JP2016502496A - ガラス強化方法 - Google Patents

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Abstract

方法は相分離可能なガラスを提供するステップ;ガラスを相分離するステップ;ガラスの少なくとも1つの表面を浸出させて、浸出済みガラス表面層を形成するステップ;及び浸出済みガラス表面層を複数の成分で補充して、補充済みガラス表面層を形成するステップを含み、上記成分は、補充済みガラス表面層の膨張を引き起こす。

Description

関連出願の相互参照
本出願は、米国特許法第119条の下で、2012年11月30日出願の米国仮特許出願第61/731770号の優先権を主張するものであり、上記出願の全体の内容は参照により本出願に援用される。
本開示は一般に、ガラスを形成した後にガラスを強化して機械的特性を改善するための方法に関し、より詳細には、ガラスの表面付近層からいくつかのガラス成分を浸出させ、その一方で上記と同一の層を、この表面付近層の膨張を引き起こす他の成分で補充する、ガラスの化学処理に関する。
熱強化、イオン交換、積層加工という3つの典型的なガラス強化方法が存在する。
熱強化は、加熱したガラスの高速冷却を用いる。高速冷却中、外側のガラスは内側のガラスより速く冷却される。外側ガラスの冷却はガラス粘度の上昇を引き起こし、この瞬間には、柔らかい内側ガラスを含有する剛性外側外被が存在する。その後内側ガラスも冷却され、上記固定されたサイズの外被の内側で収縮する。従って、内側ガラスは熱平衡に達すると引張応力にさらされる。あるピース内のいずれの不平衡な応力は、符号が逆の応力によって補償されるため、外側ガラスは圧縮応力にさらされる。引張応力下の内側部分及び圧縮応力下の外側部分を有するガラスは、応力を有さない同一のガラスに比べて破壊が困難である。これはガラスが、その表面上にひび割れが形成され、ガラスが破壊されるまでこのひび割れが更に伝播することによって破壊されるためである。
イオン交換法もまた、圧縮応力下の外被が引張応力下の内側ガラスを覆うという同一の原理に基づいている。イオン交換プロセス中、表面付近のガラス中の半径が小さいイオンが、半径が大きいイオンに交換される。その結果、イオン半径が大きいイオンがより多くの空間を占め、外側ガラス内に圧縮応力を発生させる。
積層加工は、比較的高温において、あるガラスを別のガラスの層で被覆することを伴う。積層用ガラスは、内側ガラスよりも低い熱膨張係数を有するよう選択される。冷却すると内側ガラスは積層体よりも大きく収縮し、これによって内側ガラスは引張応力下となり、積層されたガラスは圧縮下となる。このような強化もまた、圧縮応力下の外被内に引張応力下の内側ガラスを作製するという同一の原理によるものである。
別のガラス強化方法は、例えばポリマーフィルムといった柔らかいフィルム、即ちヤング率が低いフィルムとガラスとを積層加工するものである。この場合の強化のメカニズムは、表面のひび割れの最小化である。ポリマー保護フィルムでコーティングする前に、ガラス上の表面ひび割れを例えばエッチングによって最小化し、これによってひび割れを有する表面層を除去する。このようにコーティングされた物品の表面に衝突を与えると、低ヤング率のフィルムが衝突エネルギを吸収し、ガラスに新規の表面ひび割れが形成されるのを防止する。
従来の方法では強化できない種類のガラスを強化できるガラス強化方法が得られると、有利であろう。
一実施形態は:相分離可能なガラスを提供するステップ;ガラスを相分離するステップ;ガラスの少なくとも1つの表面を浸出させて、浸出済みガラス表面層を形成するステップ;及び浸出済みガラス表面層を複数の成分で補充して、補充済みガラス表面層を形成するステップを有してなる方法であり、上記成分は、補充済みガラス表面層の膨張を引き起こす。
本開示のガラス強化方法は、以下の利点のうちの1つ又は複数を提供し得る:従来の技術を用いて強化するのが困難であるいくつかのガラスを含む多数の種類のガラスを強化できる;小型バイアル、ピペット、シリンジ、瓶、自動注射器及び他のいずれのガラス送達システムといった細口容器を含む複雑な形状を強化できる;又は物理的耐久性と共に化学的耐久性も向上した強化ガラス若しくは強化ガラス物品を製造できる。本方法は、イオン交換又は積層加工技術に比べて安価となり得、そのコストは熱強化と同等となり得る。本方法は、従来の方法で達成できるものよりも薄い、極めて薄型のガラス物品の強化に適用できる。
以下の詳細な説明において、更なる特徴及び利点について述べるが、その一部は当業者には本説明から容易に明らかとなり、又は以下の詳細な説明、請求項及び添付の図面を含む本出願において説明されているように実施形態を実施することにより、当業者には容易に理解されるだろう。
前述の概要の説明及び以下の詳細な説明の両方は単なる例示であること、並びに請求項の本質及び特徴を理解するための概観又は枠組みを提供することを意図したものであることを理解されたい。添付の図面は、更なる理解を提供するために含まれているものであり、本明細書に援用され、本明細書の一部を構成する。これら図面は1つ又は複数の実施形態を図示しており、説明と併せてこれら様々な実施形態の原理及び動作を説明する役割を果たす。
ある例示的方法のフローチャート、即ち浸出及び膨張による強化のためのプロセスシーケンス 3時間の間に580℃で相分離し、100℃/時間の傾斜で冷却した、Vycor(登録商標)ガラスの破断係数のグラフ 3時間の間に600℃で相分離し、100℃/時間の傾斜で冷却した、Vycorガラスの破断係数のグラフ 3時間の間に620℃で相分離し、100℃/時間の傾斜で冷却した、Vycorガラスの破断係数のグラフ 3時間の間に640℃で相分離し、100℃/時間の傾斜で冷却した、Vycorガラスの破断係数のグラフ 3時間の間に600℃で相分離し、25℃/時間の傾斜で冷却した、Vycorガラスの破断係数のグラフ
ここで、本開示の好ましい1つ又は複数の実施形態について詳細に言及する。これらのうちの1つ又は複数の例を、添付の図面に示す。可能な場合、同一の又は同様の部分について言及する際、複数の図面を通して同一の参照番号を使用する。
一実施形態は:相分離可能なガラスを提供するステップ;ガラスを相分離するステップ;ガラスの少なくとも1つの表面を浸出させて、浸出済みガラス表面層を形成するステップ;及び浸出済みガラス表面層を複数の成分で補充して、補充済みガラス表面層を形成するステップを有してなる方法であり、上記成分は、補充済みガラス表面層の膨張を引き起こす。
本開示の方法のうちのいくつかは、図1に示すように、相分離可能なガラス組成の選択10、ガラスを相分離して浸出可能とするための熱処理12、ガラス表面層の浸出14、及び浸出した成分の、異なる成分による補充16を含む。
上記補充は、ガラス表面層の膨張を引き起こすような方法で実施してよい。膨張した層は、内側(非浸出)ガラス内に引張応力を発生させ、その結果、引張応力下の内部及び圧縮応力下の外被部という、従来の方法で強化されたガラスと同様の応力構造を有するガラス物品が得られる。
例えば、ナトリウムボロシリケートガラスは熱処理によって相分離するため、これは選択可能である。この組成物は50〜80重量%のシリカ、10〜40重量%のB、及び5〜20重量%のNaOからなってよい。
ガラス物品を、相分離を引き起こすのに十分な時間(典型的には数時間)だけ、約600℃の加熱装置内で更に処理できる。ガラスはスピノーダル分解によって分離でき、これによって、相互に接続されたシリカに富む相と、相互に接続されたホウ酸塩に富む相とが形成される。形成されるパターンは、Corning Incorporated社の登録商標であるVycor系のガラスにおいて見られるものと同様の、虫喰いのようなパターンである。
相分離後の冷却は、100〜25℃/時間という低い傾斜率で実施できる。低速冷却により、ガラスに与えられる残留応力を最小とすることができる。この応力を有さないガラスを更に処理することにより、結果として機械的強度が高いガラスが得られる。
続いて例えば無機酸中にガラスが浸出して、ガラス物品の厚さの2〜20%の深さまで浸出が発生する。浸出済みのガラスは多孔性であり、主にシリカからなり、ホウ酸塩相は浸出してしまっている。例えば直径5ミリメートルのガラスロッドを、約0.2ミリメートルの深さまで浸出させることができる。この目的のために、1N〜10Nの硝酸といった希釈した媒体を使用できる。浸出は、短時間で所望の浸出深さを達成するために、上昇させてはいるが適当な範囲内の温度、即ち95℃で実施できる。エッチング時間は約1時間〜数十時間とすることができる。部分的な浸出により、数十分の1ミリメートルの多孔性層が得られる。
浸出後、沸騰した脱イオン水中でロッドを洗浄する。次にロッドの多孔性層を、多孔性層の膨張を引き起こす成分で補充する。多孔性ガラスクラッドの膨張方法は、このガラスを、室温に到達するまで水中で冷却するというものである。この場合、水が多孔性層に吸収され、膨張を引き起こす。そしてガラスを約120℃において空気中で乾燥させ、使用できる状態とする。
ガラス強化レベルは様々な測定技術によって特性決定でき、例えば破断係数(MOR)を決定することによって特性を決定できる。典型的には、本発明の方法を使用することにより、MORは2〜3倍上昇する。例えばナトリウムボロシリケートガラス製の5mmロッドの初期MORは約138MPaであり、強化後のMORは345MPaである。
外径(O.D.)5mmのVycorガラスロッドを使用した。例示的なガラス組成を表1に示す。ロッドを長さ4インチ(10.16センチメートル)に切断してから加熱処理に供した。研磨されていないロッドの強度は約152MPaであった。
Figure 2016502496
ロッドを580℃〜640℃の温度で熱処理した。これは、約400℃である開始温度から、傾斜率100℃/時間で所望の保持温度までガラスを加熱し、3時間保持し、100℃/時間で約460℃まで冷却し、電源を切断して炉の自然冷却率で更に冷却することによって実施された。
加熱処理済みロッドを、22℃において10重量%のNHHF中で20分間エッチングすることにより、シリカに富む表面薄層を除去し、ガラスの表面全体に亘って浸出が均一に進行することを保証した。続いて蒸留水中でロッドをすすぎ、表面からフッ化物を除去した。
浸出は、ガラス容器内において、90℃の1NのHNO中で実行した。浸出時間は約1時間〜48時間の間で変動した。これにより、基体ガラスの熱処理に応じて浸出済み層の厚さが3〜8倍変動することが保証された。部分的な浸出の後、ロッドを90℃の蒸留水中で10分間洗浄し、室温の水中で冷却し、乾燥させた。結果として得られるロッド上の多孔性層の厚さを顕微鏡で測定した。
相対湿度50%の室内雰囲気において平衡化された、部分的に浸出させたロッドに対して、破断係数(MOR)の測定を実施した。幅3.5インチ(8.89センチメートル)のダブルナイフエッジを用いて、ロッドを汎用試験機械上に設置した。クロスヘッド速度は2.5mm/分であった。試験は、研磨されたロッド及び研磨されていないロッドの両方に対して実施した。30グリットのSiCを含有するジャーミルを用いて、標準的な研磨手順に従ってロッドの表面を研磨した。全ての試験は室温において空気中で実施した。表中のMOR値は、10個のロッドの平均三点曲げ強度を表す。
表2に、580℃、600℃、620℃及び640℃で熱処理されたガラスから調製された、部分的に浸出させたロッドに関して得た平均MOR値を示す。
Figure 2016502496
ロッドの回転研磨は強度を低下させ得ることに留意されたい。例えば実験29、22からの試料は研磨処理の前後でそれぞれ42200psi(約291.0MPa)及び12600psi(約86.9MPa)の平均MORを有し、これは強度が3分の1未満に低下することを示している。しかしながらこのような強度の損失にも関わらず、研磨済みの部分的に浸出させたロッドは、研磨処理において約22000psi(約151.7MPa)から<8000psi(約55.2MPa)にまで強度が低下する元のガラスに比べて依然として強い。
部分的に浸出させたロッドの強度は、加熱処理及び浸出時間の両方に左右される。これについては図2〜6に図示されており、これらの図は表1のデータから用意されたものである。図2は、3時間の間に580℃で相分離し、100℃/時間の傾斜で冷却した、Vycorガラスの破断係数のグラフである。図3は、3時間の間に600℃で相分離し、100℃/時間の傾斜で冷却した、Vycorガラスの破断係数のグラフである。図4は、3時間の間に620℃で相分離し、100℃/時間の傾斜で冷却した、Vycorガラスの破断係数のグラフである。図5は、3時間の間に640℃で相分離し、100℃/時間の傾斜で冷却した、Vycorガラスの破断係数のグラフである。図6は、3時間の間に600℃で相分離し、25℃/時間の傾斜で冷却した、Vycorガラスの破断係数のグラフである。
研磨されていないロッド及び研磨されたロッドに関するカーブの最大値は、予想できる通り必ずしも一致しない。これは、標本の取り扱い及び処理中に導入される強度をコントロールスひび割れの変動によるものであり得る。研磨されていない場合の強度及び研磨された場合の強度の最大強度は、それぞれ47430psi(約327.0MPa)、14600psi(約100.7MPa)であった。なお、冷却率を100℃/時間から25℃/時間に低下させると、部分的に浸出させたロッドの強度は上昇する。
部分的に浸出させたガラスの光弾性測定は、多孔性表面層が圧縮下にあり、コアガラスは張力下にあることを示す。多孔性ガラスによる水の吸収は、多孔性高シリカ骨格の大幅な拡張を伴うため、これらの応力の主な原因となる。これらの応力は、多孔性ガラス層が吸収する水の量に左右される。これは吸収体として蒸留水だけでなくアルコールも使用することによって例証される。応力光学データから計算される多孔性層の厚さは、顕微鏡で実際に測定した厚さと良好に合致する。リタデーション値から計算されるコアの引張応力は、最小の長時間破断応力である13MPaよりも低い。
多孔性表面層は保護コーティングとして機能し、張力にさらされているガラスの破壊の一般的な原因であるロール表面のひび割れを最小化する。多孔性ガラスによる水の吸収は多孔性骨格の大幅な拡張を伴うため、部分的に浸出させたロッド上の一体の多孔性表面層は圧縮下となることが予想される。これは、部分的に浸出させたロッドにおいて観察された強化の原因であろう。
いくつかの実施例で使用されたガラスプレートは、Vycorガラスのケーンから調製した。プレートの寸法は以下のようなものであった:長さ〜3cm、幅〜4cm、厚さ2mm。これらの調製前に、ケーンを600℃で3時間熱処理し、25℃/時間で約450℃まで冷却した。プレートを1NのHNO中で1、2、5、6時間浸出させ、蒸留水で10分間洗浄した。浸出及び洗浄は全て95℃で実施した。多孔性表面層の厚さは、顕微鏡で測定したところ、53、118、250マイクロメートルであった。
プレートのコア及び多孔性層内の応力を、偏光顕微鏡及び光学補償器を用いて測定した。光弾性測定を実施する前に、相対湿度56%の室内空気中で試料を平衡化した。蒸留水又はアルコールに浸漬したプレートを用いて、これらの流体への浸漬時間に応じたコア内でのリタデーションの変化を考慮に入れ、追加の測定を実施した。
光弾性測定中に、コア及び多孔性表面層においてリタデーション(度)を観察した。多孔性層は圧縮下であり、コアは張力下であった。表3は、リタデーションの数値から計算された応力値をまとめたものである。なお、試料3のコア内の引張応力は、最小の長時間破断応力である1920lb/in(約134.98kg/cm)より低い。多孔性表面層内の圧縮応力は、厚さと共に約4800psi(約33.1MPa)から3600psi(約24.8MPa)へと減少する。
Figure 2016502496
Figure 2016502496
プレートのコア及び多孔性層内の応力を、偏光顕微鏡及び光学補償器を用いて測定した。光弾性測定を実施する前に、相対湿度56%の室内空気中で試料を平衡化した。蒸留水又はアルコールに浸漬したプレートを用いて、これらの流体への浸漬時間に応じたコア内でのリタデーションの変化を考慮に入れ、追加の測定を実施した。
表4のデータは、多孔性表面層が水を吸収するにつれてリタデーションが徐々に上昇することを示している。孔が水で完全に充填されると、リタデーションはある有限値に到達する。リタデーション値から計算されたコア内の引張応力は、この湿潤プロセス中に3.67MPaから9.07MPaへと上昇する。水への浸漬後の多孔性表面層の測定は、この多孔性表面層が圧縮下となっていることを示した。計算された圧縮応力は、応力‐光係数0.277nm/cm/psiに基づき、6030lb/in(約423.91kg/cm)である。上述の標本をエチルアルコールに浸漬した場合も同様の結果が得られた。コア内の最終的な引張応力は、エチルアルコールに浸漬すると1429lb/in(約100.46kg/cm)となる。これは多孔性表面層において吸収体として水を使用した場合よりも約100lb/in(約7.03kg/cm)高い。標本の応力光測定は、水を吸収体として使用した場合と同様、多孔性層が圧縮下となることを示した。
表面の膨張は、酸素又はシリコン部分上の水分子の毛管凝縮によるものである。メチルアルコールの場合、多孔性ガラス内の隣接するOH基間の元々の水素結合の破壊が発生する場合があり、これもまた膨張に寄与する。これは、コア内においてエチルアルコール(これもまたOH基を有する)が水よりも幾分高い引張応力を生成するという事実の原因である。水又はアルコール中に浸漬した標本は、それぞれ1326lb/in(約93.22kg/cm)及び1428lb/in(約100.39kg/cm)の引張応力を有していた。
本開示の方法は、イオン交換プロセスとも考えられる。しかしながら、従来技術のプロセスでは、典型的にはあるアルカリイオンが別のアルカリイオンに交換されるのに対し、本開示の方法では、ホウ素が水に交換される。
空気乾燥した標本において観察される応力は、部分的には大気からの水分子の吸収によるものである。水は、多孔性ガラスの膨張を引き起こし、コア内に引張応力を誘発し、これは多孔性表面層を圧迫する。そしてこの応力は、多孔性層内の等価の圧縮応力によって補償される。これら2つの対向する応力の大きさは、孔内の水の量に左右され、孔が完全に充填されると有限値に達する。アルコールも同様の役割を果たすため、他の液体も、部分的に浸出させたガラス標本内に応力を誘発するであろうと結論付けられる。
表面層及びバルクガラスにおいてヤング率を測定した。多孔性表面層を備える多孔性ガラスの弾性係数は、浸出させていないガラスの約半分である。多孔性表面層は圧縮下にあり、更に浸出させていないガラスより低いヤング率を有するため、多孔性表面層は、所定の応力にさらされた場合に、内部のガラスよりも大きな寸法変化を示し得る。従って、部分的に浸出させたロッドが未処理のロッドよりも強いことは驚くにあたらない。
光弾性測定は、部分的に浸出させたVycorガラスプレートのコアガラスが張力下にあり、多孔性表面層が圧縮下にあることを示す。これは、多孔性ガラスによる水の吸収が、シリカに富む骨格の大幅な拡張を伴うという事実によるものである。これはコア内の引張応力を誘発し、この引張応力は多孔性表面層を圧迫し、多孔性層内の圧縮応力によって補償されなければならない。これら2つの対向する応力の大きさは、孔内の水の量に左右され、孔が完全に充填されると有限値に達する。アルコールによる効果も水と同様であることが分かった。部分的に浸出させた標本のコア内の引張応力は、市販のガラスに対する実際的な実験に基づく最小の長時間破断応力である1920lb/in(約134.98kg/cm)より有意に低い。
Vycorガラスロッドの強度は、95℃において1NのHNO等の高温酸中で部分的に浸出させることによって劇的に上昇する。所定の熱処理に関して、強度は浸出時間に左右され、これは元のガラスをクラッディングする多孔性層の厚さを決定する。強度は一般に、浸出時間と共に最大値へと上昇する。元のガラスの保持温度からの冷却率が比較的小さいと、このような複合ガラス物品の最終的な強度に関して有益である。Vycorガラスの多孔性クラッディングは、30グリットのSiCの回転研磨によって明らかに弱められる。しかしながらこの強度はそれでもなお、研磨した元のガラスの約2倍である。部分的に浸出させた標本を研磨した場合及び研磨していない場合の最高の強度は、それぞれ47430psi(約327.0MPa)、14230psi(約98.1MPa)である。
希釈した硝酸以外の浸出剤も強化のために良好に使用できる。例えば最適化された条件下での、希釈した二フッ化アンモニウム中での浸出により、同様の研磨していないロッドに関して、60000〜70000psi(約413.7〜482.6MPa)のMOR値が得られる。
上述の破断係数の測定は、本明細書に記載の方法を用いたガラス強化を例証するための例示的な方法である。球体落下試験、リングオンリング試験、鉛筆硬度試験又はその他の標準的な機械的試験技術によっても強化は例証できる。
他のアルカリボロシリケートガラスは、上述のようなVycorガラスの強化と極めて類似した挙動を示す。これらの機械的強度は、アルカリホウ酸塩に富む相をある特定の深さまで化学的に除去し、続いて水からのヒドロキシルの吸収によって多孔性層を膨張させることによって改善される。アルカリボロシリケート系以外の多くのガラスも、本明細書に記載の方法を用いて強化できる。
本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、様々な修正及び変更を実施できることは、当業者には明らかであろう。

Claims (5)

  1. 相分離可能なガラスを提供するステップ;
    前記ガラスを相分離するステップ;
    前記ガラスの少なくとも1つの表面を浸出させて、浸出済みガラス表面層を形成するステップ;及び
    前記浸出済みガラス表面層を複数の成分で補充して、補充済みガラス表面層を形成するステップであって、前記成分は前記補充済みガラス表面層の膨張を引き起こすものであるステップ、
    を有してなる方法。
  2. 前記浸出ステップ及び前記補充ステップは、ホウ素を水に交換するステップ又はホウ素をアルコールに交換するステップを含む、請求項1に記載の方法。
  3. 前記成分はヒドロキシル基である、請求項1又は2に記載の方法。
  4. 前記補充ステップは、浸出させていないガラス内に引張応力が存在し、前記補充済みガラス表面層内に圧縮応力が存在するように、前記浸出済みガラス表面層の膨張を引き起こす、請求項1から3のいずれか1項に記載の方法。
  5. 請求項1に記載の方法に従って強化された、ガラス物品。
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