを、Y染色体のコピー数を決定するために用いることができる。そのような実施形態を実施するために、FastStart TaqMan Probe Master Mix with Rox(Roche社)を、対象となる遺伝子座のアンプリコンを増幅するために適切なプライマーおよびプローブと共に準備する。例えば、Y染色体上の遺伝子座SRY(単一コピー遺伝子座)の84塩基対アンプリコンを増幅するために、以下のプライマーセットを用いることができる:フォワードプライマー 5'-CGCTTAACATAGCAGAAGCA;リバースプライマー 5'-AGTTTCGAACTCTGGCACCT;およびプローブ 5'-FAM-TGTCGCACTCTCCTTGTTTTTGACA-BHQ1。
デジタルPCRのために調製されたサンプルは、BioMarkリアルタイムPCRシステム(Fluidigm社)を用いて12.765デジタルアレイチップ上にロードすることができる。データは、Digital PCR Analysis Software v3.0を用いて、抽出および評価することができる。各染色体のコピー数は、以下の等式を用いて算出することができる:(382/パネル/4.59μL/パネル)×(8μL反応混合物/1μL DNA)=コピー/μLの元のサンプル中。
1つの染色体のコピー数と別の染色体のコピー数との間の、ある染色体上の1つの遺伝子座と同じ染色体上の別の遺伝子座との間の、または1つの染色体のコピー数とALUリピート数との間の相関は、定量化して表わすことができる。そのような相関は、腎疾患、腎傷害、腎移植片傷害、または腎移植片拒絶を検出するための特定のプライマーセットの感度および予測可能性を決定するために行なうことができる。そのような相関はまた、特定の体液、またはサンプルに対してプライマーセットを最適化するために行なうこともできる。
本明細書中に記載される通り、総cfDNAの、少なくとも1種の染色体のコピー数の、少なくとも1種の常染色体のコピー数の、1番染色体のコピー数の、少なくとも1種の性染色体のコピー数の、またはALUリピート数の定量化および決定は、尿および/または血漿サンプルを用いて行なうことができ、かつ尿タンパク質の測定と組み合わせることができる。1つの具体的な実施形態では、尿タンパク質はクレアチニンである。さらに、総cfDNAの、少なくとも1種の染色体のコピー数の、少なくとも1種の常染色体のコピー数の、1番染色体のコピー数の、少なくとも1種の性染色体のコピー数の、またはALUリピート数の定量化および決定は、尿および/または血漿サンプルを用いて行なうことができ、かつ他の病理学的データおよび臨床データの測定と組み合わせることができる。そのような病理学的データおよび臨床データとしては、限定するものではないが、医用画像、他の血液検査、腎生検、糸球体ろ過率(GFR)測定(1分間当たりにろ過される血漿水の量)、補正GFR(cGFR)測定(体表面積に関する補正率を伴うGFR)、タンパク尿測定等が挙げられる。
標準レベル
本明細書中に提供される方法を用いて、部分的には、少なくとも1種の染色体のコピー数を決定するステップ、少なくとも1種の常染色体のコピー数を決定するステップ、少なくとも性染色体のコピー数を決定するステップ、特に1番染色体のコピー数を決定するステップ、特にY染色体のコピー数を決定するステップ、尿サンプル中のALUリピート数を決定するステップ、および正常集団由来の尿サンプル中の標準的コピー数に対して、または別の方法で予め決定された標準レベルに対して、その数を比較するステップにより、個体での腎状態を評価し、ここで、数の変化は、変化した腎状態を示すものである。
一実施形態では、正常集団由来の尿サンプル中の染色体の標準的コピー数は、正常集団でのその特定の染色体のコピー数の平均を測定することにより決定される。一実施形態では、正常集団由来の尿サンプル中の染色体の標準的コピー数は、正常集団でのその特定の染色体のコピー数の中央値を測定することにより決定される。一実施形態では、正常集団由来の尿サンプル中の染色体の標準的コピー数は、正常集団でのその特定の染色体のコピー数の範囲を測定することにより決定される。
一実施形態では、正常集団由来の尿サンプル中の1番染色体についての標準的コピー数は、正常集団での1番染色体のコピー数の平均を測定することにより決定される。一実施形態では、正常集団由来の尿サンプル中の1番染色体についての標準的コピー数は、正常集団での1番染色体のコピー数の中央値を測定することにより決定される。一実施形態では、正常集団由来の尿サンプル中の1番染色体についての標準的コピー数は、正常集団での1番染色体のコピー数の範囲を測定することにより決定される。
一実施形態では、正常集団由来の尿サンプル中のALUリピートの標準的な数は、正常集団でのALU遺伝子座のリピートの平均数を測定することにより決定される。一実施形態では、正常集団由来の尿サンプル中の1番染色体についての標準的コピー数は、正常集団でのALU遺伝子座のリピート数の中央値を測定することにより決定される。一実施形態では、正常集団由来の尿サンプル中のALUリピートの標準的な数は、正常集団でのALUリピート数の範囲を測定することにより決定される。
一実施形態では、正常集団は、腎傷害、腎疾患、腎移植傷害、または腎移植拒絶に罹患していないか、または罹患したことがない個体の集団である。別の実施形態では、正常集団は、腎傷害、腎疾患、腎移植傷害、または腎移植拒絶に罹患する前にそのコピー数が測定された個体の集団である。別の実施形態では、正常集団は、腎傷害、腎疾患、腎移植傷害、または腎移植拒絶に罹患したが、その後に回復した個体の集団である。種々の実施形態では、正常集団は、年齢マッチングされ、性別マッチングされ、罹患歴についてマッチングされ(糖尿病、心血管疾患、高血圧、以前のウイルス感染、腎臓癌等)、血液型についてマッチングされ、人種的起源についてマッチングされ、民族性についてマッチングされ、移植歴についてマッチングされ、正常集団についての値を測定する上での不均一性をもたらし得るいずれかの他の変数、およびそれらの組み合わせについてマッチングされている、個体の集団である。
一実施形態では、サンプルから決定される数は、正常集団由来の尿サンプル中のコピー数または別の方法で予め決定された標準レベルと等しいかまたは実質的に同じである。別の実施形態では、サンプルから決定される数は、正常集団由来の尿サンプル中のコピー数または別の方法で予め決定された標準レベルよりも小さい。別の実施形態では、サンプルから決定される数は、正常集団由来の尿サンプル中のコピー数または別の方法で予め決定された標準レベルよりも大きい。関連する実施形態では、サンプルから決定される数は、正常集団由来の尿サンプル中のコピー数または別の方法で予め決定された標準レベルよりも、少なくとも2倍、少なくとも3倍、少なくとも4倍、少なくとも5倍、少なくとも6倍、少なくとも7倍、少なくとも8倍、少なくとも9倍、少なくとも10倍、少なくとも15倍、少なくとも20倍、少なくとも25倍、少なくとも50倍、少なくとも75倍、少なくとも100倍、少なくとも250倍、少なくとも500倍、少なくとも750倍、少なくとも1000倍、少なくとも2500倍、少なくとも5000倍、少なくとも7500倍、少なくとも10,000倍、少なくとも50,000倍、少なくとも100,000倍、少なくとも500,000倍、少なくとも1,000,000倍、少なくとも10,000,000倍、または少なくとも100,000,000倍さえも大きい。別の実施形態では、サンプルから決定される数は、正常集団由来の尿サンプル中のコピー数または別の方法で予め決定された標準レベルよりも小さい。
キット
本発明はまた、本発明の診断方法および予後診断方法を実施するのに有用な材料を含むキットも提供する。本明細書中に記載される手順は、臨床検査室、実験室、または開業医が行なうことができる。本発明は、これらの様々な設定で用いることができるキットを提供する。
一実施形態では、本発明のキットは、本明細書中に記載される通りに、少なくとも1種の染色体のコピー数を定量するために用いられる少なくとも1つのプライマーセットを含む。特定の実施形態では、キットは、個体から取得されるサンプル中に存在する、いずれかの染色体のコピー数、またはより具体的にはいずれかの常染色体のコピー数、1番染色体のコピー数、Y染色体のコピー数、またはALUリピート数を定量するために用いられる少なくとも1つのプライマーセットを含む。一実施形態では、サンプルは、個体から取得される尿である。プライマーセットは、好ましくは、尿サンプル中のcfDNAを検出するために好適である量で提供される。
一実施形態では、本発明のキットは、尿サンプル由来のcfDNA中のいずれかの常染色体のコピー数を定量するために用いられるプライマーセットを含む。別の実施形態では、プライマーセットは、集団にわたって比較的定常的である染色体の遺伝子座を標的化するために設計される。別の実施形態では、プライマーセットは、定常的な領域を表わす染色体の遺伝子座、または染色体の一部分を標的化するために設計される。別の実施形態では、プライマーセットは、非可変領域、または染色体の非超可変領域を標的化するために設計される。別の実施形態では、プライマーセットは、集団にわたって定常的でない染色体の遺伝子座を標的化するために設計される。別の実施形態では、プライマーセットは、可変領域を表わす染色体の遺伝子座、または染色体の一部分を標的化するために設計される。別の実施形態では、プライマーセットは、染色体の超可変領域を標的化するために設計される。当業者は、現在利用可能なゲノム法およびデータベースを用いて、定常的である、定常的でない、可変的である、非可変的である、超可変的である、非超可変的である、などの染色体の領域または遺伝子座を特定することができるであろう。
特定の実施形態では、本発明のキットは、本明細書中に記載される通りに、個体から取得される尿サンプルから抽出されるcfDNA中のALUリピート数を定量化するために用いられるプライマーセットを含む。
一実施形態では、プライマーセットは、ALU遺伝子座の115塩基対アンプリコンを増幅することが可能である。この実施形態では、プライマーセットは、フォワードプライマー 5'-GCCTGTAATCCCAGCTACTC-3'およびリバースプライマー 5'-ATCTCGGCTCACTGCAAC-3'を含むことができる。1つの具体的な実施形態では、このプライマーセットはデジタルPCRのために用いられることが可能であり、かつ該プライマーセットは、デジタルPCRに有用なプローブを追加的に含む。そのようなプローブに関する1つの例示的配列は、5'-HEXTCAAGCGATTCTCCTGCCTCAGC-BHQ-3'である。
別の実施形態では、プライマーセットは、ALU遺伝子座の別のアンプリコンを増幅することが可能である。この実施形態では、プライマーセットは、フォワードプライマー 5'-GGAGGCTGAGGCAGGAGAA-3'およびリバースプライマー 5'-ATCTCGGCTCACTGCAACCT-3'を含むことができる。1つの具体的な実施形態では、このプライマーセットはデジタルPCRのために用いられることが可能であり、かつ該プライマーセットは、デジタルPCRに有用なプローブを追加的に含む。そのようなプローブに対する1つの例示的配列は、5'(FAM)CGCCTCCCGGGTTCAAGCG-3'である。
特定の実施形態では、本発明のキットは、本明細書中に記載される通りに、個体から取得される尿サンプルから抽出されるcfDNA中の1番染色体、2番染色体、3番染色体、4番染色体、5番染色体、6番染色体、7番染色体、8番染色体、9番染色体、10番染色体、11番染色体、12番染色体、13番染色体、14番染色体、15番染色体、16番染色体、17番染色体、18番染色体、19番染色体、20番染色体、21番染色体、および/または22番染色体のコピー数を定量するために用いられるプライマーセットを含む。
特定の実施形態では、本発明のキットは、本明細書中に記載される通りに、個体から取得される尿サンプルから抽出されるcfDNA中の1番染色体のコピー数を定量するために用いられるプライマーセットを含む。一実施形態では、プライマーセットは、遺伝子座EIF2C1のアンプリコンを増幅することが可能である。この実施形態では、プライマーセットは、フォワードプライマー 5'-GTTCGGCTTTCACCAGTCTおよびリバースプライマー 5'-CTCCATAGCTCTCCCACTCを含むことができる。一実施形態では、プライマーセットはデジタルPCRのために用いられることが可能であり、かつ該プライマーセットは、デジタルPCRに有用なプローブを追加的に含む。そのようなプローブに関する1つの例示的配列は、5'-HEX-CGCCCTGCCATGTGGAAGAT-BHQ1である。
特定の実施形態では、本発明のキットは、本明細書中に記載される通りに、個体から取得される尿サンプルから抽出されるcfDNA中のY染色体のコピー数を定量するために用いられるプライマーセットを含む。一実施形態では、プライマーセットは、遺伝子座DYS 14のアンプリコンを増幅することが可能である。この実施形態では、プライマーセットは、フォワードプライマー 5'-ATCGTCCATTTCCAGAATCAおよびリバースプライマー 5'-gttgacagccgtggaatcを含むことができる。一実施形態では、プライマーセットはデジタルPCRのために用いられることが可能であり、かつ該プライマーセットは、デジタルPCRに有用なプローブを追加的に含む。そのようなプローブに関する1つの例示的配列は、5'-FAM-TGCCACAGACTGAACTGAATGATTTTC-BHQ1である。別の実施形態では、プライマーセットは、遺伝子座SRYのアンプリコンを増幅することが可能である。この実施形態では、プライマーセットは、フォワードプライマー 5'-CGCTTAACATAGCAGAAGCAおよびリバースプライマー 5'-AGTTTCGAACTCTGGCACCTを含むことができる。一実施形態では、プライマーセットはデジタルPCRのために用いられることが可能であり、かつ該プライマーセットは、デジタルPCRに有用なプローブを追加的に含む。そのようなプローブに関する1つの例示的配列は、5'-FAM-TGTCGCACTCTCCTTGTTTTTGACA-BHQ1である。
特定の実施形態では、本発明のキットは、本明細書中に記載される通りに、個体から取得される尿サンプルから抽出されるcfDNA中のX染色体のコピー数を定量するために用いられるプライマーセットを含む。
特定の実施形態では、本発明のキットは、基材表面(例えば、ビーズ、アレイなど)上に固定化することができる1種以上のプライマーを含む。
適する場合には、これらの提案されたキット構成要素は、当業者による使用に対して慣習的な様式で梱包することができる。例えば、これらの提案されたキット構成要素は、溶液中でまたは懸濁液等として提供することができる。本発明のキットに含められる様々な試薬を、固体(例えば、凍結乾燥した)または液体形態で供給することができる。本発明のキットは、任意により、それぞれ個別のバッファーおよび/または試薬のための種々の容器(例えば、バイアル、アンプル、試験管、フラスコまたは瓶)を含むことができる。それぞれの構成要素は、一般的に、それぞれの容器中で小分けにされるか、または濃縮形態で提供されるのに好適であろう。開示される方法の特定のステップを行なうのに好適な他の容器もまた、提供することができる。キットの個々の容器は、好ましくは、販売のために厳重な管理下に維持される。
特定の実施形態では、キットは、本発明の方法に従って、個体での腎状態、腎移植状態、腎疾患、腎傷害、または腎移植片拒絶の診断用にその構成要素を用いるための使用説明書をさらに含む。本発明の方法に従ってキットを用いるための使用説明書は、個体に関して取得される生物学的サンプルを処理するための、および/もしくは試験を行なうための指示、および/または結果を解釈するための指示を含むことができる。
キットはまた、医薬品もしくは生物学的製品の製造、使用または販売を規制している行政機関により規定された形式での通知を含むこともできる。
コンピュータプログラム
上記の方法のうちのいずれかは、コンピュータ読み取り可能媒体に格納されているコンピュータ実行可能論理を含むコンピュータプログラム製品により行なうことができる。例えば、コンピュータプログラムは、以下の機能のうちの一部またはすべてを実行することができる:(i)サンプルからの核酸の単離を制御すること、(ii)該サンプルからの核酸を予備増幅すること、(iii)該サンプル中の特定の領域を増幅すること、(iv)該サンプル中の総cfDNA、染色体コピー数、またはALUリピート数を特定および定量すること、(v)該サンプルから検出されるデータを、参照標準と比較すること、(vi)腎状態または臨床転帰を決定すること、(vi)正常または異常な腎状態もしくは臨床転帰を宣言すること。
コンピュータ実行可能論理は、パーソナルコンピュータ、ネットワークサーバ、ワークステーション、または現在もしくは今後開発される他のコンピュータプラットホームなどの汎用コンピュータの様々なタイプのうちのいずれかであり得るいずれかのコンピュータで作動することができる。一部の実施形態では、コンピュータプログラム製品は、その中にコンピュータ実行可能論理(プログラムコードを含む、コンピュータソフトウェアプログラム)が格納されているコンピュータ使用可能媒体を含んで記載される。コンピュータ実行可能論理は、プロセッサにより実行されて、プロセッサに、本明細書中に記載される機能を行なわせることができる。他の実施形態では、一部の機能は、例えば、ハードウェア状態機械(hardware state machine)を用いてハードウェアにて主に実装される。本明細書中に記載される機能を行なうようにするハードウェア状態機械の実装は、関連する分野の当業者には明らかであろう。
プログラムは、腎疾患、腎傷害、腎移植片傷害もしくは腎移植片拒絶を発症するかまたはそれらに罹患するリスクを有する個体での腎状態または臨床転帰を評価する方法を提供することができる。
実施例1:Y染色体および1番染色体コピー数を決定することによる血漿中でのセルフリーDNAの検出
Y染色体および1番染色体コピー数を、急性拒絶(AR)エピソードを有するかまたは有しない10名の腎移植患者由来の33種類の固有血漿サンプル中で定量した。3名の患者は、男性腎臓の女性レシピエントであった。他の7名の患者は、他の性別組み合わせを有した。10名の患者のうちの9名は、生検により確定診断された(biopsy proven)傷害を有した。各患者について、2〜4種類の連続血漿サンプルを分析した。
3mLの血漿由来の循環cfDNAを、製造業者の使用説明書に従って、QIAamp Circulating Nucleic Acid Kit(Qiagen社)を用いて精製および濃縮した。次に、総DNAを、製造業者の使用説明書に従って、Quant-iTTMPicoGreen dsDNA Reagents and Kits(Invitrogen社)を用いて定量化した。
Y染色体および1番染色体のコピー数を決定するために、デジタルPCRを用いた。FastStart TaqMan Probe Master Mix with Rox(Roche社)を、以下のプライマーおよびプローブと共に調製した。Y染色体上の遺伝子座DYS 14(マルチコピー遺伝子座)の84塩基対アンプリコンを増幅するために、以下のプライマーおよびプローブを用いた:フォワードプライマー 5'-ATCGTCCATTTCCAGAATCA;リバースプライマー 5'-gttgacagccgtggaatc;プローブ 5'-FAM-TGCCACAGACTGAACTGAATGATTTTC-BHQ1。
1番染色体上の遺伝子座EIF2C1の81塩基対アンプリコンを増幅するために、以下のプライマーおよびプローブを用いた:フォワードプライマー 5'-GTTCGGCTTTCACCAGTCT;リバースプライマー 5'-CTCCATAGCTCTCCCACTC;プローブ HEX-CGCCCTGCCATGTGGAAGAT-BHQ1。
サンプルを、BioMarkリアルタイムPCRシステム(Fluidigm社)を用いて12.765デジタルアレイチップ上にロードした。サンプルの総DNA含有量を、PicoGreenを用いて決定し、これにより、等しいロード量を確認した。対照男性および女性ゲノムDNA(Promega社)を、1番染色体およびY染色体シグナルを較正するために用いた。
Digital PCR Analysis Software v3.0を用いて、データを抽出および評価した。各染色体のコピー数を、以下の等式を用いて算出した:(382/パネル/4.59μL/パネル)×(8μL反応混合物/1μL DNA)=コピー/μLの元のサンプル中。
血漿サンプル中の1番染色体のコピー数がY染色体のコピー数と相関するかどうかを評価するために、4名の患者(男性腎臓の女性レシピエント)由来の13種類の血漿サンプルを分析した(そのうちの3名の患者は、生検で確定診断された移植片傷害を有した)。
図1は、急性拒絶(AR)エピソードを有するかまたは有しない、腎移植を受けた個体由来の血漿サンプル中での1番染色体のコピー数とY染色体のコピー数との間の相関を示す。血漿中で、マルチ遺伝子座遺伝子を標的とするDYS-14プライマーを用いて、Y染色体が検出された。血漿由来のcfDNAを測定することにより腎傷害を検出するための指標としての1番染色体のセルフリーコピー数の感度は、尿由来のcfDNAを測定することと比較した場合に、33%ほどしか感度がなかった。
これらのデータは、血漿が、腎傷害をモニタリングする目的でcfDNAを測定するのに最適とは言えない体液であることを示した。
実施例2:Y染色体および1番染色体コピー数を決定することによる尿中でのセルフリーDNAの検出
Y染色体および1番染色体コピー数を、急性拒絶(AR)エピソードを有するかまたは有しない40名の腎移植患者由来の125種類の固有尿サンプル中で定量した。125種類のサンプルのうち、20サンプルは、ARエピソードを有したことがあるか、またはARエピソードの境界線にいる個体から取得し、105サンプルはARエピソードを有したことがない個体から取得した。125種類の尿サンプルのうちの53サンプルは、男性腎臓の女性レシピエント16名からのものであった。残りの72種類の尿サンプルは、他の性別組み合わせを有する24名の患者からのものであった。各患者について、2〜4種類の連続サンプルを分析した。中間尿採取法により、50〜100mLの尿を取得した。中間尿採取法は、尿収集の一方法であり、該方法では、患者は、トイレットペーパー(sanitation wipe)を用いて陰部を拭き取り、尿の最初の一部分を捨て、続いて、排尿の間、無菌コップに中間尿を回収する。サンプルを、20分間、2000×gにて遠心分離した。5mLの上清からの循環cfDNAを、製造業者の使用説明書に従って、QIAamp Circulating Nucleic Acid Kit(Qiagen社)を用いて、精製および濃縮した。次に、製造業者の使用説明書に従って、Quant-iTTM PicoGreen dsDNA Reagents and Kits(Invitrogen社)を用いて、総DNAを定量化した。
Y染色体および1番染色体のコピー数を、BioMark(Fluidigm社)リアルタイムPCRシステムを用いて測定した。FastStart TaqMan Probe Master Mix with Rox(Roche社)を、以下のプライマーおよびプローブと共に調製した。Y染色体上の遺伝子座SRY(単一コピー遺伝子座)の84塩基対アンプリコンを増幅するために、以下のプライマーおよびプローブを用いた:フォワードプライマー 5'CGCTTAACATAGCAGAAGCA;リバースプライマー 5'-AGTTTCGAACTCTGGCACCT;プローブ 5'FAM-TGTCGCACTCTCCTTGTTTTTGACA-BHQ1。1番染色体上の遺伝子座EIF2C1の81塩基対アンプリコンを増幅するために、以下のプライマーおよびプローブを用いた:フォワードプライマー 5'-GTTCGGCTTTCACCAGTCT;リバースプライマー 5'-CTCCATAGCTCTCCCACTC;プローブ HEX-CGCCCTGCCATGTGGAAGAT-BHQ1。次に、サンプルを、12.765デジタルアレイチップ(Fluidigm社)上にロードした。サンプルの総DNA含有量を、上記の通りPicoGreenを用いて決定し、等しいロード量を確認するために用いた。対照男性および女性ゲノムDNA(Promega社)を、1番染色体およびY染色体シグナルを較正するために用いた。
Digital PCR Analysis Software v3.0を用いて、データを抽出および評価した。各染色体のコピー数を、以下の等式を用いて算出した:(382/パネル/4.59μL/パネル)×(8μL反応混合物/1μL DNA)=コピー/μLの元のサンプル中。
尿サンプル中の1番染色体のコピー数がY染色体のコピー数と相関するかどうかを評価するために、それらのそれぞれの数を、図2で比較した。図2は、急性拒絶(AR)エピソードを有するかまたは有しない、腎移植を受け、かつ男性腎臓を移植された12名の女性個体由来の27種類の尿サンプル中での1番染色体コピー数とY染色体コピー数との間の相関を表わす。品質管理として、および尿サンプル中での1番染色体コピー数アッセイの堅牢性を評価するために、繰り返し実験で、3名の患者由来の9種類のサンプル中で、1番染色体のコピー数を測定した。表1および図3に示される通り、重複実験間での密接な相関が観察された。表1は、推定上の標的(estimated targets)に関して、2回の実験間での強い再現性を示す。「推定上の標的」とは、Fluidigm Biomark装置から得られる無名数である。さらに、女性患者が女性ドナーからの腎移植を受けた場合には、サンプル中でY染色体は検出されなかった。
Figure 2016512698
移植を受けたが傷害を示さなかった個体(非移植傷害表現型)での尿1mL当たりの1番染色体のコピー数の平均は、1681±3124(標準偏差)であった。移植を受けたが傷害を示さなかった個体での尿1mL当たりの1番染色体のコピー数の中央値は、321であった。移植を受けたが傷害を示さなかった個体での尿1mL当たりの1番染色体のコピーの範囲は、0〜12963コピーであった。
移植を受け、かつ傷害を示した個体(傷害表現型)での尿1mL当たりの1番染色体のコピー数の平均は、10728±30283(標準偏差)であった。移植を受けたが傷害を示さなかった個体での尿1mL当たりの1番染色体のコピー数の中央値は、2009であった。移植を受けたが傷害を示さなかった個体での尿1mL当たりの1番染色体のコピーの範囲は、0〜198496コピーであった。
腎臓状態を評価するための現在標準的な方法は、尿タンパク質を測定すること(タンパク尿を測定すること)である。尿タンパク質の測定値と1番染色体コピー数との相関を評価するために、尿タンパク質を1番染色体コピー数と比較した。図4に示される通り、尿タンパク質の量は、上記のアッセイで決定した場合に、1番染色体コピー数とよく相関した。尿タンパク質は標準的なブラッドフォードアッセイ(Coomassie Plus (Bradford) Protein Assay、Thermo Scientific社)により測定し、尿中クレアチニンはQuantiChromTMCreatinine Assay Kit(BioAssay Systems社)を製造業者のプロトコールに従って用いて測定した。
尿中セルフリー1番染色体コピー数は、病理学的データおよび臨床データとよく相関した。これらのデータを、表2に表わす。1番染色体コピー数は、タンパク尿がcGFRと相関するよりも、よくcGFRと相関する。同様に、1番染色体コピー数は、タンパク尿が急性傷害と相関するよりも、よく急性傷害と相関する。1番染色体コピー数/μg尿中クレアチニンは、r=0.32を有して急性傷害スコア(i)と相関し、これは、慣用のタンパク尿が急性傷害スコアと相関する(r=0.22)よりも良好である。1番染色体コピー数/μg尿中クレアチニンは、r=−0.28を有してcGFRと相関し、これは、慣用のタンパク尿がcGFRと相関する(r=−0.02)よりも良好である。
Figure 2016512698
実施例3:ALUリピート数およびALUリピートと1番染色体コピー数との間の相関を測定することによる尿中でのセルフリーDNAの検出
ALUリピート数は、実施例2に記載された尿サンプルでの標準的なリアルタイムPCRにより決定した。ALUリピートおよび1番染色体コピー数を、急性拒絶(AR)エピソードを有するかまたは有しない40名の腎移植患者由来の125種類の固有尿サンプル中で定量した。125種類のサンプルのうち、20サンプルは、ARエピソードを有したことがあるか、またはARエピソードの境界線にいる個体から取得し、105サンプルはARエピソードを有したことがない個体から取得した。各患者について、2〜4種類の連続サンプルを分析した。cfDNAを、実施例2で上記の通り、単離および精製した。製造業者の使用説明書に従って、Quant-iTTMPicoGreen dsDNA Reagents and Kits(Invitrogen社)を用いて、総DNAを定量化した。
Y染色体のコピー数およびALUリピート数を、BioMark(Fluidigm社)リアルタイムPCRシステムを用いて決定した。FastStart TaqMan Probe Master Mix with Rox(Roche社)を、以下のプライマーおよびプローブと共に調製した。1番染色体上の遺伝子座EIF2C1の81塩基対アンプリコンを増幅するために、以下のプライマーおよびプローブを用いた:フォワードプライマー 5'-GTTCGGCTTTCACCAGTCT;リバースプライマー 5'-CTCCATAGCTCTCCCACTC;プローブ HEX-CGCCCTGCCATGTGGAAGAT-BHQ1。ALU遺伝子座の115塩基対アンプリコンを増幅するために、以下のプライマーおよびプローブを用いた:フォワードプライマー 5'-GCCTGTAATCCCAGCTACTC;リバースプライマー 5'-ATCTCGGCTCACTGCAAC;プローブ 5'-HEX-TCAAGCGATTCTCCTGCCTCAGC-BHQ-3'。次に、サンプルを、12.765デジタルアレイチップ(Fluidigm社)上にロードした。サンプルの総DNA含有量を、上記の通りPicoGreenを用いて決定し、等しいロード量を確認するために用いた。対照男性および女性ゲノムDNA(Promega社)を、1番染色体およびALRリピートシグナルを較正するために用いた。
Digital PCR Analysis Software v3.0を用いて、データを抽出および評価した。各染色体のコピー数を、以下の等式を用いて算出した:(382/パネル/4.59μL/パネル)×(8μL反応混合物/1μL DNA)=コピー/μLの元のサンプル中。
この実施例は、腎状態および腎傷害を評価する上でのゲノム常染色体DNAを用いることの有用性を実証する。図5は、サンプル中のALUリピートと1番染色体コピー数との間での相関を示す。2ngの総DNA当たりの1番染色体コピー数を、0.02ngの総DNA当たりのALUリピート数に対してプロットし、1番染色体数とALUリピート数との良好な相関を示した。
実施例4:大規模研究
患者およびサンプル:この研究は、スタンフォードにあるルシール・パッカード小児病院(Lucile Packard Children’s Hospital)にて2004年から2010年に、腎移植の小児および若年成人レシピエントから、示される腎同種移植片またはプロトコール生検(protocol biopsy)と同時に収集された、腎臓移植患者血漿および尿サンプルを登録した。選択された各患者に対する、すべての利用可能な調査および兆候(同種移植片機能障害)に基づく尿サンプルを含めた、マッチングされた移植生検を含む、研究期間中の少なくとも2つのサンプルを有した患者であった場合に、患者が研究に含まれた。研究は、スタンフォード大学医学部(Stanford University Medical School)およびカリフォルニア太平洋医学研究センター(California Pacific Medical Center Research Institute;CPMCRI)の倫理委員会により承認され、すべての患者/保護者は、ヘルシンキ宣言の完全な順守の下で、研究に参加することのインフォームド・コンセントを提供した。292種類の固有尿サンプルを、移植後3ヵ月、6ヵ月、12ヵ月、および24ヵ月の調査移植後時点ならびに指示生検(indication biopsy)の時点で、75名の腎移植患者から収集した。血漿サンプル(n=40)は、移植後3ヵ月、6ヵ月、および12ヵ月の調査時点ならびに指示時点で、12名の患者から収集した。非特定化臨床情報を、すべての参加患者に対して収集した。すべてのマッチングされた生検は、急性傷害および慢性傷害の両方に対する最新のBanff基準を用いて、1人の病理学者によりブラインドでスコア化した。急性拒絶(AR)は、少なくとも、Banffスキーマ(Banff Schema)により、間質性炎症スコア≧1を伴う尿細管炎スコア≧1と定義された。慢性同種移植片傷害(CAI)は、少なくとも、間質性線維症スコア≧1を伴う尿細管萎縮スコア≧1と定義された。BKウイルス腎炎(BKVN)は、尿および血漿中のBKウイルスの存在ならびに同種移植片中の炎症の実証および陽性SV40染色により特定される。急性尿細管壊死(ATN)もまた診断された。腎盂腎炎は、膿尿および尿路細菌感染の存在ならびに細菌性敗血症に関する陽性血液培養として定義された。安定的(STA)同種移植片は、安定した血清クレアチニン値、および病理に対する著明な傷害の不存在を有する同種移植片として定義された。
サンプル収集および処理:尿サンプル(50〜100mL)を、無菌容器に中間尿で収集し、次に、収集の1時間以内に室温にて20分間、2000×gで遠心分離した。細胞および細胞残渣を含有する尿ペレットから、上清を分離した。TrisHClを用いて上清のpHを7.0に調整し、さらなる分析まで−80℃で保存した。尿中クレアチニンを、QuantichromTM Creatinine Assay Kit(DICT-500)(BioAssay Systems, Hayward, CA)を用いて測定した。総タンパク質を、Coomassie Plus Beadford Assay Kit(Thermo Scientific, Rockford, IL)を用いて各尿サンプルについて測定した。
血液サンプル:dd-cfDNAの評価のためのドナーおよびレシピエントDNAの配列決定を回避するために、男性腎臓ドナーの20名の女性レシピエントを最初に評価するモデルを用い、次に、Y染色体cfDNAを評価し、これは外挿によりドナー由来であった。血液サンプルを、生検により確認された急性拒絶(AR、n=4)の時点、およびARなし(no AR)の時点(n=16)で収集し;ARなしのサンプルを、急性尿細管壊死(ATN、n=4)、細菌性敗血症および腎盂腎炎(n=4)、慢性同種移植片傷害(CAI;n=4)および安定的移植片機能(n=4)へとグループ分けした。全血をヘパリンナトリウム管(BD Biosciences, San Jose, CA)中に収集した。細胞(リンパ球)を、密度勾配遠心分離法に基づいてFicoll(Ficoll-Pague PLUS, GE Healthcare, Waukesha, WI)を用いて除去し、血漿画分をピペットで取り出して、使用まで−80℃で凍結保存した。
セルフリーDNA抽出および定量化:尿サンプルおよび血漿サンプル由来のcfDNAを、室温での完全融解後に取り出した、5mLの尿および3mLの血漿から、QIAmp circulating nucleic acids kit(Qiagen, Valencia, CA)を用いて取得した。製造業者のプロトコールに記載される通り、これらのサンプルを、細胞残渣を分解させ、かつDNaseおよびRNaseを除去するためにプロテアーゼK(供給品)を用いて最初に処理した。次に、サンプルを緩衝し、cfDNAの沈殿を補助するためにRNAキャリアを添加した。この溶解物をDNA結合性カラムに通し、続いてバッファー(供給品)および100%エタノールを用いて複数回洗浄し、結合されたDNAを50μLのバッファー(供給品)を用いて溶出させた。DNA含有溶出液を、DNA定量およびデジタルPCR(dPCR)のために用いた。1μLの溶出液を、製造業者のプロトコールに記載される通り、1×TEバッファー(供給品)による1/100希釈にて、Quant-iT Pico Green kit(Invitrogen, Carlsbad, CA)を用いて二本鎖cfDNAを定量するために用いた。これを、各ウェル(黒色マイクロタイタープレート)中で等量の1/200希釈のQuant-iT試薬と併せ、結果として生じる蛍光を蛍光分光光度計(Gemini EM, Molecular Devices, Sunnyvale, CA)を用いて読み取った。各サンプルについての濃度(ng/mL)を、10倍標準曲線(ラムダDNA、供給品)に対する比較により算出した。
セルフリーDNA測定:デジタルPCR(dPCR)は、BiomarkリアルタイムPCRシステム(Fluidigm, South San Francisco, CA)を用いて、12.765デジタルアレイチップ上にて、尿からの抽出されたdd-cfDNA 5ngを用いて行なった。プライマーおよび標識化プローブ(IDT, Coralville, IA)を以下の遺伝子座に対して誘導した:1)単一コピーY染色体SRYの各遺伝子座に対して(フォワードプライマー:5'CGCTTAACATAGCAGAAGCA;リバースプライマー:5'-AGTTTCGAACTCTCTGGCACCT;プローブ:5'TGTCGCACTCTCCTTGTTTTTGACA)、2)マルチコピーY染色体DYS14の各遺伝子座に対して(フォワードプライマー:5'-ATCGTCCATTTCCAGAATCA;リバースプライマー:5'-GTTGACAGCCGTGGAATC;プローブ:5'-FAM-TGCCACAGACTGAACTGAATGATTTTC-BHQ1);3) 1番染色体遺伝子座EIF2C1に対して(フォワードプライマー:5'-GTTCGGCTTTCACCAGTCT;リバースプライマー:5'-CTCCATAGCTCTCCCACTC;プローブ:5'-HEX-CGCCCTGCCATGTGGAAGAT-BHQ1)。各遺伝子座のコピー数は、抽出されたサンプル1mL当たりのコピーについてdPCR Analysis software v3.0を用いて算出し、測定された尿中クレアチニンに対して標準化した。ALUリピートは、プライマーおよび標識化プローブ(IDT, Coralville, IA)を用いて、定量的PCR(qPCR)により算出した(フォワードプライマー:5'-GCC TGT AAT CCC AGC TAC TC-3';リバースプライマー:5'-ATC TCG GCT CAC TGC AAC-3';プローブ:5'-5HEXTTCA AGC GAT TCT CCT GCC TCA GC 3BHQ1-3')。標準的条件下(95℃にて10分間、95℃にて15秒間、60℃にて30秒間の40サイクル)にてABI ViiA7(Applied Biosystems, Foster City, CA)でのqPCR反応のために、標準的プロトコールを用いた。ヒトゲノムDNA(Promega, WI)を、ALUリピートに対する較正標準として用いた。
統計解析:公称臨床変数(nominal clinical variable)を、対応のない両側スチューデントT検定(パラメトリック)またはマン・ホイットニー検定(ノンパラメトリック)のいずれかを用いて解析した。カテゴリー臨床データおよび組織病理学データ(Banffスコア≧1)を、両側p値を伴うフィッシャーの直接確率検定(Fisher exact test)を用いて解析した。相関は、スピアマンの順位相関係数(Spearman’s Rank correlation coefficient)を用いて、相関≧0.3およびp値<0.05を有意とみなして行なった。0.05未満の確率は、すべての統計解析に関して有意とみなされ、GraphPad Prism(Graphpad Software Inc., La Jolla, CA)を用いて算出された。すべての値は、明らかにしない限り、平均±標準偏差として表わされる。
血漿中ドナー由来セルフリーDNA(dd-cfDNA)は、急性腎臓移植傷害で上昇する:男性移植片の19名の女性レシピエントの選択されたコホートでは、安定的(STA)移植片機能の間に測定された血漿中dd-cfDNA値と比較した場合に、ARの時点では血漿中dd-cfDNAの量がより多かった(Y染色体マルチコピー遺伝子座DYS14の平均コピー数/mL血漿が、ARについては3268±1917であったのに対して、STAについては1385±378であった)(p=0.13)(図7)。単一遺伝子座である1番染色体SRYを評価した場合には、血漿中にdd-cfDNAに対してほとんどシグナルがなかった。3種類の別個の血漿サンプルについて、血漿中の単一遺伝子座SRYのコピー数検出を繰り返した場合には、3サンプルのうちの1サンプルからのみシグナルが観察され、算出された平均コピー数は、1μLのロードされたDNAサンプル当たり0.65±1.12であり、マルチ遺伝子座DYS14については、同じサンプルに対するコピー数は82.82±73.52であった。
尿中dd-cfDNAの分析:上記で記載された通り、単一遺伝子座SRYの検出は、血漿中では不可能であった。一方で、Y染色体の遺伝子座SRYのコピー数の分析からのdd-cfDNAに対するシグナルは、生検により確認されたARに対して最も高い尿中保有量を示し、尿中dd-cfDNA保有量での有意な増加はまた、ATNおよびBKVNなどの急性腎移植傷害を有する他の条件でも見られた。
末期腎疾患を有するレシピエントでは、生来の腎組織は機能していない。このことを考慮すると、単一遺伝子座EIF2C1 1番染色体cfDNA(常染色体由来のcfDNA保有量)を、同じ20名の女性レシピエントまたは男性ドナー腎臓で測定し、結果は、遺伝子座SRYのコピー数から測定した場合の同じサンプルでの尿中Y染色体dd-cfDNA保有量から得られた結果と相関した。
1番染色体遺伝子座EIF2C1コピー数の分析により決定された場合の尿中cfDNA保有量は、ほとんど完全にドナー由来であり;一方で、Y染色体遺伝子座SRYと1番染色体遺伝子座EIF2C1とについての尿中cfDNA保有量は、高度に相関していた(r=0.96、R2 0.88、p値<0.0001;図8)。
尿中1番染色体cfDNAコピー数は、非特異的急性腎移植傷害と相関する:次に、尿中1番染色体cfDNA保有量を、様々な性別組み合わせの37対のドナー/レシピエントペアの独立コホートで測定した。表現型にかかわらず、すべてのサンプルにわたって、0〜21.57コピー/μg尿中クレアチニン(中央値0.97コピー)を有して、1番染色体遺伝子座EIF2C1には大きな変動があった。AR患者由来の尿中の1番染色体遺伝子座EIF2C1のコピー数は、4.87±1.22コピー/μg尿中クレアチニンであり、非傷害表現型(STA)由来の尿中の1番染色体遺伝子座EIF2C1のコピー数である0.93±0.15と比較して、有意に高かった(p<0.0001)。しかしながら、AR患者由来の尿中の1番染色体遺伝子座EIF2C1のコピー数(4.87±1.22コピー/μg尿中クレアチニン)を、CANおよびBKVNを含めた他の傷害表現型由来の尿中の1番染色体遺伝子座EIF2C1のコピー数(4.77±1.07コピー/μg尿中クレアチニン)と比較した場合、0.93±0.15(P値0.94)では有意な差異はなかった。急性傷害表現型(例えば、ARおよびBKVN)由来の尿中の1番染色体遺伝子座EIF2C1のコピー数である4.72±0.78コピー/μg尿中クレアチニンは、非傷害表現型(STA)由来の尿中の1番染色体遺伝子座EIF2C1のコピー数である0.93±0.15と比較して、有意に高かった(P値<0.0001)(図9A)。ROC解析は、傷害表現型および非傷害表現型についてのROC曲線のAUCが0.77であることを示した(p値<0.0001)。1.15コピー/μg尿中クレアチニンの閾値で、真の陽性率(感度)は77%であり、特異度は64%であった。
血漿中の1番染色体についてのdPCRを行なった場合、データは、常染色体血漿中cfDNAがドナーおよびレシピエントcfDNAの混合であったことを示した。移植傷害についてのマーカーとしての血漿中の常染色体のコピー数の値を、移植傷害を有する患者および傷害を有しない患者の血漿中での1番染色体遺伝子座EIF2C1コピー数を測定することにより評価した。AR患者の血漿中の1番染色体遺伝子座EIF2C1コピー数である12.34±0.97は、ARなしの患者の血漿中の1番染色体遺伝子座EIF2C1コピー数である10.25±0.71と有意に異ならなかった(p=0.13)。AR患者の血漿中の1番染色体遺伝子座EIF2C1コピー数は、慢性傷害を有する患者の血漿中の1番染色体遺伝子座EIF2C1のコピー数と有意に異ならなかった。傷害を有するAR患者の血漿中の1番染色体コピー数に対する、傷害を有しない患者の血漿中の1番染色体のコピー数についても、同じであった。
尿中cfDNAは、急性腎移植傷害マーカーとして、尿タンパク質対クレアチニン比よりも良好に機能する:タンパク尿は、移植片機能障害のよいマーカーである。同じセットの尿サンプルを、総タンパク質対クレアチニン比について分析した。移植傷害由来のサンプル中の尿タンパク質対クレアチニン比は、非傷害群(0.50±0.06)と比較した場合、傷害群(1.08±0.22)で、より高かった(p値0.009)。尿タンパク質対クレアチニン比に対するROC解析は、AUC 0.66およびp値0.004を有するROCをもたらした。0.45μg/μg尿中クレアチニンの閾値で、真の陽性率(感度)はたった63%であり、特異度は64%であった(図9)。タンパク質対クレアチニン比を1番染色体遺伝子座EIF2C1コピー数データと組み合わせた場合、0.82の改善されたAUC(p<0.0001)ならびに79%の感度および68%の特異度となった。
尿中cfDNAは、腎移植組織学的傷害および腎機能と相関する:尿中cfDNAの保持量が、傷害Banff分類にかかわらず、移植片内組織学的傷害および機能的揺らぎに機能的に関連しているか否かを評価するために、AR由来の尿中dd-cfDNA(Y染色体および1番染色体のdPCRにより測定された)を、時間マッチング型ブラインド生検組織学検査の糸球体傷害、尿細管傷害および間質傷害の様々なBanff等級分け半定量的組織学的パラメータならびに推定上の糸球体ろ過率(eGFR)と相関させた。尿中dd-cfDNAコピー数/クレアチニンmcgは、eGFRと(p=7.70E-03、r=-0.28)および炎症のマッチング型生検組織学マーカーに対して(i-スコア;p=1.2E-03、r=0.32)、尿細管炎スコア(t-スコア;p=1.3E-03、r=0.32)、および糸球体炎症スコア(g-スコア;2.30E-02、r=0.23)と有意に相関した。
尿中dd-cfDNAに対するdPCRの負荷量は、qPCRにより測定される尿中ALUリピートと相関する:総染色体DNAを、cfDNA由来のALUリピートを測定することにより、尿中で測定した。Y染色体および1番染色体によるdd-cfDNA測定は、ALUリピートQPCRアッセイにより推定される通りに、総尿中cfDNAと相関した(r=0.87;p<0.0001)。Y染色体により推定されるdd-cfDNAとALUリピートにより推定される総cfDNAとの間のこの相関によって、ALUリピートQPCRを独立したセットの尿サンプルに対して行ない、ALUリピート保有量を、マッチングされた同種移植片生検Banffスコアにより評価した場合のサンプル表現型と相関させた。
ALUリピートQPCRにより推定される尿中総cfDNAは、急性腎移植傷害の指標である:ALU因子に基づく尿中のゲノムDNAコピー数を、すべてのサンプル表現型について算出した。ALUアッセイデータから算出されるゲノム当量(GE)に基づくと、正常な腎機能を有する健康な正常対照(0.11±0.18 GE/mg尿中クレアチン)と比較した場合に、安定的移植患者(2.06±5.75 GE/mg尿中クレアチン)の尿中のcfDNAの保有量が増加していた(p=4.25×10-07)。ALUリピートの増加は、プロトコール生検に対して安定的移植片機能および正常移植片組織学を有する患者(STA;(2.06±5.75 GE/mg尿中クレアチン))に対して比較した場合に、生検により確認されたARの時点で収集された尿サンプル中(10.55±25.43 GE/mg尿中クレアチン)ではさらに有意に高かった(p=0.002)。BKVNなどの他の急性傷害表現型についての尿中cfDNAの増加(6.55±7.02 GE/mg尿中クレアチン)もまた、STA患者での値よりも有意に高かった(p=0.04)。しかしながら、慢性および他の移植片傷害表現型を有する患者でのcfDNA保有量の増加(5.85±23.24)は、プロトコール生検に対して安定的移植片機能および正常移植片組織学を有する患者(STA;(2.06±5.75 GE/mg尿中クレアチン))よりも高かったが、有意には異ならなかった(p=0.14)。
移植傷害と非移植傷害とのALUアッセイに基づくcfDNAデータのROC解析は、0.73のAUCおよびp値0.001を示した。
尿中cfDNAの連続分析は、移植傷害の予測のための敏感なモニタリングツールである:尿中のcfDNA保有量の考えられる用途を、異なる患者から収集された長期的尿サンプルを分析することにより評価した。すべてのケースで、ARおよびBKVNなどの急性傷害の時点で、cfDNAの保有量でのスパイクが観察された(図10)。軽度ARまたは他の慢性傷害と比較した場合、重症ARの尿中のcfDNAの保有量が増加していた(図10A)。増加は、すべてのARイベントおよび逆流性腎症などの他のケースの急性傷害で観察され(図10B)、安定的移植片機能および他の慢性傷害と比較された。AR Iなどの境界型および軽度ARと比較して、より高度なAR(IIおよびIII)では、cfDNA保有量が顕著に上昇していた(図10C)。cfDNA保有量の増加はBKVNでより高く、cfDNA保有量の上昇はBKVN前(pre-BKVN)尿で観察することができた(図10D)。尿中cfDNA保有量の上昇は、同じ患者を追跡したAR前およびAR後と比較した場合、ARエピソード中に増加して観察された。3名の患者(#1、#2、および#3)を、AR前およびAR後の尿中で総cfDNAについて評価し、これにより、ARエピソード中に尿中cfDNA保有量の上昇が実証された(図11)。
前述の発明を明確な理解の目的のために例示および実施例によりいくぶんか詳細に説明してきたが、ある種の重要でない変更および修正が実行されるであろうことは、当業者には明らかである。したがって、説明および実施例は、本発明の範囲を限定するものと理解されるべきではない。

Claims (77)

  1. 個体での腎状態を評価する方法であって、以下のステップ:
    a. 尿サンプル中の常染色体のコピー数を決定するステップ、および
    b. 該染色体のコピー数を、正常集団由来の尿サンプル中の該染色体の標準的コピー数と比較するステップ
    を含み、ここで、コピー数の変化が、変化した腎状態を示すものである、上記方法。
  2. 前記標準的コピー数よりも高いと決定されるコピー数が、悪化した腎状態を示すものである、請求項1に記載の方法。
  3. 悪化した腎状態が、腎損傷、腎傷害、腎疾患、腎障害、腎移植片拒絶、または腎損傷、腎傷害、腎疾患、腎障害もしくは腎移植片拒絶に対する治療に対して不応性であることを含む、請求項2に記載の方法。
  4. 腎状態の評価が、腎疾患、腎傷害、腎移植片傷害、または腎移植片拒絶の進行を測定することを含む、請求項1に記載の方法。
  5. 腎状態の評価が、腎疾患、腎傷害、腎移植片傷害または腎移植片拒絶に罹患しており、かつ現在治療を受けているかまたは治療を受けたことがある個体での治療応答を測定することを含む、請求項1に記載の方法。
  6. 前記標準的コピー数と等しいかまたはそれよりも低いと決定されるコピー数が、良好な腎健康度を示すものである、請求項1に記載の方法。
  7. セルフリーDNAが尿から抽出される、請求項1に記載の方法。
  8. 前記コピー数が、尿から抽出されたセルフリーDNA中で決定される、請求項1に記載の方法。
  9. 前記コピー数が、リアルタイムPCR、定量的PCR、またはデジタルPCRを用いて決定される、請求項1に記載の方法。
  10. 前記コピー数が、BioMarkリアルタイムPCRシステムを用いて決定される、請求項9に記載の方法。
  11. 前記常染色体が1番染色体である、請求項1に記載の方法。
  12. 1番染色体のコピー数が、EIF2C1遺伝子座を用いて測定される、請求項11に記載の方法。
  13. EIF2C1遺伝子座が、フォワードプライマー 5'-GTTCGGCTTTCACCAGTCTおよびリバースプライマー 5'-CTCCATAGCTCTCCCACTCを含むプライマーセットを用いて測定される、請求項8に記載の方法。
  14. 前記プライマーセットがリアルタイムPCRのために用いられ、かつプローブをさらに含む、請求項13に記載の方法。
  15. 前記プローブが、以下の配列およびレポーター:5'-HEX-CGCCCTGCCATGTGGAAGAT-BHQ1を含む、請求項14に記載の方法。
  16. 他の病理学的データおよび臨床データの測定をさらに含む、請求項1に記載の方法。
  17. クレアチニンの量を測定するステップを含む、請求項16に記載の方法。
  18. タンパク尿またはcGFRを測定するステップを含む、請求項16に記載の方法。
  19. 腎生検を行なうステップを含む、請求項16に記載の方法。
  20. 前記個体が、腎損傷、腎傷害、腎疾患、腎障害、腎移植片傷害、または腎移植片拒絶に対するリスクを有する個体である、請求項1に記載の方法。
  21. 前記個体が糖尿病である、請求項1に記載の方法。
  22. 前記個体が高血圧に罹患している、請求項1に記載の方法。
  23. 前記個体が同種腎移植のレシピエントである、請求項1に記載の方法。
  24. 前記個体が、腎移植片傷害または腎移植片拒絶に対する治療中である、請求項1に記載の方法。
  25. 前記個体が、少なくとも1回の急性拒絶エピソードに見舞われたことがある、請求項1に記載の方法。
  26. 個体での腎状態を評価する方法であって、以下のステップ:
    a. 尿サンプル中のALUリピート数を決定するステップ、および
    b. 該ALUリピート数を、正常集団由来の尿サンプル中のALUリピートの標準的な数と比較するステップ
    を含み、ここで、ALUリピート数の変化が、変化した腎状態を示すものである、上記方法。
  27. 前記リピートの標準的な数よりも高いと決定されるALUリピート数が、悪化した腎状態を示すものである、請求項26に記載の方法。
  28. 悪化した腎状態が、腎損傷、腎傷害、腎疾患、腎障害、腎移植片拒絶、または腎損傷、腎傷害、腎疾患、腎障害もしくは腎移植片拒絶に対する治療に対して不応性であることを含む、請求項27に記載の方法。
  29. 腎状態の評価が、腎疾患、腎傷害、腎移植片傷害、または腎移植片拒絶の進行を測定することを含む、請求項26に記載の方法。
  30. 腎状態の評価が、腎疾患、腎傷害、腎移植片傷害または腎移植片拒絶に罹患しており、かつ現在治療を受けているかまたは治療を受けたことがある個体での治療応答を測定することを含む、請求項26に記載の方法。
  31. 前記ALUリピートの標準的な数と等しいかまたはそれよりも低いと決定されるALUリピート数が、良好な腎健康度を示すものである、請求項26に記載の方法。
  32. セルフリーDNAが尿から抽出される、請求項26に記載の方法。
  33. 前記ALUリピート数が、尿から抽出されたセルフリーDNA中で決定される、請求項26に記載の方法。
  34. 前記ALUリピート数が、リアルタイムPCR、定量的PCR、またはデジタルPCRを用いて決定される、請求項26に記載の方法。
  35. 前記ALUリピート数が、BioMarkリアルタイムPCRシステムを用いて決定される、請求項9に記載の方法。
  36. 前記ALUリピート数がリアルタイムPCRを用いて決定される、請求項26に記載の方法。
  37. 前記ALUリピート数が、ALU遺伝子座の115塩基対アンプリコンを用いて測定される、請求項36に記載の方法。
  38. 同じサンプル中の常染色体のコピー数を測定するステップをさらに含む、請求項26に記載の方法。
  39. 1番染色体のコピー数が測定される、請求項38に記載の方法。
  40. 1番染色体のコピー数が、EIF2C1遺伝子座を用いて測定される、請求項39に記載の方法。
  41. EIF2C1遺伝子座が、フォワードプライマー 5'-GTTCGGCTTTCACCAGTCTおよびリバースプライマー 5'-CTCCATAGCTCTCCCACTCを含むプライマーセットを用いて測定される、請求項40に記載の方法。
  42. 前記プライマーセットがリアルタイムPCRのために用いられ、かつプローブをさらに含む、請求項41に記載の方法。
  43. 前記プローブが、以下の配列およびレポーター:5'-HEX-CGCCCTGCCATGTGGAAGAT-BHQ1を含む、請求項42に記載の方法。
  44. 他の病理学的データおよび臨床データの測定をさらに含む、請求項26に記載の方法。
  45. クレアチニンの量を測定するステップを含む、請求項44に記載の方法。
  46. タンパク尿またはcGFRを測定するステップを含む、請求項44に記載の方法。
  47. 腎生検を行なうステップを含む、請求項44に記載の方法。
  48. 前記個体が、腎損傷、腎傷害、腎疾患、腎障害、腎移植片傷害、または腎移植片拒絶に対するリスクを有する個体である、請求項26に記載の方法。
  49. 前記個体が糖尿病である、請求項26に記載の方法。
  50. 前記個体が高血圧に罹患している、請求項26に記載の方法。
  51. 前記個体が同種腎移植のレシピエントである、請求項26に記載の方法。
  52. 前記個体が、腎移植片傷害または腎移植片拒絶に対する治療中である、請求項26に記載の方法。
  53. 前記個体が、少なくとも1回の急性拒絶エピソードに見舞われたことがある、請求項26に記載の方法。
  54. 以下:
    a. サンプルから少なくとも1種の常染色体のコピー数を決定するための試薬;
    b. 該コピー数を決定するために用いられるプライマーセット;および
    c. アッセイの使用のための説明書
    を含む、診断アッセイキット。
  55. サンプルからセルフリーDNAを抽出するための試薬をさらに含む、請求項54に記載のキット。
  56. 前記サンプルが尿を含む、請求項54に記載のキット。
  57. 常染色体が1番染色体である、請求項54に記載のキット。
  58. 前記プライマーセットが、遺伝子座EIF2C1のアンプリコンを増幅することが可能なセットである、請求項57に記載のキット。
  59. 前記プライマーセットが、フォワードプライマー 5'-GTTCGGCTTTCACCAGTCTおよびリバースプライマー 5'-CTCCATAGCTCTCCCACTCを含む、請求項58に記載のキット。
  60. 前記プライマーセットが、リアルタイムPCR、定量的PCR、またはデジタルPCRのために用いられることが可能である、請求項54に記載のキット。
  61. 前記プライマーセットが、デジタルPCRに有用であるプローブをさらに含む、請求項59に記載のキット。
  62. 前記プローブの配列が、以下の配列およびレポーター:5'-HEX-CGCCCTGCCATGTGGAAGAT-BHQ1を含む、請求項61に記載のキット。
  63. 以下:
    a. サンプル中のALUリピート数を決定するための試薬;
    b. 該ALUリピート数を決定するために用いられるプライマーセット;および
    c. アッセイの使用のための説明書
    を含む、診断アッセイキット。
  64. サンプルからセルフリーDNAを抽出するための試薬をさらに含む、請求項63に記載のキット。
  65. 前記サンプルが尿を含む、請求項64に記載のキット。
  66. プライマーセットが、ALU遺伝子座の115塩基対アンプリコンを増幅することが可能なセットである、請求項63に記載のキット。
  67. 前記プライマーセットが、フォワードプライマー 5'-GCCTGTAATCCCAGCTACTC-3'およびリバースプライマー 5'-ATCTCGGCTCACTGCAAC-3'を含む、請求項66に記載のキット。
  68. 前記プライマーセットが、リアルタイムPCR、定量的PCR、またはデジタルPCRのために用いられることが可能である、請求項63に記載のキット。
  69. 前記プライマーセットが、デジタルPCRに有用であるプローブをさらに含む、請求項67に記載のキット。
  70. 前記プローブの配列が、以下の配列およびレポーター:5'-HEXTCAAGCGATTCTCCTGCCTCAGC-BHQ-3'を含む、請求項69に記載のキット。
  71. 常染色体のコピー数を測定することが可能なプライマーセットをさらに含む、請求項63に記載のキット。
  72. 常染色体が1番染色体である、請求項71に記載のキット。
  73. プライマーセットが、遺伝子座EIF2C1のアンプリコンを増幅することが可能なセットである、請求項72に記載のキット。
  74. 前記プライマーセットが、フォワードプライマー 5'-GTTCGGCTTTCACCAGTCTおよびリバースプライマー 5'-CTCCATAGCTCTCCCACTCを含む、請求項73に記載のキット。
  75. 前記プライマーセットが、リアルタイムPCR、定量的PCR、またはデジタルPCRのために用いられることが可能である、請求項74に記載のキット。
  76. 前記プライマーセットが、デジタルPCRに有用であるプローブをさらに含む、請求項74に記載のキット。
  77. 前記プローブの配列が、以下の配列およびレポーター:5'-HEX-CGCCCTGCCATGTGGAAGAT-BHQ1を含む、請求項76に記載のキット。
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