JP2016504918A - タンパク質を製造する方法 - Google Patents

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Abstract

本発明は、微生物細胞ブロスを収集し、ある量の凝集剤を添加して、効果的な粒径分布を達成することによって、組換えタンパク質を製造する方法に関する。本発明はまた、ある量の凝集剤を添加して、効果的な粒径分布を達成することによって、微生物収集物を清澄化する方法に関する。【選択図】なし

Description

本発明は、微生物細胞ブロスを収集し、ある量の凝集剤を添加して、効果的な粒径分布を達成することによって、組換えタンパク質を製造する方法に関する。本発明はまた、ある量の凝集剤を添加して、効果的な粒径分布を達成することによって、微生物収集物を清澄化する方法に関する。
組換えタンパク質の大規模製造は、バイオテクノロジー産業にとって重要な課題である。組換えタンパク質は、通常、宿主細胞培養によって又は無細胞系を介して製造される。それぞれの場合において、タンパク質は、不純物を含むサンプルから、ヒト治療製品として使用するのに十分な純度まで精製される。典型的なプロセスは、固体粒子を除去するための最初の清澄化、その後の、十分な純度を確実にするための精製を含む。清澄化は、精製中に、続くクロマトグラフィステップに対する負荷を低下させることができる。
典型的な清澄化ステップは、遠心分離ステップ、又はろ過ステップ、又は両方を含む。清澄化の前に、前処理ステップを、サンプルを調整する方法として使用し得る。前処理調整ステップの例は凝集であり、凝集により、固体粒子はより大きな凝集体を形成し、この凝集体はその後清澄化によって除去される。
凝集剤の使用において多くの注力がなされているのは、清澄化の効率を改善するためにサンプルに存在する固体粒子の粒径を増加させることである。これは、より大きな凝集体は遠心分離による除去がより容易であるためである。
清澄化方法の開発は、典型的には、(i)固体粒子除去を最大にし、(ii)製品の品質及び製品の回収を維持し、(iii)使用される凝集剤の量を最小にし(多すぎると濁りを引き起こす)、(iv)続く精製ステップ(例えばクロマトグラフィステップ)に対する凝集剤の影響を最小にし、かつ(v)治療製品中における許容可能なレベルまで凝集剤の除去を確実にするために、凝集剤の効果的な量を選択することを含む。
したがって、望ましくない影響を最小限にしながら、所望の効果を達成するための凝集剤の効果的な量を選択する場合、注意深くバランスを取らなければならない。
(a)凝集特性、例えば(i)凝集体の形成(凝集の開始)及び凝集体の破壊、(ii)凝集体サイズ、(iii)凝集体の機械的安定性/強度、(iv)凝集体の表面せん断抵抗、(b)清澄化効率、(c)ろ過性、並びに(d)精製を評価することのうち1つ又はそれらの組み合わせを含めた、凝集剤の効果的な量を決定するための経験的試験が、通常、清澄化及び精製プロセスの様々な段階で実施される。そのような経験的試験は時間がかかり、労力を必要とし得る。
したがって、組換えタンパク質を製造する微生物細胞収集物のより効率的な清澄化方法に対する必要性がある。
本発明は、組換えタンパク質を製造する方法であって、
(a) 該組換えタンパク質を発現する微生物細胞ブロスを収集するステップ、及び
(b) ある量の凝集剤を添加して、5μm以下の粒径範囲にある約5体積%以下の粒子の粒径分布を達成するステップ
を含む、方法を提供する。
別の態様において、本発明は、組換えタンパク質を製造する方法であって、
(a) 該組換えタンパク質を発現する微生物細胞ブロスを収集するステップ、
(b) ある量の凝集剤を添加して、5μm以下の粒径範囲にある約5体積%以下の粒子の粒径分布を達成するステップ、及び
(c) 凝集した収集物を清澄化するステップ
を含む、方法を提供する。
別の態様において、本発明は、組換えタンパク質を製造する方法であって、
(a) 該組換えタンパク質を発現する微生物細胞ブロスを収集するステップ、
(b) ある量の凝集剤を添加して、5μm以下の粒径範囲にある約5体積%以下の粒子の粒径分布を達成するステップ、
(c) 凝集した収集物を清澄化するステップ、及び
(d) 清澄化した凝集収集物から該組換えタンパク質を精製するステップ
を含む、方法を提供する。
別の態様において、本発明は、微生物収集物を清澄化する方法であって、
(a) 微生物細胞ブロスを収集するステップ、
(b) ある量の凝集剤を添加して、5μm以下の粒径範囲にある約5体積%以下の粒子の粒径分布を達成するステップ、及び
(c) 凝集した収集物を清澄化するステップ
を含む、方法を提供する。
さらなる態様において、本発明は、改変された大腸菌(Escherichia coli)細胞収集物であって、
(a) 該細胞が、ペリプラズム標的化組換えタンパク質を発現し、
(b) 該収集物が、0.01〜2%のPEIを含み、かつ
(c) 該収集物の体積による粒径分布が、5μm以下の粒径範囲にある約5%以下の粒子である、
改変された大腸菌細胞収集物を提供する。
DOM100収集物、並びに0.005%、0.05%、0.1%、0.5%及び2% PEIを添加したDOM100収集物についての粒径分布を示す図である。 Dat06収集物、並びに0.03%、0.05%、0.1%、0.5%及び2.0% PEIを添加したDat06収集物について、直径5μm以下の粒子の体積パーセンテージを示す図である。 DOM101収集物(白丸)、及び高せん断にさらした収集物(黒丸)についての粒径分布を示す図である。粒径分布を、(a)全体積粒径分布(対数スケール)として示す; 粒径分布は、ピーク1(挿入b)、ピーク1及び2(挿入c)、並びにピーク3(挿入d)を強調する。 0.5% PEIで処理したDOM101収集物(黒丸)、並びに低せん断(バツ印)及び高せん断(白丸)で処理したPEI凝集収集物についての粒径分布を示す図である。粒径分布を、(a)全体積粒径分布(対数スケール)として示す; 粒径分布は、ピーク1(挿入b)、ピーク1(挿入c)、及びピーク2(挿入d)を強調する。 DOM100微生物ブロス収集物の濁度(供給液濁度)、及び遠心分離後の濁度(遠心分離液濁度)に対するPEI濃度の影響を示す図である。 DOM0101収集物(a)、及び0.5% PEIの存在下のDOM101収集物(b)について残存固体%の超スケールダウンモデル(ultra-scaled down model)を示す図である。せん断無し(黒丸)、低せん断(バツ印)、及び高せん断(白丸)に供したサンプルも示す。 DOM100収集物の遠心分離液の一次フィルターキャパシティに対するPEI濃度の影響を示す図である。 例示的タンパク質Dat06及びDOM100についての収集物中のDNA濃度に対する3種の異なる凝集剤の影響を示す図である。 例示的タンパク質DOM0101収集物の遠心分離液のろ過性に対する0.5% PEIの影響を示す図である。 誘導後の様々な収集時間における0.5% PEI処理有り及び無しでのDOM0101収集物の遠心分離液のろ過性におけるVmaxの変動を示す図である。 融解DOM101収集物(白丸)、及び高せん断で処理した融解収集物(黒丸)についての粒径分布を示す図である。粒径分布を、(a)全体積粒径分布(対数スケール)として示す; 粒径分布は、ピーク1(挿入b)、ピーク1、2及び3(挿入c)、並びにピーク3及び4(挿入d)を強調する。 融解DOM101収集物(黒丸)、及び高せん断で処理した0.5% PEI融解収集物(白丸)についての粒径分布を示す図である。粒径分布を、(a)全体積粒径分布(対数スケール)として示す; 粒径分布は、サブピーク(挿入b)、ピーク1(挿入c)、ピーク1及び2(挿入d)、並びにピーク2のトレイル(trail)の終わり(挿入e)を強調する。 せん断無し(黒丸)、低せん断(バツ印)及び高せん断(白丸)の存在下で0.5% PEIで処理した融解DOM101収集物についての粒径分布を示す図である。粒径分布を、(a)全体積粒径分布(対数スケール)として示す; 粒径分布は、ピーク1(挿入b)、ピーク1(挿入c)、及びピーク2(挿入d)を強調する。 せん断した融解DOM101収集物(黒丸)、及びホモジナイズした融解DOM101収集物(白丸)についての粒径分布を示す図である。粒径分布を、(a)全体積粒径分布(対数スケール)として示す; 粒径分布は、ピーク1(挿入b)、ピーク2及び3(挿入c)、並びにピーク3(挿入d)を強調する。 融解DOM101収集物(a)、PEIの添加有り(b)、並びに続く低(c)若しくは高(d)せん断への暴露有りの顕微鏡像である。 DOM0101ホモジナイズ融解収集物(a)、DOM101融解収集物(b)、及び0.5% PEI凝集DOM101融解収集物(c)についての残存固体%の超スケールダウンモデルを示す図である(図6についての説明)。 PEI 0〜0.6%の濃度範囲及びpH4〜9のpH範囲を有するDAT06発酵収集物を、(A)溶液の透明さを評価するためのA600nmの波長で測定した上清濁度(スケール0.2〜2.0); 並びに(B)遠心力の下で0.2μmフィルターを通した直接的ろ過実行によって測定した処理性(0〜250のスケールでのろ液体積)について評価した。 Dat06収集物を、0.1% PEI(低凝集剤濃度)及び0.4% PEI(高凝集剤濃度)並びに様々なイオン強度(伝導度)のNaCl溶液で処理した。「低凝集剤」及び「高凝集剤」を単に比較のために使用した。平均粒径(μm)を、Aにおいて評価し、≦5μmの粒子の体積%をBにおいて評価した。 DOM100収集物を、4.3% CaCl2、0.1% PEI及び0.2% PEIを用いて凝集させた。平均粒径をAにおいて評価し、≦5μmの粒子の体積%をBにおいて評価した(粒径は白四角によって示される)。フィルターキャパシティを、バッチ遠心分離機及び管状ボール遠心分離機(tubular bowl centrifuge)(連続遠心分離機)を用いて決定した。 0.4% PEIを添加したDat06及びDOM100収集物を、凝集剤で処理されなかったサンプルと比較した。次いで、清澄化を遠心分離によって実施し、HCPレべルを社内の解析免疫アッセイを用いて測定した。
本発明は、凝集剤を用いたより効率的な清澄化方法を、粒径分布、及び5μm以下の粒子の割合に影響を与えることによって達成できるという認識を伴う。本発明者らは、凝集剤添加時の5μm以下の粒子の割合が清澄化効率に決定的であることに気付いた。凝集剤添加時に5μm以下の粒径範囲にある約5体積%以下の粒子の粒径分布を達成することによって、より効率的な清澄化方法がもたらされる。
この方法の使用により、清澄化プロセスの様々な段階における凝集剤の効果的な量を決定するための労力を要する経験的試験に対する必要性がなくなる。
本明細書に記載される方法は、凝集剤の非添加、又は5μm以下の粒径範囲にある約5体積%以下の粒子の粒径分布を達成しない、ある量の凝集剤と比べて、清澄化中の遠心分離後の固体含有量の低下(固体除去の増加)をもたらす。性能の向上が、下流のろ過及び/又は精製ステップに増幅された影響を有するため、この遠心分離ステップにおける固体の効率的除去は、重要な利点を示す。これはまた、特に粘性のある又は高密度の細胞培養物を用いる場合に有用である。これは、遠心分離機による処理時間の改善をもたらし得る。
記載される方法は、凝集剤の非添加、又は5μm以下の粒径範囲にある約5体積%以下の粒子の粒径分布を達成しない、ある量の凝集剤と比べて、清澄化中のろ過性の改善をもたらす。これは、フィルターを通した流速の増加をもたらし得る。また、最大フィルターキャパシティが増加され得る。したがって、全体処理時間の低下がある。これらの利点の結果として、フィルター費用が低減し得る。
記載される方法は、凝集剤の非添加、又は5μm以下の粒径範囲にある約5体積%以下の粒子の粒径分布を達成しない、ある量の凝集剤と比べて、清澄化中の遠心分離後の濁度の低減をもたらす。
記載される方法は、凝集剤の非添加、又は5μm以下の粒径範囲にある約5体積%以下の粒子の粒径分布を達成しない、ある量の凝集剤と比べて、清澄化した凝集収集物中のDNA濃度の低減をもたらす。
他の改善点としては、凝集剤の非添加と比べて、清澄化中のせん断の作用に対する防御の改善がある。
記載される改善点はまた、凍結融解及び/又はホモジナイゼーションによって前処理されている収集物に適用される。
記載される方法は、清澄化中に所望の効果を達成するための凝集剤の最小有効量の同定をもたらす。
「約」は、量、時に関する持続期間などの測定可能な値を指す時に本明細書で用いられる場合、そのような変動が、記載される方法を実施するのに適切である場合、指定値から±1%、±0.75%、±0.5%、±0.25%、±0.2%、及び±0.1%の変動を包含することを意味する。
組換えタンパク質
組換えタンパク質は、抗原結合タンパク質、モノクローナル抗体、抗体断片、又はドメイン抗体を含んでよい。
組換えタンパク質は、ウイルスタンパク質、細菌毒素、細菌トキソイド、又はガン抗原を含み得る。例えば、細菌トキソイドは、ジフテリアトキソイド、例えばCRM197; 又は肺炎連鎖球菌(Streptococcus pneumoniae)莢膜糖コンジュゲート、並びにインフルエンザ菌(Haemophilus influenzae)由来のプロテインE及び/若しくはPilAを含むタンパク質成分である。
本明細書で用いられる場合、「組換えタンパク質」は、組織、系、動物又はヒトの生物学的又は医学的応答を誘発するために哺乳動物に投与することができる任意のタンパク質及び/又はポリペプチドを指す。組換えタンパク質は、2つ以上の生物学的又は医学的応答を誘発してよい。さらに、用語「治療上有効量」は、そのような量を受けていない対応する被験体と比較した場合、限定されないが、疾患、障害、若しくは副作用の治癒、阻止、又は改善、あるいは疾患若しくは障害の進行速度の低下、をもたらす任意の量を意味する。該用語はまた、その範囲内に、正常な生理的機能を増強するのに有効な量、並びに第二の薬剤の治療効果を増強若しくは補助する患者体内の生理的機能を引き起こすのに有効な量を含む。
用語「抗原結合タンパク質」は、本明細書で用いられる場合、抗体、抗体断片、及び抗原に結合できる他のタンパク質構築物、例えばドメインを指す。
用語「抗体」は、免疫グロブリン様ドメインを有する分子を指すために、最も広い意味で本明細書で用いられる。本明細書で用いられる場合、「免疫グロブリン様ドメイン」は、2つのβシートと、通常は、保存されたジスルフィド結合とを含有する、抗体分子に特徴的な免疫グロブリンフォールドを保持するポリペプチドのファミリーを指す。このファミリーは、モノクローナル(例えばIgG、IgM、IgA、IgD又はIgE)、組換え、ポリクローナル、キメラ、ヒト化、二重特異性及びヘテロコンジュゲート抗体; 単一可変ドメイン、ドメイン抗体、抗原結合断片、免疫学的に有効な断片、Fab、F(ab')2、Fv、ジスルフィド結合Fv、単鎖Fv、ダイアボディ、TANDABS(商標)などを含む(代替的「抗体」フォーマットの概要について、Holliger and Hudson, Nature Biotechnology, 2005, Vol 23, No. 9, 1126-1136を参照のこと)。
フレーズ「単一可変ドメイン」は、異なる可変領域又はドメインとは独立して、抗原又はエピトープに特異的に結合する抗原結合タンパク質可変ドメイン(例えば、VH、VHH、VL)を指す。「ドメイン抗体」又は「dAb」は、抗原又はエピトープに結合できる「単一可変ドメイン」と同じであると考えてよい。用語「エピトープ結合ドメイン」は、異なるドメインとは独立して、抗原又はエピトープに特異的に結合するドメインを指す。
本明細書で用いられる場合、「ドメイン」は、タンパク質の残りの部分とは独立して三次構造を保持する、折り畳まれたタンパク質構造を指す。概して、ドメインは、タンパク質の個別の機能的性質に関与するものであって、多くの場合、タンパク質の残りの部分及び/又はドメインの機能の喪失なしに、他のタンパク質に加えたり、取り除いたり、又は移動させることができる。単一抗体可変ドメイン若しくは免疫グロブリン単一可変ドメインは、抗体可変ドメインに特徴的な配列を含む、折り畳まれたポリペプチドドメインを意味する。したがって、これには、完全な抗体可変ドメイン及び改変された可変ドメイン(例えば、この改変可変ドメインでは、1つ以上のループが、抗体可変ドメインに特徴的でない配列で置き換えられている)、あるいは、トランケートされた又はN若しくはC末端伸長を含む抗体可変ドメイン、さらには、全長ドメインの結合活性及び特異性を少なくとも部分的に保持する可変ドメインの折り畳まれた断片も含まれる。
ドメイン抗体は、他の可変領域又は可変ドメインを有するフォーマット(例えば、ホモ又はヘテロ多量体)において存在することができ、この場合、他の領域又はドメインは、単一免疫グロブリン可変ドメインによる抗原結合に必要ではない(すなわち、免疫グロブリン単一可変ドメインは、さらなる可変ドメインとは独立して抗原に結合する)。
ドメイン抗体は、ヒト抗体可変ドメインであってよい。dAbは、ヒト由来であってよい。換言すると、dAbは、ヒトIgフレームワーク配列に基づいてよい。
本明細書で用いられる場合、用語「抗原結合部位」は、抗原に特異的に結合できる抗原結合タンパク質の部位を指し、これは、単一ドメインであってよく、又はそれは、標準的抗体に見られるように対になったVH/VLドメインであってよい。単鎖Fv(ScFv)ドメインはまた、抗原結合部位を提供することができる。
抗原結合タンパク質は、さらなるエピトープ結合ドメインなどの、異なる抗原に対するさらなる抗原結合部位を含んでもよい。例えば、抗原結合タンパク質は、2つ以上の抗原、例えば2つの抗原、又は3つの抗原、又は4つの抗原に対する特異性を有していてよい。
抗原結合タンパク質は、結合ドメインに直接的又は間接的に(例えば、リンカー配列を介して)各末端に結合した、抗体のFc領域又はその一部からなってよく、又は実質的になってよい。そのような抗原結合タンパク質は、Fc領域又はその部分によって隔てられた2つの結合ドメインを含んでよい。隔てられたとは、結合ドメインが、互いに直接結合せず、Fc領域又は任意の他の足場領域の反対の末端(C及びN末端)に位置し得ることを意味する。
抗原結合タンパク質は、2つの足場領域を含んでよく、それぞれの足場領域は、例えば各足場領域のN及びC末端に、直接的に又はリンカーを介して間接的にのいずれかで2つの結合ドメインに結合している。各結合ドメインは異なる抗原に結合してよい。
抗原結合タンパク質は、mAbdAbのタンパク質足場フォーマットをとり得る。「mAbdAb」及び「dAbmAb」は、互換的に使用され、本明細書で用いられる場合、同じ意味を有することが意図される。そのような抗原結合タンパク質は、さらなる結合ドメイン、例えばドメイン抗体、と連結している、タンパク質足場、例えばIg足場、例えばIgG、例えばモノクローナル抗体を含む。mAbdAbは、少なくとも2つの抗原結合部位を有し、その少なくとも1つは、ドメイン抗体に由来し、少なくとも1つは対になったVH/VLドメインに由来する。
ドメイン抗体は、単量体又は多量体(例えば二量体)形態で存在し、かつ、標的と結合することができ、フォーマット化及び標的化アプローチのための他の分子と組み合わせて使用することができる。例えば、ドメインの1つがアルブミンなどの血清タンパク質に結合する、複数のドメインを有する抗原結合タンパク質を作製することができる。血清アルブミンに結合するドメイン抗体(AlbudAbs(商標))は、例えばWO05/118642に記載され、ドメイン融合パートナーに、それ自体で、血清半減期の延長を提供できる。
dAbsはまた、例えば他の分子、例えば薬物、別のタンパク質、抗体分子又は抗体断片とのdAb-コンジュゲート又はdAb-融合体の形態で、他の分子とコンジュゲートされてもよい。例えば、dAbは、フォーマット化dAbとして存在してよく、例えば、dAbは、例えばWO 2008/149148に記載されるように、dAb-Fc融合体又はコンジュゲートとして存在してもよい。あるいは、フォーマット化dAbは、WO 2009/068649に記載されるように、mAbdAbとして存在し得る。dAbは、半減期を延長するタンパク質又はポリペプチド、例えば、血清アルブミンに結合するさらなるdAb(AlbudAb(商標))、又はポリエチレングリコール(PEG)などの半減期を延長する化学的部分、との融合体又はコンジュゲートとして存在してもよい。dAbは、さらなる治療若しくは活性分子との融合体又はコンジュゲートとして存在してもよい。
本明細書で用いられる場合、「薬物」は、個体における生物学的標的分子への結合及び/又はその機能の変更を通して、有益な治療又は診断効果を生じるために、個体に投与することができる任意の化合物(例えば、小有機分子、核酸、ポリペプチド)を指す。標的分子は、個体のゲノムによってコードされる内因性標的分子(例えば、個体のゲノムによってコードされる酵素、受容体、成長因子、サイトカイン)であっても、又は病原体のゲノムによってコードされる外来性標的分子であってもよい。薬物は、dAb又はmAbであってもよい。
「dAbコンジュゲート」は、薬物が、共有結合又は非共有結合によって化学的にコンジュゲートされるdAbを含む組成物を指す。好ましくは、dAb及び薬物は、共有結合により結合している。そのような共有結合は、ペプチド結合を通してであってよく、又は他の手段、例えば修飾側鎖を介してであってよい。非共有結合は、直接的(例えば、静電相互作用、疎水性相互作用)であっても、又は間接的(例えば、一方のパートナーが薬物に共有結合し、相補的な結合パートナーがdAbに共有結合している、相補的結合パートナー(例えば、ビオチン及びアビジン)の非共有結合を通して)であってもよい。相補的結合パートナーを用いる場合、結合パートナーの一方は、直接的に又は適切なリンカー部分を介して、薬物に共有結合により結合することができ、相補的結合パートナーは直接的に又は適切なリンカー部分を介して、dAbに共有結合により結合することができる。
本明細書で用いられる場合、「dAb融合体」は、dAb及びポリペプチド薬物(ポリペプチド、dAb又はmAbであり得る)を含む融合タンパク質を指す。dAb及びポリペプチド薬物は、単一の連続的ポリペプチド鎖の個別の部分(part)(部分(moiety))として存在する。
したがって、開示の方法は、治療タンパク質、モノクローナル抗体(mAb)、ドメイン抗体(dAb)、dAbコンジュゲート、dAb融合体、mAbdAb、又は上記の任意の他の抗原結合タンパク質、のうちの1つ以上に適用され得る。
例えば、抗原結合タンパク質は、ペプチド-dAb融合体(例えばエキセンディン(Exendin)4-AlbudAb(商標)/Dat01)、dAbコンジュゲート(例えばC末端システイン(PYY化学コンジュゲーション用)を有するAlbudAb(商標)/Dat06)、dAb-dAb融合体(例えばAlbudAb(商標)-TNFR1 VH dAb/DOM100)、又は裸のdAb(例えばVH dAb(抗TNFR1)/DOM101)である。
例えば、抗原結合タンパク質は、配列番号1(Dat01)、配列番号3(Dat06)、配列番号5(DOM100)、配列番号7(DOM101)、又は配列番号9(DOM101アラニン伸長)を含むか、又はこれらからなる。
タンパク質の発現
好適な微生物細胞は、原核細胞、例えばグラム陰性又はグラム陽性細菌などの細菌細胞であってよい。そのような細菌細胞としては、大腸菌(Escherichia Coli)(例えば、株W3110、又はBL21)、バシラス属種(Bacilli sp.)(例えば、枯草菌(B. subtilis))、シュードモナス属種(Pseudomonas sp.)、モラクセラ属種(Moraxella sp.)、コリネバクテリウム属種(Corynebacterium sp.)及び他の適切な細菌が挙げられる。
好適な微生物細胞は、真核細胞、例えば酵母(例えば、出芽酵母(Saccharomyces cerevisiae)、ピキア・パストリス(Pichia pastoris))、又は真菌(例えばアスペルギルス属種(Aspergilus sp.))であってよい。
組換えタンパク質をコードする組換え核酸分子を含むベクターも本明細書に記載される。ベクターは、組換え核酸に作動可能に連結している1つ以上の発現制御エレメント又は配列を含む発現ベクターであってよい。ベクターの例としては、プラスミド及びファージミドがある。
適切な発現ベクターは、いくつかの成分、例えば複製起点、選択可能なマーカー遺伝子、1つ以上の発現制御エレメント、例えば転写制御エレメント(例えば、プロモーター、エンハンサー、ターミネーター)及び/又は1つ以上の翻訳シグナル、シグナル配列又はリーダー配列を含有することができる。発現制御エレメント及びシグナル配列が存在する場合、ベクター又は他の起源によってそれらが提供されてよい。例えば、抗体鎖をコードするクローン化された核酸の転写及び/又は翻訳制御配列を用いて、発現を指示することができる。
所望の細胞で発現させるためにプロモーターを提供することができる。プロモーターは、構成的であっても、誘導性であってもよい。例えば、プロモーターは、抗体、抗体鎖、又はその一部をコードする核酸に、その核酸の転写を指示するよう、作動可能に連結することができる。原核細胞用の様々な適切なプロモーター(例えば、大腸菌用のlac、tac、trp、phoA、lambdapL、T3、T7(T7A1、T7A2、T7A3)プロモーター)を使用してよい。使用し得るオペレーター配列は、lac、gal、deo及びginを含む。1つ以上の完全パリンドロームオペレーター配列を使用してよい。
さらに、発現ベクターは、典型的には、ベクターを保有する細胞の選択のための選択可能マーカー、及び複製可能発現ベクターの場合には複製起点を含む。抗菌性又は薬物耐性を与える産物をコードする遺伝子は、一般的な選択可能マーカーであり、原核細胞(例えば、ラクタマーゼ遺伝子(アンピシリン耐性)、テトラサイクリン耐性のためのTet遺伝子)及び真核細胞(例えばネオマイシン(G418又はジェネティシン)、gpt(ミコフェノール酸)、アンピシリン、又はハイグロマイシン耐性遺伝子)において使用してよい。ジヒドロ葉酸レダクターゼマーカー遺伝子は、様々な細胞においてメトトレキサートによる選択を可能にする。
WO2007/088371に記載されるような発現ベクター(例えばpAVE037、pAVE007、又はpAVE011)を使用してタンパク質を発現させてもよい。あるいは、pJExpress401などの市販のベクターを使用してタンパク質を発現させてもよい。
宿主細胞は、上に記載される組換え核酸分子又はベクターを含む。
本発明の微生物細胞ブロスの細胞は、組換えタンパク質を発現する。組換えタンパク質は、細胞内で発現し得る。別の態様において、発現される組換えタンパク質は、微生物細胞の分泌経路に沿ってタンパク質を送る、シグナル配列(シグナルペプチドとしても知られる)を有する。
グラム陽性細菌では、分泌されるタンパク質は、最も一般的には、Sec経路又はTat経路によって単一膜を横断して移行される。グラム陰性細菌では、いくつかの分泌されるタンパク質は、I型、III型、IV型又はVI型分泌経路を介して単一ステップにおいて内膜及び外膜を横断してエクスポートされ、一方、他のタンパク質は、普遍的Sec又はTat経路を介してペリプラズムに最初にエクスポートされ、次いで、主にII型又はV型機構を介して外膜を横断して移行される。II型系は、Sec分泌配列を含有する未成熟タンパク質がSec経路を使用してペリプラズムへエクスポートされる、2段階プロセスを含む。分泌配列は、タンパク質分解によって除去され、ペリプラズムに存在するプロセシングされた成熟タンパク質をもたらし、タンパク質が培養培地へ分泌されるか否かは、分泌配列、タンパク質、細胞及び培養条件の特徴に大いに依存する。細胞溶解(自己溶解)の場合においても、培養培地中のタンパク質の大部分はペリプラズムに由来し、したがってプロセシングされると考えることができる。組換えタンパク質は、分泌シグナル配列を介して培養培地へ能動的に分泌されてもよいし、又は当技術分野で公知の他の細胞経路を介してペリプラズムから培養培地へ受動的に分泌されてもよい。
シグナル配列のプロセシングは、タンパク質からのシグナル配列の切断及び除去を含む。しかし、シグナル配列のいくつかのアミノ酸はタンパク質のN末端に残存することが知られ、シグナル配列は適切にプロセシングされない。シグナル配列は90%以上プロセシングされ、シグナルの10%以下がタンパク質のN末端に残存してもよい。シグナル配列は、少なくとも91、92、93、94、95、96、97、98、又は99%プロセシングされてよい。シグナル配列は、約100%プロセシングされ、細胞の分泌経路を通過した後にタンパク質のN末端に全く残存していなくてもよい。
シグナル配列は、ペリプラズム標的化シグナル配列であってよい。タンパク質をペリプラズムに向かわせるシグナル配列は当技術分野で公知である。例えば、MalEシグナル配列が使用される。あるいは、PelB又はOmpAシグナル配列が使用される。
収集
微生物宿主細胞は、組換えタンパク質を発現するのに適した条件下で増殖される。微生物細胞ブロスは、組換えタンパク質を発現する宿主細胞の集団である。微生物細胞ブロスは、標準的手順にしたがって発酵容器中で培地(例えば複合培地)を用いる宿主細胞(例えば大腸菌)のフェドバッチ発酵を使用して製造してよい。発酵条件は、細胞に栄養及び給気を供給することを含む。
収集は、発酵の終了である。収集は、発酵プロセスを終了し、発現されている組換えタンパク質を回収するのに十分であると考えられる、発酵中のいずれの時点におけるものであってもよい。収集は、組換えタンパク質を発現させるための細胞ブロスの誘導後8〜50時間の間に生じてよい。例えば、収集は、誘導後8〜36時間の間に生じてよい。収集時に、微生物細胞集団の固体含有量は、5〜30%細胞湿重量(WCW)であってよい。
発酵槽の容量は、
(i) 約10,000リットル、約5,000リットル、約2,000リットル、約1,000リットル、約500リットル、約125リットル、約50リットル、約20リットル、約10リットル、約5リットル、又は
(ii) 5〜10,000リットル、10〜5,000リットル、20〜2,000リットル、50〜1,000リットル
であってよい。
収集物の粒径分布は、より多い又は少ない程度の微細な(≦5μm)粒子の形成を伴って、かなり変動し得る。例えば、≦5μmの粒子の全体積によるパーセンテージは、5%以上、10%以上、25%以上、50%以上、75%以上、80%以上、85%以上、90%以上、95%以上、又は100%であってよい。
収集物は、自己溶解としても知られる、自然に溶解した細胞を含んでよい。例えば、収集物中の細胞の1〜50%は、自己溶解を経たものであってよい。あるいは、収集物中の細胞の20〜50%、又は30〜50%、又は40〜50%は、自己溶解している。あるいは、収集物中の細胞の10%以上、20%以上、30%以上、40%以上、又は50%以上は、自己溶解している。自己溶解は、実施例に記載されるように、清澄化された収集物中のDNA濃度によって、又はキャパシタンスによって、間接的に決定することができる。自己溶解はまた、組換えタンパク質の培養培地への放出/分泌によって間接的に決定することができるが、培地への放出/分泌が生じ得る他の方法があるため(上記したように)、これは、必ずしも直接的相関ではない。
収集は、微生物細胞ブロスの発酵槽から中身を取り出す任意選択のステップを含んでよい。
収集物の任意選択の前処理
収集物の前処理は、収集物を調整する方法である。このステップは、発酵槽中で、又は発酵槽から収集物を取り出した後、実施してよい。前処理は、熱的、機械的又は化学的に収集物を溶解させること(例えば、ホモジナイゼーション、凍結融解、溶解によって); 及びペリプラズム抽出を含む。少なくとも1つのペリプラズム抽出物を、当技術分野で公知の方法を用いて抽出し得る。タンパク質は細胞内で発現されてよく、細胞は、溶解されてタンパク質を放出し得る。例えば、細胞は、ホモジナイズされて、細胞内から又はペリプラズム内からタンパク質を放出し得る。
一実施形態において、収集物は、凝集剤の添加前にさらに処理されない。例えば、収集物は溶解物ではなく、すなわち、化学的溶解試薬で処理されない。例えば、収集物はホモジネートではない。例えば、収集物は凍結融解を受けない。
凝集剤の添加
改善された清澄化ステップは、収集物中の低い割合(5%以下)の微細な(≦5μm又はそれ未満)粒子を達成するための凝集剤の使用を含むと本発明者らは仮説を立てた。したがって、粒径分布を、凝集剤の添加前に及び凝集剤のレベルの増加とともにモニターした。
凝集剤としては、鉱物又は植物親水コロイド; アニオン性高分子電解質(例えばポリスチレンスルホン酸、アニオン性ポリアクリルアミド); カチオン性高分子電解質(例えばポリエチレンイミン(PEI)、カチオン性ポリアクリルアミド)、微生物由来天然ポリマー(例えばキトサン); 及び化学的凝集剤、例えば硫酸アルミニウム、合成及び非合成ポリマー、強いカチオン性物質が挙げられる。凝集剤の具体的な例としては、PEI(MW: 50kDa〜100kDa)、ポリ(ジアリルジメチルアンモニウムクロライド)(PDADMAC)(低分子量型MW: 100kDa〜200kDa; 又は高分子量型400kDa〜500kDa)、酸沈殿、CaCl2、キトサン(MW: 110kDa)が挙げられる。一実施形態において、凝集剤はPEI(50kDa〜100kDa)である。別の実施形態において、凝集剤はPDADMAC低分子量型MW: 100kDa〜200kDaである。さらなる実施形態において、凝集剤はPDADMAC高分子量型400kDa〜500kDaである。別の実施形態において、凝集剤はCaCl2である。
凝集剤は、可溶性組換えタンパク質が溶液中に残存するように、不溶性又は固体材料の凝集を引き起こす。PEIは、組換えタンパク質が溶液中にとどまるように、核酸、脂質、コロイドタンパク質(組換えタンパク質ではない)などの可溶性材料の「沈殿剤」として、並びに細胞及び細胞片の「凝集剤」としての両方で作用し得る。
ある量の凝集剤を収集物に添加して、5μm以下の粒径範囲にある約5体積%以下の粒子の粒径分布を達成する。凝集剤のこの量は、収集物の0.01〜5体積%であってよい。あるいは、凝集剤の量は、収集物の0.01〜2体積%である。例えば、凝集剤の量は、収集物の0.1〜2%、0.1〜0.5%、若しくは0.3〜0.5%であってよく、又は0.5%である。
例えば、PEI、PDADMAC低分子量型(MW: 100kDa〜200kDa)、又はPDADMAC高分子量型(400kDa〜500kDa)は、0.1〜2%の濃度である。あるいは、CaCl2は、3〜6%、例えば4.3%の濃度である。例えば、DOM100収集物中のPEI濃度は、0.1〜2.0%、0.15〜2.0%、0.2〜2.0%、又は0.3〜0.5%である。あるいは、DOM100収集物中のCaCl2濃度は、4.3%である。例えば、Dat01収集物中のPEI濃度は、0.05〜0.8%、0.1〜0.8%、又は0.1〜0.2%である。例えば、Dat06収集物中のPEI濃度又はPDADMAC(高又は低)濃度は、0.1〜0.5%、0.2〜0.5%、又は0.15〜0.4%である。例えば、DOM101収集物中のPEI濃度は、0.5%である。
凝集した収集物の粒径分布は、5μm以下の粒径範囲にある約5%以下の粒子であるべきである。これは、凝集剤添加前の収集物の5μm以下の粒径範囲にある粒子の開始割合とは無関係である。したがって、収集物中の5μm以下の粒径範囲にある粒子のパーセンテージが5%より大きい場合、凝集剤の添加は、このパーセンテージを約5%以下に低減すべきである。収集物中の5μm以下の粒径範囲にある粒子のパーセンテージが約5%以下である場合、凝集剤の添加は、このパーセンテージを約5%以下に維持すべきである。
収集ステップと凝集剤の添加との間の経過時間は、0〜24時間であってよい。あるいは、収集ステップと凝集剤の添加との間の経過時間は、0〜12時間、0〜6時間、又は0〜3時間であってよい。
粒径分布は、小体積分散ユニット(Small Volume Dispersion Unit)を備えたMalvernマスターサイズ機器(Master Size Instrument)(Malvern instruments, Worcestershire, UK)を用いて製造業者の推奨プロトコールにしたがって決定できる。
屈折率(RI)は、1.4〜1.6に設定し得る。例えば、RIは、1.45、又は1.52、又は1.59に設定し得る。吸着係数は、0.000〜0.001に設定し得る。例えば、吸着係数は、0.000又は0.001に設定し得る。
5μmの粒径分布にある粒子のパーセンテージは、凝集剤の添加後に、約5%以下、約4%以下、約3%以下、約2.5%以下、約2%以下、約1.5%以下、約1%以下、約0.5%以下、約0.25以下、約0.1%以下、約0.05%以下、約0.01%以下、又は約0%であってよい。
例えば、5μmの粒径分布にある粒子のパーセンテージは、0〜6%、0〜5%、0〜4%、0〜3%、0〜2.5%、0〜2%、0〜1.5%、0〜1%、0〜0.05%、又は0〜0.01%の範囲にある。
5μm以下の体積にある粒子の粒径範囲は、約4μm以下、約3μm以下、約2.5μm以下、約2μm以下、約1.5μm以下、約1μm以下、約0.5μm以下であってよい。例えば、粒径範囲は、0〜5μm、0〜4μm、0〜3μm、0〜2μm、又は0〜1μmであってよい。
5μm以下の粒径範囲にある約5体積%以下の粒子の粒径分布を達成するために、第一の量の凝集剤を添加し、粒径分布を評価し、必要であれば、第二の量の凝集剤を添加してもよい。
清澄化
清澄化は、固体粒子を除去するためのプロセスである。清澄化は、精製中に、続くクロマトグラフィステップに対する負荷を低下させることができる。典型的な清澄化ステップは、沈降(settling)ステップ-沈降(sedimentation)としても知られている(例えば重力による)、及び/又は遠心分離ステップ、及び/又はろ過ステップを含む。
遠心分離ステップは、連続遠心分離(例えば連続供給帯を有する)であってよい。遠心分離機は、固体の排出に関して、それ自体、「バッチ」で又は「断続的」又は「連続的」に作動してよい。例えば、管状ボール遠心分離機を連続遠心分離ステップとして使用してよい。
遠心分離後に残存する固体パーセンテージは、約0%、約0.5%以下、約1%以下、約2%以下、約3%以下、約4%以下、約5%以下、約10%以下、約15%以下、又は約20%以下であってよい。
遠心分離を、唯一の清澄化プロセスとして使用してよい。あるいは、遠心分離をろ過と組み合わせて使用して、組み合わせた清澄化プロセスを提供してもよい。遠心分離が最初のステップとして生じ、次いでろ過が続くステップとして生じてもよいし、その逆であってもよい。あるいは、ろ過を、唯一の清澄化プロセスとして使用してよい。ろ過(例えばデプスろ過)は、小さい固体粒子を除去するさらなる清澄化を提供し得る。
フィルターキャパシティは、凝集剤の無い場合と比べて、凝集剤の添加により約200%、約300%以上、約400%以上、約500%以上、約600%以上、約700%以上、約800%以上、約900%以上、約1000%以上、又は約2000%以上改善され得る。
組換えタンパク質の精製
組換えタンパク質の十分な精製を確実にするために、清澄化の後に精製が続くことが多い。1つ以上のクロマトグラフィステップ、例えば1つ以上のクロマトグラフィ樹脂及び/又は1つ以上のろ過ステップを用いてよい。例えば、プロテインA又はLなどの樹脂を用いるアフィニティクロマトグラフィを用いて、組換えタンパク質を精製してよい。あるいは、又はさらに、カチオン交換などのイオン交換樹脂を用いて、組換えタンパク質を精製してもよい。
組換えタンパク質回収
4種の異なる組換えタンパク質が実施例に記載される。本明細書の方法によって記載される凝集剤の使用によってタンパク質回収が損なわれるという示唆はない。本明細書の方法によって記載される凝集剤の使用は、細胞からのタンパク質の放出を実際に改善することが可能であり得る。
他の要素
凝集剤の添加時に収集物のpHの変更を用いて、5μm以下の粒子の数を微調整してよい。例えば、収集物及び凝集剤のpHを、pH≦7に調整してよい。収集物及び凝集剤のpHを、pH4〜7、又はpH4〜6、又はpH4〜5に調整してよい。
凝集剤の添加時に収集物の伝導度の変更を用いて、5μm以下の粒子の数、又は平均粒径を微調整してよい。
以下の項目は本発明を記載する:
項目1. 組換えタンパク質を製造する方法であって、
(a) 該組換えタンパク質を発現する微生物細胞ブロスを収集するステップ、及び
(b) ある量の凝集剤を添加して、5μm以下の粒径範囲にある約5体積%以下の粒子の粒径分布を達成するステップ
を含む、方法。
項目2. (c) 凝集した収集物を清澄化するステップをさらに含む、項目1に記載の方法。
項目3. (d) 清澄化した凝集収集物から前記組換えタンパク質を精製するステップをさらに含む、項目2に記載の方法。
項目4. 微生物収集物を清澄化する方法であって、
(a) 微生物細胞ブロスを収集するステップ、
(b) ある量の凝集剤を添加して、5μm以下の粒径範囲にある約5体積%以下の粒子の粒径分布を達成するステップ、及び
(c) 凝集した収集物を清澄化するステップ
を含む、方法。
項目5. 前記微生物細胞ブロスが、組換えタンパク質を発現する、項目4に記載の方法。
項目6. (a)の収集ステップとステップ(b)における凝集剤添加との間の経過時間が、0〜24時間である、先行する項目のいずれか一つに記載の方法。
項目7. ステップ(a)と(b)との間に追加のステップ:
(b’) (i)機械的若しくは化学的溶解、又は(ii)ペリプラズム抽出、によって収集物を前処理するステップ
をさらに含む、先行する項目のいずれか一つに記載の方法。
項目8. ステップ(a)の収集された微生物細胞ブロスが、ステップ(b)の前にさらに処理されない、項目1〜6のいずれか一つに記載の方法。
項目9. ステップ(c)が、(i)沈降、及び/又は(ii)遠心分離、及び/又は(iii)ろ過を含む、項目2〜8のいずれか一つに記載の方法。
項目10. 発現される前記組換えタンパク質が、シグナル配列を含む、項目1〜3及び5〜9のいずれか一つに記載の方法。
項目11. 分泌される組換えタンパク質の前記シグナル配列が、90%を超えてプロセシングされる、項目10に記載の方法。
項目12. 前記シグナル配列が、ペリプラズム標的化シグナル配列である、項目10又は11に記載の方法。
項目13. 前記組換えタンパク質が、培養培地へ分泌される、項目1〜3及び5〜12のいずれか一つに記載の方法。
項目14. (a)の微生物細胞ブロス中の細胞の1〜50%が、自己溶解を経ている、先行する項目のいずれか一つに記載の方法。
項目15. 自己溶解が、キャパシタンスによって評価される、項目14に記載の方法。
項目16. ステップ(b)において、第一の量の凝集剤を添加し、粒径分布を評価し、かつ、必要であれば、第二の量の凝集剤を添加して、5μm以下の粒径範囲にある約5体積%以下の粒子の粒径分布を達成することをさらに含む、先行する項目のいずれか一つに記載の方法。
項目17. 前記凝集剤の量が、収集物の0.01〜5体積%の量において添加される、先行する項目のいずれか一つに記載の方法。
項目18. 前記凝集剤の量が、収集物の0.01〜2体積%の量において添加される、先行する項目のいずれか一つに記載の方法。
項目19. 前記凝集剤が、ポリエチレンイミン(PEI)又はポリ(ジアリルジメチルアンモニウムクロライド)(PDADMAC)である、項目18に記載の方法。
項目20. 前記PEIが、高分子量PEI、例えばMW 50kDa〜100kDaである、項目19に記載の方法。
項目21. 前記凝集剤がCaCl2である、項目18に記載の方法。
項目22. 前記微生物細胞ブロスが、大腸菌(Escherichia coli)細胞ブロスである、先行する項目のいずれか一つに記載の方法。
項目23. ステップ(b)における凝集剤の添加後に、5μmの粒径分布にある粒子の%が、約4%以下、約3%以下、約2.5%以下、約2%以下、約1.5%以下、約1%以下、約0.5%以下、約0.25以下、約0.1%以下、約0.05%以下、約0.01%以下、又は約0%である、先行する項目のいずれか一つに記載の方法。
項目24. 5μm以下の体積にある粒子の粒径範囲が、約4μm以下、約3μm以下、約2.5μm以下、約2μm以下、約1.5μm以下、約1μm以下、約0.5μm以下である、先行する項目のいずれか一つに記載の方法。
項目25. 前記遠心分離が、連続遠心分離によるものである、項目9〜24のいずれか一つに記載の方法。
項目26. 前記遠心分離が、バッチ遠心分離によるものである、項目9〜24のいずれか一つに記載の方法。
項目27. ステップ(c)の間に残存している固体%が、約0%、約0.5%以下、約1%以下、約2%以下、約3%以下、約4%以下、約5%以下、約10%以下、約15%以下、又は約20%以下である、項目2〜26のいずれか一つに記載の方法。
項目28. ステップ(c)の間のフィルターキャパシティが、凝集剤の無い場合と比べて、凝集剤の存在下で、約200%、約300%以上、約400%以上、約500%以上、約600%以上、約700%以上、約800%以上、約900%以上、約1000%以上、又は約2000%以上改善される、項目2〜27のいずれか一つに記載の方法。
項目29. 前記組換えタンパク質が、抗原結合タンパク質である、項目1〜3及び5〜28のいずれか一つに記載の方法。
項目30. 前記抗原結合タンパク質が、dAb(ドメイン抗体)を含む、項目29に記載の方法。
項目31. 前記抗原結合タンパク質が、
(a) ペプチド-dAb融合体、
(b) dAbコンジュゲート、
(c) dAb-dAb融合体、又は
(d) 裸のdAb
を含む、項目29に記載の方法。
項目32. 前記抗原結合タンパク質が、
(a) エキセンディン4-AlbudAb(商標)(配列番号1)、
(b) C末端システインを有するAlbudAb(商標)(配列番号3)、
(c) AlbudAb(商標)-TNFR1 VH dAb(配列番号5)、又は
(d) VH dAb 抗TNFR1(配列番号7又は9)
を含む、項目29に記載の方法。
項目33. 前記組換えタンパク質が、ウイルスタンパク質、細菌毒素、細菌トキソイド又はガン抗原を含む、項目1〜3及び5〜28のいずれか一つに記載の方法。
項目34. (a)における収集物の固体含有量が、5〜30% 細胞湿重量(WCW)である、先行する項目のいずれか一つに記載の方法。
項目35. 前記微生物細胞ブロスが、発酵槽から収集される、先行する項目のいずれか一つに記載の方法。
項目36. 前記発酵槽の容量が、
(i) 約10,000リットル、約5,000リットル、約2,000リットル、約1,000リットル、約500リットル、約125リットル、約50リットル、約20リットル、約10リットル、約5リットル、又は
(ii) 5〜10,000リットル、10〜5,000リットル、20〜2,000リットル、50〜1,000リットル
である、項目35に記載の方法。
項目37. 改変された大腸菌(Escherichia coli)細胞収集物であって、
(a) 該細胞が、ペリプラズム標的化組換えタンパク質を発現し、
(b) 該収集物が、0.01〜2体積%のPEIを含み、かつ
(c) 該収集物の体積による粒径分布が、5μm以下の粒径範囲にある約5%以下の粒子である、
改変された大腸菌細胞収集物。
項目38. 前記収集物が、(i)機械的若しくは化学的溶解、又は(ii)ペリプラズム抽出によって処理されている、項目37に記載の改変された収集物。
項目39. 前記細胞の1〜50%が自己溶解を経ている、項目37又は38に記載の改変された収集物。
項目40. 自己溶解が、キャパシタンスによって評価される、項目39に記載の改変された収集物。
項目41. 前記ポリエチレンイミン(PEI)が、高分子量PEI、例えばMW 50kDa〜100kDaである、項目37〜40のいずれか一つに記載の改変された収集物。
項目42. 5μmの粒径分布にある粒子の%が、約4%以下、約3%以下、約2.5%以下、約2%以下、約1.5%以下、約1%以下、約0.5%以下、約0.25以下、約0.1%以下、約0.05%以下、約0.01%以下、又は約0%である、項目37〜41のいずれか一つに記載の改変された収集物。
項目43. 5μm以下の体積にある粒子の粒径範囲が、約4μm以下、約3μm以下、約2.5μm以下、約2μm以下、約1.5μm以下、約1μm以下、約0.5μm以下である、項目37〜42のいずれか一つに記載の改変された収集物。
項目44. 前記組換えタンパク質が、抗原結合タンパク質を含む、項目37〜43のいずれか一つに記載の改変された収集物。
項目45. 前記抗原結合タンパク質がdAb(ドメイン抗体)を含む、項目44に記載の改変された収集物。
項目46. 前記抗原結合タンパク質が、
(a) ペプチド-dAb融合体、
(b) dAbコンジュゲート、
(c) dAb-dAb融合体、又は
(d) 裸のdAb
を含む、項目44に記載の改変された収集物。
項目47. 前記抗原結合タンパク質が、
(a) エキセンディン4-AlbudAb(商標)、
(b) C末端システインを有するAlbudAb(商標)、
(c) AlbudAb(商標)-TNFR1 VH dAb、又は
(d) VH dAb 抗TNFR1
を含む、項目44に記載の改変された収集物。
項目48. 前記組換えタンパク質が、ウイルスタンパク質、細菌毒素、細菌トキソイド又はガン抗原を含む、項目37〜43のいずれか一つに記載の改変された収集物。
項目49. 前記収集物の固体含有量が、5〜30% 細胞湿重量(WCW)である、項目37〜48のいずれか一つに記載の改変された収集物。
項目50. 前記収集物の体積が、
(i) 約10,000リットル、約5,000リットル、約2,000リットル、約1,000リットル、約500リットル、約125リットル、約50リットル、約20リットル、約10リットル、約5リットル、又は
(ii) 5〜10,000リットル、10〜5,000リットル、20〜2,000リットル、50〜1,000リットル
である、項目37〜49のいずれか一つに記載の改変された収集物。
全ての化学物質及び試薬は、他に指示されない限り、Sigma Aldrich製である。
凝集剤ポリエチレンイミン(PEI)は、第一級、第二級及び第三級アミンからなるカチオン性ポリマー、(C2H5N)n、MW=50,000〜100,000Daであり、水中の10%又は12.5% w/v溶液として調製し、使用前に少なくとも30分間熟成させた。
凝集剤ポリ(ジアリルジメチルアンモニウムクロライド)(PDADMAC)は、低分子量型(100,000〜200,000Da)又は高分子量型(400,000〜500,000Da)のいずれかで使用される、高電荷密度のカチオン性ポリマーである。
4種の例示的組換えタンパク質を実施例で使用し、それらを以下の表1に記載する。
Figure 2016504918
DOM101(配列番号7)を用いてここで行われた実験は、アラニン伸長DOM101(配列番号9)について予測される結果と直接的に等価であると考えられる。
タンパク質を、標準的手順にしたがって、1Lの発酵容器中で複合培地を用いた大腸菌のフェドバッチ発酵を使用して製造した。次いで、発酵物を、誘導後8〜50時間の間に適切な条件下で収集した。
小体積分散ユニット(Small Volume Dispersion Unit)を備えたMalvernマスターサイズ機器(Mastersize Instrument)(Malvern instruments, Worcestershire, UK)を用いて、製造業者の推奨プロトコールにしたがって、粒径分布を決定した。屈折率(RI)は1.4〜1.6の範囲であった。吸着係数は、0〜0.001の範囲であった。
[実施例1]
3種のタンパク質をこの研究に使用した。Dom100、Dat06及びDat01は全て、表1に記載されるように、ドメイン抗体(dAb)を含む組換えタンパク質である。
あらかじめ調製した10% PEI溶液を発酵収集物に添加して、研究のための所望の濃度を与えた。次いで、これを、室温で1時間混合し、その後、粒径分布を測定した。
DOM100収集物、並びに0.005%、0.05%、0.1%、0.5%及び2% PEIを添加したDOM100収集物についての粒径分布を、図1に与える。収集物(凝集剤の添加無し)は、直径≦5μmの粒子を体積により大部分含むことが分かる。しかし、別の研究(ここに示さない)が、収集物の粒径分布にかなりの変動性があり得、体積により、より多い又は少ない程度の粒子が直径≦5μmであることを示すことに留意することが重要である。図1は、PEIの量を増加させることによって、分布における≦5μmの粒子の存在が低減することを示す。0.5% PEIでは、直径≦5μmの粒子の大多数が除去されている。
PEIの添加によるDOM100を発現する収集物の粒径分布におけるこのシフトのより詳細な記述を、Dat06又はDat01を発現する収集物についてのデータと共に表2に示す。表2が焦点を合わせているのは、凝集剤を用いる研究で焦点を合わせていることが多い、より大きな粒子/凝集体ではなく、収集物又は凝集した収集物の全体積による、≦5μmである粒子のパーセンテージである。
Figure 2016504918
DOM100収集物について、≦5μmの粒子の割合は、PEIを添加すると低減する。特に、≦5μmの粒子の約5体積%以下の粒径分布を達成するPEI濃度は、0.1%〜2.0%(試験した上限)である。最適なスイートスポット(sweet spot)は、0.2〜2.0%(2体積%未満)又は0.3〜0.5%(1.5体積%未満)の濃度であるようである。
Dat01収集物について、≦5μmの粒子の約5体積%以下の粒径分布を達成するPEI濃度は、0.1%〜0.8%(試験した上限)である。最適なスイートスポットは、0.1〜0.2%(1.6体積%未満)の濃度であるようである。
Dat06収集物について、≦5μmの粒子の約5体積%以下の粒径分布を達成するPEI濃度は、0.1%〜0.5%である。この収集物について、「約5%」は、6.15%及び5.35%に等しいことを留意されたい。Dat06収集物の粒径分布は、範囲0.1〜0.5%のPEIにおいて5%未満に低減し得ることが想定され、これは図2に実証される。表2に記載されるデータ(0% PEI(100%)及び0.01% PEI(57%)を除く)は、Dat06収集物について、推定される線を伴って図2にプロットされ、体積%分布が、0.1〜0.5% PEIの実験的に導かれた点の間で5%未満の≦5μmの粒子に落ちるはずであるという仮説を実証する。したがって、このDat06収集物について、予想される最適なスイートスポットは、0.15〜0.4% PEIであり得る。2種の他のDat06収集物を解析した: 収集物Aは金属キレート剤(EDTA)を含有し、収集物Bは低細胞量を有するように発酵中に調節された。PEIを添加しない場合、全体積による直径≦5μmの粒子の体積%は、収集物Aについて97.09%であり、収集物Bについて93.78%であった。これらのパーセンテージは、収集物Aについて0.1%〜0.4%のPEI濃度において約≦5%の≦5μmの粒子に低減し(1.79%〜5.62%の≦5μmの粒子)、収集物Bについて0.1%〜0.5% PEIにおいて(0.64%〜1.73%の≦5μmの粒子)低減した。これらはさらに解析しなかった。
したがって、凝集剤の量の増加は、≦5μm範囲にある粒子のパーセンテージの低減と直接対応しないと考えられる。凝集剤の最適な量を同定することができ、この最適な量は以下に示されるように効果を改善した。
[実施例2]
第4の例の組換えタンパク質をこの研究に使用した。DOM101は表1に記載される。DOM101を発現する収集物の粒径分布は、上に記載されるように計算した。
典型的には研究室規模で示されるせん断条件は大きな製造規模で示されるものより大幅に小さいため、せん断の影響を本研究で調べる。したがって、せん断の影響は、研究室規模で実施される初期のプロセス研究では無視されるか又は過小評価されることが多い。
2つの異なるレベルのせん断を研究した: 「低せん断」0.04×106 W kg-1の等価最大電力損失(equivalent maximum power dissipation)εmax、及び「高せん断」0.53×106 W kg-1の等価最大電力損失εmax。
適切なサンプルを回転ディスクデバイス中で20秒間せん断にさらした(特注設計のパワーパックによって制御されるディスク速度(0〜20,000rpm)を有する、直径40mm及び厚さ1mmのステンレス鋼回転ディスクを取り付けた内径50mm及び高さ10 mmの20mLステンレス鋼チャンバー(UCL mechanical workshop, UCL, London、McCoy R, Hoare M, Ward S. 2009. Ultra scale-down studies of the effect of shear on cell quality; Processing of a human cell line for cancer vaccine therapy. Biotechnology Progress 25(5):1448-1458も参照のこと)。ディスク速度は、コンピューター流体力学によって導かれる相関を用いた最大エネルギー損失速度に関係した(関係する方法論について、例えばBoychyn M, Doyle W, Bulmer M, More J, Hoare M. 2000. Laboratory scaledown of protein purification processes involving fractional precipitation and centrifugal recovery, Biotechnology and Bioengineering 69:1-10、ここで、経験的関係ε=(1.7 x 10^-3) (N^3.71)(εはW kg-1の単位を有し、Nはrevs. sec-1における速度であり、100<N<200である)に再定義され、まとめられる; 及びChatel, A., Kumpalume, P. and Hoare, M. (2013), Ultra scale-down characterization of the impact of conditioning methods for harvested cell broths on clarification by continuous centrifugation - Recovery of domain antibodies from rec E. coli. Biotechnol. Bioeng. doi: 10.1002/bit.25164を参照のこと)。
粒径分布を、収集物(白丸)、及び高せん断にさらされた収集物(黒丸)について図3に示す。粒径分布を、(a)対数サイズスケールで全体積粒径分布として示し、粒径分布は、挿入(b)、(c)及び(d)それぞれにおいてピーク1、2及び3を強調している。相対的体積画分φvは、収集物について及びせん断した材料について0.11である。図のv F及びdについての軸スケール並びに相対倍率Mを、挿入(b)、(c)及び(d)に与える。ピーク1、2及び3の体積比は、収集物について2:1:97であり、せん断した収集物について8:4:88である。観察される粒径分布は、実施例1の3種の組換えタンパク質を発現する収集物とは異なり、5μmを超えるより大きい粒子がより大きい割合である。上に論じたように、ここに示さない別の研究は、収集物の粒径分布のかなりの変動性を示し、より多い又は少ない程度の微細な粒子形成を示す。
以下の表3は、上に記載したサンプルのそれぞれについて、収集物の全体積による、≦5μmである粒子のパーセンテージを示す。バイオプロセシングと関連するせん断のレベルの増加時に見られるように、≦5μm範囲にある粒子は発生率が増加し、体積の5%超が≦5μmの粒子を含有する。これは、続く清澄化及び精製ステップに対する負荷を増加させ得る。
凝集剤の添加
上に記載されるDOM101収集物を、実施例1に記載されるように、0.5% w/vの最終濃度までPEI処理に供した。 DOM101収集物についての以前の研究(ここには示さない)は、0.5%がPEIの最適な量であることをすでに示している。次いで、PEIによって処理した収集物を、上に記載したようにせん断に供した。
粒径分布を、PEI凝集収集物(黒丸)について、並びに低せん断(バツ印)及び高せん断(白丸)でせん断したPEI凝集収集物について図4に示す。粒径分布を、(a)対数サイズスケールで全体積粒径分布として示し、粒径分布は、挿入(b)、(c)及び(d)それぞれにおいてピーク1、1及び2を強調している。ピーク1及び2の体積比は、(PEI凝集収集物)50:50、(PEI凝集低せん断)87:13、(PEI凝集高せん断)93:7である。
見られるように、PEI増加の存在は、図3における非PEI分布と比べて、最小の粒径ピークを、より大きな直径の点までシフトさせる。しかし、これは、次に、≦5μmの粒子の体積に最小限の影響を有する。
以下の表3は、上に記載したサンプルのそれぞれについて、収集物の全体積による、≦5μmである粒子のパーセンテージを示す。0.5% PEIの存在下における≦5μmの粒子の約5体積%以下の粒径分布は、低及び高せん断の存在下において比較的一定である。しかし、≦5μmの粒子のパーセンテージは、PEIを添加しない高せん断の存在下において、≦5μmである全体積のさらなる6%まで増加する。このデータは、0.5% PEIが、せん断の存在下においてより効率的かつ強力な清澄化ステップをもたらすことを示唆する。
Figure 2016504918
[実施例3]
DOM100収集物を、実施例1に記載されるように、所望の濃度までPEIで処理した。サンプルを、1分あたり0.5リットル(lpm)及び1分あたり15325回転(rpm)の速度でCarr Powerfugeを用いた連続遠心分離に供した。次いで、サンプルの濁度を、Hach濁度計(Colorado, US)を用いて標準的条件を使用して、遠心分離前(供給液(feed)濁度)及び遠心分離後(遠心分離液(centrate)濁度)に測定した。
図5は、遠心分離前及び後の収集物へのPEI添加の濃度の増加の、濁度に対する影響を実証する。遠心分離前の収集物の濁度(供給液濁度)は、PEIの添加と共に着実な増加を示し、凝集体の形成と一致する。遠心分離液濁度は、PEIのレベルの増加と共に減少を示し、より効率的な遠心分離プロセスステップと一致する。遠心分離液濁度は右側の軸について測定され、供給液濁度は左側の軸についてプロットされる。なぜならば、遠心分離液濁度は供給液濁度のものより数桁低かったためである。遠心分離後の濁度のこの改善は、表2に示されるように、DOM100について0.1%〜2.0%のPEI濃度で観察される5%以下の≦5μmの粒子と一致する。特に、遠心分離液濁度の改善は、0.1%PEIから開始し、この研究では0.5% PEIの終了点まで向上し、最適は0.4%である。これは、DOM100収集物について表2に示される0.3〜0.5%のPEI濃度における最適なスイートスポットと一致する。
[実施例4]
DOM101収集物を、PEI有り及び無しで実施例2におけるように調製した。次いで、サンプルを、Tait AS, Aucamp JP, Bugeon A, Hoare M. 2009. Ultra scale-down prediction using microwell technology of the industrial scale clarification characteristics by centrifugation of mammalian cell broths. Biotechnology and Bioengineering 104(2):321-331によって以前記載された方法を使用した超スケールダウン遠心分離法に供した。残存する固体パーセンテージを、波長600nmの吸光度における光学密度の相対的減少を決定することによって計算した。
図6は、DOM101収集物(a)及び0.5% PEIの存在下におけるDOM101収集物(b)について残存固体%を実証する。また各図に、せん断無し(黒丸)、低せん断(バツ印)及び高せん断(白丸)(せん断は実施例2において上に記載される)に供したサンプルを示す。
データを、平均±s.d.として表示する; 線は、三次多項式を用いた最良最小二乗適合である。グラフ(a)について、せん断速度の増加と一致した傾向はないため、単一の相関を与える。全ての場合において、対照を提供する起源を通して相関を適合させる。
図6に見られるように、0.5% PEIの存在は、遠心分離後に残存する固体%を大幅に低減する - PEI添加無しで残存する固体パーセンテージは最大10〜15%存在するが、一方、0.5% PEI有りでは、これは、残存する0.8%の固体まで低減する。
[実施例5]
DOM100収集物を、実施例1におけるように、様々なPEI濃度で調製した。次いで、この材料を実施例3に記載されるように、遠心分離機にかけ、次いで、一次及び二次フィルターを含むフィルタートレインにかけた。過度の圧力をかける前の一次フィルターの最大キャパシティ(Vmaxとしても知られる)を計算し(L/m2)、添加した%PEIに対してプロットした。図7に見られるように、一次フィルターキャパシティは、PEIの濃度の増加と共に大幅に増加し、凝集剤添加後の収集物における≦5μmの粒子の存在の低減と一致する。PEIの添加からのフィルターキャパシティの改善は、0.1% PEIから開始することが観察でき、0.4%でピークに達し、この研究における0.5%の終了点においてもまだ改善が観察される。最適は0.4% PEIであるように見える。これは、実施例3及び表2と共に、≦5μmの範囲にある5%以下の総粒子を達成するレベルの凝集剤を用いたDOM100収集物の清澄化における顕著な改善を実証する。この改善は、表2に示されるようにDOM100について0.1%〜2.0%のPEI濃度で観察される5%以下の≦5μmの粒子、並びに特に、DOM100収集物について表2に示される0.3〜0.5%のPEI濃度における最適なスイートスポットと一致する。
[実施例6]
Dat06及びDOM100収集物を、以下に記載されるように処理した。対照収集物を遠心分離によって清澄化し、DNAレベルを、InvitrogenのQuant-iT dsDNA Broad Range Assayキットを用いて製造業者の説明書にしたがって測定した。全ての他の収集物を、Gaulin型ホモジナイザーを用いて標的圧力10,000 psiで2回通過させてホモジナイズした。これらのホモジナイズした収集物を、増加させた濃度のPEI(Dat06及びDOM100収集物について)又は高若しくは低MW PDADMAC(Dat06収集物について)のいずれかで処理し、次いで、遠心分離によって清澄化した。DNAレベルを対照収集物について上に記載したように測定した。
DNAは細胞溶解の指標とみなすことができる - 無傷の細胞の存在下では、上清中にほとんど存在しないはずである。DNAの存在は、それ自体で清澄化に影響を及ぼす可能性が高い。なぜならば、それは、上清の粘度を増加させ、効果的な遠心分離清澄化の喪失及びフィルターフラックス速度の低減に寄与し得るからである。
図8は、対照、及び3種の凝集剤で処理したホモジナイズサンプルについてのDNA濃度を示す。対照のホモジナイズしていないサンプル(バツ印)におけるかなりの量のDNAの存在は、顕著な細胞溶解が生じていることを示唆する。DOM100対照(灰色バツ印)を、0% PEIを有するDOM100ホモジナイズ収集物(黒色線)と比較でき、約50%の細胞が自己溶解を経ていることが示される。これは、清澄化ステップに対する負荷を増加させる可能性が高い。見られるように、凝集剤の存在は、清澄化した収集物におけるDNA濃度を大幅に低減する。特に、PEIの存在下におけるDOM100収集物についてのDNA濃度の低減は、濁度の減少(実施例3)及び一次フィルタートレインの改善(実施例5)に対応し、表2に示されるように≦5μmの範囲にある5%以下の粒子、及び特に、0.3〜0.5%のPEI濃度における最適なスイートスポットと相関している。
この実施例はまた、2種の代替的凝集剤(高又は低MW PDADMAC)についての結果が、PEIのものと同等であることを示す。
[実施例7]
DOM101収集物を、実施例4におけるように遠心分離し、0.5%PEIの存在及び非存在下で遠心分離液を作製した。次いで、ブロッキング前にPall Seitz-EKS 60D 0.2μmフィルター(公称細孔径0.05〜0.2μmを有するデプスフィルター)を含有する小型フィルター上で達成されたろ液の体積を、Tecan Evo II(Tecan, Theale, UK)上の真空駆動型小規模系を用いて両サンプルについて測定し、時間に対してプロットした。
図9は、0.5% PEIの存在下において、達成可能なろ液体積は、PEI無しで達成可能なもののほぼ3倍であることを示す - 0% PEIでは最大は、30秒において200μlのろ液体積で達成され、0.5% PEIではこれは110秒において600μlでゆっくりとまだ増加している。これは、DOM101収集物のろ過性に顕著な効果を有し、続いてそのようなプロセスの費用に減少効果を有する。
[実施例8]
DOM101を誘導後の様々な時点で収集し、サンプルの半分を0.5% PEIで処理した。次いで、PEI処理及びPEI非処理サンプルの両方を実施例4におけるように遠心分離し、次いで、実施例7におけるようにろ過研究に供した。次いで、サンプルの両セットについてVmaxを計算し、誘導時間に対してプロットした。Vmax測定は、サンプルのろ過性の直接的測定であり、得たデータに基づきろ過プロセスをスケールアップするために使用できる。
図10に見られるように、プロセスにおける0.5% PEI凝集ステップの存在は、最大達成可能ろ液を250%増加させ(誘導後0時間)、発酵終了(誘導後45時間)までに2500%まで増加させることによって、ろ過性を顕著に改善する。誘導後約25時間に、PEI非処理サンプルにおける遠心分離液のろ過性は劇的に減少し、発酵の終了までにほぼゼロになることが観察できる。PEIで処理したサンプルについてのVmaxは、一定してより高いままであるだけでなく、誘導後の時間による影響をより受けにくく、0.5% PEI凝集ステップは、清澄化プロセスにかなりの頑強性を与えることが示される。
25時間の誘導後時間におけるろ過性の減少は、約50%であり得る発酵細胞ブロス中で観察される自己溶解の量と関連し得る(実施例6及び下記実施例9を参照のこと)。
[実施例9]
自己溶解はまた、キャパシタンスプローブ(Aber Instruments Ltd, Aberystwyth, UK)を用いて間接的に測定でき、これは、発酵中に記録された最大測定値から、収集時と通常同じである、最大測定値が計算された後のトロフ(troph)(最低点)までのキャパシタンスの減少パーセンテージを測定する。表4は、キャパシタンスによって測定された、いくつかのDOM101発酵反復において観察された細胞溶解の量を実証する。
Figure 2016504918
[実施例10]
図11は、DOM101を発現する凍結及び融解した(融解)収集物に対するせん断の特性及び影響を実証する。粒径分布(実施例1におけるように計算した)を、融解収集物(白丸)について、及び実施例2におけるようにεmax= 0.53×106 W kg-1における高せん断に供した融解収集物(黒丸)について示す。相対的固体体積画分φvは、融解収集物について、及び高せん断に供した融解収集物について0.11 w/vである。ピーク1、2、3、4の体積比は、両材料について5:7:4:84である。
見られるように、融解材料について分布は非常に類似している。表5は、全体積による直径≦5μmのサンプル粒子の体積%を示し、非せん断について13.2%及びせん断について12.3%を示す。前処理していない収集物に対するせん断の影響を示す図3と比べて、凍結融解プロセスは、高せん断の存在下で研究されるサンプルの粒径分布に安定化効果を有するようである。これは実験材料に対する興味深い観察であるが、バイオプロセシングにおいて、材料が清澄化の一部として凍結される可能性は低い。
凝集剤の添加
図12は、DOM101を発現する凍結融解した収集物に対する0.5% PEI凝集の影響を示す。粒径分布を、融解収集物(黒丸)、及び実施例2におけるようにεmax= 0.53×106 W kg-1における高せん断に供したPEI凝集融解収集物(白丸)について示す。相対的固体体積画分φvは、融解収集物について0.11 w/vであり、PEI凝集材料について0.15 w/vである(引用したφv値は、PEI溶液では希釈因子について補正される)。ピーク1及び2の体積比は、およそ20:80である。
表5から分かるように、≦5μmの粒子のパーセンテージは、PEIを添加した後に8.08%から0.6%まで減少する。
[実施例11]
図13は、DOM101を発現するPEI凝集凍結融解収集物に対する低及び高せん断の影響を示す。粒径分布(実施例1におけるように測定した)を、PEI凝集融解収集物(黒丸)について、並びに実施例2におけるようにεmax 0.04×106 W kg-1の低せん断(バツ印)及びεmax 0.53×106W kg-1の高せん断(白丸)に供したPEI凝集融解収集物について示す。相対的固体体積画分φvは、低せん断を伴うPEI凝集融解収集物について0.13 w/vであり、高せん断を伴うPEI凝集融解収集物について0.12 w/vである(引用したφv値は、PEI溶液では希釈因子について補正される)。
表5から分かるように、PEI凝集融解収集物に対するせん断の影響は、存在する粒子のサイズを低減することであり、それにもかかわらず、PEIの存在は、大部分の粒子を≦5μm範囲を超えたままにする(0.6%から2.01%(低せん断)又は1.84%(高せん断)への%分布シフト)。これは、PEI清澄化ステップが、増加させたレベルのせん断の存在下においてさえ強力なステップであることを示す。
[実施例12]
DOM101を発現する凍結融解収集物を、せん断、又は500bar及び4℃で作動させる高圧ホモジナイザー(Gaulin Micron Lab40, Lubeck, Germany)を用いて2回通過させるホモジナイゼーションのいずれかに供した。次いで、粒径分布を、実施例1において測定されたようにサンプルについて決定した。
図14は、粒径分布に対するホモジナイゼーションの影響を示す。粒径分布を、せん断した融解収集物(黒丸)について、及びホモジナイズした収集物(白丸)について示す。相対的固体体積画分φvは、融解収集物について0.11 w/vであり、ホモジナイズした収集物について0.078 w/vである。
図14及び表5の分布から分かるように、ホモジナイゼーションは、融解収集物の粒径分布に対して劇的な影響を有し、≦5μm範囲にある粒子の数は94.73%へと増加する。ホモジナイズしたサンプル中の非常に小さな粒子の発生率は、バイオプロセシングに対して極めて有害な影響を有し得る。
Figure 2016504918
[実施例13]
Dat01収集物を、Gaulin型ホモジナイザーを用いて標的圧力10,000 psiで2回通過させてホモジナイズした。ホモジナイズした収集物を、増加させた濃度のPEIで処理した。以下の表6は、≦5μm範囲にある粒子の大きなパーセンテージが、0.054%〜0.99%又は0.374%〜0.65% PEI(試験した上限)の添加によって5%未満に低減し得ることを示す。したがって、ホモジナイゼーションの前処理調整ステップはまた、適切な量のPEI添加から恩恵を受け、より効率的な清澄化プロセスをもたらし得る。
Figure 2016504918
[実施例14]
凍結融解したDOM101収集物の画像を、0.5% PEIの添加前(a)、及び添加後(b)、並びに上に記載のとおり低せん断(c)若しくは高せん断(d)のいずれかに供した後に従来の顕微鏡を用いて取得し、図15に示す。
図15から分かるように、かなりの量の不規則な大きなサイズの凝集体が、PEIを添加すると形成される(b)。次いで、これらは、低せん断(c)に供するとやや小さく、かつ多くなり、高せん断(d)に供するとより小さく、かつ多くなる。高せん断時に存在する凝集体は、非処理画像(a)において観察される細胞より大きい。
[実施例15]
凍結融解したDOM101収集物を、実施例4において実施したのと同じ様式における超スケールダウン遠心分離研究に供した。融解収集物サンプルを、0.5% PEI凝集に供した(c)。融解収集物サンプルをまた、500bar及び4℃で作動させる高圧ホモジナイザー(Gaulin Micron Lab40, Lubeck, Germany)を用いて2回通過させるホモジナイゼーションに供した(a)。異なる懸濁液を全て、せん断無し(黒丸)、低せん断(白丸)、高せん断(白三角)(上に記載したとおり)の条件にさらした。
図16は、(a)ホモジナイズした融解収集物、(b)融解収集物、及び(c)PEI凝集融解収集物について残存する固体パーセンテージを示す。データを、平均±s.d.として表示する; 線は、三次多項式を用いた最良最小二乗適合である。グラフ(a)及び(b)について、せん断速度の増加と一致した傾向はないため、単一の相関を与える。全ての場合において、対照を提供する起源を通して相関を適合させる。
図から分かるように、融解サンプル(b)は最大16%の残存固体を示し、ホモジナイズしたサンプル(a)は最大60%の残存固体を示す - 残存する固体%が高すぎるため、これらのいずれもさらなるプロセシングには適さない - 典型的には所望の量は1%未満である。1%未満のこの標的は0.5% PEIの添加により楽に達成され、0.2%未満の残存固体への低減を示す。
[実施例16]
DOM101収集物からのDOM101の収率、又は上に記載されるサンプルのいずれかについての単量体/二量体のプロファイルに有意差は観察されなかった(ここにデータは示さない)。このことは記載される他の組換えタンパク質にも当てはまることが想定される。
[実施例17]
あらかじめ調製した1.5% PEI溶液を、発酵収集物(Dat06)に添加し、PEIの所望の濃度範囲を与えた(0〜0.6%)。溶液のpHを200mM 酢酸又は1M NaOHで調整し、所望のpH範囲(4〜9)を達成した。典型的細胞ブロスのpHはpH6〜7である。室温での約5〜10分の混合後、各PEI濃度及びpH条件からの凝集した粒子を、凝集剤沈降を完了するための3400 rcfで20分間のバッチ遠心分離を用いて上清から分離した。得られた上清の濁度を、600nmの波長で測定し、溶液の透明さを評価し、結果を図17(A)に示す。処理性を、90秒間3400 rcfの遠心力の下で0.2μmフィルターを通した直接的ろ過実行によって測定し、結果を図17(B)に示す。これらの凝集条件について粒径を直接測定しなかったが、透明さ及びろ過性能と粒径分布との相関は図2、5及び7において確立されている。0.2μmフィルターを用いたプレートフォーマットの使用及び吸光度読み取りは、設計空間の理解を得るために、ハイスループットフォーマットとして使用できる。
凝集剤濃度に加えてpHは、大腸菌溶液の凝集挙動に影響を与え得る。この実施例は、pHと凝集剤濃度との相互作用が溶液の透明さに影響を有したことを示す。>0.4% PEIの凝集剤濃度では、溶液の濁度は溶液のpHに関係なく低い。0.3% PEIの凝集剤濃度未満では、溶液の透明さはpH7.0未満でより大きい(すなわち、低濁度)。この研究の結果は、図1に示されるより詳細な粒径解析と一致しており、PEI濃度と組み合わせたpHを使用して、5μm未満のサイズの粒子の数を微調整し得ることを示唆している。
[実施例18]
Dat06の収集物サンプルを、実施例1に概要を説明したように、0.1%PEI及び0.4% PEIで処理した。比較のために図18では、用語「低凝集剤」は0.1%PEIを表すために用いられ、用語「高凝集剤」は0.4% PEIを表すために用いられる。2種の濃度のPEIの粒径を、「0」伝導度サンプルについての以前の実施例におけるように決定した。伝導性サンプルについて、希釈剤を、純水から様々なイオン強度のNaCl溶液に変えた。平均粒径(A)、及び≦5μmの粒子の体積%(B)についての結果を図18に示す。全てのサンプルを、同じ発酵ブロスから採取したが、>1:100の希釈レベルで異なる塩溶液中に入れた。
水マトリックス中に入れた0.1% PEI処理サンプルは、0.4%でのより高濃度のPEIで処理したサンプルより、ずっと大きな平均粒径を有した。高塩(NaCl)濃度では、異なる凝集剤濃度についての平均粒径は、より類似するものになった。低レベルの伝導度(及び続いて)イオン強度について、「低凝集剤濃度」0.1% PEIにおける平均粒径は、「高凝集剤濃度」0.4% PEIにおける平均粒径より大きい。より高濃度の塩(高伝導度及びイオン強度)では、平均粒径は、異なるレベルの凝集剤濃度について、ずっと変動が少ない。これは、塩濃度及び凝集剤濃度に基づく平均粒径の微調整を可能にする。図18Aはこの現象の例を示し、平均粒径は0.1% 凝集剤及び低伝導度について60μmを超え、伝導度が100 mS/cmより大きい場合、平均20〜30μmの粒径であり、平均粒径は、高イオン強度において凝集剤濃度に対して感受性がずっと低い。
「低凝集剤濃度」0.1% PEIについて、サイズ≦5μmの粒子の体積は高伝導度において増加するが、一方、「高凝集剤濃度」0.4% PEIについて、サイズ≦5μmの粒子は広範囲の伝導度にわたって比較的類似する。平均粒径及びサイズ≦5μmの粒径の両者についての観察は、Dat06について「高凝集剤濃度」0.4% PEIでのより安定な凝集体を支持する。PEIの両濃度(0.1%及び0.4%)は、伝導度0において≦5μmの「約5%」集団を達成するが、より高濃度のPEI(0.4%)は、増加させた伝導度にわたって≦5μmの集団のより安定な%を達成する。
[実施例19]
実施例1にしたがった手順と類似して、各成分を添加し、約1時間混合することによって、4.3% CaCl2、0.1% PEI及び0.2% PEIを用いてDOM100収集物を凝集させた。次いで、発酵ブロスの平均粒径を、静的光散乱(Malvern Mastersizer)によって測定した。サンプルを2つの別々のアリコートに分けた; 一方をバッチ遠心分離し、他方を管状ボール遠心分離機(連続遠心分離機)を用いて遠心分離した; 両者は類似した総加速力を有した。次いで、遠心分離サンプルから得られた上清を、一定流速にてデプス/メンブレンフィルタートレインを用いてろ過し、残存細胞片を除去した。一次デプスフィルターの前面領域による25 psiの背圧を達成する前に処理された全体積を分けることによって、フィルターキャパシティを測定した。全ての場合において粒子の大部分は、サイズ>5μmであった。図19Aにおいて平均粒径を評価し、図19Bにおいて≦5μmの粒子の体積%を評価した。
静的光散乱によって測定される、より小さい平均粒径を有するサンプルは、バッチ遠心分離したサンプルの、より低い一次デプスフィルターキャパシティを有した。この相関は、凝集と続くバッチ遠心分離の最中に形成されるより大きな平均サイズの粒子が、続くデプスフィルターのフィルターキャパシティを改善することを示唆する。Carr管状ボール遠心分離機を通して処理されたサンプルについて、逆の結果が観察される。サイズ限界≦5μmの粒子の数をバッチ遠心分離性能と比較すると、性能は相関したことが観察される。
[実施例20]
Dat06及びDOM100収集物を、実施例1に記載されるように処理した。0.4% PEI添加を有するサンプルを、凝集剤で処理されなかったサンプルと比較した。次いで、清澄化を遠心分離によって実施し、HCPレベルを社内の解析免疫アッセイを用いて測定した。
大きいレベルのHCP種は、細胞溶解の指標とみなすことができる。大きな増加は細胞溶解の顕著な量を示す可能性があり、これは粘度の増加及び清澄化の困難性を引き起こし得る。高レベルのHCPはまた、さらなる下流精製の課題を引き起こし得る。
図20は、0.4% PEI処理有り及び無しのDOM100及びDat06サンプルについてのHCP濃度を示す。PEIはDat06においてかなりの量の宿主細胞タンパク質集団を除去することができるが、DOM100についてはそうではない。結果は、宿主細胞タンパク質集団の複雑な性質、及び生産物にわたって予想され得る相違を例証する。PEIはベースレベルのHCPを除去することが可能であり得る、及び/又は、凝集剤は特定の種類の宿主細胞タンパク質を他より効果的に除去することが可能であり得る。
配列表
Figure 2016504918
Figure 2016504918

Claims (20)

  1. 組換えタンパク質を製造する方法であって、
    (a) 該組換えタンパク質を発現する微生物細胞ブロスを収集するステップ、及び
    (b) ある量の凝集剤を添加して、5μm以下の粒径範囲にある約5体積%以下の粒子の粒径分布を達成するステップ
    を含む、方法。
  2. (c) 凝集した収集物を清澄化するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
  3. (d) 清澄化した凝集収集物から前記組換えタンパク質を精製するステップをさらに含む、請求項2に記載の方法。
  4. 微生物収集物を清澄化する方法であって、
    (a) 微生物細胞ブロスを収集するステップ、
    (b) ある量の凝集剤を添加して、5μm以下の粒径範囲にある約5体積%以下の粒子の粒径分布を達成するステップ、及び
    (c) 凝集した収集物を清澄化するステップ
    を含む、方法。
  5. 前記微生物細胞ブロスが、組換えタンパク質を発現する、請求項4に記載の方法。
  6. ステップ(c)が、(i)沈降、及び/又は(ii)遠心分離、及び/又は(iii)ろ過を含む、請求項2〜5のいずれか一項に記載の方法。
  7. 発現される前記組換えタンパク質が、シグナル配列を含む、請求項1〜3、5及び6のいずれか一項に記載の方法。
  8. 前記シグナル配列が、ペリプラズム標的化シグナル配列である、請求項7に記載の方法。
  9. 前記凝集剤の量が、収集物の0.01〜5体積%の量において添加される、請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法。
  10. 前記凝集剤の量が、収集物の0.01〜2体積%の量において添加される、請求項1〜9のいずれか一項に記載の方法。
  11. 前記凝集剤が、ポリエチレンイミン(PEI)又はポリ(ジアリルジメチルアンモニウムクロライド)(PDADMAC)である、請求項1〜10のいずれか一項に記載の方法。
  12. 前記凝集剤が、CaCl2である、請求項1〜10のいずれか一項に記載の方法。
  13. 前記微生物細胞ブロスが、大腸菌(Escherichia coli)細胞ブロスである、請求項1〜12のいずれか一項に記載の方法。
  14. 前記組換えタンパク質が、抗原結合タンパク質である、請求項1〜3及び5〜13のいずれか一項に記載の方法。
  15. 前記抗原結合タンパク質が、(a)ペプチド-dAb融合体、(b)dAbコンジュゲート、(c)dAb-dAb融合体、又は(d)裸のdAbを含む、請求項14に記載の方法。
  16. 前記抗原結合タンパク質が、(a)エキセンディン4-AlbudAb(商標)(配列番号1)、(b)C末端システインを有するAlbudAb(商標)(配列番号3)、(c)AlbudAb(商標)-TNFR1 VH dAb(配列番号5)、又は(d)VH dAb抗TNFR1(配列番号7又は9)を含む、請求項14に記載の方法。
  17. 改変された大腸菌細胞収集物であって、
    (d) 該細胞が、ペリプラズム標的化組換えタンパク質を発現し、
    (e) 該収集物が、0.01〜2体積%のPEIを含み、かつ
    (f) 該収集物の体積による粒径分布が、5μm以下の粒径範囲にある約5%以下の粒子である、
    改変された大腸菌細胞収集物。
  18. 前記組換えタンパク質が、抗原結合タンパク質を含む、請求項17に記載の改変された収集物。
  19. 前記抗原結合タンパク質が、(a)ペプチド-dAb融合体、(b)dAbコンジュゲート、(c)dAb-dAb融合体、又は(d)裸のdAbを含む、請求項18に記載の改変された収集物。
  20. 前記抗原結合タンパク質が、(a)エキセンディン4-AlbudAb(商標)、(b)C末端システインを有するAlbudAb(商標)、(c)AlbudAb(商標)-TNFR1 VH dAb、又は(d)VH dAb抗TNFR1を含む、請求項18に記載の改変された収集物。
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