JP2016210488A - 容器用のキャップ - Google Patents
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Abstract
Description
例えば、特許文献1には、キャップの外周面に、縦リブと該縦リブよりも突出高さの低い小リブとを周方向に亘って交互に形成することが記載され、また、そのような構成により、界面活性剤や洗剤、溶剤などで濡れていても、手指が滑ることなくスムーズにキャップを回すことができることが記載されている。
他方、ローレットのないキャップは、手指の腹に食い込む縦リブがないため、痛みを感じることは少ないが、手指が滑って回転させることが困難な場合が生じる。
また、本発明は、前記の容器用キャップを、内容物が充填された容器の口部に螺着してなる、内容物入り容器を提供するものである。
また本発明によれば、キャップを回転させる際に、手指に痛みを感じにくい上に、開封しやすい容器が提供される。
第1実施形態の容器用のキャップ1(以下、単にキャップ1ともいう)は、内周面13に螺条13aを有し、回転させることにより容器2の口部3に着脱される、容器用のキャップである。
詳細には、キャップ1は、平板状の天面部11と天面部11の周縁部から垂下するように形成された筒状部12とを有しており、筒状部12の内周面13に螺条13aを有している。筒状部12の下端12bが、キャップ1の下端となっている。
キャップ1の螺条13a及び容器の口部3の螺条3aの形態は、特に制限されず、キャップ1を、回転させることにより容器の口部3に着脱し得る限り任意の形態とすることができる。キャップ1又は口部3に設けられた螺条は、キャップ1又は口部3に断続線状に配置された複数の凸部からなるものであっても良い。
また図4に示すように、外周面14の周方向Xにおけるローレット部15が形成されている部位に、縦リブ15aが形成されていない非ローレット部16が形成されている。本実施形態における非ローレット部16は、外周面14の周方向Xに形成された複数のローレット部15それぞれの上側(天面部11側)に位置している。本明細書において「下側」は、キャップの高さ方向Yにおいてキャップの下端12b側であり、「上側」は、キャップの高さ方向Yにおいてキャップの下端12b側とは反対側(本実施形態においては天面部11側)である。
ローレット部15と非ローレット部16は、周方向Xにおけるそれぞれの長さの好ましくは2/3以上の長さ、より好ましくは3/4以上の長さが、周方向Xにおいて重なっていることが好ましい。
また本実施形態のキャップ1においては、ローレット部15とその上側(天面部11側)に位置する非ローレット部16とからなるペアが、図4に示すように、外周面14の周方向Xに等間隔に6個配置されている。なお、図4に示された外周面14の展開図における右端P1と左端P1とは、図3に示すように、非展開状態の円筒状の外周面14においては同位置である。
このとき、本実施形態のキャップ1は、1以上の手指の腹が非ローレット部16に当接し、その状態からキャップ1を回転させると、非ローレット16に当接している手指が非ローレット部16とともに非ローレット部16の前方境界線Laに位置する縦リブ15aとも接触し、その縦リブ15aが滑り止めとなって、キャップ1との間にすべりが生じにくい。更に非ローレット16に当接している手指が、非ローレット部16とともに非ローレット部16の後方境界線Lbに位置する縦リブ15aとも接触するため、後方境界部線Lb側の縦リブ15aも滑り止めとなって、キャップ1との間のすべりが一層生じにくい。
このように、本実施形態のキャップ1によれば、手指の腹を平坦な非ローレット部16に当接させながら回転させることができるので、縦リブ15aが食い込むことにより手指に痛みを感じることが生じにくく、しかもその手指が、非ローレット部16の前方境界部線Laに位置する縦リブ15aとも当接し、しかも、前方境界部線Laがキャップ1の周方向に対して大きな角度を有するため、傾斜角度が小さい場合に比べて、手指による回転力が、前方境界部線Laに存する縦リブ15aに効果的に加わる。即ち、本実施形態のキャップ1によれば、キャップ1を開封時回転方向Fに回転させる際に、手指との間にすべりが生じ難い上に、手指に痛みを感じにくく、例えば、力が弱い人でも容易にキャップ1を回転させることができ、容易にキャップ1を取り外して口部3上端の開口部を開放させることができる。
なお本発明は、前方境界線と後方境界線とに手指の腹が同時に接するキャップに限定されず、何れかの境界線に手指の腹が接するキャップも含む。
また縦リブ15aが突出する基面と非ローレット部16の表面16sとの間には、段差(キャップ1の径方向dにおける高低差)がないことが好ましい。
非ローレット部16から連続して縦リブ15aが設けられていると、キャップと手指間に一層すべりが生じ難くなり、キャップを回転させるときに、必要以上の力をキャップに加える必要がなく、手指に一層痛みを感じにくいため好ましい。なお、キャップ1の周方向にいて隣り合う縦リブ15a間に存する溝部15bも、非ローレット部16の表面16sと同じ高さに底部を有することが好ましい。
例えば、上述した実施形態のキャップ1は、図4に示すように、ローレット部15及び非ローレット部16は、何れも、外周面14の展開図において三角形状、より詳細には直角三角形状であったが、図9に示す実施形態のキャップは、ローレット部15が直角三角形状であるのに対して、非ローレット部16は、台形状(略台形を含む、以下同様)である。図9に示す実施形態のキャップにおける非ローレット部は、前方境界線La、後方境界線Lb、外周面14の周方向Xに隣り合うローレット部の上端どうしを結ぶ直線Lu、及び外周面14の周方向Xに隣り合うローレット部の下端どうしを結ぶ直線Ldに囲まれた領域であり、キャップ1の上端側(天面部11側)に下底、キャップ1の下端12b側に下底よりも長さの短い上底を有する台形状である。この場合、外周面14の周方向Xにおいて、ローレット部15間に存する隙間の長さL6は、0mmより大きく、好ましくは8mm以下であり、より好ましくは5mm以下である。かかる長さであると、前方境界線Laまたは後方境界線Lb或いは両境界線La,Lbに成人の手指が当たり易くなり、手指に痛みを感じにくいという利点を維持しつつ、手指の滑りにくさを一層向上させることができ、好ましい。
また、図11に示すように、各ローレット部15の上側に非ローレット部16を有するのに加え、ローレット部15の一部を挟んで非ローレット部16と対向する部位に第2の非ローレット部17を有していても良い。
図9〜図11に外周面の展開図を示す他の実施形態のキャップにおいても、非ローレット部16は、開封時回転方向Fの前方に位置するローレット部15との境界線である前方境界線Laと、開封時回転方向Fの後方に位置するローレット部15との境界線である後方境界線Lbとで、外周面14の周方向に延びる周方向基準線Lに対する傾斜角度が異なり、より具体的には、前方境界線Laの方が、後方境界線Lbよりも周方向基準線Lに対する傾斜角度が大きくなっているため、上述した実施形態のキャップ1と同様の効果が奏される。
上述した各実施形態のキャップを、液状の内容物が充填された、図7(a)及び図8に示す容器2の口部3に螺着してなる内容物入り容器は、本発明の内容物入り容器の好ましい実施形態の例である。液状の内容物としては、シャンプー、リンス、ヘアコンディショナー、液体石鹸、染毛剤、食器用洗剤、洗濯用の洗剤、柔軟剤及び漂白剤、マウスウォッシュ、消臭剤、飲料、液状食品、調味料、薬剤等、容器に収容して取引や保管等されている各種液体が挙げられる。
11 天面部
12 筒状部
12b 筒状部及びキャップの下端
13 内周面
13a 螺条
14 外周面
X 外周面の周方向
15 ローレット部
15a,15T 縦リブ
15b 溝部
16 非ローレット部
La 前方境界線
Lb 後方境界線
θ1 前方境界線の周方向基準線に対する傾斜角度
θ2 後方境界線の周方向基準線に対する傾斜角度
2 容器
3 口部
Claims (9)
- 内周面に螺条を有し、回転させることにより容器の口部に着脱される容器用のキャップであって、
外周面における周方向の複数の部位に、縦リブが複数並列に形成されたローレット部が形成され、複数の該ローレット部それぞれの上側又は下側に、前記縦リブが形成されていない非ローレット部が形成されており、
前記非ローレット部は、キャップを開ける際の回転方向である開封時回転方向の前方に位置する前記ローレット部との境界線である前方境界線と、前記開封時回転方向の後方に位置する前記ローレット部との境界線である後方境界線とで、前記外周面の周方向に延びる周方向基準線に対する傾斜角度が異なる、容器用のキャップ。 - 前記前方境界線は、前記後方境界線よりも前記周方向基準線に対する傾斜角度が大きい、請求項1に記載の容器用のキャップ。
- 前記ローレット部を構成する縦リブは、前記開封時回転方向の後側から前側に向かって長さが漸減している、請求項1又は2に記載の容器用のキャップ。
- 前記非ローレット部は、キャップの高さ方向に沿う最大長さが、前記ローレット部の同方向に沿う最大長さの2/3以上である、請求項1〜3の何れか1項に記載の容器用のキャップ。
- 前記非ローレット部は、外周面の展開図において三角形状又は台形状である、請求項1〜4の何れか1項に記載の容器用のキャップ。
- 前記非ローレット部が、複数の前記ローレット部それぞれの上側に形成されている、請求項1〜5の何れか1項に記載の容器用のキャップ。
- 前記前方境界線は、前記周方向基準線に対する傾斜角度が略90°であり、前記後方境界線は、前記周方向基準線に対する傾斜角度が15〜60°である、請求項1〜6の何れか1項に記載の容器用のキャップ。
- 前記ローレット部及び前記非ローレット部は、何れも、外周面の展開図において直角三角形状である、請求項1〜7の何れか1項に記載の容器用のキャップ。
- 請求項1〜8の何れか1項に記載の容器用キャップを、内容物が充填された容器の口部に螺着してなる、内容物入り容器。
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