JP2016506961A - スピロラクタム系nmda受容体モジュレーターおよびその使用 - Google Patents

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Abstract

NMDA受容体の活性を調節する効力が増強された化合物が開示される。このような化合物は、うつ病および関連する障害などの病態の治療に使用することが企図される。このほか、経口投与可能な製剤および静脈内製剤を含めたその他の薬学的に許容される送達形態の化合物が開示される。

Description

(関連出願の相互参照)
本願は、2013年1月29日に出願された米国仮特許出願第61/757,939号の利益を主張するものであり、前述出願はその全体が参照により組み込まれる。
N−メチル−d−アスパラギン酸(NMDA)受容体は、特に興奮性アミノ酸のグルタミン酸およびグリシンならびに合成化合物のNMDAに応答する後シナプスイオンチャネル型受容体である。NMDA受容体は、受容体と会合したチャネルを介して二価および一価両方のイオンの後シナプス神経細胞への流入を制御する(Fosterら,Nature 1987,329:395−396;Mayerら,Trends in Pharmacol.Sci.1990,11:254−260)。NMDA受容体は、発生の過程でニューロン構造およびシナプス接続の指定に関与すると考えられており、経験依存的シナプス修飾に関与している可能性がある。さらに、NMDA受容体は長期増強および中枢神経系障害にも関与すると考えられている。
NMDA受容体は、記憶獲得、記憶保持および学習などの多くの高次認知機能の根底にあるシナプス可塑性のほか、ある特定の認知経路および疼痛の知覚に大きな役割を果たしている(Collingridgeら,The NMDA Receptor,Oxford University Press,1994)。さらに、NMDA受容体のある特定の特性から、それが意識自体の根底にある脳の情報処理に関与している可能性が示唆される。
NMDA受容体は、多岐にわたるCNS障害に関与していると思われることから特に注目を集めてきた。例えば、脳卒中または外傷によって脳虚血状態になると、損傷を受けるか酸欠状態になったニューロンから過剰量の興奮性アミノ酸のグルタミン酸が放出される。この過剰なグルタミン酸がNMDA受容体と結合してそのリガンド依存性イオンチャネルが開き、次いでカルシウム流入により細胞内カルシウムが上昇して生化学的カスケードが活性化され、タンパク質変性および細胞死が生じる。この現象は興奮毒性として知られ、ほかにも、低血糖および心停止から癲癇に及ぶ他の障害による神経学的損傷に関与すると考えられている。さらに、ハンチントン病、パーキンソン病およびアルツハイマー病の慢性神経変性にも同様に関与することを示す予備的報告がある。NMDA受容体の活性化が脳卒中後の痙攣に関与することが示されており、また癲癇のある特定のモデルでは、発作の発生にNMDA受容体の活性化が必要であることが示されている。このほか、動物用麻酔薬のPCP(フェンシクリジン)によりNMDA受容体Ca++チャネルを遮断すると、ヒトに統合失調症に似た精神病的状態を引き起こすことから、NMDA受容体の神経精神医学的関与が認められている(Johnson,K.およびJones,S.,1990で概説されている)。さらに、NMDA受容体はある特定の種類の空間学習にも関与すると考えられている。
NMDA受容体は、後シナプス膜に埋め込まれている複数のタンパク質からなると考えられている。これまでに発見されたサブユニットのうち最初の2種類が、アロステリック結合部位の大部分を含むと考えられる大きな細胞外領域、Ca++透過性の小孔またはチャネルを形成するようループを形成し折り畳まれた複数の膜貫通領域およびカルボキシル末端領域を形成している。様々なリガンドが細胞外表面に存在するタンパク質のドメイン(アロステリック部位)と結合することによってチャネルの開閉が調節される。このリガンドの結合がタンパク質の構造全体のコンホメーション変化に影響を及ぼし、最終的にはチャネルが開くか、部分的に開くか、部分的に閉じるか、閉じるかに反映される。
NMDA受容体化合物は、アロステリック部位を介してNMDA受容体に二重の(アゴニスト/アンタゴニスト)作用を及ぼす。このような化合物は通常、「部分アゴニスト」と呼ばれる。主要部位リガンドが存在する場合、部分アゴニストがそのリガンドの一部に取って代わり、受容体のCa++流量を減少させる。主要部位リガンドが存在しないか、それが低下した場合、部分アゴニストは受容体チャネルのCa++流量を増加させるように作用する。
当該技術分野では、NMDA受容体のグリシン結合部位と結合することができ、医薬品としての有益性が得られる、新規でより特異的/強力な化合物が依然として必要とされている。さらに医療分野では、経口送達可能な形態のこのような化合物が依然として必要とされている。
本明細書の少なくとも一部には、NMDAモジュレーターとなる化合物、例えば、NMDAの部分アゴニストが提供される。例えば、本明細書には式:
によって表される化合物ならびにその薬学的に許容される塩、立体異性体およびN−オキシドが開示され、式中、
bは、H、ハロゲン、ヒドロキシル、シアノおよびC1〜C6アルキルからなる群より選択され;
RはHまたはC1〜C6アルキルであり;
1はHまたはC1〜C6アルキルであり;
2はHまたはC1〜C6アルキルであり;
3は、H、C1〜C6アルキル、−OH、C1〜C6アルコキシ、−CO2Hまたは−CONR’R’からなる群より選択され、式中、存在するR’はそれぞれ、H、C1〜C6アルキルまたは窒素保護基から選択され;
XはHまたは−C1〜C6アルキレン−C(O)−X’であり、式中、X’は、C3〜C6シクロアルキル、O、SまたはNから選択されるヘテロ原子を1個、2個または3個有する4〜6員ヘテロシクロアルキル環、フェニルおよびO、SまたはNから選択されるヘテロ原子を1個、2個または3個有する4〜6員ヘテロアリール環からなる群より選択され、X’は任意選択で、ハロゲン、ヒドロキシル、C1〜C6アルキルおよびC1〜C6アルコキシからなる群より選択される1つまたは複数の置換基によって置換されており;あるいは
他の実施形態では、式(I)に記載される可変物は以下のように定義され得る:
bは、H、ハロゲン、ヒドロキシル、シアノおよびC1〜C6アルキルからなる群より選択され;
RはHまたはC1〜C6アルキルであり;
1はHまたはC1〜C6アルキルであり;
2はHまたはC1〜C6アルキルであり;
3は、H、C1〜C6アルキル、−OH、C1〜C6アルコキシ、−CO2Hまたは−CONR’R’からなる群より選択され、式中、存在するR’はそれぞれ独立して、H、C1〜C6アルキルまたは窒素保護基から選択され;
Xは、H、X’、−C1〜C6アルキレン−X’または−C1〜C6アルキレン−C(O)−X’であり、式中、X’は:
(i)C3〜C6シクロアルキル;
(ii)3〜6個の環原子を含むヘテロシクリルであって、環原子のうちの1個、2個または3個が独立して、N、NH、N(C〜Cアルキル)、OおよびSからなる群より選択されるヘテロシクリル;
(iii)フェニル;ならびに
(iv)5〜6個の環原子を含むヘテロアリールであって、環原子のうちの1個、2個または3個が独立して、N、NH、N(C〜Cアルキル)、OおよびSからなる群より選択されるヘテロアリール;
からなる群より選択され、
X’は任意選択で、ハロゲン、ヒドロキシル、C1〜C6アルキルおよびC1〜C6アルコキシからなる群より独立して選択される1つ、2つまたは3つの置換基によって置換されている。
別の態様では、開示される化合物は式:
によって表される化合物ならびにその薬学的に許容される塩、立体異性体およびN−オキシドを含み、式中、
bは、H、ハロゲン、ヒドロキシル、シアノおよびC1〜C6アルキルからなる群より選択され;
RはHまたはメチルであり;
1はHまたはメチルであり;
2はHまたはメチルであり;
3は、H、C1〜C6アルキル、−OH、C1〜C6アルコキシ、−CO2Hまたは−CONR’R’からなる群より選択され、式中、存在するR’はそれぞれ、H、C1〜C6アルキルまたは窒素保護基から選択され;
XはHまたは−C1〜C6アルキレン−C(O)−NRcdであり;
cおよびRdは、それらが結合している窒素とともに、O、SまたはNから選択される追加のヘテロ原子を有し得る4〜6員複素環を形成し;4〜6員複素環は任意選択で、ハロゲン、シアノ、オキソおよびC1〜C6アルキルからなる群より選択される1つまたは複数の置換基によって置換されていてよい。
本明細書にはほかにも、開示される化合物と、薬学的に許容される添加剤とを含む、薬学的に許容される組成物が提供される。例えば、このような組成物は、患者に経口投与または静脈内投与するのに適したものであり得る。
別の態様では、治療を必要とする患者の自閉症、不安症、うつ病、双極性障害、注意欠陥障害、注意欠陥多動障害(ADHD)、統合失調症、精神病性障害、精神病症状、社会的引きこもり、強迫性障害、恐怖症、心的外傷後ストレス症候群、行動障害、衝動制御障害、物質乱用障害、睡眠障害、記憶障害、学習障害、尿失禁、多系統萎縮症、進行性核上性麻痺、フリードリヒ運動失調症、ダウン症候群、脆弱X症候群、結節性硬化症、オリーブ橋小脳萎縮症、脳性麻痺、薬物性視神経炎、虚血性網膜症、糖尿病性網膜症、緑内障、認知症、AIDS認知症、アルツハイマー病、ハンチントン舞踏病、痙攣、ミオクローヌス、筋攣縮、トゥレット症候群、癲癇、脳虚血、脳卒中、脳腫瘍、外傷性脳損傷、心停止、脊髄症、脊髄損傷、末梢性ニューロパチー、急性神経因性疼痛および慢性神経因性疼痛からなる群より選択される病態を治療する方法が提供される。このような方法は、患者に薬学的有効量の開示される化合物またはその薬学的に許容される塩、立体異性体、N−オキシドおよび水和物を投与することを含み得る。
いくつかの実施形態では、企図される方法はうつ病の治療を含む。例えば、うつ病は、大うつ病性障害、気分変調性障害、精神病性うつ病、産後うつ病、季節性感情障害、双極性障害、気分障害または慢性の医学的状態を原因とするうつ病のうちの1つまたは複数を含み得る。他の実施形態では、企図される方法は統合失調症を治療するものであり得る。このような統合失調症は、例えば、妄想型統合失調症、解体型統合失調症、緊張型統合失調症、未分化型統合失調症、残遺型統合失調症、統合失調症後抑うつまたは単純型統合失調症であり得る。
本開示は概略的には、NMDAを調節することができる化合物、例えば、NMDAアンタゴニストもしくは部分アゴニストならびに本開示の化合物を用いる組成物および/または方法に関する。
定義
「治療(すること)」は、病態、疾患、障害などの改善をもたらす任意の効果、例えば、緩和(すること)、軽減(すること)、調節(すること)または消失(させること)を包含する。
本明細書で使用される「アルケニル」という用語は、例えば、本明細書ではそれぞれC2〜C6アルケニルおよびC3〜C4アルケニルと呼ばれる、炭素原子が2〜6個または3〜4個の直鎖状または分岐鎖状の基のような、炭素間二重結合を少なくとも1つ有する不飽和の直鎖状または分岐鎖状炭化水素を指す。例示的なアルケニル基としては、特に限定されないが、ビニル、アリル、ブテニル、ペンテニルなどが挙げられる。
本明細書で使用される「アルコキシ」という用語は、酸素と結合した直鎖状または分岐鎖状アルキル基(アルキル−O−)を指す。例示的なアルコキシ基としては、特に限定されないが、本明細書ではそれぞれC1〜C6アルコキシおよびC2〜C6アルコキシと呼ばれる、炭素原子が1〜6個または2〜6個のアルコキシが挙げられる。例示的なアルコキシ基としては、特に限定されないが、メトキシ、エトキシ、イソプロポキシなどが挙げられる。
本明細書で使用される「アルケニルオキシ」という用語は、酸素と結合した直鎖状または分岐鎖状アルケニル基(アルケニル−O)を指す。例示的なアルケノキシ基としては、特に限定されないが、炭素原子が3〜6個のアルケニル基を有する基(例えば、C3〜C6アルケニルオキシとも呼ばれる)が挙げられる。例示的な「アルケノキシ」基としては、特に限定されないが、アリルオキシ、ブテニルオキシが挙げられる。
本明細書で使用される「アルキニルオキシ」という用語は、酸素と結合した直鎖状または分岐鎖状アルキニル基(アルキニル−O)を指す。例示的なアルキニルオキシ基としては、特に限定されないが、C3〜C6アルキニルオキシ、例えばプロピニルオキシが挙げられる。
本明細書で使用される「アルキル」という用語は、飽和直鎖状または分岐鎖状炭化水素、例えば、本明細書ではそれぞれC1〜C6アルキル、C1〜C4アルキルおよびC1〜C3アルキルと呼ばれる炭素原子が1〜6個、1〜4個または1〜3個の直鎖状または分岐鎖状の基などを指す。例示的なアルキル基としては、特に限定されないが、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、2−メチル−1−プロピル、2−メチル−2−プロピル、2−メチル−1−ブチル、3−メチル−1−ブチル、3−メチル−2−ブチル、2,2−ジメチル−1−プロピル、2−メチル−1−ペンチル、3−メチル−1−ペンチル、4−メチル−1−ペンチル、2−メチル−2−ペンチル、3−メチル−2−ペンチル、4−メチル−2−ペンチル、2,2−ジメチル−1−ブチル、3,3−ジメチル−1−ブチル、2−エチル−1−ブチル、ブチル、イソブチル、t−ブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、ヘキシルなどが挙げられる。本明細書で使用される「ハロアルキル」という用語は、アルキル基の1つまたは複数の水素原子が1つまたは複数の独立して選択されるハロゲンに置き換わった、飽和直鎖状または分岐鎖状アルキル基を指す。「ハロアルキル」という用語は、アルキル基の全部の水素原子が独立して選択されるハロゲンに置き換わったアルキル基(「ペルハロ」アルキル基と呼ばれることもある)を包含する。例示的なハロアルキル基としては、特に限定されないが、CH2F、CH2CH2Cl、CF3、CHFCH2Clが挙げられる。
本明細書で使用される「アルキニル」という用語は、炭素間三重結合を少なくとも1つ有する不飽和直鎖状または分岐鎖状炭化水素、例えば、本明細書ではそれぞれC2〜C6アルキニルおよびC3〜C6アルキニルと呼ばれる炭素原子が2〜6個または3〜6個の直鎖状または分岐鎖状の基などを指す。例示的なアルキニル基としては、特に限定されないが、エチニル、プロピニル、ブチニル、ペンチニル、ヘキシニル、メチルプロピニルなどが挙げられる。
本明細書で使用される「架橋シクロアルキル」という用語は、隣接しない2つの原子がCH2またはCH2CH2基によって連結されている単環式4〜7員シクロアルキル基と定義される。「架橋シクロアルキル」は1つまたは複数のフェニル環、部分不飽和環または飽和環と融合していてもよい。架橋炭素環基の例としては、特に限定されないが、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン、ビシクロ[2.2.2]オクタン、ビシクロ[2.2.2]オクテンなどが挙げられる。
本明細書で使用される「カルボニル」という用語はラジカル−C(O)−を指す。本明細書で使用される「シアノ」という用語はラジカル−CNを指す。「ニトロ」という用語はラジカル−NO2を指す。「H」という用語は水素を指す。
本明細書で使用される「シクロアルコキシ」という用語は、酸素と結合したシクロアルキル基(シクロアルキル−O−)を指す。
本明細書で使用される「シクロアルキル」という用語は、例えば、本明細書では例えば「C36シクロアルキル」または「C46シクロアルキル」と呼ばれ、シクロアルカンから誘導される、炭素が3〜6個または4〜6個の単環式飽和または部分不飽和炭化水素基を指す。例示的なシクロアルキル基としては、特に限定されないが、シクロヘキシル、シクロヘキセニル、シクロペンチル、シクロブチル、シクロプロピルまたはシクロペンチルが挙げられる。
本明細書で使用される「ハロ」または「ハロゲン」という用語は、F、Cl、BrまたはIを指す。
本明細書で使用される「ヘテロアリール」という用語は、1個または複数個のヘテロ原子、例えば、窒素、酸素および硫黄などの1〜3個のヘテロ原子を含む単環式芳香族4〜6員環系を指す。可能な場合、該ヘテロアリール環は、隣接するラジカルと炭素または窒素を介して結合していてもよい。ヘテロアリール環の例としては、特に限定されないが、フリル、チエニル、ピロリル、チアゾリル、オキサゾリル、イソチアゾリル、イソオキサゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、トリアゾリル、オキサジアゾリル(例えば、1,2,4−オキサジアゾリルまたは1,3,4−オキサジアゾリル)、ピリジルおよびピリミジニルが挙げられる。
「ヘテロシクリル」または「複素環基」という用語は当該技術分野で認められているものであり、窒素、酸素および硫黄などのヘテロ原子を1〜3個含む飽和または部分不飽和4〜7員環構造を指す。複素環は、1つまたは複数のフェニル環、部分不飽和環または飽和環と融合していてもよい。ヘテロシクリル基の例としては、特に限定されないが、ピロリジニル、ピペリジニル、モルホリノ、チオモルホリノおよびピペラジニルが挙げられる。
本明細書で使用される「ヘテロシクリルアルコキシ」という用語はヘテロシクリル−アルキル−O−基を指す。
「ヘテロシクリルオキシアルキル」という用語はヘテロシクリル−O−アルキル−基を指す。
「ヘテロシクロキシ」という用語はヘテロシクリル−O−基を指す。「シクロアルキルオキシ」という用語はシクロアルキル−O−基を指す。
「ヘテロアリールオキシ」という用語はヘテロアリール−O−基を指す。
本明細書で使用される「ヒドロキシ」および「ヒドロキシル」という用語はラジカル−OHを指す。
本明細書で使用される「オキソ」という用語はラジカル=Oを指す。
「窒素保護基」または「アミノ保護基」という用語は当該技術分野で認められているものであり、本明細書で使用される場合、アミノ(第一級または第二級)基の窒素原子と共有結合し、合成段階ではアミノ基の反応性を一時的に遮断し、合成段階が終了すると選択的に除去される化学的部分を指す。窒素保護基としては、例えば、9−フルオレニルメチルオキシカルボニル(Fmoc)、tert−ブトキシカルボニル(Boc)、カルボベンジルオキシカルボニル(Cbz)、p−メトキシベンジルオキシカルボニル、アセチル、トリフルオロアセチル、ベンゾイル、フタルイミド、ベンジル(Bn)、p−メトキシベンジル、p−メトキシフェニル、3,4−ジメトキシベンジル、トリフェニルメチル、ベンジリデンおよびp−トルエンスルホニル(Ts)が挙げられる。いくつかの実施形態では、窒素保護基は、本明細書で定義される次の式:−C(O)OR31または−C(O)R32のいずれか一方を有し得る。ある特定の実施形態では、R31は、C1〜C6アルキル;C1〜C6ハロアルキル;C2〜C6アルケニル;C2〜C6アルキニル;任意選択で1〜3個の独立して選択されるC1〜C3アルキルで置換されている、C3〜C10シクロアルキル;C3〜C10シクロアルキルが任意選択で1〜3個の独立して選択されるC1〜C3アルキルで置換されている、−CH2−C3〜C10シクロアルキル;フェニルが任意選択で、C1〜C3アルキル、C1〜C3ハロアルキル、C1〜C3アルコキシ、C1〜C3ハロアルコキシ、ニトロ、ハロ、SO2Me、シアノおよび−OC(O)CH3から独立して選択される1〜2個の置換基で置換されている、−CH2−フェニル;ならびに−CH2−ピリジルからなる群より選択される。ある特定の実施形態では、R32は、H;C1〜C6アルキル;C1〜C6ハロアルキル;任意選択でC1〜C3アルキル、C1〜C3ハロアルキル、C1〜C3アルコキシ、C1〜C3ハロアルコキシ、ニトロ、ハロ、SO2Me、シアノおよび−OC(O)CH3から独立して選択される1〜2個の置換基で置換されているフェニル;ならびにピリジルからなる群より選択される。
本開示で使用される「部分NMDA受容体アゴニスト」という用語は一般に、NMDA受容体のグリシン結合部位に結合することができる化合物を指し、NMDA受容体アゴニストは、低濃度では実質的にアゴニストとして作用し、高濃度では実質的にアンタゴニストとして作用する。このような濃度はあらゆる「部分アゴニスト」について実験的に決定される。
「薬学的に許容される、または薬理学的に許容される」は、必要に応じて動物またはヒトに投与したときに有害反応、アレルギー反応、または他の不都合な反応を引き起こさない分子的実体および組成物を包含する。ヒトに投与する場合、製剤がFDA生物製剤局の基準で求められる無菌性、発熱原性、一般的安全性および純度に関する基準を満たさなくてはならない。
本明細書で使用される「薬学的に許容される担体」または「薬学的に許容される添加剤」という用語は、医薬品投与に適合するあらゆる溶媒、分散媒、コーティング剤、等張剤および吸収遅延剤などを指す。薬学的に活性な物質にこのような媒質および薬剤を使用することは当該技術分野で周知である。組成物はほかにも、補助的な、追加の、または増強された治療機能をもたらす他の活性化合物を含有し得る。
本明細書で使用される「医薬組成物」という用語は、1つまたは複数の薬学的に許容される担体とともに製剤化された本明細書に開示される化合物を少なくとも1つ含む組成物を指す。
「個体」、「患者」または「対象」は互換的に使用され、哺乳動物、好ましくはマウス、ラットをはじめとするげっ歯類、ウサギ、イヌ、ネコ、ブタ、ウシ、ヒツジ、ウマまたは霊長類、最も好ましくはヒトを含めた任意の動物を包含する。本発明の化合物はヒトなどの哺乳動物に投与することができるが、獣医学的治療を必要とする動物、例えば、家庭動物(例えば、イヌ、ネコなど)、家畜動物(例えば、ウシ、ヒツジ、ブタ、ウマなど)および実験動物(例えば、ラット、マウス、モルモットなど)などの他の哺乳動物にも投与することができる。本発明の方法で治療する哺乳動物は、例えば疼痛またはうつ病の治療が望まれる哺乳動物であるのが望ましい。「調節」は、拮抗作用(例えば、阻害)、アゴニズム、部分的拮抗作用および/または部分的アゴニズムを包含する。
本明細書では、「治療有効量」という用語は、組織、系、動物またはヒトに研究者、獣医、医師またはその他の臨床医が求める生物学的または医学的応答を引き起こす対象化合物の量を意味する。本発明の化合物を治療有効量で投与して疾患を治療する。あるいは、化合物の治療有効量とは、所望の治療および/または予防効果を得るのに必要な量、例えば、うつ病の症状の軽減をもたらす量などのことである。
本明細書で使用される「薬学的に許容される塩(1つまたは複数)」という用語は、本発明の組成物に使用される化合物中に存在し得る酸性または塩基性基の塩を指す。本発明の組成物中に含まれる本来塩基性の化合物は、様々な無機酸および有機酸と多種多様な塩を形成することができる。このような塩基性化合物の薬学的に許容される酸付加塩の調製に使用し得る酸には、非毒性酸付加塩、すなわち、特に限定されないが、リンゴ酸塩、シュウ酸塩、塩化物、臭化物、ヨウ化物、硝酸塩、硫酸塩、硫酸水素塩、リン酸塩、酸性リン酸塩、イソニコチン酸塩、酢酸塩、乳酸塩、サリチル酸塩、クエン酸塩、酒石酸塩、オレイン酸塩、タンニン酸塩、パントテン酸塩、酒石酸水素塩、アスコルビン酸塩、コハク酸塩、マレイン酸塩、ゲンチジン酸塩(gentisinate)、フマル酸塩、グルコン酸塩、グルクロン酸(glucaronate)、糖酸塩、ギ酸塩、安息香酸塩、グルタミン酸塩、メタンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩およびパモ酸塩(すなわち、1,1’−メチレン−ビス−(2−ヒドロキシ−3−ナフトアート))を含めた薬理学的に許容される陰イオンを含む塩を形成する酸がある。本発明の組成物中に含まれる本来酸性の化合物は、様々な薬理学的に許容される陽イオンと塩基性塩を形成することができる。このような塩の例としては、アルカリ金属塩またはアルカリ土類金属塩、特にカルシウム塩、マグネシウム塩、ナトリウム塩、リチウム塩、亜鉛塩、カリウム塩および鉄塩が挙げられる。このほか、本発明の組成物中に含まれ塩基性または酸性部分を含む化合物は、様々なアミノ酸と薬学的に許容される塩を形成し得る。本開示の化合物は酸性基および塩基性基の両方、例えば、1つのアミノ基と1つのカルボン酸基を含有し得る。このような場合、化合物は酸付加塩、両性イオンまたは塩基性塩として存在し得る。
本開示の化合物は、1つまたは複数のキラル中心および/または二重結合を含み得、したがって、幾何異性体、鏡像異性体またはジアステレオ異性体などの立体異性体として存在し得る。本明細書で使用される「立体異性体」という用語は、あらゆる幾何異性体、鏡像異性体またはジアステレオ異性体からなる。これらの化合物は、立体中心炭素原子の周囲にある置換基の立体配置に応じて記号「R」または「S」と表記され得る。本発明は、これらの化合物の各種立体異性体およびそれらの混合物を包含する。立体異性体には鏡像異性体およびジアステレオ異性体が含まれる。鏡像異性体またはジアステレオ異性体の混合物は、命名法では「(±)」と表記され得るが、当業者は、構造が暗にキラル中心を示し得ることを理解するであろう。
本開示の化合物は、1つまたは複数のキラル中心および/または二重結合を含み得、したがって、幾何異性体、鏡像異性体またはジアステレオ異性体などの立体異性体として存在し得る。鏡像異性体およびジアステレオ異性体は、立体中心炭素原子の周囲にある置換基の立体配置に応じて記号「(+)」、「(−)」、「R」または「S」と表記され得るが、当業者は、構造が暗にキラル中心を示し得ることを理解するであろう。本発明の化合物中には、炭素間二重結合周囲の置換基の配置またはシクロアルキルもしくは複素環周囲の置換基の配置により生じる幾何異性体も存在し得る。記号
は、本明細書に記載される単結合、二重結合または三重結合であり得る結合を表す。炭素間二重結合周囲の置換基については、「Z」または「E」立体配置であることが示され、ここでは、「Z」および「E」という用語はIUPAC標準に従って使用される。特に明記されない限り、二重結合が記されている構造は「E」異性体および「Z」異性体の両方を包含する。あるいは、炭素間二重結合周囲の置換基を「シス」または「トランス」と呼ぶこともあり、この場合、「シス」は二重結合の同じ側にある置換基を表し、「トランス」は二重結合の反対側にある置換基を表す。炭素環周囲の置換基の配置も「シス」または「トランス」と表記されることがある。「シス」という用語は環の面の同じ側にある置換基を表し、「トランス」という用語は環の面の反対側にある置換基を表す。化合物の混合物で置換基が環の面の同じ側と反対側の両方に配置されている場合、「シス/トランス」と表記される。
本明細書で使用される「立体異性体」という用語は、あらゆる幾何異性体、鏡像異性体またはジアステレオ異性体からなる。本発明は、これらの化合物の各種立体異性体およびそれらの混合物を包含する。
本発明の化合物の個々の鏡像異性体およびジアステレオ異性体は、不斉中心または立体中心を含む市販の出発物質から合成することによって、あるいはラセミ混合物を調製した後、当業者に周知の分割法によって、調製することができる。これらの分割法の例には、(1)鏡像異性体の混合物とキラル補助基とを結合させ、得られたジアステレオ異性体の混合物を再結晶もしくはクロマトグラフィーによって分離し、補助基から光学的に純粋な生成物を遊離させる方法、(2)光学活性分割剤を用いる塩の形成、(3)光学鏡像異性体の混合物をキラル液体クロマトグラフ用カラムで直接分離する方法、または(4)立体選択的化学試薬または酵素試薬を用いる速度論的分割がある。このほか、ラセミ混合物をキラル相ガスクロマトグラフィーまたはキラル溶液中の化合物の結晶化などの周知の方法によって、その構成成分の鏡像異性体に分割することができる。新たな立体中心の形成または既存の立体中心の変換の過程で単一の反応物質が不均等な立体異性体の混合物を形成する化学反応または酵素反応である立体選択的合成が当該技術分野で周知である。立体選択的合成は、エナンチオ選択的変換およびジアステレオ選択的変換の両方を包含する。例えば、CarreiraおよびKvaerno,Classics in Stereoselective Synthesis,Wiley−VCH:Weinheim,2009を参照されたい。
本明細書に開示される化合物は、水、エタノールなどの薬学的に許容される溶媒との溶媒和形態のほか、非溶媒和形態として存在してもよく、本発明は溶媒和形態と非溶媒和形態の両方を包含するものとする。一実施形態では、化合物は非晶質である。一実施形態では、化合物は単一の多形である。別の実施形態では、化合物は多形の混合物である。別の実施形態では、化合物は結晶形態である。
本発明はこのほか、1つまたは複数の原子が天然に通常みられる原子質量または質量数と異なる原子質量または質量数を有する原子に置き換わっている以外は本明細書に記載の化合物と同一である、同位体で標識された本発明の化合物を包含する。本発明の化合物に組み込むことができる同位体の例としては、水素、炭素、窒素、酸素、リン、フッ素および塩素の同位体、例えばそれぞれ、2H、3H、13C、14C、15N、18O、17O、31P、32P、35S、18Fおよび36Clなどが挙げられる。例えば、本発明の化合物は、ジュウテリウムに置き換わったH原子を1つまたは複数有し得る。
同位体で標識されたある特定の開示化合物(例えば、3Hおよび14Cで標識されたもの)が化合物および/または基質の組織分布アッセイに有用である。トリチウム化(すなわち、3H)および炭素−14(すなわち、14C)同位体は、その調製が容易で検出感度が高いため特に好ましい。さらに、ジュウテリウム(すなわち、2H)などのさらに重い同位体で置換することにより、代謝安定性の増大によるある特定の治療的利点(例えば、in vivo半減期の増大または必要投与量の減少)が得られることがあるため、状況によってはこのような置換が好ましいものになり得る。同位体で標識された本発明の化合物は一般に、例えば本明細書の実施例に開示される方法と同様の方法に従い、非同位体標識試薬を同位体標識試薬に置き換えることによって調製され得る。
「プロドラッグ」という用語は、in vivoで変換されて開示の化合物またはその化合物の薬学的に許容される塩、水和物もしくは溶媒和物を生じる化合物を指す。この変換は、様々な場所(腸管腔内で、または腸管、血液もしくは肝臓を通過するとき)で様々な機序(エステラーゼ、アミダーゼ、ホスファターゼ、酸化的および/または還元的代謝など)によって起こり得る。プロドラッグは当該技術分野で周知である(例えば、Rautio,Kumpulainenら,Nature Reviews Drug Discovery 2008,7,255を参照されたい)。例えば、本発明の化合物またはその化合物の薬学的に許容される塩、水和物もしくは溶媒和物がカルボン酸官能基を含む場合、プロドラッグは、酸性基の水素原子が基、例えば(C1〜C8)アルキル、(C2〜C12)アルカノイルオキシメチル、炭素原子を4〜9個有する1−(アルカノイルオキシ)エチル、炭素原子を5〜10個有する1−メチル−1−(アルカノイルオキシ)−エチル、炭素原子を3〜6個有するアルコキシカルボニルオキシメチル、炭素原子を4〜7個有する1−(アルコキシカルボニルオキシ)エチル、炭素原子を5〜8個有する1−メチル−1−(アルコキシカルボニルオキシ)エチル、炭素原子を3〜9個有するN−(アルコキシカルボニル)アミノメチル、炭素原子を4〜10個有する1−(N−(アルコキシカルボニル)アミノ)エチル、3−フタリジル、4−クロトノラクトニル、γ−ブチロラクトン−4−イル、ジ−N,N−(C1〜C2)アルキルアミノ(C2〜C3)アルキル(β−ジメチルアミノエチルなど)、カルバモイル−(C1〜C2)アルキル、N,N−ジ(C1〜C2)アルキルカルバモイル−(C1〜C2)アルキルおよびピペリジノ−、ピロリジノ−またはモルホリノ(C2〜C3)アルキルなどに置き換わることによって形成されるエステルを含み得る。
同様に、本発明の化合物がアルコール官能基を含む場合、プロドラッグは、アルコール基の水素原子が基、例えば(C1〜C6)アルカノイルオキシメチル、1−((C1〜C6)アルカノイルオキシ)エチル、1−メチル−1−((C1〜C6)アルカノイルオキシ)エチル(C1〜C6)アルコキシカルボニルオキシメチル、N−(C1〜C6)アルコキシカルボニルアミノメチル、スクシノイル、(C1〜C6)アルカノイル、α−アミノ(C1〜C4)アルカノイル、アリールアシルおよびα−アミノアシル基がそれぞれ独立して、天然のL−アミノ酸、P(O)(OH)2、−P(O)(O(C1〜C6)アルキル)2またはグリコシル(ヘミアセタール型炭水化物のヒドロキシル基の除去によって生じるラジカル)から選択されるα−アミノアシルまたはα−アミノアシル−α−アミノアシルなどに置き換わることによって形成され得る。
本発明の化合物にアミン官能基を組み込む場合、プロドラッグは、例えば、アミドまたはカルバミン酸エステル、N−アシルオキシアキル(acyloxyakyl)誘導体、(オキソジオキソレニル)メチル誘導体、N−マンニッヒ塩基、イミンまたはエナミンの生成によって形成され得る。さらに、第二級アミンが代謝的に切断されて生物活性第一級アミンを生じ得る、あるいは第三級アミンが代謝的に切断されて生物活性第一級または第二級アミンが生じ得る。例えば、Simplicioら,Molecules 2008,13,519およびその参考文献を参照されたい。
化合物
開示される化合物には、式:
によって表される化合物ならびにその薬学的に許容される塩、立体異性体およびN−オキシドが含まれ、式中、
bは、H、ハロゲン、ヒドロキシル、シアノおよびC1〜C6アルキルからなる群より選択され;
RはHまたはC1〜C6アルキルであり;
1はHまたはC1〜C6アルキルであり;
2はHまたはC1〜C6アルキルであり;
3は、H、C1〜C6アルキル、−OH、C1〜C6アルコキシ、−CO2Hまたは−CONR’R’からなる群より選択され、式中、存在するR’はそれぞれ、H、C1〜C6アルキルまたは窒素保護基から選択され;
XはHまたは−C1〜C6アルキレン−C(O)−X’であり、式中、X’は、C3〜C6シクロアルキル、O、SまたはNから選択されるヘテロ原子を1個、2個または3個有する4〜6員ヘテロシクロアルキル環、フェニルおよびO、SまたはNから選択されるヘテロ原子を1個、2個または3個有する4〜6員ヘテロアリール環からなる群より選択され、X’は任意選択で、ハロゲン、ヒドロキシル、C1〜C6アルキルおよびC1〜C6アルコキシからなる群より選択される1つまたは複数の置換基によって置換されており;あるいは
他の実施形態では、式(I)に記載される可変物は以下のように定義され得る:
bは、H、ハロゲン、ヒドロキシル、シアノおよびC1〜C6アルキルからなる群より選択され(例えば、H);
RはHまたはC1〜C6アルキルであり;
1はHまたはC1〜C6アルキルであり;
2はHまたはC1〜C6アルキルであり;
3は、H、C1〜C6アルキル、−OH、C1〜C6アルコキシ、−CO2Hまたは−CONR’R’からなる群より選択され、式中、存在するR’はそれぞれ独立して、H、C1〜C6アルキルまたは窒素保護基から選択され;
Xは、H、X’、−C1〜C6アルキレン−X’または−C1〜C6アルキレン−C(O)−X’であり、式中、X’は:
(i)C3〜C6シクロアルキル;
(ii)3〜6個の環原子を含むヘテロシクリルであって、環原子のうちの1個、2個または3個が独立して、N、NH、N(C1〜C3アルキル)、OおよびSからなる群より選択されるヘテロシクリル;
(iii)フェニル;ならびに
(iv)5〜6個の環原子を含むヘテロアリールであって、環原子のうちの1個、2個または3個が独立して、N、NH、N(C1〜C3アルキル)、OおよびSからなる群より選択されるテロアリール;
からなる群より選択され、
X’は任意選択で、ハロゲン、ヒドロキシル、C1〜C6アルキルおよびC1〜C6アルコキシからなる群より独立して選択される1つ、2つまたは3つの置換基によって置換されている。
ある特定の実施形態では、RはC1〜C2アルキルである。いくつかの実施形態では、Rはメチルである。他の実施形態では、RはHである。
ある特定の実施形態では、R1はHである。
他の実施形態では、R2はHである。
いくつかの実施形態では、R3は−CONR’R’である。ある特定の実施形態では、存在するR’はそれぞれ独立して、Hおよび窒素保護基から選択される。例えば、存在するR’はそれぞれHであり得、R3は−C(O)NH2である。また別の例として、一方のR’がHであり、他方のR’が窒素保護基(例えば、本明細書のいずれかの箇所で定義される窒素保護基、例えば、パラ−メトキシフェニル(PMP))である。
いくつかの実施形態では、XはHまたは−C1〜C6アルキレン−C(O)−X’である。ある特定の実施形態では、XはHである。他の実施形態では、Xは−C1〜C6アルキレン−C(O)−X’(例えば、−C1〜C2アルキレン−C(O)−X’または−CH2−C(O)−X’)である。ある特定の実施形態では、X’は、3〜6個(例えば、5〜6個または5個)の環原子を含むヘテロシクリルであって、環原子のうちの1個、2個または3個が独立して、N、NH、N(C〜Cアルキル)、OおよびSからなる群より選択されるヘテロシクリル(例えば、N、NH、N(C〜Cアルキル;例えば、なかの窒素原子がC(O)と結合している)である。ある特定の実施形態では、Xは
である。XがHまたは−C1〜C6アルキレン−C(O)−X’である実施形態は、以下の特徴を1つまたは複数含み得る:RがHまたはメチルである;R1がHである;R2がHである;R3が−CONR’R’(本明細書のいずれかの箇所で定義されるもの、例えば、−C(O)NH2)であり;RbがHである。
いくつかの実施形態では、XはX’または−C1〜C6アルキレン−X’である。ある特定の実施形態では、XはX’である。他の実施形態では、Xは−C1〜C6アルキレン−X’(例えば、−C1〜C2アルキレン−X’または−CH2−X’)である。これらの実施形態のある特定のものでは、X’は、任意選択でハロゲン、ヒドロキシル、C1〜C6アルキルまたはC1〜C6アルコキシで置換されたフェニルである(例えば、X’はパラ−メトキシフェニル(PMP)である)。XがX’または−C1〜C6アルキレン−X’である実施形態は、以下の特徴を1つまたは複数含み得る:RはHまたはメチルであり;R1がHである;R2がHである;R3が−CONR’R’(本明細書のいずれかの箇所で定義されるもの、例えば、−C(O)NH2)である;RbがHである。
別の態様では、開示される化合物は、式:
によって表される化合物ならびにその薬学的に許容される塩、立体異性体およびN−オキシドを含み、式中、
bは、H、ハロゲン、ヒドロキシル、シアノおよびC1〜C6アルキルからなる群より選択され;
RはHまたはメチルであり;
1はHまたはメチルであり;
2はHまたはメチルであり;
3は、H、C1〜C6アルキル、−OH、C1〜C6アルコキシ、−CO2Hまたは−CONR’R’からなる群より選択され、式中、存在するR’はそれぞれ、H、C1〜C6アルキルまたは窒素保護基から選択され;
XはHまたは−C1〜C6アルキレン−C(O)−NRcdであり;
cおよびRdは、それらが結合している窒素とともに、O、SまたはNから選択される追加のヘテロ原子を有し得る4〜6員複素環を形成し;4〜6員複素環は任意選択で、ハロゲン、シアノ、オキソおよびC1〜C6アルキルからなる群より選択される1つまたは複数の置換基によって置換されていてよい。
いくつかの実施形態では、開示される化合物は、表1および/または実施例に記載されるいずれかの化合物、例えば、式:
を有する化合物を含む。
本開示の化合物およびその製剤は複数のキラル中心を有し得る。各キラル中心は独立して、R、SまたはRとSの任意の混合物であり得る。例えば、いくつかの実施形態では、キラル中心は、R:Sの比が約100:0〜約50:50、約100:0〜約75:25、約100:0〜約85:15、約100:0〜約90:10、約100:0〜約95:5、約100:0〜約98:2、約100:0〜約99:1、約0:100〜50:50、約0:100〜約25:75、約0:100〜約15:85、約0:100〜約10:90、約0:100〜約5:95、約0:100〜約2:98、約0:100〜約1:99、約75:25〜25:75および約50:50であり得る。1つまたは複数の異性体(すなわち、Rおよび/またはS)をより大きい比で含む本開示の化合物の製剤の方が、開示される化合物または化合物の混合物のラセミ製剤に比して増強された治療的特徴を有し得る。
開示される化合物は、効率的なNMDA受容体の陽イオンチャネル開口をもたらし得る、例えば、NMDA受容体のグルタミン酸部位と結合または会合して、陽イオンチャネルの開口を補助し得る。本開示の化合物を用いて、アゴニストとしての作用を介してNMDA受容体を調節し(オンまたはオフにし)得る。
本明細書に記載の化合物はグリシン部位NMDA受容体部分アゴニストであり得る。この文脈で使用される部分アゴニストは、低濃度では類似体がアゴニストとして作用し、高濃度では類似体がアンタゴニストとして作用することを意味することが理解されるであろう。グリシン結合はグルタミン酸によってもグルタミン酸の競合阻害剤によっても阻害されることはなく、また、NMDA受容体上のグルタミン酸と同じ部位では結合しない。NMDA受容体には第二の別のグリシン結合部位が存在する。したがって、NMDA受容体のリガンド依存性イオンチャネルは少なくともこの2つの異なるアロステリック部位の制御下にある。開示される化合物は、NMDA受容体のグリシン結合部位と結合または会合することができる部位であり得る。いくつかの実施形態では、開示される化合物は、既存のNMDA受容体グリシン部位部分アゴニストの活性の10倍以上の効力を有し得る。
本開示の化合物は高い治療指数を示し得る。本明細書で使用される治療指数は、集団の50%に毒性を引き起こす用量(すなわち、TD50)と、集団の50%に有効な最小用量(すなわち、ED50)との比を指す。したがって、治療指数=(TD50):(ED50)である。いくつかの実施形態では、開示される化合物は、治療指数が少なくとも約10:1、少なくとも約50:1、少なくとも約100:1、少なくとも約200:1、少なくとも約500:1または少なくとも約1000:1であり得る。
組成物
他の態様では、本開示の化合物と、任意選択で薬学的に許容される添加剤とを含む、製剤および組成物が提供される。いくつかの実施形態では、企図される製剤は、1つまたは複数の本開示の化合物のラセミ混合物を含む。
企図される製剤は、使用するための任意の様々な形態で調製され得る。限定するわけではないが、例を挙げると、化合物は、製剤技術分野で知られている、動物に活性な薬剤を投与するための経口投与、皮下注射をはじめとする方法に適した製剤に調製され得る。
製剤中の本明細書に記載される開示化合物の量は、固体の病的状態、年齢、性別および体重などの因子によって異なり得る。最適な治療効果が得られるよう投与レジメンを調節する。例えば、単回ボーラスを投与してもよく、また複数の分割用量を時間をかけて投与してもよく、また治療状況の緊急度に応じて用量を増減させてもよい。投与を容易にし、用量を均一にするため、非経口組成物を投与単位形態で製剤化するのが特に有利である。本明細書で使用される投与単位形態は、治療する哺乳動物対象に対する単位用量として適した物理的に分離した単位を指し、各単位には、所望の治療効果が得られるよう計算された所定量の活性化合物が、必要な医薬担体とともに含まれている。
本発明の投与単位形態の仕様は、(a)選択する化合物の固有の特徴および達成するべき特定の治療効果ならびに(b)個体の感度を治療するためのこのような活性化合物の合成技術分野に本来存在する制限によって決まり、これに直接依存する。
治療用組成物は通常、製造および保管条件下で無菌および安定でなければならない。組成物を、薬物濃度を高めるのに適した溶液、微細乳濁液、リポソームをはじめとする秩序構造として製剤化することができる。担体は、例えば水、エタノール、ポリオール(例えば、グリセロール、プロピレングリコールおよび液体ポリエチレングリコールなど)およびその混合物を含有する、溶媒または分散媒であり得る。適切な流動性は、例えば、レシチンなどのコーティングの使用によって、分散液の場合は必要とされる粒子径を維持することによって、また界面活性剤の使用によって維持することができる。多くの場合、組成物中に等張剤、例えば、糖、マンニトール、ソルビトールなどのポリアルコールまたは塩化ナトリウムを含むのが好ましい。注射用組成物中に吸収を遅延させる薬剤、例えば、モノステアリン酸塩およびゼラチンを含ませることによって、その持続的吸収をもたらすことができる。
化合物を持効性製剤、例えば、徐放ポリマーを含む組成物中で投与することができる。化合物は、化合物を即時放出から保護する担体を用いて、埋植物およびマイクロカプセル送達システムを含めた徐放製剤などに調製することができる。生分解性生体適合性ポリマー、例えばエチレン酢酸ビニル、ポリ酸無水物、ポリグリコール酸、コラーゲン、ポリオルトエステル、ポリ乳酸およびポリ乳酸、ポリグリコール酸コポリマー(PLG)などを使用することができる。このような製剤を調製するための多数の方法が当業者に一般的に知られている。
必要量の化合物を、必要に応じて上に挙げた成分の1つまたはその組合せとともにしかるべき溶媒に組み込んだ後、ろ過滅菌することにより、無菌注射用液剤を調製することができる。一般に、基礎となる分散媒と、上に挙げたもののうち必要とされる他の成分とを含有する無菌賦形剤に活性化合物を組み込むことにより、分散液剤を調製する。無菌注射用液剤を調製するための無菌粉末の場合、好ましい調製方法には、有効成分と任意の追加の所望成分の粉末が、予め滅菌ろ過したその溶液から得られる真空乾燥および凍結乾燥がある。
本発明の代替的な態様によれば、化合物を、その化合物の溶解性を増強する1つまたは複数の追加の化合物とともに製剤化し得る。
方法
治療有効量の本明細書に記載の化合物を投与することによって、治療を必要とする患者の病態を治療する方法が提供される。いくつかの実施形態では、病態は精神病態であり得る。例えば、精神疾患を治療し得る。別の態様では、神経系病態を治療し得る。例えば、中枢神経系、末梢神経系および/または眼球に発症する病態を治療し得る。いくつかの実施形態では、神経変性疾患を治療し得る。
いくつかの実施形態では、この方法は、自閉症、不安症、うつ病、双極性障害、注意欠陥障害、注意欠陥多動障害(ADHD)、統合失調症、精神病性障害、精神病症状、社会的引きこもり、強迫性障害(OCD)、恐怖症、心的外傷後ストレス症候群、行動障害、衝動制御障害、物質乱用障害(例えば、離脱症状、アヘン中毒、ニコチン中毒およびエタノール中毒)、睡眠障害、記憶障害(例えば、欠如、喪失または新たに記憶する能力の低下)、学習障害、尿失禁、多系統萎縮症、進行性核上性麻痺、フリードリヒ運動失調症、ダウン症候群、脆弱X症候群、結節性硬化症、オリーブ橋小脳萎縮症、脳性麻痺、薬物性視神経炎、虚血性網膜症、糖尿病性網膜症、緑内障、認知症、AIDS認知症、アルツハイマー病、ハンチントン舞踏病、痙攣、ミオクローヌス、筋攣縮、トゥレット症候群、癲癇、脳虚血、脳卒中、脳腫瘍、外傷性脳損傷、心停止、脊髄症、脊髄損傷、末梢性ニューロパチー、急性神経因性疼痛および慢性神経因性疼痛に罹患している患者に化合物を投与することを含む。
いくつかの実施形態では、加齢による記憶障害、統合失調症、特殊学習障害、発作、脳卒中後の痙攣、脳虚血、低血糖、心停止、癲癇、片頭痛、AIDS認知症、ハンチントン舞踏病、パーキンソン病、初期アルツハイマー病およびアルツハイマー病を治療する方法が企図される。
ある特定の実施形態では、統合失調症を治療する方法が提供される。例えば、本明細書で企図される方法および組成物を用いて、妄想型統合失調症、解体型統合失調症(すなわち、破瓜型統合失調症)、緊張型統合失調症、未分化型統合失調症、残遺型統合失調症、統合失調症後抑うつおよび単純型統合失調症を治療し得る。このほか、本明細書で企図される方法および組成物を用いて、精神病性障害、例えば統合失調感情障害破瓜型統合失調症妄想性障害破瓜型統合失調症短期精神病性障害破瓜型統合失調症妄想または幻覚を伴う共有精神病性障害および精神病性障害などを治療し得る。
妄想型統合失調症の特徴は、妄想または幻覚がみられるが、思考障害、解体した行動または感情鈍麻は見られないことであり得る。妄想は被害妄想および/または誇大妄想であり得るが、これらに加えて嫉妬、信心深さまたは身体化などの他のテーマがみられる場合もある。解体型統合失調症の特徴は、思考障害と感情鈍麻がともにみられることであり得る。緊張型統合失調症は、患者がほとんど不動であったり、興奮した無目的な動きを示したりすることであり得る。症状には緊張病性昏迷および蝋屈症が含まれ得る。未分化型統合失調症の特徴は、精神病症状がみられるが、妄想型、解体型または緊張型のいずれの基準も満たさないことであり得る。残遺型統合失調症の特徴は、陽性症状が軽度にみられるにとどまることであり得る。統合失調症後抑うつの特徴は、統合失調症の影響でうつ病エピソードが生じ、依然として低レベルの統合失調症の症状が一部みられることであり得る。単純型統合失調症は、精神病エピソードの病歴がなく、顕著な陰性症状が穏やかに進行することを特徴とし得る。
いくつかの実施形態では、特に限定されないが、双極性障害、境界性パーソナリティ障害、薬物中毒および薬物誘発性精神病を含めた他の精神障害にみられ得る精神病症状を治療する方法が提供される。別の実施形態では、例えば妄想性障害にみられ得る妄想(例えば、「奇異ではない」妄想)を治療する方法が提供される。
このほか、特に限定されないが、社会不安障害、回避性パーソナリティ障害および統合失調型パーソナリティ障害を含めた病態にみられる社会的引きこもりを治療する方法が提供される。
いくつかの実施形態では、神経因性疼痛を治療する方法が提供される。神経因性疼痛は急性または慢性であり得る。いくつかの場合には、神経因性疼痛は、ヘルペス、HIV、外傷性神経損傷、脳卒中、虚血後、線維筋痛症、反射性交感神経性ジストロフィー、複合性局所疼痛症候群、脊髄損傷、坐骨神経痛、幻肢痛、糖尿病性ニューロパチーおよび癌化学療法による神経因性疼痛などの病態を原因とするものであり得る。このほか、疼痛緩和を増強する方法および患者に鎮痛をもたらす方法が企図される。
企図されるさらなる方法としては、患者に有効量の化合物を投与することを含む、治療を必要とする患者の自閉症および/または自閉症スペクトラム障害を治療する方法が挙げられる。一実施形態では、患者に有効量の開示の化合物を投与することを含む、軽減することを必要とする患者の自閉症の症状を軽減する方法が企図される。例えば、化合物を投与することにより、自閉症の症状、例えば視線を合わせない、人付き合いができない、注意欠陥、情緒が乏しい、多動性、音に異常に過敏である、不適切な会話、睡眠障害および固執などの1つまたは複数の症状の発生頻度が低下し得る。このような発生頻度の低下は、未治療の個体(1つまたは複数)での発生頻度と比較して測定されたものであり得る。
本明細書にはこのほか、細胞と有効量の本明細書に記載の化合物とを接触させることを含む、細胞内での自閉症標的遺伝子発現を調節する方法が提供される。自閉症遺伝子発現は、例えば、ABAT、APOE、CHRNA4、GABRA5,GFAP、GRIN2A、PDYNおよびPENKから選択されるものであり得る。別の実施形態では、患者に有効量の化合物を投与することを含む、シナプス可塑性に関連する障害に罹患している患者のシナプス可塑性を調節する方法が提供される。
別の実施形態では、化合物を投与することを含む、治療を必要とする患者のアルツハイマー病を治療する方法または例えば、例えば初期アルツハイマー病に伴って起こる記憶喪失の治療が提供される。本明細書にはこのほか、アルツハイマー病アミロイドタンパク質と有効量の開示の化合物とを接触させることを含む、in vitroまたはin vivo(例えば、細胞内)でアルツハイマー病アミロイドタンパク質(例えば、βアミロイドペプチド、例えばアイソフォームAβ1-42)を調節する方法が提供される。例えば、いくつかの実施形態では、化合物により、このようなアミロイドタンパク質が海馬スライス内で長期増強を阻害する能力およびアポトーシスによる神経細胞死を阻止し得る。いくつかの実施形態では、開示の化合物が、神経保護特性を必要とするアルツハイマー病患者に神経保護特性をもたらし得る、例えば、後期アルツハイマー病による神経細胞死に対する治療効果をもたらし得る。
さらなる実施形態では、本明細書に記載の化合物を投与することを含む、うつ病を治療する方法が提供される。いくつかの実施形態では、治療は、行動または運動協調性に影響を及ぼさず、また発作活動を誘発または促進せずにうつ病またはうつ病の症状を緩和し得る。本発明のこの態様による治療の対象となることが予想される例示的なうつ病の病態としては、特に限定されないが、大うつ病性障害、気分変調性障害、精神病性うつ病、産後うつ病、月経前症候群、月経前不快気分障害、季節性感情障害(SAD)、双極性障害(または躁うつ性障害)、気分障害、慢性の医学的状態、例えば癌または慢性疼痛、化学療法、慢性ストレスなどを原因とするうつ病および心的外傷後ストレス障害が挙げられる。さらに、いずれかの形態のうつ病に罹患している患者には多くの場合、不安症が認められる。不安症を原因とする様々な症状としては、特に恐怖、パニック、心臓の動悸、息切れ、疲労、嘔気および頭痛が挙げられる。本明細書に記載の化合物を投与することによって、不安症またはそのいずれかの症状を治療し得る。
本明細書にはこのほか、治療抵抗性患者、例えば、少なくとも1つもしくは少なくとも2つの他の化合物もしくは治療剤による適切な治療が奏効せず、かつ/またはこれまで奏効しなかった精神または中枢神経系の病態に罹患している患者の病態を治療する方法が提供される。例えば、本明細書には、a)任意選択で、患者が治療抵抗性であることを確認することと、b)該患者に有効量の化合物を投与することとを含む、治療抵抗性患者のうつ病を治療する方法が提供される。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の化合物を患者の急性治療に使用し得る。例えば、化合物を患者に投与して、本明細書で企図される病態の特定のエピソード(例えば、重症エピソード)を治療する。
本明細書ではほかにも、1つまたは複数の他の活性薬剤と組み合わせた化合物を含む、併用療法が企図される。例えば、化合物を1つまたは複数の抗うつ薬、例えば三環系抗うつ薬、MAO−I、SSRI、二重取込み阻害剤、三重取込み阻害剤などおよび/または抗不安薬と組み合わせ得る。化合物と併用し得る例示的な薬物としては、Anafranil、Adapin、Aventyl、Elavil、Norpramin、Pamelor、Pertofrane、Sinequan、Surmontil、Tofranil、Vivactil、Parnate、Nardil、Marplan、Celexa、Lexapro、Luvox、Paxil、Prozac、Zoloft、Wellbutrin、Effexor、Remeron、Cymbalta、Desyrel(トラゾドン)およびLudiomillが挙げられる。また別の例では、化合物を抗精神病薬と組み合わせ得る。抗精神病薬の非限定的な例としては、ブチロフェノン、フェノチアジン、チオキサンテン、クロザピン、オランザピン、リスペリドン、クエチアピン、ジプラシドン、アミスルプリド、アセナピン、パリペリドン、イロペリドン、ゾテピン、セルチンドール、ルラシドンおよびアリピプラゾールが挙げられる。化合物と1つまたは複数の上記治療剤との組合せは任意の適切な病態の治療に使用され得るものであり、抗うつ薬または抗精神病薬としての使用に限定されないことを理解するべきである。
実施例
以下の実施例は単に例示目的で提供されるものであり、本開示の範囲を限定することを意図するものではない。
下の表1にいくつかの例示的な本開示の化合物と、その化合物の生理化学的特徴を示す。
化合物Yの合成
スキーム1
1−tert−ブチル2−メチル2−(ベンジルオキシメチル)ピロリジン−1,2−ジカルボキシラート(1)の合成
500mLの二つ口RBF内でBoc−Pro−OMe(5g、21.83モル)をTHF(50mL)に溶かし、窒素を充填した。得られた反応混合物を−45℃に冷却した。LiHMDS(26mL、26.20mmol)を反応混合物に−45℃で滴加した。得られた反応混合物を−45℃で1時間攪拌した。ベンジルクロロメチルエーテル(3.14mL、26.20モル)を反応物に−45℃で滴加した。得られた反応混合物を−45℃で1時間攪拌し、温度を室温にした。反応終了後、反応混合物を0℃に冷却し、飽和NH4Cl(20mL)で反応を停止させ、EtOAc(2×25mL)で抽出した。合わせた有機抽出物を飽和ブライン溶液(2×25mL)で洗浄し、無水Na2SO4上で乾燥させた。有機層を減圧下で濃縮した。得られた粗(6.8g)物質1をこれ以上精製せずに次の段階に使用した。
2−(ベンジルオキシメチル)−1−(tert−ブトキシカルボニル)ピロリジン−2−カルボン酸(2)の合成
200mLの丸底フラスコ内で1(7g、20.05mmol)をMeOH(50mL)に入れた。0℃で1M、5当量のNaOH溶液を加えて攪拌し、室温に達するようにし、3時間還流した。反応終了後、揮発性物質を蒸発させ、水(50mL)を加えた。5%クエン酸溶液を用いて水層を酸性にし、酢酸エチル(3×25mL)で抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、Na2SO4上で乾燥させた。有機層を減圧下で蒸発させて、分析的に純粋な2−(ベンジルオキシメチル)−1−(tert−ブトキシカルボニル)ピロリジン−2−カルボン酸(2)(4.5g、収率67%)を得た。
tert−ブチル2−(ベンジルオキシメチル)−2−(2−オキソ−2−(ピロリジン−1−イル)エチルカルバモイル)ピロリジン−1−カルボキシラート(3)の合成:
安全管を備えた25mLの二つ口RBF内で2(3.5g、10.44mmol)をTHF(30mL)に溶かした。氷塩浴中で反応を維持し、NMM(3.5mL、31.34mmol)、ECF(1.2mL、12.53mmol)を加えた。10分間攪拌した後、2−アミノ−1−(ピロリジン−1−イル)エタノン(3.03g、12.53モル)をTHF(20mL)に溶かした溶液を加えた。得られた反応混合物を室温で16時間攪拌した。反応終了後、反応混合物を減圧下で濃縮し、冷水(20mL)で希釈し、EtOAc(2×30mL)で抽出した。合わせた有機抽出物を5%クエン酸溶液(2×30mL)、飽和NaHCO3溶液(20mL)、ブライン溶液(15mL)で洗浄し、無水Na2SO4上で乾燥させた。有機層を減圧下で濃縮し、30%酢酸エチルおよびヘキサンを用いたカラムクロマトグラフィーにより精製して、3(2.3g、収率49.5%)を無色油として得た。
tert−ブチル2−(ヒドロキシメチル)−2−(2−オキソ−2−(ピロリジン−1−イル)エチルカルバモイル)ピロリジン−1−カルボキシラート(4)の合成
鋼製の水素化容器に10%Pd−C(200mg)、メタノール(20mL)および3(1.7g、3.82mmole)をN2雰囲気下で加えた。Parr水素化を用いて反応混合物を室温で12時間、水素化した(H2圧60Psi(約414kPa))。反応の進行をTLCによってモニターした。反応終了後、反応混合物をセライト床でろ過し、メタノール(20mL)で洗浄した。ろ液を減圧下で濃縮して4(1.3g、収率96%)を得、これを精製せずに次の段階に使用した。
tert−ブチル1−オキソ−2−(2−オキソ−2−(ピロリジン−1−イル)エチル)−2,5−ジアザスピロ[3.4]オクタン−5−カルボキシラート(5)の合成
4(1.47g、4.15mmol)をTHF(10mL)に溶かした0℃の溶液にTPP(2.17g、8.30mmol)およびDIAD(1.64mL、8.30mmol)を加えた。得られた反応混合物を室温で10分間攪拌した後、3時間超音波処理した。反応終了(TLCにより4の消失をモニターした)後、減圧下で揮発性物質を蒸発させた。ヘキサン中50%のEtOAcで溶離させるシリカゲルでのカラムクロマトグラフィーにより、5(900mg、収率64.7%)をゴム状油として得た。
2−(2−オキソ−2−(ピロリジン−1−イル)エチル)−2,5−ジアザスピロ[3.4]オクタン−1−オン(6)の合成
50mLのRBF内で5(2g、5.95mmol)をDCM(22mL)に入れた。TFA(6mL)を0℃で加え、周囲温度で1時間攪拌し、反応をTLCによりモニターした。反応終了後、減圧下で揮発性物質を蒸発させ、NH4OHで中和し、DCM中5%のメタノールで溶離させるシリカゲルでのカラムクロマトグラフィーにより精製して、6(1.4g、収率98%)をゴム状固体として得た。
(2R,3S)−3−ヒドロキシ−N−(4−メトキシフェニル)−2−(1−オキソ−2−(2−オキソ−2−(ピロリジン−1−イル)エチル)−2,5−ジアザスピロ[3.4]オクタン−5−イル)ブタンアミド(7)の合成
25mLのRBF内で6(50mg、0.21mmol)をEtOH(7mL)、(2R,3S)−N−(4−メトキシフェニル)−3−メチルオキシラン−2−カルボキサミド(48mg、0.232mmol)に入れ、TEA(0.05mL、0.27mmol)を加えた。得られた反応混合物にマイクロ波を照射した(1分×10回)。反応終了後、減圧下で揮発性物質を蒸発させ、分取HPLCにより精製して、ゴム状油の7(10mg、収率5%)を得た。1H−NMR:(400MHz,CDCl3):δ9.34(s,1H);7.46(d,2H);6.83(d,2H);4.25(d,1H);4.17(d,1H);3.66(d,3H);3.47−3.39(m,4H);3.35−3.33(m,2H);3.13−3.09(m,2H);2.33(q,2H);2.16(q,1H);1.96(q,3H);1.85(q,3H);1.25(d,3H)。HPLC:99.66%(RT−10.93分)。
(2S,3R)−3−ヒドロキシ−2−(1−オキソ−2−(2−オキソ−2−(ピロリジン−1−イル)エチル)−2,5−ジアザスピロ[3.4]オクタン−5−イル)ブタンアミド(化合物Y)の合成
ヨードベンゼンジアセタート(31.2mg、0.10mmol)をメタノール(3mL)に溶かした。7(12mg、0.02mmol)をメタノール(2mL)に溶かし、シリンジに吸い取り、酸化剤溶液に30分間にわたって加えた。シリンジをメタノール(2×1mL)で洗浄し、洗浄物を反応物に加えた。反応をさらに30分間攪拌した後、1N HCl(1mL)で酸性にし、1.5時間攪拌した。反応混合物をDCM(2×10mL)で洗浄し、合わせた有機層を0.1M HCl(1×10mL)、飽和NaHCO3溶液(10mL)、ブライン溶液(5mL)で逆抽出し、無水Na2SO4上で乾燥させた。有機層を減圧下で濃縮し、DCM中2%のMeOHを用いたカラムクロマトグラフィーにより精製して、化合物Y(7mg、収率79%)を無色油として得た。1H−NMR:(400MHz,CDCl3):δ7.22(d,1H);6.86(d,1H);6.21(d,1H);6.18(d,1H);5.48(s,1H);5.03−5.08(m,1H);4.37−4.21(m,2H);4.10(d,2H);3.90(d,1H);3.71(d,2H);2.59−2.54(m,2H);2.26−2.12(m,2H);1.97(q,3H);1.90(q,3H);1.50(d,3H)。
重要中間体の調製
スキームI−1、中間体I−5の調製
段階I−1:
1−(tert−ブトキシカルボニル)2−(メトキシカルボニル)ピロリジン−2−カルボン酸の合成:
Boc−Pro−OMe(20g、87.33mmol)を乾燥テトラヒドロフラン(200mL)に溶かして攪拌した溶液にLiHMDS(113mL、113.5mmol)を−45℃で加え、1時間攪拌した。二酸化炭素ガスを−45℃で1時間、反応物の中に通した。出発物質の終了後、反応混合物を冷水中に注いだ。水層を0℃にて1N HClで酸性にし、酢酸エチル(3×50mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン溶液で洗浄し、無水Na2SO4上で乾燥させ、真空下で濃縮して、I−1(12.4g、収率:49.0%)をゴム状液体として得た。
TLC系:50%EtOAc−ヘキサン
Rf値:0.2
可視化:ニンヒドリン染色
分析データ:
質量(m/z):174.1(M−Boc)+
段階I−2:
1−tert−ブチル2−メチル2−(4−メトキシフェニルカルバモイル)ピロリジン−1,2−ジカルボキシラートの合成:
I−1(15.4g、55.59mmol)をジクロロメタン(160mL)に溶かした溶液に、NMM(12.47mL、111.18mmol)の存在下で4−メトキシアニリン(6.83g、55.59mmol)を加えた。EDC.HCl(12.93g、83.39mmol)を反応混合物に0℃で加え、室温で12時間攪拌した。反応終了後、反応混合物をDCM(100mL)で希釈した。有機層を冷水、10%クエン酸水溶液、5%炭酸水素ナトリウム水溶液、ブライン溶液で洗浄し、無水Na2SO4上で乾燥させ、真空下で濃縮して、1−tert−ブチル2−メチル2−(4−メトキシフェニルカルバモイル)ピロリジン−1,2−ジカルボキシラート、I−2(12.6g、収率:60.2%)をゴム状液体として得た。
TLC系:50%EtOAc−ヘキサン
Rf値:0.2
可視化:UVおよびニンヒドリン染色
分析データ:
質量(m/z):279.2(M−Boc)+
段階I−3:
tert−ブチル2−(ヒドロキシメチル)−2−(4−メトキシフェニルカルバモイル)ピロリジン−1−カルボキシラートの合成:
I−2(12g、31.74mmol)をMeOH(120mL)に溶かした溶液に臭化リチウム(16.56g、190.46mmol)および水素化ホウ素ナトリウム(7.22g、190.46mmol)を加え、反応混合物を12時間攪拌した。反応終了後、減圧下でメタノールを蒸発させた。水で反応混合物の反応を停止させ、酢酸エチル(3×100mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン溶液で洗浄し、無水Na2SO4上で乾燥させ、真空下で濃縮して、粗物質を得た。粗物質をカラムクロマトグラフィー(100−200メッシュシリカゲル、ヘキサン中50%のEtOAc)で精製して、I−3(5.5g、収率49.7%)を白色固体として得た。
TLC系:50%EtOAc−ヘキサン
Rf値:0.3
可視化:UVおよびニンヒドリン染色
質量(m/z):251.1(M−Boc)+
段階I−4:
tert−ブチル2−(4−メトキシフェニル)−1−オキソ−2,5−ジアザスピロ[3.4]オクタン−5−カルボキシラートの合成:
I−3(5.5g、15.76mmol)を乾燥テトラヒドロフラン(20mL)に溶かした溶液にトリフェニルホスフィン(8.26g、31.51mmol)およびDIAD(6.36mL、31.51mmol)を加えた。混合物を3時間超音波処理した。反応終了後、溶液を減圧下で蒸発させ、粗物質をカラムクロマトグラフィー(100−200メッシュシリカゲル、ヘキサン中40%のEtOAc)により精製して、I−4(3.64g、収率:70%)をゴム状シロップとして得た。
TLC系:50%EtOAc−ヘキサン
Rf値:0.3
可視化:UVおよびニンヒドリン染色
分析データ:
質量(m/z):333.1(M+H)+
段階I−5:
2−(4−メトキシフェニル)−2,5−ジアザスピロ[3.4]オクタン−1−オンの合成:
I−4(3.64g、10.99mmol)をジクロロメタン(30mL)に溶かした溶液にトリフルオロ酢酸(15mL)を0℃で加えた。反応混合物を室温まで温め、2時間攪拌した。反応終了後、減圧下で溶媒を蒸発させて、粗化合物を得た。粗化合物をメタノール(5mL)に溶かし、0℃にてアンモニア水溶液で塩基性にした。粗化合物をカラムクロマトグラフィー(100−200メッシュシリカゲル、DCM中5%のメタノール)により精製して、I−5(2.04g、収率:80%)を淡黄色固体として得た。
TLC系:100%EtOAc
Rf値:0.1
可視化:UVおよびニンヒドリン染色
分析データ:
1HNMR(400MHz,CDCl3):δ7.26(d,2H),6.86(d,2H),3.70(s,3H),3.64(d,1H),3.59(d,1H),3.22(m,1H),3.05(m,1H),2.26(m,1H),2.08−2.02(m,2H),1.84(m,2H)。
スキームI−2
段階1:
1−tert−ブチル2−メチル2−(ベンジルカルバモイル)ピロリジン−1,2−ジカルボキシラートの合成:
スキームI−2に関して、I−1(6.0g、21.58mmol)を窒素雰囲気下、室温でジクロロメタン(100mL)に溶かして攪拌した溶液に。反応物を−5℃に冷却し、N−メチルモルホリン(4.79mL、43.16mmol)およびEDC.HCl(5.02g、32.37mmol)を加えた。反応混合物にベンジルアミン(2.2g、21.58mmol)を加え、室温で12時間攪拌した。反応終了後、反応混合物を減圧下で濃縮して、残渣を得た。残渣を酢酸エチル(100mL)に溶かし、10%クエン酸、5%炭酸水素ナトリウム、ブライン溶液で洗浄し、無水Na2SO4上で乾燥させ、真空下で濃縮して、粗物質を得た。得られた粗物質をカラムクロマトグラフィー(100−200メッシュシリカゲル、ヘキサン中25%のEtOAc)により精製して、1−tert−ブチル2−メチル2−(ベンジルカルバモイル)ピロリジン−1,2−ジカルボキシラート、I−6(4.0g、収率:55.5%)を淡黄色液体として得た。
TLC系:50%EtOAc−ヘキサン
Rf値:0.4
可視化:UVおよびニンヒドリン染色
分析データ
1HNMR(400MHz,CDCl3):δ8.43(br,1H),7.31−7.28(m,5H),4.53−4.46(m,2H),3.75(s,3H),3.72(t,1H),3.53(d,1H),2.94(t,1H),2.20(d,1H),2.03−1.92(m,2H),1.63(s,9H).
質量(m/z):263.2(M−Boc)+
段階2:
tert−ブチル2−(ベンジルカルバモイル)−2−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−1−カルボキシラートの合成:
I−6(4.0g、11.04mmol)をメタノール(50mL)に溶かした溶液に臭化リチウム(9.61g、110.4mmol)、水素化ホウ素ナトリウム(4.2g、110.4mmol)を加え、室温で12時間攪拌した。反応終了後、減圧下でメタノールを蒸発させて、粗物質を得た。水で粗物質の反応を停止させ、酢酸エチル(2×50mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン溶液で洗浄し、無水Na2SO4上で乾燥させ、真空下で濃縮して、粗物質を得た。粗物質をカラムクロマトグラフィー(100−200メッシュシリカゲル、30%EtOAc−ヘキサン)により精製して、tert−ブチル2−(ベンジルカルバモイル)−2−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−1−カルボキシラート、I−7(2.3g、収率:62.3%)を白色固体として得た。
TLC系:50%EtOAc−ヘキサン
Rf値:0.3
可視化:UVおよびリンモリブデン酸染色
分析データ:
1HNMR(400MHz,CDCl3):δ7.35−7.28(m,5H),6.90(br s,1H),4.46(m,2H),4.03(s,1H),3.88(s,1H),3.62−3.56(m,2H),3.49(d,2H),3.42(s,1H),2.61(d,1H),2.31(m,1H),1.59(s,9H)。
質量(m/z):235.2(M−Boc)+
段階3:
tert−ブチル2−ベンジル−1−オキソ−2,5−ジアザスピロ[3.4]オクタン−5−カルボキシラートの合成:
I−7(2.30g、6.88mmol)およびトリフェニルホスフィン(3.61g、13.77mmol)を乾燥テトラヒドロフラン(30mL)に溶かした溶液を窒素雰囲気下、室温にて攪拌した。反応混合物にジイソプロピルアゾジカルボキシラート(2.78mL、13.77mmol)を室温で加えた。得られた反応混合物を4時間超音波処理した。反応終了後、反応物を減圧下で濃縮して、粗物質を得た。粗物質をカラムクロマトグラフィー(100−200メッシュシリカゲル、ヘキサン中30%のEtOAc)により精製して、tert−ブチル2−ベンジル−1−オキソ−2,5−ジアザスピロ[3.4]オクタン−5−カルボキシラート、I−8(1.74g、収率80%)を淡黄色液体として得た。
TLC系:50%EtOAc−ヘキサン
Rf値:0.4
可視化:UVおよびリンモリブデン酸染色
分析データ:
1HNMR(400MHz,CDCl3):δ7.37−7.28(m,5H),4.88(d,1H),3.89(d,1H),3.51−3.49(m,2H),3.08(d,1H),2.40−2.35(m,1H),2.09(d,2H),1.9−1.91(m,1H),1.78−1.74(m,1H),1.46(s,9H)。
質量(m/z):216.2(M−Boc)+
段階4:
2−ベンジル−2,5−ジアザスピロ[3.4]オクタン−1−オンの合成:
I−8(700mg、2.21mmol)をジクロロメタン(10mL)に溶かした溶液にトリフルオロ酢酸(5mL)を室温で加え、2時間攪拌した。反応終了後、反応混合物を減圧下で濃縮し、氷水で反応を停止させた。水層をアンモニア溶液でpHが約10になるまで塩基性にし、減圧下で濃縮して、粗化合物を得た。粗化合物をカラムクロマトグラフィー(100−200メッシュシリカゲル、DCM中5%のメタノール)により精製して、2−ベンジル−2,5−ジアザスピロ[3.4]オクタン−1−オン、I−9(400mg、収率:83.7%)を淡緑色シロップとして得た。
TLC系:10%メタノール−DCM
Rf値:0.3
可視化:UVおよびリンモリブデン酸染色
分析データ:
1HNMR(400MHz,CDCl3):δ7.36−7.22(m,5H),4.38(q,2H),3.20−3.13(m,3H),3.01−2.97(m,1H),2.21−2.18(m,1H),2.02−1.99(m,1H),1.99−1.91(m,1H),1.85−1.80(m,1H)。
質量(m/z):217.2(M+H)+
LC−MS(%面積法):97.79%
スキーム1
段階1:
エチル2−(2−(4−メトキシフェニル)−1−オキソ−2,5−ジアザスピロ[3.4]オクタン−5−イル)アセタートの合成:
スキーム1に関して、I−5(160mg、0.698mmol)をアセトニトリル(5mL)に溶かした溶液に炭酸カリウム(571mg、4.19mmol)およびブロモ酢酸エチル(0.11mL、1.05mmol)を加え、得られた反応混合物を12時間、70℃に加熱した。反応終了後、反応物をセライト床でろ過し、ろ液を減圧下で濃縮して、粗化合物を得た。粗化合物をカラムクロマトグラフィー(100−200メッシュシリカゲル、ヘキサン中40%のEtOAc)により精製して、S5−C1(130mg、収率60%)を褐色液体として得た。
TLC系:50%EtOAc−ヘキサン
Rf値:0.3
可視化:UVおよびリンモリブデン酸染色
分析データ:
1HNMR(400MHz,CDCl3):δ7.31(d,2H),7.30(d,2H),6.87(d,2H),4.26(q,2H),3.79(s,3H),3.69(s,1H),3.63(m,1H),3.53(d,1H),3.36−3.34(m,1H),2.88(q,1H),2.40−2.34(m,1H),2.26−2.4(m,1H),2.03−1.97(m,1H),1.29−1.24(m,3H)。
質量(m/z):319.2(M+H)+
LC−MS(%面積法):90.13%
段階2:
エチル2−メトキシ−2−(2−(4−メトキシフェニル)−1−オキソ−2,5−ジアザスピロ[3.4]オクタン−5−イル)アセタートの合成:
S5−C1(75mg、0.23mmol)を窒素雰囲気下、室温でテトラヒドロフラン(2mL)に溶かして攪拌した溶液を−40℃に冷却した。反応混合物にLiHMDS(0.35mL、0.35mmol)を加え、−40℃で40分間攪拌した。反応物にMOMクロリド(0.075mL、0.46mmol)を滴加し、−40℃で10分間攪拌した。得られた反応混合物を室温で12時間攪拌した。反応終了後、飽和塩化アンモニウムで反応混合物の反応を停止させ、酢酸エチルで抽出した。合わせた有機層を水、ブライン溶液で洗浄し、無水Na2SO4上で乾燥させ、真空下で濃縮して、粗生成物を得、これをカラムクロマトグラフィー(100−200メッシュシリカゲル、ヘキサン中25%のEtOAc)により精製して、S5−C2(10mg、収率:35%)を淡黄色液体として得た。
TLC系:50%EtOAc−ヘキサン
Rf値:0.4
可視化:UVおよびニンヒドリン染色
分析データ:
1HNMR(400MHz,CDCl3):δ7.30(d,2H),6.86(d,2H),4.19−4.16(m,2H),3.88(m,1H),3.77(s,3H),3.74−3.71(m,3H),3.64(m,1H),3.52(m,1H),3.33(m,2H),3.28−3.21(m,1H),3.11−3.07(m,1H),2.38−2.30(m,1H),2.14−2.09(m,1H),1.99−1.82(m,2H),1.22(t,3H)。
質量(m/z):362.7(M)+
LC−MS(%面積法):85.8%(RT10.7分)
段階3
S5−C2(100mg、0.276mmol)を乾燥DCM(2mL)に溶かした溶液に三臭化ホウ素(1.3mL)を−78℃で加え、4時間攪拌し続けた。出発化合物の終了後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で反応を停止させ、DCM(2×10mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン溶液で洗浄し、無水Na2SO4上で乾燥させ、真空下で濃縮して、粗物質を得た。粗反応混合物をカラムクロマトグラフィー(100−200メッシュシリカゲル、ヘキサン中40%のEtOAc)により精製して、S5−C3(20mg、収率:9.6%)を無色シロップとして得た。
TLC系:50%EtOAc−ヘキサン。Rf値:0.3
可視化:UV
分析データ:
1HNMR(400MHz,CDCl3):δ7.35(d,2H,J=8.8Hz),6.89(d,2H,J=8.8Hz),4.19(m,2H),3.82(m,1H),3.72−3.89(m,5H),3.67(d,1H),3.19(m,1H),2.98(m,1H),2.45(m,1H),2.20(m,1H),2.01(m,2H),1.29(m,2H),1.32(t,3H)。
質量(m/z):348.7(M)+
LC−MS(%面積法):90%(RT:8.8分および9.4分;ジアステレオ異性体)
段階4:
S5−C3(40mg、0.11mmol)をエタノール(2mL)に溶かした溶液にアンモニア水溶液(2mL)を0℃で加え、室温で12時間攪拌した。出発物質の終了後、反応混合物をDCM(25mL)で希釈し、水(2×15mL)で洗浄した。合わせた有機層をブライン溶液で洗浄し、無水Na2SO4上で乾燥させた。真空下で溶媒を蒸発させて粗生成物を得、これをカラムクロマトグラフィー(100−200メッシュシリカゲル、DCM中2%のMeOH)により精製して、S5−C4(12mg、収率33%)を無色のゴム状固体として得た。
TLC系:DCM中10%のMeOH。Rf値:0.2
可視化:UV
分析データ:
1HNMR(400MHz,CDCl3):δ7.63(brs,1H),7.18(d,2H),6.90(d,2H),5.80(s,1H),4.23(m,1H),3.98(m,2H),3.86(m,2H),3.80(s,3H),3.62(m,1H),3.21(m,1H),2.72(m,1H),2.40(m,1H),1.80(m,2H),1.68(m,1H)。
質量(m/z):319.7(M)+
スキーム2
段階1:
2−ヒドロキシ−N−(4−メトキシフェニル)−3−(2−(4−メトキシフェニル)−1−オキソ−2,5−ジアザスピロ[3.4]オクタン−5−イル)プロパンアミドおよび3−ヒドロキシ−N−(4−メトキシフェニル)−2−(2−(4−メトキシフェニル)−1−オキソ−2,5−ジアザスピロ[3.4]オクタン−5−イル)プロパンアミドの合成:
スキーム2に関して、I−5(300mg、1.29mmol)、(R)−N−(4−メトキシフェニル)オキシラン−2−カルボキサミド(275mg、1.42mmol)およびトリエチルアミン(0.3mL、5.16mmol)をエタノール(30mL)に溶かした混合物を、マイクロ波を用いて10分間、800Wで加熱した(1分×10回)。反応終了後、反応物を減圧下で濃縮して粗物質を得た。粗物質を分取HPLCにより精製して、S5−C7(70mg、30%)およびS5−C7’(75mg、33%)を褐色シロップとして得た。
TLC系:10%メタノール−DCM
Rf値:0.4
可視化:UVおよびリンモリブデン酸染色
分析データ:C−5:
1HNMR(400MHz,CDCl3):δ8.85(s,1H),7.51(d,2H),7.30(d,2H),6.86(m,4H),4.18(t,1H),3.80(s,1H),3.78(s,6H),3.74(d,1H),3.54(d,1H),3.21(m,1H),3.19−3.16(m,2H),2.90(m,1H),2.42(q,1H),2.20−2.17(m,1H),2.03−1.95(m,1H),1.92(m,1H)。
質量(m/z):425.5(M)+
HPLC(%面積法):93.7%
分析データ:C−5’:
1HNMR(400MHz,CDCl3):δ8.95(s,1H),7.45(d,2H),7.30(d,2H),6.92−6.85(m,4H),4.80(dd,1H),4.16(m,2H),3.96(s,1H),3.88(dd,1H),3.81(s,3H),3.78(s,3H),3.48(q,1H),3.36(q,1H),2.68−2.58(m,1H),2.56−2.47(m,1H),2.42−2.30(m,1H),2.18−2.11(m,1H)。
質量(m/z):425.6(M)+
HPLC(%面積法):98.25%
段階2:
3−ヒドロキシ−2−(1−オキソ−2,5−ジアザスピロ[3.4]オクタン−5−イル)プロパンアミドの合成:
S5−C7(30mg、0.070mmol)をアセトニトリル/水(3mL、2:1)に溶かした溶液に硝酸セリウムアンモニウム(154mg、0.352mmol)を0℃で加え、0℃でさらに3時間攪拌した。反応終了後、減圧下でアセトニトリルを蒸発させ、水(15mL)で希釈した。水層を酢酸エチルで洗浄して不純物を除去した。水層を減圧下で蒸発させて粗生成物を得、これをカラムクロマトグラフィー(100−200メッシュシリカゲル、DCM中2〜8%のメタノール)により精製して、S5−C6(10mg、収率:66%)を淡黄色のゴム状固体として得た。
TLC系:100%EtOAc
Rf値:0.1
可視化:リンモリブデン酸染色
分析データ:
質量(m/z):214.7(M+H)+
1HNMR(400MHz,D2O):**2Oで幅広いピークの形状が観察された。
スキーム3
段階1
3−ヒドロキシ−N−(4−メトキシフェニル)−2−(2−(4−メトキシフェニル)−1−オキソ−2,5−ジアザスピロ[3.4]オクタン−5−イル)ブタンアミドの合成:
スキーム3に関して、I−5(100mg、0.431mmol)、エポキシド(98mg、0.474)およびトリエチルアミン(0.1mL、1.72mmol)をエタノール(10mL)に溶かした混合物を、マイクロ波を用いて10分間、800Wで加熱した(1分×10回)。反応終了後、反応物を減圧下で濃縮して粗物質を得た。粗物質を分取HPLCにより精製して、3−ヒドロキシ−N−(4−メトキシフェニル)−2−(2−(4−メトキシフェニル)−1−オキソ−2,5−ジアザスピロ[3.4]オクタン−5−イル)ブタンアミド、S5−C5(25mg、収率:13.4%)を淡黄色のゴム状固体として得た。
TLC系:50%EtOAc−ヘキサン。Rf値:0.3
可視化:UV
分析データ:
1HNMR(400MHz,CDCl3):δ9.30(s,1H),7.44(d,2H),7.27(d,2H),6.87(d,4H),4.15(m,1H),3.80(s,6H),3.79(s,1H),3.61(s,1H),3.37(m,1H),3.26(q,1H),3.02(m,1H),2.43(q,1H),2.23(m,2H),2.07−2.05(m,1H),2.02−1.96(m,1H),1.37(d,3H)。
質量(m/z):439.5(M)+
LC−MS(%面積法):91.30%
スキーム4
段階1
S5−C8の合成:
スキーム4に関して、I−9(600mg、2.77mmol)およびエチルブロモアセタート(0.46mL、4.16mmol)をアセトニトリル(10mL)に溶かして攪拌した溶液に無水K2CO3(2.3g、16.6mmol)を加えた。得られた混合物を65℃で12時間加熱した後、周囲温度に冷却し、ろ過した。残渣をアセトニトリル(2×10mL)で洗浄し、合わせた有機層を真空下で蒸発させた。残渣をEtOAc(25mL)に溶かし、溶液を水(2×15mL)、ブラインで洗浄し、Na2SO4上で乾燥させ、ろ過し、真空下で揮発性物質を蒸発させ、残渣をヘキサン中30%のEtOAcを溶離液として用いたシリカゲル(100−200メッシュ)でのカラムクロマトグラフィーに供して、S5−C8(640mg、収率76%)を淡黄色シロップとして得た。
TLC系:ヘキサン中50%のEtOAc
Rf値:0.4
可視化:UVおよびニンヒドリン染色
LNB番号:COS−13−A006−45
分析データ:
1HNMR(400MHz,CDCl3):δ7.37(m,3H),7.23(m,2H),4.37(s,2H),4.17(q,2H),3.45(s,2H),3.28(m,1H),3.22(d,1H),3.15(d,1H),2.84(q,1H),2.28−2.26(m,1H),2.09(m,1H),1.96−1.89(m,2H),1.24(t,3H)。
質量(m/z):302.7(M)+
段階2
S5−C9の合成:
S5−C8(100mg、0.331mmol)を乾燥テトラヒドロフラン(5mL)に溶かし−78℃に冷却した溶液にLiHMDS(0.66mL)を加え、45分間攪拌した。反応混合物にMOM−Cl(0.018mL)を滴加し、−78℃で2時間、および室温で12時間攪拌した。反応終了後、飽和塩化アンモニウムで反応混合物の反応を停止させた。水層を酢酸エチル(2×10mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン溶液で洗浄し、無水Na2SO4上で乾燥させ、真空下で濃縮して、粗生成物を得た。これをカラムクロマトグラフィー(100−200メッシュシリカゲル、ヘキサン中30%のEtOAc)により精製して、S5−C9(20mg、収率:22%)を無色シロップとして得た。
TLC系:50%EtOAc−ヘキサン。Rf値:0.45
可視化:UV
分析データ:
1HNMR(400MHz,CDCl3):δ7.36−7.25(m,5H),4.40−4.39(d,2H,J=4.8Hz),4.21−4.19(d,2H,J=7.2),3.84(m,1H),3.76(m,1H),3.64(m,1H),3.36(s,3H),3.29(m,1H),3.19(m,1H),3.18−3.11(m,1H),3.02(m,1H),2.32(m,1H),2.06(m,1H),1.88−1.75(m,2H),1.22(t,3H,J=8Hz)
質量(m/z):346.7(M)+
LC−MS(%面積法):89.31%(RT:10.4分)
段階3
S5−C9(60mg、0.173mmol)を乾燥DCM(2mL)に溶かした溶液に三臭化ホウ素(1.72mL)を−78℃で加え、−78℃で12時間攪拌した。反応終了後、飽和炭酸水素ナトリウムで反応物の反応を停止させ、DCM(2×10mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン溶液で洗浄し、無水Na2SO4上で乾燥させ、真空下で濃縮して、粗物質を得た。粗反応混合物をカラムクロマトグラフィー(100−200メッシュシリカゲル、ヘキサン中50%のEtOAc)により精製して、S5−C10(13mg、収率:23%)を無色シロップとして得た。
TLC系:50%EtOAc−ヘキサン。Rf値:0.3
可視化:UV
分析データ:
1HNMR(400MHz,CDCl3):δ7.37−7.24(m,10H),4.44−4.40(m,2H),4.29(m,2H),4.21−4.19(m,2H),4.08(m,2H),3.89(m,1H),3.85(m,1H),3.69(m,1H),3.65−3.63(m,3H),3.36−3.34(m,2H),3.22−3.21(m,1H),3.14−3.10(m,5H),3.09(m,1H),2.39(m,2H),2.12−1.75(m,5H),1.99−1.89(m,2H),1.31−1.27(t,3H,J=16Hz),1.22−1.19(t,3H,J=12Hz)。
質量(m/z):332.70(M)+
LC−MS(%面積法):96.21%(RT:8.6分および9.4分)
段階4
S5−C10(100mg、0.301mmol)をエタノール(4mL)に溶かした溶液にアンモニア水溶液(4mL)を加え、室温で12時間攪拌した。反応終了後、反応物をDCM(25mL)で希釈し、水(2×15mL)で洗浄した。合わせた有機層をブライン溶液で洗浄し、無水Na2SO4上で乾燥させ、真空下で濃縮して、粗生成物を得、これをカラムクロマトグラフィー(100−200メッシュシリカゲル、DCM中2%のMeOH)により精製して、S5−C11(60mg、66%)を無色シロップとして得た。
TLC系:DCM中10%のMeOH。Rf値:0.4
可視化:UV
分析データ:
1HNMR(400MHz,CDCl3):δ7.53(brs,1H),7.35−7.28(m,5H),5.51(brs,1H),4.72−4.68(d,1H,J=16Hz),4.48−4.45(d,1H,J=12Hz),4.14(m,1H),3.87(m,1H),3.56−3.52(d,1H,J=16Hz),3.47(m,1H),3.41−3.37(d,1H,J=16Hz),3.20(brs,1H),3.06(m,1H),2.50(m,1H),2.15(m,1H),1.59−1.56(m,2H),1.25(m,1H)。
質量(m/z):303.7(M)+
スキーム5
段階1
2−(2−ベンジル−1−オキソ−2,5−ジアザスピロ[3.4]オクタン−5−イル)−3−ヒドロキシ−N−(4−メトキシフェニル)ブタンアミドの合成:
スキーム5に関して、I−9(200mg、0.925mmol)、エポキシド(175mg、1.01)およびトリエチルアミン(0.43mL)をエタノール(10mL)に溶かした混合物に10〜12分間、マイクロ波を800Wで照射した(1分×12回)。反応終了後、反応物を減圧下で濃縮して、粗混合物を得た。粗混合物をカラムクロマトグラフィー(100−200メッシュシリカゲル、ヘキサン中60〜70%のEtOAc)により精製して、2−(2−ベンジル−1−オキソ−2,5−ジアザスピロ[3.4]オクタン−5−イル)−3−ヒドロキシ−N−(4−メトキシフェニル)ブタンアミド、S5−C12(15mg、4%)を無色のゴム状シロップとして得た。
TLC系:EtOAc Rf値:0.4
可視化:UV
分析データ:
1HNMR(400MHz,CDCl3):δ9.33(s,1H),7.40(t,2H),7.35−7.29(m,3H),7.19(d,2H),6.85(d,2H),4.42(d,1H),4.31(d,1H),4.10(d,1H),3.78(s,3H),3.27(d,1H),3.23−3.15(m,2H),3.08(d,1H),2.90(d,1H),2.36−2.30(m,1H),2.09−2.03(m,1H),1.99(m,2H),1.87−1.83(m,1H),1.31(d,3H).
質量(m/z):424.30(M+H)+
LC−MS(%面積法):95.31%(RT:9.9分)
3H]MK−801結合アッセイ
方法
Moskalら(Moskal,J.R.,Kuo,A.G.,Weiss,C.,Wood,P.L.,O’Connor Hanson,A.,Kelso,S.,Harris,R.B.,Disterhoft,J.F.,2005.GLYX−13:a monoclonal antibody−derived peptide that acts as an N−methyl−D−aspartate receptor modulator.Neuropharmacology.49,1077−87)に記載されている通りにアッセイを実施した。濃度を漸増させた被験化合物および50μMグルタミン酸塩の存在下、[3H]MK−801(5nM;22.5Ci/mmol)と十分に洗浄したラット皮質膜(200μg)との結合の増強を非平衡条件下で(25℃で15分間)測定した。グリシンリガンドが全く存在せず、30μM 5,7DCKAが存在する状態でゼロレベルを決定した。1mMグリシンの存在下で最大刺激を測定し、全試料中に50μMグルタミン酸塩が存在していた。3パラメータlogアゴニスト対応答方程式(Graph pad Prism、USA)を用いて、被験化合物による[3H]MK−801結合の促進を計算し、被験化合物の効力(EC50、pMで表される)および最大活性(%最大刺激)を計算した。化合物Zのデータを下の表2に記載する。
均等物
当業者は、ルーチンの実験のみを用いて、本明細書に記載される本発明に特有の実施形態に対する均等物を多数認識する、または確認することが可能であろう。このような均等物は以下の特許請求の範囲に包含されるものとする。
参照による組込み
本明細書に引用される特許、公開特許出願、ウェブサイトをはじめとする参考文献の全内容については、その全体が参照により明示的に本明細書に組み込まれる。

Claims (37)

  1. 式I:
    によって表される化合物またはその薬学的に許容される塩であって、式中、
    bが、H、ハロゲン、ヒドロキシル、シアノおよびC1〜C6アルキルからなる群より選択され;
    RがHまたはC1〜C6アルキルであり;
    1がHまたはC1〜C6アルキルであり;
    2がHまたはC1〜C6アルキルであり;
    3が、H、C1〜C6アルキル、−OH、C1〜C6アルコキシ、−CO2Hまたは−CONR’R’からなる群より選択され、式中、存在するR’がそれぞれ、H、C1〜C6アルキルまたは窒素保護基から独立して選択され;
    Xが、H、X’、−C1〜C6アルキレン−X’または−C1〜C6アルキレン−C(O)−X’であり、式中、X’が、
    (i)C3〜C6シクロアルキル;
    (ii)3〜6個の環原子を含むヘテロシクリルであって、前記環原子のうちの1個、2個または3個が独立して、N、NH、N(C〜Cアルキル)、OおよびSからなる群より選択されるヘテロシクリル;
    (iii)フェニル;ならびに
    (iv)5〜6個の環原子を含むヘテロアリールであって、前記環原子のうちの1個、2個または3個が独立して、N、NH、N(C〜Cアルキル)、OおよびSからなる群より選択されるヘテロアリール;
    からなる群より選択され、
    X’が任意選択で、ハロゲン、ヒドロキシル、C1〜C6アルキルおよびC1〜C6アルコキシからなる群より独立して選択される1つまたは複数の置換基によって置換されている、
    化合物またはその薬学的に許容される塩。
  2. RがHである、請求項1に記載の化合物。
  3. RがC1〜C6アルキルである、請求項1に記載の化合物。
  4. Rがメチルである、請求項1に記載の化合物。
  5. 1がHである、請求項1〜4のいずれか1項に記載の化合物。
  6. 2がHである、請求項1〜5のいずれか1項に記載の化合物。
  7. 3が−CONR’R’である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の化合物。
  8. 存在するR’がそれぞれ、Hおよび窒素保護基から独立して選択される、請求項7に記載の化合物。
  9. 存在するR’がそれぞれHである、請求項7または8に記載の化合物。
  10. 一方のR’がHであり、他方のR’が窒素保護基である、請求項7または8に記載の化合物。
  11. 前記窒素保護基がパラ−メトキシフェニル(PMP)である、請求項7に記載の化合物。
  12. XがHである、請求項1〜11のいずれか1項に記載の化合物。
  13. XがX’または−C1〜C6アルキレン−X’である、請求項1〜11のいずれか1項に記載の化合物。
  14. XがX’または−CH2−X’である、請求項13に記載の化合物。
  15. X’が、任意選択でハロゲン、ヒドロキシル、C1〜C6アルキルまたはC1〜C6アルコキシで置換されたフェニルである、請求項13または14に記載の化合物。
  16. X’がパラ−メトキシフェニル(PMP)である、請求項15に記載の化合物。
  17. Xが−C1〜C6アルキレン−C(O)−X’である、請求項1〜11のいずれか1項に記載の化合物。
  18. X’が3〜6個の環原子を含むヘテロシクリルであり、前記環原子のうちの1個、2個または3個が独立して、N、NH、N(C〜Cアルキル)、OおよびSからなる群より選択される、請求項17に記載の化合物。
  19. Xが
    である、請求項18に記載の化合物。
  20. 表1に示される化合物から選択される、請求項1に記載の化合物。
  21. 請求項1〜20のいずれか1項に記載の化合物と、薬学的に許容される添加剤とを含む、医薬組成物。
  22. 経口投与に適する、請求項21に記載の医薬組成物。
  23. 静脈内投与に適する、請求項21に記載の医薬組成物。
  24. 治療を必要とする患者のうつ病、アルツハイマー病、注意欠陥障害、統合失調症または不安症を治療する方法であって、前記患者に薬学的有効量の請求項1〜20のいずれか1項に記載の化合物を投与することを含む、方法。
  25. 式I:
    によって表される化合物ならびにその薬学的に許容される塩、立体異性体およびN−オキシドであって、式中、
    bが、H、ハロゲン、ヒドロキシル、シアノおよびC1〜C6アルキルからなる群より選択され;
    RがHまたはC1〜C6アルキルであり;
    1がHまたはC1〜C6アルキルであり;
    2がHまたはC1〜C6アルキルであり;
    3が、H、C1〜C6アルキル、−OH、C1〜C6アルコキシ、−CO2Hまたは−CONR’R’からなる群より選択され、式中、存在するR’がそれぞれ、H、C1〜C6アルキルまたは窒素保護基から選択され;
    XがHまたは−C1〜C6アルキレン−C(O)−X’であり、式中、X’が、C3〜C6シクロアルキル、O、SまたはNから選択されるヘテロ原子を1個、2個または3個有する4〜6員ヘテロシクロアルキル環、フェニルおよびO、SまたはNから選択されるヘテロ原子を1個、2個または3個有する4〜6員ヘテロアリール環からなる群より選択され、X’が任意選択で、ハロゲン、ヒドロキシル、C1〜C6アルキルおよびC1〜C6アルコキシからなる群より選択される1つまたは複数の置換基によって置換されている、
    化合物ならびにその薬学的に許容される塩、立体異性体およびN−オキシド。
  26. RがC1〜C2アルキルである、請求項25に記載の化合物。
  27. Rがメチルである、請求項25に記載の化合物。
  28. 1がHである、請求項25〜27のいずれか1項に記載の化合物。
  29. 2がHである、請求項25〜28のいずれか1項に記載の化合物。
  30. 3が−C(O)NH2である、請求項25〜29のいずれか1項に記載の化合物。
  31. Xが
    である、請求項25〜30のいずれか1項に記載の化合物。
  32. によって表される化合物ならびにその薬学的に許容される塩、立体異性体およびN−オキシドであって、式中、
    bが、H、ハロゲン、ヒドロキシル、シアノおよびC1〜C6アルキルからなる群より選択され;
    RがHまたはメチルであり;
    1がHまたはメチルであり;
    2がHまたはメチルであり;
    3が、H、C1〜C6アルキル、−OH、C1〜C6アルコキシ、−CO2Hまたは−CONR’R’からなる群より選択され、式中、存在するR’がそれぞれ、H、C1〜C6アルキルまたは窒素保護基から選択され;
    XがHまたは−C1〜C6アルキレン−C(O)−NRcdであり;
    cおよびRdが、それらが結合している窒素とともに、O、SまたはNから選択される追加のヘテロ原子を有し得る4〜6員複素環を形成し;前記4〜6員複素環が任意選択で、ハロゲン、シアノ、オキソおよびC16アルキルからなる群より選択される1つまたは複数の置換基によって置換されていてよい、
    化合物ならびにその薬学的に許容される塩、立体異性体およびN−オキシド。
  33. である、請求項32に記載の化合物。
  34. 請求項25〜33のいずれか1項に記載の化合物と、薬学的に許容される添加剤とを含む、医薬組成物。
  35. 経口投与に適する、請求項34に記載の医薬組成物。
  36. 静脈内投与に適する、請求項34に記載の医薬組成物。
  37. 治療を必要とする患者のうつ病、アルツハイマー病、注意欠陥障害、統合失調症または不安症を治療する方法であって、前記患者に薬学的有効量の請求項25〜33のいずれか1項に記載の化合物を投与することを含む、方法。
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