JP2016222886A - ポリフェニレンエーテルの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明に係るポリフェニレンエーテルの製造方法は、予め準備した還元粘度0.3〜1.0dL/gのポリフェニレンエーテルにフェノール性化合物と芳香族溶媒と触媒とを添加して調製した重合溶液に、酸素含有ガスを通気して、前記フェノール性化合物を酸化重合させる、重合工程を有する。
【選択図】なし
Description
本発明のポリフェニレンエーテルの製造方法は、予め準備したポリフェニレンエーテルにフェノール性化合物と芳香族溶媒と触媒とを添加して調製した重合溶液に、酸素含有ガスを通気して、前記フェノール性化合物を酸化重合させる、重合工程を有することを特徴とする。
ここで、本発明のポリフェニレンエーテルの製造方法は、フェノール性化合物と芳香族溶媒と触媒とを含む予備重合溶液に、酸素含有ガスを通気して、前記フェノール性化合物を酸化重合させる、予備重合工程を更に含み、前記予め準備したポリフェニレンエーテルを、前記予備酸化重合後の前記予備重合溶液を有機相と水相とを用いて分液することで得られる有機相の少なくとも一部に含まれるポリフェニレンエーテルとすることが好ましい。
また、本発明のポリフェニレンエーテルの製造方法では、前記予め準備したポリフェニレンエーテルの量の、前記重合溶液に添加される前記フェノール性化合物の量に対する割合が、10質量%以上30質量%以下であることが好ましい。
本実施形態のポリフェニレンエーテルの製造方法は、反応器内において、フェノール性化合物と芳香族溶媒と触媒とを含む重合溶液に、酸素含有ガスを通気して、前記フェノール性化合物を酸化重合させる重合工程を有する。
上記のように構成されている本実施形態のポリフェニレンエーテルの製造方法によれば、酸化重合前期の発泡領域を経由せずに酸化重合を完了させることができるので、酸化重合前期の発泡を十分に抑制しつつ反応器の単位体積当たりの生産性を向上させることができる。
本実施形態のポリフェニレンエーテルの製造方法における重合工程で製造されるポリフェニレンエーテルについて以下に説明する。
重合工程によって製造されるポリフェニレンエーテルは、特に限定されないが、具体的には、下記式(1)で表される繰り返し単位を有する単独重合体又は共重合体である。
[上記式(1)において、R1、R4は、それぞれ独立して、水素、第一級又は第二級の低級アルキル、フェニル、アミノアルキル、及び炭化水素オキシからなる群より選ばれるいずれかを表し、R2、R3は、それぞれ独立して、水素、第一級又は第二級の低級アルキル、及びフェニルからなる群より選ばれるいずれかを表す。]
本実施形態のポリフェニレンエーテルの製造方法における重合工程(及び予備重合工程)で用いられるフェノール性化合物は、下記式(2)で表される化合物である。
[上記式(2)において、R5、R7は、それぞれ独立して、水素、第一級又は第二級の低級アルキル、フェニル、アミノアルキル、及び炭化水素オキシからなる群より選ばれるいずれかを表し、R6、R8は、それぞれ独立して、水素、第一級又は第二級の低級アルキル、及びフェニルからなる群より選ばれるいずれかを表す。]
芳香族溶媒としては、特に限定されないが、具体的には、低分子量のフェノール性化合物を溶解し、触媒の一部又は全部を溶解するものを用いることができる。
触媒は、フェノール性化合物と芳香族溶媒と触媒とを含む重合溶液に、酸素含有ガスを通気して、フェノール性化合物を効率的に酸化重合し、ポリフェニレンエーテルを製造するために有効な酸化触媒である。
[上記式(3)において、R1、R2、R3、R4は、それぞれ独立して、水素、又は炭素数1〜6の直鎖状若しくは分岐状アルキル基であり、全てが同時に水素ではなく、R5は、炭素数2〜5の、直鎖状若しくはメチル分岐を持つアルキレン基である。]
ジアミン化合物の使用量は、特に限定されないが、通常使用される銅原子のモル量に対して0.5倍モル量以上とすることができ、上限は特に限定されない。
これらの3級モノアミンは、1種単独で用いてもよく、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
3級モノアミン化合物の使用量は、特に限定されないが、フェノール性化合物100モルに対して0.1モル〜15モルであることが好ましい。
2級モノアミン化合物の使用量は特に限定されないが、一般的にフェノール性化合物100モルに対し0.05モル〜15モルの範囲である。
本実施形態のポリフェニレンエーテルの製造方法において、重合溶液(及び予備重合溶液)が含みうるその他の材料としては、以下に限定されないが、例えば、テトラアルキルアンモニウム塩化合物、ポリエチレングリコール基含有アルキルアミン、及びポリエチレングリコール基含有アルキルアンモニウム塩化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種が挙げられる。
上記その他の材料の含有量としては、重合反応の効率の向上を図る観点から、重合溶液(又は予備重合溶液)100質量%に対して0.1質量%を超えない範囲で含有されることが好ましい。
[上記式(5)において、R5は、炭素数1〜22の直鎖状又は分岐状アルキル基を表し、R6は、炭素数1〜22の直鎖状又は分岐状アルキル基、−(CH2CH2O)n−H[nは1〜40の整数]で表される基を表し、R7は、−(CH2CH2O)n−H[nは1〜40の整数]で表す。]
[上記式(6)において、R8、R9は、炭素数1〜22の直鎖状又は分岐状アルキル基を表し、R10は、炭素数1〜22の直鎖状又は分岐状アルキル基、−(CH2CH2O)n−H[nは1〜40の整数]で表される基を表し、R11は、−(CH2CH2O)n−H[nは1〜40の整数]で表される基を表し、Xは、対となる陰イオンである。]
重合工程の重合溶液の調整は、予め準備したポリフェニレンエーテル、フェノール性化合物、芳香族溶媒、触媒の成分を、それぞれ単独で反応器に導入してもよく、また、予め準備したポリフェニレンエーテル、フェノール性化合物、触媒を各々予め、芳香族溶媒に溶解した後、反応器に導入してもよいが、まず、予め芳香族溶媒の一部に溶解した触媒を反応器に導入し、続いて、残りの芳香族溶媒に溶解したフェノール性化合物を反応器に導入するのが好ましい。
このような配合割合とすることにより、ポリフェニレンエーテルの重合反応を安定的に制御することができる傾向にある。なお、重合溶液における、フェノール性化合物、芳香族溶媒、触媒の量は、フェノール性化合物、芳香族溶媒、触媒の反応器への導入が完了した時点の質量に基づくものとする。
酸素含有ガスの通気の開始時期は、特に限定されないが、重合溶液の調整において、予め準備したポリフェニレンエーテル、フェノール性化合物、芳香族溶媒、触媒のいずれかを反応器へ導入した後に、酸素含有ガスの通気を開始することが好ましい。
酸化重合反応の前半(前期)においては、反応の進行とともに泡の高さが増加した後に急激に減少し、酸化重合反応の後半(後期)では泡は消失する。ここで、酸化重合反応の前半(前記)から酸化重合反応の後半(後期)に移るタイミングは、泡の高さが減少に転じる時点に定めてよく、完全に消泡した時点の前後10分間とすることが好ましい。なお、実際には、泡の高さが減少し始めてから約10分間で泡は完全に消泡する。
なお、反応時間(重合時間)については、後述する実施例に記載の方法により測定することができる。
上述のように重合工程を行った後、目的とする重合度に達した時点で重合反応を停止する。
重合反応の停止方法は、特に限定されず、従来公知の方法を適用できる。通常の停止方法としては、塩酸や酢酸等の酸、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)及びその塩、ニトリロトリ酢酸及びその塩等を触媒失活剤として反応液に加えることで、触媒を失活させる方法が挙げられる。
重合停止の後、生成したポリフェニレンエーテルを分離して、メタノール等のポリフェニレンエーテルを溶解しない溶媒で洗浄し、乾燥して、ポリフェニレンエーテルを回収する。
この場合、本実施形態のポリフェニレンエーテルの製造方法は、前述の重合工程の前に、フェノール性化合物と芳香族溶媒と触媒とを含む予備重合溶液に、酸素含有ガスを通気して、前記フェノール性化合物を酸化重合させる、予備重合工程(後述)を更に含む。
予備重合工程は、予め準備したポリフェニレンエーテルを用いない点以外は、前述の重合工程と同様としてよく、前述の重合工程における、重合溶液の調整、酸素含有ガスの通気、酸化重合停止等は、重合工程におけるそれらと同様としてよい。
この分液操作により、予備重合溶液中に含まれ得る触媒失活剤及び水を、水相中に溶解させて除去しつつ、予備重合工程で生成したポリフェニレンエーテル、未反応のフェノール性化合物、芳香族溶媒等を有機相中に留めることができる。
そして、この分液操作により得た有機相を含む重合溶液の調製は、特に限定されないが、工業的な実施し易さの観点から、予備重合溶液の有機相を予備重合工程の反応器から一度取り出して別の重合工程の反応器に移した後、この重合工程の反応器において行うことが好ましい。また、重合溶液の調製は、予備重合工程の反応器において行ってもよく、この場合、予備重合工程の反応器において、触媒失活剤及び水を含み得る水相を除去して、リフェニレンエーテル、未反応のフェノール性化合物、芳香族溶媒等を含む有機相の一部を残すことが肝要となる。
また、予備重合工程における重合溶液を有機相と水相とを用いて分液することで得られる有機相の少なくとも一部を使用することによって、重合工程の重合活性が予備重合工程よりも向上する。この製造方法により、重合前期の発泡を抑制することで反応器の容量を十分に活用することが可能となる。
ポリフェニレンエーテルの0.5g/dLのクロロホルム溶液を調整し、ウベローデ粘度管を用いて30℃における還元粘度(ηsp/c)(dL/g)を求めた。
反応器の側面にスケールを貼り、反応器の下部(0点とする)から液面と反応器の側面との接触部分(液相と泡との界面)までの距離(cm)を、反応溶液の液面の高さとして、測定した。すなわち、各例において、重合溶媒を反応容器へ導入した直後から一定の撹拌速度:500rpmで撹拌を開始し、酸化重合の開始から10分毎に上記距離の測定を行うことによって、重合溶液を撹拌する場合の撹拌状態における液面の高さを測定し、重合反応期間における最大値を各例の液面の高さ(cm)とした。
上記「液面の高さの計測」における条件と同様の条件下で、前述の液相と泡との界面から、液面上にある発泡層の上面と反応器の側面との接触部分までの距離(cm)を、発泡量を示す値として、計測した。各例において、重合反応期間における最大値を各例の発泡量を示す値(cm)とした。
重合溶液において発泡が終了したときを目視にて判定し、酸化重合開始から発泡終了までの時間を発泡終了時間(min)として計測した。
振動式液粘度計(SEKONIC社製、VISCOMATE VM−100A)を用いて、後述の通りサンプリングされた各例の重合溶液の温度を40℃に調整して、溶液の液粘度(cP)を求めた。上記重合溶液に対して酸素含有ガスの通気を開始した時点を酸化重合の開始時点とし、また、上記液粘度の値が250cPとなった時点を酸化重合の停止時点として、酸化重合開始から酸化重合停止までの重合時間(min)を計測した。
反応器として、反応液を入れる高さの上限が50cm、内径が16cmの円筒型の反応器であって、反応器の底部に酸素含有ガス導入のためのスパージャー、撹拌タービン翼、サンプリング用の排出バルブを設け、反応器の側部にバッフル、温度調整装置を設け、反応器の上部に、重合溶液の導入口、ベントガスラインに凝縮液分離のためのデカンターを付属した還流冷却器を設けた、15リットルのジャケット付きSUS製の反応器を用いた。デカンターのベントガス排出口には、圧力調整弁と圧力測定器を設置した。
分液操作のための液−液分離器として、重合溶液を入れる高さの上限が50cm、内径16cm円筒型の液−液分離器であって、分離器の底部に撹拌タービン翼、サンプリング用の排出バルブを設け、分離器の側部にバッフル、温度調整装置を設け、分離器の上部に、重合溶液の導入口、ベントガスラインに凝縮液分離のためのデカンターを付属した還流冷却器を設けた、15リットルのジャケット付きSUS製の液−液分離器を用いた。
2,6−ジメチルフェノール1.08kg、トルエン4.84kg、及び触媒(2.5gの酸化第一銅、15.2gの47%臭化水素水溶液、6.1gのN,N’−ジ−t−ブチルエチレンジアミン、41.2gのN−ブチル−ジメチルアミン、11.4gのジ−n−ブチルアミン)76.4g、で構成される重合溶液を調製し、これを上記反応器に導入し、重合溶液の温度を40℃、反応器気相部の絶対圧力を0.301MPaに調整した。その後、通気用酸素含有ガスとして、絶対圧力が0.301MPaであり、酸素濃度が9容量%である酸素含有ガスを、スパージャーより通気して、2,6−ジメチルフェノールの酸化重合を開始した(この酸素含有ガスの酸素分圧は、0.301(MPa)×0.09=0.02709(MPa)であった)。
重合反応中、上記(2)方法に従って液面の高さを、上記(3)方法に従って発泡量を計測した。上記酸化重合の開始以降、泡の発生が観測されたが、酸化重合開始から90分後に完全に消泡したものと認められた。また、上記(4)方法に従って発泡終了時間を計測した。さらに、酸化重合60分経過時点から5分毎に少量ずつサンプリングを実施し、上記(5)の方法に従って液粘度を計測し、重合時間を計測した。
酸化重合開始から151分後に、エチレンジアミン四酢酸4ナトリウム塩(同仁化学研究所製)の10%水溶液0.60kgを添加することで酸化重合を停止し、重合溶液を70℃で150分間撹拌した。その後、重合溶液全量を反応器より抜き出し、液−液分離器に導入した。その後、溶液を60分間静置し、液−液分離により有機相と水相とに分離した。
予備重合工程で得られた有機相1.20kg(20質量%)、2,6−ジメチルフェノール1.08kg、トルエン4.84kg、及び触媒(2.5gの酸化第一銅、15.2gの47%臭化水素水溶液、6.1gのN,N’−ジ−t−ブチルエチレンジアミン、41.2gのN−ブチル−ジメチルアミン、11.4gのジ−n−ブチルアミン)76.4g、で構成される重合溶液を調製し、これを上記反応器に導入し、重合溶液の温度を40℃、反応器気相部の絶対圧力を0.301MPaに調整した。その後、通気用酸素含有ガスとして、絶対圧力が0.301MPaであり、酸素濃度が9容量%である酸素含有ガスを、スパージャーより通気して、2,6−ジメチルフェノールの酸化重合を開始した(この酸素含有ガスの酸素分圧は、0.301(MPa)×0.09=0.02709(MPa)であった)。
重合反応中、上記(2)の方法に従って液面の高さを、上記(3)の方法に従って発泡量を計測した。上記酸化重合の開始以降、泡の発生が観測されたが、酸化重合開始から90分後に完全に消泡したものと認められた。また、上記(4)の方法に従って発泡終了時間を計測した。さらに、酸化重合60分経過時点から5分毎に少量ずつサンプリングを実施し、上記(5)の方法に従って液粘度を計測し、重合時間を計測した。
酸化重合開始から146分後に、エチレンジアミン四酢酸4ナトリウム塩(同仁化学研究所製)の10%水溶液0.60kgを添加することで酸化重合を停止し、重合溶液を70℃で150分間撹拌した。その後、重合溶液全量を反応器より抜き出し、液−液分離器に導入した。その後、溶液を60分間静置し、液−液分離により有機相と水相とに分離した。
得られた有機相をメタノール6.50kgにて析出洗浄した後、ろ過して、湿潤ポリフェニレンエーテルを得た。得られた湿潤ポリフェニレンエーテルを150℃の温度条件で120分間乾燥処理を行い、実施例1のポリフェニレンエーテルを得た。
予備重合工程で得られた有機相を0.60kg(10質量%)、重合工程に使用したこと以外は、実施例1と同様の操作を行い、実施例2のポリフェニレンエーテルを得た。実施例2の詳細及び結果を表1に示す。
予備重合工程で得られた有機相を1.80kg(30質量%)、重合工程に使用したこと以外は、実施例1と同様の操作を行い、実施例3のポリフェニレンエーテルを得た。実施例3の詳細及び結果を表1に示す。
予備重合工程で得られた有機相を0.30kg(5質量%)、重合工程に使用したこと以外は、実施例1と同様の操作を行い、実施例4のポリフェニレンエーテルを得た。実施例4の詳細及び結果を表1に示す。
予備重合工程で得られた有機相を2.10kg(35質量%)、重合工程に使用したこと以外は、実施例1と同様の操作を行い、実施例5のポリフェニレンエーテルを得た。実施例5の詳細及び結果を表1に示す。
予備重合工程で得られた有機相を1.20kg(20質量%)、2,6−ジメチルフェノール1.44kg、トルエン6.46kg、及び触媒(3.4gの酸化第一銅、20.3gの47%臭化水素水溶液、8.1gのジ−t−ブチルエチレンジアミン、15.2gのジ−n−ブチルアミン、54.9gのブチルジメチルアミン)101.9g、で構成される重合溶液を用いたこと以外は、実施例1と同様の操作を行い、実施例6のポリフェニレンエーテルを得た。実施例6の詳細及び結果を表1に示す。
予備重合工程で得られた有機相を1.80kg(30質量%)、重合工程に使用したこと以外は、実施例6と同様の操作を行い、実施例7のポリフェニレンエーテルを得た。実施例7の詳細及び結果を表1に示す。
予備重合工程において、2,6−ジメチルフェノール1.50kg、トルエン4.39kg、及び触媒(3.5gの酸化第一銅、21.0gの47%臭化水素水溶液、8.5gのジ−t−ブチルエチレンジアミン、15.9gのジ−n−ブチルアミン、57.2gのブチルジメチルアミン)106.1g、で構成される重合溶液を用いて、予備重合工程を行い、そして、重合工程において、予備重合工程で得られた有機相を1.80kg(30質量%)、2,6−ジメチルフェノール1.50kg、トルエン4.39kg、及び触媒(3.5gの酸化第一銅、21.0gの47%臭化水素水溶液、8.5gのジ−t−ブチルエチレンジアミン、15.9gのジ−n−ブチルアミン、57.2gのブチルジメチルアミン)106.1g、で構成される重合溶液を用いたこと以外は、実施例1と同様の操作を行い、実施例8のポリフェニレンエーテルを得た。実施例8の詳細及び結果を表1に示す。
ポリフェニレンエーテル0.22kg(旭化成ケミカルズ製、S201A)、2,6−ジメチルフェノール0.86kg、トルエン4.84kg、及び触媒(2.0gの酸化第一銅、12.1gの47%臭化水素水溶液、4.9gのジ−t−ブチルエチレンジアミン、9.1gのジ−n−ブチルアミン、32.8gのブチルジメチルアミン)60.9g、で構成される重合溶液を用いて、一回の重合工程のみを行ったこと以外は、実施例1と同様の操作を行い、実施例9のポリフェニレンエーテルを得た。なお、実施例9では、酸化重合の開始以降、泡の発生が観測されたが、酸化重合開始から90分後に完全に消泡したものと認められた。実施例9の詳細及び結果を表1に示す。
2,6−ジメチルフェノール1.26kg、トルエン5.65kg、及び触媒(3.0gの酸化第一銅、17.8gの47%臭化水素水溶液、7.1gのジ−t−ブチルエチレンジアミン、13.3gのジ−n−ブチルアミン、48.0gのブチルジメチルアミン)89.2g、で構成される重合溶液を用いて、一回の重合工程のみを行ったこと以外は、実施例1と同様の操作を行い、比較例1のポリフェニレンエーテルを得た。なお、比較例1では、酸化重合の開始以降、泡の発生が観測されたが、酸化重合開始から88分後に完全に消泡したものと認められた。比較例1の詳細及び結果を表1に示す。
2,6−ジメチルフェノール1.44kg、トルエン6.46kg、及び触媒(3.4gの酸化第一銅、20.3gの47%臭化水素水溶液、8.1gのジ−t−ブチルエチレンジアミン、15.2gのジ−n−ブチルアミン、54.9gのブチルジメチルアミン)101.9g、で構成される重合溶液を用いて、一回の重合工程のみを行ったこと以外は、実施例1と同様の操作を行い、酸化重合を開始した。酸化重合開始80分経過時点で、発泡量が反応器の上限を超えそうになったため、酸化重合を中断した。比較例2のポリフェニレンエーテルは得られなかった。比較例2の詳細及び結果を表1に示す。
予備重合工程で得られた重合溶液のうち、4.80kgを抜き出し、予備重合工程における反応器に有機相(水相も含む)1.20kg残した。そして、この1.20kgの重合溶液を用いて、予備重合工程における反応器において、重合工程を行ったこと以外は、実施例1と同様の操作を行い、酸化重合を開始した。酸化重合開始150分経過時点でも、所定の液粘度に達しなかったため、酸化重合を中断した。比較例3のポリフェニレンエーテルは得られなかった。比較例3の詳細及び結果を表1に示す。
本発明のポリフェニレンエーテルの製造方法は、予め準備した還元粘度0.3〜1.0dL/gのポリフェニレンエーテルにフェノール性化合物と芳香族溶媒と触媒とを添加して調製した重合溶液に、酸素含有ガスを通気して、前記フェノール性化合物を酸化重合させる、重合工程を有することを特徴とする。
ここで、本発明のポリフェニレンエーテルの製造方法は、フェノール性化合物と芳香族溶媒と触媒とを含む予備重合溶液に、酸素含有ガスを通気して、前記フェノール性化合物を酸化重合させる、予備重合工程を更に含み、前記予め準備したポリフェニレンエーテルを、前記予備酸化重合後の前記予備重合溶液を有機相と水相とを用いて分液することで得られる有機相の少なくとも一部に含まれるポリフェニレンエーテルとすることが好ましい。
また、本発明のポリフェニレンエーテルの製造方法では、前記予め準備したポリフェニレンエーテルの量の、前記重合溶液に添加される前記フェノール性化合物の量に対する割合が、10質量%以上30質量%以下であることが好ましい。
Claims (3)
- 予め準備したポリフェニレンエーテルにフェノール性化合物と芳香族溶媒と触媒とを添加して調製した重合溶液に、酸素含有ガスを通気して、前記フェノール性化合物を酸化重合させる、重合工程を有することを特徴とする、ポリフェニレンエーテルの製造方法。
- フェノール性化合物と芳香族溶媒と触媒とを含む予備重合溶液に、酸素含有ガスを通気して、前記フェノール性化合物を酸化重合させる、予備重合工程を更に含み、
前記予め準備したポリフェニレンエーテルを、前記予備酸化重合後の前記予備重合溶液を有機相と水相とを用いて分液することで得られる有機相の少なくとも一部に含まれるポリフェニレンエーテルとする、
請求項1に記載のポリフェニレンエーテルの製造方法。 - 前記予め準備したポリフェニレンエーテルの量の、前記重合溶液に添加される前記フェノール性化合物の量に対する割合が、10質量%以上30質量%以下である、請求項1又は2に記載のポリフェニレンエーテルの製造方法。
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