JP2016509359A - Oled用導電性支持体、これを組み込んだoled、及びその製造 - Google Patents

Oled用導電性支持体、これを組み込んだoled、及びその製造 Download PDF

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Abstract

本発明は、OLED用の導電性支持体(100〜300)であって、ガラス基材(1)と、ストランド(20)を有する金属グリッド(2)電極と、金属グリッド(2)の下の電気絶縁性光抽出層(41)と、この光抽出層上にあり、厚さの一部を構造化された、屈折率n3が1.7〜2.3の、所定の組成の層(3)であって、少なくとも部分的に前記金属グリッドを含むキャビティを有する構造化領域(31)と、前記光抽出層上の下側領域(30)と称する別の領域とで形成された層(3)とを、この順序で含むものに関する。構造化領域(31)のいわゆる上面、すなわち基材から最も離れている面と、金属グリッド(2)のいわゆる上面、すなわち基材から最も離れている面との間の差Hは、絶対値として100nm以下である。

Description

本発明は、導電性支持体、この支持体を組み込んだ有機発光デバイス及びその製造に関する。
有機発光ダイオード(又はOLED)は標準的に、一般に導電層の形態をとる両側の2つの電極を介して給電される有機発光材料又は材料の積重体を含む。
慣用的に、上部電極は例えばアルミニウムから作製される反射金属層であり、下部電極は、厚さ約100〜150nmの酸化インジウム、一般にはスズをドープした酸化インジウム(ITOとしてよく知られている)をベースとした透明層である。しかしながら、広範囲を均一に照らすためには不連続な下部電極を形成する必要があり、これは典型的には、大きさが数mm2の電極領域を形成すること、そして各電極領域間の距離を典型的には約10μmにまで大幅に狭めることで行われる。
国際公開第2009/071822号には、それに代わる下部電極が記載されている。より精確には、この下部電極はとりわけ、平均幅Aが約3μmの不規則な銀ベースのストランドから形成される厚さ1μmの非周期的グリッドで構成される導体を含み、これらのストランドは約30μmの平均間隔Bで離間されて、その結果B/A比は10となる。
この導電性グリッドは、自己組織化網目構造の開口を有するマスクを介して銀を蒸着させることで製作される。マスクはその後除去される。
このようにして、B/A及び厚さを慎重に選択することで、このグリッドの場合、特に低い、約0.6Ω/□のシート抵抗が得られる。このグリッドの光透過率TLは約70%であり、ストランドは肉眼では見えない。
図3を参照して説明される実施形態において、高屈折率を有し得る溶融ガラスフリットで製作される充填層がグリッドのストランド間に追加されている。グリッドのストランド及び溶融ガラスフリットにより形成される表面は、機械研磨により、例えばアルミナ又は酸化セリウムを用いた研磨などにより平滑化される。電極を作製するために、ガラスフリットをグリッドのストランド間及びその上に被着させることでストランド上に被覆層を形成する。焼成後、表面をストランドの高さに揃える。
グリッド及び充填層を覆う導電性コーティングが平滑さを維持し、また電流の分配を可能にする。導電性コーティングは、スパッタリングにより被着されるITOであり、それにより40nm以上の厚さで約10-4Ω・cmの抵抗率ρ1が得られ、あるいは導電性コーティングは湿式法により被着されるPEDOT/PSSである。
この電極がOLEDデバイスの全体的な性能(発光効率、照明の均一性等)を向上させることにさらに寄与するとは言うものの、この性能はさらに改善することができよう。
これを目的として、本発明は、
・屈折率n1の範囲が1.3〜1.6であり、第1面と称する第1の主面を有する、(透明な、任意選択的に、特に表面が構造化されている場合には、半透明の)有機又は無機ガラスのグレージング基材、及び、
・金属グリッドと称するグリッドに配置された層を含む電極であって、このグリッドは20Ω/□未満、より好ましくは10Ω/□未満のシート抵抗を有する金属で製作されており(純粋な金属又は合金の単層又は多層)、該金属グリッドは少なくとも100nm、好ましくは最大で1500nmの厚さe2を有し、また該グリッドは50μm以下の幅Aを有するストランド(トラックと称することもあるもの)から形成されて、5000μm以下のストランド間距離Bをおいて離間されており、これらのストランドは1.65より高い屈折率の複数の電気絶縁非導電性区域で隔てられている、電極、
をこの順序で含む導電性OLED支持体であって、
(第1面と同じ側で且つ)前記金属グリッドの下に、
・光のバルク及び/又は表面散乱によって一般に光を抽出する、所定の厚さe0の電気絶縁性光抽出層であって、好ましくは、
・散乱面(光を散乱させるために構造化された)である、前記基材の第1面、及び/又は、
・(平坦な又は構造化された)前記基材の第1面の上の(好ましくはすぐ上の)追加散乱層であって、好ましくは、散乱要素を含有する無機材料で、例えば屈折率n4が1.7〜2.3、好ましくは1.80〜2.10、特に1.85〜2.00の材料であって、n4とは異なる、好ましくは少なくとも0.1、より好ましくは少なくとも0.2、特に少なくとも0.25だけ異なる屈折率neを有するのが好ましい散乱要素を含有する材料で(本質的に)製作された、追加散乱層、
を含む(からなる)電気絶縁性光抽出層、及び、
・その厚さの一部を構造化された好ましくは電気絶縁性の層であり、所定の組成を有し、1.70〜2.3、好ましくは1.80〜2.10、特に1.85〜2.00の屈折率n3の層であって、前記光抽出層の上(好ましくはすぐ上)、且つ特に前記グリッドの下にそれと接触して位置しており、該当する場合n3−n4の差の絶対値が好ましくは0.1未満であって、次のものから、すなわち、
・キャビティで構造化された領域(前記光抽出層から最も遠くに位置する)であって、好ましくは電気絶縁性であるこの領域に非導電性の区域が含まれており、前記キャビティの少なくとも一部分に前記金属グリッドが含まれている、キャビティで構造化された領域、及び、
・前記光抽出層の最も近くに位置し下側(非構造化)領域と称する別の領域であって、好ましくは当該光抽出層のすぐ上に位置し、好ましくは電気絶縁性である、別の領域、
から形成されている層、
を含んでいる導電性OLED支持体に関する。
当然のことながら、部分的に構造化された層は、全くグリッドの下にはない。キャビティの底がグリッド下にある。構造化された領域には、少なくとも一部分に金属グリッドが含まれている。
言い換えると、支持体は、第1面と同じ側に、
・金属グリッド下の、光のバルク散乱及び/又は表面散乱により一般に光を抽出する、所定の厚さe0の、電気絶縁性光抽出層であって、好ましくは、
・散乱面(光を散乱させるために構造化された)である、基材の第1面、及び/又は、
・(平坦な又は構造化された)前記基材の第1面上の(好ましくはすぐ上の)追加散乱層であって、好ましくは、散乱要素を含有する無機材料で、例えば屈折率n4が1.7〜2.3、好ましくは1.80〜2.10、特に1.85〜2.00の材料であって、n4とは異なる、好ましくは少なくとも0.1、より好ましくは少なくとも0.2、特に少なくとも0.25だけ異なる屈折率neを有するのが好ましい散乱要素を含有する材料で(本質的に)製作された、追加散乱層、
を含む(からなる)電気絶縁性光抽出層、及び、
・厚さの一部を構造化され、所定の組成を有し、屈折率n3が1.70〜2.3、好ましくは1.80〜2.10、特に1.85〜2.00の層であって、前記光抽出層の上(好ましくはすぐ上)に位置し好ましくは前記グリッドと接触していて、該当する場合(n3とn4とが異なる場合)n3−n4の差の絶対値が好ましくは0.1未満である、厚さの一部を構造化された層であって、当該一部を構造化され、好ましくは電気絶縁性である層は、次のものから、すなわち、
・キャビティで構造化された領域(前記光抽出層から最も遠くに位置する)であって、この領域には非導電性の区域が含まれており、前記キャビティの少なくとも一部分に前記金属グリッドが含まれている、キャビティで構造化された領域、及び、
・前記金属グリッドの下の、前記光抽出層の最も近くに位置し下側(非構造化)領域と称する別の領域であって、好ましくは当該光抽出層のすぐ上に位置する、別の領域、
から形成されている層、
を含んでいる。
非導電性区域の上側面(すなわち基材から最も遠い面)と称する面と金属グリッドの表面(すなわち、基材から最も遠い、上面と称する面)との間隔Hは、絶対値で、100nm以下、好ましくは50nm以下、さらに好ましくは20nm以下である。さらに、上側面とグリッドの表面との間のHは、キャビティの中央で測定するのが好ましい。
グリッドとグレージング基材との間に光散乱機能を有する上記の光抽出層を挿入することで、光学性能が大幅に上昇する。
光抽出層をグリッド間ではなくグリッドの下に置くことで、グリッドの厚さ(特にそのシート抵抗に影響する)及びこの光抽出層の厚さ(その光抽出特性に影響する)を独立して調節することが可能になる。基材の第1面と金属グリッド(の下面)との間の総厚Eは好ましくは少なくとも1μmであり、より好ましくは5μmと30μmの間である。
間隔Hが小さいことで、グリッドと上側面とが一緒になった面は充分に滑らかなものになる。したがって短絡のリスクが制限される。グリッドは上側面から突出してもよく、又はキャビティ内に凹んでいてもよい。
しかしながら、特に製造し易くするためには、グリッドが上側面から引っ込むことが好ましい。
金属グリッドの厚さe2は、非導電性区域間のキャビティの高さecより(好ましくは)小さく、あるいはそれより大きいか又はそれと等しく、好ましくは少なくとも80nm、さらには100nm小さい。深いキャビティを作るのは容易であり、したがってグリッドが厚くても、ecをグリッドより容易に大きくすることができる。
肉眼でのストランドの可視性を抑えるために、Aは50μm以下となるように選択され、低Rの目標値をより容易に得るために、e2は少なくとも100nmとなるように選択される。
ストランドは、OLEDの能動領域で相互接続されるか、又はそれらの端部を介して電気接点に(のみ)接続される。
追加散乱層の表面に多数の散乱要素が単に存在するだけでは、又は散乱性の第1面の表面構造が単に存在するだけでは、それらの過大な粗さのために、グリッドをその上に直接被着させると短絡の原因となる場合がある。
したがって、グリッドを光抽出層の表面と接触させずに部分的に構造化された層に固定することが好ましく、この部分的に構造化された層は、少なくとも短絡に関係するスケールで、すなわち50μm未満且つ例えば10μmを超えるスケールの長さにわたって、局所的に平坦であるのが好ましい。
この部分的に構造化された層は、好ましくは光抽出層のすぐ上に位置し、特にガラスの散乱性の第1面又は追加散乱層の粗さプロファイルを覆い又は埋めることができるのが好ましい。したがって、部分的に構造化された層の上側面は、ガラスの散乱性の第1面又は追加散乱層の粗さを再現(又は増幅)しない。
そのため、部分的に構造化された層は、散乱粒子をわずかしか又は全く含有しないこと、さらには(有意の)散乱機能を有さないことが好ましい。
上側面を維持し且つそれを局所的に可能な限り滑らかにするために、特にガラス質材料で製作され好ましくはエナメルから製作される(少なくとも)構造化領域は、その厚さ全体にわたって散乱粒子を含まないのが好ましい。
また、好ましくは電気絶縁性であって優先的にカラス質材料で製作され、より好ましくはエナメルで製作される構造化領域は、その面上に、さらにはその厚み中に、細孔が全く又はわずかしかないことが好ましいとも考えられる。
さらに、キャビティ底部の表面を維持するために、特にガラス質材料で製作され好ましくはエナメルで製作される下側領域は、その厚み全体を通して散乱粒子を含有していないことが好ましい。光を散乱するか否かに関わらず、下側領域が含有する細孔(空気又は気泡)の体積濃度は、特に0.5%未満、好ましくは0.2%未満、とりわけ0.1%未満(だけ)である。
光の散乱に関しては、特にガラス質材料、好ましくはエナメルで作製される下側領域は、極めて少ない量の、及び/又は極めて少なくて(つまり非散乱性であるため)部分的に構造化された層による光の散乱が起きず、特に基材と光抽出層と部分的に構造化された層とが一緒になったものの曇り度の値を基材と光抽出層だけの曇り度と比較して上昇させない量の、細孔を含有してもよい。
特にガラス質材料、好ましくはエナメルで作製される部分的に構造化された層は、極めて少ない量の、及び/又は極めて少なくて(つまり非散乱性であるため)この層による光の散乱が(有意に)起きない、好ましくは上側面を粗化しない量の、細孔を含有してもよい。
特にガラス質材料、好ましくはエナメルで作製される部分的に構造化された層の上側面は、好ましくは5nm未満、より好ましくは3nm未満、さらには1nm未満のRa粗さ(プロファイルの算術平均偏差であるRaパラメータは周知である)を有することができる。Ra粗さはISO規格4287に準拠して定義することができ、10μm×10μmの領域内の256箇所で原子間力顕微鏡を使用して測定される。
さらに、上側面における肉眼で見える欠陥(大きさが5μmより大きい)の数は、1cm2あたり1未満であるのが好ましい。この数は、光学顕微鏡を使用して求めることができる。
部分的に構造化された層の形成を目的とする層の表面は、例えば100〜200μmの横方向周期Wにわたって1μmの高さの振れを有する、大規模な凹凸を示すことができる。これらの凹凸は、
・キャビティ幅AcがWよりずっと小さいことから構造化に悪影響を及ぼさず、
・又は、特にフォトレジストの場合に、エッチングマスクの形成に悪影響を及ぼさない。
結果として、部分的に構造化された層の上側面は、少なくとも300μmのBについて同じ凹凸を示すことができる。それらは短絡の原因にはならない。
部分的に構造化された層は、3μmより大きい、好ましくは30μm未満の、厚さe3を有することができる。
局所的に可能な限り平坦な上側面を得るために、特に光抽出層がマトリックス中に散乱粒子が分散している高屈折率マトリックスから作製される追加散乱層である場合には、e3が3μmより大きく、さらには5μmより大きく、好ましくは20μm未満、より好ましくは15μm未満であることが好ましい。好ましい範囲は5〜15μmである。
局所的に可能な限り平坦な上側面を得るために、特に光抽出層が散乱面、例えばガラスの第1面などである場合には、e3が5μmより大きく、さらには8μmより大きく、より好ましくは9μmより大きく、且つe3が好ましくは30μm未満、より好ましくは25μm以下であることが好ましい。好ましい範囲は9〜20μmである。
丈夫で且つ使用するのが簡単である有利な一実施形態では、好ましくは電気絶縁性の部分的に構造化された層は、好ましくは1種以上の酸化物をベースとした又は1種以上の酸化物から本質的に作製された無機層であり、より一層好ましくは溶融ガラスフリットをベースとしたガラス質材料、特にエナメルである。
部分的に構造化された層は、例えば、追加散乱層と同じガラス質材料で作製してもよく、又は別のガラス質材料で作製してもよい。
これらのガラス質材料が同じである場合、追加散乱層と部分的に構造化された層との界面は、たとえそれらを相次いで被着させても、必ずしも「目立たず」目に見えない。
エナメルの部分的に構造化された層は、極めて少ない量の、及び/又は極めて少なくてこの層による光の散乱が(有意に)起きない量の、及び/又は好ましくは上側面を粗化しない量の、細孔を含有してもよい。
追加散乱層は、単層でもよくあるいは多層でもよく、そしてそれは、散乱要素の勾配を有してもよく(散乱要素、特に粒子及び/又は気泡の数が、好ましくはグリッドの方向で減少する)、特に散乱要素の勾配及び/又は異なる散乱要素(種類及び/又は濃度において異なる)を有する二層であってもよい。
追加散乱層、特にエナメルの層は、1μmと80μmの間に含まれる、特に2〜30μm、さらには3〜20μmの、厚さe4を有することができる。
散乱要素、特に散乱粒子は、ガラス質材料中に均一に分布させることができる。あるいは、それらは、例えば勾配を作り出すために、不均一に分布させてもよい。追加散乱層はまた、含有する散乱要素の種類、大きさ又は割合が異なるという点で互いに異なる複数の単一層で構成されてもよい。
好ましくは、散乱要素は粒子及び細孔から選択される。追加散乱層は、粒子と細孔の両方を含有してもよい。
粒子は、好ましくはアルミナ粒子、ジルコニア粒子、シリカ粒子、二酸化チタン粒子、炭酸カルシウム粒子及び硫酸バリウム粒子から選択される。散乱層は、単一タイプの粒子又は複数の異なるタイプの粒子を含むことができる。
散乱要素は好ましくは、可視光の散乱を可能にする特徴的な大きさを有する。散乱要素(特に粒子)は、0.05μmと5μmの間、特に0.1μmと3μmの間に含まれる、動的光散乱法(DLS)で測定される平均直径を有するのが好ましい。
追加散乱層における散乱粒子の重量濃度は、好ましくは0.2〜10%、特に0.5〜8%、さらには0.8〜5%の範囲に含まれる。
散乱粒子の化学的性質は特に制限されないものの、好ましくはTiO2粒子及びSiO2粒子から選択される。
例えば欧州特許出願公開第1406474号明細書に記載されるような、散乱粒子を充填したポリマーの形態をとる散乱層を使用してもよい。
任意選択的な追加散乱層は好ましくは無機層であり、好ましくは1種以上の酸化物をベースとしたもの、より好ましくは本質的に1種以上の酸化物で製作したものであり、また、部分的に構造化された層は好ましくは無機層であり、好ましくは1種以上の酸化物をベースとした層であって、特に追加散乱層と同一であり、そして好ましくは、ガラスは無機ガラスである。
好ましい実施形態では、追加散乱層は基材のすぐ上に位置する無機層であり、この層は1種以上の酸化物をベースとした高屈折率無機材料で製作され、この無機材料は好ましくはガラス質材料、特にエナメルであり、そして散乱要素は好ましくは本質的に無機である(細孔、析出結晶、例えば酸化物又は非酸化物セラミックの中空又は中実粒子等)。
有利には、「全部が無機の」形態が好ましく、特に、
・基材は好ましくは無機ガラスで製作され、光抽出層は、散乱要素とガラス質材料、好ましくはエナメル、を含む(特にそれからなる)材料とを含有する追加散乱層を含み(さらにはそれで構成され)、部分的に構造化された層の組成はガラス質材料、好ましくはエナメル、を含み(特にそれからなり)、そしてこの組成は好ましくは追加散乱層の材料と同じであり、
・及び/又は、好ましくは無機ガラスで製作される基材の第1の(形成された)散乱面は、光抽出層の一部を形成するか又は光抽出層であって、部分的に構造化された層の組成はガラス質材料、好ましくはエナメル、を含む(特にそれからなる)。
本発明によるエナメル層(部分的に構造化された層及び/又は追加散乱層)は、(材料と同じ化学組成の)ガラスフリットを一般的に有機の媒体と混合することでペースト(任意選択的に散乱粒子を含有する)を作り、これを好ましくはスクリーン印刷で第1無機ガラスの表面に被着させてから焼成する方法で得られるのが好ましい。
エナメルで製作される追加散乱層に関して言うと、細孔は好ましくは、有機化合物を例えば媒体から除去することで焼成中に形成される。それは好ましくは閉じており、つながっていない。
エナメルの散乱層及び散乱層上に位置する高屈折率エナメル層は、従来技術において公知であり、例えば欧州特許出願公開第2178343号明細書及び国際公開第2011/089343号に記載されている。高屈折率組成物は、国際公開第2010/084922号及び国際公開第2010/084925号にも記載されている。
好ましくは散乱粒子を含有していない、エナメルで作製される屈折率n3の部分的に構造化された層は、高い酸化ビスマス含有量、例えば少なくとも40重量%、より好ましくは少なくとも55%、そして好ましくは最大で85%の酸化ビスマス含有量を有することができる。好ましくは、ガラス転移温度Tgが520℃未満、より好ましくは500℃以下、さらには490℃以下であり、そして特に少なくとも450℃の、エナメルを選択する。Tgは、示差走査熱量測定(DLC)により測定する。エナメルを形成するための焼成温度はTgより高いが、ガラス基材を軟化させてはならない。好ましくは、特にTgが500℃以下である場合、焼成温度は600℃未満、さらには570℃未満である。
好ましくは散乱粒子を含有し、任意選択的に細孔を含有する追加散乱層は(も)、(散乱性の)エナメルで製作することができる。好ましくは、ガラス転移温度Tgが600℃未満、より好ましくは550℃以下、さらには500℃以下のエナメルを選択する。散乱性のエナメルは、少なくとも1.7である高い屈折率を有することができ、また高い酸化ビスマス含有量、例えば少なくとも40重量%、さらに好ましくは少なくとも55重量%、そして好ましくは最大で85%の、酸化ビスマス含有量を有することができる。Tgは示差走査熱量測定(DLC)により測定する。エナメルを形成するための焼成温度はTgより高いが、ガラス基材を軟化させてはならない。好ましくは、特にTgが500℃以下である場合、焼成温度は600℃未満、さらには570℃未満である。
第1面は、光を散乱させるのに充分なだけ粗くてよい。OLEDの有機層が放射する光を抽出するための粗い界面は公知であり、例えば国際公開第2010/112786号、同第02/37568号及び同第2011/089343号に記載されている。基材の第1面の粗さは、任意の適切な公知の手段により、例えば酸エッチング(フッ化水素酸)、サンドブラスト又は摩滅で得ることができる。(作製された)散乱基材の第1面の表面構造は、白色光に適用する場合、非周期的であり、特にランダムであるのが好ましい。
基材の粗さは、プロファイルの算術平均偏差であり平均高さの振れを定量化する周知の粗さパラメータRaにより特徴付けされる。RaはISO規格4287に準拠して定義され、原子間力顕微鏡を使用して測定することができる。一般的に、Raはミクロンサイズであり、好ましくは5μm未満、さらは3μm未満である。
散乱性の第1面及び/又は追加散乱層を修飾するのに「散乱性(の)」という形容詞を用いる場合、好ましくは、(グレージング基材及び光抽出層と任意選択的な部分的に構造化された層とで構成される組立体の)曇り度が少なくとも60%、より好ましくは70%、さらには80%又は90%であると理解される。「ベーリング(veiling)」と称されることもある曇り度は、ヘイズメータを用いて、例えばBYK社が販売するものを用いて測定され、手順はASTM D1003規格で規定されている。
基材に散乱機能(すなわち、粗い散乱性の第1面)がない場合、基材の曇り度は5%未満、より好ましくは2%未満、さらには1%未満であることが好ましい。
さらに、
・基材と光抽出層とで構成される組立体は、少なくとも40%、さらには50%の光透過率TLと、好ましくは最高5%、さらには3%の吸収率を有すること、及び、
・基材/(好ましくはガラス質材料/エナメルで製作される)光抽出層/(好ましくはガラス質材料、より好ましくはエナメルで作製され、光抽出層のすぐ上に位置する)部分的に構造化された層の組立体は、少なくとも40%、さらには50%のTLと、好ましくは最高で5%、さらには3%の吸収率を有すること、
が好ましい。
有利には、好ましくは電気絶縁性である部分的に構造化された層(及び好ましくは電極)は、基材表面の少なくとも80%、特に90%、さらには95%を覆う。
本発明による部分的に構造化された層は、広い範囲、例えば0.02m2以上、さらには0.5m2又は1m2以上の範囲にわたって延在することができる。本発明によるグリッドは、広い範囲、例えば0.02m2以上、さらには0.5m2又は1m2以上の範囲にわたって延在することができる。
一般的に、エッチング中のアルカリ金属に対するバリアとして又は保護層として機能する層を、
・無機ガラス基材の第1面(この面は散乱性にされているか又は慣用的な平坦な研磨面である)と追加散乱層との間に、及び/又は、
・無機ガラス基材の第1面(この面は散乱性にされているか又は慣用的な平坦な研磨面である)と好ましくは電気絶縁性の部分的に構造化された層との間に、
追加してもよい。
例えば物理気相成長(PVD)により被着される、この層の表面は、一般に基材表面、すなわちその下にある面の形状に合致するため、平坦化の役割を果たさない(又はわずかしか果たさない)。
エッチング中のアルカリ金属に対するバリアとして又は保護層として機能する層は、窒化ケイ素、酸炭化ケイ素、酸窒化ケイ素、酸炭窒化ケイ素、シリカ、アルミナ、酸化チタン、酸化スズ、窒化アルミニウム、窒化チタン又はTi(Zr)Oをベースとすることができ、例えば30nm以下、且つ好ましくは3nm以上、さらには5nm以上の厚さでよい。これは多層に関わる問題と考えられる。
基材がプラスチック製である場合(その表面が平坦であろうと散乱性にされていようと)、湿分バリア層を基材に追加してもよい。このバリア層は、窒化ケイ素、酸炭化ケイ素、酸窒化ケイ素、酸炭窒化ケイ素、シリカ、アルミナ、酸化チタン、酸化スズ、窒化アルミニウム又は窒化チタンをベースとすることができ、例えば10nm以下、且つ好ましくは3nm以上、さらには5nm以上の厚さでよい。これは多層に関わる問題と考えられる。
本発明において、全ての屈折率は550nmで規定される。
本発明による導電性支持体は、底面発光型有機発光デバイス又は上面及び底面発光型有機発光デバイスで使用することができる。
本発明において、それぞれ及び全ての誘電体層にはドープすることができる。「ドープする」との用語は、標準的に、元素が層中の金属元素の10重量%未満の量で存在することを意味すると理解される。金属酸化物又は窒化物には、特に0.5%と5%の間に至るまでドープすることができる。本発明による金属酸化物層はいずれも、この層がドープされているか否かに関係なく、単一酸化物であっても又は混合酸化物であってもよい。
本発明において、層又はコーティング(1つ以上の層を含んでいる)を別の被着物のすぐ下又はすぐ上に被着すると記載している場合、これはこれら2つの被着物の間に他の層が介在できないことを意味する。
キャビティ(これはグリッドを形成して金属グリッドのレイアウトを規定する)には、少なくとも部分的に金属グリッドが充填される。(U形の)キャビティは、底面及び直立した(基材に対して直角な、すなわち垂直な)側面又は基材から離れるにつれて口を広げた側面に囲まれる。水平距離Lが、透明度を維持するためにL≦1.4ec、より好ましくは≦1.2ec(上側面と下側面との間で)となるように規定される。このように、ストランドの幅を最良の値まで減少させるために、キャビティの(横方向への)広がりを制限するのが好ましい。さらに、所定のRについて、ストランドは、透明度を上昇させるために寸法的に大きいよりも厚さが大きいことが好ましい。
キャビティは、任意の形状の、例えば線状の又は蛇行する、一次元的な溝を形成してもよく、それらの溝は任意選択的に一定の間隔をあけており(Bcの距離だけ)、とりわけ(少なくとも発光領域においては)分離している。
キャビティは、均一又は不均一なます目の大きさで任意の形状の、特に幾何学形状(正方形、長方形、ハニカム等)の、周期的な又は非周期的なメッシュ、すなわち相互接続された開口の(二次元的な)網目構造を形成してもよい。ます目の大きさは、(2つのメッシュ点間の)最大幅Bcにより規定することができる。
非導電性区域を隔てているキャビティの高さecは、少なくとも50nm、さらには80nm又は100nmでよく、好ましくは1500nm又は1200nm未満であり、キャビティの幅Acは、50μm以下、さらには30μm以下でよく、好ましくは少なくとも1μm又は1.5μmである。ecは、好ましくはキャビティの中央で測定する。
グリッドのストランドがキャビティから出てくる場合には、ストランドはキャビティ周縁の上側面の端部を超えて延在しないこと、あるいは500nm未満、より好ましくは200nm未満、さらには50nm又は10nm未満の短い距離を超えて延在しないことが好ましい。
グリッドは、互いに平行に走り端部で電気接点に(それらを介して一緒に)接続された線状ストランドの形を取ってもよく、及び/又は閉じたパターン若しくはメッシュ(相互接続されて閉じたパターンを画定しているストランド)、例えば不均一な形状及び/又は不均一な大きさの幾何学な(長方形、正方形、多角形、ハニカム等の)パターンの形を取ってもよい。グリッドは、線状の領域(ストランド又はトラックのストリップ)と閉じたパターンを含む領域(メッシュ状のストランド又はトラック)を含んでもよい。部分的に構造化された層の構造は、これを達成するために適合される。
厚さe2は、キャビティにおいて必ずしも一定ではない。それは、好ましくは中央で規定される(中央厚と称する)。
幅Aは、キャビティにおいて必ずしも一定ではない。それは、グリッドの上面と同じ高さで及び/又は好ましくは最大幅として規定することができる。
Bは、ストランド間の最大距離として定義することができ、この距離Bは特に、メッシュ上の2つの点間の最大距離、又は2本の別々の隣接する溝タイプのストランド(直線であろうとそうでなかろうと)間の最大距離に相当する。
A及びBはストランド毎に異なってもよい。グリッドは場合によっては不均一であり及び/又はストランドの端部は場合によっては傾斜していることから、AとBの寸法は、e2と同様に、好ましくはストランド全体の平均寸法である。厚さe2は、1500nm未満、より好ましくは1000nm未満、特に100〜1000nm、又は800nm未満、特に200〜800nm、又は650nm未満でよい。
(平均の、好ましくは最大の)幅Aは、30μm未満であり、好ましくは1〜20μm、さらに好ましくは1.5〜20μm又は1.5〜15μmである。
Bは、少なくとも50μm、さらには少なくとも200μmでよく、且つBは5000μm未満、より好ましくは2000μm未満、さらには1000μm未満である。
本発明による金属グリッドの別の考えられる特徴は、好ましくは25%未満、より好ましくは10%未満、さらには6%未満又は2%未満の被覆率Tを有することである。
特に、Bは、e2が800μmと1500nmの間でありAが10μmと50μmの間に含まれる場合、2000μmと5000μmの間であることが望ましいと考えられる。これは0.4%と6.0%の間の被覆率に相当する。
特に、Bは、e2が500nm未満でありAが3μmと20μmの間に含まれ、さらには3〜10μmである場合、200μmと1000μmであることが望ましいと考えられる。これは0.5%と22%の間、さらには0.5〜11%の被覆率に相当する。
好ましくは、金属グリッドは、銀めっきをして、より好ましくはキャビティに直接銀めっきをして、得られる。
物理気相成長(PVD)法、例えばマグネトロンスパッタリングを用いて被着する場合には、(フォト)レジストマスク等のマスクの開口部によるシャドー効果によりストランドの側方領域がカップ状になり、形態上の破れが生じて、グリッドの表面粗さが極めて小さくても短絡を引き起こすことがある。
さらに、銀めっきは簡単で、PVDより複雑でなく(真空装置等が不要である)、どんな大きさのグリッドにも適している。意外にも、標準的には「完全な」層の形成に使用される銀めっきは、キャビティ内に被着物を被着するのに完璧に適している。さらに、銀めっきで被着した銀の導電率は満足のいくものである。
有利な一実施形態では(特にキャビティを等方性エッチングにより得、且つストランドの全て又は一部を(フォト)レジストマスクの開口部を通した銀めっきにより形成する場合には)、ストランドは細長くなり、(少なくとも発光領域において)分離しているか又は相互接続して特にメッシュを形成し、またストランドは、それらの長さに沿って周辺側方領域の間に中央領域を有するものとなり、この周辺側方領域は(平坦で且つ)上側面と同一平面にあり、そして上側面から引っ込んでいるのが好ましい中央領域の表面粗さは周辺領域における表面粗さより大きくなる。
各(平坦な)周辺側方領域におけるRqは、好ましくは最大で5nm、さらには最大で3nm、さらには最大で2nm又は1nmである。さらに、各(平坦な)周辺側方領域におけるRmax(最大高さ)は、最大で20nm、さらには最大で10nmである。
これらの平坦で平滑な側方領域は、PVDにより作られるカップ状領域と比較して漏洩電流のリスクを低下させる。
それらはストランドの全体的な粗さも低下させる。
好ましくは、各周辺側方領域の幅L1はキャビティの高さec以上であって、L1≦1.4ec、さらにはL1≦1.2ecである。
L1は一般に、水平距離Lに実質的に等しい。
(最も粗い)中央領域における(周知の)粗さパラメータRq(rms粗さ)は、少なくとも10nm、さらには少なくとも20nm(且つ好ましくは最大60nm)である。さらに、(粗い)中央領域におけるRmax(最大高さ)は、好ましくは少なくとも100nm、さらには少なくとも150nm(且つ好ましくは最大500nm)である。
中央領域の粗さは金属グリッドの厚さに左右され、この厚さと共に増大する。
グリッドのRmaxとRqは、ISO規格4287に準拠して定義され、原子間力顕微鏡を使用して測定することができる。
本発明によれば、上側面と高さが同じ側方領域は、上側面と厳密に同一面にあることができ、あるいは上側面から最大で10nm、より好ましくは最大で5nmの距離にあってもよい。
さらに、中央領域は上側面より引っ込んでいることが好ましい(Hは最大で上側面のところまで及ぶ)。
有利には、本発明による金属グリッドは、10Ω/□以下、好ましくは5Ω/□以下、さらには1Ω/□以下のシート抵抗を有することができる。
グリッドは、銀、アルミニウム、さらには白金、金、銅、パラジウム及びクロムから選択される純粋な金属をベースとしてもよく、又は少なくとも1種の他の金属、すなわちAg、Au、Pd、Al、Pt、Cu、Zn、Cd、In、Si、Zr、Mo、Ni、Cr、Mg、Mn、Co、Snと合金化した若しくはそれをドープした上記金属をベースとしてもよい。グリッドの1種以上の金属は特に、銀、銅、アルミニウム、金、及びこれらの金属をベースとした合金から形成される群から選択され、そして好ましくは銀をベースとする。銀(場合によってはその表面が酸化された)が好ましい。
金属グリッドは、単一の(銀)層であってもよく、又は多層(好ましくは少なくとも80%、さらには90%の銀を含有する)であってもよい。
金属グリッドは、多層でもよく、特に、
・第1金属、好ましくは銀をベースとし、さらには銀からなる第1金属で製作されるのが好ましい第1金属層であって、グリッドの総厚e2の15%未満、さらには10%未満を構成し、及び/又は総厚e2のうちの少なくとも3nm、5nm、さらには少なくとも10nm、且つ好ましく100nm未満、さらには50nm未満を構成している第1金属層、特に結合層(キャビティ底面のすぐ上に位置し、すなわちキャビティ底面に最も近い金属層)、
・銀、アルミニウム又は銅から選択されるのが好ましい第2金属をベースとした第2金属層(第1層上に、すなわち基材と反対側に位置する)であり、特に第1層との識別可能な界面を形成し、グリッドの総厚e2の少なくとも70%、80%、さらには90%を構成している第2金属層であって、好ましくは特に第1層のように銀をベースとするか又は銀からなる、第2金属層、
をこの順序で含む(あるいはこれらからなる)銀の多層でよい。
特に、銀をベースとした第1金属層を第1の被着法、例えば銀めっき又は真空被着(スパッタリング)を用いて、好ましくは少なくとも20nm、さらには30nmの厚さで形成し、次に銀をベースとし、厚さが少なくとも3nm、さらには5nmの第2金属層を第2被着法、好ましくは電気めっきを用いて形成することが可能である。電気めっきの利点は、銀めっきより銀の利用度が高いこと、またスパッタリングよりも安価な方法であることである。金属グリッドは、異なる材料の多層であることができ、この多層の最終層は例えば腐食(水及び/又は空気)から保護する層であり、この保護層はその下の金属層とは異なる材料、例えば特に銀でない金属で作製され、厚さが10nm未満、より好ましくは5nm未満又は3nm未満である。この層は、銀をベースとしたグリッドにとって特に有用である。
金属グリッドはさらに、異なる材料で作製される2層の多層でもよく、例えば、
・上記の材料で製作され、厚さが少なくとも100nmの、好ましくは銀をベースとした(単一の)金属層であって、例えば銀めっき又は真空被着(スパッタリング)により被着される金属層、
・腐食(水及び/又は空気)から保護する被覆層であって、上記金属層とは異なる材料、例えば特に銀以外の金属で製作されて、10nm未満、より好ましくは5nm未満又は3nm未満の厚さを有する被覆層、
から構成される二層でよい。
保護被覆層は、その下の金属層と同じ被着技術を用いて、例えば同じ被着装置での真空被着(蒸着、スパッタリング)により、あるいは好ましくは湿式処理、例えば銀めっきにより、被着させることができる。
金属グリッドは、異なる材料の多層でもよく、例えば、
・少なくとも1つは銀の第2金属層であるのが好ましく、銀の多層であるのが一層好ましい、上述の金属多層、及び、
・腐食(水及び/又は空気)から保護する被覆層であって、例えば特に銀以外の金属で製作されて、10nm未満、より好ましくは5nm未満又は3nm未満の厚さを有し、真空被着(蒸着又はスパッタリング)により、好ましくは電気めっきにより被着される被覆層、
から構成される三層でもよい。
保護被覆層は、グリッド(の最終層)の被着に用いると同じ技術を用いて、例えば電気めっきにより、被着させることができる。
保護被覆層は好ましくは、以下の金属、すなわち、Ti、V、Mn、Fe、Co、Cu、Zn、Zr、Hf、Al、Nb、Ni、Cr、Mo、Ta、W、のうちの少なくとも1種をベースとした、あるいはこれらの材料の少なくとも1種のものの合金をベースとした、好ましくはNi若しくはTiをベースとした、Ni合金をベースとした、又はNiCr合金をベースとした、金属層を含む。
例えば、それは、ニオブ、タンタル、チタン、クロム若しくはニッケル、又はこれらの金属の少なくとも2種から作られる合金、例えばニッケル/クロム合金など、をベースとした層で構成してもよい。
特に、ニオブNb、タンタルTa、チタンTi、クロムCr若しくはニッケルNi、又はこれらの金属のうちの少なくとも2種から作られる合金、特にニオブとタンタルの合金(Nb/Ta)、ニオブとクロムの合金(Nb/Cr)、タンタルとクロムの合金(Ta/Cr)若しくはニッケルクロム合金(Ni/Cr)から選択される金属をベースとした薄層が好ましい。
薄い金属のブロック層も、銀金属層による伝導を低下させることなく、容易に設けることができる。この金属層は好ましくは、希ガス(He、Ne、Xe、Ar、Kr)から選択される不活性雰囲気中で(すなわち、酸素又は窒素を意図的に導入することなく)被着させることができる。この金属層の表面がその後の金属酸化物をベースとする層の被着中に酸化されることは、排除されず又は問題とならない。
薄いブロック層は、部分酸化されてもよく、すなわちMoxタイプ(この式のMは金属を表し、xは当該金属の酸化物の化学量論比より小さい数字である)であっても、あるいは2種(またはそれ以上の)金属M及びNの、MNOxタイプの酸化物であってもよい。例えば、TiOx及びNiCrOx(ここでのxは好ましくは、当該酸化物の通常の化学量論比の0.75倍と0.99倍の間に含まれる)を挙げることができる。一酸化物の場合、xは特に0.5と0.98の間となるように選択することができ、二酸化物の場合は1.5と1.98の間となるように選択することができる。
特定の一変形例として、ブロック薄層はTiOxをベースとし、xは特に1.5≦x≦1.98又は1.5<x<1.7、さらには1.7≦x≦1.95となるようなものでよい。
ブロック薄層は部分的に窒化されてもよい。したがって、それはその化学量論的形態では被着されず、MNyタイプの準化学量論的な形態で被着され、ここでのMは金属を表し、yは当該金属の窒化物の化学量論比より小さい数字である。yは好ましくは、窒化物の通常の化学量論比の0.75倍と0.99倍の間に含まれる。
同じように、ブロック薄層を部分的に酸窒化してもよい。
薄いブロック層は、好ましくは、特に同じ真空装置中でのスパッタリング又は蒸着により(大気への通気なしに)被着された(最後の)グリッド材料上への、スパッタリング又は蒸着により得られる。
(金属)グリッドは、部分的に構造化された層又は結合層と称する誘電性の下層(グリッド材料の被着を促進する結合機能を有する)のすぐ上に被着させることができ、結合層は部分的に構造化された層のキャビティ(キャビティの底面及び好ましくは側面の全て又は一部)のすぐ上に位置し、好ましくは上側面には存在せず、この結合層は好ましくは無機層であり、特に1種以上の酸化物で、例えば透明導電性酸化物で作製されるものである。その厚さeAは30nm未満、さらには10nm未満である。当然ながら、キャビティの高さecは好ましくはeAより大きくなるように選択され、より好ましくはec−eAは50nmより大きい。この結合層は、マグネトロンスパッタリングによって容易に被着される。
導電性支持体は、非導電性区域31と金属グリッド20を覆う、好ましくは直接覆う、導電性コーティングを含むことができ、この導電性コーティングは特に、500nm以下の厚さe5、20Ω・cm未満、さらには10Ω・cm未満、あるいは1Ω・cm未満、さらには10-1Ω・cm未満であり金属グリッドの抵抗率より高い抵抗率ρ5、及び少なくとも1.55、より好ましくは少なくとも1.6、一層好ましくは少なくとも1.7の所定の屈折率n5を有する。
抵抗率は好ましくは、ストランド間の距離に応じて調節される。それはBに反比例する。
例えば、B=1000μmでありe5=100nmである場合、0.1Ω・cm未満の抵抗率が好ましく用いられる。Bが300μmでありe5=100nmである場合には、1Ω・cm未満の抵抗率が好ましい。
本発明による導電性コーティングは、その抵抗率、グリッドの被覆率及びその厚さを通じて、電流のより良好な分配に寄与する。
好ましくは、導電性コーティングの表面をOLEDの有機層、特に正孔注入層(HIL)及び/又は正孔輸送層(HTL)と接触するか、又はHIL若しくはHTLの一部を形成するように、あるいはHTL若しくはHILの役割を果たすようにしてもよい。
導電性コーティングの(外側)表面はさらに、極めて大規模な、典型的には0.1mmを超える又は1mm以上の凹凸を示すことができる。さらに、基材は、ひいては外側表面は、湾曲していてもよい。
導電性コーティングは単層又は多層である。
このコーティングは、金属グリッドより高い仕事関数(を有する最終層)を有することができる。コーティングは、例えば4.5eV以上、好ましくは5eV以上の仕事関数Wsを有することができる、仕事関数整合層を有してもよい。
したがって、導電性コーティングは、特に仕事関数を整合させるために、好ましくは厚さが150nm未満であり、屈折率naが1.7と2.3の間である無機層を含む(又はそれからなる)ことができ、この層、好ましくはコーティングの最終層(すなわち基材から最も遠い層)は、単純な又は混合透明導電性酸化物をベースとし、特に以下の、任意選択的にドープされた、金属酸化物、すなわち、酸化スズ、酸化インジウム、酸化亜鉛、酸化モリブデンMoO3、酸化タングステンWO3、酸化バナジウムV25、ITO、IZO、SnxZnyz、のうちの一種以上をベースとする。
この無機層は、好ましくは50nm以下、さらには40nm以下、さらには30nm以下の厚さを有し、優に10-1Ω・cm未満の抵抗率を有する。
物理気相成長、特にマグネトロンスパッタリングで被着したITO、MoO3、WO3及びV25から選ばれる層が、好ましく選択される。
導電性無機層コーティングは、好ましくは、同じ方法で被着した特に(最終の)グリッド材料上へのスパッタリング又は蒸着により得られる。
「酸化インジウムスズ」(さらには「スズをドープした酸化インジウム」又は用語「ITO」)とは、インジウム(III)の酸化物(In23)及びスズ(IV)の酸化物(SnO2)から、好ましくは第1の酸化物に関しては70%と95%の間、第2の酸化物に関しては5%と20%の間の重量割合でもって得られる、混合酸化物又は混合物を意味すると理解されるのが好ましい。典型的な重量割合は、約10重量%のSnO2に対して約90重量%のIn23である。
導電性コーティングは、1.7と2.3の間に含まれる屈折率naの無機層で構成することができ、この場合の屈折率はn5に等しい。
導電性コーティングは、サブミクロンサイズの厚さe’2及び少なくとも1.55、より好ましくは1.6の屈折率nbの、1種以上の導電性ポリマー製の有機層を含むか又はそれからなり、あるいは(コーティングの)少なくとも最終層、すなわち基材から最も遠い層は、上記有機層を含むか又はそれからなることができ、このポリマー層は場合によっては、有機的発光系における正孔輸送層(HTL)又は正孔注入層(HIL)の役割を果たす。
導電性コーティングは、1.7と2.3の間に含まれる屈折率nbの有機層で構成されてもよく、この場合の屈折率はn5に等しい。
例えば、それはポリチオフェンの仲間のうちの1種以上の導電性ポリマー、例えばPEDOT、すなわちポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)又はPEDOT/PSS、すなわちポリ(スチレンスルホネート)と混合したポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)の層でよい。
市販のPEDOT又はPEDOT:PSSとして、Heraeus社が販売する以下の製品、すなわち、
・ρが10-2Ω・cm未満のClevios(登録商標)FET、又は、
・ρが約10Ω・cmのClevios(登録商標)HIL 1.1、
を挙げることができる。
導電性ポリマーは電極の一部を形成し、また任意選択的に正孔注入層(HIL)としての役割も果たす。
導電性コーティングは多層でもよく、上記の無機層(特に最終層)又は上記の有機層(特に最終層)の(好ましくはすぐ)下に、金属グリッド(単層又は多層グリッド)のすぐ上の第1層を含み、この第1層は200nm未満の厚さe’5及び1.7と2.3の間に含まれる屈折率n’5の透明導電性酸化物で製作されて、n’5−n3の絶対値の差は好ましくは<0.1であり、そしてこの層は特に、
・好ましくは、特にアルミニウム及び/又はガリウムをドープした酸化亜鉛(AZO及び/又はGZO)をベースとした層、又は任意選択的にITZOをベースとした層、及び/又は、
・例えばスズ亜鉛酸化物SnZnOをベースとした、好ましくは厚さが100nm未満である、又はインジウム亜鉛酸化物(IZOで表される)をベースとした、又はインジウムスズ亜鉛酸化物(ITZOで表される)をベースとした、(特にアモルファスの)層、
から選択される。
AZO又はGZO層は、例えば、無機層、特にITO層の厚さを50nm未満まで減少させることを可能にすることができる。
ZnO酸化物で作製される層は、好ましくはAlをドープされ(AZO)及び/又はGaをドープされ(GZO)、Zn+Al又はZn+Ga又はZn+Ga+Al又はZn+別のドーパントの重量百分率の合計は、総金属重量の少なくとも90%、より好ましくは少なくとも95%、さらには少なくとも97%であり、ここでの別のドーパントは、好ましくはB、Sc又はSbから、あるいはさらにY、F、V、Si、Ge、Ti、Zr、Hfから、またInからも選択される。
本発明によるAZO層において、アルミニウムと亜鉛の重量百分率の合計に対するアルミニウムの重量百分率、すなわちAl/(Al+Zn)は、10%未満、好ましくは5%以下であることが好ましかろう。
これを達成するために、アルミニウム酸化物及び亜鉛酸化物セラミックターゲットを好ましく使用することができ、このターゲットは、酸化亜鉛と酸化アルミニウムの重量百分率の合計に対する酸化アルミニウムの重量百分率、一般的にはA123/(A123+ZnO)が、14%未満、好ましくは7%以下であるようなものである。
本発明によるGZO層においては、亜鉛とガリウムの重量百分率の合計に対するガリウムの重量百分率、言い換えるとGa/(Ga+Zn)は、10%未満、好ましくは5%以下であることが好ましかろう。
これを達成するために、亜鉛及びガリウム酸化物セラミックターゲットを好ましく使用することができ、このターゲットは、酸化亜鉛と酸化ガリウムの重量百分率の合計に対する酸化ガリウムの重量百分率、一般的にはGa23/(Ga23+ZnO)が、11%未満、好ましくは5%以下であるようなものである。
選択した層がスズ亜鉛酸化物(SnZnO)をベースとする場合には、Snの総金属重量に対する百分率は好ましくは20〜90%(且つZnに関しては好ましくは80〜10%)、特に30〜80%(且つZnに関しては好ましくは70〜20)の範囲であり、特に、Sn/(Sn+Zn)重量比は好ましくは20〜90%、とりわけ30〜80%の範囲である。
導電性支持体はまた、グリッドの被着箇所と離れた導電性コーティングの被着箇所に支持体を移送するのを可能にするため、例えば酸化物又は窒化物製の、一時的な(取り外し可能な)保護無機層を含むこともできる。
基材は平坦であっても又は湾曲していてもよく、さらには硬質であっても、軟質であっても、あるいは半硬質であってもよい。
その主面は、長方形、正方形、さらには任意の他の形状(円形、長円形、多角形等)であることができる。この基材は大型でよく、例えば0.02m2より大きく、さらには0.5m2又は1m2より大きい面積を有することができ、そして下部電極は実質的にこの領域の全て(構造用の領域を除く)を占めることができる。
基材は、無機材料又はプラスチック材料、例えばポリカーボネートPC、ポリメチルメタクリレートPMMA、さらにはPET、ポリビニルブチラールPVB、ポリウレタンPU、ポリテトラフルオロエチレンPTFE等、で製作される実質的に透明な基材でよい。
基材は好ましくは、無機ガラス製、特にフロート法で得られるソーダ石灰シリカガラス製であり、このフロート法は溶融ガラスを溶融スズ浴に注ぎ込むものである。基材は、好ましくは無色であり、EN規格410:1998で規定されるように、(単独で)少なくとも80%、さらには90%の光透過率を有する。
基材は、有利には、OLEDの発光波長で2.5m-1未満、好ましくは0.7m-1未満の吸収係数を有するガラス製であることができる。例えば、Fe III又はFe23を0.05%未満含有するソーダ石灰シリカガラス、特にSaint−Gobain Glass社のDiamantガラス、Pilkington社のOptiwhiteガラス、及びSchott社のB270ガラスが選択される。国際公開第04/025334号に記載の超クリアガラス組成物のいずれも選択し得る。
グレージング基材の厚さは、少なくとも0.1mmでよく、好ましくは0.1〜6mm、特に0.3〜3mmの範囲にある。
上で定義したような支持体はさらに、導電性コーティング上(好ましくはそのすぐ上)に被着した、正孔輸送層HTL又は正孔注入層HILを任意選択的に含む有機的発光系を含むこともできる。
本発明はまた、上で定義したような支持体を組み込んだ有機発光デバイスにも関し、グリッド電極は下部電極と称するもの、すなわち基材に最も近い電極を形成する。
例えばAg、Al、Pd、Cu、Pd、Pt、In、Mo又はAuで製作され、所望の光透過率/反射率に応じて厚さが一般的に5nmと50nmの間の、透明導電性コーティング(TCC)と称する薄い金属層を、上部電極として使用することができる。
上部電極は、金属酸化物、とりわけ以下の材料、すなわち、特にアルミニウム又はガリウムをドープした酸化亜鉛ZnO:Al又はZnO:Ga、さらには特にスズをドープした酸化インジウム(ITO)又は亜鉛をドープした酸化インジウム(IZO)、から有利に選択される導電性層でよい。
より一般的に言えば、いずれのタイプの透明導電層を使用してもよく、例えば、厚さが20nmと1000nmの間である透明導電性酸化物(TCO)層と称するものを使用することができる。
OLEDデバイスは、単色光、特に青色及び/又は緑色及び/又は赤色光を生じさせることができ、あるいは白色光を生じさせるのに適していてもよい。
白色光を生じさせるのには多数の可能な方法があり、すなわち、化合物(赤色、緑色、青色発光)を単層でブレンドしてもよく、3つの有機的構造体(赤色、緑色、青色発光)若しくは2つの有機的構造体(黄色及び青色)を電極面上に積層してもよく、一連の3つの隣接する有機的構造体(赤色、緑色、青色発光)を使用してもよく、及び/又は単色発光の有機的構造体を電極面上に配置する一方で適切な複数の蛍光体の層をもう一方の面上に配置してもよい。
OLEDデバイスは、それぞれが白色光を放射する又は一連の3色、すなわち赤色、緑色及び青色の光を放射する複数の隣り合った有機的発光系を含んでもよく、これらの系は例えば直列に連結される。
各列が、例えば所定の色を発することができる。
OLEDは概して、使用する有機材料に応じて大きく2つに分類される。
発光層が小さな分子から形成される場合には、デバイスは小分子有機発光ダイオード(SM−OLED)と称される。薄層の有機発光材料は、蒸着した分子、例えば錯体のAIQ3(トリス(8−ヒドロキシキノリン)アルミニウム)、DPVBi(4,4’−(ジフェニルビニレン)ビフェニル)、DMQA(ジメチルキナクリドン)又はDCM(4−(ジシアノメチレン)−2−メチル−6−(4−ジメチルアミノスチリル)−4H−ピラン)、などで構成される。発光層はまた、例えば、fac−トリス(2−フェニルピリジン)イリジウム(Ir(ppy)3)をドープした4,4,4−トリ(N−カルバゾリル)トリフェニルアミン(TCTA)の層であることもできる。
一般に、SM−OLEDの構造体は、HIL(正孔注入層)、HTL(正孔輸送層)、発光層及びETL(電子輸送層)の積重体からなる。
有機発光積重体の例は、例えば米国特許第6645645号明細書に記載されている。
有機発光層がポリマーである場合、ポリマー発光ダイオード(PLED)となる。
好ましくは、導電性コーティングは以下のOLED製造工程に対して耐性を示す。
・1時間にわたって200℃に耐性を示す。
・13のpH(洗浄溶液)に耐性を示す。
・1.5と2の間のpHに耐性を示す(特に、OLED系を積層する前に導電性コーティング用にPEDOTを被着する際に)。
・層間剥離に耐性を示す(スコッチテープ試験)。
光抽出手段は、基材の外側面上に、すなわちグリッド電極を支持する第1主面の反対側の面上に位置することもできる。それは、日本応用物理学会誌,第46巻第7A号,4125−4137頁(2007)の論文に記載されるようなマイクロレンズ又はマイクロピラミッドのアレイでよく、あるいはサテン仕上げ、例えばフッ化水素酸でのエッチングで得られるサテン仕上げの層でよい。
最後に、本発明は、上で定義したような導電性支持体の製造方法であって、以下の工程、すなわち、
・次のものを含む基材、すなわち、
・基材の散乱性の第1面により形成される及び/又は、例えば散乱面を有する、基材上の(好ましくはすぐ上に位置する)追加散乱層により形成される、光抽出層、及び、
・光抽出層上の、屈折率n3の組成物で製作された高屈折率層と称するものであって、特に散乱粒子を含有せず、任意選択的に細孔タイプの要素を0.5%未満、好ましくは0.2%未満、特に0.1%未満の体積濃度で含有する、ガラス質材料を含み、好ましくは散乱面の粗さプロファイルを覆う、高屈折率層、
とを含む基材を用意する工程、
・次のことを含む、すなわち、
・高屈折率層上に、所定の配置の貫通開口部(線及び/又はメッシュ)を有する不連続マスク(例えばレジストの、特にフォトレジストの層)を形成すること、
・マスク(その幅Amが実質的にAに等しく、開口間距離Bmが実質的にBに等しい)の、特に直立した開口部(基材に対して直角)であるか又は基材から離れる方向に口を広げた開口部である貫通開口部を通して、高屈折率層をエッチングすること、
を含む、高屈折率層にキャビティと称する一端の閉じた開口部を形成して、部分的に構造化された層を形成する工程、及び、
・金属グリッド(非導電性区域の上側面と称する面と金属グリッドの表面との間に間隔Hを有する)を形成する工程であって、次のものを含む、すなわち、
・第1被着作業と称するものにおける、キャビティ内へのグリッドの第1金属の第1被着であって、この被着は好ましくは金属グリッドのための唯一の被着であり、第1金属をキャビティ底部に直接又はキャビティ底部の全て若しくは一部を覆う誘電体(非金属)の下層(結合用の下層)の上に被着させる、第1被着、及び、
・(少なくとも部分的にキャビティ内における)第1金属上へのグリッドの第2金属の任意選択的な第2被着、
を含む工程、
をこの順序で含む導電性支持体の製造方法にも関する。
エッチングは、好ましくはウェットエッチング法を用いて行われる。キャビティの深さを、液の濃度、液の種類、エッチング作業の長さ、及び液の温度により制御する。この場合、好ましくは(フォト)レジスト、さらにはポジ型フォトレジストであるマスクは、エッチング液に対して耐性を示す。
キャビティは、直立した(基材に対して垂直な)側面又は基材から離れる方向に口を広げた側面を有する。それらはカップ状、さらには半球形(タイプ)の断面を有することもできる。
ガラス質材料で作製される部分的に構造化された層に対しては、特に酸性溶液を使用することができ、好ましくはマスクは(フォト)レジスト、とりわけポジ型フォトレジストである。
湿式で、特に酸性の液を用いて行うエッチングは、(特に酸性の)エッチング液があらゆる方向で侵蝕(溶解)することから、等方性である。エッチングプロファイルはカップ状又は半球形タイプになり得る。
次に、任意選択的な結合層を、第1金属の前に被着する。
特にエッチングが等方性である場合、キャビティのうちの少なくとも所定のもの(好ましくはキャビティの大部分、より好ましくは全て)は、マスクと高屈折率層との界面の平面においてマスクの貫通開口部の幅より大きい幅を有し、マスク(好ましくは(フォト)レジスト)のキャビティに面する表面部分が上側面を超えて張り出すようにする。
さらに、驚くべきことには、第1被着作業(好ましくは唯一の金属グリッド被着作業)は、キャビティとキャビティの側面の高さ全体と前記表面部分の全て又は一部(当該表面部分の幅の少なくとも50%、さらには少なくとも80%、あるいは少なくとも90%)とを少なくとも部分的に埋めて、開口部に向き合った中央ストランド領域より滑らかな側方周辺ストランド領域を形成する銀めっき作業である。
マスク、好ましくは例えばレジストの層、さらに好ましくはフォトレジストの層は、好ましくは湿式処理により、特に溶媒(アセトン等)の超音波浴で、除去する。
こうして、銀めっき作業を用いてキャビティ内に被着させた銀は、マスク(レジスト、さらにはフォトレジスト)及び(レジスト、さらにはフォトレジストの)マスクの側面を覆う。好ましくは、金属グリッドは、特に溶媒(アセトン等)の超音波浴でのマスク(レジスト、特にフォトレジスト)の除去を容易にするために、張り出した開口部に面する中央領域を有する。
高屈折率層は、好ましくは、特にガラスフリットをベースとする第1組成物から得られるエナメルを含む(さらに好ましくはそれからなる)。好ましくは、追加散乱層は可能な限り、ガラスフリットをベースとする別の組成物から得られる、特に第1組成物と同じであるエナメルを含む(より好ましくはそれからなる)。
ガラス質材料を含む高屈折率層は、
・屈折率n3のガラスフリットを有機媒体と混合することで、平坦化ペーストと称するペーストを、好ましくは散乱粒子を添加することなしに作り、
・このペーストを例えばスクリーン印刷で、
・好ましくは(散乱性表面の)無機ガラスシートの上に直接、又は無機ガラスシート上の(散乱性表面の)無機バリア層の上に、又は追加散乱層の上に被着させ、
・このペーストを被着させた無機ガラスシートを焼成する、
という方法により得られるエナメルであるのが好ましい。
ガラス質材料を含む追加散乱層は、
・ガラスフリットを有機媒体と、及び好ましくは散乱粒子と、混合することで、散乱ペーストと称するペーストを作り、
・このペーストを、好ましくは(平坦で研磨された又は表面を構造化されて散乱性の)無機ガラスシートの上に直接、又は無機ガラスシート上の無機バリア層の上に被着させ、
・このペーストを被着させた無機ガラスシートを焼成する、
という方法により得られるエナメルであるのが好ましい。
追加散乱層は、平坦化ペーストの被着前に散乱ペーストを焼成することで形成してもよく、あるいは両方のペーストを一緒に焼成してもよい(焼成工程が1つ減る)。
一構成において、散乱ペーストと平坦化ペーストは同じ組成を有し、特に同じガラスフリットを有し、唯一の違いは散乱粒子が存在するかしないかである。
有機媒体は一般に、アルコール、グリコール、及びテルピネオールのエステルから選択される。媒体の重量割合は好ましくは10〜50%の範囲に含まれる。
(散乱及び/又は平坦化)ペーストは、特に、スクリーン印刷、ロールコーティング、ディップコーティング、ナイフコーティング、噴霧、スピンコーティング、フローコーティング、あるいはスロットダイコーティングで被着させることができる。
スクリーン印刷の場合、布又は金属のメッシュを有するスクリーン、フローコーティング装置及びドクターブレードを使用するのが好ましく、厚さをスクリーンのメッシュとその張力の選択、ガラスシート(又は追加散乱層)とスクリーンとの間隔の選択、及びドクターブレードの圧力と移動速度により制御する。一般的には、被着物を、媒体の種類に応じて赤外線又は紫外線下で100〜150℃の温度で乾燥させる。
標準的には、ガラスフリット(70〜80重量%)を20〜30重量%の有機媒体(エチルセルロース及び有機溶媒)と混合する。
ペーストには、例えばペーストを硬化させるため、120〜200℃の範囲の温度での熱処理を施すことができる。次に、有機媒体を除去するために、ペーストに350〜440℃での熱処理を施すことができる。エナメルを形成するための焼成は、Tgより高い温度、典型的には600℃未満、好ましくは570℃未満の温度で行う。
グリッドに関して言うと、
・第1被着作業は、被着のみの作業(グリッド金属の被着のみの作業)であり、湿式処理であって、好ましくは銀めっき作業であり、又は、
・第1被着作業は、銀をベースとする第1金属を被着するための物理気相成長作業であり、あるいはそれは湿式処理、好ましくは銀めっき作業であって、第2被着作業が、好ましくは銀をベースとする第2金属の、電気めっきである。
銀めっき工程で使用する溶液は、銀塩、銀イオンを還元するための薬剤、さらにはキレート剤を含有することができる。銀めっき工程を行うためには、ミラーの製造分野で広く用いられている様々な慣用の作業の仕方、例えばMallory,Glenn O.,Hajdu,Juan B.により編集された“Electroless Plating − Fundamentals and Applications”, William Andrew Publishing/Noyes (1990)の第17章に記載されているものを用いることができる。
好ましい実施形態では、銀めっき工程は、光抽出層と部分的に構造化された層を含む基材及び貫通開口部を有するマスク(好ましくはフォトレジスト)を、2種の水溶液の混合物、すなわち一方は金属塩、例えば硝酸銀を含有し、もう一方は金属イオン(Ag+イオン)の還元剤、例えばナトリウム、カリウム、アルデヒド、アルコール又は糖を含有する水溶液の混合物と接触させる(浴に浸漬し又は噴霧することによって)ことを含む。
最も一般的に使用される還元剤は、ロッシェル塩(酒石酸カリウムナトリウムKNaC446・4H2O)、グルコース、グルコン酸ナトリウム及びホルムアルデヒドである。
好ましくは、接触させる前に、銀めっき工程は、好ましくはスズ塩での処理を含む増感工程(キャビティの表面を増感するための)及び/又は好ましくはパラジウム塩での処理を含む活性化工程(キャビティの表面を活性化させるための)を含む。これらの処理の機能は本質的に、その後の(銀による)金属化を促進し、そして(キャビティ内に)形成される銀金属層の厚さ及び密着性を増大させることである。これらの増感及び活性化工程の詳細な説明に関しては、例えば米国特許出願公開第2001/033935号明細書を参照することができる。
より精確には、銀めっき作業は、光抽出層と部分的に構造化された層を含む基材、及び貫通開口部を有するマスク(好ましくはフォトレジスト)を複数の槽中に浸漬させることで行うことができ、各槽には以下の3種の溶液、すなわち、
・SnCl2の第1(増感)水溶液(好ましくは撹拌(好ましくは5分未満、例えば1分未満)され、続いて(蒸留)水ですすがれる)、
・PdCl2の第2(活性化)水溶液(好ましくは撹拌(好ましくは5分未満、例えば1分未満)され、続いて(蒸留)水ですすがれる)、及び、
・銀塩、好ましくは硝酸銀の溶液と銀還元剤、好ましくはグルコン酸ナトリウムの溶液との混合物である第3溶液(好ましくは撹拌(好ましくは15分未満、さらには5分未満、例えば1分未満)され、続いて(蒸留)水ですすがれる)、
のうちの1つが、この順序で入っている。
次に、このようにして銀めっき及びコーティングした基材を最後の浴から取り出して、(蒸留)水ですすぎ洗いする。
別の実施形態は、光抽出層と部分的に構造化された層を含む基材及び貫通開口部を有する、好ましくは(フォト)レジストであるマスクを浸漬させるのではなく、前述の3種の溶液を上と同じ順序で噴霧するものである。
同一の金属、例えば好ましくは銀を被着するために2つの別々の被着工程(スパッタリングと銀めっき、銀めっきと電気めっき、スパッタリングと電気めっき)を用いてグリッドを得る場合、2つの銀層の特性は異なるものとなることができ、それらは特に識別可能な界面を有し得る。
好ましくは、第2被着作業は、マスクを除去する前に、したがってマスクを維持したまま行う。
上側面及びグリッドは、導電性コーティングを被着する前又は被着した後に研磨することができる。
上記の方法はさらに、1種以上のグリッド材料により一般に覆われた(レジスト、特にフォトレジストの)マスクを除去した後に、単層又は多層導電性コーティングを、
・SnZnO若しくはAZOの任意選択的な第1被着、及びITO、MoO3、WO3若しくはV25の第2の若しくは最後の若しくは唯一の被着を含む、物理気相成長により、特にスパッタリングにより、及び/又は、
・湿式処理により、例えば、導電性ポリマーの被着、好ましくは単層導電性コーティングの単一被着により、
グリッド上に直接且つ部分的に構造化された層の上に(直接)被着する工程を含むことができる。
全ての被着作業が湿式被着作業であることが好ましいかろう。
上記の方法は、導電性コーティングの被着前に、電極を180℃より高い温度、好ましくは250℃と450℃の間、特に250℃と350℃の間に含まれる温度に、好ましくは5分と120分の間、特に15分と90分の間に含まれる時間にわたり、加熱する工程を含んでもよい。
及び/又は、上記の方法は、無機層、好ましくはITO層からなる導電性コーティングの被着後に、加熱工程を含んでもよく、この加熱は180℃を超える温度、好ましくは250℃と450℃の間、特に250℃と350℃の間に含まれる温度に、好ましくは5分と120分の間、特に15分と90分の間に含まれる時間にわたり行われる。
この加熱により、グリッドのRを改善すること及び/又はITO無機層の吸収を少なくすることが可能になる。
次に、本発明を非限定的な実施例及び図面を用いてさらに詳細に説明する。
本発明の第1の実施形態による導電性OLED支持体の模式断面図である。 図1の詳細図である。 図1の支持体で使用するグリッドの模式上面図である。 グリッドの変形例である。 図1の変形例における部分的に構造化された層のキャビティの断面の詳細図である。 本発明の第2の実施形態による導電性OLED支持体の模式断面図である。 本発明の第3の実施形態による導電性OLED支持体の模式断面図である。 本発明による実施例(No.1)の導電性散乱OLED支持体の上面及び詳細を示す走査電子顕微鏡写真である。 本発明による実施例(No.1)の導電性散乱OLED支持体の上面及び詳細を示す走査電子顕微鏡写真である。 本発明による実施例(No.1)の導電性散乱OLED支持体の上面及び詳細を示す走査電子顕微鏡写真である。 本発明による実施例(No.1)の導電性散乱OLED支持体の上面及び詳細を示す走査電子顕微鏡写真である。 実施例No.1で作製したOLED及び比較用OLEDの外部量子効率をHTLの厚さの関数として示す図である。 本発明による実施例(No.2)における上側面及びグリッドのストランドを示す、導電性OLED支持体(導電性コーティングなし)の上面図を示す走査電子顕微鏡(SEM)写真である。 本発明による実施例(No.2)における上側面及びグリッドのストランドを示す、導電性OLED支持体(導電性コーティングなし)の詳細図を示す走査電子顕微鏡(SEM)写真である。 図1の導電性支持体を製造するための方法の概略説明図である。 図1の導電性支持体を製造するための方法の概略説明図である。 図1の導電性支持体を製造するための方法の概略説明図である。 図1の導電性支持体を製造するための方法の概略説明図である。 図1の導電性支持体を製造するための方法の概略説明図である。 図1の導電性支持体を製造するための方法の概略説明図である。 図1の導電性支持体を製造するための方法の概略説明図である。 変形例における、図1の導電性支持体を製造するための方法の概略説明図である。 変形例における、図1の導電性支持体を製造するための方法の概略説明図である。 変形例における、図1の導電性支持体を製造するための方法の概略説明図である。 変形例における、図1の導電性支持体を製造するための方法の概略説明図である。 変形例における、図1の導電性支持体を製造するための方法の概略説明図である。 変形例における、図1の導電性支持体を製造するための方法の概略説明図である。 変形例における、図1の導電性支持体を製造するための方法の概略説明図である。 キャビティを備えた部分的に構造化された層を示す走査電子顕微鏡写真である。 キャビティを備えた部分的に構造化された層を示す走査電子顕微鏡写真である。 本発明による実施例(No.2)における上側面及びグリッドのストランドを示す、導電性OLED支持体(導電性コーティングなし)の詳細図を示す走査電子顕微鏡(SEM)写真である。
明確にするために、図示の様々な要素は縮尺通りではないことに留意されたい。
なお、原文明細書及び図面では電子出願の「図面の簡単な説明」の様式では許容されない「図1’a」〜「図1’e」、「図2’a」、「図2’b」、「図4’a」〜「図4’g」との表記が使用されていたため、翻訳文である本書中ではそれらを「図1a−2」〜「図1e−2」、「図2a−2」、「図2b−2」、「図4a−2」〜「図4g−2」に変更するとともに、相応して図番を変更した図面を図面の翻訳文として提出した。これに関連して、原文明細書及び図面の「図1a」〜「図1d」、図「4a」〜「図4g」を、「図1a−1」〜「図1d−1」、図「4a−1」〜「図4g−1」に変更した。
意図的に極めて模式的である図1は、底面発光型有機発光デバイス(OLED)用の導電性且つ散乱性の支持体100の断面を示している。
この支持体100は、第1面と称する第1の主面11を有し、平坦であるか又は光を散乱するために表面を構造化された、屈折率nsが1.3〜1.6の無機又は有機ガラスで製作された平坦な又は湾曲したグレージング基材1を含み、このグレージング基材は、基材から離れるにしたがって以下の順序で、
・無機ガラスを使用する場合には任意選択的なアルカリ金属バリア層(図示せず)、又は有機ガラスを使用する場合には湿分バリア層、例えば窒化ケイ素又はTi(Zr)O2など、
・散乱要素4’(粒子等)を含有する追加散乱層により形成される電気絶縁性の好ましくは無機の光抽出層41であって、散乱要素、すなわち散乱粒子4’及び任意選択的に細孔4”を含有している、屈折率n4が1.7〜2.3、好ましくは1.80〜2.10、特に1.85〜2.00の高屈折率ガラス質材料で特に製作され、好ましくは所定のミクロンサイズ厚さe4を有する光抽出層41、
・屈折率n3が1.7〜2.3、好ましくは1.80〜2.10、特に1.85〜2.00であり、好ましくはミクロンサイズの厚さe3の高屈折率、電気絶縁性の部分的に構造化された層3あって、好ましくは高屈折率ガラス質材料(より好ましくはエナメル)で製作され、該高屈折率材料に散乱粒子が添加されておらず、追加散乱層の表面を覆い、且つ次のもの、すなわち、
・追加散乱層のすぐ上に位置し、追加散乱層の表面を覆う、所定の好ましくはミクロンサイズの厚さe’3の、下側領域30と称する(連続的で構造化が施されていない)領域30、及び、
・突出部と凹部とで構造化された構造化領域31であって、突出部は平坦な上側面31’を画定し、キャビティ又は凹部は底部32’(下側面を画定している)及び側面32に囲まれていて、キャビティは好ましくは最大で1500nmの高さecを有し、且つ所定の均一又は不均一な(一次元的又は二次元的な、特にメッシュ状の)配置構成を有しており、上記上側面は局所的に平坦である、構造化領域31、
を含んでなる高屈折率、電気絶縁性の部分的に構造化された層3、
・金属グリッドと称する、グリッド20に配置された層を含む電極2であって、このグリッドは金属、好ましくは銀で製作されており、またこのグリッドは(全)キャビティ内に定着したストランド、言い換えるとトラック、20から形成された単層であり、ストランドは50μm未満、より好ましくは30μm以下(且つ少なくとも1μm)の幅Aを有し、5000μm以下の距離Bをあけて離間されており、そしてグリッドは少なくとも100nm、且つ好ましくは1500nm未満の厚さe2を有し、グリッドは20Ω/□未満、さらには10Ω/□未満又は5Ω/□未満のシート抵抗を有している、電極20、及び、
・グリッドの上端及び上側面上に位置する透明導電性酸化物で作製された無機層51で構成された単層の導電性コーティング5であって、厚さe5が500nm以下、抵抗率ρ5が20Ω・cm未満であって金属グリッドの抵抗率よりも高く、少なくとも1.55の所定の屈折率n5を有する、導電性コーティング5、
を支持している。
キャビティの特徴を挙げると、図1a−1(図1の詳細図)に示すように、Acがキャビティ底部の幅と定義され、Bcが2つの隣接するキャビティ底部間の距離であると定義される。ecはキャビティ底部の中央から測定した中央高さである。
上側面32と金属グリッド2の(キャビティの中央での)表面との間の間隔Hは、絶対値で100nm以下、より好ましくは30nm未満である。グリッドは、上側面を超えて延在してもよく又はくぼんでいてもよい(図1a−1又は1d−1に図示するように)。
部分的に構造化された層3は、好ましくは局所的に平坦であり、散乱粒子を含有しない。部分的に構造化された層は、好ましくは細孔を含まず、少なくとも表面に向かって開放された細孔を含まず又はほとんど含まず、最低限でも光を散乱しやすい及び/又は局所的に表面粗さを過度に大きくしやすい細孔を含まない。
OLEDデバイスを製造するため、次に、単一又は多重(タンデム等)接合有機的発光系及び反射性(又は半反射性の)、特に金属、とりわけ銀又はアルミニウムをベースとした上部電極を追加する。
図1b−1は、図1の支持体100で使用するグリッドの模式上面図である。このグリッドは、上側面と同じ高さでの幅A及び上側面と同じ高さでの距離Bの、別々の(したがって別々のキャビティにおいて直線状の溝を形成する)直線状ストランド20から形成される。パターン間距離Bは、隣接するストランド間の最大距離に相当する。
図1c−1は、ストランド20が相互接続されて、例えばハニカム形状又は任意の他の幾何学形状(正方形等)又は非幾何学的形状である閉じたメッシュ又はパターンを形成しているグリッドの変形例であり、したがってストランド20は、例えばハニカム形状又は任意の他の幾何学的又は非幾何学的形状である閉じたメッシュ又はパターンを形成している相互接続されたキャビティ内に位置している。パターン間距離Bは、メッシュの2点間の最大距離に相当する。
キャビティは、例えば部分的に構造化された層の形成に使用した層をエッチングする方法が原因で、傾斜した側面を有することもできる。
図1d−1は、図1の変形例における部分的に構造化された層のキャビティの断面の詳細図である。側面は、基材からの距離と共に口を広げており、XとYとの間の水平距離LがL≦1.4ecとなるように規定され、Xは側面の最高位点であり、Yはキャビティの底の端部の点である。さらに、スパッタリングにより被着したストランドが定着して、上側面と同じ高さになっている。それはカップ状の側方領域を有している。距離Hは、上側面とキャビティ中央でのグリッド表面との間で計算される。
図1及び1a−1では、キャビティは直立した、したがって基材1に対して垂直な(したがってL=0)、側面32を有する。
第1実施形態(No.1)においては、図1(及び1a−1〜1d−1)に関して、以下の特徴が選択された。
ガラスは平坦であり、曇り度が1%未満であって、屈折率が約1.5、厚さが例えば0.7mm、TLが少なくとも90%のクリアなソーダ石灰シリカガラス、例えばフロートガラスで作製した。
厚さe4が10μmに等しい追加散乱層4は、ビスマスに富み(例えば少なくとも55重量%、且つ好ましくは85重量%未満)、Tgが500℃未満であり、TiO2(平均直径400nm)又は変形例としてSiO2(平均直径300nm)の散乱粒子を、TiO2粒子の場合は約5×108粒子/mm3、SiO2粒子の場合は約2×106粒子/mm3の粒子密度で含有するガラスマトリックスから構成される高屈折率エナメル(λ=550nmでn4=1.95)であった。
散乱層4のすぐ上に被着した部分的に構造化された層3は、ビスマスに富む同じマトリックス(λ=550nmでn3=1.95)から構成され、散乱粒子が添加されず、厚さe3が9〜12μm、例えば10μmであった。厚さecは400nmであった。エナメル層のキャビティは、先に詳述したように酸エッチングで得られた。
部分的に構造化された層3は、局所的に平坦であった。上側面31の粗さは1nm未満のRaにより規定された。
Tgより高い温度での焼成(且つ有機媒体を除去するための焼成)を、例えば、ガラスフリット及び散乱粒子をベースとしたペーストを被着後(そして任意選択的な乾燥作業後)且つ散乱粒子を含有していない同じガラスフリットペーストを被着後すぐに行った。
ガラス/散乱層/部分的に構造化された層を一体にしたもののTLは57%であり、曇り度は85%、吸収率は2%未満であった。
グリッド2は、マグネトロンスパッタリングにより圧力8×10-3mbarのアルゴン下で銀ターゲットを使用して被着した銀の単層(場合によってはその表面を酸化された)であり、被着は直接キャビティ32’中へ行った。銀は完全にキャビティ内にあり、e2は350nmに等しかった。したがってHは100nm未満であった。グリッドのパターンは六角形であった。幅Aは6μmに等しく、最大距離Bは280μmであった。被覆率Tは4.5%であった。
導電性コーティング5は、インジウムスズ酸化物ITOの厚さ70nmの層で構成され、屈折率は約2、抵抗率ρ5は10-1Ω・cm未満であった。
ITOは、マグネトロンスパッタリングにより、O2/(Ar+O2)が1%のアルゴンと酸素との混合物下に、圧力2×10-3mbarで、酸化インジウム(90重量%)及び酸化スズ(10重量%)で作られたセラミックターゲットを使用して被着させた。
この組立体の600℃で20分間アニーリング後に慣用の4点プローブ法で測定したRは2.6Ω/□であった。
図1a−2〜1d−2は、本発明による実施例No.1の導電性散乱OLED支持体の上面図及び断面図を示す走査電子顕微鏡写真である。
コーティング51の下に幅Aのストランド20のパターンが見てとれる。図1c−2において、キャビティ内に銀の不均一な分布(図1d−1の概略図と同様)が見てとれる。
図1d−2において、層51及びストランド2、20の端面と、キャビティ底部の表面、ひいては部分的に構造化された層3の下側面が見てとれる。
変形例として、グリッドを多層にしてもよく、例えば、腐食(水及び/又は空気)から保護する被覆層を備えた二層にしてもよく、この被覆層は例えば銀以外の金属の、例えばチタン又はニッケル、クロム又はモリブデンで作られ、厚さは1nm未満、さらには3nm未満である。被覆層は真空被着により、好ましくは同じ被着装置でもって被着される。
図1e−2は、実施例No.1で作製したOLED(曲線8)及び比較用OLED(曲線8’)の空気中で測定した外部量子効率EQEairをHTLの厚さの関数として示している。
比較用OLEDは、出願人が同じガラス及び同じ追加散乱層を使用して作製したものであり、後者は、その上に一部分を構造化された層と同じ厚さ及び同じ材料の非構造化層が載っていて、電極としてコーティング5のものと同じITO層を有しており、その厚さは100nm、Rは50Ω/□であり、したがってこのR値はずっと高い。
発光系は、
・いろいろな厚さ(約200nmと600nmの間)のHTL、
・厚さ10nmの電子ブロック層(EBL)、
・オレンジ色で発光する厚さ10nmの層、
・青色で発光する厚さ25nmの層、
・厚さ10nmの正孔ブロック層(HBL)、及び、
・厚さ40nmの電子輸送層(ETL)、
を含んでいる。
カソードは厚さ100nmのアルミニウム層であった。
EQEairを積分球内で測定した。本発明によるOLEDのEQEairは充分なものであり(11%と12%の間)、比較用OLEDのものにほぼ等しかった。約3〜5%の差は、銀グリッドによる表面の障害のためであった。このOLEDの効率は、ガラス及びITOをベースとした電極を使用して作製したEQEairが約7.5〜8%であOLEDのものよりずっと高かった。
やはり図1(及び1a−1〜1c−1)に関した第2の実施形態(No.2)では、スパッタリングによる銀の被着を銀めっきによる被着に置き換え、キャビティの寸法(高さ)は約180nmに等しかった。幅Aは6μmに等しいまま、Bは280μmに等しいままであった。Rは3.5Ω/□であった。被覆率Tは4%であった。
銀層を、約200nmの厚さe2について、部分的に構造化された層3に以下の作業モードを用いて被着させた。
・下記の銀めっき溶液を希釈した(希釈する溶液はDR.−ING.SCHMITT,GMBH社(Dieselstr.16, 64807 Dieburg/GERMANY)より調達)。
・250cm3フラスコ内の100μlのMiraflex(登録商標)1200(SnCl2の溶液)(溶液No.1)
・250cm3フラスコ内の200μlのMiraflex(登録商標)PD(PdC12の溶液)(溶液No.2)
・250cm3フラスコ内の15mlのMiraflex(登録商標)RV(還元剤グルコン酸ナトリウムの溶液)(溶液No.3)
・250cm3フラスコ内の15mlのMiraflex(登録商標)S(硝酸銀溶液)(溶液No.4)
・基材(エナメル層4、3を備えた)をトレイに入れ、そこに溶液No.1の中身を注ぎ、1分間撹拌してから蒸留水ですすいだ。
・基材(エナメル層4、3を備えた)を2番目のトレイに入れ、そこに溶液No.2の中身を注ぎ、1分間撹拌してから蒸留水ですすいだ。
・基材(エナメル層4、3を備えた)を最後のトレイに入れ、そこに溶液3、4の中身を注ぎ、1分間撹拌してから蒸留水ですすいだ。
・任意選択的に、基材(エナメル層4、3を備えた)を1番目のトレイ(溶液No.1)に入れ、撹拌を1分間行ってから蒸留水ですすいだ。
図2a−2及び2b−2は、本発明による実施例No.2のそれぞれ上面図及び断面図を示す走査電子顕微鏡写真であり、層3の上側面31及び層3内に定着されたグリッド20を示している。
意図的に極めて模式的な図2は、本発明の第2の実施形態における底面発光型有機発光デバイス(OLED)についての導電性且つ散乱性支持体200の断面を示しており、その銀層は、銀めっき(又はスパッタリング)により被着した第1の銀層21と、それより厚い、電気めっき(又は銀めっき)で被着した第2の銀層22とを有する二層である。
さらに、導電性コーティングは二層であり、金属グリッドのすぐ上にAZOで作製し、厚さe’5が80nmに等しく、屈折率n’5が約1.95の第1層51’を、ITO層51の下に含んでいる。
図2に関した第3の実施形態(No.3)では、以下の特徴を選択した。支持体100に対する変更についてのみ下記に詳述する。
第1金属層、すなわち厚さ80nmの銀の結合層21を、銀めっきにより被着した。
この第1の銀層は、約80nmについて、部分的に構造化された層に以下の作業モードを用いて被着させた。
・下記の銀めっき溶液を希釈した(希釈する溶液はDR.−ING.SCHMITT,GMBH社(Dieselstr.16, 64807 Dieburg/GERMANY)より調達)。
・250cm3フラスコ内の42μlのMiraflex(登録商標)1200(SnCl2の溶液)(溶液No.1)
・250cm3フラスコ内の125μlのMiraflex(登録商標)PD(PdC12の溶液)(溶液No.2)
・250cm3フラスコ内の6mlのMiraflex(登録商標)RV(還元剤グルコン酸ナトリウムの溶液)(溶液No.3)
・250cm3フラスコ内の6mlのMiraflex(登録商標)S(硝酸銀溶液)(溶液No.4)
・ガラス基材をトレイに入れ、そこに溶液No.1の中身を注いだ。
・この溶液を1分間撹拌してから基材を蒸留水ですすいだ。
・グレージング基材を2番目のトレイに入れ、そこに溶液2の中身を注いだ。
・この溶液を1分間撹拌してから基材を蒸留水ですすいだ。
・グレージング基材を最後のトレイに入れ、そこに(ストップウォッチを始動させてから)溶液3、4の中身を注いだ。
・溶液を30秒間撹拌してから基材を蒸留水ですすいだ。
・任意選択的に、グレージング基材を1番目のトレイに入れ、撹拌を1分間行った。
・そして任意選択的に、基材を蒸留水ですすいだ。
厚さ350nmの銀の第2金属層22を電気めっきにより被着した。
電解液(浴)は、300〜500g/lのチオ硫酸ナトリウム(Na223)と30〜50g/lのメタ重亜硫酸ナトリウム(Na225)の水溶液からなり、これに苛性ソーダ(NaOH)錠剤を添加することでpHを8と10の間に調整した。電気化学反応の開始時に、塩化銀(30g/l AgCl)を添加した。
AZO層を、酸化亜鉛(98重量%)とアルミナ(2重量%)のセラミックターゲットを使用するマグネトロンスパッタリングにより、O2/(Ar+O2)=1.6%となるようなアルゴンと酸素との混合物中において2×10-3mbarの圧力で被着した。
意図的に極めて模式的な図3は、本発明の第4の実施形態における底面発光型発光デバイス(OLED)のための導電性且つ散乱性支持体300の断面を示している。
支持体100に対する変更についてのみ下記に詳述する。
光抽出層42は、粗い散乱面であるガラスの第1面により形成されている。そのため、部分的に構造化された層3はガラスのこの散乱性の第1面のすぐ上に位置している。
さらに、導電性コーティングは高屈折率の導電性ポリマー52である。
第4の実施形態(No.4)では、図3に関して、以下の特徴を選択した。
第1面42が散乱面であった。第1面の粗さ11は、例えばフッ化水素酸を使用して、ガラスをエッチングして得られた。粗い基材の例は、La Veneciana de Saint−Gobain社が製造するSatinovo(登録商標) Mateと称するガラスである。エッチングを施した基材の突出部は、例えば実質的にピラミッド状であり、ランダムに分布していて、光を等方的に散乱する。
次の表は、粗さパラメータRa、Rz及び曇り度を示す。
部分的に構造化された層3のために選択したエナメルは、実施例1の層に関して説明したようなものであり、厚さe3は20μmであった。
PEDOT/PSS製の導電性コーティング52は、湿式処理により被着させ、抵抗率ρ1が例えば約10-1Ω・cm、厚さが約100nm以上であった。
図4a−1〜4g−1は、部分的に構造化された層をフォトリソグラフィーと酸エッチングにより製造するための方法の概略図であり、図1に示したようなグリッドを製造するためのものである。
図4a−1に図示の第1工程は、基材上の追加散乱層により形成される、散乱粒子を含有する無機材料製の光抽出層4で被覆されたガラス1から開始して、
・光抽出層上に、前述の屈折率n3を有するガラス質材料(好ましくはエナメル)を含む高屈折率層3aを形成し、
・そして層3aに、液状マスク材料、ここではポジ型フォトレジストの慣用的なAZ1505レジストの層60を適用する、
というものである。
次に、熱対流炉中でレジストを100℃で20分間焼成する。マスクの厚さは800nmである。
図4b−1に図示の第2工程は、フォトレジストパターンを形成するものである。これを行うために、不連続部71を有するフォトリソグラフィーマスク70をレジスト60に当て、そしてレジスト60の貫通開口部にしようとする領域に、不連続部を通して紫外線を照射(約50W/cm2で10秒)する。不連続部は不均一又は均一な一次元的(図1c−1)又は二次元的(図1d−1)な配置構成を有する。
図4c−1に図示の第3工程は、フォトレジスト60に貫通開口部を形成するものである。上記の照射した領域を特定の慣用的溶液(ここでは金属鉄を含有しない(MIF)現像液)に50秒間溶解させて除去し、脱イオン水ですすいで、フォトレジストに貫通開口部61を形成する。
あるいは、ネガ型フォトレジストと反転フォトリソグラフィーマスク(非照射領域を除去して開口部を形成する)を使用してもよい。
図4d−1に図示の第4工程は、連続層3aにキャビティを形成するものである。部分的に構造化された層を、好ましくは、ドライエッチングではなくウェットエッチングによって、例えば室温での酸エッチングにより、形成する。したがって、選択するレジストはエッチング液に耐性を示し、それはpHが2.1の酢酸である。この場合、エッチングの深さはエッチング時間、ここでは35nm・min-1により制御される。
このエッチングにより、傾斜し湾曲していてもよい側面32を有し、水平方向距離L<1.4ecで延在する、深さecのキャビティが形成される。
図4e−1に図示の第5工程は、グリッド材料2を被着するものであり、好ましくは銀を、真空被着により、マグネトロンスパッタリングにより、又は変形例として例えば銀めっきなどの湿式処理により被着する。キャビティを少なくとも部分的に埋めるために、フォトレジスト60(エッチマスク)の開口部61を通して、キャビティ内へ被着させる。銀は、マスクの表面にも被着する(層3の上側面には存在しない)。
図4f−1に図示の第6工程は、例えば湿式処理(アセトン溶媒及び超音波)を用いて、マスクを除去するものである。
図4g−1に図示の第7工程は、導電性コーティング5を被着するものである。
図4a−2〜4g−2は、部分的に構造化された層をフォトリソグラフィーと酸エッチングにより形成するための方法の変形例の概略図であり、図1に示したようなグリッドを製造するためのものである。
図4a−2に図示の第1工程は、基材上の追加散乱層により形成される、散乱粒子を含有する無機材料製の光抽出層4で被覆されたガラス1から開始して、
・光抽出層上に、前述の屈折率n3を有するガラス質材料(好ましくはエナメル)を含む高屈折率層3aを形成し、
・そして層3aに、液状マスク材料、ここではポジ型フォトレジストの慣用的なAZ1505レジストの層60を適用する、
というものである。
次に、熱対流炉中でレジストを100℃で20分間焼成する。マスクの厚さは800nmである。
図4b−2に図示の第2工程は、フォトレジストパターンを形成するものである。これを行うために、不連続部71を有するフォトリソグラフィーマスク70をレジスト60に当て、そしてレジスト60の貫通開口部にしようとする領域に、不連続部を通して紫外線を照射(約50W/cm2で10秒)する。不連続部は不均一又は均一な一次元的又は二次元的なの配置構成を有する。
図4c−2に図示の第3工程は、フォトレジストに貫通開口部を形成するものである。上記の照射した領域を特定の慣用的溶液(ここでは金属鉄を含有しない(MIF)現像液)に50秒間溶解させて除去し、脱イオン水ですすいで、フォトレジストに貫通開口部61を形成する。
フォトレジストの側面は、ガラス1に対して直立し垂直であってもよく、あるいはこの図に示すように傾斜し、ガラスからの距離と共に口を広げていてもよい。
あるいは、ネガ型フォトレジストと反転フォトリソグラフィーマスク(非照射領域を除去して開口部を形成する)を使用してもよい。
図4d−2に図示の第4工程は、連続層3aにキャビティを形成するものである。部分的に構造化された層を、好ましくは、ドライエッチングではなくウェットエッチングによって、例えば室温での酸エッチングにより、形成する。したがって、選択するレジストはエッチング液に耐性を示し、それはpHが2.1の酢酸である。この場合、エッチングの深さはエッチング時間、ここでは35nm・min-1により制御される。
このエッチングにより、傾斜し湾曲していてもよい側面32を有する深さecのキャビティが形成される。このエッチングは等方的であり、すなわちエッチング液、ここでは酸は、全方向に侵蝕する(エッチングする)。
エッチングプロファイルはカップ状である。キャビティの幅Wは、マスクと高屈折率層との界面の平面においてマスクの貫通開口部の幅W0より大きくて、キャビティに面しているポジ型フォトレジストマスクの表面部分63、63’を上側面を越えて張り出させる。
傾斜したおのおのの側面32は、図5a〜5bに示すように、水平方向距離L<1.4ecで延在する。底部32’は平坦である。
図4e−2に図示の第5工程は、銀めっきによりグリッド材料2を被着するものである。キャビティを少なくとも部分的に充填するために、フォトレジスト60(酸エッチマスク)の開口部61を通して、キャビティ内へ被着させる。銀は、マスクの外側表面にも被着する(層3の上側面には存在しない)。
より精確に言うと、銀めっきによりキャビティを少なくとも部分的に埋め、そしてキャビティ側部とキャビティに面して張り出している表面部分63、63’の高さ全体を埋める。したがって、これにより、上側面と同じ高さであり、且つ平坦であって、開口部に面している中央ストランド領域24より滑らかである周辺側方ストランド領域23、23’が形成される。
ストランドの最大幅Aはここではストランドの表面での幅である。各周辺側方領域の幅L1はLにほぼ等しい。
図4e−2は(以下と同様に)、e2が例えば一般にHより(ずっと)大きい限りにおいて、縮尺通りではない。
上側面から引っ込んでいる中央領域における、銀めっきで得られたストランドについての粗さパラメータの例を、次の表に示す。
図4f−2に図示の第6工程は、好ましくはアセトン溶媒及び超音波を用いる湿式処理を使用して、マスクを除去するものである。
図4g−2に図示の第7工程は、導電性コーティング5を被着するものである。
図2a−2及び2b−2を補足するものとして、SEM写真である図6は、部分的に構造化された層3の側部が傾斜したキャビティ32内にストランド20を備えた、銀めっきにより得られるほぼ同一平面の金属グリッドの例を示している。中央領域24は、さらに上側面と同じ高さである周辺側方領域23より粗い。

Claims (31)

  1. 導電性OLED支持体(100〜300)であり、
    ・第1面と称する第1の主面(11)を有する、屈折率n1が1.3〜1.6の有機又は無機ガラスのグレージング基材(1)、及び、
    ・第1面(11)と同じ側で該グレージング基材によって支持された電極であって、この電極は金属グリッドと称するグリッド(2、20)に配置された層を含み、このグリッドは20Ω/□未満のシート抵抗を有する金属で製作されていて、少なくとも100nmの厚さe2を有し、また該グリッドは50μm以下の幅Aを有するストランド(20)から形成されて、5000μm以下のストランド間距離Bをおいて離間されており、これらのストランドは1.65より高い屈折率の複数の電気絶縁非導電性区域で隔てられている、電極、
    をこの順序で含む導電性OLED支持体(100〜300)であって、
    第1面(11)と同じ側で且つ前記金属グリッドの下に、
    ・電気絶縁性光抽出層(41〜42)、及び、
    ・その厚さの一部を構造化された層(3)であり、所定の組成を有し、屈折率n3が1.70〜2.3であり、前記光抽出層の上に位置している部分的に構造化された層(3)であって、次のものから、すなわち、
    ・前記光抽出層から最も遠くに位置し、前記金属グリッドを少なくとも部分的に含むキャビティで構造化された領域(31)であって、前記非導電性区域を含んでいる領域(31)、及び、
    ・前記光抽出層の最も近くに位置し、好ましくは当該光抽出層のすぐ上に位置する、下側領域と称する別の領域(30)、
    から形成されている部分的に構造化された層(3)、
    を含むこと、
    且つ、前記非導電性区域(31)の上側面(31’)と称する面と前記金属グリッド(2)の表面との距離Hが絶対値で100nm以下であること、
    を特徴とする導電性OLED支持体(100〜300)。
  2. 前記構造化された領域(31)、及び好ましくは前記下側領域(30)が、散乱粒子を含有しないことを特徴とする、請求項1に記載の導電性支持体(100〜300)。
  3. 前記部分的に構造化された層(3)が電気絶縁性であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の導電性支持体(100〜300)。
  4. 前記部分的に構造化された層(3)がガラス質材料、好ましくはエナメルで製作されていることを特徴とする、請求項1〜3の一項に記載の導電性支持体(100〜300)。
  5. 前記基材(1)が好ましくは無機ガラス製であり、前記光抽出層が追加散乱層(41)を含んでいて、この追加散乱層の構成成分はガラス質材料、好ましくはエナメルと、散乱要素(4’、4”)とを含み、且つ前記部分的に構造化された層(3)の組成がガラス質材料、好ましくはエナメルを含み、その組成は特に前記追加散乱層の材料のそれと同一であること、及び/又は、好ましくは無機ガラス製である前記基材の散乱性の第1面(42)が前記光抽出層の一部を形成するか又は前記光抽出層であり、前記部分的に構造化された層(3)の組成がガラス質材料、好ましくはエナメルを含むことを特徴とする、請求項1〜4の一項に記載の導電性支持体(100〜300)。
  6. 好ましくは高さecが少なくとも50nmである、前記キャビティ(32、32’)が、直立した又はL≦1.4ecとなるような水平距離Lだけ前記基材からの距離と共に口を広げた側面(32)に囲まれていることを特徴とする、請求項1〜5の一項に記載の導電性支持体(100〜300)。
  7. 前記金属グリッド(20)が銀で製作されており、銀めっきにより得られることを特徴とする、請求項1〜6の一項に記載の導電性支持体(100〜300)。
  8. 好ましくは銀で製作される、前記ストランド(2)が細長く、当該ストランドはその長さに沿って前記上側面(31’)と同じ高さにある周辺側方領域(23、23’)間に中央領域(24)を有すること、且つ、前記中央領域の表面粗さが前記周辺領域における表面粗さより大きく、前記周辺領域における粗さパラメータRqが好ましくは最大で約5nmであり、前記中央領域におけるRqが少なくとも10nmであることを特徴とする、請求項1〜7の一項に記載の導電性支持体(100〜300)。
  9. 各周辺側方領域(23、23’)の幅L1が前記キャビティの高さec以上であって、L1≦1.4ecであることを特徴とする、請求項8に記載の導電性支持体(100〜300)。
  10. 好ましくは銀で作製される、前記金属グリッド(20)が、前記上側面から引っ込んだ中央領域を有することを特徴とする、請求項1〜9の一項に記載の導電性支持体(100〜300)。
  11. 好ましくは銀で作製される、前記金属グリッド(20)が、25%未満又は10%未満、さらには6%未満の被覆率Tを有することを特徴とする、請求項1〜10の一項に記載の導電性支持体(100〜300)。
  12. 厚さe2が1500nm未満、好ましくは100〜1000nm、特に200〜800nmであり、幅Aが30μm未満、好ましくは1.5〜20μmであることを特徴とする、請求項1〜11の一項に記載の導電性支持体(100〜300)。
  13. 前記金属グリッド(20)の材料が、銀、銅、アルミニウム、金、及びこれらの金属をベースとした合金により形成される群から選択され、好ましくは銀をベースとし、さらには銀で構成されていることを特徴とする、請求項1〜12の一項に記載の導電性支持体(100〜300)。
  14. 前記金属グリッド(2)が多層であって、
    ・第1金属、好ましくは銀をベースとし、あるいは銀からなる第1金属で製作された第1金属層であって、前記グリッドの総厚e2の10%未満を構成し、及び/又は当該総厚e2のうちの少なくとも3nm、好ましく100nm未満、さらには50nm未満を構成している第1金属層、及び、
    ・銀、アルミニウム又は銅から選択されるのが好ましい第2金属をベースとした第2金属層であり、前記グリッドの厚さe2の少なくとも80%、さらには少なくとも90%を構成している第2金属層であって、好ましくは特に第1層のように銀をベースとするか又は銀からなる、第2金属層、
    を含んでいることを特徴とする、請求項1〜13の一項に記載の導電性支持体(200)。
  15. 好ましくは銀で製作される、前記グリッド(2)が、前記キャビティ内に直接位置するか、又は前記キャビティの底部に存在する、結合層と称する誘導体層上に位置しており、特に1種以上の酸化物から形成される、好ましくは無機の前記結合層が、好ましくは前記上側面に存在せず、この結合層の厚さが30nm未満、さらには10nm未満であることを特徴とする、請求項1〜14の一項に記載の導電性支持体(300)。
  16. 導電性コーティング(5、51、52)が、前記上側面(31’)及び好ましくは銀で作製される前記金属グリッド(2)を、好ましくは直接、覆っており、この導電性コーティングが特に500nm以下の厚さe5、20Ω・cm未満であり前記金属グリッドの抵抗率より高い抵抗率ρ5、及び少なくとも1.55の屈折率n5を有することを特徴とする、請求項1〜15の一項に記載の導電性支持体(100〜300)。
  17. 前記導電性コーティング(5)が、特に仕事関数を整合させるために、屈折率naが1.7と2.3の間に含まれる無機層(51)、好ましくは最終層、を含み、厚さが150nm未満であるのが好ましいこの無機層(51)が、特に酸化スズ及び/又は酸化亜鉛及び/又は酸化インジウムをベースとした透明導電性酸化物で製作されており、前記酸化物は任意選択的にドープされ及び/又は混合されていて、好ましくは酸化インジウムスズITO又はMoO3、WO3若しくはV25をベースとしていることを特徴とする、請求項16に記載の導電性支持体(100〜300)。
  18. 前記導電性コーティング(5)及び少なくとも前記基材から最も遠い前記最終層が、PEDOT又はPEDOT:PSS等の導電性ポリマーから作製されたサブミクロンサイズの厚さの、屈折率nbが少なくとも1.55の有機層(52)を含むことを特徴とする、請求項16又は17に記載の導電性支持体(300)。
  19. 前記導電性コーティングが多層であって、前記無機層(51)又は前記有機層(52)の下に、前記金属グリッド(2)のすぐ上に位置し且つ前記非導電性区域を覆う第1層(51’)を含み、この第1層は、200nm未満の厚さe’5及び1.7と2.3の間に含まれる屈折率n’5の透明導電性酸化物で作製され、特に酸化亜鉛、とりわけアルミニウム及び/又はガリウムをドープした酸化亜鉛をベースとする層であることを特徴とする、請求項16又は17に記載の導電性支持体。
  20. 前記導電性コーティング(5、51、52)上に被着され、任意選択的に正孔輸送層HTL又は正孔注入層HILを含む、有機的発光系を含むことを特徴とする、請求項16〜19の一項に記載の導電性支持体。
  21. 請求項1〜20のいずれか一項に記載の導電性支持体(100〜300)を組み込んだ有機発光デバイス。
  22. 請求項1〜20の一項に記載の導電性支持体(100〜300)の製造方法であって、以下の工程、すなわち、
    ・次のものを含む基材、すなわち、
    ・当該基材の散乱性の第1面により形成される及び/又は当該基材上の追加散乱層により形成されるのが好ましい、光抽出層(4)、及び、
    ・前記光抽出層上の、屈折率n3の組成物で作製され、好ましくは散乱粒子を含有しない、高屈折率層(3a)と称するもの、
    を含む基材を用意する工程、
    ・前記高屈折率層(3a)にキャビティを形成して、部分的に構造化された層(3)を形成する工程であって、
    ・前記高屈折率層(3a)上に、所定の配置構成の貫通開口部を有する不連続マスクを形成すること、及び、
    ・前記マスクの貫通開口部を通して前記高屈折率層(3a)をエッチングすること、
    を含むキャビティ形成工程、及び、
    ・第1被着作業と称するものにおいて、前記キャビティ内に前記グリッドの第1金属を、好ましくは銀を被着することを含む、金属グリッド(2)を形成する工程、
    をこの順序で含むことを特徴とする、請求項1〜20の一項に記載の導電性支持体(100〜300)の製造方法。
  23. 前記エッチングが湿式処理、特に酸性溶液を用いる湿式処理であることを特徴とする、請求項22に記載の導電性支持体の製造方法。
  24. 前記マスクがレジスト、好ましくはフォトレジストであることを特徴とする、請求項22又は23に記載の導電性支持体の製造方法。
  25. 前記第1被着作業が銀めっき作業であることを特徴とする、請求項22〜24の一項に記載の導電性支持体の製造方法。
  26. 前記第1被着作業が銀めっき作業であり、且つスズ塩での処理を含む増感工程及び/又はパラジウム塩での処理を含む活性化工程を含むことを特徴とする、請求項22〜25の一項に記載の導電性支持体の製造方法。
  27. 前記キャビティの少なくとも1つが、前記マスクと前記高屈折率層との界面の平面における前記マスクの貫通開口部の幅より大きい幅を有し、前記キャビティに面している前記マスクの表面部分を前記上側面を越えて張り出させること、且つ、前記第1被着作業が銀めっき作業であり、前記キャビティを少なくとも部分的に埋め且つ前記キャビティの側面の全高さ及び前記表面部分の全て又は一部を埋めることで、前記上側面と同じ高さにあり且つ前記開口部に向き合った中央ストランド領域(24)より粗さが小さい周辺側方ストランド領域(22、23’)を形成することを特徴とする、請求項22〜26の一項に記載の導電性支持体の製造方法。
  28. 前記第1被着作業が銀めっき作業であって、前記キャビティを部分的に埋めることを特徴とする、請求項22〜27の一項に記載の導電性支持体の製造方法。
  29. 前記高屈折率層(30)がガラスフリットをベースとする第1組成物から特に得られるエナメルを含み、そして好ましくは、前記追加散乱層が、散乱粒子を含むこと以外は好ましくは前記第1組成物と同一であるガラスフリットをベースとする第2組成物から得られるエナメルを含むことを特徴とする、請求項22〜28の一項に記載の導電性支持体の製造方法。
  30. 前記第1被着作業が前記グリッドを形成するための被着だけの作業であり、前記第1被着作業が湿式被着作業であって、好ましくは銀めっき作業であること、又は、前記第1被着作業が物理気相成長作業若しくは湿式被着作業であって、好ましくは銀めっき作業であり、第2の好ましくは銀をベースとする金属を電気めっき若しくは銀めっきにより被着する第2被着作業が続き、前記第1及び第2被着作業を任意選択的に異なる被着法を用いて行うことを特徴とする、請求項22〜29の一項に記載の導電性支持体の製造方法。
  31. 前記導電性コーティングを被着する前に、前記電極を180℃より高い温度、好ましくは250℃と450℃の間、特に250℃と350℃の間に含まれる温度に、好ましくは5分と120分の間、特に15分と90分の間に含まれる時間わたって加熱する工程を含むこと、及び/又は、前記導電性コーティングを形成するための無機層、好ましくはITO層の被着と、180℃より高い温度、好ましくは250℃と450℃の間、特に250℃と350℃の間に含まれる温度への、好ましくは5分と120分の間、特に15分と90分の間に含まれる時間にわたる加熱とを含むことを特徴とする、請求項22〜30の一項に記載の導電性支持体の製造方法。
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