JP2016223434A - 油圧ポンプ - Google Patents

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紀史 安田
大裕 村島
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大裕 村島
貴大 太田
Takahiro Ota
貴大 太田
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【課題】サーボユニットの適用について高い自由度を有することによって共用化が可能な油圧ポンプであって、レイアウトについて自由度を高めることが可能な油圧ポンプを提供する。【解決手段】ハウジング3は、可動斜板6の傾倒方向及び傾倒角度を調整するためのサーボユニット2が着脱自在に取り付けられるように構成されており、ポートブロック10には、一対のメインポートPb・Peと、一対のメインポートPb・Peをそれぞれシリンダブロック40内のシリンダ40aに連通する一対のメイン油路ML1・ML2とが設けられており、一対のメインポートPb・Peは、油圧ポンプ1から離れて設けられる油圧モータMに対して外部配管にて接続されて油圧式無段変速装置を構成するために用いられるものである。【選択図】図8

Description

本発明は、油圧モータを含む油圧式無段変速装置に適用される油圧ポンプに関する。
例えば特許文献1に開示されるように、モアトラクタ等の作業車両に多く適用される変速装置として、油圧ポンプと油圧モータとによって構成された油圧式無段変速装置が従来から知られている。特許文献1に記載の油圧式無段変速装置において、油圧ポンプは、油圧モータとともにハウジングに一体として収容されている。また、油圧ポンプの可動斜板の傾倒角度及び傾倒方向を制御するためのサーボユニットが、ハウジングに着脱自在に取り付けられている。
このように、油圧ポンプと油圧モータとを一体に組み合わせて、油圧式無段変速装置としての一つのユニットを構成することで、油圧ポンプと油圧モータとの間の配管が不要になる等、部品点数の削減等の効果を得られる。
また、特許文献1に記載の油圧式無段変速装置においては、サーボユニットが着脱自在に取り付けられる構成により、可動斜板を制御する構成として、サーボユニットの他に、サーボ構造でないアクチュエータを適用することも可能である。これにより、サーボユニットの適用の状態によらずに油圧ポンプの共用化が可能であるので、コスト低下を図ることができる。
特開2015−55180号公報
一方、油圧式無段変速装置の適用対象である車両のデザイン等によっては、このような油圧ポンプ及び油圧モータを一体に組み合わせたものよりも、それぞれ単独で構成される油圧ポンプと油圧モータとを用いることが望まれる場合がある。即ち、それぞれ単独で構成される油圧ポンプと油圧モータとによれば、これらのレイアウトを工夫することができる。
更に、このような場合に、サーボユニットが着脱自在に取り付けられる構成を有する単体の油圧ポンプを用いることができれば、サーボ構造でないアクチュエータと、サーボユニットとの何れかを選択的に適用できる。即ち、サーボユニットの適用について、自由度を高めることができる。
本発明は、サーボユニットの適用について高い自由度を有することによって共用化が可能な油圧ポンプであって、レイアウトについて自由度を高めることが可能な油圧ポンプを提供することを目的とする。
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
請求項1に係る発明は、動力源からの動力を受けて駆動される駆動軸と、前記駆動軸を回転自在に支持するハウジングと、前記ハウジングと組み合わせられるポートブロックと、前記ハウジングに収容されるとともに前記ポートブロックに摺動回転自在に取り付けられるシリンダブロックと、前記シリンダブロックに形成したシリンダに、前記駆動軸と平行に往復動自在に嵌入される複数のプランジャと、前記ハウジングに収容されるとともに前記ハウジングに回転可能に支持され、前記プランジャと当接する可動斜板とよりなる、アキシャルピストン式の油圧ポンプである。前記ハウジングは、前記可動斜板の傾倒方向及び傾倒角度を調整するためのサーボユニットが着脱自在に取り付けられるように構成されている。前記ポートブロックには、一対の外部ポートと、該一対の外部ポートをそれぞれ前記シリンダブロック内の前記シリンダに連通する一対のメイン油路とが設けられている。前記一対の外部ポートは、前記油圧ポンプから離れて設けられる油圧モータに対して外部配管にて接続されて油圧式無段変速装置を構成するために用いられるものである。
請求項2に係る発明は、請求項1に記載した油圧ポンプにおいて、前記ポートブロック内には、前記一対のメイン油路に対して作動油を供給するためのチャージ油路が設けられており、前記ポートブロック内に、前記チャージ油路内の油圧を調整するためのチャージリリーフバルブが設けられ、前記チャージリリーフバルブが、前記ポートブロックより前記ハウジング内へと延出されている。
請求項3に係る発明は、請求項2に記載した油圧ポンプにおいて、前記ポートブロックは、前記シリンダブロックが取り付けられる平面であって前記駆動軸に対して直交する平面を有している。前記一対のメイン油路は、互いに平行であり、且つ、前記ポートブロックの前記平面に対して平行である平行部分を有し、該一対のメイン油路の当該平行部分に、一対のチャージチェックバルブが設けられている。前記チャージ油路に接続される前記チャージリリーフバルブと前記チャージ油路とは、前記ポートブロックにおける前記一対のチャージチェックバルブの間の部分に配設されており、更に、前記チャージリリーフバルブは、前記駆動軸に対して平行の方向に延設されている。
請求項4に係る発明は、請求項3に記載した油圧ポンプにおいて、前記チャージ油路が、前記一対のチャージチェックバルブに直交して、前記ポンプブロックにおいて互いに対向する一側面から他側面まで延設されており、該ポンプブロックの該一側面における該チャージ油路の開口端を、該油圧ポンプの外部より作動油を受けるためのゲージポートとし、該ポンプブロックの該他側面における該チャージ油路の開口端を、前記ハウジングに取り付けられた前記サーボユニットに作動油を供給するためのサーボポートとしている。
請求項5に係る発明は、請求項1に記載した油圧ポンプにおいて、前記可動斜板の両側を前記ハウジングに傾転自在に支持する一対のサポータを設けており、該両サポータのうちの一方のサポータに前記サーボユニットを固定し、他方のサポータに該可動斜板の傾斜角度を検知するセンサーを固定している。
請求項6に係る発明は、請求項1に記載した油圧ポンプが、前記駆動軸によって駆動される少なくとも一つの外部油圧ポンプを備えており、該外部油圧ポンプより吐出される油を前記サーボユニットに供給するように構成されているとともに、その油を該サーボユニットへの導入前に濾過するフィルタを一体に備えている。
本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
請求項1に係る発明によれば、所望の用途に応じたレイアウトで適切に油圧モータと組み合わせることが可能な油圧ポンプを提供することができる。即ち、サーボユニットを着脱自在に取付可能なアキシャルピストン式油圧ポンプが、油圧モータとは切り離されて構成される。これにより、油圧ポンプと油圧モータとを接続して構成される油圧式無段変速装置を自由にレイアウトできるので、様々な設計の車両等にこの油圧式無段変速装置を適用することができる。更に、サーボユニットが着脱自在に取り付けられる構成によれば、サーボ構造でないアクチュエータと、サーボユニットとの何れかを選択的に適用できる。従って、サーボユニットの適用について高い自由度を有することによって共用化が可能な油圧ポンプであって、レイアウトについて自由度を高めることが可能な油圧ポンプを提供することができる。
請求項2に係る発明によれば、油圧ポンプのうち、特に、ポートブロックの小型化を図ることができる。即ち、ポートブロックは、アルミニウム等を成形してなるものであるが、これにチャージリリーフバルブ全体を組み込む構成であれば、ポートブロックの厚みを大きくする等してポートブロックの剛性を確保しなければならない。このような構成によれば、コスト高や、コンパクト化の阻害要因に繋がってしまう。しかし、チャージリリーフバルブをポートブロックからハウジング内へと延出する構成によれば、ポートブロックにおいてチャージリリーフバルブを支持すべき部分が小さくなり、その分、ポートブロックを小型化できる。これにより、油圧ポンプ全体のコンパクト化やコスト低減を実現することができる。
請求項3に係る発明によれば、一対のチャージチェックバルブについては、その全体をポートブロックに組み込んで、ポートブロックにて支持するよう構成するものの、前記ポートブロックの平面に対して平行に配置することで、ポートブロックのコンパクト性を確保できる。一方、チャージリリーフバルブは、前述の如くポートブロックからハウジング内へと延出している。これにより、ポートブロック内に配置されるチャージリリーフバルブの部分が小さくなるという点を利用しつつ、一対のチャージチェックバルブの間という小スペースの部分にチャージリリーフバルブを配置することができる。これにより、より確実にポートブロックの小型化を実現することができる。
請求項4に係る発明によれば、ポートブロックは、チャージ油路とチャージチェックバルブとが互いに直交するように構成される。従って、チャージチェックバルブが設けられる一対のメイン油路の前記平行部分と、これらに直交するように延設されるチャージ油路とを、簡単な穿孔加工によって、ポートブロック内にコンパクトに形成することができる。また、ポートブロックの一側端から他側端まで貫通状に形成されるチャージ油路の両開口端をそれぞれゲージポート及びサーボポートとしている。この構成によれば、該ゲージポート及びサーボポートを別々の油路の開口端に構成する場合に比べて、加工工程数が低減され、ポートブロックのコンパクト性も確保される。従って、低コスト化を実現することができる。
請求項5に係る発明によれば、前記可動斜板の両側を前記ハウジングに傾転自在に支持する一対のサポータを利用して、サーボユニット及び可動斜板の傾斜角度検知用のセンサーをコンパクト容易にかつコンパクトに油圧ポンプと組み合わせることができる。
請求項6に係る発明によれば、前述の如き外部油圧ポンプ及びフィルタを備えた油圧ポンプを提供することで、別途に外部油圧ポンプ及びフィルタを取り付けるためのスペースや部材を用意する必要がなく、また、外部油圧ポンプからフィルタを介してのサーボユニットまでの油路構造がコンパクトで簡単なものとなり、装置のコンパクト化及び低コスト化を実現できる。
分離した状態の油圧ポンプ及びサーボユニットの正面側の斜視図である。 サーボユニットが取り付けられた油圧ポンプの底面側の斜視図である。 サーボユニットが取り付けられた油圧ポンプの正面図である。 サーボユニットが取り付けられた油圧ポンプの背面図である。 図4に示すVの方向から見た図であって、サーボユニットが取り外された油圧ポンプの左側面図である。 図5に示すVI−VI線の断面図である。 図4に示すVII−VII線の断面図である。 図5に示すVIII−VIII線の断面図である。 図3に示すIX−IX線の断面図である。 サーボユニットとラインフィルタとが取り付けられ、且つ、外部油圧ポンプが連結された油圧ポンプの正面図である。 図10に示す油圧ポンプとサーボユニットとを含む油圧式無段変速装置の作動油の供給系統を示す回路図である。 サーボユニットとラインフィルタとが取り付けられ、且つ、外部油圧ポンプが連結された油圧ポンプの別実施例の平面図である。 図12に示すXIII−XIII線の断面図である。 図12に示すXIV−XIV線の断面図である。 図13に示すXV−XV線の断面図である。 図12〜図15に示す油圧ポンプとサーボユニットとを含む油圧式無段変速装置の作動油の供給系統を示す回路図である。 ゼロターン式車両用油圧式車軸駆動システムを構成する一対の油圧式車軸駆動装置の斜視図である。 図17に示す一対の車軸駆動装置より構成される油圧式車軸駆動システムの作動油の供給系統を示す回路図である。 図18に示す左右の車軸駆動装置に取り付けられる左右のサーボ機構のバルブブロックを代表する左バルブブロックの内部の油路構造を示す透過斜視図である。
本発明の油圧ポンプは、油圧式無段変速装置(“Hydro Static Transmission”。以下、「HST」という)に適用されるものである。また、本発明の油圧ポンプを備えたHSTは、車輪等の走行装置を備える車両に適用される。当該車両には、駆動源としての内燃機関等の原動機と、この原動機の回転速度を連続的に変化させるHSTとが搭載される。当該HSTが適用される車両の典型例としては、モアトラクタ等が考えられる。
本発明の実施形態である油圧ポンプ1は、可変容量型のアキシャルピストンポンプであって、一つの入力軸に対して一つのポンプが連結されたシングルポンプである。
図1に示すように、油圧ポンプ1には、サーボユニット2が着脱自在に取り付けられる。後述のように、油圧ポンプ1は、その容量を変化させるように作動する可動斜板6を備える。サーボユニット2は、油圧ポンプ1の可動斜板6の傾倒角度及び傾倒方向を制御するためのものである。なお、以下、油圧ポンプ1の駆動軸4が鉛直方向に延設され、可動斜板6の回転軸心方向を左右方向とし、サーボユニット2を油圧ポンプ1の左側に取り付けものとの前提で、本実施形態について説明するが、油圧ポンプ1及びサーボユニット2の配設位置や方向が以下の説明で特定されるものではない。
サーボユニット2と油圧ポンプ1との間において、作動油は、両端部のプラグ7s・7rが取り付けられたホース7c、サーボポートPs、及び、戻りポートPr等を介して行き来できる。ペダルやレバー等の変速用又は前後進切換用の操作具(図示せず)が操作されると、この操作具の位置に応じて、可動斜板6の傾倒角度及び傾倒方向がサーボユニット2によって調節される。油圧ポンプ1の容量は、可動斜板6の傾倒角度に応じて変化する。
図2に示すように、サーボユニット2は、比例ソレノイド24a・25aを備えている。比例ソレノイド24a・25aには、それぞれ、コネクタ24n・25nが設けられている。コネクタ24n・25nに接続された電気回路(図示せず)を通して、比例ソレノイド24a・25aに電流が印加される。図示しない操作具が操作されると、比例ソレノイド24a又は比例ソレノイド25aに、操作具の位置に応じた電流が印加される。可動斜板6の傾倒角度及び傾倒方向は、比例ソレノイド24a又は比例ソレノイド25aに印加される電流に応じて調節される。
図3〜5に示すように、油圧ポンプ1は、ポートブロック10、ハウジング3、及び、駆動軸4を備えている。ハウジング3は、油圧ポンプ1の外枠を形成する。ポートブロック10は、ハウジング3の底部に固定される。駆動軸4は、駆動源としての原動機に連結される。
図6と図7に示すように、油圧ポンプ1は、更に、シリンダブロック40、複数のプランジャ5、及び、可動斜板6を備えている。シリンダブロック40、複数のプランジャ5、及び、可動斜板6は、ハウジング3に収容されている。ハウジング3とシリンダブロック40との間には、作動油を溜めるための油溜まり3bが形成されている。また、ハウジング3の内部において、バルブプレート41がポートブロック10の上に配置されている。
入力軸としての駆動軸4は、軸受39を介してハウジング3に回転自在に支持されるとともに、シリンダブロック40及びポートブロック10に挿入されている。駆動軸4に固定されたシリンダブロック40は、駆動軸4と一体に回転可能である。
図7に示すように、プランジャ5は、シリンダブロック40内に形成された各シリンダ40aに、駆動軸4に対して平行に上下摺動自在に嵌め込まれている。可動斜板6は、各プランジャ5の頭部に当接するスラスト軸受6dを有している。各プランジャ5の内部には、油路5aが形成されている。
図6に示すように、可動斜板6は、二つのトラニオン軸部6a・6bを有する。可動斜板6の中央には、開口部6cが形成されている。駆動軸4は、開口部6cを通して可動斜板6を貫通している。二つのトラニオン軸部6a・6bは、開口部6cを挟んで互いに反対の方向を指すように、開口部6cの縁の下側から突出する軸状の部分である。ここでいう上と下とは、ハウジング3において軸受39が固定された側が上であって、ポートブロック10が固定された側が下である。ハウジング3の上端面の中央には、開口3aが形成されている。開口3aの縁には、軸受39が固定されている。一方、ポートブロック10の底面10aの中央には、窪み10bが形成されている。ポートブロック10の頂面から窪み10bに渡って、ポートブロック10には軸孔10cが開けられている。駆動軸4の上端4aは開口3aから突出し、下端4bは軸孔10cに挿入されている。
この下端4bは、後述のように、外部油圧ポンプ8a・8b・8c(図10参照)がポートブロック10の底面10aに取り付けられる状態において、外部油圧ポンプ8a・8b・8cの各駆動軸に連結される。あるいは、駆動軸4そのものを下方に延長し、ポートブロック10から、外部油圧ポンプ8a・8b・8cへと嵌入して、これら外部油圧ポンプ8a・8b・8cの駆動軸とするものとしてもよい。なお、本実施例では、後述の如く、ラインフィルタF2を油圧ポンプ1に外付けする構成としているが、仕様変更に応じて、ポートブロック10の窪み10b内にフィルタを装着するものとしてもよい。
可動斜板6の各トラニオン軸部6a・6bの中心軸線は、互いに一致するとともに、上下方向に垂直の方向(言い換えると、左右方向)を指している。ハウジング3の左右の各側面には、開口3c・3dが形成されている。左側の開口3cの縁には、筒状部11aとフランジ部11bとを含むサポータ11が取り付けられ、右側の開口3dの縁には、筒状部12aとフランジ部12bとを含むサポータ12が取り付けられている。各筒状部11a・12aは、各開口3c・3dに嵌め込まれている。各フランジ部11b・12bは、各筒状部11a・12aからフランジ状に延びた部分である。各フランジ部11b・12bは、ハウジング3の側面に沿ってハウジング3に接している。
各トラニオン軸部6a・6bは、筒状部11a・12aを貫通してハウジング3の外部に突出している。筒状部11aの内周壁面とトラニオン軸部6aの外周面との間には、軸受61が介設されている。筒状部12aの内周壁面とトラニオン軸部6bの外周面との間には、軸受62が介設されている。即ち、トラニオン軸部6aは、軸受61及びサポータ11を介してハウジング3に支持されるとともに、軸受61を介してサポータ11及びハウジング3に対して相対回転できる。また、トラニオン軸部6bは、軸受62及びサポータ12を介してハウジング3に支持されるとともに、軸受62を介してサポータ12及びハウジング3に対して相対回転できる。二つのトラニオン軸部6a・6bがハウジング3の両側部に軸受61・62を介して支持されることにより、可動斜板6がハウジング3に対して相対回転可能に支持される。二つのサポータ11・12のうち、一方のサポータ11は、サーボユニット2を着脱自在とする構造となっており、このサポータ11にて支持されているトラニオン軸部6aは、サーボユニット2のピストン22に連結されている。他方のサポータ12には、ポテンショメータ等、可動斜板6の傾斜状態(傾斜角度)を検知する角度センサー12cが装着されている。該角度センサー12cは図外のコントローラに接続され、後述するサーボユニット2が作動したときのフィードバック信号を該コントローラに送信するものとなっている。
トラニオン軸部6aの先端部の外周面には、アーム63が取り付けられている。図5に示すように、トラニオン軸部6aの先端部の外周面は、トラニオン軸部6aの軸方向に見て四角形状に形成されている。アーム63には、トラニオン軸部6aの先端部の外周面の形状に沿った形状を有する貫通孔63cが形成されており、この貫通孔63cにトラニオン軸部6aの当該先端部が嵌め込まれる。アーム63は、トラニオン軸部6aに取り付けられた部分から、トラニオン軸部6aの径方向に延出している。その延出部の先端部において、ハウジング3に対する反対側の面には、鍵状板64が取り付けられている。アーム63と鍵状板64とは、後述のようにトラニオン軸部6aと一体となって回転できる。なお、可動斜板6のスラスト軸受6dのプランジャ5への当接面がバルブプレート41に略平行である状態は、可動斜板6が中立位置に位置した状態である。
一方、図6及び図9に示すように、サーボユニット2の内部には、トラニオン軸部6a・6bの軸方向に対し垂直方向(言い換えると、前後方向)の円筒形状のシリンダ孔21aが形成されており、円筒形状を有するピストン22が該シリンダ孔21a内に配置されている。ピストン22の中央部には、切欠き状の溝部22cが形成されている。また、サーボユニット2のサーボハウジング20の一方側面には、シリンダ孔21aに連通する開口部20aが形成されている。開口部20aは、アーム63の外表面に沿った形状を有する。サーボユニット2が油圧ポンプ1に取り付けられる場合には、トラニオン軸部6a、アーム63、及び、鍵状板64が開口部20aに沿ってサーボハウジング20に入り込み、該シリンダ孔21a内にて、鍵状板64がピストン22の溝部22cに嵌め込まれる。これにより、鍵状板64、アーム63、及び、二つのトラニオン軸部6a・6bは、ピストン22の後述する作動に連動する。このとき、トラニオン軸部6a・6bを含む可動斜板6は、トラニオン軸部6a及びトラニオン軸部6bの中心軸線を中心として、所定の角度範囲、つまり、零度から傾倒角度Tまでの範囲(図5参照)で回転できる。
例えば、車両が前進する場合には、零度から(T/2)度の角度範囲でトラニオン軸部6aを含む可動斜板6が正方向に回転される。車両が後進する場合には、零度から(T/2)度の角度範囲でトラニオン軸部6aを含む可動斜板6が逆方向に回転される。
前述のように、トラニオン軸部6a及びアーム63は開口部20aに嵌入されているだけで、サーボハウジング20に固定されているものではない。また、アーム63の先端部及び鍵状板64も、シリンダ孔21a内においてピストン22の溝部22cに嵌入されているだけで、ピストン22に固定されているものではない。そのため、サポータ11に対するサーボハウジング20の固定を解除して、サーボハウジング20をサポータ11から遠ざければ、サーボハウジング20及びピストン22は、トラニオン軸部6a、アーム63、鍵状板64から自然に分離される。このように、図1に示すようにサーボユニット2を油圧ポンプ1から切り離した状態を簡単に実現できる。
逆に、サーボユニット2を油圧ポンプ1に取り付ける際には、サーボハウジング20をサポータ11に近づける過程で、アーム63が固定されたトラニオン軸部6aを開口部20aに嵌入するとともに、ピストン22の溝部22aに鍵状板64を嵌入する。その後に、サーボハウジング20をサポータ11にボルトによって固定するだけで、油圧ポンプ1へのサーボユニット2の装着が簡単に完了する。
このように、油圧ポンプ1に対してサーボユニット2を簡単に取り付けたり取り外したりできるので、サーボユニット2の着脱を伴う油圧ポンプ1及びサーボユニット2を容易にメンテナンスできる。また、仕様変更等により、油圧ポンプ1には、サーボユニット2の代わりに可動斜板6の傾倒角度を制御又は調節するリンク機構等の別の機械的な構成を着脱自在に取り付けることができる。即ち、サーボユニット2を装着する仕様とする場合にも、サーボユニット2を用いずに機械的リンク機構を装着する仕様とする場合にも、同じ油圧ポンプ1を共用できる。
次に、ポートブロック10に形成される油路について説明する。
図8に示すように、ポートブロック10の横断面は、略長方形状を有している。ポートブロック10には、ポートブロック10への流入口としてのゲージポートPc、ポートブロック10からの流出口としてのサーボポートPs、及び、流入口と流出口とに切り替えられる二つのメインポートPb・Peが形成されている。ポートブロック10において、ゲージポートPcとサーボポートPsとは、互いに対向している。サーボポートPsは、ポートブロック10の一方側面にて開口している。ゲージポートPcは、ポートブロック10の他方側面にて開口している。
ポートブロック10には、ゲージポートPcとサーボポートPsとを連通するチャージ油路Lcが形成されている。チャージ油路Lcは、ポートブロック10の前側面及び後側面に平行の方向を向いている。ゲージポートPcとサーボポートPsとを含むチャージ油路Lcは、一方側面から他方側面に渡ってポートブロック10を貫通している。
また、チャージ油路Lcを流通する作動油に作用するチャージリリーフバルブ26が、ポートブロック10に組み込まれている。チャージリリーフバルブ26は、チャージ油路Lc内の油量を調整する。チャージリリーフバルブ26は、ドレン油路Ldを介してチャージ油路Lcに接続されている。
ポートブロック10に形成されるドレン油路Ldのうち、チャージリリーフバルブ26が面する部分は、ポートブロック10の前側面から後側面を向く(図7参照)ことにより、チャージ油路Lcに直交する。なお、ドレン油路Ldを加工する際に形成される後側面の開口は、キャップ13によって閉塞されている。チャージリリーフバルブ26は、ドレン油路Ldに面するようにポートブロック10に組み込まれたうえで、ハウジング3に収容される(図7参照)。チャージリリーフバルブ26によって油圧が調整された作動油が、チャージ弁ユニットCV1・CV2に供給され、チャージリリーフバルブ26よりリリースされた余剰圧分の油は、ドレン油路Ldを通って、ハウジング3内の油溜まり3b(図7参照)に排出される。
更に、ポートブロック10には、チャージ弁ユニットCV1が埋め込まれるメイン油路ML1、及び、チャージ弁ユニットCV2が埋め込まれるメイン油路ML2が形成されている。これらチャージ弁ユニットCV1・CV2は、ポートブロック10の後側面に設けられている。二つのメイン油路ML1・ML2は、ポートブロック10の一方側面及び他方側面に平行の方向を向くことにより、チャージ油路Lcに直交する。二つのチャージ弁ユニットCV1・CV2は、チャージ油路Lcを跨いでいる。
チャージ弁ユニットCV2とメインポートPbとを含むメイン油路ML2は、前側面から後側面に渡ってポートブロック10を貫通している。そして、メイン油路ML2の途中部分において、メイン油路ML2とバイパス油路Lsとが連通している。ポートブロック10において、バイパス油路Lsの一端と他端とは、二つのメインポートPe・Pbによって形成されている。一方のメインポートPeは、ポートブロック10の他方側面において、ゲージポートPcよりも前方に位置している。他方のメインポートPbは、ポートブロック10の前側面にて開口している。また、ポートブロック10の前側面には、バイパスバルブ29が設けられている。バイパスバルブ29は、バイパス油路Lsを流通する作動油に作用する。つまり、バイパス油路Lsにおいては、バイパスバルブ29の開閉に基づいて、作動油の流通が許容され又は制限される。なお、バイパス油路Lsを加工する際に形成される一方側面の開口は、キャップ14によって閉塞されている。
また、バイパス油路Lsには、チャージ弁ユニットCV1を含むメイン油路ML1が連通している。図8に示す断面の位置の上方において、バイパス油路Lsは上下方向を向く部分Ls1を有しており、この部分を通してメインポートPeとメインポートPbとの間でバイパス油路Lsが連続している。なお、メインポートPeは、ポートブロック10におけるメイン油路ML1の一端を兼ねている。
ポートブロック10の上面においては、一対のキドニーポートM1a・M2aが開口している。バルブプレート41(図6参照)には、キドニーポートM1a・M2aと合致するように、一対のポートが形成されている。これら一対のポートは、シリンダブロック40内のシリンダ40aに対する作動油の吸入口と吐出口とを構成する(参照番号略)。バルブプレート41の吸入口と吐出口とを介して、ポートブロック10内に構成されるメイン油路ML1・ML2と各プランジャ5の内部の油路5a(いずれも図6参照)との間において、作動油が流通する。可動斜板6の傾倒角度に応じて、プランジャ5の摺動量が調整され、また、可動斜板6の傾倒方向に応じて、メイン油路ML1・ML2のうちどちらが高圧側でどちらが低圧側かが決定される。このようにして、後述の油圧モータに対する作動油の吐出方向及び単位時間当たりの吐出量が制御される。
ポートブロック10においては、二つのメイン油路ML1・ML2とチャージ油路Lcとが互いに直交しており、これらの油路ML1・ML2・Lcは穴開け加工によって容易に形成することができる。このように、油圧ポンプ1のポートブロック10は、加工性の向上が図られている。
また、複数のポートPc・Ps・Pb・Peと複数のバルブCV1・CV2・29とを、ポートブロック10の四方の側面に分配して配置することにより、油圧ポンプ1の前後の幅及び左右の幅をコンパクトにできる。
更に、チャージリリーフバルブ26がポートブロック10に組み込まれる向きは、ハウジング3の上下方向であって、ポートブロック10に形成される複数の油路ML1・ML2・Lc・Lsに直交している。そのため、ポートブロック10の上下方向に沿って、チャージリリーフバルブ26を組み込むための小孔を、ドレン油路Ldとして容易に加工できる。
次に、サーボユニット2について説明する。
図9に示すように、サーボユニット2は、シリンダ孔21aを形成するサーボハウジング20を有している。シリンダ孔21a内には、ピストン22、バネ23、前進側バネ受け32、ストッパカラー33、及び、後進側バネ受け34が収容されており、これらにより、可動斜板6の傾倒方向及び角度制御用の油圧アクチュエータとしての油圧シリンダ21が構成されている。また、バネ23、前進側バネ受け32、ストッパカラー33、及び、後進側バネ受け34は、筒状のピストン22に収容されている。ピストン22及び後進側バネ受け34によって、シリンダ孔21aの内部は、油室2aと油室2bとに区画されている。圧縮コイルバネであるバネ23は、ピストン22を中立位置に付勢する。なお、図9に示すサーボユニット2の状態は、ピストン22が中立位置に位置する状態である。
前進側バネ受け32、後進側バネ受け34、及び、ストッパカラー33は、中空形状を有する。そして、前進側バネ受け32、後進側バネ受け34、及び、ストッパカラー33には、油圧シリンダ21に対して位置決めされたガイドロッド30が挿入されている。
フランジ状に形成されたガイドロッド30の一端は、フランジ部30aであって、前進側バネ受け32の開口部から抜けないように、前進側バネ受け32の内周壁面に沿って摺動自在に配置されている。ガイドロッド30の他端は、サーボハウジング20から突出している。シリンダ孔21aに蓋をするように、サーボハウジング20の正面側壁面には、油漏れを防止するための蓋板21cが固定されている。蓋板21cには、ガイドロッド30を通すための開口が形成されている。ガイドロッド30は、この開口を通して蓋板21cを貫通するとともに、蓋板21cに固定されている。蓋板21cの外側には軸キャップ31が配置され、蓋板21cより突出したガイドロッド30の端部を軸キャップ31に螺入することにより、ガイドロッド30が軸方向に位置決めされる。
ガイドロッド30の中央部よりも他端側(図中の左側)の部分には、ストッパリング36が固定されている。ストッパリング36により、後進側バネ受け34が油圧シリンダ21に対して図中の更に左方に移動することが制限される。ピストン22の内周壁面には、リング部材35が取り付けられており、ピストン22に対する後進側バネ受け34の図中左方への移動を制限している。
更に、サーボハウジング20には、給排切換弁24、及び、給排切換弁25が設けられている。給排切換弁24・25は、油室2a・2bへの作動油の流量及び圧力を制御する。給排切換弁24は、シリンダ孔21aにてピストン22の一方側に形成される油室2aに対して、作動油を供給又は排出するように構成されている。給排切換弁25は、シリンダ孔21aにてピストン22の他方側に形成される油室2bに対して、作動油を供給又は排出するように構成されている。給排切換弁24・25は、比例ソレノイド24a・25aが用いられた電磁比例制御弁である。
比例ソレノイド24a・25aは、制御電流値(つまり、各比例ソレノイド24a・25aに印加される電流値)と比例した駆動力を発生させる。つまり、各油室2a・2bへの作動油の流量及び圧力は、制御電流値に応じて制御される。なお、二つの給排切換弁24・25のうちの一方(給排切換弁24)は、前進用に励磁され、他方(給排切換弁25)は、後進用に励磁される。従って、給排切換弁24・25のうち、励磁された側の給排切換弁(例えば給排切換弁24)の給排ポート(24d)から該当の油室(2a)に作動油が供給される。
各給排切換弁24・25の上部には、給入ポート24b・25bが、下部には排出ポート24c・25cがそれぞれ設けられている。サーボハウジング20の下部には、給入ポート24b・25b同士を接続するように、サーボハウジング20の長手方向(油圧ポンプ1に取り付けられた状態において前後方向)に沿って給入油路2cが形成されている。給入油路2cには、入口ポートPiが連通している。入口ポートPiは、サーボハウジング20の底面から開口している。入口ポートPiには、プラグ7sが取り付けられている。サーボハウジング20において、プラグ7sの奥には、内蔵式フィルタF3が設けられている。後述のように油圧ポンプ1からサーボユニット2に導入される作動油は、入口ポートPiを介して給入油路2cに導入される。
サーボハウジング20の下部において、給入油路2cの下方には、排出ポート24c・25c同士を接続するように、給入油路2cに平行の排出油路2dが形成されている。排出油路2dは、途中からハウジング3側のサーボハウジング20の側面に向かって(図9の紙面表側に向かって)屈曲している。そして、排出油路2dの先端は、このサーボハウジング20の側面にて開口している。この開口端は、出口ポートPo(図11参照)としている。出口ポートPoは、油圧ポンプ1のサポータ11に設けられた戻りポートPr(図1参照)に連通している。出口ポートPoを通る作動油は、戻りポートPrを経由してハウジング3内の油溜まり3b(図6参照)に排出される。
各給排切換弁24・25は、図外のコントローラが、オペレータによる操作に応じて発する制御電流値に応じて、供給位置と排出位置とに振動的に切り換えられるように構成されている。各給排切換弁24・25は、供給位置にあるときに、その該当の給入ポート24b・25bをその該当の給排ポート24d・25dに連通することにより、その該当の給入ポート24b・25bに導入されている作動油を、その該当の油室2a・2bに供給する。給排切換弁24が供給位置にあるときには、給入ポート24bを給排ポート24dに連通することにより、給入ポート24bに導入されている作動油を油室2aに供給する。このとき、給排切換弁25は排出位置にあり、給排ポート25dを排出ポート25cに連通することにより、油室2bから給排ポート25dに導入される作動油を、出口ポートPoに排出する。給排切換弁25が供給位置にあるときには、給入ポート25bを給排ポート25dに連通することにより、給入ポート25bに導入されている作動油を油室2bに供給する。このとき、給排切換弁24は排出位置にあり、給排ポート24dを排出ポート24cに連通することにより、油室2aから給排ポート24dに導入される作動油を、出口ポートPoに排出する。
このような作動油の供給と排出との繰り返しにより、油室2a・2bにおける圧力が設定される。そして、この圧力とバネ23の付勢力とが釣り合う位置までピストン22が移動する。なお、制御電流値は、上述の操作具の操作量に応じて、コントローラによって制御される(図示せず)。このように制御された値の電流が、各比例ソレノイド24a・25aに印加される。
比例ソレノイド24aが励磁されることにより、油室2a内の圧力が高められると、バネ23の弾性力に抗してピストン22が図中の左方に移動する。このとき、前進側バネ受け32及びストッパカラー33も、ストッパカラー33が後進側バネ受け34に接触するまでピストン22とともに左方に移動する。ピストン22の図中の左方への移動に応じて、油圧ポンプ1においては鍵状板64、アーム63、及び、二つのトラニオン軸部6a・6bが中立位置から正方向に回転する(図5参照)。
ピストン22の左方への移動は、前進側バネ受け32にて押動されるストッパカラー33が後進側バネ受け34と接触するところまでに制限される。中立位置からこの限界位置までのピストン22の左方への移動の範囲は、トラニオン軸部6aの正方向の傾倒角度の範囲(具体的には、零度以上且つ(T/2)度以下)(図5参照)に一致する。
中立位置よりも前進側に移動したピストン22の位置から比例ソレノイド24aの励磁が解除されると、油室2a内の圧力が減少するとともに両側の油室2a・2bの圧力が均等になるように、バネ23の弾性力によってピストン22が図中の右方に移動する。このとき、前進側バネ受け32も、フランジ部30aによって移動が制限されるまでピストン22とともに右方に移動する。ピストン22の図中の右方への移動に応じて、油圧ポンプ1において鍵状板64、アーム63、及び、二つのトラニオン軸部6a・6bは、元の中立位置まで傾倒角度Tが減少する方向に回転する(図5参照)。
一方、比例ソレノイド25aが励磁されることにより、油室2b内の圧力が高められると、バネ23の弾性力に抗してピストン22が図中の右方に移動する。このとき、後進側バネ受け34も、ストッパカラー33に接触するまでピストン22とともに右方に移動する。しかし、前進側バネ受け32は、ガイドロッド30のフランジ部30aによって移動が制限される。これにより、ピストン22と前進側バネ受け32との相対位置は変化するため、バネ23が次第に縮んでいく。ピストン22の図中の右方への移動に応じて、油圧ポンプ1においては鍵状板64、アーム63、及び、二つのトラニオン軸部6a・6bが中立位置から逆方向に回転する(図5参照)。
ピストン22の右方への移動も、後進側バネ受け34にて押動されるストッパカラー33が後進側バネ受け34と接触するところまでに制限される。中立位置からこの限界位置までのピストン22の右方への移動の範囲は、トラニオン軸部6aの逆方向の傾倒角度の範囲(具体的には、零度以上且つ(−T/2)度以下)(図5参照)に一致する。
中立位置よりも後進側に移動したピストン22の位置から比例ソレノイド25aの励磁が解除されると、油室2b内の圧力が減少するとともに両側の油室2a・2bの圧力が均等になるように、バネ23の弾性力によってピストン22が図中の左方に移動する。このとき、後進側バネ受け34も、ストッパリング36によって移動が制限されるまでピストン22とともに左方に移動する。ピストン22の図中の左方への移動に応じて、鍵状板64、アーム63、及び、二つのトラニオン軸部6a・6bは、元の中立位置まで傾倒角度Tが減少する方向に回転する(図5参照)。前述の角度センサー12cによるフィードバック信号をコントローラが受け、可動斜板6の傾斜角度と、オペレータによる操作量に該当する傾斜角度との差がゼロになると、可動斜板6が所望の傾斜角度位置に達したものとコントローラが認識し、比例ソレノイド25への励磁信号は出力されなくなる。
次に、油圧ポンプ1の閉回路に作動油を補給するチャージ構成について説明する。図10に示すように、ポートブロック10の下方には、少なくとも一つ、本実施例では三つの外部油圧ポンプ8a・8b・8cが設けられる。これらのうち、二つの外部油圧ポンプ8a・8bは、油圧ポンプ1及びサーボユニット2に作動油を供給するための外部油圧ポンプである。三つの外部油圧ポンプ8a・8b・8cは、油圧ポンプ1から離れる方向に沿って、外部油圧ポンプ8a、外部油圧ポンプ8b及び外部油圧ポンプ8cの順に並んでいる。例えばギアポンプである三つの外部油圧ポンプ8a・8b・8cは、駆動軸4の下端4b(図7参照)に連結される。外部油圧ポンプ8a・8b・8cは、駆動源から回転動力を受けることによって作動できる。
なお、これらの外部油圧ポンプ8a・8b・8cの配置の順については、図示されるものに限定されない。
また、油圧ポンプ1の側方には、油圧ポンプ1の内部に導入される前の作動油を濾過するラインフィルタF2が設けられる。ラインフィルタF2は、フィルタ取付用のテーブルhtに固定されることにより、油圧ポンプ1のゲージポートPc(図8参照)に面する位置に配置される。テーブルhtは、ポートブロック10の底面側に設けられた四つの脚部hsのうちの二つに支持される。
ラインフィルタF2は、二つのコネクタc1・c2が設けられたポートブロックBfを有する。ラインフィルタF2のポートブロックBfは、テーブルhtに取り付けられる。コネクタc1を介してラインフィルタF2に導入される作動油は、コネクタc2を通ったうえでラインフィルタF2の外部に排出される。排出される作動油は、コネクタc2とゲージポートPc(図8参照)とを繋ぐホース(図示せず)を通って、油圧ポンプ1のポートブロック10まで運ばれる。
ここで、油圧ポンプ1、サーボユニット2、及び、油圧モータMにおける作動油の供給系統について、図11を用いて説明する。
HSTを備えた車両に搭載されるタンクRtからは、外部油圧ポンプ8a・8b・8cが、油路L1を介して作動油を吸入する。油路L1には、フィルタF1が接続されている。タンクRtから取り出される作動油は、フィルタF1によって濾過されたうえで外部油圧ポンプ8a・8b・8cまで運ばれる。
車両は、駆動源としての原動機E、車両に設けられる昇降自在のリフト(図示せず)、原動機Eの回転力によって作動するリール(図示せず)、及び、ステアリングユニット9bを備える。ステアリングユニット9bは、車両の左右の旋回角度を調節する。また、車両は、リフトコントロールバルブ9aと、リールコントロールバルブ9cとを備える。リールの作動量を調節するための油圧機器と、リフトの高さ位置を調節するための油圧機器とには、それぞれ、リフトコントロールバルブ9aの作動とリールコントロールバルブ9cの作動とによって作動油が供給される。
外部油圧ポンプ8aは、リールコントロールバルブ9cに接続されている。外部油圧ポンプ8bは、ステアリングユニット9bに接続されている。外部油圧ポンプ8cは、リフトコントロールバルブ9aに接続されている。リフトコントロールバルブ9aから吐出された作動油と、ステアリングユニット9bにおいて使用された作動油とは、油路L2に運ばれる。このように、車両の部品であるリフトに用いられるポンプ、及び、ステアリングユニット9bに用いられるポンプが、油圧ポンプ1と油圧モータMとを含むHST、及び、サーボユニット2に作動油を供給するための外部油圧ポンプ8b・8cとして利用されている。一方、リールコントロールバルブ9cから吐出された作動油は、油路L3を介してタンクRtに戻される。
なお、車両における作動油の供給系統は、リールコントロールバルブ9c、ステアリングユニット9b、及び、リフトコントロールバルブ9aが、三つの外部油圧ポンプ8a・8b・8cのうちの何れか一つ以上のポンプを共有するように構成されていてもよい。
油路L2を通る作動油は、ラインフィルタF2によって濾過される。ラインフィルタF2を通過した作動油は、ゲージポートPcを介してチャージ油路Lcに供給される。チャージ弁ユニットCV1・CV2には、チャージリリーフバルブ26によってチャージ油路Lc内の油圧が調整された状態で、作動油が供給される。チャージ油路Lc内における余剰の作動油は、ドレン油路Ldを介して、ハウジング3内の油溜まり3bに排出される。余剰分の作動油の排出先である油溜まり3bは、オイルクーラーG1が設けられた油路L5によってタンクRtと連通している。
油圧ポンプ1と油圧モータMとの間には、一対のメイン油路ML1・ML2が形成されている。また、メイン油路ML1とメイン油路ML2との間には、一対のチャージ弁ユニットCV1・CV2が設けられている。チャージ弁ユニットCV1は、チェックバルブ271とリリーフバルブ281とを有する。チャージ弁ユニットCV2は、チェックバルブ272とリリーフバルブ282とニュートラルバルブ283とを有する。なお、油圧モータMは、車両の左側の走行装置に連結される左側モータLMと、車両の右側の走行装置に連結される右側モータRMとを含む。
チャージリリーフバルブ26によって油圧が調節された作動油は、チャージ弁ユニットCV1におけるチェックバルブ271が開くことによってメイン油路ML1に補充され、また、チャージ弁ユニットCV2におけるチェックバルブ272が開くことによってメイン油路ML2に補充される。ここで、可動斜板6を中立位置からいずれの方向に傾倒するかによって、メイン油路ML1・ML2のうち、いずれが高圧側でいずれが低圧側かが決定される。低圧側となったメイン油路ML1又はML2の油圧は、チャージリリーフバルブ26にて調整されたチャージ油路Lc内の油圧と比べて低くなることにより、その該当のチャージ弁ユニットCV2のチェックバルブ271又は272が開いて、当該低圧側のメイン油路ML1又はML2に作動油が補充されるのである。
各リリーフバルブ281・282は、チャージ弁ユニットCV1・CV2において、それぞれのチェックバルブ271・272をバイパスするように設けられている。高圧側となったメイン油路ML1又はML2の油圧が、リリーフバルブ281又は282によって設定されたリリーフ圧を超えると、該当のリリーフバルブ281又は282が、当該高圧側のメイン油路ML1又はML2における余剰圧分の作動油をチャージ油路Lcへと戻して、当該高圧側のメイン油路ML1又はML2内の作動油の油圧を調節する。
チャージ弁ユニットCV2には、チェックバルブ272とリリーフバルブ282とをバイパスするように、可動斜板6の中立領域を拡張するためのニュートラルバルブ(オリフィス)283が設けられている。これに対応して、好ましくは、チャージ弁ユニットCV2のチェックバルブ272の開放によって油が補充されるメイン油路ML2を、車両の後進時に高圧側となる油路とする。これにより、可動斜板6の中立位置から後進用の傾倒方向に、油圧モータMの回転を確実に停止する中立領域が拡張される。なお、ニュートラルバルブを、車両前進時に高圧側となるメイン油路ML1に対してのチャージ弁ユニットCV1に設けることや、両方のチャージ弁ユニットCV1・CV2に設けることも考えられる。
メイン油路ML1が高圧側になるように可動斜板6の傾倒方向が設定されている場合、油圧モータMには、メインポートPeを介して作動油が供給されるとともに、油圧モータMからの作動油がメインポートPbを介して油圧ポンプ1のポートブロック10に戻される。一方、メイン油路ML2が高圧側になるように可動斜板6の傾倒方向が設定されている場合には、メインポートPbを介して作動油が油圧モータMに供給されるとともに、油圧モータMからの作動油がメインポートPeを介して油圧ポンプ1のポートブロック10に戻される。
手動弁であるバイパスバルブ29と、油圧モータMと、一対のチャージ弁ユニットCV1・CV2との間には、並列回路が構成されている。車両が牽引される場合等、車両の走行装置に連結される車軸(図示せず)を空転させる必要がある場合にバイパスバルブ29が開かれると、油圧ポンプ1を介さずに、油圧モータMとバイパスバルブ29との間において作動油を循環させることができる。これにより、牽引時に車輪にかかるHST閉回路内の作動油による抵抗を軽減できる。
ラインフィルタF2を通過した作動油は、油路L2及びチャージ油路Lcを介して油圧ポンプ1と油圧モータMとを含むHSTに供給されるとともに、油路L2及び油路L4を介してサーボユニット2に供給される。油圧ポンプ1は、サーボポートPsを有し、サーボユニット2は、入口ポートPiを有する。油路L4には、サーボユニット2の入口ポートPiとポートブロック10のサーボポートPsとに接続されるホース7c(図1参照)が含まれる。
作動油は、油路L4から入口ポートPiを介して、サーボハウジング20内に導入される。サーボハウジング20内に導入される作動油は、内蔵式フィルタF3によって濾過されたうえで、前述の如く、給排切換弁24・25のそれぞれの給入ポート24b・25bに供給される。一方、給排切換弁24・25の排出ポート24c・25cから排出される作動油は、サーボハウジング20の出口ポートPoから戻りポートPrを介して、ハウジング3内の油溜まり3bに排出される。
次に、図12〜図15に示す、サーボユニット、ラインフィルタ及び外部油圧ポンプ付きの油圧ポンプ1の別実施例と、図12〜図15の油圧ポンプを適用した図16に示す油圧回路構造について説明する。なお、図10及び図11にて示す前述の実施例における部材や部分と同じ構造または機能を有する部材や部分については、前述の実施例にて付していたものと同じ符号を付しており、これらについては、特別に説明する必要のない限り、説明を省略する。
図10及び図11に示すラインフィルタF2は、そのポートブロックBfを、油圧ポンプ1のポートブロック10より延設されるテーブルhtに取り付けており、該ポートブロックBfに、出口ポートとなる外付けのコネクタc2を設け、このコネクタc2と、油圧ポンプ1のポートブロック10の、ラインフィルタF2に対峙する側面にて開口するゲージポートPcとの間に、外付けの油管(ホース等)を油路L2として介設していた。
これに対し、図12〜図16に示すように油圧ポンプ1に取り付けられたラインフィルタF2では、前述のテーブルhtとポートブロックBfとを一体化したものに相当する構造のポートブロック50の側面を油圧ポンプ1のポートブロック10の前記側面に接合しており、この、ポートブロック10への接合側面にて開口する、ポートブロック50内の後記出口側油路50eの開口端を、ラインフィルタF2の出口ポート50fとし、この出口ポート50eを、ポートブロック10の前記側面で開口するゲージポートPcに直接接合している。したがって、図10、図11で示す実施例ではラインフィルタF2の出口ポートとゲージポートPcとを接続するのに必要とされた外付けの油管(図11における油路L2のうちのラインフィルタF2より下流側の部分)、及び、該油管をラインフィルタF2の出口ポートに接続するために該出口ポートに装着していたコネクタc2が、図12〜図16の実施例では不要となる。
このように、図12〜図16の実施例では、ラインフィルタF2のポートブロック50の側面を油圧ポンプ1のポートブロック10の側面に接合するだけで、ラインフィルタF2の出口ポート50fとポートブロック10のゲージポートPcとが直接接合され、簡単にラインフィルタF2からポートブロック10内のチャージ弁ユニットCV1・CV2への油路を構成することができ、また、構成される油路も短くてすみ、コンパクト性が確保される。なお、本実施例では、ポートブロック50とポートブロック10との接合面を貫通するように、出口ポートc2aからゲージポートPcまでに跨がる筒部材55を、ポートブロック50及びポートブロック10内に設けており、これにより、両ポート50e・Pc間の隙間からの油漏れを防ぐものとしている。
ポートブロック50及びポートブロック50に装着したラインフィルタF2の油路構造について詳述する。ポートブロック50の一面は、フィルタ装着面となっており、このフィルタ装着面に、ラインフィルタF2、すなわち、フィルタ本体52及び吐出ポート部材53を内装する略円筒状のフィルタケース51が取り付けられる。本実施例では、外部油圧ポンプ8a・8b・8cがポートブロック10より垂設されるようにポートブロック10の下面に取り付けられているのと同様に、ポートブロック50の下面をフィルタ装着面とし、このフィルタ装着面に取り付けたフィルタケース51を、外部油圧ポンプ8a・8b・8cと平行に、ポートブロック50より下方に垂設させた状態としている。フィルタ装着面を上面とした状態でポートブロック50をポートブロック10に接合すれば、このフィルタ装着面にラインフィルタF2を装着することで、油圧ポンプ1のハウジング3と平行な状態で上向きにラインフィルタF2を設けることができる。
ポートブロック50のフィルタ装着面(本実施例では下面)には、フィルタケース51内への油の吸入ポート50cとしての環状溝が形成されている。ポートブロック50の、フィルタ装着面とは反対側の面(本実施例ではポートブロック50の上面)に、前記のコネクタc1を装着するための入口ポート50aを開口しており、ポートブロック50内にて、本実施例では鉛直の入口側油路50bが穿設され、入口ポート50aを吸入ポート50cに接続している。
このように、ポートブロック50の対向状の一面(本実施例では上面)に入口ポート50a、他面(本実施例では下面)に吸入ポート50cを設けることで、図10の実施例ではポートブロックBfにおいてコネクタc1の装着される入口ポートを有する側面とラインフィルタF2を装着する面(上面)とが垂直状に配置されていて、入口ポートとフィルタ内への吸入ポートとを接続するにはL字状等の複雑な油路をポートブロックBfに形成する必要があったことに比べて、本実施例では、入口ポート50aと吸入ポート50cとを接続するようポートブロック50内に形成した入口側油路50bは直線状で、ポートブロック50の厚み方向(本実施例で上下方向)において最短の油孔構造となり、入口側油路50bを通過する中での油流及び油圧のロスが少なく、ラインフィルタF2による濾過効率を向上し、また、入口側油路50bを構成するための加工工程数も少なくてすみ、低コスト化にも貢献し得る。
フィルタケース51内には略円柱状のフィルタ本体52が収容されていて、吸入ポート50cよりフィルタケース51内に流入した油がフィルタ本体52へと導入されるものとなっている。ポートブロック50の前記フィルタ装着面(本実施例で下面)の吸入ポート50cにて囲まれる部分にて開口するように、ポートブロック50内に吐出ポート50dが形成されている。この吐出ポート50dに、ラインフィルタF2の吐出ポート部材53が装着され、フィルタ本体52の中心部に形成される吐出口部分に吐出ポート部材53を臨ませている。こうして、吸入ポート50cよりフィルタケース51内に流入した油が、図13で矢印にて示されるように、フィルタ本体52内を通過する過程で濾過され、吐出ポート部材53を介してポートブロック50内の吐出ポート50dへと吐出される構造となっている。
ポートブロック50内にて、吐出ポート50dからは、前記出口ポート50fまで、直線状の出口側油路50eが穿設されている。前述のように出口ポート50fがポートブロック10のゲージポートPcと接合した状態において、この出口側油路50eは、ポートブロック10内のチャージ油路Lcと同一軸芯上に延設されることとなる。したがって、吐出ポート50dからチャージ油路Lcまで、油路が直線状に形成され、当該油路を通過する中での油流及び油圧のロスが少なく、チャージ弁ユニットCV1・CV2の適正な作動に貢献し、また、出口側油路50d周りにおけるポートブロック50のコンパクト化に貢献するとともに、その加工工程数も少なくてすみ、低コスト化にも貢献し得る。
なお、ポートブロック50内には、吐出ポート50dに臨むようにフィルタ目詰まり検出スイッチ54が装着されている。また、このスイッチ54より吸入ポート50cに油路50gが延設されている。こうして、スイッチ54は、フィルタ本体52の第一次側(吸入ポート50c)と第二次側(吐出ポート50d)とに連通していることで、該第一次側と第二次側との間の油圧差を検出し、該油圧差が閾値を超えるか否かによってON・OFFが切り換わる構造である。すなわち、フィルタ本体52が目詰まりを起こすと、フィルタ本体52より第二次側の吐出ポート50dに流出する油の油圧が低下する。その低下量が大きくなって、第一次側との油圧差が一定値(閾値)を超えると、ラインフィルタF2(あるいはフィルタ本体52)の交換を必要とするものとして、スイッチ54のON・OFFが切り換わる(例えば、OFFであったスイッチ54がONする)。このスイッチ54の切り換わりが、スイッチ54より延設されている電線54aを介して、図外の警報装置(例えば、車両のダッシュボードにおける表示パネルに、フィルタ交換が必要であることを表示する)へと伝達され、該警報装置にて、車両の運転手にフィルタ交換の必要性を警報するものである。
ポートブロック50は、前述のように、上下反転してフィルタ装着面を上向きに、すなわち、ラインフィルタF2を上向き、入口ポート50a(コネクタc1)を下向きにした状態にしてポートブロック10に接合することもできる。したがって、油圧ポンプ1の周辺環境や、入口ポート50aに装着したコネクタc1に接続する図12に示す油路L2としての油管の取り回し等を考慮して、ラインフィルタF2を上向きとするか下向きとするかを選択して、ポートブロック50をポートブロック10に取り付けることができる。また、ポートブロック50はポートブロック10にボルト56にて締止されており、ボルト56を緩めることでポートブロック10より取り外し可能なので、例えば、一度はラインフィルタF2を上向きに選択しても、ポートブロック10にポートブロック50を取り付けてから考え直して、ラインフィルタF2を下向きにするようポートブロック50を付け直すこともできる。
なお、図13において、ポートブロック10内に、ポンプ軸4と同一軸芯上に配された軸であって、符号8dを付された軸が記載されているが、これは、外部油圧ポンプ8a・8b・8cを一体に駆動するためのポンプ駆動軸8dであって、油圧ポンプ1のポンプ軸4に、一体回転可能に接続されている。図10では図示されていないが、図10の実施例でも同様にポンプ駆動軸8dが設けられている。
以下においては、油圧式車軸駆動システム100について、図17、図18及び図19を用いて説明する。この油圧式車軸駆動システム100は、左右の駆動輪を備え、左右の駆動輪の回転速度差を利用して旋回するとともに、該左右の車輪の回転方向を互いに逆方向にして小旋回(ゼロターン)できるよう構成されたゼロターン式車両に適用される。
油圧式車軸駆動システム100は、タンクR2、左右一対の車軸駆動装置LA・RA、及び、左右一対のサーボ機構LB・RBを備える。左右一対の車軸駆動装置LA・RAは、それぞれ、油圧ポンプPm及び油圧モータM2を車軸駆動ケースLAa・RAaに一体として収容している。タンクR2は、左右の車軸駆動ケースLAa・RAaの上部間に架け渡されるように配置されている。左側の車軸駆動装置LAの車軸駆動ケースLAaは、車軸Lxを支持し、車両の左側駆動輪に連係されるように、該車軸Lxの左端部を車軸駆動ケースLAaの左端より左方に突出させている。右側の車軸駆動装置RAの車軸駆動ケースRAaは、車軸Rxを支持し、車両の右側駆動輪に連係されるように、該車軸Rxの右端部を車軸駆動ケースRAaの右端より右方に突出させている。各車軸駆動装置LA・RAにおいて、油圧ポンプPmと油圧モータM2との間で作動油が循環されるようにHSTが構成されている。各HSTにおける油圧モータM2の出力によって、各車軸駆動装置LA・RAが支持する車軸Lx・Rxが、互いに独立して駆動される構造が構成されている。
図18に示すように、車軸駆動装置LA・RAの各々においては、油圧ポンプPm及び油圧モータM2の間にメイン油路90・91が介設されている。油圧ポンプPm、油圧モータM、メイン油路90・91によってHSTが構成されている。油圧ポンプPmは、図17に示すように鉛直方向に延設されるポンプ軸Pma(図17では左車軸駆動装置LAのポンプ軸Pmaのみが図示されている)と、可動斜板65とを備えている。可動斜板65の傾倒方向及び傾倒角度は、後述の如く各サーボ機構LB・RBによって制御される。左右の車軸駆動装置LA・RAのポンプ軸Pmaの上端部は、車軸駆動ケースLAa・RAaより突出し、その突出部にプーリPmbが固設されている。左右のポンプ軸Pmaは、プーリPmbに巻回されたベルトを介して、エンジン等の原動機からの動力を同時に受け、これにより、左右の油圧ポンプPmが同時に駆動される。両車軸駆動装置LA・RAの可動斜板65は、互いに独立して傾動制御される。左右車軸駆動装置LA・RAの各々の油圧モータM2は、メイン油路90又は91を介して、それぞれの可動斜板65の傾倒方向及び傾倒角度に応じて吐出方向及び吐出量が設定された油圧ポンプPmから作動油が供給されて駆動される。その出力により該当の車軸Lx・Rxを駆動する。
各車軸駆動装置LA・RAは、以上の如き構成のHSTに関連して、油溜まりRp、チャージポンプ80、チャージリリーフバルブ81、チェックバルブ82、バイパスバルブ92、チャージチェックバルブ83、及び、チャージチェックバルブ85を備えている。ニュートラルバルブ84が付属したチャージチェックバルブ83は、メイン油路90に接続されている。ニュートラルバルブ86が付属したチャージチェックバルブ85は、メイン油路91に接続されている。チャージポンプ80は、HSTへの補充用の作動油を吐出する。この作動油は、後述の如きルートを通じて、即ち、左右のサーボ機構LB・RBを介して、各車軸駆動装置とは反対側の車軸駆動装置のHSTへと補充される。つまり、各車軸駆動装置LA・RAのHSTは、もう一方の車軸駆動装置LA・RAのチャージポンプ80から吐出される作動油を補充している。このように構成することで、チャージポンプ80からの吐出油が循環するうちに充分に冷却されてから、HSTに作動油として補充されるので、HSTの温度上昇を抑えることができる。
チャージリリーフバルブ81、チャージチェックバルブ83・85、ニュートラルバルブ84・86、バイパスバルブ92のそれぞれの機能は、前述の油圧ポンプ1におけるチャージリリーフバルブ26、チェックバルブ271・272、ニュートラルバルブ283のものと同様である。なお、本実施例では、両チャージチェックバルブ83・85のそれぞれをバイパスするようにニュートラルバルブ84・86が設けられており、前述のリリーフバルブ281・282に該当する高圧側のメイン油路の調圧用のリリーフバルブは設けられていない。しかし、ニュートラルバルブ84・86が高圧側のメイン油路から低圧側のチャージ油路へと油を排出するように機能することにより、高圧側のメイン油路の調圧作用は確保されている。
なお、チャージバルブ82は、油溜まりRbから負圧となっているメイン油路90又は91へと作動油を補充するためのものである。即ち、車両の原動機が停止して、油圧ポンプPmのポンプ軸Pmaもチャージポンプ80も駆動されない状態のときでも、チャージバルブ82の開放によって、負圧状態の何れかのメイン油路90・91へと作動油が補充される。これにより、坂道上に停車した状態の車両がHSTの閉回路から作動油が漏れることを防止できる。そのため、油圧モータM2にかかる作動油の抵抗が軽くなることによって不測に車両が坂道を下ってしまうような事態を防止できる。
左・右サーボ機構LB・RBは、それぞれの車軸駆動装置LA・RAの車軸駆動ケースLAa・RAaに収容される油圧ポンプPmの可動斜板65の傾倒方向及び傾倒角度を制御するためのものである。ここで、前記実施例に係る油圧ポンプ1のサーボ機構としては、給排切換弁24・25を収容するサーボハウジング20に油圧シリンダ21も構成した構造のサーボユニット2を用いていた。一方、本実施例の各サーボ機構LB・RBは、バルブブロックLV・RVと、該バルブブロックLV・RVからは分離された油圧シリンダCrとによって構成されている。このような分離構造により、バルブブロックLV・RVと油圧シリンダCrとの間に配管が必要となるという面はあるとしても、油圧シリンダCrを切り離した分だけ、バルブブロックLV・RV自体の厚みは小さくなる。そして、油圧シリンダCrと、バルブブロックLV・RVとの間には、他の部材等を配置するために有効な空間を空けることができる。また、バルブブロックLV・RVと油圧シリンダCrとが互いに束縛されない自由なレイアウト性を確保することができる。
左右各車軸駆動装置LA・RAの前後一側にそれぞれのサーボ機構LB・RBが配置されている。本実施例では、サーボ機構LB・RBを車軸駆動装置LA・RAの前側に配置するものとしている。例えば、油圧式車軸駆動システム100をミッドシップ式のモアユニットを備えたモアトラクタの後輪駆動用に適用するとすれば、左右車軸Lx・Rxを支持する車軸駆動装置LA・RAの前方において、モアユニットのすぐ後方にサーボ機構LB・RBが配置される。即ち、各車軸駆動装置LA・RAにより、サーボ機構LB・RBの油圧シリンダCr及びバルブブロックLV・RV及びその関連の後述の如き配管構造の保護性を高めることができる。
以下、サーボ機構LB・RBが車軸駆動装置LA・RAの前側に配置されているものとの前提で、油圧式車軸駆動システム100について説明する。各サーボ機構LB・RBにおいて、バルブブロックLV・RVは、その車軸駆動装置LA・RAの車軸駆動ケースLAa・RAaの下部の前側に固設されており、油圧シリンダCrは、当該車軸駆動ケースLAa・RAaの上部の前側に固設されている。このように、車軸駆動ケースLAa・RAaの下部にバルブブロックLV・RLが取り付けられている。一方、上述の如く、油圧シリンダCrは、バルブブロックLV・RVから分離されて、車軸駆動ケースLAa・RAaの上部に取り付けられている。そのため、バルブブロックLV・RVの上下方向の厚みは、油圧シリンダCrを除いた分だけ薄くなり、その下方延出量が抑えられている。各バルブブロックLV・RVの底端は、車軸駆動ケースLAa・RAaの底端と略均等の高さに配置されている。これにより、車両の必要な地上高を確保できる。
図17に示すように、各バルブブロックLV・RVには、二つの給排切換弁44・45が上方より嵌入されており、バルブブロックLV・RVの上面より、それぞれの比例ソレノイド44a・45aが立設された状態で、左右に並設されている。なお、バルブブロックLV・RVが互いに対峙する側を左右内側とし、それと反対の側を左右外側とすると、各バルブブロックLV・RVにおいて、給排切換弁44が左右外側に、給排切換弁45が左右内側に配置されている。これら比例ソレノイド44a・45aの傍ら(すぐ後方)には、防壁のように各車軸駆動ケースLAa・RAaの前部が配置されている。こうして、比例ソレノイド44a・45bが保護されて、これらの破損を防止できる。
給排切換弁44は、比例ソレノイド44a、給入ポート44b、排出ポート44c、及び、給排ポート44dを含む。給排切換弁45は、比例ソレノイド45a、給入ポート45b、排出ポート45c、及び、給排ポート45dを含む。各比例ソレノイド44a・45aは、制御電流値と比例した駆動力を発生させる。二つの給排切換弁44・45のうちの一方(給排切換弁44)は、前進用に励磁され、他方(給排切換弁45)は、後進用に励磁される。
各給排切換弁44・45は、制御電流値に応じて、供給位置と排出位置とに振動的に切り換えられるように構成されている。例えば給排切換弁44が供給位置にあるときには、給入ポート44bを給排ポート44dに連通することにより、給入ポート44bに導入されている作動油を該当の油室に供給する。一方、給排切換弁45が排出位置にあるときには、給排ポート45dを排出ポート45cに連通することにより、該当の油室から給排ポート45dに導入される作動油を、ポートブロックLVの外部に排出する。
このような作動油の供給と排出との繰り返しにより、油圧シリンダCr内の二つの油室における圧力が設定される。なお、油圧式車軸駆動システム100においても、各比例ソレノイド44a・45aに印加される制御電流値は、上述の操作具の操作量に応じてコントローラによって制御される(図示せず)。
図19に示すように、それぞれの車軸駆動ケースLAa・RAaと接する各バルブブロックLV・RVの後側面には、本体出口ポートP1及び本体入口ポートP7が開口されている。また、図17〜図19に示すように、各バルブブロックLV・RVの外側面においては、給排切換弁44の給排ポート44dに接続される第一給排ポートP2、給排切換弁45の給排ポート45dに接続される第二給排ポートP3、サーボリリーフバルブ87のリリーフ側に接続される出口ポートP4、本体入口ポートP7に接続される戻りポートP5、及び、両給排切換弁44・45の排出ポート44c・45cに接続されるドレンポートP6が設けられている。互いに対峙するバルブブロックLV・RVの面を左右内側面とし、それと反対の面を左右外側面とすると、出口ポートP4及びドレンポートP6が左右内側面に設けられ、第一給排ポートP2が左右外側面に設けられている。また、バルブブロックLV・RVの前側においては、左右内側寄りの部分に第二給排ポートP3を設けており、左右外側寄りの部分に戻りポートP5を設けている。一方、油圧シリンダCrの前側においては、左右外側寄りの部分に第一ポートCp1が設けられ、左右内側寄りの部分に第二ポートCp2が設けられている。第一ポートCp1は、その油圧シリンダCr内におけるピストンの左右外側の油室に連通しており、第二ポートCp2は、該ピストンの左右内側の油室に連通している。
図19に示すように、各バルブブロックLV・RVを、左右中央で左右内側半部と左右外側半部とに区分した場合に、給排切換弁44・45は、各バルブブロックLV・RVの左右内側半部に配置されている。この左右内側半部のうち、給排切換弁44・45よりも前方の部分は、前方に膨出している。該膨出部分には、水平方向且つ前後方向に沿って延設されるサーボリリーフバルブ87が収容されている。即ち、各バルブブロックLV・RVの前部は、左右内側半部の前部が左右外側半部の前端よりも前方に突出することで、段差が形成されている。各バルブブロックLV・RVの前側に配設される第二給排ポートP3及び戻りポートP5のうち、第二給排ポートP3は、前方に膨出した左右内側半部の前側面にて開口しており、更に、サーボリリーフバルブ87よりも左右内側に配置されている。一方、戻りポートP5は、左右内側半部の前部よりも一段後方に配置される左右外側半部の前側面にて開口している。
図19に示す右バルブブロックRVの内部の油路のレイアウトについて説明する。なお、左バルブブロックLVは、右バルブブロックRVに対して左右対称であること以外は、右バルブブロックRVの油路構造と同じ構造を有する。そのため、この右バルブブロックRV内の油路構造の説明によって、左バルブブロックLV内の油路構造も説明したものとする。
左右に並設される給排切換弁44・45が、バルブブロックRVの上面より鉛直下向きに形成されている。また、各給排切換弁44・45の上部に排出ポート44c・45cが、上下中間部に給入ポート44b・45bが、下端部に給排ポート44d・45dが形成されている。バルブブロックRVの後側面の本体入口ポートP1と、バルブブロックLVの前部に収容されるサーボリリーフバルブ87とは、同一軸線上に配置されており、これらは、左右給排切換弁44・45の間にて前後方向に延設される給入油路71を介して接続されている。また、右側のバルブブロックRV内にて、左右外側(図19の紙面上は左側)の給排切換弁44の給入ポート44bと、左右内側(図19の紙面上は右側)の給排切換弁45の給入ポート45bとの間には、左右方向且つ水平方向を向いた油孔が穿設されている。該油孔は、給入油路71と直角に交差している。また、該油孔のうち、給入油路71から外側給排切換弁44の給入ポート44bへと延設される部分を第一給入油路71aとし、給入油路71から内側の給排切換弁45の給入ポート45bへと延設される部分を第二給入油路71bとしている。
また、バルブブロックRVの左右内側面(右バルブブロックRVでは左側面)にて開口するドレンポートP6の右方には、左右方向且つ水平方向を向いた油孔が穿設されている。排出油路72としての該油孔は、内側の給排切換弁45の排出ポート45cを経て、外側の給排切換弁44の排出ポート44cに至る。なお、排出油路72のうち、排出ポート44c・45c間の部分は、前後方向に延設される給入油路71よりも上方の部分を通過しており、給入油路71とは交差しない。排出油路72は、両給排切換弁44・45の排出ポート44c・45cをドレンポートP6へと連通している。
また、バルブブロックRVにて、外側の給排切換弁44の下端の給排ポート44dから、バルブブロックRVの右側面(左右外側面)に配設される第一給排ポートP2まで、バルブブロックRVの左右外側半部の前側面に沿って、第一給排油路73が延設されている。一方、内側の給排切換弁45の下端の給排ポート45dから、バルブブロックRVの左右内側半部の前側面に配設される第二給排ポートP3まで、バルブブロックRVの左側面(左右内側面)に沿って、第二給排油路74が延設されている。
また、バルブブロックRVの左右内側半部の膨出部分内にて、サーボリリーフバルブ87から、バルブブロックRVの左右内側面に配設される出口ポートP4まで、左右方向且つ水平方向を向いたリリース油路75が延設されている。なお、リリース油路75は、第二給排油路74よりも上方の部分を通過しており、第二給排油路74と交差することはない。一方、バルブブロックRVの左右外側半部の前側面に配設される戻りポートP5と、バルブブロックRVの後側面に配設される本体入口ポートP7とが、同一軸線上に配置されており、これらは、前後方向且つ水平方向に延設される戻り油路76を介して接続される。なお、戻り油路76は、第一給排油路73よりも上方の部分を通過しており、第一給排油路73と交差することはない。更に、戻り油路76は、鉛直方向に延設される内側の給排切換弁44よりも右方の部分を通過しており、給排切換弁44と交差することもない。
次に、左右のサーボ機構LB・RBに関係する配管構造について、図17及び図18より説明する。
各サーボ機構LB・RBは、それぞれ、各バルブブロックLV・RVと、その上側に配置される油圧シリンダCrとの間に介設される油管として、油管93及び油管94を有している。油管93は、第一給排ポートP2と第一ポートCp1とを接続する。油管94は、第二給排ポートP3と第二ポートCp2とを接続する。これらの配管により、油圧シリンダCr内の両油室が、バルブブロックLV・RVそれぞれの給排切換弁44・45の給排ポート44d・45dと接続される。
そして、左右のバルブブロックLV・RV間に介設される油管として、油管96及び油管97が設けられている。油管96は、左側のバルブブロックLVの出口ポートP4と右バルブブロックRVの戻りポートP5とを接続する。油管97は、右バルブブロックRVの出口ポートP4と左バルブブロックLVの戻りポートP5とを接続する。これらの配管により、両バルブブロックLV・RV間で油が流通可能である。更に、左右両バルブブロックLV・RVとタンクR2との間に介設される油管として、各バルブブロックLV・RVのドレンポートP6よりタンクR2へと油管95が延設されている。なお、図18に示すように、各車軸駆動ケースLAa・RAaには、それぞれの油溜まりRpと連通するドレンポートPLa・PRaが開口しており、各ドレンポートPLa・PRaとタンクR2との間に、油管98が介設されている。
左右車軸駆動装置LA・RAの各チャージポンプ80は、それぞれの車軸駆動ケースLAa・RAaの油溜まりRpより作動油を吸入し、本体出口ポートP1及び給入油路71を介してバルブブロックLV・RV内へと作動油を吐出する。こうしてバルブブロックLV・RVに導入されたチャージポンプ80からの吐出油は、サーボリリーフバルブ87にて調圧された上で、第一・第二給入油路71a・71bを介して、給排切換弁44・45の給入ポート44b・45bに流入する。給排切換弁44が励磁されれば、給排ポート44dから、第一給排油路73、第一給排ポートP2、油管93、及び、第一ポートCp1を介して、油圧シリンダCrの一方の油室に作動油が供給される。給排切換弁44が解磁されれば、油圧シリンダCrの該一方の油室から、第一ポートCp1、油管93、第一給排ポートP2、第一給排油路73、給排ポート44d、排出ポート44c、排出油路72、ドレンポートP6、及び、油管95を介して、タンクR2に油が排出される。給排切換弁45が励磁されれば、給排ポート45dから、第二給排油路74、第二給排ポートP3、油管94、及び、第二ポートCp2を介して、油圧シリンダCrの他方の油室に作動油が供給される。給排切換弁45が解磁されれば、油圧シリンダCrの該他方の油室から、第二ポートCp2、油管94、第二給排ポートP3、第二給排油路74、給排ポート45d、排出ポート45c、排出油路72、ドレンポートP6、及び、油管95を介して、タンクR2に油が排出される。
左側のバルブブロックLVにおけるサーボリリーフバルブ87よりリリースされた余剰圧分の油は、左バルブブロックLVのリリース油路75及び出口ポートP4、左右バルブブロックLV・RV間に介設される油管96、右バルブブロックRVの戻りポートP5、戻り油路76及び本体入口ポートP7を介して、右車軸駆動装置RAへと導入される。そして、余剰分の油は、ここでチャージリリーフバルブ81にて調圧された後、チャージチェックバルブ83又は85を介して、右車軸駆動装置RAのHSTのメイン油路90・91へと補充される。一方、右バルブブロックRVにおけるサーボリリーフバルブ87よりリリースされた余剰圧分の油は、右バルブブロックLVのリリース油路75及び出口ポートP4、左右バルブブロックLV・RV間に介設される油管97、左バルブブロックLVの戻りポートP5、戻り油路76及び本体入口ポートP7を介して、左車軸駆動装置LAへと導入される。そして、余剰分の油は、ここでチャージリリーフバルブ81にて調圧された後、チャージチェックバルブ83又は85を介して、左車軸駆動装置LAのHSTのメイン油路90・91へと補充される。このように、左右各車軸駆動装置LA・RAに取り付けられたサーボ機構LB・RBそれぞれのサーボリリーフバルブ87のリリース油路から、他方の車軸駆動装置LA・RA内のチャージリリーフバルブ81へと、油管96・97等を含む直列回路が構成されている。
なお、各車軸駆動装置LA・RAにおいて、チャージリリーフバルブ81よりリリースされた余剰圧分の油は、その車軸駆動ケースLAa・RAa内の油溜まりRpに排出される。また、油溜まりRpは、それぞれのドレンポートPLa・PRa及び油管98を介してタンクR2に連通している。そのため、HSTの作動で油溜まりRpの温度が上昇してその容積が増大しても、当該増大分の油がタンクR2に吸収され、油溜まりPpの容積が調整される。
1 油圧ポンプ
2 サーボユニット
26 チャージリリーフバルブ
7c ホース
7r プラグ
7s プラグ
8a,8b,8c 外部油圧ポンプ
11 サポータ
12 サポータ
12c 角度センサー
50 ポートブロック
F2 ラインフィルタ
M 油圧モータ
Pb メインポート(外部ポート)
Pc ゲージポート
Pe メインポート(外部ポート)
Ps サーボポート

Claims (6)

  1. 動力源からの動力を受けて駆動される駆動軸と、
    前記駆動軸を回転自在に支持するハウジングと、
    前記ハウジングと組み合わせられるポートブロックと、
    前記ハウジングに収容されるとともに前記ポートブロックに摺動回転自在に取り付けられるシリンダブロックと、
    前記シリンダブロックに形成したシリンダに、前記駆動軸と平行に往復動自在に嵌入される複数のプランジャと、
    前記ハウジングに収容されるとともに前記ハウジングに回転可能に支持され、前記プランジャと当接する可動斜板とよりなる、アキシャルピストン式の油圧ポンプであって、
    前記ハウジングは、前記可動斜板の傾倒方向及び傾倒角度を調整するためのサーボユニットが着脱自在に取り付けられるように構成されており、
    前記ポートブロックには、一対の外部ポートと、該一対の外部ポートをそれぞれ前記シリンダブロック内の前記シリンダに連通する一対のメイン油路とが設けられており、
    前記一対の外部ポートは、前記油圧ポンプから離れて設けられる油圧モータに対して外部配管にて接続されて油圧式無段変速装置を構成するために用いられるものである、ことを特徴とする油圧ポンプ。
  2. 前記ポートブロック内には、前記一対のメイン油路に対して作動油を供給するためのチャージ油路が設けられており、
    前記ポートブロック内に、前記チャージ油路内の油圧を調整するためのチャージリリーフバルブが設けられ、
    前記チャージリリーフバルブは、前記ポートブロックより前記ハウジング内へと延出されている、ことを特徴とする請求項1に記載の油圧ポンプ。
  3. 前記ポートブロックは、前記シリンダブロックが取り付けられる平面であって前記駆動軸に対して直交する平面を有し、
    前記一対のメイン油路は、互いに平行であり、且つ、前記ポートブロックの前記平面に対して平行である平行部分を有し、
    当該平行部分には、一対のチャージチェックバルブが設けられており、
    前記チャージ油路に接続される前記チャージリリーフバルブと前記チャージ油路とは、前記ポートブロックにおいて前記一対のチャージチェックバルブの間の部分に配設されており、
    前記チャージリリーフバルブは、前記駆動軸に対して平行の方向に延設されている、ことを特徴とする請求項2に記載の油圧ポンプ。
  4. 前記チャージ油路は、前記一対のチャージチェックバルブに直交して、前記ポンプブロックにおいて互いに対向する一側面から他側面まで延設されており、
    該ポンプブロックの該一側面における該チャージ油路の開口端を、該油圧ポンプの外部より作動油を受けるためのゲージポートとし、該ポンプブロックの該他側面における該チャージ油路の開口端を、前記ハウジングに取り付けられた前記サーボユニットに作動油を供給するためのサーボポートとする、ことを特徴とする請求項3に記載の油圧ポンプ。
  5. 前記可動斜板の両側を前記ハウジングに傾転自在に支持する一対のサポータを設けており、該両サポータのうちの一方のサポータに前記サーボユニットを固定し、他方のサポータに該可動斜板の傾斜角度を検知するセンサーを固定していることを特徴とする請求項1に記載の油圧ポンプ。
  6. 前記油圧ポンプは、前記駆動軸によって駆動される少なくとも一つの外部油圧ポンプを備えており、該外部油圧ポンプより吐出される油を前記サーボユニットに供給するように構成されているとともに、その油を該サーボユニットへの導入前に濾過するフィルタを一体に備えていることを特徴とする請求項1に記載の油圧ポンプ。
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