JP2016212789A - 透明導電性積層体 - Google Patents

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Abstract

【課題】表面抵抗値が低く、135℃よりも高温でアニールしても透明導電層が結晶化し、かつ、クラックが入らないポリカーボネートフィルムを基材とした透明導電性積層体を提供する。
【解決手段】ポリカーボネートフィルムの片面又は両面に、少なくとも1層の硬化樹脂層を有する透明積層基材を用い、該透明積層基材の片面または両面に酸化インジウムと酸化スズを主とした透明導電層を設けた透明導電性積層体において、透明導電層が条件(A)〜(C)を満足する。(A)70℃6時間アニール後の結晶化度が30%以下である。(B)140℃45分アニール後の結晶化度が80%以上である。(C)130℃90分アニール後の表面抵抗値Ra(Ω/□)が50〜250Ω/□であり、かつRaと140℃45分アニール後の表面抵抗値Rb(Ω/□)との比Rb/Raが、1.4以下である。
【選択図】なし

Description

本発明は、ポリカーボネートフィルムの片面または両面に、少なくとも1層の硬化樹脂層を有する透明積層基材を用い、該透明積層基材の片面または両面に酸化インジウムと酸化スズを主とした透明導電層を設けた透明導電性積層体に関し、さらに詳しくは、表面抵抗値が低く、135℃よりも高温でアニールしても透明導電層が結晶化し、かつクラックが入らない透明導電性積層体に関する。
液晶表示装置(液晶ディスプレイ)は、薄型、軽量、低消費電力などの利点を有しており、コンピュータ、ワードプロセッサ、テレビジョン、携帯電話、携帯情報端末機器などの様々な分野で使用されている。またこれらの液晶表示装置において、画面上の表示を押さえることによって機器を操作する機構を有する、いわゆるタッチパネルが急速に普及している。このようなタッチパネルは、その優れた操作性により、例えば、スマートフォンなどの携帯電話、タブレットPC、携帯情報端末機器、銀行ATM、自動販売機、複写機、ファクシミリ、ゲーム機、博物館およびデパートなどの施設に設置される案内表示装置、カーナビゲーション、マルチメディアステーション(コンビニエンスストアに設置される多機能端末機)、鉄道車両のモニタ装置などにおいて広く用いられている。
タッチパネルの透明電極として、透明導電性積層体が使用されている。このような用途に使用される透明導電性積層体には、可視光線透過率が高く、低抵抗な電気特性を有することが求められているため、透明基材上に酸化インジウムと酸化スズを主とした透明導電層(以下ITO層と記す)を有する透明導電性積層体が一般に使用されている。ITO層の製造方法としては、真空蒸着法、スパッタリング法、CVD法、スプレー法、スピンコート法、ディップコート法及びスクリーン印刷法等の塗布法が知られている。これらのうちのスパッタリング法は、透明性及び電気特性が良好な透明導電性積層体を得るために好ましいことから、一般に使用されている。特に、生産性効率の面で有利であり、かつ大面積基材に対して膜厚分布を低減させた透明導電膜を形成することができる、ロール・ツー・ロール方式のスパッタリング法が有効である。
ITO層を有する透明導電性積層体を構成する基材フィルムとしては、透明性の高さおよび価格などの点から、ポリエステルフィルムが多く用いられている(特許文献1)。しかし、ポリエステルフィルムは光学異方性があるため、ポリエステルフィルムを基材とした透明導電性積層体を液晶画面上に配置し、偏光サングラスを通して画面を見た場合、虹模様が発生する問題がある。そのため、カーナビゲーションなどに使用するタッチパネルには、光学等方性を有するポリカーボネートフィルムが用いられている(特許文献2)。
タッチパネルの透明電極等の用途に使用される透明導電性積層体には、低抵抗な電気特性が求められており、ITO層を有する透明導電性積層体を低抵抗化させるためには、成膜後にアニールを行いITO層を結晶化させる必要がある(特許文献3)。一方で、ポリカーボネートフィルムはポリエステルフィルムと比較して、線膨張係数が大きいため、ITO層を結晶化させるためのアニール中にポリカーボネートフィルムが熱膨張し、ITO層にクラックが入る場合があり、アニール温度を高くできないという問題点があった。ポリカーボネートフィルムを基材とした場合のアニール温度の上限は実質130℃であり、これまでは、ITO層を結晶化させるためにはアニール時間を長くしなければならず、これにより生産効率の低下を招いていた。
特開2010−157439号公報 特開2013−208841号公報 特開2000−238178号公報
本発明は、上記の従来の問題点に鑑み、表面抵抗値が低く、135℃よりも高温でアニールしても透明導電層が結晶化し、かつクラックが入らないポリカーボネートフィルムを基材とした透明導電性積層体を提供することを目的とする。
本発明者らはこの目的を達成せんとして鋭意研究を重ねた。その結果、酸化インジウムと酸化スズを主成分とした透明導電層を設けた透明導電性積層体において、該透明導電層が特定の温度と時間でアニールした時に特定の結晶化度と表面抵抗値を満足することにより、表面抵抗値が低く、且つクラックが入らないポリカーボネートフィルムを基材とした透明導電性積層体となることを見出し本発明に到達した。
すなわち本発明は、以下の方法によって達成される。
1.ポリカーボネートフィルムの片面または両面に、少なくとも1層の硬化樹脂層を有する透明積層基材を用い、該透明積層基材の片面または両面に酸化インジウムと酸化スズを主とした透明導電層を設けた透明導電性積層体において、該透明導電層が下記条件(A)〜(C)を満足することを特徴とする透明導電性積層体。
(A)70℃6時間アニール後の結晶化度が30%以下である。
(B)140℃45分アニール後の結晶化度が80%以上である。
(C)130℃90分アニール後の表面抵抗値Ra(Ω/□)が50〜250Ω/□であり、かつRaと140℃45分アニール後の表面抵抗値Rb(Ω/□)との比Rb/Raが、1.4以下である。
2.前記1に記載の透明導電性積層体の製造方法であって、ロール・ツー・ロール方式のスパッタリング法により透明導電層を成膜する工程を有し、透明導電層の成膜雰囲気中の水分圧が1×10−5〜1.2×10−4Paであることを特徴とする透明導電性積層体の製造方法。
3.透明導電層の成膜中のスパッタターゲット直上のフィルム張力T(N/m)を透明積層基材厚みD(μm)で除した値T/Dが1.8〜3.2N/(m・μm)である前記2記載の透明導電性積層体の製造方法。
4.透明導電層の成膜中の透明積層基材の温度が40℃以下である前記2記載の透明導電性積層体の製造方法。
5.前記1に記載の透明導電性積層体を用いて、135℃以上の温度でアニールを行い、ITO層を結晶化させる、結晶性ITO層を備える透明導電性積層体の製造方法。
本発明によれば、ポリカーボネートフィルムを基材とした透明導電性積層体に、表面抵抗値が低く、例えば140℃45分アニール後に透明導電層が結晶化し、かつクラックが入らないという特性を具備させたため、透明導電層を結晶化させるためのアニールを高温でかつ短時間で行うことが可能でありその奏する産業上の効果は格別である。
本発明に用いるスパッタリング装置の概要図である。
以下、本発明の透明導電層積層フィルムを構成する各成分、それらの配合割合、調整方法等について、順次具体的に説明する。
本発明の実施の形態について説明するが、ここで示す実施の形態はあくまでも一例であって、本発明はこの実施の形態に限定されるものではない。
<透明導電層>
本発明の透明導電層(以下ITO層と称することがある)は、70℃6時間アニール後の結晶化度が30%以下である。70℃6時間アニール後の結晶化度が30%を越えると、ITO層は室温でも容易に結晶化が進んでしまい、基材として線膨張係数が大きいポリカーボネートフィルムを用いた場合、室温結晶化したITO層を更に完全結晶化させるために、アニールする際に結晶ITO層とポリカーボネートフィルムの線膨張係数差によりITO層にクラックが入る場合がある。
また、本発明のITO層は、140℃45分アニール後の結晶化度が80%以上であり、85%以上であることがさらに好ましい。140℃45分アニール後の結晶化度が80%未満では目標とする低い表面抵抗値が得られない。
本発明のITO層は、130℃90分アニール後の表面抵抗値Ra(Ω/□)が50〜250Ω/□であり、かつRaに対する140℃45分アニール後の表面抵抗値Rb(Ω/□)の比Rb/Raが1.4以下である。130℃90分アニール後の表面抵抗値Ra(Ω/□)は50〜200Ω/□がさらに好ましく、Rb/Raは、1.2以下がさらに好ましい。140℃45分アニール後にもRb/Raが1.4以下であれば、140℃という高温度でもアニールできるため、アニール時間を短くすることができる。
スパッタリングに使用するターゲットは、酸化インジウムと酸化スズを主成分とし、酸化インジウムにドープされる酸化スズの含有割合はデバイスに求められる仕様に応じて適宜に決定しうるが、酸化インジウムと酸化スズの合計100重量%に対して、酸化スズの重量割合が2〜15重量%が好ましく、特に3〜8重量%が好ましく、5〜8重量%がさらに好ましい。酸化スズは酸化インジウムにキャリアを発生させるためのドーパントとして機能する。酸化スズの重量割合が少ないと、スパッタリングで成膜するITO層のキャリア密度が低くなり低い表面抵抗値が得られない。酸化スズの重量割合が多いときには、ITO層のキャリア密度は高くなるが、スズによるキャリア散乱は大きくなり移動度が低下、結果低い表面抵抗値が得られない。
またターゲット充填密度、つまりITOの真の密度を1cm当たり7.15gとした場合の真の密度と相対密度の比(ターゲット充填密度(%)=相対密度/真の密度×100)は、ITO層の特性とスパッタリングの成膜速度に影響を与える。ターゲット充填密度が高い場合、成膜速度は向上し、かつ特性の安定したITO層を得ることが可能となるが、一方でターゲットの欠け等による異常放電の発生頻度が高まり、ターゲットの価格が上がる経済的なデメリットもある。これらの観点から、ターゲット充填密度は85〜99%が好ましく、特に90〜99%が好ましく、93〜99%がさらに好ましい。
ITO層の膜厚はデバイスに求められる仕様に応じて適宜に決定しうるが、10〜200nmが好ましく、特に10〜100nmが、更には10〜40nmがより好ましい。膜厚が厚いときには、光線透過率が著しく低下する場合があり、ITO層の可撓性が悪化するため、好ましくない。また、薄いときには、膜が不連続になり、抵抗値が著しく増大し、透明導電膜としての機能が著しく悪化するため、好ましくない。
<ポリカーボネートフィルム(基材)>
本発明で用いられるポリカーボネートフィルムは、ジヒドロキシ化合物が炭酸エステル結合により結ばれたポリマーであり、通常ジヒドロキシ化合物とカーボネート前駆体とを界面重合法または溶融重合法で反応させて得られるものである。
ジヒドロキシ化合物の代表的な例としては、例えば2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(通称「ビスフェノールA」)、2,2−ビス{(4−ヒドロキシ−3−メチル)フェニル}プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3−メチルブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3−ジメチルブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−4−メチルペンタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)オクタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)デカン、9,9−ビス{(4−ヒドロキシ−3−メチル)フェニル}フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン、α,α’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−m−ジイソプロピルベンゼン、イソソルビド、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール等が挙げられる。本発明で用いられるポリカーボネート樹脂としては、これらのうちの1種を単独で使用したホモポリマーでも、2種類以上を併用した共重合体であってもよい。
上記ジヒドロキシ化合物のうち、コスト面および得られるポリカーボネート樹脂の物性面からビスフェノールAを使用することが好ましい。本発明で用いられるポリカーボネート樹脂としては、使用するジヒドロキシ化合物の50モル%以上がビスフェノールAであるポリカーボネート樹脂が好ましく、特に60モル%以上、更には75モル%以上、殊更には90モル%以上がビスフェノールAであるポリカーボネートフィルムがより好ましい。
本発明で用いられる好ましいポリカーボネートフィルムの具体例としては、例えばビスフェノールAのホモポリマーを挙げることができる。
本発明で用いられる好ましいポリカーボネートフィルムは、熱安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、調色剤、帯電防止剤等の各種の添加剤を、本発明の効果を損なわない範囲で含有していてもよい。
本発明のポリカーボネートフィルムの厚みは適宜に決定しうるが、一般には強度や取扱性等の作業性等の点より10〜300μm程度が好ましく、特に25〜200μmが好ましく、更には50〜120μmがより好ましい。
本発明のポリカーボネートフィルムは、波長589nmで測定した面内の位相差R(589)が20nm以下であることが好ましい。特に10nm以下であることがより好ましい。ここで面内の位相差Rとは、下記式(1)
R=(nx−ny)×d (1)
(ここで、nxはフィルム面内の遅相軸(屈折率が最も高い方向)の屈折率であり、nyはフィルム面内の進相軸(屈折率が最も低い方向)の屈折率であり、dはフィルムの平均厚みである。)
で定義される値であり、フィルム面に垂直な方向に通過する光の位相の遅れを現す特性値である。位相差が20nmより大きい場合、本発明のフィルムを用いたタッチパネルを液晶画面上に配置し、偏光サングラスを通して画面を見た場合虹模様が発生することがあり好ましくない。
本発明で用いられるポリカーボネートフィルムのガラス転移温度は100〜200℃の範囲であることが好ましく、特に120〜180℃の範囲であることがより好ましく、殊更には140〜160℃の範囲であることがより好ましい。ガラス転移温度が低いときには、得られるフィルムの耐熱性が不足するため好ましくない。一方、ガラス転移温度が180℃以上のポリカーボネートフィルムは非常に高価である。
<硬化樹脂層>
ポリカーボネートフィルムは、一般に表面硬度が低く、傷つきやすいので、フィルムの表面に硬化樹脂層をコートしてフィルムの表面を保護することができる。この硬化樹脂層は、高分子からなるフィルム表面を保護するだけでなく、フィルムの表面に存在する微細な傷を埋めて平坦化するためにも有効である。
本発明で用いる硬化型樹脂は、加熱、紫外線照射、電子線照射等のエネルギー印加により硬化する樹脂であれば特に制限はないが、生産性の観点から、紫外線硬化型樹脂を主成分とすることが好ましい。紫外線硬化型樹脂を構成する具体的なモノマーとしては、例えばトリメチロールプロパントリメタクリレート、トリメチロールプロパンエチレンオキサイド変性トリアクリレート、トリメチロールプロパンプロピレンオキサイド変性トリアクリレート、イソシアヌル酸エチレンオキサイド変性トリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジメチロールトリシクロデカンジアクリレート、トリプロピレングリコールトリアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、エポキシ変性アクリレート、ウレタン変性アクリレート、エポキシ変性アクリレート等の多官能モノマーが挙げられる。
紫外線硬化型樹脂に用いるこれらのモノマーは、単独で用いても、数種類を混合して用いてよい。なお、紫外線によって樹脂層の重合を行う場合、一般に光重合開始剤を適量添加し、また必要に応じ光増感剤を適量添加してもよい。この光重合開始剤としては、アセトフェノン、ベンゾフェノン、ベンゾイン、ベンゾイルベンゾエート、チオキサントン類等が挙げられ、光増感剤としては、トリエチルアミン、トリ−n−ブチルホスフィン等が挙げられる。
熱硬化性樹脂としては、例えばメチルトリエトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン等のシラン化合物をモノマーとしたオルガノシラン系の熱硬化型樹脂、メラミン系熱硬化型樹脂が用いられる。これらの熱硬化型樹脂を、単独または複数組合せて使用することも可能である。硬化樹脂層は、組成の異なる材料を用いて1〜2層形成されても良い。
硬化樹脂層の膜厚は適宜に決定しうるが、0.05〜10μmが好ましく、特に1〜6μmがより好ましい。膜厚が薄いときには、硬化樹脂層の耐傷付き性等の性能が出にくいため好ましくない。一方で、当該膜厚が厚いときには硬化樹脂層の性能が出やすいが、硬化樹脂層にクラックが発生する可能性が高くなり好ましくない。
<透明導電フィルムの製造方法>
本発明におけるITO層は、透明性及び電気特性が良好な透明導電性積層体を得られる点、生産性の面で有利である点、大面積基材に対して膜厚分布を低減させた透明導電膜を形成することができる点等から、ロール・ツー・ロール方式のスパッタリング法で形成することが好ましい。図1は本発明で用いるロール・ツー・ロール方式のスパッタリング装置の一例である。
スパッタリング法により目標の膜厚のITO層を成膜するためには、ITO層成膜時のフィルム搬送速度(以下Vfと記す)及びターゲット放電電力密度を適宜調節する必要がある。膜厚を厚くするためには、Vfはより遅く、電力密度はより高くする必要がある。しかし、Vfが遅すぎると生産効率が低下し、電力密度が高すぎるとターゲットが割れるという問題があるため、Vfは1〜9m/min、電力密度は3〜30kw/mの範囲で実施することが好ましい。
本発明におけるITO層は、スパッタリング法で成膜する真空槽中の圧力(背圧)を一旦1.3×10−4Pa以下とし、次いで水及び不活性ガス及び酸素を導入し、成膜雰囲気中の水分圧を1×10−5〜1.2×10−4Paとする製造方法により形成することが好ましい。ITO層を成膜する真空槽中の圧力は一旦1.3×10−4Pa以下にすることが、真空槽中に残留し、且つITO層の特性に影響を与えることが懸念される分子種の影響を低減できるため、好ましい。特に好ましくは5×10−5Pa以下であり、更に好ましくは2×10−5Pa以下である。
また、ITO層を成膜する雰囲気中の水分圧は低い方がITO層の結晶化速度が早くなり、低い表面抵抗値が得られやすいため、ポリエステルフィルムを用いたITOフィルムの場合は、1×10−5Pa未満の水分圧で成膜が行われていた。しかしながら、1×10−5Pa未満の水分圧で成膜したITO層は室温でも容易に結晶化が進んでしまい、基材として線膨張係数が大きいポリカーボネートフィルムを用いた場合、室温結晶化したITO層を更に完全結晶化させるためにアニールする際に、結晶ITO層とポリカーボネートフィルムの線膨張係数差によりITO層にクラックが入る場合がある。尚、結晶ITO層の線膨張係数は7ppm/℃程度、ポリエステルフィルムの線膨張係数は20〜30ppm/℃程度、ポリカーボネートフィルムの線膨張係数は60〜80ppm/℃程度である。一方、ITO層を成膜する雰囲気中の水分圧が高いと、ITO層が結晶化し難くなり、ポリカーボネートフィルムのガラス転移温度より低い温度でアニール処理をしても完全結晶化しないため、低い表面抵抗値が得られない。以上より、成膜雰囲気中の水分圧は1×10−5〜1.2×10−4Paが好ましく、特に2×10−5〜1.0×10−4Paが好ましく、さらに2×10−5〜9.0×10−5Paが好ましい。ITOを成膜する雰囲気中の水分圧を調整する方法としては、成膜雰囲気中に水蒸気を導入し、その流量をマスフローコントローラーなどで制御する方法、スパッタリング開始前の真空引き時間を調整する方法などを例示することが出来る。
本発明における水分圧を決定するときには、差動排気型のインプロセスモニターを用いても良い。またはダイナミックレンジが広く、0.1Paの圧力下においても計測が可能な四重極質量分析計を用いても良い。また、一般的に、1.3×10−5Pa程度の真空度においては、その圧力を形成しているのは水である。よって、真空計によって計測された値をそのまま水分圧と考えても構わない。
また、導入される不活性ガスとしては、例えばHe、Ne、Ar、Kr、Xeを用いることができ、原子量の大きな不活性ガスほど形成される膜へのダメージが少なく表面平坦性が向上すると言われている。しかし、コスト面から考えてArが好ましい。この不活性ガスには膜中に取り込まれる酸素濃度を調整するために、分圧に換算して1.3×10−4〜7×10−2Paの酸素を添加しても構わない。さらに、酸素の他にO、N、NO、NH等を目的に応じて用いることができる。
本発明においては、透明積層基材にポリカーボネートフィルムを用いるため、ITO層成膜時の基材温度を当該ポリカーボネートフィルムのガラス転移温度より上昇させることはできない。よって、ITO層を形成するためには、透明積層基材の温度はガラス転移温度以下とする必要がある。さらに、透明積層基材からのアウトガスを制御するためには、基材温度を40℃以下の温度に保ったままITO層を形成することが好ましい。特に好ましくは30℃以下であり、更に好ましくは20℃以下である。ITO成膜中の基材温度はスパッタリング装置のメインロールの温度によって調整する。
本発明のロール・ツー・ロール方式のスパッタリング法による透明導電層成膜時の、スパッタターゲット直上のフィルム張力T(N/m)を透明積層基材厚みD(μm)で除した値T/Dは1.8〜3.2N/(m・μm)であることが好ましく、さらに好ましくは2.0〜3.0N/(m・μm)である。T/Dが1.8N/(m・μm)より小さい場合は、成膜後のITO層に残留する圧縮応力が小さくなる。その場合、アニール時のポリカーボネートフィルムの伸びを抑制する力が弱くなり、クラックが入りやすくなるため好ましくない。T/Dが3.2N/(m・μm)より大きい場合は、成膜時のフィルムにシワが入る場合があり好ましくない。
スパッタターゲット直上のフィルム張力を測定するときは、巻き出しロールと巻き取りロールの間にニップロールが無いもしくは有るが使用しない場合、巻き出しロールと巻き取りロールのいずれかに設置したテンションメーターを用いれば良い。一方、ニップロールがメインロールより巻き出し側に有り使用する場合、巻き取りロールに設置したテンションメーターを用いれば良い。また、ニップロールがメインロールより巻き取り側に有り使用する場合、巻き出しロールに設置したテンションメーターを用いれば良い。
<アニール温度>
本発明の透明導電性積層体のITO層を結晶化させるためのアニール温度は、135℃〜(ポリカーボネートフィルムのガラス転移温度)、さらに好ましくは140℃〜(ポリカーボネートフィルムのガラス転移温度)の範囲とすることが好ましい。アニール温度は高い方が結晶化のためのアニール時間を短くできるが、前述したように従来技術ではアニール温度の上限は高々130℃であった。アニール温度がポリカーボネートフィルムのガラス転移温度を超えると、フィルムが軟化して変形してしまうため好ましくない。
以下に実施例を挙げて本発明をさらに説明する。
<各種物性の測定及び評価方法>
(1)所定温度及び時間でアニール処理を行った透明導電層の結晶化度
透明導電層の結晶化度評価は、リガク製X線回折装置Ultima 4を用いて行った。薄膜試料台を用い、X線入射角を2°に固定し、2θ軸のみを走査することにより導電層のX線回折パターンを検出した。X線はCu Kα(波長:154.2pm)を用い、管電圧40kV、管電流300mA、ゴニオメータRINT Ultimaシリーズ用試料水平ゴニオメータ、発散スリット0.2mm、散乱スリット及び受光スリットはopenとし、走査モードは連続モードを用い、スキャンスピード5.000°/min、スキャンステップ0.020°で測定を行った。この結果の最も強いピークを有する角度から、ICDD(International Centerfor DiffractionData)のJCPDS(Joint Commiteeon Powder Diffraction Standartds)標準回折データを基に、最も強いピーク強度を有する結晶面を同定した。
ITO層の母体を成すInはbixbyite構造であり、JCPDS標準回折データNo.06−0461と測定XRDプロファイルを比較した。ITO層が結晶化していれば、以下の回折ピークが見られる。特に2θ軸:30.5°、35.3°、または50.9°のピークがベースに比べて明らかに強く検出された場合、試料がIn結晶であると同定した。2θ軸が30.5°はIn(bixbyite構造)の(222)結晶面であり、35.3°は(400)結晶面、50.9°は(440)結晶面を示している。
結晶化度評価方法は、(222)結晶面を示すX線回折強度(カウント数)に注目して、対象の透明導電層を140℃90分アニール処理した後の値を100%とした時の、所定温度及び時間でアニールした後の値のパーセンテージを、所定温度及び時間でアニール処理を行った透明導電層の結晶化度として定義した。尚、アニール時間とは、サンプルをオーブンに配置しオーブンを昇温後、オーブンが所定温度に到達した後の保持時間とする。
(2)表面抵抗値
表面抵抗値は、サンプルを所定温度及び時間でアニールした後、4探針抵抗計である三菱化学製LorestaMP MCP−T350を用いて測定した。
(3)Rb/Ra
130℃90分アニール後の表面抵抗値Ra(Ω/□)に対する、140℃45分アニール後の表面抵抗値Rb(Ω/□)の比Rb/Raを求めた。
(4)ITO層クラックの有無
透明導電性積層体のITO層クラックの有無は、140℃45分アニール後のITO層表面をJEOL製走査電子顕微鏡SEM−EDS JSM−6510LAを用いて倍率×3000で観察し、クラックが確認されない場合を◎と判定し、クラックが確認される場合はOLYMPUS製レーザー顕微鏡LEXT OLS4000を用いて対物レンズ10XLEXT専用プランアポクロマート50Xで同様に観察し、クラックが確認されない場合を○と判定し、クラックが確認される場合を×と判定した。
(5)ITO層の厚み
ITO層の厚みは、理学電機工業(株)製蛍光X線分析装置RIX1000を用いて検量線法で行った。ITO層が堆積した試料にX線を照射すると、検出器にIn−L X線およびSn−L X線が検出される。ITO層の厚み、インジウムまたはスズ濃度が増大するにつれてIn−L X線またはSn−L X線の強度は増大する。スズ濃度の異なるサンプルを準備し、スズ濃度毎の検量線を事前に作成した。インジウムおよびスズ濃度が一定であり、膜厚が既知の試料を測定し、検出されたX線強度とITO層の膜厚で検量線を作成する手法である。
(6)ITO層成膜時のフィルムシワ
ITO層成膜時のフィルムシワの有無は、成膜後の透明導電性積層体ロールを巻き返しながら観察し、全くシワが確認されない場合を◎と判定し、フィルム両端部から50mm以内のみにシワが確認された場合を○と判定し、フィルム両端部以外にもシワが確認された場合を×と判定した。
実施例1
<硬化樹脂層の形成>
厚み100μmのポリカーボネートフィルム(帝人株式会社製「ピュアエース」C110、ガラス転移温度155℃、波長589nmで測定した面内の位相差9nm)の一方の面に硬化樹脂液をグラビアコーティングにより塗工し、60℃で1分間乾燥した後、紫外線を積算光量220mJ/cm照射して硬化させることにより、厚さ3μmの硬化樹脂層を形成した。
<硬化樹脂液>
紫外線硬化樹脂として、ウレタンアクリレート(東亜合成化学製「アロニックス」M405)と、ラジカル系光重合開始剤(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製「イルガキュア」184)をウレタンアクリレート100重量部に対し、ラジカル系光重合開始剤が5重量部となるようにイソブチルアルコール(IBA)へ溶解し硬化樹脂液を調合した。硬化樹脂液の固形分はIBA100重量部に対し、20重量部であった。
<ITO層の形成>
次いで硬化樹脂層を形成した面上に、酸化インジウムと酸化スズの重量比が95:5の組成で充填密度が98%の酸化インジウム−酸化スズターゲットを用いて、ロール・ツー・ロール方式のスパッタリング法により非晶質の透明導電層(ITO層)を形成した。スパッタリングの条件は、成膜雰囲気中の水分圧が5×10−5Paであり、Ar分圧が4×10−1Paであり、酸素分圧が3×10−3Paであり、Vfは4m/minであり、ターゲット放電電力密度は10kw/mであり、成膜時のスパッタターゲット直上のフィルム張力が230N/mであり、成膜時の透明積層基材の温度が−20℃であった。形成されたITO層の厚さは約20nmであった。
実施例2
透明導電層の形成にあたり、成膜雰囲気中の水分圧を2×10−5Paとし、成膜時のフィルム張力を210N/mとした以外は、実施例1と同様にして、透明導電性積層体の作製を行った。
実施例3
透明導電層の形成にあたり、成膜雰囲気中の水分圧を8×10−5Paとし、成膜時のフィルム張力を210N/mとした以外は、実施例1と同様にして、透明導電性積層体の作製を行った。
実施例4
透明導電層の形成にあたり、成膜雰囲気中の水分圧を2×10−5Paとし、成膜時のフィルム張力を310N/mとした以外は、実施例1と同様にして、透明導電性積層体の作製を行った。
実施例5
透明導電層の形成にあたり、成膜雰囲気中の水分圧を8×10−5Paとし、成膜時のフィルム張力を310N/mとした以外は、実施例1と同様にして、透明導電性積層体の作製を行った。
実施例6
透明導電層の形成にあたり、成膜雰囲気中の水分圧を2×10−5Paとし、成膜時のフィルム張力を190N/mとした以外は、実施例1と同様にして、透明導電性積層体の作製を行った。
実施例7
透明導電層の形成にあたり、成膜雰囲気中の水分圧を8×10−5Paとし、成膜時のフィルム張力を190N/mとした以外は、実施例1と同様にして、透明導電性積層体の作製を行った。
実施例8
透明導電層の形成にあたり、成膜雰囲気中の水分圧を2×10−5Paとし、成膜時のフィルム張力を330N/mとした以外は、実施例1と同様にして、透明導電性積層体の作製を行った。
実施例9
透明導電層の形成にあたり、成膜雰囲気中の水分圧を8×10−5Paとし、成膜時のフィルム張力を330N/mとした以外は、実施例1と同様にして、透明導電性積層体の作製を行った。
実施例10
基材に厚み50μmのポリカーボネートフィルム(帝人株式会社製「ピュアエース」C110、ガラス転移温度155℃、波長589nmで測定した面内の位相差5nm)を使用し、透明導電層の形成にあたり、成膜時のフィルム張力を105N/mとした以外は、実施例1と同様にして、透明導電性積層体の作製を行った。
実施例11
基材に厚み50μmのポリカーボネートフィルム(実施例10と同じ)を使用し、透明導電層の形成にあたり、成膜時のフィルム張力を160N/mとした以外は、実施例1と同様にして、透明導電性積層体の作製を行った。
実施例12
基材に厚み120μmのポリカーボネートフィルム(帝人株式会社製「ピュアエース」C110、ガラス転移温度155℃、波長589nmで測定した面内の位相差11nm)を使用し、透明導電層の形成にあたり、成膜時のフィルム張力を240N/mとした以外は、実施例1と同様にして、透明導電性積層体の作製を行った。
実施例13
基材に厚み120μmのポリカーボネートフィルム(実施例12と同じ)を使用し、透明導電層の形成にあたり、成膜時のフィルム張力を370N/mとした以外は、実施例1と同様にして、透明導電性積層体の作製を行った。
実施例14
透明導電層の形成にあたり、成膜雰囲気中の水分圧を9×10−5Paとし、成膜時のフィルム張力を210N/mとし、成膜時の透明積層基材の温度を20℃とした以外は、実施例1と同様にして、透明導電性積層体の作製を行った。
実施例15
透明導電層の形成にあたり、成膜雰囲気中の水分圧を1.0×10−4Paとし、成膜時のフィルム張力を210N/mとし、成膜時の透明積層基材の温度を40℃とした以外は、実施例1と同様にして、透明導電性積層体の作製を行った。
実施例16
透明導電層の形成にあたり、成膜雰囲気中の水分圧を1.0×10−4Paとし、成膜時のフィルム張力を310N/mとし、成膜時の透明積層基材の温度を40℃とした以外は、実施例1と同様にして、透明導電性積層体の作製を行った。
実施例17
透明導電層の形成にあたり、成膜雰囲気中の水分圧を9×10−5Paとし、成膜時のフィルム張力を310N/mとし、成膜時の透明積層基材の温度を20℃とした以外は、実施例1と同様にして、透明導電性積層体の作製を行った。
実施例18
透明導電層の形成にあたり、成膜雰囲気中の水分圧を1×10−5Paとし、成膜時のフィルム張力を210N/mとした以外は、実施例1と同様にして、透明導電性積層体の作製を行った。
実施例19
透明導電層の形成にあたり、成膜雰囲気中の水分圧を1×10−5Paとし、成膜時のフィルム張力を310N/mとした以外は、実施例1と同様にして、透明導電性積層体の作製を行った。
実施例20
透明導電層の形成にあたり、成膜雰囲気中の水分圧を1×10−5Paとし、成膜時のフィルム張力を330N/mとした以外は、実施例1と同様にして、透明導電性積層体の作製を行った。
実施例21
透明導電層の形成にあたり、成膜雰囲気中の水分圧を1.2×10−4Paとし、成膜時のフィルム張力を210N/mとした以外は、実施例1と同様にして、透明導電性積層体の作製を行った。
実施例22
透明導電層の形成にあたり、成膜雰囲気中の水分圧を1.2×10−4Paとし、成膜時のフィルム張力を310N/mとした以外は、実施例1と同様にして、透明導電性積層体の作製を行った。
実施例23
透明導電層の形成にあたり、成膜雰囲気中の水分圧を1.2×10−4Paとし、成膜時のフィルム張力を330N/mとした以外は、実施例1と同様にして、透明導電性積層体の作製を行った。
実施例24
透明導電層の形成にあたり、酸化インジウムと酸化スズの質量比が97:3の組成で充填密度が98%の酸化インジウム−酸化錫ターゲットを用いた以外は、実施例1と同様にして、透明導電性積層体の作製を行った。
実施例25
透明導電層の形成にあたり、酸化インジウムと酸化スズの質量比が92:8の組成で充填密度が98%の酸化インジウム−酸化錫ターゲットを用いた以外は、実施例1と同様にして、透明導電性積層体の作製を行った。
比較例1
透明導電層の形成にあたり、成膜雰囲気中の水分圧を4×10−6Paとし、成膜時のフィルム張力を100N/mとした以外は、実施例1と同様にして、透明導電性積層体の作製を行った。
比較例2
透明導電層の形成にあたり、成膜時のフィルム張力を100N/mとした以外は、実施例1と同様にして、透明導電性積層体の作製を行った。
比較例3
透明導電層の形成にあたり、成膜雰囲気中の水分圧を1.4×10−4Paとし、成膜時のフィルム張力を100N/mとした以外は、実施例1と同様にして、透明導電性積層体の作製を行った。
比較例4
透明導電層の形成にあたり、成膜雰囲気中の水分圧を4×10−6Paとした以外は、実施例1と同様にして、透明導電性積層体の作製を行った。
比較例5
透明導電層の形成にあたり、成膜雰囲気中の水分圧を1.4×10−4Paにした以外は、実施例1と同様にして、透明導電性積層体の作製を行った。
比較例6
透明導電層の形成にあたり、成膜雰囲気中の水分圧を4×10−6Paとし、成膜時のフィルム張力を410N/mとした以外は、実施例1と同様にして、透明導電性積層体の作製を行った。
比較例7
透明導電層の形成にあたり、成膜雰囲気中の水分圧を1.4×10−4Paとし、成膜時のフィルム張力を410N/mとした以外は、実施例1と同様にして、透明導電性積層体の作製を行った。
Figure 2016212789
以上の実施例及び比較例の評価結果を表1に示す。表1から明らかなように本発明の透明導電性積層体は、140℃45分アニール後に透明導電層が結晶化し、かつクラックが入らないことが解る。
本発明の透明導電性積層体は、表面抵抗値が低く、且つクラックが入らないため、該透明導電積層体は、タッチパネル、特に静電容量方式のタッチパネルにおいて好適に用いることができる。
1:巻き取りロール
2:巻き出しロール
3:サブロール
4:メインロール
5:フィルム
6:ターゲット
7:バキュームポンプ
8:ガス供給ポンプ

Claims (5)

  1. ポリカーボネートフィルムの片面または両面に、少なくとも1層の硬化樹脂層を有する透明積層基材を用い、該透明積層基材の片面または両面に酸化インジウムと酸化スズを主とした透明導電層を設けた透明導電性積層体において、該透明導電層が下記条件(A)〜(C)を満足することを特徴とする透明導電性積層体。
    (A)70℃6時間アニール後の結晶化度が30%以下である。
    (B)140℃45分アニール後の結晶化度が80%以上である。
    (C)130℃90分アニール後の表面抵抗値Ra(Ω/□)が50〜250Ω/□であり、かつRaと140℃45分アニール後の表面抵抗値Rb(Ω/□)との比Rb/Raが、1.4以下である。
  2. 請求項1に記載の透明導電性積層体の製造方法であって、ロール・ツー・ロール方式のスパッタリング法により透明導電層を成膜する工程を有し、透明導電層の成膜雰囲気中の水分圧が1×10−5〜1.2×10−4Paであることを特徴とする透明導電性積層体の製造方法。
  3. 透明導電層の成膜中のスパッタターゲット直上のフィルム張力T(N/m)を透明積層基材厚みD(μm)で除した値T/Dが1.8〜3.2N/(m・μm)である請求項2記載の透明導電性積層体の製造方法。
  4. 透明導電層の成膜中の透明積層基材の温度が40℃以下である請求項2記載の透明導電性積層体の製造方法。
  5. 請求項1に記載の透明導電性積層体を用いて、135℃以上の温度でアニールを行い、ITO層を結晶化させる、結晶性ITO層を備える透明導電性積層体の製造方法。

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