JP2017008845A - 気体圧縮機 - Google Patents

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士津真 金子
Shizuma Kaneko
士津真 金子
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Abstract

【課題】吸入室の底部に溜まった冷凍機油を圧縮機構に効率よく吸入させる。
【解決手段】ベーン33の先端面の接触点がシリンダ室3dの内周面における短径部に対応する点Aから長径部に対応する点Bの手前の点Cまでの区間を移動して、遠心力によるベーン溝31からの突出量を増やし続ける間、ベーン溝31の背圧空間31aに生じる負圧を利用し、吸入室7bの底部付近に開口したフロントサイドブロック3aの内部通路45から背圧溝37及び背圧空間31aを介して、圧縮機構3の圧縮室35に冷凍機油11を吸入する。
【選択図】図2

Description

本発明は、所謂、ベーンロータリー型の気体圧縮機に関する。
冷凍サイクルに用いる気体圧縮機は、低温低圧の冷媒を吸入し、圧縮により高温高圧とした冷媒を吐出する。気体圧縮機に吸入される冷媒には、ミスト状となった冷凍機油が含まれている。この冷凍機油は、圧縮機構により冷媒と共に圧縮されて吐出室に送り込まれ、冷媒から分離された後、冷媒の圧力を利用して、主に潤滑用として気体圧縮機の各部に供給される(例えば、特許文献1)。
特開2014−109250号公報
ところで、気体圧縮機の吸入室に吸入された冷媒に含まれるミスト状の冷凍機油は、吸入室内の圧縮機構の表面等に衝突することで冷媒から分離される。分離された冷凍機油は、衝突した物体の表面を伝って吸入室の底部に流入する。
このようにして吸入室の底部に溜まった冷凍機油の液面が圧縮機構の冷媒吸入口に届かないと、圧縮機構に吸い込まれないので、吐出室側に冷凍機油がなかなか送り込まれず潤滑用の冷凍機油が供給不足になってしまう。
また、気体圧縮機の中には、圧縮機構の動力源として電動モータを有する電動コンプレッサでは、電動モータが必要なトルクを発生できるように圧縮機構を上回る胴径で電動モータが構成される場合がある。このような場合は、圧縮機構と電動モータとの胴径差に応じた段差が吸入室内に生じるので、吸入室の底部に流入した冷凍機油は、圧縮機構の収容部分よりも低い電動モータの収容部分に溜まる。
この場合には、特に、吸入室に段差が生じる分だけ、吸入室の底部に溜まった冷凍機油の液面が圧縮機構の冷媒吸入口に余計に届きにくくなり、冷凍機油が圧縮機構に吸い込まれずに吸入室内に残りやすくなってしまう。
このように、吸入室に溜まった冷凍機油が圧縮機構を経て吐出室側に送り込まれず、吐出室から冷媒圧力を潤滑用の冷凍機油が供給不足になってしまうのを防ぐためには、冷凍機油を必要な供給量よりも多めに封入しておかなければならなくなる。
本発明は前記事情に鑑みなされたもので、本発明の目的は、吸入室の底部に溜まった冷凍機油を圧縮機構に効率よく吸入させることができる気体圧縮機を提供することにある。
上記目的を達成する本発明の気体圧縮機は、
吸入室に吸入した冷媒が圧縮されるシリンダ室を内部に有する筒状のシリンダブロックと、
前記シリンダ室内で回転し、前記シリンダ室の内周面に対向する外周面に開口するベーン溝を回転方向に間隔をおいて複数有するロータと、
前記各ベーン溝にそれぞれ収納されて前記ロータの外周面から出没し、前記シリンダ室の内周面に摺接して該内周面と前記ロータの外周面との間を複数の圧縮室に仕切る複数のベーンと、
前記ロータの回転に伴い前記ベーンが前記ベーン溝から突出する吸入工程において、前記ベーン溝の溝底の背圧空間と連通する背圧溝と、
前記吸入室の底部と前記背圧溝とを連通させる通路と、
を備える。
本発明によれば、吸入室の底部に溜まった冷凍機油を圧縮機構に効率よく吸入させることができる。
本発明の一実施形態に係るベーンロータリー式の電動コンプレッサの概略構成を示す正断面図である。 図1の電動コンプレッサのI−I矢視図である。 本発明の他の実施形態に係るベーンロータリー式の電動コンプレッサの概略構成を示す正断面図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。
図1は本発明の一実施形態に係る電動コンプレッサの概略構成を示す正断面図、図2は図1の電動コンプレッサのI−I矢視図である。図1に示す本実施形態の電動コンプレッサ1(請求項中の気体圧縮機に相当)は、回転式の圧縮機構3を電動モータ5で駆動して冷媒を圧縮するものである。
そして、電動コンプレッサ1は、圧縮機構3及び電動モータ5の他、これらが収容されるハウジング7、及び、電動モータ5の駆動を制御するコントローラ15を有している。
ハウジング7は、一端が閉塞された円筒状を呈している。このハウジング7には圧縮機構3が収容されており、収容された圧縮機構3によりハウジング7の内部は、サイドブロック3bが露出する閉塞側の密閉された吐出室7aと、サイドブロック3aが露出する開口側の吸入室7bとに仕切られている。吸入室7bには電動モータ5が収容されており、吸入室7bは、ハウジング7の開口7cに取り付けた蓋部9によって密閉されている。
上述した吸入室7bは、圧縮機構3によって圧縮する低温低圧の冷媒が、電動コンプレッサ1の外部(例えば、冷凍サイクルの蒸発器)から不図示の吸入ポートを介して吸入される空間である。
また、圧縮機構3によって吸入室7bと気密に仕切られた吐出室7aは、圧縮機構3によって圧縮された高温高圧の冷媒を、不図示の吐出ポートを介して電動コンプレッサ1の外部(例えば、冷凍サイクルの凝縮器)に吐出する空間である。この吐出室7aの下部には、冷凍機油11が貯留される液溜まり部7dが形成されている。
電動モータ5は、回転軸5aに取り付けられたロータ5bと、ロータ5bの外側に配置されたステータ5cとを有している。ステータ5cは複数の極に対応したティース(図示せず)を有しており、各ティースにはコイル5dがそれぞれ巻回されている。電動モータ5は、各コイル5dに所定のパターンで電圧を印加することでステータ5cに回転磁界を発生させることで、ロータ5bを回転させる。
本実施形態の電動コンプレッサ1では、電動モータ5が圧縮機構3を駆動するのに必要なトルクを発生できるように、圧縮機構3を上回る胴径で電動モータ5を構成している。したがって、ハウジング7の吸入室7bには、圧縮機構3の収容部分と電動モータ5の収容部分との間に、圧縮機構3と電動モータ5との胴径差に応じた段差が存在する。
圧縮機構3は、ハウジング7の吸入室7bに吸入した冷媒を圧縮してハウジングの吐出室7aに吐出するもので、吸入室7b側のフロントサイドブロック3a及び吐出室7a側のリアサイドブロック3bと、これらによって挟持されたシリンダブロック3cと、シリンダブロック3cの内部に形成された楕円形のシリンダ室3dに収容した円柱状のロータ3eとを有している。この圧縮機構3は、ロータ3eがシリンダ室3dの中心から偏心した位置を中心に回転する偏心型のベーンロータリー圧縮機を構成している。
ロータ3e(請求項中のロータに相当)は、各サイドブロック3a,3bの軸受部3f,3gで軸受された電動モータ5の回転軸5aに取り付けられており、図2に示すように、ロータ3eの周面に開口する複数のベーン溝31には、ロータ3eの周面から出没可能に複数のベーン33がそれぞれ支持されている。
ロータ3eが電動モータ5によりシリンダ室3d内で、図2中の反時計回りの回転方向X(正方向)に回転されると、ロータ3eの各ベーン33がシリンダ室3dの内周面に倣ってベーン溝31から出没し、ロータ3eと隣り合う2つのベーン33とシリンダ室3dとで構成される圧縮室35の容積が変化する。
シリンダ室3dは、図2中の点Aを、回転軸5aの中心とシリンダ室3dの内周面との距離が最も短い短径部とし、同じく点Bを、回転軸5aの中心とシリンダ室3dの内周面との距離が最も長い長径部とする非正円形状を有している。そして、各ベーン33は、ロータ3eの回転に伴いシリンダ室3dの内周面上を摺動する。この摺動の際に各ベーン33は、シリンダ室3dの内周面に対する先端面の接触点が、シリンダ室3dの短径部に対応する点Aから、長径部に対応する点Bまでの区間を移動する間、遠心力によりベーン溝31からの突出量を増やし続ける。
各ベーン33の先端面の接触点がシリンダ室3dの内周面における点Aから点Bよりも若干点A寄りの点Cまで移動すると、接触点よりも回転方向Xの上流側の圧縮室35と吸入口36との連通が終了する。そして、各ベーン33の接触点が点Aから点Cまでの区間を移動する間、ベーン33は、ベーン溝31からの突出量を増やし続ける。したがって、各ベーン33の接触点が点Aから点Cまで移動する間、そのベーン33よりもロータ3eの回転方向Xにおける下流側の圧縮室35は、容積を増加させながらフロントサイドブロック3aの吸入口36を通じて低圧の冷媒を吸入する吸入工程にある。
また、ベーン33の先端面の接触点がシリンダ室3dの内周面における点Aから点Cまでの区間を移動する間、そのベーン33よりもロータ3eの回転方向Xにおける下流側の圧縮室35も、容積を増加させながらフロントサイドブロック3aの吸入口36を通じて低圧の冷媒を吸入する吸入工程の途中にある。
このため、シリンダ室3dの内周面における点Aから点Cまでの区間をベーン33の先端面の接触点が移動する間、ベーン33の両側の圧縮室35の冷媒からベーン33の先端にかかる面圧が、ベーン33をベーン溝31から突出させる遠心力を上回ることはない。
また、シリンダ室3dの内周面における点Cを通過したベーン33が、長径部に対応する点Bから短径部に対応する点Aに向けてシリンダ室3dの内周面を摺動する間は、シリンダ室3dの内周面からベーン33が押し戻されて、遠心力によるベーン33のベーン溝31からの突出量が徐々に減少する。したがって、そのベーン33よりもロータ3eの回転方向Xにおける下流側の圧縮室35は、容積を減少させながら内部の冷媒を高圧に圧縮する圧縮工程となる。
圧縮室35内で圧縮された高圧の冷媒は、シリンダブロック3cの不図示の吐出ポートの吐出弁を開弁させてシリンダ室3dから吐出され、さらに、リアサイドブロック3bの不図示の吐出口を通じて図1の吐出室7aに吐出される。
各サイドブロック3a,3bの軸受部3f,3gには、吐出室7aの冷媒の圧力により、吐出室7aの液溜まり部7dに溜まった冷凍機油11が供給される。供給された冷凍機油11は、軸受部3f,3gが軸受する回転軸5aの潤滑に用いられる。軸受部3f,3gは、サイドブロック3a,3bの回転軸5aが貫通する貫通孔の内周面に形成された環状溝からなる。
このうち、フロントサイドブロック3aの軸受部3fには、リアサイドブロック3bの供給通路3hと、シリンダブロック3cの供給通路3iと、フロントサイドブロック3aの供給通路3jとを介して、液溜まり部7dの冷凍機油11が供給される。リアサイドブロック3bの軸受部3gには、リアサイドブロック3bの供給通路3kを介して液溜まり部7dの冷凍機油11が供給される。
サイドブロック3a,3bの軸受部3f,3gに供給された冷凍機油11は、回転軸5aとの隙間を経て吸入室7bに流入し、吸入室7bの底部に溜まる。吸入室7bの底部には、吸入室7bに吸入された冷媒に混じったミスト状の冷凍機油11も結露して溜まる。
先に説明したように、ハウジング7の吸入室7bには、圧縮機構3の収容部分と電動モータ5の収容部分との間に、圧縮機構3と電動モータ5との胴径差に応じた段差が存在する。このため、吸入室7bの底部に流入した冷凍機油11は、圧縮機構3の収容部分よりも低い電動モータ5の収容部分から溜まり始める。
吸入室7bの底部に溜まった冷凍機油11は、吸入室7bの冷媒の流れに乗って圧縮機構3のフロントサイドブロック3aの吸入口36からシリンダ室3dに吸入され、ここで圧縮された高圧の冷媒に混じって吐出室7aに吐出される。
そこで、吐出室7aには、高圧の冷媒から冷凍機油11を分離する油分離器7eが設けられる。油分離器7eによって冷媒から分離された冷凍機油11は、吐出室7aの下部の液溜まり部7dに滞留する。
また、フロントサイドブロック3aには、図2に示すように、ベーン溝31の溝底とベーン33とで構成される背圧空間31aが連通する背圧溝37、中間圧供給溝39、第1及び第2高圧供給溝41,43が形成されている。
背圧溝37は、フロントサイドブロック3aの回転軸5aから下端までの部分に配置されている。そして、背圧溝37は、ベーン33がシリンダ室3d内周面における短径部に対応する点Aから長径部に対応する点Bの手前の点Cまでの区間を摺動して、遠心力によるベーン溝31からの突出量を増やし続ける間、ベーン溝31の背圧空間31aと連通する。
また、背圧溝37には、フロントサイドブロック3a内に形成された内部通路45(請求項中の通路に相当)の一端が接続されている。内部通路45の他端は、図1に示すように、フロントサイドブロック3aの吸入室7bに露出する端面の下端付近に開口している。この内部通路45の開口は、フロントサイドブロック3aの吸入口36よりも低い位置に配置されている。
また、図2に示す中間圧供給溝39には、図1に示す吐出室7aの液溜まり部7dからフロントサイドブロック3aの軸受部3fに供給された高圧の冷凍機油11が、回転軸5aとの間で絞られて、吸入した冷媒の圧力(吸入圧)よりも高く吐出した冷媒の圧力(吐出圧)よりも低い中間圧で導入される。
一方、図2に示す第1及び第2高圧供給溝41,43には、図1に示す吐出室7aの液溜まり部7dからフロントサイドブロック3aの軸受部3fに供給された高圧の冷凍機油11が、高圧供給通路(図示せず)を介して高圧のまま導入される。
そして、図2に示すように、中間圧供給溝39や第1及び第2高圧供給溝41,43には、ベーン33の先端面の接触点がシリンダ室3dの内周面における点Cから点Aまでの区間を移動して、遠心力によるベーン溝31からの突出量を減らし続ける間、ベーン溝31の背圧空間31aが順次連通する。この点Cから点Aまでの区間をベーン33が摺動する間、ベーン33よりもロータ3eの回転方向Xにおける下流側の圧縮室35では、冷媒が圧縮されて冷媒の圧力が徐々に上昇する。これにより、点Cから点Aまでの区間を接触点が移動するベーン33の先端面に圧縮室35の冷媒からかかる面圧も徐々に上昇する。
そこで、ベーン溝31の背圧空間31aに順次連通する中間圧供給溝39や第1及び第2高圧供給溝41,43から背圧空間31aに導入される中間圧や高圧の冷凍機油11は、シリンダ室3dの内周面における点Cから点Aまでの区間を接触点が移動するベーン33によって仕切られた圧縮室35において冷媒が圧縮される間、圧縮室35の冷媒からベーン33の先端面にかかる面圧に抗してベーン33をシリンダ室3dの内周面に押し付ける。
このように構成された本実施形態の電動コンプレッサ1では、ベーン33の先端面の接触点がシリンダ室3dの内周面における短径部に対応する点Aから点Cまでの区間を移動して、遠心力によるベーン溝31からの突出量を増やし続ける間、ベーン溝31の背圧空間31aが負圧となる。すると、背圧空間31aに連通する背圧溝37とこれに接続された内部通路45が負圧となる。
そして、内部通路45が負圧となることから、吸入室7bの底部に溜まった冷凍機油11の液面が内部通路45の開口に達していれば、冷凍機油11が開口から内部通路45に吸い上げられ、背圧溝37を経てベーン溝31の背圧空間31aに導入される。このとき、シリンダ室3dの内周面における点Aから点Cまでの区間を移動しているベーン33の先端面の接触点よりも回転方向Xの上流側及び下流側の両圧縮室35は、いずれも吸入工程にある。
このため、ベーン33の両側の圧縮室35の冷媒からベーン33の先端にかかる面圧は、ベーン33をベーン溝31から突出させる遠心力を上回ることがなく、シリンダ室3dの内周面における点Aから点Cまでの区間をベーン33の先端面の接触点が移動する間、ベーン33は確実にシリンダ室3dの内周面に押し付けられた状態を維持する。よって、ベーン溝31の背圧空間31aに確実に負圧を発生させて、この負圧により吸入室7bの底部の冷凍機油11を内部通路45に吸い上げさせ、背圧溝37を介してベーン溝31の背圧空間31aに冷凍機油11を確実に吸入することができる。
そして、ベーン33の先端面の接触点が点Cを越えて点B側に移動すると、ベーン溝31の背圧空間31aと背圧溝37との連通が終了し、今度は、中間圧供給溝39がベーン溝31の背圧空間31aと連通するようになる。すると、中間圧供給溝39により背圧空間31aに中間圧の冷凍機油11が導入される。よって、内部通路45から背圧溝37を経て背圧空間31aに吸入された冷凍機油11の圧力も中間圧に上がる。
このため、背圧空間31aに吸い上げられた冷凍機油11は、圧縮室35の冷媒圧力との差圧によって、ベーン33とシリンダブロック3c(ベーン溝31)との隙間を通って圧縮室35に移動する。圧縮室35に移動した冷凍機油11は、圧縮機構3のロータ3eの回転により吸入工程から圧縮工程に移った圧縮室35内で冷媒と共に圧縮され、やがて吐出室7aに吐出される。
即ち、本実施形態の電動コンプレッサ1によれば、吸入工程中の圧縮室35を仕切るベーン33がベーン溝31から突出し続けることでベーン溝31の背圧空間31aに生じる負圧を利用し、吸入室7bの底部付近に開口したフロントサイドブロック3aの内部通路45から背圧溝37及び背圧空間31aを介して、圧縮機構3の圧縮室35に冷凍機油11を吸入することができる。
よって、圧縮機構3と電動モータ5との胴径差により吸入室7bの底部に溜まった冷凍機油11の液面が圧縮機構3の冷媒の吸入口36に届きにくく、吸入室7bの冷媒の流れに乗って冷凍機油11が吸入口36からシリンダ室3dに吸入されなくても、ベーン溝31の背圧空間31aを経由して冷凍機油11をシリンダ室3dに吸入し吐出室7aに移動させることができる。
また、本実施形態の電動コンプレッサ1によれば、背圧溝37を、回転軸5aを軸受するフロントサイドブロック3aの軸受部3fから下端側の部分に配置したので、背圧室37とフロントサイドブロック3aの下端付近とを接続する内部通路45を極力短くすることができる。
これにより、フロントサイドブロック3aに内部通路45を形成するのを容易にすることができる。また、ベーン溝31の背圧空間31aに生じる負圧が内部通路45内の気体の膨張によって内部通路45の開口側に伝わりにくくなり、そのため、吸入室7bの底部に溜まった冷凍機油11が内部通路45に吸い上げられにくくなるのを、防ぐことができる。
なお、図3の説明図に示すように、吸入室7bのフロントサイドブロック3aの収容部分を拡径して電動モータ5の収容部分と同じ径とし、ここに、圧縮機構3のリアサイドブロック3bやシリンダブロック3cよりも一回り大きくして電動モータ5の胴径に近づけたフロントサイドブロック3aを配置する構成としてもよい。
そのように構成すれば、内部通路45をフロントサイドブロック3aの周面下部に開口させて、吸入室7bの電動モータ5が収容された部分の底部に溜まった冷凍機油11の液面に内部通路45の開口をより近付けることができる。また、吸入室7bの電動モータ5の収容部分と同じ低さのフロントサイドブロック3aの収容部分にも冷凍機油11が溜まるようにして、内部通路45の開口を冷凍機油11の液面に対向あるいは接触させることができる。よって、吸入室7bの冷凍機油11を内部通路45に吸い上げ易くすることができる。
また、以上の実施形態では、電動モータ5により圧縮機構3のロータ3eを回転させる電動コンプレッサ1に本発明を適用した場合を例に取って説明した。しかし、本発明は、例えば、車両に搭載されてエンジンの動力によりロータが回転されるベーンロータリー型の気体圧縮機等、電動式以外のベーンロータリー型の気体圧縮機にも広く適用可能である。
本発明は、所謂、ベーンロータリー型の気体圧縮機において利用することができる。
1 電動コンプレッサ
3 圧縮機構
3a フロントサイドブロック
3b リアサイドブロック
3c シリンダブロック
3d シリンダ室
3e ロータ(請求項中のロータ)
3f,3g 軸受部
3h,3i,3j,3k 供給通路
3l 吐出ポート
3m 吐出弁
3n,3o 貫通部
3p ストッパ部
5 電動モータ
5a 回転軸
5b ロータ
5c ステータ
5d コイル
7 ハウジング
7a 吐出室
7b 吸入室
7c 開口
7d 油溜まり部
7e 油分離器
9 蓋部
11 冷凍機油
15 コントローラ
31 ベーン溝
31a 背圧空間
33 ベーン
35 圧縮室
36 吸入口
37 背圧溝
39 中間圧供給溝
41 第1高圧供給溝
43 第2高圧供給溝
45 内部通路(通路)
X 回転方向

Claims (4)

  1. 吸入室(7b)に吸入した冷媒が圧縮されるシリンダ室(3d)を内部に有する筒状のシリンダブロック(3c)と、
    前記シリンダ室(3d)内で回転し、前記シリンダ室(3d)の内周面に対向する外周面に開口するベーン溝(31)を回転方向(X)に間隔をおいて複数有するロータ(3e)と、
    前記各ベーン溝(31)にそれぞれ収納されて前記ロータ(3e)の外周面から出没し、前記シリンダ室(3d)の内周面に摺接して該内周面と前記ロータ(3e)の外周面との間を複数の圧縮室(35)に仕切る複数のベーン(33)と、
    前記ロータ(3e)の回転に伴い前記ベーン(33)の前記ベーン溝(31)に対する突出量が増加する区間において、前記ベーン溝(31)の溝底の背圧空間(31a)と連通する背圧溝(37)と、
    前記吸入室(7b)の底部と前記背圧溝(37)とを連通させる通路(45)と、
    を備える気体圧縮機(1)。
  2. 前記背圧溝(37)は、前記ベーン(33)によって仕切られる前記圧縮室(35)が、前記吸入室(7b)の冷媒を前記シリンダ室(3d)に吸入する吸入口(36)との連通を終える位置で、前記背圧区間(31a)との連通を終了する請求項1記載の気体圧縮機(1)。
  3. 前記シリンダブロック(3c)の側部に取り付けられ、該側部における前記シリンダ室(3d)の開口を封止するサイドブロック(3a,3b)をさらに備えており、前記背圧溝(37)及び前記通路(45)は、前記一対のサイドブロック(3a,3b)のうち前記シリンダ室(3d)に吸入される冷媒の吸入口(36)を有するサイドブロック(3a)に形成されており、前記通路(45)は、前記冷媒の吸入口(36)を有するサイドブロック(3a)の前記吸入室(7b)の底部に露出する部分に開口している請求項1又は2記載の気体圧縮機(1)。
  4. 前記圧縮機構(3)は、前記ロータ(3e)の回転軸(5a)が前記シリンダ室(3d)の中心から偏心した位置を中心に回転する偏心型のベーンロータリー圧縮機によって構成されており、前記背圧溝(37)は前記回転軸(5a)から前記吸入室(7b)の底部までの位置に配置されている請求項1、2又は3記載の気体圧縮機(1)。
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