JP2016215697A - タイヤ - Google Patents
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Abstract
Description
一方、突起をリブ状としてパターン部を構成する場合、特定の方向から入射される光の反射が強くなり、見る角度によってはパターン部と平滑部との間のコントラストが低下することがある。
なお、ここでいう「平面視で第1の方向と交差する方向」には、平面視で第1の方向に対して傾斜する方向及び第1の方向に対して直交する方向が含まれる。
以下、図面を参照して、本発明の第1実施形態に係るタイヤについて説明する。図1には、本実施形態に係る空気入りタイヤ10(以下、単に「タイヤ10」と記載する。)の側面図が示されている。本実施形態では、タイヤ周方向をU、タイヤ径方向をRで示す。
さらに、突起32を平面視で第1の方向と交差する方向にそれぞれ延ばしているため、例えば、突起32を平面視で第1の方向に沿って延ばしているものと比べて、パターン部20に異なる方向の突起成分が増える。
これにより、パターン部20に入射された光がより効果的に減衰されて、光の反射がさらに抑制される。
なお、配置ピッチL1が0.5mm未満の場合、突起28と突起32がそれぞれ小さくなりすぎて、成形性を確保できないおそれがある。一方、配置ピッチL1が1mmを超えると、底面22Aでの光の反射が強くなるおそれがある。
また、突出高さH1,H2,H3が0.1mm未満の場合、突起24、突起28及び突起32の成形性を確保し難く、さらに、入射された光を十分に減衰できないおそれがある。一方、突出高さH1,H2,H3が1mmを超えると、突起24、突起28及び突起32が倒れやすくなるおそれがある。
また、突起24を延在方向と直交する方向の断面で見て、両側の壁面24Aを頂部24Bよりも基部24Cにおいて突出方向と直交する方向にそれぞれ張り出させているため、例えば、片側の壁面24Aのみが頂部24Bよりも基部24Cにおいて突出方向と直交する方向に張り出しているものと比べて、突起24が倒れにくく、パターン部20に入射された光の反射を抑制する効果を長期に亘って維持することができる。また、脱型時にモールドの突起24を成形するための成形用ブレード間から突起24を抜きやすい。
また、突起28を延在方向と直交する方向の断面で見て、両側の壁面28Aを頂部28Bよりも基部28Cにおいて突出方向と直交する方向にそれぞれ張り出させているため、例えば、片側の壁面28Aのみが頂部28Bよりも基部28Cにおいて突出方向と直交する方向に張り出しているものと比べて、突起28が倒れにくく、パターン部20に入射された光の反射を抑制する効果を長期に亘って維持することができる。また、脱型時にモールドの突起28を成形するための成形用ブレード間から突起28を抜きやすい。
また、突起32を延在方向と直交する方向の断面で見て、両側の壁面32Aを頂部32Bよりも基部32Cにおいて突出方向と直交する方向にそれぞれ張り出させているため、例えば、片側の壁面32Aのみが頂部32Bよりも基部32Cにおいて突出方向と直交する方向に張り出しているものと比べて、突起32が倒れにくく、パターン部20に入射された光の反射を抑制する効果を長期に亘って維持することができる。また、脱型時にモールドの突起32を成形するための成形用ブレード間から突起32を抜きやすい。
なお、突出高さH1が基部24Cにおける間隔W1の0.8倍未満の場合、壁面24Aによる光の反射が強くなるおそれがある。一方、突出高さH1が基部24Cにおける間隔W1の6倍を超える場合、突起24が倒れやすくなるおそれがある。
なお、突出高さH2が基部28Cにおける間隔W2の0.8倍未満の場合、壁面28Aによる光の反射が強くなるおそれがある。一方、突出高さH2が基部28Cにおける間隔W2の6倍を超える場合、突起28が倒れやすくなるおそれがある。
なお、突出高さH3が基部32Cにおける間隔W3の0.8倍未満の場合、壁面32Aによる光の反射が強くなるおそれがある。一方、突出高さH3が基部32Cにおける間隔W3の6倍を超える場合、突起32が倒れやすくなるおそれがある。
なお、角度θ1が5度未満の場合、突起24が倒れやすくなるおそれがある。一方、角度θ1が30度を超える場合、壁面24Aによる光の反射が強くなるおそれがある。
なお、角度θ2が5度未満の場合、突起28が倒れやすくなるおそれがある。一方、角度θ2が30度を超える場合、壁面28Aによる光の反射が強くなるおそれがある。
なお、角度θ3が5度未満の場合、突起32が倒れやすくなるおそれがある。一方、角度θ3が30度を超える場合、壁面32Aによる光の反射が強くなるおそれがある。
第1実施形態では、図4に示されるように、突起28の頂部28Bを延在方向と直交する方向の断面で見て、平坦状としているが、本発明はこの構成に限定されない。例えば、図6に示される突起70のように、頂部70Bを延在方向と直交する方向の断面で見て尖端形状としてもよい。このように尖端形状とすることで、頂部70Bにおける光の反射を抑制することができる。なお、図6においては、突起70の壁面を符号70Aで示し、突起70の基部を符号70Cで示している。また、突起の頂部を尖端形状とする構成については、第1実施形態の突起24,32にそれぞれ適用してもよい。
また、図8に示される突起82のように、延在方向と直交する方向の断面形状を略三角形状とし、頂部82Bを円弧状に湾曲させる構成としてもよい。なお、図8では、突起82の壁面を符号82Aで示し、突起82の基部を符号82Cで示している。また、突起82の延在方向に沿った断面形状については、第1実施形態の突起24,32にそれぞれ適用してもよい。
また、例えば、図10に示されるパターン部100のように、突起92と構成が同じ突起102の突起形状の一部(延在方向の端部)を突起24に接続する構成としてもよい。このように、突起102の突起形状の一部を突起24に接続することで、モールド(図示省略)を用いたタイヤ成形時に、モールドの突起24を成形するための成形用ブレード間から、突起102を成形するための成形用ブレード間にゴムが流れやすく(言い換えると、成形用ブレード間のエアが抜けやすく)、突起24及び突起102の成形性が確保される。すなわち、パターン部100の成形性が確保される。これにより、装飾用のパターン部100に入射された光の反射が抑制される。
本発明の効果を立証するために、本発明を適用した実施例1〜7のタイヤと、比較例1及び比較例2のタイヤを準備し、以下の試験1及び試験2を実施した。
供試タイヤとしては、いずれもサイズが205/55R16でタイヤ断面高さSHが114mmのタイヤを用いた。
実施例1〜7のタイヤは、本発明の第1実施形態に係るタイヤと同様の構造のタイヤであり、配置ピッチL1、突出高さH1,H2、角度θ1,θ2がそれぞれ異なる。
「配置ピッチL1」は、第1突起の配置ピッチであり、第1実施形態の配置ピッチL1に対応するものである。
「突出高さH1」は、第1突起の突出高さであり、第1実施形態の突出高さH1に対応するものである。
「突出高さH2」は、第2突起の突出高さであり、第1実施形態の突出高さH2に対応するものである。なお、第1実施形態では、突出高さH2,H3がそれぞれ同じ値である。
「角度θ1」は、第1突起の突出方向に対する壁面の傾斜角度であり、第1実施形態の角度θ1に対応するものである。
「角度θ2」は、第2突起の突出方向に対する壁面の傾斜角度であり、第1実施形態の角度θ2に対応するものである。なお、第1実施形態では、角度θ2,θ3がそれぞれ同じ値である。
比較例1のタイヤは、実施例1のタイヤと同じ構成であるが、第1突起を備え、第2突起を備えていないタイヤである。
比較例2のタイヤは、実施例6のタイヤと同じ構成であるが、第2突起を備え、第1突起を備えていないタイヤである。この比較例2のタイヤでは、点在した第2突起によってパターン部が形成されている。
試験1では、パターン部を各方向から見たときの視認性について評価した。
まず、それぞれの供試タイヤを適用リムに組み付け、その後、20人の看者が観察してパターン部の視認性が向上し、通常のタイヤよりもパターン部が黒く見えるかのアンケート調査を行った。その結果を「視認性」として表1に示す。なお、表1では、パターン部が通常のタイヤよりも黒く見えたと回答した看者の数が18人以上の場合をA、10〜17人の場合をB、9人以下の場合をCとして評価した。なお表1には、パターン部が黒く見えたと回答した看者の人数も併記した。
試験2では、パターン部の成形性について評価した。
まず、それぞれの供試タイヤを製造し、各供試タイヤのパターン部を構成する突起に対するベアの発生を目視で評価し、パターン部におけるベアの発生率を指標にパターン部の成形性を評価した。その結果を「成形性」として表1に示す。なお、表1では、ベアの発生率が0.1%未満の場合にパターン部の成形性を○で表し、ベアの発生率が0.1〜0.3%未満の場合にパターン部の成形性を△で表し、ベアの発生率が0.3%以上の場合にパターン部の成形性を×で表した。
12 タイヤサイド部
12A 表面(タイヤ表面)
14A 構成要素(平滑部)
20,90,100 パターン部
24 突起(第1突起)
28,32,70,80,82,92,102,110 突起(第2突起)
F 第1の方向
S 第2の方向
Claims (8)
- タイヤ表面に形成され、かつ、平面視で第1の方向に延びると共に該第1の方向と直交する第2の方向に間隔をあけて複数配置された第1突起及び隣り合う前記第1突起間に前記第1の方向に間隔をあけて複数配置された第2突起を含んで構成される装飾用のパターン部、を備えるタイヤ。
- 前記第1突起は、平面視で前記第2の方向に振幅を有する形状である、請求項1に記載のタイヤ。
- 前記第1突起は、平面視で正弦波形状である、請求項2に記載のタイヤ。
- 隣り合う前記第1突起間の間隔が一定である、請求項2又は請求項3に記載のタイヤ。
- 前記第2突起は、平面視で前記第1の方向と交差する方向に延びている、請求項1〜4のいずれか1項に記載のタイヤ。
- 隣り合う前記第2突起同士は、平面視で各々の前記第1の方向に対する角度がそれぞれ異なる、請求項5に記載のタイヤ。
- 前記第1突起の配置ピッチが0.5〜1mmの範囲内とされ、
前記第1突起及び前記第2突起のそれぞれの突出方向の高さが0.1〜1mmの範囲内とされた、請求項1〜6のいずれか1項に記載のタイヤ。 - 前記タイヤ表面は、タイヤサイド部の表面であり、
前記タイヤサイド部の表面には、前記パターン部によって囲まれる平滑部が形成されている、請求項1〜7のいずれか1項に記載のタイヤ。
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