JP2016223374A - 電動コンプレッサ - Google Patents
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Abstract
【課題】吸入した冷媒を圧縮する圧縮機構の回転体をモータにより回転させる電動コンプレッサにおいて液圧縮状態が発生しても、圧縮機構の回転体の回転軸を軸受する部分に過大な負荷がかかるのを抑制する。【解決手段】圧縮機構3で液圧縮状態が発生しシリンダ室3d内でロータ3eが過大荷重により移動すると、回転軸5aを軸受する軸受部材37がサイドブロック3a,3bの各貫通部3n,3o内で過大荷重の方向に移動する。すると、吐出側の圧縮室で圧縮された高圧の冷凍機油や液相の冷媒が隣の吸入側の圧縮室に流れ込み、ロータ3eにかかる過大荷重が下がる。このため、サイドブロック3a,3bの各軸受部3f,3gにおいて回転軸5aが軸受部3f,3gに強く押し付けられて軸摩擦を起こし、回転軸5aや軸受部3f,3gが劣化するのを抑制することができる。【選択図】図3
Description
本発明は、冷媒を圧縮する冷凍サイクル用のコンプレッサに係り、特に、電動モータを動力源とする電動コンプレッサに関する。
冷凍サイクルに用いるコンプレッサは、低温低圧の冷媒を吸入し、圧縮により高温高圧とした冷媒を吐出する。このコンプレッサで用いられる圧縮機構の中には、回転体を回転させることで冷媒を吸入し圧縮するものがある。
この種の圧縮機構では、シリンダブロックの内部に両面が開放されたシリンダ室を形成し、回転体をシリンダ室に収容した状態で、シリンダブロックの両面の開口をサイドブロックで塞いでいる。そして、各サイドブロックを貫通する回転体の回転軸を、各サイドブロックの貫通部分に設けた軸受部によって軸受している。
また、コンプレッサの中には、上述した圧縮機構の回転体を回転させる動力源として電動モータを有する電動コンプレッサがある。電動コンプレッサでは、加熱する電動モータを吸入冷媒で冷却するために、圧縮機構の吸入室側に電動モータが配置される。そして、吸入室内で電動モータの出力軸と圧縮機構の回転軸とが連結されて、電動モータの出力が圧縮機構の回転体に伝達される(以上、例えば特許文献1)。
ところで、冷凍サイクルから電動コンプレッサに吸入される冷媒には、ミスト状となった冷凍機油が含まれている。この冷凍機油は、吸入室内で電動モータや圧縮機構に衝突して冷媒から分離され、吸入室の底部に溜まる場合がある。また、冷凍サイクルの冷凍負荷の状態によっては、冷媒が液相の状態で吸入されて吸入室の底部に溜まる場合がある。
このような冷凍機油や液相の冷媒が液体の状態で圧縮機構に吸入されると、圧縮機構の内部において、気体よりも圧縮率が低い液体を圧縮する液圧縮状態が生じる。液圧縮状態が生じると、シリンダ室内周面から離間させる方向への過大な負荷が回転体に加わり、回転軸の軸受部分における軸摩擦が促進されてしまう。
本発明は前記事情に鑑みなされたもので、本発明の目的は、吸入した冷媒を圧縮する圧縮機構の回転体をモータにより回転させる電動コンプレッサにおいて液圧縮状態が発生しても、圧縮機構の回転体の回転軸を軸受する部分に過大な負荷がかかるのを抑制することができる電動コンプレッサを提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明の電動コンプレッサは、
吸入室に吸入した冷媒を圧縮して吐出室に吐出する圧縮機構を電動モータで駆動する電動コンプレッサにおいて、
前記圧縮機構は、
前記吸入室及び前記吐出室にそれぞれ露出した2つのサイドブロックにより挟持したシリンダブロックのシリンダ室内で回転して該シリンダ室内の冷媒を圧縮する回転体と、
前記各サイドブロックにそれぞれ設けられ、前記回転体の回転軸を軸受する軸受部と、
を有しており、
前記各軸受部は、
前記シリンダ室内で発生した液圧縮状態により過大荷重が加わった前記回転体が前記シリンダ室の内周面上の最近接箇所から離間する方向に、前記各サイドブロックに対して移動可能に支持され、前記回転軸を軸受する軸受部材と、
前記液圧縮状態の発生により前記各サイドブロックに対して前記離間方向に移動した前記各軸受部材を、移動前の通常位置に復帰するように付勢する付勢部材と、
をそれぞれ有している、
ことを特徴とする。
吸入室に吸入した冷媒を圧縮して吐出室に吐出する圧縮機構を電動モータで駆動する電動コンプレッサにおいて、
前記圧縮機構は、
前記吸入室及び前記吐出室にそれぞれ露出した2つのサイドブロックにより挟持したシリンダブロックのシリンダ室内で回転して該シリンダ室内の冷媒を圧縮する回転体と、
前記各サイドブロックにそれぞれ設けられ、前記回転体の回転軸を軸受する軸受部と、
を有しており、
前記各軸受部は、
前記シリンダ室内で発生した液圧縮状態により過大荷重が加わった前記回転体が前記シリンダ室の内周面上の最近接箇所から離間する方向に、前記各サイドブロックに対して移動可能に支持され、前記回転軸を軸受する軸受部材と、
前記液圧縮状態の発生により前記各サイドブロックに対して前記離間方向に移動した前記各軸受部材を、移動前の通常位置に復帰するように付勢する付勢部材と、
をそれぞれ有している、
ことを特徴とする。
吸入した冷媒を圧縮する圧縮機構の回転体をシリンダ室内でモータにより回転させる電動コンプレッサにおいては、回転体がシリンダ室の内周面に最も近づいて両者間の空間内の冷媒が最も圧縮される回転角度に回転体が位置するときに、液圧縮状態の発生により回転体に加わる過大荷重が最も大きくなる。そこで、本発明では、回転体の回転軸の軸受部材をサイドブロックに対して、シリンダ室の内周面に対する最近接箇所から回転体が離間する方向に移動可能に支持させている。
このため、本発明では、液圧縮状態により回転体に加わる過大荷重が最大になると、その過大荷重により回転体が軸受部材と共にサイドブロックに対して移動し、シリンダ室内周面の最近接箇所と回転体との間隔が広げられる。すると、シリンダ室内周面の最近接箇所と回転体との間の空間内に存在する最も圧縮された冷媒の圧力が、最近接箇所と回転体との広がった間隔の部分を通って回転体の回転方向に隣接する空間に逃がされて減少する。したがって、液圧縮状態の発生により回転体に過大荷重が加わって回転体の回転軸を軸受する部分に過大な負荷がかかるのを抑制することができる。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。
図1は一般的な電動コンプレッサの概略構成を示す正断面図、図2は図1の圧縮機構の拡大断面図である。図1に示す電動コンプレッサ1は、回転式の圧縮機構3を電動モータ5で駆動して冷媒を圧縮するものである。
そして、電動コンプレッサ1は、圧縮機構3及び電動モータ5の他、これらが収容されるハウジング7、及び、電動モータ5の駆動を制御するコントローラ15を有している。
圧縮機構3は、一対のサイドブロック3a,3bと、これらによって挟持されたシリンダブロック3cと、シリンダブロック3cの内部に形成された楕円形のシリンダ室3dに収容した円柱状のロータ3eとを有している。この圧縮機構3は、ロータ3eがシリンダ室3dの中心から偏心した位置を中心に回転する偏心型のベーンロータリー圧縮機を構成している。
ロータ3e(請求項中の回転体に相当)は、サイドブロック3a,3bの軸受部3f,3gで軸受された電動モータ5の回転軸5aに取り付けられており、図2に示すように、ロータ3eの周面に開口する複数のベーン溝31には、ロータ3eの周面から出没可能に複数のベーン33がそれぞれ支持されている。
ロータ3eが電動モータ5によりシリンダ室3d内で回転方向X(正方向)に回転されると、ロータ3eの各ベーン33がシリンダ室3dの内周面に倣ってベーン溝31から出没し、ロータ3eと隣り合う2つのベーン33とシリンダ室3dとで構成される圧縮室35の容積が変化する。
そして、圧縮室35の容積が増加する間に、サイドブロック3aに形成した吸入口(図示せず)を通じて低圧の冷媒が吸入され、吸入された冷媒が、圧縮室35の容積の減少に伴い圧縮される。圧縮された高圧の冷媒は、シリンダブロック3cの吐出ポート3lの吐出弁3mを開弁させ、さらに、サイドブロック3bに形成した吐出口(図示せず)から吐出される。
なお、圧縮室35の冷媒は、圧縮室35がシリンダ室3dの最上部付近にあるときに最も高圧に圧縮されて、吐出弁3mを開弁させ吐出ポート3lから不図示の吐出口から吐出室7a(図1参照)に吐出される。したがって、圧縮機構3のロータ3eや電動モータ5の回転軸5aに圧縮室35の圧縮冷媒から加わる荷重も、圧縮室35がシリンダ室3dの最上部付近にあるときに最も高くなる。
図1に示すように、電動モータ5は、回転軸5aに取り付けられたロータ5bと、ロータ5bの外側に配置されたステータ5cとを有している。ステータ5cは複数の極に対応したティース(図示せず)を有しており、各ティースにはコイル5dがそれぞれ巻回されている。電動モータ5は、各コイル5dに所定のパターンで電圧を印加することでステータ5cに回転磁界を発生させることで、ロータ5bを回転させる。
ハウジング7は、一端が閉塞された円筒状を呈している。このハウジング7には圧縮機構3が収容されており、収容された圧縮機構3によりハウジング7の内部は、サイドブロック3bが露出する閉塞側の密閉された吐出室7aと、サイドブロック3aが露出する開口側の吸入室7bとに仕切られている。吸入室7bには電動モータ5が収容されており、吸入室7bは、ハウジング7の開口7cに取り付けた蓋部9によって密閉されている。
上述した吸入室7bは、圧縮機構3によって圧縮する低温低圧の冷媒が、電動コンプレッサ1の外部(例えば、冷凍サイクルの蒸発器)から不図示の吸入ポートを介して吸入される空間である。
また、圧縮機構3によって吸入室7bと気密に仕切られた吐出室7aは、圧縮機構3によって圧縮された高温高圧の冷媒を、不図示の吐出ポートを介して電動コンプレッサ1の外部(例えば、冷凍サイクルの凝縮器)に吐出する空間である。この吐出室7aの下部には、冷凍機油11が貯留される液溜まり部7dが形成されている。
液溜まり部7dの冷凍機油11は、吐出室7aの冷媒の圧力によりサイドブロック3a,3bの軸受部3f,3gに供給されて、軸受部3f,3gが軸受する回転軸5aの潤滑に用いられる。軸受部3f,3gは、サイドブロック3a,3bの回転軸5aが貫通する貫通孔の内周面に形成された環状溝からなる。
サイドブロック3aの軸受部3fには、サイドブロック3bの供給通路3hと、シリンダブロック3cの供給通路3iと、サイドブロック3aの供給通路3jとを介して、液溜まり部7dの冷凍機油11が供給される。サイドブロック3bの軸受部3gには、サイドブロック3bの供給通路3kを介して液溜まり部7dの冷凍機油11が供給される。
サイドブロック3a,3bの軸受部3f,3gに供給された冷凍機油11は、回転軸5aとの隙間を経て吸入室7bに流入し、吸入室7bの底部に溜まる。吸入室7bの底部には、吸入室7bに吸入された液相の冷媒も溜まる。吸入室7bの底部に溜まった冷凍機油11や液相の冷媒は、吸入室7bの冷媒の流れに乗って圧縮機構3のシリンダ室3dに吸入され、ここで圧縮された高圧の冷媒に混じって吐出室7aに吐出される。
そこで、吐出室7aには、高圧の冷媒から冷凍機油11を分離する油分離器7eが設けられる。油分離器7eによって冷媒から分離された冷凍機油11は、吐出室7aの下部の液溜まり部7dに滞留される。
ところで、吸入室7bの底部に溜まった冷凍機油11や液相の冷媒が、圧縮機構3のシリンダ室3dに吸入されて圧縮室35内で圧縮されると、液圧縮状態が発生する。液体は気体よりも圧縮による容積減少が少ないので、シリンダ室3dに吸入される冷凍機油11や液相の冷媒の量が増えると、液圧縮状態の発生に伴い圧縮室35内の圧力が通常以上に上昇する。
すると、圧縮室35の流体(気体や液体)が最も高圧に圧縮されるシリンダ室3dの最上部付近において、圧縮室35の圧縮液体から圧縮機構3のロータ3eや電動モータ5の回転軸5aに、シリンダ室3dの内周面からロータ3eが離間する方向、つまり、図中下方への過大荷重が加わる。このような過大荷重は、軸受部3f,3gにおける回転軸5aの軸摩擦を促進させ、回転軸5aや軸受部3f,3gの劣化を招く。
そこで、本発明では、サイドブロック3a,3bの軸受部3f,3gに、圧縮機構3で液圧縮状態が発生したときの過大荷重による回転軸5aや軸受部3f,3gの劣化を抑制する構造として、以下に説明する構成を採用した。
図3は、図1に示す電動コンプレッサ1の圧縮機構3に適用される本発明の一実施形態に係る軸受機構の概略構成を示す電動コンプレッサのある方向から見た要部断面図である。図3に示す実施形態の圧縮機構3では、サイドブロック3a,3bの軸受部3f,3gに、回転軸5aの外径よりも大きい貫通部3n,3oを形成し、回転軸5aを回転可能に軸受する軸受部材37と付勢部材39とを各貫通部3n,3oにそれぞれ収容している。
図3のI−I線断面図である図4に示すように、サイドブロック3bの軸受部3fに設けられた貫通部3oは、半円状の半部に矩形状の残りの半部を接続した形状を有している。貫通部3oに収容される軸受部材37は、貫通部3oの矩形状の半部を若干短くした輪郭を有している。
シリンダ室3d内では、ロータ3eがシリンダ室3dの内周面に最も近づいて両者間の圧縮室35内の圧縮冷媒の圧力が最も高くなる回転角度にロータ3eが位置するときに、液圧縮状態の発生によりロータ3eに加わる過大荷重が最も大きくなる。そこで、本実施形態では、ロータ3eの回転軸5aの軸受部材37をサイドブロック3bに対して、シリンダ室3dの内周面上のロータ3eが最も近接する箇所からロータ3eが離間する方向に移動可能に支持させている。
即ち、軸受部材37は貫通孔3o内に、ロータ3eがシリンダ室3dの内周面と最も近接する箇所と回転軸5aの中心とを結ぶ不図示の直線の方向に移動可能に収容されている。言い換えると、軸受部材37は貫通部3o内に、液圧縮状態による最大の過大荷重でロータ3eが移動する方向に移動可能に収容されている。
なお、図4中に括弧書きの符号で示すサイドブロック3aの軸受部3fに設けられた貫通部3n及び軸受部材37も、サイドブロック3bの軸受部3fの貫通部3o及び軸受部材37と同様に構成されている。
ちなみに、図3の要部断面図は、上述した図4の、ロータ3eがシリンダ室3dの内周面と最も近接する箇所と回転軸5aの中心とを結ぶ不図示の直線を含む平面で圧縮機構3及び電動モータ5のロータ5bとを切断した断面図ということになる。
付勢部材39は、貫通部3n内に収容されて軸受部材37の矩形の半部との間に配置されている。この付勢部材39により軸受部材37は、貫通部3nの半円状の半部側に付勢されている。この付勢部材39は、例えば、板ばねや皿ばね、コイルスプリング、あるいは、ゴム等の弾性を有する部材で構成されている。
なお、図4中に括弧書きの符号で示すサイドブロック3aの軸受部3fに設けられた貫通部3nの付勢部材39も、サイドブロック3bの軸受部3fに設けられた貫通部3oの付勢部材39と同様に構成されている。
但し、電動モータ5に近い軸受部3fの付勢部材39のばね定数は、電動モータ5から遠い(吐出室7a側の)軸受部3gの付勢部材39のばね定数よりも大きい値に設定されている。
また、各軸受部3f,3gの軸受部材37と回転軸5aとの間には、ハウジング7の吐出室7aの液溜まり部7dから供給通路3h,3i,3j,3kを介して潤滑用の冷凍機油11が供給される。そのために、各サイドブロック3a,3bの貫通部3n,3o内の軸受部材37には、軸受部材37が貫通部3n,3oに対する移動可能な方向のどの位置にあっても供給通路3j,3kと連通する不図示の供給通路が形成されている。
このように構成された本実施形態の電動コンプレッサ1では、図4に示すように圧縮機構3のロータ3eがシリンダ室3dの内周面の水平方向ほぼ右側付近の箇所と接触する回転角度に位置するときに、圧縮室35の流体が最も高圧に圧縮される。このため、圧縮室35に冷凍機油11や液相の冷媒が多く存在していると発生する液圧縮状態も、ロータ3eが上述した回転角度に位置するときに最も大きくなる。
そして、圧縮機構3の圧縮室35内で発生した冷凍機油11や液相の冷媒の液圧縮状態によりロータ3eにかかる過大荷重が最大となり、その方向が、ロータ3eが接触しているシリンダ室3dの内周面の水平方向ほぼ右側付近の箇所からロータ3eが離間する方向になると、図5に示すように、各軸受部3f,3gの軸受部材37が付勢部材39の付勢力に抗して各貫通部3n,3o内で矩形の半部側に移動して、シリンダ室3d内でロータ3eが過大荷重の方向に移動する。
これにより、図4及び図5を比較すると分かるように、シリンダ室3dの最上部付近において、吐出側と吸入側の隣り合う2つの圧縮室35の間をシールしていたロータ5b及びシリンダ室3d内周面間の微小空間が拡大し、吐出側の圧縮室35で圧縮された高圧の冷凍機油11や液相の冷媒が吸入側の圧縮室35に流れ込む。そのため、吐出側の圧縮室35内の圧力が下がって、ロータ3eにかかる過大荷重が低下する。このため、サイドブロック3a,3bの各軸受部3f,3gにおいて回転軸5aが軸受部3f,3gに強く押し付けられて軸摩擦を起こすことが抑制される。
このとき、電動モータ5側の軸受部3fの付勢部材39よりも吐出室7a側の軸受部3gの付勢部材39の方がばね定数が小さいので、各軸受部3f,3gの移動部材37が移動する際には、電動モータ5側の軸受部3fの軸受部材37よりも吐出室7a側の軸受部3gの軸受部材37の方が大きく下方に移動する。
これにより、回転軸5aは、図3に示す回転軸5aの中心軸線がC1の位置からC2の位置に移動するように、回転軸5aの軸方向におけるロータ5bの中心点Oを中心として図3中の時計回り方向に揺動する。よって、圧縮機構3におけるシリンダ室3d内でロータ3eが過大荷重により移動しても、電動モータ5におけるステータ5cに対するロータ5bの移動量をロータ3eの移動量に比べて小さく抑えることができる。
よって、ロータ5bの移動分を見越してロータ5bとステータ5cとのエアギャップを広めに確保する必要をなくし、電動モータ5としての機能を維持させることができる。
以上に説明した軸受部3f,3gを有する本実施形態の電動コンプレッサ1によれば、圧縮機構3で液圧縮状態が発生しシリンダ室3d内でロータ3eが、回転軸5aが軸受部3f,3gに強く押し付けられて軸摩擦を起こす様な大きさの過大荷重を受けると、回転軸5aを軸受する軸受部材37がサイドブロック3a,3bの各貫通部3n,3o内で過大荷重の方向に移動する。
すると、シリンダ室3d内でロータ3eが移動してシリンダ室3dの内周面との間隔が最も小さい箇所の微小空間が広がって、吐出側の圧縮室35で圧縮された高圧の冷凍機油11や液相の冷媒が隣の吸入側の圧縮室35に流れ込み、吐出側の圧縮室35の圧力が下がるので、ロータ3eにかかる過大荷重が下がる。このため、サイドブロック3a,3bの各軸受部3f,3gにおいて回転軸5aが軸受部3f,3gに強く押し付けられて軸摩擦を起こし、回転軸5aや軸受部3f,3gが劣化するのを抑制することができる。
なお、吐出室7a側のサイドブロック3bの貫通部3oは、ここに収容した軸受部材37が軸受する回転軸5aを圧縮機構3の外部に延出させる必要がないので封止してもよい。その場合、図6に示すように、サイドブロック3bの外側から貫通部3oを封止する封止部材41を、軸受部材37の抜け止め防止用の押え板41aと押え板41aの外側から取り付けられる封止板41bとで構成してもよい。
このうち、押え板41aは、軸受部材37の移動に伴う回転軸5aの端部の移動を許容する逃げ孔41cを有しているが、この逃げ孔41cは、軸受部材37が貫通部3oから脱落しないように、軸受部材37の外径よりも小さい径で形成されている。したがって、軸受部材37が貫通部3oに対する移動可能な方向のどの位置にあっても、逃げ孔41cは常に軸受部材37の端面によって塞がれる。また、封止板41bは、押え板41aの逃げ孔41cを塞いで、逃げ孔41cの内側に空間43(請求項中の背圧室に相当)を形成する。
このように構成されたサイドブロック3bの軸受部3gでは、封止部材41の内側の空間43にサイドブロック3bの供給通路3kが接続されて、供給通路3kを介して吐出室7aの液溜まり部7dから供給される冷凍機油11が空間43に充填される。そして、押え板41aの逃げ孔41cに露出する軸受部材37と回転軸5aとの隙間に、空間43の冷凍機油11が供給される。よって、サイドブロック3bの貫通部3oの周縁部に、軸受部材37側の供給通路と連通する冷凍機油11の複雑な供給経路を形成する必要をなくすことができる。
なお、図6に示すように、サイドブロック3bの貫通部3oのシリンダブロック3c側の開口縁に、軸受部材37のシリンダ室3d側への移動を規制するストッパ部3pを形成してもよい。
また、以上の実施形態では、シリンダ室3d内でロータ3eを回転させるベーンロータリー式の圧縮機構3を有する電動コンプレッサ1に本発明を適用した場合を例に取って説明した。しかし、本発明は、回転体を偏心軸により回転させてピストンを往復動させるローリングピストン方式等の偏心式ロータリー圧縮機を始めとする、回転体の回転により冷媒を圧縮する圧縮機構を備えた種々の電動コンプレッサにも広く適用可能である。
本発明は、冷媒の圧縮機構を電動モータで駆動する電動コンプレッサにおいて利用することができる。
1 電動コンプレッサ
3 圧縮機構
3a,3b サイドブロック
3c シリンダブロック
3d シリンダ室
3e,5b ロータ
3f,3g 軸受部
3h,3i,3j,3k 供給通路
3l 吐出ポート
3m 吐出弁
3n,3o 貫通部
3p ストッパ部
5 電動モータ
5a 回転軸
5c ステータ
5d コイル
7 ハウジング
7a 吐出室
7b 吸入室
7c 開口
7d 油溜まり部
7e 油分離器
9 蓋部
11 冷凍機油
15 コントローラ
31 ベーン溝
33 ベーン
35 圧縮室
37 軸受部材
39 付勢部材
41 封止部材
41a 押え板
41b 封止板
41c 逃げ孔
43 空間
C1,C2 回転軸中心軸線
O 中心点
X 回転方向
3 圧縮機構
3a,3b サイドブロック
3c シリンダブロック
3d シリンダ室
3e,5b ロータ
3f,3g 軸受部
3h,3i,3j,3k 供給通路
3l 吐出ポート
3m 吐出弁
3n,3o 貫通部
3p ストッパ部
5 電動モータ
5a 回転軸
5c ステータ
5d コイル
7 ハウジング
7a 吐出室
7b 吸入室
7c 開口
7d 油溜まり部
7e 油分離器
9 蓋部
11 冷凍機油
15 コントローラ
31 ベーン溝
33 ベーン
35 圧縮室
37 軸受部材
39 付勢部材
41 封止部材
41a 押え板
41b 封止板
41c 逃げ孔
43 空間
C1,C2 回転軸中心軸線
O 中心点
X 回転方向
Claims (3)
- 吸入室(7b)に吸入した冷媒を圧縮して吐出室(7a)に吐出する圧縮機構(3)を電動モータ(5)で駆動する電動コンプレッサ(1)において、
前記圧縮機構(3)は、
前記吸入室(7b)及び前記吐出室(7a)にそれぞれ露出した2つのサイドブロック(3a,3b)により挟持したシリンダブロック(3c)のシリンダ室(3d)内で回転して該シリンダ室(3d)内の冷媒を圧縮する回転体(3e)と、
前記各サイドブロック(3a,3b)にそれぞれ設けられ、前記回転体(3e)の回転軸(5a)を軸受する軸受部(3f,3g)と、
を有しており、
前記各軸受部(3f,3g)は、
前記シリンダ室(3d)内で発生した液圧縮状態により過大荷重が加わった前記回転体(3e)が前記シリンダ室(3d)の内周面上の最近接箇所から離間する方向に、前記各サイドブロック(3a,3b)に対して移動可能に支持され、前記回転軸(5a)を軸受する軸受部材(37)と、
前記液圧縮状態の発生により前記各サイドブロック(3a,3b)に対して前記離間方向に移動した前記各軸受部材(37)を、移動前の通常位置に復帰するように付勢する付勢部材(39)と、
をそれぞれ有している、
ことを特徴とする電動コンプレッサ(1)。 - 前記回転軸(5a)は、前記電動モータ(5)のロータ(5b)の回転軸(5a)を兼ねて一体に形成されており、
前記各軸受部(3f,3g)の付勢部材(39)は、前記シリンダ室(3d)内で液圧縮状態が発生したときに、前記回転軸(5a)の変位が前記ロータ(5b)の軸方向中心点(O)を中心とした揺動となる変位量で、前記各軸受部材(37)を対応する前記各サイドブロック(3a,3b)に対して前記離間方向にそれぞれ変位させる付勢力を、対応する前記各軸受部材(37)にそれぞれ付与する、
ことを特徴とする請求項1記載の電動コンプレッサ(1)。 - 前記軸受部材(37)及び前記付勢部材(39)は、前記各サイドブロック(3a,3b)に形成した貫通部(3n,3o)にそれぞれ収容されており、前記貫通部(3n,3o)内の前記軸受部材(37)による前記回転軸(5a)の軸受部分に供給する冷凍機油(11)が前記吐出室(7a)の冷媒圧力により供給される背圧室(43)が、前記圧縮機構(3)の外側から前記貫通部(3n,3o)を塞ぐ封止部材(41)の内側に形成され、前記背圧室(43)が前記軸受部材(37)により、前記貫通部(3n,3o)における前記付勢部材(39)の収容部分からシールされることを特徴とする請求項1又は2記載の電動コンプレッサ(1)。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2015111210A JP2016223374A (ja) | 2015-06-01 | 2015-06-01 | 電動コンプレッサ |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2015111210A JP2016223374A (ja) | 2015-06-01 | 2015-06-01 | 電動コンプレッサ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2016223374A true JP2016223374A (ja) | 2016-12-28 |
Family
ID=57747768
Family Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2015111210A Pending JP2016223374A (ja) | 2015-06-01 | 2015-06-01 | 電動コンプレッサ |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2016223374A (ja) |
-
2015
- 2015-06-01 JP JP2015111210A patent/JP2016223374A/ja active Pending
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