JP2014224565A - オイルシール - Google Patents

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Abstract

【課題】円筒蓋状のダストカバーの外周筒部の内周面とサイドリップとの間の接触部から泥水が浸入することを防止する。【解決手段】回転軸2に嵌合された円筒蓋状のダストカバー5の外周筒部5aの内周面5aaとの間でダストシール機構を構成するサイドリップ6とを備えるオイルシールにおいて、サイドリップ6の径方向外側に配置されかつダストカバー5の外周筒部5aの外周面5abと対向すると共に、ダストカバー6とオイルシール1との間の開口7を覆う円筒状のラビリンスリップ8と、サイドリップ6のダストカバー5の外周筒部5aの内周面5aaと摺接する先端部に形成される突起9とを備え、突起9のダストカバー外空間10に臨む外側壁面11とダストカバーの外周筒部5aの内周面5aaとの成す角αが、ダストカバー内空間17に臨む内側壁面12とダストカバー5の外周筒部5aの内周面5aaとの成す角βよりも大きくなるようにしている。【選択図】図1

Description

本発明はオイルシールに関する。さらに詳述すると、本発明はダストカバーの外周筒部の内周面との間で泥水が機器内部に浸入しないようにするためのダストシール機構を構成するサイドリップを備えるオイルシールに関する。
外部から泥水などが浸入する虞のある軸封箇所には、ダストカバーの外周筒部の内周面との間で泥水が機器内部に浸入しないようにするためのダストシール機構を構成するサイドリップがリップシールの外側(泥水が浸入する側)に備えられているオイルシールが使用されることがある。例えば、自動車の終減速機やアクスル(車軸)用のオイルシールでは、図3に示すように、機器内部に泥水が浸入しないようにするためのサイドリップ105を有するオイルシール101とダストカバー106とを組み合わせたものが使用されている(特許文献1,2)。
このオイルシール101は、回転軸102とその周囲を覆う機器ケース103との間の隙間に配置され、機器ケース103側に固定されて回転軸102を密封するメインリップ104と、メインリップ104よりも機器外部側で回転軸102に嵌合された円筒蓋状のダストカバー106の外周筒部106aの内周面106aaとの間でダストシール機構を構成するサイドリップ105とを備える。尚、図中の符号107は金属環である。
実開昭57−72328号公報 実開昭62−140266号公報
しかしながら、図3の従来のオイルシールによれば、泥水の浸入を十分に防止することができないという問題がある。これは、オイルシール101と円筒蓋状のダストカバー106の周縁との間に形成される径方向の開口109から泥水が飛び込み、サイドリップ105の外周面105aに直接当たるため、泥水の水圧によりサイドリップ105の先端側のリップ先端108がダストカバーの外周筒部106aの内周面106aaから離されて、泥水がシール内に浸入し易い構造となっていることに起因している。
また、従来のオイルシールのサイドリップ105は、図4に示すように、ダストカバー106の外周筒部106aの内周面106aaとサイドリップ外周面(サイドリップ後面)105aとの間の挟み角(機器内部側の傾斜面の角度)αが、ダストカバーの外周筒部106aの内周面106aaとサイドリップ前面(サイドシールリップ先端よりも内側)105bとの間の成す角(機器外部側の傾斜面の角度)βよりも小さいため、サイドリップ外周面105aのダストカバーの外周筒部106aの内周面106aaに接触している接触面の面圧ピークがリップ先端108側に形成されてしまう。このため、サイドリップ105の接触面が泥水の浸入方向に働いてしまい、泥水を機器内部側に吸い込み易くなり、機器内部へ泥水が浸入してしまう。
本発明は、円筒蓋状のダストカバーの外周筒部の内周面とサイドリップとの接触部から泥水が浸入することを防止することができるオイルシールを提供することを目的とする。
かかる目的を達成するために請求項1記載の発明は、回転軸とその周囲を覆う機器ケースとの間の隙間に配置され、機器ケース側に固定されて回転軸を密封するメインリップと、メインリップよりも機器ケースの外部側で回転軸に嵌合された円筒蓋状のダストカバーの外周筒部の内周面との間でダストシール機構を構成するサイドリップとを備えるオイルシールにおいて、サイドリップの径方向外側に配置されかつダストカバーの外周筒部の外周面と対向すると共に、ダストカバーとオイルシールとの間の開口を覆う円筒状のラビリンスリップと、サイドリップのダストカバーの外周筒部の内周面と摺接する先端部に形成される突起とを備え、突起のダストカバー外空間に臨む外側壁面とダストカバーの外周筒部の内周面との成す角αが、ダストカバー内空間に臨む内側壁面とダストカバーの外周筒部の内周面との成す角βよりも大きくなるようにしている。
ここで、ラビリンスリップは先端側に向かって肉薄に形成され径方向に可撓性を有していることが好ましく、より好ましくはラビリンスリップの内周面が先端側に向かって内径を広げるテーパ面に形成されていることである。また、ラビリンスリップの内周面にはねじ状の溝または突起を設けることが好ましく、より好ましくは先端側に向かって肉薄に形成され径方向に可撓性を有しているラビリンスリップあるいは先端側に向かって内径を広げるテーパ面に形成されているラビリンスリップの内周面に設けることである。なお、ラビリンスリップの内周面の代りにダストカバーの外周筒部の外周面にねじ状の溝または突起を設けても良い。
また、サイドリップの突起は外側壁面と内側壁面との間にダストカバーの外周筒部の内周面と接触する平坦部を形成することを特徴としている。
さらに本発明にかかるオイルシールは、ダストカバーの外周筒部の内周面に対し突起の外側壁面の成す角αが70°〜90°であり、内側壁面が成す角βが5°〜45°であることが好ましい。
請求項1記載のオイルシールによれば、円筒状のラビリンスリップがダストカバーとオイルシールとの間の開口を覆っているので、外部から飛来する泥水がラビリンスリップにより一旦受け止められ、泥水がオイルシールとダストカバーとの間の開口を経て直接サイドリップにかかることを抑制できる。また、ラビリンスリップがダストカバーの外周面部分と対向しているため、ラビリンスリップとダストカバーの外周筒部の外周面との間のラビリンスシール効果により、泥水がサイドリップまで到達し難くなっている。このため、ダストカバーの外周筒部の内周面に押しつけられてダストシール機構を構成するサイドリップの先端の突起が泥水の水圧でダストカバーの内周面から離れるように開かれてダストカバー内(オイルシールのシールリップ側へ)に泥水が浸入するのを防止できる。
しかも、突起のダストカバー外空間に臨む外側壁面とダストカバーの外周筒部の内周面との成す角αが、ダストカバー内空間に臨む内側壁面とダストカバーの外周筒部の内周面との成す角βよりも大きくなるようにしているので、ダストカバーの外周筒部の内周面に接触しているサイドリップの突起の接触面の面圧ピークがラビリンスリップとサイドリップの間に形成されるサイドリップの周りの空間側(泥水接触側)に形成され維持し続けられることから、突起の接触面から泥水が浸入したとしても泥水をサイドリップの周りの空間側に排出し易くなる。
また、請求項2記載のオイルシールによれば、ラビリンスリップが先端側に向かって肉薄に形成されて径方向に可撓性を有しているので、泥水がかかった際に、泥水の水圧によって、先端側がダストカバーの外周筒部の外周面側に向かって撓み、ラビリンスリップとダストカバーの外周筒部の外周面との間の隙間をより小さくして、ラビリンスシール効果を高める。
また、請求項3記載のオイルシールによれば、ラビリンスリップの内周面が先端側に向かって内径を広げるテーパ面に形成されているので、ラビリンスリップとダストカバーの外周筒部の外周面との間の隙間からラビリンスリップとサイドリップの間に形成されるサイドリップの周りの空間に泥水が浸入したとしても、重力作用方向下側へ流下しかつテーパ面を伝いラビリンスリップの外に排出される。したがって、耐泥水性を向上できる。
さらに、請求項4記載のオイルシールによれば、ラビリンスリップの内周面またはダストカバーの外周筒部の外周面にねじ状の溝または突起を設けているので、ラビリンスリップとサイドリップの間に形成されるサイドリップの周りの空間に泥水が浸入したとしても、ねじ状の溝もしくは突起により誘導されることにより、ラビリンスリップの外に排出され易くする。したがって、耐泥水性を向上できる。
また、請求項5記載のオイルシールによれば、サイドリップの突起の外側壁面と内側壁面との間にダストカバーの外周筒部の内周面と接触する平坦部を形成しているので、面接触でダストカバーの外周筒部の内周面に接触することができる。このため、突起とダストカバーの外周筒部の内周面との接触面は、線接触とならないため、面圧分布は良好になり、機器内部側即ちラビリンスリップとサイドリップの間に形成されるサイドリップの周りの空間側(泥水接触側)にピーク面圧を維持し続けられる。また、線接触で接触するサイドリップと同じ締代の場合、線接触で接触するものと比べ面接触では突起とダストカバーの外周筒部の内周面との接触面の接触幅が長くなり、サイドリップの先端部では面圧を下げることができる。
また、請求項6記載のオイルシールによれば、ダストカバーの外周筒部の内周面に対し突起の外側壁面の成す角αが70°〜90°であり、内側壁面が成す角βが5°〜45°であるようにしているので、良好な密封性が得られ、泥水の浸入を防ぐことができる。
本発明のオイルシールの一実施形態を示す中央縦断面図である。 本発明のオイルシールのサイドリップ部分の拡大図であり、(a)はダストカバーの外周筒部の内周面に接触した状態、(b)はダストカバーの外周筒部の内周面に接触していない自然状態のサイドリップ先端部分を拡大図して示す。 従来のオイルシールの一実施形態を示す中央縦断面図である。 従来のオイルシールのサイドリップ部分のダストカバーの外周筒部の内周面に接触した状態の拡大図である。
以下、本発明の構成を図面に示す実施形態に基づいて詳細に説明する。
図1に、本発明のオイルシールの実施形態の一例を示す。このオイルシール1は、外部から泥水などが浸入する虞のある軸封箇所、例えば回転軸2とその周囲を覆う機器ケース3との間の隙間に配置され、機器ケース3側に固定されて回転軸2を密封するメインリップ4と、メインリップ4よりも機器ケース3の外部側で回転軸2に嵌合された円筒蓋状のダストカバー5の外周筒部5aの内周面5aaとの間でダストシール機構を構成するサイドリップ6とを備えるものである。尚、図中の符号14は回転軸2と機器ケース3との間の隙間を仕切る隔壁部、符号15は外周部16及び隔壁部14を補強する金属環である。
サイドリップ6は、隔壁部14の外側の面に機器外部側のダストカバー5に向けて突出するように形成されている。このサイドリップ6は、本実施形態の場合、先端側へ向かうに従って外径及び内径の双方が広がるように円錐形状に形成され、先端部分に設けられた突起9が円筒蓋状のダストカバー5の外周筒部5aの内周面5aaに径方向外側へ押し当てられるように付勢する嵌め代が得られると共に、浸入してきた泥水特に上方側において浸入してきた泥水が突起9側へ向かい難くなるような上向きの傾斜面となるように設けられている。勿論、サイドリップ6の形状は、図示のような末広がりな円錐形状に限られるものではなく、先端側の突起9がダストカバー5の外周筒部5aの内周面5aaと摺接しながらダストカバー5の外周筒部5aの内周面5aaとの間でダストシール機構を構成し得るほぼ円筒形状のものであっても良い。
ここで、サイドリップ6のリップ先端を構成する突起9は、図2(b)に示すように、ダストカバー外空間10に臨む外側壁面(本明細書では単に外側壁面と呼ぶ)11とダストカバー外周筒部5aの内周面5aaとの成す角αが、ダストカバー内空間17に臨む内側壁面(単に内側壁面と呼ぶ)12とダストカバー外周筒部5aの内周面5aaとの成す角βよりも大きくなるように形成されている。この場合、ダストカバー5の外周筒部5aの内周面5aaに接触しているサイドリップ6の突起9の接触面の面圧ピークが、図2(a)に示すように、ラビリンスリップ8とサイドリップ6の間に形成されるサイドリップ6の周りの空間10側(泥水接触側)に形成され維持し続けられることから、突起9のダストカバー外周筒部5aの内周面5aaに対する接触面から泥水が浸入したとしても、泥水をサイドリップ6の周りの空間10側へ排出し易くなる。角度αと角度βとの関係はα>βであれば良く、特定の比に限られるものではないが、その差が大きいほどに浸入泥水の排出効果が期待できる。本実施形態にかかるオイルシール1においては、角αは70°〜90°の範囲、より好ましくは80°〜90°の範囲であり、角βは5°〜45°の範囲としたときに好ましい結果が得られた。尚、本実施形態においては、説明の便宜上ダストカバー外周筒部5aの内周面5aaと平坦部13の平面とは実質的に同じであるとして、角α及び角βについて説明しているが、ダストカバー外周筒部5aの内周面5aaに突起9が接触していない自然状態においても平坦部13の面に対する角度αと角度βとの関係がα>βであれば良い。
さらに、突起9の外側壁面11と内側壁面12との間には平坦部13を形成することが好ましい。ダストカバー外周筒部5aの内周面5aaと接触する突起9の先端が線接触となる角で構成される場合には、装着時初期はサイドリップ6の周りの空間10側(泥水接触側)にピーク面圧を設定できる。しかしながら、突起9の先端が角の場合は、ダストカバー5への装着時に角がダストカバー5に引っ掛かり外側壁面11側に折れ曲がりやすく、折れ曲がったまま装着されてしまうことで面圧ピークを空間10側(泥水接触側)にすることができない危険性がある。したがって、突起9のカバーの外周筒部の内周面に接触する部位は、平坦面にすることが望ましい。
ここで、平坦部13は、リップ先端が線状とならずに面接触するような接触面を構成するものであれば良く、特に平滑で平面度の高い面を求めているものでは無く、微小な凹凸や曲面等を有していても、全体としてダストカバー外周筒部5aの内周面5aaに面接触することができる接触面を構成できるものであれば良い。本実施形態において平坦部13の幅は、0.1mmから0.5mmであり、好ましくは、0.2mm〜0.4mmである。0.1mm未満の場合、通常のシールのようにリップ先端で線接触させる場合と変わらないため、上述したような不具合が発生してしまう。他方、0.5mm超過の場合、接触幅が大きくなり過ぎて、リップ接触部の空間10側(泥水接触側)の面圧ピークの面圧が低下し、泥水に対するシール性を十分に確保できなくなってしまう。
また、サイドリップ6の径方向外側の隔壁部14には、ダストカバー5の外周筒部5aの外周面5abと対向する(包囲する)と共に、ダストカバー5とオイルシール1(隔壁部14)との間の開口7を覆う円筒状のラビリンスリップ8が設けられている。このラビリンスリップ8は、単なる円筒状であっても良いが、好ましくは先端側に向かって肉薄に形成され径方向に可撓性を有していることであり、より好ましくはラビリンスリップ8の内周面8aが先端側に向かって内径を広げるテーパ面に形成されていることである。
ここで、ラビリンスリップ8の内周面8aは平滑面にして排出される泥水の流れを良好なものとすることが好ましい。
また、内周面には、図示していないが、ねじ状の溝または突起を設けるようにしても良い。このねじ状の溝または突起は、軸回転方向との関係で、軸回転時にダストカバー5によって流動した泥水がラビリンス先端側へ向けて押し出される力が相対的に発生するようなスクリューポンプあるいはスクリューコンベアのような働きをする向きにねじが切られている。なお、このねじ状の溝または突起は、ダストカバー5の外周筒部5aの外周面5abに形成しても良い。また、このねじ状の溝または突起をラビリンスリップ8の内周面8aと、ダストカバー5の外周筒部5aの外周面5abとの両面に形成しても良い。
ラビリンスリップ8の内周面8aの形状は、泥水の重力による自然排出に頼る場合には、内周面の母線が水平あるいは出口側である端部へ向けて下り傾斜となるものであることが好ましい。一方、ねじ状の溝または突起を設ける場合には、ラビリンスリップ8の内周面の形状が先端側に向けて内径が漸次小さくなる円筒状即ち窄まる形状にしても、ねじ状の溝または突起の働きである程度泥水が排出できる。しかし、この場合においても、より好ましくは先端側に向かって内径を広げるテーパ面の内周面にすることである。
尚、ダストカバーは、円筒蓋状の具体的には、回転軸2と嵌合する内周筒部と、径方向立ち上がり部と、外周筒部を有するものであり、オイルシールよりも機器外部側に設けられている。
なお、上述の形態は本発明の好適な形態の一例ではあるがこれに限定されるものではなく本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々変形実施可能である。例えば、上述の実施形態では、ラビランスリップ8は先端開口に向かうほど内径が大きくなるようなテーパ面から成る内周面8aに形成して先端側に向かって肉薄に形成しているが、これに特に限られるものではなく、外径が小さくなるようなテーパ面から成る外周面とすることにより先端側に向かって肉薄で径方向に可撓性を有するようにしても良い。この場合においても、泥水がかかった際に、泥水の水圧によってラビリンスリップ8の先端が撓み、ラビリンスリップ8とダストカバー外周筒部5aの外周面5abとの間の隙間を狭くしてラビリンスシール効果を高め得ることができる。また、ラビランスリップ8は基部から先端まで同じ肉厚(同じ内径あるいは外径)の単なる円筒形状であっても良い。この場合においても、外部から飛来する泥水がラビリンスリップ8により一旦受け止められ、泥水が開口7を経て直接サイドリップ6にかかることを抑制できる。また、ラビリンスリップ8がダストカバー5の外周筒部5aの外周面5ab部分と対向しているため、ラビリンスリップ8とダストカバー5の外周筒部5aの外周面5abとの間のラビリンスシール効果により、泥水がサイドリップ6まで到達し難く、ダストカバー5の外周筒部5aの内周面5aaに押しつけられてダストシール機構を構成するサイドリップ6の先端の突起9が泥水の水圧でダストカバー外周筒部5aの内周面5aaから離れるように開かれてダストカバー内空間17側へ浸入するのを防止できる。また、サイドリップ周りの空間10に泥水が浸入した場合の排出効果についても、先端側に向かって内径が小径となる逆テーパとならない限り、泥水が上側から下側に移動し、さらにラビリンスリップ8の内周面8aを伝い先端の開口から排出されることから、大きく損なわれない。
上述の実施形態にかかるオイルシールについて、下記条件で泥水の浸入防止効果について確認した。
(試験1)
サイドリップ6の先端部の突起9の傾斜角度α、βを決定するにあたり、まずは、傾斜角度αを90°として以下の試験を実施した。なお、このオイルシールは、サイドリップ6の先端部の突起9に幅0.3mmの平坦部13を形成している。ここで、傾斜角度αを90°に設定した理由は、サイドリップ6の周りの空間10側(泥水接触側)に面圧ピークを設定し易いと考えられるからである。
(試験条件)
軸回転数 :250rpmで500時間作動させる。
泥水の注水量 :6リットル/min
Figure 2014224565
但し、表中の記号は
○:泥水の浸入なし
△:サイドリップの接触面付近に僅かな泥水の滲みあり
×:泥水の浸入あり
である。
上記試験より、βが5°〜45°であれば泥水の浸入を防止できることが分かった。βが5°未満のものについては、サイドリップ6をダストカバー5の内部に挿入する際にサイドリップ6が反転し易かった。また、傾斜角度βの傾斜面12がダストカバー外周筒部5aの内周面5aaに接触し、サイドリップ6の先端部の突起9の平坦部13が良好な接触ができず、サイドリップ6の周りの空間10側(泥水接触側)に面圧ピークを設けることができなかった。他方、βが45°よりも大きい場合は、サイドリップ6をダストカバー5に挿入する際に、突起9の外側壁面11がサイドリップ6の周りのダストカバー外空間10に反転してしまう。そのため、泥水が浸入してしまった。
(試験2)
サイドリップ6の先端部の突起9の傾斜角度αを決定するにあたり、傾斜角度βを25°として以下の試験を実施した。なお、このオイルシール1は、サイドリップ6の先端部の突起9に幅0.3mmの平坦部13を形成している。
(試験条件)
軸回転数 :250rpmで500時間作動させる。
泥水の注水量 :6リットル/min
Figure 2014224565
但し、表中の記号は
○:泥水の浸入なし
△:サイドリップの接触面付近に僅かな泥水の滲みあり
×:泥水の浸入あり
である。
上記試験より、αが80°〜90°であれば良好な密封性が得られ、αが70°であっても泥水の浸入までは許さなかった。また、αが90°よりも大きいと突起9の外側壁面11が肉抜きされてしまう。肉抜きされた分だけ外側壁面11側の面圧が小さくなり、外側壁面11側が面圧ピークとならないため従来のオイルシール同様に泥水が浸入してしまった。他方、αが60°では、突起9の外側壁面11が先細りになってしまう。つまり、ダストカバー外周筒部5aの内周面5aaに対し突起9の外側壁面11の成す角αがダストカバー外周筒部5aの内周面5aaに接近するに従って小さく狭くなるので、泥がつまり易くなり、サイドリップの先端部の突起9が泥の蓄積によって押し広げられ、泥水が浸入してしまった。
1 オイルシール
2 回転軸
3 機器ケース
4 メインリップ
5 ダストカバー
5a ダストカバーの外周筒部
5aa ダストカバーの外周筒部の内周面
5ab ダストカバーの外周筒部の外周面
6 サイドリップ
7 ダストカバーとオイルシールとの間の開口
8 ラビリンスリップ
8a ラビリンスリップの内周面
9 サイドリップの先端部の突起
10 突起の外側壁面が臨むサイドリップの周りの空間(ダストカバー外空間)
11 ダストカバー外空間に臨む外側壁面
12 ダストカバー内空間に臨む内側壁面
13 平坦部
14 オイルシールの隔壁部
17 ダストカバー内空間

Claims (6)

  1. 回転軸とその周囲を覆う機器ケースとの間の隙間に配置され、前記機器ケース側に固定されて前記回転軸を密封するメインリップと、前記メインリップよりも前記機器ケースの外部側で前記回転軸に嵌合された円筒蓋状のダストカバーの外周筒部の内周面との間でダストシール機構を構成するサイドリップとを備えるオイルシールにおいて、前記サイドリップの径方向外側に配置されかつ前記ダストカバーの外周筒部の外周面と対向すると共に、前記ダストカバーと前記オイルシールとの間の開口を覆う円筒状のラビリンスリップと、前記サイドリップの前記ダストカバーの外周筒部の内周面と摺接する先端部に形成される突起とを備え、前記突起のダストカバー外空間に臨む外側壁面と前記ダストカバーの外周筒部の内周面との成す角αが、ダストカバー内空間に臨む内側壁面と前記ダストカバーの外周筒部の内周面との成す角βよりも大きいことを特徴とするオイルシール。
  2. 前記ラビリンスリップは先端側に向かって肉薄に形成され径方向に可撓性を有していることを特徴とする請求項1記載のオイルシール。
  3. 前記ラビリンスリップの内周面が先端側に向かって内径を広げるテーパ面に形成されていることを特徴とする請求項1または2記載のオイルシール。
  4. 前記ラビリンスリップの内周面または前記ダストカバーの外周筒部の外周面にはねじ状の溝または突起を設けたことを特徴とする請求項1から3のいずれか1つに記載のオイルシール。
  5. 前記突起は前記外側壁面と前記内側壁面との間に前記ダストカバー外周筒部の内周面と接触する平坦部を形成したことを特徴とする請求項1から4のいずれか1つに記載のオイルシール。
  6. 前記ダストカバーの外周筒部の内周面に対し前記突起の前記外側壁面の成す角αが70°〜90°であり、前記内側壁面が成す角βが5°〜45°であることを特徴とする請求項1から5のいずれか1つに記載のオイルシール。
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