JP2016510817A - フルオロカーボンの製造において3,3,3−トリフルオロプロピンの形成を抑制するためのプロセス - Google Patents

フルオロカーボンの製造において3,3,3−トリフルオロプロピンの形成を抑制するためのプロセス Download PDF

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Abstract

本発明は、フルオロカーボン、フルオロオレフィン、ヒドロクロロフルオロオレフィンの製造の間の3,3,3−トリフルオロプロピンの抑制のためのプロセスに関する。より詳細には、本発明は、HCFO−1233zd(E)、HCFO−1233zd(Z)、HFO−1234ze(E)、および/またはHFO−1234ze(Z)の製造のためのプロセスの間の3,3,3−トリフルオロプロピンの形成を抑制するためのプロセスに向けられている。【選択図】図5

Description

本発明は、フルオロオレフィンおよびヒドロクロロフルオロオレフィンが含まれるフルオロカーボンの製造の間の3,3,3−トリフルオロプロピンの抑制のためのプロセスに関する。より詳細には、本発明は、HCFO−1233zd(E)、HCFO−1233zd(Z)、HFO−1234ze(E)、および/またはHFO−1234ze(Z)の製造のためのプロセスの間の3,3,3−トリフルオロプロピンの形成を抑制するためのプロセスに向けられている。
本発明は特にHCFO−1233zd(E)、HCFO−1233zd(Z)、HFO−1234ze(E)、およびHFO−1234ze(Z)の生産における向上に関する。本明細書で用いられる際、名称1233zdおよび1234zeは、EもしくはZ異性体またはそれらの組み合わせのいずれにも言及する場合に用いられるであろう。
これらの化合物はゼロの、または低いオゾン破壊係数ならびに低い地球温暖化係数を有し、従ってそれらは冷却、フォーム発泡、溶媒、モノマーおよび他のフルオロカーボンが現在利用されている他の用途において用いられている既存の材料の代替品として有用かつ望ましい。
1233zdを生成するための方法は当該技術において既知である。例えば、1233zdおよび1234ze両方の生成プロセスを記載している米国特許公開第2012−0172636号;第2012−0271069号;および第2012−0271070号を参照。これらの文献を参照により本明細書に援用する。
1233zdの製造に関する好ましい態様は以下の通りであり:
HCC−240fa + 3HF → 1233zd + 4HCl
それは大過剰のHFを用いる触媒の非存在下での液相反応において起こる。
1234zeを生成するための方法も開示されている。例えば米国特許第7,485,760号および第7,638,660号を参照、ここで1234zeの製造は以下のように開示されており:
HFC−245fa → 1234ze + HF
それは脱フッ化水素触媒の存在下で気相中で起こる。
これらの特許を参照により本明細書に援用する。
上記の1233zdおよび/または1234zeを生成するためのプロセスにおいて、粗生成物は通常はZおよびE異性体(それぞれシスおよびトランス異性体としても知られている)両方の混合物である。典型的なプロセスは、所望のフルオロオレフィン(fluorolefin)生成物を精製および回収するために1種類以上の精製法、例えば蒸留、抽出、デカンテーションおよび吸収を用いる。反応生成物にはプロセスに応じて酸であるHClおよびHFが含まれるため、生成物の精製および回収プロセスの間にこれらの酸成分を除去する必要がある。酸の大部分の除去は1種類以上の精製技法、例えば蒸留、抽出、および/またはデカンテーションにより行われるが;残留する酸性の除去のためにしばしば用いられる1つの追加の単位操作は、約11以上のpHにおける強苛性溶液、例えばKOH、NaOH等による吸収である。
3,3,3−トリフルオロプロピンを生成するための方法も当該技術において既知である。例えば参照により本明細書に援用される米国特許第7,964,759号を参照。この特許において開示されているのは、(Z)−1−ハロゲノ−3,3,3−トリフルオロプロペンを高濃度の有機または無機強塩基(pH>10)と接触させることにより3,3,3−トリフルオロプロピンを生成するための方法である。1233zdおよび1234zeは両方とも1−ハロゲノ−3,3,3−トリフルオロプロペンであり;1233zdは1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンであり、1234zeは1−フルオロ−3,3,3−トリフルオロプロペンである。
上記で述べたように、3,3,3−トリフルオロプロピンは1233zdおよび1234zeのような化合物を強塩基と反応させた際に形成され得る。所望の生成物が上記で列挙した生成物の1つであるプロセスにおいて、可能性のある毒性および可燃性の両方の懸念のため、トリフルオロプロピンは通常は望まれない不純物であると考えられ、従ってこの化合物は好ましくはそれが形成された場合除去される。トリフルオロプロピンの除去に関する必要性は、必然的に上記の化合物の1種類以上の生産と関係する資本投資ならびに操業コストを増大させる。従って、そもそもトリフルオロプロピンを形成させないことがはるかに望ましいであろう。従って、それによりトリフルオロプロピンの形成を回避することができる手段に関する必要性が存在する。
本発明は、この問題に対する解決法を提供する。
米国特許公開第2012−0172636号 米国特許公開第2012−0271069号 米国特許公開第2012−0271070号 米国特許第7,485,760号 米国特許第7,638,660号 米国特許第7,964,759号
上記で示したように、3,3,3−トリフルオロプロピンは1233zdおよび/または1234zeの粗生成物を強苛性溶液と反応させた際に形成され得る。強塩基溶液を用いた反応はトリフルオロプロピンの形成を促進し得ることが知られているため、そのような反応を可能にするプロセスは、トリフルオロプロピンの形成を排除するか低減するかのどちらかであるべきである。
本明細書で開示される方法は、245fa、1234ze、1233zd、または前記の化合物の製造における他の中間体の1種類以上を含有する粗生成物中の回収不能な(unrecoverable)量のHFおよび/またはHClを典型的には水で処理して酸の大部分を除去し、続いて残留するHFおよび/またはHClを(NaOH、KOH等の水溶液を含有する)循環式苛性スクラバーシステムにおいて吸収し、最後に水で飽和した脱酸粗生成物をモレキュラーシーブおよび/または濃硫酸を用いて乾燥させる伝統的なフルオロカーボン/フルオロオレフィンプロセスとは異なる。
1態様において、回収不能な量のHF(および/または非常に少量のHCl)を含有する粗生成物を水を貫流させた(または弱HF溶液を循環させた)第1HF吸収装置において水で処理して酸の大部分を除去する。次いでこの流れを水を貫流させた第2吸収装置において処理してさらなる量の酸を除去するであろう。次いで痕跡量のHFを含有し得る本質的に酸を含まない流れを場合により冷却して水を選択的に凝縮させて水分の量を低減し、続いて循環式HSO吸収システムにおいて乾燥/HF吸収を行うであろう。濃硫酸はフルオロカーボン/フルオロオレフィンを乾燥させる非常に有効な手段を提供し、加えてHFに関する高い親和性を有する。加えて、乾燥および痕跡量のHFの吸収のために用いられた硫酸は当該技術において既知の手段により再生させてそのプロセスにおいて再利用することができる。
この態様において、苛性スクラバーを用いる必要性が排除され、それにより苛性物質のプロセスへの供給および使用済み苛性物質(苛性物質プラスハロゲン化物塩の水性混合物)の廃棄と関係するコストが低減される。加えて、先行技術のトリフルオロプロピンを除去する必要性が排除されるため、コスト回避の利点がある。
別の態様において、回収不能な量のHF(および/または非常に少量のHCl)を含有する粗生成物を水を貫流させた(または弱HF溶液を循環させた)第1HF吸収装置において水で処理して酸の大部分を除去する。次いでこの流れをpH7〜10(7および10を含む)の弱苛性溶液を循環させた第2吸収装置において処理してさらなる量の酸を除去するであろう。次いで酸を含まない流れを場合により冷却して水を選択的に凝縮させて水分の量を低減し、続いて循環式HSO吸収システムにおいて乾燥させるであろう。濃硫酸はフルオロカーボン/フルオロオレフィンを乾燥させる非常に有効な手段を提供する。加えて、乾燥のために用いられた硫酸は当該技術において既知の手段により再生させてそのプロセスにおいて再利用することができる。
別の態様において、HCFO−1233zdの生成および/またはHFO−1234zeの生成において、HCFO−1233zdの両方の異性体(EおよびZ異性体)および/またはHFO−1234zeの両方の異性体(EおよびZ異性体)を含有する粗製の混合物をまず蒸留または当該技術で既知の他の手段、例えば抽出により分離して高度に精製されたE異性体および実質的にZ異性体である流れを回収する。この流れはいくらかのE異性体を含有し得るが、高度に精製されたE異性体の流れはppm量より多いZ異性体を含有すべきでないことに注意。
蒸留は、EおよびZ異性体の間の沸点の違いによるこれらの異性体の分離のための特に適切な方法である。例えば、(E)−1233zdの沸点は約19℃であり、一方で(Z)−1233zdの沸点は約38℃であり、そして(E)−1234zeの沸点は約−19℃であり、一方で(Z)−1234zeの沸点は約+9℃である。次いでE異性体(トランス異性体としても知られる)を含有する流れを上記で開示した方法、すなわちHF吸収の後水が含まれる実質的に苛性物質を含まない溶液および/または弱苛性溶液(pH11、またはpH10、またはより低いpH)で処理することができ;またはHF吸収の後あらゆる実際的な強度、すなわち約pH11未満の苛性溶液への短時間の曝露を用いる従来の方法で処理することもできるであろう。
分離した(E)−1233zdおよび/または(E)−1234zeを異性化させて対応するZ異性体を形成させることができる。例えば、米国特許公開第20120271069号において開示されている方法によりHCFO−(Z)−1233zdをHCFO−(E)−1233zdから形成させることができ;米国特許公開第20100022809号において開示されているようにHFO−(Z)−1234zeをEおよびZ異性体の混合物から形成させることができる。これらの文書を参照により本明細書に援用する。
本発明が関連する技術分野(単数または複数)における当業者は、本発明のあらゆる特定の観点および/または態様に関して本明細書で記載される特徴の全ては、本明細書で記載される本発明のあらゆる他の観点および/または態様の他の特徴の全ての1以上と、組み合わせの適合性を確実にするために適宜修正して組み合わせることができることを理解するべきである。そのような組み合わせは本開示により意図される本発明の一部であると考えられる。
前記の一般的な記述および下記の詳細な記述は両方とも典型的および説明的なものにすぎず、特許請求されるような本発明を制限するものではないことは理解されるべきである。他の態様は本明細書で開示される本発明の明細および実施の考察から当業者には明らかであろう。
様々な非限定的なスキームを本発明を説明するために示す。
図1は、トリフルオロプロピン形成なしで生成物を回収するための気相における一般スキームを示す。 図2は、水による脱酸、続いて有機層の水性HF層からの相分離に関する液相スキームを示す。次いで有機層を、それを乾燥剤を満たしたタワーを通過させることにより乾燥させる。乾燥剤は、適切に選択された場合、有機層中に残っている可能性がある水分および痕跡量のHFを両方除去するであろう。 図3は、水による脱酸、続いて有機層の水性HF層からの相分離に関する液相スキームを示す。次いで有機層を濃硫酸と接触させて水分および痕跡量のHFを吸収させる。 図4は、水による脱酸、続いて有機層の水性HF層からの相分離に関する液相スキームを示す。次いで有機層を気化させ、濃硫酸と接触させて水分および痕跡量のHFを吸収させる。 図5は、本明細書で記載される本発明の態様の1つを用いた1233zdの製造に関するプロセスを示す。
本発明の1態様の記載は、気相脱酸を用いた説明のための例としての連続的1233zdプロセスの使用に従う。この態様を図5において示す。
工程(1)−次の反応により240faおよび過剰なHFから1233zdを生成する:
240fa + 3HF → 1233zd + 4HCl
工程(2)−HClを回収し、中間体ならびに240faおよびHFが含まれる未反応の出発物質を再循環させる。HFを含有する(蒸気の状態の)粗製の1233zdを、多段階を用いる水吸収装置または多数の吸収装置中で処理してHFの大部分を除去する。場合により、得られた蒸気流を、水の一部が凝縮するが粗製の1233zdは凝縮しないように冷却する。
工程(3)−冷却した(蒸気の状態の)粗製の1233zdを濃硫酸溶液を循環させている硫酸スクラバー中に供給して水および全ての残留するHFの両方を除去する。水分、HFおよび3,3,3−トリフルオロプロピンを本質的に含まない得られた流れに対して蒸留工程を行って1233zdをさらに精製することができる。
上記のプロセスは、トリフルオロプロピンを形成させずに1234zeを240faから生成するためのプロセスにおいて用いることもできる。
代替の態様:
図2を参照して、液相脱酸プロセスを用いることもでき、ここで液体の粗製物質をバッチ方式で、または1段階もしくは多段階の連続方式(図1は1段階を示す)で水と接触させることができる。それぞれの段階の後、有機性物質は水相から相分離されるであろう。
別の代替の態様において、再度図2を参照して、連続抽出をこの段階に関して用いることができる。次いで水および痕跡量のHFで飽和している得られた粗製の材料を、HFの除去にも有効であるシリカゲル、モレキュラーシーブまたはアルミナのような乾燥剤で処理することができる。
図3を参照して、液体の粗製の有機性物質を濃硫酸と接触させ、続いて相分離する(または抽出カラム中で接触させる)ことができる。
図4を参照して、さらに別の代替法において、液体の粗製の有機性物質をまず気化させ、上記の工程5において記載したように循環式硫酸スクラバーに供給することができる。
実施例1
参照により本明細書に援用される米国特許公開第2012−0172636号の明細書において記載されている方法により1233zdを生成する。粗生成物は最大で約50ppmの3,3,3−トリフルオロプロピンを含有する。
反応器を出た粗生成物に対してHCl回収およびHF回収を行って、以下の組成を有する流れを回収する:
Figure 2016510817
供給流の温度はおおよそ46℃であり、圧力はおおよそ10psigである。
上記の流れを、周囲温度(おおよそ25℃〜30℃)で供給される貫流する新鮮な水の供給を有するHF吸収装置に供給する。HF吸収装置はランダム充填により充填されており、入ってくるHFの少なくとも99%を吸収するための十分な理論段数を有する。水の量は水性HFの名目上5%溶液を生成するように調節されており、パッキングの十分な湿潤も供給する。水で飽和しているHF吸収装置を出た流れを、水の一部を凝縮させるために冷却する。得られた流れを硫酸乾燥装置に連続的に供給して残留する水分および痕跡量のHFを除去する。硫酸乾燥装置は、充填されたタワーに連結された、最初99+重量%のHSOで満たされているポンプタンクからなる。ポンプを用いてポンプタンクから充填されたタワーの上部へとHSOを循環させ、一方でプロセス流は上向きに流れる。
硫酸乾燥装置の上部を出た流れを分析し、さらなる3,3,3−トリフルオロプロピンを含有していないことが分かる。
実施例2
純度99.9%の1233zd(E)を、pH10の希NaOH溶液を循環させたスクラバー(スクラバーカラムの寸法:直径6インチ、高さ10フィート)を通過させた。1233zd(E)の供給速度を1〜2lbs/hrで維持した。スクラバーを出た生成物をDrierite(CaSO)乾燥装置を通過させ、試料採取した。収集した試料中に3,3,3−トリフルオロプロピンは観察されなかった。
実施例3
循環する溶液のpHが約8であったことを除いて、実施例2を繰り返した。この場合も、実施例2におけるように、スクラバーおよび乾燥装置の後で収集した試料中に3,3,3−トリフルオロプロピンは観察されなかった。
実施例4
非触媒性液相フッ素化反応器を出た主に1233zd(Z)、1233zd(E)、未反応のHF、およびHClからなる粗製1233zd流を蒸留カラムに供給する。蒸留カラムの目的は、従来の苛性スクラビングシステムを用いた1233zd(E)からのHClおよびHFの除去の前に1233zd(Z)を除去することである。カラムの上部からの留出物流はHCl、HFおよび1233zd(E)、低沸点の副生成物を含有するが、1233zd(Z)は含有しない。留出物流のGC分析は、10ppmの3,3,3−トリフルオロプロピンの存在を示している。
次いで留出物流を、充填カラムを通して4%NaOH溶液を循環させた連続するスクラビングシステムの底部にガスとして供給する。4%NaOHは流れ中の全てのHFおよびHClを有効に中和し、1233zd(E)がカラムの上部を出る。その流れをGCにより分析し、まだ10ppmの3,3,3−トリフルオロプロピンを含有していることが分かる。
主に1233zd(Z)の流れを蒸留カラムの底部から引き出し、さらなる使用のために収集する。
比較例1
1233zdを米国特許公開第2012−0172636号の明細書において記載されている方法により生成し、その開示を参照により本明細書に援用する。粗生成物は最大で約50ppmの3,3,3−トリフルオロプロピンを含有する。
反応器を出た粗生成物は以下の組成を有していた:
Figure 2016510817
上記の有機組成は実施例1における有機組成と同じである。異なっているのはHFおよびHClの量であり、これは反応生成物に対してHClおよびHFの回収を行わなかったためである。上記の表で示した反応器を出た流れの組成の重量パーセントは、約4.4モルの有機性物質(平均分子量約140g/モル)、約18.5モルのHCl、および約20モルのHFに基づいている。
反応器を出た流れを連続する苛性スクラバーカラムを通過させた。10%KOH溶液を約50℃〜65℃においてそのカラムを通して連続的に循環させて、過剰なHFおよびHCl副生成物を除去した。次いでスクラバーカラムを出た酸を含まない粗生成物をDrierite(CaSO)を用いて乾燥させた。乾燥装置を出た粗生成物を分析し、3,3,3−トリフルオロプロピンの濃度は0.4重量%〜0.7重量%であることが分かった。
比較例2
1233zdを米国特許公開第2012−0172636号の明細書において記載されている方法により生成し、その開示を参照により本明細書に援用する。粗生成物は最大で約50ppmの3,3,3−トリフルオロプロピンを含有する。
反応器を出た粗生成物に対してHCl回収およびHF回収を行い、以下の組成を有する流れを回収する:
Figure 2016510817
供給流の温度はおおよそ46℃であり、圧力はおおよそ10psigである。
上記の流れを、4重量%NaOHの初期濃度を有する循環式苛性スクラバーに供給する。水で飽和した循環式苛性スクラバーを出た流れを、水の一部を凝縮させるために冷却する。得られた流れを硫酸乾燥装置に連続的に供給して残留する水分を除去する。硫酸乾燥装置は、充填されたタワーに連結された、最初99+重量%のHSOで満たされているポンプタンクからなる。ポンプを用いてポンプタンクから充填されたタワーの上部へとHSOを循環させ、一方でプロセス流は上向きに流れる。硫酸乾燥装置の上部を出た流れを分析し、約800〜2000ppmの3,3,3−トリフルオロプロピンを含有していることが分かる。
本明細書で用いられる際、単数形“a”、“an”および“the”には、文脈が別途明確にそうではないと指示しない限り、複数が含まれる。さらに、量、濃度、または他の値もしくはパラメーターが範囲、好ましい範囲、または上側の好ましい値および下側の好ましい値のリストのいずれかとして与えられた場合、これは、範囲が個々に開示されたかどうかにかかわらず、あらゆる上側の範囲限界または好ましい値およびあらゆる下側の範囲限界または好ましい値のあらゆる対から形成される全ての範囲を具体的に開示しているものと理解されるべきである。数値の範囲が本明細書において列挙された場合、別途記載しない限り、その範囲にはその終点、ならびにその範囲内の全ての整数および分数が含まれることが意図されている。本発明の範囲が範囲を定める際に列挙された特定の値に限定されることは意図されていない。
前記の記載は本発明を説明するだけのものであることは理解されるべきである。当業者は、本発明から逸脱することなく様々な代替物および修正を考案することができる。従って、本発明は添付された特許請求の範囲内に入る全てのそのような代替物、修正および変動を包含することが意図されている。
前記の記載は本発明を説明するだけのものであることは理解されるべきである。当業者は、本発明から逸脱することなく様々な代替物および修正を考案することができる。従って、本発明は添付された特許請求の範囲内に入る全てのそのような代替物、修正および変動を包含することが意図されている。
本発明は以下の態様を含む。
[1] フルオロカーボン化合物の製造の間の3,3,3−トリフルオロプロピンの形成を防ぐためのプロセスであって、前記の方法が以下の工程:
(a)1種類以上の酸を含む反応生成物を生成する反応プロセスにおいてフルオロカーボン化合物を形成させ;
(b)1以上の実質的に苛性物質を用いない大部分の酸を除去する手順を工程(a)の反応生成物に対して実施し;そして
(c)1以上の痕跡量の酸を除去する手順を実施して工程(b)の後に残っている酸を除去し、それにより3,3,3−トリフルオロプロピンの形成を防ぐ;
を含む、前記プロセス。
[2] フルオロカーボン化合物がフルオロカーボン、フルオロオレフィン、およびヒドロクロロフルオロオレフィンからなる群から選択される、[1]に記載のプロセス。
[3] フルオロカーボン化合物にHCFO−1233zd(E)、HCFO−1233zd(Z)、HFO−1234ze(E)、およびHFO−1234ze(Z)の1以上が含まれる、[2]に記載のプロセス。
[4] 工程(b)における酸の大部分の除去が蒸留、抽出、およびデカンテーションから選択される1種類以上の精製技法を含む、[1]に記載のプロセス。
[5] 工程(b)における酸の大部分の除去が、反応生成物を第1吸収装置において第1スクラバー溶液で処理して酸の大部分を除去することを含む、[1]に記載のプロセス。
[6] 第1スクラバー溶液が水を含む、[5]に記載のプロセス。
[7] 除去される酸がHFであり、第1スクラバー溶液が弱HF溶液を含む、[5]に記載のプロセス。
[8] 第1スクラバー溶液がHSOを含む、[5]に記載のプロセス。
[9] それにより工程(c)において工程(b)の反応生成物を第2吸収装置において第2スクラバー溶液で処理してさらなる量の酸を除去する、[5]に記載のプロセス。
[10] 第2スクラバー溶液が水を含む、[9]に記載のプロセス。
[11] 第2スクラバー溶液がHSOを含む、[9]に記載のプロセス。

Claims (11)

  1. フルオロカーボン化合物の製造の間の3,3,3−トリフルオロプロピンの形成を防ぐためのプロセスであって、前記の方法が以下の工程:
    (a)1種類以上の酸を含む反応生成物を生成する反応プロセスにおいてフルオロカーボン化合物を形成させ;
    (b)1以上の実質的に苛性物質を用いない大部分の酸を除去する手順を工程(a)の反応生成物に対して実施し;そして
    (c)1以上の痕跡量の酸を除去する手順を実施して工程(b)の後に残っている酸を除去し、それにより3,3,3−トリフルオロプロピンの形成を防ぐ;
    を含む、前記プロセス。
  2. フルオロカーボン化合物がフルオロカーボン、フルオロオレフィン、およびヒドロクロロフルオロオレフィンからなる群から選択される、請求項1に記載のプロセス。
  3. フルオロカーボン化合物にHCFO−1233zd(E)、HCFO−1233zd(Z)、HFO−1234ze(E)、およびHFO−1234ze(Z)の1以上が含まれる、請求項2に記載のプロセス。
  4. 工程(b)における酸の大部分の除去が蒸留、抽出、およびデカンテーションから選択される1種類以上の精製技法を含む、請求項1に記載のプロセス。
  5. 工程(b)における酸の大部分の除去が、反応生成物を第1吸収装置において第1スクラバー溶液で処理して酸の大部分を除去することを含む、請求項1に記載のプロセス。
  6. 第1スクラバー溶液が水を含む、請求項5に記載のプロセス。
  7. 除去される酸がHFであり、第1スクラバー溶液が弱HF溶液を含む、請求項5に記載のプロセス。
  8. 第1スクラバー溶液がHSOを含む、請求項5に記載のプロセス。
  9. それにより工程(c)において工程(b)の反応生成物を第2吸収装置において第2スクラバー溶液で処理してさらなる量の酸を除去する、請求項5に記載のプロセス。
  10. 第2スクラバー溶液が水を含む、請求項9に記載のプロセス。
  11. 第2スクラバー溶液がHSOを含む、請求項9に記載のプロセス。
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