JP2016208576A - 振動波モータ - Google Patents

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Abstract

【課題】フレキシブル基板と圧電素子との密着性に問題がある。【解決手段】少なくとも2つ以上に分割された電極領域101a、101bを有する圧電素子101と、電極領域101a、101bのそれぞれに導通する銅箔140a、140bを有し、圧着力により圧電素子101に固着されるフレキシブル基板140と、フレキシブル基板140が固着される圧電素子101の面と反対側の面に固着される弾性体100と、弾性体100と加圧接触する被駆動部材120とを備え、振動により弾性体100と被駆動部材120とを相対移動させる振動波モータにおいて、フレキシブル基板140は、圧着力を伝える固着補助部140f、140g、140hを銅箔140a、140bの間に備え、固着補助部140f、140g、140hは、電極領域101a、101bの隙間133に位置付けられる。【選択図】 図9

Description

本発明は、摩擦部材に対して押圧された振動子に楕円振動を発生させて駆動力を得る振動波モータに関する。
従来、超音波モータは、その無音作動、低速から高速までの駆動特性、高トルク出力特性等の特徴を活かして、例えば、カメラやレンズの駆動源として採用されている。超音波モータは、圧電素子と弾性体とを接着剤で固着して振動子を構成し、圧電素子に高周波の電圧を印加することで、振動子に超音波振動を励起させて駆動力を発生する。圧電素子への高周波の電圧の供給は、圧電素子の電極領域に異方性導電接着剤等で固着されたフレキシブル基板の銅箔により行われる。分割された複数の電極領域を有する圧電素子と、それぞれの電極領域に対応した複数の銅箔パターンを有するフレキシブル基板とを固着して圧電素子へ通電を行う技術は、特許文献1等に開示されている。特許文献1に開示されているように圧電素子とフレキシブル基板とを固着する場合、貼りずれ等により電極領域と銅箔とが誤って組み合わされないように、分割された複数の電極領域同士は、所定以上に離間される必要がある。
特開2014−3733号公報
しかし、特許文献1に開示された超音波モータでは、電極領域同士の間の領域は、電極領域に比べて電極の厚みが無いので凹んでいる。そのため、フレキシブル基板を異方性導電接着剤等で電極領域に圧着する際、電極領域同士の間の領域において圧着の圧力がフレキシブル基板にかかりにくく、フレキシブル基板と圧電素子の密着性が悪いという問題があった。
そこで本発明は、上述の問題を解決するためになされたものであり、フレキシブル基板と圧電素子の密着性を向上した振動波モータを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明における振動波モータは、少なくとも2つ以上に分割された電極領域を有する圧電素子と、当該電極領域のそれぞれに導通する銅箔を有し、圧着力により圧電素子に固着されるフレキシブル基板と、フレキシブル基板が固着される圧電素子の面と反対側の面に固着される弾性体と、当該弾性体と加圧接触する被駆動部材とを備え、圧電素子を励振して弾性体に発生させた振動により弾性体と被駆動部材とを相対移動させる振動波モータにおいて、フレキシブル基板は、圧着力を伝える固着補助部を銅箔の間に備え、固着補助部は、電極領域の隙間に位置付けられることを特徴とする。
本発明によれば、フレキシブル基板と圧電素子の密着性を向上した振動波モータを提供することができる。
本発明の振動波モータの分解斜視図である。 (A)振動波モータの平面図である。(B)正面図である。 振動子102と支持部材109との接合状態を示す拡大斜視図である。 (A)図2(A)の断面線IV(A)−IV(A)における部分断面図である。(B)図2(A)の断面線IV(B)−IV(B)における断面図である。 (A)曲げ2次振動モードの振動の節と腹の位置を示す。(B)曲げ1次振動モードの振動の節と腹の位置を示す。 (A)曲げ2次振動モードにおける歪の特性を示す。(B)曲げ1次振動モードにおける歪の特性を示す。 (A)本発明の振動子102を示す。(B)図7(A)の断面線(B)−(B)における部分断面図である。 (A)本発明のフレキシブル基板140を示す。(B)図8(A)の断面線(B)−(B)における断面図である。 (A)本発明のフレキシブル基板140が固着された状態を示す。(B)図9(A)の断面線(B)−(B)における部分断面図である。(C)図9(A)の断面線(C)−(C)における部分断面図である。 (A)本発明のフレキシブル基板140がX軸方向にずれて貼付された状態を示す。(B)本発明のフレキシブル基板140が斜めにずれて貼付された状態を示す。
(実施例)
以下、図を用いて本発明の実施例について説明する。なお、本実施例の振動波モータは、デジタルカメラ用のレンズ鏡筒等の駆動用アクチュエータとしてユニット化した直動駆動型モータを例に説明するが、使用用途はこれに限られたものではない。
図1は、本発明の一実施例である振動波モータの分解斜視図である。なお、図における同一部材は、同一記号で図示される。本明細書中において、振動子102が相対移動する方向をX軸方向と定義する。また、後述するバネ部材107による加圧方向をZ軸方向と定義する。Z軸方向において、振動子102が後述する被駆動部材120から遠ざかる向きを+Z軸方向、振動子102が被駆動部材120に近づく方向を−Z軸方向と定義する。さらに、X軸方向とZ軸方向とに垂直な方向をY軸方向と定義する。
固定台122は、振動波モータのユニット全体を保持している。被駆動部材120は、振動子102が加圧されて接触する接触面120aを備え、2本の固定ビス121で固定台122に固定されている。弾性体100は、押圧により加圧接触された状態で接触面120aに接触している。圧電素子101は、弾性体100に接着剤等により固着されている。そして、弾性体100に圧電素子101が固着された状態で、圧電素子101に高周波電圧を印加することにより超音波領域の振動数の振動波(超音波振動)を発生させ、弾性体100に楕円運動を発生させることができる。本発明の振動波モータ(超音波モータ)では、弾性体100と圧電素子101とで振動子102を構成している。
遮断部材103は、圧電素子101の振動波が他の部品に伝わらないように遮断している。すなわち、圧電素子101の振動波を減衰させることなく、後述する小基台104への振動波の伝播を防止している。遮断部材103の材料としては、フェルト生地が適している。小基台104は、遮断部材103を介して圧電素子101の上面に設けられ、後述するバネ部材107による加圧力を圧電素子101に伝えている。
保持部材105は、振動子102及びその周辺の部品を保持している。加圧部材106は、後述の加圧受け部材108の嵌合孔部108aに嵌合し、被駆動部材120の接触面120aに対して概ね垂直な方向にのみ変位可能に保持される。バネ部材107は、圧縮コイルバネで構成されている。バネ部材107の一方の端部は、加圧受け部材108で固定され、もう一方の端部は加圧部材106に当接し、バネ部材107は押圧力を発生する。加圧受け部材108は、中央に丸孔である嵌合孔部108aを有する略円板形状をしており、外周側面に形成されたネジ部で保持部材105のネジ穴105bにねじ込み固定される。また、嵌合孔部108aにおいて、加圧部材106を嵌合保持している。加圧部材106は、バネ部材107からの押圧力を、遮断部材103と小基台104を介して振動子102に伝え、振動子102を被駆動部材120に加圧接触させる。なお、この加圧部材106とバネ部材107とが本発明の加圧手段を構成している。
支持部材109は、薄板形状に形成されている。支持部材109は、X軸方向よりもZ軸方向において弱い剛性を有している。そして、支持部材109は、弾性体100を保持部材105に対してX軸方向にガタなく固定する一方、弾性体100がZ軸方向に振動できるように固定する機能を果たしている。
支持部材109は、押さえ板110とともに2本の固定ビス111で保持部材105に共締め固定される。また、押さえ板110は、振動子102と所定の隙間を設けて配置されているので、振動子102が−Z軸方向に所定以上振動すると、振動子102は押さえ板110に当接し、それ以上変位できない構成になっている。すなわち、押さえ板110は振動子102の変位を規制する機能を果たしている。
転動ボール112は、保持部材105に形成された溝と後述する天板123に形成された溝との間に転動保持されている。この構成により、天板123に対して保持部材105は、X軸方向に移動可能に支持されている。すなわち、振動子102を保持した保持部材105は、転動ボール112を介して被駆動部材120と天板123との間で保持(転動保持)されている。天板123は4本の固定ビス124で固定台122に固定されている。上述した各部材が組込まれて振動波モータとしてのユニットが構成される。
図2(A)は、図1に示す分解された各部材を組込んで構成された振動波モータの平面図であり、図2(B)は振動波モータの正面図である。固定台122には、2本の固定ビス121で被駆動部材120が固定され、さらに4本の固定ビス124で天板123が固定されている。天板123の中央には長方形開口部123aが設けられており、保持部材105の突出部105cが露出している。被駆動部材120の上には、弾性体100が当接した状態で載置されている。弾性体100は薄板形状の支持部材109を介して保持部材105に固定されている。そのため、弾性体100は、支持部材109の変形により、保持部材105に対してZ軸方向には振動できるが、X軸方向にはガタなく位置決めされるとともに固定されている。
振動子102に発生した楕円運動により、振動子102が被駆動部材120に対しX軸方向に相対移動する際、被駆動部材120、固定台122、固定ビス121、天板123、固定ビス124が固定部となる。一方、振動子102を含めた、遮断部材103、小基台104、加圧部材106、バネ部材107、加圧受け部材108、支持部材109、押さえ板110、固定ビス111、そしてそれらを保持する保持部材105が可動部となる。つまり本発明の振動波モータは、駆動源である振動子102自身が可動する自走式のモータユニットとなっている。なお、振動子102が可動する代わりに被駆動部材120が可動する形式としても良い。また、本発明の振動波モータがカメラのレンズ鏡筒等に組み込まれる際には、保持部材105がフォーカス機構やズーム機構に連結される。
次に、振動波モータの構成について詳細に説明する。図3は、図1及び図2における弾性体100と支持部材109との接合状態を示す拡大斜視図であって、被駆動部材120側から見た図である。弾性体100の平板部100aには、2つの突起部100bが形成される。接触部100cは、当該突起部100bの上端面に形成されており、被駆動部材120の接触面120aと当接する面である。2つの接触部100cは、同一平面上に形成され、被駆動部材120の接触面120aとの当接状態を良好にするため、製造時には研磨等により均一な面に仕上げられる。
一方、平板部100aの裏面側(2つの突起部100bが形成されている面と反対の面側)には、圧電素子101が接着剤等により固着されている。なお、平板部100aの裏面と圧電素子101とは、固着できればその固着方法は限定されない。この圧電素子101は、複数の圧電素子膜を積層して一体化したものである。そして、この圧電素子101に所望の交流電圧を印加することで圧電素子101を励振させ、圧電素子101に固着された弾性体100に2つの振動モードを励起させる。このとき2つの振動モードの振動位相を所望の位相差となるように設定することで、接触部100cには、図3の矢印で示すような楕円運動が発生する。被駆動部材120の接触面120aに接触している接触部100cがこのような楕円運動することで、振動子102自身が被駆動部材120に対して直動駆動することが可能となる。
次に、弾性体100の両端には、支持部材109の両端側に形成された凹形状の段差部109aと接合するための2つの接合部100dが形成されている。そして、この接合部100dにおいて弾性体100は、支持部材109に溶接や接着等により接合されるが、弾性体100と支持部材109の接合方法は、接合できればその方法は限定されない。両端の接合部100dと平板部100aとの間には、2つの腕部100eが形成され、この腕部100eを介して、圧電素子101が固着された平板部100aは支持部材109に固定される。この腕部100eは、平板部100aにおける振動を接合部100dに伝達しにくくするため、平板部100aや接合部100dの幅に対して幅が狭められた細い形状となっている。すなわち、支持部材109は、平板部100aにおける振動を阻害しないような連結の構成を当該腕部100eによって実現している。
弾性体100は、薄板形状の支持部材109を介して保持部材105に固定される。これにより、保持部材105に対して弾性体100は、加圧方向であるZ軸方向には自由度があり、駆動方向であるX軸方向には位置がずれることなく固定される。
図4(A)は、図2(A)の断面線IV(A)−IV(A)における断面図、図4(B)は、図2(A)の断面線IV(B)−IV(B)における断面図である。図4(B)における一点鎖線201は、弾性体100の接触部100cの重心を通過し、接触面120aの法線を含む中心線である。接触部100cは、被駆動部材120の接触面120aと当接し、加圧手段により加圧接触状態にある。また、弾性体100は、両端の接合部100dが2か所の段差部109aで支持部材109と接合されている。そして、圧電素子101は遮断部材103を介して小基台104に面接触している。
小基台104は、遮断部材103と面接触している反対側の面の2か所に軸部104aを有している。保持部材105には、孔部105aが2か所に設けられ、それぞれの孔部105aは、Y軸方向に短辺、X軸方向に長辺を有し、そして、Z軸方向に延びる長孔形状になっている。小基台104の2つの軸部104aは、それぞれ孔部105aに係合している。ここで、孔部105aと軸部104aとは、X軸方向に隙間を有し、Y軸方向に隙間を有しない嵌合状態であり、X軸方向において小基台104は或る程度傾くことが許容されている。小基台104の2つの軸部104aの間、すなわち上側中央には、当接部104bが設けられている。この当接部104bは、図4(A)において円弧形状を示し、図4(B)において矩形形状を示すような、円筒形状の一部で構成されている。そして、この当接部104bには、加圧部材106の下端面106aが線接触で接している。この下端面106aは平面であるため、当接部104bとの線接触部は、図4(A)のY軸方向にある長さを有する線接触となる。従って、図4(A)においては、小基台104がX軸方向で傾き可能な構成となっている。仮に製造時の寸法誤差や組み立て誤差、また外乱による部材の傾きが生じた場合でも、被駆動部材120の接触面120aに弾性体100の接触部100cが倣うように小基台104が傾くため、良好な加圧接触状態を保つことができる。
保持部材105には、ネジ穴105bが形成されており、ネジ穴105bに加圧受け部材108の外径側面に設けられたネジ部108bが螺合する。このネジ部108bのねじ込み量を部材のばらつきに合わせて変えることで、バネ部材107の加圧力を調整することができる。加圧受け部材108の中央部に形成された嵌合孔部108aには、加圧部材106の嵌合軸部106bが嵌合保持されるので、加圧部材106がZ軸方向のみに変位可能な構成となっている。
天板123に形成された溝部123bと保持部材105に形成された溝部105dに転動ボール112を挟持することで、保持部材105と天板123とが転動支持されるように構成されている。これにより、保持部材105がZ軸方向の加圧接触の反力を受けながら、X軸方向に移動する際の摩擦抵抗を極力小さくしている。また、転動ボール112が挟まれることで、保持部材105がY軸方向に位置決めされる。そして、天板123は、バネ部材107の加圧力で弾性体100の接触部100cを被駆動部材120の接触面120aに加圧接触させたときの反力を受けつつ、固定台122に固定される。本発明の振動波モータでは、4つの転動ボール112によりバネ部材107の加圧力を受けることで、保持部材105が天板123に対して傾くことなく転動支持されている。
圧電素子101と小基台104の間には、遮断部材103が挟み込まれている。遮断部材103は、振動の伝播を遮断する機能を有する材料から形成されており、圧電素子101の振動波を阻害することなく、小基台104への振動の伝播を抑えている。遮断部材103に適した材質としては、例えば、フェルト生地等が挙げられる。
接触部100cを被駆動部材120の接触面120aに加圧接触させるための加圧力を伝えるために、振動子102は、Z軸方向に自由度を有する必要がある。また、フォーカス機構やズーム機構に連結した保持部材105を精度よく駆動するために、振動子102は、保持部材105にガタなく保持される必要がある。そこで、振動子102を薄板形状で形成された支持部材109を介して保持部材105に固定することにより、振動子102はZ軸方向に振動することができる一方、X軸方向にガタなく固定されて、駆動可能となっている。
図5(A)は、X軸方向の曲げ2次振動モードの節と腹の位置を示す。弾性体100と圧電素子101は、固着され一体の構成として振動子102を成している。後述する圧電素子101の第1の電極領域101aと第2の電極領域101bに対して、逆位相の高周波の電圧を印加することで、振動子102にX軸方向の曲げ2次振動モードを励起することができる。131a、131b、131cは、曲げ2次振動モードの節である。132a、132bは、曲げ2次振動モードの腹である。節131a、節131b、節131cでは、曲げ2次振動モードによるZ軸方向の振動は非常に小さい。前述の接触部100cは、節131aと節131cの位置に設けられているため、曲げ2次モードに起因するZ軸方向の振動はほぼ無いが、X軸方向に振動を生じている。したがって、上記節の位置に接触部100cを設け、X軸方向の曲げ2次振動モードを与えることにより、接触部100cにX軸方向の振動を起こすことができる。一方、腹132a、腹132bでは、曲げ2次振動モードによるZ軸方向の振動が極大となる。そのため、腹132a、腹132bの位置に振動を阻害させるようなものがあると、X軸方向の曲げ2次振動モードが減衰してしまう。
図5(B)は、Y軸方向の曲げ1次振動モードの節と腹の位置を示す。後述する圧電素子101の第1の電極領域101aと第2の電極領域101bに同位相の高周波の電圧を印加することで、振動子102にY軸方向の曲げ1次振動モードを励起することができる。131d、131eは、曲げ1次振動モードの節である。132cは、曲げ1次振動モードの腹である。節131d、節131eでは、曲げ1次振動モードによるZ軸方向の振動は非常に小さい。一方、腹132cでは、曲げ1次振動モードによるZ軸方向の振動が極大となる。そのため、腹132cの位置に振動を阻害するようなものがあると、Z軸方向の曲げ1次振動モードが減衰してしまう。前述の接触部100cは、腹132cの位置に設けられているため、曲げ1次振動モードによってY軸方向には振動しないが、Z軸方向には振動する。このような腹の位置に接触部100cを設けることで、Y軸方向の曲げ1次振動モードにより、接触部100cにZ軸方向の振動を起こすように構成している。
図6(A)は、曲げ2次振動モードにおける歪の特性を示し、横軸はX軸方向の位置、縦軸はZ軸方向の歪である。曲げ2次振動モードの腹132aの位置では、歪は正の方向の最大値Str2となり、腹132bの位置では、歪は負の方向の最大値−Str2となる。腹132aと腹132bの中間地点は、節131bであるため歪はゼロとなる。
図6(B)は、曲げ1次振動モードにおける歪の特性を示し、横軸はY軸方向の位置、縦軸はZ軸方向の歪である。曲げ1次振動モードの腹132cの位置では、歪は最大値Str1となる。本発明の振動波モータでは、曲げ1次振動モードの最大値Str1と、曲げ2次振動モードの最大値Str2の大小関係を次の式を満たすように設定する。
Str2 < Str1
つまり、曲げ1次振動モードの腹132cの位置における最大値Str1が、曲げ2次振動モードの腹132a(132b)の位置における最大値Str2(−Str2)より大きい値となるように設定する。
図7(A)は、振動子102の平面図である。図7(A)を用いて、圧電素子101のフレキブル基板接着面に形成された電極について説明する。圧電素子101は、少なくとも2つ以上に分割された電極領域として第1の電極領域101a、第2の電極領域101b及びグランド(GND)電極領域101cを有する。第1の電極領域101aと第2の電極領域101bとの間には、所定の隙間133が存在する。これにより第1の電極領域101aと第2の電極領域101bとの短絡を防止している。GND電極領域101cは、隙間133の−Y軸方向端に配置されている。
図7(B)は、図7(A)の断面線(B)−(B)における部分断面図、すなわち、曲げ1次振動モードの腹132cの位置におけるXZ平面の部分断面図である。図7(B)を参照すると、第1の電極領域101aと第2の電極領域101bは、いずれも圧電素子101に電極が形成された面であるため、圧電素子101において電極の厚さだけ突出している。一方、隙間133の領域は、第1の電極領域101aと第2の電極領域101bに比べて、電極の厚さだけ凹んでいる。
図8(A)は、本発明の振動波モータのフレキシブル基板140を+Z軸方向から見た図である。フレキシブル基板140は、第1の銅箔140a、第2の銅箔140b及びGND銅箔140cを有する。第1の銅箔140aは、圧電素子101の第1の電極領域101aと導通し、第2の銅箔140bは、圧電素子101の第2の電極領域101bと導通する。GND銅箔140cは、圧電素子101のGND電極領域101cと導通する。更にフレキシブル基板140は、ベース材140d、カバーレイ領域140e(灰色領域)を有する。GND銅箔140cの部分にのみカバーレイ領域140eが切り取られている形状となっている。そして、フレキシブル基板140は、ダミー銅箔140f、140g、140hを有し、全てのダミー銅箔140f、140g、140hは、第1の銅箔140a、第2の銅箔140b及びGND銅箔140cに導通していない。そして、複数のダミー銅箔140f、140g、140hとGND銅箔140cとは、Y軸方向に一列に並んで配置されている。
図8(B)は、図8(A)の断面線(B)−(B)における部分断面図である。第1の銅箔140aと第2の銅箔140bは、ベース材140dの上に銅箔が形成されているため、銅箔の厚さだけ突出している。そして、第1の銅箔140aと第2の銅箔140bとの間に第1の銅箔140aと第2の銅箔140bと略同じ厚さを有するダミー銅箔140gが配置されているため、ダミー銅箔140gの厚さだけ突出している。もし、ダミー銅箔140gが設けられていないと、第1の銅箔140aと第2の銅箔140bとの間に大きな凹んだ領域が生じてしまう。しかしながら、本発明の振動波モータにおけるフレキシブル基板140では、ダミー銅箔140gを設けることにより、この凹んだ領域を減らしている。
図9(A)は、フレキシブル基板140が固着された振動子102の平面図である。曲げ1次振動モードの腹132c、曲げ2次振動モードの節131b及び曲げ2次振動モードの腹132a、腹132bがそれぞれ一点鎖線で表されている。第1の電極領域101aと第1の銅箔140a、第2の電極領域101bと第2の銅箔140b、GND電極領域101cとGND銅箔140cとがそれぞれ導通されている。フレキシブル基板140の複数のダミー銅箔140f、140g、140hは、隙間133の領域に配置されている。更に、複数のダミー銅箔140f、140g、140hのうち、ダミー銅箔140gの位置は、曲げ1次振動モードの腹132cとなる位置である。なお、複数のダミー銅箔140f、140g、140hは、第1の電極領域101a、第2の電極領域101b、GND電極領域101cのいずれの領域にも導通していない。
図9(B)は、図9(A)の断面線(B)−(B)における部分断面図である。すなわち、曲げ1次振動モードの腹132cの位置におけるXZ平面の部分断面図である。異方性導電接着剤(ACP又はACF)140iは、絶縁性を有する接着剤と導電性を有する導電粒子140jとから構成されている。異方性導電接着剤140iが圧電素子101の圧着面に加えられ、フレキシブル基板140を圧着力により圧電素子101に固着する。フレキシブル基板140が圧電素子101へ圧着されると、第1の電極領域101aと第1の銅箔140aの間及び第2の電極領域101bと第2の銅箔140bの間に存在する導電粒子140jによりZ軸方向の導通が確保される。GND電極領域101cとGND銅箔140cとの間も同様に(不図示)Z軸方向の導通が確保される。一方、導電粒子140j同士は、接触していないため、Y軸方向には導通していない。これにより、銅箔間の短絡を防ぎながら、圧着面同士のZ軸方向の導通が確保されている。
隙間133の領域は、第1の電極領域101a及び第2の電極領域101bに比べて、電極が存在しない分だけ凹んでいる。そのため、フレキシブル基板140を圧電素子101に異方性導電接着剤140iを加えて圧着する際、隙間133の領域は圧着に要する力がかかりにくいという問題があった。そこで本発明の振動波モータでは、隙間133の対応する位置に複数のダミー銅箔140f、140g、140hが配置されている。これにより、複数のダミー銅箔140f、140g、140hがその銅箔厚み分だけ隙間133の領域に押し込まれるため、隙間133の領域における圧着時の圧力不足を軽減することができる。すなわち、複数のダミー銅箔140f、140g、140hは、フレキシブル基板の固着を確かなものとする固着補助部として機能する。そして隙間133の領域における圧電素子101とフレキシブル基板140の密着性を向上できる。
図9(C)は、図9(A)断面線(C)−(C)における部分断面図、すなわち、曲げ2次振動モードの節131bの位置におけるダミー銅箔140f、140g、140h近傍のみを示すYZ平面の部分断面図である。フレキシブル基板140を圧電素子101に圧着した際、ダミー銅箔140f、140g、140hと圧電素子101との間では、導電粒子140jによるZ軸方向の導通はない。更に、導電粒子140j同士は接触していないため、Y軸方向にも導通しない。
ダミー銅箔140f、140g、140hは、銅箔の厚さだけベース材140dより突出している。これより圧電素子101に電極が存在しない隙間133における圧電素子101とベース材140dとの間の大きな隙間を充填する効果を有する。圧電素子101に電極がないため、他の領域により凹んでいる領域にフレキシブル基板140の銅箔を設けることで、圧着時に異方性導電接着剤140iにかかる圧力を確保し、フレキシブル基板140と圧電素子101領域の密着性を向上させている。
ダミー銅箔140f、140g、140hが配置される位置では、圧着時の圧力で異方性導電接着剤140iが押し出されるため、異方性導電接着剤140iの厚さは薄くなる。一方、ダミー銅箔140f、140g、140hの間の領域150では、異方性導電接着剤140iの厚さは厚くなる。異方性導電接着剤140iはヤング率が低く、振動減衰性が高いため、異方性導電接着剤140iが厚い部分は、振動波が減衰しやすい。そこで本発明では、異方性導電接着剤140iが薄い領域が、振動波の腹の近傍になるように構成されている。具体的には、曲げ1次振動モードの腹132cの位置に、ダミー銅箔140gが位置付けられるようにする。これにより、異方性導電接着剤140iによって、振動波が減衰させられてしまうのを軽減している。
図9(A)乃至(C)に示されているように、フレキシブル基板140が正しい位置に貼付された状態では、複数のダミー銅箔140f、140g、140hは、第1の電極領域101a及び第2の電極領域101bに導通しない。
図10(A)は、振動子102に対してフレキシブル基板140がX軸方向にずれて貼付された状態を示す。このように貼付された場合は、複数のダミー銅箔140f、140g、140hは、第2の電極領域101bと導通してしまう。しかしながら、複数のダミー銅箔140f、140g、140hは、いずれも第1の銅箔140aと導通していないため、これらのダミー銅箔140f、140g、140hを介して、第2の電極領域101bと第1の銅箔140aとが導通してしまうことがない。このように複数のダミー銅箔140f、140g、140hを隙間133の領域に設けることで、隙間133の領域の密着性を向上させながら、貼りずれにより異なるフレキシブル基板140の銅箔と圧電素子101の電極領域の短絡を防ぐことができる。
図10(B)は、振動子102に対してフレキシブル基板140が斜めにずれて貼付された状態を示す。このように貼付された場合には、ダミー銅箔140fは第2の電極領域101bに、ダミー銅箔140hは第1の電極領域101aにそれぞれ導通してしまう。しかしながら、ダミー銅箔140f、140h同士が導通していないため、ダミー銅箔140f、140g、140hを介して、第1の銅箔140aと第2の電極領域101bとが短絡することがない。また、同様に第2の銅箔140bと第1の電極領域101aとが短絡することがない。つまりダミー銅箔を介して、異なる組み合わせの電極領域とフレキシブル基板の銅箔とが短絡してしまうことがない。このようにダミー銅箔140f、140g、140hを隙間133の領域の対応した位置に設けるとともに、複数のダミー銅箔同士が導通しないように独立に構成することで、隙間133の領域の密着性を向上させることができる。さらに、フレキシブル基板が正しい位置に貼付されていなくても、異なるフレキシブル基板の銅箔と圧電素子の電極領域とが導通してしまうことを防ぐことができる。
以上のように、第1の銅箔140aと第2の銅箔140bの間に、複数のダミー銅箔140f、140g、140hを位置付けて、フレキシブル基板140を異方性導電接着剤140iによって圧電素子101に固着する。そうすることによって、フレキシブル基板140と圧電素子101との密着性を向上させることができる。また、ダミー銅箔140gを曲げ1次振動モードの腹132cの場所に位置付けることによって、振動波の減衰を軽減することができる。本発明は、フレキシブル基板と圧電素子との密着性を改善するとともに、振動波の減衰を軽減した振動波モータを実現することを可能とする。以上、本発明の好ましい実施例について説明したが、本発明はこれらの実施例に限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。
100 弾性体
100c 接触部
101 圧電素子
101a、101b 電極領域
120 被駆動部材
120a 接触面
132c 曲げ1次振動モードの腹
133 隙間
140 フレキシブル基板
140a 第1の銅箔
140b 第2の銅箔
140c GND銅箔
140g 固着補助部(ダミー銅箔、140f、140h)
140i 異方性導電接着剤
140j 導電粒子

Claims (10)

  1. 少なくとも2つ以上に分割された電極領域を有する圧電素子と、
    前記電極領域のそれぞれに導通する銅箔を有し、圧着力により前記圧電素子に固着されるフレキシブル基板と、
    前記フレキシブル基板が固着される前記圧電素子の面と反対側の面に固着される弾性体と、
    前記弾性体と加圧接触する被駆動部材とを備え、
    前記圧電素子を励振して前記弾性体に発生させた振動により前記弾性体と前記被駆動部材とを相対移動させる振動波モータにおいて、
    前記フレキシブル基板は、前記圧着力を伝える固着補助部を前記銅箔の間に備え、前記固着補助部は、前記電極領域の隙間に位置付けられることを特徴とする振動波モータ。
  2. 前記弾性体は、少なくとも1つの接触部を有し、前記接触部は、前記被駆動部材の接触面と加圧接触することを特徴とする請求項1に記載の振動波モータ。
  3. 前記固着補助部は、前記振動の腹となる位置に配置されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の振動波モータ。
  4. 前記振動の腹は、曲げ1次振動モードの腹であることを特徴とする請求項3に記載の振動波モータ。
  5. 前記曲げ1次振動モードは、前記電極領域に同位相の電圧を印加したときに発生するモードであることを特徴とする請求項4に記載の振動波モータ。
  6. 前記圧電素子と前記フレキシブル基板とは、絶縁性を有する接着剤に導電性の粒子を含む導電接着剤により固着されていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の振動波モータ。
  7. 前記固着補助部は、前記電極領域と導通しないダミー銅箔であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の振動波モータ。
  8. 前記固着補助部は、複数のダミー銅箔であり、前記複数のダミー銅箔同士は互いに導通していないことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の振動波モータ。
  9. 前記フレキシブル基板は、GNDと導通するGND銅箔を有し、前記複数のダミー銅箔とGND銅箔とは、一列に並んで配置されていることを特徴とする請求項8に記載の振動波モータ。
  10. 前記振動波モータは、前記振動が超音波振動する超音波モータであることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載の振動波モータ。
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