JP2016509133A - マグネシウム及び亜鉛を有する熱処理可能なアルミニウム合金並びにその製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
広義において、本特許出願は、改良された展伸(wrought)用の熱処理可能なアルミニウム合金、及びその製造方法に関する。具体的には、本特許出願は、改良された展伸用のマグネシウム−亜鉛アルミニウム合金製品、及びその製造方法に関する。概して、マグネシウム−亜鉛アルミニウム合金製品は、例えば、溶体化後の冷間加工及び冷間加工後の熱処理により、特性の組合せの改良が得られ、これについては以下に更に詳細に説明する。本出願の目的では、マグネシウム−亜鉛アルミニウム合金は、3.0〜6.0重量%のマグネシウム及び2.5〜5.0重量%の亜鉛を有するアルミニウム合金であり、マグネシウム及び亜鉛のうちの少なくとも1つが、アルミニウム以外でアルミニウム合金体の主体となる合金元素であり、(重量% Mg)/(重量% Zn)が、0.6〜2.40である。
図2aに示すように、新規プロセスは、溶体化後冷間加工のためにアルミニウム合金体を調製すること(100)を含む。アルミニウム合金体の調製は、溶体化後冷間加工のために、従来の半連続鋳造法(例えば、インゴットのダイレクトチル鋳造)及び連続鋳造法(例えば、双ロール式鋳造)を含む、様々な様態で行なうことができる(100)。図3に示すように、調製工程(100)は、概して、アルミニウム合金体を、冷間加工に好適な形態に配置すること(120)及びアルミニウム合金体を溶体化させること(140)を含む。配置工程(120)及び溶体化工程(140)は、順次行なわれても、互いに付随して(concomitant)発生してもよい。様々な調製工程(100)のいくつかの非限定的な例を図4〜8に示しており、これらは以下で更に詳細に説明する。溶体化後冷間加工のためにアルミニウム合金体を調製(100)する他の方法が当業者に知られており、本明細書には明示していないが、これら他の方法も本発明の調製工程(100)の範囲内である。
a.双ロール連続鋳造−−連続鋳造及び溶体化
一実施形態において、本開示のアルミニウム合金体は、水平双ロール又は双ベルトキャスターの間で連続鋳造されることによって、溶体化後の冷間加工のために調製されてもよく、溶体化は、連続鋳造に付随して発生する(例えば、連続鋳造方法に起因して)。このような実施形態では、アルミニウム合金体は、内部冷却されたロールの対と並列及び連通することによって、連続鋳造され得る。次に図6b−1〜6b−2を参照して、水平双ロール連続鋳造装置の一実施形態が例示される。この装置は、それぞれ矢印A1及びA1の方向に回転する反転冷却ロールR1及びR2の対を使用する。水平という用語は、鋳造片(S)が、水平配向に、又は水平から前後30度の角度で製造されることを意味する。図6b−2でより詳細に示すように、セラミック材料で作製され得る供給口先端部Tは、溶融金属Mを矢印の方向に送ることができる。供給口先端部TとそれぞれのロールR1及びR2との間にある間隙G1及びG2は可能な限り小さく維持され得るが、しかし、先端部TとロールR1及びR2との間の接触は回避されるべきである。理論に束縛されることなく、小さい間隙を維持することは、溶融金属が漏出することを防ぎ、溶融金属がR1及びR2に沿って大気に曝露することを最小化することを助けると考えられている。間隙G1及びG2の好適な寸法は、0.254mm(0.01インチ)であってもよい。ロールR1とR2との中心線を通る平面Lは、ロールニップNとして言及されるロールR1とR2との間の最小隙間領域を通過する。
<濃度プロファイル手順−Si、Mg、Cu、Zn、Mn、Fe用>
1.試料調製
・アルミニウムシート試料を、Luciteに取り付け、標準の金属組織調製手順を使用して(ASTM E3−01(2007)Standard Guide for Preparation of Metallographic Specimensを参照)、縦方向表面を研磨する。試料の研磨表面を、市販の炭素コーティング装備を使用して、炭素でコーティングする。炭素コーティングは、厚さ数ミクロンである。
2.電子プローブマイクロ分析(EPMA)装備
・JEOL JXA8600 Superprobeを使用して、調製したアルミニウムシート試料中の厚さ方向組成プロファイルを得る。Superprobeは4つの波長分散型分光器(WDS)検出器を有し、そのうち2つはガスフロー(P−10)カウンターであり、他はXeガス封止カウンターである。元素の検出範囲は、ベリリウム(Be)からウラン(U)までである。定量分析検出限界は、0.02重量%である。計器には、ステージ制御並びに無人の定量及び定性分析を可能にするGeller Microanalytical Dspec/Dquant自動化を装備する。
3.電子プローブマイクロ分析(EPMA)分析手順
・Superprobeは、次の条件に設定する。加速電圧15kV、ビーム強度100nA、電子ビームは試料の最低13個の異なる区分を測定できるように適切なサイズにデフォーカス(例えば、厚さ0.15cm(0.060インチ)の標本に対しては100μmにデフォーカス)、及び各元素に対する露出時間は10秒。バックグラウンド補正は、陽性及び陰性バックグラウンド上に、5秒の計数時間で、3つの無作為の場所で試料表面に行った。
・シート試料の厚さ全体を、試料の圧延方向に垂直な直線に沿った複数の場所でスキャンしながら、1つのEPMAラインスキャンを画定する。シート試料の中心線にあるものを中間の数の点として、奇数の点を使用した。点間の間隔はビーム直径と等しい。各点で、場合に応じて、Mn、Cu、Mg、Zn、Si、及びFeの元素のうち任意のものを分析することができる。Siは、ガスフロー(P−10)カウンターを用いてPET回折結晶によって分析し、Fe、Cu、Zn、及びMnは、Xeガス封止カウンターを用いてLIF回折結晶により、Mgは、ガスフロー(P−10)カウンターを用いてTAP回折結晶によって分析する。各元素に対する計数時間は10秒である。このラインスキャンは、シート試料の長さにかけて30回繰り返される。試料のいずれか1つの場所において、各元素の報告された組成は、厚さが同一である場所での30回の測定の平均値であるはずである。
・上部領域及び下部領域における濃度は、(i)上部領域及び下部領域の縁部(表面)、並びに(ii)中心領域と上部領域及び下部領域の各々との間の移行帯を除く、これらの領域の各々における平均測定濃度である。上部領域及び下部領域の各々におけるこのような元素の平均濃度を決定するためには、元素の濃度を、これらの領域の各々における最低4つの異なる場所で測定する必要がある。
・測定した元素を、ZAF/Phi(pz)補正モデルHeinrich/Duncumb−Reedを用いて、DQuant分析パッケージCITZAF、v4.01を使用して較正した。この技法は、NISTのDr.Curt Heinrichに由来し、伝統的なDuncumb−Reed吸収補正を使用する。(Heinrich,Microbeam Analysis−−1985,79、−−1989,223を参照されたい。)
<濃度プロファイル手順−Li用(連続切片化)>
・リチウムを含有する製品については連続切片化を使用し、ここでは、切片(厚さ方向)を、(i)0.030以上の厚さを有する試料については機械加工、又は(ii)0.030未満の厚さを有する試料については適切なエッチャントによる化学的薄膜化によって得る。中心線の試料が常に製造されるように、少なくとも13個の異なる厚さ方向の試料を得た。次に、試料の各々を、原子吸光によってそのLi含有量について分析する。
以下の表に示される重量パーセントで表される合金元素を有する溶融アルミニウム合金を、上部ベルトがニップの上流にある固体化金属に接触しないヒートシンクベルトキャスター上で連続鋳造した。本明細書で報告される試験は、ロールキャスター上では実行しなかった。しかしながら、本プロセスは、固体化金属の加工なしでのロールの対に対する鋳造をシミュレーションするように設計した。
一実施形態において、双ロール鋳造装置及びプロセスは、中に粒子状物質を有するアルミニウム合金製品を生成し得る。粒子状物質は、酸化アルミニウム、炭化ホウ素、炭化ケイ素、及び窒化ホウ素などの任意の非金属材料、又は鋳造中にインサイツで創出されたか、若しくは溶融アルミニウム合金に付加された金属材料であることができる。この実施形態の目的では、「上部(upper)」、「下部」、「右側」、「左側」、「垂直」、「平行」、「上部(top)」、「底部」という用語、及びこれらの派生語は、場合に応じて6p〜6sの図面中に配向されるように、本開示に関係する。
別の実施形態において、双ロール鋳造装置及びプロセスは、その中に非混和相を有するアルミニウム合金製品を生成し得る。好適な非混和相元素としては、Sn、Pb、Bi、及びCdが挙げられ、以下の組成の節(節G)において以下に開示する量で存在してもよい。この実施形態の目的では、「上部(upper)」、「下部」、「右側」、「左側」、「垂直」、「平行」、「上部(top)」、「底部」という用語、及びこれらの派生語は、場合に応じて6t〜6xの図面中に配向されるように、本開示に関係する。
図2aを再び参照すると、上記したように、新規プロセスは、アルミニウム合金体を高度に冷間加工すること(200)を含む。「冷間加工(cold working)」及びその類似語は、アルミニウム合金体を、少なくとも1つの方向に、熱間加工温度より低い温度(例えば、204℃(400°F)以下)で変形することを意味する。冷間加工は、冷間加工法の種類の中でも特に、圧延、押出し、鍛造、絞り、しごき、スピニング、フロー成形、及びそれらの組合せのうちの1つ以上のものによって加えられ得る。これらの冷間加工法は、様々なマグネシウム−亜鉛アルミニウム合金製品の製造の少なくとも一部分を支援し得る(以下の製品用途を参照)。
一実施態様において、かつ図9を次に参照して、冷間加工工程(200)は、冷間圧延(220)を含む(また、場合によっては、冷間圧延(220)からなり、任意選択で、平坦化するための延伸又は真直化(240)を含む)。この実施形態において、上記したように、冷間圧延工程(220)は溶体化工程(140)の後に行われる。冷間圧延(220)は、アルミニウム合金体の厚さを減少させる製作技術であり、概して、ローラによって圧力を加えることによって行われ、アルミニウム合金体は、熱間圧延(124)に用いられる温度より低い温度(例えば、204℃(400°F)以下)の圧延設備に装入される。一実施形態において、アルミニウム合金体は周囲条件の圧延設備に装入され、すなわち、この実施形態において、冷間圧延工程(220)は周囲条件で開始される。
XXCR%=(1−T2/T1)*100%
例えば、アルミニウム合金体を第1厚さ(T1)15.0mmから第2厚さ3.0mm(T2)まで冷間圧延した場合、XXCR%は80%である。「80%冷間圧延する」「80%冷間圧延された」などの語句は、XXCR%=80%という表現と同じである。
冷間圧延の他に、再び図2aを参照して、冷間加工は、冷間加工法の種類の中でも特に、押出し、鍛造、絞り、しごき、スピニング、フロー成形、及びそれらの組合せの1つ以上のものによって、単独で又は冷間圧延と組み合わせて加えられ得る。上述したように、アルミニウム合金体は、概して、溶体化後に少なくとも25%冷間加工される。一実施形態において、冷間加工によって、アルミニウム合金体はその実質的に最終の形態に加工される(すなわち、最終製品形態にするのに追加の熱間加工工程及び/又は冷間加工工程は必要ではない)。
A.弾性歪みはない。
B.真塑性歪みは体積の一定性を維持する。
C.負荷は比例する。
冷間加工工程(200)は、アルミニウム合金体が略均一に変形するように、なかでも、上述した圧延プロセス、又は従来の押出プロセスなどを介して調整され得る。他の実施形態において、冷間加工工程は、アルミニウム合金体が略不均一に変形するように調整され得る。したがって、いくつかの実施形態において、該プロセスにより、調整された冷間加工勾配を有するアルミニウム合金体を製造し得、すなわち、アルミニウム合金体の第1の部分は調整された第1の冷間加工量を受け、アルミニウム合金体の第2の部分は調整された第2の冷間加工量を受け、この場合、第1の冷間加工量は第2の冷間加工量とは異なる。調整された不均一冷間加工を達成するために、単独で又は組み合わせて行うことができる冷間加工操作(200)の例としては、なかでも、鍛造、バニッシング、ショットピーニング、フロー成形、及びスピンフォーミングが挙げられる。そのような冷間加工工程は、なかでも、冷間圧延及び/又は押出しなどの略均一な冷間加工と組み合わせて利用することもできる。上述のように、調整された不均一冷間加工工程の場合、等価塑性歪み量は、冷間加工(200)を受けるアルミニウム合金体の部分(複数可)において決定される。それゆえ、熱処理工程(300)の後に、このような製品は、第1の強度有する第1の部分、及び第2の強度を有する第2の部分を有し、第1の強度は第2の強度とは異なる。
冷間加工工程(200)は、熱間加工温度より低い温度(例えば、204℃(400°F)以下)で開始し得る。1つのアプローチにおいて、冷間加工工程(200)は、溶体化(140)後アルミニウム合金体が十分に低い温度に達した時点で開始される。一実施形態において、冷間加工工程(200)は、アルミニウム合金体の温度が121℃(250°F)以下であるときに開始し得る。他の実施形態において、冷間加工工程(200)は、アルミニウム合金体の温度が93℃(200°F)以下、又は79℃(175°F)以下、又は66℃(150°F)以下、又は52(125°F)以下、又はそれよりも低いときに開始し得る。一実施形態において、冷間加工工程(200)は、アルミニウム合金体の温度がおよそ周囲温度であるときに開始し得る。他の実施形態において、冷間加工工程(200)は、より高い温度、例えば、アルミニウム合金体の温度が121℃(250°F)から熱間加工温度未満の範囲(例えば、204℃(400°F)未満)であるときに開始し得る。
図2aを更に参照すると、熱処理工程(300)は冷間加工工程(200)の後に行われる。「熱処理」及びその類似語は、アルミニウム合金体を高温に到達させることを意図的なアルミニウム合金体の加熱を意味する。熱処理工程(300)は、アルミニウム合金体を、ある状態又は特性(例えば、なかでも、選択された強度、選択された延性)を達成するのに十分な時間及び温度で加熱することを含むことができる。
1つのアプローチにおいて、アルミニウム合金体は、それが冷間加工工程(200)及び熱処理工程(300)のうちの少なくとも1つの間に事前選択された前駆体状態を達成するように処理される。事前選択された前駆体状態は、アルミニウム合金体の製造の前に選択される状態であり、別の状態(通常は、アルミニウム合金製品の所望の最終状態又は特性などの、別の既知の状態)の前駆体である。例えば、かつ以下で更に詳細に説明されるように、冷間加工工程(200)を完了したアルミニウム合金供給業者は、合金体を熱処理工程(300)の一部としての事前選択された加熱実務に付すことによって、事前選択された亜時効状態のアルミニウム合金体(例えば、シート)を供給し得る。アルミニウム合金供給業者の顧客は、このアルミニウム合金体を受け取り得、合金体を所定の形状の製品へと温感成形して熱処理工程(300)の残りの部分を完了させ、かつこのプロセス中にアルミニウム合金体の強度を更に増加させることなどによって、このアルミニウム合金体を更に熱処理してもよい。それゆえ、アルミニウム合金供給業者は、供給業者の第1の加熱工程と顧客の後の第2の加熱工程との組み合わせにより、所定の特性(例えば、なかでも、ピーク付近の強度、強度と延性との所定の組み合わせ)を有するアルミニウム合金体が製造されるように、供給業者の第1の加熱工程を調整してもよい。多くの他の変型が存在し、その多くは以下で更に詳細に説明される。
一実施態様において、かつ次に図2q−1を参照して、熱処理工程(300)は、第1の加熱工程(320)及び第2の加熱工程(340)を含む。第1の加熱工程(320)を実施して、事前選択された状態(322)(例えば、第1の選択された状態)を達成し得る。同様に、第2の加熱工程(340)を実施して、別の事前選択された状態(342)(例えば、第2の選択された状態)を達成してもよい。
上に記載した複数の熱処理工程の実施形態と同様に、複数の冷間加工工程も用いられ得る。一実施態様において、かつ次に図2q−7を参照して、冷間加工工程(200)は、アルミニウム合金体において少なくとも25%の冷間加工を含む、第1の冷間加工工程(220)と第2の冷間加工工程(240)との組み合わせで、第1の冷間加工工程(220)及び第2の冷間加工工程(240)を含む。一実施形態において、第1の冷間加工工程は、それ自体の中に、アルミニウム合金体における少なくとも25%の冷間加工を含む。それゆえ、第1の冷間加工工程(220)を実施して、事前選択された状態(222)(例えば、第1の選択された状態)を達成し得る。同様に、第2の冷間加工工程(240)を実施して、別の事前選択された状態(242)(例えば、第2の選択された状態)を達成してもよい。
別の実施形態において、1つ以上の所定の特性を獲得するために、第1の冷間加工工程及び第1の熱処理工程は、第1の場所で完了されてもよく、第2の冷間加工工程及び第2の熱処理工程は、第2の場所で完了されてもよい。例えば、かつ次に図2q−9を参照して、冷間加工工程(200)及び熱処理工程(300)を完了するために、アルミニウム合金体における少なくとも25%の冷間加工を含む、第1の冷間加工工程(220)と第2の冷間加工工程(240)との組み合わせで、第1の冷間加工工程(220)及び第1の熱処理工程(320)は、第1の場所で完了されてもよく、第2の冷間加工工程(240)及び第2の熱処理工程(340)は、第2の場所で完了されてもよい。一実施形態において、第1の冷間加工工程は、それ自体の中に、アルミニウム合金体における少なくとも25%の冷間加工を含む。
冷間加工工程(200)と熱処理工程(300)を組み合わせることにより、改良された特性を有するアルミニウム合金体を製造することが可能である。冷間加工工程(200)の高い変形形成を適切な熱処理条件(300)と組み合わせることにより、これまで実現されなかった強度と延性の組み合わせ(combination of strength and ductility)を達成できる独特のミクロ構造(以下のミクロ構造を参照)が作り出されるものと考えられる。冷間加工工程(200)は、大きく変形したミクロ構造の生成を容易にし、一方で熱処理工程(300)は、析出硬化を容易にする。冷間加工(200)が少なくとも25%、好ましくは、50%を超え、かつ、好適な熱処理工程(300)が適用される場合に、特性の改良が実現され得る。
i.再結晶化
冷間加工工程(200)及び熱処理工程(300)は、アルミニウム合金体が未再結晶ミクロ構造を主体とする構造を獲得/維持するように行われる。未再結晶ミクロ構造を主体とする構造とは、以下に定義するように、アルミニウム合金体に含まれる第1型結晶粒が50%未満(体積分率による)であることを意味する。
・ソフトウェアは、TexSEM Lab OIM Data Collectionソフトウェアのバージョン5.31(EDAX Inc.,New Jersey,U.S.A.)を使用し、FIREWIRE(Apple,Inc.,California,U.S.A.)により、DigiView 1612 CCDカメラ(TSL/EDAX,Utah,U.S.A.)に接続する。SEMはJEOL JSM6510(JEOL Ltd.Tokyo,Japan)である。
・OIMの使用条件は、傾斜70°、作動距離18mmであり、ダイナミックフォーカス、スポットサイズ1×10−7ampで加速電圧20kVである。コレクションモードは正方格子である。選択は、方位(orientations)が解析に収集されるように行う(すなわち、Houghピーク情報は収集されない)。1走査における領域サイズ(すなわち、フレーム)は、80X、3ミクロンステップで、2mmゲージの試料の場合2.0mm×0.5mmであり、5mmゲージの試料の場合2.0mm×1.2mmである。ゲージに応じて異なるフレームサイズを使用することができる。収集されたデータは*.oscファイルで出力される。このデータを用いて、下に記載するように、第1型結晶粒の体積分率を計算することができる。
・第1型結晶粒の体積分率の計算第1型結晶粒の体積分率は、*.oscファイルのデータ及びTexSEM Lab OIM解析ソフトウェアバージョン5.31を用いて計算される。計算を行なう前に、データのクリーンアップを、許容角度15°、最小粒度=3データポイント、クリーンアップ1反復を用いて行うことができる。次に、第1結晶粒基準(下記)を使用し、ソフトウェアにより第1型結晶粒の量が計算される。
・第1型結晶粒基準粒子方位分布(grain orientation spread)(GOS)により結晶粒許容角度5°で計算する。最小粒度は3データポイントであり、信頼指数は0である。「計算前に分割を適用」、「端の結晶粒を含める」、及び「双晶境界限定を無視する」は全てが必要であり、計算は「結晶粒平均方位」を用いて行なわれる。結晶粒のGOSが≦3°であるとき、全てが第1型結晶粒である。複数フレームが使用される場合、GOSデータは平均される。
URX%=(1−FGV)*100%
前述したように、アルミニウム合金体は、概して、未再結晶ミクロ構造を主体とする構造を含んでおり、すなわち、FGV<0.50かつURX%≧50%である。一実施態様では、アルミニウム合金体は(体積分率により)0.45以下の第1型結晶粒を含有する(すなわち、上に示した定義によって、アルミニウム合金体は少なくとも55%が未再結晶である(URX%≧55%))。他の実施態様において、アルミニウム合金体は(体積分率により)0.40以下の第1型結晶粒(URX%≧60%)、又は0.35以下の第1型結晶粒(URX%≧65%)、又は0.30以下の第1型結晶粒(URX%≧70%)、又は0.25以下の第1型結晶粒(URX%≧75%)、又は0.20以下の第1型結晶粒(URX%≧80%)、又は0.15以下の第1型結晶粒(URX%≧85%)、又は0.10以下の第1型結晶粒(URX%≧90%)、又はそれより少ない第1型結晶粒を含んでいる。
アルミニウム合金体は独特のミクロ構造を獲得することができる。この独特のミクロ構造は、結晶学的構造組織データから得られるアルミニウム合金体のR値によって示されることができる。アルミニウム合金体のミクロ構造は、合金体の特性(例えば、なかでも、強度、延性、靱性、耐食性)に関連性を有している。
<R値決定法>
{機器}:
使用される機器は、X線発生装置であり、コンピュータ制御の極点図(pole figures)用ユニット(例えば、Rigaku Ultima III回折計(Rigaku USA,The Woodlands,TX)及びデータ収集ソフトウェア及び極点図データ加工用ODFソフトウェア(例えば、Rigaku回折計に付属のRigakuソフトウェア)を具えたものである。反射極点図は、「Elements of X−ray Diffraction」by B.D.Cullity,2nd edition 1978(Addison−Wesley Series in Metallurgy and Materials)及びthe Rigaku User Manual for the Ultima III Diffractometer and Multipurpose Attachment(又は他の同等の回折装置の他の好適なマニュアル)に基づいて捕捉される。
{試料の調製}:
極点図はT/4位置から表面まで測定される。それゆえ、R値決定に用いられる試料は、(好ましくは)2.22センチメートル(7/8インチ)(LT)×3.18センチメートル(1−1/4インチ)(L)である。試料サイズは測定機器に基づいて変更することができる。R値の測定に先立ち、試料は次の要領にて調製される。
1.圧延面を一方の面から、T/4平面より0.254mm(0.01インチ)厚い面に機械加工する(厚さが保証される場合)。
2.T/4位置に化学的にエッチングする。
{極点図のX線測定}:
極点図の反射(シュルツの反射法に基づく)
1.試料を、試料の圧延方向を表示して試料リングホルダーに取り付ける。
2.試料ホルダーユニットを極点図用ユニットに挿入する。
3.試料の方向を、極点図用ユニットと同じ水平面と一致させる(β=0°)
4.垂直発散スリット(DS)と、Ni Kβフィルタを備えた標準極点図受光スリット(RS)と、標準散乱スリット(SS)とを使用する(スリットの決定は、使用する放射線、ピークの2θ、及びピークの幅に応じて行うことができる)。Rigaku Ultima III回折計では2/3deg DS、5mm RS及び6mm SSを使用する。
5.出力を推奨操作電圧及び電流に設定する(Ultima IIIにおいてNiフィルタを用いたCu放射の場合、デフォルト値40KV 44mA)。
6.Al(111)、Al(200)及びAl(220)のα=15°、β=0°からα=90°、β=355°までバックグラウンド強度を、5°ずつのステップで測定し、ステップ毎に1秒間カウントする(3つの極点図は通常、正確なODFを得るのに十分である)。
7.Al(111)、Al(200)、Al(220)及びAl(311)のα=15°、β=0°からα=90°、β=355°までピーク強度を、5°ずつのステップで測定し、ステップ毎に1秒間カウントする。
8.サンプリング領域を広げてサンプリング統計を改善させるために、測定中、試料を毎秒2cm揺動させる。
9.ピーク強度からバックグラウンド強度を差し引く(これは通常、ユーザー固有のソフトウェアによって行われる)。
10.吸収を補正する(通常、ユーザー固有のソフトウェアによって行われる)。
出力データは通常、ODFソフトウェアに入力するフォーマットに変換される。ODFソフトウェアは、データを正規化し、ODFを計算し、正規化された極点図を再計算する。この情報から、Taylor−Bishop−Hillモデルを用いてR値が計算される(Kuroda,M.et al.,Texture optimization of rolled aluminum alloy sheets using a genetic algorithm,Materials Science and Engineering A 385(2004)235〜244及びMan,Chi−Sing,On the r−value of textured sheet metals,International Journal of Plasticity 18(2002)1683〜1706参照)。
熱処理工程(300)の後、任意選択で、マグネシウム−亜鉛アルミニウム合金体を様々な最終処理(複数可)(400)に付すことができる。例えば、熱処理工程(300)に付随して又はその後に、マグネシウム−亜鉛アルミニウム合金体に様々な追加加工又は仕上げ加工(例えば、(i)成形加工、(ii)延伸などの機械的特性に実質的に影響を及ぼさない平坦化又は真直化、及び/又は(iii)機械加工、陽極酸化処理、塗装、研磨、バフ仕上げなどの他の工程)に付してもよい。任意選択の最終処理(複数可)工程(400)では、アルミニウム合金体のミクロ構造に物質的に影響を及ぼすと考えられる、あらゆる意図的な/有意義な熱処理(複数可)(例えば、あらゆるアニーリング工程)は行わなくてよい。冷間加工工程(200)及び熱処理工程(300)を組み合わせることにより獲得されたミクロ構造は保持されることができる。
上述のように、マグネシウム−亜鉛アルミニウム合金体は、3.0〜6.0重量%のマグネシウム及び2.5〜5.0重量%の亜鉛を有するアルミニウム合金から作製され、マグネシウム及び亜鉛のうちの少なくとも1つは、アルミニウム以外でアルミニウム合金体の主体となる合金元素であり、(重量% Mg)/(重量% Zn)は、0.6〜2.40である。マグネシウム−亜鉛アルミニウム合金はまた、以下に定義するように、第2の元素、第3の元素、及び/又は他の元素を含んでもよい。
本明細書に記載する新規プロセスによって製造された新規マグネシウム−亜鉛アルミニウム合金体は、改善された特性の組み合わせを達成(実現)することができる。
上述のように、冷間加工工程(200)及び熱処理工程(300)により、冷間加工したままの状態及び/又はT6質別(上に定義した)のアルミニウム合金の基準品と比べて強度の改善を達成することができる。強度特性は、概して、ASTM E8及びB557に準拠して測定されるが、製品形態に対して適切なように、他の適用可能な基準(例えば、締結具に対してはNASM 1312−8及び/又はNASM 1312−13の使用)に準拠して測定されてもよい。
アルミニウム合金体は、上記強度と組み合わせて、良好な延性を実現することができる。1つのアプローチにおいて、アルミニウム合金体は、4%を超える伸び(L及び/又はLT)を達成する。一実施形態において、アルミニウム合金体は、少なくとも5%の伸び(L及び/又はLT)を達成する。他の実施形態において、アルミニウム合金体は、少なくとも6%、又は少なくとも7%、又は少なくとも8%、又は少なくとも9%、又は少なくとも10%、又は少なくとも11%、又は少なくとも12%、又は少なくとも13%、又は少なくとも14%、又は少なくとも15%、又は少なくとも16%、又はそれ以上の伸び(L及び/又はLT)を達成することができる。
新規マグネシウム−亜鉛アルミニウム合金体は、良好な破壊靱性特性を実現することができる。靱性特性は、概して、平面歪み破壊靱性(例えば、KIC及びKQ)についてはASTM E399及びASTM B645に準拠して測定され、平面応力破壊靱性(例えば、Kapp及びKRR25)についてはASTM E561及びB646に準拠して測定される。
新規マグネシウム−亜鉛アルミニウム合金体は、良好な応力腐食割れ抵抗を実現することができる。応力腐食割れ(SCC)抵抗は、概して、ASTM G47に準拠して測定される。例えば、新規マグネシウム−亜鉛アルミニウム合金体は、良好な強度及び/又は靱性を達成することができ、同時に良好なSCC耐食性を達成することができる。一実施態様において、新規マグネシウム−亜鉛アルミニウム合金体は、レベル1の耐食性を実現する。別の実施態様において、新規マグネシウム−亜鉛アルミニウム合金体は、レベル2の耐食性を実現する。更に別の実施態様において、新規マグネシウム−亜鉛アルミニウム合金体は、レベル3の耐食性を実現する。
新規マグネシウム−亜鉛アルミニウム合金体は耐剥離性であることができる。耐剥離性は、概して、ASTM G34に準拠して測定される。一実施態様において、アルミニウム合金体は、EB以上のEXCO評価を実現する。別の実施態様において、アルミニウム合金体は、EA以上のEXCO評価を実現する。更に別の実施態様において、アルミニウム合金体は、P以上のEXCO評価を実現する。
本明細書に開示する新規プロセスに従って加工されたアルミニウム合金体は、改善された外観を実現することができる。下記外観基準は、HunterLab Dorigon II(Hunter Associates Laboratory INC,Reston,VA)、又は同等の機器によって測定することができる。
本明細書に開示する新規プロセスに従って加工されたアルミニウム合金体は、低い表面粗さを有し得る(例えば、なかでも、ほとんど又は全くルダリングを有しない、ほとんど又は全くミカン肌を有しない)。一実施形態において、アルミニウム合金体は、表面粗さ(Ra)について、LT方向で測定した場合、2.5マイクロメートル(100マイクロインチ)(Ra)を実現する。別の実施形態において、アルミニウム合金体は、表面粗さ(Ra)について、LT方向で測定した場合、2.3マイクロメートル(90マイクロインチ)(Ra)を実現する。更に別の実施形態において、アルミニウム合金体は、表面粗さ(Ra)について、LT方向で測定した場合、2.0マイクロメートル(80マイクロインチ)(Ra)を実現する。別の実施形態において、アルミニウム合金体は、表面粗さ(Ra)について、LT方向で測定した場合、1.8マイクロメートル(70マイクロインチ)(Ra)を実現する。更に別の実施形態において、アルミニウム合金体は、表面粗さ(Ra)について、LT方向で測定した場合、1.5マイクロメートル(60マイクロインチ)(Ra)を実現する。別の実施形態において、アルミニウム合金体は、表面粗さ(Ra)について、LT方向で測定した場合、1.3マイクロメートル(50マイクロインチ)(Ra)以下を実現する。この小節(H)(vi)の目的のために、表面粗さは、ASTM E8及びB557に準拠して実施した引張試験によって破壊まで引っ張った標本上で測定される。
本明細書に記載する新規プロセスは、様々な製品用途に適用可能性を有する。一実施態様において、本明細書に記載する新規プロセスによって作製された製品は、なかでも、ウイングスキン(上面及び下面)又はストリンガ/スティフナ、胴体スキン又はストリンガ、リブ、フレーム、スパー、シートトラック、隔壁、円周フレーム、尾翼(例えば、水平安定板及び垂直安定板など)、フロアビーム、シートトラック、ドア、及び操縦翼面部品(例えば、方向舵、補助翼)などの航空宇宙用途に使用される。そのような部品における潜在的利点の多くは、挙げるとすると、高強度、優れた耐食性、疲労亀裂の発生及び進展に対する抵抗性の改善、靱性の改善を含む製品の使用によって、そのような部品中で実現されることができる。そのような特性の組合せを改善することにより、軽量化又は検査間隔の低減をもたらすことができる。
1つのアプローチにおいて、本明細書に開示する新規方法は、改善されたアルミニウム弾薬筒(ケース又はケーシングとも呼ばれる)をもたらし得る。本明細書に記載する新規方法による、アルミニウム合金弾薬筒を製造するための新規プロセスの一実施形態が、図2rに例示される。この方法において、シート、プレート、又は押出ロッド若しくはバーなどのアルミニウム合金体(2r−1)が、出発材料として使用されてもよい。この材料は次いで、中間厚さT1を持つ底部を有する部材2r−2へと押出し又は絞り加工されてもよい。部材2r−2を次いで溶体化し、その後、底部を冷間加工してT2の最終厚さにしてもよく(例えば、冷間圧造、冷間鍛造、冷間フロー成形、及び同等手段を介して)、ここでT2は、底部における少なくとも25%の冷間加工を、冷間形成操作に起因して誘導するように選択される(2r〜3)。一実施形態において、T2は、底部における少なくとも35%の冷間加工、例えば、底部における少なくとも50%の冷間加工、又はそれよりも多くの冷間加工を、冷間形成操作に起因して誘導するように選択される。冷間加工の量は、上の冷間加工の節(節B)に記載する冷間加工量のいずれであってもよい。底部における加工の量及びその後の熱処理(300)に起因して、このような筒は、強固な底部を有し得、これは、例えば、焼付プロセスにおいて歪みを制限する、及び/又は筒取り出しを容易にするのに有用であり得る。これらの方法を介して製造されるアルミニウム合金筒は、なかでもショットガンケーシング及び50〜150mmケーシングなどの大径のケーシング、並びに同等物の場合などに、均一の側壁(2r−3及び2r−4)を有し得る。一実施形態において、側壁はまた、なかでも絞り、しごき、又はフロー成形によってなど、多量の冷間加工により製造される。このような実施形態において、側壁及び底部は、同時に冷間加工を受けてもよく(例えば、フロー成形)、又は底部及び側壁は、別個の冷間加工操作を介して別個の工程で冷間加工を受けてもよい。それゆえ、本明細書に開示する新規プロセスにより製造されるアルミニウム合金筒は、上の特性の節(節H)に記載する改善された特性のうちのいずれかなどの、底部、側壁、又は両方における改善された特性を実現し得る。一実施形態において、及び熱処理の節(節C、小節i)に記載するように、アルミニウム合金体(2r−1)は、弾薬筒へと形成される前に、溶体化されるか、又は溶体化されて部分的に冷間加工されてもよい。
本明細書に開示する新規方法はまた、改善された装甲製品、本体、及び部品を製造する際にも有用であり得る。一実施形態において、方法は、アルミニウム合金装甲製品、本体、又は部品を受け取ることと、アルミニウム合金装甲製品、本体、又は部品を組立品の装甲部品として取り付けることとを含む。この実施形態において、受け取った状態のアルミニウム合金装甲製品、本体、又は部品は、本明細書に記載する方法によって、すなわち、溶体化、次いで冷間加工、及び次いで熱処理によって、例えば上の節(A)〜(C)に記載する方法のうちのいずれかを介して、調製済であってもよい。一実施形態において、組立品は、車両である。一実施形態において、車両は、軍用車両である。別の実施形態において、車両は、自動車車両、ワゴン車、バス、牽引用トレーラー、及び同等物などの商業用車両である。別の実施形態において、組立品は、防護衣組立品である。
本明細書に開示する新規方法はまた、家庭用電子機器用の改善されたアルミニウム合金製品を製造する際にも有用であり得る。一実施形態において、方法は、溶体化されたアルミニウム合金体を冷間加工し、次いでこのアルミニウム合金体を熱処理することを含む。本方法は、アルミニウム合金体を、家庭用電子製品のための外側部品の形態で、所定の形状の製品へと形成することを含み得る。形成工程は、上の熱処理の節(節C、小節i)及び/又は任意選択の熱処理後処理の節(節F)に記載するように、熱処理工程(300)の前、後、又は最中に行われてもよい。
本明細書に開示する新規方法はまた、改善された特性を有する新規アルミニウム合金容器を製造する際にも有用であり得る。容器を製造する1つの方法が図2s−1に例示され、溶体化されたアルミニウム合金体を容器へと冷間加工し(200−C)、次いでこの容器を熱処理し(300−C)、任意選択で最終処理を施す(400−C)ことを含む。新規アルミニウム合金容器を獲得するために用いられ得る冷間加工工程(200−C)、熱処理工程(300−C)、及び任意選択の最終処理(複数可)(400−C)の例は、以下に更に詳細に説明する。
・「上部」、「底部」、「より下」、「より上」、「の下」、「の上」などの用語は、冷間加工又は形成プロセス中のアルミニウム合金容器の向きを問わず、平面上に置かれている完成したアルミニウム合金容器の位置に相対的である。いくつかの実施形態において、容器の上部は、開口部を有する。
・「容器」は、飲料缶、ボトル、食品缶、エアゾール缶、1ピース缶、2ピース缶、及び3ピース缶を含むが、これらに限定されない、アルミニウム合金から作製される任意の種類の容器である。
・「完成アルミニウム合金容器」は、それが最終消費者によって使用される前に追加の冷間加工又は形成工程を経ることのないアルミニウム合金容器である。
・「絞り」は、アルミニウム合金をカップの形態で抜き出すことを意味し、初期絞り、再絞り、及び深絞りを含み得る。
・「しごき」は、カップの壁を、パンチでカップの側壁をしごきリングに対して押し付けることにより、延伸及び薄層化することを意味する。
・「ドーム形成」は、容器の底部を製造することを意味する。容器の底部は、ドーム様に成形されてもよく、平坦であってもよく、または交互の形状を有してもよい。
・「ネッキング」は、容器の一部分の直径を狭小化することを意味する。
・「フランジング」は、容器上にフランジを製造することを意味する。
・「ねじ切り」は、容器にねじ山を製造することを意味する。
・「ビーディング」は、容器の側壁に円周ビードを製造することを意味する。
・「シーミング」は、蓋を容器に、機械的に結合する等して取り付ける方法である。
・「カーリング」は、蓋、端部、つまみ、ねじ式閉鎖具、王冠、巻き締め式ピルファープルーフ閉鎖具等の、閉鎖を受け入れるための容器の上部縁を製造することを意味する。
・「冷間加工したままの状態にある容器の基準品」は、特許請求される容器と同一に調製されるが、その機械的特性が、冷間加工工程の完了後かつ熱処理工程の前に試験される、アルミニウム合金容器の製品を意味する。好ましくは、形成されたままの状態にある容器の基準品の機械的特性は、冷間加工工程の完了から4〜14日以内に測定される。冷間加工したままの状態にある容器の基準品を製造するためには、本明細書に記載する実務に従ってアルミニウム合金体を容器へと冷間加工することになり、その後、アルミニウム合金容器の一部分を取り出して、冷間加工したままの状態にあるその特性を上述の要件につき決定する。アルミニウム合金容器の別の部分は、本明細書に記載する新規プロセスに従って熱処理され、その後、その特性が測定されることになり、そうすることで、冷間加工したままの状態にある容器の基準品の特性と、本明細書に記載する新規プロセスに従って加工された容器の特性との間の比較が容易になる(例えば、なかでもドーム反転圧、真空強度、強度、及び/又は伸びを比較するため)。新規容器及び冷間加工したままの状態にある容器の基準品の両方は、同じアルミニウム合金容器から製造されるため、それらは同じ組成を有することになろう。それゆえ、容器の基準品は、新規容器と同じ合金、ゲージ、及び形状から構成される。
・「ドーム反転圧」は、その圧力を上回ると缶の底部が「飛び出し」、凹面になる代わりに凸面になる、閾値圧力を意味する。いくつかの実施形態において、アルミニウム合金は、容器の底部が凹面になる代わりに平坦になることを可能にするのに十分に強固である。この場合、ドーム反転圧は、その圧力を上回ると缶の底部が「飛び出し」、平坦になる代わりに凸面になる、閾値圧力を意味する。ドーム反転圧は、Altek Company飲料缶及び蓋テスターModel 9009C5を使用して測定されてもよい。
・「側壁」は、容器の側面の壁である。
・「T6質別の容器の基準品の側壁」及び類似語は、溶体化され、次いで熱処理されて最大強度状態(ピーク強度から15kPa(1ksi)以内)にある容器の側壁を意味する。以下に更に詳細に説明するように、本明細書に記載する新規プロセスに従って製造されたアルミニウム合金容器は、T6質別のアルミニウム合金体と比べて、優れた特性を獲得し得る。T6質別のアルミニウム合金容器の基準品の側壁を製造するためには、アルミニウム合金容器の側壁を得、その後、側壁の一部分がT6質別に加工されることになろう(すなわち、溶体化され、次いで熱処理されて最大強度状態(ピーク強度から15kPa(1ksi)以内にされる)。側壁の別の部分については、本明細書に記載する新規プロセスに従って加工されることになり、そうすることで、T6質別のアルミニウム合金容器の基準品の側壁の特性と、本明細書に記載する新規プロセスに従って加工されたアルミニウム合金容器の特性との比較が容易になる(例えば、なかでもドーム反転圧、真空強度、強度、及び/又は伸びを比較するため)。双方の側壁は、同一のアルミニウム合金容器から得られるため、それらは同一の組成、ゲージ、及び形状を有することになろう。
・「真空強度」は、その圧力を上回ると容器の側壁が内側に倒壊する、閾値真空圧を意味する。真空強度は、Altek Company food Panel Strength(側壁倒壊抵抗性)テスターModel 9025によって測定されてもよい。
1つのアプローチにおいて、本明細書に開示する新規方法は、改善された締結具製品をもたらし得る。「締結具」は、2つ以上の部品を接続することを主目的とする、圧延、押出し、又は絞り素材から作製された製品である。本明細書に記載する新規プロセスにより作製された締結具は、溶体化後の冷間加工のために調製され(100)、次いで25%よりも多く冷間加工され(200)、次いで熱処理され(300)てもよい。一実施形態において、冷間加工工程(200)は、冷間鍛造、冷間スエージング、及び冷間圧延のうちの1つによって、アルミニウム合金体を締結具へと冷間加工することを含む。一実施形態において、冷間加工工程の第1の部分が、締結具供給素材(例えば、冷間加工されたロッド(ワイヤを含む)又はバー)を製造し、冷間加工工程の第2の部分が、締結具を製造する(例えば、冷間鍛造又は冷間スエージングを介して)。このような部分冷間加工、及び同様の方法は、熱処理の節(節C、小節i)に記載するように完了されてもよい。
1つのアプローチにおいて、本明細書に開示する新規方法は、改善されたロッド製品をもたらし得る。アルミニウム工業会によって定義されるように、ロッド製品は、ロッド又はワイヤ製品である。一実施形態において、方法は、上に記載した、溶体化後の冷間加工のためにアルミニウム合金ロッドを調製すること、調製工程後にアルミニウム合金ロッドを最終ゲージへと冷間加工すること(冷間加工は少なくとも25%の冷間加工をロッド中に誘導する)、及び冷間加工工程後にアルミニウム合金ロッドを熱処理することを含み、冷間加工工程及び熱処理工程は、冷間加工したままの状態及び/又はT6質別及び/又はT87質別のアルミニウム合金ロッドの基準品と比べて、縦方向最大引張強度における増加、又は上記の特性の節(節H)に記載する改善された特性のうち任意の他のものを獲得するように遂行される。このような改善された特性は、上記の特性の節(節H)に記載するように、より短い時間で実現され得る。一実施形態において、冷間加工工程は、1つの冷間絞り、冷間ロッド圧延、及び冷間スエージングを含んでもよい。一実施形態において、冷間加工後、ロッドはワイヤゲージにある。1つのアプローチにおいて、新規アルミニウム合金ロッドは、アルミニウム合金ロッドの基準品よりも高い最大引張強度を実現し、この基準品は、上記の特性の節(節H)に記載する最大引張強度値のうちのいずれかなどの、T6質別及びT87質別のうちの1つにある。1つのアプローチにおいて、新規アルミニウム合金ロッドは、上記のミクロ構造の節(節E(i))に記載するように、未再結晶ミクロ構造を主体とする構造を有した。
本明細書に記載する新規方法はまた、改善されたホイール製品の製造に有用であり得る。次に図2t−1及び2t−2を参照して、本明細書に記載する新規方法によって製造され得るホイール(110−W)の一実施形態が例示される。例示されるホイール(110−W)は、ディスク正面(112−W)、リム(114−W)、ドロップウェル(116−W)、ビードシート(118−W)、及び取付フランジ(120−W)を含む。リム(112−W)は、タイヤが取り付けられ得るホイールの外側部分である。取付フランジ(120−W)は、ホイールが車両に直接取り付けられる(例えば、接触している)場所である。ディスク正面(112−W)は、リムと取付フランジとの間に位置する。図2t−1及び2t−2に示されるホイールは、自動車用ホイールである。しかしながら、本明細書に記載する新規方法は、市販のホイール、又は少なくとも25%が冷間加工によって形成され得るホイールの任意の他の型に適用可能であってもよいことを理解されたい。また、当業者であれば、ホイールがより多部品又はより少ない部品を有してもよいことを理解する。
・インクリメンタル成形−これらの変形の選択肢は、成形荷重が部品上の小さい局部的な領域に集中して、部品を変形させることができる高い成形圧力を達成するものである。リム領域を寸法決定し輪郭付けるための選択肢としては、フロー成形、剪断成形、スピニング、圧延、ピルガリング、スエージング、冷間鍛造、及びラジアル鍛造が挙げられる。表面領域を寸法決定し輪郭付けるための選択肢としては、フロー成形、スピニング、剪断成形、ラジアル鍛造、及びコギング(半径方向及び/又は円周方向)が挙げられる。
・バルク成形−これらの変形の選択肢は、部品を開又は閉ダイキャビティ中に置き、工具の動きによって力を働かせて、部品を変形させ形を作る。リム領域を寸法決定し輪郭付けるための選択肢としては、鍛造、押出し、スエージング、及びピルガリングが挙げられる。ディスク正面領域を寸法決定し輪郭付けるための選択肢としては、鍛造、口絞加工、剪断押出し、半径方向及び/又は円周方向コギングが挙げられる。
・液圧成形−これらの変形の選択肢は、流体で加圧した閉キャビティ中に部品を置くが、部品の一部の表面は、変形を引きこす加圧流体に曝露されない。冷たい溶体化した材料の流動応力よりも数倍大きい静水圧が、変形を引き起こすために必要とされる。流動応力は、出発の溶体化予備成形物の幾何に依存する。
新規マグネシウム−亜鉛アルミニウム合金製品は、多層用途において使用を見出し得る。例えば、多層製品は、マグネシウム−亜鉛アルミニウム合金体を第1の層として使用し、1xxx〜8xxx合金のいずれかを第2の層として使用して形成することが可能である。図12は、多層製品を製造するための方法の一実施形態を例示する。例示される実施形態において、図9に対して上に記載するように、多層製品が製造され(107)、その後、均質化処理(122)され、熱間圧延(126)され、溶体化(140)され、次いで冷間圧延(220)され得る。多層製品は、なかでも、多合金鋳造、ロール圧接、接着接合、溶接、及び冶金的接合によって製造され得る。多層合金鋳造技法としては、Kilmerらに対する米国特許出願公開第20030079856号、Andersonらに対する米国特許出願第20050011630号、Chuらに対する同第20080182122号、及びNovelisに対する国際公開第WO2007/098583号(いわゆるFUSION(商標)鋳造プロセス)に記載されるものが挙げられる。
節A、B、C、及びFにおいてそれぞれ上に記載した、調製、冷間加工、熱処理、及び任意選択の最終処理の装置及び方法論は、本明細書に記載するような任意の好適な様式で組み合わされて、節D及びHに記載した改善されたアルミニウム合金体及び/又は特性のうちのいずれか、節Eに記載したミクロ構造のうちのいずれかを達成し、かつ節A〜Iのうちのいずれかに記載したアルミニウム合金体及び製品のうちのいずれかを達成してもよく、節Gに提供された組成は、このようなアルミニウム合金体を獲得するように、場合に応じて調整され得る。それゆえ、これら節A〜Iに記載した方法論及び装置の全てのこのような組み合わせは、このような目的のために組み合わせ可能であると認識され、従って、このような発明の組み合わせを保護するために、任意の好適な組み合わせで組み合わされ、特許請求され得る。また更に、この新たな技術のこれら及び他の態様、利点、並びに新規特徴は、以下の説明において一部示され、説明及び図面を考察すれば当業者には明白となるか、又は特許出願によって提供される技術の1つ以上の実施形態を実践することにより、習得され得る。
以下の表1に示される組成を有する6つのブック型鋳塊を鋳造した(5.72cm(2.25”)(H)×9.53cm(3.75”)(W)×36cm(14”)(L))。
実施例1の合金6も、溶体化熱処理後に高冷間加工によって処理した。具体的には、合金6を、2.5センチメートル(1.0インチ)の中間ゲージへと熱間圧延し、溶体化熱処理し、冷水急冷し、その後、1センチメートル(0.5インチ)の最終ゲージへと50%冷間圧延する(すなわち、50%厚さを減少させる)ことによって50%の冷間加工を誘導した。その後、合金6を、0.5、2、4、及び8時間177℃(350°F)で人工的に時効させた。時効前後に機械的特性を測定し、その結果を下の表6に提供する。強度及び伸び特性を、ASTM E8及びB557に従って測定した。
Claims (386)
- 方法であって、
(a)溶体化後の冷間加工のためにアルミニウム合金シートを調製することであって、前記アルミニウム合金シートが、3.0〜6.0重量%のマグネシウム及び2.5〜5.0重量%の亜鉛を含み、前記マグネシウム及び前記亜鉛のうちの少なくとも1つが、アルミニウム以外で前記アルミニウム合金シートの主体となる合金元素であり、(重量% Mg)/(重量% Zn)が、0.6〜2.40であり、前記調製工程が、
(i)前記アルミニウム合金シートを連続鋳造することであって、前記連続鋳造工程が、
(A)その間にニップを画定する相隔たる回転鋳造ローラの対に、3.0〜6.0重量%のマグネシウム及び2.5〜5.0重量%の亜鉛を含む溶融アルミニウム金属を送達することであって、前記マグネシウム及び前記亜鉛のうちの少なくとも1つが、アルミニウム以外で前記アルミニウム合金の主体となる合金元素であり、(重量% Mg)/(重量% Zn)が、0.6〜2.40である、送達すること、
(B)金属の凍結前面が前記ニップで形成される、前記溶融金属を前記鋳造ローラの表面間に前進させること、並びに
(C)固体金属片の形態にある前記アルミニウム合金シートを前記ニップから取り出すこと、を含む、前記アルミニウム合金シートを連続鋳造することと、
(ii)前記連続鋳造工程に付随して、前記アルミニウム合金シートを溶体化させることと、を含む、溶体化後の冷間加工のためにアルミニウム合金シートを調製することと、
(b)調製工程(a)の後に、前記アルミニウム合金シートを少なくとも25%冷間加工することと、
(c)冷間加工工程(b)の後に、前記アルミニウム合金シートを熱処理することと、を含み、前記冷間加工工程及び前記熱処理工程が、冷間加工したままの状態にある前記アルミニウム合金体の基準品と比べて、長手横引張降伏強度の増加を達成するように遂行される、方法。 - 前記前進させる工程(a)(i)(B)が、
2つの外側濃度領域の第1の形成をすることと、
内側濃度領域の第2の形成をすることと、を含み、
前記内側濃度領域が、前記2つの外側濃度領域の間に位置し、
前記第1の形成及び第2の形成工程が、相互に付随して完了され、
前記2つの外側領域における前記Mg及び前記Znの平均濃度が、前記内側濃度領域の中心線での前記Mg及び前記Znの濃度よりも高く、
前記2つの外側濃度領域が、前記固体金属片の長軸に符号する長軸を有し、かつ
前記内側濃度領域が、前記固体金属片の長軸に符号する長軸を有する、請求項1に記載の方法。 - 方法であって、
(a)溶体化後の冷間加工のためにアルミニウム合金シートを調製することであって、前記アルミニウム合金シートが、3.0〜6.0重量%のマグネシウム及び2.5〜5.0重量%の亜鉛を含み、前記マグネシウム及び前記亜鉛のうちの少なくとも1つが、アルミニウム以外で前記アルミニウム合金シートの主体となる合金元素であり、(重量% Mg)/(重量% Zn)が、0.6〜2.40であり、前記調製工程が、
(i)前記アルミニウム合金シートを連続鋳造することであって、前記連続鋳造工程が、
(A)その間にニップを画定する相隔たる回転鋳造ローラの対に、3.0〜6.0重量%のマグネシウム及び2.5〜5.0重量%の亜鉛を含む溶融アルミニウム金属を送達することであって、前記マグネシウム及び前記亜鉛のうちの少なくとも1つが、アルミニウム以外で前記アルミニウム合金の主体となる合金元素であり、(重量% Mg)/(重量% Zn)が、0.6〜2.40である、送達すること、
(B)前記金属を前記鋳造機器ローラの表面間に前進させることであって、
(I)前記鋳造機器ローラの表面に隣接する2つの固体外側領域の第1の形成をすること、
(II)前記金属のデンドライトを含む半固体内側領域の第2の形成をすることであって、
(III)前記内側領域が、前記2つの外側濃度領域の間に位置し、
(IV)前記第1の形成及び第2の形成工程が、相互に付随して完了される、形成すること、
(V)前記デンドライトを、前記ニップで、又は前記ニップの前で、前記内側領域において破壊すること、を含む、前進させること、並びに
(C)前記半固体内側領域を固体化して、前記内側領域及び前記外側領域からなる前記アルミニウム合金体を製造すること、を含む、溶体化後の冷間加工のためにアルミニウム合金シートを調製することと、
(b)調製工程(a)の後に、前記アルミニウム合金シートを少なくとも25%冷間加工することと、
(c)冷間加工工程(b)の後に、前記アルミニウム合金シートを熱処理することと、を含み、前記冷間加工工程及び前記熱処理工程が、冷間加工したままの状態にある前記アルミニウム合金体の基準品と比べて、長手横引張降伏強度の増加を達成するように遂行される、方法。 - 前記内側領域における前記デンドライトの破壊が、前記ニップで、又は前記ニップの前で、完了され、前記内側領域の固体化が、前記ニップで完了される、請求項3に記載の方法。
- 前記鋳造ローラが、毎分約7.6〜約122メートル(毎分25〜約400フィート)の範囲の鋳造速度で回転している、請求項3又は4のいずれか一項に記載の方法。
- 前記2つの外側領域における前記Mg及び前記Znの平均濃度が、前記内側濃度領域の中心線での前記Mg及び前記Znの濃度よりも高い、請求項3〜5のいずれか一項に記載の方法。
- 前記ニップを通過する前記アルミニウム金属に前記ローラによって適用されるロール分離力が、前記片の幅1センチメートル当たり約44〜約525ニュートン(幅1インチ当たり25〜約300ポンド)である、請求項3〜6のいずれか一項に記載の方法。
- 前記ローラが各々、テクスチャ表面を有し、前記方法が、前記ローラの前記テクスチャ表面をブラッシングすることを含む、請求項3〜7のいずれか一項に記載の方法。
- 前記溶融アルミニウム金属が、最大2.0重量パーセントの非混和性元素を含み、前記非混和性元素が、溶融アルミニウムと実質的に非混和性であり、前記前進させる工程(a)(i)(B)が、
金属の凍結前面が前記ニップで形成される、前記溶融金属を前記鋳造ローラの表面間に前進させることを含み、
前記鋳造工程(a)が、
固体形態にあるアルミニウム合金体を、前記ニップから取り出すことを含み、前記非混和性合金添加元素が、前記アルミニウム合金体全体にほぼ均一に分布される、請求項3〜7のいずれか一項に記載の方法。 - 前記非混和性元素の液滴が、前記凍結前面の前で核となり、前記凍結前面によって取り込まれる、請求項9に記載の方法。
- 前記非混和性元素が、Sn、Pb、Bi、及びCdからなる群から選択される、請求項9に記載の方法。
- 方法であって、
(a)溶体化後の冷間加工のためにアルミニウム合金シートを調製することであって、前記アルミニウム合金シートが、3.0〜6.0重量%のマグネシウム及び2.5〜5.0重量%の亜鉛を含み、前記マグネシウム及び前記亜鉛のうちの少なくとも1つが、アルミニウム以外で前記アルミニウム合金シートの主体となる合金元素であり、(重量% Mg)/(重量% Zn)が、0.6〜2.40であり、前記調製工程が、
(i)前記アルミニウム合金シートを連続鋳造することを含み、前記連続鋳造工程が、
(A)その間にニップを画定する相隔たる回転鋳造ローラの対に、3.0〜6.0重量%のマグネシウム及び2.5〜5.0重量%の亜鉛を含む溶融アルミニウム金属を送達することであって、前記マグネシウム及び前記亜鉛のうちの少なくとも1つが、アルミニウム以外で前記アルミニウム合金の主体となる合金元素であり、(重量% Mg)/(重量% Zn)が、0.6〜2.40であり、
(i)前記アルミニウム金属合金が、粒子状物質を更に含み、前記粒子状物質が、少なくとも約30ミクロンのサイズを有し、かつ酸化アルミニウム、炭化ホウ素、炭化ケイ素、窒化ホウ素、及び任意の非金属材料からなる群から選択される、送達すること、
(B)金属の凍結前面が前記ニップで形成される、前記溶融金属を前記鋳造ローラの表面間に前進させること、並びに
(C)固体形態にある前記アルミニウム合金体を前記ニップから取り出すこと、を含む、溶体化後の冷間加工のためにアルミニウム合金シートを調製することと、
(b)調製工程(a)の後に、前記アルミニウム合金シートを少なくとも25%冷間加工することと、
(c)冷間加工工程(b)の後に、前記アルミニウム合金シートを熱処理することと、を含み、前記冷間加工工程及び前記熱処理工程が、冷間加工したままの状態にある前記アルミニウム合金体の基準品と比べて、長手横引張降伏強度の増加を達成するように遂行される、方法。 - 前記前進させる工程(a)(i)(B)が、
2つの外側濃度領域の第1の形成をすることと、
内側濃度領域の第2の形成をすることと、を含み、
前記内側濃度領域が、前記2つの外側濃度領域の間に位置し、
前記第1の形成及び第2の形成工程が、相互に付随して完了され、
前記片の前記内側濃度領域が、前記外側濃度領域のいずれにもおける粒子状物質の濃度を超える粒子状物質元素の濃度を有し、
前記2つの外側濃度領域が、前記固体金属片の長軸に符号する長軸を有し、かつ
前記内側濃度領域が、前記固体金属片の長軸に符号する長軸を有する、請求項12に記載の方法。 - 3.0〜6.0重量%のマグネシウム及び2.5〜5.0重量%の亜鉛を含む、アルミニウム合金シート製品であって、前記マグネシウム及び前記亜鉛のうちの少なくとも1つが、アルミニウム以外で前記アルミニウム合金シートの主体となる合金元素であり、(重量% Mg)/(重量% Zn)が、0.6〜2.40であり、
前記アルミニウム合金体が、未再結晶ミクロ構造を主体とする構造を有し、かつ上部領域と下部領域との間に配置される中心領域を有する単鋳造片であり、
前記単鋳造片が、
(i)前記上部及び下部領域における前記Mg及び前記Znの平均濃度が、前記中心濃度領域の中心線での前記Mg及び前記Znの濃度よりも高い、
(ii)前記中心領域における粒子状物質の濃度が、前記第1の領域又は前記第2の領域の両方における粒子状物質の濃度を超える、並びに
(iii)前記上部領域、下部領域、及び中心領域が各々、均一に分布した非混和性金属材料を含む、という特徴のうちの少なくとも1つを含む、アルミニウム合金シート製品。 - 前記上部及び下部領域における前記Mg及び前記Znの前記平均濃度が、前記中心濃度領域の前記中心線での前記Mg及び前記Znの前記濃度よりも高い、請求項14に記載のアルミニウム合金シート製品。
- 前記中心領域における粒子状物質の前記濃度が、前記第1の領域又は前記第2の領域の両方における粒子状物質の前記濃度を超える、請求項14〜15のいずれか一項に記載のアルミニウム合金シート製品。
- 前記上部領域、下部領域、及び中心領域が各々、均一に分布した非混和性金属材料を含む、請求項14〜16のいずれか一項に記載のアルミニウム合金シート製品。
- 3.0〜6.0重量%のマグネシウム及び2.5〜5.0重量%の亜鉛を有する、一体型アルミニウム合金シート又はプレートであって、前記マグネシウム及び前記亜鉛のうちの少なくとも1つが、アルミニウム以外で前記一体型アルミニウム合金シート又はプレートの主体となる合金元素であり、(重量% Mg)/(重量% Zn)が、0.6〜2.40であり、第1の部分及び前記第1の部分に隣接する第2の部分を有し、前記第1の部分が、少なくとも25%の冷間加工を有し、第2の部分が、前記第1の部分よりも少なくとも5%少ない冷間加工を有する、一体型アルミニウム合金シート又はプレート。
- 前記シート又はプレートが均一な厚さを有する、請求項18に記載の一体型アルミニウム合金シート又はプレート。
- 前記第2の部分が、前記第1の部分よりも少なくとも10%少ない冷間加工を有し、前記第1の部分が、前記第2の部分よりも高い強度を有する、請求項18又は19のいずれか一項に記載の一体型アルミニウム合金シート又はプレート。
- 前記第2の部分が、前記第1の部分よりも高い伸びを有する、請求項18〜20のいずれか一項に記載の一体型アルミニウム合金シート又はプレート。
- 前記第1の部分が、前記第2の部分と比べて、引張降伏強度の少なくとも5%の増加を有する、請求項18〜21のいずれか一項に記載の一体型アルミニウム合金シート又はプレート。
- 前記第1の部分が、少なくとも4%の伸びを有する、請求項18〜22のいずれか一項に記載の一体型アルミニウム合金シート又はプレート。
- 前記第2の部分が、前記第1の部分に接触する、請求項18〜23のいずれか一項に記載の一体型アルミニウム合金シート又はプレート。
- 前記第2の部分が、第3の部分によって、前記第1の部分から分離している、請求項18〜24のいずれか一項に記載の一体型アルミニウム合金シート又はプレート。
- 前記第1の部分が接着点と関連付けられる、請求項18〜25のいずれか一項に記載の一体型アルミニウム合金シート又はプレートから作製される、アルミニウム合金部品。
- 前記アルミニウム合金部品が、自動車部品であり、前記第1の位置が、第1の所定の強度を有し、前記第2の位置が、第2の所定の強度を有し、第1の所定の強度が、前記第2の所定の強度と少なくとも5%異なる、請求項26に記載のアルミニウム合金部品。
- 前記部品が、自動車部品であり、前記接着位置が、前記自動車車両の点荷重位置と関連付けられる、請求項27に記載のアルミニウム合金部品。
- 請求項26〜28のいずれか一項に記載のアルミニウム合金部品を有する含む車両。
- 3.0〜6.0重量%のマグネシウム及び2.5〜5.0重量%の亜鉛を有する、一体型アルミニウム合金シート又はプレートであって、前記マグネシウム及び前記亜鉛のうちの少なくとも1つが、アルミニウム以外で前記一体型アルミニウム合金体シート又はプレートの主体となる合金元素であり、(重量% Mg)/(重量% Zn)が、0.6〜2.40であり、第1の端部及び第2の端部を有し、前記第1の端部が、少なくとも25%の冷間加工を含み、第2の端部が、前記第1の端部と比べて、より少ない冷間加工を有する、一体型アルミニウム合金シート又はプレート。
- 前記第1の端部が、第1の厚さを有し、前記第2の端部が、第2の厚さを有し、前記第1の厚さが、前記第2の厚さよりも少なくとも10%薄い、請求項30に記載の一体型アルミニウム合金シート又はプレート。
- 前記第1の端部が、第1の厚さを有し、前記第2の端部が、第2の厚さを有し、前記第1の厚さが、前記第2の厚さの3%以内である、請求項30に記載の一体型アルミニウム合金シート又はプレート。
- 前記第1の端部と前記第2の端部とを分離する中間部分を含む、請求項30〜32のいずれか一項に記載の一体型アルミニウム合金シート又はプレート。
- 前記中間部分における冷間加工量が、前記第1の端部から前記第2の端部へと漸減する、請求項33に記載の一体型アルミニウム合金シート又はプレート。
- 前記中間部分における前記冷間加工量が、不均一である、請求項33に記載の一体型アルミニウム合金シート又はプレート。
- 前記第1の端部及び前記第2の端部が、前記シート又はプレートの縦方向と関連付けられる、請求項30〜35のいずれか一項に記載の一体型アルミニウム合金シート又はプレート。
- 前記第1の端部及び前記第2の端部が、前記シート又はプレートの横方向と関連付けられる、請求項30〜35のいずれか一項に記載の一体型アルミニウム合金シート又はプレート。
- 方法であって、
(a)溶体化後の冷間加工のためにアルミニウム合金体を調製することであって、前記アルミニウム合金体が、3.0〜6.0重量%のマグネシウム及び2.5〜5.0重量%の亜鉛を含み、前記マグネシウム及び前記亜鉛のうちの少なくとも1つが、アルミニウム以外で前記アルミニウム合金体の主体となる合金元素であり、(重量% Mg)/(重量% Zn)が、0.6〜2.40であり、
(i)前記調製することが、前記アルミニウム合金体を溶体化させることを含む、調製することと、
(b)前記調製工程後に前記アルミニウム合金体を冷間加工することであって、前記冷間圧延が、前記アルミニウム合金体において少なくとも25%の冷間加工を誘導する、冷間加工することと、
(c)前記冷間加工工程後に前記アルミニウム合金体を熱処理することであって、前記熱処理工程が、
(i)前記アルミニウム合金体を所定の形状の製品へと形成することであって、前記形成工程中に、前記アルミニウム合金シートが、少なくとも66℃(150°F)から前記アルミニウム合金体の再結晶化温度未満までの範囲にある温度に付される、形成することを含む、熱処理することと、を含む、方法。 - 前記熱処理工程が、
前記アルミニウム合金体を、選択された状態を達成するのに十分な時間及び温度で加熱することを含み、前記加熱工程が、前記形成工程の前に発生する、請求項38に記載の方法。 - 前記選択された状態が、亜時効状態であり、前記方法が、
前記亜時効状態を選択することであって、前記選択工程が、前記熱処理工程の前に発生する、選択することと、
前記加熱工程を完了して、前記亜時効状態を達成することと、を含む、請求項39に記載の方法。 - 前記完了工程の後に、前記形成工程を行うことを含み、前記形成後に、前記所定の形状の製品が、少なくとも1つの所定の特性を獲得する、請求項40に記載の方法。
- 前記少なくとも1つの所定の特性が、所定の強度である、請求項41に記載の方法。
- 前記少なくとも1つの所定の特性が、強度及び延性の所定の組み合わせである、請求項41に記載の方法。
- 前記所定の特性が、亜時効状態である、請求項42又は43のいずれか一項に記載の方法。
- 前記亜時効状態が、ピーク強度の30%以内である、請求項44に記載の方法。
- 前記亜時効状態が、ピーク強度の10%以内である、請求項44に記載の方法。
- 前記加熱工程が、第1の加熱工程であり、前記熱処理工程が、
前記アルミニウム合金体の第2の加熱を含み、前記第2の加熱が、前記形成工程の後に発生する、請求項38〜46のいずれか一項に記載の方法。 - 前記第2の加熱が、乾燥又は塗装焼付のうちの少なくとも1つを含む、請求項47に記載の方法。
- 前記第2の加熱が、時効処理炉中の加熱を含む、請求項47又は48のいずれか一項に記載の方法。
- 前記第2の加熱が、前記アルミニウム合金シートを加熱して、第2の選択された状態を達成することを含む、請求項47〜49のいずれか一項に記載の方法。
- 前記第2の選択された状態が、第2の所定の強度、第2の所定の延性、並びに強度及び延性の第2の所定の組み合わせのうちの1つである、請求項50に記載の方法。
- 前記第2の所定の強度がピーク強度である、請求項51に記載の方法。
- 前記所定の強度が、過時効強度であり、前記過時効強度が、前記ピーク強度より少なくとも2%低い、請求項51に記載の方法。
- 前記形成工程の後に、前記所定の形状の製品が、前記アルミニウム合金シートの前記長手横引張降伏強度と比べて、より高い長手横引張降伏強度を実現する、請求項38〜53のいずれか一項に記載の方法。
- 前記形成工程の後に、前記所定の形状の製品が、ピーク強度の10%以内である、請求項38〜54のいずれか一項に記載の方法。
- 前記形成工程の後に、前記所定の形状の製品が、ピーク強度の5%以内である、請求項38〜55のいずれか一項に記載の方法。
- 前記冷間加工が、前記アルミニウム合金体をシート又はプレートへと冷間圧延することを含む、請求項38〜56のいずれか一項に記載の方法。
- 前記冷間加工が、前記アルミニウム合金シート又はプレートを最終ゲージへと冷間圧延することを含む、請求項38〜57のいずれか一項に記載の方法。
- 前記熱処理工程が、
(i)第1の選択された状態を達成するために、前記アルミニウム合金シートに、第1の選択された時間及び第1の選択された温度で第1の加熱をすることであって、前記第1の加熱工程が、第1の場所で発生する、加熱することと、
(ii)前記第1の加熱工程の後に、前記形成工程を完了することであって、前記形成工程が、前記第1の場所から離れた第2の場所で発生する、完了することと、を含む、請求項38〜58のいずれか一項に記載の方法。 - 前記第1の場所が、前記アルミニウム合金体の供給業者と関連付けられ、前記第2の場所が、前記供給業者の顧客と関連付けられる、請求項59に記載の方法。
- 前記熱処理工程が、前記形成工程からなる、請求項38に記載の方法。
- 方法であって、
(a)溶体化後の冷間加工のためにアルミニウム合金体を調製することであって、前記アルミニウム合金体が、3.0〜6.0重量%のマグネシウム及び2.5〜5.0重量%の亜鉛を含み、前記マグネシウム及び前記亜鉛のうちの少なくとも1つが、アルミニウム以外で前記アルミニウム合金体の主体となる合金元素であり、(重量% Mg)/(重量% Zn)が、0.6〜2.40であり、
(i)前記調製することが、前記アルミニウム合金体を溶体化させることを含む、調製することと、
(b)前記調製工程後に前記アルミニウム合金体を冷間加工することであって、前記冷間加工が、前記アルミニウム合金体において少なくとも25%の冷間加工を誘導する、冷間加工することと、
(c)前記冷間加工工程後に前記アルミニウム合金体を熱処理することであって、前記熱処理工程が、
(i)第1の選択された状態を達成するために、前記アルミニウム合金体に、第1の選択された時間及び第1の選択された温度で第1の加熱をすることと、
(ii)前記アルミニウム合金体に第2の加熱をすることと、を含み、
(iii)前記第1の加熱工程が、第1の場所で発生し、
(iv)前記第2の加熱工程が、前記第1の場所から離れた第2の場所で発生する、熱処理することと、を含む、方法。 - 前記第1の場所が、前記アルミニウム合金体の供給業者と関連付けられ、前記第2の場所が、前記供給業者の顧客と関連付けられる、請求項62に記載の方法。
- 前記第1の選択された状態が、亜時効状態である、請求項62又は63のいずれか一項に記載の方法。
- 前記第2の加熱工程が、前記アルミニウム合金体を、第2の選択された時間及び第2の選択された温度で加熱して、第2の選択された状態を達成することを含む、請求項62〜64のいずれか一項に記載の方法。
- 前記第2の選択された状態が、前記第1の選択された状態よりも高い強度状態である、請求項65に記載の方法。
- 前記冷間加工工程が、前記第1の場所と関連付けられる場所で発生する、請求項62〜66のいずれか一項に記載の方法。
- 前記調製工程が、前記第1の場所と関連付けられる場所で発生する、請求項62〜67のいずれか一項に記載の方法。
- 前記第2の加熱工程が、前記アルミニウム合金体を所定の形状の製品へと形成することを含む、請求項62〜68のいずれか一項に記載の方法。
- 前記第2の加熱が、乾燥又は塗装焼付のうちの少なくとも1つを含む、請求項62〜69のいずれか一項に記載の方法。
- 前記第2の加熱が、時効処理炉中の加熱を含む、請求項62〜70のいずれか一項に記載の方法。
- 方法であって、
(a)アルミニウム合金体を受け取ることであって、前記アルミニウム合金体が、3.0〜6.0重量%のマグネシウム及び2.5〜5.0重量%の亜鉛を含み、前記マグネシウム及び前記亜鉛のうちの少なくとも1つが、アルミニウム以外で前記アルミニウム合金体の主体となる合金元素であり、(重量% Mg)/(重量% Zn)が、0.6〜2.40であり、前記アルミニウム合金体が、溶体化によって調製され、その後冷間加工され、かつその後第1の熱処理をされて、第1の所定の選択された状態を達成した、受け取ることと、
(b)前記アルミニウム合金体に第2の熱処理をすることであって、
(i)前記第2の熱処理工程が、第2の所定の選択された状態を達成するために、かつ前記T6質別の前記アルミニウム合金体の基準品よりも高い引張降伏強度を実現するように、行われる、熱処理することと、を含む、方法。 - 前記第1の所定の選択された状態が、所定の第1の強度である、請求項72に記載の方法。
- 前記所定の第1の強度が、亜時効強度である、請求項73に記載の方法。
- 前記第2の所定の選択された状態が、所定の第2の強度である、請求項72〜74のいずれか一項に記載の方法。
- 前記所定の第2の強度が、前記所定の第1の強度よりも高い、請求項75に記載の方法。
- 前記第1の所定の選択された状態が、第1の延性を含み、前記第2の所定の選択された状態が、第2の延性を更に含み、前記第2の延性が、前記第1の延性よりも高い、請求項72〜76のいずれか一項に記載の方法。
- 方法であって、
(a)アルミニウム合金体を受け取ることであって、前記アルミニウム合金体が、3.0〜6.0重量%のマグネシウム及び2.5〜5.0重量%の亜鉛を含み、前記マグネシウム及び前記亜鉛のうちの少なくとも1つが、アルミニウム以外で前記アルミニウム合金体の主体となる合金元素であり、(重量% Mg)/(重量% Zn)が、0.6〜2.40であり、前記アルミニウム合金体が、溶体化及びその後の最終ゲージへの冷間加工によって調製済みであり、前記冷間加工が、前記アルミニウム合金体において少なくとも25%の冷間加工を誘導済みである、受け取ることと、
(b)前記アルミニウム合金体を所定の形状の製品へと形成することであって、前記形成工程中に、前記アルミニウム合金体が、少なくとも66℃(150°F)から前記アルミニウム合金体の再結晶化温度未満までの範囲にある温度に付される、形成することと、を含む、方法。 - 前記冷間加工が、前記アルミニウム合金体をシート又はプレートへと冷間圧延することを含む、請求項78に記載の方法。
- 前記冷間加工が、前記アルミニウム合金体を最終ゲージへと冷間圧延することを含む、請求項78又は79に記載の方法。
- 前記所定の形状の製品が、車両の部品である、請求項78〜80のいずれか一項に記載の方法。
- (c)前記所定の形状の製品を有する車両を組立てることを含む、請求項81に記載の方法。
- 前記部品が自動車部品であり、前記車両が自動車車両である、請求項81又は82のいずれか一項に記載の方法。
- 前記部品が、ホワイトボディ部品である、請求項83に記載の方法。
- 前記ホワイトボディ部品が、Aピラー又はBピラーのうちの1つである、請求項84に記載の方法。
- 前記所定の形状の製品が航空宇宙用部品であり、前記車両が航空宇宙用車両である、請求項81又は82のいずれか一項に記載の方法。
- 前記航空宇宙用部品が、ウイングスキンである、請求項86に記載の方法。
- 前記所定の形状の製品が、家庭用電子機器の外側部品である、請求項78〜80のいずれか一項に記載の方法。
- 前記外側部品を有する家庭用電子機器を組立てることを含む、請求項88に記載の方法。
- 前記外側部品が、0.038センチメートル〜0.160センチメートル(0.015インチ〜0.063インチ)の厚さを有する外側カバーである、請求項88又は89のいずれか一項に記載の方法。
- 前記形成工程が、93℃〜288℃(200°F〜550°F)の範囲にある温度で完了される、請求項78〜90のいずれか一項に記載の方法。
- 前記形成工程が、121℃〜232℃(250°F〜450°F)の範囲にある温度で完了される、請求項78〜90のいずれか一項に記載の方法。
- 前記形成工程が、前記圧延アルミニウム合金製品の少なくとも一部分に歪みを適用して、前記所定の形状の製品を達成することを含み、前記適用工程の前記歪みの最大量が、少なくとも0.01の等価塑性歪みと同等である、請求項78〜92のいずれか一項に記載の方法。
- 前記所定の形状の製品が、欠陥を含まない、請求項78〜93のいずれか一項に記載の方法。
- 前記受け取る工程の前記アルミニウム合金体が、未再結晶ミクロ構造を主体とする構造を含む、請求項78〜94のいずれか一項に記載の方法。
- 前記形成工程が、前記所定の形状の製品が未再結晶ミクロ構造を主体とする構造を保持するように完了される、請求項95に記載の方法。
- 前記形成工程の後に、前記所定の形状の製品が、前記受け取る工程(a)の前記圧延アルミニウム合金製品の前記引張降伏強度と比べて、より高い引張降伏強度を有する、請求項78〜96のいずれか一項に記載の方法。
- 前記引張降伏強度が、前記所定の形状の製品の縦方向及び長手横方向のうちの少なくとも1つにおいて測定される、請求項97に記載の方法。
- 方法であって、
(a)溶体化後の冷間加工のためにアルミニウム合金体を調製することであって、前記アルミニウム合金体が、3.0〜6.0重量%のマグネシウム及び2.5〜5.0重量%の亜鉛を含み、前記マグネシウム及び前記亜鉛のうちの少なくとも1つが、アルミニウム以外で前記アルミニウム合金体の主体となる合金元素であり、(重量% Mg)/(重量% Zn)が、0.6〜2.40であり、
(i)前記調製することが、前記アルミニウム合金体を溶体化させることを含む、調製することと、
(b)前記調製工程の後に、前記アルミニウム合金体を冷間加工することであって、前記冷間加工が、
(i)前記アルミニウム合金体に所定の中間形態への第1の冷間加工をすること、及び
(ii)前記所定の中間形態に最終形態への第2の冷間加工をすることを含み、
(iii)前記第1の冷間加工工程が、第1の場所で発生し、
(iv)前記第2の冷間加工工程が、前記第1の場所から離れた第2の場所で発生し、
(v)前記第1の冷間加工及び前記第2の冷間加工の組み合わせが、前記アルミニウム合金体において少なくとも25%の冷間加工を誘導する、冷間加工することと、
(c)前記第2の冷間加工工程の後に、前記アルミニウム合金体を熱処理することであって、
(i)冷間加工(b)及び熱処理(c)の組み合わせが、前記アルミニウム合金体が、前記T6質別の前記アルミニウム合金体の基準品と比べて、より高い引張降伏強度を実現するように達成される、熱処理することと、を含む、方法。 - 前記第1の場所が、前記アルミニウム合金体の供給業者と関連付けられ、前記第2の場所が、前記供給業者の顧客と関連付けられる、請求項99に記載の方法。
- 選択された状態を達成するように、所定の中間形態を選択することを含む、請求項99又は100のいずれか一項に記載の方法。
- 前記選択された状態が、所定の強度、所定の伸び、又は強度及び伸びの所定の組み合わせである、請求項101に記載の方法。
- 前記選択された状態が、第1の選択された状態であり、前記第2の冷間加工工程及び熱処理工程が、第2の選択された状態を達成するために選択される、請求項101又は102のいずれか一項に記載の方法。
- 前記第2の選択された状態が、前記第1の選択された状態よりも高い強度状態である、請求項103に記載の方法。
- 前記熱処理工程が、前記第2の場所と関連付けられる場所で発生する、請求項99〜104のいずれか一項に記載の方法。
- 前記調製工程が、前記第1の場所と関連付けられる場所で発生する、請求項99〜105のいずれか一項に記載の方法。
- 方法であって、
(a)アルミニウム合金体を受け取ることであって、前記アルミニウム合金体が、3.0〜6.0重量%のマグネシウム及び2.5〜5.0重量%の亜鉛を含み、前記マグネシウム及び前記亜鉛のうちの少なくとも1つが、アルミニウム以外で前記アルミニウム合金体の主体となる合金元素であり、(重量% Mg)/(重量% Zn)が、0.6〜2.40であり、前記アルミニウム合金体が、溶体化によって調製され、その後、所定の中間体形態へと、及び第1の選択された状態を達成するために、第1の冷間加工をされた、受け取ることと、
(b)前記所定の中間形態にあるアルミニウム合金体の第2の冷間加工をすることであって、
(i)前記第1の冷間加工及び前記第2の冷間加工の組み合わせが、前記アルミニウム合金体において少なくとも25%の冷間加工を誘導する、冷間加工することと、
(c)前記アルミニウム合金体を熱処理することであって、
(i)前記第2の冷間加工及び熱処理工程の組み合わせが、第2の選択された状態を達成するために、かつ前記T6質別の前記アルミニウム合金体の基準品と比べて、より高い引張降伏強度を実現するように、行われる、熱処理することと、を含む、方法。 - 前記第1の選択された状態が、所定の第1の強度である、請求項107に記載の方法。
- 前記所定の第1の強度が、亜時効強度である、請求項108に記載の方法。
- 前記第2の選択された状態が、所定の第2の強度である、請求項108〜109のいずれか一項に記載の方法。
- 前記第2の所定の強度が、前記第1の所定の強度よりも高い、請求項110に記載の方法。
- 前記第1の選択された状態が、第1の延性を更に含み、前記第2の選択された状態が、第2の延性を更に含み、前記第2の延性が、前記第1の延性よりも高い、請求項107〜111のいずれか一項に記載の方法。
- 家庭用電子製品のためのアルミニウム合金外側部品であって、前記アルミニウム合金が、3.0〜6.0重量%のマグネシウム及び2.5〜5.0重量%の亜鉛を含み、前記マグネシウム及び前記亜鉛のうちの少なくとも1つが、アルミニウム以外で前記アルミニウム合金外側部品の主体となる合金元素であり、(重量% Mg)/(重量% Zn)が、0.6〜2.40であり、前記アルミニウム合金外側部品が、0.038〜1.3センチメートル(0.015インチ〜0.50インチ)の厚さを有し、前記アルミニウム合金外側部品が、未再結晶ミクロ構造を主体とする構造を有し、前記アルミニウム合金外側部品が、
(a)T6質別の前記アルミニウム合金外側部品の基準品と比べて、少なくとも5%高い正規化耐デント性、
(b)T6質別の合金6061から製造された前記外側部品の同一品と比べて、少なくとも15%高い正規化耐デント性、
(c)H32質別の合金5052から製造された前記外側部品の同一品と比べて、少なくとも30%高い正規化耐デント性、のうちの少なくとも1つを実現する、アルミニウム合金外側部品。 - 前記外側部品が、前記T6質別の前記アルミニウム合金外側部品の基準品と比べて、少なくとも5%高い正規化耐デント性を実現する、請求項113に記載のアルミニウム合金外側部品。
- 前記外側部品が、前記T6質別の合金6061から製造された前記外側部品の同一品と比べて、少なくとも15%高い正規化耐デント性を実現する、請求項113又は114のいずれか一項に記載のアルミニウム合金外側部品。
- 前記外側部品が、前記H32質別の合金5052から製造された前記外側部品の同一品と比べて、少なくとも30%高い正規化耐デント性を実現する、請求項113〜115のいずれか一項に記載のアルミニウム合金外側部品。
- 前記外側部品が、外側カバーであり、前記外側カバーが、意図される観察面を有し、前記意図される観察面が、視覚的に明白な表面欠陥がない、請求項113〜116のいずれか一項に記載のアルミニウム合金外側部品。
- 前記外側部品が、外側カバーであり、前記外側カバーの厚さが、0.038〜0.160センチメートル(0.015〜0.063インチ)である、請求項117に記載のアルミニウム合金外側部品。
- 前記外側部品の前記意図される観察面が、前記T6質別の前記アルミニウム合金外側部品の基準品基準品の意図される観察面と比べて、少なくとも同等の60°光沢度を実現する、請求項117又は118のいずれか一項に記載のアルミニウム合金外側部品。
- 前記家庭用電子製品が、ノート型パソコン、携帯電話、カメラ、携帯型音楽プレーヤー、携帯端末、コンピュータ、テレビ、電子レンジ、洗濯機、乾燥機、冷蔵庫、及びそれらの組み合わせのうちの1つである、請求項113〜119のいずれか一項に記載のアルミニウム合金外側部品。
- 前記家庭用電子製品が、ノート型パソコン、携帯電話、携帯型音楽プレーヤー、及びそれらの組み合わせのうちの1つであり、前記外側部品が、0.038〜0.160センチメートル(0.015〜0.063インチ)の厚さを有する外側カバーである、請求項113〜119のいずれか一項に記載のアルミニウム合金外側部品。
- 方法であって、
(a)圧延又は鍛造アルミニウム合金体を受け取ることであって、前記アルミニウム合金体が、3.0〜6.0重量%のマグネシウム及び2.5〜5.0重量%の亜鉛を含み、前記マグネシウム及び前記亜鉛のうちの少なくとも1つが、アルミニウム以外で前記アルミニウム合金体の主体となる合金元素であり、(重量% Mg)/(重量% Zn)が、0.6〜2.40であり、前記アルミニウム合金体が、溶体化及びその後の最終ゲージへの冷間加工によって調製済みであり、前記冷間が、少なくとも25%の冷間加工を誘導済みであり、前記冷間加工が、冷間圧延及び冷間鍛造のうちの1つであった、受け取ることと、
(b)前記アルミニウム体製品を、家庭用電子製品のための外側部品へと形成することと、を含む、方法。 - 前記アルミニウム合金を熱処理することを含む、請求項122に記載の方法。
- 前記熱処理工程が、前記受け取る工程の後に発生する、請求項123に記載の方法。
- 前記熱処理工程が、前記形成工程に付随して発生する、請求項124に記載の方法。
- 前記形成工程中に、前記アルミニウム合金体が、少なくとも66℃(150°F)から前記アルミニウム合金体の再結晶化温度未満までの温度に付される、請求項125に記載の方法。
- 前記熱処理工程が、前記受け取る工程の前に発生する、請求項123に記載の方法。
- 前記形成工程が、66℃(150°F)未満の温度で完了される、請求項127に記載の方法。
- 前記形成工程が、周囲条件で完了される、請求項127に記載の方法。
- 前記形成工程が、前記アルミニウム合金体の少なくとも一部分に歪みを適用して、前記外側部品を達成することを含み、前記適用工程の前記歪みの最大量が、少なくとも0.01の等価塑性歪みと同等である、請求項122〜129のいずれか一項に記載の方法。
- 前記家庭用電子製品が、ノート型パソコン、携帯電話、カメラ、携帯型音楽プレーヤー、携帯端末、コンピュータ、テレビ、電子レンジ、洗濯機、乾燥機、冷蔵庫、及びそれらの組み合わせのうちの1つである、請求項122〜130のいずれか一項に記載のアルミニウム合金外側部品。
- 前記家庭用電子製品が、ノート型パソコン、携帯電話、携帯型音楽プレーヤー、及びそれらの組み合わせのうちの1つであり、前記外側部品が、0.038〜0.160センチメートル(0.015〜0.063インチ)の厚さを有する外側カバーである、請求項122〜130のいずれか一項に記載のアルミニウム合金外側部品。
- 前記形成工程の後に、前記外側部品が、未再結晶ミクロ構造を主体とする構造を含む、請求項122〜132のいずれか一項に記載の方法。
- 前記外側部品が、前記T6質別の前記アルミニウム合金外側部品の基準品と比べて、少なくとも5%高い正規化耐デント性を実現する、請求項122〜134のいずれか一項に記載の方法。
- 3.0〜6.0重量%のマグネシウム及び2.5〜5.0重量%の亜鉛を有する、一体型アルミニウム合金管状製品であって、前記マグネシウム及び前記亜鉛のうちの少なくとも1つが、アルミニウム以外で前記アルミニウム合金管状製品の主体となる合金元素であり、(重量% Mg)/(重量% Zn)が、0.6〜2.40であり、第1の部分及び前記第1の部分に隣接する第2の部分を有し、前記第1の部分が、少なくとも25%の冷間加工を有し、第2の部分が、前記第1の部分よりも少なくとも5%少ない冷間加工を有する、一体型アルミニウム合金管状製品。
- 前記一体型アルミニウム合金管が、均一な内径を有する、請求項135に記載の一体型アルミニウム合金管。
- 前記一体型アルミニウム合金管が、均一な外径を有する、請求項135又は136のいずれか一項に記載の一体型アルミニウム合金管。
- 前記第2の部分が、前記第1の部分よりも少なくとも10%少ない冷間加工を有し、前記第1の部分が、前記第2の部分よりも高い強度を有する、請求項135〜137のいずれか一項に記載の一体型アルミニウム合金管。
- 前記第2の部分が、前記第1の部分よりも高い伸びを有する、請求項135〜138のいずれか一項に記載の一体型アルミニウム合金管。
- 前記第1の部分が、前記第2の部分と比べて、引張降伏強度の少なくとも5%の増加を有する、請求項135〜139のいずれか一項に記載の一体型アルミニウム合金管。
- 前記第1の部分が、少なくとも4%の伸びを有する、請求項135〜140のいずれか一項に記載の一体型アルミニウム合金管。
- 前記第2の部分が、前記第1の部分に接触する、請求項135〜141のいずれか一項に記載の一体型アルミニウム合金管。
- 前記第2の部分が、第3の部分によって、前記第1の部分から分離している、請求項135〜141のいずれか一項に記載の一体型アルミニウム合金管。
- 方法であって、
(a)圧延又は鍛造アルミニウム合金製品を受け取ることであって、前記アルミニウム合金製品が、3.0〜6.0重量%のマグネシウム及び2.5〜5.0重量%の亜鉛を含み、前記マグネシウム及び前記亜鉛のうちの少なくとも1つが、アルミニウム以外で前記アルミニウム合金製品の主体となる合金元素であり、(重量% Mg)/(重量% Zn)が、0.6〜2.40であり、前記アルミニウム合金製品が、溶体化及びその後の最終ゲージへの冷間加工によって調製済みであり、前記冷間加工が、少なくとも25%の冷間加工を誘導済みであり、その後、熱処理された、受け取ることと、
(b)前記アルミニウム合金製品を、組立品の装甲部品として取り付けることと、を含む、方法。 - 前記アルミニウム合金製品が、T6質別の前記アルミニウム合金製品の基準品と比べて、少なくとも1%高いV50弾道限界を有する、請求項144に記載の方法。
- 前記V50弾道抵抗性が、模擬破片弾(FSP)抵抗性であり、前記アルミニウム合金製品が、前記T6質別の前記アルミニウム合金製品の基準品と比べて、少なくとも3%高いV50 FSP抵抗性を有する、請求項145に記載の方法。
- 前記V50弾道限界が、徹甲(AP)抵抗性であり、前記アルミニウム合金製品が、前記T6質別の前記アルミニウム合金製品の基準品と比べて、少なくとも5%高いV50 AP抵抗性を有する、請求項145〜146のいずれか一項に記載の方法。
- 前記アルミニウム合金装甲部品が、0.064センチメートル〜10センチメートル(0.025インチ〜4.0インチ)の厚さを有し、前記T6質別の前記アルミニウム合金装甲部品の基準品と比べて、少なくとも5%高いV50徹甲抵抗性を実現する、請求項144〜147のいずれか一項に記載の方法。
- 前記装甲部品が、0.635センチメートル〜10センチメートル(0.250インチ〜4.0インチ)の範囲にある厚さを有するプレート又は鍛造物である、請求項144〜148のいずれか一項に記載の方法。
- 前記装甲部品が、2.5センチメートル〜6.4センチメートル(1.0インチ〜2.5インチ)の範囲にある厚さを有するプレート又は鍛造物である、請求項144〜149のいずれか一項に記載の方法。
- 前記装甲部品が、0.064〜0.632センチメートル(0.025〜0.249インチ)の厚さを有するシートである、請求項144〜148のいずれか一項に記載の方法。
- 前記アルミニウム合金装甲部品が、未再結晶ミクロ構造を主体とする構造を含む、請求項144〜151のいずれか一項に記載の方法。
- 3.0〜6.0重量%のマグネシウム及び2.5〜5.0重量%の亜鉛を含む、アルミニウム合金装甲部品であって、前記マグネシウム及び前記亜鉛のうちの少なくとも1つが、アルミニウム以外で前記アルミニウム合金装甲部品の主体となる合金元素であり、(重量% Mg)/(重量% Zn)が、0.6〜2.40であり、前記装甲部品が、0.064〜0.632センチメートル(0.025インチ〜4.0インチ)の厚さを有し、前記アルミニウム合金装甲部品が、T6質別の前記アルミニウム合金装甲部品の基準品と比べて、少なくとも5%高いV50徹甲抵抗性を実現する、アルミニウム合金装甲部品。
- 前記装甲部品が、0.635センチメートル〜10センチメートル(0.250インチ〜4.0インチ)の範囲にある厚さを有するプレート又は鍛造物である、請求項153に記載の方法。
- 前記装甲部品が、2.5センチメートル〜6.4センチメートル(1.0インチ〜2.5インチ)の範囲にある厚さを有するプレート又は鍛造物である、請求項153に記載の方法。
- 前記装甲部品が、0.064〜0.632センチメートル(0.025〜0.249インチ)の厚さを有するシートである、請求項153のいずれか一項に記載の方法。
- 前記装甲部品が、未再結晶ミクロ構造を主体とする構造を含む、請求項153〜156のいずれか一項に記載の方法。
- 3.0〜6.0重量%のマグネシウム及び2.5〜5.0重量%の亜鉛を含む、アルミニウム合金装甲部品であって、前記マグネシウム及び前記亜鉛のうちの少なくとも1つが、アルミニウム以外で前記アルミニウム合金装甲部品の主体となる合金元素であり、(重量% Mg)/(重量% Zn)が、0.6〜2.40であり、前記装甲部品が、0.064〜0.632センチメートル(0.025インチ〜4.0インチ)の厚さを有し、前記アルミニウム合金装甲部品が、T6質別の前記アルミニウム合金装甲部品の基準品と比べて、少なくとも5%高い引張降伏強度を実現する、アルミニウム合金装甲部品。
- 請求項153〜158に記載のアルミニウム合金装甲部品のいずれかを含む、組立品。
- 前記組立品が車両である、請求項159に記載の組立品。
- 前記車両が軍用車両である、請求項160に記載の組立品。
- 前記組立品が防護衣組立品である、請求項159に記載の組立品。
- 方法であって、
(a)アルミニウム合金体を鋳造することであって、鋳造時に、前記アルミニウム合金体が、第1の熱処理可能な合金の第1の部分、及び第2の合金の第2の部分を含む、鋳造することと、
(b)前記アルミニウム合金体を溶体化させることと、
(c)前記アルミニウム合金体を冷間加工することであって、前記冷間加工が、前記アルミニウム合金体において少なくとも25%の冷間加工を誘導する、冷間加工することと、
(d)前記アルミニウム合金体を熱処理することと、を含む、方法。 - 前記第1の部分が、前記熱処理可能な合金の第1の層であり、前記第2の部分が、前記第2の合金の第2の層である、請求項163に記載の方法。
- 前記第2の合金が、第2の熱処理可能な合金であり、前記第1の熱処理可能な合金とは異なる組成を含む、請求項164に記載の方法。
- 前記第2の合金が、第2の熱処理可能な合金であり、前記第1の熱処理可能な合金と同一の組成を含む、請求項164に記載の方法。
- 前記第1の部分が、第1の領域であり、前記第2の部分が、第2の領域であり、前記第2の合金が、前記第1の熱処理可能な合金とは異なる組成を有し、連続濃度勾配が、前記第1の領域と前記第2の領域との間に存在する、請求項163に記載の方法。
- 前記濃度勾配が、線形勾配又は指数勾配のうちの1つである、請求項167に記載の方法。
- 第3の領域を含み、前記第3の領域が、前記第1の領域と同一の濃度を含み、前記第2の領域によって前記第1の領域から分離される、請求項167又は168のいずれか一項に記載の方法。
- 前記熱処理工程の後に、
前記アルミニウム合金体を有する組立品を組立てることを含む、請求項163〜169のいずれか一項に記載の方法。 - 前記アルミニウム合金体が装甲部品である、請求項170に記載の方法。
- 前記アルミニウム合金体が自動車部品である、請求項170に記載の方法。
- 方法であって、
(a)溶体化後の冷間加工のためにアルミニウム合金ロッドを調製することであって、
(i)前記アルミニウム合金ロッドが、3.0〜6.0重量%のマグネシウム及び2.5〜5.0重量%の亜鉛を含み、前記マグネシウム及び前記亜鉛のうちの少なくとも1つが、アルミニウム以外で前記アルミニウム合金ロッドの主体となる合金元素であり、(重量% Mg)/(重量% Zn)が、0.6〜2.40であり、
(ii)前記調製工程が、前記アルミニウム合金ロッドを溶体化させることを含む、調製することと、
(b)前記調製工程(a)の後に、前記アルミニウム合金ロッドを最終ゲージへと冷間加工することであって、前記冷間加工が、少なくとも25%の前記ロッドへの冷間加工を誘導する、冷間加工することと、
(c)前記冷間加工工程(b)の後に、前記アルミニウム合金ロッドを熱処理することと、を含み、
前記冷間加工工程又は前記熱処理工程が、冷間加工したままの状態にある前記アルミニウム合金ロッドの基準品と比べて、縦方向最大引張強度における少なくとも3%の増加を達成するように遂行される、方法。 - 前記冷間加工が、冷間絞り、冷間圧延、及び冷間スエージングのうちの1つである、請求項173に記載の方法。
- アルミニウム合金が、少なくとも0.05重量%のCuを含む、請求項173又は174のいずれか一項に記載の方法。
- 前記冷間加工の後に、前記ロッドがワイヤゲージにある、請求項173〜175のいずれか一項に記載の方法。
- 3.0〜6.0重量%のマグネシウム及び2.5〜5.0重量%の亜鉛を含む、アルミニウム合金ロッドであって、前記マグネシウム及び前記亜鉛のうちの少なくとも1つが、アルミニウム以外で前記アルミニウム合金ロッドの主体となる合金元素であり、(重量% Mg)/(重量% Zn)が、0.6〜2.40であり、前記アルミニウム合金ロッドが、T87質別の前記アルミニウム合金ロッドの基準品よりも、少なくとも3%大きい最大引張強度を実現する、アルミニウム合金ロッド。
- 3.0〜6.0重量%のマグネシウム及び2.5〜5.0重量%の亜鉛を含む、アルミニウム合金締結具であって、前記マグネシウム及び前記亜鉛のうちの少なくとも1つが、アルミニウム以外で前記アルミニウム合金締結具の主体となる合金元素であり、(重量% Mg)/(重量% Zn)が、0.6〜2.40であり、前記アルミニウム合金締結具が、T6状態の前記締結具の基準品よりも、少なくとも2%大きい剪断強度又は引張降伏強度を実現する、アルミニウム合金ロッド。
- 前記剪断強度又は引張降伏強度が、前記締結具のピンに関係する、請求項178に記載のアルミニウム合金締結具。
- 前記剪断強度又は引張降伏強度が、前記締結具の頭部に関係する、請求項178又は179のいずれか一項に記載のアルミニウム合金締結具。
- 前記剪断強度又は引張降伏強度が、前記締結具のロック用部材に関係する、請求項178〜180のいずれか一項に記載のアルミニウム合金締結具。
- 方法であって、
(a)溶体化後の冷間加工のために、アルミニウム合金体を調製することであって、
(i)前記アルミニウム合金体が、3.0〜6.0重量%のマグネシウム及び2.5〜5.0重量%の亜鉛を含み、前記マグネシウム及び前記亜鉛のうちの少なくとも1つが、アルミニウム以外で前記アルミニウム合金体の主体となる合金元素であり、(重量% Mg)/(重量% Zn)が、0.6〜2.40であり、
(ii)前記調製工程が、前記アルミニウム合金体の溶体化を含む、調製することと、
(b)前記調製工程(a)の後に、前記アルミニウム合金体を締結具へと冷間加工することであって、前記冷間加工が、少なくとも25%の前記締結具への冷間加工を誘導する、冷間加工することと、
(c)前記冷間加工工程(b)の後に、前記アルミニウム合金締結具を熱処理することと、を含み、
前記冷間加工工程又は前記熱処理工程が、冷間加工したままの状態にある前記アルミニウム合金締結具の基準品と比べて、引張降伏強度又は剪断強度における増加を達成するように遂行される、方法。 - 前記冷間加工が、冷間押出し又は冷間鍛造である、請求項182に記載の方法。
- 前記アルミニウム合金締結具を含む組立品を製造することを含む、請求項182又は183のいずれか一項に記載の方法。
- 前記組立品が車両である、請求項184に記載の方法。
- 前記車両が自動車車両である、請求項185に記載の方法。
- 前記車両が航空宇宙用車両である、請求項185に記載の方法。
- 方法であって、
(a)アルミニウム合金締結具を受け取ることであって、前記アルミニウム合金締結具が、3.0〜6.0重量%のマグネシウム及び2.5〜5.0重量%の亜鉛を含み、前記マグネシウム及び前記亜鉛のうちの少なくとも1つが、アルミニウム以外で前記アルミニウム合金締結具の主体となる合金元素であり、(重量% Mg)/(重量% Zn)が、0.6〜2.40であり、前記アルミニウム合金締結具が、溶体化及びその後の最終形態への冷間押出し又は冷間鍛造によって調製済みであり、前記冷間圧延又は冷間鍛造が、少なくとも25%の冷間加工を誘導済みである、受け取ることと、
(b)前記アルミニウム合金締結具を使用して組立品を製造することと、を含む、方法。 - 前記製造することが、前記アルミニウム合金締結具を変形させることを含む、請求項188に記載の方法。
- ホイールを形成する方法であって、
(a)溶体化されたアルミニウム合金体を前記アルミニウム合金ホイールへと冷間加工することであって、前記アルミニウム合金ホイールが、3.0〜6.0重量%のマグネシウム及び2.5〜5.0重量%の亜鉛を含み、前記マグネシウム及び前記亜鉛のうちの少なくとも1つが、アルミニウム以外で前記アルミニウム合金体の主体となる合金元素であり、(重量% Mg)/(重量% Zn)が、0.6〜2.40であり、
(i)前記冷間加工工程(a)の後に、前記ホイールが、
(A)リム、及び
(B)ディスク正面を含み、
(ii)前記冷間加工ステップ(a)の後に、前記ホイールの少なくとも一部分が、少なくとも25%の冷間加工を有する、冷間加工することと、
(b)前記冷間加工工程(a)の後に、前記アルミニウム合金ホイールを熱処理することであって、
(i)前記熱処理工程(b)が、前記冷間加工したままの状態にある前記ホイールの前記冷間加工後部分における縦方向引張降伏強度と比べて、前記ホイールの前記冷間加工した部分における前記縦方向引張降伏強度の少なくとも5%の改善を達成するように遂行される、熱処理することと、を含む、方法。 - 前記熱処理工程(b)が、前記冷間加工したままの状態にある前記ホイールの前記冷間加工した部分における縦方向引張降伏強度と比べて、前記ホイールの前記冷間加工した部分における前記縦方向引張降伏強度の少なくとも10%の改善を達成するように遂行される、請求項190に記載の方法。
- 前記熱処理工程(b)が、前記冷間加工したままの状態にある前記ホイールの前記冷間加工した部分における縦方向引張降伏強度と比べて、前記ホイールの前記冷間加工した部分における前記縦方向引張降伏強度の少なくとも15%の改善を達成するように遂行される、請求項190に記載の方法。
- 前記熱処理工程(b)が、前記冷間加工したままの状態にある前記ホイールの前記冷間加工した部分における縦方向引張降伏強度と比べて、前記ホイールの前記冷間加工した部分における前記縦方向引張降伏強度の少なくとも20%の改善を達成するように遂行される、請求項190に記載の方法。
- 前記熱処理工程(b)が、前記冷間加工したままの状態にある前記ホイールの前記冷間加工した部分における縦方向引張降伏強度と比べて、前記ホイールの前記冷間加工した部分における前記縦方向引張降伏強度の少なくとも25%の改善を達成するように遂行される、請求項190に記載の方法。
- 前記熱処理工程(b)が、前記アルミニウム合金ホイールが、少なくとも760kPa(50ksi)の縦方向引張降伏強度を実現する、請求項190〜194のいずれか一項に記載の方法。
- 前記熱処理工程(b)が、前記アルミニウム合金ホイールが、少なくとも836kPa(55ksi)の縦方向引張降伏強度を実現する、請求項190〜194のいずれか一項に記載の方法。
- 前記熱処理工程(b)が、前記アルミニウム合金ホイールが少なくとも4%の縦方向の伸びを実現するように行われる、請求項190〜196のいずれか一項に記載の方法。
- 前記熱処理工程(b)が、前記アルミニウム合金ホイールが少なくとも8%の縦方向の伸びを実現するように行われる、請求項190〜196のいずれか一項に記載の方法。
- 前記熱処理工程(b)が、前記ホイールを66℃(150°F)からその再結晶化温度未満までの温度で加熱することを含む、請求項190〜198のいずれか一項に記載の方法。
- 前記熱処理工程が、前記ホイールを218℃(425°F)以下の温度で加熱することを含む、請求項190〜199のいずれか一項に記載の方法。
- 前記熱処理工程が、前記ホイールを204℃(400°F)以下の温度で加熱することを含む、請求項190〜199のいずれか一項に記載の方法。
- 前記熱処理工程が、前記ホイールを191℃(375°F)以下の温度で加熱することを含む、請求項190〜199のいずれか一項に記載の方法。
- 前記熱処理工程が、前記ホイールを177℃(350°F)以下の温度で加熱することを含む、請求項190〜199のいずれか一項に記載の方法。
- 前記熱処理工程が、前記ホイールを少なくとも93℃(200°F)の温度で加熱することを含む、請求項190〜203のいずれか一項に記載の方法。
- 前記熱処理工程が、前記ホイールを少なくとも121℃(250°F)の温度で加熱することを含む、請求項190〜203のいずれか一項に記載の方法。
- 前記熱処理工程が、前記ホイールを少なくとも149℃(300°F)の温度で加熱することを含む、請求項190〜203のいずれか一項に記載の方法。
- 前記冷間加工工程(a)が、前記アルミニウム合金体の少なくとも一部分を、25%〜90%冷間加工することを含む、請求項190〜206のいずれかに記載の方法。
- 前記冷間加工工程(a)が、前記アルミニウム合金体の少なくとも一部分を少なくとも35%冷間加工することを含む、請求項190〜207のいずれかに記載の方法。
- 前記冷間加工工程(a)が、前記アルミニウム合金体の少なくとも一部分を少なくとも50%冷間加工することを含む、請求項190〜207のいずれかに記載の方法。
- 前記冷間加工工程(a)が、前記アルミニウム合金体の少なくとも一部分を少なくとも75%冷間加工することを含む、請求項190〜207のいずれかに記載の方法。
- 前記冷間加工工程(a)が、前記アルミニウム合金体の少なくとも一部分を少なくとも90%冷間加工することを含む、請求項190〜206のいずれかに記載の方法。
- 冷間加工が、前記リムの少なくとも一部分への少なくとも25%の冷間加工を誘導することを含む、請求項190〜211のいずれか一項に記載の方法。
- 冷間加工が、前記リムの少なくとも一部分への少なくとも50%の冷間加工を誘導することを含む、請求項190〜211のいずれか一項に記載の方法。
- 冷間加工が、前記リムの少なくとも一部分への少なくとも75%の冷間加工を誘導することを含む、請求項190〜211のいずれか一項に記載の方法。
- 冷間加工が、前記リムの少なくとも一部分への少なくとも90%の冷間加工を誘導することを含む、請求項190〜206及び208〜211のいずれか一項に記載の方法。
- 冷間加工が、前記リムの少なくとも一部分への少なくとも25%の冷間加工を誘導することを含む、請求項190〜211のいずれか一項に記載の方法。
- 冷間加工が、取付フランジの少なくとも一部分への少なくとも50%の冷間加工を誘導することを含む、請求項190〜215のいずれか一項に記載の方法。
- 冷間加工が、取付フランジの少なくとも一部分への少なくとも75%の冷間加工を誘導することを含む、請求項190〜215のいずれか一項に記載の方法。
- 冷間加工が、前記取付フランジの少なくとも一部分への少なくとも90%の冷間加工を誘導することを含む、請求項190〜206及び208〜215のいずれか一項に記載の方法。
- 冷間加工が、前記ディスク正面の少なくとも一部分への少なくとも25%の冷間加工を誘導する、請求項190〜219のいずれか一項に記載の方法。
- 冷間加工が、前記ディスク正面の少なくとも一部分への少なくとも50%の冷間加工を誘導する、請求項190〜219のいずれか一項に記載の方法。
- 冷間加工が、前記ディスク正面の少なくとも一部分への少なくとも75%の冷間加工を誘導する、請求項190〜219のいずれか一項に記載の方法。
- 冷間加工が、前記ディスク正面の少なくとも一部分への少なくとも90%の冷間加工を誘導することを含む、請求項190〜206及び208〜219のいずれか一項に記載の方法。
- 前記リムが、ビードシートを有し、冷間加工が、前記ビードシートの少なくとも一部分への少なくとも50%の冷間加工を誘導することを含む、請求項190〜223のいずれか一項に記載の方法。
- 前記リムが、ビードシートを有し、冷間加工が、前記ビードシートの少なくとも一部分への少なくとも75%の冷間加工を誘導することを含む、請求項190〜223のいずれか一項に記載の方法。
- 前記リムが、ビードシートを有し、冷間加工が、前記ビードシートの少なくとも一部分への少なくとも90%の冷間加工を誘導することを含む、請求項190〜206及び208〜223のいずれか一項に記載の方法。
- 前記リムが、ドロップウェルを有し、冷間加工が、前記ドロップウェルの少なくとも一部分への少なくとも50%の冷間加工を誘導することを含む、請求項190〜206のいずれか一項に記載の方法。
- 前記リムが、ドロップウェルを有し、冷間加工が、前記ドロップウェルの少なくとも一部分への少なくとも75%の冷間加工を誘導することを含む、請求項190〜206のいずれか一項に記載の方法。
- 前記リムが、ドロップウェルを有し、冷間加工が、前記ドロップウェルの少なくとも一部分への少なくとも90%の冷間加工を誘導することを含む、請求項190〜206及び208〜226のいずれか一項に記載の方法。
- 前記冷間加工が、スピニング、圧延、バニッシング、フロー成形、剪断成形、ピルガリング、スエージング、ラジアル鍛造、コギング、鍛造、押出し、口絞加工、液圧成形、及びそれらの組み合わせのうちの少なくとも1つを含む、請求項190〜229のいずれかに記載の方法。
- 前記冷間加工がフロー成形である、請求項190〜229のいずれか一項に記載の方法。
- 前記冷間加工工程(a)及び前記熱処理工程(b)が、少なくとも25%の冷間加工を有する前記ホイールの前記一部分が、未再結晶ミクロ構造を主体とする構造を実現するように、実行される、請求項190〜231のいずれか一項に記載の方法。
- 前記冷間加工が、第1の冷間加工であり、前記方法が、
前記冷間加工工程(a)の前に発生する、前記溶体化されたアルミニウム合金体を受け取ることと、
前記受け取る工程の前、及び前記溶体化させる工程の後に、前記アルミニウム合金体に第1の冷間加工をすることと、を含む、請求項190〜232のいずれか一項に記載の方法。 - 前記第1の冷間加工工程及び前記第2の冷間加工工程の組み合わせが、前記少なくとも25%の冷間加工を有する前記ホイールの前記少なくとも一部分をもたらす、請求項233に記載の方法。
- 3.0〜6.0重量%のマグネシウム及び2.5〜5.0重量%の亜鉛を含む、アルミニウム合金ホイールであって、前記マグネシウム及び前記亜鉛のうちの少なくとも1つが、アルミニウム以外で前記アルミニウム合金ホイールの主体となる合金元素であり、(重量% Mg)/(重量% Zn)が、0.6〜2.40であり、前記ホイールがリムを有し、前記リムが、T6質別の前記ホイールの基準品のリムの縦方向引張降伏強度と比べて、少なくとも5%高い前記縦方向引張降伏強度を実現し、
前記T6質別の前記ホイールの前記基準品が、前記アルミニウム合金ホイールと同一の組成を有し、
前記アルミニウム合金ホイールの前記基準品の前記リムが、15kPa(1ksi)のそのピーク引張降伏強度内である縦方向引張降伏強度を有する、アルミニウム合金ホイール。 - 前記リムが、未再結晶ミクロ構造を主体とする構造を有する、請求項235に記載のアルミニウム合金ホイール。
- 前記リムが、少なくとも75%再結晶化されていない、請求項235に記載のアルミニウム合金ホイール。
- 3.0〜6.0重量%のマグネシウム及び2.5〜5.0重量%の亜鉛を含む、アルミニウム合金ホイールであって、前記マグネシウム及び前記亜鉛のうちの少なくとも1つが、アルミニウム以外で前記アルミニウム合金ホイールの主体となる合金元素であり、(重量% Mg)/(重量% Zn)が、0.6〜2.40であり、前記ホイールがディスク正面を有し、前記ディスク正面が、T6質別の前記ホイールの基準品のディスク正面の縦方向引張降伏強度と比べて、少なくとも5%高い前記縦方向引張降伏強度を実現し、
前記T6質別の前記ホイールの前記基準品が、前記アルミニウム合金ホイールと同一の組成を有し、
前記アルミニウム合金ホイールの前記基準品の前記ディスク正面が、15kPa(1ksi)のそのピーク縦方向引張降伏強度内である縦方向引張降伏強度を有する、アルミニウム合金ホイール。 - 前記ディスク正面が、大部分において再結晶化されていない、請求項238に記載のアルミニウム合金ホイール。
- 前記ディスク正面が、少なくとも75%再結晶化されていない、請求項238に記載のアルミニウム合金ホイール。
- 3.0〜6.0重量%のマグネシウム及び2.5〜5.0重量%の亜鉛を含む、アルミニウム合金ホイールであって、前記マグネシウム及び前記亜鉛のうちの少なくとも1つが、アルミニウム以外で前記アルミニウム合金ホイールの主体となる合金元素であり、(重量% Mg)/(重量% Zn)が、0.6〜2.40であり、前記ホイールが取付フランジを有し、前記取付フランジが、T6質別の前記ホイールの基準品の取付フランジの縦方向引張降伏強度と比べて、少なくとも5%高い前記縦方向引張降伏強度を実現し、
前記T6質別の前記ホイールの前記基準品が、前記アルミニウム合金ホイールと同一の組成を有し、
前記アルミニウム合金ホイールの前記基準品の前記取付フランジが、15kPa(1ksi)のそのピーク縦方向引張降伏強度内である縦方向引張降伏強度を有する、アルミニウム合金ホイール。 - 前記取付フランジが、大部分において再結晶化されていない、請求項241に記載のアルミニウム合金ホイール。
- 前記取付フランジが、少なくとも75%再結晶化されていない、請求項241に記載のアルミニウム合金ホイール。
- 所定の形状の製品を形成するための方法であって、
(a)溶体化されたアルミニウム合金体を所定の形状の製品へと冷間加工することであって、前記アルミニウム合金体が、3.0〜6.0重量%のマグネシウム及び2.5〜5.0重量%の亜鉛を含み、前記マグネシウム及び前記亜鉛のうちの少なくとも1つが、アルミニウム以外で前記アルミニウム合金体の主体となる合金元素であり、(重量% Mg)/(重量% Zn)が、0.6〜2.40であり、
(i)前記冷間加工が、フロー成形を含み、
(ii)前記冷間加工ステップ(a)の後に、前記所定の形状の製品の少なくとも一部分が、少なくとも25%の冷間加工を有する、冷間加工することと、
(b)前記冷間加工工程(a)の後に、前記所定の形状の製品を熱処理することであって、
(i)前記熱処理工程(b)が、前記冷間加工したままの状態にある前記所定の形状の製品の前記冷間加工した部分における縦方向引張降伏強度と比べて、前記所定の形状の製品の前記冷間加工した部分における前記縦方向引張降伏強度の少なくとも5%の改善を達成するように遂行されるとき、熱処理することと、を含む、方法。 - 容器を製造するための方法であって、
(a)溶体化されたアルミニウム合金体を容器へと冷間加工することであって、
(i)前記アルミニウム合金体が、3.0〜6.0重量%のマグネシウム及び2.5〜5.0重量%の亜鉛を含み、前記マグネシウム及び前記亜鉛のうちの少なくとも1つが、アルミニウム以外で前記アルミニウム合金体の主体となる合金元素であり、(重量% Mg)/(重量% Zn)が、0.6〜2.40であり、
(ii)前記冷間加工の後に、前記容器の少なくとも一部分が、少なくとも25%の冷間加工を有する、冷間加工することと、
(b)前記冷間加工工程(a)の後に、前記容器を熱処理することであって、
(i)前記冷間加工工程及び熱処理工程が、
(A)冷間加工したままの状態にある前記容器と比べた、ドーム反転圧の少なくとも5%の増加、
(B)前記容器の前記少なくとも一部分における引張降伏強度の少なくとも5%の増加が、前記T6質別の前記容器の基準品の同一部分の前記引張降伏強度と比べて、少なくとも25%の冷間加工を有すること、
(C)前記容器の前記少なくとも一部分における少なくとも5%の増加が、前記冷間加工したままの状態にある前記容器の側壁の前記引張降伏強度と比べて、少なくとも25%の冷間加工を有すること、及び
(D)前記冷間加工したままの状態にある前記容器と比べた、真空強度の少なくとも5%の改善、のうちの少なくとも1つを達成するように遂行される、熱処理することと、を含む、方法。 - 前記容器が、側壁を有し、前記側壁の少なくとも一部分が、少なくとも25%の冷間加工を有する前記容器の前記一部分である、請求項245に記載の方法。
- 前記容器が、底部を有し、前記底部の少なくとも一部分が、少なくとも25%の冷間加工を有する前記容器の前記一部分である、請求項245又は246に記載の方法。
- 前記アルミニウム合金体がシートであり、前記冷間加工が、前記アルミニウム合金体を前記容器へと絞り加工することを含む、請求項245〜247のいずれか一項に記載の方法。
- 前記冷間加工が、しごきを含む、請求項248に記載の方法。
- 前記シートが、0.0274センチメートル(0.0108インチ)未満の厚さを有する、請求項248又は249のいずれか一項に記載の方法。
- 前記シートが、0.0254センチメートル(0.0100インチ)未満の厚さを有する、請求項248又は249のいずれか一項に記載の方法。
- 前記シートが、0.1537センチメートル(0.0605インチ)未満の厚さを有する、請求項248又は249のいずれか一項に記載の方法。
- 前記シートが、0.0241センチメートル(0.0095インチ)未満の厚さを有する、請求項248又は249のいずれか一項に記載の方法。
- 前記シートが、0.0239センチメートル(0.0094インチ)未満の厚さを有する、請求項248又は249のいずれか一項に記載の方法。
- 前記シートが、0.0249センチメートル(0.0098インチ)未満の厚さを有する、請求項248又は249のいずれか一項に記載の方法。
- 前記シートが、0.0203センチメートル(0.008インチ)未満の厚さを有する、請求項248又は249のいずれか一項に記載の方法。
- 前記冷間加工工程の前に、前記アルミニウム合金シートが、事前コーティングされる、請求項248〜256のいずれか一項に記載の方法。
- 前記アルミニウム合金体が、スラグであり、前記冷間加工が、衝撃押出しを含む、請求項245〜247のいずれか一項に記載の方法。
- 前記体が、前記冷間加工工程(b)の前に熱処理されていない、請求項245〜258のいずれか一項に記載の方法。
- 前記熱処理工程(b)の後に、前記容器が、少なくとも0.6MPa(90lbs/平方インチ)のドーム反転強度を有する、請求項245〜259のいずれか一項に記載の方法。
- 前記容器が、側壁及び底部を有し、前記側壁及び前記底部を含む前記アルミニウム合金シートが、1枚の連続したアルミニウム合金シートである、請求項245〜260のいずれか一項に記載の方法。
- 前記熱処理工程が、前記容器をオーブンの中に挿入することを含む、請求項245〜261のいずれか一項に記載の方法。
- 前記冷間加工工程の後に、塗装及びコーティングのうちの少なくとも1つを前記容器に適用することと、
前記適用工程の後に、前記容器の前記塗装を電磁放射線によって硬化させることと、を含む、請求項245〜262のいずれか一項に記載の方法。 - 前記適用工程が、前記容器の外側を塗装することを含む、請求項263に記載の方法。
- 前記適用工程が、前記容器の内側を塗装することを含む、請求項263又は264のいずれか一項に記載の方法。
- 前記硬化工程が、意図的な対流加熱を行わずに発生する、請求項263〜265のいずれか一項に記載の方法。
- 前記硬化工程が、意図的な伝導加熱を行わずに発生する、請求項263〜266のいずれか一項に記載の方法。
- 3.0〜6.0重量%のマグネシウム及び2.5〜5.0重量%の亜鉛を含む、アルミニウム合金容器であって、前記マグネシウム及び前記亜鉛のうちの少なくとも1つが、アルミニウム以外で前記アルミニウム合金容器の主体となる合金元素であり、(重量% Mg)/(重量% Zn)が、0.6〜2.40であり、前記容器が側壁を有し、前記アルミニウム合金容器の前記側壁が、T6質別の前記容器の基準品の側壁の引張降伏強度と比べて、少なくとも5%高い前記引張降伏強度を実現し、
前記T6質別の前記容器の前記基準品が、前記アルミニウム合金容器と同一の組成を有し、
前記アルミニウム合金容器の前記基準品の前記側壁が、15kPa(1ksi)のそのピーク引張降伏強度内である引張降伏強度を有する、アルミニウム合金容器。 - 3.0〜6.0重量%のマグネシウム及び2.5〜5.0重量%の亜鉛を含む、アルミニウム合金容器のためのアルミニウム合金閉鎖具であって、前記マグネシウム及び前記亜鉛のうちの少なくとも1つが、アルミニウム以外で前記アルミニウム合金閉鎖具の主体となる合金元素であり、(重量% Mg)/(重量% Zn)が、0.6〜2.40であり、前記アルミニウム合金閉鎖具が、T6質別の前記閉鎖具の基準品よりも、少なくとも5%高い引張降伏強度を実現し、
前記T6質別の前記閉鎖具の前記基準品が、前記アルミニウム合金閉鎖具と同一の組成を有し、
前記アルミニウム合金閉鎖具の前記基準品が、15kPa(1ksi)のそのピーク引張降伏強度内である引張降伏強度を有する、アルミニウム合金閉鎖具。 - 前記閉鎖具が蓋である、請求項269に記載の閉鎖具。
- 方法であって、
(a)溶体化後の冷間加工のために、アルミニウム合金片を調製することであって、
(i)前記アルミニウム合金片が、3.0〜6.0重量%のマグネシウム及び2.5〜5.0重量%の亜鉛を含み、前記マグネシウム及び前記亜鉛のうちの少なくとも1つが、アルミニウム以外で前記アルミニウム合金片の主体となる合金元素であり、(重量% Mg)/(重量% Zn)が、0.6〜2.40であり、
(ii)前記調製工程が、前記アルミニウム合金片の溶体化を含み、
(iii)前記調製することが、連続鋳造することにより、前記鋳造が前記溶体化に付随して完了されるようにすることを含む、調製することと、
(b)調製工程(a)の後に、前記アルミニウム合金片を25%超冷間加工することと、
(c)前記冷間加工工程(b)の後に、前記アルミニウム合金片を熱処理することであって、
前記冷間加工工程及び前記熱処理工程を遂行して、
(i)前記冷間加工したままの状態にある前記アルミニウム合金片の基準品と比べた縦方向引張降伏強度の増加を達成し、
(ii)それにより、前記アルミニウム合金片が、未再結晶ミクロ構造を主体とする構造を有するようにし、
(iii)前記片が、上部領域と下部領域との間に配置される中心領域を含み、
(iv)前記上部領域における前記Mg及び前記Znの平均濃度が、前記中心領域の中心線での前記Mg及び前記Znの濃度よりも大きく、
(v)前記下部領域における前記Mg及び前記Znの平均濃度が、前記中心領域の中心線での前記Mg及び前記Znの濃度よりも高い、熱処理すること、を含む、方法。 - 前記溶体化させる工程が、溶体化熱処理及び急冷を含み、前記溶体化熱処理が、前記連続鋳造に起因して遂行され、前記調製することが、
前記アルミニウム合金片を連続鋳造装置から除去することと、
前記除去工程の後、及び前記アルミニウム合金片が371℃(700°F)の温度に達する前に、前記アルミニウム合金片を急冷することであって、前記急冷することが、前記アルミニウム合金片の前記温度を、毎秒少なくとも50℃(毎秒100°F)の速度で低下させ、それにより前記溶体化を行う、急冷することと、を含み、
前記連続鋳造装置を出る前記アルミニウム合金片の前記温度が、前記急冷工程中の前記アルミニウム合金片の前記温度よりも高い、請求項271に記載の方法。 - 前記急冷が、前記アルミニウム合金片を、93℃(200°F)以下の温度に冷却することを含む、請求項272に記載の方法。
- 前記急冷が、前記アルミニウム合金片を、66℃(150°F)以下の温度に冷却することを含む、請求項272に記載の方法。
- 前記急冷が、前記アルミニウム合金片を、38℃(100°F)以下の温度に冷却することを含む、請求項272に記載の方法。
- 前記急冷が、前記アルミニウム合金片を、周囲温度に冷却することを含む、請求項272に記載の方法。
- 前記急冷が、前記アルミニウム合金片を、気体と接触させることを含む、請求項272〜276のいずれか一項に記載の方法。
- 前記気体が空気である、請求項277に記載の方法。
- 前記急冷が、前記アルミニウム合金片を、液体と接触させることを含む、請求項272〜276のいずれか一項に記載の方法。
- 前記液体が水性である、請求項279に記載の方法。
- 前記液体が水である、請求項280に記載の方法。
- 前記液体が油である、請求項279に記載の方法。
- 前記油が、炭化水素系又はシリコーン系である、請求項282に記載の方法。
- 前記急冷が、前記連続鋳造装置の下流にある急冷装置によって行われる、請求項272〜283のいずれか一項に記載の方法。
- 前記冷間加工が、前記アルミニウム合金片を少なくとも50%冷間加工することを含む、請求項271〜284のいずれか一項に記載の方法。
- 前記冷間加工が、前記アルミニウム合金片を少なくとも75%冷間加工することを含む、請求項271〜284のいずれか一項に記載の方法。
- 前記冷間加工が、前記アルミニウム合金片を少なくとも90%冷間加工することを含む、請求項271〜284のいずれか一項に記載の方法。
- 前記熱処理が、前記アルミニウム合金片を76kPa(5ksi)のピーク強度内に加熱することを含む、請求項271〜287のいずれか一項に記載の方法。
- 前記熱処理が、前記アルミニウム合金片を61kPa(4ksi)のピーク強度内に加熱することを含む、請求項271〜287のいずれか一項に記載の方法。
- 前記熱処理が、前記アルミニウム合金片を46kPa(3ksi)のピーク強度内に加熱することを含む、請求項271〜287のいずれか一項に記載の方法。
- 前記熱処理が、前記アルミニウム合金片を30kPa(2ksi)のピーク強度内に加熱することを含む、請求項271〜287のいずれか一項に記載の方法。
- 前記熱処理が、前記アルミニウム合金片を15kPa(1ksi)のピーク強度内に加熱することを含む、請求項271〜287のいずれか一項に記載の方法。
- 前記調製工程及び冷間加工工程が、連続してインラインで行われる、請求項271〜292のいずれか一項に記載の方法。
- 前記調製工程、前記冷間加工工程、及び前記熱処理工程が、連続してインラインで行われる、請求項271〜292のいずれか一項に記載の方法。
- 前記方法が、前記調製工程、前記冷間加工工程、及び前記熱処理工程からなる、請求項294に記載の方法。
- 意図的な熱処理が、前記溶体化工程(a)(ii)と前記冷間加工工程(b)との間に、前記アルミニウム合金片に適用されない、請求項271〜295のいずれか一項に記載の方法。
- 前記溶体化工程(a)(ii)の完了と前記冷間加工工程(b)の開始との間に経過する時間が、20時間以下である、請求項271〜296のいずれか一項に記載の方法。
- 前記溶体化工程(a)(ii)の完了と前記冷間加工工程(b)の開始との間に経過する時間が、12時間以下である、請求項271〜296のいずれか一項に記載の方法。
- 前記冷間加工工程(200)が、前記溶体化工程(140)の完了に付随して開始される、請求項271〜296のいずれか一項に記載の方法。
- 前記アルミニウム合金片が121℃(250°F)以下の温度であるときに、冷間加工工程が開始される、請求項271〜299のいずれか一項に記載の方法。
- 前記アルミニウム合金片が66℃(150°F)以下の温度であるときに、冷間加工工程が開始される、請求項271〜299のいずれか一項に記載の方法。
- 前記アルミニウム合金片が周囲温度であるときに、冷間加工工程が開始される、請求項271〜299のいずれか一項に記載の方法。
- 前記冷間加工工程(b)が、前記アルミニウム合金片の意図的な加熱を行わずに発生する、請求項271〜299のいずれか一項に記載の方法。
- 前記冷間加工工程(b)が冷間圧延である、請求項271〜303のいずれか一項に記載の方法。
- 前記冷間圧延が、前記アルミニウム合金体を最終ゲージへと冷間圧延することを含む、請求項304に記載の方法。
- 前記熱処理工程(c)が、前記アルミニウム合金片を、その再結晶化温度未満に維持することを含む、請求項271〜305のいずれか一項に記載の方法。
- 前記アルミニウム合金片が未再結晶ミクロ構造を主体とする構造を実現するように、前記冷間圧延工程(b)及び前記熱処理工程(c)が実行される、請求項271〜306のいずれか一項に記載の方法。
- 前記熱処理工程(c)が、前記アルミニウム合金片を、66〜204℃(150〜400°F)の範囲で加熱することを含む、請求項271〜307のいずれか一項に記載の方法。
- 前記アルミニウム合金片が、少なくとも6%の伸びを実現する、請求項271〜308のいずれか一項に記載の方法。
- 前記アルミニウム合金片が、少なくとも10%の伸びを実現する、請求項271〜308のいずれか一項に記載の方法。
- 前記アルミニウム合金片が、少なくとも14%の伸びを実現する、請求項271〜308のいずれか一項に記載の方法。
- 前記合金が過時効されるように、熱処理工程が行われる、請求項271〜311のいずれか一項に記載の方法。
- 前記熱処理工程の後に、前記アルミニウム合金体が、その理論的に最小の電気伝導値の50%以内である、請求項271〜312のいずれか一項に記載の方法。
- 前記熱処理工程の後に、前記アルミニウム合金体が、その理論的に最小の電気伝導値の30%以内である、請求項271〜312のいずれか一項に記載の方法。
- 前記熱処理工程の後に、前記アルミニウム合金体が、その理論的に最小の電気伝導値の25%以内である、請求項271〜312のいずれか一項に記載の方法。
- 前記アルミニウム合金体が、基準となるアルミニウム合金体よりも少なくとも10%高い引張降伏強度を実現し、
前記基準となるアルミニウム合金体が、前記アルミニウム合金体と同一の組成を有し、
前記基準となるアルミニウム合金体が、T6質別へと加工され、
前記基準となるアルミニウム合金体が、15kPa(1ksi)のそのピーク引張降伏強度内である引張降伏強度を有する、請求項271〜312のいずれか一項に記載の方法から作製されるアルミニウム合金体。 - 前記アルミニウム合金体が、前記基準となるアルミニウム合金体が前記T6質別のそのピーク引張降伏強度を実現するために必要とされる時間よりも少なくとも25%早く、前記少なくとも10%高い引張降伏強度を実現する、請求項316に記載のアルミニウム合金体。
- 前記アルミニウム合金体が、前記基準となるアルミニウム合金体が前記T6質別のそのピーク引張降伏強度を実現するために必要とされる時間よりも少なくとも50%早く、前記少なくとも10%高い引張降伏強度を実現する、請求項316に記載のアルミニウム合金体。
- 前記アルミニウム合金体が、少なくとも8%の伸びを実現する、請求項316〜318のいずれか一項に記載のアルミニウム合金体。
- 前記アルミニウム合金体が、少なくとも14%の伸びを実現する、請求項316〜318のいずれか一項に記載のアルミニウム合金体。
- 前記アルミニウム合金体が、大部分において再結晶化されていない、請求項316〜320のいずれか一項に記載のアルミニウム合金体。
- 前記アルミニウム合金体が、少なくとも75%再結晶化されている、請求項316〜320のいずれか一項に記載のアルミニウム合金体。
- 前記上部領域、前記下部領域、及び前記中心領域が各々、粒子状物質のぞれぞれの濃度を含み、前記中心領域における前記粒子状物質の濃度が、前記第1の領域又は前記第2の領域の両方における前記粒子状物質の濃度よりも大きい、請求項316〜322のいずれか一項に記載のアルミニウム合金体。
- 前記上部領域、下部領域、及び中心領域が各々、非混和性金属材料を含み、前記非混和性金属材料が、Sn、Pb、Bi、及びCdからなる群から選択される、請求項316〜323のいずれか一項に記載のアルミニウム合金体。
- 方法であって、
(a)溶体化後の冷間加工のために、アルミニウム合金片を調製することであって、
(i)前記アルミニウム合金片が、3.0〜6.0重量%のマグネシウム及び2.5〜5.0重量%の亜鉛を含み、前記マグネシウム及び前記亜鉛のうちの少なくとも1つが、アルミニウム以外で前記アルミニウム合金片の主体となる合金元素であり、(重量% Mg)/(重量% Zn)が、0.6〜2.40であり、
(ii)前記調製工程が、前記アルミニウム合金片の溶体化を含み、
(iii)前記調製することが、連続鋳造することにより、前記鋳造が前記溶体化に付随して完了されるようにすることを含む、調製することと、
(b)前記調製工程(a)の後に、前記アルミニウム合金片を25%超冷間加工することであって、前記冷間加工工程(b)の後に、前記アルミニウム合金片が、
(i)未再結晶ミクロ構造を主体とする構造、
(ii)上部領域と下部領域との間に配置される中心領域、を含み、
(iii)前記上部領域における前記Mg及び前記Znの平均濃度が、前記中心領域の中心線での前記Mg及び前記Znの濃度よりも大きく、かつ
(iv)前記下部領域における前記Mg及び前記Znの平均濃度が、前記中心領域の中心線での前記Mg及び前記Znの濃度よりも高い、冷間加工することと、を含む、方法。 - 前記溶体化させる工程が、溶体化熱処理及び急冷を含み、前記溶体化熱処理が、前記連続鋳造に起因して遂行され、前記調製することが、
前記アルミニウム合金片を連続鋳造装置から除去することと、
前記除去工程の後、及び前記アルミニウム合金片が371℃(700°F)の温度に達する前に、前記アルミニウム合金片を急冷することであって、前記急冷することが、前記アルミニウム合金片の前記温度を、少なくとも50℃(毎秒100°F)の速度で低下させ、それにより前記溶体化を行う、急冷することと、を含み、
前記連続鋳造装置を出る前記アルミニウム合金片の前記温度が、前記急冷工程中の前記アルミニウム合金片の前記温度よりも高い、請求項325に記載の方法。 - 前記急冷が、前記アルミニウム合金片を、93(200°F)以下の温度に冷却することを含む、請求項326に記載の方法。
- 前記急冷が、前記アルミニウム合金片を、66(150°F)以下の温度に冷却することを含む、請求項326に記載の方法。
- 前記急冷が、前記アルミニウム合金片を、38℃(100°F)以下の温度に冷却することを含む、請求項326に記載の方法。
- 前記急冷が、前記アルミニウム合金片を、周囲温度に冷却することを含む、請求項326に記載の方法。
- 前記急冷が、前記アルミニウム合金片を、気体と接触させることを含む、請求項326〜330のいずれか一項に記載の方法。
- 前記気体が空気である、請求項331に記載の方法。
- 前記急冷が、前記アルミニウム合金片を、液体と接触させることを含む、請求項326〜330のいずれか一項に記載の方法。
- 前記液体が水性である、請求項333に記載の方法。
- 前記液体が水である、請求項336に記載の方法。
- 前記液体が油である、請求項333に記載の方法。
- 前記油が、炭化水素系又はシリコーン系である、請求項336に記載の方法。
- 前記急冷が、前記連続鋳造装置の下流にある急冷装置によって行われる、請求項326〜337のいずれか一項に記載の方法。
- 前記冷間加工が、前記アルミニウム合金片を少なくとも50%冷間加工することを含む、請求項325〜338のいずれか一項に記載の方法。
- 前記冷間加工が、前記アルミニウム合金片を少なくとも75%冷間加工することを含む、請求項325〜338のいずれか一項に記載の方法。
- 前記冷間加工が、前記アルミニウム合金片を少なくとも90%冷間加工することを含む、請求項325〜338のいずれか一項に記載の方法。
- 前記調製工程及び冷間加工工程が、連続してインラインで行われる、請求項325〜341のいずれか一項に記載の方法。
- 前記方法が、前記調製工程及び前記冷間加工工程からなる、請求項342に記載の方法。
- (c)前記冷間加工工程(b)の後に、前記アルミニウム合金体を熱処理することを更に含む、請求項325〜341のいずれか一項に記載の方法。
- 前記冷間加工工程が、第1の場所で行われ、前記熱処理工程が、第2の場所で行われる、請求項344に記載の方法。
- 前記第2の場所が、前記第1の場所から離れている、請求項345に記載の方法。
- 前記第2の場所が、前記第1の場所である、請求項345に記載の方法。
- 調製工程が、前記第1の場所で行われる、請求項345〜347のいずれか一項に記載の方法。
- 方法であって、
(a)溶体化後の冷間加工のために、アルミニウム合金体を調製することであって、前記アルミニウム合金体が、3.0〜6.0重量%のマグネシウム及び2.5〜5.0重量%の亜鉛を有するアルミニウム合金を含み、前記マグネシウム及び前記亜鉛のうちの少なくとも1つが、アルミニウム以外で前記アルミニウム合金シートの主体となる合金元素であり、(重量% Mg)/(重量% Zn)が、0.6〜2.40であり、
(i)前記調製工程が、前記アルミニウム合金体の溶体化を含む、調製することと、
(b)前記調製工程(a)の後に、前記アルミニウム合金体を少なくとも25%冷間加工することと、
(c)前記冷間加工工程(b)の後に、前記アルミニウム合金体を熱処理することと、を含み、
前記冷間加工工程及び前記熱処理工程が、冷間加工したままの状態にある前記アルミニウム合金体の基準品と比べて、長手横引張降伏強度における増加を達成するように遂行される、方法。 - 前記調製工程(a)が、
前記アルミニウム合金体を半連続鋳造プロセスによって鋳造することを含む、請求項349に記載の方法。 - 前記調製工程(a)が、
前記アルミニウム合金体を均質化処理することと、
前記アルミニウム合金体を熱間加工することと、を含み、
前記溶体化工程(a)(i)が、前記熱間加工工程の後に発生する、請求項350に記載の方法。 - 前記冷間加工工程(b)が、第2の冷間加工であり、前記調製工程が、
前記溶体化工程(a)(i)の前に、前記アルミニウム合金体に第1の冷間加工をすることを含む、請求項351に記載の方法。 - 前記調製工程(a)が、
前記アルミニウム合金体を連続して鋳造することを含む、請求項349に記載の方法。 - 前記調製工程(a)が、
前記連続鋳造工程に付随して、前記溶体化工程(a)(i)を完了することを含む、請求項353に記載の方法。 - 前記調製工程(a)が、
前記連続鋳造工程の後に、前記溶体化工程(a)(i)を完了することを含む、請求項353に記載の方法。 - 前記調製工程(a)が、
前記溶体化工程(a)(i)の前に、前記アルミニウム合金体を熱間加工することを含む、請求項355のいずれか一項に記載の方法。 - 前記冷間加工工程(b)が、第2の冷間加工であり、前記調製工程(a)が、
前記溶体化工程(a)(i)の前に、前記アルミニウム合金体に第1の冷間加工をすることを含む、請求項355又は356に記載の方法。 - 前記溶体化工程(a)(i)が、前記アルミニウム合金体を急冷することを含み、前記急冷することが、前記アルミニウム合金体を変形させずに発生する、請求項349に記載の方法。
- 前記アルミニウム合金体を、前記熱処理工程(c)の間に成形することを含む、請求項349に記載の方法。
- 意図的な熱加熱処理が、前記溶体化工程(a)(i)と前記冷間加工工程(b)との間に前記アルミニウム合金体に適用されない、請求項349に記載の方法。
- 前記溶体化工程(a)(i)の完了と前記冷間加工工程(b)の開始との間に経過する時間が、60時間以下である、請求項349又は360に記載の方法。
- 前記アルミニウム合金体が121℃(250°F)以下の温度であるときに、前記冷間加工工程(b)が開始される、請求項349に記載の方法。
- 前記冷間加工工程(b)が、前記アルミニウム合金体の意図的な加熱を行わずに発生する、請求項349又は362に記載の方法。
- 前記冷間加工工程(b)が冷間圧延である、請求項349に記載の方法。
- 前記冷間加工工程(b)が、前記アルミニウム合金体をその実質的な最終形態へと精錬することを含む、請求項349に記載の方法。
- 前記冷間加工工程(b)が、前記アルミニウム合金体を最終ゲージへと冷間圧延することを含む、請求項365に記載の方法。
- 前記冷間加工工程(b)が、前記アルミニウム合金体を少なくとも50%〜90%の範囲で冷間加工することを含む、請求項349に記載の方法。
- 前記冷間加工工程(b)が、前記アルミニウム合金体を60%〜85%の範囲で冷間加工することを含む、請求項349に記載の方法。
- 前記冷間加工工程(b)が、前記アルミニウム合金体を70%〜80%の範囲で冷間加工することを含む、請求項349に記載の方法。
- 前記熱処理工程(c)が、前記アルミニウム合金体をその再結晶化温度未満に維持することを含む、請求項349に記載の方法。
- 前記熱処理工程(c)が、前記アルミニウム合金体を66〜204℃(150〜400°F)の範囲で加熱することを含む、請求項370に記載の方法。
- 前記アルミニウム合金体が未再結晶ミクロ構造を主体とする構造を実現するように、前記冷間圧延工程(b)及び前記熱処理工程(c)が実行される、請求項349又は370に記載の方法。
- 前記アルミニウム合金体が、4%超の伸びを実現する、請求項349に記載の方法。
- 前記アルミニウム合金体が、少なくとも8%の伸びを実現する、請求項349に記載の方法。
- 3.0〜6.0重量%のマグネシウム及び2.5〜5.0重量%の亜鉛を含む、アルミニウム合金体であって、前記マグネシウム及び前記亜鉛のうちの少なくとも1つが、アルミニウム以外で前記アルミニウム合金シートの主体となる合金元素であり、(重量% Mg)/(重量% Zn)が、0.6〜2.40であり、前記アルミニウム合金体が、基準となるアルミニウム合金体よりも、少なくとも5%高い引張降伏強度を実現し、
前記基準となるアルミニウム合金体が、前記アルミニウム合金体と同一の組成を有し、
前記基準となるアルミニウム合金体が、T6質別へと加工され、
前記基準となるアルミニウム合金体が、15kPa(1ksi)のそのピーク引張降伏強度内である引張降伏強度を有する、アルミニウム合金体。 - 前記アルミニウム合金体が、前記基準となるアルミニウム合金体が前記T6質別のそのピーク引張降伏強度を実現するために必要とされる時間よりも少なくとも25%早く、前記少なくとも5%高い引張降伏強度を実現する、請求項375に記載のアルミニウム合金体。
- 前記アルミニウム合金体が、前記基準となるアルミニウム合金体が前記T6質別のそのピーク引張降伏強度を実現するために必要とされる時間よりも少なくとも50%早く、前記少なくとも5%高い引張降伏強度を実現する、請求項375に記載のアルミニウム合金体。
- 前記アルミニウム合金体が、4%超の伸びを実現する、請求項375に記載のアルミニウム合金体。
- 前記アルミニウム合金体が、少なくとも8%超の伸びを実現する、請求項375に記載のアルミニウム合金体。
- 前記アルミニウム合金体が、少なくとも2.0の正規化R値を実現する、請求項375に記載のアルミニウム合金体。
- 前記アルミニウム合金体が、少なくとも4.0の正規化R値を実現する、請求項375に記載のアルミニウム合金体。
- 前記アルミニウム合金体が、少なくとも6.0の正規化R値を実現する、請求項375に記載のアルミニウム合金体。
- 前記アルミニウム合金体が、大部分において再結晶化されていない、請求項375に記載のアルミニウム合金体。
- 前記アルミニウム合金体が、少なくとも75%再結晶化されていない、請求項375に記載のアルミニウム合金体。
- 方法であって、
(a)アルミニウム合金体を溶体化することであって、前記アルミニウム合金体が、3.0〜6.0重量%のマグネシウム及び2.5〜5.0重量%の亜鉛を有するアルミニウム合金を含み、前記マグネシウム及び前記亜鉛のうちの少なくとも1つが、アルミニウム以外で前記アルミニウム合金シートの主体となる合金元素であり、(重量% Mg)/(重量% Zn)が、0.6〜2.40である、溶体化することと、
(b)前記溶体化工程(a)の後に、前記アルミニウム合金体を少なくとも50%冷間加工することと、
(c)前記冷間加工工程(b)の後に、前記アルミニウム合金体を熱処理することと、を含み、
前記冷間加工工程及び前記熱処理工程が、冷間加工したままの状態にある前記アルミニウム合金体の基準品と比べて、長手横引張降伏強度における増加を達成するように遂行される、方法。 - 3.0〜6.0重量%のマグネシウム及び2.5〜5.0重量%の亜鉛を含む、アルミニウム合金であって、前記マグネシウム及び前記亜鉛のうちの少なくとも1つが、アルミニウム以外で前記アルミニウム合金シートの主体となる合金元素であり、(重量% Mg)/(重量% Zn)が、0.6〜2.40である、アルミニウム合金。
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