JP2016210326A - 液圧制御装置 - Google Patents
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Abstract
Description
また、スライドコアを介在させる成形では、ピストンの同軸度が崩れ易く、摺動部分のシール性が低下し易かった。
また、スライドコアを介在させる必要性が低減されて、ピストンの同軸度の精度が向上されることとなって、摺動部分のシール性が向上される。
なお、本発明に係る液圧制御装置は、モータサイクル以外の車両(例えば、自動車、トラックなど)に用いられてもよい。
また、以下で説明する構成、動作などは、一例であり、本発明に係る液圧制御装置は、そのような構成、動作などである場合に限定されない。例えば、本発明に係る液圧制御装置は、ポンプ装置2を有しなくてもよい。例えば、本発明に係る液圧制御装置は、ABS(Antilock Brake System)としての動作以外を行うものであってもよい。
また、各図において、詳細部分の図示が適宜簡略化または省略されている。また、重複する説明が、適宜簡略化または省略されている。
<液圧制御システム100の全体構成>
図1は、本発明の実施の形態に係る液圧制御装置1を含む液圧制御システム100を示す概要構成図である。
液圧制御システム100は、たとえばモータサイクルなどの車両に搭載され、モータサイクルの制動力を変化させる液圧制御装置1を備えている。モータサイクルは、前輪20および後輪30と、モータサイクルを運転するユーザーが操作するハンドルレバー24およびフットペダル34とを備えている。このハンドルレバー24を操作すると前輪20の制動力が変化し、フットペダル34を操作すると後輪30の制動力が変化する。
図2は、本発明の実施の形態に係る液圧制御装置1を示す分解斜視図である。
図1、図2に示すように、液圧制御装置1は、たとえば自動二輪車などの車両に組み込まれるものである。液圧制御装置1は、ブレーキ液が流れる内部流路4と、内部流路4内のブレーキ液を第1マスターシリンダ25および第2マスターシリンダ35側に搬送するのに用いられるポンプ装置2と、前輪液圧回路C1および後輪液圧回路C2に設けられた開閉自在の調整弁3と、を備えている。なお、調整弁3は、第1増圧弁3Aおよび第1減圧弁3Bと、第2増圧弁3Cおよび第2減圧弁3Dと、を含む。
また、液圧制御装置1は、ブレーキ液管23などの対応する液管に接続される各種ポートPと、内部流路4を流れるブレーキ液の流量を規制する第1フロートリストリクタ5Aおよび第2フロートリストリクタ5Bと、ブレーキ液を貯留可能な第1アキュムレータ部6Aおよび第2アキュムレータ部6Bと、を備えている。なお、各種ポートPは、第1ポートP1、第2ポートP2、第3ポートP3および第4ポートP4を含む。
さらに、液圧制御装置1は、調整弁3の開閉などを制御する電子制御基板を有する電子制御ユニット7と、フロントホイールシリンダ22の圧力を検出する第1圧力センサ8Aおよびリアホイールシリンダ32の圧力を検出する第2圧力センサ8Bなどを含む検出部8と、を備えている。
液圧制御装置1は、金属製の基体10に内部流路4とポンプ装置2と調整弁3と各種ポートPと第1フロートリストリクタ5Aおよび第2フロートリストリクタ5Bと第1アキュムレータ部6Aおよび第2アキュムレータ部6Bとを一体化させている。また、ハウジングに被さるケースにて電子制御ユニット7を囲んでいる。
内部流路4は、基体10に形成され、前輪液圧回路C1の一部を構成する第1内部流路4A、第2内部流路4Bおよび第3内部流路4Cと、後輪液圧回路C2の一部を構成する第4内部流路4D、第5内部流路4Eおよび第6内部流路4Fと、を含む。
ポンプ装置2は、たとえばDCモータなどで構成することができる駆動機構2Aと、駆動機構2Aによって駆動力が与えられる2つのポンプエレメント2Bとを含む。駆動機構2Aは、固定子および回転子などを含み、回転数が電子制御ユニット7によって制御される。一方のポンプエレメント2Bは、前輪液圧回路C1内のブレーキ液の搬送に用いられる。また、一方のポンプエレメント2Bは、第3内部流路4C内のブレーキ液を第1内部流路4A側に搬送する。他方のポンプエレメント2Bは、後輪液圧回路C2内のブレーキ液の搬送に用いられる。また、他方のポンプエレメント2Bは、第6内部流路4F内のブレーキ液を第4内部流路4D側に搬送する。
調整弁3は、内部流路4に設けられた弁である。調整弁3は、電子制御ユニット7によって開閉が制御される。調整弁3は、第1増圧弁3A、第1減圧弁3B、第2増圧弁3Cおよび第2減圧弁3Dを含む。調整弁3は、たとえば、ソレノイドを備えた電磁弁を用いて構成することができ、電子制御ユニット7によって通電が制御されて開閉状態が切り替えられる。
第1増圧弁3Aは、一方が第1内部流路4Aに接続され、他方が第2内部流路4Bに接続されている。第1増圧弁3Aは、ABS作動時において、フロントホイールシリンダ22内のブレーキ液の圧力を増圧するときに開かれる弁である。すなわち、第1増圧弁3Aが開かれると、第1マスターシリンダ25および第1マスターシリンダ25に対応する一方のポンプエレメント2Bの作用によって第1内部流路4A側のブレーキ液が第2内部流路4B側に押し込まれる。その結果、フロントホイールシリンダ22の圧力が上昇し、フロントブレーキパッド21の開きが小さくなり、前輪20の制動力が上昇する。
ABS作動時において、第1減圧弁3Bを開く場合には、第1増圧弁3Aを閉じ、第1増圧弁3Aを開く場合には、第1減圧弁3Bを閉じる。
ABS作動時において、第2減圧弁3Dを開く場合には、第2増圧弁3Cを閉じ、第2増圧弁3Cを開く場合には、第2減圧弁3Dを閉じる。
各種ポートPは、ハンドルレバー24などの駆動機構に対応する第1ポートP1と、フットペダル34などの駆動機構に対応する第2ポートP2と、フロントブレーキパッド21などの駆動機構に対応する第3ポートP3と、リアブレーキパッド31などの駆動機構に対応する第4ポートP4とを含む。第1ポートP1は、ブレーキ液管27と第1内部流路4Aとに接続されている。第2ポートP2は、ブレーキ液管37と第4内部流路4Dとに接続されている。第3ポートP3は、第2内部流路4Bとブレーキ液管23とに接続されている。第4ポートP4は、第5内部流路4Eとブレーキ液管33とに接続されている。
第1フロートリストリクタ5Aは、第1内部流路4Aのうち一方のポンプエレメント2Bのブレーキ液の流出側の部分に設けられている。第2フロートリストリクタ5Bは、第4内部流路4Dのうち他方のポンプエレメント2Bのブレーキ液の流出側の部分に設けられている。第1フロートリストリクタ5Aの作用により、ブレーキ液が、一方のポンプエレメント2B側から第1マスターシリンダ25側に流出し、第1マスターシリンダ25のブレーキ液の圧力が急激に上昇することを抑制することができる。第2フロートリストリクタ5Bも、第1フロートリストリクタ5Aに対応する作用を有し、第2マスターシリンダ35のブレーキ液の圧力が急激に上昇することを抑制することができる。
第1アキュムレータ部6Aは、第3内部流路4Cに設けられている。第1アキュムレータ部6Aは、たとえば前輪液圧回路C1のブレーキ液の液圧の保持などに用いられる。第2アキュムレータ部6Bは、第6内部流路4Fに設けられている。第2アキュムレータ部6Bは、後輪液圧回路C2のブレーキ液の液圧の保持などに用いられる。
電子制御ユニット7は、検出部8からの信号を受けて、ポンプ装置2の駆動機構2Aの回転数および調整弁3の開閉などを制御するものである。電子制御ユニット7は、ABS作動時において、調整弁3の開閉を制御して、前輪20および後輪30がロックしてしまうことを回避している。
ここでは、第1アキュムレータ部6Aを一例に挙げて説明する。なお、第2アキュムレータ部6Bも同様の構成であってよい。
図3に示すように、第1アキュムレータ部6Aは、シリンダ穴61に貯留させるブレーキ液の液量を変化させるピストン型リザーバであり、ピストン62と、弾性体としての圧縮コイルばね63と、Oリング64と、リテーナ65と、を備える。
Oリング64は、本発明の「環状シール部材」に相当する。
シリンダ穴61は、軸線方向の一端側の穴の側壁が小径内周部61aとなり、第1段部61bを経て拡径されて大部分の側壁が同径の中径内周部61cとなり、第2段部61dを経て拡径されて側壁が大径内周部61eとなり、第3段部61fを経て拡径されて開口内周部61gとなる。
小径内周部61aは、本発明の「第2小径部」に相当する。中径内周部61cは、本発明の「第2大径部」に相当する。第1段部61bは、本発明の「段部」に相当する。
凸部61b2および凹部のそれぞれは、本発明における「凹凸部」に相当する。
ピストン62は、ばね収容室67側から液圧室66側に向かって、つまり、シリンダ穴61の他端側から一端側に向かって、圧縮コイルばね63によって付勢された状態で、シリンダ穴61の一端側から液圧室66に流入するブレーキ液を受ける。
ピストン62は、例えば、樹脂製であり、シリンダ穴61の小径内周部61aよりも小径な円板状の円板部62aと、液圧室66側の端部が円板部62aで閉塞されている円筒部62bと、円筒部62bのばね収容室67側に接続されていて円筒部62bと比較して大径の環状部62cと、を有する。つまり、ピストン62の、シリンダ穴61の軸線方向における断面は、凸状であり、ピストン62は、環状部62c側が開口する内部中空を含む。なお、ピストン62は、内部中空ではなく内部に樹脂が充填された形状であってもよい。
円筒部62bは、本発明の「第1小径部」に相当する。環状部62cは、本発明の「第1大径部」に相当する。
また、ピストン62のばね収容室67側である環状部62cの外周部は、シリンダ穴61の中径内周部61cの内側を摺動する摺動部62eである。
Oリング64は、ピストン62の円筒部62bに装着され、シリンダ穴61の中径内周部61cと円筒部62bとの間を往復移動しつつシールする。
図4は、本発明の実施の形態に係る真空引き状態の第1アキュムレータ部6Aを示す説明図である。
図4に示すように、図示矢印の流路孔40A、40Bへの真空引きの際には、前輪液圧回路C1内の空気を抜くため、ピストン62がシリンダ穴61の最も一端側に移動する。ピストン62は、円筒部62bをシリンダ穴61の小径内周部61aの内側まで挿入させる。このとき、シリンダ穴61の小径内周部61aとピストン62の小径外周部62dとの間には、環状隙間68が形成される。そして、ピストン62のシリンダ穴61の一端側への移動は、シリンダ穴61の一端側の流路孔40A、40Bが形成された面に突き当たることで制止される。また、Oリング64のシリンダ穴61の一端側への移動は、第1段部61bに突き当たることで、つまり、第1段部61bのOリング64と対向する面であるスラスト面61b1の、複数点在する凸部61b2に突き当たることで、制止される。すなわち、ピストン62の液圧室66側の端面から環状部62cのOリング64が当接する箇所までの、シリンダ穴61の軸線方向における距離と、シリンダ穴61の一端側の端面(つまり、流路孔40A、40Bが形成されている端面)から第1段部61bのOリング64を受ける箇所(つまり、凸部61b2の頂部)までの、シリンダ穴61の軸線方向における距離と、の差は、シリンダ穴61の軸線方向におけるOリング64の厚さと比較して長いとよい。このように構成されることで、Oリング64に生じる損傷が低減される。
図5は、比較例に係るアキュムレータ部206Aを示す説明図である。
図5に示す比較例では、ピストン262は、Oリング264が配置される半径方向内向きの断面U字状の環状溝269を有する。
比較例では、環状溝269を有するため、ピストン262を成形する成形型として上下分割タイプの成形型の上側の型と下側の型との間に環状溝269を成形するためのスライドコアを介在させる必要がある。また、スライドコアを介在させる成形では、ピストン262の同軸度の精度が悪く、摺動部分のシール性が低下してしまう。
図6は、本発明の実施の形態の他の例に係る第1アキュムレータ部6Aを示す説明図である。
図6に示すように、環状部62cが半径方向内向きの断面U字状の環状溝69を有し、環状溝69に第2のOリング70が配置されていてもよい。円筒部62bには、上記実施の形態と同様にOリング64が装着される。このように構成される場合であっても、1つ目のOリング64がピストン62の円筒部62bに配置されることで、全てのOリングが環状溝に配置される場合と比較して、ピストン62の成形のコストが削減される。また、ピストン62の同軸度の精度が向上されて、摺動部材のシール性が向上される。
図7に示すように、ピストン62の円筒部62bに装着される環状シール部材は、Dリング64aであってもよい。Dリング64aであると、液圧室66に流入するブレーキ液の液圧をより多く受圧することができるため、環状シール部材を第1段部61bからスムーズに離すことができる。
図8に示すように、ピストン62の円筒部62bに装着される環状シール部材は、シリンダ穴61の他端側(ばね収容室67側)に凸状の半円形リング64bであってもよい。凸状の半円形リング64bであると、液圧室66に流入するブレーキ液の液圧をより多く受圧することができるため、環状シール部材を第1段部61bからスムーズに離すことができる。
図9に示すように、ピストン62の円筒部62bに装着されるOリング64と、シリンダ穴61の第1段部61bと、の間に第2の圧縮コイルばね71が、配設され、Oリング64が、シリンダ穴61の他端側(ばね収容室67側)に向かって付勢されていてもよい。第2の圧縮コイルばね71は、圧縮コイルばね63と比較して、弾性係数が小さいばねである。第2の圧縮コイルばね71を配設することで、環状シール部材を第1段部61bからスムーズに離すことができる。
Claims (7)
- ブレーキ液圧回路の液圧を制御する液圧制御装置であって、
前記ブレーキ液圧回路の一部を構成する内部流路と、軸線方向の一端にて前記内部流路に連通し他端を開口したシリンダ穴と、が形成された基体と、
前記シリンダ穴に貯留される液量を変化させるアキュムレータ部と、
を備え、
前記アキュムレータ部は、
前記シリンダ穴の内部を軸線方向に往復移動し、前記他端側から前記一端側に向かって付勢された状態で、前記一端側から前記シリンダ穴に流入するブレーキ液を受けるピストンと、
前記シリンダ穴の側壁と前記ピストンの外周部との間に配置される環状シール部材と、
を備え、
前記ピストンは、
前記一端側の端部に設けられ、前記シリンダ穴の径よりも小径な第1小径部と、
前記第1小径部の前記他端側に設けられ、前記第1小径部よりも大径な第1大径部と、
を含み、
前記環状シール部材は、前記ピストンの前記第1小径部に装着され、前記シリンダ穴の側壁と前記第1小径部との間をシールしつつ軸線方向に往復移動する、
液圧制御装置。 - 前記シリンダ穴は、
前記環状シール部材の外周部が摺動する第2大径部と、
前記第2大径部の前記一端側に設けられ、前記第2大径部よりも小径な第2小径部と、
を含む、
請求項1に記載の液圧制御装置。 - 前記シリンダ穴の前記第2大径部と前記第2小径部との段部であって前記環状シール部材と対向する面に凹凸部が設けられた、
請求項2に記載の液圧制御装置。 - 前記シリンダ穴の前記第2小径部と前記一端側に移動した前記ピストンの前記第1小径部との間に環状隙間が形成される、
請求項2または3に記載の液圧制御装置。 - 前記環状シール部材は、Oリングである、
請求項1〜4のいずれか1項に記載の液圧制御装置。 - 前記ブレーキ液圧回路の一部を構成する調整弁と、
前記調整弁を制御する電子制御基板と、
を更に具備する、
請求項1〜5のいずれか1項に記載の液圧制御装置。 - モータサイクルに組み込まれている、
請求項1〜6のいずれか1項に記載の液圧制御装置。
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JP2009241750A (ja) * | 2008-03-31 | 2009-10-22 | Nissin Kogyo Co Ltd | 車両用ブレーキ液圧制御装置のリザーバ |
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- 2015-05-12 JP JP2015096971A patent/JP6594026B2/ja active Active
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