JP2016507421A - 保護防水シートシステムを備えた自動車両 - Google Patents
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Abstract
Description
防水シートは、後ろから前までの自動車両を覆うように延びる全長方向を長手方向と定義する。すなわち、防水シートは、自動車両を後から前まで覆うために長手方向に伸ばされ、また、その反対に長手方向の前から後ろに引き込んで収納される。
自動車両の保護防水シートは、古くから存在してきた。
一番シンプルなモデルは、少なくとも自動車両の一部分を覆うように、折り目を伸ばして自動車両の上部を越えて引き出される柔軟性を有する防水シートのみを備えている。
そのような初歩的な保護防水シートのタイプでは、2つの欠点が見られる。
最初の欠点は、自動車両の上部を越えて防水シートを広げる際におけるカバー操作にある。防水シートを自動車両上に正しく位置付けるために、自動車両の回りを何度も通過する必要がある。
格納上の欠点は、格納位置において保護防水シートを巻き取る巻き取りドラムを使用する、より複雑な保護防水シートシステムによって、部分的に解決されている。
しかしながら、巻き取りドラムがあっても、従来の防水シートシステムでは、自動車両を防水シートで覆う操作に関する問題が解決されていない。未だ、防水シートの自由端を引っ張って、自動車両の上部を覆うような適当な方法で柔軟性を有する防水シートを引き延ばすために動き回らなければならない。
また、従来技術において、特許文献1が知られている。この文献には、例えば、金属製の帯状部材(strip)や膨らませたホースのような形式の補強部材を有する防水シートを備えた保護システムが開示されている。
巻き取り機に装着された牽引ケーブルによって、防水シートを適切な位置に配する操作の際、防水シートを引っ張ることが可能になる。
しかし、補強部材は、防水シートの厚みを増すため、結果として、特に巻き取りの場合には、効果的でなくなる。
本発明の別の目的は、防水シートを取り外す作業を阻害したり、複雑化することなく、防水シートで自動車両を覆う作業をより容易にして自動化することである。
別の目的は、防水シートシステムをできるだけ自動車両内部に設けることである。
ここで、「外側ボディ」の用語は、自動車両の外側表面、特に、ボンネット、フェンダ、ルーフおよび/または、後部のトランクルームもしくはテールゲートを含む意味である。
有利な構成として、前記牽引要素は、柔軟性を有する。
牽引要素は、ヒンジでつないで連結された複数の別個の強磁性体の小片からなるようにしても構わない。変形例として、牽引要素は、強磁性体材料からなるワイヤーを編み込んでなる柔軟性を有する織物で形成されるようにしてもよい。
実際的な実施の形態として、移動可能磁石は、牽引ケーブルを介して、有利にはフロントバンパーに配置されている、巻き取り機に接続されているとしてもよい。
また、有利な構成として、前記移動可能磁石は、牽引要素が巻き取りドラムに巻き取られる間、牽引ケーブルが緩められ、あるいはその張力が小さくなって、牽引要素に追随して移動するようにしてもよい。
本発明の他の有利な態様として、自動車両は、前記移動可能磁石が移動する案内通路を備え、案内通路は、外側ボディの内側であって、当該外側ボディに近接して延びていることを特徴としてもよい。
磁界を良好に伝えることができるようにするため、外側ボディは、非強磁性体であり、有利には、アルミニウムもしくは樹脂または複合材料からなる。
本発明に係る他の有利な特徴によれば、前記防水シートは、光電池に覆われた領域を含むことを特徴とする。
本発明の他の有利な態様として、前記防水シートが、前記領域のどちらかの側方に、自動車両の側面を覆うための柔軟性を有するサイドフラップ部を形成しているとしてもよい。
例として、強磁性体の挿入部材は、防水シートの縁に沿って延びる帯状部材であってもよい。固定磁石は、永久磁石であっても電磁石であってもよい。
本発明の他の有利な態様として、前記外側ボディは、防水シートを加熱するためのヒーター手段を含む。
ヒーター手段により、外側ボディの温度を氷点より上に保つことができ、防水シートを巻き取ることが可能となる。加えて、自動車両は、快い温度に維持され、もはや防氷装置を施す必要もなくなる。もちろん、ヒーター手段は、防水シート上の光電池から電力の供給を受けるようにしてもよい。
長手方向の牽引経路に沿って外側ボディの内側を移動する一またはそれ以上の磁石の使用によって、この目的を達成することが可能となる。
本発明は、本発明の2つの実施の形態を非限定的な例によって示す添付の図面を参照して、さらに十分に説明される。
本発明に係る防水シートシステムは、他のオプション的な移動可能な対象や、さらには人工池やスイミングプールなどの構造物さえ覆うために使用することも可能である。
本発明を説明するために使用される図1〜図6において、防水シートシステムは、自家用タイプの自動車両に組み込まれている。
また、図1に見て取れるように、自動車両Vは、リアバンパーRと外側ボディEと、フロントバンパーFを備える。
本発明に係る防水シートシステムによって少なくとも一部分が覆われる自動車両Vの外側ボディは、後部のテールゲート(tailgate:後部扉)もしくはトランクルーム、ルーフ(roof)、ボンネット、ドア、およびフェンダ(fender:泥よけ)、リアバンパー、フロントバンパーとからなる。
本発明に係る防水シートシステムは、リアバンパーR内に配置された防水シートの巻き取り・巻き出し手段と、巻き取り・巻き出し手段に係合している防水シートと、フロントバンパーF内に配置されている巻き取り機と、牽引ケーブル41を介してフロントバンパーFの巻き取り機に接続されている少なくとも一つの移動可能な磁石4とを備える。
回転ドラム2は、巻き取った防水シートを受け入れるのに十分な内部スペースを形成するケーシング21内に収納されている。
図5に示すように巻き取り・巻き出し手段には、2本のブラシローラー23をわずかな隙間を介して平行に保持する突起(lug)22が設けられている。
ケーシング21の出口において、防水シートが、特に巻き取られる際に、2本のブラシローラー23の間を通過して清掃される。
注意すべきは、細長い穴25は、自動車の外側ボディの間近に配されていることである。そのため、リアバンパーRから取り出される際に、防水シート1は外側ボディに近接して配されることになる。
本発明に係る防水シート1は、図6により見て取ることができる。
防水シート1は、厚みが小さくて柔軟性を有するフィルムもしくはシートから形成することができる。多数の材料、特に、樹脂材料が、本発明に係る防水シート1を形成するのに適している。
防水シート1は、有利には光電池15を備えた長手方向に延びる中央領域14を含むことが望ましい。光電池15は、太陽光で十分効果を発揮するが、陰であっても最小光量さえあれば、発電効果を得ることができる。
防水シート1は、その中央領域14のどちらかのサイドに、フラップ部16を形成する。このフラップ部16は、光電池15が設けられている中央領域14よりも柔軟である。柔軟なフラップ部16は、自動車の側部、特にフェンダとドアを覆うためのものである。
防水シート1は、2本の突起22の間で、回転ドラム2に接続される接続エッジ部11を含む。なお、中央領域14の幅は、実質的に2本の突起22の幅と対応している。
したがって、中央領域14は、回転ドラム2の突起22の間の部分に巻かれ、一方、柔軟なフラップ部16は、回転ドラム2の突起22より外側の部分に巻かれる。
しわが発生するのを防止するため、ローラー式のブラインド(blind:日よけ)のように回転ドラム2の回りに中央領域14を巻くのが有利である。フラップ部16には、しわが発生しても実際には問題はない。それらは大変柔軟だからである。
各牽引要素13は、鉄やニッケル、コバルトのような強磁性体材料を含む。牽引要素13は、複数個の独立した剛性の高い小片が、ヒンジで繋がれた状態(in hinged manner)となって形成されている。
各牽引要素13は、防水シート1の一定の幅に亘って、延びていてもよい。
完全に巻き取られた格納位置においては、牽引要素13は、丁度リアバンパーRの細長い穴25の下方であって、2つのブラシローラー23の間に位置し保持される。
例として、強磁性体の挿入部材17は、防水シート1の周囲の縁に縫い合わされた連続する強磁性体の帯状部材(strip)の形をとってもよい。
帯状部材は、外側ボディに対して、自動車の土台の部分で押し付けられるようにして保持される。当該土台には、永久磁石もしくは電磁石からなる固定磁石が設けられている。
巻き取り機は、フロントバンパーFにおいて、回転ドラム2と平行に配された回転シャフト5を有する。回転シャフト5は、モーター6によって軸回りに回転駆動される。
2本の牽引ケーブル41が設けられ、それぞれの一方の端部が回転シャフト5に固定され、反対側の端部において、それぞれ移動可能な磁石4を有している。各磁石4は、一連の複数の磁石の小片を繋いで構成される。
案内通路42は、望ましくは、外側ボディEの外表面からの距離が減少するように外側ボディEの裏面にプレス加工されてなる。
移動可能な磁石4は、牽引ケーブル41をモーター6によって駆動される回転シャフト5に巻き付けることにより、案内通路42内を移動する。
牽引要素13は、細長い穴25を通ってリアバンパーRを離れ、移動可能磁石4に引き付けられて、その結果外側ボディEに押し付けられる。
したがって、防水シート1は、移動可能な磁石4に追随して移動する。牽引ケーブル41によって移動可能磁石4を案内通路42内で牽引すると、防水シート1が引き出され、外側ボディEに押し付けられた状態を保持しつつ、移動可能磁石4によって長手方向に案内されるように、モーター3、6が、調和の取れた状態で、例えば、自動制御部(不図示)によって駆動される。
光電池15が、自動車両Vの上部に配置され、サイドのフラップ部16が自動車両Vの側面を囲んだ状態で、自動車両Vは、完全に防水シート1により覆われる。
防水シート1を取り除く操作の間は、牽引要素13が移動可能磁石4との磁力的な係合を維持するように、モーター3、6が調和した状態で駆動される。このため、回転シャフト5は、牽引ケーブル41に、全く、もしくはほとんど張力のない状態を維持するように駆動されなければならない。
一旦、防水シート1の取り除き操作が完了すると、防水シート1は、図5に示されるような形状に戻る。
これにより、防水シート1が霜や雪に覆われない状態で回転ドラム2に巻き取ることができる。
また、ヒーター手段Hは、車内の運転室を快適な温度に維持することを可能にする。
中央領域14の光電池15は、少なくともヒーター手段Hに必要なエネルギーの一部分を提供することができる。
本発明は、2つの移動可能磁石4、2つの牽引要素13、および2本の牽引ケーブル41を使用した実施の形態によって説明された。しかしながら、磁石4が単一である場合や、反対に2個を越える場合であってもよい。
Claims (10)
- 自動車などの自動車両(V)であって、リアバンパー(R)とフロントバンパー(F)間の全長方向に延びる長手方向(L)が定義されており、
実質的に一方のバンパーから他方のバンパーまで延び、土台(C)から始まる外側ボディ(E)と、
自動車両(V)の外側ボディ(E)の少なくとも一部を覆って保護するための柔軟性を有する防水シートを備えた保護防水シートシステムとを備え、
保護防水シートシステムは、有利には、自動車両(V)のリアバンパー(R)に組み込まれた、巻き取りドラム(2)を備え、
防水シート(1)は、巻き取り格納位置と巻き出し位置との間で、巻き取りドラム(2)に巻き取り可能であって、巻き取りドラム(2)に固定された接続エッジ部(11)と、その反対側にある自由端エッジ部(12)とを含み、
防水シート(1)の自由端エッジ部(12)は、強磁性材料からなる少なくとも一つの牽引要素(13)を含み、
自動車両(V)は、長手方向(L)に延びる牽引経路に沿って外側ボディ(E)の内側を移動する少なくとも一つの移動可能磁石(4)を含み、
移動可能磁石(4)は、外側ボディ(E)を介して、防水シート(1)の牽引要素(13)を磁力で引き付け、防水シート(1)の牽引要素(13)を牽引経路に沿って移動させて、防水シート(1)を外側ボディ(E)上にスライドさせることにより、巻き出し位置まで防水シート(1)を引き出してくる
ことを特徴とする自動車両。 - 前記牽引要素(13)は、柔軟性を有する
ことを特徴とする請求項1に記載の自動車両。 - 前記移動可能磁石(4)は、牽引ケーブル(41)を介して、有利にはフロントバンパー(F)に配置されている、巻き取り機(5、6)に接続されている
ことを特徴とする請求項1または2に記載の自動車両。 - 前記移動可能磁石(4)は、牽引要素(13)が巻き取りドラム(2)に巻き取られる間、牽引ケーブル(41)が緩められ、あるいはその張力が小さくなって、牽引要素(13)に追随して移動する
ことを特徴とする請求項3に記載の自動車両。 - 前記移動可能磁石(4)が移動する案内通路(42)を含み、案内通路(42)は、外側ボディ(E)の内側であって、当該外側ボディ(E)に近接して延びている
ことを特徴とする請求項1から4までのいずれかに記載の自動車両。 - 前記外側ボディ(E)は、非強磁性体であり、有利には、アルミニウムもしくは樹脂または複合材料からなる
ことを特徴とする請求項1から5までのいずれかに記載の自動車両。 - 前記防水シート(1)は、光電池(15)に覆われた領域(14)を含む
ことを特徴とする請求項1から6までのいずれかに記載の自動車両。 - 前記防水シート(1)は、前記領域(14)のどちらかの側方に、自動車両(V)の側面を覆うための柔軟性を有するサイドフラップ部(16)を形成している
ことを特徴とする請求項7に記載の自動車両。 - 各柔軟性を有するサイドフラップ部(16)を外側ボディ(E)に押し付けるため、サイドフラップ部(16)は、少なくとも一つの強磁性体の挿入部材(17)を含み、自動車両(V)は、土台に近接する位置に固定磁石(M)を含む
ことを特徴とする請求項8に記載の自動車両。 - 前記外側ボディ(E)は、防水シート(1)を加熱するためのヒーター手段を含む
ことを特徴とする請求項1から9までのいずれかに記載の自動車両。
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