JP2016208945A - とろみソースの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】調理におけるとろみ付けにおいて、簡便な方法で澱粉のダマ形成を抑制できて、かつ、とろみ付け作業が容易で自然な風味を有するとろみ付け用のとろみソースの製造方法を提供すること。【解決手段】澱粉と酒類を含有する混合液を高圧均質機による均質化処理を行い、澱粉粒を部分的に崩壊せしめることにより、澱粉のダマ形成を抑制できて、かつ、とろみ付け作業が容易で自然な風味を有するとろみ付け用のとろみソースを得る。【選択図】なし
Description
本発明は、とろみを有するスープやたれの調製に利用できるとろみソースの製造方法に関する。
八宝菜、かに玉、酢豚、マーボ豆腐、天津飯、あんかけラーメンのような中華料理、カレーライス、ハヤシライスなどのソース類には、とろみを有するスープやたれ、ソース類が広く利用されている。これらのとろみ付けには、水で溶いた片栗粉や葛粉を調理中に添加して加熱調理することにより、澱粉が糊化して適度な粘度が付与される。
上記のとろみ付けにおいて、問題になるのがダマ(ままこ、とも呼ばれる)の発生である。例えば、水溶き片栗粉の場合、調理中の熱い料理に直接片栗粉を加えると、すぐに糊化してダマになる。それを防ぐためには、片栗粉をいったん熱くない水に溶かしてから加える必要があるが、水溶き片栗粉の分量比は片栗粉の吸水量から片栗粉と水の分量は1:1程度と濃厚であるため、意外と難しいと言われている。水溶き片栗粉は放置しておくとすぐに沈殿して固まるため、料理への添加直前に良く混ぜないとダマになることが多く、しかも添加後の火加減にもコツが要り、加熱が不十分だとぶつぶつ切れるような硬い状態になり、それを超えて加熱するとなめらかなとろみが得られる。
上記のような澱粉がダマになることを防止し、家庭で簡便にとろみ付けができる素材が種々提案されている。
特許文献1は、液状食品に混合することにより、適度なとろみを付与し、かつ、溶解時に溶け残り(ダマ)が生じにくいトロミ剤組成物に関し、キサンタンガムとカルシウム塩とクエン酸塩とを含有するものである。
特許文献2は、常温や冷蔵状態の濃厚な液状食品(流動食など)に直接添加してもダマにならず、その使用時において適宜、その添加量によってトロミ(粘性)を調整できる、液状食品増粘化剤及びその製造法に関する。本増粘化剤は、キサンタンガムと、解離度が乳酸よりも大きい有機酸及び/又は無機酸を含有するものである。
特許文献3は、熱湯を注ぐことにより、とろみのある粘性を発現し、表面が滑らかな外見を有するペースト状ソースを作ることができる即席食品に関し、顆粒状α化澱粉と粉末状α化澱粉との混合物を開示している。
特許文献4は、とろみ調整剤などに使用される、ダマの形成を抑制できる従来品より分散性の改善された増粘組成物に関し、金属塩の含有量が澱粉分解物100質量部に対し、0.5〜40質量部である金属塩含有澱粉分解物と増粘多糖類とを含むものである。
特許文献5は、分散剤などの余分な添加物を用いることなく、湯又は水を注加することでとろみ成分であるデンプンがダマになることなくきれいに溶解し、本格感がありつつ十分なとろみを有するスープを簡単に調理することができるとろみスープ用ベースに関する。油脂及び10〜70質量%のデンプンを含有するA包、及び、調味組成物を含有するB包のとろみスープ用ベースを少なくとも2以上の別包装とし、これに湯又は水を注加するだけで簡便にとろみを有するスープの調製を可能としたものである。
特許文献1は、液状食品に混合することにより、適度なとろみを付与し、かつ、溶解時に溶け残り(ダマ)が生じにくいトロミ剤組成物に関し、キサンタンガムとカルシウム塩とクエン酸塩とを含有するものである。
特許文献2は、常温や冷蔵状態の濃厚な液状食品(流動食など)に直接添加してもダマにならず、その使用時において適宜、その添加量によってトロミ(粘性)を調整できる、液状食品増粘化剤及びその製造法に関する。本増粘化剤は、キサンタンガムと、解離度が乳酸よりも大きい有機酸及び/又は無機酸を含有するものである。
特許文献3は、熱湯を注ぐことにより、とろみのある粘性を発現し、表面が滑らかな外見を有するペースト状ソースを作ることができる即席食品に関し、顆粒状α化澱粉と粉末状α化澱粉との混合物を開示している。
特許文献4は、とろみ調整剤などに使用される、ダマの形成を抑制できる従来品より分散性の改善された増粘組成物に関し、金属塩の含有量が澱粉分解物100質量部に対し、0.5〜40質量部である金属塩含有澱粉分解物と増粘多糖類とを含むものである。
特許文献5は、分散剤などの余分な添加物を用いることなく、湯又は水を注加することでとろみ成分であるデンプンがダマになることなくきれいに溶解し、本格感がありつつ十分なとろみを有するスープを簡単に調理することができるとろみスープ用ベースに関する。油脂及び10〜70質量%のデンプンを含有するA包、及び、調味組成物を含有するB包のとろみスープ用ベースを少なくとも2以上の別包装とし、これに湯又は水を注加するだけで簡便にとろみを有するスープの調製を可能としたものである。
特許文献1及び2の方法は、食品添加物である増粘剤を利用するものであり、コストの問題とやや自然さに欠ける風味の点で十分満足しうるものではなかった。特許文献3及び4は特殊な澱粉や澱粉分解物を含有するもので、水溶き片栗粉との対比においてやや自然さに欠ける違和感のある風味という問題があった。特許文献5の方法は、簡便にとろみを有するスープが調製できる利点があるが、スープ用ベース調製のために大規模で煩雑な製造工程を要するという問題があった。
上記より、調理におけるとろみ付けにおいて、簡便に調製可能で、澱粉のダマ形成を抑制できて、かつ、とろみ付け作業が容易で自然な風味を有するとろみ付け用素材が求められていた。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、澱粉と酒類を含有する混合液を、高圧均質機によって均質化処理を行ない、澱粉粒子を部分的に崩壊させることにより、澱粉のダマ形成を抑制できて、かつ、とろみ付け作業が容易で自然な風味を有するとろみ付け用ソースが調製できることを見い出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は
(1)澱粉と酒類を含有する混合液を高圧均質機による均質化処理を行い、澱粉粒を部分的に崩壊せしめることを特徴とするとろみソースの製造方法。
(2)澱粉が片栗の根由来の澱粉、馬鈴薯澱粉、トウモロコシ澱粉、小麦澱粉、米澱粉、豆類由来の澱粉、サツマイモ澱粉、タピオカ澱粉から選択される1種以上である(1)記載のとろみソースの製造方法。
(3)酒類のアルコール含有量が5〜30重量%である(1)または(2)記載のとろみソースの製造方法。
(4)含有する澱粉と酒類の重量比率が1:0.5〜5である(1)〜(3)のいずれか1記載のとろみソースの製造方法。
(5)澱粉粒の崩壊度が1〜30%である(1)〜(4)のいずれか1記載のとろみソースの製造方法。
である。
(1)澱粉と酒類を含有する混合液を高圧均質機による均質化処理を行い、澱粉粒を部分的に崩壊せしめることを特徴とするとろみソースの製造方法。
(2)澱粉が片栗の根由来の澱粉、馬鈴薯澱粉、トウモロコシ澱粉、小麦澱粉、米澱粉、豆類由来の澱粉、サツマイモ澱粉、タピオカ澱粉から選択される1種以上である(1)記載のとろみソースの製造方法。
(3)酒類のアルコール含有量が5〜30重量%である(1)または(2)記載のとろみソースの製造方法。
(4)含有する澱粉と酒類の重量比率が1:0.5〜5である(1)〜(3)のいずれか1記載のとろみソースの製造方法。
(5)澱粉粒の崩壊度が1〜30%である(1)〜(4)のいずれか1記載のとろみソースの製造方法。
である。
本発明によれば、簡便な方法で澱粉のダマ形成を抑制できて、かつ、とろみ付け作業が容易で自然な風味を有するとろみ付け用のとろみソースを得ることができる。また、本発明のとろみソースは、放置後に沈殿しても締まらない特長があるため、使用前に軽く撹拌するだけで調理用とろみソースとして使用することができる。さらに、本発明のとろみソースはアルコール分を含有するため保存性に優れる利点もあり、とろみソース中のアルコール分は加熱調理中に自然に蒸散させることができるため、使用する酒類の選択により料理酒としての風味付けやコク味付けを行うこともできる。
本発明に使用することができる澱粉としては、特に限定はなく、片栗の根由来の澱粉、馬鈴薯澱粉、トウモロコシ澱粉、小麦澱粉、米澱粉、豆類由来の澱粉、サツマイモ澱粉、タピオカ澱粉、これらの澱粉をリン酸架橋、アセチル化リン酸架橋、ヒドロキシプロピル化リン酸架橋、アセチル化アジピン酸架橋から選ばれる化工処理を行った化工澱粉、酸処理、アルカリ処理、アルファ化、漂白処理、酵素処理、加熱処理、湿熱処理、油脂化工処理から選ばれる物理加工を行った澱粉から選択される1種以上を使用することができる。とろみソースとして、水溶き片栗粉に近い自然な風味を得るために、好ましくは、片栗の根由来の澱粉、馬鈴薯澱粉、トウモロコシ澱粉、小麦澱粉、米澱粉、豆類由来の澱粉、サツマイモ澱粉、タピオカ澱粉から選択される1種以上であり、化工処理や物理加工を行っていない澱粉であるのが望ましい。
本発明に使用する酒類としては、アルコール含有量が5〜30重量%のものが好ましく、より好ましくは10〜25重量%のものが使用でき、日本酒、料理酒、ワイン、果実酒、焼酎、これらを水で希釈したものが例示できる。コストと料理酒としての風味付け、コク味付けの点から、好ましくは日本酒、料理酒、ワインから選択される1種以上であるのが望ましい。
本発明のとろみソースに含有する澱粉と酒類の重量比率は、1:0.5〜5であるのが好ましく、より好ましくは1:1.5〜2.5である。酒類の重量比率が0.5より低いと、とろみソースの粘度が高くなりすぎて料理への添加が困難になる傾向がある。逆に、5を超えると、粘度が低くなりすぎて料理へのとろみソース添加量を多く必要とするため、使い勝手の悪いものとなる。
本発明のとろみソースにおける澱粉粒の崩壊度は1〜30%であるのが好ましく、より好ましくは5〜20%である。澱粉粒の崩壊度が1%未満であると、とろみソース保管後に澱粉が沈殿して硬く締まり、使用時の撹拌による分散が困難になる。逆に30%を超えると、とろみソースのとろみが付きにくくなるとともに、ややねたつきを感じる食感になる傾向がある。なお、澱粉の崩壊度は、以下の方法で視覚的に確認することができる。すなわち、調製した澱粉含有のとろみソースをよく撹拌後、スライドグラスに数滴取り、これにヨウ素溶液を数滴添加して混合した後、カバーガラスに乗せ、光学顕微鏡を用いて澱粉粒の崩壊度を視覚的に観察する。高圧均質機による均質化処理前後の顕微鏡写真の対比により、澱粉粒崩壊度を測定することができる。
本発明の高圧均質機とは、湿式ジェットミル、ホモミキサー、ホモジナイザー、コロイドミル、マスコロイダー、マイルダーなどが例示でき、かかる高圧均質機によって澱粉含有液に強力なせん断力や高圧を与えることによる均質化処理によって、澱粉粒を部分的に崩壊させることができる。均質化圧力や均質化温度は、澱粉粒を上記範囲内で部分的に崩壊させることができれば特に制限はないが、圧力は1〜100Mpaの範囲であり、温度は20〜50℃で澱粉の糊化開始温度より低い方が好ましい。
本発明のとろみソースは、例えば以下の手順で簡便に作成することができる。アルコール含有量5〜30重量%の常温の酒類50〜500部に対し、軽く撹拌しながら澱粉100部を添加、混合する。調製した混合液を、常温のままで湿式ジェットミルなどの高圧均質機により均質化処理を行う。均質化処理により、澱粉粒の崩壊度1〜30%のとろみソースを得ることができる。
本発明のとろみソースは、その他の原料に特に限定は無く、乳製品、油脂類、果物・果菜類、野菜・根菜類、豆類、魚介・肉類、糖類、餡類、甘味料、酸味料、強化剤、色素類、香料、乳化剤等を必要に応じて、澱粉及び酒類とともに使用することができる。
得られたとろみソースは、密封し冷蔵保管すれば、比較的長期間、例えば約3カ月は保存可能であり、調理使用時に少し撹拌して均一にしてから料理のとろみ付けに利用することができる。
本発明のとろみソースは、八宝菜、かに玉、酢豚、マーボ豆腐、天津飯、あんかけラーメンのような中華料理、カレーライス、ハヤシライスなどのソース類、シチュー類、団子類のたれなどとろみを有する食品全般に利用することができる。本発明のとろみソースの各料理や食品のスープ、ソース、たれに添加する使用量は特に限定はないが、好ましくは澱粉量として0.1〜10重量%、より好ましくは澱粉量として0.3〜3重量%である。
以下に本発明の実施例を示し、本発明をより詳細に説明する。例中、%および部はいずれも重量基準を意味する。
<とろみソースの評価>
水200mlに対し、醤油大さじ3杯、オイスターソース大さじ3杯、豆板醤小さじ1杯、にんにく小さじ1杯、しょうが1片分を添加し、煮立つまで加熱したたれベースに対し、下記の各例で調製したとろみソースを澱粉量として1%に相当する量で添加、混合し、時々かき混ぜながら弱火で5分間煮込んで、とろみ付けした中華ドンブリ用スープを調製した。調製したスープのとろみ、スープ中のダマの発生の有無、風味及び食感を以下の基準で、10名のパネリストによる評価を行い、その平均により評価した。なお、とろみ、ダマの有無、風味及び食感の全ての項目について、○以上のものを合格とした。
<とろみ>
◎:艶があり、適度なとろみあり
○:艶があるがとろみがやや弱い
△:艶が弱く、ややとろみに欠ける
×:艶がなく、とろみに欠ける
<ダマの有無>
◎:全くダマがない
○:わずかにダマがある
△:ややダマがある
×:ダマが多い
<風味>
◎:自然なくせのない風味
○:わずかに違和感のある風味
△:やや違和感のある風味
×:違和感の強い風味
<食感>
◎:なめらかで口溶けが良好
○:ややなめらかさに欠けるが、口溶け良好
△:ややなめらかさに欠け、口溶けが重い
×:ややねたつく
水200mlに対し、醤油大さじ3杯、オイスターソース大さじ3杯、豆板醤小さじ1杯、にんにく小さじ1杯、しょうが1片分を添加し、煮立つまで加熱したたれベースに対し、下記の各例で調製したとろみソースを澱粉量として1%に相当する量で添加、混合し、時々かき混ぜながら弱火で5分間煮込んで、とろみ付けした中華ドンブリ用スープを調製した。調製したスープのとろみ、スープ中のダマの発生の有無、風味及び食感を以下の基準で、10名のパネリストによる評価を行い、その平均により評価した。なお、とろみ、ダマの有無、風味及び食感の全ての項目について、○以上のものを合格とした。
<とろみ>
◎:艶があり、適度なとろみあり
○:艶があるがとろみがやや弱い
△:艶が弱く、ややとろみに欠ける
×:艶がなく、とろみに欠ける
<ダマの有無>
◎:全くダマがない
○:わずかにダマがある
△:ややダマがある
×:ダマが多い
<風味>
◎:自然なくせのない風味
○:わずかに違和感のある風味
△:やや違和感のある風味
×:違和感の強い風味
<食感>
◎:なめらかで口溶けが良好
○:ややなめらかさに欠けるが、口溶け良好
△:ややなめらかさに欠け、口溶けが重い
×:ややねたつく
実施例1
品温20℃の市販の料理酒(アルコール度数13%)200部に対し、馬鈴薯澱粉由来の市販の片栗粉100部を撹拌しながら添加、混合した。得られた混合液を湿式ジェットミル(機器名:ナノジェットパル、株式会社常光製)に10Mpaの圧力、3Passの条件で均質化処理を行い、澱粉粒の崩壊度が約10%のとろみソースを得た。得られたとろみソースを20℃、1時間放置すると澱粉の沈殿が発生したが、スプーンで軽く撹拌すると容易に均一に分散することができた。その後、本分散とろみソース3.3部を中華ドンブリ用たれベース100部に添加、混合し、とろみソースの評価を行った。評価結果を表1に示した。
品温20℃の市販の料理酒(アルコール度数13%)200部に対し、馬鈴薯澱粉由来の市販の片栗粉100部を撹拌しながら添加、混合した。得られた混合液を湿式ジェットミル(機器名:ナノジェットパル、株式会社常光製)に10Mpaの圧力、3Passの条件で均質化処理を行い、澱粉粒の崩壊度が約10%のとろみソースを得た。得られたとろみソースを20℃、1時間放置すると澱粉の沈殿が発生したが、スプーンで軽く撹拌すると容易に均一に分散することができた。その後、本分散とろみソース3.3部を中華ドンブリ用たれベース100部に添加、混合し、とろみソースの評価を行った。評価結果を表1に示した。
実施例2
実施例1の料理酒200部を400部に代えて、実施例同様の均質化処理を行い、澱粉粒の崩壊度が約3%のとろみソースを得た。得られたとろみソースを20℃、1時間放置すると澱粉の沈殿が発生したが、スプーンで軽く撹拌すると容易に均一に分散することができた。その後、本分散とろみソース5部を中華ドンブリ用たれベース100部に添加、混合し、とろみソースの評価を行った。評価結果を表1に示した。
実施例1の料理酒200部を400部に代えて、実施例同様の均質化処理を行い、澱粉粒の崩壊度が約3%のとろみソースを得た。得られたとろみソースを20℃、1時間放置すると澱粉の沈殿が発生したが、スプーンで軽く撹拌すると容易に均一に分散することができた。その後、本分散とろみソース5部を中華ドンブリ用たれベース100部に添加、混合し、とろみソースの評価を行った。評価結果を表1に示した。
比較例1
実施例1において、均質化処理を行わずに混合液そのものをとろみソースとした。本ソースの澱粉崩壊度は0%であった。このソースを20℃、1時間放置すると澱粉の硬い沈殿が発生し、均一に分散するためスプーンでかなり強く撹拌する必要があった。その後、本分散とろみソース3.3部を中華ドンブリ用たれベース100部に添加、混合し、とろみソースの評価を行った。評価結果を表1に示した。
実施例1において、均質化処理を行わずに混合液そのものをとろみソースとした。本ソースの澱粉崩壊度は0%であった。このソースを20℃、1時間放置すると澱粉の硬い沈殿が発生し、均一に分散するためスプーンでかなり強く撹拌する必要があった。その後、本分散とろみソース3.3部を中華ドンブリ用たれベース100部に添加、混合し、とろみソースの評価を行った。評価結果を表1に示した。
比較例2
実施例1において、均質化処理を60Mpaの圧力、10Passの条件で均質化処理を行い、澱粉粒の崩壊度が40%のとろみソースを得た。得られたとろみソースを20℃、1時間放置すると澱粉の沈殿が発生したが、スプーンで軽く撹拌すると容易に均一に分散することができた。その後、本分散とろみソース3.3部を中華ドンブリ用たれベース100部に添加、混合し、とろみソースの評価を行った。評価結果を表1に示した。
実施例1において、均質化処理を60Mpaの圧力、10Passの条件で均質化処理を行い、澱粉粒の崩壊度が40%のとろみソースを得た。得られたとろみソースを20℃、1時間放置すると澱粉の沈殿が発生したが、スプーンで軽く撹拌すると容易に均一に分散することができた。その後、本分散とろみソース3.3部を中華ドンブリ用たれベース100部に添加、混合し、とろみソースの評価を行った。評価結果を表1に示した。
表1に、実施例1〜2及び比較例1〜2のとろみソース評価結果を示した。
表1のように、均質化処理を行い、澱粉崩壊度をそれぞれ、10%、3%とした実施例1及び2のとろみソースは、使い勝手も良好で、かつ、ダマの発生が全くなく、とろみ、風味、食感とも優れたものであった。比較例1の澱粉崩壊度0%のとろみソースでは、ダマの発生が認められ、風味、食感ともやや物足りないものであった。また、比較例2の澱粉崩壊度40%のとろみソースでは、ダマの発生はなかったが、とろみがないしゃぶしゃぶの状態であるとともに食感がねたつくものであった。
実施例3
実施例1の均質化処理を高圧ホモゲナイザー(三和機械株式会社製)に代えて、60Mpaの圧力、1Passの条件で均質化処理を行い、澱粉粒崩壊度が約15%のとろみソースを得た。得られたとろみソースを20℃、1時間放置すると澱粉の沈殿が発生したが、スプーンで軽く撹拌すると容易に均一に分散することができた。その後、本分散とろみソース3.3部を中華ドンブリ用たれベース100部に添加、混合し、とろみソースの評価を行った。調製したスープは使い勝手も良好で、かつ、ダマの発生が全くなく、とろみ、風味、食感とも優れたものであった。
実施例1の均質化処理を高圧ホモゲナイザー(三和機械株式会社製)に代えて、60Mpaの圧力、1Passの条件で均質化処理を行い、澱粉粒崩壊度が約15%のとろみソースを得た。得られたとろみソースを20℃、1時間放置すると澱粉の沈殿が発生したが、スプーンで軽く撹拌すると容易に均一に分散することができた。その後、本分散とろみソース3.3部を中華ドンブリ用たれベース100部に添加、混合し、とろみソースの評価を行った。調製したスープは使い勝手も良好で、かつ、ダマの発生が全くなく、とろみ、風味、食感とも優れたものであった。
本発明は、とろみを有するスープやたれの調製に利用できるとろみソースの製造方法に関し、本発明により、簡便な方法で澱粉のダマ形成を抑制できて、かつ、とろみ付け作業が容易で自然な風味を有するとろみ付け用のとろみソースの製造方法を提供することができる。
Claims (5)
- 澱粉と酒類を含有する混合液を高圧均質機による均質化処理を行い、澱粉粒を部分的に崩壊せしめることを特徴とするとろみソースの製造方法。
- 澱粉が片栗の根由来の澱粉、馬鈴薯澱粉、トウモロコシ澱粉、小麦澱粉、米澱粉、豆類由来の澱粉、サツマイモ澱粉、タピオカ澱粉から選択される1種以上である請求項1記載のとろみソースの製造方法。
- 酒類のアルコール含有量が5〜30重量%である請求項1または請求項2記載のとろみソースの製造方法。
- 含有する澱粉と酒類の重量比率が1:0.5〜5である請求項1〜請求項3のいずれか1項記載のとろみソースの製造方法。
- 澱粉粒の崩壊度が1〜30%である請求項1〜請求項4のいずれか1項記載のとろみソースの製造方法。
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR101891247B1 (ko) | 2017-12-29 | 2018-08-24 | 한국식품연구원 | 고춧가루를 포함하는 필름형 소스 및 이의 제조방법 |
JP2019135927A (ja) * | 2018-02-06 | 2019-08-22 | 日清フーズ株式会社 | 馬鈴薯澱粉及び馬鈴薯澱粉組成物 |
-
2015
- 2015-05-13 JP JP2015098067A patent/JP2016208945A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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KR101891247B1 (ko) | 2017-12-29 | 2018-08-24 | 한국식품연구원 | 고춧가루를 포함하는 필름형 소스 및 이의 제조방법 |
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JP7231981B2 (ja) | 2018-02-06 | 2023-03-02 | 株式会社日清製粉ウェルナ | 馬鈴薯澱粉及び馬鈴薯澱粉組成物 |
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