JP2016507452A - 水/共溶媒混合物を使用してリチウム遷移金属オリビンを作製するための方法 - Google Patents

水/共溶媒混合物を使用してリチウム遷移金属オリビンを作製するための方法 Download PDF

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Abstract

オリビンリン酸マンガン鉄リチウムは、共沈プロセスにおいて、水/アルコール共溶媒混合物から作製される。このように得られたLMFP粒子は驚異的に高い導電性を示し、これが今度は、高いエネルギーおよび電力密度、ならびに卓越したサイクル性能などの、他の利点をもたらす。【選択図】なし

Description

本発明は、リチウム遷移金属オリビン、およびリチウム遷移金属オリビンを含有するリチウム電池電極材料を作製するための方法に関する。
リチウム電池は、車両ならびに多くの種類の電子機器のための一次および二次電池として広く使用されている。これらの電池は、高いエネルギーおよび電力密度を有することが多い。
リチウム遷移金属化合物は、これらの電池における陰極材料として一般的に使用されている。陰極材料として記載されたリチウム遷移金属化合物の中には、LiCoOなどの岩塩型構造化合物、LiMnなどのスピネル、ならびに、リン酸鉄リチウム、リン酸コバルト鉄リチウム、およびリン酸マンガン鉄リチウムなどのオリビン材料がある。例えば、LiFePOが、熱的に安定し、かつ低毒性および高い速度能力(高い電力密度)を有する、低コスト材料として知られている。しかしながら、LiFePOは、相対的に低い作動電圧(3.4V対Li+/Li)を有し、このため低いエネルギー密度を有する。
原則として、マンガンはより高い作動電圧を有するため、作動電圧、ひいてはエネルギー密度は、鉄の一部または全部をマンガンで置換することによって上昇し得る。この種類の電極材料は、「リン酸マンガン鉄リチウム」または「LMFP」材料として知られている。しかしながら、実際には、これらの電極材料は満足の行く性能を示してこなかった。
1つの理由は、オリビンLMFP電極材料の密度が、リン酸鉄リチウム陰極材料のものよりも低いことである。これは、より小さな質量のLMFP材料が、所定の容積内に充填され得ることを意味し、これは同様に、電極内の単位体積当たりのLMFPの質量がより低いため、このエネルギー密度の理論的改善の一部または全部が損なわれることを意味する。
鉄をマンガンで置換することは、輸送動力学、即ち、充電および放電の間に、リチウムが電極材料に入出し得る速度に関する、非常に重大な問題を引き起こすことも発見された。この影響は、電力密度が理論的なレベルとは程遠いということである。これらの電極を含有する電池は、低いC率で操作される際に適度に良好な比容量を示すが、それらの性能は、高いC率で放電される際に大幅に劣る。LiFePO電極と比較して、LMFP電極は、高い放電率で予想外に乏しい性能を示した。
そのより乏しい電気およびイオン伝導を補うために、オリビンLMFP材料は、リン酸鉄リチウムと比較して、より小さな粒径を有し(材料を通る伝導経路の長さを減少させるため)、相対的に高い量の炭素と化合される(導電性を改善するため)必要がある。これらの必須要件のそれぞれは、電極における材料の高密度を得ることをさらに困難にする。さらに、非常に小さな粒子を生成する必要性は、合成プロセスの複雑性および費用を増加させる。
これらの問題の結果として、鉄をマンガンで置換することによって得られるエネルギー密度の潜在的な上昇は、LMFP陰極材料のより低い密度、良好な充填を得ることの難しさ、および、それらをかなり高い量の炭素と化合する必要性によって相殺される。
LMFP電極材料の別の主要な欠点は、それらのサイクル安定性である。LiFePO電極は高度に安定している傾向があり、これらの電極を含有する電池は、多数の充電/放電サイクルにわたって、その比容量を良好に保持する。LMFP電極材料は、匹敵するサイクル安定性を今日まで示していない。
例えば、国際公開第2011/0258323号に示される通り、この問題は、マンガンによってより多くの鉄が置換されるにつれて益々悪化する。エネルギー密度および電力密度は、理論的には、マンガンによってより多くの鉄が置換されるにつれて上昇すべきであるが、実際には、特にマンガンによって50%以上の鉄が置換されるとき、その反対が起る傾向がある。
これらの問題のため、LMFP電極の潜在的な利益は実現されていない。より良好な電力およびエネルギー密度、ならびにより良好なサイクル性能を示す、LMFP電極材料を提供することが望ましい。
国際公開第2007/113624号は、リチウムおよび遷移金属の供給源として酢酸塩を使用して、リチウム遷移金属オリビンを作製するためのプロセスを記載する。このプロセスは、リン酸イオンの供給源としてリン酸二水素アンモニウムを使用する。追加の酢酸も存在する。このプロセスは、それがリチウム遷移金属オリビンの結晶を形成する還流ステップを経るときに反応混合物と共に残る反応副生成物として、酢酸アンモニウムおよび酢酸を生成する。これらの反応副生成物は、溶媒を再使用するために反応溶媒から除去されなければならず、さもなければ、溶媒は処分されなければならない。いずれの場合においても、このプロセスは、多くの加工ステップおよび関連するコストを必要とし、多くの場合、十分に高いエネルギー密度を有するリチウム遷移金属オリビン材料を提供しない。国際公開第2007/113624号では、電池性能の情報は提供されていない。
国際公開第2008/077448号では、LMFPは、水とジメチルスルホキシドとの混合物中の、前駆体の希釈溶液からの沈降によって生成される。このプロセスは、狭い粒径分布を有する小さなLMFP粒子を生成すると考えられている。LMFP材料を通るより短い距離をイオンが移動する必要があるため、小さなLMFPの均一な粒径の粒子の形成は、材料を通る緩徐なイオン輸送の是正法として仮定される。しかしながら、国際公開第2008/077448号は、電池性能の情報を提供しない。
本発明は、一態様では、オリビンリン酸マンガン鉄リチウム粒子を作製するための共沈法であって、
a)水溶性鉄前駆体と、水溶性マンガン前駆体と、リン酸と、任意に水溶性ドーパント金属前駆体との溶液を、水とアルコール共溶媒との混合物中で形成するステップであって、
a−1)該溶液中の鉄とマンガンとのモル比が0.1:0.9〜0.9:0.1であり、
a−2)該ドーパント金属が、仮に存在する場合、鉄、マンガン、および該ドーパント金属の合計モルに基づいて、最大3モル%の量で存在し、
a−3)リン酸と組み合わせた鉄、マンガン、およびドーパント金属のモル比が0.75:1〜1.25:1である、ステップと、
b)少なくとも80℃の温度で、水酸化リチウムの水溶液、または水と該アルコール共溶媒との混合物を、ステップa)において形成された該溶液に添加するステップであって、
b−1)リチウムとリン酸イオンとのモル比が2.5〜3.5:1であり、
b−2)該水酸化リチウム溶液の添加後、該混合物が、水/共溶媒混合物1リットル当たり0.1〜0.8モルのリン酸イオンを含有し、
b−3)該水酸化リチウム溶液の該添加後の水と共溶媒との重量比が20:80〜75:25であるが、但し、該混合物が、水/共溶媒混合物1リットル当たり0.2モル以下のリン酸イオンを含有するとき、該水酸化リチウム溶液の該添加後の水と共溶媒との該重量比が20:80〜60:40であることを条件とするような量で添加する、ステップと、
c)結果としてもたらされる溶液を、少なくとも100℃から最大で該溶液の沸騰温度までの温度に加熱して、該オリビンリン酸マンガン鉄リチウム(LMFP)を形成するステップと、を含む、方法である。
本プロセスは、卓越した電気化学的特性を有するオリビンLMFP電極材料を提供する。本プロセスにおいて形成されたLMFPは、高充電/放電率であっても特に高い比容量を示すことが多い。
共溶媒濃度およびLMFP前駆体材料の濃度は、本プロセスにおいて形成されたLMFP材料の電気化学的特性に対して重要な影響を有することが発見された。一般的に、LMFP前駆体材料の濃度が前述の範囲の下端に向かっているとき、幾分より高い共溶媒濃度(前述の範囲内で)において、より良好な結果が得られる。より高い濃度のLMFP材料が存在するとき(前述の範囲内で)、幾分より低い共溶媒濃度(またしても前述の範囲内で)は、最善の結果を提供する傾向がある。
非常に驚異的な結果は、LMFP粒子が、最大5000nmの粒径を有する凝集体を形成し、広い粒径の範囲を有するときでさえ、卓越した電気化学的特性を有するLMFPが場合によっては得られ得るということである。本プロセスにおいて得られるLMFP一次粒子の粒径は、かなり小さく、典型的には50〜300nmの範囲内である傾向がある。
本発明の別の驚異的な利点は、場合によっては凝集体が形成するにも関わらず、適正な電子伝導性を提供するために非常に少ない炭素コーティングが必要とされるように、一次粒子が十分に導電性であることである。より少ない炭素コーティングが必要とされるため、所定の容積に充填され得るLMFPの量はそれに応じて増加し得、これが今度は、より高いエネルギーおよび電力密度をもたらす。炭素コーティング一次粒子の良好な導電性はまた、電極アセンブリプロセスの間に、より少ない量の伝導性炭素添加剤(約2重量%)を使用し、再びLMFP濃度を上昇させ、より良好な性能を提供することを可能にする。
本発明のプロセスのステップa)では、水溶性鉄前駆体と、水溶性マンガン前駆体と、リン酸と、任意に水溶性ドーパント金属前駆体との溶液が、水と共溶媒との混合物中で形成される。ステップa)の間の添加の順序は一般的に重要ではない。いくつかの実施形態では、前駆体材料(硫酸鉄、硫酸マンガン、もしあればドーパント金属前駆体、およびリン酸)が水中で溶解され、結果としてもたらされる溶液にアルコール共溶媒が添加される。特定の方法では、水溶性鉄前駆体、水溶性マンガン前駆体、および水溶性ドーパント金属前駆体は、全て一度に、または任意の順序で経時的に、リン酸水溶液中に溶解され、その後、アルコール共溶媒の添加が続く。
ステップa)における出発材料の割合は、
a−1)該溶液中の鉄とマンガンとのモル比が0.1:0.9〜0.9:0.1であり、
a−2)該ドーパント金属が、仮に存在する場合、鉄、マンガン、および該ドーパント金属の合計モルに基づいて、最大3モル%の量で存在し、
a−3)リン酸と組み合わせた鉄、マンガン、およびドーパント金属のモル比が0.75:1〜1.25:1であるようなものである。
いくつかの実施形態における鉄とマンガンとのモル比は、0.1:0.9〜0.5:0.5である。他の実施形態では、鉄とマンガンとの比は0.15:0.85〜0.35:0.65である。
ドーパント金属の量は、存在する場合、好ましくは、鉄、マンガン、およびドーパント金属の合計モルに基づいて、1〜3モル%である。いくつかの実施形態では、ドーパント金属は存在しない。
水溶性鉄前駆体は、例えば、硫酸鉄(II)、硝酸鉄(II)、リン酸鉄(II)、リン酸水素鉄(II)、リン酸二水素鉄(II)、炭酸鉄(II)、炭酸水素鉄(II)、ギ酸鉄(II)、酢酸鉄(II)であり得る。
水溶性マンガン前駆体は、例えば、硫酸マンガン(II)、硝酸マンガン(II)、リン酸マンガン(II)、リン酸水素マンガン(II)、リン酸二水素マンガン(II)、炭酸マンガン(II)、炭酸水素マンガン(II)、ギ酸マンガン(II)、および酢酸マンガン(II)であり得る。
好ましい鉄およびマンガンの前駆体は、それぞれ硫酸鉄(II)および硫酸マンガン(II)である。
ドーパント金属は、存在する場合、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、コバルト、チタン、ジルコニウム、モリブデン、バナジウム、ニオブ、ニッケル、スカンジウム、クロム、銅、亜鉛、ベリリウム、ランタン、およびアルミニウムのうちの1つ以上から選択される。ドーパント金属は、好ましくはマグネシウム、または、マグネシウムと、カルシウム、ストロンチウム、コバルト、チタン、ジルコニウム、モリブデン、バナジウム、ニオブ、ニッケル、スカンジウム、クロム、銅、亜鉛、ベリリウム、ランタン、およびアルミニウムのうちの1つ以上との混合物である。ドーパント金属は、最も好ましくは、マグネシウムもしくはコバルトまたはこれらの混合物である。ドーパント金属前駆体は、例えば、リン酸塩、リン酸水素、リン酸二水素、炭酸塩、ギ酸塩、酢酸塩、グリコール酸塩、乳酸塩、酒石酸塩、シュウ酸塩、酸化物、水酸化物、フッ化物、塩化物、硝酸塩、硫酸塩、臭化物、およびドーパント金属の同様の塩を含む、ドーパント金属の水溶性塩である。
リン酸と組み合わせた鉄、マンガン、およびドーパント金属のモル比は、0.9〜1.1:1、0.95〜1.05:1、または0.95〜1.02:1であってよい。
ステップa)において形成された溶液は、水と共溶媒とを、20:80〜80:20の重量比で含有し得る。ステップb)を行う前に、ステップa)において形成された溶液中に共溶媒の全てを添加することが一般的に有利であり、この理由のため、ステップa)において形成された溶液中の共溶媒の量は、ステップb)において水酸化リチウム溶液が添加された後に存在するものよりも、幾分高くてよい。いくつかの実施形態では、ステップa)において形成された溶液中の水と共溶媒との重量比は、例えば、20:80〜80:20または20:80〜75:25であり得る。いくつかの実施形態では、この重量比は70:30〜40:60であり得る。他の実施形態では、ステップa)において形成された溶液中の水と共溶媒との重量比は、50:50〜35:65であり得る。これらの重量比は、鉄、マンガン、およびドーパント金属前駆体の水和水を考慮に入れる。
共溶媒は、1つ以上のヒドロキシル基、好ましくは少なくとも2つのヒドロキシル基、特に厳密に2つのヒドロキシル基を含有する、アルコールである。共溶媒は、存在する相対的割合の水中で可溶性であるべきであり、室温で液体であるべきであり、かつ100℃を超える沸騰温度を有すべきである。これは、好ましくは、最大1000、好ましくは最大250の分子量を有する。好適な共溶媒の例としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、テトラプロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、最大約1000の分子量を有する他のポリアルキレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、2−メトキシエタノール、2−エトキシエタノール、および同様のものが挙げられる。ジエチレングリコールが好ましい共溶媒である。2つ以上の共溶媒が存在してよい。
ステップa)は、水/共溶媒混合物が液体である任意の温度で行ってよい。簡便な温度は0〜100℃であり、より好ましい温度は10〜80℃、またはさらに20〜80℃である。いくつかの実施形態では、10〜50℃、特に20〜40℃の温度の水中に前駆体材料を溶解し、結果としてもたらされる溶液に共溶媒を添加する。
ステップa)において形成された溶液中で、リン酸の一部もしくは全部は、鉄、マンガン、および/またはドーパント金属によって部分的に中和され、可溶性の鉄、マンガン、および/またはドーパント金属リン酸化合物を形成することができる。ステップa)の溶液は一般的に強酸性であり、2.5以下のpHを一般的に有する。
ステップb)は、少なくとも80℃の温度で、より好ましくは少なくとも95℃の温度で行われる。したがって、ステップa)において形成された溶液の温度は、ステップb)を行う前に、必要に応じてこの温度にされる。ステップb)の間の温度は、水/共溶媒混合物の沸騰温度と同じ高さであってよい。ステップb)は、大気圧、低大気圧、または超大気圧で行ってよい。
ステップb)では、水酸化リチウムの水溶液、または水と共溶媒との混合物が、ステップa)において形成された溶液に添加される。水酸化リチウム溶液の量、および溶液中の水酸化リチウムの濃度は、好ましくは、水酸化リチウム溶液と、ステップa)において形成された溶液とを組み合わせた後に、リチウムとリン酸イオンとのモル比が2.5〜3.5:1であるように選択される。「リン酸イオン」のモル数は、ステップa)において提供されるリン酸のモル数と等しいものとされる。用語「リン酸イオン」は、リン酸(PO −3)、リン酸水素(HPO −2)、およびリン酸二水素(HPO −1)イオンを含み、かつ水酸化リチウムとステップa)の溶液とを組み合わせると形成する沈降物中のイオンを含む、ステップa)およびb)の間のリン酸の解離および/または中和によって形成された全てのPOを含有するイオンを包含するものとして、本明細書において使用される。ステップb)を行った後のリチウムとリン酸イオンとのモル比は、いくつかの実施形態では、2.8〜3.2:1、もしくは2.9〜3.1:1、または2:96〜3.1:1である。
ステップa)において作製された溶液への水酸化リチウム溶液の添加後の、水と共溶媒との重量比は20:80〜75:25であり、リン酸イオンの濃度は、溶液1リットル当たり0.1〜0.8モルである。LiOH添加温度が80℃を上回ることを所与として、(1)共溶媒の濃度が規定範囲の上端に近く、かつリン酸イオンの濃度が規定範囲の下端に近いか、または(2)共溶媒の濃度が規定範囲の下端に近く、かつリン酸イオンの濃度が規定範囲の上端に近いときに、特に良好な結果が得られることが発見された。したがって、いくつかの実施形態では、水と共溶媒との重量比は55:45〜20:80であり得、リン酸イオンの濃度は、水/共溶媒混合物1リットル当たり0.1〜0.25モルのリン酸である。他の実施形態では、水と共溶媒との重量比は70:30〜55:45であり得、リン酸イオンの濃度は、水/共溶媒混合物1リットル当たり0.25〜0.6モル、特に0.35〜0.5モルのリン酸である。
ステップb)は、好ましくは、撹拌の下でステップa)の溶液に水酸化リチウム溶液を急速に添加することによって行われる。水酸化リチウムの添加は、好ましくは、1分以下、好ましくは30秒以下、さらにより好ましくは15秒以下の期間にわたって行われる。強塩基性の水酸化リチウム溶液をステップa)の溶液に添加すると発生するpHの増加は急速に起るということが重要であると考えられる。水酸化リチウムのより緩徐な添加は、不純物としての熱力学的に安定した非オリビン結晶相の形成を引き起こす場合がある。
水酸化リチウムとステップa)の溶液とを組み合わせると、沈降物が形成する。これらの沈降物は、オリビン結晶構造を有し得る様々な鉄、マンガン、および/またはドーパント金属リン酸化合物を含むが、オリビン結晶構造を有しない著しい量の化合物を含むと考えられる。
ステップb)を完了した後、結果としてもたらされるスラリーを少なくとも100℃に加熱して、オリビンLMFP粒子を形成する。このステップの間の温度は、共溶媒/水混合物の沸騰温度と同じ高さであってよい。この加熱ステップは、数分から数時間にわたって継続してよい。この混合物は、好ましくは、所望のオリビン材料が得られる前に沈降物が沈殿するのを防ぐために、加熱ステップの間に撹拌される。この加熱ステップの間のオリビンLMFPの形成は、X線結晶解析法によって監視することができる。
本プロセスの生成物は、一次粒子および一次粒子の凝集体から典型的に成る、微粒子の形態のオリビンLMFP材料である。本プロセスは、特に、前述の通り、(1)共溶媒の濃度が規定範囲の上端に近く、かつリン酸イオンの濃度が規定範囲の下端に近いか、または(2)共溶媒の濃度が規定範囲の下端に近く、かつリン酸イオンの濃度が規定範囲の上端に近いときに、非常に微細な一次粒子(少なくとも部分的に凝集されていてよい)を形成する傾向がある。
本発明の目的のための粒径(凝集体のものを含む)および粒径分布は、光散乱粒径分析器によって測定されたd50粒径および比(d90−d10)/d50である。d50粒径は、50nm〜5000nm、特に100nm〜3000nm、場合によっては100nm〜300nmまたは100nm〜200nmであり得る。粒径分布(d90−d10)/d50は、例えば、0.75〜2.5、好ましくは0.9〜2.25、より好ましくは0.95〜1.75である。本発明の驚異的な影響は、幾分広い粒径分が得られるときでさえ、良好な結果がしばしば見られることである。
一次粒子の粒径(即ち、非凝集粒子および凝集体内に含有される個別の粒子のものは、一次粒子が凝集体から識別されることを可能にする、走査電子顕微鏡法画像を検査することによって決定される。一次粒子の粒径は、例えば、50nm〜500nm、特に50〜300nm、またはいくつかの実施形態では100〜200nmであり得る。一般的に、より小さな一次粒子(50〜500nm、特に50〜300nmまたは100〜200nmなど)は、より良好な電気化学的特性と相関する傾向がある。それにも関わらず、場合によっては、光散乱法による測定粒径が5000nmに匹敵するような、一次粒子の著しい凝集が発生したときでさえ、非常に良好な電気化学的性能が見られる。
LMFPは、任意にドーパント金属イオンをドープしたリン酸マンガン鉄リチウムである。いくつかの実施形態におけるLMFP材料は、実験式(出発材料の量から決定される)LiMnFePOを有し、式中、Dは、該ドーパント金属であり、
aは、0.5〜1.5、好ましくは0.8〜1.2、より好ましくは0.9〜1.1、さらにより好ましくは0.96〜1.1の数であり、
bは、0.1〜0.9、好ましくは0.65〜0.85であり、
cは、0.1〜0.9、好ましくは0.15〜0.35であり、
dは、0.00〜0.03、いくつかの実施形態では0.01〜0.03であり、
b+c+dは、0.75〜1.25、好ましくは0.9〜1.1、より好ましくは0.95〜1.05、さらにより好ましくは0.95〜1.02であり、
a+2(b+c+d)は、2.75〜3.15、好ましくは2.85〜3.10、より好ましくは2.95〜3.15である。
本プロセスの終局において、濾過、遠心分離法、および同様のものなどの任意の簡便な液体−固体分離法を使用して、オリビンリン酸マンガン鉄リチウム粒子を共溶媒から分離することができる。この分離した固体を乾燥させ、残存する水および共溶媒を除去することができる。この乾燥は、昇温(例えば50〜250℃など)で行うことができ、好ましくは低大気圧下で行われる。この固体は、乾燥ステップ前に、共溶媒、水、水/共溶媒混合物、または共溶媒のための他の溶媒を用いて、所望の場合は1回以上洗浄され得る。
このプロセスにおいて生成されるオリビンLMFPは、様々な種類のリチウム電池における電極材料として、特に陰極材料として有用である。これは、任意の簡便な方法で、典型的には、それを結合剤とブレンドし、スラリーを形成し、それを電流コレクタ上に鋳込むことによって、電極内に配合され得る。電極は、例えば黒鉛、カーボンブラック、炭素繊維、カーボンナノチューブ、金属、および同様のものなどの、導電性材料の粒子および/または繊維を含有し得る。例えば、国際公開第2009/127901号に記載のボールミル製粉プロセスを使用するか、または、スクロースまたはグルコースなどの化合物と粒子を組み合わせ、化合物を熱分解するのに十分な温度で混合物をか焼することによって、黒鉛、カーボンブラック、および/または他の伝導性炭素と共に、オリビンLMFP粒子をナノ複合材料へと形成することができる。
したがって、好ましい態様では、本発明のLMFPは、伝導性炭素と共にナノ複合材料へと形成される。一般的に、そのようなナノ複合材料は、70〜99重量%のオリビンLMFP粒子、好ましくは75〜99重量%のそれ、および最大1〜30重量%、より好ましくは1〜25重量%の炭素を含有し得る。しかしながら、本発明の驚異的な利点は、本プロセスにおいて生成されたLMFPが、適正な電子伝導性を提供するために非常に少ない炭素が必要とされるように、十分に導電性であることである。したがって、特に好ましい実施形態では、ナノ複合材料は、94〜99重量%、さらにより好ましくは96〜99重量%、特に97〜99重量%のLMPF材料、および、1〜6重量%、さらにより好ましくは1〜4重量%、特に1〜3重量%の伝導性炭素と共に形成される。これらの量の炭素は、LMFP粒子の露出面全体を被覆するには不十分である場合が多い(BET法によって測定されたときに)が、非常に驚くべきことに、それにも関わらず非常に高い電子伝導性が見られる。そのようなナノ複合材料は、高い電力タップ密度ならびに高い電極密度を示すことが多い。
本発明のプロセスにおいて生成されるオリビンLMFPリン酸塩は、様々な放電率にわたって驚異的に高い比容量を示すことが多い。比容量は、C/10、1C、5C、10C、そして最終的に0.1Cの放電率を順番に使用して、Maccor 4000電気化学試験器または等価の電気化学試験器を使用する電気化学試験で、25℃で半電池を使用して測定される。いくつかの実施形態において本発明に従って生成されるリチウム遷移金属オリビンは、第1のC/10放電率において少なくとも130mAh/g、および1C放電率において少なくとも100mAh/gの比容量を示す。いくつかの実施形態では、比容量は、第1のC/10放電率において少なくとも135mAh/g、または少なくとも140mAh/g、そして1C放電率において少なくとも130mAh/gである。
そのような陰極を含有するリチウム電池は、任意の好適な設計を有してよい。そのような電池は、陰極に加え、陽極と、陽極と陰極との間に配置された分離子と、陽極および陰極と接触している電解質溶液と、を典型的に含む。電解質溶液は、溶媒およびリチウム塩を含む。
好適な陽極材料としては、例えば、天然または人工黒鉛、炭化ピッチ、炭素繊維、黒鉛化中間相マイクロスフェア、ファーネスブラック、アセチレンブラック、および様々な他の黒鉛化材料などの炭素質材料が挙げられる。好適な炭素質の陽極およびそれを構成するための方法は、例えば、米国特許第7,169,511号に記載されている。他の好適な陽極材料としては、リチウム金属、リチウム合金、チタン酸リチウムなどの他のリチウム化合物、ならびにTiO、SnO、およびSiOなどの金属酸化物が挙げられる。
分離子は、簡便には非伝導性材料である。これは、動作条件下で電解質溶液または電解質溶液の成分のいずれとも反応性もしくは可溶性であるべきではない。ポリマー分離子が一般的に好適である。分離子を形成するために好適なポリマーの例としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン−1、ポリ−3−メチルペンテン、エチレン−プロピレンコポリマー、ポリテトラフルオロエチレン、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリジメチルシロキサン、ポリエーテルスルホン、および同様のものが挙げられる。
電池電解質溶液は、少なくとも0.1モル/リットル(0.1M)、好ましくは少なくとも0.5モル/リットル(0.5M)、より好ましくは少なくとも0.75モル/リットル(0.75M)、好ましくは最大3モル/リットル(3.0M)、より好ましくは最大1.5モル/リットル(1.5M)のリチウム塩濃度を有する。リチウム塩は、例えばLiAsF、LiPF、LiPF(C)、LiPF(C、LiBF、LiB(C、LiBF(C)、LiClO、LiBrO、LiIO、LiB(C、LiCHSO、LiN(SO、およびLiCFSOなどのリチウム塩を含む、電池用途に好適な任意のものであり得る。電池電解質溶液中の溶媒は、例えば、炭酸エチルのような環式炭酸アルキレン、ジエチルカボネート、炭酸ジメチル、もしくは炭酸メチルエチルなどの炭酸ジアルキル、様々なアルキルエーテル、様々な環式エステル、様々なモノニトリル、グルタロニトリルなどのジニトリル、対称性もしくは非対称性スルホン、ならびにこれらの誘導体、様々なスルホラン、最大12個の炭素原子を有する様々な有機エステルおよびエーテルエステル、ならびに同様のものであるか、またはこれらを含み得る。
電池は、好ましくは二次(再充電可能)電池、より好ましくは二次リチウム電池である。そのような電池では、放電反応は、陽極から電解質溶液へのリチウムイオンの溶解または脱リチウム、および陰極へのリチウムイオンの同時発生的組み込みを含む。充電反応は、逆に、電解質溶液から陽極へのリチウムイオンの組み込みを含む。充電すると、陽極側でリチウムイオンが低減される。同時に、陰極材料内のリチウムイオンは電解質溶液中で溶解する。
本発明に従って作製された、オリビンLMFP粒子を含む陰極を含有する電池は、電動車両、ハイブリッド電動車両、プラグイン型ハイブリッド電動車両、航空宇宙車両および機器、電動自転車などの工業用途に使用され得る。本発明の電池はまた、例えば、とりわけコンピュータ、カメラ、ビデオカメラ、携帯電話、PDA、MP3および他の音楽プレーヤー、ツール、テレビ、玩具、ビデオゲームプレーヤー、家庭用器具、ペースメーカーおよび除細動器などの医療装置などの、多数の電気および電子装置を操作するために有用である。
以下の実施例は、本発明を例示するために提供されるが、その範囲を制限することを意図するものではない。別段の指示がない限り、全ての部分および割合は重量を単位とする。
実施例1〜8ならびに比較試料AおよびB
実施例1〜8ならびに比較試料AおよびBを、以下の一般的手順に従って作製する。濃縮されたリン酸を、脱酸素水で希釈する。MnSO・HOおよびFeSO・7HOを、25℃のリン酸溶液中で経時的に溶解させる。マンガンと鉄とのモル比は0.76:0.24であり、リン酸と組み合わせたマンガンと鉄とのモル比は1:1である。次に、以下の表1に指示した通りの量で、結果としてもたらされる前駆体溶液にジエチレングリコールを添加する。結果としてもたらされる溶液を95℃に加熱し、水酸化リチウムの水溶液を撹拌しながら急速に添加する。リチウムとリン酸とのモル比は3:1である。それぞれの場合におけるリン酸の濃度を表1に提示する。水酸化リチウム溶液を添加すると直ちに沈降物が形成する。一定の撹拌と共に、窒素雰囲気下で5時間にわたって、結果としてもたらされるスラリーを加熱還流する(ジエチレングリコール濃度に依存して101℃〜110℃)。加熱ステップを完了した後、スラリーを冷却し、固体を洗浄して遠心分離し、共溶媒および副生成物を除去する。
この湿性ケーキを脱気水中に再懸濁する。グルコースとスクロースとの溶液を添加し、スラリーを窒素雰囲気中で噴霧乾燥し、乾燥した固体を700℃で2時間にわたってか焼する。このように形成された生成物は、2重量%の炭素を含有する。
93重量部の炭素コーティングLMFP粒子、1部の炭素繊維、1部のSUPER P伝導性カーボンブラック、および5部のポリビニリデンフッ化物を混合し、この混合物を電極に形成することによって、電極を作製する。25℃のMaccor電気化学試験器で、半電池の電気化学試験を行う。比容量を表1に記載する。
比較試料Aは、低濃度の共溶媒および前駆体材料の両方を使用することの影響を例示する。広い粒径分布を有する、幾分大きな一次粒子が形成される。全ての放電率において比容量は非常に低い、共溶媒濃度が50%に上昇すると(実施例1)、粒径は低下し、粒径分布はより緊密になり、電気化学的性能は数倍高くなる。共溶媒濃度が高いとき(実施例2)、前駆体の濃度が水/共溶媒混合物1リットル当たり0.25モルであるときに、さらにより良好な結果が得られる。
実施例3〜8にあるように、前駆体の濃度がより高いとき、より低い共溶媒濃度において非常に良好な結果が得られる。実施例4および5は、特に良好な結果を示す。実施例5は、大きな凝集体および広い粒径分布の存在にも関わらず比容量が非常に高いという点で、特に注目に値する。実施例7および比較試料Bは共に、共溶媒濃度の下限が約25重量パーセントであり、実施例7の性能が他の実施例ほど良好ではなく、粒径および粒径分布が非常に大きいことを示す。共溶媒濃度が20%に減少すると、比較試料Bにあるように、乏しい電気化学的性能を有する非常に大きな粒子が得られる。

Claims (17)

  1. オリビンリン酸マンガン鉄リチウム粒子を作製するための共沈法であって、
    a)水溶性鉄前駆体と、水溶性マンガン前駆体と、リン酸と、任意に水溶性ドーパント金属前駆体との溶液を、水とアルコール共溶媒との混合物中で形成するステップであって、
    a−1)前記溶液中の鉄とマンガンとのモル比が0.1:0.9〜0.9:0.1であり、
    a−2)前記ドーパント金属が、鉄、マンガン、および前記ドーパント金属の合計モルに基づいて、最大3モル%の量で存在し、
    a−3)リン酸と組み合わせた鉄、マンガン、およびドーパント金属のモル比が0.75:1〜1.25:1である、ステップと、
    b)少なくとも80℃の温度で、水酸化リチウムの水溶液、または水と前記アルコール共溶媒との混合物を、ステップaにおいて形成された前記溶液に添加するステップであって、
    b−1)リチウムとリン酸イオンとのモル比が2.5〜3.5:1であり、
    b−2)前記水酸化リチウム溶液の添加後、前記混合物が、水/共溶媒混合物1リットル当たり0.1〜0.8モルのリン酸イオンを含有し、
    b−3)前記水酸化リチウム溶液の前記添加後の水と共溶媒との重量比が20:80〜75:25であるが、但し、前記混合物が、水/共溶媒混合物1リットル当たり0.2モル以下のリン酸イオンを含有するとき、前記水酸化リチウム溶液の前記添加後の水と共溶媒との前記重量比が20:80〜60:40であることを条件とするような量で添加する、ステップと、
    c)結果としてもたらされる溶液を、少なくとも100℃から最大で前記溶液の沸騰温度までの温度に加熱して、前記オリビンリン酸マンガン鉄リチウムを形成するステップと、を含む、方法。
  2. 前記共溶媒が、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、テトラプロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、最大約1000の分子量を有するポリアルキレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、2−メトキシエタノール、および2−エトキシエタノールのうちの1つ以上である、請求項1に記載の方法。
  3. 前記共溶媒がジエチレングリコールである、請求項2に記載の方法。
  4. 前記オリビンリン酸マンガン鉄リチウムが、500nm〜5000nmの測定されたd50粒径、および0.75〜2.5の粒径分布(d90−d10)/d50を有する、請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
  5. 前記オリビンリン酸マンガン鉄リチウムが、50〜300nmの一次粒径を有する、請求項1〜4のいずれかに記載の方法。
  6. 鉄とマンガンとの前記モル比が0.15:0.85〜0.35:0.65である、請求項1〜5のいずれかに記載の方法。
  7. リン酸と組み合わせた鉄、マンガン、およびドーパント金属の前記モル比が0.95〜1.02:1である、請求項1〜6のいずれかに記載の方法。
  8. 水と共溶媒との前記重量比が55:45〜20:80であり、リン酸イオンの濃度が、水/共溶媒混合物1リットル当たり0.1〜0.25モルのリン酸イオンである、請求項1〜7のいずれかに記載の方法。
  9. 水と共溶媒との前記重量比が70:30〜55:45であり、リン酸イオンの前記濃度が、水/共溶媒混合物1リットル当たり0.35〜0.5モルのリン酸イオンである、請求項1〜7のいずれかに記載の方法。
  10. 前記オリビンリン酸マンガン鉄リチウムLMFP材料が、実験式LiMnFePOを有し、式中、Dが、前記ドーパント金属であり、
    aが、0.5〜1.5の数であり、
    bが、0.1〜0.9であり、
    cが、0.1〜0.9であり、
    dが、0.00〜0.03であり、
    b+c+dが、0.75〜1.25であり、
    a+2(b+c+d)が、2.75〜3.15である、請求項1〜9のいずれかに記載の方法。
  11. 前記オリビンリン酸マンガン鉄リチウムLMFP材料が、実験式LiMnFePOを有し、式中、Dが、前記ドーパント金属であり、
    aが、0.96〜1.1の数であり、
    bが、0.65〜0.85であり、
    cが、0.15〜0.35であり、
    dが、0.00〜0.03であり、
    b+c+dが、0.95〜1.02であり、
    a+2(b+c+d)が、2.95〜3.15である、請求項1〜9のいずれかに記載の方法。
  12. 前記オリビンリン酸マンガン鉄リチウムを、伝導性炭素と共にナノ複合材料へと形成することをさらに含む、請求項1〜11のいずれかに記載の方法。
  13. 前記ナノ複合材料が、94〜99重量%の前記オリビンリン酸マンガン鉄リチウム、および1〜6重量%の伝導性炭素を含有する、請求項12に記載の方法。
  14. 前記ナノ複合材料が、97〜99重量%の前記オリビンリン酸マンガン鉄リチウム、および1〜3重量%の伝導性炭素を含有する、請求項12に記載の方法。
  15. 前記水溶性鉄前駆体が硫酸鉄(II)であり、前記水溶性マンガン前駆体が硫酸マンガン(II)である、請求項1〜14のいずれかに記載の方法。
  16. 請求項1〜15のいずれかに記載の方法の生成物を含む、電池陰極。
  17. 陽極と、請求項16に記載の電池陰極と、前記陽極と陰極との間に配置された分離子と、少なくとも1つのリチウム塩を含有する電解質溶液と、を含む、リチウム電池。
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