JP2016501903A - 新規結晶形のセフタロリンフォサミル - Google Patents

新規結晶形のセフタロリンフォサミル Download PDF

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Abstract

本発明は、新規結晶形のセフタロリンフォサミル、それらの製造方法に関する。また、本発明は、抗生剤の調製のための該新規結晶形のセフタロリンフォサミルの使用に関する。加えて、本発明は、該新規結晶形のセフタロリンフォサミルの有効量を含む医薬組成物、およびその調製方法に関する。最後に、本発明は、該新規結晶形のセフタロリンフォサミルの有効量とβ−ラクタマーゼ阻害剤とを含む医薬組成物に関する。

Description

本発明は、新規結晶形のセフタロリンフォサミルおよびその製造方法に関する。また、本発明は、抗生剤の調製のための該新規結晶形のセフタロリンフォサミルの使用に関する。加えて、本発明は、該新規結晶形のセフタロリンフォサミルの有効量を含む医薬組成物およびその調製方法に関する。最後に、本発明は、該新規結晶形のセフタロリンフォサミルの有効量とβ−ラクタマーゼ阻害剤とを含む医薬組成物に関する。
結晶多形および擬似結晶多形(pseudopolymorphism)(それぞれ、溶媒和物および水和物の結晶多形)は、1つの分子について異なる結晶形が生じることに関する現象である。同一分子について、結晶構造が異なり、かつ、融点、XRPDパターンおよびFTIRスペクトルなどの物理的特性が異なる、数種類の結晶形が存在し得る。故に、これらの異なる結晶形は、結晶を構成する化合物の分子式を共有する異なる固体形態であるが、それらは、例えば化学的安定性、物理的安定性、吸湿性、溶解性、溶出率(dissolution rate)、バイオアベイラビリティ、流動性、圧縮性、pKa値、溶媒残留量など物的特性が異なる場合がある。
セフタロリンフォサミル、すなわち、4−[2−[[(6R,7R)−2−カルボキシ−7−[[(2Z)−2−(エトキシイミノ)−2−[5−(ホスホノアミノ)−1,2,4−チアジアゾール−3−イル]アセチル]アミノ]−8−オキソ−5−チア−1−アサビシクロ[4.2.0]オクタ−2−エン−3−イル]チオ]−4−シアゾリル]−1−メチルピリジニウムは、その活性代謝物であるセフタロリンと比べて溶解性が改良されたプロドラッグである。セフタロリンフォサミルは、β−ラクタム系抗生物質のセファロスポリン系サブグループに属しており、細菌性市中肺炎(community-acquired bacterial pneumonia;CABP)ならびに急性細菌性皮膚および皮膚組織感染症の処置に適応される。この薬品は、米国で販売承認を受けており(ブランド名:Teflaro(登録商標))、下記式(I):
Figure 2016501903
で示される。
特許文献1には、特に凍結乾燥させた非結晶形態のセフタロリンフォサミル自体が記載されている。
特許文献2には、特に酢酸溶媒和物・一水和物、プロピオン酸溶媒和物・一水和物およびアセトニトリル溶媒和物などの種々の結晶形のセフタロリンフォサミルが記載されている。アセトニトリルは、クラス2の溶媒であり、その医薬品中含量は、410ppmまでに規制されている(非特許文献1)。故に、特許文献2に記載されているセフタロリンフォサミルアセトニトリル溶媒和物は、この結晶形のアセトニトリル量がこの制限値を有意に超えるために、医薬品の調製には適していない形態である。
特許文献2のセフタロリンフォサミル酢酸溶媒和物・一水和物およびセフタロリンフォサミルプロピオン酸溶媒和物・一水和物は、どちらも、その結晶構造中に炭素酸を含んでいる。これらの炭素酸は、高い相対湿度下で、その一部が水と置き換えられ、それにより、炭素酸量が減少し、最終的には、原薬のpKaが影響を受け、結果的に、調製された溶液のpHが影響を受ける。したがって、特許文献2のセフタロリンフォサミル酢酸溶媒和物・一水和物およびセフタロリンフォサミルプロピオン酸溶媒和物・一水和物は、pH調整賦形剤のバッチ式調整を回避するためには、炭素酸量を確実に一定にして原薬のpKa値を確実に一定にするために低い相対湿度で貯蔵する必要がある。
セフタロリンフォサミルは、一酢酸塩・一水和物として、再構成用散剤の剤形で販売されており、ここで、該化合物は、原薬の完全な溶出に必要な特異的pHを調整するためにpH調整賦形剤としてのL−アルギニンとブレンドされている。
欧州特許出願公開第1043327号明細書 欧州特許出願公開第1310502号明細書
ICH Steering Committee, Guideline for Residual Solvents, 17.07.1997
発明の目的
故に、本発明の目的は、特に、広範囲の相対湿度にわたって一定のpKa値を有し、その結果、例えば管理された費用のかかる貯蔵条件または特別な費用のかかるパッケージングを要しない結晶形のセフタロリンフォサミルを提供することによって既知の形態のセフタロリンフォサミルの欠点を回避する、改良された形態のセフタロリンフォサミルを提供することである。
発明の概要
本発明の目的は、式(II):
Figure 2016501903
[式中、nは、0〜5であり、好ましくは、0.1〜5である]
で示される結晶形のセフタロリンフォサミルである。
本発明の結晶形のセフタロリンフォサミルは、好ましくは純粋な水和物であり、他の溶媒との混合溶媒和物ではない。
好ましくは、本発明の結晶形のセフタロリンフォサミルは、基本的には、炭素酸および有機ニトリル、特に酢酸、プロピオン酸およびアセトニトリルを含まない。好ましくは、炭素酸の含有量、特に酢酸およびプロピオン酸の含有量は、0.5%(w/w)未満、より好ましくは、0.1%(w/w)未満、さらに好ましくは、0.02%(w/w)である。好ましくは、有機ニトリルの含有量、特にアセトニトリルの含有量は、410ppm未満、より好ましくは、200ppm未満、さらに好ましくは、100ppmである。
有利には、本発明の結晶形のセフタロリンフォサミル中の溶媒残留量は、十分にICH規制の許容範囲内であり、したがって、本発明の結晶形のセフタロリンフォサミルは、医薬組成物、例えば注射用散剤の調製に適している。
有利には、本発明のセフタロリンフォサミルは、様々な相対湿度下で貯蔵された場合に含水量の変化を示すだけであり、原薬のpKaは影響を受けないので、管理された費用のかかる貯蔵条件または特別なパッケージングを要しない。
本明細書では、本発明の好ましい結晶形をH形およびD形という。
特に、本発明の発明者らは、以下にセフタロリンフォサミルH形およびD形と記載される新規結晶形のセフタロリンフォサミルを見出した。H形およびD形は、それらを医薬の調製に特に適したものにする有利な特性を示す。
好ましい実施態様において、本発明は、以下にセフタロリンフォサミルH形と記載される新規結晶形のセフタロリンフォサミルに関する。H形は、好ましくは、セフタロリンフォサミル1分子につき2.5〜5分子の結晶水を有する。すなわち、式(II)におけるnは、好ましくは、2.5〜5の範囲内である。H形のセフタロリンフォサミルは、2θ角5.7±0.2°、6.9±0.2°、11.9±0.2°、19.3±0.2°および23.6±0.2°での特徴的なピークを含むX線粉末ディフラクトグラムによって特徴付けることができる。H形のセフタロリンフォサミルのX線粉末ディフラクトグラムは、2θ角4.8±0.2°、9.6±0.2°、11.5±0.2°、13.8±0.2°および17.1±0.2°でのさらなる特徴的なピークを含む。X線粉末ディフラクトグラム値は、相対湿度(RH)40%での測定値をいう。
さらに好ましい実施態様において、本発明は、H形のセフタロリンフォサミルの製造方法であって、
a) セフタロリンフォサミルを水に懸濁させる工程、
b) 該懸濁液に種晶を添加する工程、
c) H形への変換が完了するまで、該懸濁液をスラリー化させる工程、
d) 該固体物質を単離する工程、および
e) 該物質を乾燥させる工程
を含む、方法に関する。
種晶は、市販のセフタロリンフォサミルから、または予め得ておいたセフタロリンフォサミルH形結晶から得ることができる。加えて、本発明は、セフタロリンフォサミル酢酸溶媒和物・一水和物(例えば、欧州特許出願公開第1310502号に従って製造)を水分収着/脱着法に曝露することを含むH形種晶の製造方法に関する。
別の好ましい実施態様において、本発明は、以下にセフタロリンフォサミルD形と記載される新規結晶形のセフタロリンフォサミルに関する。D形は、好ましくは、セフタロリンフォサミル1分子につき0.1〜2分子の結晶水を有する。すなわち、式(II)におけるnは、好ましくは、0.1〜2の範囲内である。D形のセフタロリンフォサミルは、好ましくは40%RHで測定された、2θ角5.2±0.2°、6.6±0.2°、17.0±0.2°、19.2±0.2°および21.9±0.2°での特徴的なピークを含むX線粉末ディフラクトグラムによって特徴付けることができる。D形のセフタロリンフォサミルのX線粉末ディフラクトグラムは、好ましくは40%RHで測定された、2θ角7.7±0.2°、8.2±0.2°、10.7±0.2°、12.9±0.2°および13.9±0.2°でのさらなる特徴的なピークを含む。
さらに好ましい実施態様において、本発明は、D形のセフタロリンフォサミルの製造方法であって、
a) D形が得られるまでセフタロリンフォサミルを水性エタノールと塩酸との混合物でスラリー化させる工程、
b) 該固体物質を単離する工程、および
c) 該物質を乾燥させる工程
を含む、方法に関する。
さらにまた、本発明は、抗生剤の調製のための新規結晶形Hおよび/またはDのセフタロリンフォサミルの使用に関する。
加えて、本発明は、新規結晶形Hおよび/またはDのセフタロリンフォサミルの有効量と少なくとも1種類の医薬上許容される賦形剤とを含む医薬組成物、ならびにその調製方法に関する。
最後に、本発明は、新規結晶形Hおよび/またはDのセフタロリンフォサミルの有効量と少なくとも1種類のβ−ラクタマーゼ阻害剤とを含む医薬組成物に関する。
本発明に関して、下記略語は、他に明確に述べられない限り、下記の意味を有する:
XRPD: X線粉末ディフラクトグラム
FTIR: フーリエ変換赤外
RH: 相対湿度
ICH: 日米EU医薬品規制調和国際会議(International conference on harmonisation of technical requirements for registration of pharmaceuticals for human use)
セフタロリンフォサミルH形のXRPD。 セフタロリンフォサミルH形のFTIRスペクトル。 セフタロリンフォサミルD形のXRPD。 セフタロリンフォサミルD形のFTIRスペクトル。 25℃、40%RHでの湿度および温度管理下実験の収着サイクル中に記録されたセフタロリンフォサミルH形のXRPD。 実施例1に記載の収着−脱着サイクル実験の前(上部)および後(下部)のセフタロリンフォサミル酢酸溶媒和物・一水和物のXRPDオーバーレイ。 実施例1に記載の収着−脱着サイクル実験の前および後のセフタロリンフォサミルプロピオン酸溶媒和物・一水和物のXRPDオーバーレイ。
発明の詳細な説明
本明細書で用いる場合には、用語「室温」とは、適用温度が決定的に重要な意味を持つわけではなく、また、正確な温度値が維持されなければならないわけではないことを示す。通常、「室温」とは、約15℃〜約25℃の温度を意味すると解される[例えば、欧州薬局方7.5、1.2(2012)を参照]。
第一の態様において、本発明は、新規結晶形のセフタロリンフォサミル(以下、セフタロリンフォサミルH形とも記載される)に関する。
本発明のセフタロリンフォサミルH形は、6R,7R配置を有する単一の立体異性体として存在する。
H形のセフタロリンフォサミルは、40%RHで測定される2θ角5.7±0.2°、6.9±0.2°、11.9±0.2°、19.3±0.2°および23.6±0.2°での特徴的なピークを含むX線粉末ディフラクトグラムによって特徴付けられる。該H形のセフタロリンフォサミルのX線粉末ディフラクトグラムは、40%RHで測定される2θ角4.8±0.2°、9.6±0.2°、11.5±0.2°、13.8±0.2°および17.1±0.2°でのさらなる特徴的なピークを含む。代表的なディフラクトグラムを図1に示す。
RHが0から90%の間で変化すると、位置が変わるH形のXRPDピークがある。この範囲でのXRPD測定値は、乾燥後に異方性ピークがより高い2θ角へシフトし、相対湿度が増大すると逆になることを示している。これらのシフトは、それぞれ、試料中の湿度依存性含水量によって引き起こされるユニットセルの収縮および膨張に起因する。これらのシフトは可逆性であるので、相変態は排除することができる。表1に、実験の収着サイクルの間、漸増する相対湿度で記録したディフラクトグラムからのいくつかの特徴的なXRPDピークを記載する。これらの実験中に40%RHで記録されたディフラクトグラムを図5に示す。
Figure 2016501903
加えて、または別法として、H形のセフタロリンフォサミルは、波数3207±2cm-1、1753±2cm-1、1525±2cm-1、1376±2cm-1および934±2cm-1でのピークを含むFTIRスペクトルを示すことによって特徴付けることができる。H形のセフタロリンフォサミルのFTIRスペクトルは、波数1665±2cm-1、1638±2cm-1、1175±2cm-1、1030±2cm-1および664±2cm-1でのさらなる特徴的なピークを含む。代表的なFTIRスペクトルを図2に示す。
本発明は、また、H形のセフタロリンフォサミルの製造方法であって、
a) セフタロリンフォサミルを水に懸濁させる工程、
b) 該懸濁液にH形種晶を添加する工程、
c) H形への変換が完了するまで、該懸濁液をスラリー化させる工程、
d) 該固体物質を単離する工程、および
e) 該物質を乾燥させる工程
を含む方法に関する。
第一の工程において、セフタロリンフォサミルの水中懸濁液を製造する。上記方法の工程a)で用いられ得る好適な形態は、例えば、欧州特許出願公開第1310502号に記載のセフタロリンフォサミル酢酸溶媒和物・一水和物およびセフタロリンフォサミルプロピオン酸溶媒和物・一水和物またはその混合物である。
該方法の工程a)におけるセフタロリンフォサミルの初期濃度は、該物質が完全には溶けないように、かつ、均一な懸濁液が得られるように選択される。用いられるセフタロリンフォサミル初期濃度は、好ましくは、約10〜300g/L、より好ましくは約30〜200g/L、最も好ましくは約50〜100g/Lの範囲であり得る。
該方法の工程b)において、得られた水性懸濁液にH形種晶を添加する。種晶の量は、好ましくは、約1〜20重量%、より好ましくは約1〜10重量%、最も好ましくは約1〜5重量%の範囲であり得る。
その後、該懸濁液を、好ましくは約0〜40℃、より好ましくは約10〜30℃の範囲の温度で撹拌し、最も好ましくは、該懸濁液を、H形への変換が完了するまでほぼ室温で撹拌する。典型的には、該変換を完了するためには、適用温度に依存して数分間から数時間を要する。例えば、該変換は、室温で3時間足らずで完了する。該変換は、XRPDのような古典的な方法によってモニターされ得る。
変換完了後、H形結晶を、濾過または遠心分離のような慣用の方法によって、最も好ましくは濾過によって、回収する。該結晶を水で洗浄することによって、および/または該結晶を水でスラリー化することによって、さらなる洗浄工程を用いることもできる。
最後に、該結晶を、好ましくは真空下にて、好ましくは約20〜50℃の範囲の温度で、より好ましくは約20〜40℃の範囲の温度で、最も好ましくはほぼ室温で、好ましくは約2〜72時間、より好ましくは約4〜48時間、最も好ましくは約6〜24時間、乾燥させる。
上記のH形製造方法において、種晶が用いられる。故に、本発明は、欧州特許出願公開第1310502号のセフタロリンフォサミル酢酸溶媒和物・一水和物を重量による高度な水分収着/脱着実験に曝露することを含む、純粋な結晶形でH形種晶を製造する方法に関する。例えば、セフタロリンフォサミル酢酸溶媒和物・一水和物を30%RHに曝露し、次に該RHを3%まで低下させ、次に5%まで上昇させ、次に5%ずつ90%RHまで上昇させ、次に5%ずつ0%RHまで低下させ、次に5%ずつ95%RHまで上昇させ、次に90%まで低下させ、最後に10%ずつ40%RHまで低下させる(25℃で)。この手順で、H形種晶が純粋な結晶形で得られ、これを本明細書に記載のH形製造方法に用いることができる。
第二の態様において、本発明は、新規結晶形のセフタロリンフォサミル(以下、セフタロリンフォサミルD形とも記載される)に関する。
本発明のセフタロリンフォサミルD形は、6R,7R配置を有する単一の立体異性体として存在する。
D形のセフタロリンフォサミルは、好ましくは40%RHで測定される、2θ角5.2±0.2°、6.6±0.2°、17.0±0.2°、19.2±0.2°および21.9±0.2°での特徴的なピークを含むX線粉末ディフラクトグラムによって特徴付けられる。該D形のセフタロリンフォサミルのX線粉末ディフラクトグラムは、好ましくは40%RHで測定される、2θ角7.7±0.2°、8.2±0.2°、10.7±0.2°、12.9±0.2°および13.9±0.2°でのさらなる特徴的なピークを含む。代表的なディフラクトグラムを図3に示す。
H形のXRPDとは反対に、RHレベルを上昇または低下させた場合、この結晶形が相対湿度に応じてそれぞれ水を吸収または放出する場合でさえ、D形のディフラクトグラムではピークシフトは見られない。
加えて、または別法として、D形のセフタロリンフォサミルは、波数3273±2cm-1、1782±2cm-1、1520±2cm-1、1393±2cm-1および916±2cm-1でのピークを含むFTIRスペクトルを示すことによって特徴付けられる。D形のセフタロリンフォサミルのFTIRスペクトルは、波数1671±2cm-1、1643±2cm-1、1188±2cm-1、845±2cm-1および660±2cm-1でのさらなる特徴的なピークを含む。代表的なFTIRスペクトルを図4に示す。
本発明は、また、D形のセフタロリンフォサミルの製造方法であって、
a) D形が得られるまでセフタロリンフォサミルを水性エタノールと塩酸との混合物でスラリー化させる工程、
b) D形を単離する工程、および
c) 該物質を乾燥させる工程
を含む、方法に関する。
第一の工程において、セフタロリンフォサミルの水性エタノールおよび塩酸中懸濁液を製造する。上記方法の工程a)で用いられ得る好適な形態は、例えば、欧州特許出願公開第1310502号に記載のセフタロリンフォサミル酢酸溶媒和物・一水和物およびセフタロリンフォサミルプロピオン酸溶媒和物・一水和物またはその混合物である。
該方法の工程a)におけるセフタロリンフォサミルの初期濃度は、該物質が完全には溶けないように、かつ、均一な懸濁液が得られるように選択される。用いられるセフタロリンフォサミル初期濃度は、好ましくは、約10〜300g/L、より好ましくは約30〜200g/L、最も好ましくは約50〜100g/Lの範囲であり得る。
好ましくは、水性エタノールは、約1〜80容量%、より好ましくは約1〜70容量%、最も好ましくは約1〜65容量%の範囲の濃度で使用される。
好ましくは、約0.5〜2.0容量%、より好ましくは約0.7〜1.8容量%、最も好ましくは約1.0〜1.5容量%の濃塩酸がD形の製造に用いられる。濃塩酸とは、水に対して35〜38%(w/w)のHClを意味する。
得られた懸濁液を、好ましくは、約0〜40℃の範囲、より好ましくは約0〜35℃の範囲のオンで撹拌し、最も好ましくは該懸濁液を約0℃〜室温で撹拌する。典型的には、D形への変換を完了するためには、適用温度に依存して数時間を要し、例えば、該変換は、室温で約12〜24時間以内に完了する。該変換は、XRPDのような古典的な方法によってモニターされ得る。
次に、得られた結晶を、濾過、遠心分離または溶媒の蒸発によって、好ましくは濾過によって、回収する。該結晶を水、エタノールおよび/または水とエタノールとの混合物で洗浄することによって、および/または該結晶を水または水とエタノールとの混合物でスラリー化することによって、さらなる洗浄工程を用いることもできる(ここで、水とエタノールの比率は好ましくは母液の水/エタノール比と同じである)。
最後に、該結晶を、好ましくは真空下にて、好ましくは約20〜50℃の範囲の温度で、より好ましくは約20〜40℃の範囲の温度で、最も好ましくはほぼ室温で、好ましくは約2〜72時間、より好ましくは約4〜48時間、最も好ましくは約6〜24時間、乾燥させる。
本発明の新規H形およびD形のセフタロリンフォサミル中の溶媒残留量は、十分にICH規制の許容範囲内である。例えば、本発明のH形のセフタロリンフォサミルの製造について、この特定の結晶形は水中でスラリーから得られるので、有機溶媒を使用しない。D形は、セフタロリンフォサミルの水性エタノール中スラリーから得られる。D形中のエタノール量は、十分に残留エタノールについての規制の許容範囲内である0.5%未満であることが判明した。したがって、セフタロリンフォサミルH形およびD形は、医薬の調製に適した形態である。
有利には、本発明の新規D形およびH形のセフタロリンフォサミルは、様々な相対湿度下で貯蔵された場合に含水量の変化を示すだけであり、原薬のpKaは影響を受けないので、管理された費用のかかる貯蔵条件または特別なパッケージングを要しない。
故に、本発明の目的は、特に、広範囲の相対湿度にわたって一定のpKa値を有し、その結果、例えば管理された費用のかかる貯蔵条件または特別な費用のかかるパッケージングを要しない結晶形のセフタロリンフォサミルを提供することによって既知の形態のセフタロリンフォサミルの欠点を回避することである。加えて、本発明のセフタロリンフォサミルH形およびD形中の溶媒残留量は、十分にICH規制の許容範囲内である。したがって、本発明の新規H形およびD形のセフタロリンフォサミルは、特に、固体医薬組成物、例えば注射用散剤の調製に適している。
したがって、本発明のH形およびD形のセフタロリンフォサミルは、特に、抗生物質組成物の調製に適しており、有利には、急性細菌性皮膚および皮膚組織感染症ならびに細菌性市中肺炎などの細菌感染症の処置用の種々の医薬製剤に用いられ得る。したがって、本発明は、また、上記のセフタロリンフォサミルH形、D形またはその混合物と医薬上許容される担体とを含む医薬組成物に関する。
好ましくは、本発明は、95%を超えるセフタロリンフォサミルがセフタロリンフォサミルH形および/またはD形として安定に存在し、より好ましくはセフタロリンフォサミルH形および/またはD形が唯一の検出可能な結晶形のセフタロリンフォサミルである、医薬組成物に関する。欧州特許出願公開第1310502号のセフタロリンフォサミル酢酸溶媒和物・一水和物、セフタロリンフォサミルプロピオン酸溶媒和物・一水和物またはセフタロリンフォサミルアセトニトリル溶媒和物のような他の結晶形のセフタロリンフォサミルが存在しないことは、いずれかの結晶形のセフタロリンフォサミルから得られたXRPDを、それぞれ実施例2または実施例3〜5で得られ、この比較のためにそれぞれ100%H形またはD形のXRPDと考えられるそれぞれ図1または図3に示されるH形および/またはD形のXRPDと比較することによって試験され得る。
本明細書で定義される「安定に存在する」とは、医薬組成物を180日間貯蔵した後でさえ、好ましくは3年間貯蔵した後でさえ、該医薬組成物に最初に含まれていたセフタロリンフォサミルH形およびセフタロリンフォサミルD形と称される結晶形のセフタロリンフォサミルが、所定の期間貯蔵した後に、なおも、それぞれセフタロリンフォサミルH形およびセフタロリンフォサミルD形として存在することを意味する。
セフタロリンフォサミルH形および/またはD形を含む本発明の医薬組成物は、さらに、1種類以上の医薬上許容される賦形剤(例えば、限定されないが、可溶化剤)を含むこともできる。
セフタロリンフォサミルH形および/またはD形を含む本発明の医薬組成物に用いることができる好適な可溶化剤の例は、例えば、米国特許出願公開第2009/0082326号の段落[0028]〜[0030]に挙げられている(出典明示により本明細書の一部を構成する)。セフタロリンフォサミルH形および/またはD形を含む本発明の医薬組成物に用いることができる具体的な可溶化剤としては、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、カプロン酸、エナント酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、ラウリン酸、ステアリン酸、アクリル酸、ドコサヘキサエン酸、エイコサペンタエン酸、ピルビン酸、安息香酸、サリチル酸、アルダル酸、シュウ酸、マロン酸、リンゴ酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、クエン酸、乳酸、アラニン、アルギニン、アスパラギン、アスパラギン酸、システイン、グルタミン、グリシン、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リジン、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン、セリン、スレオニン、トリプトファン、チロシン、バリンおよびこれらの組み合わせ(その塩および/または個々の立体異性体および/またはその立体異性体の混合物を含む)が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
セフタロリンフォサミルH形および/またはD形を含む本発明の医薬組成物に用いることができる好ましい可溶化剤は、酢酸、その塩、およびそれらの組み合わせ(例えば、酢酸/酢酸ナトリウム)、クエン酸、その塩、およびそれらの組み合わせ(例えば、クエン酸/クエン酸ナトリウム)、DL−アルギニンおよびその塩(例えば、DL−アルギニン酢酸塩)、L−アルギニンおよびその塩(例えば、L−アルギニン酢酸塩)、ならびにヒスチジンおよびその塩(例えば、ヒスチジン酢酸塩)であり、ここで、L−アルギニン、L−アルギニン酢酸塩、およびL−アルギニンとL−アルギニン酢酸塩との組み合わせが最も好ましい。
好ましい本発明の医薬組成物は、セフタロリンフォサミルH形および/またはD形、L−アルギニン酢酸塩ならびにL−アルギニンを含み、ここで、セフタロリンフォサミルH形および/またはD形のL−アルギニンに対するL−アルギニン酢酸塩に対するモル比(セフタロリンフォサミル無水物および非溶媒和物として算出)は、好ましくは、約1.0:0.5〜1.5:0.5〜3.0、より好ましくは、約1.0:0.9〜1.1:0.7〜2.0、最も好ましくは、約1.0:1.0:1.0〜1.5である。
別の好ましい本発明の医薬組成物は、セフタロリンフォサミルH形および/またはD形とL−アルギニン酢酸塩を含み、ここで、セフタロリンフォサミルH形および/またはD形のL−アルギニン酢酸塩に対するモル比(セフタロリンフォサミル無水物および非溶媒和物として算出)は、約1.0:1.0〜4.5、より好ましくは、約1.0:1.5〜3.0、最も好ましくは、約1.0:2.0〜2.5である。
本発明は、また、セフタロリンフォサミルH形および/またはD形を含む医薬組成物の調製方法であって、均一なブレンドが得られるまでブレンダー中にてセフタロリンフォサミルH形および/またはD形を可溶化剤と混合し、可溶化剤が、好ましくは、L−アルギニン酢酸塩および/またはL−アルギニンから選択されることを特徴とする、調製方法に関する。次に、予め滅菌したバイアルに適当な量の該滅菌ブレンドを充填する。次に、このようにして得られた滅菌ブレンドは、投与前に、溶媒、例えば、注射用水、生理食塩水、約5〜10%糖溶液(例えば、グルコース、デキストロース)およびそれらの組み合わせと混合することもできる。最も好ましくは、溶媒として注射用水を使用し、約20mLを使用して、約4.8〜6.5の範囲のpHを有する溶液が得られる。構成溶液は、輸注前に、さらに250mLに希釈されなければならない。適当な輸液は、0.9%塩化ナトリウム注射液(生理食塩水)、5%デキストロース注射液、2.5%デキストロース注射液、0.45%塩化ナトリウム注射液または乳酸リンゲル注射液を含む。得られた溶液は、次に、約1時間にわたって静脈内投与される。
本発明の製剤は、典型的には、セフタロリンフォサミルH形、D形またはそれらの混合物200〜1200mgを含み、ここで、好ましい投与量は、400mgおよび600mg(セフタロリンフォサミル無水物および非溶媒和物として算出)である。
さらなる実施態様において、本発明は、本発明のセフタロリンフォサミルH形、本発明のセフタロリンフォサミルD形またはそれらの混合物の有効量と1種類以上のβ−ラクタマーゼ阻害剤とを含む医薬組合せに関する。β−ラクタマーゼ阻害剤は、技術水準として周知である。β−ラクタマーゼ阻害剤は、それ自体あまり抗生活性を有しないが、その代わり、β−ラクタム系抗生物質のβ−ラクタム環を破壊する酵素のファミリーであるβ−ラクタマーゼの活性を阻害する。好ましくは、該β−ラクタマーゼ阻害剤は、例えば、米国特許第7,638,529号または米国特許第7,732,610号などに記載されているようなクラブラン酸、タゾバクタム、スルバクタムおよび/またはアビバクタムから選択されるが、これらに限定されるものではない。
本発明の他の目的、特徴、利点および態様は、当業者であれば以下の記載から明らかになる。しかしながら、明細書本文および下記の具体的な例は、本発明の好ましい実施態様を示しているが、例示に過ぎないと解されるべきである。記載された発明の精神および範囲内の様々な変化および変更は、明細書本文および本明細書の他の部分を読むことにより当業者には明らかとなる。
透過幾何学におけるθ/θ連動ゴニオメーター、Cu−Kα1,2放射線(波長0.15419nm)、フォーカスミラーおよび固体状態PIXcel検出装置を装備したPANalytical X’Pert PRO回折装置を用いて、X線粉末ディフラクトグラム(XRPD)を得た。周囲条件にて2°〜40°2θの角度範囲で、ステップサイズ0.013°2θを用いて、1ステップ(255チャネル)につき40sで、管電圧45kVおよび管電流40mAで、該ディフラクトグラムを記録した。2θ値の典型的な精度は、約±0.2°2θの範囲内である。かくして、5.0°2θで現れる回折ピークは、標準的な条件下でほとんどのX線回折装置において、4.8〜5.2°2θで現れ得る。
湿度および温度管理下XRPD測定のために、統合ペルチェ式熱ポンプ、循環流体ポンプおよび貯水器を有するVGI 2000M湿度チャンバー(SMS、Middlesex UK)中にて試料を平衡化して、均一な温度分布および安定な試料湿度を確実にした。RH管理下収着および脱着測定値は、連続測定の間、2時間の平衡時間で、0%〜90%RH±0.3%RHで、10%ずつ記録した。
赤外スペクトル(IR)は、周囲条件下で解像度4cm-1を有するBruker Tensor 27 FTIR分光計を備えるMKII Golden GateTM Single Reflection Diamond ATR(減衰全反射)セルで記録した。スペクトルを記録するため、スパチュラ先端量のサンプルを粉末形態のダイヤモンドの表面に塗布した。次に、サンプルをサファイアアンビルでダイヤモンドに押しつけ、スペクトルを記録した。クリーンなダイヤモンドのスペクトルをバックグラウンドスペクトルとして用いた。波数値の典型的な精度は約±2cm-1の範囲である。かくして、1716cm-1で現れる赤外ピークは、標準的な条件下で、ほとんどの赤外分光計にて、1714〜1718cm-1で現れ得る。
実施例1: セフタロリンフォサミルH形種晶の製造
セフタロリンフォサミル酢酸溶媒和物・一水和物(例えば、欧州特許出願公開第1310502号に記載の方法に従って製造)を、SPSx−1μ水分収着分析器(Projekt Messtechnik、Ulm、D)を用いて、以下の水分収着/脱着サイクルに適用した。測定サイクルは、30%相対湿度(RH)で開始し、3%RHまで低下させ、5%まで上昇させ、次に、5%ずつ90%RHまで上昇させ、5%ずつ0%RHまで低下させ、5%ずつ95%RHまで上昇させ、90%まで低下させ、最後に、10%ずつ40%RHまで低下させた。1ステップの時間は、それぞれ、3時間であった。温度は、25±0.1℃であった。
実施例2: セフタロリンフォサミルH形の製造
セフタロリンフォサミル酢酸溶媒和物・一水和物(例えば、欧州特許出願公開第1310502号に記載の方法に従って製造)100mgの水2mL中懸濁液にH形結晶(例えば、本明細書の実施例1に記載の手順で得られる)5mgを加え、室温で約3時間撹拌した。濾過により固体を回収し、水で洗浄し、真空下にて室温で約7時間乾燥させて、H形結晶形のセフタロリンフォサミルを得た。
Figure 2016501903
Figure 2016501903
実施例3: セフタロリンフォサミルD形の製造
セフタロリンフォサミル酢酸溶媒和物・一水和物(例えば、欧州特許出願公開第1310502号に記載の方法に従って製造)2.00gのエタノール/水/濃HCl(1:0.5:0.02=容量:容量:容量)21mL中懸濁液を室温で23時間撹拌した。濾過により固体を回収し、水20mLおよび水性エタノール(67容量%)20mLで洗浄した。該物質を真空下にて室温で5時間乾燥させて、D形結晶形のセフタロリンフォサミル(1.33g、68%)を得た。
Figure 2016501903
Figure 2016501903
実施例4: セフタロリンフォサミルD形の製造
セフタロリンフォサミル酢酸溶媒和物・一水和物(例えば、欧州特許出願公開第1310502号に記載の方法に従って製造)1.00gのエタノール/水/濃HCl(1:0.6:0.02=:容量:容量)10mL中懸濁液を室温で18時間撹拌した。濾過により固体を回収し、水性エタノール(50容量%)5mLで洗浄した。該物質を真空下にて室温で15時間乾燥させて、D形結晶形のセフタロリンフォサミルを得た。
実施例5: セフタロリンフォサミルD形の製造
セフタロリンフォサミル1.80gのエタノール/水/濃HCl(1:0.5:0.02=容量:容量:容量)20mL中懸濁液を室温で23時間撹拌した。濾過により固体を回収し、水性エタノール(67容量%)5mLで洗浄した。該物質を真空下にて室温で16時間乾燥させて、D形結晶形のセフタロリンフォサミル(1.31g、79%)を得た。
実施例6: L−アルギニン酢酸塩およびL−アルギニンとの製剤化
Figure 2016501903
無水かつ非溶媒和化セフタロリンフォサミルとして算出。
実施例7: L−アルギニン酢酸塩およびL−アルギニンとの製剤化
Figure 2016501903
無水かつ非溶媒和化セフタロリンフォサミルとして算出。
実施例8: L−アルギニン酢酸塩およびL−アルギニンとの製剤化
Figure 2016501903
無水かつ非溶媒和化セフタロリンフォサミルとして算出。
実施例9: L−アルギニン酢酸塩およびL−アルギニンとの製剤化
Figure 2016501903
無水かつ非溶媒和化セフタロリンフォサミルとして算出。
実施例10: L−アルギニンとの製剤化
Figure 2016501903
無水かつ非溶媒和化セフタロリンフォサミルとして算出。
実施例11: L−アルギニンとの製剤化
Figure 2016501903
無水かつ非溶媒和化セフタロリンフォサミルとして算出。
実施例12: L−アルギニンとの製剤化
Figure 2016501903
無水かつ非溶媒和化セフタロリンフォサミルとして算出。
実施例13: L−アルギニンとの製剤化
Figure 2016501903
無水かつ非溶媒和化セフタロリンフォサミルとして算出。
実施例14: L−アルギニン酢酸塩との製剤化
Figure 2016501903
無水かつ非溶媒和化セフタロリンフォサミルとして算出。
実施例15: L−アルギニン酢酸塩との製剤化
Figure 2016501903
無水かつ非溶媒和化セフタロリンフォサミルとして算出。
実施例16: L−アルギニン酢酸塩との製剤化
Figure 2016501903
無水かつ非溶媒和化セフタロリンフォサミルとして算出。
実施例17: L−アルギニン酢酸塩との製剤化
Figure 2016501903

Claims (15)

  1. 式(II):
    Figure 2016501903
    [式中、nは、0〜5であり、好ましくは0.5〜5である]
    で示される結晶形のセフタロリンフォサミル。
  2. 酢酸およびプロピオン酸の混合物を0.5%(w/w)未満有し、かつ、アセトニトリルを410ppm未満有する、請求項1に記載の結晶形のセフタロリンフォサミル。
  3. 2θ角5.7±0.2°、6.9±0.2°、11.9±0.2°、19.3±0.2°および23.6±0.2°でのピークを含むX線粉末回折図形を有し、好ましくは図1に本質的に従ったX線粉末ディフラクトグラムによって特徴付けられる、請求項1または2に記載の結晶形のセフタロリンフォサミル。
  4. 波数3207±2cm-1、1753±2cm-1、1525±2cm-1、1376±2cm-1および934±2cm-1でのピークを含む赤外スペクトルによって特徴付けられ、好ましくは図2に本質的に従った赤外スペクトルによって特徴付けられる、請求項1〜3のいずれか1項に記載の結晶形のセフタロリンフォサミル。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載のセフタロリンフォサミルの製造方法であって、
    a) セフタロリンフォサミルを水に懸濁させる工程、
    b) セフタロリンフォサミルの種晶を添加する工程、
    c) 変換が完了するまで、該懸濁液をスラリー化させる工程、
    d) 該固体物質を単離する工程、および
    e) 該物質を乾燥させる工程
    を含む、製造方法。
  6. 2θ角5.2±0.2°、6.6±0.2°、17.0±0.2°、19.2±0.2°および21.9±0.2°でのピークを含むX線粉末回折図形を有し、好ましくは図3に本質的に従ったX線粉末回折図形によって特徴付けられる、請求項1または2に記載の結晶形のセフタロリンフォサミル。
  7. 波数3273±2cm-1、1782±2cm-1、1520±2cm-1、1393±2cm-1および916±2cm-1でのピークを含む赤外スペクトルによって特徴付けられ、好ましくは図4に本質的に従った赤外スペクトルによって特徴付けられる、請求項6に記載の結晶形のセフタロリンフォサミル。
  8. 請求項1、2、6および7のいずれか1項に記載の結晶形のセフタロリンフォサミルの製造方法であって、
    a) 結晶が得られるまでセフタロリンフォサミルを水性エタノールと塩酸との混合物でスラリー化させる工程、
    b) 該固体物質を単離する工程、および
    c) 該物質を乾燥させる工程
    を含む、製造方法。
  9. 請求項1〜8のいずれか1項に記載の結晶形のセフタロリンフォサミル、
    L−アルギニンまたはL−アルギニン酢酸塩
    を含む、医薬組成物。
  10. 該医薬組成物が無水かつ非溶媒和化セフタロリンフォサミルとして算出してセフタロリンフォサミル200mg〜800mg、好ましくは600mgまたは400mgを含む、請求項9に記載の医薬組成物。
  11. L−アルギニンに対するL−アルギニン酢酸塩に対する、無水かつ非溶媒和化セフタロリンフォサミルとして算出してセフタロリンフォサミルのモル比が好ましくは約1.0:1.0:1.0〜1.5である、請求項9または10に記載の医薬組成物。
  12. pH4.8〜6.5の構成溶液が得られる、請求項9〜11のいずれか1項に記載の医薬組成物。
  13. 請求項1〜9のいずれか1項に記載の結晶形のセフタロリンフォサミルまたはその混合物と、1種類以上のβ−ラクタマーゼ阻害剤とを含む医薬組合せ。
  14. 請求項9〜13のいずれか1項に記載の医薬組成物の調製のための、請求項1〜8のいずれか1項に記載の結晶形のセフタロリンフォサミルまたはその混合物の使用。
  15. 細菌感染症の処置に用いるための、請求項1〜9のいずれか1項に記載の結晶形のセフタロリンフォサミル、請求項10〜13のいずれか1項に記載の医薬組成物、または請求項14に記載の使用によって得られる医薬組成物。
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