JP2016222214A - フック装置 - Google Patents

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孝二 永江
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Abstract

【課題】片手でフックの係合及び離脱を行うことができるフック装置を提供する。【解決手段】フック装置1は、凸面21の係合面を有するフック2と、フック2と係合可能な凹面31を内面に有する受容部3と、を備え、フック2は、凸面21の頂点に接続された吊下部材22を備え、受容部3は、側面部に形成されフック2を挿通可能な開口部32と、凹面31の頂部から開口部32に渡って形成され吊下部材22を挿通可能な切欠部33と、を備え、受容部3に隣接して配置され凹面31と連通する空間を形成するハウジング4と、ハウジング4内に配置された弾性体5と、弾性体5と凹面31との間に配置され弾性体5により凹面31に向かって付勢されるピストン6と、を備えている。【選択図】図1

Description

本発明は、フック装置に関し、特に、凸面の係合面を有するフックに適したフック装置に関する。
船舶に搭載されたダビットや揚艇装置等のように、不安定な場所に使用されるフック装置には、凸面の係合面を有するフック(凸部材)と、該フックと係合可能な凹面を有する受容部(凹部材)と、を備えたフック装置が用いられることがある(例えば、特許文献1参照)。かかるフック装置は、例えば、特許文献1に記載されたように、凸部材を構成する凸面の頂点にワイヤロープが接続されており、ドーム形状を有する凹部材の側面部に凸部材を挿入可能な開口部が形成されており、この開口部から凹面の頂部に渡ってワイヤロープのみを挿通可能な切欠部が形成されている。
特開平10−316085号公報
上述した特許文献1に記載されたフック装置は、フック係合時には、凸部材を凹部材の開口部に挿入する動作によってストッパを押し倒し、凸部材を凹部材に係合させることによってストッパが復帰して開口部を閉鎖するように構成されている。したがって、かかるフック装置を用いることにより、例えば、揺れの大きな海洋上においても片手で凸部材を凹部材に挿入して係合させることができる。
一方で、フック離脱時には、ストッパに接続されたレバーを操作して、ストッパを傾倒した状態を保持したまま、凸部材を凹部材の開口部から引き抜くように構成されている。したがって、フック離脱時には、一方の片手でレバーを操作しつつ、他方の片手で凸部材を操作しなければならず、両手で作業しなければならない。あるいは、片足でレバーを操作しつつ、片手で凸部材を操作しなければならず、フック離脱時に片手及び片足が作業に拘束されることとなる。
このことは、揺動する海面上において、自身の手によって身体を支えることが困難となることを意味する。特に、母船から搭載艇や救命艇を海面上に降ろす場合には、海象条件が厳しいことが多く、両手又は片手・片足が塞がれることは避けるべき事態である。
本発明は、上述した問題点に鑑みて創案されたものであり、片手でフックの係合及び離脱を行うことができるフック装置を提供することを目的とする。
本発明によれば、凸面の係合面を有するフックと、該フックと係合可能な凹面を内面に有する受容部と、を備え、前記フックは、前記凸面の頂点に接続された吊下部材を備え、前記受容部は、側面部に形成され前記フックを挿通可能な開口部と、前記凹面の頂部から前記開口部に渡って形成され前記吊下部材を挿通可能な切欠部と、を備えたフック装置において、前記受容部に隣接して配置され前記凹面と連通する空間を形成するハウジングと、該ハウジング内に配置された弾性体と、該弾性体と前記凹面との間に配置され前記弾性体により前記凹面に向かって付勢されるピストンと、を備えていることを特徴とするフック装置が提供される。
前記開口部は、前記フックの外形に沿った形状を有していてもよい。また、前記ピストンは、先端が球面形状を有していてもよい。また、前記ピストンは、外周に形成されたフランジ部を有し、前記受容部又は前記収容部は、前記フランジ部と係止して前記ピストンの移動量の上限を規定する係止部を有していてもよい。
また、前記フックの非係合時に前記ピストンの付勢方向の移動を拘束するとともに前記フックの係合時に前記ピストンの付勢方向の移動を許容するストッパ機構を備えていてもよい。また、前記フックの係合時に前記ピストンの移動を拘束するロック機構を備えていてもよい。
本発明に係るフック装置によれば、フックが挿入される受容部内に弾性体により付勢されたピストンを付勢方向に移動可能に配置したことにより、フック係合時には、フックを受容部に挿入した後、ピストンによりフックの抜け止めをすることができる。また、フック離脱時には、フックを押し下げることによりピストンを押し退けながらフックを受容部から引き抜くことができる。したがって、片手で容易にフックの係合及び離脱を行うことができるとともに、フックを安定して受容部に係合させることができる。
本発明の第一実施形態に係るフック装置を示す図であり、(a)は正面部分断面図、(b)は図1(a)におけるB−B断面矢視図、である。 フックを受容部に挿入した状態を示す図であり、(a)は正面部分断面図、(b)は図2(a)におけるB−B断面矢視図、である。 フックを受容部に係合させた状態を示す図であり、(a)はロック前の状態、(b)はロック後の状態、を示している。 ストッパ機構の変形例を示す図であり、(a)は拡大断面図、(b)は図4(a)におけるB−B断面図、である。 ロック機構の変形例を示す部分拡大図であり、(a)はロック前の状態、(b)はロック後の状態、を示している。 本発明の他の実施形態に係るフック装置を示す図であり、(a)は第二実施形態、(b)は第三実施形態、を示している。 本発明の他の実施形態に係るフック装置を示す図であり、(a)は第四実施形態、(b)は第五実施形態、を示している。 フック装置の使用状態を示す図であり、(a)は側面図、(b)は背面図、である。
以下、本発明の実施形態について図1〜図8を用いて説明する。ここで、図1は、本発明の第一実施形態に係るフック装置を示す図であり、(a)は正面部分断面図、(b)は図1(a)におけるB−B断面矢視図、である。図2は、フックを受容部に挿入した状態を示す図であり、(a)は正面部分断面図、(b)は図2(a)におけるB−B断面矢視図、である。図3は、フックを受容部に係合させた状態を示す図であり、(a)はロック前の状態、(b)はロック後の状態、を示している。
本発明の一実施形態に係るフック装置1は、図1(a)〜図3(b)に示したように、凸面21の係合面を有するフック2と、フック2と係合可能な凹面31を内面に有する受容部3と、を備え、フック2は、凸面21の頂点に接続された吊下部材22を備え、受容部3は、側面部に形成されフック2を挿通可能な開口部32と、凹面31の頂部から開口部32に渡って形成され吊下部材22を挿通可能な切欠部33と、を備え、受容部3に隣接して配置され凹面31と連通する空間を形成するハウジング4と、ハウジング4内に配置された弾性体5と、弾性体5と凹面31との間に配置され弾性体5により凹面31に向かって付勢されるピストン6と、フック2の非係合時にピストン6の付勢方向の移動を拘束するとともにフック2の係合時にピストン6の付勢方向の移動を許容するストッパ機構7と、フック2の係合時にピストン6の移動を拘束するロック機構8と、を備えている。
フック2は、例えば、図2(a)及び(b)に示したように、上に凸な凸面21を有する半球体形状を有しており、その頂部に軸形状の吊下部材22が接続されている。フック2の底面には円柱形状の突起部23が形成されていてもよい。吊下部材22の先端には、ワイヤロープ24が接続される(図8参照)。なお、フック2は、図示した形状に限定されるものではなく、球体形状、円錐台形状、角錐台形状、これらに類似する形状等であってもよい。また、凸面21は球面形状に限定されるものではない。
受容部3は、ドーム形状の外形を有する本体部3aと、本体部3aの底部外周に形成されたフランジ部3bと、を有しており、本体部3aの頂部内面に凸面21の形状に対応した面形状を有する凹面31が形成されている。すなわち、例えば、凸面21が球体形状の場合には凹面31も球体形状に形成される。また、受容部3は、底部が開口した形状を有している。
この凹面31に凸面21を係止させるためには、受容部3内にフック2を挿入する必要があることから、受容部3には開口部32及び切欠部33が形成されている。かかる構成により、受容部3の側面部からフック2を開口部32に挿入しつつ吊下部材22を切欠部33に挿通することができ、フック2の垂直状態を保持したままフック2を受容部3内に挿入することができる。
開口部32は、例えば、図1(a)に示したように、フック2の外形に沿った形状を有している。従来のフック装置では、この開口部が矩形形状であったために、フック2の外形に対する隙間が大きかったが、開口部32をフック2の外形に沿った形状とすることにより、フック2の外形に対する隙間を小さくすることができ、フック2の脱落の可能性を低減することができる。
また、受容部3のフランジ部3bは、例えば、吊荷の表面Fにボルト等の固定具(図示せず)によって固定される。なお、本実施形態では、受容部3を吊荷の表面Fに固定する場合について説明しているが、後述するストッパ機構7やロック機構8を備えた台座を別部品として用意し、この台座を介して受容部3を吊荷の表面Fに固定するようにしてもよい。
ハウジング4は、例えば、受容部3の下方に配置される円筒形状の容器である。ハウジング4の上部は、受容部3の本体部3aにより形成される空間と連通するように開口している。ハウジング4は、例えば、受容部3のフランジ部3bに溶接によって固定されてもよいし、螺合によって固定されてもよい。また、ハウジング4の下部には、ハウジング4を封止する蓋部材41が固定される。蓋部材41は、例えば、ハウジング4の底部外周に形成されたフランジ部にボルト等の締結具(図示せず)によって固定される。なお、ハウジング4は、円筒形状に限定されるものではなく角筒形状であってもよい。
蓋部材41は、例えば、円板形状を有する本体部41aと、ハウジング4の軸心方向に沿って移動可能に本体部41aに配置された調整板41bと、本体部41aに配置され調整板41bの位置を調整可能な調整ネジ41cと、を有している。調整ネジ41cを回転させることにより、調整ネジ41cのハウジング4内部への突出量を調整することができ、この突出量によって調整板41bの位置を調整することができる。
弾性体5は、例えば、コイルスプリングであるが、これに限定されるものではなく、ゴムや油圧機構を用いたものであってもよい。以下、説明の便宜上、弾性体5がコイルスプリングの場合について説明する。弾性体5は、図1(a)及び(b)に示したように、ハウジング4と同軸上にハウジング4内に配置される。
弾性体5の下部は、調整板41bによって位置決めされる。例えば、調整板41bを上方に移動させることにより、弾性体5を圧縮して弾性体5の弾性力(バネ定数)を大きくすることができ、調整板41bの位置によって弾性体の弾性力(バネ定数)を調整することができる。また、弾性体5の上部は、ピストン6に接触しており、ピストン6を上方に付勢するように配置されている。
ピストン6は、受容部3に挿入されたフック2の移動を規制する部品であり、例えば、弾性体5と同軸上に配置される本体部61と、本体部61の外周に形成されたフランジ部62と、を有している。本体部61は、ハウジング4の軸心方向に延伸された形状を有し、その先端は球面形状に形成されている。かかる構成により、ピストン6(本体部61)の先端をフック2の底面部(突起部23)かつ中心部に接触させることができ、効果的にフック2の移動を規制することができる。フランジ部62は、本体部61の底部外周を拡径させた部分である。
また、受容部3は、フランジ部62と係止してピストン6の移動量の上限を規定する係止部3cを有している。係止部3cは、例えば、受容部3のフランジ部3bの内縁に形成された段差部によって構成される。かかる構成により、弾性体5により付勢されたピストン6は、最終的にフランジ部62が係止部3cに接触して停止することとなり、ピストン6の移動が規制される。したがって、受容部3に係合したフック2に対して、不必要な負荷をかけることがなく、例えば、フック2を受容部3から離脱させる際に必要な負荷を低減することができ、操作性を向上させることができる。
ストッパ機構7は、フック2を受容部3に係合させる前の状態(すなわち、非係合時)において、ピストン6の退避した状態を保持する機構である。かかるストッパ機構7をフック装置1に配置することにより、フック2を受容部3に挿入する際にピストン6が邪魔をすることがなく、フック2の挿入時における負荷を低減し、操作性を向上させることができる。なお、ストッパ機構7は、必要に応じて省略することができる。
具体的には、ストッパ機構7は、受容部3の頂部近傍に配置されるレバー71と、レバー71の揺動によって駆動されるストッパピン72と、を備え、レバー71は、フック2の非係合時に受容部3の内部に突出可能に配置され、フック2の係合時にフック2によって揺動可能に配置されている。なお、図1(b)等に示したストッパ機構7の構成は、単なる例示であって、かかる構成に限定されるものではない。また、図示しないが、ストッパ機構7の全体を覆う保護カバーを配置するようにしてもよい。
レバー71は、例えば、図1(b)に示したように、L字形状を有し、屈曲部が支持部材(図示せず)にピン結合されており、先端が開口部34から受容部3内に挿入されており、後端が第一リンク73の一端にピン結合されている。第一リンク73は、図示しないが、略水平方向に移動可能に支持されている。また、第一リンク73の他端には、受容部3のフランジ部3bに形成された切欠部に回転可能に支持された第二リンク74の一端がピン結合されている。なお、図示しないが、レバー71、第一リンク73及び第二リンク74の支持部材は、受容部3の表面やカバー部材の内面に形成される。
第二リンク74の他端には、略水平方向に移動可能に配置されたストッパピン72がピン結合されている。ストッパピン72は、例えば、表面Fに形成された凹部や切欠部に配置されており、先端がハウジング4に形成された貫通孔に挿入され、後端がバネ75によりハウジング4内に突出する方向に付勢されている。
ロック機構8は、フック2を受容部3に係合させた状態(すなわち、係合時)において、ピストン6の後退を抑制する機構である。かかるロック機構8をフック装置1に配置することにより、フック装置1の使用中に何らかの負荷がフック2に生じた場合であっても、フック2の後退を抑制することができ、フック2の脱落を抑制することができる。なお、ロック機構8は、必要に応じて省略することができる。
具体的には、ロック機構8は、フック2の係合時にピストン6の後方に配置可能に構成されたロックピン81と、ロックピン81の移動を拘束可能な拘束具82と、を備えている。ロックピン81は、例えば、表面Fに形成された凹部や切欠部に配置されており、先端がハウジング4に形成された貫通孔に挿入され、後端がバネ83によりハウジング4内に突出する方向に付勢されている。
また、ロックピン81の先端は、ピストン6のフランジ部62のエッジに引っ掛かり難い形状を有している方が好ましく、例えば、球面形状に形成されていてもよいし、ローラが配置されていてもよい。なお、フランジ部62側もエッジの角が立たないように、テーパ面や曲面が形成されていてもよい。
拘束具82は、例えば、受容部3のフランジ部3bに形成された挿通孔3d及びロックピン81に形成された挿通孔(図示せず)に挿通可能なピン形状を有している。拘束具82の先端は、表面Fの凹部に形成されたネジ孔に螺合可能に構成されていてもよい。
したがって、拘束具82を使用していない状態では、ロックピン81は略水平方向に自由に移動可能に構成されており、拘束具82を使用した状態では、ロックピン81の略水平方向の移動を拘束することができる。なお、拘束具82は、非使用時には、ロック機構8の近傍の表面Fに形成された収容孔84に収容して保管しておくようにしてもよい。
ここで、上述したフック装置1の作用について、図1(a)〜図3(b)を用いて説明する。まず、フック装置1を使用しない状態(非使用時)では、図1(a)及び(b)に示したように、受容部3にフック2は係合していない状態になっている。
このとき、ストッパ機構7のレバー71は、図1(b)に示したように、受容部3内に突出した状態になっており、ストッパピン72は、ハウジング4内でピストン6のフランジ部62の上方に突出した状態になっている。したがって、ピストン6は、ストッパピン72によって上方への移動が規制された状態になっている。なお、ロックピン81は、ハウジング4内でピストン6のフランジ部62の上方に突出した状態になっている。
フック装置1の使用時には、図2(a)及び(b)に示したように、フック2を受容部3の開口部32から受容部3の内部に挿入する。このとき、ピストン6は、ストッパ機構7により退避した状態に位置決めされていることから、フック2の受容部3への挿入時における、フック2とピストン6との干渉を低減することができる。したがって、フック2の挿入時に余分な負荷が生じることがなく、片手で容易にフック2を受容部3に挿入することができる。
その後、フック2を上方に持ち上げて、フック2の凸面21を受容部3の凹面31に係合させる。このとき、フック2がレバー71に接触することにより、レバー71は受容部3から回動しながら外部に押し出されることとなる。このレバー71の回動により、第一リンク73が受容部3側に引き寄せられるように略水平方向に移動し、連れて第二リンク74が回動し、ストッパピン72がハウジング4内から後退するように略水平方向に移動することとなる。このストッパ機構7の動作により、ピストン6の上方への移動が許容される。
したがって、ピストン6は、図3(a)に示したように、弾性体5の弾性力によってフック2の上方への移動に追従して移動し、係止部3cに接触して停止することとなる。このとき、ピストン6は、ロック機構8のロックピン81を通過することとなるが、ロックピン81の略水平方向の移動は拘束されていない。したがって、ロックピン81は、ピストン6の移動によって、一時的にハウジング4内から押し出された後、バネ83の弾性力によってピストン6の後方(下方)でハウジング4内に突出することとなる。
ところで、ピストン6が上方に移動した後、波浪等によってフック2が受容部3内でガタついた際に、ストッパピン72がハウジング4内への進退を繰り返し、ピストン6と接触してストッパピン72が破損する可能性がある。そこで、フック2が受容部3内でガタついた場合であっても、ストッパピン72がハウジング4内に進入しないように、ピストン6のフランジ部62の裏面に、ストッパピン72が挿通された貫通孔を封止する遮蔽部材63を配置するようにしてもよい。
そして、フック2の凸面21を受容部3の凹面31に係合させた後、図3(b)に示したように、拘束具82をロックピン81に挿入することによって、ロックピン81の略水平方向の移動を拘束する。このとき、ロックピン81は、ピストン6の後方(下方)に位置していることから、ピストン6の下方への移動を拘束することができる。したがって、フック2の移動も拘束することができ、厳しい海象条件のように揺れが大きな場合であっても、フック2の脱落を効果的に抑制することができる。
一方、フック2を受容部3から離脱させる場合には、基本的に上述した説明と反対の動作を行えばよい。拘束具82をロックピン81から引き抜いてロックピン81の拘束を解除することにより、図3(a)に示したように、ピストン6はハウジング4の軸心方向に移動可能な状態となる。そして、図2(b)に示したように、フック2を押し下げることにより、ピストン6を押し退けながら下方に移動させることができる。
このとき、ストッパ機構7のレバー71は、フック2の移動に伴って受容部3内に進入し、ストッパピン72がハウジング4内に進入することとなる。そして、ストッパピン72がピストン6のフランジ部62の上方に突出することにより、ピストン6は再びストッパ機構7によって位置決めされる。そして、最終的に、フック2を開口部32から引き抜くことにより、フック2が受容部3から離脱される。
次に、ストッパ機構7の変形例について、図4(a)及び(b)を参照しつつ説明する。ここで、図4は、ストッパ機構の変形例を示す図であり、(a)は拡大断面図、(b)は図4(a)におけるB−B断面図、である。
図4(a)に示したストッパ機構7は、いわゆるカム機構を利用したものである。具体的には、ストッパ機構7は、受容部3の頂部近傍に配置される駆動体76と、駆動体76の上下移動によって駆動される円筒カム77と、円筒カム77の回動に伴って駆動するストッパレバー78と、を備え、駆動体76は、フック2の非係合時に受容部3の内部に突出可能に配置され、フック2の係合時にフック2によって押し上げられるように構成されている。
また、円筒カム77の軸部にはストッパレバー78をハウジング4に突出する方向に付勢するバネ79が挿通されている。図4(b)に示したように、ストッパレバー78の表面には凸部78aが形成されており、バネ79は、ストッパレバー78が配置される凹部の壁面部と凸部78aとの間に配置される。したがって、ストッパレバー78は、バネ79により一点鎖線で示した状態になるように付勢される。
かかるストッパ機構7によれば、フック2の非係合時には、図4(a)において一点鎖線で示したように、ストッパレバー78の先端がハウジング4内に突出し、駆動体76の先端が受容部3内に突出した状態が保持され、ピストン6が位置決めされる。そして、フック2の係合時には、図4(a)において実線で示したように、駆動体76の先端が上方に移動し、それに連れて円筒カム77が回転し、ストッパレバー78が図4(b)において実線で示したように回動し、ストッパレバー78の先端がハウジング4から退避することとなり、ピストン6の上方への移動が許容される。
次に、ロック機構8の変形例について、図5(a)及び(b)を参照しつつ説明する。ここで、図5は、ロック機構の変形例を示す部分拡大図であり、(a)はロック前の状態、(b)はロック後の状態、を示している。
図5(a)に示したロック機構8は、いわゆるラッチ機構を利用したものである。具体的には、フック2の係合時にピストン6の後方に配置可能に構成されたロックピン81と、ロックピン81の移動を拘束可能な拘束具82と、を備えている。かかるロック機構8は、例えば、受容部3のフランジ部3bの下部に配置されたハウジング80内に配置される。ハウジング80は、フランジ部3bの一部に形成された凸部に配置されていてもよいし、フランジ部3bの全周に渡って配置されていてもよい。
ロックピン81は、例えば、ハウジング80内の底部に配置されており、先端がハウジング4に形成された貫通孔に挿入され、後端がハウジング80の壁面に固定されたバネ83によりハウジング4内に突出する方向に付勢されている。ロックピン81の先端には、ローラ81aが転動可能に配置されていてもよい。
拘束具82は、例えば、ロックピン81の底面に形成された切欠部81bに係止可能なラッチピン82aと、ラッチピン82aを支持するラッチ板82bと、ラッチ板82bを上方に付勢するバネ82cと、ラッチ板82bに係合可能に構成された揺動ピン82dと、により構成される。
ラッチ板82bは、ロックピン81に沿って略平行に配置され、一端が貫通孔42を介してハウジング4内に突出するように配置されており、他端がハウジング80の壁面に形成された開口部80aから外部に露出されている。また、ラッチ板82bのラッチピン82aと他端との間には、揺動ピン82dが係合可能な開口部82eが形成されている。揺動ピン82dは、中間部が図示しない支持部材にピン結合されており、上端がラッチ板82bの開口部82eに係合可能に構成されており、下端側はハウジング4から引き離す方向にバネ82fにより付勢されている。
かかるロック機構8によれば、ピストン6がストッパ機構7により位置決めされている状態(すなわち、フック2の非係合時)では、図5(a)に示したように、ラッチ板82bの一端がピストン6に接触し、ラッチ板82bの一端が揺動ピン82dに係合していることから、ラッチピン82aが下方に押し下げられた状態になっている。したがって、このとき、ラッチピン82aがロックピン81に係止していないことから、ロックピン81は略水平方向に自由に移動可能な状態になっている。
そして、フック2の係合時にピストン6の拘束が解除されて上方に移動すると、ピストン6はロックピン81を押し退きながら上方に移動して、図5(b)に示したように、ロックピン81はピストン6の後方(下方)に位置することとなる。また、このとき、ハウジング80の外部に引き出されたラッチ板82bの他端を上方に持ち上げて(その際、一旦、ラッチ板82bを押し下げるようにしてもよい。)、揺動ピン82dの係合を解除し、ラッチ板82bを上方に移動させる。そして、図5(b)に示したように、ロックピン81の切欠部81bにラッチピン82aの先端が係止し、ロックピン81の略水平方向の移動が拘束される。
次に、本発明の他の実施形態に係るフック装置1について、図6(a)〜図7(b)を参照しつつ説明する。ここで、図6は、本発明の他の実施形態に係るフック装置を示す図であり、(a)は第二実施形態、(b)は第三実施形態、を示している。図7は、本発明の他の実施形態に係るフック装置を示す図であり、(a)は第四実施形態、(b)は第五実施形態、を示している。
図6(a)に示した第二実施形態に係るフック装置1は、第一実施形態におけるロック機構8を省略したものである。かかる第二実施形態では、ストッパ機構7を有していることから、フック2の非係合時においてピストン6を退避した状態に保持することができる。したがって、受容部3にフック2を挿入する時に生じる負荷を低減することができる。なお、フック2の係合時には、ピストン6は弾性体5によって係止部3cに押し付けられた状態が保持される。
図6(b)に示した第三実施形態に係るフック装置1は、第一実施形態におけるストッパ機構7及びロック機構8の両方を省略したものである。かかる第三実施形態では、フック2の非係合時においてピストン6は弾性体5によって係止部3cに押し付けられた状態が保持されている。したがって、フック2の受容部3への挿入時にはフック2とピストン6とが干渉することとなるが、フック2を押し込むことによりピストン6を下方に押し退けることができる。そして、フック2の係合時には、ピストン6は弾性体5によって係止部3cに押し付けられた状態が保持される。
図7(a)に示した第四実施形態に係るフック装置1は、ピストン6の上限の移動量を規制する係止部3cを受容部3のフランジ部3bの下面内縁部で構成したものである。また、図7(b)に示した第五実施形態に係るフック装置1は、ピストン6の上限の移動量を規制する係止部3cをハウジング4の先端に縮径したフランジ部43で構成したものである。このように、係止部3cは、受容部3のフランジ部3bによって構成することもできるし、ハウジング4によって構成することもできる。なお、係止部3cの高さによって、ピストン6の高さを適宜変更するようにしてもよい。
次に、上述したフック装置1の使用例について、図8(a)及び(b)を参照しつつ説明する。ここで、図8は、フック装置の使用状態を示す図であり、(a)は側面図、(b)は背面図、である。
図8(a)及び(b)に示した使用例は、母船(図示せず)に設置されたクレーン装置9によって搭載艇10を吊り下げる場合を図示したものである。クレーン装置9は、例えば、水平方向に張り出したガーダ91と、ガーダ91上を走行可能な台車92と、台車92に搭載された巻取装置93と、を有している。ガーダ91は、水平方向に伸縮可能に構成されていてもよい。なお、クレーン装置9の構成は図示した構成に限定されるものではなく、一般的なダビットや揚艇装置等と同じ構成であってもよい。
搭載艇10の軸心上における前部及び後部には、例えば、上述した第一実施形態に係るフック装置1の受容部3が設置されている。フック2の吊下部材22の先端にはワイヤロープ24の一端が接続されており、ワイヤロープ24の他端は巻き取り又は送り出し可能に巻取装置93に接続されている。
上述した本実施形態に係るフック装置1によれば、フック2が挿入される受容部3内に弾性体5により付勢されたピストン6を付勢方向に移動可能に配置したことにより、フック2の係合時には、フック2を受容部3に挿入した後、ピストン6によりフック2の抜け止めをすることができる。したがって、海象条件の厳しい海洋上であっても、フック2の脱落を抑制することができる。
また、フック2の離脱時には、フック2を押し下げることによりピストン6を押し退けながらフック2を受容部3から引き抜くことができる。したがって、本実施形態に係るフック装置1を用いることにより、片手で容易にフック2の係合及び離脱を行うことができ、利便性に優れる。
本発明は上述した実施形態に限定されず、例えば、本実施形態に係るフック装置1は、コンテナの積み荷や積み卸しにも使用することができる等、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変更が可能であることは勿論である。
1 フック装置
2 フック
3 受容部
3a 本体部
3b フランジ部
3c 係止部
3d 挿通孔
4 ハウジング
5 弾性体
6 ピストン
7 ストッパ機構
8 ロック機構
9 クレーン装置
10 搭載艇
21 凸面
22 吊下部材
23 突起部
24 ワイヤロープ
31 凹面
32 開口部
33 切欠部
34 開口部
41 蓋部材
41a 本体部
41b 調整板
41c 調整ネジ
42 貫通孔
43 フランジ部
61 本体部
62 フランジ部
63 遮蔽部材
71 レバー
72 ストッパピン
73 第一リンク
74 第二リンク
75 バネ
76 駆動体
77 円筒カム
78 ストッパレバー
78a 凸部
79 バネ
80 ハウジング
80a 開口部
81 ロックピン
81a ローラ
81b 切欠部
82 拘束具
82a ラッチピン
82b ラッチ板
82c バネ
82d 揺動ピン
82e 開口部
82f バネ
83 バネ
84 収容孔
91 ガーダ
92 台車
93 巻取装置

Claims (6)

  1. 凸面の係合面を有するフックと、該フックと係合可能な凹面を内面に有する受容部と、を備え、前記フックは、前記凸面の頂点に接続された吊下部材を備え、前記受容部は、側面部に形成され前記フックを挿通可能な開口部と、前記凹面の頂部から前記開口部に渡って形成され前記吊下部材を挿通可能な切欠部と、を備えたフック装置において、
    前記受容部に隣接して配置され前記凹面と連通する空間を形成するハウジングと、
    該ハウジング内に配置された弾性体と、
    該弾性体と前記凹面との間に配置され前記弾性体により前記凹面に向かって付勢されるピストンと、
    を備えていることを特徴とするフック装置。
  2. 前記開口部は、前記フックの外形に沿った形状を有している、ことを特徴とする請求項1に記載のフック装置。
  3. 前記ピストンは、先端が球面形状を有している、ことを特徴とする請求項1に記載のフック装置。
  4. 前記ピストンは、外周に形成されたフランジ部を有し、前記受容部又は前記収容部は、前記フランジ部と係止して前記ピストンの移動量の上限を規定する係止部を有する、ことを特徴とする請求項1に記載のフック装置。
  5. 前記フックの非係合時に前記ピストンの付勢方向の移動を拘束するとともに前記フックの係合時に前記ピストンの付勢方向の移動を許容するストッパ機構を備える、ことを特徴とする請求項1に記載のフック装置。
  6. 前記フックの係合時に前記ピストンの移動を拘束するロック機構を備える、ことを特徴とする請求項1〜5の何れか一項に記載のフック装置。

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN109210935A (zh) * 2017-06-30 2019-01-15 德清县荣昌冷轧带钢有限公司 一种实验用熔炼炉及其使用方法

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