JP2016505608A - 安定性及び保存可能期間が向上した器官・組織保存用製剤 - Google Patents

安定性及び保存可能期間が向上した器官・組織保存用製剤 Download PDF

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Abstract

製剤をpHが少なくとも7である第1溶液とpH7未満の第2溶液とに分離することにより、安定保存可能な期間の向上した器官・組織保存用製剤が提供される。第1溶液は、pH7以上で保存される場合に安定性が向上する成分を含み、第2溶液は、pH7未満で保存される場合に安定性が向上する成分を含む。第1溶液は、水、平衡塩類溶液、糖類、アデノシン、オロチン酸、リンゴ酸、L−カルニチン、及びインスリンを含む。第2溶液は、水、アスコルビン酸等の抗酸化剤、還元型グルタチオン等の細胞内還元剤、L−シトルリン、クレアチンモノハイドレート、L−カルノシン、及びL−アルギニンを含む。使用中、第1溶液及び第2溶液が混合されることにより、組織又は器官の機能を保護するために、生理学的pHで使用することができる最終製剤が形成される。

Description

(関連出願)
本出願は、本願出願前に2012年12月31日付で提出された係属中の仮出願第61/848350号及び第61/848349号の利益及び優先権を主張するものであり、これらの仮出願の開示内容は、本明細書により、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
本発明は、組織及び器官の機能を保護するための製剤(formulations)を対象とし、より具体的には、移植前に組織及び器官の機能を保護するための、常温保存が可能な製剤を対象とする。
治療対象者に移植(インプラント又はトランスプラント)するための組織及び器官は、移植されるまで、体外で、組織及び器官の機能を保護する液体製剤中に保存される。組織・器官保存用製剤は既知である。興味深い製剤の一つが、米国特許第8211628号明細書(特許文献1)に記載されている。特許文献1はその全体が参照により組み込まれる。米国特許第7981596号明細書(特許文献2)に記載されている組織・器官保存用製剤は、当該文献において一般にLazarus製剤と呼ばれている。更に最近では、一般にSomahと呼ばれる別の組織・器官保存用製剤が、Circulation 120:1704−1713(2004)(非特許文献1)に記載された。Lazarus製剤及びSomah製剤の保存可能期間は、これらの製剤の様々な成分の不安定性が原因で、限られたものとなっている。Lazarus製剤及びSomah製剤の保存可能期間が比較的短いため、これらの有用性は限られたものとなり得る。従って、これらの製剤の成分の安定性を向上させることにより当該製剤の保存可能期間が長くなるように、Lazarus製剤及びSomah製剤を改善する必要がある。
米国特許第8211628号明細書 米国特許第7981596号明細書
Circulation 120:1704−1713(2004)
本発明は、Lazarus製剤及びSomah製剤とも呼ばれる器官・組織保存溶液であって、元のLazarus製剤及びSomah製剤と比較して、安定性が向上し且つ保存可能期間が長くなった器官・組織保存溶液に関する。また、当該改良された製剤を使用する方法についても記載する。
本発明によると、保存可能期間が長いLazarus製剤及びSomah製剤は、pHが少なくとも7である第1溶液及びpH7未満の第2溶液を形成することにより調製することができる。第1溶液は、pH7以上で保存される場合に安定性が向上する成分を含み、第2溶液は、pH7未満で保存される場合に安定性が向上する成分を含む。第1溶液は、少なくともpH7、好ましくはpH7から約pH9までの範囲のpHで、水、平衡塩類溶液、D−グルコース、マンノース、及びフルクトース等の糖類、アデノシン、オロチン酸、リンゴ酸、L−カルニチン、並びにインスリンを含む。第1溶液は、ジクロロ酢酸ナトリウムを任意に含んでもよい。また、心臓麻痺での使用目的の製剤は、第1溶液中に追加量のKCLを含んでもよい。第2溶液は、pH7.0未満、好ましくはpH6.8から約pH6.4までのpHで、水、アスコルビン酸等の抗酸化剤、還元型グルタチオン等の還元剤、L−シトルリン、クレアチン、L−カルノシン、及びL−アルギニンを含む。使用する際、第1溶液及び第2溶液が共に混合されることにより、組織又は器官の機能を保護するために、生理学的pH、即ち約pH7.4で使用することができる最終製剤が形成される。
本明細書に組み込まれ且つ本明細書の一部を構成する添付図面は、本発明の様々な実施形態を図示するものであり、上述の本発明の一般的な説明及び以下に記載される実施形態の詳細な説明と併せて、本発明の実施形態を説明する役割を果たす。
本発明の実施形態に係るマルチチャンバーバッグの斜視図である。 本発明の実施形態に係る第1容器及び第2容器を有するキットの斜視図である。
別段の定義がなされていない限り、本明細書で使用されるすべての技術用語及び科学用語は、本発明の属する技術分野の通常の知識を有する者により一般に理解されるものと同じ意味である。本発明の実施又は試験では、本明細書中に記載されたものと類似又は均等の、任意の方法及び材料を使用することができるが、好ましい方法及び材料について説明する。本発明の目的のために、次の用語は以下のように定義される。
本明細書中で使用される場合、「器官(organ)」には、心臓、静脈、動脈、肺、肝臓、膵臓、及び腎臓が含まれるが、これらに限定されるものではない。器官の一部も考えられる。
本明細書中で使用される場合、「滅菌水(sterile water)」には、(a)注射用滅菌水、USP、(b)滅菌蒸留脱イオン水、及び(c)灌注用滅菌水が含まれるが、これらに限定されるものではない。
本明細書中で使用される場合、「抗酸化剤(antioxidant)」とは、易酸化性の生体基質分子を含む混合物又は構造物が存在する場合に、当該生体基質分子の酸化を遅らせるか又は妨げる物質である。例えば、アスコルビン酸は抗酸化剤である。
本明細書中で使用される場合、「平衡塩類溶液(balanced salt solution)」とは、細胞又は組織が深刻な損傷を受けるのを防ぐために浸透圧を均衡させた水溶液と定義される。
本明細書中で使用される場合、「生理溶液(physiological solution)」とは、浸透圧が通常の間質液と等しいことにより通常の組織に適合する塩水溶液と定義される。
本明細書中で使用される場合、「グラフト(graft)」とは、異常部を治療するために身体の一部に移植(トランスプラント又はインプラント)される組織と定義される。
本明細書中で使用される場合、「心臓麻痺(cardioplegia)」には、心臓の麻痺状態が含まれるが、これに限定されるものではない。
本明細書中で使用される場合、「細胞内還元剤(cellular reducing agent)」とは、容易に電子を失い、それにより他の物質を化学的に還元する物質と定義される。
通常、Lazarus又はSomahと呼ばれるこれらの組織保存溶液は、水、平衡塩類溶液、糖類、アデノシン、オロチン酸、リンゴ酸、L−カルニチン、アスコルビン酸等の抗酸化剤、グルタチオン等の細胞内還元剤、L−シトルリン、クレアチンモノハイドレート、L−カルノシン、及びL−アルギニンを含む。
当該組織保存用製剤の安定性は、当該製剤をpHが少なくとも7である第1溶液とpH7未満の第2溶液とに分離することにより、向上させることができる。当該第1溶液及び第2溶液が共に混合されることにより、組織又は器官の機能を保護するために、生理学的pH、即ち約pH7.4で使用することができる、等張性の器官・組織保存用最終製剤が形成される。
第1溶液は、pH7.0以上で保存される場合に安定性が向上する成分を含む。第1溶液は、水、平衡塩類溶液、D−グルコース、フルクトース、又はマンノース等の糖類、アデノシン、オロチン酸、リンゴ酸、L−カルニチン、及びインスリンを含む。典型的な実施形態では、約11mmol/LのD−グルコース、約2mmol/Lのアデノシン、約0.5mmol/Lのオロチン酸、約1mmol/Lのリンゴ酸、約10mmol/LのL−カルニチン、100ユニット/Lのインスリン、及び約950mLの水を含む。第1溶液は、約0.5mmol/Lのジクロロ酢酸ナトリウムを任意に含んでもよい。平衡塩類溶液は、塩化カルシウム二水和物、塩化カリウム、第1リン酸カリウム、塩化マグネシウム六水和物、硫酸マグネシウム七水和物、塩化ナトリウム、重炭酸ナトリウム、第2リン酸ナトリウム七水和物、及びこれらの組合せから選択された塩を含む。平衡塩類溶液は、第1溶液及び第2溶液を共に混合した場合に等張性溶液が得られる濃度のものとされる。典型的な一実施形態では、平衡塩類溶液は、約1.3mmol/Lの塩化カルシウム二水和物、約7mmol/Lの塩化カリウム、0.44mmol/Lの第1リン酸カリウム、約0.5mmol/Lの塩化マグネシウム六水和物、約0.5mmol/Lの硫酸マグネシウム七水和物、約125mmol/Lの塩化ナトリウム、約5mmol/Lの重炭酸ナトリウム、及び約0.19mmol/Lの第2リン酸ナトリウム七水和物を含む。また、心臓麻痺での使用目的の製剤は、追加量、例えば約15mmol/Lの、KCLを含んでもよい。第1溶液及び第2溶液の混合物から形成される最終製剤が等張性でありさえすれば、活性イオンを提供するために他の塩を使用してもよい。
第1溶液のpHは、少なくともpH7.0とすることができ、好ましくはpH7から約pH9までの範囲のpHとすることができる。好ましい実施形態では、第1溶液のpHは、少なくともpH8であり、好ましくは約pH8から約pH9までの範囲のpHである。
第2溶液は、pH7.0未満で保存される場合に安定性が向上する成分を含む。第2溶液は、水、アスコルビン酸等の抗酸化剤、還元型グルタチオン等の細胞内還元剤、L−シトルリン、クレアチンモノハイドレート、L−カルノシン、及びL−アルギニンを含む。第2溶液の成分は、第1溶液が第2溶液と混合されたときに等張性の最終製剤が得られるような相対濃度とされる。典型的な一実施形態では、第2溶液は、50mLの水、並びに約20mmol/Lの還元型L−グルタチオン、約20mmol/LのL−アスコルビン酸、約20mmol/LのL−シトルリン、約40mmol/Lのクレアチンモノハイドレート、約200mmol/LのL−カルノシン、及び約100mmol/LのL−アルギニンを含む。別の典型的な実施形態では、第2溶液は、50mLの水、並びに約1mmol/Lの還元型L−グルタチオン、約1mmol/LのL−アスコルビン酸、約1mmol/LのL−シトルリン、約2mmol/Lのクレアチンモノハイドレート、約10mmol/LのL−カルノシン、及び約5mmol/LのL−アルギニンを含む。第2溶液のpHは7未満であり、好ましくは約pH6.8から約pH6.4までである。別の好ましい実施形態では、第2溶液のpHは約pH6.5から約pH6.7までの範囲である。別の実施形態では、第2溶液のpHは約6.6である。
典型的な一実施形態では、第1溶液と第2溶液との体積比は約19:1である。好ましい実施形態では、950mLの第1溶液が50mLの第2溶液と混合されることにより、組織又は器官の機能を保護するための最終製剤が得られる。
第1製剤又は第2製剤は、組織又は器官の血管系内の血液の凝固を防ぐのを助けるのに十分量の抗凝固剤を任意に含んでもよい。抗凝固剤の例としては、ヘパリン及びヒルジンが挙げられるが、他の抗凝固剤を使用してもよい。典型的な一実施形態では、約50ユニット/Lから約250ユニット/Lまでの濃度範囲のヘパリンを含む。
使用中、第1溶液及び第2溶液が共に混合されることにより、組織又は器官の機能を保護するために、約pH7.2から約pH7.6までの範囲のpHで、好ましくは生理学的pH、即ち約pH7.4で使用することができる最終製剤が形成される。第1溶液及び第2溶液の混合物のpHが約pH7.2から約pH7.6までの範囲の生理学的pHでない場合、混合物のpHは、塩基又は酸を用いて、生理学的pHになるように調節され得る。
本発明の実施形態では、第1溶液及び第2溶液が別々の区画又は容器に入れられ、当該区画又は容器は使用の際に混合可能であり、この混合により最終製剤が得られることを特徴とするキットを提供することができる。
図1は、取り外し可能な仕切りにより第2区画14と分離された第1区画12を有する典型的な容器10を含むキットを図示する。当該仕切りは、オス部材16及びメス部材18を含む。第1溶液は、第1区画12又は第2区画14の一方に保持され、第2溶液は、第1区画12又は第2区画14の他方に保持される。第1溶液及び第2溶液は、取り外し可能な仕切りを取り外すことにより混合することができる。これにより、第1区画及び第2区画は、組織の機能を保護するための最終製剤を含む単一の区画を形成することになる。その後、当該混合物が必要に応じて使用され得る。
図2は、第1容器22及び第2容器24を有する別のキットを図示する。第1溶液は第1容器22中に入れられ、第2溶液は第2容器24中に入れられる。使用中、第2溶液が第2容器24から第1容器22へ移される。第1容器22では、第1溶液及び第2溶液が混合されることにより、組織又は器官の機能を保護するための最終製剤が形成される。当該キットは、酸素吸収剤26等の防腐剤と、第1容器22及び第2容器24の一方又は両方を保護し、また任意に保存するための袋28と、を任意に含んでもよい。また、当該キットは、容器の一方の内容物を他方の容器へ移すための、シリンジ(図示せず)等の道具を任意に含んでもよい。
図2に示す実施形態では、第1溶液は、第1容器22、例えば予め滅菌されたNalgeneボトル等に無菌状態で充填され、その後、予め滅菌されたHDPEスクリューキャップで保護される。第1容器の名前をボトルAとすることができる。
第2溶液は、第2容器24、例えば予め滅菌されたタイプIのホウケイ酸ガラスバイアル等へ無菌状態で充填される。第2容器24は、予め滅菌されたStelmiセプタムで保護され、当該セプタムは剥離式シールを用いて所定の位置に保持される。剥離式シールは、製造業者の推奨する圧着セッティングに従った有効な圧着プロセスを使用して、ボトルに圧着される。第2容器の名前をボトルBとすることができる。ボトルBは、酸素の存在量を減少させるために、混合プロセス及び充填プロセスの間アルゴンガスで脱気される。次いでボトルBは、保存可能期間中の酸素曝露を抑えるために、袋28、例えばアルゴンガス及び酸素吸収剤26で充填されたマイラー袋等の中に入れられる。その後、当該ボトル及び袋にラベルが付される。
その後、第1溶液の入った第1容器22と第2溶液の入った第2容器を含む袋28とが、パッケージの中、例えばプレプリントの厚紙製の箱の中に入れられる。添付文書もパッケージの中に入れられ、当該箱が封止されて、販売用にラベルが付される。
典型的な実施形態による当該キットでは、約1Lの最終製剤が生成することになる。約950mLの第1溶液及び約50mLの第2溶液となる。キットにおいて第1溶液と第2溶液とを混合することにより、所望の生理学的pHの混合物が得られることが予想されるが、当該キットは、当該混合物のpHを測定するリトマス紙等の道具、並びに、当該混合物のpHを調節することにより最終製剤が所望の生理学的pHとなるようにするためのpH調節剤の組、即ち塩基(例えば、84%のNaHCO水溶液)及び酸(例えば、4NのHCl)の組を任意に含んでもよい。
表1及び表2には、第1実施形態の第1溶液及び第2溶液の具体的な組成を示す。
Figure 2016505608
列挙されたもの以外の塩が使用されてもよく、上述の製剤における活性イオン源であってもよい。
Figure 2016505608
表3及び表4には、別の実施形態の第1溶液及び第2溶液の具体的な組成を示す。
Figure 2016505608
Figure 2016505608
本明細書に記載された製剤及び方法は、特定の種類の組織、器官、又は細胞について使用するものに限定されない。例えば、本発明の実施形態は、冠状動脈バイパス移植術において使用される、採取された伏在静脈、上腹部動脈、胃大網動脈、及び橈骨動脈について使用することができる。本発明の実施形態は、移植手術中に器官及び組織を保持するために使用することもできる。本発明の実施形態は器官及び組織について使用することができ、当該器官及び組織には、これらに限定されるものではないが、心臓、肺、腎臓、脳、筋肉、グラフト、皮膚、腸、骨組織、歯、付属器官、眼球、及びこれらの一部分が含まれることが考えられる。本発明の実施形態は、組織又は器官をインサイチュで(in situ)保存する組織・器官用防腐剤として使用することができる。本発明の実施形態は、治療対象者から取り去った組織及び器官を洗浄するか、又は浸しておく(bathe)ために使用することもできる。例えば、本発明の実施形態は、心臓麻痺が起こっている間、組織及び器官を保持するために使用することができる。本発明の実施形態は、応急処置で組織又は器官を製剤中に浸しておく必要がある場合に、外科手術又は他の治療を受けられるようになるまでその機能を保護するために使用することもできる。この点で、本発明の実施形態は、病院及び「現場」(即ち、救急車又は一時的な救急医療施設)の両方において、救急医療担当者が利用可能なものであり得る。
本発明の具体的な実施形態についての記述により本発明が説明され、当該実施形態については相当詳細に記述されてきたが、これは、添付の特許請求の範囲をそうした詳細な実施形態に限定すること及びいかなる限定を加えることを意図するものではない。本明細書中で説明された様々な特徴は、単独で使用されてもよく、任意の組合せで使用されてもよい。当業者であれば、更なる利点及び修正例に容易に想到することができるであろう。従って、本発明は、そのより広い態様において、上述の詳細な具体的実施形態、代表的な装置及び方法、並びに説明用の例に限定されるものではない。例えば、当該製剤は、液体、ゲル、クリーム、ヒドロゲルの形態であってよい。従って、本発明の全体的な技術的思想の範囲又は趣旨を逸脱することなく、このような詳細な実施形態を離れて本発明を規定することができる。
10 容器
12 第1区画
14 第2区画
16 オス部材
18 メス部材
22 第1容器
24 第2容器
26 酸素吸収剤
28 袋

Claims (20)

  1. 組織又は器官の機能を保護するためのキットであって、
    水、平衡塩類溶液、糖類、アデノシン、オロチン酸、リンゴ酸、及びL−カルニチンから成る第1溶液であって、pHが少なくとも7である第1溶液を含む第1容器と;
    水、抗酸化剤、還元剤、L−シトルリン、クレアチン、L−カルノシン、及びL−アルギニンから成る第2溶液であって、pH7未満である第2溶液を含む第2容器と、
    を備えるキット。
  2. 前記平衡塩類溶液が、塩化カルシウム二水和物、塩化カリウム、第1リン酸カリウム、塩化マグネシウム六水和物、硫酸マグネシウム七水和物、塩化ナトリウム、重炭酸ナトリウム、第2リン酸ナトリウム七水和物、及びこれらの組合せから成る群から選択された塩を含むことを特徴とする、請求項1に記載のキット。
  3. 前記平衡塩類溶液が、約0.2g/Lの塩化カルシウム二水和物、約0.5g/Lの塩化カリウム、0.06g/Lの第1リン酸カリウム、約0.1g/Lの塩化マグネシウム六水和物、約0.12g/Lの硫酸マグネシウム七水和物、約7.3g/Lの塩化ナトリウム、約0.4g/Lの重炭酸ナトリウム、及び約0.05g/Lの第2リン酸ナトリウム七水和物を含むことを特徴とする、請求項1に記載のキット。
  4. 前記第2溶液が、約50mLの水、約0.31gの還元型L−グルタチオン、約0.18gのL−アスコルビン酸、約0.18gのL−シトルリン、約0.3gのクレアチンモノハイドレート、約2.26gのL−カルノシン、及び約0.87gのL−アルギニンを含むことを特徴とする、請求項1〜3の何れか一項に記載のキット。
  5. 前記第1溶液の前記第2溶液に対する体積比が約19:1であることを特徴とする、請求項1〜4の何れか一項に記載のキット。
  6. 前記第1溶液のpHが約pH7から約pH9までの範囲にあることを特徴とする、請求項1〜5の何れか一項に記載のキット。
  7. 前記第2溶液のpHが約pH6.4から約pH6.8までの範囲にあることを特徴とする、請求項1〜6の何れか一項に記載のキット。
  8. 前記第1溶液と前記第2溶液とを混合することにより、約pH7.2から約pH7.6までの範囲のpHの最終製剤が形成されることを特徴とする、請求項1〜7の何れか一項に記載のキット。
  9. 第1区画及び第2区画を備える単一の容器を含むキットであって、
    前記第1区画が、前記第1溶液を含む前記第1容器であり、前記第2区画が、前記第2溶液を含む前記第2容器であり、
    前記第1区画及び第2区画が、取り外し可能な仕切りにより別々の区画として保持され、前記仕切りが取り外されることにより、前記第1溶液及び第2溶液の混合が可能となり、これにより組織又は器官の機能を保護するための最終製剤が形成されることを特徴とする、請求項1に記載のキット。
  10. 組織又は器官の機能を保護するための製剤を調製する方法であって、
    水、平衡塩類溶液、糖類、アデノシン、オロチン酸、リンゴ酸、及びL−カルニチンを含み、pHが少なくとも7である第1溶液を提供するステップと;
    水、抗酸化剤、還元剤、L−シトルリン、クレアチン、L−カルノシン、及びL−アルギニンを含み、pH7未満である第2溶液を提供するステップと;
    前記第1溶液と前記第2溶液とを混合することにより、組織又は機能の機能を保護するための製剤を完成させるステップと、
    を含む方法。
  11. 前記平衡塩類溶液が、塩化カルシウム二水和物、塩化カリウム、第1リン酸カリウム、塩化マグネシウム六水和物、硫酸マグネシウム七水和物、塩化ナトリウム、重炭酸ナトリウム、第2リン酸ナトリウム七水和物から成る群から選択された塩を含むことを特徴とする、請求項10に記載の方法。
  12. 前記平衡塩類溶液が、約0.2g/Lの塩化カルシウム二水和物、約0.5g/Lの塩化カリウム、0.06g/Lの第1リン酸カリウム、約0.1g/Lの塩化マグネシウム六水和物、約0.12g/Lの硫酸マグネシウム七水和物、約7.3g/Lの塩化ナトリウム、約0.4g/Lの重炭酸ナトリウム、及び約0.05g/Lの第2リン酸ナトリウム七水和物を含むことを特徴とする、請求項10に記載の方法。
  13. 前記第2溶液が、本質的に、50mLの水、約0.31gの還元型L−グルタチオン、約0.18gのL−アスコルビン酸、約0.18gのL−シトルリン、約0.3gのクレアチンモノハイドレート、約2.26gのL−カルノシン、及び約0.87gのL−アルギニンから成ることを特徴とする、請求項10〜12の何れか一項に記載の方法。
  14. 前記第1溶液の前記第2溶液に対する体積比が約19:1であることを特徴とする、請求項10〜13の何れか一項に記載の方法。
  15. 前記第1溶液のpHが約pH7から約pH9までの範囲にあることを特徴とする、請求項10〜14の何れか一項に記載の方法。
  16. 前記第2溶液のpHが約pH6.4から約pH6.8までの範囲にあることを特徴とする、請求項10〜15の何れか一項に記載の方法。
  17. 前記第1溶液と前記第2溶液との混合物のpHが約pH7.2から約pH7.6までの範囲にあることを特徴とする、請求項10〜16の何れか一項に記載の方法。
  18. 仕切りにより別々の区画として保持される第1区画及び第2区画を有する容器であって、前記第1区画が前記第1溶液を含み、前記第2区画が前記第2溶液を含む容器を提供するステップと;
    前記仕切りを取り外すことにより、前記第1溶液及び第2溶液の混合を可能とし、これにより組織又は器官の機能を保護するための製剤を完成させるステップと、
    を更に含む、請求項10〜17の何れか一項に記載の方法。
  19. 前記第1溶液を含む第1容器を提供するステップと;
    前記第2溶液を含む第2容器を提供するステップと;
    前記第2容器の内容物と前記第1容器の内容物とを混合することにより、組織又は器官の機能を保護するための製剤を完成させるステップと、
    を更に含む、請求項10〜17の何れか一項に記載の方法。
  20. 組織又は器官の機能を保護する方法であって、
    水、平衡塩類溶液、糖類、アデノシン、オロチン酸、リンゴ酸、及びL−カルニチンを含み、pHが少なくとも7である第1溶液を提供するステップと;
    水、還元剤、抗酸化剤、L−シトルリン、クレアチンモノハイドレート、L−カルノシン、及びL−アルギニンを含み、pH7未満である第2溶液を提供するステップと;
    前記第1溶液と前記第2溶液とを混合することにより、組織又は機能の機能を保護するための製剤を完成させるステップと;
    組織又は器官を前記完成製剤と接触させるステップと、
    を含む方法。
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