JP2016510977A - Csf1治療剤 - Google Patents

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Abstract

本発明は、CSF−1融合タンパク質を含む組成物および損傷肝の再生の向上または機能の回復においてそれを使用する方法を提供する。組成物は、肝障害の治療において、例えば、肝疾患の予防および/または治療において、および肝手術後のアウトカムを改善するために有用である。

Description

本発明は、組成物および損傷肝の再生の向上または機能の回復においてそれを使用する方法に関する。組成物は、肝障害の治療において、例えば、急性もしくは慢性肝疾患の予防および/もしくは治療において、または肝切除もしくは肝移植後のアウトカムを改善するための支持療法として有用である。
肝疾患は、世界中で疾病および死亡の主な原因であるが、これにもかかわらず、疾患または損傷肝の再生を向上させるための有効な治療法は現在のところ存在しない。肝臓の再生を向上させるための治療法は、一連の医学および手術状況にわたり、適応症、例として、急性、急性増悪または慢性肝不全に適用することができる。医療現場において、急性肝不全は、一連の病因から生じ得るが、ほとんどは一般に感染(ウイルス性肝炎)、アルコール摂取、または毒物過剰摂取(Paracetamol(登録商標)過剰摂取)に起因する。急性肝不全において、急死をもたらし得る肝組織の広範な壊死が起こり得る。急性肝不全は、既存の肝疾患(ウイルス性肝炎、アルコール、非アルコール性脂肪肝疾患および他の原因に起因)が肝臓の再生能をさらに害する慢性肺疾患(急性増悪)のバックグラウンドに基づき生じ得る。慢性肝不全は、肝臓が恒常性を維持し得なくなる時点までの肝機能の緩やかな悪化(上記の原因)から生じ得る。致死的な肝不全において、唯一の任意選択は肝移植であるが、潜在的なドナーおよびレシピエント間の不足により、多くの患者が肝移植を待ち望みながら死亡することになる。
肝再生は、多くの成長因子、サイトカインおよび細胞タイプが関与する複雑なプロセスである。肝マクロファージは、一連の生体恒常性の役割を遂行し、有効な肝再生に重要である。コロニー刺激因子1(CSF1)とも称され、それと互換的に使用されるマクロファージコロニー刺激因子(M−CSF)は、肝臓中で発現され、単球/マクロファージ系統の細胞、例として、肝マクロファージの産生および維持を担う基本因子である。マクロファージの枯渇およびCSF1の欠損は、部分肝切除後に肝再生の損害をもたらす。部分肝切除後のM−CSFヌルマウスモデルにおける先行技術から、クッパー細胞により誘導されるM−CSFが肝再生において重要な役割を果たすことが公知である(Amemiya et al.,J.Surg.Res.165,59−67,2011)。しかしながら、肝再生を向上させるためのCSF1補給の潜在性は、これまで考慮されてこなかった。
肝臓の再生を向上させ、および/またはその機能を回復させるための治療法は、一連の医学および手術状況にわたり、適応症、例として、急性、急性増悪または慢性肝不全に適用することができ、患者、臨床医および医療従事者などに直接の利益を提供する。
肝臓の再生を向上させるための治療法は、移植後の再生を容易にするための救急療法として、もしくは重篤な不全の状況において適用し、または慢性肝疾患の悪化を予防するために使用することができ、患者、臨床医および医療従事者などに直接の利益を提供する。
本発明の第1の態様によれば、肝再生の向上および/または肝機能の回復および/または肝恒常性の調節において使用されるCSF1タンパク質またはその相同体もしくは変異体もしくは誘導体の生物学的活性断片が提供される。
CSF1タンパク質またはその相同体もしくは変異体もしくは誘導体の生物学的活性断片をコードする核酸も含まれる。
驚くべきことに、本発明者らは、正常CSF−1レベルを有する対象への追加または余分または補給CSF−1の投与が、健常動物において肝臓のサイズを増加させ、種々の原因からの機能損失後に肝臓を修復する能力を改善することを見出した。個体において既に機能しているCSF−1へのCSF−1の補給が肝再生または機能を改善することは、予期されない知見であった。肝臓は、極めて厳密な恒常性のもとにあり、これまで、臨床現場において肝恒常性を良好に調節し、肝臓のサイズを総体重に対する標準値を超えて増加させ得る薬剤は同定されていない。しかしながら、本発明は、哺乳動物種における適切な肝栄養剤および恒常性維持剤としてのCSF−1の使用のための証拠を提供する。さらに、本発明は、CSF−1が肝臓の食作用能を回復させ得る観察に基づき、したがって、この肝機能面の回復のためのCSF−1タンパク質の使用は、本発明において特に興味深いものである。
本発明のさらなる態様によれば、
(i)CSF−1またはその相同体もしくは変異体もしくは誘導体の生物学的活性断片;および
(ii)生物学的活性抗体断片
を含む融合タンパク質が提供される。
好ましくは、ヒト治療法の目的のため、CSF−1の生物学的活性断片は、ヒトCSF−1の残基33〜182(配列番号5)もしくはその生物学的活性部分、または任意の哺乳動物種からのCSF−1の生物学的に等価な断片である。
CSF−1の生物学的活性断片は、天然物であり得、またはそれは組換え体であり得る。
好ましくは、抗体は、IgA、IgD、IgE、IgGおよびIgMを含む群から選択される免疫グロブリンであり、より好ましくは、抗体は、IgGである。
好ましくは、抗体断片は、F(ab’)2、Fab’、Fab、Fv、FcおよびrIgGを含む群から選択され、より好ましくは、抗体断片は、FC断片である。
好ましくは、融合タンパク質のCSF−1またはその相同体もしくは変異体もしくは誘導体の生物学的活性断片および生物学的活性抗体断片は、直接またはリンカー部分を介して共有結合している。
本発明のさらなる態様によれば、融合タンパク質をコードする核酸が提供される。
本発明のいっそうさらなる態様によれば、本発明の単離核酸を含むベクターが提供される。
本発明のいっそうさらなる態様によれば、本発明のベクターを含む宿主細胞が提供される。
本発明のいっそうさらなる態様によれば、本発明の第1の態様の融合タンパク質を作製する方法であって、
(i)本発明の宿主細胞を培養すること;および
(ii)前記培養物から融合タンパク質を回収すること
を含む方法が提供される。
本発明のいっそうさらなる態様によれば、
(a)(i)CSF−1またはその相同体もしくは変異体もしくは誘導体の生物学的活性断片;および(ii)生物学的活性抗体断片を含む少なくとも1つの融合タンパク質;ならびに
(b)薬学的に許容可能な担体、賦形剤または希釈剤
を含む組成物が提供される。
代替的な実施形態において、組成物は、本発明の核酸またはベクターを含み得る。
本発明のさらなる態様によれば、肝再生を向上させ、および/または肝機能を回復させ、および/または肝恒常性を調節するための、
(i)CSF−1またはその相同体もしくは変異体もしくは誘導体の生物学的活性断片;および
(ii)生物学的活性抗体断片
を含む融合タンパク質の使用が提供される。
手術現場において、肝癌を含有する肝臓の領域の外科的切除が治癒管理の中心である。これは、特に患者が慢性肝疾患のバックグラウンドを有する場合、術後肝不全のリスクを負い得る。肝移植に関して、移植臓器がレシピエントの要求に十分に合致しない場合に肝不全が起こり得る。再生を向上させるための治療法による治療は、術前、術中または術後に適用することができる。
本発明のさらなる態様によれば、肝再生を向上させ、および/または肝機能を回復させ、および/または肝恒常性を調節するための医薬品の製造のための、本発明の融合タンパク質または核酸またはベクターの使用が提供される。
本発明のいっそうさらなる態様によれば、肝癌を罹患し、手術を受ける予定の個体を治療する方法であって、術前、術中または術後に本発明の融合タンパク質または核酸またはベクターを投与することを含む方法が提供される。
本発明のいっそうさらなる態様によれば、肝移植術を受ける個体を治療する方法であって、術前、術中または術後に本発明の融合タンパク質または核酸またはベクターを投与することを含む方法が提供される。
本発明のいっそうさらなる態様によれば、有効量の本発明の融合タンパク質または核酸またはベクターを含む医薬投与量単位を有する1つ以上の容器を含むキットであって、容器が、任意選択のその使用説明書とともに包装されているキットが提供される。
本発明の種々の態様は、ヒトおよび他の哺乳動物腫において損傷肝の再生を向上させ、機能を回復させる組成物および方法を提供する。
本発明の任意の態様に属する特性は、変更すべき箇所は変更して本発明の全ての他の態様に適用可能である。
本発明の実施形態を、非限定的な例として、付属の図面を参照して以下にさらに記載する。
[図1]3つの損傷モデルにおける生存率のカプラン・マイヤーを示し、チャートは、介入および処置後の重量変化の割合を示す。***p<0.001 マン・ホイットニーU検定[実線=fc−CSF1による処置;破線=PBS対照]
[図2]割合として表現される肝重量/体重比および高倍率の1視野当たりのKi67陽性肝細胞として表現される肝細胞増殖を示す棒チャートである。p<0.05;**p<0.01;***p<0.001 マン・ホイットニーU検定[処置=fc−CSF1;対照=PBS]
[図3]体重に対する、上記のとおり投与されたCSF−1の効果を示す。図3Aは、CSF−1(1mg/kg)とFc−CSF−1(1mg/kg)とを比較する。非改変タンパク質は、この用量において効果を有さず、Fc−CSF−1は総体重を明らかに増加させた。図3Bは、0.1mg/kgのFc−CSF−1における検出可能な活性を実証する用量応答曲線を示す。図3Cは、1mg/kg用量の効果がより大きい実験系列で確認されることを示す。この系列における動物を後続のスライドにおいてさらに分析する。
[図4]図4Aは、マウス脾重量に対するCSF−1(1mg/kg)およびFc−CSF−1(1mg/kg)の効果を示し、図4Bは、マウス肝重量に対するCSF−1(1mg/kg)およびFc−CSF−1(1mg/kg)の効果を示す。
[図5]csf1r−EGFPレポーターにより検出される脾臓中のマクロファージの数に対するFc−CSF−1の効果を示し、図5Aは対照であり、図5Bは処置試料を示す。
[図6]図6Aは、図5Aおよび5Bについての用量応答曲線を示し、図6Aは、マクロファージ特異的F4/80抗原の免疫組織化学局在化に基づく用量応答曲線を示す。
[図7]マウスにおけるマクロファージ特異的F4/80抗原についての免疫染色を示す。図7Aは、PBS処置対照肝臓を示し;図7Bは、Fc−CSF−1により処置されたマウスの肝臓を示し、図7Cは、PBS処置対照脾臓を示し、図7Dは、Fc−CSF−1により処置されたマウスの脾臓を示す。
[図8]図8Aは、増殖細胞核抗原(PCNA)について免疫染色したPBS処置対照マウス肝を示し、図8Bは、Fc−CSF−1による処置後のマウス肝を示す。
[図9]離乳期ブタに投与されたCSF−1の薬物動態の影響を示す。図9Aは、非改変CSF−1のクリアランスを示し、図9Bおよび9Cは、それぞれ静脈内および皮下投与された場合の1.2mg/kgのFc−CSF−1のクリアランスを示す。
[図10]0.5mg/Kgを6回投与された離乳期ブタにおける血液効果を示し;図10Aは総白血球数を示し、図10Bは単球数を示し、図10Cはリンパ球数を示し、図10Dは好中球(neutophil)数を示す。
[図11]0.5mg/Kgを6回投与された離乳期ブタにおける血液効果の用量応答曲線;図11Aは総白血球数を示し、図11Bは単球数を示し、図11Cはリンパ球数を示し、図11Dは好中球数を示す。
[図12]0.12mg/Kgを3回投与された離乳期ブタにおける臓器重量に対する効果を示す。図12Aは肝重量に対する効果を示し、図12Bは脾重量に対する効果を示し、図11Cは肺重量に対する効果を示し、図11Dは腎重量に対する効果を示す。
[図13]図13Aは、パラセタモール誘導肝不全を有する生存または死亡した/肝移植を受けた患者における入院時の患者における血清CSF1レベルを示す。図13Bは、続いて死亡または生存した患者の下位群の血清レベルを示す。図13Cは、パラセタモール過剰摂取後の移植なしの生存についてのバイオマーカーとして機能する入院時CSF1の潜在性を評価する受信者動作特性曲線分析を示す。
[図14]図14Aは、パラセタモール中毒後の肝CSF1遺伝子発現および血清CSF1レベルを示す。図14Bは、パラセタモール中毒後3日目における肝臓体重比およびKi67免疫組織化学検査により評価された肝細胞増殖を示す。図14Cは、対照およびCSF1受容体阻害を比較するパラセタモール中毒後3日目における血清分析を示す。
[図15]図15Aは、CSF1−Fc(実線)または対照(点線)投与を比較するパラセタモール中毒後のマウスにおける平均肝重量体重比および肝細胞増殖(ki67免疫組織化学検査)を示す。図15Bは、パラセタモール中毒後の血清パラメータを示す(n=8/群)。
[図16]図16Aは、2/3部分肝切除後の肝CSF1遺伝子発現および血清CSF1レベルを示す。図16Bは、2/3部分肝切除後2日目における肝臓と体重との比およびKi67免疫組織化学検査により評価された肝細胞増殖を、CSF1受容体阻害(GW2580)または対照とともに示す。図16Cは、対照およびGW2580によるCSF1受容体阻害を比較するパラセタモール中毒後2日目における血清分析を示す(1群当たりn=8)。
[図17]図17Aは、CSF1−Fc(実線)または対照(点線)投与を比較する2/3部分肝切除後のマウスにおける平均肝重量体重比および肝細胞増殖(ki67免疫組織化学検査)を示す。図17Bは、パラセタモール中毒後の血清パラメータを示す(n=8/群)。図17Cは、再生促進サイトカインIl6およびオンコスタチンM(OSM)ならびにさらには成長因子アクチベーターのウロキナーゼ受容体(UR)の相対遺伝子発現を、対照に対するCSF1受容体の遮断(GW2580)およびCSF1−Fcの投与とともに示す。
[図18]図18Aは、慢性的に損傷した肝臓における部分肝切除後のCSF1−Fc処置による術後の生存傾向(p=0.07)および体重増加を示すカプラン・マイヤープロットを示す(実線=CSF1−Fc、点線=対照;4日目および7日目におけるn=8/群)。図18Bは、平均肝重量体重比、肝細胞増殖(ki67免疫組織化学検査)およびシリウスレッド定量を介する線維症の定量を示す。図18Cは、血清パラメータを示す。
[図19]A)対照群(MARCO:コラーゲン構造を有するマクロファージ受容体;MSR1:マクロファージスカベンジャー受容体1)の平均に対する遺伝子発現(白色=対照;陰影=CSF1−Fc);B)血管内注射から1〜15分後に蛍光ビーズ上でゲート化されたフロープロットオーバーレイを示すビーズクリアランスアッセイ(点線=対照;実線=CSF1−Fc;灰色線=未損傷未処置マウス);C)蛍光ビーズの血管内注射から15分後のエクスビボ蛍光臓器(1群当たりn=6)を示す。
[図20]A)(MARCO:コラーゲン構造を有するマクロファージ受容体;MSR1:マクロファージスカベンジャー受容体1)の平均に対する遺伝子発現[白色=対照;陰影=CSF1−Fc];B)ビーズクリアランスアッセイ;C)蛍光ビーズの血管内注射から15分後のエクスビボ蛍光臓器を示す。
[図21]A)術前ならびに術後1日目および術後3日目における、部分肝切除を受けた55人の患者の血清CSF1レベルを示す。B)肝切除の程度に従って分類されたコホート。3つ未満の区域を切除された患者と比較した5つを超える区域を切除された患者におけるCSF1レベルの有意な増加を示す事後分析を伴う二元ANOVA。C)コホートの残りと比較して点線で示される術後肝不全を発症した患者(中央値および範囲)。
用語「M−CSF」、「マクロファージコロニー刺激因子」、「CSF−1」、「CSF1」、「コロニー刺激因子1」および「コロニー刺激因子−1」は、本明細書において互換的に使用される。
用語「補給」、「補給する」または「補給すること」は、機能CSF−1の個体が既に有するレベルを超える追加または余分量でCSF−1を個体に投与するものとする。
用語「治療する」、「治療すること」または「の治療」は、治療の不存在化で生じるものと比較して障害の重症度もしくは障害の症状を軽減し、または障害を部分的もしくは完全に撲滅するものとする。治療は、障害の完治の達成を要求しない。
用語「回復させる」、「回復させること」または「の回復」は、治療の不存在化で生じるものと比較して障害の重症度もしくは障害の症状を軽減させ、または障害を部分的もしくは完全に撲滅するものとする。治療は、障害の完治の達成を要求しない。
「治療有効」または「有効」量は、臨床試験および評価、患者観察などを介して認められる疾患または障害の症状の緩和を引き起こす用量を示すものとする。「有効量」または「有効」は、生物学的または化学的活性の検出可能な変化を引き起こす用量をさらに示し得る。検出可能な変化は、その関連機序またはプロセスについての当業者により検出することができ、および/またはさらに定量することができる。さらに、「有効量」または「有効」は、所望の生理学的状態を維持し、すなわち、目的病態の顕著な悪化を軽減または予防し、および/またはその改善を促進する量を示し得る。当分野において一般に理解されるとおり、投与量は、投与経路、症状および患者の体重に応じて変動するが、投与される化合物にも応じて変動する。
本発明において治療することができる病態としては、物理的外傷、医薬もしくは毒性化学物質の副作用、感染、自己免疫、虚血、アルコール誘導性肝障害の結果としての肝障害もしくは肝炎、または任意の他の原因の肝障害が挙げられる。肝損傷は、一般に、物理的外傷、例えば、交通事故、落下、暴行などにより引き起こされる。パラセタモール(アセトアミノフェン)過剰摂取は、医薬誘導性肝障害の比較的一般的な原因であるが、肝障害は、多くの他の医薬、例えば、メトトレキサート、スタチン、ナイアシン、アミオダロン、化学療法剤、および一部の抗生物質によっても引き起こされ得る。アルコール誘導性肝疾患は、肝障害の極めて広い原因である。肝障害を引き起こす感染としては、とりわけ、A、BまたはC型肝炎ウイルス感染が挙げられる。CSF1治療が肝障害の全ての症例において適切であるわけでないと考えられる一方、多くの症例においてそれは有益な効果を有し得る。
用語「Fc」は、細胞、例えば、マクロファージおよびマスト細胞の表面上の抗体受容体に、ならびに補体タンパク質に結合する抗体分子の領域を指すものとする。Fc(50,000ダルトン)断片は、1つ以上のジスルフィドおよび非共有結合相互作用により一緒に保持されるCH2およびCH3領域ならびにヒンジ領域の一部を含有する。FcおよびFc5μ断片は、それぞれIgGまたはIgMの断片化により産生される。用語Fcは、結晶化するそれらの抗体断片の能力に由来する。Fc断片は、免疫グロブリンの重鎖定常領域から全体として生成される。Fc断片は、抗原に結合し得ないが、抗体のエフェクター機能、例えば、補体結合を担う。
「ポリペプチド」は、ペプチド結合を介して結合しているアミノ酸のポリマー(ジペプチド以上)を指す。したがって、用語「ポリペプチド」は、タンパク質、オリゴペプチド、タンパク質断片、タンパク質アナログなどを含む。用語「ポリペプチド」は、ポリペプチド」は、核酸によりコードされ、組換え産生され、適切な資源から単離され、または合成される上記定義のポリペプチドを企図する。
本明細書において使用される「機能」ポリペプチドは、そのポリペプチドに通常伴う少なくとも1つの生物学的活性を保持するものである。好ましくは、「機能」ポリペプチドは、非改変ペプチドにより所有される活性の全てを保持する。生物学的活性を「保持する」は、ポリペプチドが天然ポリペプチドの生物学的活性の少なくとも約50%、60%、75%、85%、90%、95%、97%、98%、99%またはそれより多くを保持することを意味する(天然ポリペプチドよりも高いレベルの活性さえ有し得る)。「非機能」ポリペプチドは、そのポリペプチドに通常伴う本質的に検出可能でない生物学的活性を示すものである(例えば、多くとも、わずかな量のみ、例えば、約10%またはさらには5%未満)。
本明細書において使用される「融合タンパク質」は、2つ(以上)の異なるポリペプチド、またはその断片をコードする2つの異種ヌクレオチド配列またはその断片を、正確な翻訳リーディングフレーム中で一緒に融合される場合に産生されるタンパク質を指す。2つ以上の異なるポリペプチド、またはその断片としては、天然に一緒に融合して見出されないものが挙げられ、および/または天然存在の突然変異体が挙げられる。
本明細書において使用される「断片」は、そのタンパク質またはポリペプチドに通常伴う少なくとも1つの生物学的活性を実質的に保持するものである。特定の実施形態において、「断片」は、非改変タンパク質により所有される活性の全てを実質的に保持する。生物学的活性を「実質的に保持する」は、タンパク質が天然タンパク質の生物学的活性の少なくとも約50%、60%、75%、85%、90%、95%、97%、98%、99%またはそれより多くを保持することを意味する(天然ポリペプチドよりも高いレベルの活性さえ有し得る)。
「組換えポリペプチド」は、組換え核酸から産生されるものである。
「単離」ポリペプチドは、天然存在の生物もしくはウイルスの他の構成成分、例えば、細胞もしくはウイルス構造構成成分またはそのポリペプチドに一般に伴って見出される他のポリペプチドもしくは核酸の少なくとも一部から分離され、またはそれを実質的に含まないポリペプチドを意味する。本明細書において使用される「単離」ポリペプチドは、少なくとも約25%、50%、60%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、97%、98%、99%またはそれより高い純度である(w/w)。
用語「誘導体」は、CSF−1に由来(実質的に由来)し、またはそれから得られる(実質的に得られる)が、CSF−1の生物学的機能の類似性または実質的な類似性を保持する任意の分子を指すと理解すべきである。ある態様において、生物学的機能は、肝臓の臓器発生を促進する能力である。誘導体は、例えば、生物学的活性断片を産生するためのCSF−1の開裂、環化、例えば、溶解度、安定性もしくは生物学的半減期を改善し、または後続の検出のための標識として作用する1つ以上の追加の部分とのバイオコンジュゲーションおよび/またはカップリングなどの結果として提供することができる。誘導体は、翻訳後もしくは合成後修飾、例えば、炭水化物部分の付着、または構造修飾、例えば、アミノ酸のアルキル化もしくはアセチル化もしくは化学結合の形成が関与する他の変化をもたらす化学反応からも生じ得る。本発明における使用に好適な誘導体の特に好ましい実施形態において、誘導体は、CSF−1の成熟ドメインである。本明細書に開示の方法における使用に好適な誘導体の別の好ましい実施形態において、誘導体は、CSF−1の生物学的活性C末端断片(例えば、536アミノ酸タンパク質のC末端アミノ酸1から150を含むCSF−1断片)である。CSF−1の誘導体のさらなる実施形態としては、化学修飾側鎖(例えば、リジルε−アミノ基のペグ化)、Cおよび/もしくはN末端(例えば、無水酢酸によるN末端のアシル化)を含み、または種々の担体(例えば、ヒト血清アルブミンまたはヒスチジン(His6)タグ)に結合しているCSF−1が挙げられる。
本明細書において一般に使用される「相同体」は、場合に応じて、限定可能なヌクレオチドまたはアミノ酸配列関係を別の核酸またはポリペプチドと共有する。「タンパク質相同体」は、好ましくは、本明細書に記載のポリペプチドのアミノ酸配列と少なくとも70%または80%の配列同一性、より好ましくは、少なくとも85%、90%、さらにより好ましくは、少なくとも95%、96%、97%、98%または99%の配列同一性を共有する。CSFの相同体も本明細書に従って使用することができる。このようなCSF相同体は、好ましくは、高度または実質的な生物学的活性を有するCSFタンパク質とほぼ同一またはそれより高い生物学的活性を特徴とする。
本明細書において使用される「変異体」タンパク質は、1つ以上のアミノ酸が異なるアミノ酸により置き換えられたタンパク質である。天然または野生型CSFの生物学的活性を保持するCSFのタンパク質変異体を、本明細書に従って使用することができる。一部のアミノ酸を、ポリペプチドの活性の性質を変化させずに広く類似の特性を有する他のものに変化させることができることが、当分野において十分に理解される(保存的置換)。一般に、ポリペプチド特性の最大変化を産生する可能性が高い置換は、(a)親水性残基(例えば、SerまたはThr)が疎水性残基(例えば、Leu、lie、PheまたはVal)に代えて、もしくはそれにより置換されるもの;(b)システインもしくはプロリンが任意の他の残基に代えて、もしくはそれにより置換されるもの;(c)電気陽性側鎖を有する残基(例えば、Arg、HisまたはLys)が電気陰性残基(例えば、GluまたはAsp)に代えて、もしくはそれにより置換されるもの、または(d)かさ高い側鎖を有する残基(例えば、PheまたはTrp)がより小さい側鎖を有するもの(例えば、Ala、Ser)もしくは側鎖を有さないもの(例えば、Gly)に代えて、もしくはそれにより置換されるものである。
本発明の実施形態は、本明細書に記載の融合タンパク質をコードする単離核酸(例えば、「単離DNA」または「単離ベクターゲノム」)をさらに提供する。核酸は、天然存在の生物もしくはウイルスの他の構成成分、例えば、細胞もしくはウイルス構造構成成分など、またはその核酸に一般に伴って見出される他のポリペプチドもしくは核酸の少なくとも一部から分離され、またはそれを実質的に含まない。本発明の活性薬剤を構成するポリペプチドのためのコード配列は、転写され、場合により翻訳される。本発明の実施形態によれば、コード配列の転写および翻訳は、記載の融合タンパク質の産生をもたらす。
遺伝子コードの縮重に起因して本発明の融合ポリペプチドをコードする核酸の変動性が存在し得ることが当業者により認識される。核酸配列のさらなる変動は、非翻訳配列、例えば、イントロン配列ならびに5’および3’非翻訳配列の存在(または不存在)により導入され得る。さらに、本発明の単離核酸は、本明細書に具体的に開示されるポリペプチド配列と、または本発明の態様に含まれるタンパク質に対応する公知の配列(またはその断片)に対して少なくとも約60%、70%、80%、90%、95%、97%、98%またはそれより高いアミノ酸配列類似性を有する融合タンパク質をコードする核酸を包含し、本明細書に定義の機能融合タンパク質をさらにコードする。
本発明の単離核酸は、RNA、DNA(cDNAを含む)およびそれらのキメラを含む。単離核酸は、改変ヌクレオチドまたはヌクレオチドアナログをさらに含み得る。
本発明のポリペプチドをコードする単離核酸は、適切な発現制御配列、例えば、転写/翻訳制御シグナルおよびポリアデニル化シグナルと会合していてよい。
種々のプロモーター/エンハンサーエレメントを、所望されるレベルおよび組織特異的発現に応じて使用することができることが認識される。プロモーターは、所望される発現のパターンに応じて構成性または誘導性(例えば、メタロチオネインプロモーターまたはホルモン誘導性プロモーター)であり得る。プロモーターは、天然または外来であり得、天然または合成配列であり得る。外来とは、転写開始領域が、転写開始領域が導入される野生型宿主中に見出されないものとする。プロモーターは、それが目的標的細胞中で機能するように選択される。
本発明は、本明細書に記載の融合タンパク質を作製する方法をさらに提供する。融合タンパク質を作製する方法は、当分野において十分理解される。このような方法は、融合タンパク質をコードする核酸を含むベクターを含む宿主細胞を、発現に適切な条件下で増殖させ、続いて融合タンパク質を単離することを含む。したがって、本発明の融合タンパク質を構成するポリペプチドをコードする単離核酸は、例えば、クローニングまたは他の実験室操作、組換えタンパク質産生、または遺伝子送達の目的のためにベクター中に取り込むことができる。例示的なベクターとしては、細菌人工染色体、コスミド、酵母人工染色体、ファージ、プラスミド、脂質ベクターおよびウイルスベクターが挙げられる(以下のより詳細に記載)。
特定の実施形態において、単離核酸は、発現ベクターに取り込まれる。本発明のさらなる実施形態において、本明細書に記載の単離核酸を含むベクターは、宿主細胞中に含まれる。種々の宿主細胞と適合性の発現ベクターは当分野において周知であり、核酸の転写および翻訳に好適なエレメントを含有する。典型的には、発現ベクターは、5’から3’方向でプロモーター、プロモーターに作動可能と会合している本発明のポリペプチドまたはその活性断片をコードするコード配列、ならびに場合によりRNAポリメラーゼのための停止シグナルおよびポリアデニラーゼのためのポリアデニル化シグナルを含む終結配列を含む「発現カセット」を含有する。
上記の調節制御配列に加え、組換え発現ベクターは、追加のヌクレオチド配列を含有し得る。例えば、組換え発現ベクターは、ベクターを取り込んでおり、および/または別の目的異種配列を含み得る宿主細胞を同定するための選択マーカー遺伝子をコードし得る。
ベクターは、原核または真核細胞中に慣用の形質転換または形質移入技術を介して導入することができる。本明細書において使用される用語「形質転換」および「形質移入」は、外来核酸(例えば、DNA)を宿主細胞中に導入するための種々の当分野において認識される技術、例として、リン酸カルシウムまたは塩化カルシウム共沈、DEAE−デキストラン媒介形質移入、リポフェクション、エレクトロポレーション、マイクロインジェクション、DNAロードリポソーム、lipofectamine−DNA複合体、細胞音波処理、高速マイクロプロジェクティル(microprojectiles)を使用する遺伝子ボンバードメント、およびウイルス媒介形質移入を指す。
投与に関して、任意の所与の症例における最も好適な経路は、治療される肝病態の性質および重症度に、ならびに投与される融合タンパク質、ウイルスベクター、核酸または医薬配合物に依存する。
本発明の融合タンパク質、ウイルスベクターおよび核酸(例えば、DNAおよび/またはRNA)は、公知の技術に従って医薬担体中での投与のために配合することができる。例えば、Remington,The Science And Practice of Pharmacy(9th Ed.1995)参照。本発明による医薬配合物の製造において、融合タンパク質、ウイルスベクターまたは核酸は、典型的には、とりわけ、許容可能な担体と混合される。担体は、固体もしくは液体、またはその両方であり得、場合により、製薬の周知技術のいずれかにより調製することができる単位用量配合物として配合される。
このような医薬組成物に使用される担体および添加剤は、予測される投与方式に応じて種々の形態をとり得る。したがって、経口投与のための組成物は、例えば、固体製剤、例えば、錠剤、糖衣錠、硬カプセル剤、軟カプセル剤、顆粒剤、散剤などであり得、好適な担体および添加剤は、デンプン、糖、結合剤、希釈剤、顆粒化剤、滑沢剤、崩壊剤などである。これらの使用の容易性およびより高度な患者コンプライアンスのため、錠剤およびカプセル剤が多くの病状のための最も有利な経口剤形となる。
同様に、液体製剤のための組成物としては、液剤、エマルション、分散液、懸濁液、シロップ剤、エリキシル剤などが挙げられ、好適な担体および添加剤は、水、アルコール、油、グリコール、保存剤、着香剤、着色剤、懸濁化剤などである。
液剤の例において、それは、散剤に凍結乾燥させ、次いで使用直前に再構成させることができる。分散液および懸濁液について、適切な担体および添加剤としては、水性ガム、セルロース、ケイ酸塩または油が挙げられる。
注射液について、担体は、典型的には、液体、例えば、無菌パイロジェンフリー水、パイロジェンフリーリン酸緩衝生理食塩水、静菌水、またはCremophor EL(登録商標)(BASF,Parsippany,N.J.)、非経口的に許容可能な油、例として、ポリエチレングリコール、ポリビニルピロリドン、レシチン、ラッカセイ油またはゴマ油であり、溶解度または保存補助のための他の添加剤を含めることもできる。他の投与方法について、担体は固体または液体であり得る。
経口投与について、融合タンパク質、ウイルスベクターまたは核酸は、固体剤形、例えば、カプセル剤、錠剤、および散剤で、または液体剤形、例えば、エリキシル剤、シロップ剤、および懸濁液で投与することができる。融合タンパク質、ウイルスベクターまたは核酸は、ゼラチンカプセル中で不活性成分および粉末化担体、例えば、グルコース、ラクトース、スクロース、マンニトール、デンプン、セルロースまたはセルロース誘導体、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、サッカリンナトリウム、タルク、炭酸マグネシウムなどと一緒にカプセル化することができる。所望の色、風味、安定性、緩衝能、分散または他の公知の所望の特性を提供するために添加することができる追加の不活性成分の例は、赤色酸化鉄、シリカゲル、ラウリル硫酸ナトリウム、二酸化チタン、食用白色インクなどである。類似の希釈剤を使用して圧縮錠を作製することができる。錠剤およびカプセル剤は両方とも、数時間にわたる医薬品の連続放出を提供するための徐放生成物として製造することができる。圧縮錠は、いかなる不快な風味もマスクし、錠剤を大気から保護するための糖衣もしくはフィルムコーティング錠、または胃腸管中での選択的崩壊のための腸溶性錠剤であり得る。経口投与のための液体剤形は、患者許容性を増加させるための着色剤および着香剤を含有し得る。
非経口投与に好適な本発明の配合物としては、融合タンパク質、ウイルスベクターまたは核酸の無菌水性および非水性注射液を挙げることができ、これらの製剤は一般に、対象とするレシピエントの血液と等張性である。これらの製剤は、配合物を対象とするレシピエントの血液と等張性にする酸化防止剤、緩衝剤、静菌剤および溶質を含有し得る。水性および非水性無菌懸濁液は、懸濁化剤および増粘剤を含み得る。配合物は、単位用量または多用量容器、例えば、密封アンプルおよびバイアル中で提供することができ、使用直前に無菌液体担体、例えば、生理食塩水または注射水の添加のみを要求するフリーズドライ(凍結乾燥)条件で貯蔵することができる。
用時調製注射液および懸濁液は、無菌の散剤、顆粒剤および錠剤から調製することができる。例えば、本発明の一態様において、密封容器中の単位剤形の本発明の融合タンパク質、ウイルスベクターまたは核酸を含む注射可能な、安定な、無菌組成物が提供される。場合により、組成物は、対象中へのその注射に好適な液体組成物を形成するために好適な薬学的に許容可能な担体により再構成され得る凍結乾燥物の形態で提供される。
本発明の特定の実施形態において、投与は、皮下または皮内投与によるものである。皮下および皮内投与は、当分野において公知の任意の方法、例として、限定されるものではないが、注射、遺伝子銃、パウダージェクト(powderject)装置、バイオジェクト(bioject)装置、マイクロエンハンサー(microenhancer)アレイ、マイクロニードル、およびスカリフィケーション(すなわち、表面を薄く削り、次いで融合タンパク質、ウイルスベクターまたは核酸を含む液剤を適用する)によるものであり得る。
他の実施形態において、融合タンパク質、ウイルスベクターまたは核酸は、例えば、筋肉内注射により筋肉内投与され、または局所投与により投与される。
核酸(例えば、DNAおよび/またはRNA)は、リポソーム、例えば、レシチンリポソームまたは当分野において公知の他のリポソーム(例えば、国際公開第93/24640号パンフレットに記載)と会合させて送達することもでき、さらに助剤と会合させることができる。カチオン脂質を含むリポソームはポリアニオン、例えば、DNAおよびRNAと自然におよび急速に相互作用し、最大100%のポリヌクレオチドを捕捉するリポソーム/核酸複合体をもたらす。さらに、ポリカチオン複合体は、細胞膜と融合し、リソソームコンパートメントの分解酵素を回避するポリヌクレオチドの細胞内送達をもたらす。PCT国際公開第94/27435号パンフレットは、カチオン脂質およびポリヌクレオチドを含む遺伝子免疫法のための組成物を記載する。核酸の細胞取り込みを支援する薬剤、例えば、カルシウムイオン、ウイルスタンパク質および他の形質移入促進剤を含めることができる。
本発明によれば、本発明の方法は、有効量の上記の本発明の組成物を対象に投与することを含む。使用が本発明の範囲内である有効量の組成物は、対象ごとにいくらか変動し、対象の年齢および病態ならびに送達経路などの因子に依存する。このような投与量は、当業者に公知の定型的な薬理学的手順に従って決定することができる。例えば、本発明の活性薬剤は、組成物の約0.01、0.05、0.10、0.50、1.0、5.0、または10重量%の下限から、約10、20、30、40、50、60、70、80、90、95、96、97、98、99、または100重量%の範囲の上限の範囲の量で対象に投与することができる。一部の実施形態において、活性薬剤は、組成物の約0.05から約95重量%を構成する。他の実施形態において、活性薬剤は、組成物の約0.05から約60重量%を構成する。さらに他の実施形態において、活性薬剤は、組成物の約0.05から約10重量%を構成する。
ブタFc融合物のクローニングおよび発現
ブタCSF−1の活性断片に対応する配列

を、ブタIgG1a配列のヒンジ−CH3領域

に結合させた。この全領域を、GeneArt(Invitrogen,CA,USA)により哺乳動物発現についてコドン最適化し、発現プラスミドpS00524中に、5’および3’末端中にそれぞれエンジニアリングされたHindIIIおよびNotI制限部位を使用してクローニングした。得られたプラスミドをシーケンシングしてORF統合性を確認し、タンパク質を形質移入HEK293FまたはCHO細胞から発現させた。
ブタCSF−1:Fc融合物の単離
プロテインA親和性クロマトグラフィーを使用してブタCSF−1Fc融合タンパク質を単離した。手短に述べると、細胞培養物からの馴化培地を澄明化し、PBSにより平衡化されたProtein A Sepharose上にロードした。ロード後、カラムを2BVのPBSおよび2BVの35mMの酢酸Na pH5.5により洗浄した。80%のB緩衝液(35mMの酢酸、pH調整なし)、85%のB緩衝液および100%のB緩衝液の段階勾配を使用してタンパク質を溶出させた。80および85%のB分画を凝集タンパク質の欠如に基づきプールし(分析SEC)、100%のB分画を含めなかった。プールされたタンパク質をpH7.2に調整し、PBSに対して透析した。
ELISAによる血漿中でのブタCSF−1Fc融合物の定量
市販の抗体を利用する社内開発の慣用のサンドイッチELISAを使用して、ブタCSF−1Fc融合血漿レベルを検出した。捕捉抗体はAbcam ab9693(0.3μg/mL)であり、検出抗体はウサギ抗ブタIgG(Fc)ビオチン化Alpha Diagnostic 90440(1:5000希釈)であった。標準タンパク質を社内で生成および精製した(ロット2/24/11 JAS)。標準をそれぞれのプレートに試料とともに添加し、2700ng/mLから0.046pg/mLの11点の標準範囲をもたらした。このことは、アッセイプレートごとに対する標準曲線に対するそれぞれの試料の定量を可能とした。アッセイ検出は、Pierce High Sensitivity Streptavidin−HRP(1:10,000希釈)およびTMB Microwell Peroxidase Substrate System溶液(KPL)を使用して行った。
ブタPK
離乳齢の去勢ブタ(<14kg)を、下記のとおり単回静脈内(IV)または皮下(SC)投与を受ける3つの処置群に割り当てた。3匹のブタは、0.5mg/kgのCSF−1の非注入SC投与を受けた。2匹のブタは、1.2mg/kgのCSF−1:Fcの注入IV投与を受けた。2匹のブタは、1.2mg/kgのCSF−1:FcのSC投与を受けた。1mlの血漿試料をEDTA抗凝固チューブ中で頸静脈を介して得、遠心分離するまで氷上に置いた。血漿を無菌チューブに移し、分析まで≦−10℃において貯蔵した。連続血漿試料をそれぞれの動物から、投与前ならびに投与5分後、30分後、1時間後、2時間後、4時間後、6時間後、8時間後、24時間後、48時間後、および72時間後に得た。CSF−1およびCSF−1:Fc融合タンパク質レベルを、血漿中でELISAアッセイを使用して定量した。
MTT細胞生存アッセイ
ブタCSF−1Rを発現する安定なBa/F3細胞を、MTTアッセイ前に10ユニット/mlのrh−CSF−1または10%のIL−3馴化培地のいずれかが補給された完全RPMIを有する培地中で維持した。96ウェルプレートの2×10個の細胞/ウェル(Ba/F3細胞およびBa/F3形質移入体)、または5×10個の細胞/ウェル(ブタBMM)を、三重または四重および適切な処置でプレーティングした(rh−CSF−1またはブタFcCSF−1の段階希釈物を添加して1ウェル当たり100μlの総容量とした。細胞を37℃において5%のCOを用いて48時間インキュベートした。Ba/F3細胞について、10μlのMTT(Sigma Aldrich M5655)原液(5mg/ml)をそれぞれのウェルに直接添加して0.5mg/mlの最終濃度を達成し、一晩可溶化前に37℃において3時間インキュベートした。接着マウスBMM細胞について、培養培地を50μlの1mg/mlのMTT溶液により置き換え、37℃において1時間インキュベートした。MTT溶液を除去し、テトラゾリウム塩を100μlの可溶化剤(0.1MのHCL、10%のTriton x−100およびイソプロパノール)により可溶化し、次いで37℃において5%のCO2を用いて10分間インキュベートした。プレートを570nmにおいて読取り、参照波長は405nmであった。
マウス試験
10〜12週齢の48匹の雌C57Bl6マウスが、2/3部分肝切除、パラセタモール中毒または慢性肝損傷および2/3部分肝切除のいずれかを受けた。2/3部分肝切除は、左葉ならびに左および右中葉を結紮することにより実施した。パラセタモール中毒は、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)中で溶解した350mg/kgのパラセタモールの腹腔内投与により実施した。慢性肝損傷および2/3部分肝切除は、8週間の腹腔内の四塩化炭素投与(週2回1mcl/g、オリーブ油中に溶解)と、それに続く上記の2/3部分肝切除により実施した。処置群(1損傷モデル当たりn=8)は、部分肝切除またはパラセタモール中毒のいずれかの直後に皮下投与される0.75mcg/gのFC−CSF1および続いて24時間ごとの3回のさらなる投与を受けた。対照マウス(1損傷モデル当たりn=8)は、適切な容量の皮下PBSを受けた。全てのマウスを損傷(部分肝切除またはパラセタモール中毒)後4日目に屠殺した。
正中線開腹術後、肝臓を摘出および秤量した。肝重量体重比を算出し、割合として表現した。肝臓を4%のホルマリン中で一晩固定し、次いで70%のエタノールに移した。次いで、肝臓をパラフィンブロック中に包埋し、4μmの切片に切り出した。Ki67(細胞周期全体にわたり発現される細胞増殖のマーカー)の免疫組織化学検査を、pH9におけるTris/EDTA溶液中での熱媒介抗原回復後に実施した。1動物当たり20の高倍率視野(400倍)中でki67陽性肝細胞をカウントすることにより、肝細胞増殖を定量し、平均を算出した。
実施例1
急性肝損傷(部分肝切除;パラセタモール中毒)および急性増悪肝損傷(慢性肝損傷および部分肝切除)のネズミモデルにおける肝再生に対するFc−CSF1の効果は、試験Dであった。処置群(1損傷モデル当たりn=8)は、部分肝切除またはパラセタモール中毒のいずれかの直後に皮下投与される0.5mcg/gのFc−CSF1および続いて24時間ごとの3回のさらなる投与を受けた。対照マウス(1損傷モデル当たりn=8)は、適切な容量の皮下PBSを受けた。介入および処置は十分に忍容された。最も重度の損傷モデル(慢性肝損傷と2/3部分肝切除)において、マウス重量の有意な増加(4日目においてp<0.001)および生存改善の傾向(p=0.08)が存在した(図1)。他の知見は、損傷モデルにわたり肝重量および肝細胞増殖の両方の再生パラメータの向上を含んだ(図2)。これらの試験の結果は、Fc−CSF1の投与が一連の肝損傷モデルにわたり再生応答を向上させ得ることを実証する。最も重度の肝損傷(慢性肝損傷および部分肝切除)のモデルにおいて、生存改善の傾向および有意な体重増加が存在し、このことは術後経過の改善を示した。Fc−CSF1は、全ての損傷モデルにおいて肝重量および肝細胞増殖に対する増殖促進効果を有することが見出された。有効な肝再生をもたらす経路の多くにおいて冗長性が存在する一方、CSF1は最適な回復を達成するために重要であると考えられ、本試験は、この因子の補給が再生をさらに増強し得ることを示した。これらの知見は、臨床現場における肝不全の管理におけるアウトカムの改善に変わることが想定される。
実施例2
マウスに4日間のそれぞれでFc−CSF−1を皮下注射し、5日目に安楽死させた。マウスは、C57Bl/6バックグラウンドのcsf1r−EGFP(MacGreen)マウスであった。組織加工および免疫組織化学検査を、(Alikhan et al Am J.Pathol.179,1243−1256,2011およびMacdonald et al Blood.116,3955−3963,2010)に記載のとおり実施した。Gow et al Cytokine.60,793−805,2012)に記載のアッセイを使用するマウス骨髄細胞またはBa/F3CS1Rレポーター細胞系の増殖に対する組換えブタCSF−1またはFc−CSF−1の効果の比較は、生物学的活性の差異は存在しないことを示し(データ示さず)、このことはCSF−1のC末端へのFc構成成分の付加が受容体への結合を干渉しないことを実証した。
実施例3
体重に対する、投与されたCSF−1の効果を評価した。図3Aは、CSF−1(1mg/kg)とFc−CSF−1(1mg/kg)とを比較する。非改変タンパク質は、この用量において効果を有さず、Fc−CSF−1は、総体重を明らかに増加させる。図3Bは、0.1mg/kgのFc−CSF−1の検出可能な活性を実証する応答用量曲線を示す。図3Cは、1mg/kg用量の効果がより大きい実験系列において確認されることを示す。この系列における動物を後続の試験においてさらに分析する。臓器重量試験は、1mg/kgにおけるFc−CSF−1処置が脾臓の重量のほぼ2倍であり、総肝重量を有意に増加させることを示した一方;重量または肺または腎臓に対するFc−CSF−1の効果は、群全体についても雄または雌に分けても観察されなかった。
血液に対する、マウスに投与されたFc−CSF−1の効果を評価した。結果は、Fc−CSF−1が白血球数および総血中単球数を上昇させることを示した。雄マウスと雌マウスとの間で多少の変動が存在し、雄は雌よりも高い平均数を有するが、効果は両方の性において見られることが留意された。そのFc−CSF−1が分葉核好中球数を増加させることも観察された。この場合も、雄は雌と区別することができる。結果的に、Fc−CSF−1は総リンパ球に対する効果を有さなかった。
csf1r−EGFPレポーターにより検出される脾臓中のマクロファージの数に対する、マウスに投与されたFc−CSF−1の効果も評価した。処置された図5Bにおいて顕著に増加した蛍光に留意されたい。これを図6Aにおいて用量応答曲線中で定量する。図6Bにおいて、同一の結果がマクロファージ特異的F4/80抗原の免疫組織化学局在化に基づき実証される。
骨中の骨吸収破骨細胞に対する、マウスに投与されたFc−CSF−1の効果を評価した。結果は、成長板、吸収帯および骨幹の、破骨細胞の処置群における増加を示した(データ示さず)。
実施例4
図7Bは、Fc−CSF−1により処置されたマウスの肝臓中のマクロファージ特異的F4/80抗原についての免疫染色を示し、対照の図7Aに対するマクロファージ数の大きな増加を実証する。図7Dは、Fc−CSF−1により処置されたマウスの脾臓中のマクロファージ特異的F4/80抗原についての免疫染色を示し、対照の図7Cに対するマクロファージ数およびさらにはF4/80の強度の大きな増加を実証する。図8Bは、増殖細胞核抗原(PCNA)についての免疫染色を示す。染色は、対照マウス肝の図8Aでは観察されない。図8Bは、Fc−CSF−1が広範囲の細胞増殖を引き起こすことを示す。サイズおよび核形態に基づき、増殖細胞を肝細胞として同定する。組織化学染色に加え、Affymetrixマイクロアレイ上での遺伝子発現プロファイリングを使用して対照およびFc−CSF−1処置マウスの肝臓を試験した。データは、既知マクロファージ特異的遺伝子(csf1r、emr1(F4/80)の吸光度の4〜8倍の増加、および細胞周期関連遺伝子の検出のさらに大きい増加が存在することを裏付けた。重要なことに、古典的な炎症遺伝子、例えば、TNF−a、IL−6またはIL−1の誘導の証拠は存在しなかった。
実施例5
図9は、離乳期ブタに投与されたCSF−1の薬物動態の影響を実証する。図9Aは、非改変CSF−1のクリアランスを示す。得られたピーク血漿レベルが、約100ng/mlにすぎず、それは20時間後には完全にクリアランスされることに留意されたい。対照的に、Fc−CSF−1(図9BおよびC)は、100倍高い血漿濃度を保持し、最大72時間の上昇を保った。離乳期ブタに対する予備実験は、隔日の0.4mg/kgのFc−CSF−1による3回の処置が循環単球数の2〜3倍の増加をもたらすことを決定した。
さらなる試験を実施して新生児ブタにおけるFc−CSF−1効力/安全性処置試験を評価した。2つの試験用量(0.12mg/Kgを3回および0.5mg/Kgを6回)において、Fc−CSF−1処置は、いかなる時点においても体重増量に対してほとんど効果を有さなかった。増量の微落がより高い容量において観察された(データ示さず)。図10A〜Dおよび11A〜Dは、処置の効力を実証する。対照動物において、総血球数、単球数および顆粒球数はブタにおいて生後の最初の2週間で降下することが留意された。Fc−CSF−1は、単球、リンパ球および顆粒球数の全てを有意に増加させた。図12A〜Dは、この用量およびタイミングにおいて、Fc−CSF−1は、実験終期において肝臓、脾臓、肺または腎臓のそれぞれの臓器重量寸法を変化させなかったことを示す。PCNA染色は、対照群においてブタ肝の広範囲の増殖が存在することを明らかにし、このことはこの週齢においていかなる効果も制限し得る。病変報告は、肝臓中の組織球数の増加の存在を記載した。
実施例6
パラセタモール過剰摂取により誘導された急性肝不全を呈する78人の患者のコホートにおけるMSD(登録商標)電気化学発光プラットフォームを使用して、血清マクロファージコロニー刺激(CSF1)を評価した。生存した患者は、死亡した者または肝移植を要求した者よりも有意に高い血清CSF1レベルを示した(図13A)。連続試料を患者の下位群(7人の生存者、7人の死亡/肝移植者)から分析し、生存した患者における血清CSF1レベルの増加を実証し、死亡した者は、CSF1レベルの低減を示した(図13B)。入院時のCSF1レベルは、生存についての有意な予測値を実証した(ROC−AUC 0.84)(図13C)。
肝CSF1遺伝子発現を、パラセタモール中毒(一晩絶食後の350mg/kgのパラセタモールIP)後のマウスにおいて4日間までの時点において評価し、2日目にピークCSF1遺伝子発現を示した(図14A)。Millipore Milliplexアッセイを介して評価された血清CSF1レベルは、パラセタモール中毒後1日目にピークレベルを示した(図14A)。パラセタモール中毒についてのCSF1受容体の遮断(GW2580 180mg/kg、強制経口投与を介する、LC laboratories)は、損傷後3日後における肝重量体重比の低減および肝細胞増殖の損害により実証される肝再生の損害をもたらした(図14B)。血清分析を図14Cに示し、損傷後3日目におけるCSF1受容体遮断についてのALT(肝損傷のマーカー)の上昇を実証する。
CSF1−Fcまたは対照をマウスにパラセタモール中毒から12時間後に投与し、パラセタモール中毒後4日目における肝重量体重比が有意に増加し、肝細胞増殖が増加し(図15A)、血清分析を図15Bに示す。
結果は、より高いレベルの血清CSF1がパラセタモール中毒により誘導される急性肝不全後のヒトの生存と関連し、それを予測することを実証する。パラセタモール中毒のマウスモデルにおいて、肝CSF1遺伝子発現は部分肝切除後に増加する。CSF1受容体の遮断は、肝再生を害し、マウスにおけるパラセタモール中毒から12時間後のCSF1−Fcの投与は、再生パラメータを向上させ得る。
実証例7
肝CSF1遺伝子発現をマウスにおいて、2/3部分肝切除後に術後7日間までの時点において評価した。1日目に肝CSF1遺伝子発現の早期低減が存在した(図16A)。Millipore Milliplexアッセイを介して評価された血清CSF1レベルは、このマウスモデルにおいて検出不能であった(図16A)。しかしながら、2/3部分肝切除についてのCSF1受容体の遮断(GW2580 180mg/kg、強制経口投与を介する、LC laboratories)は、3日目における肝細胞増殖の顕著な損害により実証される肝再生の損害をもたらした(図16B)。血清分析を図16Cに示し、CSF1受容体遮断についてのALT(肝損傷のマーカー)の上昇を実証する。
CSF1−Fcまたは対照をマウスに2/3部分肝切除直後に投与し、肝重量体重比が有意に増加し、肝細胞増殖が増加した(図17A)。血清分析を図17Bに示す。CSF1−Fc投与は、再生促進サイトカインIl6およびオンコスタチンM(OSM)の遺伝子発現を有意に向上させた一方、GW2580によるCSF1受容体阻害は、部分肝切除後2日目にそれらの発現の有意な低減をもたらした。成長因子活性化に関与するウロキナーゼ受容体(UR)は、CSF1−Fc投与により有意に上昇し、CSF1受容体遮断(GW2580)によりウロキナーゼ受容体発現は低減した(図17C)。
CSF1−Fcまたは対照をマウスに、8週間の四塩化炭素により誘導された慢性肝損傷(1mcl/gの四塩化炭素/マウス、2回/週)のバックグラウンドの2/3部分肝切除直後に投与した。CSF1−Fc処置による生存改善の傾向および体重の有意増加が存在した(図18A)。肝重量体重比および増殖肝細胞の数は有意に増加し、シリウスレッド定量により評価される線維症の低減の傾向が存在した(図185B)。血清パラメータを図18Cに示し、これはCSF1−Fc処置についての肝切除後4日目におけるビリルビンおよびALTの有意な低減を実証する。
パラセタモール中毒の状況とは対照的に、CSF1遺伝子発現および血清レベルは部分肝切除後に上昇しないことが見出された。しかしながら、CSF1受容体の遮断は、肝再生を有意に害した。CSF1−Fcの投与は、正常および慢性損傷マウス肝における部分肝切除のモデルにおいて再生のマーカーを有意に向上させた。
実施例8
CSF1−Fcは、損傷後の肝食作用能を向上させる
背景
肝臓は、腸管の下流に位置するため、病原物質に常に曝露され、この状況において恒常性の維持に重要な解毒および自然免疫機能を遂行する。肝マクロファージは、病原性および他の不溶性物質の食作用における主要な役割を担う、直接循環接触するマクロファージの最大集団となる。肝損傷は、肝臓に対して実質的な再生を要求し、食作用能および免疫機能を大幅に低減させる[1、2]。現在、肝食作用能を向上させるための利用可能な治療法は存在しない。
方法
C57Bl6雄マウス(8〜10週齢)は、部分肝切除(2/3切除)またはパラセタモール中毒(一晩絶食後の350mg/kg腹腔内)のいずれかを受けた。CSF1−Fcを、上記のとおり投与した(0.75mg/kg)。Qiagen Quantitect Primers(MSR1およびMARCO)を使用して遺伝子分析を実施し、それぞれの試料についてGAPDHレベルに関連づけた。食作用アッセイのため、マウスを2%のイソルフルオラン(isolfluorane)により麻酔し、下大静脈にカニューレを挿入した。0.1mlの5000IU/mlのヘパリン溶液を注入してカテーテルの遮断を防止した。100μlの赤色蛍光ビーズ溶液(1:5のラテックスビーズ1.0μm、蛍光レッド、SIGMA−ALDRICH(登録商標))を、カニューレを介して注入した(パラセタモール損傷後のアッセイのための1:2の溶液)。20mclの血液をカニューレから注射の1分後から開始して2分ごとに、15分間取り出した。血液を、300μlのFACS−Lysing溶液(BD Biosceinces)により直ちに固定した。15分後、流出のために門脈を分流した後にマウスを15mlの0.9%生理食塩水によりIVCカニューレを介してかん流させた。次いで、臓器を摘出し(肝臓、脾臓、肺、腎臓、脳)、Kodak In−Vivo Multispectral FXイメージステーション(励起:550nm;発光:600nm;露光1秒;fストップ2.8)によりイメージングした。続いて、LSR−Fortessa(商標)フローサイトメーター(BD Biosciences)を使用して血液試料を分析し、蛍光ビーズを青色チャネル(B695/40)上で低流速設定で1分間の試料回収を単位として検出した。
知見
CSF1−Fcおよび部分肝切除
全肝の遺伝子分析は、CSF1−Fc処置についての部分肝切除後2日目における食作用と関連する遺伝子、MSR1(マクロファージスカベンジャー受容体1)およびMARCO(コラーゲン構造を有するマクロファージ受容体)の上方調節を明らかにした。CSF1受容体遮断は、これらの遺伝子の発現の相反減少をもたらした。
部分肝切除後のCSF1−Fcによる処置は、蛍光ラテックスマイクロビーズの循環からのクリアランスにより評価されるとおり肝臓の食作用能を大幅に向上させた(図B)。全肝の蛍光イメージングは、肝臓の蛍光強度の増加が食作用の向上の存在と一致することを明らかにした(図C)。他の臓器の蛍光イメージングは、肝臓がビーズ取り込みの優勢部位であることを明らかにした。
CSF1−Fcおよびパラセタモール中毒
全肝の遺伝子分析は、パラセタモール中毒後2日目における食作用と関連する遺伝子、MSR1(マクロファージスカベンジャー受容体1)およびMARCO(コラーゲン構造を有するマクロファージ受容体)の上方調節を明らかにした。
肝組織の損失は、部分肝切除と比較してパラセタモール中毒モデルにおいてそれほど重症でなく、これに伴って本発明者らはパラセタモールモデルにおける循環からのラテックスマイクロビーズのクリアランスの向上に留意しなかった。しかしながら、本発明者らは、エクスビボイメージング後の肝蛍光の有意な増加を確認し、このことは食作用能の増加を示唆した。
結論
これらの知見は、肝損傷後に肝臓の食作用能をCSF1−Fcによる処置により向上させることができることを実証する。
実施例9
ヒトにおける部分肝切除および血清CSF1レベルの効果を以下のとおり評価した。
方法
部分肝切除を受けた55人の患者のコホートにおけるMSD(登録商標)電気化学発光プラットフォームを使用して、血清マクロファージコロニー刺激(CSF1)を評価した。血清試料を術前ならびに術後1日目および3日目に採取した。
知見
部分肝切除後のヒトにおいて、血清CSF1レベルの有意な減少が1日目に見られ、続いて3日目にCSF1レベルが増加した(図21A)。最大増加は、最大数の区域が切除された患者に見られた(3つ未満の区域と比較して5つを超える区域)(図21B)。コホート全体のうち、2人の患者が術後肝不全を発症した。これらの患者のCSF1レベルは、最低四分位であった(図21C)。
本明細書の詳細な説明および特許請求の範囲の全体にわたり、語「含む」および「含有する」ならびにそれらの変形は、「例として、限定されるものではないが」を意味し、それらは、他の部分、付加物、構成要素、整数またはステップを排除するものではない(排除しない)。本明細書の詳細な説明および特許請求の範囲の全体にわたり、単数形は、文脈が特に要求しない限り複数形を包含する。特に、不定冠詞が使用される場合、本明細書は、文脈が特に要求しない限り、単数形だけでなく複数形を企図するものとして理解すべきである。
本発明の特定の態様、実施形態または実施例と関連して記載される特性、整数、特徴、化合物、化学部分または基は、特に不適合でない限り、本明細書に記載の任意の他の態様、実施形態または実施例に適用可能であると理解すべきである。本明細書(任意の付属の特許請求の範囲、要約書および図面を含む)に開示の特性の全て、および/またはそのように開示される任意の方法もしくはプロセスのステップの全ては、そのような特性および/またはステップの少なくとも一部が相互に排他的である組合せを除き、任意の組合せで組み合わせることができる。本発明は、いかなる上記実施形態の詳細にも限定されるものではない。本発明は、本明細書(任意の付属の特許請求の範囲、要約書および図面を含む)に開示の特性の任意の新規のもの、もしくは任意の新規組合せに拡大し、またはそのように開示される任意の方法もしくはプロセスのステップの任意の新規のもの、もしくは任意の新規組合せに拡大する。
読者の注意は、本願に関し、本明細書と同時にまたはそれよりも前に提出され、本明細書を使用して調査を行う公衆に公開されている全ての論文および文献に向けられ、全てのそのような論文および文献の内容は、参照により本明細書に組み込まれる。
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ヒトCSF−1配列
全長(残基1〜554):

シグナルペプチドが除去された配列(残基33〜554):

活性断片、すなわち残基33〜182:

Claims (22)

  1. 肝再生の向上および/または肝機能の回復および/または肝恒常性の調節において使用されるCSF−1タンパク質またはその相同体もしくは変異体もしくは誘導体の生物学的活性断片。
  2. 請求項1に記載のCSF−1タンパク質またはその相同体もしくは変異体もしくは誘導体の生物学的活性断片をコードする核酸。
  3. (i)CSF−1またはその相同体もしくは変異体もしくは誘導体の生物学的活性断片;および
    (ii)生物学的活性抗体断片
    を含む融合タンパク質。
  4. CSF−1タンパク質の前記生物学的活性断片が、ヒトCSF−1の残基33〜182もしくはその生物学的活性部分、または任意の哺乳動物種からのCSF−1の生物学的に等価な断片である、請求項3に記載の融合タンパク質。
  5. CSF−1タンパク質またはその相同体もしくは変異体もしくは誘導体の前記生物学的活性断片が、天然物/天然存在であり、または組換え体のいずれかである、請求項3または4に記載の融合タンパク質。
  6. 前記抗体が、IgA、IgD、IgE、IgGおよびIgMを含む群から選択される免疫グロブリンである、請求項3〜5のいずれか一項に記載の融合タンパク質。
  7. 前記免疫グロブリンが、IgGである、請求項6に記載の融合タンパク質。
  8. 前記抗体断片が、F(ab’)2、Fab’、Fab、Fv、FcおよびrIgGを含む群から選択される、請求項3〜7のいずれか一項に記載の融合タンパク質。
  9. 前記断片が、FC断片である、請求項8に記載の融合タンパク質。
  10. 前記融合タンパク質のCSF−1またはその相同体もしくは変異体もしくは誘導体の前記生物学的活性断片および前記生物学的活性抗体断片が、直接またはリンカー部分を介して共有結合している、請求項3〜9のいずれか一項に記載の融合タンパク質。
  11. 請求項3〜10のいずれか一項に記載の融合タンパク質をコードする単離核酸。
  12. 請求項11に記載の単離核酸を含むベクター。
  13. 請求項12に記載のベクターを含む宿主細胞。
  14. 本発明の第1の態様の融合タンパク質を作製する方法であって、
    (i)請求項13に記載の宿主細胞を培養すること;および
    (ii)前記培養物から融合タンパク質を回収すること
    を含む方法。
  15. (a)(i)CSF−1またはその相同体もしくは変異体もしくは誘導体の生物学的活性断片;および(ii)生物学的活性抗体断片を含む少なくとも1つの融合タンパク質;ならびに
    (b)薬学的に許容可能な担体、賦形剤または希釈剤
    を含む組成物。
  16. 請求項4〜10に記載の特徴部のいずれか1つ以上をさらに含む、請求項15に記載の組成物。
  17. 請求項11に記載の核酸または請求項12に記載のベクターのいずれか、薬学的に許容可能な担体、賦形剤または希釈剤を含む組成物。
  18. 肝再生を向上させ、および/または肝機能を回復させ、および/または肝恒常性を調節するための、
    (i)CSF−1またはその相同体もしくは変異体もしくは誘導体の生物学的活性断片;および
    (ii)生物学的活性抗体断片
    を含む融合タンパク質の使用。
  19. 肝再生を向上させ、および/または肝機能を回復させ、および/または肝恒常性を調節するための医薬品の製造のための、請求項3〜10のいずれか一項に記載の融合タンパク質または請求項11に記載の核酸または請求項12に記載のベクターの使用。
  20. 肝癌を罹患し、手術を受ける予定の個体を治療する方法であって、術前、術中または術後に請求項3〜10のいずれか一項に記載の融合タンパク質または請求項11に記載の核酸または請求項12に記載のベクターを投与することを含む方法。
  21. 本発明のいっそうさらなる態様によれば、肝移植術を受ける予定の個体を治療する方法であって、術前、術中または術後に請求項3〜10のいずれか一項に記載の融合タンパク質または請求項11に記載の核酸または請求項12に記載のベクターを投与することを含む方法が提供される。
  22. 有効量の本発明の融合タンパク質または核酸またはベクターを含む医薬投与量単位を有する1つ以上の容器を含むキットであって、前記容器が、任意選択のその使用説明書とともに包装されているキット。
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