JP2016224260A - 電子写真感光体、プロセスカートリッジおよび電子写真装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】支持体及び該支持体上に形成された感光層を有する円筒状の電子写真感光体であって、
該電子写真感光体の表面が、各々独立した凸形状部を有し、
該凸形状部の該電子写真感光体の軸方向の幅が、10μm以上100μm以下であり、
該凸形状部は、電子写真感光体の回転方向の先端側から最も高い点に向かって高さが徐々に高くなる形状であり、かつ、該徐々に高くなる形状部の最大勾配が70‰以下である。
【選択図】なし
Description
該電子写真感光体の表面が、各々独立した複数の凸形状部を有し、
該凸形状部の該電子写真感光体の軸方向の幅が、10μm以上100μm以下であり、
該凸形状部は、電子写真感光体の回転方向の先端側から最も高い点に向かって高さが徐々に高くなる形状であり、かつ、該徐々に高くなる形状部の最大勾配が70‰以下であることを特徴とする電子写真感光体である。
(株)キーエンス製の超深度形状測定顕微鏡VK−8550、超深度形状測定顕微鏡VK−9000、超深度形状測定顕微鏡VK−9500、VK−X200、(株)菱化システム製の表面形状測定システムSurface Explorer SX−520DR型機、オリンパス(株)製の走査型共焦点レーザー顕微鏡OLS3000、レーザーテック(株)製のリアルカラーコンフォーカル顕微鏡オプリテクスC130。
(株)キーエンス製のデジタルマイクロスコープVHX−500、デジタルマイクロスコープVHX−200、オムロン(株)製の3DデジタルマイクロスコープVC−7700。
(株)キーエンス製の3Dリアルサーフェスビュー顕微鏡VE−9800、3Dリアルサーフェスビュー顕微鏡VE−8800、エスアイアイ・ナノテクノロジー(株)製の走査型電子顕微鏡コンベンショナル/Variable Pressure SEM、(株)島津製作所製の走査型電子顕微鏡SUPERSCAN SS−550。
(株)キーエンス製のナノスケールハイブリッド顕微鏡VN−8000、エスアイアイ・ナノテクノロジー(株)製の走査型プローブ顕微鏡NanoNaviステーション、(株)島津製作所製の走査型プローブ顕微鏡SPM−9600。
また、周方向の断面において、凸形状部の最も高い点から後端側の形状は特に制限はないが、回転方向の先端から最も高い点に向かう徐々に高くなる形状の最大勾配より大きい勾配であることが摩擦係数の低減の点から好ましい。
形成するべき凸形状部に対応した凹形状部を有するモールドを電子写真感光体の表面に圧接し、形状転写を行うことにより、電子写真感光体の表面に凸形状部を形成することができる。
図5に、電子写真感光体の表面に凸形状部を形成するための圧接形状転写加工装置の例を示す。
図5に示す圧接形状転写加工装置によれば、被加工物である電子写真感光体51を回転させながら、その表面(周面)に連続的にモールド52を接触させ、加圧することにより、電子写真感光体51の表面に凸形状部を形成することができる。
本発明の電子写真感光体は、円筒状の支持体および支持体上に形成された感光層を有する円筒状の電子写真感光体である。
支持体の表面は、レーザー光の散乱による干渉縞の抑制を目的として、切削処理、粗面化処理、アルマイト処理などを施してもよい。
導電層の膜厚は、0.2μm以上40μm以下であることが好ましく、1μm以上35μm以下であることがより好ましく、5μm以上30μm以下であることがより好ましい。
導電層に用いられる結着樹脂としては、例えば、スチレン、酢酸ビニル、塩化ビニル、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、フッ化ビニリデン、トリフルオロエチレンなどのビニル化合物の重合体や、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセタール、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリスルホン、ポリフェニレンオキサイド、ポリウレタン、セルロース樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ケイ素樹脂、エポキシ樹脂などが挙げられる。
導電性顔料および抵抗調節顔料としては、例えば、アルミニウム、亜鉛、銅、クロム、ニッケル、銀、ステンレスなどの金属(合金)の粒子や、これらをプラスチックの粒子の表面に蒸着したものなどが挙げられる。また、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化スズ、酸化アンチモン、酸化インジウム、酸化ビスマス、スズがドープされている酸化インジウム、アンチモンやタンタルがドープされている酸化スズなどの金属酸化物の粒子を用いることもできる。これらは、1種のみ用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。2種以上を組み合わせて用いる場合は、混合するだけでもよいし、固溶体や融着の形にしてもよい。
下引き層に用いられる樹脂としては、例えば、ポリビニルアルコール、ポリ−N−ビニルイミダゾール、ポリエチレンオキシド、エチルセルロース、エチレン−アクリル酸共重合体、カゼイン、ポリアミド、N−メトキシメチル化6ナイロン、共重合ナイロン、にかわ、ゼラチン、ポリウレタン樹脂、アクリル樹脂、アリル樹脂、アルキッド樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂などが挙げられる。
金属酸化物粒子は、金属酸化物粒子の表面がシランカップリング剤などの表面処理剤で処理されている粒子であってもよい。
金属酸化物粒子の分散方法としては、ホモジナイザー、超音波分散機、ボールミル、サンドミル、ロールミル、振動ミル、アトライター、液衝突型高速分散機を用いた方法が挙げられる。
電荷発生物質と結着樹脂の質量比は、1:0.3〜1:4の範囲であることが好ましい。
分散処理方法としては、例えば、ホモジナイザー、超音波分散、ボールミル、振動ボールミル、サンドミル、アトライター、ロールミルなどを用いる方法が挙げられる。
電荷輸送層の膜厚は、5〜50μmであることが好ましく、10〜35μmであることがより好ましい。
電荷輸送物質としては、上述の電荷輸送物質を用いることができる。また、導電性粒子としては、公知の導電性粒子を用いることができる。架橋重合性のモノマー/オリゴマーとしては、例えば、アクリロイルオキシ基やスチリル基などの連鎖重合性官能基を有する化合物や、水酸基、アルコキシシリル基、イソシアネート基などの逐次重合性官能基を有する化合物などが挙げられる。
また、膜の強度と電荷輸送能力の両立の観点から、同一分子内に電荷輸送性構造(好ましくは正孔輸送性構造)およびアクリロイルオキシ基の両方を有する化合物を用いることがより好ましい。
架橋硬化させる方法としては、例えば、熱、紫外線、放射線を用いる方法が挙げられる。
架橋有機高分子で構成された表面層の膜厚は、0.1〜30μmであることが好ましく、1〜10μmであることがより好ましい。
図6に、本発明の電子写真感光体を有するプロセスカートリッジを備えた電子写真装置の例を示す。
本発明は、放電を利用した帯電手段を用いた場合において、効果が特に大きい。
トナー像が転写された転写材Pは、電子写真感光体の表面から分離されて定着手段88へ搬送されてトナー像の定着処理を受けることにより、画像形成物(プリント、コピー)として電子写真装置外へプリントアウトされる。
また、実施例及び比較例で用いたモールド71〜75を、順に図7〜図11に示す。図7〜図11に示すように、モールド71〜75には、それぞれ同一の凹形状部が複数設けられている。図7(a)〜図11(a)は、それぞれモールド71〜75の概略を示す上面図である。図7(b)〜図11(b)は、それぞれモールド71〜75の凹形状部の軸方向の概略断面図(図7(a)〜図11(a)のS−S’断面の断面図)である。図7(c)〜図11(c)は、それぞれモールド71〜75の凹形状部の周方向の断面図(図7(a)〜図11(a)のT−T’断面の断面図)である。
直径30mm、長さ357.5mmのアルミニウムシリンダーを支持体(円筒状支持体)とした。
次に、ポリオール樹脂としてブチラール樹脂(商品名:BM−1、積水化学工業(株)製)15部およびブロック化イソシアネート(商品名:スミジュール3175、住友バイエルウレタン社製)15部をメチルエチルケトン73.5部と1−ブタノール73.5部の混合溶液に溶解させた。この溶液に前記表面処理された酸化亜鉛粒子80.8部、2,3,4−トリヒドロキシベンゾフェノン0.8部(東京化成工業(株)社製)を加え、これを直径0.8mmのガラスビーズを用いたサンドミル装置で23±3℃雰囲気下で3時間分散した。分散後、シリコーンオイル(商品名:SH28PA、東レダウコーニングシリコーン社製)0.01部、架橋ポリメタクリル酸メチル(PMMA)粒子(商品名:TECHPOLYMER SSX−103、積水化成品工業(株)社製、平均一次粒径3.0μm)を5.6部加えて攪拌し、下引き層用塗布液を調製した。
この下引き層用塗布液を上記支持体上に浸漬塗布し、得られた塗膜を40分間160℃で乾燥させて、膜厚が18μmの下引き層を形成した。
この保護層用塗布液を上記電荷輸送層上に浸漬塗布し、得られた塗膜を5分間50℃で乾燥させた。乾燥後、窒素雰囲気下にて、加速電圧70kV、吸収線量8000Gyの条件で、1.6秒間シリンダーを回転させながら塗膜に電子線を照射し、塗膜を硬化させた。その後、窒素雰囲気下にて、塗膜が120℃になる条件で3分間加熱処理を行った。なお、電子線の照射から3分間の加熱処理までの酸素濃度は20ppmであった。次に、大気中において、塗膜が100℃になる条件で30分加熱処理を行い、膜厚が3.5μmである保護層(第2電荷輸送層)を形成した。
概ね図5に示す構成の圧接形状転写加工装置に、図7に示すモールド71を、図7の下側が電子写真感光体の回転方向の先端側になるように設置し、作製した凸形状部形成前の電子写真感光体に対して表面加工を行った。図7に示されるモールドは、軸方向の幅(モールド上の凹形状部を上から見たときの軸方向の最大幅のこと。以下同じ。)X:40μm、周方向の長さ(モールド上の凹部を上から見たときの周方向の最大長さのこと。以下同じ。)Y:50μm、面積率50%、深さD:4μmの凹形状部)である。なお、面積率とは、モールドを上から見たときに表面全体に占める凹形状部の面積の比率である。加工時には、電子写真感光体の表面の温度が120℃になるように電子写真感光体およびモールドの温度を制御し、7.0MPaの圧力で電子写真感光体と加圧部材をモールドに押し付けながら、電子写真感光体を周方向に回転させて、電子写真感光体の表面(周面)の全面に凸形状部を形成した。
得られた電子写真感光体(感光体−1)の表面を、レーザー顕微鏡((株)キーエンス製、商品名:X−100)で50倍レンズにより拡大観察し、上述のようにして電子写真感光体の表面に設けられた特定凸形状部の判定を行った。観察時には、電子写真感光体の長手方向に傾きが無いように、また、周方向については、電子写真感光体の円弧の頂点にピントが合うように、調整を行った。そして拡大観察を行った画像を画像連結アプリケーションによって連結して、電子写真感光体の表面全体の情報を得た。また、得られた結果については、付属の画像解析ソフトにより、画像処理高さデータを選択し、フィルタタイプメディアンでフィルタ処理を行った。
上記観察によって電子写真感光体表面に形成された凸形状部の高さ、回転方向の先端から最も高い点に向かう形状部の最大勾配、軸方向の幅及び周方向の長さ、面積、2つの直線で形成された交点の角度、軸方向の断面の形状を求めた。結果を表1に示す。なお、感光体−1表面に形成された凸形状部は、全て同一であった。
感光体−1の製造例において、モールド71を表1に示したモールド72〜74に変更した以外は、感光体−1の製造例と同様にして電子写真感光体を作製した。なお、図8に示すモールド72、図9に示すモールド73及び図10に示すモールド74は、それぞれ、図8〜図10の下側が電子写真感光体の回転方向の先端側になるように圧接形状転写加工装置に設置した。これらの電子写真感光体を「感光体−2〜感光体20」とする。感光体−1の製造例と同様にして、得られた電子写真感光体(感光体−2〜感光体20)の表面観察を行った。結果を表1に示す。なお、感光体−2〜感光体−20表面に形成された凸形状部は、それぞれの感光体において、全て同一であった。
(実施例1)
感光体−1を、評価装置であるキヤノン(株)製の電子写真装置(複写機)(商品名:iR−ADV C5255)の改造機のシアンステーションに装着し、以下のように試験および評価を行った。
まず、23℃/5%RH環境下で、電子写真感光体の暗部電位(Vd)が−700V、明部電位(Vl)が−200Vになるように帯電装置および画像露光装置の条件を設定し、電子写真感光体の初期電位を調整した。
次に、硬度77°のポリウレタンゴム製クリーニングブレードを、電子写真感光体の表面に対して当接角28°、当接圧30g/cmとなるように設定した。印字率3%のA4横の画像を5枚連続して出力したら一旦停止する条件で繰り返し画像出力を行った。100000枚出力した後、初期と同様の方法を用いて凸形状部の高さを測定した。なお、電子写真感光体の表面に一辺500μmの正方形領域(面積が250000μm2)を配置し、その一辺500μmの正方形領域内に完全に含まれる各凸形状部について測定した結果の算術平均値を、凸形状部の高さとして、表2に示す。
電子写真感光体として表2に示すものを用いた以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体の実機評価を行った。結果を表2に示す。
感光体−1の製造例において、モールドを表3−1に示したように変更した以外は、感光体−1の製造例と同様にして電子写真感光体「感光体−101〜103」を作製した。なお、図11に示すモールド75は、図11の下側が電子写真感光体の回転方向の先端側になるように圧接形状転写加工装置に設置した。また、図7に示すモールド71は、図7の上側が電子写真感光体の回転方向の先端側になるように圧接形状転写加工装置に設置した。感光体−1の製造例と同様にして、得られた電子写真感光体(感光体−101〜103)の表面観察を行った。結果を表3−1及び3−2に示す。なお、感光体−101〜感光体−103表面に形成された凸形状部は、それぞれの感光体において、全て同一であった。
電子写真感光体として表4に示すものを用いた以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体の実機評価を行った。結果を表4に示す。
Claims (6)
- 支持体及び該支持体上に形成された感光層を有する円筒状の電子写真感光体であって、
該電子写真感光体の表面が、各々独立した複数の凸形状部を有し、
該凸形状部の該電子写真感光体の軸方向の幅が、10μm以上100μm以下であり、
該凸形状部は、電子写真感光体の回転方向の先端側から最も高い点に向かって高さが徐々に高くなる形状であり、かつ、該徐々に高くなる形状部の最大勾配が70‰以下であることを特徴とする電子写真感光体。 - 前記凸形状部は、電子写真感光体の回転方向の先端側に、2つの直線、2つの曲線、もしくは1つの直線と1つの曲線とから形成される交点を有し、
該交点を形成する該直線または該曲線は、該電子写真感光体の周方向で該交点を通る直線Aまでの距離が最も離れた該直線または該曲線上の2つの点から該交点に向かって、該直線Aまでの該距離が徐々に小さくなっている請求項1に記載の電子写真感光体。 - 前記凸形状部の前記直線Aまでの距離が最も離れた前記直線または前記曲線上の2つの点から前記交点までの間における、前記2つの直線でなす角度、前記2つの曲線の接線でなす角度、または前記1つの直線と前記1つの曲線の接線とでなす角度が58°以下である請求項1に記載の電子写真感光体。
- 前記凸形状部の軸方向の断面の形状が、前記支持体から離れる方向に膨らんだ曲線で形成されている請求項1〜3のいずれか1項に記載の電子写真感光体。
- 請求項1〜4のいずれか1項に記載の電子写真感光体と該電子写真感光体に接触配置されたクリーニング部材を有するクリーニング手段とを一体に支持し、電子写真装置本体に着脱自在であることを特徴とするプロセスカートリッジ。
- 請求項1〜4のいずれか1項に記載の電子写真感光体、ならびに、帯電手段、露光手段、現像手段、転写手段、及び該電子写真感光体に接触配置されたクリーニング部材を有するクリーニング手段を有することを特徴とする電子写真装置。
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