JP2016502409A - 原核細胞の経路を模倣することによる植物自己窒素固定 - Google Patents

原核細胞の経路を模倣することによる植物自己窒素固定 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、光合成細菌、たとえばシアノバクテリア、または他の細菌の窒素固定機構を再現する遺伝子組換え植物の遺伝子操作方法を提供すること等を目的とする。【解決手段】本発明は、植物色素体細菌nif(窒素固定)遺伝子を標的とするかまたは発現させることによる、光合成細菌の窒素固定機構を再現する植物を使用して土壌中の窒素の総濃度を減少させる方法を提供する。また、光合成細菌の窒素固定機構を再現する植物の後代もまた提供する。【選択図】 図1

Description

関連出願の相互参照
[0001] 本願は、2013年7月25日出願の米国仮出願第61/858,218号および2012年12月3日出願の米国仮出願第61/732,490号に基づく優先権を主張し、それぞれの全体が本明細書に参照により組み込まれる。
[0002] 本開示は、細菌nif(窒素固定)遺伝子を標的とするかまたは発現させ、酵素ニトロゲナーゼの構造タンパク質を産生させること、および、ニトロゲナーゼの構造タンパク質と相同なタンパク質をコードする合成DNA配列を導入することにより、光合成細菌、たとえば、シアノバクテリアまたは他の細菌の窒素固定機構を模倣する、新規遺伝子組換え植物、ならびに、かかる植物の製造方法に関する。
[0003] 植物は、植物界に属する生物である。すべての高等植物は、維管束組織木部(主に水およびミネラルを輸送)および師部(主に糖および他の代謝産物を輸送)を有している。維管束植物は、すべての種子植物(裸子植物および被子植物)およびシダ植物(シダ植物門、ヒカゲノカズラ植物門、およびトクサ植物門の植物を含む)を含み、管束植物(tracheophytes)とも呼ばれる。これらは、核(ほとんどの細胞において)、および葉緑体(または他のタイプの色素体)(光合成中の炭素固定のためのエネルギー源として光、たとえば日光を使用する能力を有する)を含む、組織化された細胞構造を有する真核生物である。他のタイプの植物には、たとえば、藻類、蘚類、および菌類が含まれる。
[0004] 農作物の作物生産性に対しての一般的な制限要因は、土壌および水中の窒素含有量である。増大する人口による需要の増加および利用可能な耕地の減少に農業生産を対応させることを試みるにつれて、この元素の供給は時間の経過とともに減少してきた。窒素は、植物を含むあらゆる生命に必須である主要養分のうちの1つである。しかしながら、窒素はまず、植物が利用できる形態に変換されなければならない。生物学的窒素固定(BNF)の現象は、酵素ニトロゲナーゼを使用して大気窒素(N)をアンモニア(NH)に変換するものである。BNFは通常、化学反応式:N+8H+8e+16ATP>>>2NH+H+16ADP+16Piにより表される、または、窒素ガス分子が、8個の陽子および8個の電子の存在下で、16個のATP分子(アデノシン三リン酸−細胞のエネルギー分子)を消費しながら2個のアンモニア分子に還元されたことにより表される。この反応は、Nが三重結合を含有するので、膨大な量のエネルギーを消費する。窒素分子の結合エネルギーは、約225kcal/molである。植物と、「ニトロゲナーゼ酵素複合体」を作り上げるいくつかの細菌種との共生関係の結果として、自然界において少量のBNFが行われている。ニトロゲナーゼ酵素複合体は、2つのタンパク質、すなわちFe−タンパク質(Nif-Hとして知られている酵素)およびMo−Feタンパク質(Nif-D-Kとして知られているαおよびβサブユニット)からなる。ニトロゲナーゼ複合体は、ホモ二量体(少なくとも2つの同じユニット)Fe(鉄補因子)タンパク質と一時的に結合するヘテロ四量体(同じユニットではない)MoFe(鉄−モリブデン補因子)タンパク質から構成される。
[0005] Nif−H遺伝子は鉄タンパク質をコードし、Nif−DおよびK遺伝子はモリブデン鉄タンパク質をコードする。したがって、Nif−DおよびNif−K遺伝子は、それらの最終活性型においてMoおよびFeを補因子として必要とする。Nif−Dは、αサブユニットとしても知られているNif−Dタンパク質をコードし、Nif−Kは、βサブユニットとして知られているNif−Kタンパク質をコードする。換言すれば、Nif−Hは、2個の同一のサブユニット(全部で2個のタンパク質)を有する二量体酵素であり、一方でNif−D−Kは、2α2β二量体(全部で4個のタンパク質)である。6個のサブユニットすべてが必須であり、その機能に必要である。自然界において、Nif−Hはきわめて多様であり、生物多様性に寄与している。複数のタイプのNif−Hが存在するという事実は、多様な自然条件への適応能力を提供する。
[0006] ニトロゲナーゼ酵素複合体を産生する細菌種にはジアゾ栄養生物、たとえばシアノバクテリア、アゾトバクテラサエ(azotobacteraceae)、根粒菌、およびフランキア(frankia)が含まれる。たとえば、シアノバクテリアにおいて、Mo−Feタンパク質(Nif-D-K)は大気窒素と結合し、次に、Fe−タンパク質(Nif-H)がそれを、フェレドキシンにより供与される電子により還元する。フェレドキシンは、光合成電子伝達系において電子伝達体として機能するタンパク質であり、高等植物葉緑体と類似するが、同一ではないFeフェレドキシンである。還元されたFe−タンパク質は、(還元された)電子をMo−Feタンパク質に伝達するためにATPを使用し、次にこのMo−Feタンパク質がN(ニトロゲナーゼ還元酵素)に電子を供与する。このプロセスをいくつかの回数反復することにより、N≡Nの3つの共有結合すべてが2NHに還元される。
[0007] しかしながら、ごく少数の植物種のみしか、ジアゾ栄養生物との共生関係において生活できない。たとえば、マメ科のエンドウ植物は、根粒菌系統(rhizobia family)の細菌と共生して生活する。特に、根粒菌はエンドウ植物の根を貫通して、窒素を(アンモニアに)固定する細菌を含有する根粒を作り、一方で植物は炭素(糖)を供与する。したがって、共生を好転させるか、または宿主域を拡張するかのいずれかは、植物の生存にとって有益であろうが、この目標を達成するには、プロセスの複雑性および基礎知識の欠如を含む多くの困難がある。
[0008] 窒素はまた、人工的プロセスを使用して化学的に固定できる。この窒素固定法は、最も一般的には、ハーバー法として知られている熱反応を通じてもたらされる。このプロセスは、比較的単純な反応のための高圧および高温を必要とする。過去100年間、窒素肥料の需要は、年間2億メートルトン超にまで着実に増加してきた。この消費は、増加する可能性が高い。
[0009] 非共生生物(たとえば、窒素を固定するための微生物との確立した共生関係を一切有しない、自由生活性有機体)は、そのそれぞれがコア酵素ニトロゲナーゼを含む場合、自己生物学的窒素固定(sBNF)を達成できる。自己窒素固定可能な非細菌生物、たとえば作物植物および藻類ならびに他の植物の存在は、いくつかの目的、たとえば施肥の必要性の減少、施肥による汚染の減少、生態系に優しい作物生産の提供、作物生産の増強、植物中の油含有量の向上、植物中のタンパク質含有量の向上、水の窒素汚染の減少、ならびに土壌の有機相に関連する窒素および炭素に対する炭素含有量の富化のために有用であろう。しかしながら、これらの結果が達成可能な既知の植物はいくつかの原因のため存在せず、その原因のうちの1つは、窒素固定のためのいくつかのタンパク質および遺伝子を含む、特定のニトロゲナーゼの酵素複合体である。
[0010] 大気窒素固定のために使用されるほとんどすべてのコア酵素は、酸素に対する感受性が非常に高い。この特徴が、植物において窒素を固定することをほぼ不可能にしている。なぜなら、植物は光合成反応中に水から酸素を生成するからである。シアノバクテリアは、葉緑体の進化的祖先(基礎)と考えられている。葉緑体が進化過程でその元々の遺伝子の多くを失った一方で、シアノバクテリアは、葉緑体が失った多くの遺伝子を維持している。シアノバクテリアは、光合成生物として、地球上の光の照らす環境のほぼすべてに存在する。それらは、20個超の窒素固定(NIF)遺伝子により促進される生物学的窒素固定(BNF)プロセスにおいて、重要な役割を果たす。これらの遺伝子のうちの3個のみ(Nif-D、Nif-K、およびNif-H)が、NIF酵素(ニトロゲナーゼ)である。NIF遺伝子はその他、複合体構築、補因子のプロセス、および発現調節に関与する。
[0011] マメ科作物植物、たとえばダイズ、インゲン、またはエンドウは、共生細菌であるリゾビウム属(Rhizobium)種により占められる根粒を発達させる、それらの固有の能力で周知されている。これらの細菌は、BNFおよび植物に対するアンモニア供与が可能である。ほとんどの作物植物がこの能力を有せず、リゾビウム属種はそれらと相互作用できない。リゾビウム属種(Rhizibia)の「宿主」域を拡張するいくつかの未公開の試みがなされたが、そのすべてが失敗した。
[0012] したがって、必要とされるものは、系を維持可能にし、商業的に実現可能にするであろう十分な速度でアンモニアを産生する窒素の細胞性固定が可能である遺伝子組換え植物を含む系および方法である。下の各節は、かかる系を記載する。
[0013] 本開示は、自身が利用可能な窒素源を産生し、そのことにより、窒素源としての窒素肥料への依存を減少させるために、自律/自己窒素固定のプロセスを実行可能なように形質転換された遺伝子組換え植物(遺伝子改変生物または(GMO))を対象とする。本開示はまた、自律/自己窒素固定を実行可能なようにこれらの植物を形質転換する遺伝子を含む、植物細胞、組織、植物の一部または植物系統を記す。
[0014] いくつかの実施形態において、本開示の原理によれば、1つまたは複数の植物細胞に、プロモーター配列およびターミネーター配列に作動可能に連結されたNif−H、Nif−DおよびNif−K遺伝子をコードする組換え核酸配列を導入する工程、1つまたは複数の植物を植物細胞から再生する工程、ならびに植物細胞から培養され、窒素固定能が強化された1つまたは複数の植物を選択する工程であって、1つまたは複数の植物がNif−H、Nif−D、およびNif−K遺伝子をコードする組換え核酸配列を含む植物を選択する工程を含む方法により作製される改変自己/自律窒素固定プロファイルを示す植物が提供される。いくつかの実施形態において、Nif−H、Nif−D、およびNif−K遺伝子をコードする組換え核酸配列は、単一の生物から得られる。いくつかの実施形態において、Nif−H、Nif−D、およびNif−K遺伝子をコードする組換え核酸配列は、異なる生物から得られる。たとえば、いくつかの実施形態において、Nif−H、Nif−D、およびNif−K遺伝子のうちの少なくとも1つをコードする組換え核酸配列は、第1の生物から得られ、Nif−H、Nif−D、およびNif−K遺伝子のうちの少なくとも1つをコードする組換え核酸配列は、第1の種とは異なる第2の生物から得られる。いくつかの実施形態において、Nif−H、Nif−D、およびNif−K遺伝子をコードする組換え核酸配列は、自然界において生じる。いくつかの実施形態において、Nif−H、Nif−D、およびNif−K遺伝子をコードする組換え核酸配列は、合成であり自然界に見出されない。
[0015] いくつかの実施形態において、本開示の原理によれば、植物細胞を配列番号1、配列番号2、および配列番号3のうちの1つをコードする組換え核酸配列と接触させる工程、1つまたは複数の植物を植物細胞から再生する工程、ならびに植物細胞から培養された1つまたは複数の植物を選択する工程であって、選択された植物がそれぞれ、窒素固定の増強を示し、選択された1つまたは複数の植物がそれぞれ、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号46、配列番号47、配列番号48、または配列番号49をコードする組換え核酸配列を含む植物を選択する工程を含む方法により作製される、改変自己/自律窒素固定プロファイルを示す植物が提供される。
[0016] いくつかの実施形態において、本開示の原理によれば、植物細胞を配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号46、配列番号47、配列番号48または配列番号49のうちの1つをコードする組換え核酸配列と接触させる工程、植物細胞をトマト葉緑体発現に最適化された少なくとも1つの合成コーディングDNA配列(sCDS)と接触させる工程、1つまたは複数の植物を植物細胞から再生する工程、ならびに植物細胞から培養され、窒素固定能が強化された、1つまたは複数の植物を選択する工程を含み、前記1つまたは複数の植物が、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号46、配列番号47、配列番号48、または配列番号49をコードする組換え核酸配列およびsCDSを含む植物を選択する工程を含む方法により作製される窒素固定能が強化された植物が提供される。
[0017] いくつかの実施形態において、本開示の原理によれば、1つまたは複数の植物細胞を、第1のプロモーターに作動可能に連結されたNif−H遺伝子として、植物輸送ペプチドまたは葉緑体(色素体(plasid))蓄積(accmolation)のためのシグナルを有するキメラNif遺伝子をコードする組換え核酸配列と接触させる工程、植物細胞を、第2のプロモーターに作動可能に連結されたNif−D遺伝子をコードする組換え核酸配列と接触させる工程、植物細胞を、第3のプロモーターに作動可能に連結されたNif−K遺伝子をコードする組換え核酸配列と接触させる工程、1つまたは複数の植物を植物細胞から再生する工程、ならびに植物細胞から培養された1つまたは複数の植物を選択する工程であって、選択された植物がそれぞれ窒素固定能が強化された工程を含み、選択された植物がそれぞれNif−H遺伝子をコードする組換え核酸配列、Nif−D遺伝子をコードする組換え核酸配列、およびNif−K遺伝子をコードする組換え核酸配列を含む植物を選択する工程を含む方法により作製される窒素固定能が強化された植物が提供される。いくつかの実施形態において、Nif−H遺伝子は、本質的に配列番号29、配列番号32、配列番号35、および配列番号38からなる群からのものである。いくつかの実施形態において、Nif−D遺伝子は、本質的に配列番号30、配列番号33、配列番号36、および配列番号39からなる群から選択される。いくつかの実施形態において、Nif−K遺伝子は、本質的に配列番号31、配列番号34、配列番号37、および配列番号40からなる群からのものである。いくつかの実施形態において、第1、第2、および第3のプロモーターは、本質的に配列番号41〜45からなる群から選択される。
[0018] 本開示はまた、本開示に記載の方法による遺伝子組換え植物に由来する、遺伝子組換え植物由来市販品を対象とする。
[0019] 土壌中の窒素の総濃度を減少させるための方法もまた、本開示の原理により記載される。本方法は、本開示に記載の少なくとも1つの遺伝子組換え植物を、窒素のレベルが減少される土壌と接触させる工程、ならびに、植物を成長させて、土壌中の窒素の総濃度を減少させるそれらの代謝結果として、土壌から得られる窒素を固定させる工程を含む。これらおよび他の原理が、図面を使用して、詳細な説明においてさらに記載される。
[0020]図1は、ニトロゲナーゼ複合体の概略構造を示す図である。 [0021]図2は、トマト葉緑体形質転換中に色素体内に挿入されるよう構成されるプラスミドを作製するために使用される工程の概略を示す図である。 [0022]図3は、トマト葉緑体形質転換ならびにNif−H、Nif−D、およびNif−K遺伝子発現のためのプラスミドを作製するための工程の概略を示す図である(PGE 011)。 [0023]図4は、単一のオペロンとしてクローニングされ、C.reinhardtii葉緑体内に挿入されたNif−H、Nif−D、およびNif−K遺伝子を示す図である。 [0024]図5は、発芽3週後のトマト植物の発育を示す図である。 [0025]図6は、植物プラスミド(plant plasmids)中のNif−Hの蓄積を示す図である。 [0026]図7は、植物形質転換プラスミドの概略構造を示す図である。
[0027] 本開示は、窒素固定可能な遺伝子組換え植物、かかる植物から製造される製品、遺伝子組換え植物の製造方法、および遺伝子組換え植物を使用して土壌または水中の窒素を減少させる方法を対象とする。
[0028] 本開示は、本開示の一部をなす添付の図面と関連付けて以下の本開示の詳細な説明を参照することにより、一層容易に理解することができる。本開示は、本明細書に記載のおよび/または示された特定の組成物、装置、方法、条件またはパラメーターに限定されないこと、ならびに、本明細書において使用される用語は、特定の実施形態をあくまで例示として記載する目的のためのみであり、特許請求の範囲に記載の開示を限定することは意図されていないことが理解されるべきである。また、文脈でそうでないことが明らかでない限り、本明細書および添付の特許請求の範囲において使用されている、単数形「a」、「an」および「the」は複数形を含み、特定の数値への言及は少なくともその特定の値を含む。本明細書において範囲は、「約」または「およそ」のある特定の値から、および/または、「約」または「およそ」の別の特定の値までと表現されてもよい。かかる範囲が表現されるとき、別の実施形態は、ある特定の値から、および/または、他の特定の値までを含む。同様に、「約」という接頭語を使用して、値が近似値で表現されるとき、特定の値は別の実施形態を形成することが理解される。
[0029] 本明細書および添付の特許請求の範囲の目的では、特に指示のない限り、本明細書および特許請求の範囲において使用される成分の量、物質のパーセントまたは割合、反応条件、および他の数値を表現するすべての数は、すべての例において「約」という用語により修飾されていると理解されるべきである。したがって、逆の指示のない限り、以下の明細書および添付の特許請求の範囲に記載の数値的パラメーターは、本開示により得ようとする所望の特性に応じて変動しうる近似値である。最低でも、特許請求の範囲への均等論の適用を限定する試みとしてではなく、各数値的パラメーターは少なくとも、報告される有効桁数に照らし、通常の丸め手法により解釈されるべきである。
[0030] 本明細書に記載の数値的範囲およびパラメーターにかかわらず、本開示の広範な範囲は近似値であるが、特定の例に記載の数値は可能な限り正確に報告されている。しかしながら、任意の数値は、そのそれぞれの試験測定値に見出される標準偏差により必然的に生じる一定の誤差を本来的に含有する。さらに、本明細書に開示のすべての範囲が、その中に含まれるあらゆる部分的範囲を包含することが理解されるべきである。たとえば、「1〜10」の範囲は、最小値1および最大値10の間(およびそれらを含む)あらゆる部分的範囲を含み、すなわち、最小値1以上および最大値10以下を有するあらゆる部分的範囲であり、たとえば5.5〜10である。
[0031] 本願における見出しは、いかなる形でも本開示を限定することは意図しておらず、任意の1つの見出しの下にある実施形態は、任意の他の見出しの下にある実施形態と併せて使用できる。
[0032] 本明細書および添付の特許請求の範囲において使用される単数形「a」、「an」、および「the」は、1つの指示対象にはっきりと明確に限定されていない限り、複数の指示対象を含む。したがって、たとえば、「椎間板インプラント(an intervertebral disc implant)」の参照は、1つ、2つ、3つ、またはそれを超える椎間板インプラントを含む。
[0033] 以下の議論には、本開示の原理による、組成物、遺伝学的手順、植物を形質転換して自身の窒素を固定可能とするために必要な関連する遺伝子組換え細胞、および得られる遺伝子組換え植物の記載が、窒素施肥の必要性または需要を減少させるために遺伝子組換え植物(遺伝子改変生物(GMO)を使用する方法の記載とともに含まれる。代替的実施形態もまた開示される。ここで、本開示のある実施形態を詳細に参照し、その例を添付の図面に示し、実施例において論じる。本開示は例示される実施形態と併せて記載される一方で、それらは本開示をそれらの実施形態に限定することを意図するものではないことが理解される。反対に、本開示は、添付の特許請求の範囲に定義される本開示の範囲内に含まれうるすべての代替物、修正物、および均等物を包含することが意図されている。
[0034] ここで、本開示の組成物および方法について目を向けると、本明細書において提供される組成物および方法は、異種ニトロゲナーゼ活性を通じた植物における有機性窒素の産生のためのものであり、結果として植物はアンモニアを産生しうる。
[0035] いくつかの実施形態において、本開示によれば、標的植物は、Nif−H、Nif−D、および/またはNif−K(配列番号1〜3および/または29〜40)を有する、シアノバクテリアの遺伝子配列を含有するDNAで、遺伝的に形質転換される。代替形態において、標的植物は、植物色素体において発現される、特定の条件下、他の細菌の類似の遺伝子(プロモーターおよび翻訳開始配列、ならびに相同組換え配列)で、遺伝的に形質転換されうる。これは、色素体(葉緑体)に限定されない。図3および図4は、色素体形質転換において使用されるプラスミドを示す。
[0036] 標的植物とは、導入される新規遺伝子を有する植物細胞または組織のことを指し、これは、シアノバクテリア(すなわち、Cyanobacterium Anabaena PCC 7120(配列番号1〜2)または他のシアノバクテリア(配列番号29〜40))、または他の細菌(色素体中の「酵素」であるNifタンパク質の蓄積があるという特定の条件下のみ)からのNif−H、Nif−D、およびNif−Kの遺伝子配列を含有する「新規」DNAで遺伝的に形質転換される。これらの遺伝的特徴を有するよう形質転換された植物は、自己または自律窒素固定機構として機能する能力を有する。自己または自律窒素固定は、窒素をアンモニアに固定できる細胞(植物細胞)、植物、または植物の一部、たとえば根または葉を指す。これは、他の生物、たとえば根粒菌との共生によるものではない。代替配列を標的植物のために使用できる。たとえば、Nif−Dは、他のNif−Dのそれぞれのコーディング配列により置き換えることができ、Nif−KおよびNif−Hそれぞれに同じ役割が適用される。
[0037] 植物が本明細書に記載のとおり遺伝的に改変されると、植物は自己生物学的窒素固定が可能となり、植物における窒素固定をもたらすために利用できるようになる。新規に遺伝子操作された植物は、植物の使用または動物の使用のために利用可能な形態で窒素を産生する。
[0038] 任意の植物、たとえばトマト植物(lycopersicum種)またはタバコ植物(Nicotana tabacom)が、本発明を使用できる。これらは、市販品として、農業用播種(agricultural dissemination)、農業用台木(接木手法を使用する)として、または植物研究のためのモデル植物生物として使用できる。
[0039] いくつかの実施形態において、Nif遺伝子(コーディング配列またはmRNA、RNAまたはDNAと呼ばれる)の供給源は、細菌保菌体(bacterial carrier)でありうる。Nif遺伝子は、固有の光合成細菌、たとえばシアノバクテリアに見出される。植物細胞、色素体、または葉緑体におけるNif−H遺伝子の発現は、機能的にNif D−K複合体に対する絶対電子供与体(obligate electron donor)として働くことができる活性酵素にNif−Hタンパク質が結合する頃合いを与える。この発現は、Nif−Hがニトロゲナーゼ還元酵素として機能することを可能にする。いくつかの実施形態において、Nif遺伝子は合成的に作られ、自然界に見出されない。たとえば、配列番号29〜40を参照のこと。
[0040] 植物細胞または葉緑体におけるNif−D遺伝子およびNif−K遺伝子の発現は、Nif−D−Kタンパク質の蓄積を可能にする。植物細胞および/または色素体内における上記の遺伝子発現は、ニトロゲナーゼMo−Feタンパク質として知られており、サブユニットニトロゲナーゼとして機能する。上記の組合せは、その窒素需要の一部または全部を固定/提供可能な植物を生じる。窒素を固定できる植物は、一層強力である。なぜならそれは、共生細菌への依存を必要とせず、化学的または有機的窒素源に依存しないからである。植物細胞におけるNif−H、Nif−D、およびNif−K遺伝子の使用は、窒素固定における細菌または原核細胞のコア経路の機能を模倣する。
[0041] Nif−H、Nif−DおよびNif−Kの任意の組合せでNifタンパク質が蓄積する植物細胞は、窒素を消費可能な形態のうちの1つ(アンモニア(NH)に、次にアンモニウム(NH)に固定する。上記のうちの1つまたはすべての核からの発現は、図6に示すように、機能的Nif複合体(Nif−HおよびNif−D−K)の時間および蓄積に対するより良好な制御を可能にするため、植物色素体を標的としうる。
[0042] 改変自己/自律窒素固定プロファイルを有する遺伝子組換え植物を作製するための方法が提供され、遺伝子組換え植物は、窒素固定のための細菌または原核生物のコア経路を植物が模倣することを可能にするために、そのゲノムまたは色素体ゲノムにNif−H、Nif−D、およびNif−K遺伝子の組合せを含む。本方法は、組換えNif−H、Nif−D、およびNif−K遺伝子を宿主植物のゲノム内に挿入することにより、宿主植物を形質転換する工程を含み、Nif−H、Nif−D、およびNif−K遺伝子はそれぞれ、プロモーター配列、ターミネーター配列、および任意選択で標的シグナルまたは輸送ペプチドをコードするDNA配列に作動可能に連結されており、すべてが前記宿主植物において活性である。いくつかの実施形態において、組換えNif−H、Nif−D、およびNif−K遺伝子は、配列番号1に含まれる。いくつかの実施形態において、組換えNif−H、Nif−D、およびNif−K遺伝子は、配列番号2に含まれる。いくつかの実施形態において、組換えNif−H、Nif−D、およびNif−K遺伝子は、配列番号3に含まれる。当業者に認められるであろうように、配列番号1および2のそれぞれが、配列番号4Aにより識別されるプロモーターを含むので、配列番号1または配列番号2のいずれかを使用するときに、追加のプロモーターを宿主植物内に形質転換する必要はない。同様に、配列番号3は、配列番号4Bにより同定されるプロモーターを含むので、配列番号3を使用するときに、追加のプロモーターを宿主植物内に形質転換する必要はない。あるいは配列は、輸送ペプチドを添加することにより核に形質転換され得、産物は色素体内に蓄積する。
[0043] いくつかの実施形態において、本開示の原理により、植物が窒素固定のための細菌または原核細胞のコア経路を模倣することを可能にするために、そのゲノム(色素体ゲノム)にNif−H、Nif−D、およびNif−K遺伝子の組合せを含む、改変自己/自律窒素固定プロファイルを有する遺伝子組換え植物を作製する方法が提供され、本方法は、1つまたは複数の植物細胞を、プロモーター、たとえばrrn16プロモーターに作動可能に連結されたNif−H、Nif−D、およびNif−K遺伝子をコードする組換え核酸配列と接触させる工程、1つまたは複数の植物を植物細胞から再生する工程、ならびに植物細胞から培養された1つまたは複数の植物を選択する工程であって、選択された植物がそれぞれ、窒素固定能が強化された工程を含み、選択された植物がそれぞれ、rrn16プロモーターに作動可能に連結された組換え核酸配列をコードする組換え核酸配列を含む工程を含む。この方法は、図7のB部分に示されている。一実施形態において、Nif−H、Nif−D、およびNif−K遺伝子をコードする組換え核酸配列は、単一のプロモーター、たとえばrrn16プロモーターに作動可能に連結されている。いくつかの実施形態において、組換え核酸配列は、配列番号1〜3および配列番号49のうちの少なくとも1つの少なくとも一部を含む。
[0044] いくつかの実施形態において、本開示の原理により、植物が窒素固定のための細菌または原核細胞のコア経路を模倣することを可能にするために、そのゲノムにNif−H、Nif−D、およびNif−K遺伝子の組合せを含む、改変自己/自律窒素固定プロファイルを有する遺伝子組換え植物を作製する方法が提供され、本方法は、1つまたは複数の植物細胞を、プロモーターに作動可能に連結されたNifH遺伝子をコードする組換え核酸配列と接触させる工程、植物細胞を、プロモーターに作動可能に連結されたNif−D遺伝子をコードする組換え核酸配列と接触させる工程、植物細胞を、プロモーターに作動可能に連結されたNif−K遺伝子をコードする組換え核酸配列と接触させる工程、1つまたは複数の植物を植物細胞から再生する工程、ならびに植物細胞から培養された1つまたは複数の植物を選択する工程であって、選択された植物がそれぞれ、窒素固定能が強化された工程を含み、選択された植物がそれぞれ、Nif−H遺伝子、Nif−D遺伝子、およびNif−K遺伝子をコードする組換え核酸配列を含み、Nif−H、Nif−D、およびNif−K遺伝子をコードする核酸配列がそれぞれ、プロモーターに作動可能に連結されている。この方法は、図7のA部分に示されている。
[0045] いくつかの実施形態において、Nif遺伝子(Nif-H、Nif-D、Nif-K)をコードする組換え核酸配列は、本質的に配列番号29〜40からなる群のうちの少なくとも3つを含む。いくつかの実施形態において、Nif−H遺伝子をコードする組換え核酸配列は、本質的に配列番号29、32、35、および38からなる群から選択される。いくつかの実施形態において、Nif−D遺伝子をコードする組換え核酸配列は、本質的に配列番号30、33、36、および39からなる群から選択される。いくつかの実施形態において、Nif−K遺伝子をコードする組換え核酸配列は、本質的に配列番号31、34、37、および40からなる群から選択される。いくつかの実施形態において、プロモーターは、本質的に配列番号41〜45からなる群から選択される。いくつかの実施形態において、Nif−H、Nif−D、およびNif−K遺伝子をコードする核酸配列はそれぞれ、自然界に見出される単一の生物において存在する。いくつかの実施形態において、Nif−H、Nif−D、およびNif−K遺伝子をコードする核酸配列はそれぞれ、自然界に見出される異なる生物において存在する。いくつかの実施形態において、Nif−H、Nif−D、およびNif−K遺伝子をコードする核酸配列のそれぞれは、合成であり自然界に見出されない。いくつかの実施形態において、Nif−H、Nif−D、およびNif−K遺伝子のうちの1つをコードする核酸配列のうちの少なくとも1つは、自然界に見出され、Nif−H、Nif−D、およびNif−K遺伝子のうちの1つをコードする核酸配列のうちの少なくとも1つは、合成であり自然界に見出されない。いくつかの実施形態において、Nif−H、Nif−D、およびNif−K遺伝子のうちの1つをコードする核酸配列のそれぞれが、ターミネーターを含む。いくつかの実施形態において、Nif−H、Nif−D、およびNif−K遺伝子のうちの少なくとも1つは、Nif−H、Nif−D、およびNif−K遺伝子の別のものとは異なるプロモーターと連結されている。いくつかの実施形態において、プロモーターは、配列番号4および/または配列番号28を含む。いくつかの実施形態において、Nif−H、Nif−D、およびNif−K遺伝子のそれぞれが、同じタイプのプロモーター、たとえばrrn116プロモーターに連結されている。
[0046] いくつかの実施形態において、前述の段落のいずれか1つにおいて論じられた方法は、以下の工程のうちの少なくとも1つを含む。すなわち、標的生物を同定する工程、標的生物が核形質転換または色素体形質転換により良好に適しているかどうかを決定する工程、Nif遺伝子を含む供与体生物のタンパク質配列を同定する工程、普遍的遺伝コドンを使用してタンパク質配列をDNAに逆翻訳する工程、コーディングDNA配列(CDS)を標的生物(すなわちトマト植物)に最適化する工程、合成CDSを合成する工程、プロモーターターミネーターを添加する工程、安定性または一過性形質転換(stable or transit transformation)のためにCDSを植物に形質転換する工程、および以下のアッセイのうちの1つまたは複数によりニトロゲナーゼ活性をアッセイする工程、すなわち、ARA、15N安定同位体組込みまたは窒素枯渇培地上での成長能力。いくつかの実施形態において、Nif−H、Nif−D、およびNif−K遺伝子のすべてが、1つのオペロンとして同じプロモーター、たとえばrrn116プロモーターに連結されている。
[0047] いくつかの実施形態において、供与体生物は、光合成性であり、窒素固定能力を有する単細胞シアノバクテリアを含む。いくつかの実施形態において、供与体生物のNif遺伝子は、blastNまたは文献調査により同定される。いくつかの実施形態において、同定されるNif遺伝子には、Nif−H、Nif−DおよびNif−K遺伝子が含まれる。いくつかの実施形態において、標的生物のためのコーディングDNA配列は、最も頻度の高いコドンのみを使用して他のすべてを無視する一般的なコドン使用頻度最適化プログラムと違い、比較的使用頻度の低いコドンを無視しないように、Rubiscoのアドホックなコドン使用頻度を使用することにより最適化されている(配列番号35〜37)。いくつかの実施形態において、標的生物のためのコーディングDNA配列は、標準的コドン最適化プログラムおよびRubiscoの最大の使用頻度を使用することにより最適化されている。配列番号29〜36。いくつかの実施形態において、標的生物のためのコーディングDNA配列は、すべての葉緑体の既知の使用頻度コドン配列番号38〜40を使用することにより最適化されている。
[0048] 本開示の原理により提供されるのは、プロモーター配列およびターミネーター配列に作動可能に連結されている組換えNif−H、Nif−D、およびNif−K遺伝子をそのゲノムに含む、改変窒素固定生成プロファイルを有する遺伝子組換え植物である。
[0049] 図1は、ニトロゲナーゼ複合体の概略構造を示す。それは、4個の鉄原子を補因子として有する2つのNif−Hタンパク質により形成される(ホモ二量体)。Nif−Kタンパク質は、モリブデンを補因子として有する、2つのNif−Dサブユニットおよび2つのNif−Kサブユニットを有するヘテロ二量体を形成する。
[0050] 本開示の別の一態様において、自己または自律生物学的窒素固定(sBNF)作物植物が提供される。たとえば、トマト植物(lycopersicon種)は、ニトロゲナーゼ還元酵素(Nif-HおよびNifD-K)の発現遺伝子を有し得、細菌経路を模倣しうる。ニトロゲナーゼ還元酵素(Nif-HおよびNifD-K)の核酸配列は、図6、配列番号29に示すように、配列番号1および2として提供される。
[0051] 本開示の原理による別の一実施形態において、元の細菌配列を置き換えるコドンを使用した標的植物細胞小器官(色素体)におけるNif遺伝子コーディング配列の最適化を伴う、作物植物および/または任意の他の植物における自己または自律BNFが提供される。たとえば、トマト植物(lycopersicon種)は、ニトロゲナーゼ還元酵素すなわちNif−HおよびNifD−Kの発現遺伝子を有し得、細菌経路を模倣しうる。
[0052] 図2および図3は、トマト葉緑体形質転換のためのプラスミドを作製するために使用される工程の概略を示す。(PGE 003):特異的プライマーまたはオリゴ(表20)によりDNAを増幅するためにポリメラーゼ連鎖反応(PCR)を使用し、その後、制限酵素で消化してプラスミド上流に連結した。4工程後、産物は、tRNA−FMおよびt−RNA−Gとして知られている2つの葉緑体ホモログ部位を、いくつかの固有のクローニング部位とそれに続くPsbAのターミネーターとともに含有する。
[0053] 図3は、トマト葉緑体形質転換ならびにトマト植物形質転換のために必要なNif−H、Nif−D、およびNif−K遺伝子発現のためのプラスミドを作製するための工程の概略を示す。特異的プライマーまたはオリゴ(表20)によりDNAを増幅するためにポリメラーゼ連鎖反応(PCR)を使用し、その後、制限酵素で消化してプラスミドに連結した。1または2工程後、プラスミドはNif遺伝子を含有し、コーディング配列が作られる。3つの遺伝子、Nif遺伝子、レポーター遺伝子、および選択マーカー、たとえばaadAが、カッター、たとえば制限酵素を使用することにより、1つのクラスターとしてクローニングされる。
[0054] 図4は、C.reinhardtiiの葉緑体または他の葉緑体内に単一のオペロンとして挿入されるNif−H、Nif−D、およびNif−K遺伝子を示す。葉緑体は、原核細胞遺伝子発現系を含有し、オペロンの発現を可能にする。光合成により供与される電子およびATPが、ニトロゲナーゼ酵素が作用することを可能にし、NHの産生をもたらす。藻類フェレドキシン(Fd)が、光化学系I(PSI)からニトロゲナーゼのNif−H/Fe−タンパク質への電子伝達を媒介する。本開示は、Nif複合体が、その元の供給源に起因して酸素に対する感受性が比較的低いこと、ならびに、Fe−タンパク質(Nif-H)が電子をnif−Kに伝達可能であり、自律/自己窒素固定を補助することを示唆する。
[0055] 本開示の原理が、任意の植物、たとえばイネ、トウモロコシ、ジャガイモ、カボチャ、メロン、タバコ、綿、シロイヌナズナ、および木、たとえばリンゴ、サクラ、クルミ、およびまた緑藻類、ならびに他の植物に適用されうることが想定される。たとえば、本手法をクラミドモナス(緑藻類)に適用するために、コーディング配列が配列番号3を有する合成遺伝子合成により最適化された。
[0056] 本開示の別の実施形態は、窒素施肥の必要性または需要を減少させるために、遺伝子組換え植物(遺伝子改変生物(GMO))を使用する方法を提供する。本開示の別の一実施形態は、窒素施肥を置き換えるために、遺伝子組換え植物(遺伝子改変生物(GMO))を使用する方法を提供する(たとえば、GMOが植物肥料として使用できる)。
[0057] 下に記述される実施例は、植物、すなわちトマト植物の遺伝子を操作して、それ自身で窒素を固定する能力を有させることが達成されることを記載する。
実施例:トマト色素体形質転換のためのプラスミドの作出
[0058] 本開示において、原核または細菌ニトロゲナーゼおよびBNFが、植物におけるアンモニアおよび/またはアンモニウムの産生のために利用される。これらの遺伝子組換え植物は、BNFのコードを有するプラスミドで形質転換されると、その窒素需要の全部または一部を生成する能力を有する。ヒトの消費に好適な作物、たとえばトマト、イネまたはコムギ、ならびに園芸植物として好適な作物、たとえば花、草および木はまた、他の植物および藻類を含め、窒素を自律/自己固定するために形質転換されうる。これらのプラスミドは自然界に存在しないので、細胞/植物が窒素を自律/自己固定することを可能にする人工プラスミドを作るために、合成生物学が使用される。人工プラスミドは、CDSの改変とともに、たとえば植物におけるニトロゲナーゼの発現および蓄積という新規課題を実行するための制御配列も含有する。
実施例:遺伝物質の単離
[0059] 植物DNA単離:DNeasy Plant Mini Kit(Qiagene、ドイツ)を使用してゲノム(核)および色素体DNAを単離するために、3〜4週の若いトマト植物を使用した。純粋なDNAを使用して、目的のDNA配列のPCR増幅を完了した。
[0060] トマトDNAを、配列番号5、6、7、および8(表20を参照のこと)を使用して、特異的PCR反応により増幅した。これは、トマト組換え部位(配列番号5、6、7および8(表20を参照のこと))およびPsbAシグナルの終止(配列番号17および18)を生じた。すべての3つのPCR産物が、(トマト)色素体DNAからである。
[0061] PsbAは、D1タンパク質(PsbAとしても知られている)の遺伝子であり、光化学系II反応中心の反応コアを形成する。PsbAは、構成的に発現する遺伝子として周知である。
[0062] 次に、PCR増幅DNAを、制限酵素による消化のために使用し、それぞれ配列番号5、6、7、8、17および18であるPCR産物のそれぞれと結合する、Sacl−Sacll、Xhol−Kpnl、およびBamHI−Asclの粘着末端または付着末端を作った。
[0063] 粘着末端または付着末端は、制限酵素が3’または5’オーバーハングを作るときに使用される用語である。これらのオーバーハングは、ほとんどの場合、回文配列(対称)である。それぞれの粘着末端は、その相補配列とのみ連結する。連結されたまたは連結は、通常は酵素、たとえばT4−DNAリガーゼにより実行されるが、DNAまたはDNAリガーゼに限定されない、DNA断片を合わせて「接着」する、DNA分子の2つの末端の共有結合反応を指す。
[0064] PCRで制限されたDNAを、図2に示す3つの状態反応でpBluescriptプラスミドにクローニングし、T4−DNAリガーゼ酵素(NEB、米国)でのインキュベーションにより、推奨される製造条件で完成させた。
[0065] 回文配列でないマルチプルクローニングサイト(MCS)のための固有の制限を付加するため、図2および図7に示すように、pPZP−RCSIIのMCSをPCRにより増幅し、Xhol−Sacl部位にクローニングした。
[0066] PGE 003と名づけられた新規プラスミドは、AMP−RまたはBLA遺伝子およびpBluescriptのORIおよびトマト葉緑体の相同組換え部位(図2のTom Chl1および2)およびトマトからのPsbAターミネーターからなり、pPZP−RCSIIのMCS人工DNA配列を伴う。
[0067] この手順を使用して作製されたPGE 003プラスミドは固有の多重クローニング部位を有し、制限部位を有するMCS固有DNAは、以下の制限酵素からなるクローニングのための制限酵素を使用することを可能にする。すなわち、目的の遺伝子を正しい順序および方向でクローニングすることを可能にするXhol、Pi−Pspl、l−Ceul、l−Scel、l−Ppol、およびAsclである。Pi−Pspl、l−Ceul、l−Scel、およびl−Ppolは回文配列でないので、付着末端は対称でない。したがって連結は、1方向でのみ生じる。
実施例:NIF遺伝子のクローニングおよび発現
[0068] 配列番号19および20を有するオリゴを使用して、トマトDNAを特異的PCR反応により増幅し、pSAT6−MCSのAgel−BamHI部位にクローニングし、PGE 006を作った。これは、目的のDNAをPi−Pspl部位間に有する一時的なプラスミドである。このクローニング工程により、トマトDNAからのrrn16遺伝子のプロモーターをクローニングした。
[0069] pSATベクターは、ホーミングエンドヌクレアーゼを使用する一連のベクター(プラスミド)である。ホーミングエンドヌクレアーゼは、通常長い認識部位を有する制限酵素である。この特徴は、それらを「レアカッター」とする。なぜなら、任意のランダムに選択されるDNAにおけるそれらの切断の頻度は稀だからである。たとえば、pSAT4は、l−Scelのための部位AGTTACGCTAGGGATAACAGGGTAATATAG配列番号25(Genbank配列番号DQ005466として利用可能)の2つのリピートを有し、通常の制限酵素の6〜8と比較して、これらは30塩基である。
[0070] シアノバクテリアATCC7120 DNAに対するPCRで、配列番号9および10(表20を参照のこと)を有するオリゴを使用して特異的PCR反応により増幅し、(植物遺伝子操作のためのプラスミド)(PGE)006の(制限部位)Bglll−Notl部位にクローニングし、rrn16プロモーターの制御下にあるNif−H遺伝子を有するプラスミドであるPGE 007を作った。
[0071] rrn16プロモーターは、リボゾームRNA 16Sの色素体遺伝子の5’DNA配列を指し、これは周知の色素体の発現プロモーターであり、本開示において使用されるが、他の誘導性プロモーターも可能である。すなわち、プロモーターは、植物が自律/自己窒素生成および/または窒素摂取、同化もしくは使用能力の増強を有するようにすることが所望されるであろう、任意の条件下で誘導性であるものから選択される。たとえば、好適なプロモーターには、窒素源の適用により誘導されるもの、ストレス誘導性のもの、傷害誘導性のもの、または他の化学物質の適用により誘導されるものが含まれうるが、これに限られるものではない。本開示の遺伝的構築物を含有する遺伝子組換え植物は、対照植物に対して農学的特徴の増強を示す。増強される特定の農学的特徴は通常プロモーターの性質により、ほとんどもしくはまったく窒素肥料投入なしに、窒素欠乏条件において本発明の植物の栽培を可能にするか、または、通常の成長条件下で一層迅速な成長、一層大きな成長および/もしくは繁殖量を可能にする、ストレス耐性の増強および/または一層効率的な窒素摂取、貯蔵もしくは代謝を含みうる。
[0072] シアノバクテリアATCC7120 DNAに対するPCRで、配列番号11および12(表20を参照のこと)を有するオリゴを使用して特異的PCR反応により増幅し、pSAT5−MCSのAgel−Xhol部位にクローニングし、Nif−D遺伝子を有するプラスミドであるPGE 008を作った。
[0073] シアノバクテリアATCC7120 DNAに対するPCRで、配列番号13および14(表20を参照のこと)を有するオリゴを使用して特異的PCR反応により増幅し、PGE 008のXhol−Notl部位にクローニングし、Nif−DおよびNif−K遺伝子を有するプラスミドを作った(図5上部中央)。pPZP−RCSII DNAに対するPCRで、配列番号23および24(表20を参照のこと)を有するオリゴを使用して特異的PCR反応により増幅し、pSAT4のAgel−Xhol部位にクローニングし、aadA遺伝子を有するPGE 005プラスミドを作った(図4上部右側)。aadAは植物形質転換のレポーター遺伝子である。この遺伝子は、アデニル化によりスペクチノマイシンおよびストレプトマイシンを不活性化させる酵素アミノグリコシド3’アデニリルトランスフェラーゼをコードし、葉緑体リボソームへの結合を阻害し、植物が抗生物質を含有する培地上で成長することを可能にする。あるいは、コンピューター上での基礎設計後に、核酸配列全体を市販のソフトウェアに提示し、互いにつなげて重複した連続する塩基を有する重複オリゴ(オリゴは通常短いDNA配列である)配列を合成することにより、合成プラスミドを作製し、配列全体を作る。この手法を使用することにより、細胞特異的で最適に発現する新規配列を作ることが可能となる。配列番号9、11、および13を有するプラスミドPGEを、それぞれPl−Pspl、l−Ceul、およびl−Scelにより消化し、目的の遺伝子、たとえばNif−H、Nif−D、Nif−K、およびaadAを、配列番号7を有する同じ部位に供与し、配列番号15を有する新規プラスミドを色素体のために使用した。
[0074] 次に、配列番号2を有するPGEを金粒子に結合し、トマト植物の葉組織に衝突させた。
[0075] トマト葉緑体形質転換は、トマト植物における植物色素体DNAの既知の部位(trnfMおよびtmG)間の相同組換えに基づく、外来DNAの組込みを可能にする。一般に、両側の数百の塩基対(BP)が、間の数千の新規BP(Nif遺伝子)の移動を可能にする(図5を参照のこと)。これらの目的の遺伝子を有するプラスミドDNAの使用は、1)細菌、たとえばE.coli中のDNAを維持し、2)CDSの変異誘発を促進し、3)プラスミドDNAを金粒子に結合させ、トマト植物の葉組織に衝突させる。選択マーカー、たとえばaadAを添加し、ストレプトマイシンまたはスペクチノマイシン抗生物質を含有する植物培地上でトランスフェクトした組織を選択することは、「マーカー」を含有しない細胞の死滅をもたらす。数週後に、生存する細胞は遺伝子組換え色素体(葉緑体)を含有し、ホモ色素体(homoplastid)は、すべての葉緑体が同一であって新規遺伝子を含有することを示唆し、これは単純な部位特異的PCR試験により証明できる。植物の葉は、培地中のホルモンの濃度に応じて、新規植物に発達する(再生)。
[0076] 遺伝子組換え植物は、Nif−H、Nif−D、およびNif−Kまたはこれら3つのうちの任意の2つのNifオペロンを発現する。「オペロン」という用語は、DNA配列に順序立って組織化され、一緒に転写される少数の遺伝子を指す。言及される遺伝子は、RNA分子に転写および/またはタンパク質もしくはペプチドに翻訳されうる、DNA配列またはDNA配列の一部である。
[0077] プラスミドDNAの葉に衝突後に、非相同組換えが生じる。植物細胞のライフサイクルの正常な一部として、2つの分子(プラスミドDNAおよび色素体DNA)が、組換え部位間の類似性により植物のDNAの一部と置き換わる。結果として、プラスミドDNAの追加部分が色素体DNA内に導入される。
[0078] 植物組織は抗生物質に曝露されているので、抗生物質により傷害されることを回避できる(抗生物質に耐性のある)色素体のみが生存し、最終的に数世代後、遺伝子組換えである色素体のみがそれぞれの細胞に存在することになる。この時点で、関与する植物、細胞、または組織は、ホモプラミック(homoplamic)であると考えられる。
[0079] 殺菌トマト植物(L. esculentum var. lAC−サンタクララ)を、Magenta箱(コネクター要素を有する二重箱)内で、MS培地上で発芽させた表面殺菌種子から育成した。微粒子銃衝突のため、茎挿しの成長している腋芽分裂組織から作製した3〜4週齢植物(およそ15cmの高さ)から若葉を摘み取った。同質細胞質トランスプラストミック植物および野生型対照植物を土壌に移し、フィトチャンバー(phytochamber)内で成熟するまで成長させた(光に照らして16時間、暗闇で8時間、24℃)。対照植物を同一の条件下で成長させた。
[0080] DuPont PDS1000He微粒子銃および1,100p.s.i.破裂板(BioRad Laboratories、ハーキュリーズ、CA)を使用して、若い殺菌トマト葉に0.6μm直径のプラスミドDNA被覆金粒子を微粒子銃衝突させることにより、トマト植物の色素体形質転換を行った。衝突させた葉試料を、小断片(3×3mm)に切り分け、スペクチノマイシン(300〜500mg/L)を含有するRMOP培地に移し、薄暗い光(25μE、光の中で16時間、暗闇の中で8時間)の下で3〜4カ月間インキュベートした。初代スペクチノマイシン耐性株を、黄色または淡緑色の成長カルスとして同定した。カルス片を、同質細胞質トランスプラストミック組織のさらなる繁殖および単離のため、同じ培地に移した。植物再生のため、同質細胞質カルス組織を、IAA0.2mg/LおよびBAP3mg/Lを含有する寒天固化MS培地の表面上に移した。あるいは、BAPの代わりにゼアチン2mg/Lを含有する同じ培地でのシュートの誘導が得られた。発根のため、再生されたシュートを、植物ホルモン非含有MS培地を含有する箱内に移した。RNOP培地は、成長ホルモンでサポートされたMSである。すなわち、NAA0.1mg/L、BAP1mg/L、およびビタミンチアミン1mg/L、ミオイノシトール100mg/lおよび炭素源としてスクロース30gである。
[0081] 代替遺伝子またはタンパク質、たとえば表21に記載の遺伝子を本発明のために使用できる。なぜなら、微生物、たとえばシアノバクテリアは微生物多様性を有するからである。いくつかの遺伝子は同一ではないが類似し、ほぼ同一の機能を果たすので、Nif−H、Nif−D、Nif−K、およびCDSの異なる供給源を使用できる。
[0082] 図5は、発芽3週後のトマト植物の発育を示す。左のポットには、植えるときに単回用量の肥料を供給し、右のポットでは、植物に肥料を添加しなかった。それらを通常の野外条件下で一緒に置き、右側のサイズマーカーは1インチである。
[0083] 図6は、植物細胞中のNif−Hの標的および蓄積を示す。特に、(A)Leptolyngbya nodulosaからの非異質細胞シアノバクテリアNifHは、Nif−H−GFPの合成の鋳型として働いた。輸送ペプチドについては、トマトRubisco輸送ペプチドをコードする210塩基が5’末端に付加された。空ベクターを対照として使用した。(B)は、共焦点顕微鏡により撮影された葉緑体自己蛍光およびGFPを示す。重ね合わせ(マージ)画像は、TP−NifH−GFPが葉の葉緑体で蓄積しうるが、他の部分および細胞小器官では検出できないことを示す。
[0084] 使用できる別の一例は、バイオ燃料もしくはバイオディーゼル製品のモデルまたは環境に優しい肥料(green fertilizer)として使用できる単細胞藻類Chlamidomonas reinhardtiiであり、それは、シアノバクテリア配列番号1〜3(または他の窒素固定細菌)からのNifHおよびNifDおよびNifKの遺伝子配列を含有し、色素体における発現を可能にする特定の要素、すなわちプロモーターおよび翻訳開始配列を、相同組換え配列とともに有するDNAで遺伝的に形質転換される。
[0085] 得られる遺伝的に改変されたC.reinhardtiiは、ニトロゲナーゼ還元酵素の遺伝子を有して発現し、窒素固定のための細菌経路を模倣する。遺伝子操作C.reinhardtiiを通じて植物において窒素固定のためにBNFを利用することは、植物または動物消費のために利用可能な有機的形態の窒素を産生する。この手法をごくわずかに調整するだけで、市販品のために多くの藻類を使用でき、従来の施肥より15〜35%費用が低い、一層速い成長および環境に優しい結果をもたらす。藻類を形質転換するときのNif遺伝子の供給源は、光合成シアノバクテリアである。これらのNif遺伝子を使用することは、形質転換された藻類がその代謝のためにその酵素を利用可能であることを保証する。
[0086] 本開示は、1つのオペロンとしてのNif遺伝子の発現を可能にする新規のプラスミドを記載する。固有の構成は、以前の実験の複雑性を回避し、個々の遺伝子および別々の遺伝子の両方の発現をもたらした。
[0087] 追加のNif遺伝子の供給源およびNif遺伝子の単離は、細菌ゲノム配列が公知となるにつれて完成される。シアノバクテリアのNif遺伝子は、特定の標的遺伝子を増幅することにより利用可能である。たとえば、Nostoc種PCC 7120受託番号BA000019.2(NCBI)のゲノム配列において、Nif−Hを、ATGACTGACGAAAACATTAGACAG(配列番号3)で始まり、ATGACTGACGAAAACATTAGACAGA(配列番号25)で終わる遺伝子の最初および最後の24塩基を使用してPCRにより容易に増幅できる。それぞれのプライマーの最初に制限部位を付加することは、コーディング配列内に見出されない特定の部位、たとえば第1のプライマーについてXhol部位:CTCGAG−ATGACTGACGAAAACATTAGACAG(配列番号26)、第2のプライマーについてXbal部位:TCTAGA−ATGACTGACGAAAACATTAGACAGA(配列番号27)で、PCR産物をクローニングすることを可能にする。これは、NifH遺伝子をXhol−Xbal部位にクローニングすることを可能にする。900bpのサイズのPCR産物をプラスミド、たとえばpBluescriptに連結することと、それに続く、アンピシリン含有LB寒天プレート上での選択とは、配列の検証を可能にする。同じ戦略が、Nif−DおよびNif−K遺伝子のクローニングに適用される。
実施例:色素体形質転換
[0088] 植物色素体DNAの既知の部位、たとえば(trnfMおよびtmG)間の相同組換えに基づく外来DNAの組込みを可能にするC.reinhardtii葉緑体形質転換は、図2〜図3に示されており、配列番号1〜3のうちの1つを使用する。
[0089] 一般に、両側の数百の塩基対が、間の数千の新規DNA塩基対(BP)(Nif遺伝子)の移動を可能にする。これらの遺伝子を有するプラスミドDNAは、1)細菌、たとえばE.coli中のDNAを維持し、2)コーディングDNA配列(CDS)の配列および/または変異誘発を可能にし、3)遺伝的形質転換のために利用可能である。
[0090] 遺伝的形質転換(プラスミドを色素体内に挿入すること−図7Bを参照のこと)は、以下の工程を含む。すなわち、1)DNA、たとえば配列番号1、配列番号2、または配列番号3をコードする核酸配列を、金粒子上に吸着させ、DNAをC.reinhardtii細胞上に衝突させる工程、2)選択マーカー、たとえばaadAを添加し、導入遺伝子を含有しない細胞を排除するために、抗生物質、たとえばスペクチノマイシンを含有する藻類成長培地上で形質転換細胞を選択する工程、3)遺伝子組換え色素体を含有する細胞を貯蔵する工程、および4)単純な部位特異的PCRを使用して配列を検証する工程、である。
[0091] 改変したら、C.reinhardtiiを窒素固定について、たとえばアセチレン還元により試験する。この方法は、Nif酵素活性の直接的証拠を提供するために、ガスクロマトグラファーを使用して窒素源であるアセチレンの量を測定する。形質転換された細菌を成長させることおよびそれを野生型と比較することは、形質転換された遺伝子が活性であり、それゆえC.reinhardtiiが窒素を固定することを可能にすることを確証する。
実施例:核形質変換(図7Aを参照のこと)
[0092] タバコ植物の調製:タバコ植物を発芽後3〜4週間Majenta箱内、MS培地上、22℃で、長日グロースチャンバー内で成長させる。
[0093] アグロバクテリウム培養株の調製:アグロバクテリウム培養株を、LB3ml+抗生物質(たとえばリファンピン10mg/lおよびスペクチノマイシン100mg/ml)+プラスミド配列番号PGE0048またはPGE0066またはPGE0088またはPGE0148中で、種培養株を1晩成長させる(28℃、250rpm、新たに再ストリークしたLBプレートから)ことにより調製する。1または2mlを、抗生物質を含まないLB50ml中で希釈し、2〜6時間、28℃で、OD600=0.6〜1.0まで成長させる。
[0094] 形質転換手順:細菌培養株を滅菌ペトリ皿中に注ぐ。タバコ植物の葉を小断片、たとえば円板上にまたは四角形に切り分け、小断片を約2cm×2cmの断片とする。
[0095] タバコ植物の断片を、ペトリ皿内の細菌培養株に添加する。ペトリ皿を、約20分間、22〜25℃でインキュベートする。タバコ植物の断片を滅菌ろ紙上で乾燥させ、一切の過剰な液体を除去する。タバコ植物の乾燥断片を、MRプレート上に(可能であれば、葉の表側を下に)置く。プレートをパラフィルムで密封する。
[0096] あるいは、タバコ植物の1つまたは複数の葉に、OD0.1の細菌懸濁液を注入してもよい。次に、注入された葉を48〜72時間放置して回収する。注入された葉を、Nif遺伝子の移行性発現について分析する。48〜72時間後、植物をチャンバー内に15N 安定同位体とともに96時間密封し、次に、15Nの植物アミノ酸および/または他の分子中への組込みについて、質量分析により分析した。
[0097] 共培養:葉/断片を3日間、グロースチャンバー内、22℃でインキュベートする(長日)。3日後、葉/断片を、水中にチメンチン100mg/lを有する滅菌水中ですすぐことにより洗浄した。葉/断片をMRTK上に置き、葉/断片は互いに間をあけ、アグロバクテリウム再成長のリスクを減少させる。葉/断片をグロースチャンバー内に約2〜3週間、22℃で置く(長日)。カルスが葉/断片の端に現れる。カルス上に小さな芽が現れるとき、再びMSTKプレート上にリプレートし、一方で好ましくは、小植物を損なうことなく周囲のカルスおよび葉組織を除去する。約3週間後(さらに後のこともある)、小植物は成長し根が現れ、次に小植物をMST上にリプレートされうる(majenta箱内、リプレート前に根を切る)。次に、MS majenta箱上に3〜4週間ごとにリプレートする。
[0098] 培地組成
[0099] MR=MS培地(1L)、MS粉末4.4g、スクロース30g、MES0.5g pH5.8、寒天8.0g。オートクレーブ後、原液のBAP1ml(1mg/ml)および原液のNAA0.1ml(1mg/ml)を添加する。
[00100] MRTK=MRと同じだが、オートクレーブ後にチメンチン300mg/L最終(ろ過滅菌された原液300mg/mlから)およびカナマイシン50mg/L最終(ろ過滅菌された原液50mg/mlから)を添加する。
[00101] MSTK=MRTKと同じだが、BAPおよびNAAを有せず、チメンチン300mg/L最終およびカナマイシン30mg/L最終を有する。
[00102] MST=MSTKと同じだが、カナマイシンを有せず、チメンチンは100mg/Lまで減らすことができ、さらなるリプレートにおいては完全に除去される。
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[00103] 本明細書に開示の手順および実施形態に対し様々な修正がなされうることが理解される。したがって、上の記載は、限定的なものと解釈されるべきではなく、様々な実施形態の単なる例示として解釈されるべきである。当業者は、本明細書に添付の特許請求の範囲の範囲および趣旨内である他の修正を想定する。

Claims (35)

  1. 1つまたは複数の植物細胞を、プロモーター配列およびターミネーター配列に作動可能に連結されたNif−H、Nif−D、およびNif−K遺伝子をコードする組換え核酸配列と接触させる工程;
    1つまたは複数の植物を植物細胞から再生する工程;ならびに
    植物細胞から培養され、窒素固定能が強化された、1つまたは複数の植物を選択する工程であって、前記1つまたは複数の植物が、Nif−H、Nif−DおよびNif−K遺伝子をコードする組換え核酸配列を含む工程;
    を含む方法により作製される、窒素固定能が強化された遺伝子組換え植物。
  2. Nif−H、Nif−D、およびNif−K遺伝子をコードする組換え核酸配列を含む、請求項1に記載の遺伝子組換え植物の種子、茎、葉、または根。
  3. アブラナ、トウモロコシ、イネ、タバコ、ダイズ、綿、アルファルファ、トマト、コムギ、ジャガイモ、およびオオムギからなる群から選択される、請求項1に記載の遺伝子組換え植物。
  4. トマトまたはタバコである、請求項3に記載の遺伝子組換え植物。
  5. Nif−H、Nif−D、およびNif−K遺伝子をコードする組換え核酸配列を含む、請求項1に記載の遺伝子組換え植物の後代。
  6. Nif−H、Nif−D、およびNif−K遺伝子をコードする組換え核酸配列を含む、請求項3に記載の植物の後代。
  7. Nif−H、Nif−D、およびNif−K遺伝子をコードする組換え核酸配列を含む、請求項4に記載の植物の後代。
  8. 前記1つまたは複数の植物を選択する工程が、1つまたは複数の植物を低窒素投入条件下で成長させることを含む、請求項1に記載の遺伝子組換え植物。
  9. 前記1つまたは複数の細胞と接触するNif−H、Nif−D、およびNif−K遺伝子をコードする組換え核酸配列が、シアノバクテリア、アゾトバクテラサエ(azotobacteraceae)、根粒菌、およびフランキア(frankia)からなる群から選択される供給源から得られる、請求項1に記載の遺伝子組換え植物。
  10. 請求項1に記載の遺伝子組換え植物を土壌と接触させ、遺伝子組換え植物が成長する際に、窒素が土壌から使用され、そのことにより土壌中の窒素の総濃度を減少させる工程;
    を含む、土壌中の窒素の総濃度を減少させるための方法。
  11. 遺伝子組換え植物を作製するために、植物細胞を配列番号1、配列番号2、および配列番号3のうちの1つをコードする組換え核酸配列と接触させる工程;
    1つまたは複数の遺伝子組換え植物を植物細胞から再生する工程;ならびに
    植物細胞から培養された1つまたは複数の遺伝子組換え植物を選択する工程であって、選択された遺伝子組換え植物がそれぞれ、窒素固定能が強化されている工程;
    を含み、選択された1つまたは複数の遺伝子組換え植物がそれぞれ、配列番号1、配列番号2、または配列番号3をコードする組換え核酸配列を含む方法、により作製される、窒素固定能が強化された遺伝子組換え植物。
  12. 配列番号1、配列番号2、および配列番号3のうちの1つをコードする組換え核酸配列を含む、請求項11に記載の遺伝子組換え植物の種子、茎、葉、または根。
  13. アブラナ、トウモロコシ、イネ、タバコ、ダイズ、綿、アルファルファ、トマト、コムギ、ジャガイモ、およびオオムギからなる群から選択される、請求項11に記載の遺伝子組換え植物。
  14. 請求項11に記載の方法により作製される遺伝子組換え植物に由来する、植物由来市販品であって、前記遺伝子組換え植物が、配列番号1、配列番号2、および配列番号3のうちの1つをコードする組換え核酸配列を含む、植物由来市販品。
  15. パルプ、紙、紙製品、材木、タバコ、葉巻、かみタバコ、パン、小麦粉、シリアル、オートミール、またはコメである、請求項14に記載の植物由来市販品。
  16. 請求項11に記載の遺伝子組換え植物を土壌と接触させ、植物が成長する際に、窒素が土壌から使用され、そのことにより土壌中の窒素の総濃度を減少させる工程
    を含む、土壌中の窒素の総濃度を減少させるための方法。
  17. 遺伝子組換え植物を作製するために、植物細胞を配列番号1、配列番号2、および配列番号3のうちの1つをコードする組換え核酸配列と接触させる工程;
    植物細胞をトマト葉緑体発現に最適化された少なくとも1つの合成コーディングDNA配列(sCDS)と接触させる工程;
    1つまたは複数の遺伝子組換え植物を植物細胞から再生する工程;ならびに
    植物細胞から培養され、窒素固定能が強化された、1つまたは複数の遺伝子組換え植物を選択する工程であって、前記1つまたは複数の植物が、配列番号1、配列番号2、または配列番号3をコードする組換え核酸配列およびsCDSを含む工程;
    を含む方法により作製される、窒素固定能が強化された遺伝子組換え植物。
  18. アブラナ、トウモロコシ、イネ、タバコ、ダイズ、綿、アルファルファ、トマト、コムギ、ジャガイモおよびオオムギからなる群から選択される、請求項17に記載の遺伝子組換え植物。
  19. 前記sCDSが、本質的に配列番号29、配列番号30、配列番号31、配列番号32、配列番号33、配列番号34、配列番号35、配列番号36、配列番号37、配列番号38、配列番号39、および配列番号40からなる群のうちの1つを含む、請求項17に記載の遺伝子組換え植物。
  20. 請求項17に記載の遺伝子組換え植物を土壌と接触させ、植物が成長する際に、窒素が土壌から使用され、そのことにより土壌中の窒素の総濃度を減少させる工程;
    を含む、土壌中の窒素の総濃度を減少させるための方法。
  21. 請求項17に記載の遺伝子組換え植物を土壌と接触させ、植物が腐敗する際に、植物が土壌中に窒素を放出する工程;
    を含む、土壌中の窒素の濃度を増加させるための方法。
  22. 遺伝子組換え植物を作製するために、植物細胞を配列番号46、配列番号47、配列番号48、および配列番号49のうちの1つをコードする組換え核酸配列と接触させる工程;
    1つまたは複数の遺伝子組換え植物を植物細胞から再生する工程;ならびに
    植物細胞から培養された1つまたは複数の遺伝子組換え植物を選択する工程であって、選択された植物がそれぞれ、窒素固定能が強化されている工程;
    を含み、選択された1つまたは複数の遺伝子組換え植物がそれぞれ、配列番号46、配列番号47、配列番号48、または配列番号49をコードする組換え核酸配列を含む方法、により作製される、窒素固定能が強化された遺伝子組換え植物。
  23. 配列番号46、配列番号47、配列番号48、および配列番号49のうちの1つをコードする組換え核酸配列を含む、請求項22に記載の遺伝子組換え植物の種子、茎、葉、または根。
  24. アブラナ、トウモロコシ、イネ、タバコ、ダイズ、綿、アルファルファ、トマト、コムギ、ジャガイモ、およびオオムギからなる群から選択される、請求項22に記載の遺伝子組換え植物。
  25. 請求項22に記載の方法により作製される遺伝子組換え植物に由来する、遺伝子組換え植物由来市販品であって、前記遺伝子組換え植物が、配列番号46、配列番号47、配列番号48、および配列番号49のうちの1つをコードする組換え核酸配列を含む、遺伝子組換え植物由来市販品。
  26. パルプ、紙、紙製品、材木、タバコ、葉巻、かみタバコ、パン、小麦粉、シリアル、オートミール、またはコメである、請求項25に記載の遺伝子組換え植物由来市販品。
  27. 請求項22に記載の遺伝子組換え植物を土壌と接触させ、植物が成長する際に、窒素が土壌から使用され、そのことにより土壌中の窒素の総濃度を減少させる工程
    を含む、土壌中の窒素の総濃度を減少させるための方法。
  28. 1つまたは複数の遺伝子組換え植物細胞を、第1のプロモーターに作動可能に連結されたNif−H遺伝子をコードする組換え核酸配列と接触させる工程;
    遺伝子組換え植物細胞を、第2のプロモーターに作動可能に連結されたNif−D遺伝子をコードする組換え核酸配列と接触させる工程;
    遺伝子組換え植物細胞を、第3のプロモーターに作動可能に連結されたNif−K遺伝子をコードする組換え核酸配列と接触させる工程;
    1つまたは複数の遺伝子組換え植物を植物細胞から再生する工程;ならびに
    植物細胞から培養された1つまたは複数の遺伝子組換え植物を選択する工程であって、選択された遺伝子組換え植物がそれぞれ、窒素固定能が強化されている工程;
    を含み、選択された遺伝子組換え植物がそれぞれ、Nif−H遺伝子をコードする組換え核酸配列、Nif−D遺伝子をコードする組換え核酸配列、およびNif−K遺伝子をコードする組換え核酸配列を含む方法、により作製される、窒素固定能が強化された遺伝子組換え植物。
  29. 前記Nif−H遺伝子をコードする組換え核酸配列が、本質的に配列番号29、32、35、および38からなる群から選択される、請求項28に記載の遺伝子組換え植物。
  30. 前記Nif−D遺伝子をコードする組換え核酸配列が、本質的に配列番号30、33、36、および39からなる群から選択される、請求項28に記載の遺伝子組換え植物。
  31. 前記Nif−K遺伝子をコードする組換え核酸配列が、本質的に配列番号31、34、37、および40からなる群から選択される、請求項28に記載の遺伝子組換え植物。
  32. 前記第1のプロモーターが、本質的に配列番号41〜45からなる群から選択される、請求項28に記載の遺伝子組換え植物。
  33. 前記第2のプロモーターが、本質的に配列番号41〜45からなる群から選択される、請求項28に記載の遺伝子組換え植物。
  34. 前記第3のプロモーターが、本質的に配列番号41〜45からなる群から選択される、請求項28に記載の遺伝子組換え植物。
  35. 前記プロモーターのうちの少なくとも1つが、配列番号4または配列番号28を含む、請求項28に記載の遺伝子組換え植物。
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