JP2016216561A - 室温硬化性ポリオルガノシロキサン組成物および電気・電子機器 - Google Patents

室温硬化性ポリオルガノシロキサン組成物および電気・電子機器 Download PDF

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Abstract

【課題】低粘度、無溶剤で塗布性が良好であり、硬度が高く、耐スクラッチ性等に優れた硬化被膜を形成する室温硬化性ポリオルガノシロキサン組成物の提供。
【解決手段】三次元網目構造を有するシラノール基含有ポリオルガノシロキサン(A1a)のアルコキシ化反応により得られたポリオルガノシロキサンであり、5個以上100個以下のD単位が直鎖状に結合されたポリマー単位とT単位を含有し、D単位とT単位とのモル比が0.1〜2.0で、Mwが2,000〜100,000である末端アルコキシ基含有ポリオルガノシロキサン(A1)20〜95質量部と、アルコキシ基を2個以上有し粘度が3mPa・s〜500mPa・sであるポリオルガノシロキサン(A2)80〜5質量部とを混合してなるポリオルガノシロキサン混合物(A)100質量部に対して、(B)硬化触媒として有機金属化合物0.1〜15質量部を含有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、室温硬化性ポリオルガノシロキサン組成物および電気・電子機器に係り、特に、耐スクラッチ性および接着耐久性に優れた硬化被膜を形成し、電気・電子機器用コーティング材等として有用な室温硬化性ポリオルガノシロキサン組成物と、その室温硬化性ポリオルガノシロキサン組成物の硬化被膜を有する電気・電子機器に関する。
従来から、室温で硬化してゴム状等の硬化物を生じる種々の室温硬化性ポリオルガノシロキサン組成物が知られている。それらのうちで、電気・電子部品のコーティング材やポッティング材等の用途には、空気中の水分と接触することにより硬化反応を生起するタイプのもので、硬化時にアルコールやアセトン等を放出するものが一般に用いられている。そのようなタイプの室温硬化性ポリオルガノシロキサン組成物は、作業性が良好であるうえに、硬化時に放出するアルコールやアセトンが金属類に対して腐食性が低いため、電極や配線を腐食させるおそれが少なく、また接着性等にも優れるという利点を有する。
特に、電気・電子部品やそれらを搭載した回路基板の表面を使用環境から保護するために施されるコンフォーマルコーティング剤としては、低粘度の室温硬化性ポリオルガノシロキサン組成物からなるコーティング材(例えば、特許文献1、2参照。)や、シリコーンレジンを溶剤に溶解させたタイプのコーティング材が使用されている。
しかしながら、低粘度の室温硬化性ポリオルガノシロキサン組成物からなるコーティング材では、得られる硬化被膜が脆くて硬度が低く、耐スクラッチ性のような引っかき強度が十分ではなかった。
また、シリコーンレジンを含む溶剤タイプのコーティング材においては、硬化時に加熱による溶剤除去工程を必要とするため、溶剤の揮発により、作業環境の悪化や、電気・電子部品およびそれらを搭載した回路基板の腐食や劣化を引き起こすおそれがあった。さらに、作業環境を改善するために、溶剤を大気中に放出せずに回収しようとすると、高額の投資を必要とした。
特開平7−173435号公報 特開平7−238259号公報
本発明はこれらの問題を解決するためになされたもので、低粘度、無溶剤で塗布性が良好であり、硬度が高く、耐スクラッチ性等に優れた硬化被膜を形成する室温硬化性ポリオルガノシロキサン組成物を提供することを目的とする。
本発明の室温硬化性ポリオルガノシロキサン組成物は、
末端にシラノール基を有し三次元網目構造を有するシラノール基含有ポリオルガノシロキサン(A1a)のアルコキシ化反応により得られた、末端にケイ素原子に結合するアルコキシ基を有するポリオルガノシロキサンであり、5個以上100個以下の2官能型シロキサン単位が直鎖状に結合されたポリマー単位と、3官能型シロキサン単位を含有し、かつ2官能型シロキサン単位と3官能型シロキサン単位とのモル比が0.1〜2.0で、重量平均分子量(Mw)が2,000〜100,000である第1のポリオルガノシロキサン(A1)20〜95質量部と、
分子中にケイ素原子に結合するアルコキシ基を2個以上有し、23℃における粘度が3mPa・s〜500mPa・sである第2のポリオルガノシロキサン(A2)80〜5質量部
を混合してなるポリオルガノシロキサン混合物(A)100質量部に対して、
(B)硬化触媒として有機金属化合物0.1〜15質量部
を含有することを特徴とする。
本発明の電気・電子機器は、電極および/または配線の表面に、前記本発明の室温硬化性ポリオルガノシロキサン組成物の硬化物からなる被膜を有することを特徴とする。
本発明において、「シラノール基」は、ケイ素原子に水酸基が結合した基をいう。また、「常温」は、特に加熱も冷却もしない平常の温度を意味し、例えば23℃を示す。
本発明の室温硬化性ポリオルガノシロキサン組成物は、低粘度で塗布性が良く、溶剤で希釈することなくそのまま通常の塗布方法で塗布することができる。そして、塗布膜は室温で速やかに硬化し、硬度が高く、耐スクラッチ性に優れ、かつ接着耐久性が良好な硬化被膜を形成する。したがって、電気・電子機器のコーティング材、ポッティング材等の用途に有用であり、特に、コンフォーマルコーティング剤のような、電気・電子部品をコーティングする用途に好適する。
本発明の電気・電子機器の一例を示す断面図である。
以下、本発明の実施の形態について説明する。
本発明の実施形態の室温硬化性ポリオルガノシロキサン組成物は、三次元網目構造を有するシラノール基含有ポリオルガノシロキサン(A1a)のアルコキシ化反応により得られた第1のポリオルガノシロキサン(A1)と、分子中にケイ素原子に結合するアルコキシ基(以下、単にアルコキシ基という。)を2個以上有し、常温液状で所定の粘度を有する第2のポリオルガノシロキサン(A2)とを混合してなるポリオルガノシロキサン混合物(A)100質量部に対して、(B)硬化触媒としての有機金属化合物0.1〜15質量部を含有する。
ここで、第1のポリオルガノシロキサン(A1)は、5個以上100個以下の2官能型シロキサン単位が直鎖状に結合されたポリマー単位と、3官能型シロキサン単位をそれぞれ有し、かつ2官能型シロキサン単位と3官能型シロキサン単位とのモル比が所定の範囲にあるポリオルガノシロキサンである。
実施形態の室温硬化性ポリオルガノシロキサン組成物は、(C)成分として、後述する式(c1)で表されるシラン化合物をさらに含有することができる。
以下、実施形態の室温硬化性ポリオルガノシロキサン組成物を構成する各成分、含有割合等について説明する。
[(A)ポリオルガノシロキサン混合物]
本発明の実施形態において、(A)成分であるポリオルガノシロキサン混合物は、本組成物のベースとなる成分であり、三次元網目構造を有する第1のポリオルガノシロキサン(A1)と、アルコキシ基を2個以上有し、常温液状で所定の粘度を有する第2のポリオルガノシロキサン(A2)とを混合してなる。
(A1)成分
(A1)成分である第1のポリオルガノシロキサンは、三次元網目構造を有するシラノール基含有ポリオルガノシロキサン(A1a)のアルコキシ化により得られた、末端にアルコキシ基を有する三次元網目構造のポリオルガノシロキサンである。そして、(A1)第1のポリオルガノシロキサンは、式:R SiO2/2で表される2官能型シロキサン単位(以下、D1単位という。)の5個以上100個以下が直鎖状に結合された単位(以下、ポリD1単位という。)と、式:RSiO3/2で表される3官能型シロキサン単位(以下、T1単位という。)をそれぞれ有する。また、(A1)第1のポリオルガノシロキサンに含まれるD1単位とT1単位のモル比(D1単位のモル数/T1単位のモル数。以下、D1/T1ともいう。)は、0.1〜2.0の範囲となっている。
前記D1単位およびT1単位を表す式において、Rは、互いに独立して、非置換の一価炭化水素基、もしくは水素原子の一部がハロゲン原子またはシアノアルキル基で置換された一価炭化水素基である。非置換の一価炭化水素基として、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基等のアルキル基;シクロヘキシル基等のシクロアルキル基;ビニル基、アリル基のようなアルケニル基;フェニル基、トリル基、キシリル基等のアリール基;ベンジル基、2−フェニルエチル基、2−フェニルプロピル基等のアラルキル基等が挙げられる。置換された一価炭化水素基としては、上記一価炭化水素基の水素原子の一部がハロゲン原子で置換された、例えばクロロメチル基、3−クロロプロピル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基のようなハロゲン化アルキル基や、前記一価炭化水素基の水素原子の一部がシアノアルキル基で置換された、例えば3−シアノプロピル基等が例示される。
(A1)第1のポリオルガノシロキサンに含有されるポリD1単位において、D1単位の結合数は、5個以上100個以下である。D1単位の結合数が5個未満の場合には、硬化被膜の柔軟性および可とう性が不十分となる。また、D1単位の結合数が100個を超えると、硬化被膜の耐スクラッチ性が低下して好ましくない。D1単位の結合数が5個以上100個以下の場合には、硬度が高く、耐スクラッチ性、耐熱性および接着耐久性に優れ、柔軟性および可とう性が良好な硬化被膜を得ることができる。D1単位の結合数は、10個以上100個以下が好ましく、12個以上60個以下が特に好ましい。
また、(A1)第1のポリオルガノシロキサン中のD1単位とT1単位のモル比(D1/T1)は、後述するように、0.2〜1.8の範囲が好ましく、0.2〜1.5の範囲が特に好ましい。
アルコキシ化により(A1)第1のポリオルガノシロキサンを得るための、三次元網目構造を有するシラノール基含有ポリオルガノシロキサン(A1a)は、前記したポリD1単位とT1単位を有し、必要に応じて、式:R SiO1/2(Rは前記と同様である。)で表される1官能型シロキサン単位(以下、M1単位という。)を有するポリオルガノシロキサンである。シラノール基を構成する水酸基は、D1単位およびT1単位を構成するケイ素原子に結合されていることが好ましい。
このシラノール基含有ポリオルガノシロキサン(A1a)は、例えば、T1単位源であるシラン化合物の1種または2種以上と、ポリD1単位源である、両末端にシラノール基を有するα,ω−ジヒドロキシポリアルキルシロキサンとを、公知の方法で加水分解し縮合させることにより得ることができる。なお、「T1単位源」とは、加水分解および縮合により、前記シラノール基含有ポリオルガノシロキサン(A1a)におけるT1単位が形成されることをいう。同様に、「D1単位源」とは、加水分解および縮合により、前記シラノール基含有ポリオルガノシロキサン(A1a)におけるD1単位が形成されることをいい、「ポリD1単位源」とは、加水分解および縮合により、前記シラノール基含有ポリオルガノシロキサン(A1a)におけるポリD1単位が形成されることをいう。
ここで、ポリD1単位源であるα,ω−ジヒドロキシポリアルキルシロキサンとしては、5個以上100個以下のD1単位が直鎖状に結合された構造のポリマーが使用される。シラノール基含有ポリオルガノシロキサン(A1a)の調製においては、加水分解・縮合の出発物質として、T1単位源であるシラン化合物と、ポリD1単位源であるα,ω−ジヒドロキシポリアルキルシロキサンとともに、D1単位源であるシラン化合物の1種または2種以上を用いることもできる。
T1単位源であるシラン化合物としては、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシランのようなトリアルコキシシラン類や、メチルトリクロロシラン、ビニルトリクロロシラン、フェニルトリクロロシランのようなトリクロロシラン類を挙げることができる。加水分解、縮合反応の反応性の観点から、T1単位源としては、メチルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、メチルトリクロロシラン、ビニルトリクロロシラン、フェニルトリクロロシランの使用が好ましい。また、経済性および硬化被膜の可撓性の観点から、メチルトリメトキシシラン、メチルトリクロロシランが好ましい。
D1単位源であるシラン化合物としては、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、フェニルメチルジメトキシシラン、フェニルメチルジエトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、ビニルメチルジメトキシシラン、ビニルメチルジエトキシシランのようなジアルコキシシラン類や、ジメチルジクロロシラン、フェニルメチルジクロロシラン、フェニルエチルジクロロシラン、ジフェニルジクロロシラン、ビニルメチルジクロロシラン、ビニルエチルジクロロシランのようなジクロロシラン類を挙げることができる。
(A1a)成分であるシラノール基含有ポリオルガノシロキサンの重量平均分子量(Mw)は2,000〜100,000が好ましく、3,000〜70,000がより好ましい。なお、Mwは、ポリスチレンを基準とするGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフ)により求められる値である。
(A1a)シラノール基含有ポリオルガノシロキサンのアルコキシ化による(A1)第1のポリオルガノシロキサンの調製は、例えば、以下の方法で行うことができる。
<第1の方法>
前記した三次元網目構造を有するシラノール基含有ポリオルガノシロキサン(A1a)に、(A1b)アルコキシ基を2個以上有するシラン化合物を加えて反応させる。
(A1b)成分であるシラン化合物は、2個以上のアルコキシ基を有するものであれば特に限定されない。テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ビニルメチルジメトキシシラン、ビニルメチルジエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシランのようなアルコキシシラン類が例示される。これらの中でも、反応性、取り扱いやすさおよびアルコキシ化後の反応性の高さから、メチルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、テトラメトキシシランが好ましく、安全性および経済性の観点から、メチルトリメトキシシランが特に好ましい。
三次元網目構造のシラノール基含有ポリオルガノシロキサン(A1a)に、(A1b)2個以上のアルコキシ基を有するシラン化合物を加えて反応させると、ポリオルガノシロキサン(A1a)のシラノール基と、(A1b)シラン化合物の有するアルコキシ基との間に脱アルコール反応が生起し、末端がアルコキシシリル基で封鎖されたポリオルガノシロキサンが得られる。こうして、(A1)成分である三次元網目構造を有する末端アルコキシ基含有ポリオルガノシロキサンが得られる。
<第2の方法>
前記した三次元網目構造を有するシラノール基含有ポリオルガノシロキサン(A1a)に、末端にシラノール基を有する直鎖状のシラノール基含有ポリオルガノシロキサン(A1c)を混合し、この混合物に対して、前記した(A1b)アルコキシ基を2個以上有するシラン化合物を加えて反応させる。
ここで、直鎖状のシラノール基含有ポリオルガノシロキサン(A1c)としては、両末端にシラノール基を有するα,ω−ジヒドロキシポリジアルキルシロキサンを使用することが好ましい。(A1c)シラノール基含有ポリオルガノシロキサンとして、前記シラノール基含有ポリオルガノシロキサン(A1a)の調製に使用したものと同様に、5個以上100個以下のD1単位が直鎖状に結合されたα,ω−ジヒドロキシポリジアルキルシロキサンを使用することもできる。(A1c)シラノール基含有ポリオルガノシロキサンのMwは、200〜200,000の範囲が好ましく、300〜100,000の範囲がより好ましい。
三次元網目構造のシラノール基含有ポリオルガノシロキサン(A1a)と直鎖状のシラノール基含有ポリオルガノシロキサン(A1c)との混合物に、(A1b)2個以上のアルコキシ基を有するシラン化合物を加えて反応させると、三次元網目構造のポリオルガノシロキサン(A1a)のシラノール基および直鎖状のポリオルガノシロキサン(A1c)のシラノール基と、(A1b)シラン化合物の有するアルコキシ基との間に脱アルコール反応が生起し、末端がアルコキシシリル基で封鎖されたポリオルガノシロキサンが得られる。なおこのとき、ポリオルガノシロキサン(A1a)のシラノール基の一部とポリオルガノシロキサン(A1c)のシラノール基の一部が、脱水縮合し、シロキサン結合が生じる結果、分子量の増大が生じることもある。
こうして、(A1)成分である三次元網目構造を有する末端アルコキシ基含有ポリオルガノシロキサンが得られる。
こうして得られる(A1)三次元網目構造を有する末端アルコキシ基含有ポリオルガノシロキサンは、5個以上100個以下のD1単位が直鎖状に結合されたポリD1単位と、T1単位を含有し、かつD1単位とT1単位のモル比(D1/T1)が0.1〜2.0の範囲のポリオルガノシロキサンである。
D1/T1が0.1未満の場合には、薄膜塗布に適した粘度を有するポリオルガノシロキサン組成物が得られない。また、硬化被膜が得られた場合も、接着耐久性が不十分となる。一方、D1/T1が2.0超の場合には、耐スクラッチ性に優れた硬化被膜が得られない。
D1/T1は、0.2〜1.8の範囲が好ましく、0.2〜1.5の範囲がより好ましい。
(A1)三次元網目構造を有する末端アルコキシ基含有ポリオルガノシロキサンは、D1単位とT1単位の他に、M1単位を含有していてもよい。M1単位を含有する場合、全単位のモル数に対するM1単位の割合は、20モル%以下であることが好ましい。
(A1)成分である第1のポリオルガノシロキサンは、平均組成式:R Si(OR{4−(a+b)}/2…(a1)で表すことができる。
なお、本明細書において、式(a1)で表されるポリオルガノシロキサンを、ポリオルガノシロキサン(a1)ともいう。以下、他の式で表される化合物についても同様に、その式を示す記号を含む略称を用いることがある。
式(a1)中、Rは、非置換の一価炭化水素基、もしくは水素原子の一部がハロゲン原子またはシアノアルキル基で置換された一価炭化水素基であり、複数のRは、互いに同一であっても異なっていてもよい。Rは、アルキル基、またはアルキル基の水素原子の一部がアルコキシ基で置換されたアルコキシ置換アルキル基である。複数のRは、互いに同一であっても異なっていてもよい。
の非置換の一価炭化水素基として、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基等のアルキル基;シクロヘキシル基等のシクロアルキル基;ビニル基、アリル基のようなアルケニル基;フェニル基、トリル基、キシリル基等のアリール基;ベンジル基、2−フェニルエチル基、2−フェニルプロピル基等のアラルキル基等が挙げられる。置換された一価炭化水素基としては、上記一価炭化水素基の水素原子の一部がハロゲン原子で置換された、例えばクロロメチル基、3−クロロプロピル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基のようなハロゲン化アルキル基や、前記一価炭化水素基の水素原子の一部がシアノアルキル基で置換された、例えば3−シアノプロピル基等が例示される。合成が容易で、分子量の割に低い粘度を有し、かつ硬化物(硬化被膜)に良好な物理的性質を与えることから、Rはメチル基であることが好ましい。ただし、硬化被膜に耐熱性や耐寒性を付与する必要がある場合には、Rの一部を、フェニル基のようなアリール基とすることが好ましい。
のアルキル基として、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等が例示され、アルコキシ置換アルキル基として、具体的には、2−メトキシエチル基、2−エトキシエチル基、3−メトキシプロピル基等が例示される。Rは好ましくはメチル基である。
式(a1)中、aおよびbは、0.5≦a≦1.7、0<b<0.5を満足する正数である。aおよびbは、0.8≦a≦1.5、0<b<0.4を満足する正数であることが好ましい。aおよびbは、0.9≦a≦1.4、0.1<b<0.3を満足する正数であることがより好ましい。
(A1)成分のMwは2,000〜50,000が好ましく、3,000〜30,000がより好ましい。(A1)成分は、ポリオルガノシロキサン(a1)の1種または2種以上からなる。(A1)成分がポリオルガノシロキサン(a1)の1種からなる場合、該ポリオルガノシロキサン(a1)のMwは2,000〜100,000である。(A1)成分が2種以上のポリオルガノシロキサン(a1)からなる場合、(A1)成分としてのMwが2,000〜100,000であれば、各ポリオルガノシロキサン(a1)のMwは必ずしも2,000〜100,000である必要はないが、該範囲内にあることが好ましい。
(A2)成分
(A2)成分である第2のポリオルガノシロキサンは、分子中にアルコキシ基を2個以上有し、粘度が3mPa・s〜500mPa・sであれば、分子構造は特に限定されず、例えば、直鎖状であっても、分岐鎖を有する構造(以下、分岐状と示す。)であってもよい。粘度を上記範囲に設定しやすいことから、直鎖状のポリオルガノシロキサンが好ましい。なお、分岐状のポリオルガノシロキサンを使用する場合には、(A2)成分全体として上記粘度を保つために、直鎖状のポリオルガノシロキサンと併用することが好ましい。
(A2)成分の粘度が3mPa・s未満であると、得られる硬化物のゴム弾性が乏しくなり、500mPa・sを超えると、前記(A1)成分との相溶性が悪くなり、均一な組成物が得られない。(A2)成分の粘度は、5mPa・s〜300mPa・sの範囲が好ましく、5mPa・s〜100mPa・sの範囲がさらに好ましい。
(A2)成分は、ポリオルガノシロキサンの1種または2種以上で構成される。(A2)成分が1種のポリオルガノシロキサンで構成される場合、該ポリオルガノシロキサンは分子中に2個以上のアルコキシ基を有し、粘度が3mPa・s〜500mPa・sのものである。(A2)成分が、2種以上のポリオルガノシロキサンの混合物で構成される場合、(A2)成分を構成するポリオルガノシロキサンのそれぞれが分子中に2個以上のアルコキシ基を有し、かつ混合物が上記粘度の規定を満足すればよい。したがって、この場合、(A2)成分を構成する個々のポリオルガノシロキサンの粘度は、必ずしも上記規定を満たさなくてもよいが、個々のポリオルガノシロキサンの粘度が上記規定を満たすことが好ましい。
(A2)成分が直鎖状のポリオルガノシロキサンである場合、ケイ素原子に結合した2個以上のアルコキシ基は、それぞれが分子末端のケイ素原子に結合していてもよいし、中間部のケイ素原子に結合していてもよい。少なくとも1個のアルコキシ基が分子末端のケイ素原子に結合していることが好ましい。この場合、直鎖状のポリオルガノシロキサンが有するアルコキシ基の全てが分子末端のケイ素原子に結合していてもよいし、あるいは少なくとも1個のアルコキシ基が中間部のケイ素原子に結合していてもよい。
(A2)成分を構成する直鎖状のポリオルガノシロキサンとしては、下記一般式(a21)で表される両末端アルコキシシリル基封鎖ポリオルガノシロキサンが好ましい。
Figure 2016216561
式(a21)中、Rは、アルキル基、またはアルキル基の水素原子の一部がアルコキシ基で置換されたアルコキシ置換アルキル基であり、前記した(A1)成分の平均組成を示す式(a1)におけるRと同様の基が例示される。Rは好ましくはメチル基である。
は、非置換の一価炭化水素基、もしくは水素原子の一部がハロゲン原子またはシアノアルキル基で置換された一価炭化水素基である。複数のRは、互いに同一であっても異なっていてもよい。Rも、非置換の一価炭化水素基、もしくは水素原子の一部がハロゲン原子またはシアノアルキル基で置換された一価炭化水素基である。複数のRは、互いに同一であっても異なっていてもよい。
およびRとしては、前記した(A1)成分の平均組成を示す式(a1)におけるRと同様の基が例示される。
合成が容易で、分子量の割に低い粘度を有し、かつ硬化物(硬化被膜)に良好な物理的性質を与えることから、RおよびRはメチル基であることが好ましい。ただし、硬化被膜に耐熱性や耐寒性を付与する必要がある場合には、Rおよび/またはRの一部を、フェニル基のようなアリール基とすることが好ましい。
式(a21)中、Xは、二価の酸素(オキシ基)または二価の炭化水素基である。2個のXは同一であっても異なっていてもよい。二価の炭化水素基としては、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、トリメチレン基等のアルキレン基、フェニレン基等のアリーレン基が例示される。合成の容易さから、二価の酸素原子(オキシ基)またはエチレン基が好ましく、特にオキシ基が好ましい。
式(a21)中、dは0または1である。nはポリオルガノシロキサン(a21)の粘度が3mPa・s〜500mPa・sとなる整数であり、具体的には、1≦n<250の整数である。ポリオルガノシロキサン(a21)の粘度は、5mPa・s〜100mPa・sの範囲が好ましく、nの値は3〜100の整数であることが好ましい。
このようなポリオルガノシロキサン(a21)は、例えば、オクタメチルシロキサンのような環状ジオルガノシロキサン低量体を、水の存在下に酸性触媒またはアルカリ性触媒によって開環重合または開環共重合させることにより得られる両末端水酸基含有ジオリガノポリシロキサンを、メチルトリメトキシシラン等でエンキャップすることにより得ることができる。
ポリオルガノシロキサン(a21)として好ましくは、下記式(ただし、dは0または1、nは好ましい態様を含めて式(a21)と同様である。)で示される両末端にメチルジメトキシシリル基またはトリメトキシシリル基を有するポリジメチルシロキサンが挙げられる。
Figure 2016216561
また、(A2)成分としては、前記した3官能型シロキサン単位(T1単位)(ただし、ケイ素に結合する1個の有機基は非置換の一価炭化水素基、もしくは水素原子の一部がハロゲン原子またはシアノアルキル基で置換された一価炭化水素基である。)および/または、式:SiO4/2で表される4官能型シロキサン単位(Q単位)を有する三次元網目構造のポリオルガノシロキサンを、前記直鎖状のポリオルガノシロキサンとともに用いることができる。なお、この三次元網目構造のポリオルガノシロキサンは、前記した1官能型シロキサン単位(M1単位)(ただし、ケイ素に結合する3個の有機基は、独立して、非置換の一価炭化水素基、もしくは水素原子の一部がハロゲン原子またはシアノアルキル基で置換された一価炭化水素基である。)および/または2官能型シロキサン単位(D1単位)(ただし、ケイ素に結合する2個の有機基は、独立して、非置換の一価炭化水素基、もしくは水素原子の一部がハロゲン原子またはシアノアルキル基で置換された一価炭化水素基である。)を有することができる。
このような三次元網目構造のポリオルガノシロキサンの粘度も、直鎖状のポリオルガノシロキサンと同様に、単独で用いる場合は、3mPa・s〜500mPa・sであり、5mPa・s〜100mPa・sの範囲とすることが好ましい。三次元網目構造のポリオルガノシロキサンを上記直鎖状のポリオルガノシロキサンと組み合わせる場合には、(A2)成分全体の粘度が上記範囲であればよい。
上記(A2)成分として用いる三次元網目構造のポリオルガノシロキサンは、分子内にケイ素原子に結合したアルコキシ基を2個以上有する。該アルコキシ基はいずれの単位のケイ素原子に結合していてもよい。三次元網目構造のポリオルガノシロキサンが有するアルコキシ基としては、ポリオルガノシロキサン(a21)を示す式におけるORと同様の基が例示される。該アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基が好ましい。三次元網目構造のポリオルガノシロキサンが有する、ケイ素原子に結合したアルコキシ基以外の有機基、すなわち非置換の一価炭化水素基、もしくは水素原子の一部がハロゲン原子またはシアノアルキル基で置換された一価炭化水素基としては、ポリオルガノシロキサン(a21)を示す式におけるRと同様の基が例示される。該有機基としてはメチル基が好ましい。
さらに、(A2)成分として、式:R Si(OR4−e…(a22)で表されるシラン化合物の部分加水分解縮合物であるポリオルガノシロキサンを、前記直鎖状のポリオルガノシロキサン、例えば、ポリオルガノシロキサン(a21)とともに用いることができる。また、(A2)成分として、前記直鎖状のポリオルガノシロキサン、例えば、ポリオルガノシロキサン(a21)と前記三次元網目構造のポリオルガノシロキサンとの混合物に、さらにこのようなシラン化合物(a22)の部分加水分解縮合物を配合することもできる。そして、直鎖状のポリオルガノシロキサン(例えば、ポリオルガノシロキサン(a21))、三次元網目構造のポリオルガノシロキサン、およびシラン化合物(a22)の部分加水分解縮合物のそれぞれは、1種を単独で使用してもよく2種以上を混合して使用してもよい。
式(a22)中、Rは非置換の一価炭化水素基、もしくは水素原子の一部がハロゲン原子またはシアノアルキル基で置換された一価炭化水素基であり、前記した直鎖状のポリオルガノシロキサン(a21)を示す式(a21)におけるRと同様の基が例示される。Rは、メチル基、ビニル基が好ましく、特にメチル基が好ましい。また、Rは、アルキル基またはアルコキシ置換アルキル基であり、前記した直鎖状のポリオルガノシロキサン(a21)を示す式(a21)におけるRと同様の基が例示される。Rは、メチル基、エチル基が好ましい。式(a22)中、eは0、1または2である。
このようなシラン化合物(a22)としては、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、テトラプロポキシシラン、テトライソプロポキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ビニルメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン等が例示される。そして、シラン化合物(a22)の部分加水分解縮合物は、例えば、メチルトリメトキシシラン等のシラン化合物を、水の存在化、酸性触媒またはアルカリ性触媒によって部分加水分解することにより得られる。また、部分加水分解で生じたシラノール基を、メチルトリメトキシシラン等でエンキャップしてもよい。
シラン化合物(a22)の部分加水分解縮合物であるポリオルガノシロキサンの粘度も、上記直鎖状のポリオルガノシロキサン(例えば、ポリオルガノシロキサン(a21))や、上記三次元網目構造のポリオルガノシロキサンと組み合わせて(A2)成分とした際の粘度が、3mPa・s〜500mPa・sとなるような粘度であればよい。シラン化合物(a22)の部分加水分解縮合物であるポリオルガノシロキサンの粘度は、5mPa・s〜100mPa・sの範囲とすることが好ましい。
シラン化合物(a22)の部分加水分解縮合物におけるSi数は、部分加水分解縮合物における粘度が上記範囲となる数が選択される。
(A2)成分として、例えば、ポリオルガノシロキサン(a21)とシラン化合物(a22)の部分加水分解縮合物を組み合わせて用いる場合、それらの配合割合は、ポリオルガノシロキサン(a21)を100質量部とした場合に、シラン化合物(a22)の部分加水分解縮合物が1〜200質量部となる割合が好ましく、10〜100質量部となる割合がより好ましい。
本発明の室温硬化性ポリオルガノシロキサン組成物のベース成分である(A)成分は、このような(A2)第2のポリオルガノシロキサン、すなわち分子中にアルコキシ基を2個以上有し、常温で液状であり、かつ粘度が3mPa・s〜500mPa・sのポリオルガノシロキサンと、前記した(A1)第1のポリオルガノシロキサン、すなわちMwが2,000〜100,000で三次元網目構造を有する末端アルコキシ基含有ポリオルガノシロキサンとを、混合してなる。
(A1)成分と(A2)成分との混合割合は、(A)成分全体を100質量部として、(A1)成分を20〜95質量部とし、(A2)成分を80〜5質量部とする。(A1)成分の配合量が20質量部未満であり、(A2)成分の配合量が80質量部を超える場合には、十分良好な耐スクラッチ性を有する硬化被膜が得られない。また、(A2)成分の配合量が5質量部未満であり、(A1)成分の配合量が95質量部を超えると、無溶剤でそのままコーティング材として使用可能な組成物を得ることが難しい。(A1)成分と(A2)成分の配合割合は、(A1)成分が30〜90質量部で(A2)成分が70〜10質量部の範囲がより好ましく、(A1)成分が40〜80質量部で(A2)成分が60〜20質量部の範囲がさらに好ましい。
[(B)有機金属化合物]
本発明の室温硬化性ポリオルガノシロキサン組成物において、(B)成分である有機金属化合物は、(A1)成分と(A2)成分からなる(A)ポリオルガノシロキサン混合物のアルコキシ基同士、および/または(A)成分のアルコキシ基と後述する(C)架橋剤のアルコキシ基とを、水分の存在下に反応させて架橋構造を形成させるための硬化触媒である。
(B)硬化触媒である有機金属化合物としては、
鉄オクトエート、コバルトオクトエート、マンガンオクトエート、亜鉛オクトエート、スズナフテネート、スズカプリレート、スズオレエート等のカルボン酸金属塩;
ジブチルスズジアセテート、ジブチルスズジオクトエート、ジブチルスズジラウレート、ジブチルスズオレエート、ジフェニルスズジアセテート、酸化ジブチルスズ、ジブチルスズジメトキシド、ジブチルビス(トリエトキシシロキシ)スズ、ジオクチルスズジラウレート等の有機スズ化合物;
テトラエトキシチタン、テトラプロポキシチタン、テトラブトキシチタン、ジイソプロポキシ−ビス(アセト酢酸エチル)チタン、ジイソプロポキシ−ビス(アセト酢酸メチル)チタン、ジイソプロポキシ−ビス(アセチルアセトン)チタン、ジブトキシ−ビス(アセト酢酸エチル)チタン、ジメトキシ−ビス(アセト酢酸エチル)チタン等の有機チタン化合物;
テトラプロポキシシジルコニウム、テトラブトキシジルコニウム、テトラ(アセチル酢酸)ジルコニウム、トリブトキシ(アセチル酢酸)ジルコニウム、ジブトキシ−ビス(アセト酢酸エチル)ジルコニウム、2−エチルヘキサン酸ジルコニウム、トリブトキシステアリン酸ジルコニウム等の有機ジルコニウム化合物;
トリエトキシアルミニウム、トリイソプロポキシアルミニウム、ジイソプロポキシ−モノセカンダリーブトキシアルミニウム、トリセカンダリーブトキシアルミニウム、ジイソプロポキシ−アセト酢酸エチルアルミニウム、トリス(アセト酢酸エチル)アルミニウム、アルミニウムオキサイドイソプロポキサイドトリマー、アルミニウムオキサイドオクチレートトリマー、アルミニウムオキサイドステアレートトリマーのような環状オリゴマー等のアルミニウム化合物が例示される。
これらの有機金属化合物は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を混合して使用してもよい。
室温硬化性ポリオルガノシロキサン組成物においては、従来から、硬化触媒としてジブチルスズジオクトエートやジブチルスズジラウレートのような有機スズ化合物が使用されることがあるが、本発明においては、組成物の硬化性(硬化の速さ)と硬化被膜の耐スクラッチ性の両方の観点から、硬化触媒として有機チタン化合物が好ましい。有機チタン化合物の使用は、微量の存在で大きな触媒能を持ち、かつ不純物の少ない組成物が得られることからも好ましい。有機チタン化合物の中でも、ジイソプロポキシ−ビス(アセト酢酸エチル)チタン等のチタンキレート類が特に好ましい。
(B)成分である有機金属化合物の配合量は、前記(A)成分100質量部に対して0.1〜15質量部であり、好ましくは0.1〜10質量部である。0.1質量部未満では、硬化触媒として十分に機能せず、硬化に長い時間がかかるばかりでなく、特に空気との接触面から遠い深部における硬化が不十分となる。反対に15質量部を超えると、その配合量に見合う効果がなく無意味であるばかりか非経済的である。また、保存安定性も低下する。
[その他の成分]
本発明の実施形態においては、(C)成分として、式:R Si(OR4−c…(c1)で表されるシラン化合物を含有させることができる。このシラン化合物は、前記(A)成分であるベースポリマーの架橋剤として働く。
式(c1)中、Rは非置換の一価炭化水素基、もしくは水素原子の一部がハロゲン原子またはシアノアルキル基で置換された一価炭化水素基であり、前記した直鎖状のポリオルガノシロキサン(a21)を示す式(a21)におけるRと同様の基が例示される。Rは、メチル基、ビニル基が好ましく、特にメチル基が好ましい。また、Rは、アルキル基またはアルコキシ置換アルキル基であり、前記した直鎖状のポリオルガノシロキサン(a21)を示す式(a21)におけるRと同様の基が例示される。Rは、メチル基、エチル基が好ましい。式(c1)中、cは0、1または2である。
このようなシラン化合物(c1)としては、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、テトラプロポキシシラン、テトライソプロポキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ビニルメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン等が例示される。これらのシラン化合物は、1種を単独で使用してもよく2種以上を混合して使用してもよい。
合成が容易で、組成物の保存安定性を損なうことがなく、金属類に対する腐食性が少ないこと、かつ大きな架橋反応速度すなわち硬化速度が得られることから、架橋剤であるシラン化合物(c1)としては、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ビニルメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシランを用いることが好ましく、特にメチルトリメトキシシランの使用が好ましい。
(C)シラン化合物を配合する場合、その配合量は、前記(A)成分100質量部に対して15質量部以下であり、好ましくは1〜10質量部である。(C)成分の配合量が15質量部を超えると、硬化の際の収縮率が大きくなり、硬化後の物性が低下する。また、硬化速度が著しく遅くなり、経済的に不利である。
実施形態の室温硬化性ポリオルガノシロキサン組成物には、接着性付与剤として、トリス(N−トリアルコキシシリルプロピル)イソシアヌレートのようなイソシアヌレート化合物を配合することができる。イソシアヌレート化合物としては、1,3,5−トリス(N−トリメトキシシリルプロピル)イソシアヌレート等が挙げられる。組成物への相溶性の観点から、このような接着性付与剤の配合量は、(A)成分100質量部に対して0.01〜5質量部とすることが好ましい。
また、実施形態の室温硬化性ポリオルガノシロキサン組成物には、この種の組成物に通常配合されている無機充填剤、顔料、チクソトロピー性付与剤、押出作業性を改良するための粘度調整剤、紫外線吸収剤、防かび剤、耐熱性向上剤、難燃剤等の各種添加剤を、本発明の効果を阻害しない範囲で、必要に応じて配合することができる。
無機充填剤の例としては、煙霧質シリカ、焼成シリカ、沈澱シリカ、煙霧質チタン、およびこれらの表面をオルガノクロロシラン類、ポリオルガノシロキサン類、ヘキサメチルジシラザン等で疎水化したもの等が挙げられる。その他、炭酸カルシウム、有機酸表面処理炭酸カルシウム、けいそう土、粉砕シリカ、アルミノケイ酸塩、マグネシア、アルミナ等も使用可能である。無機充填剤を配合する場合、その配合量は、(A)成分100質量部に対して100質量部以下が好ましく、50質量部以下がより好ましい。
実施形態の室温硬化性ポリオルガノシロキサン組成物は、前記(A)成分と(B)成分、および必要に応じて配合される(C)成分および上記した各成分を、湿気を遮断した状態で混合することにより得られる。得られた組成物は、23℃で20mPa・s〜1,000mPa・sの粘度を有する。粘度は、好ましくは、20mPa・s〜500mPa・sである。なお、実施形態の室温硬化性ポリオルガノシロキサン組成物は溶剤を含有しない。そのため、硬化被膜形成時に溶剤除去工程を必要とせず、溶剤の揮発により、作業環境の悪化や、電気・電子部品およびそれらを搭載した回路基板の腐食や劣化を引き起こすことがない。
上記で得られた室温硬化性ポリオルガノシロキサン組成物は、密閉容器中でそのまま保存し、使用時に空気中の水分に曝すことによってはじめて硬化する、いわゆる1包装型室温硬化性組成物として使用することができる。また、実施形態の室温硬化性ポリオルガノシロキサン組成物を、例えば(A)成分と、(C)成分である架橋剤や(B)成分である硬化触媒と別に分けて調製し、適宜2〜3個の別々の容器に分けて保存し、使用時にこれらを混合する、いわゆる多包装型室温硬化性組成物として使用することもできる。なお、各成分の混合の順序は特に限定されるものではない。
本発明の室温硬化性ポリオルガノシロキサン組成物は、前記したように23℃で20mPa・s〜1,000mPa・sの十分に低い粘度を有するので、塗布性が良好であり、溶剤で希釈することなくそのまま通常のコーティング方法で塗布することができる。塗布膜は、空気中の水分と接触することにより室温で速やかに硬化する。硬化被膜の硬度(Type A)は50以上と高く、電気的・機械的特性、とりわけ耐スクラッチ性に優れている。また、苛酷な条件での長時間試験においても、基材上に形成された硬化被膜にクラックや膨れ、剥離等がなく、接着耐久性が良好である。
したがって、本発明の室温硬化性ポリオルガノシロキサン組成物は、電気・電子機器のコーティング材、ポッティング材等の用途に有用であり、特にコンフォーマルコーティング剤のような、電気・電子部品やこれらを搭載した回路基板の表面を保護する用途に好適する。具体的には、例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂等からなる基板やアルミナ等のセラミックからなる基板上に、ITO、銅、アルミニウム、銀、金等からなる電極および配線を形成した配線基板上に、IC等の半導体装置、抵抗体、コンデンサ等の電子部品を搭載した電気・電子機器において、電極や配線等のコーティング材として好適に使用される。
本発明の室温硬化性ポリオルガノシロキサン組成物を配線基板の電極や配線のコーティング材として使用する場合、塗布方法としては、ディップ法、刷毛塗り法、スプレー法、ディスペンス法等を用いることができ、塗布層の厚さは、通常0.01〜3mm、好ましくは0.05〜2mmである。厚さが0.01mm未満では、耐スクラッチ性が十分に得られないおそれがある。また、3mmを超えると、それ以上の効果が得られないばかりでなく、内部が硬化するのに時間がかかり不経済である。
次に、本発明の電気・電子機器について図面を参照して説明する。図1は、本発明に係る電気・電子機器の一例を示す断面図である。
実施形態の電気・電子機器1は、ガラスエポキシ基板のような絶縁基板2aの上に、銅箔のような導電体からなる配線2bが形成された配線基板2を備えている。そして、このような配線基板2の一方の主面の所定の位置に、ICパッケージ3やコンデンサ4のような電気・電子部品が搭載され、前記配線2bと電気的に接続されている。なお、ICパッケージ3やコンデンサ4と配線2bとの接続は、これらの部品のリード端子3a、4aが配線基板2の部品孔(図示を省略する。)に挿入され、はんだ等を介して接合されることで行われている。
また、配線基板2の部品搭載面には、前記した本発明の室温硬化性ポリオルガノシロキサン組成物の硬化物からなる硬化被膜5が、ICパッケージ3およびコンデンサ4の上面を覆うように形成されている。
このような実施形態の電気・電子機器1においては、配線基板2およびその主面に搭載された電気・電子部品が、耐スクラッチ性に優れ、摩擦によって剥がれやめくれが生じにくい硬化被膜5で覆われているので、信頼性が高い。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、これらの実施例は本発明の範囲を限定するものではない。
以下の記載において、D単位、T単位、DOM単位、MOM単位は、それぞれ以下の式で表されるシロキサン単位を表す。
D単位…………(CHSiO2/2
T単位…………(CH)SiO3/2
OM単位…………(CH)(OCH)SiO2/2
OM単位…………(CH)(OCHSiO1/2
また、「部」とあるのはいずれも「質量部」、「%」とあるのはいずれも「質量%」を表し、粘度は全て23℃、相対湿度50%での値を示す。また、重量平均分子量(Mw)は、トルエンを溶媒とするゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)装置(東ソー株式会社製、装置名;HLC−8220 GPC)を用いて測定し、ポリスチレン換算した値である。さらに、不揮発分(質量%)は、105℃×1時間の加熱条件で測定した値である。
実施例および比較例に用いる(A1)成分として、末端にアルコキシ基を有する三次元網目構造のポリオルガノシロキサン(A1-1)〜(A1-19)を、以下に示すようにして合成した。
合成例1((A1-1)の合成)
5Lのセパラブルフラスコに、トルエン1410gとメタノール135gを仕込み、撹拌しながら、メチルトリメトキシシラン1107g、メチルトリクロロシラン30g、およびα,ω−ジヒドロキシジメチルポリシロキサン(D12)(Mw:917)264gの混合物を添加した。
なお、「α,ω−ジヒドロキシジメチルポリシロキサン(D12)」は、12個のD単位が直鎖状に結合されたポリマー分子の両末端のケイ素原子に、それぞれ水酸基1個が結合された構造のポリシロキサンを示す。以下、同様に両末端に水酸基を有し、D単位の結合数が60個のポリシロキサンは、α,ω−ジヒドロキシジメチルポリシロキサン(D60)と示し、D単位の結合数が100個のポリシロキサンは、α,ω−ジヒドロキシジメチルポリシロキサン(D100)と示す。
次いで、マントルヒーターを用いて、フラスコ内の温度を35℃まで昇温させた後、市水510gをフラスコ内に滴下した。滴下終了後の液温は60℃まで昇温した。2時間、加熱還流を継続した後、市水510gをさらに加えて分液を行い、上層の水・メタノール・HCLの層を廃棄した。
下層のレジン・トルエン層を常圧で脱水した後、減圧ストリッピングにより過剰のトルエンを留去し、不揮発分を50%とした。ろ過後、末端にシラノール基を有し三次元網目構造を有するポリオルガノシロキサン(A1-1a)797gを得た。ポリオルガノシロキサン(A1-1a)のMwは5050であった。得られたポリオルガノシロキサン(A1-1a)の組成および構造を、H−NMRおよび29Si−NMRを用いて調べたところ、式:(CHSiO2/2で表されるD単位と、式:(CH1.29(OH)0.11SiO2.6/2で表されるT0単位からなる平均組成を有し、かつ各単位のモル比が、D:T0=2.9:7.1であるポリオルガノシロキサンであることがわかった。
次に、2Lのセパラブルフラスコに、前記で得られた末端にシラノール基を有する三次元網目構造のポリオルガノシロキサン(A1-1a)の50%トルエン溶液1000gを仕込み、加熱減圧ストリッピングによりトルエンを留去した。次いで、メチルトリメトキシシラン550gを加え、撹拌しながらジイソブチルアミン10.6gとギ酸3.8gを添加し、室温で5分間撹拌を行った後、フラスコ内の温度を40℃まで昇温させ、30分間加熱撹拌を行った。次いで、フラスコ内の温度を80℃まで昇温させ、30分間加熱撹拌を行った。ポリオルガノシロキサン(A1-1a)の有するシラノール基と、メチルトリメトキシシランのメトキシ基との脱メタノール反応が生起し、メタノールが副生してきた。副生したメタノールは、水抜き管を用いてフラスコ内から除去した。80℃で6時間加熱撹拌を行った後、室温まで冷却を行った。そして、IRスペクトル測定により、シラノール基の吸収ピークが消失していることを確認した。次いで、減圧留去により、過剰のメチルトリメトキシシランを系外に留去させ、末端がメトキシシリル基で封鎖されたポリオルガノシロキサン(A1-1)を得た。
こうして得られたポリオルガノシロキサン(A1-1)の組成および構造を、H−NMRおよび29Si−NMRで調べたところ、平均組成式:(CH1.26(OCH0.2SiO.1.27を有する三次元網目構造のポリオルガノシロキサンであることがわかった。また、ポリオルガノシロキサン(A1-1)の粘度は287mPa・sであり、Mwは5400であった。
これらのデータから、ポリオルガノシロキサン(A1-1)は、単位式:T69(D122.5(MOM11を有すると推定される。この単位式におけるD単位とT単位とのモル比(D/T)は、0.43となる。
合成例2((A1-2)の合成)
5Lのセパラブルフラスコに、トルエン1410gとメタノール135gを仕込み、撹拌しながら、メチルトリメトキシシラン1208g、メチルトリクロロシラン25g、およびα,ω−ジヒドロキシジメチルポリシロキサン(D12)(Mw:917)221gの混合物を添加した。そして、合成例1と同様な操作を行い、末端にシラノール基を有する三次元網目構造のポリオルガノシロキサン(A1-2a)794gを得た。ポリオルガノシロキサン(A1-2a)のMwは5500であった。
次に、2Lのセパラブルフラスコに、前記で得られた末端にシラノール基を有する三次元網目構造のポリオルガノシロキサン(A1-2a)の50%トルエン溶液1000gを仕込み、加熱減圧ストリッピングによりトルエンを留去した。次いで、メチルトリメトキシシラン550gを加え、撹拌しながらジイソブチルアミン10.6gとギ酸3.8gを添加し、合成例1と同様にして、ポリオルガノシロキサン(A1-2a)のシラノール基と、メチルトリメトキシシランのメトキシ基との脱メタノール反応を行い、末端がメトキシシリル基で封鎖されたポリオルガノシロキサン(A1-2)を得た。
こうして得られたポリオルガノシロキサン(A1-2)の組成および構造を、H−NMRおよび29Si−NMRで調べたところ、平均組成式:(CH1.21(OCH0.21SiO.1.29を有する三次元網目構造のポリオルガノシロキサンであることがわかった。また、ポリオルガノシロキサン(A1-2)の粘度は456mPa・sであり、Mwは5800であった。
これらのデータから、ポリオルガノシロキサン(A1-2)は、単位式:T74(D122.08(MOM12を有すると推定される。この単位式におけるD単位とT単位とのモル比(D/T)は、0.34となる。
合成例3((A1-3)の合成)
5Lのセパラブルフラスコに、トルエン1410gとメタノール135gを仕込み、撹拌しながら、メチルトリメトキシシラン1290g、メチルトリクロロシラン20g、およびα,ω−ジヒドロキシジメチルポリシロキサン(D12)(Mw:917)182gの混合物を添加した。そして、合成例1と同様な操作を行い、末端にシラノール基を有する三次元網目構造のポリオルガノシロキサン(A1-3a)796gを得た。ポリオルガノシロキサン(A1-3a)のMwは5700であった。
次に、2Lのセパラブルフラスコに、前記で得られた末端にシラノール基を有する三次元網目構造のポリオルガノシロキサン(A1-3a)の50%トルエン溶液1000gを仕込み、加熱減圧ストリッピングによりトルエンを留去した。次いで、メチルトリメトキシシラン550gを加え、撹拌しながらジイソブチルアミン10.6gとギ酸3.8gを添加し、合成例1と同様にして、ポリオルガノシロキサン(A1-3a)のシラノール基とメチルトリメトキシシランのメトキシ基との脱メタノール反応を行い、末端がメトキシシリル基で封鎖されたポリオルガノシロキサン(A1-3)を得た。
こうして得られたポリオルガノシロキサン(A1-3)の組成および構造を、H−NMRおよび29Si−NMRで調べたところ、平均組成式:(CH1.19(OCH0.21SiO.1.3を有する三次元網目構造のポリオルガノシロキサンであることがわかった。また、ポリオルガノシロキサン(A1-3)の粘度は433mPa・sであり、Mwは6100であった。
これらのデータから、ポリオルガノシロキサン(A1-3)は、単位式:T80(D121.67(MOM12を有すると推定される。この単位式におけるD単位とT単位とのモル比(D/T)は、0.25となる。
合成例4((A1-4)の合成)
合成例3と同様に操作し、かつ反応時間を長くして分子量を増大させることにより、末端にシラノール基を有する三次元網目構造のポリオルガノシロキサン(A1-4a)776gを得た。ポリオルガノシロキサン(A1-4a)のMwは10500であった。
次に、2Lのセパラブルフラスコに、前記で得られた末端にシラノール基を有する三次元網目構造のポリオルガノシロキサン(A1-4a)の50%トルエン溶液1000gを仕込み、加熱減圧ストリッピングによりトルエンを留去した。次いで、メチルトリメトキシシラン550gを加え、撹拌しながらジイソブチルアミン10.6gとギ酸3.8gを添加し、合成例1と同様にして、ポリオルガノシロキサン(A1-4a)のシラノール基とメチルトリメトキシシランのメトキシ基との脱メタノール反応を行い、末端がメトキシシリル基で封鎖されたポリオルガノシロキサン(A1-4)を得た。
こうして得られたポリオルガノシロキサン(A1-4)の組成および構造を、H−NMRおよび29Si−NMRで調べたところ、平均組成式:(CH1.18(OCH0.18SiO.1.32を有する三次元網目構造のポリオルガノシロキサンであることがわかった。また、ポリオルガノシロキサン(A1-4)の粘度は1345mPa・sであり、Mwは12000であった。
これらのデータから、ポリオルガノシロキサン(A1-4)は、単位式:T80(D121.67(MOM10を有すると推定される。この単位式におけるD単位とT単位とのモル比(D/T)は、0.25となる。
合成例5((A1-5)の合成)
5Lのセパラブルフラスコに、トルエン1410gとメタノール135gを仕込み、撹拌しながら、メチルトリメトキシシラン1107g、メチルトリクロロシラン30g、およびα,ω−ジヒドロキシジメチルポリシロキサン(D60)(Mw:4460)264gの混合物を添加した。そして、合成例1と同様な操作を行い、末端にシラノール基を有する三次元網目構造のポリオルガノシロキサン(A1-5a)800gを得た。ポリオルガノシロキサン(A1-5a)のMwは4800であった。
次に、2Lのセパラブルフラスコに、前記で得られた末端にシラノール基を有する三次元網目構造のポリオルガノシロキサン(A1-5a)の50%トルエン溶液1000gを仕込み、加熱減圧ストリッピングによりトルエンを留去した。次いで、メチルトリメトキシシラン550gを加え、撹拌しながらジイソブチルアミン10.6gとギ酸3.8gを添加し、合成例1と同様にして、ポリオルガノシロキサン(A1-5a)のシラノール基とメチルトリメトキシシランのメトキシ基との脱メタノール反応を行い、末端がメトキシシリル基で封鎖されたポリオルガノシロキサン(A1-5)を得た。
こうして得られたポリオルガノシロキサン(A1-5)の組成および構造を、H−NMRおよび29Si−NMRで調べたところ、平均組成式:(CH1.26(OCH0.2SiO.1.27を有する三次元網目構造のポリオルガノシロキサンであることがわかった。また、ポリオルガノシロキサン(A1-5)の粘度は267mPa・sであり、Mwは5200であった。
これらのデータから、ポリオルガノシロキサン(A1-5)は、単位式:T69(D600.5(MOM11を有すると推定される。この単位式におけるD単位とT単位とのモル比(D/T)は、0.43となる。
合成例6((A1-6)の合成)
5Lのセパラブルフラスコに、トルエン1410gとメタノール135gを仕込み、撹拌しながら、メチルトリメトキシシラン1208g、メチルトリクロロシラン25g、およびα,ω−ジヒドロキシジメチルポリシロキサン(D60)(Mw:4460)221gの混合物を添加した。そして、合成例1と同様な操作を行い、末端にシラノール基を有する三次元網目構造のポリオルガノシロキサン(A1-6a)793gを得た。ポリオルガノシロキサン(A1-6a)のMwは5550であった。
次に、2Lのセパラブルフラスコに、前記で得られた末端にシラノール基を有する三次元網目構造のポリオルガノシロキサン(A1-6a)の50%トルエン溶液1000gを仕込み、加熱減圧ストリッピングによりトルエンを留去した。次いで、メチルトリメトキシシラン550gを加え、撹拌しながらジイソブチルアミン10.6gとギ酸3.8gを添加し、合成例1と同様にして、ポリオルガノシロキサン(A1-6a)のシラノール基とメチルトリメトキシシランのメトキシ基との脱メタノール反応を行い、末端がメトキシシリル基で封鎖されたポリオルガノシロキサン(A1-6)を得た。
こうして得られたポリオルガノシロキサン(A1-6)の組成および構造を、H−NMRおよび29Si−NMRで調べたところ、平均組成式:(CH1.21(OCH0.21SiO.1.29を有する三次元網目構造のポリオルガノシロキサンであることがわかった。また、ポリオルガノシロキサン(A1-6)の粘度は512mPa・sであり、Mwは5900であった。
これらのデータから、ポリオルガノシロキサン(A1-6)は、単位式:T74(D600.42(MOM12を有すると推定される。この単位式におけるD単位とT単位とのモル比(D/T)は、0.34となる。
合成例7((A1-7)の合成)
5Lのセパラブルフラスコに、トルエン1410gとメタノール135gを仕込み、撹拌しながら、メチルトリメトキシシラン1290g、メチルトリクロロシラン20g、およびα,ω−ジヒドロキシジメチルポリシロキサン(D60)(Mw:4460)178gの混合物を添加した。そして、合成例1と同様な操作を行い、末端にシラノール基を有する三次元網目構造のポリオルガノシロキサン(A1-7a)796gを得た。ポリオルガノシロキサン(A1-7a)のMwは6100であった。
次に、2Lのセパラブルフラスコに、前記で得られた末端にシラノール基を有する三次元網目構造のポリオルガノシロキサン(A1-7a)の50%トルエン溶液1000gを仕込み、加熱減圧ストリッピングによりトルエンを留去した。次いで、メチルトリメトキシシラン550gを加え、撹拌しながらジイソブチルアミン10.6gとギ酸3.8gを添加し、合成例1と同様にして、ポリオルガノシロキサン(A1-7a)のシラノール基とメチルトリメトキシシランのメトキシ基との脱メタノール反応を行い、末端がメトキシシリル基で封鎖されたポリオルガノシロキサン(A1-7)を得た。
こうして得られたポリオルガノシロキサン(A1-7)の組成および構造を、H−NMRおよび29Si−NMRで調べたところ、平均組成式:(CH1.16(OCH0.25SiO.1.3を有する三次元網目構造のポリオルガノシロキサンであることがわかった。また、ポリオルガノシロキサン(A1-7)の粘度は760mPa・sであり、Mwは6700であった。
これらのデータから、ポリオルガノシロキサン(A1-7)は、単位式:T78(D600.33(MOM14を有すると推定される。この単位式におけるD単位とT単位とのモル比(D/T)は、0.25となる。
合成例8((A1-8)の合成)
1Lのセパラブルフラスコに、合成例1で得られた末端にシラノール基を有する三次元網目構造のポリオルガノシロキサン(A1-1a)の50%トルエン溶液200gを仕込み、α,ω−ジヒドロキシジメチルポリシロキサン(D12)(Mw:917)25gを加え、加熱減圧ストリッピングによりトルエンを留去した。
なお、「合成例1で得られた」は、「合成例1と同様の操作を行って得られた」という意味である。以下、「合成例xと同様の操作を行って得られた」ことを、「合成例xで得られた」と示す。
次いで、メチルトリメトキシシラン123gを加え、撹拌しながらジイソブチルアミン2.2gとギ酸0.75gを添加し、合成例1と同様にして、シラノール基とメチルトリメトキシシランとの脱メタノール反応を行い、副生したメタノールは除去した。さらに80℃で6時間加熱撹拌を行った後、室温まで冷却した。そして、IRスペクトル測定により、シラノール基の吸収ピークが消失していることを確認した。次いで、減圧留去により、過剰のメチルトリメトキシシランを系外に留去させ、末端がメトキシシリル基で封鎖されたポリオルガノシロキサン(A1-8)を得た。
こうして得られたポリオルガノシロキサン(A1-8)の組成および構造を、H−NMRおよび29Si−NMRで調べたところ、平均組成式:(CH1.54(OCH0.15SiO.2.31を有する三次元網目構造のポリオルガノシロキサンであることがわかった。また、ポリオルガノシロキサン(A1-8)の粘度は287mPa・sであり、Mwは7300であった。
これらのデータから、ポリオルガノシロキサン(A1-8)は、単位式:T70(D122.5(DOM12(MOMを有すると推定される。この単位式におけるD単位とT単位とのモル比(D/T)は、1.46となる。
合成例9((A1-9)の合成)
合成例1で得られた末端にシラノール基を有する三次元網目構造のポリオルガノシロキサン(A1-1a)の代わりに、合成例2で得られた末端にシラノール基を有する三次元網目構造のポリオルガノシロキサン(A1-2a)を使用した。そして、このポリオルガノシロキサン(A1-2a)に対して、合成例8と同様の操作を行い、末端がメトキシシリル基で封鎖されたポリオルガノシロキサン(A1-9)を得た。
得られたポリオルガノシロキサン(A1-9)の組成および構造を、H−NMRおよび29Si−NMRで調べたところ、平均組成式:(CH1.51(OCH0.16SiO.2.33を有する三次元網目構造のポリオルガノシロキサンであることがわかった。また、ポリオルガノシロキサン(A1-9)の粘度は456mPa・sであり、Mwは6200であった。
これらのデータから、ポリオルガノシロキサン(A1-9)は、単位式:T75(D122.08(DOM12(MOMを有すると推定される。この単位式におけるD単位とT単位とのモル比(D/T)は、1.29となる。
合成例10((A1-10)の合成)
合成例3で得られた末端にシラノール基を有する三次元網目構造のポリオルガノシロキサン(A1-3a)を使用して、合成例8と同様の操作を行い、末端がメトキシシリル基で封鎖されたポリオルガノシロキサン(A1-10)を得た。
得られたポリオルガノシロキサン(A1-10)の組成および構造を、H−NMRおよび29Si−NMRで調べたところ、平均組成式:(CH1.45(OCH0.16SiO.2.38を有する三次元網目構造のポリオルガノシロキサンであることがわかった。また、ポリオルガノシロキサン(A1-10)の粘度は640mPa・sであり、Mwは6700であった。
これらのデータから、ポリオルガノシロキサン(A1-10)は、単位式:T80(D121.67(DOM12(MOMを有すると推定される。この単位式におけるD単位とT単位とのモル比(D/T)は、1.00となる。
合成例11((A1-11)の合成)
合成例4で得られた末端にシラノール基を有する三次元網目構造のポリオルガノシロキサン(A1-4a)を使用して、合成例8と同様の操作を行い、末端がメトキシシリル基で封鎖されたポリオルガノシロキサン(A1-11)を得た。
得られたポリオルガノシロキサン(A1-11)の組成および構造を、H−NMRおよび29Si−NMRで調べたところ、平均組成式:(CH1.46(OCH0.16SiO.2.38を有する三次元網目構造のポリオルガノシロキサンであることがわかった。また、ポリオルガノシロキサン(A1-11)の粘度は1815mPa・sであり、Mwは15000であった。
これらのデータから、ポリオルガノシロキサン(A1-11)は、単位式:T80(D121.67(DOM12(MOMを有すると推定される。この単位式におけるD単位とT単位とのモル比(D/T)は、0.85となる。
合成例12((A1-12)の合成)
加水分解・縮合反応の出発物質として、T単位源であるメチルトリメトキシシランを1107g、メチルトリクロロシランを47g使用した。また、ポリD1単位源であるα,ω−ジヒドロキシジメチルポリシロキサン(D12)(Mw:917)を418g使用した。これらを用いて合成例1と同様な操作を行い、末端にシラノール基を有する三次元網目構造のポリオルガノシロキサン(A1-12a)952gを得た。ポリオルガノシロキサン(A1-12a)のMwは4550であった。
次に、こうして得られた末端にシラノール基を有する三次元網目構造のポリオルガノシロキサン(A1-12a)を使用して、合成例1と同様の操作を行い、末端がメトキシシリル基で封鎖されたポリオルガノシロキサン(A1-12)を得た。
得られたポリオルガノシロキサン(A1-12)の組成および構造を、H−NMRおよび29Si−NMRで調べたところ、平均組成式:(CH1.36(OCH0.21SiO.1.22を有する三次元網目構造のポリオルガノシロキサンであることがわかった。また、ポリオルガノシロキサン(A1-12)の粘度は186mPa・sであり、Mwは4900であった。
これらのデータから、ポリオルガノシロキサン(A1-12)は、単位式:T58(D123.33(MOM12を有すると推定される。この単位式におけるD単位とT単位とのモル比(D/T)は、0.69となる。
合成例13((A1-13)の合成)
加水分解・縮合反応の出発物質として、T単位源であるメチルトリメトキシシランを1107g、メチルトリクロロシランを47g使用した。また、ポリD1単位源であるα,ω−ジヒドロキシジメチルポリシロキサン(D60)(Mw:4460)を418g使用した。これらを用いて合成例1と同様な操作を行い、末端にシラノール基を有する三次元網目構造のポリオルガノシロキサン(A1-13a)943gを得た。ポリオルガノシロキサン(A1-13a)のMwは4400であった。
次に、こうして得られた末端にシラノール基を有する三次元網目構造のポリオルガノシロキサン(A1-13a)を使用して、合成例1と同様の操作を行い、末端がメトキシシリル基で封鎖されたポリオルガノシロキサン(A1-13)を得た。
得られたポリオルガノシロキサン(A1-13)の組成および構造を、H−NMRおよび29Si−NMRで調べたところ、平均組成式:(CH1.36(OCH0.2SiO.1.22を有する三次元網目構造のポリオルガノシロキサンであることがわかった。また、ポリオルガノシロキサン(A1-13)の粘度は205mPa・sであり、Mwは4800であった。
これらのデータから、ポリオルガノシロキサン(A1-13)は、単位式:T60(D600.67(MOM11を有すると推定される。この単位式におけるD単位とT単位とのモル比(D/T)は、0.67となる。
合成例14((A1-14)の合成)
加水分解・縮合反応の出発物質において、ポリD1単位源としてα,ω−ジヒドロキシジメチルポリシロキサン(D100)(Mw:7500)163gを使用した。また、T単位源であるメチルトリメトキシシランを1107g、メチルトリクロロシランを47g使用した。これらを用いて合成例1と同様な操作を行い、末端にシラノール基を有する三次元網目構造のポリオルガノシロキサン(A1-14a)706gを得た。ポリオルガノシロキサン(A1-14a)のMwは4360であった。
次に、こうして得られた末端にシラノール基を有する三次元網目構造のポリオルガノシロキサン(A1-14a)を使用して、合成例1と同様の操作を行い、末端がメトキシシリル基で封鎖されたポリオルガノシロキサン(A1-14)を得た。
得られたポリオルガノシロキサン(A1-14)の組成および構造を、H−NMRおよび29Si−NMRで調べたところ、平均組成式:(CH1.18(OCH0.2SiO.1.31を有する三次元網目構造のポリオルガノシロキサンであることがわかった。また、ポリオルガノシロキサン(A1-14)の粘度は244mPa・sであり、Mwは5200であった。
これらのデータから、ポリオルガノシロキサン(A1-14)は、単位式:T80(D1000.2(MOM11を有すると推定される。この単位式におけるD単位とT単位とのモル比(D/T)は、0.25となる。
合成例15((A1-15)の合成)
加水分解・縮合反応の出発物質として、メチルトリメトキシシランとメチルトリクロロシランとジメチルジメトキシシランの混合物(以下、シラン混合物と示す。)を使用した。そして、このシラン混合物において、T単位源であるメチルトリメトキシシランおよびメチルトリクロロシランと、D単位源であるジメチルジメトキシシランとのモル比を、7:3(メチルトリメトキシシランとメチルトリクロロシランとのモル比は、1000:7)として、以下のようにして加水分解・縮合反応を行った。
まず、5Lのセパラブルフラスコにトルエン1410gとメタノール135gを仕込み、撹拌しながら、メチルトリメトキシシラン1107gとメチルトリクロロシラン40gおよびジメチルジメトキシシラン433gの混合物を添加した。そして、マントルヒーターを用いて、フラスコ内の温度を35℃まで昇温させた後、市水510gをフラスコ内に滴下した。滴下終了後の液温は60℃まで昇温した。2時間、加熱還流を継続した後、市水510gを加えて分液を行い、上層の水・メタノール・HCLの層は廃棄した。下層のレジン・トルエン層は常圧で脱水した後、減圧ストリッピングにより過剰のトルエンを留去し、不揮発分を50%とした。ろ過後、末端にシラノール基を有し三次元網目構造を有するポリオルガノシロキサン(A1-15a)780gが得られた。ポリオルガノシロキサン(A1-15a)のMwは7780であった。
得られたポリオルガノシロキサン(A1-15a)の組成および構造を、H−NMRおよび29Si−NMRを用いて調べたところ、D単位と、式:(CH1.3(OH)0.16SiO2.4/2で表されるT0単位からなる平均組成を有し、かつ各単位のモル比が、D:T0=2.9:7.1である三次元網目構造のポリオルガノシロキサンであることがわかった。
次に、得られた末端にシラノール基を有する三次元網目構造のポリオルガノシロキサン(A1-15a)を使用して、合成例1と同様の操作を行い、末端がメトキシシリル基で封鎖されたポリオルガノシロキサン(A1-15)を得た。
得られたポリオルガノシロキサン(A1-15)の組成および構造を、H−NMRおよび29Si−NMRで調べたところ、平均組成式:(CH1.29(OCH0.16SiO.1.19を有する三次元網目構造のポリオルガノシロキサンであることがわかった。また、ポリオルガノシロキサン(A1-15)の粘度は423mPa・sであり、Mwは8540であった。
これらのデータから、ポリオルガノシロキサン(A1-15)は、単位式:(D30.474.5)(MOM11.5を有すると推定される。この単位式におけるD単位とT単位とのモル比(D/T)は、0.41となる。
合成例16((A1-16)の合成)
加水分解・縮合反応の出発物質であるシラン混合物において、T単位源であるメチルトリメトキシシランおよびメチルトリクロロシランと、D単位源であるジメチルジメトキシシランとのモル比を、7.5:2.5(メチルトリメトキシシランとメチルトリクロロシランとのモル比は、1000:7)とした。すなわち、メチルトリメトキシシラン1208gとメチルトリクロロシラン20gおよびジメチルジメトキシシラン361gの混合物を使用し、合成例15と同様な操作を行い、末端にシラノール基を有する三次元網目構造のポリオルガノシロキサン(A1-16a)778gを得た。ポリオルガノシロキサン(A1-16a)のMwは4500であった。
次に、1Lのセパラブルフラスコに、前記で得られた末端にシラノール基を有する三次元網目構造のポリオルガノシロキサン(A1-16a)の50%トルエン溶液200gを仕込み、加熱減圧ストリッピングによりトルエンを留去した。次いで、メチルトリメトキシシラン113gを加え、撹拌しながらジイソブチルアミン2.2gとギ酸0.75gを添加し、合成例15と同様にして脱メタノール反応を行い、末端がメトキシシリル基で封鎖されたポリオルガノシロキサン(A-16)を得た。
得られたポリオルガノシロキサン(A1-16)の組成および構造を、H−NMRおよび29Si−NMRで調べたところ、平均組成式:(CH1.21(OCH0.21SiO.1.29を有する三次元網目構造のポリオルガノシロキサンであることがわかった。また、ポリオルガノシロキサン(A1-16)の粘度は265mPa・sであり、Mwは5150であった。
これらのデータから、ポリオルガノシロキサン(A1-16)は、単位式:(D15.147.8)(MOM7.3を有すると推定される。この単位式におけるD単位とT単位とのモル比(D/T)は、0.32となる。
合成例17((A1-17)の合成)
加水分解・縮合反応の出発物質であるシラン混合物において、T単位源であるメチルトリメトキシシランおよびメチルトリクロロシランと、D単位源であるジメチルジメトキシシランとのモル比を、8:2(メチルトリメトキシシランとメチルトリクロロシランとのモル比は、1000:7)とし、合成例15と同様にして、末端にシラノール基を有する三次元網目構造のポリオルガノシロキサン(A1-17a)800gを得た。ポリオルガノシロキサン(A1-17a)のMwは10380であった。
次に、得られた末端にシラノール基を有する三次元網目構造のポリオルガノシロキサン(A1-17a)を使用して、合成例1と同様の操作を行い、末端がメトキシシリル基で封鎖されたポリオルガノシロキサン(A1-17)を得た。
得られたポリオルガノシロキサン(A1-17)の組成および構造を、H−NMRおよび29Si−NMRで調べたところ、平均組成式:(CH1.18(OCH0.21SiO.1.31を有する三次元網目構造のポリオルガノシロキサンであることがわかった。また、ポリオルガノシロキサン(A1-17)の粘度は680mPa・sであり、Mwは11890であった。
これらのデータから、ポリオルガノシロキサン(A1-17)は、単位式:(D29.1116.5)(MOM17.1を有すると推定される。この単位式におけるD単位とT単位とのモル比(D/T)は、0.25となる。
合成例18((A1-18)の合成)
加水分解・縮合反応の出発物質であるシラン混合物において、T単位源であるメチルトリメトキシシランおよびメチルトリクロロシランと、D単位源であるジメチルジメトキシシランとのモル比を、9:1(メチルトリメトキシシランとメチルトリクロロシランとのモル比は、1000:7)とし、合成例15と同様にして、末端にシラノール基を有する三次元網目構造のポリオルガノシロキサン(A1-18a)765gを得た。ポリオルガノシロキサン(A1-18a)のMwは4780であった。
次に、得られた末端にシラノール基を有する三次元網目構造のポリオルガノシロキサン(A1-18a)を使用して、合成例1と同様の操作を行い、末端がメトキシシリル基で封鎖されたポリオルガノシロキサン(A1-18)を得た。
得られたポリオルガノシロキサン(A1-18)の組成および構造を、H−NMRおよび29Si−NMRで調べたところ、平均組成式:(CH1.1(OCH0.22SiO.1.34を有する三次元網目構造のポリオルガノシロキサンであることがわかった。また、ポリオルガノシロキサン(A1-18)の粘度は420mPa・sであり、Mwは5340であった。
これらのデータから、ポリオルガノシロキサン(A1-18)は、単位式:(D7.258.1)(MOM8.07を有すると推定される。この単位式におけるD単位とT単位とのモル比(D/T)は、0.12となる。
合成例19((A1-19)の合成)
加水分解・縮合反応の出発物質であるシラン混合物として、T単位源であるメチルトリメトキシシランおよびメチルトリクロロシランのみを使用し、D単位源は使用しなかった。そして、このシラン混合物に対して合成例15と同様にして加水分解・縮合反応を行い、末端にシラノール基を有する三次元網目構造のポリオルガノシロキサン(A1-19a)746gを得た。なお、メチルトリメトキシシランとメチルトリクロロシランとのモル比は、1000:7とした。ポリオルガノシロキサン(A1-19a)のMwは7700であった。
次に、得られた末端にシラノール基を有する三次元網目構造のポリオルガノシロキサン(A1-19a)を使用して、合成例1と同様の操作を行い、末端がメトキシシリル基で封鎖されたポリオルガノシロキサン(A1-19)を得た。
得られたポリオルガノシロキサン(A1-19)の組成および構造を、H−NMRおよび29Si−NMRで調べたところ、平均組成式:(CH)(OCH0.22SiO.1.39を有する三次元網目構造のポリオルガノシロキサンであることがわかった。また、ポリオルガノシロキサン(A1-19)の粘度は520mPa・sであり、Mwは9650であった。
これらのデータから、ポリオルガノシロキサン(A1-19)は、単位式:T119(MOM15を有すると推定される。この単位式におけるD単位とT単位とのモル比(D/T)は、0となる。
[実施例1]
合成例1で得られたポリオルガノシロキサン(A1-1)60.0部に、(A2-1)分子鎖両末端がトリメトキシシリル基で封鎖された直鎖状のポリジメチルシロキサン(粘度15mPa・s)40.0部、(C1)メチルトリメトキシシラン5部、(B1)ジイソプロポキシ−ビス(アセト酢酸エチル)チタン2部、および1,3,5−トリス(N−トリメトキシシリルプロピル)イソシアヌレート0.2部をそれぞれ配合し、湿気遮断下で均一に混合してポリオルガノシロキサン組成物を得た。
[実施例2〜18]
表1および表2に示す各成分を同表に示す組成でそれぞれ配合し、実施例1と同様に混合してポリオルガノシロキサン組成物を得た。
[比較例1〜6]
表3に示す各成分を同表に示す組成でそれぞれ配合し、実施例1と同様に混合してポリオルガノシロキサン組成物を得た。
次に、実施例1〜18および比較例1〜6で得られたポリオルガノシロキサン組成物について、各種特性を下記に示す方法で測定し評価した。それらの結果を、実施例1〜9については表1に、実施例10〜18については表2に、比較例1〜6については表3にそれぞれ示す。
[粘度]
上記ポリオルガノシロキサン組成物の粘度を、JIS K6249に拠り測定した。回転粘度計(芝浦セムテック株式会社製、製品名:ビスメトロンVDA−2)を使用し、回転速度30rpm、回転子No.2で測定を行った。
[タックフリータイム]
上記ポリオルガノシロキサン組成物のタックフリータイムを、JIS K6249に拠り測定した。試料を、泡が入らないようにアルミシャーレに平らに入れた(試料の厚みは3mm)後、エチルアルコールで洗浄した指先で表面に軽く触れた。試料が指先に付着しなくなる時間を、タックフリータイム(分)とした。
[硬度]
上記ポリオルガノシロキサン組成物の硬度を、JIS K6249に拠り、以下に示すようにして測定した。すなわち、ポリオルガノシロキサン組成物を厚さ2mmのシート状に成形した後、23℃、50%RHで3日間放置して硬化させた。次いで、得られた硬化シートを3枚重ね、デュロメータ(Type A)およびマイクロ硬度計(高分子機器株式会社製、製品名:M−250)により硬度を測定した。
[硬度変化]
85℃、85%RH雰囲気で500時間、および150℃雰囲気で500時間放置後の硬さ変化を、マイクロ硬度計により測定した。
[耐スクラッチ性]
上記ポリオルガノシロキサン組成物を、JIS Z3197(ISO9455)で規定されたくし形電極基板(銅電極、パターン幅0.316mm)上に100μmの厚さで塗布し、23℃、50%RHで3日間放置して硬化させた。次いで、形成された硬化被膜に対して、JIS K5600−5−4に準じて鉛筆硬度試験を行い、耐スクラッチ性を評価した。鉛筆硬度試験では、2Bおよび4Bの鉛筆を用い、750g荷重で線を引き、硬化被膜のその後の状態を目視し、硬化被膜のめくれがない場合に、「OK」と評価した。
[接着耐久性]
ガラスエポキシからなる基材の表面に、上記ポリオルガノシロキサン組成物を長さ50mm、幅10mmで厚さが1mmになるように塗布し、23℃、50%RHで3日間放置して硬化させた。こうして形成された硬化物に対して、(1)150℃で500時間放置、(2)85℃、85%RHで500時間放置、および(3)−40℃〜150℃の熱サイクルを100サイクル印加、の3つの条件をかけた後、基材表面から硬化物を金属ヘラで掻き取り、このときの硬化物の剥離の状態を調べた。そして、以下の基準で接着耐久性を評価した。
<評価基準>
OK:基材との界面から硬化物を剥離することができず、硬化物が破壊する。
剥離:基材との界面から硬化物の一部が剥離する。
亀裂、クラック:基材との界面から硬化物の一部が剥離し、硬化物の一部に亀裂やクラックが生じる。
膨れ:硬化物の一部が膨れ、基材との界面から硬化物が剥離。
Figure 2016216561
Figure 2016216561
Figure 2016216561
表1および表2から、以下のことがわかる。すなわち、実施例1〜18で得られたポリオルガノシロキサン組成物は、均一で薄膜塗布に適した粘度を有しているうえに、硬度(Type Aおよびマイクロ硬度)が高く、耐スクラッチ性が良好な硬化被膜を形成する。特に、実施例1〜15で得られたポリオルガノシロキサン組成物により形成された硬化被膜は、実施例16〜18で得られたポリオルガノシロキサン組成物の硬化被膜に比べて、より耐スクラッチ性に優れている。
また、実施例1〜18のポリオルガノシロキサン組成物を用いて得られた硬化被膜は、各条件をかけた後の接着性および外観の観察においても、クラックや亀裂、膨れ、剥離等が観察されず、接着耐久性が良好である。
それに対して、表3からわかるように、比較例5では、薄膜塗布に適した粘度を有するポリオルガノシロキサン組成物が得られなかった、また、比較例1〜4および6で得られたポリオルガノシロキサン組成物は、薄膜塗布が可能な粘度ではあり、硬化被膜の耐スクラッチ性が良好であるものの、前記3つの条件をかけた後の接着性および外観の観察において、硬化物にクラックや膨れ、剥離等が観察され、接着耐久性が不良であった。
本発明の室温硬化性ポリオルガノシロキサンは、電気・電子機器のコーティング材、ポッティング材等の用途に有用であり、特に、基板上に電子部品等が搭載された電気・電子機器におけるコンフォーマルコーティング剤として好適する。
1…電気・電子機器、2…配線基板、3…ICパッケージ、4…コンデンサ、5…室温硬化性ポリオルガノシロキサン組成物の硬化被膜。

Claims (8)

  1. 末端にシラノール基を有し三次元網目構造を有するシラノール基含有ポリオルガノシロキサン(A1a)のアルコキシ化反応により得られた、末端にケイ素原子に結合するアルコキシ基を有するポリオルガノシロキサンであり、5個以上100個以下の2官能型シロキサン単位が直鎖状に結合されたポリマー単位と、3官能型シロキサン単位を含有し、かつ2官能型シロキサン単位と3官能型シロキサン単位とのモル比が0.1〜2.0で、重量平均分子量(Mw)が2,000〜100,000である第1のポリオルガノシロキサン(A1)20〜95質量部と、
    分子中にケイ素原子に結合するアルコキシ基を2個以上有し、23℃における粘度が3mPa・s〜500mPa・sである第2のポリオルガノシロキサン(A2)80〜5質量部
    を混合してなるポリオルガノシロキサン混合物(A)100質量部に対して、
    (B)硬化触媒として有機金属化合物0.1〜15質量部
    を含有することを特徴とする室温硬化性ポリオルガノシロキサン組成物。
  2. 前記三次元網目構造を有するシラノール基含有ポリオルガノシロキサン(A1a)は、ケイ素原子に結合するアルコキシ基を3個以上有するトリアルコキシシランと、両末端にシラノール基を有し、5個以上100個以下の2官能型シロキサン単位が直鎖状に結合された単位を有するポリジオルガノシロキサンを含む混合物を、加水分解し縮合させることにより得られたものであることを特徴とする請求項1記載の室温硬化性ポリオルガノシロキサン組成物。
  3. 前記(A1)第1のポリオルガノシロキサンは、前記(A1a)三次元網目構造を有するシラノール基含有ポリオルガノシロキサンに、(A1b)ケイ素原子に結合するアルコキシ基を2個以上有するシラン化合物を加え、脱アルコールを伴うアルコキシ化反応を行わせることにより得られたものであることを特徴とする請求項1記載の室温硬化性ポリオルガノシロキサン組成物。
  4. 前記(A1)第1のポリオルガノシロキサンは、前記(A1a)三次元網目構造を有するシラノール基含有ポリオルガノシロキサンに、両末端にシラノール基を有し、重量平均分子量(Mw)が500〜10,000で直鎖状のシラノール基含有ポリオルガノシロキサン(A1c)を混合し、この混合物に対して、(A1b)ケイ素原子に結合するアルコキシ基を2個以上有するシラン化合物を加え、脱アルコールを伴うアルコキシ化反応を行わせることにより得られたものであることを特徴とする請求項1記載の室温硬化性ポリオルガノシロキサン組成物。
  5. 前記(B)硬化触媒は有機チタン化合物であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項記載の室温硬化性ポリオルガノシロキサン組成物。
  6. さらに、式:R Si(OR4−c
    (式中、Rは非置換の一価炭化水素基、もしくは水素原子の一部がハロゲン原子またはシアノアルキル基で置換された一価炭化水素基であり、Rは、アルキル基、またはアルキル基の水素原子の一部がアルコキシ基で置換されたアルコキシ置換アルキル基であり、cは0、1または2である。)で表されるシラン化合物(C)0.1〜15質量部を含有することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項記載の室温硬化性ポリオルガノシロキサン組成物。
  7. 電気・電子機器の電極および/または配線のコーティング用組成物であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項記載の室温硬化性ポリオルガノシロキサン組成物。
  8. 電極および/または配線の表面に、請求項1乃至7のいずれか1項記載の室温硬化性ポリオルガノシロキサン組成物の硬化物からなる被膜を有することを特徴とする電気・電子機器。
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