JP2016218085A - 癌を検出するための方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】癌を検出するための方法の提供。
【解決手段】動物における1種以上の癌タイプの非存在もしくは存在を決定するための方法が、本明細書で開示される。いくつかの実施形態において、上記動物に由来するサンプル(例えば、体液もしくはその処理物)中の脂質の量は、決定するための予測モデルとともに使用される。上記脂質量は、いくつかの場合において、質量分析システムを使用して、測定され得る。一実施形態において、動物における少なくとも1種の癌タイプの存在もしくは非存在を決定するための方法が提供され、該方法は、該動物に由来するサンプル中の脂質セットにおける脂質の脂質量を決定する工程、および該動物における少なくとも1種の癌タイプの存在もしくは非存在を、予測モデルで決定する工程;を包含し、ここで、該脂質セットにおける脂質の脂質量は、該予測モデルの入力を含み、そして該サンプルは、体液もしくはその処理物を含む。
【選択図】なし
【解決手段】動物における1種以上の癌タイプの非存在もしくは存在を決定するための方法が、本明細書で開示される。いくつかの実施形態において、上記動物に由来するサンプル(例えば、体液もしくはその処理物)中の脂質の量は、決定するための予測モデルとともに使用される。上記脂質量は、いくつかの場合において、質量分析システムを使用して、測定され得る。一実施形態において、動物における少なくとも1種の癌タイプの存在もしくは非存在を決定するための方法が提供され、該方法は、該動物に由来するサンプル中の脂質セットにおける脂質の脂質量を決定する工程、および該動物における少なくとも1種の癌タイプの存在もしくは非存在を、予測モデルで決定する工程;を包含し、ここで、該脂質セットにおける脂質の脂質量は、該予測モデルの入力を含み、そして該サンプルは、体液もしくはその処理物を含む。
【選択図】なし
Description
(関連出願への相互参照)
この出願は、2010年6月23日に出願された米国仮出願第61/357,642号(これは、その全体が参考として本明細書に援用される)の利益を主張する。
この出願は、2010年6月23日に出願された米国仮出願第61/357,642号(これは、その全体が参考として本明細書に援用される)の利益を主張する。
(政府の権利)
本発明は、National Science Foundation/Office of Experimental Program to Stimulate Competitive Research(EPSCoR)によって付与された助成金番号EPS−0447479の下、政府の支援を部分的に受けてなされた。米国政府は、本発明に一定の権利を有する。
本発明は、National Science Foundation/Office of Experimental Program to Stimulate Competitive Research(EPSCoR)によって付与された助成金番号EPS−0447479の下、政府の支援を部分的に受けてなされた。米国政府は、本発明に一定の権利を有する。
(背景)
癌は、主要な死亡原因であり、受難であり、米国において、および全世界にわたって、医療システムに対する大きな損害である。早期検出が、よりよい処置選択肢および改善された結果と関連づけられる。従って、癌の早期検出は、受難およびコストの両方を最小限にする一助となり得ると同時に、代表的には、生存の機会を増大させる。従って、本発明のいくつかの実施形態は、動物における癌の存在を決定するための方法である。
癌は、主要な死亡原因であり、受難であり、米国において、および全世界にわたって、医療システムに対する大きな損害である。早期検出が、よりよい処置選択肢および改善された結果と関連づけられる。従って、癌の早期検出は、受難およびコストの両方を最小限にする一助となり得ると同時に、代表的には、生存の機会を増大させる。従って、本発明のいくつかの実施形態は、動物における癌の存在を決定するための方法である。
(要旨)
本発明の実施形態は、動物における少なくとも1種の癌タイプ(cancer type)の存在もしくは非存在を決定するための方法を包含し、上記方法は、上記動物に由来するサンプル中の脂質セット(lipid set)における脂質の脂質量(lipid amount)を決定する工程、および該動物における少なくとも1種の癌タイプの存在もしくは非存在を、予測モデルで決定する工程を包含する。これら方法のうちのいくつかにおいて、上記脂質セットにおける脂質の脂質量は、上記予測モデルの入力を含み、上記サンプルは、体液もしくはその処理物(treatment)を含む。
本発明の実施形態は、動物における少なくとも1種の癌タイプ(cancer type)の存在もしくは非存在を決定するための方法を包含し、上記方法は、上記動物に由来するサンプル中の脂質セット(lipid set)における脂質の脂質量(lipid amount)を決定する工程、および該動物における少なくとも1種の癌タイプの存在もしくは非存在を、予測モデルで決定する工程を包含する。これら方法のうちのいくつかにおいて、上記脂質セットにおける脂質の脂質量は、上記予測モデルの入力を含み、上記サンプルは、体液もしくはその処理物(treatment)を含む。
いくつかの実施形態において、上記体液は、血漿 吐物(plasma vomit)、耳垢、胃液、母乳、粘液、唾液、皮脂、精液、汗、涙液、膣分泌物、血清、眼房水、硝子体液、内リンパ液、外リンパ液、腹膜液(peritoneal fluid)、胸膜液、脳脊髄液、血液、血漿、乳頭吸引液(nipple aspirate fluid)、尿、糞便、および気管支肺胞洗浄液(bronchioalveolar lavage fluid)からなる群より選択される。さらに他の実施形態において、上記体液は、血液もしくは血漿である。さらに他の実施形態において、上記サンプルは、脂質微小胞画分(lipid microvesicle fraction)を含む。
いくつかの例示的実施形態において、上記脂質セットは、少なくとも10種の脂質、少なくとも50種の脂質、少なくとも100種の脂質、少なくとも200種の脂質、もしくは100,000種以下の脂質を含む。
いくつかの場合において、上記脂質セットは、BMP、CE、Cer、DAG、DH−LTB4、FA、GA2、GM3、HexCer、HexDHCer、LacCer、LysoPA、LysoPC、LysoPC−pmg、LysoPE、LysoPE−pmg、LysoPS、MAG、PC、PC−pmg、PE、PE−pmg、PGA1、PGB1、SM、スフィンゴシン、TAG、およびTH−12−ケト−LTB4からなる群より選択される脂質の1種以上のクラスから選択される1種以上の脂質を含む。他の場合において、上記脂質セットは、
いくつかの実施形態において、上記少なくとも1種の癌タイプは、肺癌を含み、上記脂質セットにおける1種以上の脂質は、LysoPA(22:0)、PE−pmg(42:9)、FA(16:3)、FA(19:1)、CE(18:2)、Cer(36:1)、Cer(38:4)、PC(38:5)、Cer(38:1)、およびTAG(44:3)からなる群より選択される。さらに他の実施形態において、上記少なくとも1種の癌タイプは、肺癌を含み、上記脂質セットにおける1種以上の脂質は、
本発明のいくつかの実施形態において、上記少なくとも1種の癌タイプは、乳癌を含み、上記脂質セットにおける1種以上の脂質は、LysoPA(22:1)、PE−pmg(42:9)、CE(20:5)、TAG(52:3)、LysoPA(22:0)、PC(36:3)、PC(36:4)、PC(36:2)、PC(34:2)、およびPC(34:1)からなる群より選択される。他の実施形態において、上記少なくとも1種の癌タイプは、乳癌を含み、上記脂質セットにおける1種以上の脂質は、
本発明のいくつかの実施形態において、上記少なくとも1種の癌タイプは、肺癌および乳癌を含み、上記脂質セットにおける1種以上の脂質は、LysoPA(22:1)、PC(36:5)、TAG(52:3)、PC(38:5)、CE(20:5)、TAG(50:2)、BMP(39:1)、PC(34:2)、CE(18:2)、およびPC(34:1)からなる群より選択される。他の実施形態において、上記少なくとも1種の癌タイプは、肺癌および乳癌を含み、上記脂質セットにおける1種以上の脂質は、
本発明のいくつかの実施形態において、上記脂質量は、質量分析を用いて(例えば、フーリエ変換イオンサイクロトロン共鳴質量分析計で)、決定される。
他の実施形態において、上記サンプルは、体液の処理物である。例えば、上記サンプルは、アセトニトリル、水、クロロホルム、メタノール、ブチルヒドロキシトルエン、トリクロロ酢酸、もしくはこれらの組み合わせを含む1種以上の溶液を使用して、1種以上の抽出物を含む体液の処理物であり得る。
いくつかの実施形態において、上記予測モデルは、1つ以上の次元縮小法(dimension reduction method)(例えば、主成分分析(principal component analysis)(PCA)、シムカ法(soft independent modeling of class analogy)(SIMCA)、部分最小二乗法判別分析(partial least squares discriminant analysis)(PLS−DA)、および直交部分最小二乗法判別分析(orthogonal partial least squares discriminant analysis)(OPLS−DA)からなる群より選択される1つ以上の方法)を含む。
本発明のいくつかの実施形態において、上記動物は、ヒト、イヌ、ネコ、ウマ、ウシ、ブタ、ヒツジ、ニワトリ、シチメンチョウ、マウス、およびラットからなる群より選択される。
本発明の他の実施形態において、上記少なくとも1種の癌タイプは、癌腫、肉腫、血液の癌、神経の悪性疾患、基底細胞癌、甲状腺癌、神経芽細胞腫、卵巣癌、黒色腫、腎細胞癌、肝細胞癌、乳癌、結腸癌、肺癌、膵臓癌、脳の癌、前立腺癌、慢性リンパ性白血病、急性リンパ芽球性白血病、横紋筋肉腫、多形膠芽細胞腫、髄膜腫、膀胱癌、胃癌(gastric cancer)、神経膠腫、口腔癌(oral cancer)、鼻咽頭癌、腎臓癌、直腸癌、リンパ節の癌、骨髄の癌、胃癌(stomach cancer)、子宮癌、白血病、基底細胞癌、上皮細胞に関する癌、ピルビン酸カルボキシラーゼの調節もしくは活性を変化させ得る癌、および前述の癌タイプのうちのいずれかと関連する腫瘍からなる群より選択される。
さらなる実施形態において、上記方法は、1種より多くの癌タイプの存在もしくは非存在を決定する工程を包含する。
本発明の実施形態は、動物における少なくとも1種の癌タイプの存在もしくは非存在を決定するための方法を包含し、上記方法は、上記動物における少なくとも1種の癌タイプの存在もしくは非存在を、上記動物に由来するサンプル中の脂質セットにおける脂質の脂質量を分析することによって、予測モデルで決定する工程を包含する。いくつかの場合において、上記脂質セットにおける脂質の脂質量は、上記予測モデルの入力を含み、上記サンプルは、体液もしくはその処理物を含む。
特定の実施形態では、例えば以下が提供される:
(項目1)
動物における少なくとも1種の癌タイプの存在もしくは非存在を決定するための方法であって、該方法は、
− 該動物に由来するサンプル中の脂質セットにおける脂質の脂質量を決定する工程、および
− 該動物における少なくとも1種の癌タイプの存在もしくは非存在を、予測モデルで決定する工程;
を包含し、ここで
− 該脂質セットにおける脂質の脂質量は、該予測モデルの入力を含み、そして
− 該サンプルは、体液もしくはその処理物を含む、
方法。
(項目2)
前記体液は、血漿 吐物、耳垢、胃液、母乳、粘液、唾液、皮脂、精液、汗、涙液、膣分泌物、血清、眼房水、硝子体液、内リンパ液、外リンパ液、腹膜液、胸膜液、脳脊髄液、血液、血漿、乳頭吸引液、尿、糞便、および気管支肺胞洗浄液からなる群より選択される、項目1に記載の方法。
(項目3)
前記体液は、血液もしくは血漿である、項目1に記載の方法。
(項目4)
前記サンプルは、脂質微小胞画分を含む、項目1に記載の方法。
(項目5)
前記脂質セットは、少なくとも10種の脂質を含む、項目1に記載の方法。
(項目6)
前記脂質セットは、少なくとも50種の脂質を含む、項目1に記載の方法。
(項目7)
前記脂質セットは、少なくとも100種の脂質を含む、項目1に記載の方法。
(項目8)
前記脂質セットは、少なくとも200種の脂質を含む、項目1に記載の方法。
(項目9)
前記脂質セットは、100,000種以下の脂質を含む、項目1に記載の方法。
(項目10)
前記脂質セットは、BMP、CE、Cer、DAG、DH−LTB4、FA、GA2、GM3、HexCer、HexDHCer、LacCer、LysoPA、LysoPC、LysoPC−pmg、LysoPE、LysoPE−pmg、LysoPS、MAG、PC、PC−pmg、PE、PE−pmg、PGA1、PGB1、SM、スフィンゴシン、TAG、およびTH−12−ケト−LTB4からなる群より選択される脂質の1以上のクラスから選択される1種以上の脂質を含む、項目1に記載の方法。
(項目11)
前記脂質セットは、FA、MAG、DAG、TAG、PI、PE、PS、PI、PG、PA、LysoPC、LysoPE、LysoPS、LysoPI、LysoPG、LysoPA、LysoPC、LysoPE、BMP、SM、Cer、Cer−P、HexCer、GA1、GA2、GD1、GD2、GM1、GM2、GM3、GT1、およびCEからなる群より選択される脂質の1種以上のクラスから選択される1種以上の脂質を含む、項目1に記載の方法。
(項目12)
前記脂質セットにおける1種以上の脂質は、以下:
からなる群より選択される、項目1に記載の方法。
(項目13)
前記少なくとも1種の癌タイプは、肺癌を含み、前記脂質セットにおける1種以上の脂質は、LysoPA(22:0)、PE−pmg(42:9)、FA(16:3)、FA(19:1)、CE(18:2)、Cer(36:1)、Cer(38:4)、PC(38:5)、Cer(38:1)、およびTAG(44:3)からなる群より選択される、項目1に記載の方法。
(項目14)
前記少なくとも1種の癌タイプは、肺癌を含み、前記脂質セットにおける1種以上の脂質は、以下:
からなる群より選択される、項目1に記載の方法。
(項目15)
前記少なくとも1種の癌タイプは、肺癌を含み、前記脂質セットにおける1種以上の脂質は、TAG(44:3)、PC(36:5)、PC(38:5)、Cer(38:4)、PE−pmg(42:9)、PC(38:7)、LysoPA(22:0)、Cer(38:1)、Cer(34:1)、およびCer(36:1)からなる群より選択される、項目1に記載の方法。
(項目16)
前記少なくとも1種の癌タイプは、乳癌を含み、前記脂質セットにおける1種以上の脂質は、LysoPA(22:1)、PE−pmg(42:9)、CE(20:5)、TAG(52:3)、LysoPA(22:0)、PC(36:3)、PC(36:4)、PC(36:2)、PC(34:2)、およびPC(34:1)からなる群より選択される、項目1に記載の方法。
(項目17)
前記少なくとも1種の癌タイプは、乳癌を含み、前記脂質セットにおける1種以上の脂質は、以下:
からなる群より選択される、項目1に記載の方法。
(項目18)
前記少なくとも1種の癌タイプは、乳癌を含み、前記脂質セットにおける1種以上の脂質は、PC(34:2)、PC(34:1)、PC(36:2)、PC(36:4)、PC(36:3)、PC(38:4)、LysoPA(22:1)、PE−pmg(42:9)、LysoPA(22:0)、およびCE(20:5)からなる群より選択される、項目1に記載の方法。
(項目19)
前記少なくとも1種の癌タイプは、肺癌および乳癌を含み、前記脂質セットにおける1種以上の脂質は、LysoPA(22:1)、PC(36:5)、TAG(52:3)、PC(38:5)、CE(20:5)、TAG(50:2)、BMP(39:1)、PC(34:2)、CE(18:2)、およびPC(34:1)からなる群より選択される、項目1に記載の方法。
(項目20)
前記少なくとも1種の癌タイプは、肺癌および乳癌を含み、前記脂質セットにおける1種以上の脂質は、以下:
からなる群より選択される、項目1に記載の方法。
(項目21)
前記少なくとも1種の癌タイプは、肺癌および乳癌を含み、前記脂質セットにおける1種以上の脂質は、PC(34:2)、PC(36:2)、TAG(44:3)、CE(18:2)、PC(34:1)、LysoPA(22:1)、PC(36:5)、Cer(36:1)、CE(20:5)、およびPC(36:3)からなる群より選択される、項目1に記載の方法。
(項目22)
前記脂質量は、質量分析を使用して決定される、項目1に記載の方法。
(項目23)
前記脂質量は、フーリエ変換イオンサイクロトロン共鳴質量分析計を使用して決定される、項目1に記載の方法。
(項目24)
前記サンプルは、体液の処理物である、項目1に記載の方法。
(項目25)
前記サンプルは、体液の処理物であり、該処理物は、アセトニトリル、水、クロロホルム、メタノール、ブチルヒドロキシトルエン、トリクロロ酢酸、もしくはこれらの組み合わせを含む1種以上の溶液を使用した1種以上の抽出物を含む、項目1に記載の方法。
(項目26)
前記予測モデルは、1つ以上の次元縮小法を含む、項目1に記載の方法。
(項目27)
前記予測モデルは、主成分分析(PCA)、シムカ法(SIMCA)、部分最小二乗法判別分析(PLS−DA)、および直行部分最小二乗法判別分析(OPLS−DA)からなる群より選択される1種以上の方法を含む、項目1に記載の方法。
(項目28)
前記動物は、ヒト、イヌ、ネコ、ウマ、ウシ、ブタ、ヒツジ、ニワトリ、シチメンチョウ、マウス、およびラットからなる群より選択される、項目1に記載の方法。
(項目29)
前記少なくとも1種の癌タイプは、癌腫、肉腫、血液の癌、神経の悪性疾患、基底細胞癌、甲状腺癌、神経芽細胞腫、卵巣癌、黒色腫、腎細胞癌、肝細胞癌、乳癌、結腸癌、肺癌、膵臓癌、脳の癌、前立腺癌、慢性リンパ性白血病、急性リンパ芽球性白血病、横紋筋肉腫、多形膠芽細胞腫、髄膜腫、膀胱癌、胃癌(gastric cancer)、神経膠腫、口腔癌、鼻咽頭癌、腎臓癌、直腸癌、リンパ節の癌、骨髄の癌、胃癌(stomach cancer)、子宮癌、白血病、基底細胞癌、上皮細胞に関する癌、ピルビン酸カルボキシラーゼの調節もしくは活性を変化させ得る癌、および前述の癌タイプのうちのいずれかと関連する腫瘍からなる群より選択される、項目1に記載の方法。
(項目30)
1種より多い癌タイプの存在もしくは非存在を決定する工程を包含する、項目1に記載の方法。
(項目31)
動物における少なくとも1種の癌タイプの存在もしくは非存在を決定するための方法であって、該方法は、
− 該動物における少なくとも1種の癌タイプの存在もしくは非存在を、該動物に由来するサンプル中の脂質セットにおける脂質の脂質量を分析することによって、予測モデルで決定する工程;
を包含し、ここで
− 該脂質セットにおける脂質の脂質量は、該予測モデルの入力を含み、そして
− 該サンプルは、体液もしくはその処理物を含む、
方法。
特定の実施形態では、例えば以下が提供される:
(項目1)
動物における少なくとも1種の癌タイプの存在もしくは非存在を決定するための方法であって、該方法は、
− 該動物に由来するサンプル中の脂質セットにおける脂質の脂質量を決定する工程、および
− 該動物における少なくとも1種の癌タイプの存在もしくは非存在を、予測モデルで決定する工程;
を包含し、ここで
− 該脂質セットにおける脂質の脂質量は、該予測モデルの入力を含み、そして
− 該サンプルは、体液もしくはその処理物を含む、
方法。
(項目2)
前記体液は、血漿 吐物、耳垢、胃液、母乳、粘液、唾液、皮脂、精液、汗、涙液、膣分泌物、血清、眼房水、硝子体液、内リンパ液、外リンパ液、腹膜液、胸膜液、脳脊髄液、血液、血漿、乳頭吸引液、尿、糞便、および気管支肺胞洗浄液からなる群より選択される、項目1に記載の方法。
(項目3)
前記体液は、血液もしくは血漿である、項目1に記載の方法。
(項目4)
前記サンプルは、脂質微小胞画分を含む、項目1に記載の方法。
(項目5)
前記脂質セットは、少なくとも10種の脂質を含む、項目1に記載の方法。
(項目6)
前記脂質セットは、少なくとも50種の脂質を含む、項目1に記載の方法。
(項目7)
前記脂質セットは、少なくとも100種の脂質を含む、項目1に記載の方法。
(項目8)
前記脂質セットは、少なくとも200種の脂質を含む、項目1に記載の方法。
(項目9)
前記脂質セットは、100,000種以下の脂質を含む、項目1に記載の方法。
(項目10)
前記脂質セットは、BMP、CE、Cer、DAG、DH−LTB4、FA、GA2、GM3、HexCer、HexDHCer、LacCer、LysoPA、LysoPC、LysoPC−pmg、LysoPE、LysoPE−pmg、LysoPS、MAG、PC、PC−pmg、PE、PE−pmg、PGA1、PGB1、SM、スフィンゴシン、TAG、およびTH−12−ケト−LTB4からなる群より選択される脂質の1以上のクラスから選択される1種以上の脂質を含む、項目1に記載の方法。
(項目11)
前記脂質セットは、FA、MAG、DAG、TAG、PI、PE、PS、PI、PG、PA、LysoPC、LysoPE、LysoPS、LysoPI、LysoPG、LysoPA、LysoPC、LysoPE、BMP、SM、Cer、Cer−P、HexCer、GA1、GA2、GD1、GD2、GM1、GM2、GM3、GT1、およびCEからなる群より選択される脂質の1種以上のクラスから選択される1種以上の脂質を含む、項目1に記載の方法。
(項目12)
前記脂質セットにおける1種以上の脂質は、以下:
(項目13)
前記少なくとも1種の癌タイプは、肺癌を含み、前記脂質セットにおける1種以上の脂質は、LysoPA(22:0)、PE−pmg(42:9)、FA(16:3)、FA(19:1)、CE(18:2)、Cer(36:1)、Cer(38:4)、PC(38:5)、Cer(38:1)、およびTAG(44:3)からなる群より選択される、項目1に記載の方法。
(項目14)
前記少なくとも1種の癌タイプは、肺癌を含み、前記脂質セットにおける1種以上の脂質は、以下:
からなる群より選択される、項目1に記載の方法。
(項目15)
前記少なくとも1種の癌タイプは、肺癌を含み、前記脂質セットにおける1種以上の脂質は、TAG(44:3)、PC(36:5)、PC(38:5)、Cer(38:4)、PE−pmg(42:9)、PC(38:7)、LysoPA(22:0)、Cer(38:1)、Cer(34:1)、およびCer(36:1)からなる群より選択される、項目1に記載の方法。
(項目16)
前記少なくとも1種の癌タイプは、乳癌を含み、前記脂質セットにおける1種以上の脂質は、LysoPA(22:1)、PE−pmg(42:9)、CE(20:5)、TAG(52:3)、LysoPA(22:0)、PC(36:3)、PC(36:4)、PC(36:2)、PC(34:2)、およびPC(34:1)からなる群より選択される、項目1に記載の方法。
(項目17)
前記少なくとも1種の癌タイプは、乳癌を含み、前記脂質セットにおける1種以上の脂質は、以下:
からなる群より選択される、項目1に記載の方法。
(項目18)
前記少なくとも1種の癌タイプは、乳癌を含み、前記脂質セットにおける1種以上の脂質は、PC(34:2)、PC(34:1)、PC(36:2)、PC(36:4)、PC(36:3)、PC(38:4)、LysoPA(22:1)、PE−pmg(42:9)、LysoPA(22:0)、およびCE(20:5)からなる群より選択される、項目1に記載の方法。
(項目19)
前記少なくとも1種の癌タイプは、肺癌および乳癌を含み、前記脂質セットにおける1種以上の脂質は、LysoPA(22:1)、PC(36:5)、TAG(52:3)、PC(38:5)、CE(20:5)、TAG(50:2)、BMP(39:1)、PC(34:2)、CE(18:2)、およびPC(34:1)からなる群より選択される、項目1に記載の方法。
(項目20)
前記少なくとも1種の癌タイプは、肺癌および乳癌を含み、前記脂質セットにおける1種以上の脂質は、以下:
からなる群より選択される、項目1に記載の方法。
(項目21)
前記少なくとも1種の癌タイプは、肺癌および乳癌を含み、前記脂質セットにおける1種以上の脂質は、PC(34:2)、PC(36:2)、TAG(44:3)、CE(18:2)、PC(34:1)、LysoPA(22:1)、PC(36:5)、Cer(36:1)、CE(20:5)、およびPC(36:3)からなる群より選択される、項目1に記載の方法。
(項目22)
前記脂質量は、質量分析を使用して決定される、項目1に記載の方法。
(項目23)
前記脂質量は、フーリエ変換イオンサイクロトロン共鳴質量分析計を使用して決定される、項目1に記載の方法。
(項目24)
前記サンプルは、体液の処理物である、項目1に記載の方法。
(項目25)
前記サンプルは、体液の処理物であり、該処理物は、アセトニトリル、水、クロロホルム、メタノール、ブチルヒドロキシトルエン、トリクロロ酢酸、もしくはこれらの組み合わせを含む1種以上の溶液を使用した1種以上の抽出物を含む、項目1に記載の方法。
(項目26)
前記予測モデルは、1つ以上の次元縮小法を含む、項目1に記載の方法。
(項目27)
前記予測モデルは、主成分分析(PCA)、シムカ法(SIMCA)、部分最小二乗法判別分析(PLS−DA)、および直行部分最小二乗法判別分析(OPLS−DA)からなる群より選択される1種以上の方法を含む、項目1に記載の方法。
(項目28)
前記動物は、ヒト、イヌ、ネコ、ウマ、ウシ、ブタ、ヒツジ、ニワトリ、シチメンチョウ、マウス、およびラットからなる群より選択される、項目1に記載の方法。
(項目29)
前記少なくとも1種の癌タイプは、癌腫、肉腫、血液の癌、神経の悪性疾患、基底細胞癌、甲状腺癌、神経芽細胞腫、卵巣癌、黒色腫、腎細胞癌、肝細胞癌、乳癌、結腸癌、肺癌、膵臓癌、脳の癌、前立腺癌、慢性リンパ性白血病、急性リンパ芽球性白血病、横紋筋肉腫、多形膠芽細胞腫、髄膜腫、膀胱癌、胃癌(gastric cancer)、神経膠腫、口腔癌、鼻咽頭癌、腎臓癌、直腸癌、リンパ節の癌、骨髄の癌、胃癌(stomach cancer)、子宮癌、白血病、基底細胞癌、上皮細胞に関する癌、ピルビン酸カルボキシラーゼの調節もしくは活性を変化させ得る癌、および前述の癌タイプのうちのいずれかと関連する腫瘍からなる群より選択される、項目1に記載の方法。
(項目30)
1種より多い癌タイプの存在もしくは非存在を決定する工程を包含する、項目1に記載の方法。
(項目31)
動物における少なくとも1種の癌タイプの存在もしくは非存在を決定するための方法であって、該方法は、
− 該動物における少なくとも1種の癌タイプの存在もしくは非存在を、該動物に由来するサンプル中の脂質セットにおける脂質の脂質量を分析することによって、予測モデルで決定する工程;
を包含し、ここで
− 該脂質セットにおける脂質の脂質量は、該予測モデルの入力を含み、そして
− 該サンプルは、体液もしくはその処理物を含む、
方法。
以下の図面は、本明細書の一部を形成し、本発明の特定の局面をさらに実証するために含められる。本発明は、本明細書で提示される具体的実施形態の説明と組み合わせて、これら図面のうちの1つ以上を参照することによってよりよく理解され得る。
(詳細な説明)
本発明のいくつかの実施形態は、サンプル中の脂質セットにおいて脂質量を決定することによって、1種以上の癌タイプの存在もしくは非存在を検出するための方法を包含する。上記サンプルは、動物に由来する体液(もしくはその処理物)であり得る。いくつかの場合において、上記サンプル(例えば、体液抽出物)は、体液中に通常見いだされるものより高い脂質微小小胞の濃度を含む。上記脂質セットにおける脂質量は、1種以上の癌タイプの存在もしくは非存在を決定するために予測モデルを使用して分析される。
本発明のいくつかの実施形態は、サンプル中の脂質セットにおいて脂質量を決定することによって、1種以上の癌タイプの存在もしくは非存在を検出するための方法を包含する。上記サンプルは、動物に由来する体液(もしくはその処理物)であり得る。いくつかの場合において、上記サンプル(例えば、体液抽出物)は、体液中に通常見いだされるものより高い脂質微小小胞の濃度を含む。上記脂質セットにおける脂質量は、1種以上の癌タイプの存在もしくは非存在を決定するために予測モデルを使用して分析される。
脂質は、以下の表記 XXX(YY:ZZ)に従って示される。XXXは、例えば、表1に提供されるように、脂質群(脂質ヘッド基を示す多くの場合において)についての略語である。YYは、アシル鎖における炭素数である。ZZは、上記アシル鎖中の二重結合数である。
用語、脂質は、本明細書で使用される場合、1種以上のアイソマーの集まりとして定義される。例えば、PC(36:1)は、脂質であり、かつ上記アシル鎖中に36個の炭素および上記2種のアシル鎖のいずれかにおいて1個の二重結合を有する、ホスファチジルコリンアイソマーのうちの1種以上のあつまりである;これらアイソマーは、同一の分子量を有する。用語脂質は、アイソマーの集まり全体を包含し得るが、上記サンプルは、実際には、1種のみのアイソマー、いくつかのアイソマー、もしくは集まりの中にすべての考えられるアイソマーの全数より少ない任意の数のアイソマーを有し得る。よって、脂質は、考えられるアイソマーの集まり全体を構成する上記アイソマーのうちの1種以上に言及し得る。
用語、脂質セットは、1種以上の脂質を含むように定義される。
用語、脂質量(および類似の語句(例えば、脂質の量(amounts of lipids or amount of a lipid)))は、脂質の絶対量(例えば、mmole単位で)もしくは脂質の相対量(例えば、%相対強度の単位で)を含むように定義される。
表1は、データ中に使用される脂質名略語を提供する;他の略語は、必要とされる場合、本文中に提供される。
上記体液は、任意の動物組織(例えば、哺乳動物組織)から得られ得、結合組織、筋組織、神経組織、脂肪組織、内皮組織、もしくは上皮組織が挙げられるが、これらに限定されない。上記組織は、器官の少なくとも一部もしくは器官系の一部であり得る。器官としては、心臓、血液、血管、唾液腺、食道、胃、肝臓、胆嚢、膵臓、大腸、小腸、直腸、肛門、結腸、内分泌腺(例えば、視床下部、下垂体、松果体、甲状腺、副甲状腺および副腎)、腎臓、尿管、膀胱、尿道皮膚(urethraskin)、毛髪、爪、リンパ、リンパ節、リンパ管、白血球、扁桃、咽頭扁桃、胸腺、脾臓、筋肉、脳、脊髄、末梢神経、神経、生殖器(例えば、卵巣、卵管、子宮、膣、乳腺(例えば、乳房)、精巣、精管、精嚢、前立腺および陰茎)、咽頭、喉頭、気管、気管支、肺、横隔膜、骨、軟骨、靱帯、もしくは腱が挙げられ得るが、これらに限定されない。器官系としては、循環器系、消化器系、内分泌系、排出系、外皮系、リンパ系、筋肉系、神経系、生殖器系、呼吸器系、もしくは骨格系が挙げられ得るが、これらに限定されない。
体液は、任意の適切な方法(採血、天然の排出時点の操作(例えば、吸引によるかもしくは手動操作による(例えば、乳頭吸引液を得るために乳頭の))、外科的方法(例えば、切除)、生検法(例えば、穿刺吸引もしくは針生検)、または動物屠殺後の器官除去および解剖が挙げられるが、これらに限定されない)によって、上記動物から取り出され得る。取り出された体液は、液体窒素中で凍結され得る。取り出された体液の調製は、任意の適切な様式において行われ得る。
上記体液は、第三者(例えば、分析を行わないひと)を介して得られ得る。例えば、上記体液は、臨床医、医師、もしくは上記サンプルが由来する被験体の他のヘルスケアマネージャーを介して得られ得る。いくつかの実施形態において、上記体液は、上記分析を行う同じ団体によって得られ得る。
いくつかの実施形態において、上記体液は、上記サンプルである。他の実施形態において、上記体液は、上記サンプルを提供するために処理される。処理は、任意の適切な方法(抽出、遠心分離(例えば、超遠心分離)、凍結乾燥、分画、分離(例えば、カラムもしくはゲルクロマトグラフィーを使用する)、またはエバポレーションが挙げられるが、これらに限定されない)を含み得る。いくつかの場合において、この処理は、任意の適切な溶媒もしくは溶媒の組み合わせ(例えば、アセトニトリル、水、クロロホルム、メタノール、ブチルヒドロキシトルエン、トリクロロ酢酸、トルエン、ヘキサン、ベンゼン、もしくはこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない)を含む溶液での1回以上の抽出を含み得る。例えば、いくつかの実施形態において、血液由来の画分は、メタノールおよびブチルヒドロキシトルエンを含む混合物で抽出される。いくつかの場合において、上記サンプル(例えば、体液抽出物もしくは血漿の脂質微小胞画分)は、体液において通常見いだされるより高い濃度の脂質微小小胞を含む。
分析のために使用される上記サンプル(例えば、上記体液もしくはその処理物)の体積は、約0.1mL〜約20mLの範囲(例えば、約20mL以下、約15mL、約10mL、約9mL、約8mL、約7mL、約6mL、約5mL、約4mL、約3mL、約2mL、約1mL、もしくは約0.1mL)にあり得る。
脂質セットの一部であり得る脂質の広いクラスとしては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:脂肪酸(カルボキシル基およびアシル鎖によって特徴付けられる)、グリセロ脂質(グリセロール骨格と、1個の(モノアシルグリセロール(MAG))、2個の(ジアシルグリセロール(DAG))もしくは3個の(トリアシルグリセロール(TAG))エステル結合された脂肪アシル鎖との存在によって特徴付けられる)、グリセロリン脂質(GPL)(2個のエステル結合されたアシル鎖およびリン酸結合された極性ヘッド基を有するグリセリル骨格によって特徴付けられ、GPLとしては、ホスファチジルコリン(PC)、ホスファチジルエタノールアミン(PE)、ホスファチジルセリン(PS)、ホスファチジルグリセロール(PG)、ホスファチジルイノシトール(PI)、イノシトール、およびホスファチジン酸が挙げられる)、リゾグリセロリン脂質(LGPL)(LGPLは、上記グリセロール骨格において(例えば、C2位において)アシル鎖のうちの1つを欠いており、LGPLとしては、リゾホスファチジルコリン(LysoPC)、リゾホスファチジルエタノールアミン(LysoPE)、リゾホスファチジルセリン(LysoPS)、リゾホスファチジルグリセロール(LysoPG)、リゾホスファチジルイノシトール(LysoPI)、リゾイノシトールおよびリゾホスファチジン酸が挙げられる)、スフィンゴ脂質(SPL)(スフィンゴシン骨格と、アミド結合を介してアミノ基への連結されたアシル基のC4とC5との間のトランス二重結合とによって特徴付けられる)、ビス(モノアシルグリセロ)ホスフェート(BMP)、セラミド、ガングリオシド、ステロール、プレノール、サッカロ脂質(Saccharolipid)、およびポリケチド。いくつかの場合において、上記脂質群は、上記アシル鎖の組成に基づき、それは、上記アシル鎖中の炭素数および上記アシル鎖中の二重結合数を含む、任意の数の方法において変動し得る。
他の実施形態において、上記脂質セットにおける脂質は、脂質のうちの1つ以上のクラスに由来し得る(例えば、BMP、CE、Cer、DAG、DH−LTB4、FA、GA2、GM3、HexCer、HexDHCer、LacCer、LysoPA、LysoPC、LysoPC−pmg、LysoPE、LysoPE−pmg、LysoPS、MAG、PC、PC−pmg、PE、PE−pmg、PGA1、PGB1、SM、スフィンゴシン、TAG、もしくはTH−12−ケト−LTB4)。さらに他の実施形態において、上記脂質セットにおける脂質は、脂質のうちの1つ以上のクラスに由来し得る(例えば、FA、MAG、DAG、TAG、PC、PE、PS、PI、PG、PA、LysoPC、LysoPE、LysoPS、LysoPI、LysoPG、LysoPA、LysoPC、LysoPE、BMP、SM、Cer、Cer−P、HexCer、GA1、GA2、GD1、GD2、GM1、GM2、GM3、GT1、もしくはCE)。
いくつかの実施形態において、上記予測モデルにおいて使用される上記脂質セットは、ヒト脂質プールにおいて見いだされる可能性がより高いものに限定される。他の実施形態において、上記脂質セットは、非常に短いアシル鎖および非常に長いアシル鎖(例えば、鎖内に10個未満の炭素および26個より多い炭素)を排除する。さらに他の実施形態において、上記脂質セットの脂質(例えば、GPLもしくはLGPL)は、上記アシル鎖中の偶数の炭素数を含むものに限定される。他の実施形態において、上記脂質セットは、表2に列挙される1種以上の脂質を含んだ。
いくつかの実施形態(例えば、肺癌を決定するために)において、上記脂質セットにおける脂質は、以下を含むが、これらに限定されない:
いくつかの実施形態(例えば、肺癌を決定するために)において、上記脂質セットにおける脂質は、以下を含むが、これらに限定されない: LysoPA(22:0)、PE−pmg(42:9)、FA(16:3)、FA(19:1)、CE(18:2)、Cer(36:1)、Cer(38:4)、PC(38:5)、Cer(38:1)、もしくはTAG(44:3)。
いくつかの実施形態(例えば、肺癌を決定するために)において、上記脂質セットにおける脂質は、以下を含むが、これらに限定されない:
いくつかの実施形態(例えば、肺癌を決定するために)において、上記脂質セットにおける脂質は、以下を含むが、これらに限定されない:
いくつかの実施形態(例えば、肺癌を決定するために)において、上記脂質セットにおける脂質は、以下を含むが、これらに限定されない: TAG(44:3)、PC(36:5)、PC(38:5)、Cer(38:4)、PE−pmg(42:9)、PC(38:7)、LysoPA(22:0)、Cer(38:1)、Cer(34:1)、もしくはCer(36:1)。
いくつかの実施形態(例えば、乳癌を決定するために)において、上記脂質セットにおける脂質は、以下を含むが、これらに限定されない:
いくつかの実施形態(例えば、乳癌を決定するために)において、上記脂質セットにおける脂質は、以下を含むが、これらに限定されない: LysoPA(22:1)、PE−pmg(42:9)、CE(20:5)、TAG(52:3)、LysoPA(22:0)、PC(36:3)、PC(36:4)、PC(36:2)、PC(34:2)、もしくはPC(34:1)。
いくつかの実施形態(例えば、乳癌を決定するために)において、上記脂質セットにおける脂質は、以下を含むが、これらに限定されない:
いくつかの実施形態(例えば、乳癌を決定するために)において、上記脂質セットにおける脂質は、以下を含むが、これらに限定されない:
いくつかの実施形態(例えば、乳癌を決定するために)において、上記脂質セットにおける脂質は、以下を含むが、これらに限定されない: PC(34:2)、PC(34:1)、PC(36:2)、PC(36:4)、PC(36:3)、PC(38:4)、LysoPA(22:1)、PE−pmg(42:9)、LysoPA(22:0)、もしくはCE(20:5)。
いくつかの実施形態(例えば、乳癌および肺癌を決定するために)において、上記脂質セットにおける脂質は、以下を含むが、これらに限定されない:
いくつかの実施形態(例えば、乳癌および肺癌を決定するために)において、上記脂質セットにおける脂質は、以下を含むが、これらに限定されない: LysoPA(22:1)、PC(36:5)、TAG(52:3)、PC(38:5)、CE(20:5)、TAG(50:2)、BMP(39:1)、PC(34:2)、CE(18:2)、もしくはPC(34:1)。
いくつかの実施形態(例えば、乳癌および肺癌を決定するために)において、上記脂質セットにおける脂質は、以下を含むが、これらに限定されない:
いくつかの実施形態(例えば、乳癌および肺癌を決定するために)において、上記脂質セットにおける脂質は、以下を含むが、これらに限定されない:
いくつかの実施形態(例えば、乳癌および肺癌を決定するために)において、上記脂質セットにおける脂質は、以下を含むが、これらに限定されない: PC(34:2)、PC(36:2)、TAG(44:3)、CE(18:2)、PC(34:1)、LysoPA(22:1)、PC(36:5)、Cer(36:1)、CE(20:5)、もしくはPC(36:3)。
いくつかの実施形態において、上記脂質セットにおける脂質の数は、少なくとも10種、少なくとも50種、少なくとも100種、少なくとも150種、少なくとも200種、少なくとも500種、もしくは少なくとも1000種の脂質を含み得る。いくつかの実施形態において、上記脂質セットにおける脂質の数は、200種以下、500種以下、1,000種以下、5,000種以下、10,000種以下、もしくは100,000種以下の脂質を含み得る。
動物としては、霊長類(例えば、ヒト)、イヌ、ウマ、ウシ、ブタ、ヒツジ、トリ、もしくは哺乳動物が挙げられるが、これらに限定されない。動物は、ペットとしての動物、もしくは動物園にいる動物を含み、家畜化されたブタおよびウマ(競走馬を含む)を含む。さらに、経済活動に関連した任意の動物としては、例えば、農業および水産養殖に関連した動物、ならびに疾患モニタリング、診断、および治療選択が、経済生産性の管理および/もしくは食物連鎖の安全性において慣用的な実務である他の活動に関連した動物が挙げられる。いくつかの実施形態において、上記動物は、ヒト、イヌ、ネコ、ウマ、ウシ、ブタ、ヒツジ、ニワトリ、シチメンチョウ、マウス、もしくはラットである。
上記癌タイプ(癌性の腫瘍を含む)としては、癌腫、肉腫、血液の癌、神経の悪性疾患、基底細胞癌、甲状腺癌、神経芽細胞腫、卵巣癌、黒色腫、腎細胞癌、肝細胞癌、乳癌、結腸癌、肺癌、膵臓癌、脳の癌、前立腺癌、慢性リンパ性白血病、急性リンパ芽球性白血病、横紋筋肉腫、多形膠芽細胞腫、髄膜腫、膀胱癌、胃癌、神経膠腫、口腔癌、鼻咽頭癌、腎臓癌、直腸癌、リンパ節の癌、骨髄の癌、胃癌、子宮癌、白血病、基底細胞癌、上皮細胞に関する癌、またはピルビン酸カルボキシラーゼの調節もしくは活性を変化させ得る癌が挙げられ得るが、これらに限定されない。癌性の腫瘍としては、例えば、上記の癌のうちのいずれかと関連する腫瘍が挙げられる。
いくつかの実施形態において、1種以上の癌タイプの存在もしくは非存在を決定することは、各癌タイプの存在もしくは非存在を決定することを含む。
脂質の量は、任意の適切な技術(例えば、本明細書に記載される質量分析法のうちのいずれかを含む)を使用して決定され得る。
質量分析システムを使用して、上記サンプルの質量分析スペクトルが得られる。上記質量分析システムは、質量分析計の通常の構成要素(例えば、イオン化源、イオン検出器、質量分析器、真空チャンバ、およびポンプ輸送システム)および他の構成要素(分離システム(例えば、インターフェースで接続されたクロマトグラフィーシステム)が挙げられるが、これらに限定されない)を含み得る。上記質量分析計は、脂質量を決定するために適した任意の質量分析計であり得る。上記質量分析器システムは、任意の適切なシステムを含み得る(飛行時間分析器、四重極分析器、磁気セクター、Orbitrap、線形イオントラップ、もしくはフーリエ変換イオンサクロトロン共鳴(FTICR)が挙げられるが、これらに限定されない)。いくつかの場合において、上記質量分析器システム(例えば、FTICR)は、さらなる実験手段なしに、脂質密度を決定するために十分な解決策を有する。上記イオン源としては、電子衝撃イオン化、エレクトロスプレー、化学イオン化、光電離、大気圧化学イオン化、衝突電離、天然のイオン化、熱電離、梗塞原子衝突イオン化、粒子ビームイオン化、もしくはマトリクス支援レーザー脱離イオン化(MALDI)が挙げられ得るが、これらに限定されない。いくつかの場合において、エレクトロスプレーは、非イオン化イオン源であり得る。インターフェースで接続されたクロマトグラフィーシステムは、任意の適切なクロマトグラフィーシステムが挙げられ得る(ガスクロマトグラフィー(GC)、液体クロマトグラフィー(LC)、もしくはイオン移動度(これは、LC法もしくはGC法と合わせられ得る)が挙げられるが、これらに限定されない)。いくつかの場合において、直接導入が、使用され得る。いくつかの場合において、上記質量分析システムは、GC/MSもしくはLC/MSである。
いくつかの場合において、いったん上記MSスペクトルが得られると、上記スペクトルは、上記サンプル中の脂質の正体および量(例えば、存在)を決定するために分析され得る。
MSスペクトルに関して、分析は、1種以上の特徴の分析を含む、脂質の正体および/もしくは量を決定するために適した任意の分析を含み得、これらとしては、質量を既知の質量と比較すること、クロマトグラフィー保持時間(例えば、GC/MSもしくはLC/MSに関して)、および質量フラグメント化パターンが挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの場合において、上記分析は、特徴と、データベース(例えば、標準のデータベース)の特徴との比較を含み得る。いくつかの場合において、PREMISE(Lane, A.N., T.W.−M. Fan, X. Xie, H.N. Moseley, and R.M. Higashi, Stable isotope analysis of lipid biosynthesis by high resolution mass spectrometry and NMR Anal.
Chim. Acta, 2009. 651: p. 201−208.)は、脂質を同定するために使用され得る。上記脂質量(例えば、相対量)は、任意の適切な方法によって決定され得る(強化された(spiked)標準への参照によるもしくは同位体希釈による上記イオン検出器の応答機能が挙げられるが、これらに限定されない)。
Chim. Acta, 2009. 651: p. 201−208.)は、脂質を同定するために使用され得る。上記脂質量(例えば、相対量)は、任意の適切な方法によって決定され得る(強化された(spiked)標準への参照によるもしくは同位体希釈による上記イオン検出器の応答機能が挙げられるが、これらに限定されない)。
いくつかの実施形態において、上記データが、上記予測モデルへと入力される前に、上記データは、予備加工され得る。予備加工法は、正規化法もしくは尺度法(scaling method)のような任意の適切な方法のうちの1種以上を含み得る。いくつかの実施形態において、尺度法は、中心化(centering)、ユニット分散(unit
variance)、中心化なしのユニット分散、パレート(Pareto)、および中心化なしのパレートが挙げられ得るが、これらに限定されない。
variance)、中心化なしのユニット分散、パレート(Pareto)、および中心化なしのパレートが挙げられ得るが、これらに限定されない。
予測モデルは、1種以上の癌タイプの存在もしくは非存在を決定するために適した任意のモデルを含み得る。例えば、上記予測モデルは、1種以上の次元縮小法を含み得る。いくつかの実施形態において、上記予測モデルは、クラスタ化方法(例えば、K平均法クラスタ化およびK近傍法クラスタ化(K−nearest neighbor clustering))、機械学習法(例えば、人工神経回路網(ANN)およびサポートベクターマシーン(SVM))、主成分分析(PCA)、シムカ法(SIMCA)、部分的最小二乗法(PLS)回帰、直交最小二乗法(OPLS)回帰、部分最小二乗法判別分析(PLS−DA)、もしくは直交部分最小二乗法判別分析(OPLS−DA)のうちの1種以上を含む。これら技術は、所望される場合、1つ以上の適切な方法(平均中心化、メジアン中心化、パレート尺度化(Pareto scaling)、ユニット分散尺度化(unit variance scaling)、直交シグナル補正、積分法、微分法、交差検定、および受信者操作特性(ROC)曲線が挙げられる)を含み得るか、もしくはこれらで補われ得る。いくつかの実施形態において、上記予測モデルは、トレーニングデータ(training data)のセットを使用して開発され得る。ここで上記トレーニングデータは、適用可能なパラメータおよび係数のセットを生成するために設計される。いくつかの実施形態において、上記パラメータおよび係数のセットは、動物が、癌、およびいくつかの場合において、上記癌タイプを有するか否かを決定するために使用され得る。上記トレーニングデータは、陰性コントロールデータ(例えば、上記動物に癌が存在しない場合)および陽性コントロールデータ(上記動物に1種以上の癌タイプが存在する場合)を含み得る。上記トレーニングデータセットは、2種以上の癌タイプを決定し得る予測モデルを確立するために使用され得る。
図25は、上記方法のいくつかの実施形態を示す。いくつかの場合において、いったん予測モデルが、トレーニングデータセットを使用して確立されたら、1種以上の癌タイプの存在の決定は、いかなるトレーニングもなしで上記予測モデルから行われ得ることが示される。
本発明の方法は、タンパク質発現、遺伝子発現、またはタンパク質もしくはそれらの遺伝子の両方の決定をさらに含み得る。任意の適切なタンパク質(もしくはその遺伝子)発現が決定され得る(ピルビン酸カルボキシラーゼ、スクシニルCoAシンターゼ、ホスホエノールピルビン酸カルボキシラーゼ、トランスケトラーゼ、トランスアルドラーゼ、ピルビン酸デヒドロゲナーゼ、デヒドロゲナーゼ、グルタミナーゼ、イソクエン酸デヒドロゲナーゼ、α−ケトグルタル酸デヒドロゲナーゼ、ミトコンドリアリンゴ酸デヒドロゲナーゼ、コハク酸デヒドロゲナーゼ、フマル酸ヒドラターゼ、ヘキソキナーゼII、グリセルアルデヒド−3−ホスフェートデヒドロゲナーゼ、ホスホグリセリン酸キナーゼ 1、乳酸デヒドロゲナーゼ 5、ホスホフルクトキナーゼ 1および2、グルタチオンペルオキシダーゼ、またはグルタチオン−S−トランスフェラーゼ、または代謝経路と関連するタンパク質(例えば、クレブス回路(クエン酸回路としても公知)、解糖、ペントースリン酸経路(酸化的および非酸化的)、糖新生、脂質生合成、アミノ酸合成(例えば、非必須アミノ酸の合成)、異化経路、尿素回路、コリ回路もしくはグルタミン酸/グルタミン回路が挙げられるが、これらに限定されない)が挙げられるが、これらに限定されない)。タンパク質発現は、ゲル電気泳動技術(例えば、ウェスタンブロッティング)、クロマトグラフィー技術、抗体ベースの技術、遠心分離技術、もしくはこれらの組み合わせを含む技術が挙げられるが、これらに限定されない)によって決定され得る。遺伝子発現は、任意の適切な技術(PCRベースの技術(例えば、リアルタイムPCR)、ゲル電気泳動技術、クロマトグラフィー技術、抗体ベースの技術、遠心分離技術、もしくはこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない)によって決定され得る。遺伝子発現を測定するための方法は、組織単離されたRNAから作製されたcDNAの量を測定する工程を包含し得る。
血液調製: 血液を、乳癌と診断されたヒト、肺癌、非小細胞肺癌(NSCLC)と診断されたヒト、および健康な(癌のない)ヒト(コントロールもしくは正常ともいわれる)から採血した。血液を、抗凝固のためにK−EDTA含有バキュテイナーチューブ(紫色のふた)に集め、直ぐに氷上に置き、3500×gにおいて15分間、4℃で遠心分離した。その上清(血漿)をアリコートに分け、その後液体N2中で急速凍結し、画分調製するまで−80℃において維持した。
画分調製: 血漿を融解し、0.8mlを、1ml ポリアロマー超遠心チューブに移して、冷PBSを使用して正確な体積に調節した(超遠心チューブの体積全体は、遠心分離の際のつぶれを回避するために、上部から5mm以内まで満たされていなければならない)。バケット付きのローターSWTi55を、4℃へと予め冷やした。バケット中の超遠心チューブとふたを秤量して、PBSを使用して、すべてのサンプル質量が10mgの変動内で収まるように調節した。次いで、サンプルを、SWTi55ローター中で、70,000×g(27,172rpm)において1時間にわたって4℃で遠心分離した。その上清を、SWTi55中で、100,000×g(32,477rpm)において1時間にわたって4℃で再び遠心分離して、脂質微小胞画分をペレットにした。上記第1の遠心分離からのペレット(微小小胞画分)および上記脂質微小胞画分ペレットを、再懸濁によって冷PBS中で洗浄し、SWTi55中で、100,000×g(32,477rpm)において1時間にわたって、4℃で遠心分離した。上記上清を取り出し、両方のチューブをペーパータオルの上で反転させて、余分なPBSを排出した。上記ペレットを、2ml 微量遠心チューブに移すために2×100μl 18MOhm 水中に再懸濁し、一晩凍結乾燥した。上記凍結乾燥したペレットを、脂質抽出するまで−80℃において維持した。
脂質抽出: 上記脂質微小胞画分ペレットを、ミキサーミル(例えば、MM200, Retsch)中で1分間にわたって30Hzで、3×3mm ガラスビーズでのホモジナイゼーションによって0.5ml メタノール(質量分析グレード)+1mM ブチルヒドロキシトルエン中で抽出した。次いで、上記ホモジネートを、振盪機中で30分間にわたって振盪し、その後、微量遠心分離機中、14,000rpmにおいて30分間にわたって4℃で遠心分離した。その上清を、テフロン(登録商標)表面加工されたシリコーン隔壁付きの1.5ml スクリューキャップガラスバイアルへと移した。抽出物重量を記録する。上記脂質抽出物を、FT−ICR−MS分析まで−80℃において貯蔵した。
FT−ICR−MS分析: サンプルを、メタノール+1mM BHT+1ng/nl レセルピン中で1:5希釈し、その後、以前に記載されたように(Lane, A.N., T.W.−M. Fan, X. Xie, H.N. Moseley, and R.M. Higashi, Stable isotope analysis of lipid biosynthesis by high resolution mass spectrometry and NMR Anal. Chim. Acta, 2009. 651: p. 201−208)、ハイブリッド線形イオントラップ-FT−ICR質量分析計(ThermoFisher LTQ FT, Thermo Electron, Bremen, Germany)で分析した。上記FT−ICR−MSは、TriVersa NanoMateイオン源(Advion BioSciences, Ithaca, NY)と「A」エレクトロスプレーチップ(ノズル内径5.5μm)とを備えていた。上記TriVersa NanoMateを、陽イオンモードにおいて0.1psi ヘッド圧で2.0kVを、および陰イオンモードにおいて0.5 psiで1.5kVを印加することによって作動させた。MS実施を、150〜1600Daの質量範囲にわたって記録した。最初に、低分離能MSスキャンを1分間にわたって獲得して、イオン化の安定性を確実にし、その後、高い質量正確度のデータを、上記FT−ICR分析器を使用して集めた。ここでMSスキャンを、8.5分間にわたって、および400m/zにおいて200,000の標的質量分離能において獲得した。AGC(自動ゲインコントロール)最大イオン時間を、500ms(しかし、代表的には、<10msで利用される)に設定し、5回の「μ秒スキャン(μscans)」を、各保存したスペクトルに関して獲得した;従って、各変換して保存したスペクトルについてのサイクル時間は、約10秒であった。上記LTQ−FTを調整し、製造業者のデフォルト標準の推奨に従って較正し、このことから、1ppmよりよい質量正確度を達成した。FT−ICR質量スペクトルを、正確な質量リストとしてQualBrowser 2.0(Thermo Electron)を使用して、スプレッドシートファイルへとエクスポートした(代表的には、観察されたピークのすべてをエクスポートする)。脂質の種を、内部標準(レセルピン)の観察された質量に基づいて小さな(代表的には、<0.0005)線形較正を最初に適用し、次いで、社内ソフトウェアツールPREMISE(PRecaculated Exact Mass Isotopologue Search Engine)(Lane, A.N., T.W.−M. Fan, X. Xie, H.N. Moseley, and R.M. Higashi, Stable isotope analysis of lipid biosynthesis by high resolution mass spectrometry and NMR Anal. Chim. Acta, 2009. 651: p. 201−208)(これは、手動で検証した)を使用することによって、それらの正確な質量に基づいて割り当てた。PREMISEは、0.0014Da以下であった選択可能ウィンドウに供して、実測値を理論的m/z値とマッチさせることは慣例である。脂質に関しては、多数(>3500)の考えられるGPLおよびそれらのイオン形態(専ら、H+およびNa+ −陽モードおよび-H+ −陰モード)の正確な質量を、スプレッドシートルックアップ表へと予め計算した。全体的な方法は、GPLを、特定の総アシル鎖長、飽和の程度、およびヘッド基の正体へと割り当てるのに十分であった。
ケモメトリクス分析: 上記正規化したFT−ICR−MSデータを、SimcaP(バージョン11.5, Umetrics, Umea, Sweden)へとインポートした。上記データを平均中心化し、パレート分散(
直交部分最小二乗法判別分析(OPLS−DA)モデルを、3つのデータサブセットから作った:正常(すなわち、癌がない)と肺癌、正常(すなわち、癌がない)と乳癌、および肺癌と乳癌。この分析から、群分け(例えば、上記コントロール群および上記肺癌群)を最大にすると同時に、クラス分離に関連しない最大サンプル分散を有する言及された次元に対して直交する1つの次元を取り除く、多変数空間における次元が決定された。この分析から、多くの変数のうちのどれが、データのクラス間で最も異なるのかが決定された。
OPLS−DAは、上記3つのクラスの血漿から総脂質プロフィールの良好な分離を示した。上記脂質のうちのいくつかは、脂質微小胞画分(一般的な成分)の各供給源において本質的に同じであった。区別を生じる主要なクラスは、ローディングプロットおよび係数プロットから得られた。これらは、図1〜13に示される3Dプロットで可視化される。上記OPLS−DAスコアおよび係数プロットは、図16〜24に提供される。
脂質の種の強度を、総脂質応答に対して正規化して、「mol画分」を生成した。異なる脂質クラスは、それらの量において変動した。いくつかのクラス内では、アシル鎖長さおよび二重結合数がまた、実質的に変動する。このことは、分類法の一部であった。分散の大部分は、分析変数よりむしろ客観的変動性から生じた。区別のためのクラスの間の量における差異は、>4倍であり、クラス内の変動の係数は、最大50%までであった。例えば、上記PC(36:3)は、1.38±0.34(BrCA) 対 0.23±0.1(健康) 対 0.19±0.28(NSCLC)の平均と標準偏差を示した。この一例は、<0.0001(BrCA 対 健康)、<0.0001(BrCa 対 NSCLC)のp値での統計的分離を提供した。NSCLC 対 健康は、統計的有意に達しなかった。しかし、他の脂質は、NSCLCと健康との間で高い統計的分離を与えた。従って、いくつかのクラスを一緒に使用して、健康な個体と癌を有する個体との間を区別した。最適の分離は、被験体クラスのうちの少なくとも2つが0.01より良好なp値で異なり、最低でも10のこのような脂質クラスが信頼性のある区別のために使用された脂質のセットを使用して達成した。
「好ましくは」、「一般には」、および「代表的には」のような用語は、本発明の範囲を限定するためにも、特定の特徴が本願発明の構造もしくは機能に重大であるか、必須であるかまたはさらには重要であることを暗示するためにも、本明細書で利用されないことが示される。むしろ、これら用語は、本発明の特定の実施形態において利用されても利用されなくてもよい代替のもしくはさらなる特徴を強調するために含まれるに過ぎない。
1つ以上の実施形態の詳細な説明が、本明細書に提供される。しかし、本発明は種々の形態で具現化され得ることは、理解されるべきである。従って、本明細書で開示される具体的な詳細(好ましいもしくは有利であると示されているとしても)は、限定として解釈されるべきではないが、むしろ、特許請求の範囲のための基礎として、および当業者に任意の適切な様式で本発明を用いることを教示するための代表的な基礎として使用されるべきである。
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