JP2016501548A - 乳化剤系 - Google Patents

乳化剤系 Download PDF

Info

Publication number
JP2016501548A
JP2016501548A JP2015550061A JP2015550061A JP2016501548A JP 2016501548 A JP2016501548 A JP 2016501548A JP 2015550061 A JP2015550061 A JP 2015550061A JP 2015550061 A JP2015550061 A JP 2015550061A JP 2016501548 A JP2016501548 A JP 2016501548A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
coffee
emulsifier system
coffee particles
products
emulsion
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2015550061A
Other languages
English (en)
Inventor
クリストファー ジェームズ パイプ,
クリストファー ジェームズ パイプ,
セシル ゲヒン‐デルヴァル,
セシル ゲヒン‐デルヴァル,
フェデリコ モーラ,
フェデリコ モーラ,
ホセリオ バティスタ ヴィエラ,
ホセリオ バティスタ ヴィエラ,
ジワンロ ハッソン,
ジワンロ ハッソン,
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nestec SA
Original Assignee
Nestec SA
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Family has litigation
First worldwide family litigation filed litigation Critical https://patents.darts-ip.com/?family=47500999&utm_source=google_patent&utm_medium=platform_link&utm_campaign=public_patent_search&patent=JP2016501548(A) "Global patent litigation dataset” by Darts-ip is licensed under a Creative Commons Attribution 4.0 International License.
Application filed by Nestec SA filed Critical Nestec SA
Publication of JP2016501548A publication Critical patent/JP2016501548A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • AHUMAN NECESSITIES
    • A23FOODS OR FOODSTUFFS; TREATMENT THEREOF, NOT COVERED BY OTHER CLASSES
    • A23LFOODS, FOODSTUFFS, OR NON-ALCOHOLIC BEVERAGES, NOT COVERED BY SUBCLASSES A21D OR A23B-A23J; THEIR PREPARATION OR TREATMENT, e.g. COOKING, MODIFICATION OF NUTRITIVE QUALITIES, PHYSICAL TREATMENT; PRESERVATION OF FOODS OR FOODSTUFFS, IN GENERAL
    • A23L29/00Foods or foodstuffs containing additives; Preparation or treatment thereof
    • A23L29/10Foods or foodstuffs containing additives; Preparation or treatment thereof containing emulsifiers
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A23FOODS OR FOODSTUFFS; TREATMENT THEREOF, NOT COVERED BY OTHER CLASSES
    • A23VINDEXING SCHEME RELATING TO FOODS, FOODSTUFFS OR NON-ALCOHOLIC BEVERAGES AND LACTIC OR PROPIONIC ACID BACTERIA USED IN FOODSTUFFS OR FOOD PREPARATION
    • A23V2002/00Food compositions, function of food ingredients or processes for food or foodstuffs

Landscapes

  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Nutrition Science (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Food Science & Technology (AREA)
  • Polymers & Plastics (AREA)
  • Tea And Coffee (AREA)
  • General Preparation And Processing Of Foods (AREA)
  • Confectionery (AREA)
  • Edible Oils And Fats (AREA)
  • Coloring Foods And Improving Nutritive Qualities (AREA)

Abstract

本発明は、食品製品の脂肪相と水性相の間の界面を安定化させるために用いられ得る乳化剤系に関する。乳化剤系は、約0.1μm〜約500μm、好ましくは、1μm〜200μmの範囲の粒子サイズを有するコーヒー粒子を含む。本発明はまた、このような乳化剤系を用いた食品製品、及びこのような食品製品の製造方法に関する。【選択図】図1

Description

本発明は、エマルション、より詳細には、乳化剤系、及びエマルションの安定化のための当該乳化剤系の使用に関する。本発明はまた、食品製品の製造において用い得る乳化剤系、及びこの乳化剤系を含む食品製品に関する。
発明の背景
食品製品又は飲料製品に対する消費者の要求は、過去数十年にわたり増大してきた。今日、現代の消費者は、持続的に生産されており、食物源成分を含む食品製品を求めている。
しかしながら、今日生産されている食品製品及び飲料製品の大部分は、合成的に生産された成分を含む。
エマルションは、食品技術において、例えば、脂肪含量の低減並びに/又は水溶性栄養素及び香料の混入を可能にすることにより食品製品の栄養プロファイルを改善するための手段として広く用いられる。エマルションは通常、乳化剤、タンパク質、又は両親媒性高分子のような種々の分子乳化用剤(安定剤とも呼ばれる)を用いて得られる。これらの成分は、安定した商業上許容可能なエマルションベースの製品の製造に不可欠である。効率的な乳化剤系は既に存在しているが、合成成分ベースであることが多い。
食物源成分は、野菜源、動物源、微生物源、及び/又は菌類源からもたらされる成分である。一方、合成成分は、化学修飾(複数可)により人工的に生産される。
合成成分は、「食物源成分」とみなされず、故に、合成的に生産された成分を含む製品は消費者によって拒絶されることがある。合成成分を食物源成分によって置き換えることは、消費者にとって重要な変更を表し、競争上の優位性を生じ得る。したがって、エマルションの特徴をもたらし、それを安定化させる能力を改善するための「食物源成分」を提供する必要がある。
したがって、業界では、合成的に生産された成分を食物源成分で置き換え、これにより、消費者からの増大する要求を満たすことが必要とされている。
乳化特性を有する天然成分は知られているが、通常、合成乳化剤ほど効率的ではなく、及び/又は他の欠点も示す。
特に卵黄は、長年にわたってその乳化特性が知られている。欧州特許出願公開第2185003号には、でんぷん及びシトラスファイバーと関連する、天然の乳化剤として卵黄を含む冷凍菓子用安定剤系が記載されている。しかしながら、卵黄の使用は、衛生上の理由のために要求される厳密な処理条件、及び未調理の製品に要求される保存条件によって、大幅に制限される。また、多くの食品製品については、卵黄を成分として有することは望まれない。また、そのアレルゲン性により、卵黄の使用は制限される場合がある。
キラヤも、その乳化特性について知られている。しかしながら、この植物は、特定の濃度でヒトに対して毒性であるサポニンを含有する。
したがって、食品用途において合成乳化剤と置き換わることができる食物源成分ベースの乳化剤系を提供することについて、引き続き必要がある。
先行技術のデメリットの少なくとも1つを克服するか、若しくは改善すること、又は有用な代替物を提供することが所望される。特に、食品用途において合成乳化剤と置き換わることができる乳化剤系を提供することが所望される。
製品の品質を損なうことなく、特に、菓子製品の製造において、合成乳化剤と置き換わることができる乳化剤系を提供することが有利であろう。
製品の品質を損なうことなく、特に、冷凍菓子製品の製造において、合成乳化剤と置き換わることができる乳化剤系を提供することが有利であろう。
ここで、0.1〜500μmの間、好ましくは、1〜200μmの間に含まれる粒子サイズを有するコーヒー粒子を含む、食品製品において使用するための乳化剤系が提供される。
粒子は、好ましくは、焙煎コーヒー粒子、未焙煎コーヒー粒子、及びその混合物から選択される。
有利には、本発明のコーヒー粒子安定化エマルションが、他の乳化剤の添加を必要としない。
別の形態において、食品製品の脂肪相と水性相との間の界面を安定化させるための、上記乳化剤系の使用が提供される。
食品製品、特に、菓子製品の製造における、0.1〜500μm、好ましくは、1〜200μmの間に含まれる粒子サイズを有するコーヒー粒子の乳化剤系としての使用、及び当該乳化剤系を含む食品製品、特に、菓子製品もまた、本発明の一部をなす。有利には、菓子製品は、合成乳化剤又は構造化剤を含まない。
別の形態において、
(a)水性相を用意するステップと
(b)脂肪相を用意するステップと
(c)水性相又は脂肪相の一方又は両方に、0.1〜500μm、好ましくは、1〜200μmの間に含まれる粒子サイズを有するコーヒー粒子を含む乳化剤系を分散させるステップと
(d)2つの相を均質化して、エマルションを形成するステップと
を含む、菓子製品の調製方法が提供される。
有利には、本発明の乳化剤系は、食品製品の製造において合成乳化剤と置き換わり得る。有利には、本発明は、合成乳化剤を含有しない、エマルションベースの食品製品、特に、菓子製品の調製を可能にする。
本発明のこれらの及び他の形態、特徴、及び利点は、添付の図面と関連し、本発明の実施形態の詳細な説明から、当業者にさらに明らかとなるであろう。
図1は、表1に記載されるコーヒー粒子乳化剤系の粒子分布サイズを示す。MRCは、挽き焙煎コーヒーを表し;EMRCは、挽き焙煎コーヒーの抽出されたものを表し;DMRCは、挽き焙煎コーヒーの脱脂されたものを表し;DEMRCは、挽き焙煎コーヒーの脱脂され尽くしたものを表す。
図2は、水に分散させた、10重量%のHOSFO、1重量%の微粉にした焙煎コーヒーの試料の顕微鏡画像である(図2(a)試料1、図2(b)試料2、図2(c)試料3、図(d)試料4)。
図3は、水に分散させた、55%w/wの油及び5%w/wのコーヒー粒子の試料の顕微鏡画像(図3(a)試料A、図3(b)試料B、図3(c)試料C)である。
図4は、室温で7日間保存した後の、水に分散させた、55%w/wの油及び5%w/wのコーヒー粒子の試料の顕微鏡画像(図4(a)試料A、図4(b)試料B、図4(c)試料C)である。
発明の詳細な説明
本明細書で用いる場合、語句「含む」、「含んでいる」などは、排他的意味又は網羅的意味とは対照的な包括的意味、すなわち、「含むが、限定されない」の意味で、解釈されるべきである。
本明細書で用いる場合、語句「約」は、数字の範囲における各限度に適用されることは、理解されるべきである。さらに、全ての数字範囲は、範囲内の各全ての整数を含むことは、理解されるべきである。
本明細書で用いる場合、単数形「a」、「an」、及び「the」は、特に文脈が明確に指示しない限り、複数の指示対象を含む。
本明細書で用いる場合、用語「実質的に含まない」は、約10重量%以下、好ましくは、約5重量%以下、より好ましくは、約1重量%以下の除外された材料が存在することを意味する。好ましい実施形態において、「実質的に含まない」は、約0.1重量%以下の除外された材料が残存することを意味する。「全く含まない」は、典型的には、除外された材料が最大でも微量にしか存在しないこと、好ましくは、検出可能な量では存在しないことを意味する。反対に、「実質的に全て」は、典型的には、少なくとも約90重量%、好ましくは、少なくとも約95重量%、より好ましくは、少なくとも約99重量%の材料が存在することを意味する。
特記しない限り、明細書における全てのパーセンテージは、適用可能な場合、重量%を指す。
特に定義されない限り、全ての技術用語及び科学用語は、本発明が属する分野の当業者により、一般的に理解されるのと同一の意味を有し、かつ付与されるべきである。
用語、乾燥重量は、完全に乾燥させ、物体から全ての液体が完全に取り除かれたときの物体の質量の測定値を指す。ある物質の乾燥重量%は、全乾燥物質重量における当該物質の相対量を指す。本発明の記載において、乾燥重量%は、「w/w%」と称する。
用語「飲料」製品は、本明細書では、ヒトの消費用に調製された液体を指すために用いられる。
本発明による、用語「冷凍菓子製品」は、アイスクリーム、シャーベット、フローズンヨーグルト、メロリン、アイスミルク、フローズンシェイク、及び他の冷凍デザートを含む。
用語「菓子製品」は、チョコレート、乳脂肪、乳脂肪代替物、ココアバター、ココアバター代替物、ココアバター代用物、ココアバター均等物、代謝可能でない脂肪、又は任意のこれらの混合物を含有するチョコレート類似物;化合物、菓子フィリング、プラリネ、キャラメル、ウエハース、固く煮たシュガーキャンディー、柔らかく煮たシュガーキャンディー、ゼリー状の砂糖菓子、及び果実ベースの砂糖菓子を含むために、本明細書で用いられる。用語「菓子製品」は、冷凍菓子製品を含まない。
他の定義、及び/又は解釈は、以下の詳細な説明にある。
本発明は、食品製品における水と油の界面の安定化のための、乳化剤系としてのコーヒー粒子の使用に関する。「乳化剤系」は、張力活性化特性を有する少なくとも1つの成分であることが理解されるべきである。
驚くべきことに、本発明の発明者らは、天然に存在する食物源成分であるコーヒーの粒子が、乳化剤、構造化剤、又は他の安定剤の添加を必要とすることなく、製品の水性相と油相の間の界面を安定化させ、良好な安定性を有するエマルションを生じさせることを可能にすることを見出した。
文献に記載されている安定化用粒子とは異なり、本発明によるコーヒー粒子は、天然に存在する材料の食物源から得られ、エマルションを安定化させるための活性化を必要としない。コーヒー固形物は、食品添加物として分類されないので、本発明は、添加物を含まない製品、例えば、化学的乳化剤と関連するいわゆる「E番号」をもたない製品の調製を可能にするという、重要な利点をもたらす。
驚くべきことに、約0.1〜約500μm、好ましくは、約1〜約200μmの平均粒子サイズを有するコーヒー粒子は、合成乳化剤又は人工乳化剤を必要とすることなく、エマルションを有効に安定化させることが見出された。驚くべきことに、コーヒー粒子は、合体に対してエマルションを顕著に安定化させること、並びにさらに驚くべきことに、クリーミング及び沈降に対してもエマルションを安定化させ得ることが見出された。
コーヒー粒子は、約0.1〜約500μm、好ましくは、約1〜約500μm、より好ましくは、約1〜約200μmの平均粒子サイズを有する粒子サイズ(他に、平均粒子径としても言及される)を有することができる。好ましい実施形態において、コーヒー粒子は、約1〜約150μm、好ましくは、約1〜約100μmの平均粒子サイズを有する。いくつかの好ましい実施形態において、粒子は、約1〜約50μm、好ましくは、約5〜約40μm、例えば、約5〜約30μmの平均粒子サイズを有する。特定の実施形態において、粒子は、約10〜約30μmの平均粒子サイズを有する。他の実施形態において、粒子は、10μm未満、さらに5μm未満、例えば、約0.1〜約10μmの平均粒子サイズを有することができる。粒子サイズ又は平均粒子径は、本文脈において、特に定義されない限り、レーザー回折法、静的光散乱技術により測定される直径を意味する。粒子サイズ分布が考慮されるとき、したがって、粒子サイズ分布は、特に定義されない限り、レーザー回折により決定される体積重み付け分布であり、平均又は平均サイズが考察されるとき、特に定義されない限り、d4,3又は体積モーメント平均とも呼ばれる体積重み付け平均サイズを意味する。
コーヒー粒子が、他の乳化剤、安定化剤、又は構造化剤の添加を必要とすることなく、かつ粒子の活性化を必要とすることなく、観察された十分に良好なエマルション安定化効果を示すことが見出されたことは、驚くべきことである。
従来の乳化剤は、とりわけ、例えば、シュガーエステル、ポリグリセロール脂肪酸エステル、ポリリシノール酸ポリグリセロール(PGPR)、ポリソルベート(ポリオキシエチレンソルビタンエステル)、モノグリセリド/ジグリセリド及びその誘導体、ステアロイル乳酸ナトリウム(SSL)、リン脂質、グリセロールモノオレエートを含む。有利には、本発明は、このような乳化剤、又は安定化剤の添加を必要とすることなく、コーヒー粒子を用いてエマルションを安定化させる。
本明細書において、用語「構造化剤」は、水を結合及び/又は構造化する能力を有する構成成分として理解される。構造化剤は、多糖類、及び/又はタンパク質、例えば、カラギーナン、ペクチン、ジェラン、ゼラチン、グアー、アカシアゴム、アルギン酸ナトリウム、キサンタンガム、若しくは球状タンパク質、例えば、ホエータンパク質単離物、卵白タンパク質単離物、ダイズタンパク質単離物に含有されるもの、又は動物源若しくは植物源由来の他の球状タンパク質単離物を含む。本発明は、有利には、このような構造化剤を必要とすることなく、エマルションベースである、食品製品、特に、菓子製品、冷凍菓子製品、及び飲料製品の調製を可能にする。
本発明は、有利には、人工乳化剤又は合成乳化剤を含まないエマルションベースである、食品製品、特に菓子製品の調製を可能にすること。本発明は、有利には、モノグリセリド、ジグリセリド、及びその誘導体を含まない食品製品の調製を可能にする。本発明は、有利には、グリセロールモノオレエート、ポリグリセロールエステル、及びポリリシノール酸のポリグリセロールエステルを含まないエマルションベースの食品製品、特に菓子製品の調製を可能にする。
驚くべきことに、本発明の発明者らは、コーヒー粒子が、乳化剤、構造化剤、又は他の安定化剤を必要とすることなく、並外れた安定性を有するエマルションベースの食品製品を生産することが可能であることを見出した。
文献に記載される安定化用粒子とは異なり、コーヒー粒子は、天然に存在する材料の食物源から得られ、エマルションを安定化させるための活性化を必要としない。コーヒー固形物は食品添加物として分類されないので、本発明は、添加物を含まない製品、例えば、いわゆる「E番号」をもたない製品の調製を可能にするという、重要な利点をもたらす。
コーヒー固形物の供給源は重要ではない。コーヒー固形物は、好ましくは、焙煎コーヒー粒子、未焙煎コーヒー粒子、及びその混合物から選択される。
典型的には、乳化剤系で用いられる焙煎コーヒー粒子は、約CTn80〜CTn100の焙煎度を有し得る。
コーヒー固形物は、組成物に加える前に、抽出にかけてもよい。本文脈において、用語「抽出」は、分離すべき物質が可溶である液相を用いた、マトリックスからの物質の分離(例えば、植物材料からの水溶性化合物の分離)を含む、分離工程として理解されるべきである。
本発明の好ましい実施形態において、コーヒー固形物は、組成物に加える前に、高度の抽出又は水溶性化合物の抽出にかけない。このような水溶性化合物の例は、ポリフェノール化合物、窒素化合物、及び多糖類分子であり得る。用語「高度の抽出」は、分離すべき物質が可溶である液相を用いた、マトリックスから物質が実質的に抽出し尽くされる分離として理解されるべきである。
1つの実施形態において、抽出は、水性抽出であってもよい。いくつかの実施形態において、コーヒー粒子は、水性抽出にかけた、抽出済み未焙煎コーヒー粒子又は焙煎コーヒー粒子である。従来の抽出方法を用いてもよい。特定の実施形態によると、コーヒー粒子は、
コーヒー豆を液体窒素中で挽くステップと、
超音波浴、次に、水浴を用いて、2回の水性抽出を行うステップと、
固形部分から液相を濾過するステップと、
固形部分を乾燥させて、コーヒー粒子を得るステップと
を含む、工程により得られ得る。
特定の実施形態において、コーヒー固形物は、脱脂されてもよい。本文脈において、用語「脱脂される」は、5w/w%未満の脂質、例えば、1w/w%未満の脂質(例えば、0.01〜5の範囲、例えば、0.1〜3の範囲、例えば、0.5〜2の範囲、例えば、0.75〜1の範囲)の脂質を含む安定化剤として理解されるべきである。特定の実施形態において、乳化剤系は、コーヒー材料に由来する脂質(複数可)を実質的に含まなくてもよい。本文脈において、用語「脂質(複数可)」は、少なくとも3つの脂肪酸を含む化合物として理解されるべきである。
1つの好ましい実施形態において、コーヒー粒子は、挽く前又は後に、物理化学修飾、例えば、非限定的に、抽出、分別、又は脱脂にかけていない、焙煎コーヒー粒子である。
したがって、本発明の実施形態において、コーヒー粒子は、コーヒー粒子がもたらされるコーヒー豆材料と実質的に同一の化合物を含み得る。このような化合物は、例えば、窒素化合物、ポリフェノール、及び多糖類分子であり得る。
1つの実施形態において、コーヒー粒子は、未焙煎コーヒー粒子であり、乾燥物質で10〜15重量%のタンパク質及び乾燥物質で10〜20重量%の多糖類を含む。
別の実施形態によると、コーヒー粒子は、焙煎コーヒー粒子であり、乾燥物質で10〜20重量%のメラノイジンタンパク質性部分、及び乾燥物質で10〜40重量%の多糖類を含む。
コーヒー粒子は、合体に対してエマルションを顕著に安定化させることが見出された。なおさらに驚くべきことに、コーヒー粒子は、コーヒー粒子の沈降が有意に低減したエマルションを生ずることが見出された。コーヒー粒子は、水より密度が高く、それ故、従来の化学乳化剤、安定化剤、及び/又は構造化剤の不存下では底に沈殿すると予測されるが、驚くべきことに、本発明により調製されるエマルションは、コーヒー粒子の沈降に対して良好な安定特性を有する。同時に、驚くべきことに、コーヒー粒子は、油滴相のクリーミングに対してエマルションを顕著に安定化させることも観察された。
有利には、コーヒー粒子は、食品製品において、エマルションを有効に安定化させるための従来の乳化剤、及び/又は構造化剤と置き換えるために用い得る。
本発明の乳化剤系は、製品の脂質相と水性相の間の界面を安定化させるために用い得る。本発明の実施形態において、食品製品は、チルド乳製品、常温乳製品、冷凍菓子製品、菓子製品、ペットケア製品、及び飲料製品からなる群より選択され得る。飲料製品は、コーヒーベースの製品(例えば、非限定的に、エスプレッソ、カプチーノ、アイスコーヒー又はアイスブレンドコーヒー、インスタントコーヒー、インスタントエスプレッソコーヒー、及びコーヒーミックス、コーヒー混合物、焙煎挽きコーヒーとインスタントコーヒーのミックス、及びすぐに飲むことができるコーヒー飲料)であってもよい。
本発明の1つの形態によると、合成乳化剤若しくは人工乳化剤、又は構造化剤の不存下で、約0.1〜約500μm、特に、約1〜約200μmの粒子サイズを有するコーヒー粒子を乳化用剤として含む安定なエマルションからなる、菓子製品が提供される。
エマルションからなる菓子製品は、チョコレート、チョコレート類似物(例えば、ココアバター代替物、又はココアバター均等物を含む)、チョコレートスプレッド、チョコレートソース、コーティングチョコレート、アイスクリーム用コーティングチョコレート、プラリネ、チョコレートフィリング、ファッジ、チョコレートクリーム、冷蔵チョコレートクリーム、絞り出しチョコレート製品などであってもよい。菓子製品は、任意の従来形態、とりわけ、例えば、通気製品、バー、スプレッド、ソース、又はフィリングなどの形態であってもよい。菓子製品はまた、含有物、チョコレート層、チョコレート塊、チョコレート片、チョコレートドロップ、又は成形されたチョコレートなどの形態であってもよい。菓子製品は、含有物、例えば、膨らませた米若しくは焼いた米のようなシリアル、又は乾燥させた果実片などをさらに含有してもよい。
乳化剤として含まれるコーヒー粒子の量は、とりわけ、エマルション製品の所望の特性に依存するであろう。典型的には、コーヒー粒子は、菓子製品の約0.1〜約20%wt/wt、好ましくは、約0.1〜約10%wt/wt、例えば、約1〜約10%wt/wtの量で存在する。好ましい実施形態において、乳化剤は、菓子製品の約2%〜約10%の量で存在する、コーヒー粒子によって提供される。
本明細書において、用語「脂肪相」は、油若しくは脂肪と混和できる又は油若しくは脂肪に溶解する能力を有する任意の固形及び/又は液体成分を含むものとして、「水性相」は、水と混和できる又は水に溶解する能力を有する任意の固形及び/又は液体成分を含むものとして理解される。
菓子製品は、糖を含んでもよい。これらの糖は、スクロース、フルクトース、糖代替物、例えば、ポリオール(例えば、マルチトール、ラクチトール、イソマルト、エリトリトール、ソルビトール、マンニトール、キシリトール)、又はポリデキストロースのような充填剤、又は他のタガトースのような甘味料、又はサッカリン、アスパルテーム、アセスルファム−K、チクロ、ネオヘスペリジン、ソーマチン、スクラロース、アリテーム、ネオテームのような高強度甘味料、あるいはこれらの任意の組合せを含む。
菓子製品は、着香剤、着色剤、又はミルク成分などの成分を含んでもよい。典型的には、着香剤を用いて、とりわけ、バニラフレーバー、ラズベリーフレーバー、オレンジフレーバー、ミントフレーバー、シトラスフレーバー、ストロベリーフレーバー、アプリコットフレーバー、ラベンダーフレーバーなどのフレーバー、及び任意の他の果実着香剤、ナッツ着香剤、又は花着香剤を加える。ミルク成分は、全脂肪、部分脱脂、又は脱脂のいずれか、及び脱乳糖処理された又はされていない、液体ミルク又は粉ミルクであり得る。
菓子製品において、脂肪相は、典型的には、とりわけ、ココアバター、ココアバター代用物、ココアバター代替物、ココアバター改良物、及び/又はココアバター均等物である。
ココアバター代用物は、パーム核油の分画及び/又は水素化により得られる、ヤシの木の果実の核から得られるラウリン系油脂である。ココアバター代用物は、約55%のラウリン酸、20%のミリスチン酸、及び7%のオレイン酸を含み、ココアバター代用物は、ココアバターと混合することはできない。ココアバター均等物は、ココアバターに類似した化学的特徴及び物理的特徴を有する植物脂肪であり、他の脂肪の異なる画分を混ぜ合わせることにより、又はエステル交換により得られ、任意のレシピでココアバターと互換的に用いることができる。ココアバター代替物は、制限された割合でのみココアバターと混合され得、ココアバターと類似した物理的特徴を有するが、類似した化学的特徴は有していない、非ラウリン系植物性脂肪により形成される。ココアバター代替物は、部分的に、ココア塊又はココアバターベースのレシピで用いることができる。ココアバター改良物は、その適合性において均等であるだけでなく、ココアバターのより軟らかい質の一部の固さを改良する、より硬いココアバター均等物である。
本発明は、有利には、合成乳化剤、構造化剤、又は他の安定化剤の不存下で、非常に良好な安定特性を有するエマルションベースの菓子製品の調製を可能にする。本発明は、有利には、他の乳化剤を添加することなく、及びコーヒー粒子に対する化学活性化ステップ/処理を行うことを必要とすることなく、乳化用剤としてのコーヒー粒子により安定化された、非常に良好なエマルション安定特性を有するエマルションベースの菓子製品の調製を可能にする。
本発明によるコーヒー粒子で安定化させたエマルションは、エマルションの下記の従来の調製方法に従って調製することができる。
典型的な方法によると、いくつかの実施形態において、エマルションの形態の菓子製品の調製方法は、
(a)水性相を用意するステップと
(b)脂肪相を用意するステップと
(c)水性相又は脂肪相の一方又は両方に、0.1〜500μmの間、好ましくは、1〜200μmの間に含まれる粒子サイズを有するコーヒー粒子を含む乳化剤系を分散させるステップと
(d)2つの相を均質化させて、エマルションを形成するステップと
を含む。
特定の実施形態において、水中油型エマルションの調製のため、コーヒー粒子を水性相に分散させ、油/脂肪相を水性相に加えた後、かき混ぜて、エマルションを形成する。他の実施形態において、コーヒー粒子を油/脂肪相に分散させ、水性相を油/脂肪相に加えた後、かき混ぜて、エマルションを形成する。均質化が、エマルションの形成のためのかき混ぜをもたらすために便宜的に用いられているが、他の従来技術も企図される。
別の実施形態において、本発明の乳化剤系は、冷凍菓子の製造において用い得る。例えば、本発明の乳化剤系は、アイスクリーム、シャーベット、フローズンヨーグルト、ミルクアイス、メロリン、フローズンシェイク、又は他の冷凍デザートの製造における伝統的な乳化剤系と同じように用い得る。
冷凍菓子は、従来の方法により調製し得る。冷凍菓子の典型的な製造方法は、
(a)0.5〜20重量%の脂肪、5〜15重量%の無脂肪のミルク固形物、5〜35重量%の甘味剤、最大3重量%の安定剤、及び0.1〜10重量%の、0.1〜500μmの間、好ましくは、1〜200μmの間に含まれる粒子サイズを含む乳化剤系を含む、冷凍菓子成分ミックスを混合するステップと、
(b)ミックスを低温殺菌し、均質化するステップと、
(c)場合によりミックスを通気しながら、凍結させるステップと、
(d)場合により、冷凍ミックスを固めるステップと
を含み得る。
本発明は、有利には、添加物、又は非天然成分を含有しない、エマルションベースの食品製品、特に、菓子製品の調製を可能にする。有利には、本発明のコーヒー粒子安定化エマルションは、乳化剤、構造化剤、又は他の安定化剤の添加を必要としない。有利には、本発明のコーヒー粒子安定化エマルションは、ココア粒子に対する活性化ステップ/処理を必要としない。
本明細書で用いる場合、用語「約」は、数字の範囲における両方の数字を指すことは、一般に理解されるべきである。さらに、全ての数字範囲は、範囲内の各全ての整数を含むことは、理解されるべきである。
有利には、本発明の乳化剤系は、食品製品の製造において合成乳化剤と置き換わり得る。本発明は、有利には、合成乳化剤を含有しない、エマルションベースの食品製品、特に、菓子製品、及び冷凍菓子の調製を可能にする。
本発明は、以下の非限定的な実施例を参照して、さらに記載される。
実施例1
材料及び方法
後述のとおりエマルションを生じさせた。
コーヒー成分
コーヒー由来の4つの成分を、乳化剤として試験し、以下の表1に記載するとおり調製した。表1に記載するコーヒー粒子乳化剤系の粒子分布サイズを図1に示す。
追加材料
以下の追加材料を用いて。エマルションを作製した。
MilliQ水、
塩酸(Merck)(pH2、4、6の水溶液を作るため)、
水酸化ナトリウム(Merck)(pH8の水溶液を作るため)、
リン酸水素二ナトリウム/リン酸二水素カリウムpH7バッファー溶液(Merck)。
コーヒー成分の界面を安定化させる能力を試験するための実験を行った。
Figure 2016501548
コーヒー試料1〜4の粉砕は、
コーヒーの流速:100g/h
供給速度:10rpm
分級器速度:8000rpm
ZPS速度:22000rpm
吸気温度:−80℃
気流:65m/h
にて、ZPS低温グラインダーで行った。
本明細書で用いる抽出収率は、抽出物中に回収された固形物と、開始時のコーヒー豆に存在する固形物との比w/wとして決定した。
焙煎コーヒー(MRC)試料1及び抽出済み焙煎コーヒー(EMRC)試料2の特徴を表2に示す。
Figure 2016501548
1.1 エマルション安定性実験
10重量%のHOSFO及び1重量%のMRC試料1〜4を用いて、水中にエマルションを調製した。マグネチックスターラー(およそ300秒)で、周囲温度にて原料を予め混合し、次に、Polytron PT 300(Kinematica AG)を用いて、周囲温度(この段階では、摩擦による局所の加熱を相殺するための冷却は阻止しなかった)、10,000rpmで180秒間の高せん断流を適用することにより、エマルションを形成させた。得られた分散液を明視野顕微鏡検査により視覚的に検査し、デジタル写真撮影を用いて記録した。
分散液は、水に分散した油滴を形成し、浮力によりクリーミングする、典型的な水中油型エマルションの挙動を示した。エマルションの顕微鏡画像を取得し、典型的な微細構造配置を図7に示す。抽出していない試料1及び3、図2(a)及び(c)は、最大量の乳化した油を含有する一方、使用済みの試料2及び4、図2(b)及び(d)は、若干の油滴、また恐らく不溶性のコーヒー粒子である非球状粒子を含有していた。油滴の視覚検査は、典型的な滴径dが2〜10μmであることを示す。抽出済みのMRC抽出物についての、わずかにより不良な滴の安定化は、コーヒーの抽出中に生じたメラノイジンなどの界面活性材料の減少に起因するようである。
1.2 エマルション安定性に対するイオン環境の影響
実施例1.1のとおりに、10重量%のHOSFO/1重量%のMRC/89重量%のpH2、pH4、及びpH7の水性バッファー溶液を調製することにより、挽き焙煎コーヒー試料についてのイオン環境の影響を調べた。得られた分散液を明視野顕微鏡検査により視覚的に検査し、デジタル写真撮影を用いて記録した。
試料全ての巨視的画像は、上部クリーム層と独立して、pH値が増大するに伴い、MRC試料1〜4の水への溶解度が増大したことを示す。増大した親水性を顕微鏡レベルでも観察される。pHがpH2からpH7に進むにつれ、水中油型滴の形成に対するより明確な指向性が観察される。この増大した親水性は、MRC試料1〜4について、より高いpH値で観察された改良された泡沫安定化挙動に対応する。
実施例2:エマルション保存安定性
コーヒー成分
以下の表3に記載するように、コーヒー由来の3つの成分を乳化剤として試験した。コーヒー試料A〜Cの特徴を以下の表4に示す。
Figure 2016501548
抽出済みコーヒー試料A及びBの調製は次の水性抽出方法により行った。
1.コーヒー原料を液体窒素中で挽いた。
2.超音波浴に30分(±2分)間置いた、挽きコーヒー原料に、90℃(±5℃)の熱水を加えた(1kgのコーヒー原料に対して、2.5L(±0.1L)の熱水を加えた)。
3.混合物を真空下で濾過(ブフナー型濾過)し、続いて、スピナーにて、2200rpmで20分間濾過した(フィルター孔サイズ:20〜50μm)。
4.固相を保持し、60分(±10分)間、撹拌(水浴シェーカー)しながら90℃(±5℃)の熱水中に置いた(2.5L(±0.1L)の熱水を加えた)。
5.混合物を、真空下での第2の濾過ステップ(ブフナー型濾過)にかけ、続いて、スピナーにて、2200rpmで20分間濾過した(フィルター孔サイズ:20〜50μm)。
6.ドラフトチャンバー下、室温で24時間、粒子を乾燥させた。
Figure 2016501548
コーヒー粒子試料A〜Cを蒸留水にまず分散させ、続いて、精製コーン油(マゾーラ(Mazola)(商標)油)を加えて、エマルションを調製した。Polytron PT2100(Kinematica AG、スイス)高せん断混合器を用いて、22に設定した速度で10分間実行し、混合物を乳化に供した。55%w/wの油及び5%w/wのコーヒー粒子を含有するエマルション(水が残りの成分であった)を調製した。
調製後、視覚的観察、粒子サイズ、及び顕微鏡検査により、試料を確認した。フラウンホーファ光学モデルを用いた、レーザー回折粒子サイズ分析器(Malvern Mastersizer2000、Malvern Ltd、英国)で、粒子サイズ分布を測定した。d4,3、体積平均を用いて、平均サイズを評価した。試料を水に分散させた(試料A〜Cの平均粒子サイズを、上の表3に示す)。QImagingデジタルカメラ、及びLynksys32ソフトウエア(Linkam Scientific Instruments、英国)を備えた、オリンパスBH−2顕微鏡(オリンパス株式会社、日本)を用いて、顕微鏡写真を取得した。試料を蒸留水に希釈した後、顕微鏡で調べた。40×拡大レンズを用いて、試料を調べた。
全てのコーヒー粒子試料A〜Cで、均質なエマルションが得られた。エマルションの液滴サイズを測定し、結果を表5に示す。MRC(試料C)は、かなりより小さな粒子サイズのエマルションを生じた。図3に示す顕微鏡下で確認したエマルション試料の顕微鏡写真は、油滴が界面で吸収された小さな滴及び粒子を有するように見えることを示す。図3(a)=試料A、図3(b)=試料B、図3(c)=試料C。
Figure 2016501548
安定性試験のため、室温で1週間、試料をそのまま維持した。視覚検査により、エマルション試料が、保存後安定性を保持していたこと、油の分離を観察せず、クリーミングの程度は、コーヒー粉末の供給源で変動したことを観察した。
保存後、エマルション滴の外観(図4に示す)も未変化のままであり、界面で吸収された粒子及び小さな滴が観察される(図4(a)=試料A、図4(b)=試料B、図4(c)=試料C)。保存後のエマルションの液滴サイズを表5に示す。保存前及び保存後のエマルションの液滴サイズ分布を評価し、結果は、保存後に、液滴サイズの非常にわずかな進展のみが存在することを示した。抽出済み焙煎コーヒー粉末を含有する試料は、液滴サイズの非常にわずかな進展のみが観察されたので、最も安定であるように思われた。保存後の粒子サイズの結果は、実質的に未変化のままであり、このことは、エマルションが、合体に対して非常に安定であることを示す。
好ましい実施形態が、特定の実施例に関連して本明細書で開示されているが、本発明が好ましい実施形態に制限されないことは認識されるであろう。種々の改変が、当業者にとって明らかとなり得、本発明の実施から獲得され得る。用いられる材料、及び化学的詳細は、本発明により開示され、教示された方法及び組成物から逸脱することなく、記載と若干異なってもよく、又は改変されてもよい。

Claims (13)

  1. コーヒー粒子を含み、前記コーヒー粒子が、約0.1μm〜約500μm、好ましくは、1μm〜200μmの範囲の粒子サイズを有する、食品製品のための乳化剤系。
  2. 前記コーヒー粒子が、約1μm〜約100μm、好ましくは、5μm〜30μmの範囲の粒子サイズを有する、請求項1に記載の乳化剤系。
  3. 前記コーヒー粒子が、未焙煎コーヒー、焙煎コーヒー、及びこれらの任意の混合物から選択される、請求項1又は2に記載の乳化剤系。
  4. 前記コーヒー粒子が、乾燥物質で10〜15重量%のタンパク質、及び乾燥物質で10〜20重量%の多糖類を含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載の乳化剤系。
  5. 前記コーヒー粒子が、乾燥物質で10〜20%のメラノイジンタンパク質性部分及び10〜40重量%の多糖類を含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載の乳化剤系。
  6. 前記コーヒー粒子が、
    a)コーヒー豆を液体窒素中で挽くステップと、
    b)2回の水性抽出を行うステップであって、好ましくは、超音波浴、次に、水浴を用いて、2回の水性抽出を行うステップと、
    c)固形部分から液相を濾過するステップと、
    d)前記固形部分を乾燥させて、コーヒー粒子を得るステップと
    を含む方法により得られ得る、請求項1〜5のいずれか一項に記載の乳化剤系。
  7. 前記コーヒー粒子に由来する脂質(複数可)を実質的に含まない、請求項1〜7のいずれか一項に記載の乳化剤系。
  8. 食品製品の脂肪相と水性相との間の界面を安定化させるための、請求項1〜7のいずれか一項に記載の乳化剤系の使用。
  9. 前記食品製品が、乳製品、菓子製品、冷凍菓子製品、ペットケア製品、又は飲料製品である、請求項8に記載の乳化剤系の使用。
  10. 0.1〜10重量%の請求項1〜7のいずれか一項に記載の乳化剤系により安定化させたエマルションを含むことを特徴とする、食品製品。
  11. 乳製品、菓子製品、冷凍菓子製品、ペットケア商品、又は飲料製品から選択される、請求項10に記載の食品製品。
  12. 菓子製品である、請求項11に記載の食品製品。
  13. 食品製品の脂肪相と水性相との間の界面を安定化する方法であって、
    (i)少なくとも1つの脂肪相;少なくとも1つの水性相;及び0.1μm〜500μm、好ましくは、1μm〜200μmの範囲の粒子サイズを有するコーヒー粒子を含む乳化剤系を用意するステップと;
    (ii)少なくとも1つの脂肪相、少なくとも1つの水性相、又は少なくとも1つの脂肪相と少なくとも1つの水性相との両方に、前記乳化剤系を分散させるステップと;
    (iii)前記少なくとも1つの水性相及び前記少なくとも1つの脂肪相を均質化して、エマルションを形成するステップと
    を含む、方法。
JP2015550061A 2012-12-28 2013-12-23 乳化剤系 Pending JP2016501548A (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
EP12199581.5 2012-12-28
EP12199581 2012-12-28
PCT/EP2013/077882 WO2014102230A1 (en) 2012-12-28 2013-12-23 Emulsifier system

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2016501548A true JP2016501548A (ja) 2016-01-21

Family

ID=47500999

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015550061A Pending JP2016501548A (ja) 2012-12-28 2013-12-23 乳化剤系

Country Status (10)

Country Link
US (1) US20150351430A1 (ja)
EP (1) EP2938208B2 (ja)
JP (1) JP2016501548A (ja)
CN (1) CN104853616A (ja)
AU (1) AU2013369356A1 (ja)
ES (1) ES2633181T5 (ja)
MX (1) MX362637B (ja)
PH (1) PH12015501461A1 (ja)
RU (1) RU2015131083A (ja)
WO (1) WO2014102230A1 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2018105747A1 (ja) 2016-12-08 2018-06-14 三菱ケミカルフーズ株式会社 水中油型乳化組成物、及び該水中油型乳化組成物の製造方法
JP2019528707A (ja) * 2016-09-16 2019-10-17 ソシエテ・デ・プロデュイ・ネスレ・エス・アー 脂肪ベースの風味濃縮物の加工方法
JP2021519728A (ja) * 2018-01-15 2021-08-12 スイス コーヒー イノベーション アーゲー 特に、淹れたコーヒーの調製のための飲料粉末及び充填剤含有カプセル

Families Citing this family (16)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
HUE045746T2 (hu) * 2014-12-22 2020-01-28 Nestle Sa Eljárás fûszerkészítmények elõállítására
EP3471550A4 (en) 2016-06-16 2020-02-26 Sigma Phase, Corp. SYSTEM FOR PROVIDING A SINGLE PORTION OF FROZEN CONFECTIONERY
US10426180B1 (en) 2016-06-16 2019-10-01 Sigma Phase, Corp. System for providing a single serving of a frozen confection
US10334868B2 (en) 2016-06-16 2019-07-02 Sigma Phase, Corp. System for providing a single serving of a frozen confection
CN107183422A (zh) * 2017-04-25 2017-09-22 商万有 一种百合饮料的制备方法
US10612835B2 (en) 2018-08-17 2020-04-07 Sigma Phase, Corp. Rapidly cooling food and drinks
US10543978B1 (en) 2018-08-17 2020-01-28 Sigma Phase, Corp. Rapidly cooling food and drinks
US11470855B2 (en) 2018-08-17 2022-10-18 Coldsnap, Corp. Providing single servings of cooled foods and drinks
US11781808B2 (en) 2019-04-09 2023-10-10 Coldsnap, Corp. Brewing and cooling a beverage
US20220151267A1 (en) * 2019-04-16 2022-05-19 Locus Ip Company, Llc Microbe-Based Emulsifying Food Additives
WO2021044245A1 (en) * 2019-09-04 2021-03-11 King Abdullah University Of Science And Technology System and method for determining demulsifier for separating water from water emulsion
US11337438B2 (en) 2020-01-15 2022-05-24 Coldsnap, Corp. Rapidly cooling food and drinks
TW202202790A (zh) 2020-06-01 2022-01-16 美商寇德斯納普公司 用於快速冷卻食物及飲料的冷凍系統
US11827402B2 (en) 2021-02-02 2023-11-28 Coldsnap, Corp. Filling aluminum cans aseptically
CA3211293A1 (en) * 2021-03-25 2022-09-29 Eric Wright Shaved coffee beans and coffee shaving methods
WO2023165886A1 (en) 2022-03-03 2023-09-07 Firmenich Sa Solid delivery systems

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS63129955A (ja) * 1986-11-21 1988-06-02 Ajinomoto General Foods Kk コ−ヒ−抽出液の安定化方法
JPH0638681A (ja) * 1992-03-12 1994-02-15 Kraft General Foods Inc 芳香剤としてのコロイド状焙焼コーヒー
JPH0856609A (ja) * 1994-08-18 1996-03-05 Gun Ei Chem Ind Co Ltd 乳化食品
JP2008535506A (ja) * 2005-04-12 2008-09-04 ネステク ソシエテ アノニム コーヒー製品
JP2010535018A (ja) * 2007-08-03 2010-11-18 ネステク ソシエテ アノニム 冷凍デザート用の天然安定剤系
WO2012082897A1 (en) * 2010-12-16 2012-06-21 Kraft Foods R & D, Inc. Instant coffee

Family Cites Families (17)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US3499851A (en) * 1966-10-06 1970-03-10 Eugenie Ligo Waste coffee grounds as a filler in thermosetting materials
US3917858A (en) * 1972-12-13 1975-11-04 D E J Int Research Agglomeration of instant powders
GB2006603B (en) * 1977-11-01 1982-02-24 Gen Foods Ltd Coffee product and process
DE4302881C1 (de) 1993-02-02 1994-01-05 Gerd Leschus Brotaufstrich
US5576044A (en) * 1995-02-01 1996-11-19 Nestec Sa Coffee aroma emulsion formulations
JPH10134499A (ja) * 1996-10-25 1998-05-22 Sony Corp ディスク記録再生装置および方法
US6177119B1 (en) * 1998-11-10 2001-01-23 Kraft Foods, Inc. Self-Whitening coffee and method of manufacture therefor
EP1048220B1 (en) 1999-04-26 2012-10-17 Societe Des Produits Nestle S.A. A whitened coffee concentrate
DE60109277T2 (de) * 2001-06-22 2006-01-12 Zini Prodotti Alimentari S.R.L., Cesano Boscone Röstung von gemahlenen Samen zur Verwendung als Lebensmittel
JP3583410B2 (ja) * 2001-11-29 2004-11-04 明治乳業株式会社 可食飲食物の抽出および/または搾汁方法
CN1293819C (zh) * 2002-12-23 2007-01-10 兹尼营养品公司 用于营养用途的研磨种子的焙烧
US20040253356A1 (en) * 2003-06-11 2004-12-16 Applied Food Sciences, Llc Extraction method for use in extracting beneficial compounds from coffee beans
US20070051836A1 (en) 2005-09-07 2007-03-08 The Coca-Cola Company Bi-modal roller grinder
US8043645B2 (en) 2008-07-09 2011-10-25 Starbucks Corporation Method of making beverages with enhanced flavors and aromas
US8226992B1 (en) * 2009-05-07 2012-07-24 Okerlin Iii John R Composition and method of preventing and treating redox diseases
DE202009018750U1 (de) 2009-10-02 2013-02-07 Engelbert Grzeschik Süßwarenemulsion mit Kaffeegeschmack
EP2491797A1 (en) * 2011-02-24 2012-08-29 Nestec S.A. Coffee product

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS63129955A (ja) * 1986-11-21 1988-06-02 Ajinomoto General Foods Kk コ−ヒ−抽出液の安定化方法
JPH0638681A (ja) * 1992-03-12 1994-02-15 Kraft General Foods Inc 芳香剤としてのコロイド状焙焼コーヒー
JPH0856609A (ja) * 1994-08-18 1996-03-05 Gun Ei Chem Ind Co Ltd 乳化食品
JP2008535506A (ja) * 2005-04-12 2008-09-04 ネステク ソシエテ アノニム コーヒー製品
JP2010535018A (ja) * 2007-08-03 2010-11-18 ネステク ソシエテ アノニム 冷凍デザート用の天然安定剤系
WO2012082897A1 (en) * 2010-12-16 2012-06-21 Kraft Foods R & D, Inc. Instant coffee

Non-Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
BEKEDAM E.K., "COFFEE BREW MELANOIDINS STRUCTURAL AND FUNCTIONAL PROTERTIES OF BROWN-COLORED COFFEE, JPN7017003656, ISSN: 0003831805 *
日本接着学会誌 (2007) VOL.43, NO.2, PP.64-71(22-29), JPN6017043130, ISSN: 0003831804 *

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2019528707A (ja) * 2016-09-16 2019-10-17 ソシエテ・デ・プロデュイ・ネスレ・エス・アー 脂肪ベースの風味濃縮物の加工方法
WO2018105747A1 (ja) 2016-12-08 2018-06-14 三菱ケミカルフーズ株式会社 水中油型乳化組成物、及び該水中油型乳化組成物の製造方法
KR20190089063A (ko) 2016-12-08 2019-07-29 미츠비시 케미카루 후즈 가부시키가이샤 수중유형 유화 조성물, 및 그 수중유형 유화 조성물의 제조 방법
KR20230018543A (ko) 2016-12-08 2023-02-07 미쯔비시 케미컬 주식회사 수중유형 유화 조성물, 및 그 수중유형 유화 조성물의 제조 방법
US11582981B2 (en) 2016-12-08 2023-02-21 Mitsubishi Chemical Corporation Oil-in-water type emulsion composition, and method for producing said oil-in-water type emulsion composition
JP2021519728A (ja) * 2018-01-15 2021-08-12 スイス コーヒー イノベーション アーゲー 特に、淹れたコーヒーの調製のための飲料粉末及び充填剤含有カプセル
JP7411552B2 (ja) 2018-01-15 2024-01-11 スイス コーヒー イノベーション アーゲー 特に、淹れたコーヒーの調製のための飲料粉末及び充填剤含有カプセル

Also Published As

Publication number Publication date
ES2633181T3 (es) 2017-09-19
EP2938208B2 (en) 2023-08-02
WO2014102230A1 (en) 2014-07-03
US20150351430A1 (en) 2015-12-10
CN104853616A (zh) 2015-08-19
MX2015008301A (es) 2015-10-14
PH12015501461A1 (en) 2015-09-21
AU2013369356A1 (en) 2015-07-02
ES2633181T5 (es) 2023-12-07
EP2938208B1 (en) 2017-05-17
MX362637B (es) 2019-01-29
EP2938208A1 (en) 2015-11-04
RU2015131083A (ru) 2017-02-02

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP2938208B1 (en) Emulsifier system
RU2437551C2 (ru) Кондитерский продукт с низким содержанием жиров
JP5601432B1 (ja) 粉末油脂及びその製造法と、それを用いたチョコレート様食品
US8840945B2 (en) Method for preparing aggregated protein particles
US11213042B2 (en) Chocolate product with cocoa particles as the emulsifying agent
CA3068897A1 (en) Emulsion in foods
JP7358536B2 (ja) 粉末油脂組成物
EP3302082B1 (en) Use of stable water-in-oil emulsions for confectioneries
KR102444342B1 (ko) 고도 불포화 지방산 함유 초콜릿 유사 식품
RU2142711C1 (ru) Безлактозное молоко (варианты), пищевой продукт (варианты) и способы их получения
JP2008072943A (ja) 油中水型乳化食品

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20161221

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20171018

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20171114

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20180214

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20180710