JP2013523703A - 化合物およびそれらの使用 - Google Patents

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Abstract

本発明は、微生物感染症、特に細菌感染症の治療におけるペプチドおよびそれらの使用に関する。特に、本発明は、ペプチドのアミノ酸の少なくとも75%がアルギニンアミノ酸およびフェニルアラニンアミノ酸であり、アミノ酸の少なくとも50%がアルギニンアミノ酸であり、アミノ酸の少なくとも15%がフェニルアラニンアミノ酸である、ペプチドに関する。

Description

本発明は、微生物感染症、特に細菌感染症の治療におけるペプチドおよびそれらの使用に関する。また、医学的治療の方法も提供される。
抗微生物ペプチドは、先天免疫系の重要なエフェクター分子であり、全ての真核生物の微生物感染症に対する防御の最前線の不可欠な構成要素である。また、いくつかの原核生物も、他の微生物からの攻撃に対抗するための手段として抗微生物ペプチドを利用する。多くの抗微生物ペプチドは、微生物膜の負に帯電したリン脂質との相互作用を容易にし、次いで、膜の透過化の後に微生物の溶解および死滅をもたらす陽イオン特性を特徴とする。例えば、抗微生物ペプチド分子が脂質二重層中で凝集し、電圧依存性チャネルを形成して、微生物の内膜と外膜の両方の透過化をもたらし得ることが示されている(Lehrer,R.I.、J.Clin.Investigation、84:553頁(1989年))。また、これらの分子の両親媒性の性質は、極性残基が膜中および膜の上に突出する一方で、静電気引力によって脂質二重層中へ疎水性残基が挿入されるのを容易にし得る。
薬物耐性微生物、特に細菌は、感染率が上昇し続け、有効な制御方法がなお一層限られてきているため、ますます問題となっている。抗生物質の無差別な処方および患者の治療計画の不履行と共に、過去50年くらいの間に渡る抗生物質の非常に多くの使用により、抗生物質の効果を克服する手段を発達させるか、または獲得した微生物が選択された。薬物耐性微生物の伝染および制御は、医療における最も重要な課題のうちの1つとなりつつある。
メチシリン(methicillin)(メチシリン(meticillin))のような抗生物質に対して様々なレベルの耐性を発達させるか、または取得したものを含めて、Staphylococcus属種、Enterococcus属種、Listeria属種、Clostridium属種、Corynebacterium属種、Nocardia属種、Bacillus属種、およびStreptococcus属種を含む全てのグラム陽性属は、グラム陰性属のEscherichia属種、Pseudomonas属種、Klebsiella属種、およびAcetinobacter属種と同様に、特に注目に値する。注目に値する他のグラム陰性病原体としてはEnterobacteriaceae(特に、広域スペクトルのβ−ラクタマーゼ(ESBL)またはカルバペネマーゼのいずれかを産生するもの)が挙げられる。また、S.epidermidisなどコアグラーゼ陰性のStaphylococcusも、重要な薬物耐性院内病原菌として台頭してきた。メチシリンまたは多剤に耐性の細菌によってもたらされるか、または引き起こされた感染症に対する治療の選択肢は、現在のところ限られており、そのような生物を抑制するかまたは死滅させる新しい治療法を発見することが緊急に必要とされている。特に注目に値する他の細菌病原体としては、Mycobacterium属種、例えばMycobacterium tuberculosis;Enterobacter属種;Campylobacter属種;Salmonella属種;Helicobacter属種、例えばHelicobacter pylori;Neisseria属種、例えばNeisseria gonorrhea、Neisseria meningitidis;Borrelia burgdorferi;Shigella属種、例えばShigella flexnerii;Haemophilus属種、例えばHaemophilus influenzae;Chlamydia属種、例えばChlamydia trachomatis、Chlamydia pneumoniae、Chlamydia psittaci;Francisella tularensis;Yersinia属種、例えばYersinia pestis;Treponema属種;Burkholderia属種、例えばBurkholderia malleiおよびB.pseudomalleiが挙げられる。
Pseudomonas aeruginosaは、特に、重症熱傷患者ならびに免疫抑制された癌患者およびエイズ患者において、気道感染症、尿路感染症、皮膚炎、軟部組織感染症、菌血症、および様々な全身感染症を引き起こす日和見性病原体である。Pseudomonas aeruginosaによって引き起こされる呼吸器感染症は、ほぼ例外なく、下気道が易感染性である個体または全身防御機構が不全である個体において(例えば、嚢胞性線維症患者または慢性閉塞性肺疾患患者において)発生する。原発性肺炎は、慢性肺疾患およびうっ血性心不全の患者において発生する。一般に、菌血症肺炎は、化学療法を受けている好中球減少性の癌患者において発生する。Pseudomonas aeruginosaのムコイド株による嚢胞性線維症患者の下気道コロニー形成はよく起こり、治療が困難である。Pseudomonas aeruginosa感染症を治療する有効な手段の開発が必要とされている。
Staphylococcus aureusは、多くの健康な人の皮膚上および鼻腔内に通常存在する日和見性病原体であり、これらの場所ではまったく無害な菌として生息している。しかし、S.aureusは、偶然であるか外科的であるかを問わず、体内に侵入して膿瘍、せつ、面皰、膿痂疹、および創傷感染症を引き起こすことができる場合、問題を引き起こす可能性がある。感染が血流中に入り、身体の様々な部分に移動する場合には、血液中毒(敗血症)、骨感染症(骨髄炎)、心臓弁感染症(心内膜炎)、および肺感染症(肺炎)を引き起こし得る。MRSAは、メチシリンを含めて一般に処方される多くの抗生物質に耐性であるタイプのS.aureusであり(英国におけるS.aureus感染症の約40%は、メチシリンおよび他の抗生物質に対して耐性である)、大衆紙において「スーパーバグ」と一般に呼ばれている。MRSAは、医療関連感染症に関与している最も一般的な微生物のうちの1つである。感染症は、病院、特に、集中治療室、熱傷病棟、および整形外科病棟の患者を含む脆弱な患者および/または衰弱した患者に通常は限定されている。MRSAの治療は、多くの抗生物質が無効であり、有効であるものは、かなり高用量を長期間に渡って(数週間)静脈内に与える必要があることが多いため、より困難であり、それにより、代替の抗微生物療法を開発する必要が強調されている。
数百万年間の共存による進化圧にもかかわらず、微生物病原体は陽イオン性ペプチドに対する耐性を容易には獲得しないため、それらは依然として魅力的な治療標的である。本発明者らの同時係属中の出願WO2006/018652およびWO2008/093058において、本発明者らは、細菌感染症を含めて微生物感染症を治療するために使用できるペプチドの同定を記載している。
微生物のバイオフィルムは、ポリマー物質の細胞外マトリクス内に定着した、生物学的または非生物的な表面に対して付着性の、微生物細胞の群集である。様々な微生物(関連するバクテリオファージおよび他のウイルスを含む、細菌、真菌、および/または原生動物)を、これらのバイオフィルムにおいて見ることができる。バイオフィルムは、自然界で遍在しており、広範な環境においてよく見られる。バイオフィルムが多くの感染に関与していること、特にそれらが感染の治療を困難にしていることが、科学界および医学界において次第に認められてきている。
バイオフィルムの形成は、微生物が表面に接着する能力のみに限定されるわけではない。バイオフィルム中で増殖している微生物は、バイオフィルムが最初に発生する実際の物理的基層と相互作用するよりも、互いの間で、より相互作用することができる。例えば、この現象は、接合による遺伝子伝播を促し、これは、浮遊性細胞間よりもバイオフィルム中の細胞間で、大きい割合で生じる。このことは、細菌間での水平遺伝子伝播の機会が増大することを意味し、これは、耐性微生物から感受性微生物への、抗生物質に対する耐性または病原性を決定する遺伝子の伝播を容易にし得るため、重要である。細菌は、クオラムセンシングとして知られているシステムによって互いに連絡することができ、このシステムを介してシグナル伝達分子が環境内に放出され、それらの濃度が周辺の微生物によって検出され得る。クオラムセンシングによって、細菌がそれらの挙動を連携させることが可能となり、その結果、細菌の生存能力が増強される。クオラムセンシングに対する応答には、栄養物の利用可能性に対する適応、同じ栄養物について競合し得る他の微生物に対する防御、および細菌にとって危険である可能性がある毒性化合物の回避が含まれる。宿主(例えば、ヒト、他の動物、または植物)に感染中の病原性細菌にとって、感染の成功を確立できるように宿主の免疫応答を免れるために、それらの病原性を連携させることは非常に重要である。
バイオフィルムの形成は、嚢胞性線維症および歯周炎などの多くの感染性疾患において、および留置型医療用デバイスの存在の結果としての血流感染症および尿路感染症において重要な役割を果たす。バイオフィルムに関連する微生物がそれらの宿主において疾患を誘発する際の示唆されているメカニズムは、(i)バイオフィルムのマトリクスによる抗微生物剤の浸透の遅延、(ii)留置型医療用デバイスのバイオフィルムからの細胞または細胞集合体の脱離、(iii)エンドトキシンの生産、(iv)宿主免疫系に対する耐性、(v)抗微生物剤に対する耐性および/または病原性を決定する遺伝子の水平遺伝子伝播による耐性生物の発生のためのニッチの提供、ならびに(vi)増殖速度の改変(すなわち、代謝的休眠)が含まれる(DonlanおよびCosterton、Clin Microbiol Rev 15:167〜193頁、2002年;ParsekおよびSingh、Annu Rev Microbiol 57:677〜701頁、2003年;Costerton JW、Resistance of biofilms to stress.「The biofilm primer」(Springer Berlin Heidelberg)56〜64頁、2007年)。
最近の実験的証拠によって、特殊化した非代謝状態の存続細胞(休眠細胞)の小さな亜集団がバイオフィルム内に存在することが示されている。これらの細胞が、抗微生物剤に対するバイオフィルムの高い耐性/抵抗性に関与し得ると考えられている。多剤抵抗性の存続細胞は、浮遊性の集団およびバイオフィルムの集団の両方において存在し、酵母および細菌は、この亜集団に生存機能を付与する類似の戦略を発達させたと考えられる。ポリマー性のマトリクスによってもたらされる保護によって、存続細胞が排除を回避すること、および再増殖のための増殖源となることが可能になる。存続細胞が微生物バイオフィルムの多剤抵抗性に大いに関与し得ることが証明されている(LaFleurら、Antimicrob Agents Chemother.50:3839〜46頁、2006年;Lewis、Nature Reviews Microbiology 5、48〜56頁、2007年)。
したがって、微生物感染症を治療するのに使用できるさらなる作用物質が必要とされている。特に、Staphylococcus、Streptococcus、Acinetobacter属種、Klebsiella属種、E.coli、およびPseudomonas属種によって引き起こされるものなどの細菌感染症の治療において使用できるさらなる抗微生物活性物質が依然として緊急に必要とされている。また、バイオフィルムの形成を予防するため、および微生物バイオフィルムに関連する状態を治療するための、より良い治療法も切実に必要とされている。
本発明者らは、驚くべきことに、デフェンシン、カテリシジンなどの天然抗微生物ペプチドと比べて改良された抗微生物活性を有するペプチドを同定した。特許請求されている化合物は、強力な抗微生物特性を有するが、動物およびヒトに対してin vitroおよびin vivoで低い毒性を示す。
本発明の第1の態様によると、ペプチドのアミノ酸の少なくとも75%がアルギニンアミノ酸およびフェニルアラニンアミノ酸であり、アミノ酸の少なくとも50%がアルギニンアミノ酸であり、アミノ酸の少なくとも15%がフェニルアラニンアミノ酸であるペプチドが提供される。
本発明のペプチドは、とりわけ、微生物感染症、特に、限定されるわけではないが、Staphylococcus属種およびPseudomonas属種によって引き起こされるものなどの細菌感染症の治療または予防において有用である。また、本発明のペプチドは、これらの細菌および他の細菌によって引き起こされるバイオフィルム感染症の予防および治療においても有用である。
通常、ペプチド中のアミノ酸の少なくとも80%がアルギニンアミノ酸およびフェニルアラニンアミノ酸であり、適切には、ペプチド中のアミノ酸の少なくとも90%、より適切には少なくとも95%、典型的には約99%が、アルギニンアミノ酸およびフェニルアラニンアミノ酸である。一実施形態によると、ペプチド中のアミノ酸の全てがアルギニンおよびフェニルアラニンである。
通常、ペプチド中のアミノ酸の少なくとも55%がアルギニンアミノ酸であり、適切には、ペプチド中のアミノ酸の少なくとも60%(例えば61%)、より適切には少なくとも65%、典型的には約70%が、アルギニンアミノ酸である。
通常、ペプチド中のアミノ酸の少なくとも20%がフェニルアラニンアミノ酸であり、適切には、ペプチド中のアミノ酸の少なくとも25%、より適切には少なくとも30%、典型的には約30から40%(例えば38%)が、フェニルアラニンアミノ酸である。
本発明のペプチドのアミノ酸は、D−アミノ酸またはL−アミノ酸であってよい。これらのアミノ酸は、本明細書において定義される陽イオン性アミノ酸の光学異性体、例えば、D−アミノ酸またはL−アミノ酸であってよい。これらのアミノ酸は、天然のものでも合成のものでもよい。本発明はまた、上記のアミノ酸の既知の異性体(構造異性体、立体異性体、配座異性体、および立体配置異性体)および構造類似体、ならびに限定されるわけではないが、リン酸化、グリコシル化、スルホニル化、および/または水酸化を含む、天然の修飾(例えば、翻訳後修飾)または化学的修飾のいずれかを受けたものも含む。
本発明の一実施形態によると、ペプチドは、最高で5個のアルギニン以外およびフェニルアラニン以外の置換を場合によって有するアルギニンアミノ酸およびフェニルアラニンアミノ酸からなる。一般に、ペプチドは、0個、1個、2個、または3個のアルギニン以外およびフェニルアラニン以外の置換、典型的には、0個、1個、または2個の置換、有利には、0個または1個の置換を有するアルギニンアミノ酸およびフェニルアラニンアミノ酸からなる。
一実施形態によると、ペプチドは、アルギニンアミノ酸およびフェニルアラニンアミノ酸からなる。
典型的には、本発明のペプチドは、1個から5個の置換、適切には1個から3個の置換、通常、1個の置換を含み得る。(1つまたは複数の)置換は、末端であっても末端でなくてもよい。
置換は、アミノ酸からなっても、アミノ酸以外からなってもよい。置換は、荷電していても荷電していなくてもよい。典型的には、置換の1つまたは複数は、非荷電アミノ酸である。あるいは、またはさらに、置換の1つまたは複数は、荷電アミノ酸、特に陽イオン性アミノ酸であり得る。アミノ酸置換の1つまたは複数は疎水性でよい。
置換の1つまたは複数がアミノ酸置換である場合、それらは荷電アミノ酸でも非荷電アミノ酸でもよい。アミノ酸置換は、天然アミノ酸置換でも、非天然の合成アミノ酸置換でもよい。
通常、置換は、1つもしくは複数の疎水性アミノ酸、および/または1つもしくは複数の陽イオン性アミノ酸からなる。
本明細書において用いられる場合、「疎水性」という用語は、無極性であり、通常は水性溶液によって反発される、生理的pHで荷電していない側鎖を有するアミノ酸を意味する。
通常、疎水性アミノ残基は、−1.10以上の疎水性、および0以下の電荷を有する。
本明細書において用いられる場合、「陽イオン性」という用語は、0以上の正味電荷を有するアミノ酸を意味する。通常、「陽イオン性」という用語は、0よりも大きい正味電荷を有するアミノ酸を意味する。
典型的な疎水性アミノ酸置換には、グリシン、ロイシン、プロリン、アラニン、トリプトファン、バリン、イソロイシン、メチオニン、チロシン、およびトレオニンが含まれる。
典型的な陽イオン性アミノ酸置換には、オルニチン、ヒスチジン、およびリシンが含まれる。
一実施形態によると、ペプチドは、1つまたは複数のシステインアミノ酸、特に、1つまたは2つの末端システイン残基を含む。
一実施形態によると、ペプチドは、リシン、プロリン、グリシン、およびヒスチジンの群から選択される1つまたは複数の置換を含む。
有利には、ペプチドは、アルギニン、フェニルアラニン、ならびにリシン、プロリン、グリシン、およびヒスチジンからなる群のうちの1つからなる。有利には、この群は、プロリンおよびグリシンからなる。
通常、ペプチドは、アスパラギン酸、グルタミン酸、アスパラギン、グルタミン、およびセリンといったアミノ酸を含まないが、本発明のいくつかのペプチドは、これらのアミノ酸が存在したとしても活性を有し得る。
さらに、ペプチドのアミノ酸配列は、L型ではなくD型を利用する置換を含めて、別のアミノ酸残基でのペプチド中の少なくとも1個のアミノ酸残基の置換を含むペプチド変異体をもたらすように改変することもできる。
ペプチドの残基の1つまたは複数を別の残基と交換して、ペプチドの生物活性を改変、増強、または維持することができる。例えば、このような変異体は、対応する非変異体ペプチドの生物活性の少なくとも約10%を有し得る。保存的アミノ酸、すなわち、前述の同様の化学的特性および物理的特性を有するアミノ酸の置換がしばしば利用される。
それゆえ、例えば、保存的アミノ酸置換は、1つの陽イオン性アミノ酸を別のものと交換すること、例えば、アルギニンをリシン、オルニチン、またはヒスチジンと交換することを含み得る。あるいは、またはさらに、フェニルアラニンは、グリシン、ロイシン、プロリン、アラニン、トリプトファン、バリン、イソロイシン、メチオニン、チロシン、またはトレオニンと交換され得る。これらの置換が導入された後、生物活性を指標にして変異体がスクリーニングされる。
本発明のペプチドは、2個から200個のアミノ酸、例えば、3個、4個、5個、6個、または7個から100個までのアミノ酸を含むことができ、これには、3個、4個、5個、6個、または7個から10個、15個、20個、25個、30個、35個、40個、45個、または50個までのアミノ酸が含まれる。一実施形態によると、抗微生物ペプチドは、3個または4個から50個のアミノ酸を含む。
ペプチドは、100個から200個のアミノ酸、20個から100個のアミノ酸、20個および45個のアミノ酸、例えば、20個、25個、30個、35個、40個、42個、または45個のアミノ酸を含むことができる。ペプチドは、3個から15個の間のアミノ酸、例えば5個から15個のアミノ酸、例えば13個から15個のアミノ酸を含むことができる。
典型的には、ペプチドは、5個から20個のアミノ酸、適切には5個から15個、より適切には7個から15個、通常、11個から13個のアミノ酸を含めて、10個から15個のアミノ酸を含む。
一実施形態によると、ペプチドは、10個から15個のアミノ酸、特に11個から13個のアミノ酸からなる。
典型的には、ペプチドは、5個から50個のアルギニンアミノ酸、適切には5個から30個、より適切には5個から20個、通常、7個から10個のアルギニンアミノ酸を含むことができる。
ペプチドは、1個から20個のフェニルアラニンアミノ酸、典型的には1個から15個、適切には2個から10個、より適切には2個から5個のフェニルアラニンアミノ酸を含むことができる。
通常、ペプチドは、フェニルアラニン置換を中に含むアルギニン主鎖を含む。
通常、ペプチドは、3個から20個の連続したアルギニンアミノ酸からなる少なくとも1つの部分、典型的には、3個から10個の連続したアルギニンアミノ酸からなる少なくとも1つの部分、適切には、3個から5個の連続したアルギニンアミノ酸からなる少なくとも1つの部分を含む。あるいは、またはさらに、ペプチドは、5個から10個の連続したアルギニンアミノ酸からなる少なくとも1つの部分を含むことができる。
通常、ペプチドは、1個から5個の連続したフェニルアラニンアミノ酸からなる少なくとも1つの部分、典型的には、3個から5個の連続したフェニルアラニンアミノ酸からなる少なくとも1つの部分を含み、適切には、ペプチドは、3個の連続したフェニルアラニンアミノ酸からなる少なくとも1つの部分を含む。
一実施形態によると、ペプチドは、複数のフェニルアラニン部分を含み、各フェニルアラニン部分は、1つまたは複数のフェニルアラニンアミノ酸を含む。通常、ペプチドは、2個または3個のフェニルアラニン部分を含む。
一実施形態によると、ペプチドは、末端フェニルアラニンアミノ酸を含まない。
一実施形態によると、ペプチドは、ただ1個の末端フェニルアラニンアミノ酸、例えば、N末端フェニルアラニンを含む。好ましくは、ペプチドは、ペプチドの両端に末端フェニルアラニンアミノ酸を含まない。
典型的には、ペプチドは、一方の端または両端にアルギニンアミノ酸部分、適切には、1個から5個のアルギニンアミノ酸を有するアルギニンアミノ酸部分を含む。あるいは、ペプチドは、アルギニン以外およびフェニルアラニン以外の置換を1個または2個、末端に含んでもよい。適切な末端置換には、前述の置換、特に、ヒスチジン、システアミン、およびリシンが含まれる。
ペプチドは、C末端またはN末端にフェニルアラニンアミノ酸、および各N末端またはC末端にアルギニンアミノ酸を含み得る。
一実施形態によると、ペプチドは、C末端のアルギニンアミノ酸およびN末端のフェニルアラニンアミノ酸を含む。
一実施形態によると、ペプチドは、連続した(例えば2個以上の)フェニルアラニンアミノ酸をN末端に含まない。
本発明のペプチドは、対称性でも非対称性でもよい。
好ましくは、ペプチドは環状である。ペプチドは、直鎖、すなわち直線状でも、分枝状でもよい。本明細書において用いられる場合、「ペプチド」という用語は、一般用語で、ペプチド結合によって相互に結合している複数のアミノ酸残基を意味する。この用語は、ポリペプチドおよびタンパク質と同義的に使用され、同じ意味である。
本発明の一実施形態によると、ペプチドは、群RRRFRFFFRFRRR、HHHFRFFFRFRRR、KKFPWRLRLRYGRR、RRRRRFFFRFRRR、RRRFRFRFRFRRR、RRRFRFPFRFRRR、RRFRRFFFRRFRR、RRRRFFFRRRR、RRRRFRFRRRR、RRRRFPFRRRR、RRFRRRFRRFR、RRFRRRFRRFG、RRFGRRFRRFG、RRFRRFRRRFG、RRFRRFRRRFR、FRRRRFFFRFRRR、RRRRRFFFRRRRF、FFFFRRRRRFRRR、RRRRFFFFFRRRR、FRRRRFFFRRRRF、RRRYRYYYRYRRR、RRRARAAARARRR、RRRFRRRRRFFFF、RRRFFFFFFFRRRおよびRRRFRFFFRFRRR−システアミンから選択されるアミノ酸配列を含む。これらのペプチドは、これらのアミノ酸配列から本質的になってよい。
本発明の一実施形態によると、ペプチドは、群RRRFRFFFRFRRR(NP432)、FRRRRFFFRFRRR(NP490)、RRRRFFFFFRRRR(NP493)、およびRRRFRRRRRFFFF(NP497)から選択されるアミノ酸配列を含む。
本発明の第2の態様によると、ペプチドは、疎水性アミノ酸および陽イオン性アミノ酸の混合物を含む。特に、疎水性アミノ酸は、グリシン、ロイシン、フェニルアラニン、プロリン、アラニン、トリプトファン、バリン、イソロイシン、メチオニン、チロシン、およびトレオニンからなる群から選択される。
通常、この実施形態のペプチドは、アルギニンアミノ酸を含むが、フェニルアラニンアミノ酸を必ずしも含むとは限らない。
典型的には、疎水性アミノ酸は、フェニルアラニン、トリプトファン、チロシン、およびグリシンからなる群から選択される。
特に、陽イオン性アミノ酸は、オルニチン、ヒスチジン、アルギニン、およびリシンからなる群から選択される。典型的には、陽イオン性アミノ酸は、アルギニンおよびリシンからなる群から選択される。
一実施形態によると、ペプチドは、リシンアミノ酸、フェニルアラニンアミノ酸、およびアルギニンアミノ酸を含む。
さらなる実施形態によると、ペプチドは、リシンアミノ酸、アルギニンアミノ酸、フェニルアラニンアミノ酸、プロリンアミノ酸、トリプトファンアミノ酸、チロシンアミノ酸、およびグリシンアミノ酸を含む。本発明のペプチドは、グルタミンアミノ酸を通常は含まないが、いくつかのこのようなペプチドは活性を示し得る。このペプチドは、1個または2個のグルタミンアミノ酸を含み得る。
一実施形態によると、前述のペプチドは、0個、1個、または2個の置換を含む特定のアミノ酸からなり得る。通常、本発明のペプチドは、特定のアミノ酸からなる。あるいは、本発明のこの実施形態のペプチドは、上記に詳述した置換を含んでもよい。
第2の実施形態のペプチドは、KKPRRKPRRPKRKK(NP449)およびKKFPWRLRLRYGRR(NP445)からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むことができる。
通常、本発明のペプチドは合成ペプチドである。これらのペプチドは、単離され精製されたペプチドまたはその変異体であってよく、例えば、固相ペプチド合成法によって、酵素触媒によるペプチド合成によって、または組換えDNA技術の助けを借りて、in vitroで合成され得る。
哺乳動物細胞に対して望ましくない毒性をほとんどまたはまったく有していない活性ペプチドを同定するために、個々のペプチドまたはペプチドライブラリーを作製することができ、それら個々のペプチドまたはそれらのライブラリーに由来するペプチドを、限定されるわけではないが、抗真菌活性、抗菌活性、抗ウイルス活性、抗原虫活性、抗寄生虫活性、および毒性を含めて、抗微生物活性および毒性についてスクリーニングすることができる。
本発明のペプチドは、例えば、遊離酸、遊離塩基、エステルおよび他のプロドラッグ、塩、ならびに互変異性体などの異なる形態で存在することができ、本発明は、化合物の全ての変異形態を含む。
したがって、本発明は、本発明のペプチドまたはペプチド変異体の塩またはプロドラッグを包含する。
組成物
本発明のさらなる態様によると、1つまたは複数の補助剤または賦形剤と共に前述のペプチドの1つまたは複数を含む組成物が提供される。
一実施形態によると、組成物は、2個以上の本発明のペプチドを含んでよい。有利には、組成物は、1個、2個、または3個の本発明のペプチドを含む。
本発明の作用物質は、薬学的に許容される塩の形態で投与することができる。本発明の薬学的に許容される塩は、従来の化学的方法によって、塩基性または酸性の部分を含有する親化合物から合成することができる。通常、このような塩は、これらの化合物の遊離酸または遊離塩基の形態を、水もしくは有機溶媒またはこの2つの混合物内で、化学量論的量の適切な塩基または酸と反応させることによって調製することができ、通常、エーテル、酢酸エチル、エタノール、イソプロパノール、またはアセトニトリルのような非水媒体が好ましい。適切な塩のリストは、Remington’s Pharmaceutical Sciences、第17版、Mack Publishing Company、Easton、Pa.、US、1985年、1418頁において見出され、この開示は、参照により本明細書に組み込まれる。また、Stahlら編、「Handbook of Pharmaceutical Salts Properties Selection and Use」、Verlag Helvetica Chimica Acta and Wiley−VCH、2002年も参照されたい。「薬学的に許容される」という表現は、本明細書において、適切な医学的判断の範囲内で、過剰な毒性、刺激、アレルギー反応も、他の問題および困難な状況も伴うことなく、ヒトまたは場合によっては動物の組織と接触して使用するのに適し、妥当なベネフィット/リスク比に見合っている、化合物、材料、組成物、および/または剤形を意味するために用いられる。
したがって、本発明は、親化合物が、その酸塩または塩基塩、例えば、例えば無機または有機の酸または塩基から形成される従来の非毒性塩または四級アンモニウム塩を作製することにより改変される、開示された化合物の薬学的に許容される塩を含む。このような酸付加塩の例には、酢酸塩、アジピン酸塩、アルギン酸塩、アスパラギン酸塩、安息香酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、重硫酸塩、酪酸塩、クエン酸塩、ショウノウ酸塩、カンファースルホン酸塩、シクロペンタンプロピオン酸塩、ジグルコン酸塩、ドデシル硫酸塩、エタンスルホン酸塩、フマル酸塩、グルコヘプタン酸塩、グリセロリン酸塩、ヘミ硫酸塩、ヘプタン酸塩、ヘキサン酸塩、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、2−ヒドロキシエタンスルホン酸塩、乳酸塩、マレイン酸塩、メタンスルホン酸塩、2−ナフタレンスルホン酸塩、ニコチン酸塩、シュウ酸塩、パモ酸塩、ペクチン酸塩、過硫酸塩、3−フェニルプロピオン酸塩、ピクリン酸塩、ピバル酸塩、プロピオン酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩、チオシアン酸塩、トシル酸塩、およびウンデカン酸塩が含まれる。塩基塩には、アンモニウム塩、ナトリウム塩およびカリウム塩などのアルカリ金属塩、カルシウム塩およびマグネシウム塩などのアルカリ土類金属塩、ジシクロヘキシルアミン塩、N−メチル−D−グルカミンなど有機塩基との塩、ならびにアルギニンおよびリシンなどのアミノ酸との塩が含まれる。また、塩基性窒素含有基を、塩化メチル、塩化エチル、塩化プロピル、および塩化ブチル、臭化メチル、臭化エチル、臭化プロピル、および臭化ブチル、ならびにヨウ化メチル、ヨウ化エチル、ヨウ化プロピル、およびヨウ化ブチルなどのハロゲン化低級アルキル;硫酸ジメチル、硫酸ジエチル、硫酸ジブチル、および硫酸ジアミルのような硫酸ジアルキル;塩化デシル、塩化ラウリル、塩化ミリスチル、および塩化ステアリル、臭化デシル、臭化ラウリル、臭化ミリスチル、および臭化ステアリル、ならびにヨウ化デシル、ヨウ化ラウリル、ヨウ化ミリスチル、およびヨウ化ステアリルなどの長鎖ハロゲン化物;ならびに臭化ベンジルおよび臭化フェネチルのようなハロゲン化アラルキルなどの作用物質で、四級化することもできる。
本発明のペプチドまたはペプチド変異体のカルボキシル基の塩は、1当量または複数の当量の所望の塩基、例えば、金属水酸化物塩基、例えば水酸化ナトリウム、金属炭酸塩もしくは金属重炭酸塩、例えば、炭酸ナトリウムもしくは重炭酸ナトリウム、またはアミン塩基、例えば、トリエチルアミンおよびトリエタノールアミンなどとペプチドを接触させることにより、通常の様式で調製することができる。
本発明のペプチドまたはペプチド変異体のアミノ基のN−アシル誘導体は、N−アシルで保護されたアミノ酸を最終の縮合のために利用することによって、または保護されたアミノ酸もしくは保護されていないアミノ酸をアシル化することによって、調製することができる。O−アシル誘導体は、例えば、遊離のヒドロキシペプチドまたはペプチド樹脂のアシル化によって調製することができる。いずれのアシル化も、ハロゲン化アシル、アシル無水物、およびアシルイミダゾールなど標準的なアシル化試薬を用いて実施することができる。
本発明は、説明したペプチドの活性な薬学的化学種のためのプロドラッグを含む。例えば、プロドラッグでは、1つまたは複数の官能基は保護または誘導体化されているが、カルボン酸のエステルがin vivoで遊離酸に変換可能である例、または保護されたアミンが遊離アミノ基に変換可能である例のように、in vivoでその官能基に変換され得る。本明細書において用いられる場合、「プロドラッグ」という用語は、例えば血液中での加水分解により、in vivoで親構造体に急速に変換される特定の構造体を表す。詳細な考察は、T.HiguchiおよびV.Stella、Pro−drugs as Novel Delivery Systems、A.C.S.Symposium Seriesの第14巻、Edward B.Roche編、Bioreversible Carriers in Drug Design、American Pharmaceutical AssociationおよびPergamon Press、1987年、H Bundgaard編、Design of Prodrugs、Elsevier、1985年、ならびにJudkinsら、Synthetic Communications、26(23)、4351〜4367頁(1996年)において提供され、各文献は参照により本明細書に組み込まれる。
したがって、プロドラッグには、可逆的な誘導体に変換された官能基を有する薬物が含まれる。典型的には、このようなプロドラッグは、加水分解によって活性薬物に変換される。また、プロドラッグには、酸化反応または還元反応によって活性薬物に変換可能な化合物も含まれる。例として、次のものを挙げることができる:酸化的活性化、N−脱アルキルおよびO−脱アルキル、酸化的脱アミノ、N−酸化、エポキシ化、還元的活性化、アゾ還元、スルホキシド還元、ジスルフィド還元、生体内還元的アルキル化、ならびにニトロ還元。
また、プロドラッグの代謝活性化として挙げるべきは、ヌクレオチド活性化、リン酸化活性化、および脱炭酸活性化である。
保護基の使用は、「Protective Groups in Organic Chemistry」、J W F McOmie編、Plenum Press(1973年)ならびに「Protective Groups in Organic Synthesis」、第2版、T W GreeneおよびP G M Wutz、Wiley−Interscience(1991年)において十分に説明されている。
したがって、説明したペプチドの保護された誘導体は、それ自体としては薬理学的活性を有していない可能性があるが、例えば非経口的にまたは経口的に投与され、その後、体内で代謝されて、薬理学的に活性な化合物を形成し得ることが当業者には理解されるであろう。したがって、このような誘導体は、「プロドラッグ」の例である。所望の化合物のAUプロドラッグは、本発明の範囲内に含まれる。
また、本発明の組成物は、1つまたは複数の薬学的に許容される担体、賦形剤、補助剤または希釈剤も含む。「薬学的に許容される」という表現は、本明細書において、適切な医学的判断の範囲内で、過剰な毒性、刺激、アレルギー反応も、他の問題および困難な状況も伴うことなく、ヒトまたは場合によっては動物の組織と接触して使用するのに適し、妥当なベネフィット/リスク比に見合っている、化合物、材料、組成物、および/または剤形を意味するために用いられる。
本発明の治療的ペプチドが経口投与用に調製される場合、通常それらは、薬学的に許容される担体、希釈剤、または賦形剤と混合されて、薬学的製剤または単位剤形を形成する。経口投与の場合、ペプチドは、散剤、顆粒形成物、液剤、懸濁剤、乳剤として、またはチューインガムから活性成分を摂取するために天然もしくは合成のポリマーもしくは樹脂中に存在してよい。また、活性ペプチドは、大型丸剤、舐剤、またはパスタ剤として提供されてもよい。また、経口投与される本発明の治療的ペプチドは、持続放出用に製剤化することもでき、例えば、ペプチドをコーティングするか、マイクルカプセル化するか、またはさもなければ、持続的送達デバイス内に入れることができる。このような製剤中の活性成分の総量は、製剤の0.1重量%から99.9重量%を構成する。
したがって、本発明の治療的ペプチドを含む1つまたは複数の適切な単位剤形は、経口、非経口(皮下、静脈内、筋肉内、および腹腔内を含む)、直腸、皮膚、経皮、胸腔内、肺内、粘膜、眼内、および鼻腔内(呼吸器)経路を含む様々な経路によって投与することができる。また、治療的ペプチドは、脂質製剤中に、または持続放出用に製剤化することもできる(例えば、マイクロカプセル化による。参照により本明細書に組み込まれるWO94/07529および米国特許第4,962,091号を参照されたい)。必要に応じて、製剤は、別々の単位剤形で簡便に提供されてよく、製薬分野に周知である方法のいずれかによって調製され得る。このような方法は、治療剤を液体担体、固体マトリクス、半固体担体、微粉砕された固体担体、またはそれらの組み合わせと混合し、次いで、必要な場合には、その生成物を所望の送達系に導入するかまたは所望の送達系に形作るステップを含み得る。
本発明の治療的ペプチドを含有する薬学的製剤は、周知で容易に入手可能な成分を用いて、当技術分野において知られている手順によって調製することができる。例えば、ペプチドは、一般的な賦形剤、希釈剤、または担体と共に製剤化し、錠剤、カプセル剤、液剤、懸濁剤、散剤、および噴霧剤などに形成することができる。このような製剤に適している賦形剤、希釈剤、および担体の例には、緩衝剤、ならびに充填剤および増量剤、例えば、デンプン、セルロース、糖、マンニトール、およびケイ酸誘導体が含まれる。また、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、および他のセルロース誘導体、アルギナート、ゼラチン、およびポリビニルピロリドンなどの結合剤も含まれてよい。グリセロールなどの保湿剤、炭酸カルシウムおよび重炭酸ナトリウムなどの崩壊剤が含まれてよい。また、パラフィンなどの溶解遅延剤も含まれてよい。また、四級アンモニウム化合物などの再吸収促進剤も含まれてよい。セチルアルコールおよびモノステアリン酸グリセロールなどの表面活性剤が含まれてよい。カオリンおよびベントナイトなどの吸着性担体が添加されてよい。また、タルク、ステアリン酸カルシウムおよびステアリン酸マグネシウム、ならびに固体ポリエチルグリコールなどの滑沢剤も含まれてよい。また、保存剤も添加されてよい。また、本発明の組成物は、セルロースおよび/またはセルロース誘導体などの増粘剤を含有してもよい。また、それらは、キサンタンガム、グアーガム、もしくはカルボガム(carbo gum)またはアラビアガムなどのガム、あるいは、ポリエチレングリコール、ベントン(bentone)、およびモンモリロナイトなども含有してよい。
例えば、本発明のペプチドを含有する錠剤またはカプレットは、炭酸カルシウム、酸化マグネシウム、および炭酸マグネシウムなどの緩衝剤を含んでよい。また、適切な緩衝剤には、塩形態の酢酸、塩の形態のクエン酸、塩形態のホウ酸、および塩形態のリン酸が含まれ得る。また、カプレットおよび錠剤は、セルロース、アルファ化デンプン、二酸化ケイ素、ヒドロキシルプロピルメチルセルロース、ステアリン酸マグネシウム、微結晶性セルロース、デンプン、タルク、二酸化チタン、安息香酸、クエン酸、トウモロコシデンプン、鉱物油、ポリプロピレングリコール、リン酸ナトリウム、およびステアリン酸亜鉛などの不活性成分も含んでよい。少なくとも1つの本発明のペプチドを含有する硬ゼラチンカプセル剤または軟ゼラチンカプセル剤は、ゼラチン、微結晶性セルロース、ラウリル硫酸ナトリウム、デンプン、タルク、および二酸化チタンなどの不活性成分、ならびにポリエチレングリコール(PEG)および植物油などの液体ビヒクルを含有してよい。さらに、本発明の1つまたは複数のペプチドを含有する腸溶コーティングされたカプレットまたは錠剤は、胃中での崩壊に抵抗し、より中性からアルカリ性の十二指腸環境において溶解するように設計されている。
また、本発明の治療的ペプチドは、簡便な経口投与用のエリキシル剤もしくは液剤として、または例えば筋肉内経路、皮下経路、腹腔内経路、もしくは静脈内経路による非経口投与に適切な液剤として、製剤化することもできる。また、本発明の治療的ペプチドの薬学的製剤は、水性または無水の溶液または分散系の形態、あるいは乳濁液もしくは懸濁液または軟膏の形態をとることもできる。
したがって、治療的ペプチドは、非経口投与(例えば、注射、例としてボーラス注射または持続輸注による)用に製剤化され得、アンプル中、事前に充填されたシリンジ中、容積の小さい輸液容器中、または多回用容器中の単位用量の形態で提供され得る。上記のように、剤形の貯蔵寿命を維持するのを助けるために保存剤を添加することができる。活性ペプチドおよび他の成分は、油性ビヒクルまたは水性ビヒクル中で懸濁剤、液剤、または乳剤を形成してよく、懸濁化剤、安定化剤、および/または分散化剤などの製剤化剤を含有してよい。あるいは、活性ペプチドおよび他の成分は、使用前に適切なビヒクル、例えば、滅菌済みパイロジェンフリー水を用いて構成するための、無菌固体の無菌的単離によって、または溶液の凍結乾燥によって得られる粉末形態で存在してもよい。
必要な場合には、抗酸化剤、界面活性剤、他の保存剤、被膜形成剤、角質溶解剤または面皰分解剤(comedolytic agent)、香料、矯味剤、および着色剤から選択される補助剤を添加することが可能である。t−ブチルヒドロキノン、ブチルヒドロキシアニソール、ブチルヒドロキシトルエン、ならびに[α]−トコフェロールおよびその誘導体などの抗酸化剤を添加することができる。
これらの製剤は、当技術分野において周知である薬学的に許容される担体、ビヒクル、および補助剤を含有してよい。例えば、水に加えて、アセトン、酢酸、エタノール、イソプロピルアルコール、ジメチルスルホキシド、「Dowanol」という名称で販売されている製品などのグリコールエーテル、ポリグリコールおよびポリエチレングリコール、短鎖の酸のC1〜C4アルキルエステル、乳酸エチルまたは乳酸イソプロピル、「Miglyol」という名称で市販されている製品などの脂肪酸トリグリセリド、ミリスチン酸イソプロピル、動物油、鉱物油、および植物油、ならびにポリシロキサンなどの溶媒から選択される、生理的観点から許容される1つまたは複数の有機溶媒を用いて液剤を調製することが可能である。
好ましくは、組成物は、ペプチドを含む溶媒または希釈剤の形態をとることもできる、本発明の治療的ペプチドの薬学的製剤の形態で存在する。溶媒または希釈剤には、酸溶液、ジメチルスルホン、N−(2−メルカプトプロピオニル)グリシン、2−n−ノニル−1,3−ジオキソラン、およびエチルアルコールが含まれ得る。好ましくは、溶媒/希釈剤は、酸性溶媒、例えば、酢酸、クエン酸、ホウ酸、乳酸、プロピオン酸、リン酸、安息香酸、酪酸、リンゴ酸、マロン酸、シュウ酸、コハク酸、または酒石酸である。
本発明の薬学的製剤は、任意選択の成分として、薬学的に許容される担体、希釈剤、可溶化剤または乳化剤、および当技術分野において入手可能なタイプの塩を含んでよい。このような物質の例には、生理学的に緩衝化された食塩水などの生理食塩水および水が含まれる。本発明の薬学的製剤において有用である担体および/または希釈剤の非限定的な具体例には、水および生理学的に許容される緩衝生理食塩水、例えばpH7.0〜8.0のリン酸緩衝化生理食塩水が含まれる。
より好ましくは、溶媒は酢酸溶液である。溶媒、例えば酢酸溶液は、1%未満、0.5%未満、0.25%未満、0.1%未満、0.05%未満、または0.01%未満の濃度の酸、例えば酢酸が組成物中に存在してよい。
本発明の組成物は、1つまたは複数の付加的な抗微生物剤を含んでよい。特に、本発明の組成物は、1つまたは複数の付加的な抗菌剤を含んでよい。
また、1つまたは複数の本発明のペプチドおよび1つまたは複数の他の抗微生物剤、特に1つまたは複数の他の抗菌剤を含む組み合わせ製品も企図される。本発明の組成物は、システアミン(NM001)、ポリアルギニンおよびポリリシン、例えば、10から20kDaのポリ−L−リシンヒドロブロミド(NP108)、15から30kDaのポリ−L−リシンヒドロクロリド(NP101)、および5から15kDaのポリ−L−アルギニンヒドロクロリド(NP121)のうちの1つまたは複数を含んでよい。
さらに、これらのペプチドは、持続放出性剤形などとしての製剤に十分に適している。これらの製剤は、場合によっては一定期間に渡って、例えば腸管または気道の特定の部分において活性ペプチドを放出するように構成され得る。コーティング、外被、および保護マトリクスを、例えば、ポリラクチド−グリコラート、リポソーム、マイクロエマルジョン、微粒子、ナノ粒子、またはワックスなどのポリマー物質から作製することができる。これらのコーティング、外被、および保護マトリクスは、例えば、ステント、カテーテル、腹膜透析管、および排出デバイスなどの留置型デバイスを被覆するために有用である。
局所的投与の場合、活性作用物質は、標的領域への直接的適用のために、当技術分野において知られているようにして製剤化され得る。局所適用向けに主に調節された形態は、例えば、クリーム剤、乳剤、ゲル剤、散剤、分散剤もしくはマイクロエマルジョン、程度の差はあれ増粘したローション剤、含浸パッド、軟膏剤もしくはスティック剤、噴霧製剤(例えばスプレー剤もしくはフォーム剤)、石けん、洗浄剤、ローション剤、または固形せっけんの形をとる。この目的のための他の従来の形態には、創傷被覆材、コーティングされた包帯または他のポリマー被覆、軟膏剤、クリーム剤、ローション剤、パスタ剤、ゼリー剤、スプレー剤、および噴霧剤が含まれる。したがって、本発明の治療的ペプチドは、経皮投与用の貼付剤または包帯を介して送達され得る。あるいは、ペプチドは、ポリアクリル酸またはアクリル酸/酢酸ビニル共重合体などの粘着性ポリマーの一部分となるように製剤化されてもよい。長期適用の場合、皮膚の水和または浸軟が最小化され得るように、微孔性かつ/または通気性の裏当てラミネートを使用することが望ましい場合がある。裏当て層は、所望の保護機能および支持機能を与えると考えられる任意の適切な厚さでよい。通常、適切な厚さは、約10から約200ミクロンである。
局所的投与用の薬学的製剤は、例えば、約0.001mg/mlから約100mg/mlの間、例えば、0.1mg/mlから10mg/mlの間の治療すべき適応症または疾患に特異的な1つまたは複数の本発明のペプチドを含有する、生理学的に許容される緩衝生理食塩水を含んでよい。
例えば、軟膏剤およびクリーム剤は、適切な増粘剤および/またはゲル化剤を添加することにより、水性基剤または油性基剤と共に製剤化することができる。ローション剤は、水性基剤または油性基剤と共に製剤化することができ、通常、1つまたは複数の乳化剤、安定化剤、分散化剤、懸濁化剤、増粘剤、または着色剤も含有する。また、活性ペプチドは、例えば、参照により本明細書に組み込まれる米国特許第4,140,122号、第4,383,529号、または第4,051,842号に開示されているようなイオン導入法によって送達することもできる。局所製剤中に存在する本発明の治療剤の重量パーセンテージは、様々な因子に応じて変わるが、通常、製剤の総重量の0.01%から95%、典型的には0.1から85重量%である。
点眼剤または点鼻剤などの点滴剤は、1つまたは複数の分散化剤、可溶化剤、または懸濁化剤も含む水性基剤または非水性基剤中に溶かした1つまたは複数の治療的ペプチドを用いて製剤化され得る。液体スプレーは、ポンプによって供給するか、または便宜的に加圧パックから送達することができる。点滴剤は、単純なキャップ付き点眼器ボトル、液体内容物を液滴として送達するのに適したプラスチックボトル、または特殊な形状をしたふた(closure)を介して送達することができる。
さらに、治療的ペプチドは、口または咽頭への局所的投与のために製剤化することもできる。例えば、風味付き基剤、通常スクロースおよびアラビアゴムまたはトラガカントゴムをさらに含むトローチ剤、ゼラチンおよびグリセリンまたはスクロースおよびアラビアゴムなどの不活性な基剤中に組成物を含む香錠、ならびに適切な液体担体中に本発明の組成物を含む洗口剤として、活性成分を製剤化することができる。また、本発明のペプチドは、気道に投与することもできる。したがって、本発明はまた、本発明の方法において使用するための噴霧型の薬学的製剤および剤形も提供する。通常、このような剤形は、特定の感染症、適応症、または疾患の臨床症状を治療または予防するのに有効な量の少なくとも1つの本発明の作用物質を含む。本発明の方法に従って治療された感染症、適応症、または疾患の1つまたは複数の症状の統計学的に有意な任意の軽減が、本発明の範囲に含まれるこのような感染症、適応症、または疾患の治療であるとみなされる。
あるいは、吸入または吹送による投与の場合、組成物は、乾燥粉末、例えば、治療剤とラクトースまたはデンプンなどの適切な粉末基剤との粉末混合物の形態をとることができる。この粉末組成物は、例えば、カプセルもしくはカートリッジ、または例えばゼラチンもしくはブリスターパックに入れられた単位剤形として提供されてよく、吸入器、吹送器、または定量吸入器の助けを借りて、その中の粉末が投与され得る(例えば、Newinan,S.P.、Aerosols and the Lung、Clarke,S.W.およびDavia,D.編、197〜224頁、Butterworths、London、England、1984年で開示されている加圧式定量噴霧式吸入器(MDI)および乾燥粉末吸入器を参照されたい)。
また、本発明の治療的ペプチドは、噴霧剤または吸入剤の形態で投与される場合、水溶液の状態で投与することもできる。したがって、他の噴霧型の薬学的製剤は、例えば、約0.001mg/mlから約100mg/mlの間の治療すべき適応症または疾患に特異的な1つまたは複数の本発明のペプチドを含有する、生理学的に許容される緩衝生理食塩水を含んでよい。また、液体中に溶解も懸濁もされていない微粉砕された固体ペプチド粒子または固体核酸粒子の形態の乾燥噴霧剤も、本発明を実践する際に有用である。本発明のペプチドは散布剤として製剤化してもよく、平均粒径が約1μmから5μmの間、あるいは2μmから3μmの間の微粉砕粒子を含んでよい。微粉砕粒子は、当技術分野において周知の技術を用いた粉末化およびスクリーン濾過によって調製することができる。これらの粒子は、所定量の微粉砕された材料(粉末形態で存在してよい)を吸入することによって投与され得る。必要な有効量は、複数の単位用量を投与することによって達成できるため、各剤形の個々の噴霧剤用量に含有される1つまたは複数の活性成分の単位含有量が、それ自体で、特定の感染症、適応症、または疾患を治療するための有効量に相当する必要はないことは、理解されるであろう。さらに、有効量は、個別にまたは一連の投与において、剤形中の用量未満の量を用いて達成してもよい。
吸入による上気道(鼻)または下気道への投与の場合、本発明の治療的ペプチドは、ネブライザーもしくは加圧パック、または噴霧スプレーを送達する他の簡便な手段によって便宜的に送達される。加圧パックは、ジクロロジフルオロメタン、トリクロロフルオロメタン、ジクロロテトラフルオロエタン、二酸化炭素、または他の適切な気体などの適切な噴射剤を含んでよい。加圧噴霧剤の場合、投薬単位は、定量を送達するための弁を提供することにより決定され得る。ネブライザーには、限定されるわけではないが、参照により本明細書に組み込まれる米国特許第4,624,251号、第3,703,173号、第3,561,444号、および第4,635,627号において説明されるものが含まれる。本明細書において開示されるタイプの噴霧剤送達系は、Fisons Corporation(Bedford、Mass.)、Schering Corp.(Kenilworth、NJ)、およびAmerican Pharmoseal Co.(Valencia、CA)を含む多数の商業的供給業者から入手可能である。また、鼻腔内投与の場合、治療剤は、プラスチックボトル性のアトマイザーまたは定量吸入器などによって点鼻剤、液体スプレーとして投与することもできる。典型的なアトマイザーはMistometer(Wintrop)およびMedihaler(Riker)である。
さらに、活性成分は、記載されている状態または何らかの他の状態のいずれについても、他の治療剤、例えば、鎮痛剤、抗炎症剤、抗ヒスタミン剤、および気管支拡張剤などと組み合わせて使用することもできる。
抗微生物的使用
本発明のさらなる態様によると、治療法または予防法において使用するために前述のペプチドが提供される。
本発明のさらなる態様によると、抗微生物性の感染症または状態を治療または予防する際に使用するために前述のペプチドが提供される。通常、本発明のペプチドは、抗微生物性の感染症または状態を治療または予防する際に使用するために、容器に入れられ、提供される。
本発明のさらなる態様によると、本発明のペプチドを必要とする患者に投与するステップを含む、抗微生物性の感染症または状態を治療または予防する方法が提供される。
本発明のペプチドは、とりわけ、抗微生物ペプチドとして、例えば、細菌、真菌、酵母、寄生虫、原生動物、およびウイルスに対して有用である。「抗微生物ペプチド」という用語は、本明細書において、殺菌活性および/または微生物抑制活性を有する任意のペプチドを定義するために使用することができ、抗細菌、抗真菌、抗糸状菌、抗寄生虫、抗原生動物、抗ウイルス、抗感染性、感染予防性、および/または殺菌性、殺藻性、殺アメーバ性、殺微生物性、殺細菌性、殺真菌性、殺寄生生物性、殺原生動物性(protozoacidal)、殺原虫性(protozoicidal)の特性を有するものとして説明される任意のペプチドを非排他的に包含する。
「微生物感染症」とは、細菌、寄生虫、原生動物、ウイルスまたは真菌の病原体によって引き起こされる感染症を意味する。通常、「病原体」とは、疾患を引き起こす任意の生物と定義される。特に、本発明のペプチドは、抗菌ペプチドとして有用である。
したがって、本発明はさらに、医薬品として使用するための本発明によるペプチドを提供する。本発明のペプチドは、in vivo、in vitro、およびex vivoのいずれでも抗微生物剤として適用され得る。
細菌病原体は、Staphylococcus属種、例えばStaphylococcus aureus、Staphylococcus epidermidis;Enterococcus属種、例えばEnterococcus faecalis、Enterococcus faecium;Streptococcus pyogenes;Listeria属種;Pseudomonas属種、例えばPseudomonas aeruginosa;Mycobacterium属種、例えばMycobacterium tuberculosis;Enterobacter属種;Klebsiella属種、例えばKlebsiella pneumonia;Campylobacter属種;Salmonella属種;Streptococcus属種、例えばStreptococcus A群またはB群、Streptoccocus pneumoniae;Stenotrophomonas属種、Stenotrophomonas maltophilia;Helicobacter属種、例えばHelicobacter pylori;Neisseria属種、例えばNeisseria gonorrhea、Neisseria meningitidis;Borrelia burgdorferi;Shigella属種、例えばShigella flexneri;Escherichia coli;Haemophilus属種、例えばHaemophilus influenzae;Chlamydia属種、例えばChlamydia trachomatis、Chlamydia pneumoniae、Chlamydia psittaci;Francisella fularensis;Bacillus属種、例えばBacillus anthracis;Clostridia属種、例えばClostridium botulinum、Clostridium perfringens、Clostridium difficile;Yersinia属種、例えばYersinia pestis;Treponema属種;Burkholderia属種、例えばBurkholderia mallei、B.cepacia、B.cepacia菌群、およびB.pseudomallei;Acinetobacter属種、例えばA.baumaniiおよびA.calcoaceticus;Achromobacter属種、Achromobacter xylosoxidansからなる群から選択される細菌種に由来し得る。
細菌病原体は、グラム陰性細菌でもグラム陽性細菌でもよい。グラム陰性細菌は、Pseudomonas属種(特にPseudomonas aeruginosa);Burkholderia属種(特にBurkholderia cepacia);Acinetobacter属種、例えばA.baumaniiおよびA.calcoaceticus;Streptococcus属種、例えばStreptococcus A群またはB群、Streptoccocus pneumoniae;Stenotrophomonas属種、Stenotrophomonas maltophilia;ならびにAchromobacter属種、例えばAchromobacter xylosoxidansからなる群から選択され得る。
グラム陽性細菌は、Staphylococcus属種(特にStaphylococcus aureusおよびStaphylococcus epidermidis);Escherichia coli;Clostridia属種、例えばClostridium botulinum、Clostridium perfringens、Clostridium difficile;およびEnterococcus属種、例えばEnterococcus faecalis、Enterococcus faeciumからなる群から選択され得る。
細菌病原体は、Staphylococcus属種(特にStaphylococcus aureusおよびStaphylococcus epidermidis);Pseudomonas属種(特にPseudomonas aeruginosa);Burkholderia属種(特にBurkholderia cepacia);Escherichia coli;Acinetobacter属種、例えばA.baumaniiおよびA.calcoaceticus;Clostridia属種、例えばClostridium botulinum、Clostridium perfringens、Clostridium difficile;Enterococcus属種、例えばEnterococcus faecalis、Enterococcus faecium;Streptococcus属種、例えばStreptococcus A群またはB群、Streptoccocus pneumoniae;Stenotrophomonas属種、Stenotrophomonas maltophilia;ならびにAchromobacter属種、Achromobacter xylosoxidansからなる群から選択され得る。
細菌病原体は、Staphylococcus属種(特にStaphylococcus aureusおよびStaphylococcus epidermidis)およびPseudomonas属種(特にPseudomonas aeruginosa)からなる群から選択され得る。
抗微生物性の疾患または状態/感染症は、せつ、フルンケル、蜂巣炎、膿痂疹、院内感染症、菌血症、肺炎、骨髄炎、心内膜炎、髄膜炎、膿瘍、嚢胞性線維症(特に、嚢胞性線維症患者における肺感染症)、胃腸感染症、尿生殖器感染症、敗血症、咽頭炎、壊死性筋膜炎、急性糸球体腎炎、中耳炎、創傷、炭疽、脳炎、ジフテリア、ガス壊疽、ボツリヌス中毒、および破傷風からなる群から選択され得る。
あるいは、本発明のペプチドは、淋病、髄膜炎、肺炎、中耳炎、骨髄炎、嚢胞性線維症(特に嚢胞性線維症患者における肺感染症)、尿生殖器感染症、腹膜炎、結膜炎、敗血症、性病、菌血症、院内感染症、赤痢、胃腸感染症、腸チフス、肺ペスト、創傷、コレラ、腎感染症、類鼻疽(meliodiosis)、結膜炎、百日咳、野兎病、ブルセラ症、レジオネラ病、消化性潰瘍疾患、チフス、咽頭炎からなる群から選択される疾患または状態を治療または緩和するのに使用され得る。
重症熱傷患者、癌患者、嚢胞性線維症患者、またはエイズ患者における尿路感染症、気道感染症、皮膚炎、軟部組織感染症、菌血症、骨および関節の感染症、胃腸感染症、ならびに全身性の細菌感染症からなる群から選択される疾患または状態を含む、治療すべき疾患または状態は、日和見性細菌感染によってもたらされるか、または引き起こされ得る。
本発明のペプチドは、グラム陽性微生物病原体、特に細菌病原体に対して32μg/ml以下の最小阻害濃度(MIC)を有し得る。通常、これらのペプチドは、グラム陽性微生物病原体に対して20μg/ml以下、典型的には16μg/ml以下、適切には10μg/ml以下のMICを有する。有利には、本発明のペプチドは、グラム陽性微生物病原体、特にグラム陽性細菌病原体に対して約8μg/mlのMICを有する。
本発明のペプチドは、グラム陰性微生物病原体、特に細菌病原体に対して70μg/ml以下の最小阻害濃度(MIC)を有し得る。通常、これらのペプチドは、グラム陰性微生物病原体に対して50μg/ml以下、典型的には40μg/ml以下、適切には30μg/ml以下のMICを有する。有利には、本発明のペプチドは、グラム陰性微生物病原体、特にグラム陰性細菌病原体に対して30μg/ml未満のMICを有する。
通常、MICはpH7前後で測定される。
本発明のペプチドは、グラム陰性細菌病原体およびグラム陽性細菌病原体に対して250μg/ml以下の最小殺菌濃度(MBC)を有し得る。通常、これらのペプチドは、グラム陰性細菌病原体およびグラム陽性細菌病原体に対して125μg/ml以下、典型的には100μg/ml以下、適切には60μg/ml以下のMICを有する。有利には、本発明のペプチドは、グラム陰性細菌病原体およびグラム陽性細菌病原体に対して40μg/ml未満のMICを有する。
ウイルス病原体は、ヒト免疫不全ウイルス(HTV1および2)、ヒトT細胞白血病ウイルス(HTLV1および2)、エボラウイルス、ヒトパピローマウイルス(例えば、HPV−2、HPV−5、HPV−8、HPV−16、HPV−18、HPV−31、HPV−33、HPV−52、HPV−54、およびHPV−56)、パポバウイルス、ライノウイルス、ポリオウイルス、ヘルペスウイルス、アデノウイルス、エプスタイン・バーウイルス、インフルエンザウイルス、B型肝炎ウイルスおよびC型肝炎ウイルス、天然痘ウイルス、ロタウイルス、またはSARSコロナウイルスからなる群から選択されるウイルスに由来し得る。
寄生虫病原体は、Trypanosoma属種(Trypanosoma cruzi、Trypansosoma brucei)、Leishmania属種、Giardia属種、Trichomonas属種、Entamoeba属種、Naegleria属種、Acanthamoeba属種、Schistosoma属種、Plasmodium属種、Crytosporidium属種、Isospora属種、Balantidium属種、Loa Loa、Ascaris lumbricoides、Dirofilaria immitis、Toxoplasma属種、例えばToxoplasma gondiiからなる群から選択される寄生虫病原体に由来し得る。真菌病原体は、Candida属種(例えば、C.albicans)、Epidermophyton属種、Exophiala属種、Microsporum属種、Trichophyton属種(例えば、T.rubrumおよびT.interdigitale)、Tinea属種、Aspergillus属種、Blastomyces属種、Blastoschizomyces属種、Coccidioides属種、Cryptococcus属種、Histoplasma属種、Paracoccidiomyces属種、Sporothrix属種、Absidia属種、Cladophialophora属種、Fonsecaea属種、Phialophora属種、Lacazia属種、Arthrographis属種、Acremonium属種、Actinomadura属種、Apophysomyces属種、Emmonsia属種、Basidiobolus属種、Beauveria属種、Chrysosporium属種、Conidiobolus属種、Cunninghamella属種、Fusarium属種、Geotrichum属種、Graphium属種、Leptosphaeria属種、Malassezia属種、Mucor属種、Neotestudina属種、Nocardia属種、Nocardiopsis属種、Paecilomyces属種、Phoma属種、Piedraia属種、Pneumocystis属種、Pseudallescheria属種、Pyrenochaeta属種、Rhizomucor属種、Rhizopus属種、Rhodotorula属種、Saccharomyces属種、Scedosporium属種、Scopulariopsis属種、Sporobolomyces属種、Syncephalastrum属種、Trichoderma属種、Trichosporon属種、Ulocladium属種、Ustilago属種、Verticillium属種、Wangiella属種の真菌病原体に由来し得る。
微生物感染症は、全身性、局所的、皮下、皮膚、または粘膜の真菌感染症であり得る。
真菌感染症は、全身性のもの、すなわち感染が深在性であり、内部臓器に影響を及ぼすもの、もしくは血液由来のもの、または局所的な(皮膚糸状菌による)もの、すなわち感染が表在性であり皮膚上で発生するものに分類することができる。さらに、酵母感染症は、身体の粘膜を冒し得る。酵母感染症もまた、全身性であり得る(例えば、カンジダ血症および他のしばしば致死的な状態)。皮膚上の真菌感染症は、通常、クリーム剤または軟膏剤(局所的抗真菌薬)で治療される。しかし、クリーム剤または軟膏剤による治療後に治癒しない全身性感染症、酵母感染症、または局所的感染症は、全身用抗真菌薬(経口またはIV)で治療する必要がある場合がある。これらの薬物は、例えば、皮膚上で発生する輪癬(白癬)または咽頭、腟、もしくは他の身体部分で発生し得るカンジダ症(酵母感染症、鵞口瘡としても知られている)などの一般的な真菌感染症を治療するのに使用される。また、全身用抗真菌薬は、肺および他の臓器を冒し得るヒストプラスマ症、ブラストミセス症、およびアスペルギルス症など他の深在性真菌感染症を治療するのにも使用される。これらは、免疫系が弱っている者、例えば、骨髄移植患者または臓器移植患者およびHIV−エイズに罹患している者における真菌感染症を予防または治療するのに使用されることがある。
局所的真菌感染症または皮膚糸状菌真菌感染症は、一般的には死亡の原因でも重篤な疾患の原因でもないが、蔓延しており、治療に費用がかかり得るため、経済的に重要である。局所的真菌感染症または表在性真菌感染症には、皮膚、層板(lamina)、角質層、爪、および毛髪のものが含まれ得る。皮膚感染症は、皮膚、指の爪、および足指爪の感染症である。
本発明の好ましい態様において、真菌感染症は爪真菌症である。爪真菌症は、限定されるわけではないが、Trichophyton属種に由来する真菌が原因で生じ得る。例えば、真菌は、Trichophyton interdigitaleまたはTrichophyton rubrumであり得る。
「爪真菌症」という用語は、限定されるわけではないが、遠位側縁部爪下型、表在性白色型、近位部白色爪下型、続発性異栄養性、原発性異栄養性、全層性、カンジダ性(例えば、爪甲離床症および慢性皮膚粘膜疾患)の爪真菌症を含む。爪真菌症は、腕/下肢の急性細菌性蜂巣炎および他の続発性細菌感染症など、より重篤な臨床的合併症の重大なリスク要因として示されており、したがって、本発明は、これらの感染症の治療を包含する。
「治療」という用語は、患者の状態の改善または疾患進行の遅延を含めて、(感染性)疾患に罹患した患者に利益を与える、本明細書において説明するペプチドの効果に関する。
塩を含めて、本発明のペプチドは、感染症、適応症、もしくは疾患に付随する少なくとも1つの症状の軽減または適応症もしくは疾患に関連する抗体の量の減少を実現するように投与される。
また、本発明のペプチドは、とりわけ、創傷、潰瘍、および病変、例えば、切り傷または熱傷などの皮膚創傷、ならびにそれらに関連した状態の治療または予防においても有用であり得る。
「治療」という用語は、患者の状態の改善または疾患進行の遅延を含めて、(感染性)疾患に罹患した患者に利益を与える、本明細書において説明するペプチドの効果に関する。
本明細書において用いられる場合、「創傷の治療」は、創傷治癒および関連した状態、ならびに組織の治癒を促進、増強、または加速し、手術後の瘢痕化、熱傷、乾癬、例えば美容整形および臓器移植後の組織再構築の加速を含む治療法を含み得る。
したがって、本発明のさらなる態様において、本発明のペプチドが塗布または接着されている支持体が提供される。好ましくは、支持体は、創傷への適用または創傷部位への送達に適している。好ましくは、支持体によって、支持体から創床への本発明のペプチドの移動が可能になり、それらの抗生物質効果が実現する。支持体は、包帯、例えば創傷用の包帯であり得る。包帯は、布材料を含み得るか、またはコラーゲン様の材料であり得る。
また、本発明のペプチドは、殺菌剤として/において適用され得る。この場合、本発明のペプチドまたは薬学的組成物は、単独で、または他の殺菌作用物質と組み合わせて、処理される表面に適用され得る。本明細書において用いられる場合、「処理される表面」は、本明細書において定義される支持体または医療用デバイスであり得る。さらなる態様において、本発明は、治療有効量の本発明によるペプチドを対象に投与するステップを含む、対象において微生物感染症を治療または予防する方法を提供する。
哺乳動物、トリ、および他の動物が、本明細書において説明するペプチド、組成物、または方法によって治療され得る。このような哺乳動物およびトリには、ヒト、イヌ、ネコ、ならびに家畜、例えば、ウマ、ウシ、ヒツジ、ヤギ、ニワトリ、およびシチメンチョウなどが含まれる。さらに、植物も、本発明のペプチド、組成物、または方法によって治療され得る。
対象が動物である場合、本発明のペプチドは局所的または全身的に投与され得る。特に、ペプチドは、動物の肌または限定されるわけではないが、蹄、鉤爪、およびブタやヒツジの足を含めて、爪に特徴が似た部分に適用され得る。
本発明のペプチドは、通常、非毒性であり、通常、哺乳動物、トリ、動物、および植物によって十分に許容される。典型的には、本発明のペプチドは、2から10mg/kg以上、適切には2から6mg/kgの用量で十分に許容される。例えば、ペプチドNP432は、約5mg/kgの用量でマウスに対して非致死的であることが判明した。
所望の効果を実現するために、ペプチド、その変異体、またはその組み合わせは、例えば、少なくとも約0.01mg/kg体重から約500から750mg/kg体重、少なくとも約0.01mg/kg体重から約300から500mg/kg体重、少なくとも約0.1mg/kg体重から約100から300mg/kg体重、もしくは少なくとも約1mg/kg体重から約50から100mg/kg体重、または少なくとも約1mg/kg体重から約20mg/kg体重の単一のまたは分割された投薬量として投与することができる。ただし、他の投薬量が有益な結果をもたらす場合もある。投与される量は、限定されるわけではないが、選択されるペプチドおよびその臨床的効果、哺乳動物の疾患、体重、身体状態、健康、年齢、実現すべきが予防であるか治療であるか、ならびにそのペプチドが化学的に修飾されているかを含む様々な因子によって変化する。このような因子は、臨床医が臨床試験の実験データを検討し、前臨床的動物モデルの結果または当技術分野において入手可能である他の試験系を検討することによって容易に決定することができる。
本発明に従う治療剤の投与は、例えば、受容者の生理的状態、投与目的が治療であるか予防であるか、および当業者に知られている他の因子に応じて、単回投与で、複数回投与で、連続的に、または間欠的に行ってよい。本発明のペプチドの投与は、予め選択した期間に渡って本質的に連続的でもよく、または間隔を空けて連続的に投与してもよい。局所投与および全身投与の両方が企図される。
組成物を調製するために、ペプチドは合成されるか、または別の方法で獲得され、必要または所望に応じて精製され、次いで、通常は凍結乾燥され安定化される。次いで、ペプチドは、適切な濃度に調整され得、場合によっては他の作用物質と組み合わせられ得る。単位用量中に含まれる所与のペプチドの絶対重量には、大きな幅があり得る。例えば、約0.01から約2gまたは約0.01から約500mgの少なくとも1つの本発明のペプチドまたは特定の細胞型に特異的な複数のペプチドを投与することができる。あるいは、単位投薬量は、約0.01gから約50g、約0.01gから約35g、約0.1gから約25g、約0.5gから約12g、約0.5gから約8g、約0.5gから約4g、または約0.5gから約2gまで様々でよい。
本発明のペプチドの日用量も同様に様々でよい。このような日用量は、例えば、約0.001g/日から約100g/日または50g/日、約0.1g/日から約25g/日、約0.1g/日から約12g/日、約0.1g/日から約5g/日、約0.1g/日から約2.5g/日、約0.1g/日から約2g/日、約0.5g/日から約8g/日、約0.5g/日から約4g/日、約0.5g/日から約2g/日、および約0.5g/日から約1g/日までの範囲であってよい。
相乗効果
好ましくは、組成物は、本発明のペプチドと相乗的に作用する1つまたは複数の抗微生物剤を含む。典型的には、相乗効果により、抗微生物効果が増大する。通常、組み合わせた作用物質は、2つ以上の作用物質の加算された抗微生物特性より少なくとも10%高い、2つ以上の作用物質の加算された抗微生物特性より典型的には少なくとも20%高い、適切には少なくとも30%高い、有利には少なくとも50%高い抗微生物特性を伴う。
通常、抗微生物剤は、抗菌剤であり、組成物は、相乗的に高い抗菌効果を示す。
相乗的に高い抗菌効果は、以下からなる群のうちの1つに関して明らかであり得る:Staphylococcus属種、例えばStaphylococcus aureus、Staphylococcus epidermidis;Enterococcus属種、例えばEnterococcus faecalis、Enterococcus faecium;Streptococcus pyogenes;Listeria属種;Pseudomonas属種、例えばPseudomonas aeruginosa;Mycobacterium属種、例えばMycobacterium tuberculosis;Enterobacter属種;Klebsiella属種、例えばKlebsiella pneumonia;Campylobacter属種;Salmonella属種;Streptococcus属種、例えばStreptococcus A群またはB群、Streptoccocus pneumoniae;Stenotrophomonas属種、Stenotrophomonas maltophilia;Helicobacter属種、例えばHelicobacter pylori;Neisseria属種、例えばNeisseria gonorrhea、Neisseria meningitidis;Borrelia burgdorferi;Shigella属種、例えばShigella flexneri;Escherichia coli;Haemophilus属種、例えばHaemophilus influenzae;Chlamydia属種、例えばChlamydia trachomatis、Chlamydia pneumoniae、Chlamydia psittaci;Francisella fularensis;Bacillus属種、例えばBacillus anthracis;Clostridia属種、例えばClostridium botulinum、Clostridium perfringens、Clostridium difficile;Yersinia属種、例えばYersinia pestis;Treponema属種;Burkholderia属種、例えばBurkholderia mallei、B.cepacia、B.cepacia菌群、およびB.pseudomallei;Acinetobacter属種、例えばA.baumaniiおよびA.calcoaceticus;Achromobacter属種、Achromobacter xylosoxidans。
相乗効果は、P.aeruginosa細菌、S.epidermidis細菌、およびS.aureus細菌に関して特に明らかであり得、このような細菌病原体を含む細菌バイオフィルムに対するものを含む。
あるいは、組み合わされた作用物質に伴う毒性が驚くほど低いことからも、相乗効果は明らかであり得る。通常、組み合わされた作用物質は、2つ以上の作用物質の加算された付随毒性より少なくとも10%低い、2つ以上の作用物質の加算された付随毒性より典型的には少なくとも20%低い、適切には少なくとも30%低い、有利には少なくとも50%低い毒性を伴う。
相乗効果は、本発明の1つまたは複数のペプチドと1つまたは複数の他の抗菌ペプチドとの組み合わせによって提示され得る。
一実施形態によると、抗菌ペプチドは、以下の式:
((X)l(Y)m)n
(式中、lおよびmは、1から10の整数、例えば0から5であり、nは、1から10の整数であり、XおよびYは、同一であっても異なっていてもよく、疎水性アミノ酸および/または陽イオン性アミノ酸からなる群から選択されるアミノ酸である)
に従うことができる。本発明の好ましい態様において、抗菌ペプチドは、3個から200個のアミノ酸、例えば、3個、4個、5個、6個、または7個から100個までのアミノ酸を含み、これには、3個、4個、5個、6個、または7個から20個、25個、30個、35個、40個、または42個までのアミノ酸が含まれる。抗菌ペプチドは、100個から200個のアミノ酸、27個から100個のアミノ酸、28個から86個のアミノ酸、7個から27個のアミノ酸、または3個から14個のアミノ酸を含み得る。典型的には、抗菌ペプチドは、3個から15個のアミノ酸(例えば13個から15個)、例えば3個から7個のアミノ酸を含む。XおよびYは、フェニルアラニンおよびアルギニンから選択されてよい。Xはフェニルアラニンアミノ酸でよく、Yはアルギニンアミノ酸でよい。
一実施形態によると、1つまたは複数のシステアミン(NM001)、ポリアルギニン、およびポリリシン、例えば、10から20kDaのポリ−L−リシンヒドロブロミド(NP108)と共に、群RRRFRFFFRFRRR、HHHFRFFFRFRRR、KKFPWRLRLRYGRR、RRRRRFFFRFRRR、RRRFRFRFRFRRR、RRRFRFPFRFRRR、RRFRRFFFRRFRR、RRRRFFFRRRR、RRRRFRFRRRR、RRRRFPFRRRR、RRFRRRFRRFR、RRFRRRFRRFG、RRFGRRFRRFG、RRFRRFRRRFG、RRFRRFRRRFR、FRRRRFFFRFRRR、RRRRRFFFRRRRF、FFFFRRRRRFRRR、RRRRFFFFFRRRR、FRRRRFFFRRRRF、RRRYRYYYRYRRR、RRRARAAARARRR、RRRFRRRRRFFFF、RRRFFFFFFFRRRおよびRRRFRFFFRFRRR−システアミンから選択されるアミノ酸配列を含むペプチドを含む、相乗的組成物が提供される。
一実施形態によると、組成物は、RRRFRFFFRFRRR(NP432)、RRRRRFFFRFRRR(NP465)、RRRFRFRFRFRRR(NP466)、およびRRRFRFPFRFRRR(NP467)のうちの1つ、ならびにシステアミンおよびポリリシンのうちの1つ、例えば、10から20kDのポリ−L−リシンヒドロブロミド(NP108)を含む。
一実施形態によると、組成物は、RRRFRFFFRFRRR(NP432)、FRRRRFFFRFRRR(NP490)、RRRRFFFFFRRRR(NP493)、およびRRRFRRRRRFFFF(NP497)のうちの1つ、ならびにシステアミンおよびポリリシンのうちの1つ、例えば、10から20kDのポリ−L−リシンヒドロブロミド(NP108)を含む。
本明細書の記載および特許請求の範囲の全体にわたり、「含む(comprise)」および「含有する」という語、ならびにこれらの語の変形、例えば「含んでいる(comprising)」および「含む(comprises)」は、「限定はしないが含む」ことを意味し、他の部分、付加物、構成要素、整数、またはステップを排除することを意図したものではない(かつ、排除しない)。
本明細書の記載および特許請求の範囲の全体にわたり、文脈上別段の必要性がない限り、単数形は複数形を包含する。特に、不定冠詞が用いられる場合、明細書は、文脈上別段の必要性がない限り、複数形および単数形を意図しているものと理解すべきである。
本発明の特定の態様、実施形態、または実施例に関連して記載される特色、整数、特徴、化合物、化学的部分または群は、本明細書において記載されている他の任意の態様、実施形態、または実施例と矛盾しない限り、それらに適用可能であると理解すべきである。
以下、本発明を、以下の添付図面を参照して、例としてのみ説明する。
様々なグラム陽性細菌種(図1)およびグラム陰性細菌種(図1a、1b、および1c)に対する、本発明によるペプチドの最小阻害濃度(MIC)および最小殺菌濃度(MBC)を詳述した表である。 グラム陽性微生物種およびグラム陰性微生物種に対する本発明によるペプチドの平均最小阻害濃度(MIC)を詳述した表である。 P.aeruginosaバイオフィルムに対する様々な濃度のNP432、NP432およびNM001、ならびにNP432およびNP108のMICを詳述する図である。 P.aeruginosaバイオフィルムに対する様々な濃度のNP445、NP445およびNM001、ならびにNP445およびNP108のMICを詳述する図である。 S.aureusバイオフィルムに対する様々な濃度のNP432およびNM001ならびにNP432およびNP108のMICを詳述する図である。 S.aureusバイオフィルムに対する様々な濃度のNP445、NP445およびNM001、ならびにNP445およびNP108のMICを詳述する図である。 図7および図7aは、様々な抗微生物種に対する、本発明によるペプチドの最小阻害濃度(MIC)および最小殺菌濃度(MBC)を詳述した表である。 P.aeruginosa細菌のバイオフィルムに対する、0から2500μg/mlの濃度のコリスチン、NP108、およびNP432のMBECを詳述した図である。 P.aeruginosaバイオフィルムに対する、0から600μg/mlの濃度の組み合わせNP108−NM001、NP432−NM001、およびNP432−NP108のMBECを詳述した図である。 S.aureus細菌のバイオフィルムに対する、0から2500μg/mlの濃度のコリスチン、NP108、およびNP432のMBECを詳述した図である。 S.aureusバイオフィルムに対する、0から600μg/mlの濃度の組み合わせNP108−NM001、NP432−NM001、およびNP432−NP108のMBECを詳述した図である。
(実施例1)
P.aeruginosa細菌バイオフィルムおよびS.aureus細菌バイオフィルムを、別々の96ウェルマイクロタイタープレートに入れたミューラーヒントン寒天中、37℃で21時間、増殖させた。次いで、浮遊性細胞および培地を除去し、pH7前後のリン酸緩衝溶液で3回、細菌バイオフィルムを洗浄した。次いで、3種の異なる抗微生物剤のミューラーヒントン培養液中2倍希釈物を細菌バイオフィルムに添加した。マイクロタイタープレートを37℃で24時間、インキュベートした。次いで、新しいマイクロタイタープレートに培地を移し、マイクロタイタープレートリーダー(BioTek Powerwave、XS、Winooski、USA)を用いて、625nmにおける細菌バイオフィルムの光学濃度を測定した。
試験した抗微生物剤は、コリスチン、NP108、およびNP432であった。最初に、濃度0から2500μg/mlの抗微生物剤の活性を試験し、次いで、濃度0から600μg/mlの抗微生物剤の活性を試験した。これらの結果を図8から図11に要約する。これらの図面は、P.aeruginosa細菌バイオフィルムおよびS.aureus細菌バイオフィルムに対する本発明のペプチド(NP432)の抗微生物効果を証明する。抗微生物効果は、知られている抗微生物剤に匹敵している。
(実施例2)
P.aeruginosa細菌バイオフィルムおよびS.aureus細菌バイオフィルムを、別々の96ウェルマイクロタイタープレートに入れたミューラーヒントン寒天中、37℃で18時間、増殖させた。次いで、浮遊性細胞および培地を除去し、pH7前後のリン酸緩衝溶液で3回、細菌バイオフィルムを洗浄した。次いで、3種の異なる抗微生物剤のミューラーヒントン培養液中2倍希釈物を細菌バイオフィルムに添加した。マイクロタイタープレートを37℃で24時間、インキュベートした。次いで、新しいマイクロタイタープレートに培地を移し、マイクロタイタープレートリーダー(BioTek Powerwave、XS、Winooski、USA)を用いて、625nmにおける細菌バイオフィルムの光学濃度を測定した。
試験した抗微生物剤は、NP432単独、同濃度のNP432およびNM001の組み合わせ、同濃度のNP432およびNP108の組み合わせ、NP445単独、同濃度のNP445およびNM001の組み合わせ、同濃度のNP445およびNP108の組み合わせであった。P.aeruginosa細菌バイオフィルムおよびS.aureus細菌バイオフィルムに対して、0から1mg/mlの濃度の抗微生物剤を試験した。これらの結果を図3から図6に要約する。これらの図面は、P.aeruginosa細菌バイオフィルムおよびS.aureus細菌バイオフィルムに対する、単独ならびにNM001およびNP108と組み合わせた本発明のペプチド(NP432およびNP445)の抗微生物効果を証明する。

Claims (27)

  1. ペプチドのアミノ酸の少なくとも75%がアルギニンアミノ酸およびフェニルアラニンアミノ酸であり、前記アミノ酸の少なくとも50%がアルギニンアミノ酸であり、前記アミノ酸の少なくとも15%がフェニルアラニンアミノ酸である、ペプチド。
  2. アルギニンアミノ酸およびフェニルアラニンアミノ酸ならびに0から5個のアルギニン以外およびフェニルアラニン以外の置換からなる、請求項1に記載のペプチド。
  3. リシン、プロリン、グリシン、およびヒスチジンからなる群から選択される1つまたは複数の置換を含む、請求項2に記載のペプチド。
  4. アルギニン、フェニルアラニン、ならびにリシン、プロリン、グリシン、およびヒスチジンからなる群のうちの1つからなる、請求項3に記載のペプチド。
  5. アルギニンアミノ酸およびフェニルアラニンアミノ酸からなる、請求項1に記載のペプチド。
  6. 3個から200個のアミノ酸、好ましくは5個から50個のアミノ酸、より好ましくは5個から15個のアミノ酸を含む、請求項1ないし5のいずれか一項に記載のペプチド。
  7. 3個から200個のアミノ酸、好ましくは5個から60個のアミノ酸、より好ましくは5個から15個のアミノ酸からなる、請求項6に記載のペプチド。
  8. RRRFRFFFRFRRR、HHHFRFFFRFRRR、KKFPWRLRLRYGRR、RRRRRFFFRFRRR、RRRFRFRFRFRRR、RRRFRFPFRFRRR、RRFRRFFFRRFRR、RRRRFFFRRRR、RRRRFRFRRRR、RRRRFPFRRRR、RRFRRRFRRFR、RRFRRRFRRFG、RRFGRRFRRFG、RRFRRFRRRFG、RRFRRFRRRFR、FRRRRFFFRFRRR、RRRRRFFFRRRRF、FFFFRRRRRFRRR、RRRRFFFFFRRRR、FRRRRFFFRRRRF、RRRYRYYYRYRRR、RRRARAAARARRR、RRRFRRRRRFFFF、RRRFFFFFFFRRRから選択されるアミノ酸配列を含む、請求項1ないし7のいずれか一項に記載のペプチド。
  9. リシンアミノ酸、フェニルアラニンアミノ酸、およびアルギニンアミノ酸を含むペプチド。
  10. リシンアミノ酸、アルギニンアミノ酸、フェニルアラニンアミノ酸、プロリンアミノ酸、トリプトファンアミノ酸、チロシンアミノ酸、およびグリシンアミノ酸を含むペプチド。
  11. アミノ酸配列KKPRRKPRRPKRKKまたはKKFPWRLRLRYGRRを含む、請求項9および10のいずれか一項に記載のペプチド。
  12. 医薬品として使用するための、請求項1ないし11のいずれか一項に記載のペプチドまたはそのペプチド変異体。
  13. 抗微生物性の感染症または状態の治療または緩和における、請求項1から11のいずれか一項に記載のペプチドまたはそのペプチド変異体もしくは薬学的に許容される塩。
  14. 抗微生物性の感染症または状態が、細菌病原体、寄生虫病原体、原生動物病原体、ウイルス病原体、または真菌病原体によってもたらされるか、または引き起こされる、請求項13に記載のペプチド。
  15. 抗微生物性の感染症または状態が、細菌病原体によってもたらされるか、または引き起こされる、請求項14に記載のペプチド。
  16. 細菌病原体がグラム陰性細菌である、請求項15に記載のペプチド。
  17. グラム陰性細菌が、Pseudomonas属種(特にPseudomonas aeruginosa)、Burkholderia属種(特にBurkholderia cepacia)、Acinetobacter属種、例えばA.baumaniiおよびA.calcoaceticus、Streptococcus属種、例えばStreptococcus A群またはB群、Streptoccocus pneumoniae、Stenotrophomonas属種、Stenotrophomonas maltophilia、ならびにAchromobacter属種、例えばAchromobacter xylosoxidansからなる群から選択される、請求項16に記載のペプチド。
  18. 細菌病原体がグラム陽性細菌である、請求項15に記載のペプチド。
  19. 細菌病原体が、Staphylococcus属種(特にStaphylococcus aureusおよびStaphylococcus epidermidis)、Escherichia coli、Clostridia属種、例えばClostridium botulinum、Clostridium perfringens、Clostridium difficile、およびEnterococcus属種、例えばEnterococcus faecalis、Enterococcus faeciumからなる群から選択されるグラム陽性細菌である、請求項18に記載のペプチド。
  20. 細菌病原体がStaphylococcus属種またはPseudomonas属種のものである、請求項15に記載のペプチド。
  21. 抗微生物性の感染症または状態が、せつ、フルンケル、蜂巣炎、膿痂疹、院内感染症、菌血症、肺炎、骨髄炎、心内膜炎、髄膜炎、膿瘍、嚢胞性線維症、胃腸感染症、尿生殖器感染症、敗血症、咽頭炎、壊死性筋膜炎、急性糸球体腎炎、中耳炎、創傷、炭疽、脳炎、ジフテリア、ガス壊疽、ボツリヌス中毒、および破傷風からなる群から選択される、請求項14に記載のペプチド。
  22. 治療有効量の請求項1から10のいずれか一項に記載のペプチドまたはその薬学的に許容される塩を患者に投与するステップを含む、抗微生物性感染症を治療するか、予防するか、またはその進行を遅らせるための方法。
  23. ペプチドまたはその薬学的に許容される塩が、局所、経口、非経口(皮下、静脈内、筋肉内、および腹腔内を含む)、直腸、皮膚、経皮、胸腔内、肺内、粘膜、および鼻腔内(呼吸器)経路を介して投与される、請求項22に記載の方法。
  24. 薬学的有効量の少なくとも1つの請求項1から11のいずれか一項に記載のペプチドおよび薬学的に許容される担体、賦形剤または希釈剤を含む組成物。
  25. 少なくとも2つの請求項1から11のいずれか一項に記載のペプチドを含み、前記ペプチドが異なる、請求項24に記載の組成物。
  26. システアミンおよび/またはポリリシンを含む、請求項24および25のいずれか一項に記載の組成物。
  27. 請求項1から10のいずれかに記載のペプチドもしくはペプチド変異体または請求項24から26のいずれか一項に記載の組成物が接着または塗布されている支持体。
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