JP2016504330A - 抗菌性化合物、その合成およびその適用 - Google Patents

抗菌性化合物、その合成およびその適用 Download PDF

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Abstract

【課題】種々の薬物感受性および薬物耐性病原性微生物に対して抗菌活性を示す化合物を提供する。【解決手段】式Iで表される化合物。[式中、R1は、芳香族ラジカルまたは脂肪族ラジカルであり、R2は、脂肪族ラジカルであり、R3は、アミノ酸の側鎖であり、Yは、水素、{式中、「n」は1〜5の範囲であり、Zは、水素またはであり、R4は、アミノ酸の側鎖である}からなる群から選択される]【選択図】 図1

Description

本開示内容は、医薬品化学の分野、より詳しくは、抗菌性化合物の開発に関する。本開示内容は、前記化合物が、種々の薬物感受性および薬物耐性病原性微生物に対して抗菌活性を示す、芳香族ラジカルおよび/または脂肪族ラジカル、アルキルアミンおよびアミノ酸部分を含む化合物の合成および特性決定に関する。
細菌感染は、世界中で数百万人に影響を及ぼす主要な世界的な健康被害である。細菌感染のより良好な治療または予防のために、長年にわたって多数の抗菌薬および品物が開発されてきた。従来の抗生物質に対する細菌耐性は、世界保健が今日直面する最も重大な問題の1つである。したがって、より新しい抗生物質の開発に向けた研究は、不可欠である。ごく最近、抗菌ペプチド(AMP)が、有望な抗生物質として幾分かの兆候を示し、それらのうちいくつかが臨床治験を受けている。AMPは、ほとんどの種の自然免疫系の番人であり、普通、任意の感染に対する防御の最前線である。天然に存在するAMPは、種々の医薬特性、例えば、抗菌、抗真菌、抗ウイルス、抗癌、抗マラリア原虫活性を有するとわかっている。従来の抗生物質のほとんどが、細菌の細胞内オルガネラをターゲッティングすることによって作用するが、AMPは、主に細菌細胞膜の溶解を引き起こすことによって作用するとわかっている。結果的に、点突然変異でさえそれらを不活性にし得る従来の抗生物質の場合とは異なり、細菌が、抗菌ペプチドに対する耐性を発生するのが遅い。
これらの利点にもかかわらず、AMPは、いくつかは臨床治験を受けているものの、臨床使用のために承認されていない。これらの主な理由は、その高いin vivo毒性、プロテアーゼの作用を受けやすいことおよびその高い製造費用である。天然AMPのほとんどが、その設計では類似しており、抗菌作用の際に表面両親媒性を可能にするが、その主要な制限は、その合成の複雑性にある。結果的に、AMPが直面する問題に対抗するための設計および戦略の開発に対して相当な試みが向けられてきた。
前記の制限を考慮して、本開示内容の出願人は、野生型細菌に対してだけでなく、多剤耐性菌に対しても有効であり、あまり毒性ではなく、費用効率が高い抗菌性化合物に達することを目的とする。本明細書における説明は、開示内容を詳細に例示し、本発明の記載された特徴を明白に説明する。
したがって、本開示内容は、式I
で示される化合物に関し、
[式中、
は、芳香族ラジカルまたは脂肪族ラジカルであり、
は、脂肪族ラジカルであり、
は、アミノ酸の側鎖であり、
Yは、水素、
からなる群から選択され、
{式中、「n」は1〜5の範囲であり、
Zは、水素または
であり、
は、アミノ酸の側鎖である}]。
上記で記載されるような式Iの化合物を調製する方法であって、前記方法は、a)芳香族ラジカルまたは脂肪族ラジカルのアルデヒドをアルキルアミンと反応させてシッフ塩基を得る行為、b)シッフ塩基を還元して第二級アミンを得る行為、c)第二級アミンを、その他の反応性官能基が保護されているペプチドのC末端のt−ブトキシカルバメート保護されたアミノ酸またはカルボン酸の遊離酸性基と反応させる行為、d)それに続いて、アミノ酸またはペプチドの保護基を脱保護して、式Iの化合物を得る行為を含む;上記のような化合物の医薬上許容される塩;ならびに上記のような化合物または医薬上許容される塩および医薬上許容される賦形剤を含む組成物。
本開示内容の特徴は、添付の図面と併せて以下の説明からより十分に明らかとなる。図面は、本開示内容と一致するいくつかの実施形態のみを表すものと理解されるべきであって、従って、その範囲を制限すると考えられてはならない。本開示内容は、添付の図面の使用によって、さらなる特異性をもって、詳細に記載される。
クロロ−アントラセン誘導体(ACKシリーズ)、ナフタレン誘導体(NCKシリーズ)およびベンゼン誘導体(BCKシリーズ)の化合物の設計および構造を表す図である。 クロロ−アントラセン誘導体(ACKシリーズ)の調製のための一般合成スキームを表す図である。 ナフタレン誘導体(NCKシリーズ)の調製のための一般合成スキームを表す図である。 ベンゼン誘導体(BCKシリーズ)の調製のための一般合成スキームを表す図である。 Dec−CK−8の調製のための一般合成スキームを表す図である。 ビフェニル誘導体の調製のための一般合成スキームを表す図である。 キノリン誘導体の調製のための一般合成スキームを表す図である。 アントラセン誘導体の調製のための一般合成スキームを表す図である。
本開示内容は、式I:
で示される化合物に関し、
[式中、
は、芳香族ラジカルまたは脂肪族ラジカルであり、
は、脂肪族ラジカルであり、
は、アミノ酸の側鎖であり、
Yは、水素、
からなる群から選択され、
{式中、「n」は1〜5の範囲であり、
Zは、水素または
であり、
は、アミノ酸の側鎖である}]。
本開示内容の一実施形態では、Rの芳香族ラジカルは、それだけには限らないが、
からなる群から選択される。
本開示内容の別の実施形態では、Rの脂肪族ラジカルは、それだけには限らないが、以下:
[式中、
Qは、ハロゲン、シアノ、ニトロ、アミノ、ヒドロキシルまたはアルコキシであり得、
mは、1〜20の範囲の整数である]
からなる群から選択される。
本開示内容のさらに別の実施形態では、Rの脂肪族ラジカルは、それだけには限らないが、以下:
[式中、
Qは、ハロゲン、シアノ、ニトロ、アミノ、ヒドロキシルまたはアルコキシであり、
pは、1〜20の範囲の整数である]
からなる群から選択される。
本開示内容のなお別の実施形態では、Rの芳香族ラジカルは、それだけには限らないが、以下:
からなる群から選択され、
[式中、
は、
であり、
{式中、
は、それだけには限らないが、以下:
(式中、
「r」は、1〜20の範囲の整数である)
からなる群から選択され、
は、アミノ酸の側鎖であり、
「V」は、水素、
(式中、「s」は、1〜5の範囲であり、
Zは、水素または
である)
からなる群から選択される}]。
本開示内容のなお別の実施形態では、Rの脂肪族ラジカルは
であり、
[式中、
「t」は1〜20の範囲にあり、
は、
であり、
{式中、
は、それだけには限らないが、以下:
(式中、
Qは、ハロゲン、シアノ、ニトロ、アミノ、ヒドロキシルまたはアルコキシであり得、
rは、1〜20の範囲の整数である)
からなる群から選択され、
は、アミノ酸の側鎖であり、
Vは、水素、
(式中、「s」は、1〜5の範囲であり、
Zは、水素または
である)
からなる群から選択される}]。
本開示内容のなお別の実施形態では、Rは、
からなる群から選択され、
は、
[式中、「p」は、1〜13の範囲である]
であり、
は、L−リシンの側鎖であり、
Yは、水素である。
本開示内容のなお別の実施形態では、Rは、
[式中、「m」は、1〜11の範囲である]
からなる群から選択され、
は、
[式中、「p」は、1〜11の範囲である]
からなる群から選択され、
は、L−リシンの側鎖であり、
Yは、水素である。
本開示内容のなお別の実施形態では、Rは、
[式中、「m」は9である]
であり、
は、
[式中、「p」は7である]
である。
本開示内容はさらに、式Iの化合物を調製する方法に関し、ここで、前記方法は、
a.芳香族ラジカルまたは脂肪族ラジカルのアルデヒドを、アルキルアミンと反応させてシッフ塩基を得る行為、
b.シッフ塩基を還元して第二級アミンを得る行為、および
c.第二級アミンを、その他の反応性官能基が保護されているペプチドのC末端のt−ブトキシカルバメート保護されたアミノ酸またはカルボン酸の遊離酸性基と反応させる行為、それに続いて、アミノ酸またはペプチドの保護基を脱保護して、式Iの化合物を得る行為
を含む。
上記のような方法における本開示内容のなお別の実施形態では、前記方法では、アルキルアミンは、C〜C20脂肪族アミン、好ましくは、C〜C14脂肪族アミンである。
本開示内容はさらに、上記のような化合物の医薬上許容される塩に関する。
本開示内容はさらに、上記のような化合物または上記のような化合物の医薬上許容される塩および医薬上許容される賦形剤を含む組成物に関する。
本開示内容の実施形態では、上記のような組成物では、医薬上許容される賦形剤は、糖、デンプン、セルロース、麦芽、ゼラチン、タルク、ココアバター、坐剤ワックス、オイル、グリコール、エステル、寒天、緩衝剤、アルギン酸、パイロジェンフリー水、等張性生理食塩水、リンゲル液、アルコール、脂質、界面活性剤、着色剤、放出剤、コーティング剤、甘味剤、矯味剤、芳香剤、保存料、抗酸化物質およびそれらの誘導体またはそれらの任意の組合せからなる群から選択される。
本開示内容のさらに別の実施形態では、上記のような化合物、医薬上許容される塩または組成物が、病原性微生物によって引き起こされる疾患の治療において使用される。
本開示内容のなお別の実施形態では、上記のような化合物、医薬上許容される塩または組成物が、細菌である病原性微生物によって引き起こされる疾患の治療において使用される。
本開示内容のなお別の実施形態では、上記のような化合物、医薬上許容される塩または組成物が、グラム陽性菌またはグラム陰性菌またはその組合せである細菌によって引き起こされる疾患の治療において使用される。
本開示内容のなお別の実施形態では、上記のような化合物、医薬上許容される塩または組成物が、薬物感受性菌または薬物耐性菌またはその組合せである細菌によって引き起こされる疾患の治療において使用される。
本開示内容のなお別の実施形態では、上記のような化合物、医薬上許容される塩または組成物が、黄色ブドウ球菌(S.aureus)、フェシウム菌(E.faecium)、大腸菌(E.coli)および緑膿菌(P.aeruginosa)またはそれらの任意の組合せからなる群から選択される薬物感受性菌によって引き起こされる疾患の治療において使用される。
本開示内容のなお別の実施形態では、上記のような化合物、医薬上許容される塩または組成物が、バンコマイシン耐性フェシウム菌(E.faecium)、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(S.aureus)および肺炎桿菌(K.pneumoniae)またはそれらの任意の組合せからなる群から選択される薬物耐性菌によって引き起こされる疾患の治療において使用される。
本開示内容は、種々の薬物感受性および薬物耐性病原性微生物に対して強力である抗菌性化合物の開発に関する。本開示内容はさらに、抗菌ペプチドの特性を模倣し、また、非毒性である前記抗菌性化合物の調製に関する。
本開示内容の抗菌性化合物は、芳香族ラジカルおよび/または脂肪族ラジカル、アルキルアミンおよびアミノ酸基を含み、脂肪族ラジカルまたはアルキルアミンは、さまざまなアルキル鎖長を含む。
本開示内容の好ましい実施形態では、抗菌性化合物は、芳香族ラジカル、アルキルアミンおよびアミノ酸基を含み、前記アルキルアミンは、さまざまなアルキル鎖長を有する。
本開示内容の一実施形態では、アミノ酸は、カチオン性、アニオン性、極性無電荷、疎水性および芳香族アミノ酸またはそれらのアミノ酸の任意の組合せを含む群から選択される。
本開示内容の別の実施形態では、カチオン性アミノ酸は、リシンアルギニン、ヒスチジンまたはそれらの組合せから選択される。
本開示内容の別の実施形態では、アニオン性アミノ酸は、アスパラギン酸またはグルタミン酸またはそれらの組合せから選択される。
本開示内容の別の実施形態では、極性無電荷アミノ酸は、セリン、トレオニン、システイン、アスパラギンおよびグルタミンまたはそれらの任意の組合せからなる群から選択される。
本開示内容の別の実施形態では、疎水性アミノ酸は、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシンおよびメチオニンまたはそれらの任意の組合せからなる群から選択される。
本開示内容の別の実施形態では、芳香族アミノ酸は、フェニルアラニン、チロシン、トリプトファンおよびヒスチジンまたはそれらの任意の組合せからなる群から選択される。
本開示内容の別の実施形態では、アミノ酸は、カチオン性、好ましくは、L−リシンである。
本開示内容のさらに別の実施形態では、抗菌性化合物は、芳香族ラジカルおよび/または脂肪族ラジカル、アルキルアミンおよびペプチドを含み、脂肪族ラジカルまたはアルキルアミンは、さまざまなアルキル鎖長を含む。
本開示内容の別の実施形態では、ペプチドは、ジペプチド、トリペプチドまたはポリペプチドである。
本開示内容の一実施形態では、芳香族ラジカルは、好ましくは、それだけには限らないが、フェニル、ベンジル、ナフタレニル、アントラセニル、ピリジル、キノイル、イソキノイル、ピラジニル、キノキサリニル、アクリジニル、ピリミジニル、キナゾリニル、ピリダジニル(pyhdazinyl)、シンノリニル、イミダゾリル、ベンゾイミダゾリル、プリニル、インドリル、フラニル、ベンゾフラニル、イソベンゾフラニル、ピロリル、インドリル、イソインドリル、チオフェニル、ベンゾチオフェニル、ピラゾリル、インダゾリル、オキサゾリル、ベンゾオキサゾリル、イソキサゾリル、ベンズイソキサゾリル、チアキソリル、キアニジノ、ベンゾチアゾリルラジカルまたはそれらの任意の組合せを含む群から選択され、芳香族ラジカルは、オルトもしくはメタもしくはパラ位のいずれかまたはそれらの位置の任意の組合せでアルキルラジカルと連結され、前記アルキルラジカルは、メチルまたはエチル部分のいずれかである。前記芳香族ラジカルの構造表示は、以下のように例示される:
本開示内容の一実施形態では、脂肪族ラジカルは、さまざまな長さのアルキル鎖であり、アルキル鎖の長さは、約C〜約C20の範囲である。好ましい実施形態では、アルキル鎖の長さは、約C〜C14の範囲である。より好ましい実施形態では、アルキル鎖の長さは、約C〜C19の範囲である。前記脂肪族ラジカルの一般表示は、以下のように例示される
[式中、「n」は、C〜C20、好ましくは、C〜C20、より好ましくは、C〜C19の範囲である]。
本開示内容の一実施形態では、アミノ酸は、それだけには限らないが、アラニン(Ala)、アルギニン(Arg)、アスパラギン(Asn)、アスパラギン酸(Asp)、システイン(Cys)、グルタミン酸(Glu)、グルタミン(Gln)、グリシン(Gly)、ヒスチジン(His)、ホモシステイン(Hey)、ホモセリン(Hse)、イソロイシン(lie)、ロイシン(Leu)、リシン(Lys)、メチオニン(Met)、ノルロイシン(NIe)、ノルバリン(Nva)、オルニチン(Orn)、ペニシラミン(Pen)、フェニルアラニン(Phe)、プロリン(Pro)、セリン(Ser)、チロシン(Thr)、トレオニン(Trp)、トリプトファン(Tyr)、バリン(VaI)、ピログルタミンン酸(pGLU)、ジニトロベンジル化リシン(dnp−LYS)、リン酸化トレオニン(pTHR)、リン酸化セリン(pSER)、リン酸化チロシン(pTYR)、シトルリン(CIT)、N−メチル化アラニン(nme−ALA)、N−メチル化イソロイシン(nme−ILE)、N−メチル化ロイシン(nme−LEU)、N−メチル化フェニルアラニン(nme−PHE)、N−メチル化バリン(nme−VAL)、N−メチル化セリン(nme−SER)、N−メチル化トレオニン(nme−THR)、N−メチル化チロシン(nme−TYR)、αアミノ酪酸(amino-butyhc acid)(α−ABA)、イソ−アスパラギン酸(iso−ASP)、アセチル化リシン(Ac−LYS)、2−メチルアラニン(2−Me−ALA)およびオキサミン酸(OXA)からなる群から選択され得る。
本開示内容の別の実施形態では、上記のアミノ酸の側鎖は、H−、CH、HN=C(NH)−NH−(CH−、HN−CO−CH−、HOOC−CH−、HS−CH−、HN−CO−(CH−、HS−(CH−、HOOC−(CHz)−、CH−CH−CH(CH)−、(CHCH−CH−、HN−(CH−、CH−S−(CH),−、フェニル−CH−、HO−CH−、CH−CH(OH)−、4−OH−フェニル−CH−、CH−CH(CH)−、
およびそれらの誘導体から選択され得る。
本開示内容の例示的実施形態では、上記のような化合物の側鎖は、−CH−CH−CH−CH−NHであり、前記アミノ酸は、L−リシンである。
本開示内容の例示的実施形態では、芳香族ラジカルとしてアントラセンまたはクロロアントラセンを含む化合物について、アルキルアミンのアルキル鎖長は、約C〜C10の範囲である。
本開示内容の別の例示的実施形態では、芳香族ラジカルとしてナフタレンを含む化合物について、アルキルアミンのアルキル鎖長は、約C〜C12の範囲である。
本開示内容のさらに別の例示的実施形態では、芳香族ラジカルとしてベンゼンを含む化合物について、アルキルアミンのアルキル鎖長は、約C〜C14の範囲である。
本開示内容の一実施形態では、芳香族ラジカルとして9−クロロアントラセンを有する化合物は、本明細書において、ACKと呼ばれ、化合物中の10−アミノメチル−9−クロロアントラセン部分は、疎水性コアを形成し、N原子を介して、L−リシン部分および2〜10個の炭素原子を含むアルキル鎖と結合している(図1に例示される)。さらに、さまざまなアルキル鎖炭素長を有するACKは、アルキル鎖中の炭素の長さに関して数字が指定される。例えば、アルキル鎖としてエチルを含むACKは、ACK−2と呼ばれる。同様に、ブチル鎖を含むACKは、ACK−4と呼ばれ、ヘキシル鎖を含むACKは、ACK−6と呼ばれ、オクチル鎖を含むACKは、ACK−8と呼ばれ、デシル鎖を含むACKは、ACK−10と呼ばれる。さらに、さまざまなアルキル鎖長を有するすべての前記化合物が、図1に明白に示されている。
本開示内容の別の実施形態では、芳香族ラジカルとしてナフタレンを有する化合物は、本明細書において、NCKと呼ばれ、化合物中のアミノメチルナフタレン部分は、疎水性コアを形成し、N原子を介して、L−リシン部分および4〜12個の炭素原子を含むアルキル鎖と結合している(図1に例示される)。さらに、さまざまなアルキル鎖炭素長を有するNCKは、アルキル鎖中の炭素の長さに関して数字が指定される。例えば、アルキル鎖としてブチルを含むNCKは、NCK−4と呼ばれる。同様に、ヘキシル鎖を含むNCKは、NCK−6と呼ばれ、オクチル鎖を含むNCKは、NCK−8と呼ばれ、デシル鎖を含むNCKは、NCK−10と呼ばれ、ドデシル鎖を含むNCKは、NCK−12と呼ばれる。さらに、さまざまなアルキル鎖長を有するすべての化合物は、図1に明白に示されている。
本開示内容のさらに別の実施形態では、芳香族コアとしてベンゼンを有する化合物は、本明細書において、BCKと呼ばれ、化合物中のアミノメチルベンゼン部分は、疎水性コアを形成し、N原子を介して、L−リシン部分および4〜14個の炭素原子を含むアルキル鎖と結合している(図1に例示される)。さらに、さまざまなアルキル鎖炭素長を有するBCKは、アルキル鎖中の炭素の長さに関して数字が指定される。例えば、アルキル鎖としてブチルを含むBCKは、BCK−4と呼ばれる。同様に、ヘキシル鎖を含むBCKは、BCK−6と呼ばれ、オクチル鎖を含むBCKは、BCK−8と呼ばれ、デシル鎖を含むBCKは、BCK−10と呼ばれ、ドデシル鎖を含むBCKは、BCK−12と呼ばれ、テトラデシル鎖を含むBCKは、BCK−14と呼ばれる。さらに、さまざまなアルキル鎖長を有するすべての化合物が、図1に明白に示されている。
本開示内容は、天然に存在するAMPの抗菌有効性に関して妥協することなく、いくつかの先行技術の問題に対処する。本明細書において開示される化合物は、簡単な設計、容易な合成方法論および安価な出発材料を含む。
一実施形態では、本開示内容の化合物の1つの重要な特徴は、設計の非生物的性質に大きく貢献する、N−二置換された、または第三級アミド結合の組込みである。
本開示内容はさらに、本明細書において提供されるような種々の化合物を合成する方法に関し、本方法は、芳香族ラジカルまたは脂肪族ラジカルのアルデヒドを、アルキルアミン(約C〜C20、好ましくは、約C〜C14で変動する炭素長)と反応させる行為を含む。アルデヒドは、シッフ塩基を形成し、それを、次いで、水素化ホウ素ナトリウムによって還元して、第二級アミンを形成する。これらの第二級アミンの塩を、O−ベンゾトリアゾール−N,N,N’,N’−テトラメチル−ウロニウム−ヘキサフルオロホスフェート(HBTU)カップリング化学を使用して、アミノ酸(複数可)の遊離酸性基とカップリングする[ここで、アミノ酸の官能基(カルボキシ基は別として)は、第三級ブチルカルバメート基またはBocによって保護されている]。最後に、第三級ブチルカルバメート基を、トリフルオロ酢酸を使用して脱保護して、式Iによって定義される化合物を得る。得られた化合物を、精製技術(好ましくは、HPLC)によって精製し、NMR、IRおよび質量分析を使用して特性決定する。
一実施形態では、本開示内容の化合物の塩の形態も開示される。
いくつかの実施形態では、医薬上許容される無機酸または有機酸を有する本開示内容の化合物の医薬上許容される塩として、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硫酸、リン酸など、ならびにp−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、シュウ酸、p−ブロモフェニルスルホン酸、炭酸、コハク酸、クエン酸、安息香酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、サリチル酸、テレフタル酸などといった有機酸が挙げられる。このような医薬上許容される塩の例として、硫酸塩、ピロ硫酸塩、重硫酸塩、亜硫酸塩、亜硫酸水素塩、リン酸塩、一水素リン酸塩、二水素リン酸塩、メタリン酸塩、ピロリン酸塩、塩化物、臭化物、ヨウ化物、酢酸塩、トリフルオロ酢酸塩、プロピオン酸塩、デカン酸塩、カプリル酸塩、アクリル酸塩、ギ酸塩、イソ酪酸塩、カプロン酸塩、ヘプタン酸塩、プロピオン酸塩、シュウ酸塩、マロン酸塩、コハク酸塩、スベリン酸塩、セバシン酸塩、フマル酸塩、マレイン酸塩、ブチン−1,4−ジオエート、ヘキシン−1,6−ジオエート、安息香酸塩、クロロベンゾエート、メチルベンゾエート、ジニトロベンゾエート、ヒドロキシベンゾエート、メトキシベンゾエート、フタル酸塩、スルホン酸塩、キシレンスルホン酸塩、フェニル酢酸塩、フェニルプロピオン酸塩、フェニル酪酸塩、クエン酸塩、乳酸塩、ヒドロキシ酪酸塩(ghydroxybutyrate)、グリコール酸塩、酒石酸塩、メタンスルホン酸塩、プロパンスルホン酸塩、ナフタレン−1−スルホネート、ナフタレン−2−スルホネート、マンデル酸塩、塩化物、臭化物、ヨウ化物、サリチル酸塩、4−アミノサリチル酸塩、ホスホマイシン((−)−(1R,2S)−(1,2−エポキシプロピル)ホスホネート)およびテレフタレートなどがある。
いくつかの実施形態では、本開示内容の化合物の医薬上許容される塩は、臭化水素酸などの医薬上許容される有機酸を有し、医薬上許容される塩は、臭化物であり得る。本発明の任意の塩の部分を形成する特定の対イオンは、塩が全体として、薬理学的に許容される限り、また対イオンが全体としての塩に望ましくない品質を与えない限り、重大な性質のものではない場合があるということは、認識されなければならない。
別の実施形態では、本開示内容の化合物またはその塩は、任意選択で、医薬上許容される賦形剤とともに、組成物に到達するために使用される。前記組成物は、病原性微生物によって引き起こされる感染または疾患を治療するために投与形に製剤化される。さらに、賦形剤は、糖、デンプン、セルロース、麦芽、ゼラチン、タルク、ココアバター、坐剤ワックス、オイル、グリコール、エステル、寒天、緩衝剤、アルギン酸、パイロジェンフリー水、等張性生理食塩水、リンゲル液、アルコール、脂質、界面活性剤、着色剤、放出剤、コーティング剤、甘味剤、矯味剤、芳香剤、保存料、抗酸化物質およびそれらの誘導体またはそれらの任意の組合せを含む群から選択される。
いくつかの実施形態では、基板は、本開示内容の化合物または組成物でコーティングされ得る。抗菌組成物でコーティングされ得る基板の例として、それだけには限らないが、パーソナルケア製品、ヘルスケア製品、家庭用品、食品調理面、食品包装面、医療機器、創傷包帯、外科用ステープル、メンブラン、シャント、手術用手袋、組織パッチ、人工装具、創部ドレナージ管、血液収集および移動装置、気管切開装置、眼球内レンズ、実験装置、織物製品および塗面が挙げられる。
本開示内容の化合物または組成物は、別個にまたは任意のその他の薬物もしくは治療薬と組み合わせて投与される。本開示内容の化合物および/または製剤/組成物とともに投与されるその他の治療薬および/または薬物の例として、それだけには限らないが、ペネム、ペナム(penam)、セフェム、カルバペネム、オキサセフェム、カルバセフェムおよびモノバクタムなどのβラクタム抗生物質またはサイクロセリンおよびホスホマイシンなどのその他の抗生物質が挙げられる。その他の治療薬は、抗生物質である必要はない。
本開示内容の化合物または組成物は、治療上有効な量で対象に投与され、ここでは、1日あたり約0.25〜約2グラムの範囲の量で、対象は、好ましくは、ヒトである。本開示内容の化合物または組成物は、単一の一日用量で、または1日あたり複数回の用量で投与される。微生物によって引き起こされる感染または疾患を克服するために、その他の周期的治療プロトコールまたは代替投与計画も採用される。治療プロトコールは、長期間、例えば、数日間または約1〜6週間にわたる投与を必要とする場合もある。さらに、上記で論じられる本開示内容の化合物または組成物の治療上有効な量は、単に例示的なものであって、投与される用量あたりの量または投与される総量は、感染の性質および重症度、患者の年齢および全身の健康、本開示内容の化合物または組成物/製剤に対する患者の耐性ならびに感染に関与している微生物(単数または複数)などの因子に応じて変わる。
本開示内容の化合物または組成物は、パーソナルケア製品(歯ブラシ、コンタクトレンズケースおよび歯科用機器など)、ヘルスケア製品、家庭用品、食品調理面および包装ならびに実験および科学機器を含めた種々の基板上に接触死滅性コーティングまたは層を形成するために使用される。さらに、その他の基板として、カテーテル、泌尿器系装置、血液収集および移動装置、気管切開装置、眼球内レンズ、創傷包帯、縫合糸、外科用ステープル、メンブラン、シャント、手袋、組織パッチ、人工装具(例えば、心臓弁)および創傷ドレナージ管などの医療機器が挙げられる。さらに、その他の基板として、カーペットおよび布などの織物製品、塗料および目地セメントが挙げられる。さらなる使用は、抗菌性土壌燻蒸剤としてである。
本開示内容の化合物または組成物の経腸投与は、好ましくは、約0.01mg/kg〜約100mg/kg、より好ましくは、約2mg/kg〜約50mg/kg、最も好ましくは、約5mg/kg〜約30mg/kgの投与量で投与される。
本開示内容の化合物または組成物の非経口投与は、好ましくは、約0.01mg/kg〜約100mg/kg、より好ましくは、約1mg/kg〜約30mg/kg、最も好ましくは、約5mg/kg〜約25mg/kgの投与量で投与される。
本開示内容の化合物または組成物の局所投与は、好ましくは、約0.000001%〜約20%、より好ましくは、約0.001%〜約15%、最も好ましくは、約0.025%〜約10%の投与量で投与される。
本開示内容の化合物または組成物の吸入投与は、好ましくは、約0.0001mg〜約25mg、より好ましくは、約0.01mg〜約15mg、最も好ましくは、約0.1mg〜約10mgの投与量で投与される。
一実施形態では、本開示内容の化合物または組成物は、それだけには限らないが、グラム陽性菌、グラム陰性菌、マイコバクテリア、糸状菌、酵母、原虫ならびに寄生生物およびウイルスを含めた同様のものを含めた種々の微生物によって引き起こされる疾患などの感染性疾患の治療および予防のために使用される。当業者ならば、本開示内容の化合物が、種々のその他の微生物および疾患に対する治療のために付されるということは理解するであろう。
別の実施形態では、治療は、疾患にかかりやすい傾向がある可能性があるが、それを有するとはまだ診断されていない対象において、疾患または状態が生じることを防ぐことを含む。いくつかのその他の実施形態では、治療は、疾患または状態を阻害すること、すなわち、その発達を停止すること、疾患または状態を軽減すること、すなわち、状態の退縮を引き起こすことまたは疾患によって引き起こされる状態、すなわち、疾患の症状を軽減することを含む。
一実施形態では、本開示内容の化合物または組成物は、黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)、緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa)、大腸菌(Escherichia coli)およびフェシウム菌(Enterococcus faecium)などの野生型細菌(薬物感受性菌)ならびにメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(S.aureus)(MRSA)およびバンコマイシン耐性フェシウム菌(E.faecium)(VRE)などの薬物耐性菌に対して大きな抗菌活性を示す。
別の実施形態では、化合物または組成物のACK、NCKおよびBCKシリーズは、黄色ブドウ球菌(staphylococcus aureus)、緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa)、大腸菌(Escherichia coli)フェシウム菌(Enterococcus faecium)などの野生型細菌(薬物感受性菌)ならびにメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(S.aureus)(MRSA)およびバンコマイシン耐性フェシウム菌(E.faecium)(VRE)などの薬物耐性菌に対して大きな抗菌活性を示す。
さらに別の実施形態では、エチル〜デシルのアルキル炭素長を有するACK化合物または組成物の最小阻害濃度は、約2.2μg/ml〜約7μg/mlの範囲であり、化合物ACK−6およびACK−10は、約2μg/ml〜約2.5μg/mlの範囲の有効最小阻害濃度を示す。
なお別の実施形態では、ブチル〜ドデシルのアルキル炭素長を有するNCK化合物または組成物の最小阻害濃度は、約>100μg/ml〜約2.5μg/mlの範囲であり、化合物NCK−10およびNCK−12は、約2.5μg/ml〜約3μg/mlの範囲の有効最小阻害濃度を示す。
なお別の実施形態では、ブチル〜ドデシルのアルキル炭素長を有するBCK化合物または組成物の最小阻害濃度は、約>100μg/ml〜約2.7μg/mlの範囲であり、化合物BCK−12およびBCK−14は、約2.5μg/ml〜約3μg/mlの範囲の有効最小阻害濃度を示す。
本開示内容の化合物または組成物は、グラム陽性およびグラム陰性球菌に対して有効であり、これとして、それだけには限らないが、アエロコッカス属(Aerococcus)、エンテロコッカス属(Enterococcus)、ハロコッカス属(Halococcus)、ロイコノストック属(Leuconostoc)、ミクロコッカス属(Micrococcus)、モビルンカス属(Mobiluncus)、モラクセラ・カタラーリス(Moraxella catarrhalis)、ナイセリア属(Neisseria)(N.ゴノレア(gonorrheae)およびN.メニンギティディス(meningitidis)を含む)、ペディオコッカス属(Pediococcus)、ペプトストレプトコッカス属(Peptostreptococcus)、スタフィロコッカス属(Staphylococcus)の種(黄色ブドウ球菌(S.aureus)、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(S.aureus)、コアグラーゼ陰性黄色ブドウ球菌(S.aureus)およびS.サプロフィチカス(saprophyticus)を含む)、ストレプトコッカス属(Streptococcus)の種(S.ピオゲネス(pyogenes)、S.アガラクチア(agalactiae)、S.ボビス(bovis)、S.ニューモニエ(pneumoniae)、S.ミュータンス(mutans)、S.サンギス(sanguis)、S.エクイ(equi)、S.エクイヌス(equinus)、S.サーモフィルス(thermophilus)、S.モルビロルム(morbillorum)、S.ハンセニイ(hansenii)、S.プレオモルファス(pleomorphus)およびS.パルブルス(parvulus)を含む)およびベイロネラ属(Veillonella)が挙げられる。
本開示内容の化合物または組成物は、グラム陽性およびグラム陰性の直線状の、湾曲した、らせん状の/ビブリオ様の分岐した桿菌に対して有効であり、これとして、それだけには限らないが、アセトバクター属(Acetobacter)、アシネトバクター属(Acinetobacter)、アクチノバチルス・エクーリ(Actinobacillus equuli)、エロモナス属(Aeromonas)、アグロバクテリウム属(Agrobacterium)、アルカリゲネス属(Alcaligenes)、アクワスピリウム属(Aquaspirillum)、溶血性アルカノバクテリア(Arcanobacterium haemolyticum)、バチルス種(B.セレウス(cereus)およびB.アントラシス(anthracis)を含む)、バクテロイデス(Bacteroides)種(B.フラギリス(fragilis)を含む)、バルトネラ属(Bartonella)、ボルデテラ(Bordetella)種(B.パータシス(pertussis)を含む)、ブロコトリックス属(Brochothrix)、ブルセラ属(Brucella)、バークホルデリア・セパシア(Burkholderia cepacia)、肉芽腫カリマトバクテリウム(Calymmatobacterium granulomatis)、カンピロバクター(Campylobacter)種(C.ジェジュニ(jejuni)を含む)、キャプノサイトファーガ属(Capnocytophaga)、カウロバクター属(Caulobacter)、クロモバクテリウム・ビオラセウム(Chromobacterium violaceum)、シトロバクター属(Citrobacter)、クロストリジウム(Clostridium)種(C.パーフリンジェンス(perfringens)、C.テタニ(tetani)およびC.ディフィシル(difficile)を含む)、コマモナス属(Comamonas)、クルトバクテリウム属(Curtobacterium)、エドワージエラ属(Edwardsiella)、エイケネラ属(Eikenella)、エンテロバクター属(Enterobacter)、エルウィニア属(Erwinia)、エリシペロスリクス属(Erysipelothrix)、エシェリキア(Escherichia)種(大腸菌(E.coli)を含む)、フラボバクテリウム(Flavobacterium)種(F.メニンゴセプチカム(meninosepticum)を含む)、フランシセラ(Francisella)種(F.ツラレンシス(tularensis)を含む)、フソバクテリウム属(Fusobacterium)(F.ヌクレアタム(nucleatum)を含む)、ガードネレラ(Gardnerella)種(G.バギナリス(vaginalis)を含む)、グルコノバクター属(Gluconobacter)、ヘモフィルス(Haemophilus)種(H.インフルエンザエ(influenzae)およびH.デュクレイ(ducreyi)を含む)、ハフニア属(Hafnia)、ヘリコバクター属(Helicobacter)(H.ピロリ(pylori)を含む)、ヘルペトシフォン属(Herpetosiphon)、クレブシエラ(Klebsiella)種(肺炎桿菌(K.pneumoniae)を含む)、クルイベラ属(Kluyvera)、ラクトバチルス属(Lactobacillus)、レジオネラ(Legionella)種(L.ニューモフィラ(pneumophila)を含む)、レプトトリキア属(Leptotrichia)、リステリア(Listeria)種(L.モノサイトゲネス(monocytogenes)を含む)、ミクロバクテリウム属(Microbacterium)、モルガネラ属(Morganella)、ニトロバクター属(Nitrobacter)、ニトロソモナス属(Nitrosomonas)、パスツレラ(Pasteurella)種(P.マルトシダ(multocida)を含む)、ペクチナタス属(Pectinatus)、ポルフィロモナス・ジンジバリス(Porphyromonas gingivalis)、プロテウススピーシーズ(Proteusspecies)(P.ミラビリス(mirabilis)を含む)、プロビデンシア属(Providencia)、シュードモナス(Pseudomonas)種(緑膿菌(P.aeruginosa)、鼻疽菌(P.mallei)、類鼻疽菌(P.pseudomallei)およびP.ソラナセラム(solanacearum)を含む)、ラーネラ属(Rahnella)、レニバクテリウム・サルモニナルム(Renibacterium salmoninarum)、サルモネラ属(Salmonella)、セラチア属(Serratia)、赤痢菌属(Shigella)、スピリルム属(Spirillum)、ストレプトバチルス(Streptobacillus)種(S.モニリフォルミス(moniliformis)を含む)、ビブリオ(Vibrio)種(コレラ菌(V.cholerae)およびV.バルニフィカス(vulnificus)を含む)、ウォリネラ属(Wolinella)、ザントバクター属(Xanthobacter)、ゼノラブダス属(Xenorhabdus)、エルシニア(Yersinia)種(ペスト菌(Y.pestis)およびY.エンテロコリチカ(enterocolitica)を含む)、ザントモナス属(Zanthomonas)およびザイモモナス(Zymomonas)が挙げられる。
本開示内容の化合物または組成物は、有鞘細菌に対して有効であり、これとして、それだけには限らないが、クレノトリックス属(Crenothrix)、レプトスリックス属(Leptothrix)およびスフェロチルス属(Sphaerotilus)が挙げられる。硫黄酸化細菌として、それだけには限らないが、ベギアトア属(Beggiatoa)、ガリオネラ属(Gallionella)、スルホロブス属(Sulfolobus)、サーモトリックス属(Thermothrix)、チオバチルス(Thiobacillus)種(T.フェロオキシダンス(ferroxidans)を含む)、チオミクロスピラ属(Thiomicrospira)およびチオスフェラ属(Thiosphaera)が挙げられる。硫黄または硫酸塩還元細菌として、それだけには限らないが、デスルホバクター属(Desulfobacter)、デスルホブルブス属(Desulfobulbus)、デスルホコッカス属(Desulfococcus)、デスルホモナス属(Desulfomonas)、デスルホサルシナ属(Desulfosarcina)、デスルホトマクルム属(Desulfotomaculum)、デスルホビブリオ属(Desulfovibrio)およびデスルフロモナス属(Desulfuromonas)が挙げられる。
本開示内容の化合物または組成物は、真菌に対して有効であり、これとして、それだけには限らないが、アクレモニウム属(Acremonium)、アスペルギルス属(Aspergillus)、ブラストマイセス(Blastomyces)種(B.デルマティティディス(dermatitidis)を含む)、カンジダ(Candida)種(C.アルビカンス(albicans)を含む)、セラトシスチス属(Ceratocystis)、ケトミウム属(Chaetomium)、コクシジオイデス(Coccidioides)種(C.イミチス(immitis)を含む)、クリプトコッカス・ネオフォルマンス(Cryptococcus neoformans)、エピデルモフィトン属(Epidermophyton)、フザリウム(Fusarium)種(F.オキシスポラム(oxysporum)を含む)、ゴングロネラ属(Gongronella)、ヒストプラズマ(Histoplasma)種(H.カプスラーツム(capsulatum)を含む)、ホルモネア属(Hormonea)、マラセチア・フルフル(Malassezia furfur)、ミクロスポルム属(Microsporum)、ミコスフェレラ・フィジエンシス(Mycosphaerella fijiensis)、南アメリカ分芽菌(Paracoccidiodes brasiliensis)、ペニシリウム属(Penicillium)、ニューモシスチス・カリニ(Pneumocystis carinii)、リチウム属(Pythium)、リゾクトニア属(Rhizoctonia)、ロドトルラ属(Rhodotorula)、サッカロマイセス属(Saccharomyces)、スポロトリックス・シェンキィ(Sporothrix schenckii)、トルラ属(Torula)、トリコデルマ属(Trichoderma)、トリコフィトン(Trichophyton)種(T.メンタグロフィテス(mentagrophytes)およびT.ルブラム(rubrum)を含む)およびトリコセシウム属(Trichothecium)が挙げられる。
本開示内容の化合物または組成物は、寄生生物に対して有効であり、これとして、それだけには限らないが、アカントアメーバ(Acanthamoeba)種、回虫(Ascaris lumbricoides)、バベシア属(Babesia)、バラムチア属(Balamuthia)、バランチジウム属(Balantidium)、B.ホミニス(hominis)を含めたブラストシスチス(Blastocystis)種、キロマスティクス属(Chilomastix)、肝吸虫(Clonorchis sinensis)、クリプトスポリジウム・パルバム(Cryptosporidium parvum)、シクロスポラ属(Cyclospora)、二核アメーバ(Dientamoeba fragilis)、裂頭条虫属(Diphyllobothrium)、包虫属(Echinococcus)、エンドリマックス属(Endolimax)、エントアメーバ(Entamoeba)種(赤痢アメーバ(E.histolytica)を含む)、蟯虫(Enterobius)種(蟯虫(E.vermicularis)を含む)、ランブル鞭毛虫(Giardia lamblia)、鉤虫(hookworms)(アメリカ鉤虫属(Necator)、アンシロストーマ属(Ancylostoma)およびユニシラニア(Unicinaria)を含む)、膜様条虫属(Hymenolepsis)、ヨードアメーバ(Iodamoeba)、イソスポーラ属(Isospora)、リーシュマニア属(Leishmania)、マンソネラ属(Mansonella)、微胞子虫(Microsporidia)、ミクロスポリジウム属(Microsporidium)、ネグレリア・フォーレリ(Naegleria fowleri)、オンコセルカ属(Onchocerca)、プラスモジウム属(Plasmodium)(熱帯熱マラリア原虫(P.falciparum)、三日熱マラリア原虫(P. vivax)、四日熱マラリア原虫(P. malariae)および卵型マラリア原虫(P. ovale)、P.ベルゲイ(P. berghei)、P.ヨエリ(P. yoelii)を含む)、住血吸虫属(Schistosoma)(ビルハルツ住血吸虫(S.haematobium)およびマンソン住血吸虫(S.mansoni)を含む)、糞線虫(Strongyloides)種(糞線虫(S.stercoralis)を含む)、サナダムシ(tapeworms)(テニア(Taenia)種を含む)、トキソプラズマ属(Toxoplasma)(T.ゴンディ(gondii)を含む)、旋毛虫属(Trichinella)(旋毛虫(T spiralis)を含む)、腟トリコモナス(Trichomonas vaginalis)、鞭虫(T.trichiura)を含めた鞭虫属(Trichuris)種、イヌ糸状虫属(Dirofilaria)、ブルギア属(Brugia)、糸状虫属(Wuchereria)、トリパノソーマ属(Trypanosoma)、ボルティセラ属(Vorticella)、エイメリア(Eimeria)種、ヘキサミタ(Hexamita)種およびヒストモナス・メレアギジス(Histomonas meleagidis)が挙げられる。
本開示内容の化合物または組成物は、ウイルスに対して有効であり、これとして、それだけには限らないが、アデノウイルス、アルボウイルス(ハンタウイルスを含む)、アストロウイルス、コロナウイルス、サイトメガロウイルス、エンテロウイルス(コクサッキーウイルスAを含む)、エプスタインバーウイルス、A型肝炎ウイルス、B型肝炎ウイルス、ヘルペスウイルス(単純ヘルペスウイルスまたはHSVを含む)、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)、ヒトパピローマウイルス、ヒトT細胞白血病ウイルス、インフルエンザウイルス、ムンプスウイルス、ノーウォークウイルス、オルビウイルス、パラインフルエンザウイルス、パルボウイルスB19、ポックスウイルス、狂犬病ウイルス、呼吸器合胞体ウイルス、ライノウイルス、ロタウイルス、風疹ウイルス、水痘帯状疱疹ウイルス、水泡性口内炎ウイルス、カリフラワーモザイクウイルス、ササゲモザイクウイルス、牛痘ウイルスおよびウサギミクソーマティス(myxomatis)ウイルスが挙げられる。
一実施形態では、本明細書における記載は、特許請求される本発明の主題を明確に、簡潔に説明するために特定の用語の定義を提供する。
単数形「a(1つの)」「an(1つの)」および「the(その)」は、文脈上明確に別のことを示さない限り、複数形の言及を含む。本明細書および特許請求の範囲を通じて本明細書において使用される近似言語は、関連する基本機能に変化をもたらさず許容範囲で変動し得る任意の定量的表現を修飾するために適用され得る。したがって、「約」などの用語によって修飾される値は、指定される正確な値に制限されてはならない。特に断りのない限り、本明細書および特許請求の範囲において使用される分子量、反応条件などといった成分、特性の量を表すすべての数字は、すべての場合において用語「約」によって修飾されると理解されるべきである。したがって、別に示されない限り、以下の明細書および添付の特許請求の範囲に示される数値パラメータは、本発明によって得られると考えられる所望の特性に応じて変わり得る近似値である。少なくとも各数値パラメータは、少なくとも報告される有効数字の数を踏まえ、通常の四捨五入技術を適用することによって解釈されなければならない。
本明細書において、用語「脂肪族ラジカル」とは、原子の直鎖または分岐非環式または非芳香族環式配列を含む、少なくとも一価の有機ラジカルを指す。非芳香族環式脂肪族ラジカルは、1種または複数の非環式構成要素を含み得る。例えば、シクロヘキシルメチル基(C11CH−)は、シクロヘキシル環(環式であるが、芳香族ではない原子の配列)およびメチレン基(非環式成分)を含む脂環式ラジカルである。脂肪族ラジカルを含む原子の配列は、窒素、硫黄、ケイ素、セレンおよび酸素などのヘテロ原子を含み得るか、またはもっぱら、炭素および水素からなり得る。便宜上、用語「脂肪族ラジカル」は、「原子の直鎖または分岐非環式または非芳香族環式配列」の一部として、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、ハロアルキル基、共役ジエニル基、アルコール基、エーテル基、アルデヒド基、ケトン基、カルボン酸基、アシル基、例えば、エステルおよびアミド(第二級アミド、第三級アミドを含む)などのカルボン酸誘導体、アミン基、ニトロ基、アミノ酸、ペプチドなどといった広範囲の官能基で置換された有機ラジカルを包含するよう本明細書において定義される。
例えば、4−メチルペンタ−1−イルラジカルは、メチル基を含むC脂肪族ラジカルであり、メチル基は、アルキル基である官能基である。同様に、4−ニトロブタ−1−イル基は、ニトロ基を含むC脂肪族ラジカルであり、ニトロ基は、官能基である。やはり、プロパ−1−エニルラジカル(CHCH=CH−)は、アルケニル基を含むC脂肪族ラジカルである。非芳香族環式ラジカルの例として、それだけには限らないが、コレステロールおよびエルゴステロールなどのステロイドが挙げられる。脂肪族ラジカルは、同一であっても異なっていてもよい1個または複数のハロゲン原子を含むハロアルキル基であり得る。ハロゲン原子として、例えば、フッ素、塩素、臭素およびヨウ素が挙げられる。1個または複数のハロゲン原子を含む脂肪族ラジカルとして、アルキルハロゲン化物トリフルオロメチル、ブロモジフルオロメチル、クロロジフルオロメチル、ヘキサフルオロイソプロピリデン、クロロメチル、ジフルオロビニリデン、トリクロロメチル、ブロモジクロロメチル、ブロモエチル、2−ブロモトリメチレン(例えば、−CHCHBrCH−)などが挙げられる。1つまたは複数のアルケニル基を含む脂肪族ラジカルは、単一のアルケニル基を含むC18脂肪族ラジカルであるオクタデカ−9−エニルラジカル(CH(CHCH=CH(CHCH−)および2つのアルケニル基を含むC18脂肪族ラジカルであるオクタデカ−9,12−ジエニルラジカル(CH(CHCH=CHCHCH=CH(CHCH−)を含み得る。脂肪族ラジカルのさらなる例として、メチル(すなわち、−CH)、メチレン(すなわち、−CH−)、エチル(−C)、ブチル(−C)、ヘキシル(−C13)、オクチル(−C17)、デシル(C1021)、ドデシル(−C1225)、テトラデシル(−C1429)、アリル(CH=CHCH−)、プロパルギル(CH≡CCH−)、アミノカルボニル(すなわち、−CONH)、カルボニル、2,2−ジシアノイソプロピリデン(すなわち、−CHC(CN)CH−)、ホルミル(すなわち、−CHO)、ヒドロキシメチル(すなわち、−CHOH)、メルカプトメチル(すなわち、−CHSH)、メチルチオ(すなわち、−SCH)、メチルチオメチル(すなわち、−CHSCH)、メトキシ、メトキシカルボニル(すなわち、CHOCO−)、ニトロメチル(すなわち、−CHNO)、チオカルボニル、トリメチルシリル(すなわち、(CHSi−)、t−ブチルジメチルシリル、3−トリメトキシシリプロピル(すなわち、(CHO)SiCHCHCH−)、ビニル、ビニリデンなどが挙げられる。さらなる例として、C〜C10脂肪族ラジカルは、少なくとも1個であるが10個以下の炭素原子を含有する。メチル基(すなわち、CH−)は、C脂肪族ラジカルの一例である。デシル基(すなわち、CH(CH−)は、C10脂肪族ラジカルの一例である。
本明細書において、用語「芳香族ラジカル」とは、少なくとも1つの芳香族基を含む、少なくとも一価の原子の配列を指す。少なくとも1つの芳香族基を含む少なくとも一価の原子の配列は、窒素、硫黄、セレン、ケイ素および酸素などのヘテロ原子を含み得るか、またはもっぱら炭素および水素からなり得る。本明細書において、用語「芳香族ラジカル」として、それだけには限らないが、フェニル、ピリジル、フラニル、チエニル、ナフチル、フェニレンおよびビフェニルラジカルが挙げられる。記載したように、芳香族ラジカルは、少なくとも1つの芳香族基を含有する。芳香族基は、常に、4n+2「非局在化」電子を有する環式構造であり、ここで、「n」は、フェニル基(n=1)、チエニル基(n=1)、フラニル基(n=1)、ナフチル基(n=2)、アズレニル基(n=2)およびアントラセネイル基(n=3)によって例示されるような、1以上の整数である。芳香族ラジカルはまた、非芳香族構成要素を含み得る。例えば、ベンジル(CCH−)、ナフチル−1−メチル(C10CH−)、アントラセニル−1−メチル(C14CH−)は、それぞれ、フェニル環、ナフチル環、アントラセニル環(芳香族基)およびメチレン基(非芳香族成分)を含む芳香族ラジカルである。同様に、テトラヒドロナフチルラジカルは、非芳香族成分−(CH−に縮合された芳香族基(C)を含む芳香族ラジカルである。便宜上、用語「芳香族ラジカル」は、「少なくとも1つの芳香族基を含む、少なくとも一価の原子の配列」の一部として、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、ハロアルキル基、ハロ芳香族基、共役ジエニル基、アルコール基、エーテル基、アルデヒド基、ケトン基、カルボン酸基、アシル基、例えば、エステルおよびアミド(第二級アミドおよび第三級アミドを含む)などのカルボン酸誘導体、アミン基、ニトロ基、アミノ酸、ペプチドなどといった広範囲の官能基で置換された有機ラジカルを包含するよう本明細書において定義される。例えば、10−クロロ−9−メチルアントラセニルラジカルは、メチル基およびクロロ基を含むC10芳香族ラジカルであり、メチル基およびクロロ基は、それぞれ、アルキル基およびハロゲン基である2種の官能基である。同様に、4−メチルフェニルラジカルは、メチル基を含むC芳香族ラジカルであり、メチル基はアルキル基である官能基である。同様に、2−ニトロフェニル基は、ニトロ基を含むC芳香族ラジカルであり、ニトロ基は、官能基である。芳香族ラジカルとして、4−トリフルオロメチルフェニル、ヘキサフルオロイソプロピリデンビス(4−フェン−1−イルオキシ)(すなわち、−OPhC(CFPhO−)、4−クロロメチルフェン−1−イル、3−トリフルオロビニル−2−チエニル、3−トリクロロメチルフェン−1−イル(すなわち、3−CClPh−)、4−(3−ブロモプロパ−1−イル)フェン−1−イル(すなわち、4−BrCHCHCHPh−)などといったハロゲン化芳香族ラジカルが挙げられる。芳香族ラジカルの例として、それだけには限らないが、トコフェロールおよびトコトリエノールが挙げられる。芳香族ラジカルのさらなる例として、4−アリルオキシフェン−1−オキシ、4−アミノフェン−1−イル(すなわち、4−HNPh−)、3−アミノカルボニルフェン−1−イル(すなわち、NHCOPh−)、4−ベンゾイルフェン−1−イル、ジシアノメチリデンビス(4−フェン−1−イルオキシ)(すなわち、−OPhC(CN)PhO−)、3−メチルフェン−1−イル、メチレンビス(4−フェン−1−イルオキシ)(すなわち、−OPhCHPhO−)、2−エチルフェン−1−イル、フェニルエテニル、3−ホルミル−2−チエニル、2−ヘキシル−5−フラニル、ヘキサメチレン−1,6−ビス(4−フェン−1−イルオキシ)(すなわち、−OPh(CHPhO−)、4−ヒドロキシメチルフェン−1−イル(すなわち、4−HOCHPh−)、4−メルカプトメチルフェン−1−イル(すなわち、4−HSCHPh−)、4−メチルチオフェン−1−イル(すなわち、4−CHSPh−)、3−メトキシフェン−1−イル、2−メトキシカルボニルフェン−1−イルオキシ(例えば、メチルサリシル)、2−ニトロメチルフェン−1−イル(すなわち、2−NOCHPh)、3−トリメチルシリルフェン−1−イル、4−ブチルジメチルシリルフェン(tbutyldimethylsilylphenl)−1−イル、4−ビニルフェン−1−イル、ビニリデンビス(フェニル)などが挙げられる。用語「C〜C10芳香族ラジカル」は、少なくとも3個であるが、10個以下である炭素原子を含有する芳香族ラジカルを含む。芳香族ラジカル1−イミダゾリル(C−)は、C芳香族ラジカルを表す。ベンジルラジカル(C−)は、C芳香族ラジカルを表す。
芳香族ラジカルはまた、以下のラジカルを含む
[式中、
は、
であり、
{式中、
は、以下:
(式中、rは、1〜20の範囲の整数である)
からなる群から選択され、
は、アミノ酸の側鎖であり、
Vは、水素、
(式中、「s」は、1〜5の範囲であり、
Zは、水素または
である)
からなる群から選択される}]。
本明細書において、用語「アミノ酸」は、アミンおよびカルボキシル官能基の両方を含む化合物である。カルボキシル官能基のカルボニル基に隣接する炭素原子は、α−炭素と呼ばれる。α−炭素に置換を有するか、または有さないアミノ酸は、αアミノ酸と呼ばれる。アミノ基およびα−炭素と結合している炭素鎖を有するアミノ酸では、炭素は、カルボニル炭素からα、β、γなどの順で名前を付けられる。βまたはγ−炭素と結合しているアミノ基を有するアミノ酸は、それぞれ、βまたはγアミノ酸などと呼ばれる。
αアミノ酸は、同じ炭素(α炭素)と結合しているアミノおよびカルボキシレート基を有するアミノ酸である。α炭素は、カルボキシレート基から1原子離れている。αアミノ酸は、構造1:
NCHRCOOH
構造1
の構造を有する。
αアミノ酸の例として、制限するものではないが、アラニン(Ala)、アルギニン(Arg)、アスパラギン(Asn)、アスパラギン酸(Asp)、システイン(Cys)、グルタミン酸(GIu)、グルタミン(GIn)、グリシン(GIy)、ヒスチジン(His)、ホモシステイン(Hey)、ホモセリン(Hse)、イソロイシン(Iie)、ロイシン(Leu)、リシン(Lys)、メチオニン(Met)、ノルロイシン(Nle)、ノルバリン(Nva)、オルニチン(Orn)、ペニシラミン(Pen)、フェニルアラニン(Phe)、プロリン(Pro)、セリン(Ser)、チロシン(Thr)、トレオニン(Trp)、トリプトファン(Tyr)、バリン(VaI)、ピログルタミンン酸(pGLU)、ジニトロベンジル化リシン(dnp−LYS)、リン酸化トレオニン(pTHR)、リン酸化セリン(pSER)、リン酸化チロシン(pTYR)、シトルリン(CIT)、N−メチル化アラニン(nme−ALA)、N−メチル化イソロイシン(nme−ILE)、N−メチル化ロイシン(nme−LEU)、N−メチル化フェニルアラニン(nme−PHE)、N−メチル化バリン(nme−VAL)、N−メチル化セリン(nme−SER)、N−メチル化トレオニン(nme−THR)、N−メチル化チロシン(nme−TYR)、αアミノ酪酸(butyhc acid)(α−ABA)、イソ−アスパラギン酸(iso−ASP)、アセチル化リシン(Ac−LYS)、2−メチルアラニン(2−Me−ALA)およびオキサミン酸(OXA)が挙げられる。
用語「側鎖」とは、本明細書において、アミノ酸に関連して、アミノ酸のα−炭素原子と結合している化学基を指し、側鎖は、アミノ酸の各種について独特であり、通常、天然に存在するタンパク質またはポリペプチド中のペプチド結合の形成に加わらない。例えば、構造I中のRは、アミノ酸の側鎖を表し、ここで、Rは、置換および非置換イミダゾリル、置換および非置換キアニジノ、置換および非置換カルボキシル、置換および非置換カルボキサミド、置換および非置換アルキル、置換および非置換シクロアルキル、置換および非置換ヘテロシクロアルキル、置換および非置換アルコキシル、置換および非置換アルキルチオ、置換および非置換アルキルアミノ、置換および非置換アルキルカルボニル、置換および非置換ペルフルオロアルキル、置換および非置換アルキルハロゲン化物、置換および非置換アリールならびに置換および非置換ヘテロアリール基からなる群から選択される。
「側鎖」Rは、それだけには限らないが、H−、CH、HN=C(NH)−NH−(CH−、HN−CO−CH−、HOOC−CH−、HS−CH−、HN−CO−(CH−、HS−(CH−、HOOC−(CH−、CH−CH−CH(CH)−、(CHCH−CH−、HN−(CH−、CH−S−(CH),−、フェニル−CH−、HO−CH−、CH−CH(OH)−、4−OH−フェニル−CH−、CH−CH(CH)−、
およびそれらの誘導体からなる群から選択される。例えば、L−リシンの側鎖は、-CHCHCHCH−NHであり、L−フェニルアラニンの側鎖は、−CH−Phであり、L−アスパラギン酸の側鎖は、−CH−COOHである。
βアミノ酸は、カルボキシレート基から2番目に離れた炭素であるβ炭素と結合しているアミノ基を有するアミノ酸である。βアミノ酸の例として、制限するものではないが、β−アラニン(β−Ala)、β−アルギニン(β−Arg)、β−アスパラギン(β−Asn)、β−アスパラギン酸(β−Asp)、β−システイン(β−Cys)、β−グルタミン酸(β−Glu)、β−グルタミン(β−GIn)、β−ヒスチジン(β−His)、β−イソロイシン(β−lle)、β−ロイシン(β−Leu)、β−リシン(β−Lys)、β−メチオニン(β−Met)、β−フェニルアラニン(β−Phe)、β−プロリン(β−Pro)、β−セリン(β−Ser)、β−チロシン(β−Thr)、β−トレオニン(β−Trp)、β−トリプトファン(β−Tyr)およびβ−バリン(β−Val)が挙げられる。
γアミノ酸は、カルボキシレート基から3番目に離れているγ炭素と結合しているアミノ基を有するアミノ酸である。γアミノ酸の例として、制限するものではないが、γ−グルタミン酸(y−GLU)が挙げられる。
さらに、アミノ酸は、合成的に修飾され得る、例えば、アミノ基は、グアジニル化(guadinylated)、アシル化、アルキル化またはアリール化され得、芳香族基は、ハロゲン化、ニトロシル化、アルキル化、スルホン化またはアシル化され得る。これらの修飾は、例示するものであって、あり得る修飾の種類の包括的なものであるわけではない。アミノ酸の修飾は、合成の費用を増大させる可能性が高く、従って好ましくない。以下の表IおよびIIは、遺伝的にコードされるアミノ酸(表I)および本発明とともに使用され得る従来のものではない/修飾されたアミノ酸の限定されない例(表II)を列挙する。


本明細書において、用語「ペプチド」とは、鎖中で連結している2種以上のアミノ酸からなる化合物を指し、各酸のカルボキシル基は、−OC−NH−型の結合によって次のもののアミノ基と接続している。
本明細書において、用語「ジペプチド」とは、本明細書において、2種のアミノ酸からなるペプチドを指す。例えば、ジペプチドArg−Pheは、アルギニンおよびフェニルアラニンのジペプチドである。
本明細書において、用語「トリペプチド」とは、本明細書において、2つのペプチド結合によって一緒に連結している3個のアミノ酸からなるペプチドを指す。例えば、トリペプチドArg−Phe−Glyは、2つのペプチド結合によって連結している、アルギニン、フェニルアラニンおよびグリシンのトリペプチドである。
本明細書において、用語「ポリペプチド」とは、本明細書において、2つ以上のペプチド結合によって一緒に連結している3個以上のアミノ酸からなるペプチドを指す。
本明細書において、用語「アミド結合」とは、有機酸および有機アミンの間の結合を指し、構造II
[式中、Rが、芳香族または脂肪族ラジカルであり得る場合には、Rもまた、芳香族または脂肪族ラジカルであり得、Rは、Hまたは芳香族または脂肪族ラジカルである]
によって表され得る。アミド結合は、RがHである場合には、第二級アミド結合である。アミド結合は、Rが、脂肪族ラジカルまたは芳香族ラジカルである場合には、第三級アミド結合である。
用語「医薬上許容される塩」とは、本明細書において、生物に対して実質的に非毒性であり、その結果、対象の治療のために有効に使用され得る化合物の塩を指す。例えば、医薬上許容される塩の薬物動態および薬動力学特性は、in−vivo使用に適したものであり得る。本発明の化合物の通常の医薬上許容される塩は、本発明の化合物の、医薬上許容される無機酸または有機酸との反応によって調製されるその塩を含む。このような塩は、酸付加塩として分類される。
用語「治療」とは、本明細書において、対象における状態または疾患の任意の治療を含み、(1)疾患にかかりやすい傾向があるが、それを有するとはまだ診断されていない対象において、疾患または状態が生じることを防ぐこと、(2)疾患または状態を阻害すること、すなわち、その発達を停止すること、疾患または状態を軽減すること、すなわち、状態の退縮を引き起こすことまたは疾患によって引き起こされる状態、すなわち、疾患の症状を軽減することを含む。
用語「有効量」とは、本明細書において、有効成分が、その意図される使用を最適に行う濃度である。例えば、疾患もしくは状態が対象において発生することを防ぐのに、および/または疾患もしくは状態を阻害するのに、すなわち、その発達を停止するのに、疾患もしくは状態を軽減するのに、すなわち、状態の退縮を引き起こすのに、または、疾患によって引き起こされる状態を軽減するのに有効である量である。
本発明の化合物またはその置換基を説明するための、本明細書における用語「疎水性」とは、化合物またはその置換基の、水に対する親和性を欠く、それを忌避するか、または吸収できない、または水に混合しない傾向を指す。用語「疎水性」は、水に完全には混合しない化合物またはその置換基を排除するものではない。
本発明の目的上、用語「親油性」および「疎水性」は、同義的に使用され得る。
本明細書において、語句を通じて、「病原性微生物」は、一般的に哺乳動物および特にヒトなどの高等生物において疾患または障害を引き起こし得る任意の微生物を説明するために使用される。病原性微生物は、それだけには限らないが、原核生物、真正細菌、古細菌、酵母、真菌、藻類、原虫およびその他の寄生生物などの真核生物などの生物の任意のファミリーに属するものであり得る。
「薬物耐性菌」とは、本明細書において、少なくとも1種の薬物に対する曝露を生き延びることができる細菌である。いくつかの実施形態では、薬物耐性菌は、単一の薬物または複数の薬物に対する曝露を生き延びることができる細菌である。薬物耐性菌の例として、それだけには限らないが、バンコマイシン耐性菌またはメチシリン耐性菌が挙げられる。
本開示内容を、以下の実施例によってさらに例示する。以下の実施例は、単に例示目的で提供されるのであって、本開示内容の範囲を制限するものではない。
本開示内容の実施例に到達するために使用される材料
本明細書において使用される溶媒は、試薬等級のものであり、必要に応じて使用に先立って、蒸留され、乾燥される。本明細書において使用される試薬は、Sigma−Aldrich、S.D.Fine、MerckおよびSpectrochemから購入される。それらは、さらなる精製を行わずに、本明細書における実施例において記載される実験において使用される。
分析用薄層クロマトグラフィー(TLC)は、シリカゲル60 F254(250μmの厚み)で予めコーティングされたE.Merck TLCプレートで実施される。可視化は、UV光およびヨウ素を使用して達成される。カラムクロマトグラフィーは、シリカゲル(60〜120メッシュ)で実施される。HPLC分析は、254nmでモニタリングするUV検出器を伴うShimadzu−LC 8A Liquid Chromatograph機器(C18カラム、10mm径、250mmの長さ)で実施される。核磁気共鳴スペクトルは、重水素化溶媒中でBruker(AV−400)400MHzスペクトロメータで記録される。化合物の溶液(クロロホルムまたはメタノール中)の赤外(IR)スペクトルは、NaCl結晶(srystal)を使用するBruker IFS66 V/sスペクトロメータで記録される。光学濃度は、Tecan InfiniteProシリーズ M200マイクロプレートリーダーによって測定される。
微生物および培養条件:細菌株、黄色ブドウ球菌(S.aureus)(MTCC737)および大腸菌(E.coli)(MTCC443)は、MTCC(Chandigarh、India)から購入される。MRSA(ATCC33591)、緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa)(ATCC4676)、□−ラクタマーゼ産生および薬物耐性肺炎桿菌(Klebsiella pneumonia)(ATCC700603)、フェシウム菌(Enterococcus faecium)(ATCC19634)およびバンコマイシン耐性フェシウム菌(Enterococcus faecium)(ATCC51559)は、ATCC(Rockville、MD、USA)から入手される。
大腸菌(E.coli)は、ルリア・ベルターニ(Luria Bertani)培養液(1000mLの滅菌蒸留水(pH約7)中の、10gのトリプトン、5gの酵母抽出物および10gのNaCl)中で培養するのに対し、黄色ブドウ球菌(S.aureus)、緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa)(ATCC4676)およびMRSAは、酵母−デキストロース培養液(1000mLの滅菌蒸留水中、1gのウシ抽出物、2gの酵母抽出物、5gのペプトンおよび5gのNaCl)中で増殖させる。すべてのフェシウム菌(Enterococcus faecium)については、ブレイン・ハート・インフュージョン培地(BHI)を使用する。固相培地には、上記の組成物とともに5%寒天を使用した。肺炎桿菌(K.pneumonia)を、栄養培地(1000mLの滅菌蒸留水中、3gのウシ抽出物および5gのペプトン)中で増殖させた。細菌サンプルを凍結乾燥し、−80℃で保存した。実験に先立って、これらのストックの5μlを、3mLの栄養培養液に添加し、培養物を37℃で6時間増殖させた。
以下の実施例は、本開示内容の化合物の合成、特性、活性および適用に関する詳細を提供する。以下は単に代表的なものであって、開示内容は、これらの実施例において示される詳細によって制限されないということは理解されなければならない。
BOC−LYS(BOC)−OHの合成
塩酸リシン(約5g、27.3mmol)を、50mlのHOに溶解し、それにNaHCO(6.9g、82.1mmol)を添加し、撹拌する。これに、約0℃の温度で、50mlのテトラヒドロフラン(THF)中のジ−t−ブチルピロカーボネート(BocO)(7.16g、65.5mmol)を添加する。溶液を室温(20℃〜35℃)および大気圧(1atm)で約12時間撹拌する。約12時間後、再度、7.16g、65.5mmolのBocOを添加し、室温(20℃〜35℃)で約12時間撹拌する。反応の最後に、THFを減圧下で除去し、水層をジエチルエーテルで洗浄して、有機不純物を除去する。水層をクエン酸溶液を使用してpH4〜5に酸性化する。次いで、水層をジクロロメタン(DCM)で抽出する。次いで、有機層をブラインで洗浄し、無水NaSOで乾燥させる。このDCM層を減圧下で除去すると、BOC−LYS(BOC)−OHが得られ、約90%の収率を有する。
ACK化合物の合成
実施例2.1:図2に与えられるような、N−アルキル−10−アミノメチル−9−クロロアントラセンヒドロクロリド(化合物2a〜2e)の合成
約0.5g、(2.08mmol)の10−クロロ−9−アントラルデヒドおよび約2.08mmolのアルキルアミンを、約20mlの無水クロロホルムおよびメタノールの1:1混合物に溶解し、続いて、室温(窒素雰囲気下)で約6時間撹拌する。次いで、得られた透明溶液を、約0℃の温度に冷却し、冷却溶液に約0.142g(3.75mmol)の水素化ホウ素ナトリウムを添加する。溶液を、室温にさせ、一晩撹拌する。次いで、溶液中の溶媒を減圧下で蒸発させ(乾固ではない)、約30mlのジエチルエーテルで希釈する。これに、約20mlの2N NaOHを添加し、約15分間撹拌する。NaOH層から分離した後、続いて、有機層を水(×2)、ブラインで洗浄し、MgSOで乾燥させる。次いで、揮発性物質を減圧下で蒸発させ、残渣を最小容量のメタノールに溶解する。これに、約3mlの4N HClを添加すると、沈殿物の即時形成が観察される。揮発性物質構成要素を完全に除去し、沈殿物を約5mlの酢酸エチルに溶解する(約5滴のメタノールを添加して、沈殿物を完全に溶解する)。これに、ヘキサンを添加すると、標的化合物(N−アルキル−10−アミノメチル−9−クロロアントラセンヒドロクロリド)(収率:>75%)の純粋な結晶が得られる。これらの結晶を濾過し、乾燥させ、その後、H NMR、IRおよび質量分析を使用して特性決定する。
N−アルキル−10−アミノメチル−9−クロロアントラセンヒドロクロリドの特性決定されたプロフィールが以下に示される:
N−エチル−10−アミノメチル−9−クロロアントラセンヒドロクロリド(2a):
N−ブチル−10−アミノメチル−9−クロロアントラセンヒドロクロリド(2b):
N−ヘキシル−10−アミノメチル−9−クロロアントラセンヒドロクロリド(2c):


N−オクチル−10−アミノメチル−9−クロロアントラセンヒドロクロリド(2d)
N−デシル−10−アミノメチル−9−クロロアントラセンヒドロクロリド(2e):
実施例2.2:図2に与えられるような、Boc−Lys(Boc)−N−アルキル−10−アミノメチル−9−クロロアントラセン(化合物2f〜2j)の合成
約7mlの5:2 DMF/CHCl中に約0.2g(0.58mmol)のBoc−Lys(Boc)−OHを含有する撹拌溶液に、約0℃の温度で、約250μL(1.44mmol)のN,N−ジイソプロピルエチルアミン(DIPEA)を添加する。この溶液に、約0.22g、0.58mmolのHBTUを添加する。この混合物を、約0℃の温度で約5分間撹拌し、続いて、約0.48mmolのN−アルキル−10−アミノメチル−9−クロロアントラセンヒドロクロリドを添加する。混合物を約0℃で約30分間、続いて、室温で約24時間再度撹拌する。約24時間の最後に、CHClを減圧下で蒸発させ、得られた溶液を、酢酸エチルを添加することによってその元の容量の2倍に希釈する。続いて、この混合物を、0.5MのKHSO、HO(×3)およびブラインで洗浄する。無水NaSOを通過させた後、揮発性物質構成要素を減圧下で蒸発させ、残渣をカラムクロマトグラフィー(CHClのみ)を使用して精製すると、Boc−Lys(Boc)−N−アルキル−10−アミノメチル−9−クロロアントラセンが得られ、約65%〜約90%の収率を有する。続いて、精製された化合物を、H NMR、IRおよび質量分析を使用して特性決定する。
Boc−Lys(Boc)−N−アルキル−10−アミノメチル−9−クロロアントラセンの特性決定されたプロフィールが、以下に示されている:
Boc−Lys(Boc)−N−エチル−10−アミノメチル−9−クロロアントラセン(2f):
Boc−Lys(Boc)−N−ブチル−10−アミノメチル−9−クロロアントラセン(2g):
Boc−Lys(Boc)−N−ヘキシル−10−アミノメチル−9−クロロアントラセン(2h):
Boc−Lys(Boc)−N−オクチル−10−アミノメチル−9−クロロアントラセン(2i):
Boc−Lys(Boc)−N−デシル−10−アミノメチル−9−クロロアントラセン(2j):
実施例2.3:図2に与えられるような、Lys−N−アルキル−10−アミノメチル−9−クロロアントラセントリフルオロアセテート(化合物2k〜2o)の合成
室温で、約0.35mmolのBoc−Lys(Boc)−N−アルキル−10−アミノメチル−9−クロロアントラセンを、約5mlのDCMに溶解し、続いて、CF3COOH(50容量%)を添加し、撹拌する。出発材料の完全な除去が観察されるまで、反応をTLCによってモニタリングする。すべての揮発性物質構成要素を、圧力下で蒸発によって除去し、生成物を、移動相として水およびアセトニトリル(0〜100%)中の0.1%トリフルオロ酢酸(TFA)、固定相としてC18カラム(10mm径、250mm長)を使用する逆相HPLCによって精製し、270nm波長でUV検出器を使用する。凍結乾燥機中で化合物を乾燥させた後、それらを1H NMR、IRおよび質量分析によって特性決定する。
Lys−N−アルキル−10−アミノメチル−9−クロロアントラセントリフルオロアセテートの特性決定されたプロフィールが、以下に示されている:
Lys−N−エチル−10−アミノメチル−9−クロロアントラセントリフルオロアセテート(2k、ACK−2):
Lys−N−ブチル−10−アミノメチル−9−クロロアントラセントリフルオロアセテート(2l、ACK−4):
Lys−N−ヘキシル−10−アミノメチル−9−クロロアントラセントリフルオロアセテート(2m、ACK−6):
Lys−N−オクチル−10−アミノメチル−9−クロロアントラセントリフルオロアセテート(2n、ACK−8):
Lys−N−デシル−10−アミノメチル−9−クロロアントラセントリフルオロアセテート(2o、ACK−10):
図3に与えられるような、NCK化合物の合成
NCKシリーズに表わされる化合物は、ACKシリーズに記載される化合物(図5に例示されるような)と同様の調製のプロトコールをたどる。唯一の相違は、アルキルアミンとカップリングするために使用される出発アルデヒドが、ナフトアルデヒドであることである。
実施例3.1:図3に与えられるような、N−アルキル−1−アミノメチルナフタレンヒドロクロリド(化合物3a〜3e)の合成
約0.5g(3.2mmol)の1−ナフトアルデヒドおよび約3.2mmolのアルキルアミンを、約20mlの無水メタノールに溶解し、室温で(窒素雰囲気下)で約6時間撹拌する。次いで、得られた透明溶液を、約0℃の温度に冷却する。冷却した溶液に、約0.218g(5.76mmol)の水素化ホウ素ナトリウムを添加する。溶液を室温にさせ、一晩撹拌する。次いで、溶液中の溶媒を減圧下で蒸発させ(乾固ではない)、ジエチルエーテルで希釈する。これに、約20mlの2N NaOHを添加し、約15分間撹拌する。NaOH層から分離した後、続いて、有機層を水(×2)、ブラインで洗浄し、MgSOで乾燥させる。次いで、揮発性物質構成要素を減圧下で蒸発させ、残渣を約2mLのメタノールに溶解する。これに、3mlの4N HClを添加すると、沈殿物の即時形成が観察される。揮発性物質構成要素を完全に除去し、沈殿物を最小容量の酢酸エチルに溶解する(数滴のメタノールを添加して、沈殿物を完全に溶解する)。これに、ヘキサンを添加すると、N−アルキル−1−アミノメチルナフタレンヒドロクロリドの純粋な結晶が得られ、約75%の収率を有する。これらの結晶を濾過し、乾燥させ、続いて、H NMR、IRおよび質量分析を使用して特性決定した。
N−アルキル−1−アミノメチルナフタレンヒドロクロリドの特性決定されたプロフィールが以下に示されている:
N−ブチル−1−アミノメチルナフタレンヒドロクロリド(3a):
N−ヘキシル−1−アミノメチルナフタレンヒドロクロリド(3b):
N−オクチル−1−アミノメチルナフタレンヒドロクロリド(3c):
N−デシル−1−アミノメチルナフタレンヒドロクロリド(3d):
N−ドデシル−1−アミノメチルナフタレンヒドロクロリド(3e):
実施例3.2:図3に与えられるような、Boc−Lys(Boc)−N−ブチル−1−アミノメチルナフタレン(化合物3f〜3j)の合成
約7mlの5:2 DMF/CHCl中の約0.42g、1.2mmolのBoc−Lys(Boc)−OHを含有する撹拌溶液に、約0℃の温度で約522μL(3mmol)のN,N−ジイソプロピルエチルアミン(DIPEA)を添加する。この溶液に、約0.46g、1.2mmolのHBTUを添加する。約0℃の温度で混合物を約5分間撹拌し、続いて、それに約1mmolのN−アルキル−1−アミノメチルナフタレンヒドロクロリドを添加する。混合物を、約0℃の温度で約30分間、続いて、室温で約24時間再度撹拌する。24時間の最後に、CHClを減圧下で蒸発させ、得られた溶液を、酢酸エチルを添加することによってその元の容量の2倍に希釈する。続いて、この混合物を、0.5MのKHSO、HO(×3)およびブラインで洗浄する。無水NaSOを通過させた後、揮発性物質構成要素を減圧下で蒸発させ、残渣をカラムクロマトグラフィー(CHClのみ)を使用して精製すると、Boc−Lys(Boc)−N−ブチル−1−アミノメチルナフタレンが得られ、約65%〜約90%の収率を有する。続いて、精製された化合物を、H NMR、IRおよび質量分析を使用して特性決定する。
Boc−Lys(Boc)−N−ブチル−1−アミノメチルナフタレンの特性決定されたプロフィールが以下に示されている:
Boc−Lys(Boc)−N−ブチル−1−アミノメチルナフタレン(3f):
Boc−Lys(Boc)−N−ヘキシル−1−アミノメチルナフタレン(3g):
Boc−Lys(Boc)−N−オクチル−1−アミノメチルナフタレン(3h):
Boc−Lys(Boc)−N−デシル−1−アミノメチルナフタレン(3i):
Boc−Lys(Boc)−N−ドデシル−1−アミノメチルナフタレン(3j):
実施例3.3:図3に与えられるような、Lys−N−アルキル−1−アミノメチルナフタレントリフルオロアセテート(化合物3k〜3o)
室温で、約0.7mmolのBoc−Lys(Boc)−N−アルキル−1−アミノメチルナフタレン化合物を、約5mlのDCMに溶解し、続いて、CFCOOH(50容量%)を添加し、撹拌する。出発材料の完全な除去が観察されるまで、反応をTLCによってモニタリングする。すべての揮発性物質構成要素を蒸発によって除去し、生成物を、移動相として水およびアセトニトリル(0〜100%)中の0.1%トリフルオロ酢酸(TFA)を使用する逆相HPLCによって精製する。固定相としてC18カラム(10mm径、250mm長)および270nm波長でUV検出器を使用する。凍結乾燥機中で化合物を乾燥させた後、それらをH NMR、IRおよび質量分析によって特性決定する。
Lys−N−アルキル−アミノメチルナフタレントリフルオロアセテートの特性決定されたプロフィールが以下に示されている:
Lys−N−ブチル−1−アミノメチルナフタレントリフルオロアセテート(3k、NCK−4):
Lys−N−ヘキシル−1−アミノメチルナフタレントリフルオロアセテート(3l、NCK−6):
Lys−N−オクチル−1−アミノメチルナフタレントリフルオロアセテート(3m、NCK−8):
Lys−N−デシル−1−アミノメチルナフタレントリフルオロアセテート(3n、NCK−10):
Lys−N−ドデシル−1−アミノメチルナフタレントリフルオロアセテート(3o、NCK−12):
図4に与えられるような、BCK化合物の合成
BCKシリーズに表わされる化合物は、ACKおよびNCKシリーズの調製に記載されるもの(図6に示される)と同様の調製のプロトコールをたどる。唯一の相違は、アルキルアミンとカップリングするために使用される出発アルデヒドが、ベンズアルデヒドであることである。
実施例4.1:図4に与えられるような、N−アルキル−1−アミノメチルベンゼンヒドロクロリド(化合物4a〜4f)の合成
約0.5g、4.7mmolのベンズアルデヒドおよび約4.7mmolのアルキルアミン(4.7mmol)を、無水クロロホルムおよびメタノールの1:1混合物、約10mlに溶解し、室温(窒素雰囲気下)で約6時間撹拌する。次いで、得られた透明溶液を約0℃の温度に冷却し、それに、約0.32g(8.46mmol)の水素化ホウ素ナトリウムを添加する。この溶液を室温にさせ、一晩撹拌する。次いで、溶液中の溶媒を減圧下で蒸発させ(乾固ではない)、ジエチルエーテルで希釈する。これに、約20mlの2N NaOHを添加し、約15分間撹拌する。NaOH層から分離した後、続いて、有機層を水(×2)、ブラインで洗浄し、MgSOで乾燥させる。次いで、揮発性物質構成要素を減圧下で蒸発させ、残渣を最小容量のメタノールに溶解する。これに、約3mlの4N HClを添加すると、沈殿物の即時形成が観察される。揮発性物質構成要素を完全に除去し、沈殿物を最小容量の酢酸エチルに溶解する(数滴のメタノールを添加して、沈殿物を完全に溶解する)。これに、ヘキサンを添加すると、純粋な結晶N−アルキル−1−アミノメチルベンゼンヒドロクロリドが得られ、約75%の収率を有する。これらの結晶を濾過し、乾燥させ、その後、H NMR、IRおよび質量分析を使用して特性決定する。
N−アルキル−1−アミノメチルベンゼンヒドロクロリドの特性決定されたプロフィールが以下に示される:
N−ブチル−1−アミノメチルベンゼンヒドロクロリド(4a):
N−ヘキシル−1−アミノメチルベンゼンヒドロクロリド(4b):
N−オクチル−1−アミノメチルベンゼンヒドロクロリド(4c):
N−デシル−1−アミノメチルベンゼンヒドロクロリド(4d):
N−ドデシル−1−アミノメチルベンゼンヒドロクロリド(4e):
N−テトラデシル−1−アミノメチルベンゼンヒドロクロリド(4f):
実施例4.2:図4に与えられるような、Boc−Lys(Boc)−N−アルキル−1−アミノメチルベンゼン(化合物4g〜4l)の合成
約8mlの6:2 DMF/CHCl中の約0.49g、1.4mmolのBoc−Lys(Boc)−OHを含有する撹拌溶液に、約0℃の温度で約611μL(3.51mmol)のN,N−ジイソプロピルエチルアミン(DIPEA)を添加する。この溶液に、約0.53g、1.4mmolのHBTUを添加する。この混合物を0℃で約5分間撹拌し、続いて、約1.17mmolのN−アルキル−1−アミノメチルベンゼンヒドロクロリドを添加する。混合物を、約0℃の温度で約30分間、続いて、室温で約24時間撹拌する。24時間の最後に、CHClを減圧下で蒸発させ、得られた溶液を、酢酸エチルを添加することによってその元の容量の2倍に希釈する。続いて、この混合物を、0.5M KHSO、HO(×3)およびブラインで洗浄する。無水NaSOを通過させた後、揮発性物質構成要素を減圧下で蒸発させ、残渣をカラムクロマトグラフィー(CHClのみ)を使用して精製すると、Boc−Lys(Boc)−N−ブチル−1−アミノメチルベンゼンが得られ、約65%〜約97%の収率を有する。続いて、精製された化合物を、H NMR、IRおよび質量分析を使用し特性決定する。
Boc−Lys(Boc)−N−ブチル−1−アミノメチルベンゼンの特性決定されたプロフィールが、以下に示されている:
Boc−Lys(Boc)−N−ブチル−1−アミノメチルベンゼン(4g):
Boc−Lys(Boc)−N−ヘキシル−1−アミノメチルベンゼン(4h):
Boc−Lys(Boc)−N−オクチル−1−アミノメチルベンゼン(4i):
Boc−Lys(Boc)−N−デシル−1−アミノメチルベンゼン(4j):
Boc−Lys(Boc)−N−ドデシル−1−アミノメチルベンゼン(4k):
Boc−Lys(Boc)−N−テトラデシル−1−アミノメチルベンゼン(4l):
実施例4.3:図4に与えられるような、Lys−N−アルキル−1−アミノメチルベンゼントリフルオロアセテート(化合物4m〜4r)の合成
約0.7mmolのBoc−Lys(Boc)−N−アルキル−1−アミノメチルベンゼン化合物を、約5mlのDCMに溶解し、続いて、CFCOOH(50容量%)を添加し、室温で撹拌する。出発材料の完全な除去が観察されるまで、反応をTLCによってモニタリングする。すべての揮発性物質構成要素を除去し、生成物を、移動相として水およびアセトニトリル(0〜100%)中の0.1%トリフルオロ酢酸(TFA)を使用する逆相HPLCによって精製する。固定相としてC18カラム(10mm径、250mm長)および270nm波長でUV検出器を使用する。凍結乾燥機中で化合物を乾燥させた後、化合物をH NMR、IRおよび質量分析によって特性決定する。
Lys−N−アルキル−1−アミノメチルベンゼントリフルオロアセテートの特性決定されたプロフィールが、以下に示されている:
Lys−N−ブチル−1−アミノメチルベンゼントリフルオロアセテート(4m、BCK−4):
Lys−N−ヘキシル−1−アミノメチルベンゼントリフルオロアセテート(4n、BCK−6):
Lys−N−オクチル−1−アミノメチルベンゼントリフルオロアセテート(4o、BCK−8):
Lys−N−デシル−1−アミノメチルベンゼントリフルオロアセテート(4p、BCK−10):
Lys−N−ドデシル−1−アミノメチルベンゼントリフルオロアセテート(4q、BCK−12):
Lys−N−テトラデシル−1−アミノメチルベンゼントリフルオロアセテート(4r、BCK−14):
実施例5.1:図5に与えられるような、N−オクチルデカン−1−アミニウムクロリド(5b)の合成
約0.5g、3.87mmolのオクチルアミンおよび約0.73g、4.65mmolのデカナルを、約20mlの無水メタノールに溶解し、室温(窒素雰囲気下)で約6時間撹拌する。次いで、得られた透明溶液を、約0℃の温度に冷却し、これに、約0.3g、7.74mmolの水素化ホウ素ナトリウムを添加する。これを室温にさせ、一晩撹拌する。次いで、溶媒を減圧下で蒸発させ(乾固ではない)、ジエチルエーテルで希釈する。これに、約20mlの2N NaOHを添加し、約15分間撹拌する。NaOH層から分離した後、続いて、有機層を水(2回)、ブラインで洗浄し、MgSOで乾燥させる。次いで、有機層を減圧下蒸発させ、残渣を2mLのメタノールに溶解する。これに、約3mlの4N HClを添加すると、沈殿物の即時形成が観察される。溶媒を完全に除去し、沈殿物を4mLの最小容量の酢酸エチルに溶解する(数滴のメタノールを添加して、完全に溶解する)。これに、ヘキサンを添加すると、N−オクチルデカン−1−アミニウムクロリドの純粋な結晶が得られ、約62%の収率を有する)。これらの結晶を濾過し、乾燥させ、続いて、H NMRを使用して特性決定する。
実施例5.2:図5に与えられるような、Boc−Lys(Boc)−N−オクチルアミノデカン(5c)の合成
約0℃の温度で、6:3 DMF/CHCl(9ml)中の、約0.68g、1.4mmolのBoc−Lys(Boc)−OHに、約860μL、4.92mmolのN,N−ジイソプロピルエチルアミン(DIPEA)()を添加する。この溶液に、約0.75g、1.97mmolのHBTU()を添加する。この反応混合物を、約0℃の温度で約5分間撹拌し、続いて、0.5g、1.64mmolのN−オクチルデカン−1−アミニウムクロリド()を添加する。混合物を、約0℃で約30分間、続いて、室温で約24時間撹拌する。最後に、CHClを、減圧下で蒸発させ、得られた溶液を、酢酸エチルを添加することによってその元の容量の2倍に希釈する。続いて、この混合物を、約0.5M KHSO、HO(3回)およびブラインで洗浄する。無水NaSOを通過させた後、有機層を減圧下で蒸発させ、残渣をカラムクロマトグラフィー(CHClのみ)を使用して精製すると、Boc−Lys(Boc)−N−オクチルアミノデカンが得られ、約72%の収率を有する。続いて、精製された化合物を、H NMR、IRおよび質量分析を使用して特性決定する。


実施例5.3:図5に与えられるような、Lys−N−オクチルアミノデカン(5d、Dec−CK−8)の合成
Boc−Lys(Boc)−N−オクチルアミノデカンを、DCMに溶解し、続いて、CFCOOH(50容量%)を添加し、室温で撹拌する。出発材料の完全除去まで、反応をTLCによってモニタリングする。すべての揮発性物質構成要素を除去し、化合物を、高真空炉中で一晩乾燥させる。次いで、化合物を、H NMR、IRおよび質量分析によって特性決定する。
実施例:6.1 図6に与えられるような、化合物N−アルキル−アミノメチルビフェニルヒドロクロリド)の合成
約0.5g(2.74ミリモル)のビフェニルカルボアルデヒドおよび約2.74ミリモルのアルキルアミンを、約10mlの無水メタノールに溶解する。この混合物を、室温で約6時間撹拌する。次いで、得られた透明溶液を、約0℃の温度に冷却する。これに、約0.183g(4.93ミリモル)の水素化ホウ素ナトリウム添加し、約12時間撹拌する。溶媒を減圧下で蒸発させる。次いで、約20mLのジエチルエーテルおよび約10mLの2N NaOHを添加し、約15分間撹拌する。NaOH層から分離した後、続いて、有機層を水で洗浄する。次いで、揮発性物質を減圧下で蒸発させる。これに、約3mlの4N HClを添加すると、沈殿物の即時形成が観察される。揮発性物質構成要素を完全に除去し、沈殿物を4mlの酢酸エチルに溶解する(数滴のメタノールを添加して、完全に溶解する)。ヘキサンを添加すると、N−アルキル−アミノメチルビフェニルヒドロクロリド)の純粋な結晶が得られ、約75%の収率を有する。これらの結晶を濾過し、乾燥させ、続いて、H NMRを使用して特性決定する。
N−ブチル−1−アミノメチルビフェニルヒドロクロリド(5a):
N−ヘキシル−1−アミノメチルビフェニルヒドロクロリド(5b):
N−オクチル−1−アミノメチルビフェニルヒドロクロリド(5c):
実施例6.2:図6に与えられるような、Boc−Lys(Boc)−N−アルキル−1−アミノメチルビフェニルの合成
約0.29gのBoc−Lys−(Boc)OH(0.7ミリモル)を、約7mlの2:5 CHCl/DMFに溶解する。約342μlのDIPEA(2.1ミリモル)および約0.32gのHBTU(0.8ミリモル)を添加する。この混合物を、約0℃の温度で約5分間撹拌し、約0.214g(1当量)のビフェニルの第二級アミンを添加する。この混合物を室温で18時間撹拌する。クロロホルムおよびDMFを、減圧下で蒸発させる。約60mlの酢酸エチルを溶解し、KHSOで洗浄する。この化合物を、飽和NaCOで再度洗浄し、続いて、NaSOを通すことによって乾燥させる。酢酸エチルを減圧下で蒸発させる。最終化合物をカラムクロマトグラフィーを使用して精製すると、約68%〜約90%の収率が得られる。続いて、精製されたBoc−Lys(Boc)−N−アルキル−1−アミノメチルビフェニルを H NMRを使用して特性決定する。
Boc−Lys(Boc)−N−ブチル−1−アミノメチルビフェニル


Boc−Lys(Boc)−N−ヘキシル−1−アミノメチルビフェニル
Boc−Lys(Boc)−N−オクチル−1−アミノメチルビフェニル:
実施例6.3:図6に与えられるような、Lys−N−アルキルアミノメチルビフェニルの合成
Boc−Lys(Boc)−N−アルキルアミノメチルビフェニルをDCMに溶解し、続いて、CFCOOH(約50容積%)を添加し、室温で撹拌する。出発材料の完全除去まで、反応をTLCによってモニタリングする。すべての揮発性物質構成要素を除去し、化合物を、高真空炉中で一晩乾燥させる。次いで、化合物を、H NMRによって特性決定する。
Lys−N−ブチル−1−アミノメチルビフェニル(化合物6a)
Lys−N−ヘキシル−1−アミノメチルビフェニル(化合物6b)
Lys−N−オクチル−1−アミノメチルビフェニル(化合物6c)
実施例:7.1 図7に与えられるような、化合物N−(キノリン−4−イルメチル)ヘキサン−1−アミンヒドロクロリド(化合物7a)の合成
約0.2g(1.27ミリモル)の4−キノリンカルボアルデヒドおよび約1.27ミリモルのアルキルアミンを、約10mlの無水メタノールに溶解する。この混合物を、室温で約12時間撹拌する。次いで、得られた透明溶液を、約0℃の温度に冷却する。これに、約0.068g(1.8mmol)の水素化ホウ素ナトリウムを添加し、約12時間撹拌する。溶媒を減圧下で蒸発させる。約20mLのジエチルエーテルおよび約10mLの2N NaOHを添加し、約15分間撹拌する。NaOH層から分離した後、続いて、有機層を水で洗浄する。次いで、揮発性物質を減圧下で蒸発させる。これに、約3mlの4N HClを添加すると、沈殿物の即時形成が観察される。揮発性物質構成要素を完全に除去し、沈殿物を4mlの酢酸エチルに溶解する(4滴のメタノールを添加して、完全に溶解する)。ヘキサンを添加すると、N−アルキル−4−アミノメチルキノリニルヒドロクロリドの純粋な結晶が得られ、約70%の収率を有する。結晶を濾過し、乾燥させ、続いて、H NMRを使用して特性決定する。
N−(キノリン−4−イルメチル)ヘキサン−1−アミンヒドロクロリド:
実施例7.2:図7に与えられるような、Boc−Lys(Boc)−N−(キノリン−4−イルメチル)ヘキサン−1−アミン(化合物7b)の合成
約0.33gのBoc−Lys−(Boc)OH(0.79mmol)を、約11mlの2:9 CHCl/DMFに溶解する。この溶液に、約420μlのDIPEA(2.3mmol)および約0.36gのHBTU(0.9mmol)を添加する。この混合物を、約0℃の温度で約5分間撹拌し、約0.25g(0.79mmol、1当量)のビフェニルの第二級アミンを添加する。この混合物を室温で約18時間撹拌する。クロロホルムおよびDMFを減圧下で蒸発させる。約60mlの酢酸エチルを溶解し、KHSOで洗浄する。この化合物を、飽和NaCOで再度洗浄し、続いて、NaSOを通すことによって乾燥させる。酢酸エチルを減圧下で蒸発させる。最終化合物をカラムクロマトグラフィーを使用して精製すると、約68%〜約90%の収率が得られる。精製された化合物を乾燥させ、続いて、H NMR使用して特性決定する。
Boc−Lys(Boc)−N−ヘキシル−4−アミノメチルキノリン:
実施例7.3:図7に与えられるような、Lys−N−ヘキシル−N−(キノリン−4−イルメチル)ヘキサン−1−アミンヒドロクロリド(化合物7c)の合成
Boc−Lys(Boc)−N−ヘキシル−4−アミノメチルキノリンを、DCMに溶解し、続いて、CFCOOH(約50容量%)を添加し、室温で撹拌する。出発材料の完全除去まで、反応をTLCによってモニタリングする。すべての揮発性物質構成要素を除去し、化合物を、高真空炉中で一晩乾燥させる。次いで、化合物を、H NMRによって特性決定する。
Lys−N−ヘキシル−4−アミノメチルキノリン:
実施例8.1:図8に与えられるような、N−オクチル−9−アミノメチルアントラセンヒドロクロリド(化合物8a)の合成
約0.5g、(2.4mmol)の9−アントラルデヒドおよび約2.42mmolのオクチルアミンを、約20mlの無水クロロホルムおよびメタノールの1:1混合物に溶解し、続いて、室温(窒素雰囲気下)で約6時間撹拌する。次いで、得られた透明溶液を、約0℃の温度に冷却し、冷却された溶液に約0.165g(4.356mmol)の水素化ホウ素ナトリウムを添加する。溶液を室温にさせ、一晩撹拌する。次いで、溶液中の溶媒を、減圧下で蒸発させ(乾固ではない)、約30mlのジエチルエーテルで希釈する。これに、約20mlの2N NaOHを添加し、約15分間撹拌する。NaOH層から分離した後、続いて、有機層を水(×2)、ブラインで洗浄し、MgSOで乾燥させる。次いで、揮発性物質を減圧下で蒸発させ、残渣を最小容量のメタノールに溶解する。これに、約3mlの4N HClを添加すると、沈殿物の即時形成が観察される。揮発性物質構成要素を完全に除去し、沈殿物を約5mlの酢酸エチルに溶解する(約5滴のメタノールを添加して、沈殿物を完全に溶解する)。これに、ヘキサンを添加すると、標的化合物(N−オクチル−9−アミノメチルアントラセンヒドロクロリド)の純粋な結晶が得られる(収率:>67%)。これらの結晶を濾過し、乾燥させ、続いて、H NMRを使用して特性決定する。
N−オクチル−9−アミノメチルアントラセンヒドロクロリドの特性決定されたプロフィールが以下に示されている:
N−オクチル−9−アミノメチルアントラセンヒドロクロリド(8a):
実施例8.2:図8に与えられるような、Boc−Lys(Boc)−N−オクチル−9−アミノメチルアントラセン(化合物8b)の合成
約0℃の温度で、約7mlの5:2 DMF/CHCl中の、約0.46g(1.34mmol)のBoc−Lys(Boc)−OHを含有する撹拌溶液に、約585μL(3.36mmol)のN,N−ジイソプロピルエチルアミン (DIPEA)を添加する。この溶液に、約0.51g、1.34mmolのHBTUを添加する。この混合物を約0℃で約5分間撹拌し、続いて、約0.4g、1.12mmolのN−オクチル−9−アミノメチルアントラセンヒドロクロリドを添加する。混合物を、約0℃で約30分間、続いて、室温で約24時間再度撹拌する。約24時間の最後に、CHClを減圧下で蒸発させ、得られた溶液を、酢酸エチルを添加することによってその元の容量の2倍に希釈する。この混合物を、続いて、0.5M KHSO、HO(×3)およびブラインで洗浄する。無水NaSOを通した後、揮発性物質構成要素を減圧下で蒸発させ、残渣をカラムクロマトグラフィー(CHClのみ)を使用して精製すると、Boc−Lys(Boc)−N−オクチル−9−アミノメチルアントラセンが得られ、約75%の収率を有する。精製された化合物を続いて、H NMR、IRおよび質量分析を使用して特性決定する。
Boc−Lys(Boc)−N−オクチル−9−アミノメチルアントラセンの特性決定されたプロフィールが、以下に示されている:
Boc−Lys(Boc)−N−オクチル−9−アミノメチルアントラセン:
実施例8.3:図8に与えられるような、Lys−N−オクチル−9−アミノメチルアントラセントリフルオロアセテート(化合物8c)の合成
約0.35mmolのBoc−Lys(Boc)−N−オクチル−9−アミノメチルアントラセンを、約5mlのDCMに溶解し、続いて、CF3COOH(50容量%)を添加し、室温で撹拌する。出発材料の完全な除去が観察されるまで、反応をTLCによってモニタリングする。すべての揮発性物質構成要素を圧力下蒸発によって除去し、生成物を、移動相として水およびアセトニトリル(0〜100%)中の0.1%トリフルオロ酢酸(TFA)、固定相としてC18カラム(10mm径、250mm長)を使用する逆相HPLCによって精製し、270nm波長でUV検出器を使用する。凍結乾燥機中で化合物を乾燥させた後、それらをH NMR、IRおよび質量分析によって特性決定する。
N−オクチル−9−アミノメチルアントラセントリフルオロアセテートの特性決定されたプロフィールが、以下に示されている:
Lys−N−オクチル−9−アミノメチルアントラセントリフルオロアセテート:
好ましい実施形態を、上記に示し、記載したが、同様の手順が、本開示内容の趣旨および範囲から逸脱することなく、実施形態において定義される、適当な置換基を有するその他の芳香族ラジカルまたは脂肪族ラジカルのアルデヒドが、アルキルアミン(C1〜C20、好ましくは、C2〜C14で変動する炭素鎖)と反応するよう作製される、式Iのその他の化合物(ACK、NCKおよびBCKシリーズとは別に)の合成のために使用されるということは理解されなければならない。アルデヒドは、シッフ塩基を形成し、次いで、これが、水素化ホウ素ナトリウムによって還元されて、第二級アミンを形成する。これらの第二級アミンの塩は、O−ベンゾトリアゾール−N,N,N’,N’−テトラメチル−ウロニウム−ヘキサフルオロホスフェート(HBTU)カップリング化学を使用して、アミノ酸の遊離酸性基とカップリングされる[これでは、アミノ酸の官能基(カルボキシ基とは別に)は、第三級ブチルカルバメート基またはBocによって保護される]。最後に、第三級ブチルカルバメート基を、トリフルオロ酢酸を使用して脱保護すると、それぞれの化合物が得られる。得られた化合物を、後に精製し、特性決定する。
さらに、前記の化合物の合成とは別に、前記化合物の塩形態が、当技術分野の以下の既知手順によって達せられ得るということは、理解されなければならない。塩調製のこのような手順は、本開示内容の範囲内にあり、任意の特別の技術的努力は必要ではない。
本開示内容の化合物の抗菌活性
抗菌活性は、最小阻害濃度(MIC)、すなわち、一晩インキュベートした後の微生物の増殖を阻害する抗菌剤の最低濃度として報告される。化合物の水溶性ACK、NCKおよびBCKシリーズを、修飾された微量希釈培養液形式でアッセイする。保存溶液を、オートクレーブ処理したMillipore水を使用して化合物を段階希釈することによって作製する。試験されるべき細菌を、約10cfu/mL(塗沫法による希釈プレート技術によって決定される)を含有する適した培地中で約6時間増殖させ、次いで、これを栄養培地を使用して10cfu/mLに希釈する。50μLの段階希釈した化合物を、150μLの細菌溶液を含有する96ウェルプレートに添加する。一方が150μLの培地および50μLの化合物を含有し、もう一方が200μLの細菌溶液を含有する、2種の対照を作製する。次いで、プレートを37℃で約24時間の期間インキュベートし、Tecan InfiniteProシリーズM200マイクロプレートリーダーを使用して600nmでO.D.値を測定することによってMICデータを記録する。各濃度の三連のO.D.値の平均をとり、Origin Pro 8.0ソフトウェアを使用して、それを濃度に対してプロットすることによって、MIC値を決定する。次いで、データを、シグモイドフィッティングに付す。曲線から、O.D.が細菌を有さない対照のものと同様である曲線中の点としてMIC値を決定する。独立実験のMIC値および誤差は、三連のものの平均および標準偏差として報告される。
本開示内容の化合物の抗菌活性は、その最小阻害濃度(MIC)を評価することによって種々の細菌に対して決定される。化合物は、臨床的に承認された従来の抗生物質に匹敵するマイクロモル濃度でグラム陽性およびグラム陰性菌の両方に対して活性である。
結果
ACKシリーズの化合物の活性
ACKシリーズの化合物は、薬物感受性菌および薬物耐性菌に対して抗菌活性を示す。ACKシリーズは、11μg/ml未満の濃度で黄色ブドウ球菌(S.aureus)に対して活性であり、ACK−4、ACK−6、ACK−8およびACK−10は、それぞれ、約5.3μg/ml、2.4μg/ml、2.2μg/mlおよび7.1μg/mlの最も有効なMIC値を示す。
ACKシリーズの化合物は、13.6μg/ml未満の濃度でフェシウム菌(E.faecium)に対して活性であり、ACK−4、ACK−6、ACK−8およびACK−10は、それぞれ、約4.5μg/ml、3.3μg/ml、2.5μg/mlおよび4.9μg/mlの最も有効なMIC値を示す。
ACKの化合物は、26μg/ml未満の濃度で大腸菌(E.coli)に対して活性であり、ACK−4、ACK−6およびACK−8は、それぞれ、約4.8μg/ml、3.5μg/mlおよび2.9μg/mlの最も有効なMIC値を示す。
ACKシリーズの化合物は、11μg/ml未満の濃度で緑膿菌(P.aeruginosa)に対して活性であり、ACK−2、ACK−4、ACK−6およびACK−8は、それぞれ、約4μg/ml、1.9μg/ml、1.6μg/mlおよび3.8μg/mlの最も有効なMIC値を示す。
ACKシリーズの化合物は、21μg/ml未満の濃度でメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(S.aureus)に対して活性であり、ACK−4、ACK−6、ACK−8およびACK−10は、それぞれ、約6.3μg/ml、2.8μg/ml、2.3μg/mlおよび4.6μg/mlの最も有効なMIC値を示す。
ACKシリーズの化合物は、7.2μg/ml未満の濃度でバンコマイシン耐性フェシウム菌(E.faecium)に対して活性であり、ACK−4、ACK−6、ACK−8およびACK−10は、それぞれ、約5.3μg/ml、5.2μg/ml、3μg/mlおよび5.6μg/mlの最も有効なMIC値を示す。
ACKシリーズは、31μg/ml未満の濃度で肺炎桿菌(K.pneumonia)に対して活性であり、ACK−4、ACK−6、ACK−8およびACK−10は、それぞれ、約17μg/ml、16μg/ml、4.3μg/mlおよび7.6μg/mlの最も有効なMIC値を示す。
NCKシリーズの化合物の活性
NCKシリーズの化合物は、薬物感受性菌および薬物耐性菌に対して抗菌活性を示す。
NCKシリーズは、20μg/ml未満の濃度で黄色ブドウ球菌(S.aureus)に対して活性であり、NCK−8、NCK−10およびNCK−12は、それぞれ、約6.3μg/ml、2.5μg/mlおよび3μg/mlの最も有効なMIC値を示す。
NCKシリーズの化合物は、34μg/ml未満の濃度でフェシウム菌(E.faecium)に対して活性であり、NCK−8、NCK−10およびNCK−12は、それぞれ、約5.5μg/ml、3.5μg/mlおよび1.6μg/mlの最も有効なMIC値を示す。
NCKシリーズの化合物は、25μg/ml未満の濃度で大腸菌(E.coli)に対して活性であり、NCK−8、NCK−10およびNCK−12は、それぞれ、約5μg/ml、4μg/mlおよび3.1μg/mlの最も有効なMIC値を示す。
NCKシリーズの化合物は、11μg/ml未満の濃度で緑膿菌(P.aeruginosa)に対して活性であり、NCK−6、NCK−8、NCK−10およびNCK−12は、それぞれ、約11μg/ml、5.4μg/ml、3μg/mlおよび3.2μg/mlの最も有効なMIC値を示す。
NCKシリーズの化合物は、65μg/ml未満の濃度でメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(S.aureus)に対して活性であり、NCK−8、NCK−10およびNCK−12は、それぞれ、約4.4μg/ml、2.6μg/mlおよび2.7μg/mの最も有効なMIC値を示す。
NCKシリーズの化合物は、54μg/ml未満の濃度でバンコマイシン耐性フェシウム菌(E.faecium)に対して活性であり、NCK−8、NCK−10およびNCK−12は、それぞれ、約7μg/ml、1.6μg/mlおよび3.4μg/mlの最も有効なMIC値を示す。
NCKシリーズの化合物は、100μg/ml未満の濃度で肺炎桿菌(K.pneumonia)に対して活性であり、NCK−8、NCK−10およびNCK−12は、それぞれ約13μg/ml、5.8μg/mlおよび4μg/mlの最も有効なMIC値を示す。
BCKシリーズの化合物の活性
BCKシリーズの化合物は、薬物感受性菌および薬物耐性菌に対して抗菌活性を示す。
BCKシリーズは、46μg/ml未満の濃度で黄色ブドウ球菌(S.aureus)に対して活性であり、BCK−10、BCK−12およびBCK−14は、それぞれ、約5.7μg/ml、2.7μg/mlおよび3.1μg/mlの最も有効なMIC値を示す。
BCKシリーズの化合物は、60μg/ml未満の濃度でフェシウム菌(E.faecium)に対して活性であり、BCK−10、BCK−12およびBCK−14は、それぞれ、約6.5μg/ml、2.6μg/mlおよび2μg/mlの最も有効なMIC値を示す。
BCKシリーズの化合物は、51μg/ml未満の濃度で大腸菌(E.coli)に対して活性であり、BCK−10、BCK−12およびBCK−14は、それぞれ、約6.5μg/ml、5μg/mlおよび3.1μg/mlの最も有効なMIC値を示す。
BCKシリーズの化合物は、60μg/ml未満の濃度で緑膿菌(P.aeruginosa)に対して活性であり、BCK−10、BCK−12およびBCK−14は、それぞれ、約4μg/ml、4μg/mlおよび2.8μg/mlの最も有効なMIC値を示す。
BCKシリーズの化合物は、100μg/ml未満の濃度で、メチシリン耐性 黄色ブドウ球菌(S.aureus)に対して活性であり、BCK−10、BCK−12およびBCK−14は、それぞれ、約15.7μg/ml、2.9μg/mlおよび2.5μg/mlの最も有効なMIC値を示す。
BCKシリーズの化合物は、100μg/ml未満の濃度でバンコマイシン耐性フェシウム菌(E.faecium)に対して活性であり、BCK−10、BCK−12およびBCK−14は、それぞれ、約5.8μg/ml、3.3μg/mlおよび2.5μg/mlの最も有効なMIC値を示す。
BCKシリーズの化合物は、100μg/ml未満の濃度で肺炎桿菌(K.pneumonia)に対して活性であり、BCK−10、BCK−12およびBCK−14は、それぞれ、約31μg/ml、2.8μg/mlおよび4μg/mlの最も有効なMIC値を示す。
Dec−CK−8の化合物の活性
化合物Dec−CK−8は、5.6μg/ml未満の濃度ですべての細菌に対して活性である。3μg/mlの濃度で、MRSAおよびフェシウム菌(E.faecium)に対して最良の活性を示す。
上記の前記抗菌活性データは、以下にさらに記載されるように表3に示されている。
溶血活性
赤血球を、新たに採取した、ヘパリン処理したヒト血液から単離し、PBS(pH7.4)中、5容積%に再懸濁する。96ウェルマイクロタイタープレート中で、50μlの段階希釈した化合物に、150μlの赤血球懸濁液を添加する。一方は化合物を含まず、もう一方は50μlのTriton X−100の1容積%溶液を含む、2種の対照を作製する。プレートを、約37℃の温度で約1時間インキュベートする。次いで、プレートを3,500rpmで約5分間遠心分離し、各ウェルから100μlの上清を、新鮮なマイクロタイタープレートに移し、540nmでの吸光度を測定する。溶血のパーセンテージを、(A−A0)/(Atotal−A0)×100として決定し、ここで、Aは、吸光度が540nmで読まれる場合の、試験ウェルの吸光度であり、A0は、陰性対照(化合物を含まない)の吸光度であり、Atotalは、100%溶血ウェル(Triton X−100を有する)の吸光度である。
新たに採取したヒトRBCで、化合物の毒性研究を実施する。本開示内容の抗菌性化合物の毒性は、表3に示されるそのHC50値、すなわち、血液細胞の50%が溶解する化合物の濃度によって定義される。本明細書において実施される溶血研究は、本開示内容によって提供される抗菌性化合物が、ヒトRBCを上回って、薬物感受性菌および薬物耐性菌に対して選択的であることを示し、従って、本化合物の非毒性を確立する。
一実施形態では、ACKシリーズ中の化合物のHC50値は、約64μg/ml〜約118μg/mlの範囲である。
別の実施形態では、NCKシリーズ中の化合物のHC50値は、約54μg/ml〜約508μg/mlの範囲である。
さらに別の実施形態では、BCKシリーズ中の化合物のHC50値は、約45μg/ml〜約325μg/mlの範囲である。
さらに別の実施形態では、Dec−CK−8のHC50値は、82μg/mlである。
したがって、本開示内容は、種々の化合物(式I)およびその合成を提供する。さらに、上記の記載から、前記化合物が、非毒性などのさらなる利点とともに大幅に改善された抗菌特性を有することが明白に確立される。前記化合物は、種々の医薬適用および非医薬適用において、特に、抗菌感染の治療のための薬剤ならびに微生物バイオフィルムとして使用され得る。

Claims (21)

  1. 式I:

    [式中、
    は、芳香族ラジカルまたは脂肪族ラジカルであり、
    は、脂肪族ラジカルであり、
    は、アミノ酸の側鎖であり、
    Yは、水素、

    {式中、「n」は1〜5の範囲であり、
    Zは、水素または

    であり、
    は、アミノ酸の側鎖である}
    からなる群から選択される]
    で示される化合物。
  2. の芳香族ラジカルが、

    からなる群から選択される、請求項1に記載の化合物。
  3. の脂肪族ラジカルが、以下

    [式中、
    Qは、ハロゲン、シアノ、ニトロ、アミノ、ヒドロキシルまたはアルコキシであり、
    mは、1〜20の範囲の整数である]
    からなる群から選択される、請求項1に記載の化合物。
  4. の脂肪族ラジカルが、以下:

    [式中、
    Qは、ハロゲン、シアノ、ニトロ、アミノ、ヒドロキシルまたはアルコキシであり、
    pは、1〜20の範囲の整数である]
    からなる群から選択される、請求項1に記載の化合物。
  5. の芳香族ラジカルが、以下:

    からなる群から選択され、
    [式中、
    は、

    であり、
    {式中、
    は、以下:


    (式中、
    rは、1〜20の範囲の整数である)
    からなる群から選択され、
    は、アミノ酸の側鎖であり、
    Vは、水素、

    (式中、「s」は、1〜5の範囲であり、
    Zは、水素または

    である)
    からなる群から選択される}]
    請求項1に記載の化合物。
  6. の脂肪族ラジカルが、

    であり、
    [式中、
    「t」は1〜20の範囲にあり、
    は、

    であり、
    {式中、
    は、以下:


    (式中、
    Qは、ハロゲン、シアノ、ニトロ、アミノ、ヒドロキシルまたはアルコキシであり、
    rは、1〜20の範囲の整数である)
    からなる群から選択され、
    は、アミノ酸の側鎖であり、
    Vは、水素、

    (式中、「s」は、1〜5の範囲であり、
    Zは、水素または

    である)
    からなる群から選択される}]
    請求項1に記載の化合物。
  7. が、

    からなる群から選択され、
    が、

    [式中、「p」は、1〜13の範囲である]
    であり、
    が、L−リシンの側鎖であり、
    Yが、水素である、請求項1に記載の化合物。
  8. が、

    [式中、「m」は、1〜11の範囲である]
    からなる群から選択され、
    が、

    [式中、「p」は、1〜11の範囲である]
    からなる群から選択され、
    が、L−リシンの側鎖であり、
    Yが、水素である、請求項1に記載の化合物。
  9. が、

    [式中、「m」は9である]
    であり、
    が、

    [式中、「p」は7である]
    であり、
    が、L−リシンの側鎖であり、
    Yが、水素である、請求項1に記載の化合物。
  10. 請求項1に記載されるような、式Iの化合物を調製する方法であって、前記方法は、
    d.芳香族ラジカルまたは脂肪族ラジカルのアルデヒドを、アルキルアミンと反応させて、シッフ塩基を得る行為、
    e.シッフ塩基を還元して第二級アミンを得る行為、および
    f.第二級アミンを、t−ブトキシカルバメート保護されたアミノ酸の遊離酸性基と反応させる行為、それに続いて、アミノ酸の保護基を脱保護して、式Iの化合物を得る行為
    を含む、方法。
  11. アルキルアミンが、C〜C20脂肪族アミンである、請求項10に記載の方法。
  12. アルキルアミンが、C〜C14脂肪族アミンである、請求項10に記載の方法。
  13. 請求項1から9のいずれかに記載の化合物の医薬上許容される塩。
  14. 請求項1から9のいずれかに記載の化合物または請求項13に記載の医薬上許容される塩および医薬上許容される賦形剤を含む、組成物。
  15. 医薬上許容される賦形剤が、糖、デンプン、セルロース、麦芽、ゼラチン、タルク、ココアバター、坐剤ワックス、オイル、グリコール、エステル、寒天、緩衝剤、アルギン酸、パイロジェンフリー水、等張性生理食塩水、リンゲル液、アルコール、脂質、界面活性剤、着色剤、放出剤、コーティング剤、甘味剤、矯味剤、芳香剤、保存料、抗酸化物質およびそれらの誘導体またはそれらの任意の組合せからなる群から選択される、請求項14に記載の組成物。
  16. 病原性微生物によって引き起こされる疾患の治療において使用するための、請求項1から9に記載の化合物、請求項13に記載の医薬上許容される塩または請求項14から15のいずれかに記載の組成物。
  17. 病原性微生物が細菌である、請求項16に記載の化合物、医薬上許容される塩または組成物。
  18. 細菌が、グラム陽性菌またはグラム陰性菌またはそれらの組合せである、請求項17に記載の化合物、医薬上許容される塩または組成物。
  19. 細菌が、薬物感受性菌または薬物耐性菌またはそれらの組合せである、請求項18に記載の化合物、医薬上許容される塩または組成物。
  20. 薬物感受性菌が、黄色ブドウ球菌(S.aureus)、フェシウム菌(E.faecium)、大腸菌(E.coli)および緑膿菌(P.aeruginosa)または任意のそれらの組合せからなる群から選択される、請求項19に記載の化合物、医薬上許容される塩または組成物。
  21. 薬物耐性菌が、バンコマイシン耐性フェシウム菌(E.faecium)、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(S.aureus)およびβ−ラクタム耐性肺炎桿菌(K.pneumoniae)またはそれらの任意の組合せからなる群から選択される、請求項19に記載の化合物、医薬上許容される塩または組成物。
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