JP2016226175A - 圧電体、振動子、及び、振動波モータ - Google Patents

圧電体、振動子、及び、振動波モータ Download PDF

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Abstract

【課題】圧電体、振動子、及び振動波モータが利用された機器に対して、耐久時間の延長や、現状より劣悪な条件や過酷な環境での使用を図るため、機械的信頼性と電気的信頼性を両立させて向上させる必要がある。
【解決手段】圧電素子1とフレキシブルプリント基板FPCとが接着され、カバーレイ2cの終端部Nは、配線層2bと交差する第一の輪郭部と第二の輪郭部とを有し、第一の輪郭部は、電極Fのうちの電極F1と接し、第二の輪郭部は、電極Fのうちの他の電極と接し、フレキシブルプリント基板FPCと交差する圧電素子1の外形線Mから第一の輪郭部までの長さL1は、外形線Mから第二の輪郭部までの長さL2より短くなっている。また、電極F1は、電極Fのうちの他の電極よりも外形線からの位置が近い。
【選択図】図3

Description

本発明は、圧電素子と給電用の基板とからなる圧電体に関する。
従来から小型軽量、高速駆動、かつ、静音駆動を特徴とする超音波モータは、撮像装置のレンズ鏡筒等に採用されている。この超音波モータは、振動源として圧電体を利用したものが一般的であり、その一例が特許文献1及び2に開示されている。なお、以下、圧電素子と給電手段であるフレキシブルプリント基板(以下、FPCと略す)を接着したものを圧電体、圧電体に弾性体を接着したものを振動子、振動子を駆動源としたモータを振動波モータとする。
特開2012−16107号公報 特開2015−6047号公報
圧電体、振動子、及び、振動波モータ(以下、「圧電体等」と略す)が利用された機器の信頼性を確保するために、圧電素子とFPCとの接着部に機械的信頼性と電気的信頼性とを十分に確保する必要がある。ここで、機械的信頼性とは、破断及び剥離に対する強度並びに耐久性を意味し、電気的信頼性とは、導通の確実性及び電気抵抗の安定性を意味する。今後、圧電体等が利用された機器に対して、現状より劣悪な条件や過酷な環境での使用を図るためには、機械的信頼性と電気的信頼性とを両立させて向上させる必要がある。
そこで、本発明は、圧電体等が利用された機器の機械的信頼性と電気的信頼性とを両立させて向上させることを目的とする。
上記の課題を解決するために、本発明の圧電体、振動子、及び振動波モータは、圧電素子とFPCとが接着され、カバーレイの終端部は、配線層と交差する第一の輪郭部と第二の輪郭部とを有し、第一の輪郭部は、電極Fのうちの一つの電極F1と接し、第二の輪郭部は、電極Fのうちの他の電極と接し、フレキシブルプリント基板と交差する圧電素子の外形線から第一の輪郭部までの長さL1は、外形線Mから第二の輪郭部までの長さL2より短く、電極F1は、電極Fのうちの他の電極よりも外形線からの位置が近いことを特徴としている。
本発明によれば、圧電体等が利用された機器の機械的信頼性と電気的信頼性とを両立させて向上させることができる。
第一の実施形態の圧電素子1の構成を示す図である。 第一の実施形態のFPC2の構成を示す図である。 第一の実施形態の圧電体の構成を示す図である。 第一の実施形態の効果を説明するための比較例を示す図である。 第一の実施形態の圧電体を用いた振動子10と振動波モータを示す斜視図である。 第二の実施形態の圧電体の構成を示す図である。 第三の実施形態の圧電体の構成を示す図である。 振動波モータ400を用いたレンズ駆動装置300の全体を示す図である。 振動波モータ400を示す分解斜視図である。 振動波モータ400を用いたレンズ駆動装置300を有するレンズ鏡筒を示す図である。
(第一の実施形態)
まず、本発明の第一の実施形態の圧電素子1の構成について説明する。図1(a)は平面図、図1(b)は正面図、図1(c)は右側面図、図1(d)は底面図である。圧電素子1には、一部に複数の電極E(電極E1〜5)が形成されている。本実施形態では、圧電素子1の表面S1に電極E1〜E3、圧電素子1の壁面S2の一部に電極E4、圧電素子1の裏面S3に電極E5が形成されているが、電極Eの数を変更した形態も選択可能である。圧電素子1は、電極E2、電極E3と電極E5の間に高電圧が印加されて分極処理されている。図1(c)には、圧電素子1の厚さtsと電極Eの厚さteが示されている。これら厚さts及び厚さteは、誇張して示されており、実際には圧電素子1の厚さtsは数百μm、電極Eの厚さteは数μmである。
圧電素子1は、後述のFPC2と交差する圧電素子1の外形線Mを有する。そして、本実施形態の電極E1は、圧電素子1の外形線Mに最も近い位置にあり、該電極E1は、圧電素子1の裏面S3の電極E5に壁面S2の電極E4を経由して導通している。このように電極E1と電極E5とが導通しているので、電極E1と電極E2、電極E1と電極E3の間に交流電圧が印加されれば、特許文献1及び2に記載されたような圧電素子1の圧電効果による超音波振動を得ることができる。本実施形態は、上述のように電極E1が壁面S2の電極E4を経由して圧電素子1の裏面S3の電極E5に導通している形態であるが、他の形態としてスルーホールを経由する方法なども選択可能である。
次に、本発明の第一の実施形態のFPC2の構成について説明する。図2(a)は平面図、図2(b)は断面線B−Bにおける断面図、図2(c)は断面線C−Cにおける断面図、図2(d)は底面図である。FPC2には、基材2a上に延在している複数の配線層2bの一部を覆うカバーレイ2cが貼り付けられ、配線層2bのカバーレイ2cに覆われていない部分に複数の電極F(電極F1〜F6)が形成されている。図2(b)及び図2(c)において、基材2aの厚さta、配線層2bの厚さtb、カバーレイ2cの厚さtcは、いずれも誇張して示されており、実際にはそれぞれ十数〜数十μmである。
図2(d)に示されるように、電極F1と電極F4、電極F2と電極F5、電極F3と電極F6がそれぞれの配線層2bを経由して導通されており、電極F4〜電極F6側を図示されていないコネクタに挿入して、電極F1〜F3へ電力が給電される。電極F1〜F3は、圧電素子1の複数の電極Eと導通される。そして、カバーレイ2cの長手方向の終端部Nには、配線層2bと交差する第一の輪郭部N1と第二の輪郭部N2とが形成されている。すなわち、本実施形態では、カバーレイ2cの終端部Nは、基材2aの長手方向の終端部に対し平行な形状となっていない。そして、第一の輪郭部N1は、電極F1と接し、第二の輪郭部N2は、電極F2、電極F3と接している。なお、カバーレイ2cの長手方向の終端部Nは、基材2aの長手方向の終端部の形状によっては基材2aの長手方向の終端部に対し平行な形状となってもよい。
本実施形態では、FPC2に電極F1〜F6の6つの電極Fが形成されているが、電極Fの数を変更した他の形態も選択可能である。又、一般的に配線層2bには、圧延銅箔が、基材2aとカバーレイ2cには、ポリイミドが採用されるが、材料を変更した他の形態も選択可能である。
次に、圧電素子1とFPC2とを接着した圧電体の構成について説明する。図3(a)は圧電体の平面図、図3(b)は断面線B−Bにおける断面図、図3(c)は断面線C−Cにおける断面図、図3(d)は図3(a)の圧電体の平面図において、理解しやすいようにFPC2の基材2aを取り除いた状態の平面図である。圧電体は、圧電素子1の図1(a)に示される平面と、FPC2の図2(d)に示される底面とが互いに貼り合わされるので、図3(a)においては、圧電素子1は図1(a)に示す平面、FPC2は図2(a)に示す平面が示されている。圧電素子1の厚さに対して、電極E1〜E5の厚さは非常に薄いので、図3(b)及び図3(c)において、電極E1〜E5の記載は省略されており、更に、圧電素子1とFPC2の厚さは、誇張して示されている。
図3(b)には、圧電素子1の電極E1にFPC2の電極F1が接着される部分の長さL3が示されている。この長さL3を長くすることによって、電極F1が電極E1に接着される接着面積が大きくなるので、電極F1の接着部の電気的信頼性を向上させることができる。又、図3(c)には、カバーレイ2cの延在する方向における、圧電素子1上にカバーレイ2cが接着される部分の最大の長さL2が示されている。この長さL2を長くすることによって、剛性の高いカバーレイ2cが接着される接着面積が大きくなるので、カバーレイ2cの接着部の機械的信頼性を向上させることができる。
図3(d)には、カバーレイ2cが圧電素子1に重畳している領域Aが斜線で示されている。複数の電極Fのうちの電極F1は、圧電素子1の外形線Mに最も近い位置に位置付けられており、電極Fのうちの他の電極F2、電極F3は、電極F1よりも圧電素子1の外形線Mから離間した位置に位置付けられている。そして、本実施形態の圧電体の特徴は、FPC2と交差する圧電素子1の外形線Mから第一の輪郭部N1までの長さL1は、外形線Mとから第二の輪郭部N2までの長さL2(図示X方向)より短いことである。これは、カバーレイ2cの終端部Nが圧電素子1の外形線Mと平行となる形状でないことに起因する。
又、本実施形態の圧電体は、図3(a)に示す通り、FPC2が延在する方向と直交する幅方向の寸法について、圧電素子1とFPC2が重畳している領域Aの寸法W1は、圧電素子1とFPC2が重畳していない部分の寸法W2より大きくなっている。これは、寸法W1を大きくすることによって、圧電素子1とFPC2との接着部の機械的信頼性を向上させることができる一方、寸法W2を小さくすることによって、FPC2を引き回す部分の小型化を図ることができる。
次に、本実施形態の効果を説明する。図4(a)、図4(b)及び図4(c)は、いずれもFPCの底面図であり、圧電素子1の外形線Mの位置が一点鎖線によって示されている。カバーレイ2cが圧電素子1に重畳する領域Aは、斜線で示されている。図4(a)は、本実施形態のFPC2であり、図4(b)及び図4(c)は、それぞれ比較例としてのFPC102及びFPC202である。FPC102及びFPC202のカバーレイ102c及び202cの終端部N4及び終端部N5は、いずれも圧電素子1の外形線Mと平行となっている。
図4(b)のように、終端部N4が圧電素子1の外形線Mと平行な形状となっているカバーレイ102cの場合であって、終端部N4が圧電素子1の外形線Mから近い、すなわち領域Aが狭い場合を考える。FPC102の長手方向の領域Aの長さL4が短いので、剛性の高いカバーレイ102cと圧電素子1との接着面積が小さくなり、接着部の機械的信頼性が低下する。又、図4(c)のように、終端部N5が圧電素子1の外形線Mと平行な形状となっているカバーレイ202cの場合であって、終端部N5が圧電素子1の外形線Mから遠い、すなわち領域Aが広い場合を考える。FPC202の長手方向の領域Aの長さは長くなるが、電極F1が露出する長さL5が短くなり、圧電素子1の電極E1とFPC202の電極F1との接着面積が小さくなるので、接着部の電気的信頼性が低下する。
これに対して、図4(a)のように、カバーレイ2cの終端部Nは、配線層2bと交差する第一の輪郭部N1と第二の輪郭部N2とを有し第一の輪郭部N1は、電極Fのうちの電極F1と接し、第二の輪郭部N2は、電極Fのうちの他の電極F2、F3と接する。そして、PFC2と交差する圧電素子1の外形線Mから第一の輪郭部N1までの長さL1は、外形線Mから第二の輪郭部N2までの長さL2より短い。このため、本実施形態の圧電体では、圧電素子1の電極E1とFPC2の電極F1との接着面積を大きくすることができるので、電極F1の接着部の電気的信頼性を向上させる効果が得られる。又、剛性の高いカバーレイ2cと圧電素子1との接着面積を大きくすることができるので、カバーレイ2cの接着部の機械的信頼性を向上させる効果が得られる。
図5(a)は、本実施形態の圧電体に弾性体3を貼り付けて構成した振動子10の斜視図であり、図5(b)は、振動子10に対向して摩擦材11を配置して構成した振動波モータ(超音波モータ)の斜視図である。これらの振動子10と振動波モータの動作については、特許文献1又は2に記載の通りである。以上、本実施形態の圧電体は前述の特徴を備え、圧電体等が利用された機器の機械的信頼性と電気的信頼性を両立させて向上させることができる。
(第二の実施形態)
次に、本発明の第二の実施形態である圧電素子1とFPC22を接着した圧電体の構成について説明する。図6(a)〜(d)に示される図の形態は、それぞれ図3(a)〜(d)に示される図の形態と同様である。第二の実施形態と第一の実施形態とにおける異なる点は、図6(b)の断面線B−Bに沿った断面において、カバーレイ22cが圧電素子1と重畳してない点である。更に、カバーレイ22cが圧電素子1に重畳する領域Aが圧電素子1上に二つ存在している。
図6(d)には、カバーレイ22cが圧電素子1に重畳している領域Aが二か所、斜線で示されている。複数の電極Fのうち電極F1は、圧電素子1の外形線Mに最も近い位置に位置付けられており、他の電極F2、電極F3は、電極F1よりも圧電素子1の外形線Mから離間した位置に位置付けられている。そして、第二の実施形態の圧電体の特徴は、FPC22と交差する圧電素子1の外形線Mから第一の輪郭部N1までの長さL1は、外形線Mとから第二の輪郭部N2までの長さL2(図示X方向)より短いことである。なお、この長さL1が0である場合も含む。
上述の本実施形態の特徴により、圧電素子1の電極E1とFPC22の電極F1との接着面積を大きくすることができるので、電極F1の接着部の電気的信頼性を向上させる効果が得られる。又、剛性の高いカバーレイ22cと圧電素子1との接着面積を大きくすることができるので、カバーレイ22cの接着部の機械的信頼性を向上させる効果が得られる。更に、本実施形態の圧電体は、断面線B−Bに沿った断面において、カバーレイ22cが圧電素子1と重畳していないので、カバーレイ22cの接着による圧電素子1の振動の阻害が低減されるという効果が得られる。
以上、説明した通り本実施形態の圧電体は、前述の特徴を有し、該圧電体が利用された機器の機械的信頼性と電気的信頼性を両立させて向上させることができる。なお、第一の実施形態で述べたような、他の形態が選択可能であることや、FPC22を引き回す部分の小型化を図るための特徴や、振動子10や振動波モータへの利用は、第一の実施形態と同様である。
(第三の実施形態)
次に、本発明の第三の実施形態である圧電素子1とFPC32を接着した圧電体の構成について説明する。図7(a)〜(d)に示される図の形態は、それぞれ図3(a)〜(d)に示される図の形態と同様である。なお、図7(c)は、図7(a)において、配線層2bと配線層2bの間の部分における断面線C−Cに沿った断面図である。第三の実施形態と第一の実施形態とにおける異なる点は、図7(a)及び(d)に示される通り、カバーレイ32cの終端部Nの第二の輪郭部N2が、外形線Mの方向に凹んだ輪郭の形状をしている点である。この凹んだ輪郭により、凸部Nxと凹部Nyとが形成されている。領域Aにおいて、この凸部Nxは配線層2bの無い部分であり、凹部Nyは配線層2bの存在する部分となっている。
図7(d)には、カバーレイ32cが圧電素子1に重畳している領域Aが斜線で示されている。複数の電極Fのうち電極F1は、圧電素子1の外形線Mに最も近い位置に配置されており、電極Fのうちの他の電極F2、電極F3は、電極F1よりも圧電素子1の外形線Mから離間した位置に配置されている。そして、本実施形態の圧電体の特徴は、FPC32と交差する圧電素子1の外形線Mから第一の輪郭部N1までの長さL1は、外形線Mとから第二の輪郭部N2までの長さL2(図示X方向)より短いことである。この特徴は第一の実施形態と同様である。更に、第二の輪郭部N2は、外形線Mの方向に凹んだ輪郭部を有している。
本実施形態の圧電体は、長さL1より長さL2の方が長いため、電極F1の接着部の機械的信頼性及び電気的信頼性を向上させることができる効果を有することは、第一の実施形態と同様である。更に、本実施形態の圧電体は、凹部Nyを有することから、電極F2及び電極F3の接着面積を大きく確保することができ、第一の実施形態の効果に加えて、電気的信頼性を更に向上させることができるという効果を有する。
以上、説明した通り本実施形態の圧電体は、前述の特徴を有し、該圧電体が利用された機器の機械的信頼性と電気的信頼性を両立させて向上させることができる。なお、第一の実施形態で述べたような、他の形態が選択可能であることや、FPC32を引き回す部分の小型化を図るための特徴や、振動子10や振動波モータへの利用は、第一の実施形態と同様である。
前述した各実施形態の圧電体は、該圧電体が利用された機器の機械的信頼性と電気的信頼性を両立させて向上させることができるものであって、撮像装置のレンズを駆動するレンズ駆動装置300やレンズ鏡筒に適用することができる。図8は、各実施形態の圧電体を利用した振動波モータ400を用いたレンズ駆動装置300の全体を示す図である。図9は、振動波モータ400の分解斜視図である。図10は、振動波モータ400を用いたレンズ駆動装置300を有するレンズ鏡筒を示す図である。
図8(a)はレンズ駆動装置300の斜視図、図8(b)は図8(a)においてレンズ駆動装置300を平面Bで切った断面図である。レンズ駆動装置300は、レンズ331、レンズホルダ332、2つのガイドバー333、振動波モータ400によって構成される。レンズ331は、例えばカメラ鏡筒に使用されるフォーカスレンズであり、レンズの光軸方向(図8(a)においてOL方向)に進退することで光軸方向OLから入射する光束の焦点距離を変化させることができる。レンズホルダ332は、レンズ331を保持し、ガイドバー333が貫通する穴部332aと、振動波モータ400に設けられた駆動力伝達部445aに連結する溝部332bを有する。2つのガイドバー333はレンズ331の光軸方向OLに延在し、レンズホルダ332の穴部332aを貫通しているため、レンズホルダ332を光軸方向OLにのみ移動可能に案内している。
振動波モータ400は、前述した各実施形態で述べた圧電体を有する。更に、振動波モータ400は、モータの駆動力を伝達する凸形状の駆動力伝達部445aを有しており、駆動力伝達部445aと溝部332bとが嵌合し、連結される。振動波モータ400が駆動した際、駆動力伝達部445aと溝部332bの連結により駆動力がレンズホルダ332に伝達され、レンズホルダ332とレンズ331を光軸方向OLに移動させることができる。なお、振動波モータ400の駆動力をレンズホルダ332に伝達させる機構及びレンズホルダ332とレンズ331を光軸方向OLに移動させる機構については、図8に示す機構に限定されず、その他の機構であってもよい。
図9(a)及び図9(b)は、振動波モータ400の分解斜視図であり、振動波モータ400の構成を説明する図である。図9(a)は、斜め上方から見た分解斜視図、図9(b)は、斜め下方から見た分解斜視図である。振動波モータ400は、振動子441、摩擦部材442、保持部材443、締結部材444、振動子保持部材445、振動子連結部材446、振動子連結部材446を固定する固定部材447、加圧部材448、加圧板449、転動ボール450で構成される。振動子441は前述した振動子10と同様のものであって、図(9)ではFPC2の記載は省略している。
振動子保持部材445は、振動子441を保持し、振動子441と一体となり摩擦部材442を移動する。また、振動子441の駆動力を外部に伝達する駆動力伝達部445aと、転動ボール450が配置される溝部445bを有する。振動子連結部材446は、例えば薄い板状の金属板から形成される。薄い板状の金属板であるため、振動子41を摩擦部材442に加圧する方向(図9においてD3方向)には変形容易であり振動波モータ4の駆動方向(図9においてD1方向)には変形しにくい。振動子連結部材446は、振動子441と結合される結合部446aを有する。結合部446aは、例えば接着や溶接により振動子441に結合される。また、振動子連結部材446は、固定部材447であるビスによって振動子保持部材445に固定される。振動子連結部材446によって振動子441と振動子保持部材445は連結される。
ここで、振動子連結部材446は、振動子441を摩擦部材442に加圧する方向には変形容易であるため、振動子441を摩擦部材442に加圧する加圧力を阻害しない。さらに、振動波モータ400の駆動方向にも変形しにくいため、振動子441と振動子保持部材445を振動波モータ400の駆動方向にガタ無く連結することができる。
加圧部材448は例えば圧縮バネであり、弾性変形することにより振動子441を摩擦部材442に加圧する加圧力を生じる。加圧部材448と振動子441との間には、加圧板449が配置されている。加圧板449には緩衝部材449aとしてフェルトが貼り付けられている。加圧板449は、緩衝部材449aを介して振動子441に接触することで、振動子441の振動を阻害することなく加圧部材448が生じる加圧力を振動子441に伝達することができる。
転動ボール450は、保持部材443の溝部443aと振動子保持部材445の溝部445bの間に配置される。この構造により摩擦部材442と保持部材443に対して、振動子441、振動子保持部材445、加圧部材448及び加圧板449は、振動波モータ400の駆動方向D1にのみ移動可能に保持される。
上述の構成において振動子441を振動させると、振動子441と摩擦部材442との間に生じる摩擦力により、振動子441、振動子保持部材445、加圧部材448そして加圧板449が駆動方向D1に移動する。なお、振動子441の位置を固定し、振動子441と摩擦部材442との間に生じる摩擦力により摩擦部材442が駆動方向D1に移動する構成にし、摩擦部材442の移動に伴いレンズホルダ332とレンズ331を光軸方向OLに移動させるようにしてもよい。
振動子保持部材445の駆動力伝達部445aは、レンズ331を保持するレンズホルダ332の溝部332bに連結されているため、振動波モータ400の駆動によりレンズ331およびレンズホルダ332を光軸方向OLに進退させることが可能である。
図10は、このようなレンズ駆動装置300(振動波モータユニット1100)を組み込んだレンズ鏡筒の断面図を示している。以下では、レンズ鏡筒を撮像装置であるカメラ本体1000に対して交換可能な交換レンズ2000として説明するが、カメラ本体1000に一体的に設けられたレンズ鏡筒であってもよい。なお、レンズ鏡筒はほぼ回転対称形であるため、上側半分のみを表示している。
カメラ本体1000には交換レンズ2000が着脱自在に取り付けられ、カメラ本体1000内には撮像素子1000aが設けられている。マウント1001は、交換レンズ2000をカメラ本体1000に取り付けるためのバヨネット部を有している。固定筒1002は、マウント1001のフランジ部と当接し、不図示のビスによってマウント1001を固定している。固定筒1002には、1群レンズG1を保持する前鏡筒1003と3群レンズG3を保持する後鏡筒1004が固定される。フォーカスレンズ保持枠1005は、フォーカスレンズ(2群レンズ)G2を保持し、前鏡筒1003と後鏡筒1004に保持されたガイドバー1006によって直進移動可能に保持されている。振動波モータユニット1100内の地板1101には、フランジ部が形成されており(不図示)、後鏡筒1004にビスにて固定されている。
上記のような構成で、振動波モータユニット1100が駆動すると、振動波モータユニット1100の駆動力は、駆動力伝達部1103を介してフォーカスレンズ保持枠1005に伝達される。フォーカスレンズ保持枠1005はガイドバー1006によって直線移動する。以上のように、前述した各実施形態の圧電体は、該圧電体が利用された機器の機械的信頼性と電気的信頼性を両立させて向上させることができるものであって、撮像装置のレンズを駆動するレンズ駆動装置300やレンズ鏡筒に適用することができる。
本発明は、小型軽量かつ広い駆動速度レンジが要求される電子機器、特にレンズ駆動装置300等に利用可能である。
1 圧電素子
E1〜E5 電極
2、22、32 フレキシブルプリント基板(FPC)
F1〜F6 電極
2a 基材
2b 配線層
2c カバーレイ
N 終端部
N1 第一の輪郭部
N2 第二の輪郭部
M 外形線
300 レンズ駆動装置
400 振動波モータ

Claims (9)

  1. 複数の電極Eが形成された圧電素子と、
    基材の上に複数の延在した配線層が備えられ、前記配線層の一部がカバーレイによって覆われ、前記カバーレイに覆われていない前記配線層の部分に複数の電極Fが形成された、フレキシブルプリント基板と、を有する圧電体において、
    前記電極Eの一部と前記電極Fの一部とが導通するように、且つ前記圧電素子と前記カバーレイの一部とが重畳するように、前記圧電素子と前記フレキシブルプリント基板とが接着され、
    前記カバーレイの終端部は、前記配線層と交差する第一の輪郭部と第二の輪郭部とを有し、前記第一の輪郭部は、前記電極Fのうちの電極F1と接し、前記第二の輪郭部は、前記電極Fのうちの他の電極と接し、
    前記フレキシブルプリント基板と交差する前記圧電素子の外形線から前記第一の輪郭部までの長さL1は、前記外形線から前記第二の輪郭部までの長さL2より短く、
    前記電極F1は、前記電極Fのうちの他の電極よりも前記外形線からの位置が近いことを特徴とする、圧電体。
  2. 前記電極Eのうち前記外形線に最も近い電極E1は、前記圧電素子の裏面に位置する電極に、前記圧電素子の壁面の電極を経由して導通していることを特徴とする、請求項1に記載の圧電体。
  3. 前記圧電素子と前記カバーレイの一部とが重畳する部分の幅方向の寸法は、前記圧電素子と前記フレキシブルプリント基板が重畳していない部分の幅方向の寸法より大きいことを特徴とする、請求項1又は2に記載の圧電体。
  4. 前記第二の輪郭部は、前記外形線の方向に凹んだ輪郭部を有することを特徴とする、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の圧電体。
  5. 請求項1乃至4のいずれか1項に記載の圧電体と、弾性体とで構成していることを特徴とする、振動子。
  6. 請求項5の振動子を用いて構成したことを特徴とする、振動波モータ。
  7. 請求項6の振動波モータは、超音波振動することを特徴とする、超音波モータ。
  8. 請求項6又は7の振動波モータを用いたことを特徴とする、レンズ駆動装置。
  9. 請求項8のレンズ駆動装置を有することを特徴とする、レンズ鏡筒。
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