JP2016217534A - オイルシール - Google Patents

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Abstract

【課題】長期に亘って、泥水浸入を防止可能とする。【解決手段】回転軸とその周囲を覆う機器ケースとの間の隙間に配置され、機器ケース側に固定されて回転軸を密封するメインリップと、メインリップよりも機器ケースの外部側で回転軸に嵌合された円筒蓋状のダストカバーの外周筒部の内周面との間でダストシール機構を構成するサイドリップとを備えるオイルシールにおいて、ダストカバー5の外周筒部5aの内周面5aaと摺接する複数の突起6a,6bをサイドリップ6の先端部に備え、複数の突起6a,6bは、突起6a,6bの間にグリース等の潤滑剤を保持するグリースポケット9を形成すると共に、突起6a,6bのダストカバー外空間側の外側壁面11とダストカバー5の外周筒部5aの内周面5aaとの成す角αが、ダストカバー内空間側の内側壁面12とダストカバー5の外周筒部5aの内周面5aaとの成す角βよりも大きくされている。【選択図】図2

Description

本発明はオイルシールに関する。さらに詳述すると、本発明はダストカバーの外周筒部の内周面との間で泥水が機器内部に浸入しないようにするためのダストシール機構を構成するサイドリップを備えるオイルシールに関する。
外部から泥水などが浸入する虞のある軸封箇所には、ダストカバーの外周筒部の内周面との間で泥水が機器内部に浸入しないようにするためのダストシール機構を構成するサイドリップがリップシールの外側(泥水が浸入する側)に備えられているオイルシールが使用されることがある。例えば、自動車の終減速機やアクスル(車軸)用のオイルシールでは、図4に示すように、機器内部に泥水が浸入しないようにするためのサイドリップ105を有するオイルシール101とダストカバー106とを組み合わせたものが使用されている(特許文献1,2)。
このオイルシール101は、回転軸102とその周囲を覆う機器ケース103との間の隙間に配置され、機器ケース103側に固定されて回転軸102を密封するメインリップ104と、メインリップ104よりも機器外部側で回転軸102に嵌合された円筒蓋状のダストカバー106の外周筒部106aの内周面106aaとの間でダストシール機構を構成するサイドリップ105とを備える。尚、図中の符号107は金属環、109はダストカバー106とオイルシール101(隔壁部)との間の開口である。
実開昭57−72328号公報 実開昭62−140266号公報
しかしながら、従来のオイルシールのサイドリップ105は、図4に示すように、ダストカバーの外周筒部106aの内周面106aaへの接触がサイドリップ105のリップ先端108のみの構成である。このため、リップ先端108に荷重が集中して摩耗し易く、サイドリップ105の耐久性が劣る危険がある。
また、ダストカバーの外周筒部106aの内周面106aaとサイドリップ105との接触面にグリース等の潤滑剤が十分に潤滑せず、リップ先端108が早期摩耗をしてしまい機器内部へ泥水が浸入してしまう危険性がある。
さらには、従来のオイルシールのサイドリップ105は、図5に示すように、ダストカバー106の外周筒部106aの内周面106aaとサイドリップ外周面(サイドリップ後面)105aとの間の挟み角(機器内部側の傾斜面の角度)αが、ダストカバーの外周筒部106aの内周面106aaとサイドリップ前面(サイドシールリップ先端よりも内側)105bとの間の成す角(機器外部側の傾斜面の角度)βよりも小さいため、サイドリップ外周面105aのダストカバーの外周筒部106aの内周面106aaに接触している接触面の面圧ピークがリップ先端108側に形成されてしまう面圧分布を形成してしまう。このため、サイドリップ105の接触面が泥水の浸入方向に働いてしまい、泥水を機器内部側に吸い込み易くなり、機器内部へ泥水が浸入してしまう。
本発明は、長期に亘って、円筒蓋状のダストカバーの外周筒部の内周面とサイドリップとの接触部から泥水が浸入することを防止することができるオイルシールを提供することを目的とする。
かかる目的を達成するために請求項1記載の発明は、回転軸とその周囲を覆う機器ケースとの間の隙間に配置され、機器ケース側に固定されて回転軸を密封するメインリップと、メインリップよりも機器ケースの外部側で回転軸に嵌合された円筒蓋状のダストカバーの外周筒部の内周面との間でダストシール機構を構成するサイドリップとを備えるオイルシールにおいて、ダストカバーの外周筒部の内周面と摺接する複数の突起をサイドリップの先端部に備え、複数の突起は、突起の間にグリース等の潤滑剤を保持するグリースポケットを形成すると共に、突起のダストカバー外空間側の外側壁面とダストカバーの外周筒部の内周面との成す角αが、ダストカバー内空間側の内側壁面とダストカバーの外周筒部の内周面との成す角βよりも大きくなるようにしている。
また、サイドリップの突起は外側壁面と内側壁面との間にダストカバーの外周筒部の内周面と接触する平坦部を形成することが好ましい。
さらに、本発明にかかるオイルシールによれば、ダストカバー外空間に臨む突起とダストカバーの外周筒部の内周面との接触面圧Iがダストカバー内空間に臨む突起とダストカバーの外周筒部の内周面との接触面圧IIよりも大きいことが好ましい。
請求項1記載のオイルシールによれば、複数の突起でダストカバーの外周筒部の内周面に接触しているので、1つの突起にかかる接触面圧を分散させることができると共に、複数の突起の間のグリースポケットにグリース等の潤滑剤を保持することができるので、突起の接触面の潤滑状態が良好になり、突起が摩耗しにくくなる。このため、サイドリップの先端の早期摩耗が抑制できるようになり、オイルシールの耐久性を向上させることができる。
また、突起のダストカバー外空間側の外側壁面とダストカバーの外周筒部の内周面との成す角αが、ダストカバー内空間側の内側壁面とダストカバーの外周筒部の内周面との成す角βよりも大きくなるようにしているので、ダストカバーの外周筒部の内周面に接触しているサイドリップの突起の接触面の面圧ピークがラビリンスリップとサイドリップの間に形成されるサイドリップの周りの空間側(泥水接触側)に形成され維持し続けられることから、突起の接触面から泥水が浸入したとしても泥水をサイドリップの周りの空間側に排出し易くなる。
請求項2記載のオイルシールによれば、サイドリップの突起の外側壁面と内側壁面との間にダストカバーの外周筒部の内周面と接触する平坦部を形成しているので、面接触でダストカバーの外周筒部の内周面に接触することができる。このため、突起とダストカバーの外周筒部の内周面との接触面は、線接触とならないため、面圧分布は良好になり、機器内部側即ちラビリンスリップとサイドリップの間に形成されるサイドリップの周りの空間側(泥水接触側)にピーク面圧を維持し続けられる。また、線接触で接触するサイドリップと同じ締代の場合、線接触で接触するものと比べ面接触では突起とダストカバーの外周筒部の内周面との接触面の接触幅が長くなり、サイドリップの先端部では面圧を下げることができる。
また、請求項3記載のオイルシールによれば、ダストカバー外空間に臨む突起とダストカバーの外周筒部の内周面との接触面圧Iがダストカバー内空間に臨む突起とダストカバーの外周筒部の内周面との接触面圧IIよりも大きい面圧関係(I>II)にすることで、ダストカバー外空間に臨む突起即ち泥水接触側の突起による密封性を確保しやすくなると共に、泥水接触側の突起の摩耗後の面圧が低下してもダストカバー内空間側にある突起即ちダストカバー内空間に臨む突起の面圧が高まるため、長期的なシール性を確保することができる。
本発明のオイルシールの一実施形態を示す中央縦断面図である。 本発明のオイルシールのサイドリップ部分の拡大図であり、(a)はダストカバーの外周筒部の内周面に接触した状態、(b)はダストカバーの外周筒部の内周面に接触していない自然状態のサイドリップ先端部分を拡大図して示す。 本発明のオイルシールの一実施形態の自然状態を示す中央縦断面図である。 従来のオイルシールの一実施形態を示す中央縦断面図である。 従来のオイルシールのサイドリップ部分のダストカバーの外周筒部の内周面に接触した状態の拡大図である。
以下、本発明の構成を図面に示す実施形態に基づいて詳細に説明する。
図1に、本発明のオイルシールの実施形態の一例を示す。このオイルシール1は、外部から泥水などが浸入する虞のある軸封箇所、例えば回転軸2とその周囲を覆う機器ケース3との間の隙間に配置され、機器ケース3側に固定されて回転軸2を密封するメインリップ4と、メインリップ4よりも機器ケース3の外部側で回転軸2に嵌合された円筒蓋状のダストカバー5の外周筒部5aの内周面5aaとの間でダストシール機構を構成するサイドリップ6とを備えるものである。尚、図中の符号14は回転軸2と機器ケース3との間の隙間を仕切る隔壁部、符号15は外周部16及び隔壁部14を補強する金属環である。
サイドリップ6は、図1に示すように、ダストカバーの外周筒部の内周面5aaに接触する複数の突起例えばダストカバー外空間側突起6aと、ダストカバー内空間側突起6bとが設けられると共に、サイドリップ6の先端部のダストカバー外空間側突起6aと、サイドリップ6の先端部のダストカバー内空間側突起6bの間には、グリース等の潤滑剤を保持することができるグリースポケット9が形成されている。この場合、リップ先端のみで接触するものに比べてサイドリップ6の接触面圧を複数の突起例えばダストカバー外空間側突起6aとダストカバー内空間側突起6bとに分散させることができると共に、サイドリップ6とダストカバー5との接触面に潤滑剤が供給され、接触面の潤滑状態が良好になるため、サイドリップ6の早期摩耗を抑制できる。
また、サイドリップ6は、隔壁部14の外側の面に機器外部側のダストカバー5に向けて突出するように形成されている。このサイドリップ6は、本実施形態の場合、先端側へ向かうに従って外径及び内径の双方が広がるように円錐形状に形成され、先端部分に設けられた複数の突起6a,6bが円筒蓋状のダストカバー5の外周筒部5aの内周面5aaに径方向外側へ押し当てられるように付勢する嵌め代が得られると共に、浸入してきた泥水特に上方側において浸入してきた泥水が突起6a,6b側へ向かい難くなるような上向きの傾斜面となるように設けられている。勿論、サイドリップ6の形状は、図示のような末広がりな円錐形状に限られるものではなく、先端側の複数の突起6a,6bがダストカバー5の外周筒部5aの内周面5aaと摺接しながらダストカバー5の外周筒部5aの内周面5aaとの間でダストシール機構を構成し得るほぼ円筒形状のものであっても良い。
サイドリップ6の先端部のダストカバー外空間側突起6a及びダストカバー内空間側突起6bは、図2(b)に示すように、ダストカバー外空間10側の外側壁面(本明細書では単に外側壁面と呼ぶ)11とダストカバー外周筒部5aの内周面5aaとの成す角α,α’が、ダストカバー内空間17側の内側壁面(単に内側壁面と呼ぶ)12とダストカバー外周筒部5aの内周面5aaとの成す角β,β’よりも大きくなるように形成されている。この場合、ダストカバー5の外周筒部5aの内周面5aaに接触しているサイドリップ6の突起6a,6bの接触面の面圧ピークが、図2(a)に示すように、ラビリンスリップ8とサイドリップ6の間に形成されるサイドリップ6の周りの空間10側(泥水接触側とも呼ばれる)に形成され維持し続けられることから、突起6a,6bのダストカバー外周筒部5aの内周面5aaに対する接触面から泥水が浸入したとしても、泥水をサイドリップ6の周りの空間10側へ向けて排出し易くなる。
ここで、ダストカバー外空間側突起6aにおいては、外側壁面11とダストカバー5の外周筒部5aの内周面5aaとの成す角度αが、少なくとも60°〜100°の範囲、好ましくは70°〜95°の範囲、より好ましくは80°〜95°の範囲、さらに好ましくは90°前後、最も好ましくは90°に設定されることが望ましい。60°未満の場合には、突起6aの先端即ち平坦面13ではなく、外側壁面11がダストカバー5と接触してしまう虞がある。外側壁面11が接触した場合には泥水接触側の面圧の方が低くなってしまう。他方、100°超過の場合には、ダストカバーと突起6aとが接触した際に、突起6aが泥水接触側に傾向き易くなり、ダストカバーと突起との接触面圧において泥水接触側の接触面圧が低くなり、密封性が確保できなくなる虞がある。
また、ダストカバー外空間側突起6aにおいては、内側壁面12とダストカバー5の外周筒部5の内周面5aaとの成す角度βが、30°〜75°の範囲、好ましくは35°〜60°の範囲、より好ましくは40°〜50°の範囲、さらに好ましくは45°前後、最も好ましくは45°に設定されることが望ましい。30°未満の場合には、突起6aの先端即ち平坦面13ではなく、内側壁面12がダストカバー5と接触してしまう虞がある。内側壁面12が接触した場合には泥水接触側の面圧の方が低くなってしまう。他方、75°超過の場合には、突起6aが薄くなり、ダストカバー内空間側に突起6aが折れ曲がる危険性がある。
さらに、ダストカバー内空間側突起6bにおいては、外側壁面11とダストカバー5の外周筒部5aの内周面5aaとの成す角度α´が、60°〜100°の範囲、好ましくは70°〜95°の範囲、より好ましくは80°〜95°の範囲、さらに好ましくは90°前後、最も好ましくは90°に設定されることが望ましい。60°未満の場合には、突起6bの先端即ち平坦面13ではなく、外側壁面11がダストカバーと接触してしまう虞がある。また、外側壁面11が接触した場合には泥水接触側の面圧の方が低くなってしまう。他方、100°超過の場合には、ダストカバーと突起6bとが接触した際に、突起6bが泥水接触側に傾向き易くなり、ダストカバーと突起との接触面圧において泥水接触側の接触面圧が低くなり、密封性が確保できなくなる虞がある。
また、ダストカバー内空間側突起6bにおいては、内側壁面12とダストカバーの外周筒部の内周面5aaとの成す角度β´が、3.5°〜60°の範囲、好ましくは、10°〜60°の範囲、より好ましくは35°〜50°の範囲、さらに好ましくは40〜50°の範囲、最も好ましくは45°程度とすること設定されることが望ましい。3.5°未満の場合には、ダストカバー5への挿入時にサイドリップ6が泥水接触側に折れ曲がって装着されてしまう危険性がある。他方、60°超過の場合には、突起6bの先端がダストカバー内空間17側に反転し、外側壁面11がダストカバー5に接触する構成になってしまう。外側壁面11が接触した場合には泥水接触側の面圧の方が低くなってしまう。
尚、本実施形態においては、説明の便宜上、ダストカバー外空間側突起6aにおけるダストカバー5の外周筒部5aの内周面5aaを基準とした外側壁面11との成す角αと内側壁面12との成す角βとの関係について、ダストカバー内空間側突起6bにおいては異なる符号α’及びβ’を用いて説明しているが、角度関係(α>β)と(α’>β’)とは本質的には同じ角度関係を意味しているものである。また、角度関係(α>β)並びに(α’>β’)は特定の比に限られるものではないが、その差が大きいほどに浸入泥水の排出効果が期待できる。
また、ダストカバー外空間側突起6aとダストカバー5の外周筒部5aの内周面5aaとの接触面圧Iが、ダストカバー内空間側突起6bとダストカバー5の外周筒部5aの内周面5aaとの接触面圧IIよりも大きくすることが好ましい。例えば、図1に例示するような内径一定の円筒形のダストカバー5の内周面5aaと摺接する場合、ダストカバー外空間側突起6aの径方向高さT1と、ダストカバー内空間側突起6b の径方向高さT2との関係が0.9×T2≦T1≦T2となるように設定することで、上述の面圧の関係が得られる。上記寸法関係にすることで、突起6bがダストカバー5に嵌め込まれた状態では径方向内側に撓むことで、突起6aが径方向外側に張り出される構成になり、突起6aの接触面圧が突起6bよりも高めやすくなる。0.9T2>T1の関係の場合には、突起6aがダストカバー5の内周面5aaと非接触もしくは接触しても面圧が非常に小さなものとなることから、十分な密封性を確保できなくなる不具合の発生する可能性が高くなる。他方、T2<T1の関係の場合には、突起6bがダストカバー5の内周面5aaと非接触もしくは接触しても、面圧が非常に小さなものとなることから、十分な密封性を確保できなくなる不具合の発生する可能性が高くなる。尚、上述とは逆の面圧関係(I<II)となると、泥水接触側の突起6aの面圧は低いものになり易くなると共に、サイドリップ6の先端部のダストカバー外空間側突起6aと外側壁面11との接触部分に異物が噛みこまれやすくなる危険性が高くなる。
さらに、突起6a,6bの外側壁面11と内側壁面12との間には各々平坦部13を形成することが好ましい。ダストカバー外周筒部5aの内周面5aaと接触する突起6a,6bの先端が線接触となる角で構成される場合には、装着時初期はサイドリップ6の周りの空間10側(泥水接触側)にピーク面圧を設定できる。しかしながら、突起6a,6bの先端が角の場合は、ダストカバー5への装着時に角がダストカバー5に引っ掛かり外側壁面11側に折れ曲がりやすく、折れ曲がったまま装着されてしまうことで面圧ピークを空間10側(泥水接触側)に設定できなくなる危険性がある。したがって、突起6a,6bのカバーの外周筒部の内周面に接触する部位は、平坦面にすることが望ましい。
ここで、平坦部13は、リップ先端が線状とならずに面接触するような接触面を構成するものであれば良く、特に平滑で平面度の高い面を求めているものでは無く、微小な凹凸や曲面等を有していても、全体としてダストカバー外周筒部5aの内周面5aaに面接触することができる接触面を構成できるものであれば良い。本実施形態において平坦部13の幅は、0.1mmから0.5mmであり、好ましくは、0.2mm〜0.4mmである。0.1mm未満の場合、通常のシールのようにリップ先端で線接触させる場合と変わらないため、上述したような不具合が発生してしまう。他方、0.5mm超過の場合、接触幅が大きくなり過ぎて、リップ接触部の空間10側(泥水接触側)の面圧ピークの面圧が低下し、泥水に対するシール性を十分に確保できなくなってしまう。
また、サイドリップ6の径方向外側の隔壁部14には、ダストカバー5の外周筒部5aの外周面5abと対向する(包囲する)と共に、ダストカバー5とオイルシール1(隔壁部14)との間の開口7を覆う円筒状のラビリンスリップ8が設けられている。このラビリンスリップ8は、単なる円筒状であっても良いが、好ましくは先端側に向かって肉薄に形成され径方向に可撓性を有していることであり、より好ましくはラビリンスリップ8の内周面8aが先端側に向かって内径を広げるテーパ面に形成されていることである。
なお、上述の形態は本発明の好適な形態の一例ではあるがこれに限定されるものではなく本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々変形実施可能である。例えば、本実施形態にかかるオイルシール1では、ダストカバー外空間側突起6aとダストカバー内空間側突起6bとの2つの突起を備えた例を挙げて主に説明したが、これに限定されるものではなく、場合によっては3つ以上の突起を備えるようにしても良い。この場合におけるダストカバー外空間側突起6aとダストカバー内空間側突起6bとの間の突起(図示省略)における、ダストカバー5の外周筒部5aの内周面5aaを基準とした外側壁面11との成す角αと内側壁面12との成す角βとの関係については、特に限定されるものではないが、上述の角度αとβの範囲内あるいはα’とβ’の範囲内、若しくはそれらの中間の値の範囲内で適宜設定されて、同じ角度関係α>β(α’>β’)とされると共にそれらの角度の差(α−β)が大きくされることが好ましい。
また、面圧の大きさの関係は、泥水浸入側であるダストカバー外空間側突起6aの面圧が最も大きく、それよりも内側即ち内空間側の突起の面圧が小さく設定されることが好ましい。例えば、3つの突起を設ける場合には、ダストカバー外空間側突起6aの面圧Iとダストカバー内空間側突起6bの面圧IIIとそれらの間の突起(図示省略)の面圧IIとすれば、3つの突起の面圧の関係は(I>II>III)または(I>II≧III)若しくは(I>II=III)あるいは(I>II<III)の何れでも良いが、好ましくは(I>II>III)と順次小さくすることである。この場合、最も泥水接触側の突起6aのシールが破られても、その1つ内側の突起、さらにはその1つ内側の突起と、順次シールとしての機能を発揮するため、長期に亘って、泥水浸入を防止可能とすることができる。
また、図示していないが、各突起例えば突起6a、6bあるいは図示していない第3の突起のダストカバー内空間側の内側壁面12は、一方向または正逆両方向のらせん状凹凸(ネジ突起もしくは溝など)を形成するヘリックス構造としても良い。この場合、泥水が侵入したとしても泥水密封側に泥水を排出しやすくなる。
1 オイルシール
2 回転軸
3 機器ケース
4 メインリップ
5 ダストカバー
5a ダストカバーの外周筒部
5aa ダストカバーの外周筒部の内周面
5ab ダストカバーの外周筒部の外周面
6 サイドリップ
6a サイドリップの先端部のダストカバー外空間側突起
6b サイドリップの先端部のダストカバー内空間側突起
7 ダストカバーとオイルシールとの間の開口
8 ラビリンスリップ
8a ラビリンスリップの内周面
9 グリースポケット
10 突起の外側壁面が臨むサイドリップの周りの空間(ダストカバー外空間)
11 ダストカバー外空間に臨む外側壁面
12 ダストカバー内空間に臨む内側壁面
13 平坦部
14 オイルシールの隔壁部
15 金属環
16 外周部
17 ダストカバー内空間

Claims (3)

  1. 回転軸とその周囲を覆う機器ケースとの間の隙間に配置され、前記機器ケース側に固定されて前記回転軸を密封するメインリップと、前記メインリップよりも前記機器ケースの外部側で前記回転軸に嵌合された円筒蓋状のダストカバーの外周筒部の内周面との間でダストシール機構を構成するサイドリップとを備えるオイルシールにおいて、前記ダストカバーの前記外周筒部の前記内周面と摺接する複数の突起を前記サイドリップの先端部に備え、前記複数の突起は、突起の間にグリース等の潤滑剤を保持するグリースポケットを形成すると共に、前記突起のダストカバー外空間側の外側壁面と前記ダストカバーの外周筒部の内周面との成す角αが、ダストカバー内空間側の内側壁面と前記ダストカバーの外周筒部の内周面との成す角βよりも大きいことを特徴とするオイルシール。
  2. 前記突起は前記外側壁面と前記内側壁面との間に前記ダストカバー外周筒部の内周面と接触する平坦部を形成したことを特徴とする請求項1記載のオイルシール。
  3. 前記ダストカバー外空間に臨む前記突起と前記ダストカバーの外周筒部の内周面との接触面圧Iが前記ダストカバー内空間に臨む前記突起と前記ダストカバーの外周筒部の内周面との接触面圧IIよりも大きいことを特徴とする請求項1または2記載のオイルシール。
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