JP2016219463A - 配線構造及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】配線の拡散防止層とこれを覆う絶縁樹脂層との密着性を向上させ、信頼性の高い配線を有する配線構造を高歩留まりで実現する。【解決手段】配線構造では、Cu配線4と、Cu配線4を覆い、Cu配線4の材料の拡散を防止するバリア層5と、バリア層5を覆う絶縁樹脂層7とを有しており、バリア層5と絶縁樹脂層7との界面に、バリア層5と絶縁樹脂層7とを密着させる密着層6が形成されている。【選択図】図4
Description
本発明は、配線構造及びその製造方法に関するものである。
近年、プリント配線板の微細化、多層化及び電子部品の高密度実装化が急速に進み、プリント配線板に対してビルドアップ多層配線構造の検討が行われている。ビルドアップ多層配線構造では、配線材料としては銅、配線層間の絶縁材料としては樹脂絶縁膜が適用されており、これらを必要に応じて繰り返し積層することで、高集積化した多層配線基板を形成する。
しかしながら、配線材料の銅と樹脂絶縁膜との密着性が低いことが従来より課題となっており、当初は物理的アンカー効果に起因する密着性向上が定常的な手法であった。即ち、配線層表面を物理的に粗化して積極的に凹凸を形成し、この凹凸に樹脂絶縁層が噛み合うことで密着性を得てきた。一方、近年では銅と絶縁樹脂中の構成成分との間の化学的密着性を向上させる手法も検討されており、例えば、各種のトリアジンチオールを用いた方法が開示されている。具体的には、特許文献1では、導体上にトリアジンチオール層が形成されるが、この方法では樹脂がトリアジンチオールと反応可能なABS樹脂等に限定される。
また、特許文献2では、金属表面に対して、トリアジン化合物とトリアジン化合物と反応又は吸着可能な有機化合物をそれぞれ調製し、順に浸積して接着層を形成し、当該接着層を介して金属表面と樹脂材料を接着する手法が開示されている。しかしながら、トリアジン化合物の浸積処理の際、金属表面への処理ムラが生じるため、密着性向上の効果が均一に得られないことが判明した。目的の微細配線層では均一処理性が重要になることから、従来の手法では密着性が不十分であると考えられる。
更に、近年の配線の微細化に伴い、信頼性の観点から金属配線層に対して半導体と同様にバリア層を形成する必要性が検討されている。例えば、配線の微細化による金属配線の幅及び間隔の縮小により、配線電流密度の増大による配線金属イオンの移動現象(エレクトロマイグレーション)が発生する。そのため、これを抑制する目的で、配線金属を絶縁樹脂層中に移動させないために金属配線バリア層を設ける。具体的には、NiPやCoW,CoWP等が挙げられる。しかしながら、これらの金属配線バリア層に対して、上述した従来の密着性改善手法は適用できないことが判っている。具体的には、バリア層の厚みは100nm程度であることから、粗化処理による手法ではバリア層を消失させてしまう。また、化学的密着性の手法については、これら材料と金属配線バリア層との反応性が悪く、金属配線層で得られた密着改善効果は期待できないという課題があった。
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、配線の拡散防止層とこれを覆う絶縁樹脂層との密着性を向上させ、信頼性の高い配線を高歩留まりで実現する配線構造及びその製造方法を提供することを目的とする。
配線構造の一態様は、配線と、前記配線を覆い、前記配線の材料の拡散を防止する拡散防止層と、前記拡散防止層を覆う絶縁樹脂層とを含み、前記拡散防止層と前記絶縁樹脂層との界面に、前記拡散防止層と前記絶縁樹脂層とを密着させる密着層が形成されている。
配線構造の製造方法の一態様は、配線を形成する工程と、前記配線を覆い、前記配線の材料の拡散を防止する拡散防止層を形成する工程と、前記拡散防止層を覆う絶縁樹脂層を形成する工程とを含み、前記拡散防止層と前記絶縁樹脂層との界面に、前記拡散防止層と前記絶縁樹脂層とを密着させる密着層を形成する。
上記の諸態様によれば、配線の拡散防止層とこれを覆う絶縁樹脂層との密着性を向上させ、信頼性の高い配線を有する配線構造を高歩留まりで実現することができる。
以下、配線構造及びその製造方法の具体的な実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。本実施形態では、配線構造として多層配線構造を例示し、その構成及び製造方法について説明する。
図1〜図4は、本実施形態による多層配線構造の製造方法を工程順に示す概略断面図である。図1〜図3では、隣り合う複数のCu配線のうちの1つを拡大して示している。
図1〜図4は、本実施形態による多層配線構造の製造方法を工程順に示す概略断面図である。図1〜図3では、隣り合う複数のCu配線のうちの1つを拡大して示している。
[多層配線構造の構成]
本実施形態による多層配線構造では、例えば図3(b)に示すように、基板1上に絶縁膜2の上方に、Ti等の密着層3を介してCuを含有する配線(Cu配線)4が形成されている。Cu配線4は、その表面(上面から側面にかけて)覆うNiP等のバリア層5が形成されている。更に、バリア層5の表面(上面から側面にかけて)覆うSi又は酸化シリコン(SiO2)等の密着層6が形成されている。絶縁膜2上には、密着層3、Cu配線4、バリア層5、及び密着層6を有する構造体を覆うように、絶縁樹脂層7が形成され、配線構造とされている。上記の配線構造が、例えば図4(b)に示すように多層に積層され、多層配線構造とされている。
本実施形態による多層配線構造では、例えば図3(b)に示すように、基板1上に絶縁膜2の上方に、Ti等の密着層3を介してCuを含有する配線(Cu配線)4が形成されている。Cu配線4は、その表面(上面から側面にかけて)覆うNiP等のバリア層5が形成されている。更に、バリア層5の表面(上面から側面にかけて)覆うSi又は酸化シリコン(SiO2)等の密着層6が形成されている。絶縁膜2上には、密着層3、Cu配線4、バリア層5、及び密着層6を有する構造体を覆うように、絶縁樹脂層7が形成され、配線構造とされている。上記の配線構造が、例えば図4(b)に示すように多層に積層され、多層配線構造とされている。
[多層配線構造の製造方法]
先ず、図1(a)に示すように、基板1の上方にCuを含有する配線(Cu配線)4を形成する。
詳細には、先ず、基板1上に形成された絶縁膜2上に密着層3を例えば20nm程度の厚みに形成する。基板1としては、Si基板やSiC基板、各種の絶縁基板等が用いられる。絶縁膜2は、その材料として酸化シリコンや窒化シリコン等が用いられる。密着層3は、後述するCu配線と絶縁膜2とを強固に密着させる機能と、Cu配線から絶縁膜2への金属原子(Cu)の拡散を防止するバリア層としての機能を有するものである。密着層3の材料として例えばTi等が用いられ、スパッタ法等により例えば5〜50nm程度の厚みに堆積される。
先ず、図1(a)に示すように、基板1の上方にCuを含有する配線(Cu配線)4を形成する。
詳細には、先ず、基板1上に形成された絶縁膜2上に密着層3を例えば20nm程度の厚みに形成する。基板1としては、Si基板やSiC基板、各種の絶縁基板等が用いられる。絶縁膜2は、その材料として酸化シリコンや窒化シリコン等が用いられる。密着層3は、後述するCu配線と絶縁膜2とを強固に密着させる機能と、Cu配線から絶縁膜2への金属原子(Cu)の拡散を防止するバリア層としての機能を有するものである。密着層3の材料として例えばTi等が用いられ、スパッタ法等により例えば5〜50nm程度の厚みに堆積される。
次に、スパッタ法等により、不図示のCuシード層を例えば20nm程度の厚みに形成する。Cuシード層上にレジスト、例えばi線用ポジ型レジスト(SPRシリーズ(ロームアンドハース社製))を5μm程度の厚みに塗布する。リソグラフィーにレジストを加工して、幅10μm程度のライン&スペースの開口を形成する。電解メッキ法により、レジストの開口を埋め込むようにCuを形成する。所定のレジスト剥離液(N-メチルピロリドン(関東化学社製))を用いた処理等によりレジストを溶解剥離し、露出するCuシード層をウェットエッチング(Cu3990(メルテックス社製))により除去する。以上により、絶縁膜2上に密着層3を介してCu配線4が形成される。
続いて、図1(b)に示すように、バリア層5を形成する。
詳細には、Cu配線4を覆うように、Cu配線4のCuの拡散を防止するための被膜を形成する。この被膜としては、NiP,NiB,NiWB,CoP,CoB,CoW,CoWP,CoWBのうちから選択された少なくとも1種の元素を含有する材料、ここではNiPを用いる。パラジウム触媒を用い、無電解メッキ法により、NiPをCu配線4の露出面に対して選択的に例えば100nm程度の厚みに被膜形成する。以上により、Cu配線4を覆うバリア層5が形成される。
詳細には、Cu配線4を覆うように、Cu配線4のCuの拡散を防止するための被膜を形成する。この被膜としては、NiP,NiB,NiWB,CoP,CoB,CoW,CoWP,CoWBのうちから選択された少なくとも1種の元素を含有する材料、ここではNiPを用いる。パラジウム触媒を用い、無電解メッキ法により、NiPをCu配線4の露出面に対して選択的に例えば100nm程度の厚みに被膜形成する。以上により、Cu配線4を覆うバリア層5が形成される。
続いて、図1(c)に示すように、レジストパターン10を形成する。
詳細には、全面にレジスト、例えばi線用ポジ型レジストを2μm程度の厚みに塗布する。リソグラフィーにレジストを加工して、密着層3上の隣り合うCu配線4間にライン状にレジストを残す。以上により、レジストパターン10が形成される。
詳細には、全面にレジスト、例えばi線用ポジ型レジストを2μm程度の厚みに塗布する。リソグラフィーにレジストを加工して、密着層3上の隣り合うCu配線4間にライン状にレジストを残す。以上により、レジストパターン10が形成される。
続いて、図1(d)に示すように、密着層6を形成する。
詳細には、バリア層5と後述する絶縁樹脂層との密着を確保するための被膜を形成する。この被膜としては、Si,Fe,Ga,Zr,Ru,Pd、Ta,Tiのうちから選択された少なくとも1種の元素を含有する材料からなり、単独でも、複数種を同時に用いることもできる。また、金属以外の元素を含んでも良く、具体的には酸素、フッ素、炭素、水素が挙げられる。上記の金属の中でも、絶縁樹脂層との密着性が良好な点、及び密着性向上材料による表面処理の反応性の点を考慮するとSiが最も好ましく、形態としてはSi、又は酸化シリコン(SiO2)が望ましい。本実施形態では、スパッタ法等により全面に酸化シリコンを例えば50nm程度の厚みに堆積する。以上により、バリア層5上を含む全面に密着層6が形成される。密着層6は、選択される上記の元素及び形態により、無電解メッキ法、CVD法、スパッタ法を適宜適用して形成することができる。
詳細には、バリア層5と後述する絶縁樹脂層との密着を確保するための被膜を形成する。この被膜としては、Si,Fe,Ga,Zr,Ru,Pd、Ta,Tiのうちから選択された少なくとも1種の元素を含有する材料からなり、単独でも、複数種を同時に用いることもできる。また、金属以外の元素を含んでも良く、具体的には酸素、フッ素、炭素、水素が挙げられる。上記の金属の中でも、絶縁樹脂層との密着性が良好な点、及び密着性向上材料による表面処理の反応性の点を考慮するとSiが最も好ましく、形態としてはSi、又は酸化シリコン(SiO2)が望ましい。本実施形態では、スパッタ法等により全面に酸化シリコンを例えば50nm程度の厚みに堆積する。以上により、バリア層5上を含む全面に密着層6が形成される。密着層6は、選択される上記の元素及び形態により、無電解メッキ法、CVD法、スパッタ法を適宜適用して形成することができる。
仮にバリア層5を形成することなく、Cu配線4上に密着層6を直接形成した場合、プロセスにおける加熱条件下において、Cu配線4の銅と密着層6の元素とが相互に拡散してしまう。これを防止するためにも、バリア層5を覆う密着層6を形成することが重要である。
続いて、図2(a)に示すように、レジストパターン10を除去する。
詳細には、所定の剥離剤を用いたリフトオフ法により、レジストパターン10を剥離除去する。このとき、レジストパターン10上を覆う密着層6もレジストパターン10と共に除去される。レジストパターン10の総面積は密着層3の露出部分で大きな割合を占めており、レジストパターン10の除去により密着層3上の密着層6は微細な櫛歯状に残存する。
詳細には、所定の剥離剤を用いたリフトオフ法により、レジストパターン10を剥離除去する。このとき、レジストパターン10上を覆う密着層6もレジストパターン10と共に除去される。レジストパターン10の総面積は密着層3の露出部分で大きな割合を占めており、レジストパターン10の除去により密着層3上の密着層6は微細な櫛歯状に残存する。
続いて、図2(b)に示すように、密着層3の不要部分を除去する。
詳細には、密着層3の配線4下の部分以外の部分をウェットエッチング(TCL−TypeCP(和光純薬社製))により除去する。このとき、密着層3上に残存する密着層6は微細であるため、密着層3と共に除去される。以上のようにして、隣り合うCu配線3間において絶縁膜2の表面が露出する。Cu配線3下に密着層3が残存し、Cu配線3の上面及び側面をバリア層5を介して覆うように密着層6が残存する。
詳細には、密着層3の配線4下の部分以外の部分をウェットエッチング(TCL−TypeCP(和光純薬社製))により除去する。このとき、密着層3上に残存する密着層6は微細であるため、密着層3と共に除去される。以上のようにして、隣り合うCu配線3間において絶縁膜2の表面が露出する。Cu配線3下に密着層3が残存し、Cu配線3の上面及び側面をバリア層5を介して覆うように密着層6が残存する。
続いて、図2(c)に示すように、密着層6に対して、その表面に水酸基が生成される表面処理を施す。
この表面処理は、密着層6の表面に水酸基を生成することにより、後述する密着性向上材料との化学反応性を高めるために行われるものである。当該表面処理としては、紫外線照射や過酸化水素水への基板の浸漬処理が挙げられ、これらは適宜選択することができる。本実施形態では、工程の簡便さから、基板1の表面に例えば紫外線を照射する。例えば波長257nmの紫外線を5分間程度、照射する。これにより、密着層6の表面に水酸基が生成される。
この表面処理は、密着層6の表面に水酸基を生成することにより、後述する密着性向上材料との化学反応性を高めるために行われるものである。当該表面処理としては、紫外線照射や過酸化水素水への基板の浸漬処理が挙げられ、これらは適宜選択することができる。本実施形態では、工程の簡便さから、基板1の表面に例えば紫外線を照射する。例えば波長257nmの紫外線を5分間程度、照射する。これにより、密着層6の表面に水酸基が生成される。
続いて、図3(a)に示すように、密着層6に対して、密着性向上材料を用いた表面処理を施す。
密着層6の後述する絶縁樹脂層との密着性を向上させるための密着性向上材料としては、ケイ素化合物を少なくとも含む材料を用いることができる。具体的には、シランカップリング剤であり、樹脂絶縁膜の主材樹脂構造によって官能基を適宜選択し、適用する。官能基としては、アミノ基、メルカプト基、グリシジル基、イミダゾール基、イソシアネート基、ウレイド基、ビニル基、メタクリロキシ基、アクリロキシ基、アルキル置換アミノ基が挙げられ、これらをアルキル鎖の末端基とし、トリエチルシリルまたはトリエチルシリル基を有する構造を持つ。その他、これを溶解する溶媒を含むことができ、具体的には、水、およびメタノール、エタノールなどのアルコール類を適用することができる。好ましくは水を主溶媒とし、加水分解性を安定化する目的で少量のアルコールを添加して用いることが好ましい。シランカップリング剤(KBM−403、KBM−903、KBE−585(信越化学社製))の密着性向上材料に基板1を浸漬し、密着層6に表面処理を施す。以上により、上記の水酸基が生成される表面処理とも相俟って、密着層6の表面の絶縁樹脂層との密着性が向上する。
密着層6の後述する絶縁樹脂層との密着性を向上させるための密着性向上材料としては、ケイ素化合物を少なくとも含む材料を用いることができる。具体的には、シランカップリング剤であり、樹脂絶縁膜の主材樹脂構造によって官能基を適宜選択し、適用する。官能基としては、アミノ基、メルカプト基、グリシジル基、イミダゾール基、イソシアネート基、ウレイド基、ビニル基、メタクリロキシ基、アクリロキシ基、アルキル置換アミノ基が挙げられ、これらをアルキル鎖の末端基とし、トリエチルシリルまたはトリエチルシリル基を有する構造を持つ。その他、これを溶解する溶媒を含むことができ、具体的には、水、およびメタノール、エタノールなどのアルコール類を適用することができる。好ましくは水を主溶媒とし、加水分解性を安定化する目的で少量のアルコールを添加して用いることが好ましい。シランカップリング剤(KBM−403、KBM−903、KBE−585(信越化学社製))の密着性向上材料に基板1を浸漬し、密着層6に表面処理を施す。以上により、上記の水酸基が生成される表面処理とも相俟って、密着層6の表面の絶縁樹脂層との密着性が向上する。
続いて、図3(b)に示すように、絶縁樹脂層7を形成する。
絶縁樹脂材料としては特に限定されないが、ポリイミド樹脂、エポキシ樹脂、ビスマレイミド樹脂、マレイミド樹脂、シアネート樹脂、フェノール樹脂、ノボラック樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリフェニレンオキサイド樹脂、オレフィン樹脂、フッ素含有樹脂、液晶ポリマー、ポリエーテルイミド樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂からなる群から選ばれた少なくとも1種を含んでなるものであることが好ましい。本実施形態では、フェノール樹脂又はエポキシ樹脂を用い、スピンコート法により密着層6を埋め込むように堆積する。以上により、絶縁樹脂層7が形成される。バリア層5と絶縁樹脂層7との界面における密着層6の存在により、Cu配線4を覆うバリア層5と絶縁樹脂層7とが十分に密着することになる。
絶縁樹脂材料としては特に限定されないが、ポリイミド樹脂、エポキシ樹脂、ビスマレイミド樹脂、マレイミド樹脂、シアネート樹脂、フェノール樹脂、ノボラック樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリフェニレンオキサイド樹脂、オレフィン樹脂、フッ素含有樹脂、液晶ポリマー、ポリエーテルイミド樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂からなる群から選ばれた少なくとも1種を含んでなるものであることが好ましい。本実施形態では、フェノール樹脂又はエポキシ樹脂を用い、スピンコート法により密着層6を埋め込むように堆積する。以上により、絶縁樹脂層7が形成される。バリア層5と絶縁樹脂層7との界面における密着層6の存在により、Cu配線4を覆うバリア層5と絶縁樹脂層7とが十分に密着することになる。
図4(a)に、図3(b)の構成が複数並列して形成された場合を例示する。その後、図4(b)に示すように、絶縁樹脂層7、密着層6及びバリア層5に開口を形成し、絶縁樹脂層7上及び開口の内壁面を覆う密着層3を形成する。そして、図1(a)の配線4の形成、図1(b)〜図3(b)の諸工程を実行し、図4(b)の状態となる。しかる後、図1(a)〜図3(b)の諸工程を適宜実行して多層に配線層を形成する。以上により本実施形態による多層配線構造が形成される。
なお、本実施形態では、配線としてCu配線を例示したが、これに限定されることなく、例えば銀(Ag)を含有する配線に適用することもできる。
また、本実施形態では、所期の基板上に形成される多層配線構造を例示したが、これに限定されるものではない。例えば、プリント基板と複数の半導体チップとの間に挿入配置され、プリント基板と半導体チップとを電気的に接合する、いわゆるインターポーザに、上記の配線構造を適宜適用するようにしても良い。
また、本実施形態では、所期の基板上に形成される多層配線構造を例示したが、これに限定されるものではない。例えば、プリント基板と複数の半導体チップとの間に挿入配置され、プリント基板と半導体チップとを電気的に接合する、いわゆるインターポーザに、上記の配線構造を適宜適用するようにしても良い。
以下、本実施形態の多層配線構造の奏する効果(絶縁樹脂層7の密着性)について、比較例との比較に基づいて調べた実験結果を説明する。
この実験では、以下の表1に示す条件で本実施形態による実施例1〜10の配線構造を作製し、比較例として比較例1,2の配線構造を作製した。比較例1ではバリア層5及び密着層6を共に形成せずに紫外線照射のみを行い、比較例2ではバリア層5を形成せずに密着層6を形成して紫外線照射を行った。
この実験では、以下の表1に示す条件で本実施形態による実施例1〜10の配線構造を作製し、比較例として比較例1,2の配線構造を作製した。比較例1ではバリア層5及び密着層6を共に形成せずに紫外線照射のみを行い、比較例2ではバリア層5を形成せずに密着層6を形成して紫外線照射を行った。
密着性の評価は、ピール強度測定及びスタッド・プル(stud pull)試験により評価した。結果を以下の表2に示す。
表2に示すように、実施例1〜10では、いずれも0.47(kgf/cm)の優れたピール強度を示すと共に、いずれも700(kg/cm2)の優れたスタッド・プルの結果を示した。これに対して、比較例1,2ではいずれも、実施例1〜10に比べてピール強度及びスタッド・プルの双方について大きく劣る結果を示した。以上により、本実施形態によれば、絶縁樹脂層7の優れた密着性が実証された。
以上説明したように、本実施形態によれば、Cu配線4のバリア層5とこれを覆う絶縁樹脂層7との密着性を向上させ、信頼性の高いCu配線を有する配線構造を高歩留まりで実現することができる。
以下、配線構造及びその製造方法の諸態様について、付記としてまとめて記載する。
(付記1)配線と、
前記配線を覆うバリア層と、
前記バリア層を覆う絶縁樹脂層と
を含み、
前記バリア層と前記絶縁樹脂層との界面に、前記バリア層と前記絶縁樹脂層とを密着させる密着層が形成されていることを特徴とする配線構造。
前記配線を覆うバリア層と、
前記バリア層を覆う絶縁樹脂層と
を含み、
前記バリア層と前記絶縁樹脂層との界面に、前記バリア層と前記絶縁樹脂層とを密着させる密着層が形成されていることを特徴とする配線構造。
(付記2)前記密着層は、Si,Fe,Ga,Zr,Ru,Pd,Ta,Tiのうちから選択された少なくとも1種の元素を含有する材料からなることを特徴とする付記1に記載の配線構造。
(付記3)前記バリア層は、NiP,NiB,NiWB,CoP,CoB,CoW,CoWP,CoWBのうちから選択された少なくとも1種の元素を含有する材料からなることを特徴とする付記1又は2に記載の配線構造。
(付記4)前記絶縁樹脂層は、ポリイミド樹脂、エポキシ樹脂、ビスマレイミド樹脂、マレイミド樹脂、シアネート樹脂、フェノール樹脂、ノボラック樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリフェニレンオキサイド樹脂、オレフィン樹脂、フッ素含有樹脂、液晶ポリマー、ポリエーテルイミド樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂からなる群から選ばれた少なくとも1種を含有することを特徴とする付記1〜3のいずれか1項に記載の配線構造。
(付記5)配線を形成する工程と、
前記配線を覆うバリア層を形成する工程と、
前記バリア層を覆う絶縁樹脂層を形成する工程と
を含み、
前記バリア層と前記絶縁樹脂層との界面に、前記バリア層と前記絶縁樹脂層とを密着させる密着層を形成することを特徴とする配線構造の製造方法。
前記配線を覆うバリア層を形成する工程と、
前記バリア層を覆う絶縁樹脂層を形成する工程と
を含み、
前記バリア層と前記絶縁樹脂層との界面に、前記バリア層と前記絶縁樹脂層とを密着させる密着層を形成することを特徴とする配線構造の製造方法。
(付記6)前記密着層は、Si,Fe,Ga,Zr,Ru,Pd,Ta,Tiのうちから選択された少なくとも1種の元素を含有する材料からなることを特徴とする付記5に記載の配線構造の製造方法。
(付記7)前記密着層に対して、水酸基を生成する表面処理を施す工程を更に含むことを特徴とする付記5又は6に記載の配線構造の製造方法。
(付記8)前記密着層に対して、ケイ素化合物を少なくとも含む密着性向上材料による表面処理を施す工程を更に含むことを特徴とする付記5〜7のいずれか1項に記載の配線構造の製造方法。
(付記9)前記バリア層は、NiP,NiB,NiWB,CoP,CoB,CoW,CoWP,CoWBのうちから選択された少なくとも1種の元素を含有する材料からなることを特徴とする付記5〜8のいずれか1項に記載の配線構造の製造方法。
(付記10)前記絶縁樹脂層は、ポリイミド樹脂、エポキシ樹脂、ビスマレイミド樹脂、マレイミド樹脂、シアネート樹脂、フェノール樹脂、ノボラック樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリフェニレンオキサイド樹脂、オレフィン樹脂、フッ素含有樹脂、液晶ポリマー、ポリエーテルイミド樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂からなる群から選ばれた少なくとも1種を含有することを特徴とする付記5〜9のいずれか1項に記載の配線構造の製造方法。
1 基板
2 絶縁膜
3,6 密着層
4 Cu配線
5 バリア層
7 絶縁樹脂層
10 レジストパターン
2 絶縁膜
3,6 密着層
4 Cu配線
5 バリア層
7 絶縁樹脂層
10 レジストパターン
Claims (8)
- 配線と、
前記配線を覆うバリア層と、
前記バリア層を覆う絶縁樹脂層と
を含み、
前記バリア層と前記絶縁樹脂層との界面に、前記バリア層と前記絶縁樹脂層とを密着させる密着層が形成されていることを特徴とする配線構造。 - 前記密着層は、Si,Fe,Ga,Zr,Ru,Pd,Ta,Tiのうちから選択された少なくとも1種の元素を含有する材料からなることを特徴とする請求項1に記載の配線構造。
- 前記バリア層は、NiP,NiB,NiWB,CoP,CoB,CoW,CoWP,CoWBのうちから選択された少なくとも1種の元素を含有する材料からなることを特徴とする請求項1又は2に記載の配線構造。
- 配線を形成する工程と、
前記配線を覆うバリア層を形成する工程と、
前記バリア層を覆う絶縁樹脂層を形成する工程と
を含み、
前記バリア層と前記絶縁樹脂層との界面に、前記バリアと前記絶縁樹脂層とを密着させる密着層を形成することを特徴とする配線構造の製造方法。 - 前記密着層は、Si,Fe,Ga,Zr,Ru,Pd,Ta,Tiのうちから選択された少なくとも1種の元素を含有する材料からなることを特徴とする請求項4に記載の配線構造の製造方法。
- 前記密着層に対して、水酸基を生成する表面処理を施す工程を更に含むことを特徴とする請求項4又は5に記載の配線構造の製造方法。
- 前記密着層に対して、ケイ素化合物を少なくとも含む密着性向上材料による表面処理を施す工程を更に含むことを特徴とする請求項4〜6のいずれか1項に記載の配線構造の製造方法。
- 前記バリア層は、NiP,NiB,NiWB,CoP,CoB,CoW,CoWP,CoWBのうちから選択された少なくとも1種の元素を含有する材料からなることを特徴とする請求項4〜7のいずれか1項に記載の配線構造の製造方法。
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